(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-26
(54)【発明の名称】サイドリンク測位における信号のためのタイミング決定
(51)【国際特許分類】
H04W 72/25 20230101AFI20240119BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20240119BHJP
H04W 64/00 20090101ALI20240119BHJP
G01S 13/74 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
H04W72/25
H04W92/18
H04W64/00
G01S13/74
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543011
(86)(22)【出願日】2021-11-29
(85)【翻訳文提出日】2023-07-14
(86)【国際出願番号】 US2021061023
(87)【国際公開番号】W WO2022164502
(87)【国際公開日】2022-08-04
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】チャン-シク・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ダン・ヴァシロフスキー
(72)【発明者】
【氏名】カピル・グラティ
【テーマコード(参考)】
5J070
5K067
【Fターム(参考)】
5J070AC01
5J070AC02
5J070AC11
5J070BC05
5K067AA03
5K067DD17
5K067EE02
5K067EE25
5K067LL11
(57)【要約】
複数のユーザ機器(UE)間の測距セッションは、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々の識別子(ID)を含む初期メッセージを使用して開始される。測距セッションにおける各UEは、初期メッセージの中のUE IDに基づいて、測距セッションにおける各UEのためのシグナリングのタイミングインスタンスを独立に決定する。測距信号の識別子などのシグナリング情報は同様に、UE IDに基づいて各UEによって独立に決定され得る。初期メッセージにおいて提供されるUE IDの順序および応答側UEの数は、シグナリングのタイミングインスタンスおよびシグナリング情報を決定するためにも使用され得る。UEは、たとえば、UE IDとともに一般的な多変数決定論的関数を入力として使用して、測距セッションにおけるUE自体および他のUEのためのタイミングインスタンスを各々別々に導出し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開始側ユーザ機器(UE)によって実行されるUE間で距離を測る方法であって、
測距セッションを開始するために初期メッセージを1つまたは複数の応答側UEに送信するステップであって、前記初期メッセージが、前記開始側UEの識別子(ID)および前記1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを備える、ステップと、
前記開始側UEの前記IDおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々の前記IDに基づいて、前記開始側UEおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々からの前記測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するステップと、
前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記決定されたタイミングインスタンスを使用して、前記1つまたは複数の応答側UEの各々との前記測距セッションを実行するステップとを備える、方法。
【請求項2】
前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記タイミングインスタンスを決定するステップが、前記開始側UEの前記IDおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々の前記IDに基づいて前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記タイミングインスタンスを決定するために多変数決定論的関数を使用するステップを備え、前記1つまたは複数の応答側UEの各々が、前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記タイミングインスタンスを決定するために前記多変数決定論的関数を使用し、前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記タイミングインスタンスが一意に決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記タイミングインスタンスを決定するステップがさらに、前記開始側UEおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々の前記IDの順序に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記開始側UEの前記IDおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々の前記IDに基づいて、前記開始側UEおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々のための前記測距セッションにおける測距信号識別子を決定するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記初期メッセージがさらに、前記開始側UEの前記IDおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々の前記IDを入力として使用する関数を使用して、前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記タイミングインスタンスが決定されることの指示を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記初期メッセージがさらに、前記開始側UEによってブロードキャストされるべき測距信号のためのチャネルの指示を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記初期メッセージが前記測距セッションのためのタイミング情報を含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記測距セッションを実行するステップが、
前記決定されたタイミングインスタンスに基づいて前記1つまたは複数の応答側UEの各々から初期応答メッセージを受信するステップと、
測距信号をブロードキャストするステップと、
前記1つまたは複数の応答側UEの各々によってブロードキャストされる応答測距信号を受信するステップと、
前記決定されたタイミングインスタンスに基づいて前記1つまたは複数の応答側UEの各々に測距後信号メッセージを送信するステップと、
前記決定されたタイミングインスタンスに基づいて前記1つまたは複数の応答側UEの各々から応答測距後信号メッセージを受信するステップと、
前記1つまたは複数の応答側UEの各々までの距離を決定するステップとを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記測距後信号メッセージが、前記測距信号の出発時間および前記1つまたは複数の応答側UEの各々から受信される前記応答測距信号の到達時間を備え、前記1つまたは複数の応答側UEの各々からの前記応答測距後信号メッセージが、前記測距信号の到達時間および前記1つまたは複数の応答側UEの各々によってブロードキャストされる前記応答測距信号の出発時間を備え、前記1つまたは複数の応答側UEの各々までの前記距離を決定するステップが、前記測距信号の前記出発時間および前記到達時間、ならびに前記応答測距後信号メッセージの前記到達時間および前記出発時間を使用する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記初期メッセージを送信する前に前記1つまたは複数の応答側UEの各々から能力メッセージを受信するステップをさらに備え、各能力メッセージが応答側UEのIDを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ユーザ機器(UE)間で測距セッションを実行するように構成されるUEであって、前記UEが前記測距セッションにおいて開始側UEであり、
ワイヤレスネットワーク中のエンティティとワイヤレスに通信するように構成されるワイヤレストランシーバと、
少なくとも1つのメモリと、
前記ワイヤレストランシーバおよび前記少なくとも1つのメモリに結合される少なくとも1つのプロセッサとを備え、前記少なくとも1つのプロセッサが、
測距セッションを開始するために初期メッセージを1つまたは複数の応答側UEに送信し、前記初期メッセージが、前記開始側UEの識別子(ID)および前記1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを備え、
前記開始側UEの前記IDおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々の前記IDに基づいて、前記開始側UEおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々からの前記測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定し、
前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記決定されたタイミングインスタンスを使用して、前記1つまたは複数の応答側UEの各々との前記測距セッションを実行するように構成される、UE。
【請求項12】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記開始側UEの前記IDおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々の前記IDに基づいて前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記タイミングインスタンスを決定するために多変数決定論的関数を使用するように構成されることによって、前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記タイミングインスタンスを決定するように構成され、前記1つまたは複数の応答側UEの各々が、前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記タイミングインスタンスを決定するために前記多変数決定論的関数を使用し、前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記タイミングインスタンスが一意に決定される、請求項11に記載のUE。
【請求項13】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記開始側UEおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々の前記IDの順序にさらに基づいて、前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記タイミングインスタンスを決定するように構成される、請求項11に記載のUE。
【請求項14】
前記少なくとも1つのプロセッサがさらに、前記開始側UEの前記IDおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々の前記IDに基づいて、前記開始側UEおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々のための前記測距セッションにおける測距信号識別子を決定するように構成される、請求項11に記載のUE。
【請求項15】
前記初期メッセージがさらに、前記開始側UEの前記IDおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々の前記IDを入力として使用する関数を使用して、前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記タイミングインスタンスが決定されることの指示を備える、請求項11に記載のUE。
【請求項16】
前記初期メッセージがさらに、前記開始側UEによってブロードキャストされるべき測距信号のためのチャネルの指示を備える、請求項11に記載のUE。
【請求項17】
前記初期メッセージが前記測距セッションのためのタイミング情報を含まない、請求項11に記載のUE。
【請求項18】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記決定されたタイミングインスタンスに基づいて前記1つまたは複数の応答側UEの各々から初期応答メッセージを受信し、
測距信号をブロードキャストし、
前記1つまたは複数の応答側UEの各々によってブロードキャストされる応答測距信号を受信し、
前記決定されたタイミングインスタンスに基づいて前記1つまたは複数の応答側UEの各々に測距後信号メッセージを送信し、
前記決定されたタイミングインスタンスに基づいて前記1つまたは複数の応答側UEの各々から応答測距後信号メッセージを受信し、
前記1つまたは複数の応答側UEの各々までの距離を決定する
ように構成されることによって、前記測距セッションを実行するように構成される、請求項11に記載のUE。
【請求項19】
前記測距後信号メッセージが、前記測距信号の出発時間および前記1つまたは複数の応答側UEの各々から受信される前記応答測距信号の到達時間を備え、前記1つまたは複数の応答側UEの各々からの前記応答測距後信号メッセージが、前記測距信号の到達時間および前記1つまたは複数の応答側UEの各々によってブロードキャストされる前記応答測距信号の出発時間を備え、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記測距信号の前記出発時間および前記到達時間、ならびに前記応答測距後信号メッセージの前記到達時間および前記出発時間に基づいて、前記1つまたは複数の応答側UEの各々までの前記距離を決定するように構成される、請求項18に記載のUE。
【請求項20】
前記少なくとも1つのプロセッサがさらに、前記初期メッセージが送信される前に前記1つまたは複数の応答側UEの各々から能力メッセージを受信するように構成され、各能力メッセージが応答側UEのIDを備える、請求項11に記載のUE。
【請求項21】
ユーザ機器(UE)間で測距を実行するように構成されるUEであって、前記UEが前記測距セッションにおいて開始側UEであり、
測距セッションを開始するために初期メッセージを1つまたは複数の応答側UEに送信するための手段であって、前記初期メッセージが、前記開始側UEの識別子(ID)および前記1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを備える、手段と、
前記開始側UEの前記IDおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々の前記IDに基づいて、前記開始側UEおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々からの前記測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するための手段と、
前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記決定されたタイミングインスタンスを使用して、前記1つまたは複数の応答側UEの各々との前記測距セッションを実行するための手段とを備える、UE。
【請求項22】
応答側ユーザ機器(UE)によって実行されるUE間で距離を測る方法であって、
測距セッションを開始するために初期メッセージを開始側UEから受信するステップであって、前記初期メッセージが、前記開始側UEの識別子(ID)および1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを備える、ステップと、
前記開始側UEの前記IDおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々の前記IDに基づいて、前記開始側UEおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々からの前記測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するステップと、
前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記決定されたタイミングインスタンスを使用して、前記開始側UEとの前記測距セッションを実行するステップとを備える、方法。
【請求項23】
前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記タイミングインスタンスを決定するステップが、前記開始側UEの前記IDおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々の前記IDに基づいて前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記タイミングインスタンスを決定するために多変数決定論的関数を使用するステップを備え、前記開始側UEおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々が、前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記タイミングインスタンスを決定するために前記多変数決定論的関数を使用し、前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記タイミングインスタンスが一意に決定される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記タイミングインスタンスを決定するステップがさらに、前記開始側UEおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々の前記IDの順序に基づく、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記開始側UEの前記IDおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々の前記IDに基づいて、前記開始側UEおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々のための前記測距セッションにおける測距信号識別子を決定するステップをさらに備える、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記初期メッセージがさらに、前記開始側UEの前記IDおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々の前記IDを入力として使用する関数を使用して、前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記タイミングインスタンスが決定されることの指示を備える、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記初期メッセージがさらに、前記開始側UEによってブロードキャストされるべき測距信号のためのチャネルの指示を備える、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
前記初期メッセージが前記測距セッションのためのタイミング情報を含まない、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
前記測距セッションを実行するステップが、
前記決定されたタイミングインスタンスに基づいて前記開始側UEに初期応答メッセージを送信するステップと、
前記開始側UEによってブロードキャストされる測距信号を受信するステップと、
応答測距信号をブロードキャストするステップと、
前記決定されたタイミングインスタンスに基づいて前記開始側UEから測距後信号メッセージを受信するステップと、
前記決定されたタイミングインスタンスに基づいて前記開始側UEに応答測距後信号メッセージを送信するステップと、
前記開始側UEまでの距離を決定するステップとを備える、請求項22に記載の方法。
【請求項30】
前記開始側UEから受信される前記測距後信号メッセージが、前記測距信号の出発時間および前記応答測距信号の到達時間を備え、前記開始側UEに送信される前記応答測距後信号メッセージが、前記測距信号の到達時間および前記1つまたは複数の応答側UEの各々によってブロードキャストされる前記応答測距信号の出発時間を備え、前記開始側UEまでの前記距離を決定するステップが、前記測距信号の前記出発時間および前記到達時間、ならびに前記応答測距後信号メッセージの前記到達時間および前記出発時間を使用する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記初期メッセージを受信する前に能力メッセージをブロードキャストするステップをさらに備え、前記能力メッセージが前記応答側UEのIDを備える、請求項22に記載の方法。
【請求項32】
ユーザ機器(UE)間で測距セッションを実行するように構成されるUEであって、前記UEが前記測距セッションにおいて応答側UEであり、
ワイヤレスネットワーク中のエンティティとワイヤレスに通信するように構成されるワイヤレストランシーバと、
少なくとも1つのメモリと、
前記ワイヤレストランシーバおよび前記少なくとも1つのメモリに結合される少なくとも1つのプロセッサとを備え、前記少なくとも1つのプロセッサが、
測距セッションを開始するために初期メッセージを開始側UEから受信し、前記初期メッセージが、前記開始側UEの識別子(ID)および1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを備え、
前記開始側UEの前記IDおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々の前記IDに基づいて、前記開始側UEおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々からの前記測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定し、
前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記決定されたタイミングインスタンスを使用して、前記開始側UEとの前記測距セッションを実行するように構成される、UE。
【請求項33】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記開始側UEの前記IDおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々の前記IDに基づいて前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記タイミングインスタンスを決定するために多変数決定論的関数を使用するように構成されることによって、前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記タイミングインスタンスを決定するように構成され、前記開始側UEおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々が、前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記タイミングインスタンスを決定するために前記多変数決定論的関数を使用し、前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記タイミングインスタンスが一意に決定される、請求項32に記載のUE。
【請求項34】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記開始側UEおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々の前記IDの順序にさらに基づいて、前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記タイミングインスタンスを決定するように構成される、請求項32に記載のUE。
【請求項35】
前記少なくとも1つのプロセッサがさらに、前記開始側UEの前記IDおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々の前記IDに基づいて、前記開始側UEおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々のための前記測距セッションにおける測距信号識別子を決定するように構成される、請求項32に記載のUE。
【請求項36】
前記初期メッセージがさらに、前記開始側UEの前記IDおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々の前記IDを入力として使用する関数を使用して、前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記タイミングインスタンスが決定されることの指示を備える、請求項32に記載のUE。
【請求項37】
前記初期メッセージがさらに、前記開始側UEによってブロードキャストされるべき測距信号のためのチャネルの指示を備える、請求項32に記載のUE。
【請求項38】
前記初期メッセージが前記測距セッションのためのタイミング情報を含まない、請求項32に記載のUE。
【請求項39】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記決定されたタイミングインスタンスに基づいて前記開始側UEに初期応答メッセージを送信し、
前記開始側UEによってブロードキャストされる測距信号を受信し、
応答測距信号をブロードキャストし、
前記決定されたタイミングインスタンスに基づいて前記開始側UEから測距後信号メッセージを受信し、
前記決定されたタイミングインスタンスに基づいて前記開始側UEに応答測距後信号メッセージを送信し、
前記開始側UEまでの距離を決定する
ように構成されることによって、前記測距セッションを実行するように構成される、請求項32に記載のUE。
【請求項40】
前記開始側UEから受信される前記測距後信号メッセージが、前記測距信号の出発時間および前記応答測距信号の到達時間を備え、前記開始側UEに送信される前記応答測距後信号メッセージが、前記測距信号の到達時間および前記1つまたは複数の応答側UEの各々によってブロードキャストされる前記応答測距信号の出発時間を備え、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記測距信号の前記出発時間および前記到達時間、ならびに前記応答測距後信号メッセージの前記到達時間および前記出発時間に基づいて、前記開始側UEまでの前記距離を決定するように構成される、請求項39に記載のUE。
【請求項41】
前記少なくとも1つのプロセッサがさらに、前記初期メッセージを受信する前に能力メッセージをブロードキャストするように構成され、前記能力メッセージが前記応答側UEのIDを備える、請求項32に記載のUE。
【請求項42】
ユーザ機器(UE)間で測距セッションを実行するように構成されるUEであって、前記UEが前記測距セッションにおいて応答側UEであり、
測距セッションを開始するために初期メッセージを開始側UEから受信するための手段であって、前記初期メッセージが、前記開始側UEの識別子(ID)および1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを備える、手段と、
前記開始側UEの前記IDおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々の前記IDに基づいて、前記開始側UEおよび前記1つまたは複数の応答側UEの各々からの前記測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するための手段と、
前記測距セッションにおける前記メッセージのための前記決定されたタイミングインスタンスを使用して、前記開始側UEとの前記測距セッションを実行するための手段とを備える、UE。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、「TIMING DETERMINATION FOR SIGNALS IN SIDELINK POSITIONING」という表題の、2021年1月27日に出願された米国非仮出願第17/160,135号の優先権を主張する。
【0002】
本明細書で開示される主題は、ワイヤレス通信システムに関し、より詳細には、分散型のワイヤレス通信システムにおけるユーザ機器の距離決定のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
携帯電話または他のワイヤレス通信デバイスなどのユーザ機器の正確な場所情報を取得することは、通信業界において一般的になりつつある。たとえば、車両または歩行者の高度に正確な位置を取得することが、自律車両運転および歩行者安全の用途に必須である。
【0004】
デバイスの位置を決定するための一般的な手段は、地球周回軌道上にあるいくつかの衛星を利用する、よく知られている全地球測位衛星(GPS)システムまたは全地球航法衛星システム(GNSS)などの衛星測位システム(SPS)を使用することである。しかしながら、いくつかのシナリオでは、たとえば、悪い気象条件において、または、トンネルもしくは複合型駐車場などの衛星信号受信が劣悪なエリアでは、SPSからの位置決定信号に信頼性がないことがあり、またはそれを入手できないことがある。さらに、SPSを使用して生成された場所情報は不正確になりやすい。たとえば、既製のGPS測位デバイスの精度は数メートルであり、これは安全な自律運転およびナビゲーションを保証するには最適ではない。
【0005】
協調運転または自動運転は、直接的であり得る、または、たとえば、路側機(RSU)などのインフラストラクチャコンポーネントを介して間接的であり得る、車両間の通信を必要とする。車両安全の用途では、測位と測距の両方が重要である。たとえば、車両ユーザ機器(UE)が、サイドリンクシグナリングを使用した測位と測距、たとえば、他の車両UEまたは歩行者UEに対する測距信号をブロードキャストして送信機の相対的な位置を決定することを実行し得る。近くの車両に対する相対的な位置または距離を正確かつ適時に知ることにより、自動運転車両は安全に走行し交通状況を切り抜けることが可能になる。往復時間(RTT:round trip time)は、たとえば、送信機間の距離を決定するために一般に使用される技法である。RTTは、第1のデバイスから信号を送信することと第2のデバイスから確認応答を受信することとの間の(処理遅延を引いた)時間が2つのデバイス間の距離(distance)(距離(range))に対応する、双方向メッセージング技法である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
測距セッションの間に、関与するUE間で複数のメッセージが交換される。たとえば、干渉を避けるために、様々なメッセージのタイミングが制御されるべきである。複数の近くのUEが測距セッションに関与している場合、メッセージ交換のためのタイミングを制御するメッセージのオーバーヘッドは、過度に大きくなることがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
複数のユーザ機器(UE)間の測距セッションは、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々の識別子(ID)を含む初期メッセージを使用して開始される。測距セッションにおける各UEは、初期メッセージの中のUE IDに基づいて、測距セッションにおける各UEのためのシグナリングのタイミングインスタンス(timing instance)を独立に決定する。測距信号の識別子などのシグナリング情報は同様に、UE IDに基づいて各UEによって独立に決定され得る。初期メッセージにおいて提供されるUE IDの順序および応答側UEの数は、シグナリングのタイミングインスタンスおよびシグナリング情報を決定するためにも使用され得る。UEは、たとえば、UE IDとともに一般的な多変数決定論的関数を入力として使用して、測距セッションにおけるUE自体および他のUEのためのタイミングインスタンスを各々別々に導出し得る。
【0008】
一実装形態では、開始側ユーザ機器(UE)によって実行されるUE間で距離を測る方法は、測距セッションを開始するために初期メッセージを1つまたは複数の応答側UEに送信するステップであって、初期メッセージが開始側UEの識別子(ID)および1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを備える、ステップと、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々からの測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するステップと、測距セッションにおけるメッセージのための決定されたタイミングインスタンスを使用して、1つまたは複数の応答側UEの各々との測距セッションを実行するステップとを含む。
【0009】
一実装形態では、ユーザ機器(UE)はUE間で測距セッションを実行するように構成され、UEは測距セッションにおいて開始側UEであり、UEは、ワイヤレスネットワークの中のエンティティとワイヤレスに通信するように構成されるワイヤレストランシーバと、少なくとも1つのメモリと、ワイヤレストランシーバおよび少なくとも1つのメモリに結合される少なくとも1つのプロセッサとを含み、少なくとも1つのプロセッサは、測距セッションを開始するために初期メッセージを1つまたは複数の応答側UEに送信し、初期メッセージが開始側UEの識別子(ID)および1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを備え、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々からの測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定し、測距セッションにおけるメッセージのための決定されたタイミングインスタンスを使用して、1つまたは複数の応答側UEの各々との測距セッションを実行するように構成される。
【0010】
一実装形態では、ユーザ機器(UE)はUE間で測距を実行するように構成され、UEは測距セッションにおいて開始側UEであり、UEは、測距セッションを開始するために初期メッセージを1つまたは複数の応答側UEに送信するための手段であって、初期メッセージが開始側UEの識別子(ID)および1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを備える、手段と、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々からの測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するための手段と、測距セッションにおけるメッセージのための決定されたタイミングインスタンスを使用して、1つまたは複数の応答側UEの各々との測距セッションを実行するための手段とを含む。
【0011】
一実装形態では、非一時的記憶媒体にはプログラムコードが記憶されており、プログラムコードは、ユーザ機器(UE)間で測距を実行するようにUEの中の少なくとも1つのプロセッサを構成するように動作可能であり、UEは測距セッションにおいて開始側UEであり、非一時的記憶媒体は、測距セッションを開始するために初期メッセージを1つまたは複数の応答側UEに送信するためのプログラムコードであって、初期メッセージが開始側UEの識別子(ID)および1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを備える、プログラムコードと、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々からの測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するためのプログラムコードと、測距セッションにおけるメッセージのための決定されたタイミングインスタンスを使用して、1つまたは複数の応答側UEの各々との測距セッションを実行するためのプログラムコードとを含む。
【0012】
一実装形態では、応答側UEによって実行されるユーザ機器(UE)間で距離を測る方法は、測距セッションを開始するために初期メッセージを開始側UEから受信するステップであって、初期メッセージが開始側UEの識別子(ID)および1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを備える、ステップと、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々からの測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するステップと、測距セッションにおけるメッセージのための決定されたタイミングインスタンスを使用して、開始側UEとの測距セッションを実行するステップとを含む。
【0013】
一実装形態では、ユーザ機器(UE)はUE間で測距セッションを実行するように構成され、UEは測距セッションにおいて応答側UEであり、UEは、ワイヤレスネットワークの中のエンティティとワイヤレスに通信するように構成されるワイヤレストランシーバと、少なくとも1つのメモリと、ワイヤレストランシーバおよび少なくとも1つのメモリに結合される少なくとも1つのプロセッサとを含み、少なくとも1つのプロセッサは、測距セッションを開始するために初期メッセージを開始側UEから受信し、初期メッセージが開始側UEの識別子(ID)および1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを備え、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々からの測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定し、測距セッションにおけるメッセージのための決定されたタイミングインスタンスを使用して、開始側UEとの測距セッションを実行するように構成される。
【0014】
一実装形態では、ユーザ機器(UE)はUE間で測距セッションを実行するように構成され、UEは測距セッションにおいて応答側UEであり、UEは、測距セッションを開始するために初期メッセージを開始側UEから受信するための手段であって、初期メッセージが開始側UEの識別子(ID)および1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを備える、手段と、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々からの測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するための手段と、測距セッションにおけるメッセージのための決定されたタイミングインスタンスを使用して、開始側UEとの測距セッションを実行するための手段とを含む。
【0015】
一実装形態では、非一時的記憶媒体にはプログラムコードが記憶されており、プログラムコードは、ユーザ機器(UE)間で測距セッションを実行するようにUEの中の少なくとも1つのプロセッサを構成するように動作可能であり、UEは測距セッションにおいて応答側UEであり、非一時的記憶媒体は、測距セッションを開始するために初期メッセージを開始側UEから受信するためのプログラムコードであって、初期メッセージが開始側UEの識別子(ID)および1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを備える、プログラムコードと、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々からの測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するためのプログラムコードと、測距セッションにおけるメッセージのための決定されたタイミングインスタンスを使用して、開始側UEとの測距セッションを実行するためのプログラムコードとを含む。
【0016】
以下の図を参照して、非限定的で非網羅的な態様が説明され、別段に規定されていない限り、様々な図の全体にわたって、同様の参照番号は同様の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】測距シグナリングを含む、分散型UE通信を示すワイヤレス通信システムを示す図である。
【
図2】測距または測位セッションのために開始側UEおよび3つの応答側UEによって送信され受信され得る様々なメッセージのタイミングと周波数を示すシグナリンググラフを示す図である。
【
図3】使用され得る多変数決定論的関数の例を示す図である。
【
図4】測距および/または測位セッションの間のシグナリングのタイミングインスタンスを決定するために決定論的関数を使用する測距手順のシグナリングフローの例を示す図である。
【
図5】測距セッションの間のシグナリングのタイミングインスタンスを決定するために決定論的関数を使用するように構成される、ユーザ機器(UE)のいくつかの例示的な特徴を示す概略ブロック図である。
【
図6】測距セッションにおいて開始側UEによって実行されるUE間の測距の方法を示すフローチャートである。
【
図7】測距セッションにおいて応答側UEによって実行されるUE間で距離を測る方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
車両、路側機(RSU)、および歩行者の測距と測位のために、分散型の手法が使用されてもよく、それは、集中型の基地局が通信を調整して中継する必要をなくし得る。そのような通信は、たとえば、自動運転および車両安全の用途に使用され得る。分散型の手法において使用される通信は、たとえば車両間で、または車両とRSUまたは歩行者との間で直接行われ得る。これらの通信はメッセージおよび情報要素(IE)を含んでもよく、車両はそれらを用いて自動運転のために必要な情報を提供してもよい。
【0019】
たとえば、自動運転車両の安全な動作のためには、他の車両に対する相対的な位置または距離が決定されなければならない。車両間の相対的な場所を導出するために、様々な手法が使用され得る。たとえば、車両の相対的な場所は、測距シグナリングを使用して導出され得る。測距信号は、物理測距信号、測位測距信号、測位参照信号、または物理参照信号と呼ばれることがあり、本明細書ではまとめてPRS信号と呼ばれ得る。PRS信号は、たとえば、専用短距離通信(DSRC)、cellular Vehicle-to-Everything(C-V2X)通信、およびさらには5G New Radio(NR)通信などの直接通信システムを使用して、V-UEと呼ばれることがある車両の中のユーザ機器(UE)によってブロードキャストされ、他のV-UEおよび/もしくはインフラストラクチャ、たとえばRSU、または歩行者により携帯されるUEによって受信され得る。PRS信号は、たとえば片方向測距、往復時間(RTT)測位動作、または、到達時間(TOA)、到達時間差(TDOA)、または観測到達時間差(OTDOA)などの他の標準的な測位動作を使用して、ブロードキャストしている車両までの距離を決定するために使用される。
【0020】
分散型のシステムでは、個々のUEは、他のUEに直接送信されるメッセージおよび測位信号を使用して、近くにある他のUEに関して距離を測ることが可能である。RTTベースの測距セッションでは、たとえば、複数のメッセージおよび信号が各UEによって送信され受信される。たとえば、測距セッションを要求して受け入れるために、測距前信号メッセージ(pre-PRSメッセージ)の初期のセットが送信および受信され、測定のための測距信号(PRS信号)のブロードキャストがそれに続き、測定ペイロードを交換する測距後信号メッセージ(post-PRSメッセージ)のセットがそれに続く。RTTベースの測距および測位では、たとえば、送信され受信されるPRS信号の到達時間(TOA)および出発時間(TOD)測定結果が、post-PRSメッセージにおいて提供され、UE間の距離を決定するために各ペアUEによって使用され得る。pre-PRSメッセージおよびpost-PRSメッセージは信頼性を保証するために免許スペクトルを介して送信され得るが、PRS信号は免許不要スペクトルを介してブロードキャストされ得る(たとえば、たとえばUNI-IIIスペクトルにおいて、利用可能な帯域幅がより広くなるように)。
【0021】
測距セッションは、1つの開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEを含み得る。ワイヤレスネットワークの中のgNBまたは基地局の助けなしで測距セッションを開始するために、開始側UEは、1つまたは複数の応答側UEによって受信されるpre-PRSメッセージをブロードキャストする。従来、開始側PRSによってブロードキャストされるpre-PRSメッセージは、様々なメッセージのための識別、シグナリング、およびタイミング情報を含む、測距セッションに関わるために必要な情報を含む。例として、開始側UEによってブロードキャストされるpre-PRSメッセージは従来、UE IDと本明細書で呼ばれることがある、開始側UEのためのLayer 2(L2)識別子、および、開始側UEがそれとの距離を測ることを選ぶ他のUEのUE IDのセットなどの、識別情報を含む。pre-PRSメッセージはさらに、UEのためのPRSブロードキャストの順序、PRS帯域幅またはチャネル、開始側UEのPRSシーケンスID(すなわち、PRS ID)、および他のUEのPRS IDなどの、シグナリング情報を含む。pre-PRSメッセージはさらに、すべての応答側UEのためのpre-PRS、PRS、post-PRSを含む様々なメッセージに対するタイミング指示を含む。
【0022】
見てわかるように、pre-PRSメッセージは比較的大きいオーバーヘッドを有し得る。その上、いくつかの応答側UEが測距セッションに含まれるとき、開始側UEによってブロードキャストされるpre-PRSメッセージは、サイズが大幅に増大し得る。複数の測距または測位セッションが別々に開始される場合、比較的大きいpre-PRSメッセージの競合の可能性がある。したがって、測距メッセージを開始するために開始側UEによって送信されるpre-PRSメッセージのサイズを減らすのが望ましい。
【0023】
したがって、ある実装形態では、本明細書で論じられるように、開始側UEは、開始側UEおよび応答側UEのIDを含む初期pre-PRSメッセージを1つまたは複数の応答側UEに送信し得る。各UEは、測距セッションにおける残りのメッセージのためのタイミングインスタンス、たとえば、応答側UEの各々のためのpre-PRSメッセージのタイミングインスタンス、PRSのブロードキャストのタイミングインスタンス(免許不要スペクトル上の場合は推定される)、およびpost-PRSメッセージのタイミングインスタンスを決定するための入力として、開始側UEおよび応答側UEのIDを使用し得る。たとえば、各UEは、開始側UEおよび応答側UEのIDのベクトル、ならびにIDの順序を、測距セッションにおける残りのメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するための入力として使用する、多変数決定論的関数を使用し得る。各UEは、多変数決定論的関数およびID入力を使用して、UE自体および他のUEのためのタイミングインスタンスを一意に導出する。UEはさらに、多変数決定論的関数およびID入力を使用して、PRSシーケンスIDなどのシグナリング情報を決定し得る。したがって、開始側UEによって送信される初期pre-PRSメッセージは、測距セッションにおける様々なメッセージのための、タイミング指示を、およびいくつかの実装形態では、何らかのシグナリング情報を含む必要がないので、pre-PRSメッセージペイロードのサイズを減らす。
【0024】
図1は、本明細書で説明されるように、測距および/または測位セッションの間のメッセージングのタイミングインスタンスを決定するために決定論的関数を使用する、測距シグナリングを含む分散型通信を示すワイヤレス通信システム100を示す。ワイヤレス通信システム100は、第2の車両として図示されている別のV-UE104とワイヤレスに通信している第1のワイヤレスデバイス、たとえばV-UE102を伴う第1の車両102を示す。V-UE102およびV-UE104は、車載ユニット(OBU)、車両もしくはそのサブシステム、または他の様々な通信デバイスを備え得るが、それらに限定されない。V-UE102および104は、関連する車両の代わりに機能し、通信を提供し、したがって、本明細書では、単に車両102および104またはUE102および104と呼ばれることがあり得る。第1の車両102および第2の車両104は、たとえば、図示されない他の車両とともに道路上を走行している2つの車両であり得る。
【0025】
ワイヤレス通信システム100は、たとえば、Vehicle-to-Everything(V2X)通信規格を使用してもよく、それを用いて、車両とワイヤレス通信ネットワーク内の他のエンティティとの間で情報が移される。V2Xサービスは、たとえば、Vehicle-to-Vehicle(V2V)、Vehicle-to-Pedestrian(V2P)、Vehicle-to-Infrastructure(V2I)、およびVehicle-to-Network(V2N)のためのサービスを含む。V2X規格は、Advanced Driver Assistance System(ADAS)などの自動または準自動運転システムを開発することが目的であり、ADASは、車線変更、速度変更、追い越し速度などの重要な判断について運転手を助け、本明細書で論じられるように駐車を支援するために使用され得る。低レイテンシ通信がV2Xにおいて使用されるので、たとえば、片方向測距、RTT、TDOAなどの測距信号を使用した、正確な相対的測位に適している。
【0026】
一般に、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))TS 23.285において定義されるような、V2Xサービスのための2つの動作モードがある。一方の動作モードは、V2Xエンティティとき、V2Xエンティティ間で直接のワイヤレス通信を使用し、これはサイドリンク通信と呼ばれることがあり得る。他方の動作モードは、エンティティ間でネットワークベースのワイヤレス通信を使用する。2つの動作モードは組み合わせられてもよく、または望まれる場合は他の動作モードが使用されてもよい。
【0027】
ワイヤレス通信システム100は、車両102と車両104との間の直接的または間接的なワイヤレス通信を使用して動作し得る。たとえば、ワイヤレス通信は、たとえば、3GPP TS 23.303において定義されているProximity-based Services(ProSe) Direction Communication(PC5)基準点を介してもよく、IEEE1609、Wireless Access in Vehicular Environments(WAVE)、高度道路交通システム(Intelligent Transport Systems(ITS))、およびIEEE802.11pのもとでの5.9GHzのITS帯域上のワイヤレス通信を使用するか、またはエンティティ間で直接、他のワイヤレス接続を使用してもよい。したがって、示されるように、車両102および車両104は、Vehicle-to-Vehicle(V2V)通信リンク103を使用して直接通信し得る。車両102および車両104は同様に、Vehicle-to-Infrastructure(V2I)通信リンク107および109をそれぞれ介して、路側機(RSU)110と直接通信し得る。RSU110は、たとえば、V2Xアプリケーションをサポートしてもよく、かつV2Xアプリケーションをサポートする他のエンティティとメッセージを交換することができる、固定インフラストラクチャエンティティであり得る。RSUは、V2Xアプリケーション論理を、eNB、ng-eNB、またはeLTE(eNB-type RSUと呼ばれる)もしくはgNB、またはUE(UE-type RSUと呼ばれる)などの、RANの中の基地局の機能と組み合わせ得る、論理エンティティであり得る。車両102、104およびRSU110は、直接通信リンクを使用して、追加の車両、RSU、または歩行者114により携帯されるUE112などの追加のエンティティと通信し得る。たとえば、車両102はV2V通信リンク113を介してUE112と通信してもよく、車両104はV2V通信リンク115を介してUE112と通信してもよく、RSU110はV2I通信リンク117を介してUE112と通信してもよい。
【0028】
V2Xワイヤレス通信システム100の中の1つまたは複数のエンティティとの直接通信の間に、各エンティティは、V2Xエンティティの識別子などのV2X情報、ならびに他の情報を、たとえばADASまたは安全用途のために使用され得る、Common Awareness Messages(CAM)およびDecentralized Notification Messages(DENM)またはBasic Safety Message(BSM)などのメッセージにおいて提供し得る。
【0029】
他の実装形態では、車両102および車両104は、たとえば、それぞれV2I通信リンク107および109を介してRSU110を通じて、または、たとえばcellular vehicle-to-everything(CV2X)を使用して他のネットワークインフラストラクチャ(図示されず)を通じて、互いに間接的に通信し得る。たとえば、車両は、LTEワイヤレスアクセスにおけるevolved Node B(eNB)もしくは次世代evolved Node B(ng-eNB)、および/または、第5世代(5G)ワイヤレスアクセスにおけるevolved LTE(eLTE)ワイヤレスアクセスもしくはNR Node B(gNB)などの、無線アクセスネットワーク(RAN)の中の基地局を介して通信し得る。
【0030】
車両102および104、ならびにRSU110およびUE112は、pre-PRSメッセージを送信して受信すること、PRSをブロードキャストすること、およびエンティティ間の距離または相対的な場所がそれを用いて決定され得るリンク103、107、109、113、115、または117上でpost-PRSメッセージを送信することを含む、測距/測位セッションに関わり得る。例として、車両102および104によってブロードキャストされるPRSは、たとえばDSRCまたはC-V2Xのために定義されるような、測距に適した任意の信号であり得る。PRSは、免許スペクトルまたは免許不要スペクトル上でブロードキャストされ得る。たとえば、いくつかの実装形態では、PRSは、たとえば、Unlicensed National Information Infrastructure(UNII)-1無線帯域、UNII-2A無線帯域、UNII-2B無線帯域、またはUNII-3無線帯域の1つまたは複数を含む、1つまたは複数のUNII無線帯域でブロードキャストされ得る。免許不要スペクトルでブロードキャストするとき、listen before transmit(LBT)プロトコルが利用され得る。
【0031】
車両102および104がV2Vリンク103においてPRSをブロードキャストする場合、車両102と104との間の距離または相対的な場所は、たとえば片方向測距を使用して直接決定され得る。車両102および104が、V2Iリンク107および109において、またはリンク113および115を介してPRSをブロードキャストする場合、車両102とRSU110またはUE112との間の、および車両104とRSU110またはUE112との間の、距離または相対的な場所は、片方向測距を使用して直接決定され得る。
【0032】
車両102および104とRSU110およびUE112との間の直接ワイヤレス通信は、どのようなネットワークインフラストラクチャも必要とせず、正確な測距または測位に有利である低レイテンシ通信を可能にする。したがって、そのような直接ワイヤレス通信は、たとえば近くの車両またはインフラストラクチャとの、短い距離にわたる測距に対して望ましいことがある。
【0033】
図1に示されるUE、たとえばV-UE102、V-UE104、RSU110、およびUE112のいずれかは、RTTベースの測距などの、測距および/または測位動作を実行するように構成され得る。
【0034】
図2は、例として、測距または測位セッションのために開始側UEおよび3つの応答側UEによって送信され受信され得る様々なメッセージのタイミングと周波数を示すシグナリンググラフ200を示す。たとえば、
図2はRTTベースの測距セッション204を示し、その間に、測距セッションを要求して受け入れるためのpre-PRSメッセージ206、測定のためのPRS信号208、測定ペイロードを交換するためのpost-PRSメッセージ210を含む、いくつかのメッセージが開始側UEと応答側UEとの間で送信される。
図2において、開始側UEからのシグナリングは白いボックスで示されており、第1の応答側UEからのシグナリングは灰色のボックスで示されており、第2の応答側UEからのシグナリングは斜線付きのボックスで示されており、第3の応答側UEからのシグナリングは黒いボックスで示されている。
【0035】
示されるように、開始側UEおよび応答側UEを含むUEは、能力メッセージ202をブロードキャストし得る。能力メッセージは、測距セッションの一部ではないが、選択されたUEとの測距セッションを開始するために開始側UEによって使用され得る情報を含み得る。たとえば、能力メッセージは、UE ID(たとえば、L2 ID)、UEの測距能力、UEが使用するように構成されるチャネルなどを含み得る。
図2は、測距セッション204におけるメッセージと同じ順序を有するものとして能力メッセージ202を示すが、順序は実際には異なっていてもよいことを理解されたい。
【0036】
pre-PRSメッセージ206(たとえば、測距前メッセージ)は、測距セッションを要求して受け入れるためにUEによって使用される。示されるように、pre-PRSメッセージ206は、信頼性を保証するために免許スペクトルで送信され得る。pre-PRSメッセージ206は、無線リソース制御(RRC)接続を用いてブロードキャストまたはユニキャストされ得る。開始側UEは、開始側UEと応答側UEとの間で測距セッションを示すために初期pre-PRSメッセージ206(白いボックスによって示される)をブロードキャストし、これは測距セッションのための情報を提供し得る。たとえば、開始側UEからのpre-PRSメッセージ206は、関与しているUEのID、すなわち開始側IDおよび応答側IDを含み得る。pre-PRSメッセージは、開始側UEによって使用されるPRS ID、およびいくつかの実装形態では、応答側UEによって使用されるべきPRS IDを含み得る。PRS IDが複数のPRS交換にわたって(たとえば、測距セッション204における複数のユニットに対して)固定される場合、開始側UEは、現在のPRS交換に関連するID、たとえばセッションIDを含み得る。開始側UEは、PRS信号208がいつ送信されるかを決定し、これは、たとえば開始側UEにおける上位レイヤから構成され得る。開始側UEは、望まれるPRS送信時間に近いタイムスロット番号を送信することによって、PRSのタイミングを示し得る。いくつかの実装形態では、タイムスロットは、ローカルクロックエラーの影響を受けることがある。いくつかの実装形態では、開始側UEはさらに、応答側UEによって送信されるべきPRSのタイミングを提供し得る。開始側UEはさらに、開始側UEによってPRS信号208をブロードキャストするために使用される周波数を示し得る。たとえば、PRSの周波数は、総帯域幅の利用可能なセットから選択されてもよく、または、PRSの周波数は、干渉を検知することによって、およびその平均の干渉参照信号受信電力(RSRP)が閾値未満であるような1つまたは複数のチャネルを選ぶことによって、選択されてもよい。開始側UEは、それが測距セッション204の間に実行するPRSサイクルの数を示し得る。PRSサイクルの数は、上位レイヤから構成され得る。各PRSサイクルのためのpre-PRSメッセージは、たとえば、要求される総PRSサイクルに関して現在のPRSサイクルを示してもよく、現在のサイクルの数は各サイクルの完了の後でインクリメントする。
【0037】
開始側UEからの初期pre-PRSメッセージは、応答側UEによって受信されて復号され、応答側UEは初期pre-PRSメッセージにおいて特定される。応答側UEは、初期pre-PRSメッセージに肯定応答する応答pre-PRSメッセージ206(灰色の、斜線の、および黒いボックスで示されている)を送信してもよく、これは測距セッションのための情報を追加で提供し得る。たとえば、各応答者UEは、たとえば、開始側UEのPRSタイミングと遅延を足したものに基づいて、そのPRS信号208のタイミングを決定してもよく、その遅延は、ハードウェア制約および干渉レベル、ならびに応答側UEの数および順序に基づき得る。たとえば、遅延は、PRS処理時間が小さく周辺干渉が小さいときには比較的小さいことがあり、PRS処理時間が大きく周辺干渉が大きいときには比較的大きいことがある。応答側UEは、決定されるPRS送信時間に近いタイムスロット番号を送信することによって、そのPRSの決定された時間を示し得る。いくつかの実装形態では、タイムスロットは、ローカルクロックエラーの影響を受けることがある。各応答側UEは、それが使用するPRS IDを示してもよく、または、それが初期pre-PRSメッセージにおいて示されたPRS IDを使用することを示してもよい。PRS IDが複数のPRS交換(たとえば、測距セッション204における複数のPRSサイクル)にわたって固定される場合、応答側UEは、開始側UEからの初期pre-PRSメッセージにおいて受信された、現在のPRS交換に関連するID、たとえばセッションIDを含み得る。各応答側UEはさらに、そのPRS信号208をブロードキャストするために使用される周波数を示し得る。応答側UEは、開始側UE(および他の応答側UE)によって受信され得る、pre-PRSメッセージ206をブロードキャストし得る。いくつかの実装形態では、各応答側UEは、RRC接続とのユニキャストを使用してpre-PRSメッセージ206を送信し得る。
【0038】
PRS信号208は、関与するUEによって交換される。開始側UEおよび応答側UEは、PRS信号の予想されるタイミングを知り、PRS ID(および交換されるとともに使用される任意のセッションID)ならびにPRS信号208をブロードキャストするために使用される周波数を知る。PRS信号208は、LBT制約の影響を受け得る、免許不要スペクトル上でブロードキャストされ得る。たとえば、開始側UEは、初期pre-PRSメッセージ206において示された決定された時間に、そのPRS信号208(白いボックスで示されている)をブロードキャストする。いくつかの実装形態では、開始側UEは、決定された時間と、PRS信号が免許不要スペクトルにおいて展開されるときのLBT制約によるランダムな待機時間とを足した時間において、そのPRS信号をブロードキャストする。いくつかの実装形態では、LBTは、固定時間枠のClear Channel Assessment(CCA)を伴うカテゴリ2 LBT、または可変時間枠のCCAを伴うカテゴリ4 LBTであり得る。開始側UEは、PRS IDに対応するPRS信号を使用し、初期pre-PRSメッセージ206において示された周波数リソースを使用する。開始側UEは、PRS信号がブロードキャストされる時間インスタンス(time instance)を節約し、応答側UEは、PRS信号が受信される時間インスタンスを節約する。いくつかの実装形態では、時間インスタンスは、ローカル時計の誤差の影響を受けることがある。
【0039】
開始側UEと同様に、各応答側UEは、初期pre-PRSメッセージ206において示された決定された時間に、そのPRS信号208(灰色の、斜線の、および黒いボックスで示されている)をブロードキャストする。それがpre-PRSメッセージ206において示した決定された時間に(または開始側UEによって割り当てられた)。いくつかの実装形態では、各応答側UEは、決定された時間と、PRS信号が免許不要スペクトルにおいて展開されるときのLBT制約によるランダムな待機時間とを足した時間において、そのPRS信号をブロードキャストし得る。いくつかの実装形態では、LBTは、固定時間枠のCCAを伴うカテゴリ2 LBT、または可変時間枠のCCAを伴うカテゴリ4 LBTであり得る。各応答側UEは、PRS IDに対応するPRS信号を使用し、そのpre-PRSメッセージ206において示された周波数リソースを使用する。各応答側UEは、そのPRS信号がブロードキャストされる時間インスタンスを節約し、開始側UE(および任意選択で他の応答側UE)は、PRS信号が受信される時間インスタンスを節約する。いくつかの実装形態では、時間インスタンスは、ローカル時計の誤差の影響を受けることがある。
【0040】
したがって、各UEは、そのブロードキャストされるPRS信号の出発時間(ToD)を記録し、他のUEから受信されたPRS信号の到達時間(ToA)を測定する。PRS信号は、たとえばDSRCまたはC-V2Xのために定義されるような、測距に適した任意の信号であり得る。PRS信号は、たとえば、疑似ノイズ(PN)シーケンスである。PRS信号のToAおよびToD分解能は、周波数帯域幅の増大とともに増大する。いくつかの実装形態では、ブロードキャストされ受信されるPRS信号の出発角(AoD)および到達角(AoA)も測定され得る。免許不要スペクトルでブロードキャストすることは、より広い周波数帯域が利用可能になるので、有利である。たとえば、いくつかの実装形態では、PRSは、たとえば、UNII-1無線帯域、UNII-2A無線帯域、UNII-2B無線帯域、またはUNII-3無線帯域の1つまたは複数を含む、1つまたは複数のUNII無線帯域でブロードキャストされ得る。
【0041】
post-PRSメッセージ210は、測定ペイロードを交換するために各UEによって送信される。示されるように、post-PRSメッセージ210は、信頼性を保証するために免許スペクトルで送信され得る。いくつかの実装形態では、post-PRSメッセージ210は、RRC接続を用いてブロードキャストまたはユニキャストされ得る。開始側UEは、そのpost-PRSメッセージ210(白いボックスで示されている)を送信し、それがPRS信号208をいつブロードキャストするか(ToD)、および応答側UEからのPRS信号がいつ受信されたか(ToA)を示す。いくつかの実装形態では、ToAは、そのブロードキャストPRS信号のToDに関する相対的な時間として計算されてもよく、その相対的な時間が与えられてもよい。いくつかの実装形態では、その相対的な時間は、開始側UEおよび応答側UEによって共有される最も近い複数のタイムスケールに近似され得る。いくつかの実装形態では、開始側UEは、知られている場合、post-PRSメッセージ210においてその位置を示すものを提供し得る。たとえば、開始側UEの位置は、そのPRS信号のブロードキャスト時間または応答側UEからのPRS信号の到達時間などの、特定の時間における位置であり得る。
【0042】
開始側UEと同様に、各応答側UEは、測定ペイロードを提供するためにそのpost-PRS信号210(灰色の、斜線の、および黒いボックスで示されている)を送信する。各応答側UEは、それが開始側UEからPRS信号を受信したかどうかを示してもよく、それがPRS信号208をいつブロードキャストするか(ToD)、および開始側UEからの(および任意選択で他の応答側UEからの)PRS信号がいつ受信されたか(ToA)を示してもよい。いくつかの実装形態では、ToDは、開始側UEからのPRS信号のToAに関する(および任意選択で他の応答側UEからのPRSのToAに関する)相対的な時間として計算され得る。いくつかの実装形態では、その相対的な時間は、開始側UEおよび応答側UEによって共有される最も近い複数のタイムスケールに近似され得る。いくつかの実装形態では、応答側UEは、知られている場合、post-PRSメッセージ210においてその位置を示すものを提供し得る。たとえば、提供される応答側UEの位置は、開始側UEからのPRS信号の到達時間またはそのブロードキャストPRS信号の出発時間などの、特定の時間における位置であり得る。
【0043】
post-PRSメッセージを受信した後、開始側UEは、たとえばカルマンフィルタを使用して、その距離(およびいくつかの実装形態ではその位置)を計算してもよく、次いで、上位レイヤによって示される、または開始側UEによって自動的に決定される時間に、pre-PRSメッセージの次のサイクルを送信してもよい。
【0044】
最初のpre-PRSメッセージ206と最後のpost-PRSメッセージ210との間の時間は、測距セッションの時間長であってもよく、たとえば100msecであってもよい。いくつかの実装形態では、pre-PRSメッセージ206、PRS208、およびpost-PRSメッセージ210の複数のインスタンスは、正確さをより高めるために、単一の測距セッション204において使用され得る。
【0045】
開始側UEと応答側UEの両方が、ブロードキャストPRS信号のToDおよびToAに基づいて、それ自体と測距セッションにおける各々の他のUEとの間の距離を決定し得る。たとえば、UEの任意のペア(開始側UEと応答側UEの任意のペアであり得る)間のRTTは、PRSi信号に対するToDiおよびToAi(ここで、第1のUEからブロードキャストされるPRSに対してi=1および第2のUEによってブロードキャストされるPRSに対してi=2)に基づいて、ToD1とToA2の差からToA1とToD2の差を引いたものとして、たとえば次のように決定され得る。
RTT = (ToD1 - ToA2) - (ToA1 - ToD2) 式1
【0046】
RTT値は信号の往復時間であるので、UE1とUE2との間の距離(range)(距離(distance))は、RTT/2cとして決定されてもよく、cは光速である。
【0047】
1つまたは複数のUEの場所が知られている場合、他のUEの場所を決定するために、開始側UEと受信側UEとの間の距離が、UEの1つの既知の場所とともに使用され得るので、測距セッションは測位セッションであり得る。UEの場所は、たとえばpre-PRSメッセージまたはpost-PRSメッセージにおいて、メッセージングを通じて他のUEに提供され得る。複数のUEの場所が知られている場合、残りのUEの場所を決定するためにマルチラテレーションが使用され得る。角度の測定結果、たとえば、AoDおよびAoAが、たとえば測位を支援するために使用され得る。例として、2つのUEの間の距離および測定されたAoAに基づいて、2つのUEの相対的な場所が決定され得る。決定されたUEの相対的な場所を用いて、UEのうちの一方の実際の場所(たとえば、pre-PRSメッセージ206またはpost-PRSメッセージ210において提供され得る)が知られている場合、他方のUEの実際の場所が決定され得る。2つのUEの場所が第3のUEによって知られている場合、第3のUEと他の2つのUEの各々との間の距離は、第3のUEの2つのあり得る場所を生み出し、これはAoD/AoA情報に基づいて解決され得る。AoDは、たとえばAoAの分解能が低い、または不正確である場合に、有用であり得る。AoDは、たとえばUEの既知の向き(たとえば、磁力計によって決定される)、およびUEに対して相対的な(たとえば、ビームフォーミングのために使用されるUEのアンテナアレイに対して相対的な)送信信号の方向に基づいて測定され得る。AoAは、アンテナアレイの異なるアンテナ要素における受信される信号の位相差およびUEの既知の向き(たとえば、磁力計によって決定される)に基づいて測定され得る。加えて、地理的制約は、たとえば、車両ベースのUEのあり得る場所を、道路などの車両が進入可能な場所に制約することによって、測位を支援するために使用され得る。
【0048】
上で論じられたように、開始側UEは、測距セッションにおいて様々なメッセージのために使用されるべき識別情報、シグナリング、およびタイミング情報を含む比較的大きいペイロードサイズを従来は含む、pre-PRSメッセージをブロードキャストする。測距セッションに含まれる複数の応答側UEがあるとき、pre-PRSメッセージのペイロードサイズは、オーバーヘッドおよび他の同時の測距セッションにおけるメッセージとの競合の可能性を大幅に増やすことがある。
【0049】
開始側UEによって送信されるpre-PRSメッセージ206のサイズを減らすために、測距セッションにおける各UEは、開始側UEからpre-PRSメッセージにおいて提供される開始側UEおよび応答側UEのUE IDのベクトルに基づいて、測距セッションにおけるシグナリングのタイミングインスタンスを別々に決定し得る。いくつかの実装形態では、PRS識別子または他のシグナリング情報などの追加の情報は、pre-PRSメッセージにおいて提供されるUE IDのベクトルに基づいて、各UEによって別々に決定され得る。各UEがシグナリングのためのタイミングインスタンス(およびシグナリング情報)を別々に決定する場合、初期pre-PRSメッセージ206は、この情報を明確に含まないので、開始側UEによって送信されるpre-PRSメッセージ206のサイズが大幅に減る。
【0050】
たとえば、多変数決定論的関数は、開始側UEからのpre-PRSメッセージのペイロードサイズを減らすために、各UEによって共有され使用され得る。多変数決定論的関数は、たとえば、測距セッションにおけるシグナリングの固有のタイミングインスタンスを生成するために、pre-PRSメッセージ206において開始側UEによって提供されるUE IDのベクトルを使用し得る。開始側UEは、たとえば各応答側UEによって送信される能力メッセージ202から、UE IDを取得し得る。能力メッセージ202はさらに、応答側UEのタイミング決定能力(たとえば、UEが測距セッションにおけるメッセージのタイミングを決定するために多変数決定論的関数を使用することが可能であるかどうか)の指示を含み得る。いくつかの実装形態では、UE IDのベクトルにおけるUE IDの順序が、固有のタイミングインスタンスの生成に寄与し得る。多変数決定論的関数は、たとえば、ハッシュ関数、または、入力データのセット(たとえば、UE IDのベクトル)を測距セッションにおけるすべてのサポートメッセージのためのタイミング情報と対応付ける他のタイプの関数であり得る。当業者により生成され得るような、あらゆる望ましい多変数決定論的関数が使用されてもよいが、それは入力のセットごとに出力の1対1のマッピング(可逆)を提供しなければならない。多変数決定論的関数は可逆であり得るので、それは、再現可能な方式で入力のセットから出力のセットを一意に生み出し(たとえば、(1,2,3)=f(4,5,6)、(1,2,4)=f(4,5,8))、入力値を出力値から一意に推測でき、たとえば、マッピングを逆にすることができる。入力および出力はベクトルであってもよく、関数fはベクトル空間における可逆関数として動作してもよい。
【0051】
例として、多変数決定論的関数は、UE IDのベクトルを入力として使用して、次のように書かれてもよい。
F(a, b, c, d, e, f, ...) = (x, y, z, w, v, ...) 式2
【0052】
ここで、(a,b,c,d,e,f,...)は、多変数決定論的関数Fへの入力(開始側UEからのpre-PRSメッセージにおいて提供されるような開始側UE IDおよび応答側UE IDを含むUE IDのベクトルなど)であり、(x,y,z,w,v,...)は、多変数決定論的関数Fの出力(PRS IDなどの測距セッションおよびシグナリング情報における残りのシグナリングのためのタイミングインスタンスなど)である。
【0053】
図3は、使用され得る多変数決定論的関数Fの例を示す。たとえば、多変数決定論的関数Fへの入力は、たとえば、開始側UEのL2 ID(24ビット)、応答側UEの数M(これはIDのベクトルにおいて暗に示される)、応答側UE R1-RMのL2 ID(24*Mビット、Mは応答側UEの数である)、および応答側UEの具体的な順序(これはIDのベクトルにおいて暗に示される)を含む、UE IDのベクトル302として提供され得る。
【0054】
矢印305により示されるように、多変数決定論的関数Fは、入力を多変数決定論的関数Fの出力と対応付け、たとえば、各応答側UEのためのpre-PRSメッセージ206ブロードキャストタイミングを含むpre-PRSメッセージ206のためのブロードキャスト時間インスタンス304(スロット番号のための整数)、PRS信号208のPRS ID306(開始側UEおよび応答側UEのPRS IDのための整数)、開始側UEのためのPRS信号208のブロードキャストタイミング308(スロット番号のための整数、これはLBT制約により免許不要スペクトルが使用される場合は近似であり得る)、開始側UEおよび各応答側UEのためのpost-PRSメッセージ210ブロードキャストタイミングを含むpost-PRSメッセージ210のためのブロードキャスト時間インスタンス310(スロット番号のための整数)を含み得る。いくつかの実装形態では、ブロードキャストタイミング308は、たとえば免許スペクトルが使用される場合は、応答側UEからのPRS信号208を含んでもよく、または、LBT制約により免許不要スペクトルが使用される場合は近似であってもよい。
【0055】
測距セッションにおいてすべてのUEにより共有される多変数決定論的関数を使用することで、エラーの危険性をほとんどまたはまったく伴わずに、各UEが測距セッションにおけるサポートメッセージのタイミング情報を別々に生み出すことが可能になる。したがって、開始側UEによってブロードキャストされるpre-PRSメッセージ206のサイズを大幅に減らすことができ、それにより、他の測距セッションからのメッセージとの競合が減るので、より信頼性を高めながらスケーラビリティを向上させることが可能になる。
【0056】
図4は、本明細書で説明されるような、測距および/または測位セッションの間のシグナリングのタイミングインスタンスを決定するために決定論的関数を使用する測距手順のシグナリングフロー400の例を示す。測距手順は、開始側UE1 402および複数の応答側UEであるUE2 404、UE3 406、およびUE4 408を含む。開始側UEおよび応答側UE 402、404、406、および408は、
図1において説明されたように、車両ベースのUE(V-UE)102および104、RSU110またはUE112の1つまたは複数と同様であり得る。
図4は、いくつかの応答側UEのためのシグナリングを示すが、望まれる追加の応答側UEまたはより少数の応答側UEが測距セッションに含まれ得る場合、それには
図4に示されるもの追加の(またはより少ない)シグナリングが関与することを理解されたい。示されるように、
図4におけるUE402、404、406、および408の間の通信は、エンティティ間の直接の通信であってもよく、エンティティ間でメッセージを転送するために、基地局などのインフラストラクチャデバイスが関わらなくてもよい。
【0057】
段階1において、各開始側UE402、ならびに応答側UE404、406、および408が、他の近くのUEによって受信される能力メッセージをブロードキャストする。能力メッセージは、測距セッションの一部ではなくてもよいが、選択されたUEとの測距セッションを開始するために開始側UEによって使用され得る情報を含み得る。たとえば、能力メッセージは、UE ID(たとえば、L2 ID)、UEの測距能力、UEが使用するように構成されるチャネル、およびタイミング決定能力の指示(たとえば、UEが測距セッションにおけるメッセージのタイミングを決定するために多変数決定論的関数を使用することが可能かどうか)を含み得る。複数の多変数決定論的関数が利用可能である場合、能力メッセージは、UEがどの多変数決定論的関数を実行するように構成されるかを示し得る。段階1における能力メッセージは、UEによって定期的にブロードキャストされ得る。
【0058】
段階2において、開始側UE1 402が、選択された応答側UE404、406、および408との測距セッションを要求するために、pre-PRSメッセージを準備してブロードキャストする。pre-PRSメッセージは、免許スペクトルを介してブロードキャストされ得る。上で論じられたように、開始側UE1 402によって準備されブロードキャストされたpre-PRSメッセージは、開始側UE1 402と応答側UE 404、406、および408のUE ID(たとえば、L2 ID)、ならびに、開始側UE1 402のためのPRS帯域幅またはチャネルなどのシグナリング情報、ならびにいくつかの実装形態では、開始側UE1 402と応答側UE404、406、および408のPRS IDなどの情報を含み得る。開始側UE1 402からのpre-PRSメッセージは、タイミングインスタンスを決定するためにどの多変数決定論的関数が応答側UEによって使用されるべきかの指示(たとえば、複数の利用可能な多変数決定論的関数がある場合)を含んでもよいが、測距セッションにおけるシグナリングのためのタイミング情報を含まず、PRS IDなどの何らかのシグナリング情報を含まなくてもよい。いくつかの実装形態では、pre-PRSメッセージはさらに、たとえば知られている場合、開始側UE1 402の現在の場所を含み得る。
【0059】
段階3A、3B、3C、および3Dを含む段階3において、各UE402、404、406、および408が、段階2においてpre-PRSメッセージで提供された開始側UE1 402と応答側UE404、406、および408のUE IDに基づいて、測距セッションにおけるメッセージのタイミングインスタンスを決定する。いくつかの実装形態では、UE IDのベクトルは、応答側UE404、406、および408からの(およびいくつかの実装形態では、開始側UE1 402からの)pre-PRSメッセージのタイミングインスタンス、開始側UE1 402からの(およびいくつかの実装形態では、応答側UE404、406、および408からの)PRSのタイミングインスタンスまたは概略的なタイミングインスタンス、ならびに開始側UE1 402と応答側UE404、406、および408からのpost-PRSメッセージのタイミングインスタンスなどの、測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するために使用され得る。加えて、開始側UE1 402と応答側UE404、406、および408のPRS IDなどのシグナリング情報は、段階2においてpre-PRSメッセージで提供された開始側UE1 402と応答側UE404、406、および408のUE IDに基づいて決定され得る。いくつかの実装形態では、UE IDの順序および/または応答側UEの数が、測距セッションにおけるシグナリングのタイミングインスタンスを決定するために使用され得る。固有のタイミングインスタンス(および任意選択でPRS ID)が、ハッシュ関数または他の同様の関数などの、共有される多変数決定論的関数を使用して各UEによって別々に決定され得る。開始側UE1 402による段階3Aは、段階2においてpre-PRS開始メッセージをブロードキャストした後に実行されるものとして示されているが、いくつかの実装形態では、開始側UE1 402は、段階2の前に段階3Aを実行してもよく、多変数決定論的関数によって決定される固有のタイミングインスタンスと調和して段階2からのpre-PRSメッセージをブロードキャストしてもよいことを理解されたい。その上、段階2からのpre-PRSメッセージが決定された固有のタイミングインスタンスでブロードキャストされる場合、応答側UE404、406、および408は同様に、多変数決定論的関数と、開始側UE1 402および他の応答側UEとのクロック整合のためのpre-PRSメッセージの受信の時間とを使用して、開始側UE1 402からのpre-PRSメッセージのための固有のタイミングインスタンスを決定し得る。
【0060】
段階4において、各応答側UE404、406、および408が、初期pre-PRSメッセージに応答して、段階3B、3C、および3Dにおいて決定された各応答側UEのための固有の時間インスタンスにおいて、pre-PRSメッセージをブロードキャストする。応答pre-PRSメッセージは、たとえば、段階2からの開始pre-PRSメッセージに肯定応答してもよく、応答側UEによって使用されるPRS帯域幅またはチャネルなどのシグナリング情報を提供してもよい。段階4のpre-PRSメッセージは、免許スペクトルで送信され得る。いくつかの実装形態では、応答側UEによってブロードキャストされるpre-PRSメッセージのいずれもが、知られている場合、応答側UEの現在の場所をさらに含み得る。
【0061】
段階5において、PRS信号が、開始側UE1 402ならびに応答側UE404、406、および408によってブロードキャストされる。PRS信号は、広い周波数帯域を使用するために、免許不要スペクトルでブロードキャストされ得る。たとえば開始側UE1 402からの第1のPRS信号は、段階3において一意に決定された時間インスタンスにおいてブロードキャストされ得る。たとえば応答側UE404、406、および408からの後続のPRS信号は、たとえば段階3において決定されたように、たとえばUE IDのベクトルに基づいて、およびLBT制約に基づいて、指定された順序でブロードキャストされ得る。代替として、たとえば応答側UE404、406、および408からの後続のPRS信号は、段階3において一意に決定される時間インスタンスにおいてブロードキャストされてもよく、たとえば、これは、PRS信号が免許不要スペクトルでブロードキャストされる場合、近似的な時間インスタンスであってもよい。各々のブロードキャストするUEは、ブロードキャストPRS信号のToDを、およびいくつかの実装形態では、PRS信号のAoDを記録し、各々の受信するUEは、各々の受信されたPRS信号のToAを、およびいくつかの実装形態では、各々の受信されたPRS信号のAoAを記録する。
【0062】
段階6において、post-PRSメッセージが、段階3A、3B、3C、および3Dにおいて決定された各UEのための固有の時間インスタンスにおいて、開始側UE1 402ならびに応答側UE404、406、および408によってブロードキャストされる。post-PRSメッセージは、たとえば、免許スペクトルで送信され得る。各UEからのpost-PRSメッセージは、UEによってブロードキャストされるPRS信号のToDを、およびいくつかの実装形態ではAoDを示し、さらに、UEによって受信される各PRS信号のToAを、およびいくつかの実装形態ではAoAを示す。
【0063】
段階7A、7B、7C、および7Dを含む段階7において、開始側UE1 402ならびに各応答側UE404、406、および408は、段階5においてブロードキャストされたPRS信号のToDおよびToAに基づいて、それ自体と測距セッションにおける他のUEとの間の距離を決定する。たとえば、距離は、PRSi信号のためのToDiとToAiに基づいて次のように決定され得る(第1のUEからのPRSブロードキャストに対してはi=1であり、第2のUEからのPRSブロードキャストに対してはi=2である)。
【0064】
【0065】
1つまたは複数のUEの場所が知られている、たとえば段階2もしくは4でpre-PRSメッセージにおいて提供される場合、および/またはPRS信号のAoAもしくはAoDなどの角度情報、および/または街路位置などの地理的情報が知られている場合、UEの相対的な場所または実際の場所は、たとえば、マルチラテレーション、ならびにPRS信号および地理的情報のAoAまたはAoDに従った制約を使用して決定され得る。
【0066】
いくつかの実装形態では、段階2~7は、より正確さを高めるために、測距セッションの間に、pre-PRSメッセージ、PRS、およびpost-PRSメッセージの複数のインスタンスに対して繰り返されてもよい。
【0067】
図5は、ユーザ機器(UE)500のいくつかの例示的な特徴を示す概略ブロック図を示し、UE500は、
図1に示されるような、車両102もしくは104の中のUE、RSU110、または歩行者114により携帯されるUE112、または
図4に示される任意のUEであってもよい。UE500は、測距セッションにおいて開始側UEまたは応答側UEとして働くように構成されてもよく、測距セッションにおいて、本明細書で論じられるように、決定論的関数が測距セッションの間のシグナリングのタイミングインスタンスを決定するために使用される。UE500がV-UEである場合、それは、車両、たとえば車両102の自動運転を制御するように構成され得る。たとえば、UE500は、それを通じて自動運転のために車両に命令が与えられ、速度および加速度を含む検知入力が車両からUE500に提供され得る、車両インターフェース505を含み得る。たとえば、UE500は、1つまたは複数のプロセッサ502、メモリ504、グローバルもしくはローカル参照フレームに関する向き、および車両の運動または1つまたは複数の運動特性を検出するために使用され得る、たとえば、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計などを含み得る慣性測定ユニット(IMU)507、たとえばGPS位置を決定するための衛星測位システム(SPS)受信機509、ならびに、非一時的コンピュータ可読媒体520およびメモリ504への1つまたは複数の接続506(たとえば、バス、線、ファイバ、リンクなど)と動作可能に結合され得る、たとえば、ワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWAN)トランシーバ510およびワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)トランシーバ514を含む外部インターフェースを含み得る。UE 500は、たとえば、ディスプレイ、キーパッド、または、ユーザがそれを通じてユーザデバイスとインターフェースし得る、ディスプレイ上の仮想キーパッドなどの他の入力デバイスを含み得るユーザインターフェースなどの、示されない追加の項目をさらに含み得る。いくつかの例示的な実装形態では、UE500のすべてまたは一部は、チップセットなどの形態であり得る。
【0068】
トランシーバ510は、たとえば、
図1に示されるような、ワイヤレスネットワークにおいて直接通信を送信して受信するように構成されるセルラートランシーバであり得る。トランシーバ510は、1つまたは複数のタイプのワイヤレス通信ネットワークを介して1つまたは複数の信号を送信することが可能にされた送信機511、および1つまたは複数のタイプのワイヤレス通信ネットワークを介して送信される1つまたは複数の信号を受信するための受信機512を含み得る。トランシーバ514は、たとえば、短距離トランシーバであってもよく、
図1に示されるような、ワイヤレスネットワークにおいて直接通信を送信して受信するように構成されてもよい。トランシーバ514は、1つまたは複数のタイプのワイヤレス通信ネットワークを介して、PRS信号およびpre-PRSメッセージおよびpost-PRSメッセージを含む、1つまたは複数の信号を送信することが可能にされた送信機515、ならびに、1つまたは複数のタイプのワイヤレス通信ネットワークを介して送信される、たとえばPRSメッセージおよびpre-PRSメッセージおよびpost-PRSメッセージを含む、1つまたは複数の信号を受信するための受信機516を含み得る。トランシーバ510および514は、UE500がDSRC、C-V2X、または5G NRなどのD2D通信リンクを使用して輸送エンティティと通信することを可能にする。
【0069】
いくつかの実施形態では、UE500は、内部または外部にあり得るアンテナ509を含み得る。アンテナ509は、トランシーバ510および/またはトランシーバ514によって処理される信号を送信および/または受信するために使用され得る。いくつかの実施形態では、アンテナ509は、トランシーバ510および/またはトランシーバ514に結合され得る。いくつかの実施形態では、UE500によって受信(送信)される信号の測定は、アンテナ509ならびにトランシーバ510および/またはトランシーバ514の接続点で実行され得る。たとえば、受信される(送信される)RF信号測定の測定基準点は、受信機512、516(送信機511、515)の入力(出力)端子およびアンテナ509の出力(入力)端子であってもよい。複数のアンテナ509またはアンテナアレイをもつUE500では、アンテナコネクタが、複数のアンテナの集約出力(入力)を表す仮想的な点であると見なされ得る。複数のアンテナまたはアンテナアレイにおける受信される信号の位相差が、アンテナアレイに関する信号のAoAを決定するために使用されてもよく、これは、UE500の既知の向きに基づいて、たとえばIMU507により測定されるようなグローバルまたはローカル参照フレームへのUE500の向きに基づいて、ローカルまたはグローバル参照フレームに変換され得る。
【0070】
1つまたは複数のプロセッサ502は、ハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェアの組合せを使用して実装され得る。たとえば、1つまたは複数のプロセッサ502は、媒体520および/またはメモリ504などの非一時的コンピュータ可読媒体上で1つまたは複数の命令またはプログラムコード508を実装することによって、本明細書で論じられる機能を実行するように構成され得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のプロセッサ502は、UE500の動作に関するデータ信号計算手順またはプロセスの少なくとも一部分を実行するように構成可能な1つまたは複数の回路を表し得る。
【0071】
媒体520および/またはメモリ504は、1つまたは複数のプロセッサ502によって実行されると、本明細書で開示される技法を実行するようにプログラムされた専用コンピュータとして1つまたは複数のプロセッサ502を動作させる実行可能コードまたはソフトウェア命令を含む、命令またはプログラムコード508を記憶し得る。UE500に示されるように、媒体520および/またはメモリ504は、本明細書で説明される方法を実行するように1つまたは複数のプロセッサ502によって実装され得る1つまたは複数のコンポーネントまたはモジュールを含み得る。コンポーネントまたはモジュールは、1つまたは複数のプロセッサ502によって実行可能な媒体520の中のソフトウェアとして示されているが、コンポーネントまたはモジュールはメモリ504に記憶されてもよく、または、1つまたは複数のプロセッサ502の中またはプロセッサの外のいずれかにある専用ハードウェアであってもよいことを理解されたい。
【0072】
いくつかのソフトウェアモジュールおよびデータテーブルが、媒体520および/またはメモリ504の中に存在してもよく、本明細書で説明される通信と機能の両方を管理するために1つまたは複数のプロセッサ502によって利用されてもよい。UE500に示されるような媒体520および/またはメモリ504の内容の編成は例示的なものにすぎないので、モジュールおよび/またはデータ構造の機能は、UE500の実装形態に応じて様々な方法で組み合わせられ、分離され、かつ/または構築されてもよいことを理解されたい。
【0073】
媒体520および/またはメモリ504は、1つまたは複数のプロセッサ502によって実装されると、たとえば、測距セッションを開始するために、または測距セッションを受け入れるために、トランシーバ514を介してpre-PRSメッセージを生成して送信または受信するように1つまたは複数のプロセッサ502を構成する、pre-PRSモジュール522を含み得る。1つまたは複数のプロセッサ502は、タイミング決定モジュール524を使用して決定される特定のタイミングインスタンスにおいて、トランシーバ514を介してpre-PRSメッセージをブロードキャストするように構成され得る。pre-PRSメッセージは、たとえばUE IDのベクトルに、開始側UEおよび応答側UEのUE IDを含み得る。UE IDは、たとえば、UEによって定期的にブロードキャストされる能力メッセージから取得され得るL2 IDであり得る。開始側UEによって送信されるpre-PRSメッセージは、測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスが開始側UEおよび応答側UEのIDを使用する関数を使用して決定されることの指示を含み得る。pre-PRSメッセージは、UEによってブロードキャストされるべき測距信号のためのチャネルの指示を含んでもよいが、測距セッションのためのどのようなタイミング情報も含まなくてもよい。いくつかの実装形態では、pre-PRSメッセージは、知られている場合、UE500の場所情報を含み得る。
【0074】
媒体520および/またはメモリ504は、1つまたは複数のプロセッサ502によって実装されると、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のUE IDに基づいて、測距セッションにおける開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々からのメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するように、1つまたは複数のプロセッサ502を構成する、タイミング決定モジュール524を含み得る。1つまたは複数のプロセッサ502は、UE IDに基づいて、ならびに、pre-PRSメッセージにおいて提供されるUE IDの順序に基づいて、かつ応答側UEの数に基づいて、測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するように構成され得る。タイミングインスタンスは一意に決定され得る。たとえば、ハッシュ関数などの多変数決定論的関数は、UE IDに基づいて測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するために使用されてもよく、多変数決定論的関数は、測距セッションにおける各UEにより共有され、すなわち共通に使用される。多変数決定論的関数は、UE IDの暗黙的な順序および応答側UEの数を入力として含む、UE IDのベクトルを使用してもよく、pre-PRSメッセージおよびpost-PRSメッセージのタイミングインスタンスを出力してもよい。1つまたは複数のPRS信号のタイミングインスタンス(またはPRSが免許不要スペクトルで送信される場合、概略的なタイミングインスタンス)が、さらに出力され得る。測距セッションにおける各UEのPRS IDなどのシグナリング情報が、さらに出力され得る。
【0075】
媒体520および/またはメモリ504は、1つまたは複数のプロセッサ502によって実装されると、たとえば免許不要スペクトルで、測距信号を他のUEにブロードキャストし、トランシーバ514を介して受信するように、1つまたは複数のプロセッサ502を構成する、PRSモジュール526を含み得る。1つまたは複数のプロセッサ502は、タイミング決定モジュール524を使用して、および/またはPRS信号が免許不要スペクトルでブロードキャストされる場合にはLBT考慮に基づいて決定される、特定のタイミングインスタンスにおいて、または概ねそのタイミングインスタンスにおいて、トランシーバ514を介して測距信号をブロードキャストするように構成され得る。測距信号は、たとえば、本明細書で論じられるようなPRS信号であり得る。1つまたは複数のプロセッサ502は、たとえば、ブロードキャスト測距信号のToDおよび受信された測距信号のToAを測定するように構成されてもよく、ブロードキャスト測距信号のAoDおよび受信された測距信号のAoAを測定するように構成されてもよい。
【0076】
媒体520および/またはメモリ504は、1つまたは複数のプロセッサ502によって実装されると、たとえば、ブロードキャスト測距信号のToD、およびいくつかの実装形態ではAoD、ならびに受信された測距信号のToA、およびいくつかの実装形態ではAoAを含み得る、post-RSメッセージを他のUEに送信し、トランシーバ514を介して受信するように1つまたは複数のプロセッサ502を構成する、post-PRSモジュール528を含み得る。1つまたは複数のプロセッサ502は、タイミング決定モジュール524を使用して決定される特定のタイミングインスタンスにおいて、トランシーバ514を介してpost-PRSメッセージをブロードキャストするように構成され得る。
【0077】
媒体520および/またはメモリ504は、1つまたは複数のプロセッサ502によって実装されると、UE500により測定されpost-PRSメッセージにおいて受信されるような、ブロードキャストされ受信された測距信号のToDおよびToAに基づいて、別のUEへの距離を決定するように1つまたは複数のプロセッサ502を構成する、測距モジュール530を含み得る。プロセッサ502はさらに、マルチラテレーション、または角度情報および地理的情報を使用することなどの本明細書で論じられる他の適切な技法を使用して、たとえばブロードキャストしているUEまでの1つまたは複数の距離およびその位置情報に基づいて、UE500の場所を決定するように構成され得る。
【0078】
媒体520および/またはメモリ504は、1つまたは複数のプロセッサ502によって実装されると、UE ID、たとえばL2 ID、UEが使用するように構成される帯域幅またはチャネル、タイミング決定能力、たとえばUEが決定論的関数を使用して測位セッションにおけるメッセージのタイミングインスタンスを決定できることの指示、およびいくつかの実装形態ではどの決定論的関数をUEが使用するように構成されるかを含む、能力メッセージをブロードキャストし、トランシーバ514を介して受信するように、1つまたは複数のプロセッサ502を構成する、能力モジュール532を含み得る。
【0079】
本明細書で説明される方法は、用途に応じて様々な手段によって実施され得る。たとえば、これらの方法は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはこれらの任意の組合せで実施され得る。ハードウェア実装形態の場合、1つまたは複数のプロセッサ502は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明される機能を実行するように設計された他の電子ユニット、またはそれらの組合せで実装され得る。
【0080】
ファームウェアおよび/またはソフトウェアの実装形態の場合、方法は、本明細書で説明される機能を実行するモジュール(たとえば、プロシージャ、関数など)を用いて実装され得る。命令を有形に具現化する任意の機械可読媒体が、本明細書で説明される方法を実施する際に使用され得る。たとえば、ソフトウェアコードは、1つまたは複数のプロセッサ502に接続され1つまたは複数のプロセッサ502によって実行される非一時的コンピュータ可読媒体520またはメモリ504に記憶されてもよく、1つまたは複数のプロセッサ502によって実行されてもよい。メモリは、1つまたは複数のプロセッサ内に、または1つまたは複数のプロセッサの外部に実装されてもよい。本明細書で使用される「メモリ」という用語は、任意のタイプの長期メモリ、短期メモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、または他のメモリを指し、どのような特定のタイプのメモリもしくはどのような特定の個数のメモリにも限定されるべきではなく、またはメモリが記憶されるどのような特定のタイプの媒体にも限定されるべきではない。
【0081】
ファームウェアおよび/またはソフトウェアで実装される場合、機能は、媒体520および/またはメモリ504などの非一時的コンピュータ可読媒体に1つまたは複数の命令またはプログラムコード508として記憶されてもよい。例は、データ構造を用いて符号化されたコンピュータ可読媒体、および、コンピュータプログラム508を用いて符号化されたコンピュータ可読媒体を含む。たとえば、プログラムコード508が記憶されている非一時的コンピュータ可読媒体は、開示される実施形態に適合する方式で、測距セッションの間のシグナリングのタイミングインスタンスを決定するために決定論的関数を使用する測距セッションをサポートするためのプログラムコード508を含み得る。非一時的コンピュータ可読媒体520は、物理コンピュータ記憶媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であってもよい。限定ではなく例として、そのような非一時的コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気記憶デバイス、または命令もしくはデータ構造の形態の所望のプログラムコード508を記憶するために使用され得るとともに、コンピュータによってアクセスされ得る、任意の他の媒体を備えることができ、本明細書で使用されるディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピーディスク(disk)、およびBlu-ray(登録商標)ディスク(disc)を含み、ここで、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、レーザーを用いてデータを光学的に再生する。上記の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0082】
コンピュータ可読媒体520上での記憶に加えて、命令および/またはデータは、通信装置に含まれる伝送媒体上の信号として提供されてもよい。たとえば、通信装置は、命令およびデータを示す信号を有するトランシーバ510を含んでもよい。命令およびデータは、1つまたは複数のプロセッサに、特許請求の範囲において概説される機能を実装させるように構成される。すなわち、通信装置は、開示された機能を実行するための情報を示す信号をもつ送信媒体を含む。
【0083】
メモリ504は、任意のデータ記憶機構を表し得る。メモリ504は、たとえば、一次メモリおよび/または二次メモリを含み得る。一次メモリは、たとえば、ランダムアクセスメモリ、読取り専用メモリなどを含み得る。この例では、1つまたは複数のプロセッサ502とは別個であるものとして示されているが、一次メモリのすべてまたは一部が、1つまたは複数のプロセッサ502内に設けられてもよく、または別様に1つまたは複数のプロセッサ502と同じ位置にあってもよい/結合されてもよいことを理解されたい。二次メモリは、たとえば、一次メモリと同じもしくは同様のタイプのメモリ、および/または、たとえば、ディスクドライブ、光ディスクドライブ、テープドライブ、ソリッドステートメモリドライブなどの1つまたは複数のデータ記憶デバイスもしくはシステムを含み得る。
【0084】
いくつかの実装形態では、二次メモリは、非一時的コンピュータ可読媒体520を動作可能に受け入れてもよく、または場合によっては非一時的コンピュータ可読媒体520に結合するように構成可能であってもよい。したがって、いくつかの例示的な実装形態では、本明細書で提示される方法および/または装置は、全体的または部分的に、コンピュータ実装可能コード508が記憶されていてもよいコンピュータ可読媒体520の形態を取ってもよく、コンピュータ実装可能コード508は、1つまたは複数のプロセッサ502によって実行される場合、本明細書で説明されるような例示的な動作のすべてまたは部分を実行することが動作可能にされ得る。コンピュータ可読媒体520はメモリ504の一部であってもよい。
【0085】
図6は、V-UE102、V-UE104、RSU110、またはUE112などの、測距セッションにおいて開始側UEによって実行されるユーザ機器(UE)間で距離を測る方法を示すフローチャート600である。
【0086】
ブロック602において、たとえば
図4の段階2において論じられたように、初期メッセージが、測距セッションを開始するために1つまたは複数の応答側UEに送信され、初期メッセージは、開始側UEの識別子(ID)および1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを備える。開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDは、たとえば、IDのベクトルであり得る。IDはL2 IDであり得る。いくつかの実装形態では、たとえば
図4の段階2において論じられたように、初期メッセージはさらに、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを入力として使用する関数を使用して、測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスが決定されることの指示を備え得る。いくつかの実装形態では、たとえば
図4の段階2において論じられたように、初期メッセージはさらに、開始側UEによってブロードキャストされるべき測距信号のためのチャネルの指示を備え得る。たとえば、
図4の段階2において論じられたように、初期メッセージは、測距セッションのためのどのようなタイミング情報も含まなくてもよい。測距セッションを開始するために初期メッセージを1つまたは複数の応答側UEに送信するための手段であって、初期メッセージが開始側UEの識別子(ID)および1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを備える、手段は、たとえば、トランシーバ514、ならびに、専用ハードウェアをもつ、または、UE500の中のpre-PRSモジュール522などのメモリ504および/もしくは媒体520の中の実行可能コードもしくはソフトウェア命令を実装する、1つまたは複数のプロセッサ502であり得る。
【0087】
ブロック604において、たとえば
図4の段階3Aにおいて論じられたように、タイミングインスタンスが、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々からの測距セッションにおけるメッセージのために決定される。いくつかの実施形態では、ブロック604はブロック602の前に実行され得る。いくつかの実装形態では、測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスは、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDの順序にさらに基づいて決定される。いくつかの実装形態では、測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスは、一意に決定される。開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々からの測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するための手段は、たとえば、専用ハードウェアをもつ、または、UE500の中のタイミング決定モジュール524などのメモリ504および/もしくは媒体520の中の実行可能コードもしくはソフトウェア命令を実装する、1つまたは複数のプロセッサ502であり得る。
【0088】
ブロック606において、たとえば段階4、5、6、および7Aにおいて論じられたように、測距セッションが、測距セッションにおけるメッセージのための決定されたタイミングインスタンスを使用して、1つまたは複数の応答側UEの各々とともに実行され得る。測距セッションにおけるメッセージのための決定されたタイミングインスタンスを使用して1つまたは複数の応答側UEの各々との測距セッションを実行するための手段は、たとえば、トランシーバ514、ならびに、専用ハードウェアをもつ、または、UE500の中のPRSモジュール526、post-PRSモジュール528、および測距モジュール530などのメモリ504および/もしくは媒体520の中の実行可能コードもしくはソフトウェア命令を実装する、1つまたは複数のプロセッサ502であり得る。
【0089】
一実装形態では、たとえば段階3A、3B、3C、および3Dにおいて論じられたように、測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスは、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するための多変数決定論的関数を使用して決定されてもよく、1つまたは複数の応答側UEの各々は、測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するために多変数決定論的関数を使用する。開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するための多変数決定論的関数を使用するための手段であって、1つまたは複数の応答側UEの各々が測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するために多変数決定論的関数を使用する、手段は、たとえば、専用ハードウェアをもつ、または、UE500の中のタイミング決定モジュール524などのメモリ504および/もしくは媒体520の中の実行可能コードもしくはソフトウェア命令を実装する、1つまたは複数のプロセッサ502であり得る。
【0090】
いくつかの実装形態では、たとえば
図4の段階3Aにおいて論じられたように、UEはさらに、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のための測距セッションにおける測距信号識別子を決定し得る。開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のための測距セッションにおける測距信号識別子を決定するための手段は、たとえば、専用ハードウェアをもつ、または、UE500の中のタイミング決定モジュール524などのメモリ504および/もしくは媒体520の中の実行可能コードもしくはソフトウェア命令を実装する、1つまたは複数のプロセッサ502であり得る。
【0091】
いくつかの実装形態では、測距セッションは、
図4の段階4において論じられたように、決定されたタイミングインスタンスに基づいて1つまたは複数の応答側UEの各々から初期応答メッセージを受信すること、
図4の段階5において論じられたように、測距信号をブロードキャストして、1つまたは複数の応答側UEの各々によってブロードキャストされる応答測距信号を受信すること、
図4の段階6において論じられたように、決定されたタイミングインスタンスに基づいて1つまたは複数の応答側UEの各々に測距後信号メッセージを送信して、決定されたタイミングインスタンスに基づいて1つまたは複数の応答側UEの各々から応答測距後信号メッセージを受信すること、および
図4の段階7Aにおいて論じられたように、1つまたは複数の応答側UEの各々までの距離を決定することによって実行され得る。例として、測距後信号メッセージは、測距信号の出発時間および1つまたは複数の応答側UEの各々から受信される応答測距信号の到達時間を備えてもよく、1つまたは複数の応答側UEの各々からの応答測距後信号メッセージは、測距信号の到達時間および1つまたは複数の応答側UEの各々によってブロードキャストされる応答測距信号の出発時間を備えてもよく、1つまたは複数の応答側UEの各々までの距離を決定することは、測距信号の出発時間および到達時間、ならびに応答測距後信号メッセージの到達時間および出発時間を使用し得る。決定されたタイミングインスタンスに基づいて1つまたは複数の応答側UEの各々から初期応答メッセージを受信するための手段は、たとえば、トランシーバ514、ならびに、専用ハードウェアをもつ、または、UE500の中のpre-PRSモジュール522などのメモリ504および/もしくは媒体520の中の実行可能コードもしくはソフトウェア命令を実装する、1つまたは複数のプロセッサ502であり得る。測距信号をブロードキャストするための手段および1つまたは複数の応答側UEの各々によってブロードキャストされる応答測距信号を受信するための手段は、たとえば、トランシーバ514、ならびに、専用ハードウェアをもつ、または、UE500の中のPRSモジュール526などのメモリ504および/もしくは媒体520の中の実行可能コードもしくはソフトウェア命令を実装する、1つまたは複数のプロセッサ502であり得る。決定されたタイミングインスタンスに基づいて1つまたは複数の応答側UEの各々に測距後信号メッセージを送信するための手段、および決定されたタイミングインスタンスに基づいて1つまたは複数の応答側UEの各々から応答測距後信号メッセージを受信するための手段は、たとえば、トランシーバ514、ならびに、専用ハードウェアをもつ、または、UE500の中のpost-PRSモジュール528などのメモリ504および/もしくは媒体520の中の実行可能コードもしくはソフトウェア命令を実装する、1つまたは複数のプロセッサ502であり得る。1つまたは複数の応答側UEの各々までの距離を決定するための手段は、たとえば、専用ハードウェアをもつ、または、UE500の中の測距モジュール530などのメモリ504および/もしくは媒体520の中の実行可能コードもしくはソフトウェア命令を実装する、1つまたは複数のプロセッサ502であり得る。
【0092】
いくつかの実装形態では、たとえば
図4の段階1において論じられたように、UEはさらに、初期メッセージを送信する前に1つまたは複数の応答側UEの各々から能力メッセージを受信してもよく、各能力メッセージは応答側UEのIDを備える。各能力メッセージはさらに、応答側UEが、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定することが可能であることの指示を含み得る。初期メッセージを送信する前に1つまたは複数の応答側UEの各々から能力メッセージを受信するための手段であって、各能力メッセージが応答側UEのIDを備える、手段は、たとえば、トランシーバ514、ならびに、専用ハードウェアをもつ、または、UE500の中の能力モジュール532などのメモリ504および/もしくは媒体520の中の実行可能コードもしくはソフトウェア命令を実装する、1つまたは複数のプロセッサ502であり得る。
【0093】
図7は、V-UE102、V-UE104、RSU110、またはUE112などの、測距セッションにおいて応答側UEによって実行されるユーザ機器(UE)間で距離を測る方法を示すフローチャート700である。
【0094】
ブロック702において、たとえば
図4の段階2において論じられたように、初期メッセージが、測距セッションを開始するために開始側UEから受信され、初期メッセージは、開始側UEの識別子(ID)および1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを備える。開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDは、たとえば、IDのベクトルであり得る。IDはL2 IDであり得る。いくつかの実装形態では、たとえば
図4の段階2において論じられたように、初期メッセージはさらに、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを入力として使用する関数を使用して、測距セッションにおけるメッセージのタイミングインスタンスが決定されることの指示を備え得る。いくつかの実装形態では、たとえば
図4の段階2において論じられたように、初期メッセージはさらに、開始側UEによってブロードキャストされるべき測距信号のためのチャネルの指示を備え得る。たとえば、
図4の段階2において論じられたように、初期メッセージは、測距セッションのためのどのようなタイミング情報も含まなくてもよい。測距セッションを開始するために初期メッセージを開始側UEから受信するための手段であって、初期メッセージが開始側UEの識別子(ID)および1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを備える、手段は、たとえば、トランシーバ514、ならびに、専用ハードウェアをもつ、または、UE500の中のpre-PRSモジュール522などのメモリ504および/もしくは媒体520の中の実行可能コードもしくはソフトウェア命令を実装する、1つまたは複数のプロセッサ502であり得る。
【0095】
ブロック704において、たとえば
図4の段階3Bにおいて論じられたように、タイミングインスタンスが、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々からの測距セッションにおけるメッセージのために決定される。いくつかの実装形態では、測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスは、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDの順序にさらに基づいて決定される。いくつかの実装形態では、測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスは、一意に決定される。開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々からの測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するための手段は、たとえば、専用ハードウェアをもつ、または、UE500の中のタイミング決定モジュール524などのメモリ504および/もしくは媒体520の中の実行可能コードもしくはソフトウェア命令を実装する、1つまたは複数のプロセッサ502であり得る。
【0096】
ブロック706において、たとえば段階4、5、6、および7Bにおいて論じられたように、測距セッションが、測距セッションにおけるメッセージのための決定されたタイミングインスタンスを使用して、開始側UEとともに実行され得る。測距セッションにおけるメッセージのための決定されたタイミングインスタンスを使用して開始側UEとの測距セッションを実行するための手段は、たとえば、トランシーバ514、ならびに、専用ハードウェアをもつ、または、UE500の中のPRSモジュール526、post-PRSモジュール528、および測距モジュール530などのメモリ504および/もしくは媒体520の中の実行可能コードもしくはソフトウェア命令を実装する、1つまたは複数のプロセッサ502であり得る。
【0097】
一実装形態では、たとえば段階3A、3B、3C、および3Dにおいて論じられたように、測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスは、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するための多変数決定論的関数を使用して決定されてもよく、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々は、測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するために多変数決定論的関数を使用する。開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するための多変数決定論的関数を使用するための手段であって、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々が測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するために多変数決定論的関数を使用する、手段は、たとえば、専用ハードウェアをもつ、または、UE500の中のタイミング決定モジュール524などのメモリ504および/もしくは媒体520の中の実行可能コードもしくはソフトウェア命令を実装する、1つまたは複数のプロセッサ502であり得る。
【0098】
いくつかの実装形態では、たとえば
図4の段階3Aにおいて論じられたように、UEはさらに、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のための測距セッションにおける測距信号識別子を決定し得る。開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のための測距セッションにおける測距信号識別子を決定するための手段は、たとえば、専用ハードウェアをもつ、または、UE500の中のタイミング決定モジュール524などのメモリ504および/もしくは媒体520の中の実行可能コードもしくはソフトウェア命令を実装する、1つまたは複数のプロセッサ502であり得る。
【0099】
いくつかの実装形態では、測距セッションは、
図4の段階4において論じられたように、決定されたタイミングインスタンスに基づいて開始側UEに初期応答メッセージを送信すること、
図4の段階5において論じられたように、開始側UEによってブロードキャストされる測距信号を受信して、応答測距信号をブロードキャストすること、
図4の段階6において論じられたように、決定されたタイミングインスタンスに基づいて開始側UEから測距後信号メッセージを受信して、決定されたタイミングインスタンスに基づいて開始側UEに応答測距後信号メッセージを送信すること、および
図4の段階7Bにおいて論じられたように、開始側UEまでの距離を決定することによって実行され得る。例として、開始側UEから受信される測距後信号メッセージは、測距信号の出発時間および応答測距信号の到達時間を備えてもよく、開始側UEに送信される応答測距後信号メッセージは、測距信号の到達時間および1つまたは複数の応答側UEの各々によってブロードキャストされる応答測距信号の出発時間を備えてもよく、開始側UEまでの距離を決定することは、測距信号の出発時間および到達時間、ならびに応答測距後信号メッセージの到達時間および出発時間を使用し得る。決定されたタイミングインスタンスに基づいて開始側UEに初期応答メッセージを送信するための手段は、たとえば、トランシーバ514、ならびに、専用ハードウェアをもつ、または、UE500の中のpre-PRSモジュール522などのメモリ504および/もしくは媒体520の中の実行可能コードもしくはソフトウェア命令を実装する、1つまたは複数のプロセッサ502であり得る。開始側UEによってブロードキャストされる測距信号を受信するための手段および応答測距信号をブロードキャストするための手段は、たとえば、トランシーバ514、ならびに、専用ハードウェアをもつ、または、UE500の中のPRSモジュール526などのメモリ504および/もしくは媒体520の中の実行可能コードもしくはソフトウェア命令を実装する、1つまたは複数のプロセッサ502であり得る。決定されたタイミングインスタンスに基づいて開始側UEから測距後信号メッセージを受信するための手段、および決定されたタイミングインスタンスに基づいて開始側UEに応答測距後信号メッセージを送信するための手段は、たとえば、トランシーバ514、ならびに、専用ハードウェアをもつ、または、UE500の中のpost-PRSモジュール528などのメモリ504および/もしくは媒体520の中の実行可能コードもしくはソフトウェア命令を実装する、1つまたは複数のプロセッサ502であり得る。開始側UEまでの距離を決定するための手段は、たとえば、専用ハードウェアをもつ、または、UE500の中の測距モジュール530などのメモリ504および/もしくは媒体520の中の実行可能コードもしくはソフトウェア命令を実装する、1つまたは複数のプロセッサ502であり得る。
【0100】
いくつかの実装形態では、
図4の段階1において論じられたように、UEはさらに、初期メッセージを受信する前に能力メッセージをブロードキャストしてもよく、能力メッセージは応答側UEのIDを備える。能力メッセージはさらに、応答側UEが、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定することが可能であることの指示を備え得る。初期メッセージを受信する前に能力メッセージをブロードキャストするための手段であって、能力メッセージが応答側UEのIDを備える、手段は、たとえば、トランシーバ514、ならびに、専用ハードウェアをもつ、または、UE500の中の能力モジュール532などのメモリ504および/もしくは媒体520の中の実行可能コードもしくはソフトウェア命令を実装する、1つまたは複数のプロセッサ502であり得る。
【0101】
本明細書全体にわたる「一例」、「ある例」、「いくつかの例」、または「例示的な実装形態」への言及は、特徴および/または例に関して説明される特定の特徴、構造、または特性が、特許請求される主題の少なくとも1つの特徴および/または例に含まれ得ることを意味する。したがって、本明細書全体にわたる様々な箇所における「一例では」、「ある例」、「いくつかの例では」、もしくは「いくつかの実装形態では」という句または他の同様の句の出現は、必ずしもすべてが同じ特徴、例、および/または限定に言及しているとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が、1つまたは複数の例および/または特徴において組み合わせられてもよい。
【0102】
本明細書に含まれる詳細な説明のいくつかの部分は、特定の装置または専用コンピューティングデバイスもしくはプラットフォームのメモリに記憶された2値デジタル信号に対する動作のアルゴリズムまたは記号表現に関して提示される。この特定の明細書の文脈では、特定の装置などの用語は、プログラムされるとプログラムソフトウェアからの命令に従って特定の動作を実行する、汎用コンピュータを含む。アルゴリズムによる説明または記号表現は、信号処理または関連技術の当業者が、自身の仕事の本質を他の当業者に伝えるために使用する技法の例である。アルゴリズムは、本明細書では、また一般に、所望の結果をもたらす自己矛盾のない一連の演算または同様の信号処理であると考えられる。この文脈では、動作または処理は物理数量の物理的操作を伴う。通常、必ずしもそうとは限らないが、そのような数量は、記憶、転送、合成、比較、または他の方法で操作されることが可能な電気信号または磁気信号の形態を取ることがある。主に一般的な用法という理由で、そのような信号をビット、データ、値、要素、シンボル、文字、項、数字、数値などと呼ぶことが時には好都合であることが証明されている。しかしながら、これらの用語または同様の用語のすべてが、適切な物理量と関連付けられるべきであり、便宜的な呼び方にすぎないことを理解されたい。別段に明記されていない限り、本明細書の説明から明らかなように、本明細書全体にわたって、「処理する」、「計算する」、「算出する」、「決定する」などの用語を利用する説明は、専用コンピュータ、専用コンピューティング装置または同様の専用電子コンピューティングデバイスなどの特定の装置のアクションまたはプロセスを指すことを理解されたい。したがって、本明細書の文脈では、専用コンピュータまたは同様の専用電子コンピューティングデバイスは、典型的には専用コンピュータまたは同様の専用電子コンピューティングデバイスのメモリ、レジスタ、もしくは他の情報記憶デバイス、送信デバイス、またはディスプレイデバイス内の物理的な電子量または磁気量として表される信号を操作または変換することが可能である。
【0103】
上述の詳細な説明では、特許請求される主題の完全な理解を与えるために多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、特許請求される主題がこれらの具体的な詳細なしに実践され得ることが、当業者によって理解されよう。他の事例では、特許請求される主題を不明瞭にしないように、当業者によって知られているであろう方法および装置は、詳細には説明されていない。
【0104】
本明細書で使用される「および」、「または」、および「および/または」という用語は、そのような用語が使用される文脈に少なくとも部分的に依存することも予想される、様々な意味を含み得る。通常、「または」は、A、BまたはCなどの列挙を関連付けるために使用される場合、ここでは包含的な意味で使用されるA、B、およびC、ならびに、ここでは排他的な意味で使用されるA、B、またはCを意味することが意図されている。加えて、本明細書で使用される「1つまたは複数の」という用語は、単数での任意の特徴、構造、もしくは特性を説明するために使用されることがあり、あるいは複数の特徴、構造、もしくは特性、または特徴、構造、もしくは特性の何らかの他の組合せを説明するために使用されることがある。しかし、これは説明のための例にすぎず、特許請求される主題はこの例に限定されないことに留意されたい。
【0105】
例示的な特徴であるものと現在見なされるものが例示および説明されているが、特許請求される主題から逸脱することなく、様々な他の修正が加えられてもよく、均等物が置換されてもよいことが、当業者によって理解されよう。加えて、本明細書で説明される中心概念から逸脱することなく、特定の状況を特許請求される主題の教示に適合させるために、多くの修正が行われてもよい。
【0106】
以下の番号付き条項において、実装形態の例が説明される。
【0107】
1. 開始側ユーザ機器(UE)によって実行されるUE間で距離を測る方法であって、
測距セッションを開始するために初期メッセージを1つまたは複数の応答側UEに送信するステップであって、初期メッセージが、開始側UEの識別子(ID)および1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを備える、ステップと、
開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々からの測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するステップと、
測距セッションにおけるメッセージのための決定されたタイミングインスタンスを使用して、1つまたは複数の応答側UEの各々との測距セッションを実行するステップとを備える、方法。
【0108】
2. 測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するステップが、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するための多変数決定論的関数を使用するステップを備え、1つまたは複数の応答側UEの各々が、測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するために多変数決定論的関数を使用する、条項1の方法。
【0109】
3. 測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するステップがさらに、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDの順序に基づく、条項1または2のいずれかの方法。
【0110】
4. 測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスが一意に決定される、条項1から3のいずれかの方法。
【0111】
5. 開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のための測距セッションにおける測距信号識別子を決定するステップをさらに備える、条項1から4のいずれかの方法。
【0112】
6. 初期メッセージがさらに、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを入力として使用する関数を使用して、測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスが決定されることの指示を備える、条項1から5のいずれかの方法。
【0113】
7. 初期メッセージがさらに、開始側UEによってブロードキャストされるべき測距信号のためのチャネルの指示を備える、条項1から6のいずれかの方法。
【0114】
8. 初期メッセージが測距セッションのためのタイミング情報を含まない、条項1から7のいずれかの方法。
【0115】
9. 測距セッションを実行するステップが、
決定されたタイミングインスタンスに基づいて1つまたは複数の応答側UEの各々から初期応答メッセージを受信するステップと、
測距信号をブロードキャストするステップと、
1つまたは複数の応答側UEの各々によってブロードキャストされる応答測距信号を受信するステップと、
決定されたタイミングインスタンスに基づいて1つまたは複数の応答側UEの各々に測距後信号メッセージを送信するステップと、
決定されたタイミングインスタンスに基づいて1つまたは複数の応答側UEの各々から応答測距後信号メッセージを受信するステップと、
1つまたは複数の応答側UEの各々までの距離を決定するステップとを備える、条項1から8のいずれかの方法。
【0116】
10. 測距後信号メッセージが、測距信号の出発時間および1つまたは複数の応答側UEの各々から受信される応答測距信号の到達時間を備え、1つまたは複数の応答側UEの各々からの応答測距後信号メッセージが、測距信号の到達時間および1つまたは複数の応答側UEの各々によってブロードキャストされる応答測距信号の出発時間を備え、1つまたは複数の応答側UEの各々までの距離を決定するステップが、測距信号の出発時間および到達時間、ならびに応答測距後信号メッセージの到達時間および出発時間を使用する、条項9の方法。
【0117】
11. 初期メッセージを送信する前に1つまたは複数の応答側UEの各々から能力メッセージを受信するステップをさらに備え、各能力メッセージが応答側UEのIDを備える、条項1から10のいずれかの方法。
【0118】
12. 各能力メッセージがさらに、応答側UEが、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定することが可能であることの指示を備える、条項11の方法。
【0119】
13. ユーザ機器(UE)間で測距セッションを実行するように構成されるUEであって、UEが測距セッションにおいて開始側UEであり、
ワイヤレスネットワーク中のエンティティとワイヤレスに通信するように構成されるワイヤレストランシーバと、
少なくとも1つのメモリと、
ワイヤレストランシーバおよび少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサとを備え、少なくとも1つのプロセッサが、
測距セッションを開始するために初期メッセージを1つまたは複数の応答側UEに送信し、初期メッセージが、開始側UEの識別子(ID)および1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを備え、
開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々からの測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定し、
測距セッションにおけるメッセージのための決定されたタイミングインスタンスを使用して、1つまたは複数の応答側UEの各々との測距セッションを実行するように構成される、UE。
【0120】
14. 少なくとも1つのプロセッサが、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するための多変数決定論的関数を使用するように構成されることによって、測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するように構成され、1つまたは複数の応答側UEの各々が、測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するために多変数決定論的関数を使用する、条項13のUE。
【0121】
15. 少なくとも1つのプロセッサが、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDの順序にさらに基づいて、測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するように構成される、条項13または14のいずれかのUE。
【0122】
16. 測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスが一意に決定される、条項13から15のいずれかのUE。
【0123】
17. 少なくとも1つのプロセッサがさらに、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のための測距セッションにおける測距信号識別子を決定するように構成される、条項13から16のいずれかのUE。
【0124】
18. 初期メッセージがさらに、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを入力として使用する関数を使用して、測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスが決定されることの指示を備える、条項13から17のいずれかのUE。
【0125】
19. 初期メッセージがさらに、開始側UEによってブロードキャストされるべき測距信号のためのチャネルの指示を備える、条項13から18のいずれかのUE。
【0126】
20. 初期メッセージが測距セッションのためのタイミング情報を含まない、条項13から19のいずれかのUE。
【0127】
21. 少なくとも1つのプロセッサが、
決定されたタイミングインスタンスに基づいて1つまたは複数の応答側UEの各々から初期応答メッセージを受信し、
測距信号をブロードキャストし、
1つまたは複数の応答側UEの各々によってブロードキャストされる応答測距信号を受信し、
決定されたタイミングインスタンスに基づいて1つまたは複数の応答側UEの各々に測距後信号メッセージを送信し、
決定されたタイミングインスタンスに基づいて1つまたは複数の応答側UEの各々から応答測距後信号メッセージを受信し、
1つまたは複数の応答側UEの各々までの距離を決定する
ように構成されることによって、測距セッションを実行するように構成される、条項13から20のいずれかのUE。
【0128】
22. 測距後信号メッセージが、測距信号の出発時間および1つまたは複数の応答側UEの各々から受信される応答測距信号の到達時間を備え、1つまたは複数の応答側UEの各々からの応答測距後信号メッセージが、測距信号の到達時間および1つまたは複数の応答側UEの各々によってブロードキャストされる応答測距信号の出発時間を備え、少なくとも1つのプロセッサが、測距信号の出発時間および到達時間、ならびに応答測距後信号メッセージの到達時間および出発時間に基づいて、1つまたは複数の応答側UEの各々までの距離を決定するように構成される、条項21のUE。
【0129】
23. 少なくとも1つのプロセッサがさらに、初期メッセージが送信される前に1つまたは複数の応答側UEの各々から能力メッセージを受信するように構成され、各能力メッセージが応答側UEのIDを備える、条項13から22のいずれかのUE。
【0130】
24. 各能力メッセージがさらに、応答側UEが、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定することが可能であることの指示を備える、条項23のUE。
【0131】
25. ユーザ機器(UE)間で測距を実行するように構成されるUEであって、UEが測距セッションにおいて開始側UEであり、
測距セッションを開始するために初期メッセージを1つまたは複数の応答側UEに送信するための手段であって、初期メッセージが、開始側UEの識別子(ID)および1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを備える、手段と、
開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々からの測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するための手段と、
測距セッションにおけるメッセージのための決定されたタイミングインスタンスを使用して、1つまたは複数の応答側UEの各々との測距セッションを実行するための手段とを備える、UE。
【0132】
26. 測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するための手段が、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するために多変数決定論的関数を使用するための手段を備え、1つまたは複数の応答側UEの各々が、測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するために多変数決定論的関数を使用する、条項25のUE。
【0133】
27. 測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するための手段がさらに、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDの順序を使用する、条項25または26のいずれかのUE。
【0134】
28. プログラムコードが記憶された非一時的記憶媒体であって、プログラムコードが、ユーザ機器(UE)間で測距を実行するようにUEの中の少なくとも1つのプロセッサを構成するように動作可能であり、UEが測距セッションにおける開始側UEであり、非一時的記憶媒体が、
測距セッションを開始するために初期メッセージを1つまたは複数の応答側UEに送信するためのプログラムコードであって、初期メッセージが、開始側UEの識別子(ID)および1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを備える、プログラムコードと、
開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々からの測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するためのプログラムコードと、
測距セッションにおけるメッセージのための決定されたタイミングインスタンスを使用して、1つまたは複数の応答側UEの各々との測距セッションを実行するためのプログラムコードとを備える、非一時的記憶媒体。
【0135】
29. 測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するためのプログラムコードが、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するために多変数決定論的関数を使用するためのプログラムコードを備え、1つまたは複数の応答側UEの各々が、測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するために多変数決定論的関数を使用する、条項28の非一時的記憶媒体。
【0136】
30. 測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するためのプログラムコードがさらに、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDの順序を使用する、条項28または29のいずれかの非一時的記憶媒体。
【0137】
31. 応答側ユーザ機器(UE)によって実行されるUE間で距離を測る方法であって、
測距セッションを開始するために初期メッセージを開始側UEから受信するステップであって、初期メッセージが、開始側UEの識別子(ID)および1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを備える、ステップと、
開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々からの測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するステップと、
測距セッションにおけるメッセージのための決定されたタイミングインスタンスを使用して、開始側UEとの測距セッションを実行するステップとを備える、方法。
【0138】
32. 測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するステップが、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するために多変数決定論的関数を使用するステップを備え、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々が、測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するために多変数決定論的関数を使用する、条項31の方法。
【0139】
33. 測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するステップがさらに、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDの順序に基づく、条項31または32のいずれかの方法。
【0140】
34. 測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスが一意に決定される、条項31から33のいずれかの方法。
【0141】
35. 開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のための測距セッションにおける測距信号識別子を決定するステップをさらに備える、条項31から34のいずれかの方法。
【0142】
36. 初期メッセージがさらに、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを入力として使用する関数を使用して、測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスが決定されることの指示を備える、条項31から35のいずれかの方法。
【0143】
37. 初期メッセージがさらに、開始側UEによってブロードキャストされるべき測距信号のためのチャネルの指示を備える、条項31から36のいずれかの方法。
【0144】
38. 初期メッセージが測距セッションのためのタイミング情報を含まない、条項31から37のいずれかの方法。
【0145】
39. 測距セッションを実行するステップが、
決定されたタイミングインスタンスに基づいて開始側UEに初期応答メッセージを送信するステップと、
開始側UEによってブロードキャストされる測距信号を受信するステップと、
応答測距信号をブロードキャストするステップと、
決定されたタイミングインスタンスに基づいて開始側UEから測距後信号メッセージを受信するステップと、
決定されたタイミングインスタンスに基づいて開始側UEに応答測距後信号メッセージを送信するステップと、
開始側UEまでの距離を決定するステップとを備える、条項31から38のいずれかの方法。
【0146】
40. 開始側UEから受信される測距後信号メッセージが、測距信号の出発時間および応答測距信号の到達時間を備え、開始側UEに送信される応答測距後信号メッセージが、測距信号の到達時間および1つまたは複数の応答側UEの各々によってブロードキャストされる応答測距信号の出発時間を備え、開始側UEまでの距離を決定するステップが、測距信号の出発時間および到達時間、ならびに応答測距後信号メッセージの到達時間および出発時間を使用する、条項39の方法。
【0147】
41. 初期メッセージを受信する前に能力メッセージをブロードキャストするステップをさらに備え、能力メッセージが応答側UEのIDを備える、条項31から40のいずれかの方法。
【0148】
42. 能力メッセージがさらに、応答側UEが、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定することが可能であることの指示を備える、条項41の方法。
【0149】
43. ユーザ機器(UE)間で測距セッションを実行するように構成されるUEであって、UEが測距セッションにおいて応答側UEであり、
ワイヤレスネットワーク中のエンティティとワイヤレスに通信するように構成されるワイヤレストランシーバと、
少なくとも1つのメモリと、
ワイヤレストランシーバおよび少なくとも1つのメモリに結合される少なくとも1つのプロセッサとを備え、少なくとも1つのプロセッサが、
測距セッションを開始するために初期メッセージを開始側UEから受信し、初期メッセージが、開始側UEの識別子(ID)および1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを備え、
開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々からの測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定し、
測距セッションにおけるメッセージのための決定されたタイミングインスタンスを使用して、開始側UEとの測距セッションを実行するように構成される、UE。
【0150】
44. 少なくとも1つのプロセッサが、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するために多変数決定論的関数を使用するように構成されることによって、測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するように構成され、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々が、測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するために多変数決定論的関数を使用する、条項43のUE。
【0151】
45. 少なくとも1つのプロセッサが、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDの順序にさらに基づいて、測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するように構成される、条項43または44のいずれかのUE。
【0152】
46. 測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスが一意に決定される、条項43から45のいずれかのUE。
【0153】
47. 少なくとも1つのプロセッサがさらに、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のための測距セッションにおける測距信号識別子を決定するように構成される、条項43から46のいずれかのUE。
【0154】
48. 初期メッセージがさらに、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを入力として使用する関数を使用して、測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスが決定されることの指示を備える、条項43から47のいずれかのUE。
【0155】
49. 初期メッセージがさらに、開始側UEによってブロードキャストされるべき測距信号のためのチャネルの指示を備える、条項43から48のいずれかのUE。
【0156】
50. 初期メッセージが測距セッションのためのタイミング情報を含まない、条項43から49のいずれかのUE。
【0157】
51. 少なくとも1つのプロセッサが、
決定されたタイミングインスタンスに基づいて開始側UEに初期応答メッセージを送信し、
開始側UEによってブロードキャストされる測距信号を受信し、
応答測距信号をブロードキャストし、
決定されたタイミングインスタンスに基づいて開始側UEから測距後信号メッセージを受信し、
決定されたタイミングインスタンスに基づいて開始側UEに応答測距後信号メッセージを送信し、
開始側UEまでの距離を決定する
ように構成されることによって、測距セッションを実行するように構成される、条項43から50のいずれかのUE。
【0158】
52. 開始側UEから受信される測距後信号メッセージが、測距信号の出発時間および応答測距信号の到達時間を備え、開始側UEに送信される応答測距後信号メッセージが、測距信号の到達時間および1つまたは複数の応答側UEの各々によってブロードキャストされる応答測距信号の出発時間を備え、少なくとも1つのプロセッサが、測距信号の出発時間および到達時間、ならびに応答測距後信号メッセージの到達時間および出発時間に基づいて、開始側UEまでの距離を決定するように構成される、条項51のUE。
【0159】
53. 少なくとも1つのプロセッサがさらに、初期メッセージを受信する前に能力メッセージをブロードキャストするように構成され、能力メッセージが応答側UEのIDを備える、条項43から52のいずれかのUE。
【0160】
54. 能力メッセージがさらに、応答側UEが、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定することが可能であることの指示を備える、条項53のUE。
【0161】
55. ユーザ機器(UE)間で測距セッションを実行するように構成されるUEであって、UEが測距セッションにおいて応答側UEであり、
測距セッションを開始するために初期メッセージを開始側UEから受信するための手段であって、初期メッセージが、開始側UEの識別子(ID)および1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを備える、手段と、
開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々からの測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するための手段と、
測距セッションにおけるメッセージのための決定されたタイミングインスタンスを使用して、開始側UEとの測距セッションを実行するための手段とを備える、UE。
【0162】
56. 測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するための手段が、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するための多変数決定論的関数を使用するための手段を備え、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々が、測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するために多変数決定論的関数を使用する、条項55のUE。
【0163】
57. 測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するための手段がさらに、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDの順序を使用する、条項55または56のいずれかのUE。
【0164】
58. プログラムコードが記憶された非一時的記憶媒体であって、プログラムコードが、ユーザ機器(UE)間で測距セッションを実行するようにUEの中の少なくとも1つのプロセッサを構成するように動作可能であり、UEが測距セッションにおける応答側UEであり、非一時的記憶媒体が、
測距セッションを開始するために初期メッセージを開始側UEから受信するためのプログラムコードであって、初期メッセージが、開始側UEの識別子(ID)および1つまたは複数の応答側UEの各々のIDを備える、プログラムコードと、
開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々からの測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するためのプログラムコードと、
測距セッションにおけるメッセージのための決定されたタイミングインスタンスを使用して、開始側UEとの測距セッションを実行するためのプログラムコードとを備える、非一時的記憶媒体。
【0165】
59. 測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するためのプログラムコードが、開始側UEのIDおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDに基づいて測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するために多変数決定論的関数を使用するためのプログラムコードを備え、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々が、測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するために多変数決定論的関数を使用する、条項58の非一時的記憶媒体。
【0166】
60. 測距セッションにおけるメッセージのためのタイミングインスタンスを決定するためのプログラムコードがさらに、開始側UEおよび1つまたは複数の応答側UEの各々のIDの順序を使用する、条項58または59のいずれかの非一時的記憶媒体。
【0167】
したがって、特許請求される主題は開示される特定の例に限定されず、そのような特許請求される主題は添付の特許請求の範囲内に入るすべての態様およびその均等物も含み得ることが、意図される。
【符号の説明】
【0168】
100 ワイヤレス通信システム
102 車両、V-UE
103 V2V通信リンク
104 車両、V-UE
107 V2I通信リンク
109 V2I通信リンク
110 RSU
112 UE
113 V2V通信リンク
114 歩行者
115 V2V通信リンク
117 V2I通信リンク
202 能力メッセージ
204 測距セッション
206 pre-PRSメッセージ
208 PRS信号
210 post-PRSメッセージ
302 UE IDのベクトル
304 ブロードキャスト時間インスタンス
306 PRS ID
308 ブロードキャストタイミング
310 ブロードキャスト時間インスタンス
500 UE
502 プロセッサ
504 メモリ
505 車両インターフェース
506 接続
507 IMU
508 プログラムコード
509 SPS受信機、アンテナ
510 WWANトランシーバ
511 送信機
512 受信機
514 WLANトランシーバ
515 送信機
516 受信機
520 媒体
522 pre-PRSモジュール
524 タイミング決定モジュール
526 PRSモジュール
528 post-PRSメッセージモジュール
530 測距モジュール
532 能力モジュール
【国際調査報告】