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特表2024-503707埋め込み型ヒータを含むカプセル、および加熱式(HNB)エアロゾル発生デバイス
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  • 特表-埋め込み型ヒータを含むカプセル、および加熱式(HNB)エアロゾル発生デバイス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-26
(54)【発明の名称】埋め込み型ヒータを含むカプセル、および加熱式(HNB)エアロゾル発生デバイス
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/42 20200101AFI20240119BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20240119BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543068
(86)(22)【出願日】2021-11-23
(85)【翻訳文提出日】2023-09-15
(86)【国際出願番号】 US2021060512
(87)【国際公開番号】W WO2022154862
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】17/151,277
(32)【優先日】2021-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】516124616
【氏名又は名称】アルトリア クライアント サービシーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100115510
【弁理士】
【氏名又は名称】手島 勝
(72)【発明者】
【氏名】ブラックモン,ザック ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】ホーズ,エリック
(72)【発明者】
【氏名】サンダー,ランガラージ エス
(72)【発明者】
【氏名】ラウ,レイモンド ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】キーン,ジャレット
(72)【発明者】
【氏名】ギャラガー,ナイル
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AB17
4B162AB23
4B162AC04
4B162AC06
4B162AC13
4B162AC22
4B162AC41
4B162AD15
4B162AD16
4B162AD20
4B162AD23
(57)【要約】
エアロゾル発生デバイス(1000)用のカプセル(100)は、流入開口部(112、122)と、流出開口部(116、126)と、流入開口部と流出開口部との間のチャンバ(114、124)とを規定するハウジングを含み得る。チャンバは、流入開口部の少なくとも1つから流出開口部のうち少なくとも1つの流入開口部に対応する流出開口部まで延びる最大寸法を有し得る。エアロゾル生成物質(160a、160b)は、ハウジングのチャンバ内に配置され得る。ヒータ(140)は、外部からハウジング内に延出し得る。ヒータは、第1の端部(142)と中間部(144)と第2の端部(146)とを含む。中間部は、チャンバ内のエアロゾル生成物質内に配置され得る。エアロゾル発生デバイスは、カプセルと、マウスピースと、デバイス本体とを含み得る。マウスピースは、カプセルと係合するように構成されており、デバイス本体は、カプセルとマウスピースとを受け取り保持するように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生デバイス用のカプセルであって、
流入開口部と、流出開口部と、前記流入開口部と前記流出開口部との間のチャンバとを規定するハウジングであって、前記チャンバは前記流入開口部の少なくとも1つから前記流出開口部のうち前記少なくとも1つの流入開口部に対応する流出開口部まで延びる最大寸法を有する、ハウジングと、
前記ハウジングの前記チャンバ内のエアロゾル生成物質と、
前記ハウジング内部まで延出し、第1の端部と中間部と第2の端部とを含むヒータであって、前記中間部は前記チャンバ内の前記エアロゾル生成物質内に配置されている、ヒータと、
を含む、カプセル。
【請求項2】
前記ハウジングは長手方向軸を有し、前記チャンバの前記最長寸法は前記ハウジングの前記長手方向軸に沿って延びる、請求項1に記載のカプセル。
【請求項3】
前記ハウジングは、本体部とベース部とを含み、前記本体部は、近位端と遠位端とを含み、前記ベース部は、前記本体部の前記遠位端と係合するように構成されている、請求項1に記載のカプセル。
【請求項4】
前記ハウジングのベース部は、前記流入開口部を介して前記チャンバと流体連通する空気チャネルを規定する、請求項3に記載のカプセル。
【請求項5】
前記ハウジングの前記本体部は、前記流入開口部と、前記流出開口部と、前記チャンバとを規定する、請求項3に記載のカプセル。
【請求項6】
前記ハウジングの前記本体部は、第1の本体コンポーネントと第2の本体コンポーネントとを含む、請求項3に記載のカプセル。
【請求項7】
前記第1の本体部コンポーネントは、第1の上流溝と、第1の下流溝と、前記第1の上流溝と前記第1の下流溝との間の第1の凹部とを規定し、前記第2の本体部コンポーネントは、第2の上流溝と、第2の下流溝と、前記第2の上流溝と前記第2の下流溝との間の第2の凹部とを規定する、請求項6に記載のカプセル。
【請求項8】
前記第1の上流溝と前記第2の上流溝とは共同で前記ハウジングの前記流入開口部を形成し、前記第1の下流溝と前記第2の下流溝とは共同で前記ハウジングの前記流出開口部を形成し、前記第1の凹部と前記第2の凹部とは共同で前記ハウジング内の前記チャンバを形成している、請求項7に記載のカプセル。
【請求項9】
前記第1の本体コンポーネントおよび前記第2の本体コンポーネントは前記ベース部にクランプするように構成されている、請求項6に記載のカプセル
【請求項10】
前記第1の本体コンポーネントと前記第2の本体コンポーネントとは同一かつ補完的な構造物である、請求項6に記載のカプセル。
【請求項11】
前記エアロゾル生成物質は、前記ヒータの前記中間部の互いに対向する側に配置された第1の連結一体型形態と第2の連結一体型形態とを含む、請求項1に記載のカプセル。
【請求項12】
前記エアロゾル生成物質は植物材料を含む、請求項1に記載のカプセル。
【請求項13】
前記植物材料はタバコを含む、請求項12に記載のカプセル。
【請求項14】
前記ヒータは、前記第1の端部および前記第2の端部のセグメントが前記ハウジングの外方に位置するように、前記ハウジングを貫通して埋め込まれている、請求項1に記載のカプセル。
【請求項15】
前記ヒータの前記中間部は、前記流入開口部と前記流出開口部との間にある、請求項1に記載のカプセル。
【請求項16】
前記ヒータの前記中間部は、平面状で曲がりくねった形態を有する、請求項1に記載のカプセル。
【請求項17】
前記ハウジングと係合した少なくとも1つの環状部材をさらに含む、請求項1に記載のカプセル。
【請求項18】
エアロゾル発生デバイスであって、
ハウジングと、エアロゾル生成物質と、ヒータとを含むカプセルであって、前記ハウジングは流入開口部と、流出開口部と、前記流入開口部と前記流出開口部との間のチャンバとを規定する、カプセルと、
前記カプセルと係合することにより前記流出開口部を介して前記チャンバと流体連通するように構成されているマウスピースと、
前記カプセルと前記マウスピースとを受け取り保持するように構成されたデバイス本体であって、前記ヒータに電流を供給することにより前記エアロゾル生成物質を加熱するように構成された電源を含む、デバイス本体と、
を含む、エアロゾル発生デバイス。
【請求項19】
前記デバイス本体は、開くことにより前記カプセルおよびマウスピースの挿入を許可するように構成され、且つ閉じることにより前記カプセルおよび前記マウスピースを保持するように構成されているドアを含む、請求項18に記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項20】
前記マウスピースは、マウス端部と前記マウス端部に対向するカプセル端部とを含み、前記カプセル端部は前記マウス端部より大きく、前記デバイス本体の前記ドアが閉じたときに前記マウスピースが前記カプセルから外れるのを阻止するように構成されている、請求項19に記載のエアロゾル発生デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル生成物質を実質的に熱分解することなくエアロゾルを発生させるように構成されたカプセルおよび加熱式(HNB)エアロゾル発生デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスの中には、植物材料を、その成分を放出するに十分な温度まで加熱しつつ、該植物材料の燃焼点未満に温度を保持することによって該植物材料の実質的熱分解を回避するように構成されたものがある。このようなデバイスは、エアロゾル発生デバイス(例えば、加熱式エアロゾル発生デバイス)と呼ばれ得、加熱した植物材料はタバコであり得る。いくつかの例では、エアロゾル発生デバイスの加熱チャンバに植物材料を直接導入してもよい。他の例では、個々の容器に植物材料を予めパッケージングして、エアロゾル発生デバイスへの挿入またはエアロゾル発生デバイスからの除去を容易にしてもよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
少なくとも1つの実施形態は、加熱式(HNB)エアロゾル発生デバイス用カプセルに関する。ある例示的実施形態では、カプセルは、流入開口部と、流出開口部と、流入開口部と流出開口部との間のチャンバとを規定するハウジングであって、チャンバは流入開口部の少なくとも1つから流出開口部のうち少なくとも1つの流入開口部に対応する流出開口部まで延びる最大寸法を有する、ハウジングと、ハウジングのチャンバ内のエアロゾル生成物質と、外部からハウジング内部まで延出し、第1の端部と中間部と第2の端部とを含むヒータであって、中間部はチャンバ内のエアロゾル生成物質内に配置されている、ヒータとを含み得る。
【0004】
少なくとも1つの実施形態は、加熱式(HNB)エアロゾル発生デバイスに関する。ある例示的実施形態では、エアロゾル発生デバイスは、ハウジングと、エアロゾル生成物質と、ヒータとを含むカプセルであって、ハウジングは流入開口部と、流出開口部と、流入開口部と流出開口部との間のチャンバとを規定する、カプセルと、カプセルと係合することにより流出開口部を介してチャンバと流体連通するように構成されているマウスピースと、カプセルとマウスピースとを受け取り保持するように構成されたデバイス本体であって、ヒータに電流を供給することによりエアロゾル生成物質を加熱するように構成された電源を含む、デバイス本体とを含み得る。
【0005】
本開示を限定しない実施形態の様々な特徴および利点は、添付の図面と共に詳細な説明を読むことで、より明らかとなり得る。添付の図面は説明のためのものに過ぎず、請求の範囲を限定すると理解すべきではない。添付の図面は、明確に記載しない限り、正確な縮尺で描かれていると考えるべきではない。図面の様々な寸法は明瞭化のために誇張されていることもある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、ある例示的実施形態によるエアロゾル発生デバイスを前方から見た斜視図である。
【0007】
図2図2は、図1のエアロゾル発生デバイスを後方から見た斜視図である。
【0008】
図3図3は、図1のエアロゾル発生デバイスを上流側から見た斜視図である。
【0009】
図4図4は、ドアが開いている状態の図1のエアロゾル発生デバイスを前方から見た斜視図である。
【0010】
図5図5は、マウスピースおよびカプセルがデバイス本体から分離している状態の図4のエアロゾル発生デバイスを前方から見た斜視図である。
【0011】
図6図6は、図5のカプセルの拡大図である。
【0012】
図7図7は、図6のカプセルを上流側から見た斜視図である。
【0013】
図8図8は、図6のカプセルの分解図である。
【0014】
図9図9は、図1のエアロゾル発生デバイスの一部が取り外された状態を示す図である。
【0015】
図10図10は、図2のエアロゾル発生デバイスの一部が取り外された状態を示す図である。
【0016】
図11図11は、図1のエアロゾル発生デバイスの断面図である。
【0017】
図12図12は、図1のエアロゾル発生デバイスの別の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
いくつかの詳細な例示的実施形態を本明細書に開示する。但し、本明細書に開示する特定の構造および機能の詳細は例示的実施形態を述べるために示すにすぎない。但し、例示的実施形態は多くの異なる形態で実施され得、本明細書に記載する例示的実施形態のみに限定されると解釈すべきではない。
【0019】
従って、例示的実施形態は様々な改変および変更が可能であり、その実施例を図面に示し、本明細書に詳細に述べる。但し、例示的実施形態を、開示した特定の形態に限定する意図はなく、むしろ例示的実施形態は、あらゆる改変、均等物および変更を網羅する。図面に関する記載全体を通じて、同様の参照符号は同様の要素(element)を示す。
【0020】
ある部材または層が別の部材または層「の上にある」、「に接続されている」、「に連結されている」、「に取り付けられている」、「に隣接している」、または「を覆っている」と表現された場合、ある部材または層は直接、他の部材または層の上にある、他の部材または層に接続されている、連結されている、取り付けられている、隣接している、または他の部材または層を覆っている場合もあるし、間に介入する部材または層が存在する場合もある。逆に、ある部材が別の部材または層「の直接上にある」、「に直接接続されている」、または「に直接連結されている」と表現された場合、間に介入する部材または層は存在しない。明細書全体を通じて、同様の参照符号は同様の部材を示す。本明細書において、語「および/または」は、この語と共にリストアップされたアイテムのうち1以上のいずれか及びすべての組み合わせまたはサブコンビネーションを含む。
【0021】
本明細書において様々な部材、領域、層および/または部分を表すために第1、第2、第3などの語を用いているが、これらの部材、領域、層および/または部分はこれらの語に制限されないことを理解されたい。これらの語は、ある部材、領域、層または部分を他の領域、層または部分と区別するために用いているにすぎない。従って、以下に述べる第1の部材、領域、層または部分は、例示的実施形態の教示内容から逸脱することなく、第2の部材、領域、層または部分とも表現し得る。
【0022】
本明細書において空間的な相対関係を表す語(例えば、「の下」、「の下方」、「下部」、「の上方」、「上部」など)は、ある部材(単数または複数)または特徴(単数または複数)に対する別の部材または特徴の、図示する関係を表すために便宜上用いている。空間的な相対関係を表す語は、図面に示す向きに加えて、使用中または動作中のデバイスの様々な向きを含むことを意図していると理解されたい。例えば、図面中のデバイスがひっくり返された場合、別の部材または特徴の「下方」または「下」にあると記載されていた部材は、別の部材または特徴の「上方」にあるということになる。そのため「下方」という語は、上方および下方の両方の向きを含み得る。デバイスはそれ以外の向き(90度回転した向き又はその他の向き)を取り得、本明細書で用いる空間的な相対関係を表す語はそれに従って解釈され得る。
【0023】
本明細素で用いる用語は、様々な例示的実施形態を述べるためのものに過ぎず、例示的実施形態を限定することは意図しない。本明細書で用いる単数の形態「a」、「an」、および「the」は、明確にそうでないと特定しない限り、複数の場合も含むことを意図する。さらに本明細書において、「含む」、「含んで」、「備える」、および/または「備えて」という語はここで述べる特徴、整数、工程、動作、および/または部材の存在を特定するものであり、1以上の他の特徴、整数、工程、動作、部材および/またはこれらの群の存在または追加を排除するものではないことを理解されたい。
【0024】
本明細書において、「約」または「実質的に」という語を数値に関連して用いる場合、これらが用いられる数値は、記載した数値に対する製造または動作誤差(例えば、±10%)を含むことを意図する。さらに、「概して」または「実質的に」という語を幾何学的形状に関して用いる場合、幾何学的形状の精密さは必要とされず、許容誤差を含む形状も本開示の範囲内であることを意図する。さらに、数値または形状が「約」、「概して」または「実質的に」という語で修飾されているか否かにかかわらず、これらの数値および形状は、記載した数値または形状に対する製造または動作上の許容誤差(例えば、±10%)を含むと解釈すべきであると理解されたい。
【0025】
本明細書で用いるすべての語(技術用語および科学的用語を含む)は、そうでないと特定しない限り、例示的実施形態が属する分野において当業者が共通して理解するものと同じ意味を有する。さらにこれらの語は、一般的に用いられている辞書で定義される語も含めて、対応する分野での意味に一致する意味を有すると解釈すべきであり、本明細書で明確にそうでないと特定しない限り、理想化された又は過剰に形式ばった意味で解釈されることはないと理解されたい。
【0026】
処理回路は、論理回路を含むハードウェア、ソフトウェアを実行するプロセッサなどのハードウェア/ソフトウェアの組み合わせ、またはこれらの組み合わせであり得る。より特定すると処理回路は例えば、中央処理装置(CPU)、算術論理演算装置(ALU)、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、システム・オン・チップ(SoC)、プログラマブルロジックユニット、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)などを含み得るが、これらに限られない。
【0027】
図1は、ある例示的実施形態によるエアロゾル発生デバイスを前方から見た斜視図である。図2は、図1のエアロゾル発生デバイスを後方から見た斜視図である。図3は、図1のエアロゾル発生デバイスを上流側から見た斜視図である。図1から図3に示すように、エアロゾル発生デバイス1000は、エアロゾル生成物質を受け取り加熱してエアロゾルを製造するように構成されている。エアロゾル発生デバイス1000は、様々な構成要件の中でも特に、フレーム1208(例えば、シャーシ)に連結された前ハウジング1202と、後ハウジング1204と、底ハウジング1206とを含む。ドア1210も前ハウジング1202に回動可能に接続されている/取り付けられている。例えばドア1210は、ヒンジ1212周りに移動または揺動するように構成されており、ラッチ1214を介して可逆的に前ハウジング1202と係合する/前ハウジング1202から外れることにより開位置と閉位置との間で切り換わるように構成されている。エアロゾル生成物質はカプセル100(例えば、図5)内に含まれ得、ドア1210を介してエアロゾル発生デバイス1000にロードされ得る。エアロゾル発生デバイス1000の動作中、製造されたエアロゾルは、マウスピース1100(例えば、図5)のマウス端部セグメント1104により規定されるエアロゾル流出口1102を介してエアロゾル発生デバイス1000から吸引され得る。
【0028】
図2に示すように、エアロゾル発生デバイス1000は、第1のボタン1218と第2のボタン1220とを含む。第1のボタン1218は予熱ボタンであり得、第2のボタン1220は電源ボタンであり得る(あるいはその逆であってもよい)。さらに、第1のボタン1218および第2のボタン1220の一方または両方が発光ダイオード(LED)を含み得、LEDは第1のボタン1218および/または第2のボタン1220が押されたとき、またはそれ以外では、関連する制御回路によって指定されたときに、可視光を発するように構成されている。第1のボタン1218および第2のボタン1220の両方がLEDを含む場合、発光する光は同じ色であってもよいし、異なる色であってもよい。光はさらに同じ強度であってもよいし、異なる強度であってもよい。さらに光は、連続光として構成されていてもよいし、間欠性の光として構成されていてもよい。例えば、電源ボタン(例えば、第2のボタン1220)に関連する光は、点滅する/瞬間的に光ることにより、電源(例えば、電池)のレベルが低く、充電が必要なことを示し得る。エアロゾル発生デバイス1000を2つのボタンを有するものとして示しているが、所望のインターフェースおよび機能に応じて、より多くの(例えば、3つの)またはより少ないボタンが設けられていてもよいことを理解されたい。
【0029】
エアロゾル発生デバイス1000は直方体の形状を有し得る。直方体は、前面と、前面に対向する後面と、前面と後面との間の第1の側面と、第1の側面に対向する第2の側面と、下流端面と、下流端面に対向する上流端面とを有する。本明細書において、「上流」(およびその逆の「下流」)は、エアロゾルの流れに対するものであり、「近位」(およびその逆の「遠位」)はエアロゾル発生中にエアロゾル発生デバイス1000を操作する大人に対するものである。エアロゾル発生デバイス1000を多角形の断面を有する直方体状(例えば、角の丸い、立方体以外の直方体状)の形状を有するものとして示しているが、例示的実施形態はこれに限られないことを理解されたい。例えばいくつかの実施形態では、エアロゾル発生デバイス1000は、円形の断面を有する円筒(例えば、円筒)状形状を有していてもよいし、楕円形の断面を有する円筒(例えば、楕円筒)状形状を有していてもよい。
【0030】
図3に示すように、エアロゾル発生デバイス1000は流入インサート1222を含み、流入インサート1222は、周囲空気がデバイス本体1200(例えば、図5)に入ることを許可するように構成されている。ある例示的実施形態では、流入インサート1222は、エアロゾル流出口1102と流体連通する空気流入口としてのオリフィスを規定する。その結果、エアロゾル流出口1102が吸引されたり又はこれに負の圧力が付与されたりしたときに、流入インサート1222内のオリフィスを介して周囲空気がデバイス本体1200に引き込まれる。流入インサート1222内のオリフィスのサイズ(例えば、直径)は、流路内の他の変数(例えば、カプセル100)を考慮しながら所望の全体的対吸引抵抗(RTD)を提供するように調整され得る。他の実施形態では、流入インサート1222を完全に無くして、底ハウジング1206によって空気流入口が規定されてもよい。
【0031】
エアロゾル発生デバイス1000はさらに、ジャック1224とポート1226とを含み得る。ある例示的実施形態では、ジャック1224は、研究開発(R&D)の目的のために動作情報をダウンロードすること(例えば、RS232ケーブルを介して)を許可する。ポート1226は、外部電源から電流を受け取って(例えば、USB/ミニUSBケーブルを介して)、それによりエアロゾル発生デバイス1000内の内部電源を充電するように構成されている。さらにポート1226は、別のエアロゾル発生デバイスまたはその他の電子デバイス(例えば、電話、タブレット、コンピュータ)との間でデータを送信および/または受信する(例えば、USB/ミニUSBケーブルを介して)ように構成されていてもよい。さらにエアロゾル発生デバイス1000は、別の電子デバイス(例えば、電話など)と、その電子デバイスにインストールされたアプリケーションソフトウェア(アプリ)を介して無線通信(例えば、ブルートゥースを介して)をするように構成されていてもよい。このような例では、大人の操作者がアプリを介してエアロゾル発生デバイス1000を制御してもよいし、その他の相互連絡(例えば、エアロゾル発生デバイスの位置を見つける、使用情報をチェックする、動作パラメータを変更するなど)をしてもよい。
【0032】
図4は、図1のエアロゾル発生デバイスを前方から見た斜視図であり、ドアが開いている状態を示す。図4に示すように、マウスピース1100は、カプセル端部セグメント1106を含み、カプセル端部セグメント1106は、ドア1210が開いているときには見えるが、ドア1210が閉じているときには良く見えない/隠れて見えない。図示するように、カプセル端部セグメント1106は、マウス端部セグメント1104よりも大きい(例えば、平均直径が長い)。ドア1210の内側は、曲線状の突出部(例えば、半円形の凹部を有する)を有し、曲線状の突出部は、マウスピース1100のマウス端部セグメント1104およびのカプセル端部セグメント1106の湾曲部に対応するように構成されている。その結果、ドア1210が閉じたときにマウスピース1100は、前ハウジング1202とドア1210との間に比較的タイトには嵌り得る。ある例示的実施形態では、ドア1210の内側の曲線状の突出部は、ドア1210が閉じたときにマウスピース1100のうちの、ドア1210に隣接する又はドア1210と境界を接している比較的大きいセグメントから下流にくるようなサイズおよび位置を有し得る。このようにマウスピース1100は、比較的安全に保持され得、それによりドア1210が閉じたときにマウスピース1100がデバイス本体1200から誤って外れることを阻止するようになっている。
【0033】
ドア1210は、閉位置からヒンジ1212回りに勢いよく開く(および逆に、開位置からヒンジ1212回りに勢いよく閉じる/閉まる)ようにように構成されている。ヒンジ1212は、ドア1210の回転軸がエアロゾル発生デバイス1000の長手方向軸に平行となるように構成され得るが、例示的実施形態はこれに限られない。ドア1210はラッチ1214を有し、前ハウジング1202はキャッチ1216を規定する。ドア1210のラッチ1214は、ドア1210が閉じたときに前ハウジング1202のキャッチ1216と係合するように構成されている。その結果得られる係合は、締まりばめであり得る。別の例では、ヒンジ1212は、ドア1210を動かす連続的な力を必要とするように構成されていてもよい(例えば、必要な摩擦がヒンジ1212に供給されてもよい)。このような例では、ドア1210はその位置(例えば、閉位置、途中まで開いた位置、完全に開いた位置)を維持し、エアロゾル発生デバイス1000の通常の動きに基づいて自由に勢いよく開閉することはない。別の例では、ヒンジ1212はバネ式であり得、ドア1210は閉位置に向けて付勢されるように設定されている。さらに別の例では、ラッチ1214とキャッチ1216とは、磁気係合するように構成されていてもよい。このような例では、ラッチ1214が第1の磁石を含み、キャッチ1216が第2の磁石を含み、第1の磁石と第2の磁石とが互いに引き寄せられるようになっていてもよい。あるいは、ラッチ1214およびキャッチ1216の一方が磁石を含み、ラッチ1214およびキャッチ1216の他方が磁石に引き寄せられる材料(例えば、強磁性の材料)を含んでいてもよい。
【0034】
図5は、図4のエアロゾル発生デバイスを前方から見た斜視図であり、マウスピースとカプセルとがデバイス本体から分離している状態を示す。図5に示すように、エアロゾル発生デバイス1000はデバイス本体1200を含み、デバイス本体1200はカプセル100とマウスピース1100とを受け取るように構成されている。ある例示的実施形態では、デバイス本体1200は、カプセル100を受け取るように構成された受容部1228を規定する。受容部1228は、外方に延び直径方向に互いに対向する側部スロットを有する円筒ソケットの形態にあり得、それによりカプセル100の電気端部/コンタクトを収容する。但し、受容部1228は、カプセル100の形状/構成に基づいて他の形態にあってもよいことを理解されたい。
【0035】
上記したように、デバイス本体1200はドア1210を含み、ドア1210は、カプセル100およびマウスピース1100の挿入を許可するように開き、且つカプセル100およびマウスピース1100を保持するように閉じるように構成されている。マウスピース1100は、マウス端部(例えば、マウス端部セグメント1104のマウス端部)と、それに対向するカプセル端部(例えば、カプセル端部セグメント1106のカプセル端部)とを含む。ある例示的実施形態では、カプセル端部はマウス端部より大きく、デバイス本体1200のドア1210が閉じたときにマウスピース1100がカプセル100から外れることを阻止するように構成されている。カプセル100がデバイス本体1200に受け取られ/固定されてエアロゾルを発生させる準備が完了するとカプセル100は見えなくなり得るが、他方、マウスピース1100のエアロゾル流出口1102を規定するマウス端部セグメント1104は見える。図示するように、マウスピース1100のマウス端部セグメント1104は、デバイス本体1200の下流端面から/下流端面を介して延び得る。さらにマウスピース1100のマウス端部セグメント1104は、デバイス本体1200の後面よりも前面に近い位置にあり得る。
【0036】
いくつかの例では、エアロゾル発生デバイス1000のデバイス本体1200は、マウスピースセンサおよび/またはドアセンサを適宜含んでもよい。マウスピースセンサは受容部1228の縁上に(例えば、デバイス本体1200の前面に隣接して)配置され得る。ドアセンサは、前ハウジング1202のうちヒンジ1212に隣接する部分上で且つドア1210の揺動路内に配置され得る。ある例示的実施形態では、マウスピースセンサおよびドアセンサは、安全スイッチとして構成されたバネ式(例えば、退避可能な)突出部である。例えば、マウスピースセンサは、マウスピース1100が受容部1228内にロードされたカプセル100と完全に係合したときに退避/押圧(例えば、作動)され得る。さらにドアセンサは、ドア1210が完全に閉じたときに退避/押圧(例えば、作動)され得る。このような例では、デバイス本体1200の制御回路は、電流がカプセル100に供給されることによりカプセル100内のエアロゾル生成物質を加熱することを許可し得る(例えば、第1のボタン1218が押されたときに予熱することが許可される)。デバイス本体1200の制御回路は逆に、マウスピースセンサおよび/またはドアセンサが作動していないとき又は作動を停止されたとき(例えば、解除されたとき)には電流の供給を阻止または停止し得る。従って、マウスピース1100が完全に挿入されない限り、および/またはドア1210が完全に閉じられない限り、エアロゾル生成物質の加熱は開始されない。同様に、エアロゾル生成物質の加熱中にドア1210が開くと、カプセル100への電流の供給は中断/停止される。
【0037】
カプセル100は、本明細書でより詳細に述べるが、流入開口部、流出開口部、および流入開口部と流出開口部との間のチャネルを規定するハウジングを概して含む。ハウジングのチャンバ内にエアロゾル生成物質が配置される。さらにヒータが外部からハウジング内に延出し得る。ハウジングは、本体部と上流部(例えば、ベース部)とを含み得る。ハウジングの本体部は、近位端と遠位端とを含む。ハウジングの上流部は、本体部の遠位端と係合するように構成され得る。
【0038】
図6は、図5のカプセルの拡大図である。図7は、図6のカプセルを上流側から見た斜視図である。図6および図7に示すように、カプセル100のハウジングは、第1のカバー110と、第2のカバー120と、ベース部130とを含み得る。特に、ハウジングの本体部は第1のカバー110(例えば、第1の本体コンポーネントとして)および第2のカバー120(例えば、第2の本体コンポーネントとして)の形態にあり得、ハウジングの上流部はベース部130(例えば、ベースコンポーネントとして)の形態にあり得る。ある例示的実施形態では、ベース部130は、係合アセンブリ136を含み、第1のカバー110と第2のカバーとは、係合アセンブリ136を介して互いに且つベース部130と係合するように構成されている。さらに、第1のカバー110と第2のカバー120とは共同で上流側流路162と下流側流路166とを規定する。上流側流路162は、直列的に並べられた複数の流入開口部の形態にあり得、下流側流路166は、直列的に並べられた複数の流出開口部の形態にあり得るが、例示的実施形態はこれに限られない。ベース部130は、ベース側流入口132(例えば、空気チャネルとして)を規定する。入ってくる空気はベース側流入口132を介してまずカプセル100に入り、その後上流側流路162を流れてカプセル100内のチャンバに入る。チャンバにはエアロゾル生成物質が配置されている。さらに本明細書で以下により詳細に述べるように、カプセル100はヒータ140(例えば、図8)を含み、ヒータ140は、ベース部130から外方に延びる外方部として第1の端部142と第2の端部146とを有する。
【0039】
カプセル100はさらに、第1の環状部材150aと第2の環状部材150bとを含み得る。1つの例では、第1の環状部材150aは、第1のカバー110の近位端(または下流端)と第2のカバー120の近位端(または下流端)とを共に保持するように構成されている。その結果、第1のカバー110の遠位端(あるいは上流端)と第2のカバー120の遠位端(あるいは上流端)とがベース部130の係合アセンブリ136に連結する(例えば、クランプされる)ため、第1の環状部材150aは第1のカバー110と第2のカバー120とが共に保持されることを補助し得、それにより、これらがベース部130から誤って外れることを阻止する補助となり得る。他方、第2の環状部材150bはベース部130上に配置され得、それにより第1のカバー110にも第2のカバー120にも物理的に接触しないようになっている。ある例示的実施形態では、第1の環状部材150aおよび第2の環状部材150bは、エアロゾル発生デバイス1000の動作中に所望の気密状態を提供する補助となるように構成されている。特に、カプセル100がマウスピース1100と係合しているとき、第1の環状部材150aおよび第2の環状部材150b(例えば、弾性Oリングとして)は、マウスピース1100のカプセル端部セグメント1106の内面と連結することにより、適切な気密状態を提供し得る。そのためマウスピース1100のエアロゾル流出口1102が吸引されたり、これに負の圧力が付与されたりすると、デバイス本体1200に引き込まれた周囲空気全体または本質的に全体がカプセル100を通って吸引され得る(カプセル100の外面とマウスピース1100の内面との間には迂回流がほぼ全く又は全く無い)。
【0040】
カプセル100がデバイス本体1200にロードされると、ヒータ140の第1の端部142および第2の端部146は、ベース部130の大部分と共に、受容部1228内部に(例えば、受容部1228周りの縁の面の下方に)位置する。ある例示的実施形態では、デバイス本体1200の受容部1228は、カプセル100が完全に受容部1228内に位置したときに、第1の環状部材150aおよび第2の環状部材150bの両方が受容部1228の縁の上方に位置するような深さを有し得る。このような例では、マウスピース1100がカプセル100と完全に係合したときに、マウスピース1100は、第1の環状部材150aおよび第2の環状部材150bと、さらには必要であれば受容部1228周りの縁と連結することができる。
【0041】
図8は、図6のカプセルの分解図である。図8に示すように、カプセル100内に含まれるエアロゾル生成物質は、第1のエアロゾル生成物質160aおよび第2のエアロゾル生成物質160bの形態にあり得る。ある例示的実施形態では、第1のエアロゾル生成物質160aおよび第2のエアロゾル生成物質160bは、第1のカバー110と第2のカバー120との間に収容されている。エアロゾル発生デバイス1000の動作中、第1のエアロゾル生成物質160aおよび第2のエアロゾル生成物質160bは、ヒータ140により加熱されることにより、エアロゾルを発生させ得る。本明細書でより詳細に述べるように、ヒータ140は、第1の端部142と中間部144と第2の端部146とを含む。さらに製造プロセス中、カプセル100を組み立てる前に、ヒータ140はベース部130に搭載され得る。
【0042】
図示するように、カプセル100の第1のカバー110は、第1の上流溝112と、第1の凹部114と、第1の下流溝116とを規定する。第1の上流溝112および第1の下流溝116は各々、一連の溝の形態にあり得る。同様に、カプセル100の第2のカバー120は、第2の上流溝と、第2の凹部と、第2の下流溝126とを規定する。ある例示的実施形態では、第2のカバー120の第2の上流溝、第2の凹部および第2の下流溝126はそれぞれ、第1のカバー110の第1の上流溝112、第1の凹部114および第1の下流溝116と同じである。特にいくつかの例では、第1のカバー110と第2のカバー120とは同一かつ補完的な構造物である。このような例では、第1のカバー110および第2のカバー120を互いに対向させた状態でベース部130と係合させることにより、補完的な構造が得られる。その結果、1つの部品が第1のカバー110または第2のカバー120として交換可能に用いられ得、それにより製造方法が簡略化する。
【0043】
第1のカバー110の第1の凹部114と第2のカバー120の第2の凹部とは共同でチャンバを形成しており、チャンバは、第1のカバー110および第2のカバー120がベース部130と連結したときにヒータ140の中間部144を収容するように構成されている。第1のエアロゾル生成物質160aおよび第2のエアロゾル生成物質160bもまたチャンバ内に収容され得、それによりカプセル100が組み立てられたときにヒータ140の中間部144と熱的接触をする。チャンバは、流入開口部(例えば、上流側流路162の流入開口部)のうちの1つから流出開口部(例えば、下流側流路166の流出開口部)のうち上記流入開口部に対向する1つまで延びる最長寸法を有し得る。ある例示的実施形態では、カプセル100のハウジングは長手方向軸を有し、チャンバの最長寸法はハウジングの長手方向軸に沿って延びる。
【0044】
第1のカバー110の第1の下流溝116と第2のカバー120の第2の下流溝126とは共同で下流側流路166を形成している。同様に、第1のカバー110の第1の上流溝112と第2のカバー120の第2の上流溝とは共同で上流側流路162を形成している。下流側流路166および上流側流路162は、第1のエアロゾル生成物質160aおよび第2のエアロゾル生成物質160bをチャンバ内に保持するに十分小さい又は狭い寸法であるが、第1のエアロゾル生成物質160aおよび第2のエアロゾル生成物質160bがヒータ140によって加熱されたときに空気および/またはエアロゾルの通過を許可するに十分大きい又は広い寸法を有する。
【0045】
1つの例では、第1のエアロゾル生成物質160aおよび第2のエアロゾル生成物質160bの各々は連結され一体化された形態(consolidated form)(例えば、シート、パレット、タブレット)にあり得る。上記連結され一体化された形態は、その形状を維持して、第1のエアロゾル生成物質160aおよび第2のエアロゾル生成物質160bが、それぞれ第1のカバー110の第1の凹部114および第2のカバー120の第2の凹部内に統一した様式で配置されることを可能にするように構成されている。このような例では、第1のエアロゾル生成物質160aがヒータ140の中間部144の一方の側(例えば、第1のカバー110に対向する側)に配置され、第2のエアロゾル生成物質160bがヒータ140の中間部144の他方の側(例えば、第2のカバー120に対向する側)に配置されて、それぞれ第1のカバー110の第1の凹部114および第2のカバー120の第2の凹部を実質的に充填してもよい。これにより、第1のエアロゾル生成物質160aと第2のエアロゾル生成物質160bとの間にヒータ140の中間部144が挟まれる/埋め込まれる。あるいは、第1のエアロゾル生成物質160aおよび第2のエアロゾル生成物質160bの一方または両方が、設定された形状を有していない緩い形態(例えば、粒子、繊維、粉、片、破片)にあり、導入されたときに第1のカバー110の第1の凹部114および/または第2のカバー120の第2の凹部の形状を取るようになっていてもよい。
【0046】
上記したように、カプセル100のハウジングは、第1のカバー110と、第2のカバー120と、ベース部130とを含み得る。カプセル100が組み立てられると、ハウジングは約30mm~40mm(例えば、35mm)の高さを有し得るが、例示的実施形態はこれに限られない。さらに第1のカバー110の第1の凹部114および第2のカバー120の第2の凹部の各々は約1mm~4mm(例えば、2mm)の深さを有し得る。このような例では、第1のカバー110の第1の凹部114と第2のカバー120の第2の凹部とによって形成されたチャンバは、約2mm~8mm(例えば、4mm)の全体的厚みを有し得る。これらによると、第1のエアロゾル生成物質160aおよび第2のエアロゾル生成物質160bの各々は、連結され一体化された形態にある場合、約1mm~4mm(例えば、2mm)の厚みを有し得る。その結果、第1のエアロゾル生成物質160aおよび第2のエアロゾル生成物質160bは、ヒータ140の中間部144によって比較的迅速かつ均一に加熱され得る。
【0047】
上記したように、エアロゾル生成物質は、エアロゾルを産生し得る材料、またはそのような材料の組み合わせである。エアロゾルとは、本明細書に開示し請求の範囲に記載するデバイスおよびその均等物によって発生する又は生産される物質である。このような材料は化合物(例えば、ニコチン、カンナビノイド)を含み得、材料が加熱されると、この化合物を含むエアロゾルが製造される。加熱は燃焼温度未満であり得、それによりエアロゾル生成物質の実質的な熱分解または燃焼副産物(そのようなものがあれば)の実質的な発生を引きおこすことなく、エアロゾルが製造される。そのため、ある例示的実施形態では、加熱中および、それによるエアロゾルの製造中には熱分解は起こらない。他の例では、熱分解および燃焼副産物がいくらかあり得るが、その程度は比較的小さい、および/または単に偶発的なものだと考えられ得る。
【0048】
エアロゾル生成物質は繊維状材料であり得る。繊維状材料は、例えば植物材料であり得る。繊維状材料は、加熱されると化合物を放出するように構成されている。化合物は、繊維材料の天然成分であり得る。繊維材料は、例えばタバコなどの植物材料であり得、放出される化合物はニコチンであり得る。用語「タバコ」はいずれのタバコ植物材料をも含み、これは、タバコ植物の1以上の種、例えばNicotiana rusticaおよびNicotiana tabacumから得られるタバコの葉、タバコのプラグ、再構成タバコ、圧縮タバコ、形を整えたタバコ(shaped tobacco)、またはパウダータバコ、およびこれらの組み合わせを含む。
【0049】
いくつかの例示的実施形態では、タバコ材料はNicotiana属のいずれのメンバーから得られる材料をも含み得る。さらにタバコ材料は、2つ以上の異なるタバコ種のブレンドを含み得る。タバコ材料の使用可能な適切な種類の例は、黄色種タバコ、バーリータバコ、ダークタバコ、メリーランドタバコ、オリエンタルタバコ、レアタバコ、スペシャルティタバコ、これらのブレンドなどを含むが、これらに限られない。タバコ材料はいずれの適切な形態でも提供され得、これはタバコ層、加工タバコ材料(例えば、体積を増やしたタバコまたは膨化タバコ)、加工タバコの茎(例えば、裁断圧延茎または裁断膨化茎)、再構成タバコ材料、これらのブレンドなどを含むが、これらに限られない。いくつかの例示的実施形態では、タバコ材料は実質的にドライタバコの塊の形態にある。さらにいくつかの例示的実施形態では、タバコ材料は、プロピレングリコール、グリセリン、これらのサブコンビネーション、またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つと混合されてもよく、および/または組み合わされてもよい。
【0050】
化合物は、医学的に受容可能な治療効果を有する薬用植物の天然成分でもあり得る。例えば、薬用植物はカンナビス植物であり得、化合物はカンナビノイドであり得る。カンナビノイドは体内のレセプターと相互作用して広範囲の効果をもたらす。その結果、カンナビノイドは様々な医療目的(例えば、痛み、吐き気、てんかん、精神疾患の治療)に用いられてきた。繊維状材料は、カンナビス植物の1以上の種(例えば、Cannabis sativa、Cannabis indicaおよびCannabis ruderalis)から得られる葉、および/または花材料を含み得る。いくつかの例では、繊維状材料はCannabis sativaを60~80%(例えば、70%)含み、Cannabis indicaを20~40%(例えば、30%)含む混合物である。
【0051】
カンナビノイドの例は、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビジオール(CBD)、カンナビノール(CBN)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビクロメン(CBC)、およびカンナビゲロール(CBG)を含む。テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)はテトラヒドロカンナビノール(THC)の前駆体であり、カンナビジオール酸(CBDA)はカンナビジオール(CBD)の前駆体である。テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)およびカンナビジオール酸(CBDA)は、加熱によりテトラヒドロカンナビノール(THC)およびカンナビジオール(CBD)にそれぞれ変換され得る。ある例示的実施形態では、ヒータ(例えば、図8に示すヒータ140)からの熱は脱炭酸を引き起こし得、それによりカプセル100中のテトラヒドロカンナビノール酸(THCA)をテトラヒドロカンナビノール(THC)に変換し、および/またはカプセル100中のカンナビジオール酸(CBDA)をカンナビジオール(CBD)に変換する。
【0052】
テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)およびテトラヒドロカンナビノール(THC)が共にカプセル100中に存在する例では、脱炭酸およびその結果起こる変換は、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)を減らし、テトラヒドロカンナビノール(THC)を増やす。カプセル100の加熱中に、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)の少なくとも50%(例えば、少なくとも87%)がテトラヒドロカンナビノール(THC)に変換され得る。同様に、カンナビジオール酸(CBDA)およびカンナビジオール(CBD)が共にカプセル100中に存在する例では、脱炭酸およびその結果起こる変換は、カンナビジオール酸(CBDA)を減らし、カンナビジオール(CBD)を増やす。カプセル100の加熱中に、カンナビジオール酸(CBDA)の少なくとも50%(例えば、少なくとも87%)がカンナビジオール(CBD)に変換され得る。
【0053】
さらに、化合物は天然でない添加物であってもよいし、天然でない添加物をさらに含んでもよく、これらはその後、繊維状材料に導入される。ある例では、繊維状材料は、綿、ポリエチレン、ポリエステル、レーヨン、これらの組み合わせなど(例えば、ガーゼの形態)のうちの少なくとも1つを含んでもよい。別の例では、繊維状材料はセルロース材料(例えば、非タバコ材料および/または非カンナビス材料)などの天然材料を含んでもよい。いずれの例でも、導入される化合物は、ニコチン、カンナビノイド、および/または香味剤を含み得る。香味剤は、植物抽出物(例えばタバコエキス、カンナビスエキス)などの自然のソースからのものであってもよいし、および/または人工的ソースからのものであってもよい。さらに別の例では、繊維状材料がタバコおよび/またはカンナビスを含むとき、化合物は1以上の香味剤(例えば、メントール、ミント、バニラ)であってもよいし、これをさらに含んでもよい。このように、エアロゾル生成物質中の化合物は、天然成分および/または天然でない添加物を含み得る。この点について、エアロゾル生成物質の天然成分の存在レベルは、補充によって増加し得ることを理解されたい。例えば、ある量のタバコ中のニコチンの存在レベルは、ニコチン含有抽出物を補充することにより増加し得る。同様に、ある量のカンナビス中の1以上のカンナビノイドの存在レベルは、カンナビノイド含有抽出物を補充することにより増加し得る。
【0054】
第1のカバー110および第2のカバー120はさらに、第1の溝部118および第2の溝部128をそれぞれ規定する。第1の溝部118と第2の溝部128とは共同で下流溝部を形成し、下流溝部は第1の環状部材150aを収容するように構成されている。同様に、ベース部130は上流溝部138を規定し、上流溝部138は第2の環状部材150bを収容するように構成されている。上記したように、ベース部130は係合アセンブリ136を含み、係合アセンブリ136は、第1のカバー110および第2のカバー120との接続を容易にするように構成されている。係合アセンブリ136は、ベース部130の一体形成部であり得る。ある例示的実施形態では、ベース部130は、ベース側流入口132と流体連通するベース側流出口134を規定する。係合アセンブリ136は、ベース側流出口134の各側にある突出縁部/襟部の形態にある。さらに第1のカバー110および第2のカラー120の各々はスロットを規定し、スロットは、係合アセンブリ136のうち、それぞれ対応する突出縁部/襟部を受け取るように構成されている。その結果、第1のカバー110および第2のカバー120は、(例えば、その遠位端を介して)ベース部130の係合アセンブリ136と噛み合う(さらに互いに連結する)ことにより、よりカプセル100のハウジングを形成する。
【0055】
ヒータ140を製造するために、シート材料は切断されてもよいし、或いは他の方法で加工(例えば、打ち抜き、電気化学的エッチング、ダイカット、レーザカット)されてもよい。このような例では、ヒータ140は一体化した連続的形態を有する。シート材料は、ジュール加熱(オーム加熱/抵抗加熱としても知られている)されるように構成された1以上の導体により形成されてもよい。シート材料に適した導体は、鉄系合金(例えば、鋼鉄、鉄アルミナイド)、ニッケル系合金(例えば、ニクロム)、および/またはセラミック(例えば、金属でコーティングしたセラミック)を含む。例えば、鋼鉄は当該分野でSS316Lとして知られているタイプであってもよいが、例示的実施形態はこれに限られない。シート材料は、約0.10~0.30mm(例えば、0.15mm~0.25mm)の厚みを有し得る。ヒータ140は、約0.5~2.5オーム(例えば、1.0~2.0オーム)の抵抗値を有し得る。
【0056】
ヒータ140は、第1の端部142と、中間部144と、第2の端部146とを含む。第1の端部142および第2の端部146は、ヒータ140の作動中、電源から電流を受け取るように構成されている。ヒータ140が作動すると(例えば、それによりジュール加熱されると)、第1のエアロゾル生成物質160aおよび第2のエアロゾル生成物質160bの温度が上昇し得、エアロゾルが発生してカプセル100の下流側流路166を介して吸引され得るか又は他の方法で放出され得る。第1の端部142および第2の端部146は各々、フォークターミナルを含むことにより電源との電気的接続(例えば、接続ボルトを介して)を容易にし得るが、例示的実施形態はこれに限られない。さらに、ヒータ140はシート材料から製造され得るため、第1の端部142と第2の端部146と中間部144とは同一平面上にあり得る。さらに、ヒータ140の中間部144は、複数の互いに平行なセグメント(例えば、8から16の互いに平行なセグメント)を有する、圧縮振動またはジグザグに似た平面状かつ曲がりくねった形態を有し得る。1つの例では、平行なセグメントは各々、約0.28mmから0.32mm(例えば、0.30mm)の幅を有し得、平行セグメント間の間隔は、約0.30mmから0.34mm(例えば、0.32mm)であり得る。但し、ヒータ140の中間部144には他の形態(例えば、螺旋形態、花様形態)も可能であることを理解されたい。
【0057】
ある例示的実施形態では、ヒータ140はベース部130を通って延びる。このような例では、第1の端部142および第2の端部146の各々の終点部は、ベース部130の互いに対向する両側から突出する、ヒータ140の外部セグメントと考えられ得る。特にヒータ140の中間部144は、ベース部130の下流側にあってベース側流出口134と並んでいる。製造中、ヒータ140は、射出成形(例えば、インサート成形、オーバーモールディング)によってベース部130内に埋め込まれ得る。例えばヒータ140は、中間部144が係合アセンブリ136の1対の突出縁部/襟部の間で、1対の突出縁部/襟部から均等な距離を取るように埋め込まれてもよい。カプセル100が組み立てられると、ヒータ140の中間部144は、上流側流路162と下流側流路166との間に並んで配置され得る。
【0058】
図面では、ヒータ140の第1の端部142および第2の端部146を、ベース部130の両側から延びる突出部(例えば、フィン)として示しているが、いくつかの例示的実施形態では、ヒータ140の第1の端部142および第2の端部146はカプセル100の側面の一部をなすように構成され得ることを理解されたい。例えば、ヒータ140の第1の端部142および第2の端部146の露出部は、ベース部130の両側に載置される/折り曲げられる(さらに、ベース部130の基本的輪郭に沿う)ような寸法/方向を有し得る。その結果、第1の端部142および第2の端部146はカプセル100の側面の一部をなすことに加え、それぞれ第1の電気コンタクトパッドおよび第2の電気コンタクトパッドを構成し得る。
【0059】
図9は、図1のエアロゾル発生デバイスの一部が取り外された状態を示す図である。図10は、図2のエアロゾル発生デバイスの一部が取り外された状態を示す図である。図9および図10に示すように、フレーム1208(例えば、金属シャーシ)はエアロゾル発生デバイス1000の内部部品の土台として作用し、これらの内部部品はフレーム1208に直接的または間接的に取り付けられ得る。図面に示し且つ上記した構造物/部品については、関連する教示内容が明細書の当該部分にも適用可能であり、記載の簡潔化のために繰り返しては説明しなかったかもしれないことを理解されたい。ある例示的実施形態では、底ハウジング1206がフレーム1208の上流端に固定されている。さらに受容部1228(例えば、カプセル100を受け取る)がフレーム1208の前側に搭載されてもよい。受容部1228と底ハウジング1206との間には流入チャネル1230があり、流入チャネル1230は、入ってくる周囲空気流を受容部1228内にあるカプセル100側に方向付けるように構成されている。流入する空気は流入インサート1222(例えば、図3)を介して流入し得るが、流入インサート1222は流入チャネル1230の遠位端上に配置され得る。さらに受容部1228および/または流入チャネル1230はフローセンサ(例えば、一体型フローセンサ)を含み得る。
【0060】
カバー1232およびその中の電源1234(例えば、図11)は、フレーム1208の後側に搭載され得る。カプセル100(例えば、受容部1228内にあり、マウスピース1100のカプセル端部セグメント1106によって覆われている)との電気的接続を確立するために、第1のパワーターミナルブロック1236aおよび第2のパワーターミナルブロック1236bが設けられ得、それにより電流の供給が容易になる。例えば、第1のパワーターミナルブロック1236aおよび第2のパワーターミナルブロック1236bは、ヒータ140の第1の端部142および第2の端部146を介して電源1234とカプセル100との間に必須の電気的接続を確立し得る。第1のパワーターミナルブロック1236aおよび/または第2のパワーターミナルブロック1236bは、真鍮製であり得る。
【0061】
エアロゾル発生デバイス1000はさらに、その動作を容易にするように構成された複数のプリント基板(PCB)を含み得る。ある例示的実施形態では、第1のプリント基板1238(例えば、電力用のブリッジPCBおよびIC)が、電源1234用カバー1232の下流端に搭載されている。さらに第2のプリント基板1240(例えば、HMI PCB)がカバー1232の後方に搭載されている。別の例では、第3のプリント基板1242(例えば、シリアルポートPCB)がフレーム1208の前方に固定され流入チャネル1230の後方に配置されている。さらに第4のプリント基板1244(例えば、USB-C PCB)がフレーム1208の後方と電源1234用カバー1232との間に配置されている。但し、プリント基板に関して本明細書で述べる例示的実施形態は、そのサイズ、形状および位置がエアロゾル発生デバイス1000の所望の特徴によって様々に変化し得るため、上記に限定されないことを理解されたい。
【0062】
図11は、図1のエアロゾル発生デバイスの断面図である。図12は、図1のエアロゾル発生デバイスの別の断面図である。図面に示し且つ上記した構造物/部品については、関連する教示内容が明細書の当該部分にも適用可能であり、記載の簡潔化のために繰り返しては説明しなかったかもしれないことを理解されたい。図11および図12には、マウスピース1100のマウス端部セグメント1104を、単一の流出口という形態にあるエアロゾル流出口1102を規定するものとして示している。但し、例示的実施形態はこれに限られないことを理解されたい。例えばエアロゾル流出口1102は、複数のより小さい流出口(例えば、2から6の流出口)という形態であってもよい。ある例では、複数の流出口は4つの流出口という形態であってもよい。流出口は半径方向に並んでいてもよく、及び/又は外方に向けて角度を有していてもよく、それによりエアロゾルの流れが枝分かれして流出する。
【0063】
ある例示的実施形態では、マウスピース1100のマウス端部セグメント1104内に、フィルタまたは味媒体の少なくとも一方が適宜配置され得る。このような例では、フィルタおよび/または味媒体はチャンバ164から下流にあり、その結果、発生したエアロゾルがフィルタまたは味媒体の少なくとも一方を通過して、その後少なくとも1つのエアロゾル流出口1102から外に出る。フィルタは、エアロゾル生成物質(例えば、エアロゾル生成物質160aおよび/またはエアロゾル生成物質160b)からの粒子が誤ってカプセル100から吸引されることを低減または阻止し得る。フィルタはさらに、口に触れる感覚を所望のものにするためにエアロゾルの温度を下げることを補助し得る。味媒体(例えば、味ビーズ)は、エアロゾルが味媒体を通過するときに呈味成分を放出し得、それによりエアロゾルに所望の味を与える。呈味成分は、エアロゾル生成物質に関して上記したものと同じであり得る。さらに、フィルタおよび/または味媒体は、エアロゾル生成物質に関して上記した連結され一体化された形態にあってもよいし、緩い形態にあってもよい。
【0064】
エアロゾル発生デバイス1000はさらに、受容部1228内に配置された第3の環状部材150cを含み得る。第3の環状部材150c(例えば、弾性のOリング)は、カプセル100のベース部130が受容部1228に完全に挿入されたときに密封状態を確立するように構成されている。その結果、受容部1228に引き込まれた空気のうち全部ではないにしても大半がカプセル100を通過し、カプセル100を迂回する流れは存在するとしても非常に少なくなる。ある例示的実施形態では、第1の環状部材150a、第2の環状部材150bおよび/または第3の環状部材150cは透明なシリコーン製であり得る。
【0065】
エアロゾル発生デバイス1000は上記したプリント基板に加えて、フレーム1208と電源1234との間に配置された第5のプリント基板1246(例えば、主要PCB)をさらに含み得る。電源1234は900mAhの電池(例えば、リチウムイオン充電池)であり得るが、例示的実施形態はこれに限られない。さらにカプセル100の上流にセンサ1248が配置されることにより、エアロゾル発生デバイス1000の動作が向上し得る。センサ1248は例えば、空気流センサであり得る。第1のボタン1218および第2のボタン1220に加えてセンサ1248を鑑みると、エアロゾル発生デバイス1000の動作は、自動操作によるもの(例えば、吸うことにより作動する(puff-activated))であってもよいし、手動操作によるもの(例えば、ボタンによる作動)であってもよいし、その組み合わせであってもよい。
【0066】
エアロゾル発生デバイス1000が作動すると、デバイス本体1200内のカプセル100が加熱されることにより、エアロゾルを発生させ得る。特に、ある例示的実施形態では、第2のボタン1220を押圧することにより、エアロゾル発生デバイス1000がオンになる。次に第1のボタン1218を押圧すると、制御回路が電源1234に指示して、ヒータ140の第1の端部146と第2の端部146とを介してカプセル100に電流を供給させることにより、カプセル100の加熱が始まる。カプセル100内のエアロゾル生成物質が所望または所定の温度に達すると、第1のボタン1218が光(例えば、緑色の光)を発することにより、その温度(例えば、エアロゾル発生用の温度)に達したということを示す。その後、マウスピース1100のエアロゾル流出口1102を吸引する又はこれに負の圧力を付与することにより、周囲空気が流入チャネル1230を介してデバイス本体1200に引き込まれ、空気は、まず流入インサート1222(例えば、図3)を通過し得る。空気は一旦デバイス本体1200内に入ると、流入チャネル1230を通って受容部1228に流れ、ここで必要に応じてセンサ1248によって検出される(例えば、トポグラフィーデータ作成用に検出される)。センサ1248の後、空気は引き続き受容部1228を通過して、ベース部130を介してカプセル100に入る。特に空気流は、カプセル100のベース側流入口132を通過した後に上流側流路162を通過してチャンバ164に流れ込む。
【0067】
カプセル100に電流が供給された結果、ヒータ140の中間部144の温度が上昇し、それにより、チャンバ164内のエアロゾル生成物質(例えば、エアロゾル生成物質160aおよび/またはエアロゾル生成物質160b)の温度が上がり、その結果、エアロゾル生成物質により揮発性物質が放出されてエアロゾルが製造される。製造されたエアロゾルは、チャンバ164内を流れる空気に引っ張られる。特に、チャンバ164内の製造されたエアロゾルはカプセル100の下流側流路166を通過した後、マウスピース1100のエアロゾル流出口1102を通ってエアロゾル発生デバイス1000から出る。エアロゾル発生デバイス1000の制御回路は制御アルゴリズムを含み得、制御アルゴリズムは、ヒータ140の中間部144の温度を監視することにより、吸引/パフ中、および吸引/パフと吸引/パフとの間にヒータ140に送達されたエネルギー/電力(例えば、電流)の量を管理するように構成されている。従ってエアロゾルは比較的一定の温度で発生し得る。
【0068】
別の例示的実施形態では、エアロゾル発生デバイス1000が一旦オンになると、第1のボタン1218が押圧されることにより、カプセル100の予熱が開始されて、エアロゾル発生用サブ温度(例えば、エアロゾル生成物質のエアロゾル発生温度の90%から95%)まで温度が上がる。次に、センサ1248が空気流を検出することにより、エアロゾル発生デバイス1000が作動してエアロゾル発生サブ温度がエアロゾル発生温度まで上がる。このような予熱ステージ/モードの間は、センサ1248による空気流の検出により制御回路が電源1234に指示して、ヒータ140の第1の端部142と第2の端部146とを介してカプセル100に電流をさらに供給させ、それによりエアロゾル発生温度が達成される。その後発生したエアロゾルは、上記したようにエアロゾル発生デバイス1000から吸引され得る。
【0069】
さらに別の例示的実施形態では、センサ1248による空気流の検出によりエアロゾル発生デバイス1000がオンになり、さらに制御回路が電源1234に指示して、ヒータ140の第1の端部142と第2の端部146とを介してカプセル100に電流を供給させることによりカプセル100の加熱が開始される。従ってこのような例では、エアロゾル発生デバイス1000を作動させるために第1のボタン1218および第2のボタン1220を押圧する必要はない。その後発生したエアロゾルは、上記したようにエアロゾル発生デバイス1000から吸引され得る。
【0070】
本明細書で述べた物質、カプセル、デバイスおよび方法(例えば、加熱/制御の)のさらなる詳細はさらに、本出願と同時に出願する米国特許出願第17/151,375号、発明の名称「HEAT-NOT-BURN(HNB)AEROSOL-GENERATING DEVICES INCLUDING ENERGY-BASED HEATER CONTROL, AND METHODS OF CONTROLLING A HEATER」(エネルギーに基づくヒータ制御を含む加熱式(HNB)エアロゾル発生装置、およびヒータを制御する方法)(代理人整理番号24000NV-000668-US)、本出願と同時に出願する米国特許出願第17/151,409号、発明の名称「HEAT-NOT-BURN(HNB)AEROSOL-GENERATING DEVICES INCLUDING INTRA-DRAW HEATER CONTROL, AND METHODS OF CONTROLLING A HEATER」(吸引間のヒータ制御を含む加熱式(HNB)エアロゾル発生装置、およびヒータを制御する方法)(代理人整理番号24000NV-000670-US)、本出願と同時に出願する米国特許出願第17/151,327号、発明の名称「HEAT-NOT-BURN(HNB)AEROSOL-GENERATING DEVICES AND CAPSULES」(加熱式(HNB)エアロゾル発生装置およびカプセル)(代理人整理番号24000NV-000717-US)、および本出願と同時に出願する米国特許出願第17/151,336号、発明の名称「HEAT-NOT-BURN(HNB)AEROSOL-GENERATING DEVICES AND CAPSULES」(加熱式(HNB)エアロゾル発生装置およびカプセル)(代理人整理番号24000NV-000718-US)に見られ得る。上記出願の各々の開示全体を参考のためここに援用する。
【0071】
本明細書に多くの例示的実施形態を記載してきたが、他のバリエーションも可能であることを理解されたい。このようなバリエーションは本開示の思想および範囲から逸脱するものと考えるべきではなく、当業者に明らかなすべての変更は以下の請求の範囲に含まれることを意図する。
図1
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【国際調査報告】