(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-26
(54)【発明の名称】管壁を穿孔するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
B21D 28/28 20060101AFI20240119BHJP
B26F 1/02 20060101ALI20240119BHJP
B26F 1/14 20060101ALI20240119BHJP
B26D 7/18 20060101ALI20240119BHJP
B21D 37/08 20060101ALI20240119BHJP
B21D 28/34 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
B21D28/28
B26F1/02 D
B26F1/14 D
B26D7/18 G
B21D37/08
B21D28/34 K
B21D28/34 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543098
(86)(22)【出願日】2021-12-20
(85)【翻訳文提出日】2023-09-11
(86)【国際出願番号】 FI2021050899
(87)【国際公開番号】W WO2022152965
(87)【国際公開日】2022-07-21
(32)【優先日】2021-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523269155
【氏名又は名称】ラリッカ,レオ
【氏名又は名称原語表記】LARIKKA, Leo
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】ラリッカ,レオ
【テーマコード(参考)】
3C021
3C060
4E048
4E050
【Fターム(参考)】
3C021FD09
3C060AA20
3C060AB02
3C060BA01
3C060BB13
3C060BC08
3C060BD01
3C060BG06
3C060BG11
3C060BH01
4E048KA02
4E048KA04
4E048LB08
4E050DA07
(57)【要約】
管壁を穿孔するための方法および装置に関する。該方法では、管を長手方向に移動させ、管内部の切断パンチと3部品ダイとを備える打抜位置に移動させる。ダイは、ダイ部の間のくさびのくさび面によって、くさびをダイの自由端に向けて第1移動方向に移動させることで、切断パンチの移動方向に伸長される。切断パンチは、管壁に穿孔するために使用され、その孔は、打抜の間に伸長されたダイによって支持され、管から打抜かれた破片は、上ダイ部の孔に落ちる。ダイは、くさびを第1移動距離で第2移動方向に移動させることにより収縮する。ダイ部は、関節式に互いに回動し、管の内面との接触から外れる。穿孔された管は、長手方向に打抜位置から離れ、管は孔の縁を仕上げる位置に移動する。下ダイ部とくさびとは、第2移動方向に第2移動距離で一緒に移動して、孔のベースが開き、破片が孔から落下する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体(1)と、切断パンチ(2)と、上ダイ部(3)、下ダイ部(5)および前記ダイ部(3,5)の間のくさび(8)を有する3部品のダイ(3,5,8)と、を用いて管壁を穿孔する方法であって、
前記ダイ(3,5,8)が前記管の中にある打抜位置に前記管をその長手方向に移動させる段階と、
前記くさび(8)を前記ダイの端に向けて第1移動方向に移動させることによって、前記ダイ(3,5,8)を前記切断パンチの移動方向に伸長させる段階と、
打抜の間に伸長されたダイ(3,5,8)で壁を支持しながら、前記切断パンチ(2)で前記管壁を穿孔して、前記管から打抜かれた破片が前記上ダイ部(3)の孔(16)に落下する段階と、
前記第1移動方向とは反対の第2移動方向に前記くさび(8)を移動させることによって前記ダイ(3,5,8)を収縮させる段階と、
前記穿孔された管をその長手方向に打抜位置から遠ざける段階と、
前記孔の縁を仕上げるための位置に前記管を移動させる段階と、を備え、
前記ダイ(3,5,8)は、前記本体(1)に取り付けられた支持ブッシュ(14)によって支持され、前記ダイ(3,5,8)が、前記管の移動動作中に前記ダイを取り囲む前記管の内面と接触しないように保たれ、前記くさびが前記第1移動方向に動かされた結果、上くさび部が上方に回動し、下くさび部が下方に回動するように伸長の間に接触するようにもたらされ、打抜の後、前記くさび(8)は、前記第2移動方向に第1移動距離で移動し、これにより、前記ダイ部(3,5)が互いに向けて関節式に回動可能であることによって前記ダイが収縮し、前記穿孔された管が前記打抜位置から遠ざけられ、前記下ダイ部(5)および前記くさび(8)が、第2移動距離で一緒に前記第2移動方向に移動して、前記上ダイ部において前記孔(16)のベースが開き、前記管から打抜かれた破片が前記孔(16)から落下する、方法。
【請求項2】
前記下ダイ部(5)および前記くさび(8)の前記第2移動方向における前記第2移動距離の始まりにおいて、前記下ダイ部(5)は、前記下ダイ部の下面に設けられたスレッシュホールド(15)で前記下ダイ部を支持ブッシュ(14)の上に支持することによって、上方に回動するかまたは上方に回動された位置で支持される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
断面が円形の前記管壁に楕円形の孔が形成される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
管壁を穿孔するための装置であって、
本体(1)と、前記本体に対して往復運動するように構成されて所望の孔の形状およびサイズを有する切断パンチ(2)と、支持ブッシュ(14)によって前記本体(1)に支持され、自由端を有する細長いダイ(3,5,8)と、を備え、前記ダイ(3,5,8)は、前記切断パンチの形状およびサイズに対応する孔(16)を有する上ダイ部(3)と、下ダイ部(5)と、前記ダイ部の間のくさび(8)と、を備え、前記ダイ部は伸長および収縮のために第1動力装置(9)によって往復運動され、前記上ダイ部(3)は、前記支持ブッシュ(14)および前記くさび(8)によって許容限度内で、前記切断パンチ(2)の移動方向への前記上ダイ部(3)の回動を可能にするスイベルジョイント(4)によって、前記支持ブッシュ(14)に取り付けられ、前記下ダイ部(5)は、前記支持ブッシュ(14)および前記くさび(8)によって許容限度内で、前記切断パンチ(2)の移動方向への前記下ダイ部(5)の回動を可能にするスイベルジョイント(6)によって、第2動力装置(12)によって移動させられるキャリッジ(10)に取り付けられ、前記くさび(8)は、前記第1動力装置(9)が前記ダイ(3,5,8)の自由端に向けて前記くさび(8)を移動させるとき、前記ダイを伸長させるために関節式に互いから離れるように両方のダイ部(3,5)を回動させる両側にあるくさび面(8a,8b)を有し、前記第1動力装置(9)は、第1移動距離で収縮方向に前記くさび(8)を移動させるように構成され、前記第2動力装置(12)は、前記下ダイ部(5)および前記くさび(8)を、前記第1移動距離の延長である第2移動距離で一緒に移動させ、それにより前記上ダイ部(3)の前記孔(16)のベースが開くように構成される、装置。
【請求項5】
前記下ダイ部(5)の下面には、前記支持ブッシュ(14)に寄りかかり、前記下ダイ部(5)を上方に回動させるかまたは前記第2移動距離の始まりにおいて上方に回動した位置で前記下ダイ部(5)を支持するように構成されたスレッシュホールド(15)がある、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1動力装置(9)はピストン型シリンダ装置であり、そのシリンダがキャリッジ(10)に取り付けられ、ピストンロッドが前記くさび(8)に取り付けられる、請求項4または5に記載の装置。
【請求項7】
前記第2動力装置(12)はピストン式シリンダ装置であり、そのシリンダが前記本体(1)に取り付けられ、ピストンロッドが前記キャリッジ(10)に取り付けられる、請求項4、5または6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記上ダイ部(3)の下面に、前記ダイの前記自由端に向けて下方に傾斜するくさび面があり、前記上ダイ部(3)がその端に向けて厚くなり、前記下ダイ部(5)の上面が上方に傾斜し、前記下ダイ部(5)がその自由端に向けて厚くなる、請求項4~7のいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、管壁を穿孔するための方法および装置に関する。
【発明の概要】
【0002】
本体と、切断パンチと、上ダイ部、下ダイ部および前記ダイ部の間のくさびを有する3部品ダイと、を備えるパンチを用いて管壁を穿孔するための方法であって、当該方法は、
管をその長手方向において、ダイを管の内側にある打抜位置に移動させる段階と、
くさびを前記ダイの端部に向けて第1移動方向に移動させることにより、切断パンチの移動方向に前記ダイを伸長させる段階と、
打抜時に伸長されたダイで管壁を支持しながら切断パンチで管壁を穿孔し、管から打抜かれた破片が上ダイ部の孔に落下する段階と、
第1移動方向とは反対の第2移動方向にくさびを移動させることにより、ダイを収縮させる段階と、
穿孔された管をその長手方向に打抜位置から遠ざける段階と、
孔の縁を仕上げる位置に管を移動させる段階と、を備える。
【0003】
管壁を穿孔するための装置であって、本体と、本体に対して往復運動するように構成されて所望の孔の形状およびサイズを有する切断パンチと、支持ブッシュによって本体に支持されるとともに自由端を有する細長いダイと、を備え、ダイは、切断パンチの形状およびサイズに対応する孔を有する上ダイ部と、下ダイ部と、2つのダイ部の間にあるくさびと、を備え、くさびは、ダイを伸縮させるために第1動力装置によって往復運動できる。
【0004】
米国特許第6128991号明細書から、打抜で矩形断面の管を穿孔するための方法および装置が知られている。2部品ダイのダイ部を移動することにより、管の側壁に対してダイを横方向に伸長させることにより、管は切断パンチ部に対して中心線上に位置決めされる。
【0005】
特開平11-244957号公報から、打抜によって矩形断面を持つ管を穿孔するための方法および装置も知られている。3部品ダイは、中間ダイ部を移動させることにより、管の内面に対して切断パンチの移動方向に伸長され、その下面のくさび面は、最下ダイ部の上面のくさび面と協働する。最上ダイ部は本体に取り付けられ、最下ダイ部は最上ダイ部のベースに枢軸で支持されている。ダイの下方では、管の下面が切断パンチの打抜力を受けるために本体に支持されている。中間ダイ部の往復運動はダイの伸長に役立ち、移動距離はくさび面の動作領域に制限される。管から打抜かれた破片は、まず管の内面に当たり、管を引き抜くときに管の内面を傷つける可能性がある。さらに、管が打抜位置に押し込まれ、そこから引き抜かれる際に、ダイ部が管の内面に沿って引きずられる。これは、管の内面を傷つける可能性もある。
【0006】
管壁材を引き伸ばして管壁から分岐するシリンダまたはカラーを管内に作成する場合、まず、目的のシリンダまたはカラーを引き伸ばすことができる縁から適切なパイロット孔を壁に形成しなければならない。孔は、その縁が所望のカラーを形成するための伸び(いわゆるカラーリング)に耐えられるような品質でなければならない。
【0007】
比較的薄い壁に孔を作成する最も迅速な既知の方法は、打抜によるものである。ただし、打抜では、分岐のシリンダやカラーを引き伸ばすのに十分な高品質が得られない。材料を引き伸ばすと、打抜によって作られた孔の縁で引き裂かれる。
【0008】
カラーリング目的で高品質の孔を作成する別の既知の方法は、フライス加工によって孔を機械加工することである。製造の観点から、フライス加工は大量の材料を削り出す必要があるため、所望形状の孔を作るには時間がかかる方法である。
【0009】
本発明では、最初に打抜によってパイロット孔を形成し、次にフライス加工によってパイロット孔を仕上げることによって、これら2つの公知の穿孔方法が組み合わされる。この目的のために、本発明では、ピアシング(piercing)または打抜によって孔を形成するための迅速かつ効率的な方法および装置が開発されている。
【0010】
本発明の目的は、カラーリング工程の初期工程段階として、カラーリング要件を満たすパイロット孔を効率的に形成するための方法および装置を提供することである。本発明に係る方法および装置は、管を変形させたり、引っ掻いたり、その他の損傷を与えたりすることなく、特に丸管を穿孔することに適用可能でなければならない。
【0011】
この目的は、添付の請求項1に記載の方法によって達成される。この目的は、請求項4に記載の装置によっても達成される。従属請求項は、本発明の好ましい実施形態を開示する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態について、添付の図面を参照して以下に説明する。
【0014】
装置は、本体1と、本体に対して往復運動するように構成された切断パンチ2と、を備え、切断パンチの刃は、所望の孔の形状およびサイズを有する。細長いダイ3,5,8は、本体1に取り付けられた支持ブッシュ14に支持されており、ダイ3,5,8が支持ブッシュ14から突出している。ダイ3,5,8は自由端を有しており、その方向から穿孔される管がダイの周囲に押し込まれることができる。ダイ3,5,8は、切断パンチの形状およびサイズに対応する孔16を備える上ダイ部3と、下ダイ部5と、これらのダイ部の間にあるくさび8と、を備える。くさび8は、ダイを伸縮させるために、第1動力装置9によってダイの長手方向に往復運動可能である。
【0015】
穿孔される管は、3部品のダイ3,5,8が管の中に押し込まれるように、その長手方向に打抜位置に移動される。上ダイ部3は、切断パンチ2の側のダイ部である。上ダイ部3は、スイベルジョイント4によって支持ブッシュ14に取り付けられる。スイベルジョイント4は、支持ブッシュ14およびくさび8によって許容限度内で切断パンチ2の移動方向において上ダイ部3の回動を可能にする。この関節支持により、上ダイ部3の切断パンチ側は、管の内面に接触することなく、管の押圧段階で移動する管の内面の内側に位置する。
【0016】
図6Aおよび
図6Bに示すように、上ダイ部3は、孔4aを有するアーム3aを備える。スイベルジョイント4は、孔4aを貫通するコッタボルトからなる。このことは、ダイ部3は、同様のアーム3aを備えた別部品と容易に交換できるが、所望の管直径および孔サイズに寸法構成された実際のダイ部3を備えた別部品と容易に交換できることを意味する。
【0017】
下ダイ部5は、スイベルジョイント6によって、第2動力装置12で移動されるキャリッジ10に取り付けられる。スイベルジョイント6は、支持ブッシュ14およびくさび8によって許容限度内で切断パンチ2の移動方向において下ダイ部5の回動を可能にする。
【0018】
図7Aおよび
図7Bに示すように、下ダイ部5は、孔6aを有するアーム5aを備える。スイベルジョイント6は、孔6aを貫通するコッタボルトからなる。したがって、ダイ6は、同様のアーム6aを備えた別部品と容易に交換できるが、所望の管直径および孔サイズに寸法構成された実際のダイ部5を備えた別のものと容易に交換できる。
【0019】
図5に示すように、くさび8は、両側にくさび面8a,8bを有する。くさび面8a,8bは、第1動力装置9がくさび8をダイ3,5,8の自由端に向けて移動させる場合に、両方のダイ部3,5を互いに遠ざけるように関節式に回動させてダイを伸長する。くさび8は、動力装置9の可動部7(例えば、ピストン型シリンダ装置のピストンロッド7)がくさび8のアーム8aに取り付けられるコッタボルト7aによって貫通した孔7bを有するアーム18を備える。この場合も、ダイ3,5の交換に関連してくさび8を容易に交換できる。支持ブッシュ14は、ダイ部のアーム3a,5a,18およびくさびのサイズおよび形状が一定のままであれば、交換する必要はない。
【0020】
第1動力装置9は、くさび8を収縮方向において第1移動距離で移動させるように構成されている。第2動力装置12は、第1移動距離の延長である第2移動距離で下ダイ部5およびくさび8を一緒に移動させるように構成されている。第2移動距離により、上ダイ部3の孔16のベースが開き、打抜かれた破片が落下する。この前に、ダイを収縮させてダイ周囲から管を取り除いているので、落下した破片が管の内面に傷を付けることはなかった。
【0021】
矢印17は、くさび8が後方に、すなわち収縮方向に移動するときに、スイベルジョイント6によって形成されたスイベル軸に対して下ダイ部5を上方に回動させるスプリングなどの動力装置を示す。したがって、穿孔された管を打抜位置から引き離す際にも、下ダイ部が管の内面に沿って引きずられることはない。上ダイ部3は、ダイ部が収縮する際に重力により下方に回動する。
【0022】
下ダイ部5の下面にはスレッシュホールド(threshold)15がある。スレッシュホールド15は、第2移動距離の始まりにおいて支持ブッシュ14に寄りかかり、下ダイ部5を上向きに回動させるかまたは、スプリング17がダイ部5を回動させているすでに上向きに回動した位置に下ダイ部5を支持するように構成されている。
【0023】
第1動力装置9はピストン式のシリンダ装置である。シリンダがキャリッジ10に取り付けられ、ピストンロッド7がコッタボルト7aによってくさび8に取り付けられる。ピストンロッド7およびコッタボルト7aは、キャリッジ10の開口を通じて移動可能である。好ましくは第2動力装置12もピストン型シリンダ装置である。シリンダは本体1に取り付けられ、ピストンロッドはキャリッジ10に取り付けられる。
【0024】
図示の実施形態では、上ダイ部3の下面には、ダイの自由端に向けて下方に傾斜するくさび面があり、そこでは、上ダイ部3はその端に向けて厚くなる。下ダイ部5の上面は上向きに傾斜しており、そこでは、下ダイ部5はその自由端に向けて厚くなる。ダイ部3,5のくさび面のくさび角は、くさび8のくさび面のくさび角と同じである。これにより、できるだけ大きな摩耗面とソリッドダイスとが提供される。
【0025】
キャリッジ10の移動方向、および、それに対応してくさび8および下ダイ部5の移動方向は、管の移動方向および軸方向と同じである。くさび8は、ダイの中心線の上にあり、動力装置9がくさび8をダイの自由端に向けて移動させると、切断パンチの移動方向にダイ3,5,8を対称的に伸長させる。
【0026】
切断パンチ2は、管壁に穿孔するために使用されて、打抜の間、伸長されたダイ3,5,8によって支持される。管から打抜かれた破片は、上ダイ部3の孔16に落ち込む。穿孔された管が次の加工段階に移動するときに、破片が管内に落ちて管の内面に沿って引きずられたり、管に追従したりしてはいけない。穿孔された管は、打抜位置から長手方向に離れて移動される。管は、孔縁仕上げ位置に移動される。孔縁仕上げ位置では、切断パンチによって切断された孔の縁が回動刃で仕上げられる(チッピングによって)。回動刃の動きは、パンチ孔の形状に従う。ブランチカラーを作るために丸管の壁に孔を形成する場合、孔の形状は多かれ少なかれ楕円形である。この場合、ダイ3,5,8の上面および下面の断面の曲率も、丸管の内面の曲率に一致する。ダイの幅は、管の断面よりわずかに小さくなる。
【0027】
穴を打ち抜く前に、ダイ部3,5に関してくさび8を第1移動方向(ダイの自由端に向けて)に移動させることによって、ダイ3,5,8は、くさび8のくさび面8a,8bによって切断パンチ2の移動方向に伸長される。くさび8の移動動作およびダイ3,5,8の伸長の間、ダイ3,5,8は支持ブッシュ14に支持される。支持ブッシュ14からダイ3,5,8が支持ブッシュ14の外側に延びる。くさびの移動動作の終了時に、くさび面8a,8bは、ダイの上部および下部を回動させて管の内面に接触させることによってダイを伸長する。打抜の間、打抜力は、管を平らにすることなく、ダイ3,5,8によって管の反対側の支持構造(図示せず)に伝達される。
【0028】
打抜の後、くさび8は第2移動方向に第1移動距離で移動する。これによりダイ部3,5が関節式に互いに向けて回動できることによってダイが収縮する。上ダイ部が下方に回動し、スプリング17が下ダイ部5を上方に回動させると、ダイは管壁に押し付けられなくなり、ダイ部3,5は管の内壁との接触から離れる。管が打抜位置から引き離されると、ダイは管の内面と接触しなくなる。下ダイ部5の下面のスレッシュホールド15は、支持ブッシュ14に寄りかかるように構成されるとともに、下ダイ部5およびくさび8が第2移動距離で移動するときに、下ダイ部5を上方に回動した状態に保つように構成されている。そして、孔16のベースが開き、管から打抜かれた破片が落下する。
【0029】
この後、下ダイ部5およびくさび8は、動力装置12およびキャリッジ10によってダイの自由端に向けて第2移動距離で戻され、装置は穿孔される次の管を受け取る準備が整う。孔16は、切断パンチおよび或る距離にわたって管に形成される孔と同じサイズであり、その後、孔16は、くさび8および下ダイ部5に向けて下向きに、すなわち切断パンチ2の加工動きの方向に、円錐状に伸長する。
【0030】
第1移動距離は、第2移動距離よりも短いことが好ましい。キャリッジ10は、装置の外にある本体(図示せず)上にリニアベアリング11によって支持されており、装置の本体1も本体フランジ1aによって取り付けられている。
【国際調査報告】