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特表2024-503720機械的に独立なステータを有するアキシャルフラックスモータ
<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-26
(54)【発明の名称】機械的に独立なステータを有するアキシャルフラックスモータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/12 20060101AFI20240119BHJP
   F04D 25/06 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
H02K1/12 B
F04D25/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543212
(86)(22)【出願日】2022-01-18
(85)【翻訳文提出日】2023-07-27
(86)【国際出願番号】 US2022012809
(87)【国際公開番号】W WO2022159397
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】63/139,018
(32)【優先日】2021-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504005091
【氏名又は名称】ゲイツ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(72)【発明者】
【氏名】ルサリアン,ヴィーゲル
(72)【発明者】
【氏名】スペハー,ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】リーバン,ステファン エム.
【テーマコード(参考)】
3H130
5H601
【Fターム(参考)】
3H130AA03
3H130AA04
3H130AB22
3H130AB46
3H130AC30
3H130BA97H
3H130CA21
3H130DD01X
5H601BB11
5H601CC01
5H601DD12
5H601HH05
(57)【要約】
ヨークに取付けられた複数のステータコアを収容するステータハウジングを備え、各ステータは電気巻線を有し、少なくとも1つのベアリングによってシャフトに連結されたロータハウジングと、シャフトに連結されたプレートと、プレートに連結された複数の磁石とを有するロータアセンブリとを備え、ロータアセンブリは、修正することなく、第1の構成のロータアセンブリと第2の構成のロータアセンブリとに連結されるように構成されるアキシャルフラックスモータ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヨークに取付けられた複数のステータコアを収容するステータハウジングを備え、各ステータは電気巻線を有し、
少なくとも1つのベアリングによってシャフトに連結されたロータハウジングと、前記シャフトに連結されたプレートと、前記プレートに連結された複数の磁石とを有するロータアセンブリとを備え、
前記ロータアセンブリは、修正することなく、第1の構成のロータアセンブリと第2の構成のロータアセンブリとに連結されるように構成される
アキシャルフラックスモータ。
【請求項2】
第1の構成の前記ロータアセンブリがオイルポンプに関連し、第2の構成の前記ロータアセンブリがウォータポンプに関連し、前記シャフトがインペラーに連結される請求項1に記載のアキシャルフラックスモータ。
【請求項3】
前記ステータハウジングが前記ロータハウジングのフランジに係合するフランジを有する請求項1に記載のアキシャルフラックスモータ。
【請求項4】
前記ステータが対応するステータコイルを受容する複数のプリズム形状のコアを有する請求項1に記載のアキシャルフラックスモータ。
【請求項5】
前記ロータが
第1の材料を金型に付加することと、
第2の材料を前記第1の材料の上方において前記金型に付加することと、
前記金型内において前記第1の材料と前記第2の材料を圧縮することと
前記第2の材料を磁化することと
を備える焼結処理により製造される
請求項1に記載のアキシャルフラックスモータ。
【請求項6】
前記電気巻線がフラットワイヤを備える請求項1に記載のアキシャルフラックスモータ。
【請求項7】
前記電気巻線がラウンドワイヤを備える請求項1に記載のアキシャルフラックスモータ。
【請求項8】
ステータアセンブリが集積回路基板を含む請求項1に記載のアキシャルフラックスモータ。
【請求項9】
前記ステータアセンブリとロータアセンブリが機械的に連結されない請求項1に記載のアキシャルフラックスモータ。
【請求項10】
前記ステータアセンブリが可動部分を含まない請求項1に記載のアキシャルフラックスモータ。
【請求項11】
前記ステータアセンブリが実質的に閉鎖した内容積を有するステータを有する請求項1に記載のアキシャルフラックスモータ。
【請求項12】
前記ステータアセンブリの内容積が、貫通して延びる少なくとも1つのワイヤを収容する請求項1に記載のアキシャルフラックスモータ。
【請求項13】
前記ロータが前記ロータハウジング内に完全に収容され、前記シャフトが前記ロータハウジングと前記ステータハウジングの間の境界部分を交差して延びておらず、前記ステータが前記ステータハウジング内に完全に収容される請求項1に記載のアキシャルフラックスモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は概略的に、著しい修正をすることなく多くのアプリケーションに用いられるアキシャルフラックスモータに関する。より詳しくは、本発明の実施形態は、種々のロータアセンブリ構造を受容するように構成された、機械的に独立なモジュール式ステータアセンブリを備えたアキシャルフラックスモータを意図する。
【背景技術】
【0002】
当業者は、アキシャルフラックスモータが水、オイル、および他の流体を移動させるように構成された、インペラや他の回転要素を使用するポンプにしばしば用いられることを理解する。アキシャルフラックスモータはまた、ファン、電子記憶媒体等を回転させるためにも用いられる。アキシャルフラックスモータを用いることの1つの利点は、非常に簡単に拡大縮小できるので、その寸法である。実際、ブラシレスDCモータの要素はしばしば、印刷回路基板に直接組み込まれる。
【0003】
アキシャルフラックスモータは一般的に、ロータから離間したステータから成る。名称が示すように、「アキシャル」はステータとロータの間の空隙がロータの回転軸に整列しているか平行であることを指す。ステータは通常、しばしば金属である1以上のコアの周囲に巻き付けられる導電体から成形された電磁石である。ハウジングはステータを収容する。ロータは1以上の永久磁石を使用する。作動において、電磁石を励磁する、あるいは電流をそこに通すことは、ロータの永久磁石の磁場に相互作用する、一定または可変の磁場を生成する。磁場の極性の選択的な変化は、ロータを回転させる。ロータはインペラの羽根、ギア、ファン等に連結されるシャフトに連結される。
【0004】
ブラシレスDCモータを自動車に組み込むには、多くの場合、多大な労力を必要とする。例えば、存在するDCモータを自動車に採用するにはしばしば、モータのステータハウジングを変更することが必要となる。ステータの内部要素はまた、高価で時間のかかる修正を必要とする。より具体的には、ブラシレスDCモータは通常一体的なユニットであり、ステータアセンブリとロータアセンブリと制御基板と各ハウジングは、単一のユニットとして構成される。したがって、モータアプリケーションにおける変更は、ハウジングと内部要素の設計変更を必然的に要求し、これは要素の価格上昇とリードタイムの増加につながる。
【0005】
アキシャルフラックスモータのいくつかの自動車アプリケーションは流体、特に、冷却液循環ポンプを必要とする内燃機関あるいは他のアプリケーションにおいて冷却液を圧送するためのポンプを含む。
【0006】
この技術の代表は、アキシャルフラックスモータを有するウェットロータポンプを開示する米国特許出願第2015/0030479号である。インペラのロータがウェット領域に配置される一方、ステータはドライ領域に配置される。ロータは1以上のサマリウムコバルト(SmCo)永久磁石により形成される。
【0007】
代表的技術はさらに米国特許出願第2017/0016449号を含み、これは、空洞を部分的に規定するハウジングと、空洞内に配置されたインペラとを備え、インペラは第1ディスクを含み、第1ディスクに配置された羽根を備え、インペラは回転軸の周りに回転可能であり、ハウジングに配置された第1ステータコアと、第1ステータコアに配置された巻線と、ハウジングによって規定される第1入口とを備えたポンプを開示し、第1入口とインペラとハウジングは流体の流路を規定する。
【0008】
標準的なステータアセンブリが多数のロータアセンブリを受容するように構成されたモジュール要素を有するアキシャルフラックスモータを提供することは長年の切実な必要性である。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態の1つの特徴は、ステータアセンブリとロータアセンブリから成るアキシャルフラックスモータを提供することである。ロータアセンブリは、少なくとも1つのベアリングを介してロータハウジングに連結された複数の永久磁石を有するロータを備える。ロータは、ファンまたはインペラに連結するための一体化されたシャフトを有してもよい。代替的に、ロータはファンまたはロータを受容するシャフトに作用的に連結される。ロータアセンブリのハウジングは、ウォータポンプ、オイルポンプ等の役目に関連したノズルまたはタービンのような付加的な要素を受容するように構成される。ロータアセンブリのハウジングはまた、ステータアセンブリの対応したフランジに選択的に連結されるフランジを含む。ステータアセンブリは、電磁石を形成するために巻線により巻かれたステータコアから成るステータを収容する。ステータの磁力は、永久磁石の磁場に相互作用してロータに回転を与える。
【0010】
ステータアセンブリとロータアセンブリはモータが適切に作動するために相互に近接して配置されなければならないことを当業者は認識している。多数のアプリケーションにおいて使用可能であるモジュール式ステータアセンブリを提供することは、本発明の実施形態の1つの特徴である。本発明の実施形態は主に、集積回路基板を有するモジュール式の機械的に独立したステータアセンブリに向けられる。関連したロータは、ステータアセンブリがアプリケーションに関わらない、アプリケーションに特有のハウジング内に組み入れられる。次いで、アプリケーションに特有のソフトウェアが集積回路基板に供給されることとなる。さらに、いくつかの実施形態の意図されたステータアセンブリは例えばシャフトのような可動部品を有さず、ステータアセンブリと連結されたアプリケーションに特有のロータアセンブリとの間の相互作用が磁力のみにより伝達される。以下にさらに詳細に示される図面は、オイルおよびウォータポンプのアプリケーションに使用されるステータアセンブリを示す。
【0011】
この明細書において用いられる語句である「1つの」物は、1以上の物を指す。したがって、語句「1つの」、「1以上の」および「少なくとも1つの」はこの明細書において同じ意味で用いられる。さらに表現「少なくとも1つの」、「1以上の」および「および/または」は、この明細書において用いられるように、作用において接続的かつ選言的である、制約のない表現である。例えば、「A、BおよびCの少なくとも1つ」、「A、BまたはCの少なくとも1つ」、「A、BおよびBの1以上」、「A、BまたはCの1以上」および「A、Bおよび/またはC」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとB、AとC、BとC、またはAとBとCを意味する。
【0012】
特に指示のない限り、この明細書と図面で使用される量、大きさ、条件等を示す全ての数値は、ここに記載された新規なアセンブリおよび方法の特定のアプリケーションのために要求に従って全ての例において修正されるかもしれない近似として理解されるべきである。
【0013】
「含む」、「備える」または「有する」およびその変化の使用は、付加的な項目と同様に、後に記述される項目およびその均等物を包含することを意味する。したがって、語句「含む」、「備える」または「有する」およびその変化はこの明細書において言い換え可能に使用される。
【0014】
この明細書で使用される「手段」の語句は米国特許法第112条(f)に従って可能な限り広く解釈されるべきである。したがって「手段」の語句は、ここに記載される全ての構造、材料または行為、およびその均等物の全てを含む。さらに、構造物、材料または行為およびその均等物は、概要、図面の簡単な説明、詳細な説明および添付された図面に記載された全てを含む。
【0015】
本発明の概要は、本発明の十分に広い範囲の代表であることを意図していないし、解釈されるべきではない。すなわち、これらおよび他の特徴と利点は、ここに記載される発明の開示から明らかである。さらに、上述した実施形態、特徴、目的および構造は、完全ではなく、徹底的でもない。理解されるように、本発明の他の実施形態は、単独でも、上述あるいは後述される1以上の特徴の組み合わせでも使用可能である。さらにまた、「本発明」またはその特徴になされる参照は、本発明のある実施形態を意味すると理解されるべきであり、必ずしも全ての実施形態を特定の記述に限定すると解釈されるべきではない。本発明は、添付された図面および詳細な説明と同様に、発明の概要に種々の詳細なレベルで説明され、本発明の範囲についての限定は、この発明の概要において、要素等を含むか、含まないかによって意図されない。本発明の付加的な特徴は、特に図面と合わせられたとき、詳細な説明から容易により明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
この明細書に組み込まれその一部を構成する添付図面は、本発明の実施形態を示し、上述した本発明の概略的に記述、および後述する図面の詳細な記述とともに、本発明の原理を説明する。
図1】オイルポンプとともに用いられる本発明の一実施形態のアキシャルフラックスモータの斜視図である。
図2図1の断面図である。
図3】ステータアセンブリを主に示す、図1の他の断面図である。
図4】ステータアセンブリの前方から見た斜視図である。
図5】ステータアセンブリの後方から見た斜視図である。
図6】本発明の1つの実施形態のステータコアの斜視図である。
図7図6に示されるステータコアとともに用いられるステータコイルの斜視図である。
図8】オイルポンプに用いられるように構成された本発明の1つの実施形態のロータアセンブリの断面図である。
図9】ウォータポンプとともに用いられる本発明の他の実施形態のアキシャルフラックスモータの斜視図である。
図10図9の断面図である。
図11図9に示される実施形態に用いられるロータアセンブリの断面図である。
【0017】
図面は必ずしも大きさを示さないことが理解されるべきである。ある例では、本発明の理解のために必要ではない、あるいは理解することが困難である他の詳細を示す詳細は、省略される。もちろん、本発明はここに説明される特定の実施形態には必ずしも限定されない。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1~11はロータアセンブリ10に連結されるステータアセンブリ6から成るアキシャルフラックスモータ2を示す。本発明の実施形態のステータアセンブリ6は種々の構造のロータアセンブリ10を受容できるモジュール型である。例えば、図示されたステータアセンブリはオイルポンプやウォータポンプに用いられるように構成されたロータアセンブリを受容することができる。当業者は、他のロータアセンブリを受容できるように意図されたステータアセンブリを理解するであろう。
【0019】
図2、3は図1のステータアセンブリを示す断面図である。ステータアセンブリ6は複数の電磁石を成すステータ15を収容するステータハウジング14を備える。より具体的にはステータ15は、電気巻線22を受容し、そこから延びる複数のコア18を有するヨーク16から成る。巻かれたコアは磁極を形成する。コアは実質的に三角形の断面を有するプリズム形状でもよい。周知のサーマルポッティングがステータを被覆するステータハウジング内に用いられてもよい。サーマルポッティングは、ステータとステータハウジングからの確かな放熱手段を与えることにより、アキシャルフラックスモータを冷却する。熱は一般的に、変化する磁場によりステータと巻線に誘発される渦電流からの鉄損と銅損と抵抗熱により、あるいは圧送される(ウォータポンプに適用された場合)冷却液から、およびエンジンブロック(自動車に適用された場合)または他の使用環境(図示せず)からハウジングに導かれることにより、生じする。繰り返しになるが、本発明のいくつかの実施形態の特徴は、種々の構成のロータアセンブリを許容し、また共に機能する、ステータアセンブリ6を提供することである。
【0020】
パワーコントロールエレクトロニクス23が、ステータハウジング14に関連したエレクトロニクスハウジング24内に設けられる。パワーエレクトロニクスはシャフト回転速度を制御し、不良点を検出することができる。エレクトロニクスハウジングはまた、巻線を通る電気の量と特性を選択的に制御して、電磁石内に磁場を生成するように構成された制御ユニットも収容する。制御方法は、PWM、LINプロトコル/バスまたはCANプロトコル/バスであってもよい。LINバスはシリアル通信プロトコルに基づいたサブバスシステムである。バスはデータを送信する単一の通信線を用いるシングルマスター/マルチプルスレーブバスである。コントローラエリアネットワークすなわちCANプロトコルは車両に搭載される、エンジン管理システム、ウォータポンプ、オイルポンプ、アクティブサスペンション、ABS、ギアコントロール、照明コントロール、空調、エアバッグ、セントラルロッキングのような種々の電子装置の間の通信方法である。PWMすなわちパルス幅変調は、制御回路を含む種々の応用に用いられるデジタル信号のタイプである。ハウジングはまた、ステータによって生じる熱を発散させるように設計されたヒートシンク26を含む。コネクタは電源等の制御ユニットとの電気的な通信のために用いられる。
【0021】
図6、7は当業者によく知られたステータの構成要素である。繰り返しになるが、ステータコアは、そこから延びる複数のコア18を有するヨーク16を形成する。巻線コイル22は各コア18に配置された複数の、例えば6つのコイルから成る。巻線は円形またはフラットな断面を有する巻線である。フラットワイヤは正方形又は長方形の断面を有する。フラットワイヤまたはラウンドワイヤは銅またはアルミニウムから成る。巻線の巻き面はシャフト軸に垂直に延び、したがって磁束は軸方向に延びる。1つの実施形態のモータは、6極のステータを用い、約120W~250Wの定格電力を有する。他の実施形態は、9極または15極のステータを用い、それぞれ約400W~1200Wおよび1500W~3500Wを生成する。実際、本発明のいくつかの実施形態では、ステータのコイルがプリント回路基板に組み込まれるように、ステータの磁極は長さ方向に短縮されている。
【0022】
コアの中央部分を含むステータアセンブリの内容積は、そこを貫通して延びる少なくとも1つのワイヤを収容する。コアの中央部分を含むステータアセンブリの内容積は、絶縁樹脂が充填されてもよい。したがってステータアセンブリは、実質的に閉鎖した内容積を有するステータを有する。当業者は、示されたコイルが、多くのブラシレスDCモータに従来見られるシャフトのステータにおける使用を阻止することを理解する。また、いくつかの実施形態における意図されたステータアセンブリが、例えばシャフトまたはベアリングのような可動部品を有しない。ロータシャフトはステータハウジング内に入り込まず、すなわちステータを貫通しない。ステータアセンブリと、連結されたアプリケーション特有のロータアセンブリとの間の相互作用は、単に磁力を介して駆動される。換言すれば、ロータはロータハウジング内に完全に収容され、シャフトはロータハウジングとステータハウジングの間の境界部分を交差して延びておらず、ステータはステータハウジング内に完全に収容される。
【0023】
1つの実施形態では、従来の3Dホール効果位置センサが中心部に配置され(すなわちヨークの長手軸にほぼ対応する)、モータ制御回路に接続される。意図されたホール効果センサは、モータの起動時間を短縮するように設計され、検出表面がロータ側に露出するようにして、上述した充填樹脂の中に埋設される。当業者は、ロータからの磁場の方向を検出することにより、ホール効果センサが機能することを理解であろう。したがって、ロータは延長した磁石の1つを有するか、あるいは付加的な磁石が位置検出磁場を生成するために用いられる。
【0024】
図8図1のアキシャルフラックスモータ内で用いられるロータアセンブリ10を示す。ロータアセンブリは、少なくとも1つのベアリング58によってハウジングに連結されたシャフト54を収容するハウジング50から成る。ベアリング58は、シャフト54がベアリングのインナーレースを有する一体型ベアリングであってもよい。さらに、ベアリングは2列型ボールベアリングあるいは2列型ボール・ローラベアリングであってもよい。意図されたローラベアリングは円筒型あるいはテーパ型ローラであってもよい。単列ベアリングの使用は、1つの実施形態のアキシャルフラックスモータの構成によって与えられるポンプシャフトの短縮された長さによって可能になる。
【0025】
シャフトは、複数のロータ磁石66を収容するプレート62に接続される。複数の磁石は、周囲に磁極を有するリング状磁石、あるいは交互の位置にある磁極を有する複数の個別の磁石であってもよい。磁石はフェライト、レアアース、あるいは他の公知の材料であってもよい。磁石は公知の方法を用いて磁極に接着される。例えば、永久磁石がプレートに接着されてもよい。当業者は、いくつかの例において、永久磁石が接着剤によってプレートに固定されるが、締り嵌め、溶接等の他の接続方法が使用可能であることを理解するであろう。
【0026】
代替的な製造方法において、ロータは、磁性体を含む粉末材料が金型で圧縮され、ロータを成形するために加熱される、焼結処理により製造される。磁石はその後、永久磁場を発生するロータに磁化領域を生成するためにロータに導かれる。この製造工程の一例は、米国仮特許出願第62/959,010(参照番号O19-056)において議論され、これは参照することによってこの明細書に組み入れられる。
【0027】
1つの実施形態のロータとステータの間に形成される空隙は0.2mmから1.5mmの範囲である。空隙は好ましくは、最大磁気効果を実現するためにできるだけ小さい。フランジ70が、ロータアセンブリ10をステータアセンブリの相補的なフランジ74に接続するために使用されてもよい(例えば図3参照)。作動において、ステータによって生成される磁場はロータの磁石66の磁場に相互作用して、例えばポンプを作動させるためにシャフトを回転させる。
【0028】
図9~11は、ウォータポンプに組み込まれる本発明の他の実施形態のアキシャルフラックスモータ102を示す。ここで、ステータアセンブリ106は図2に示されるのと同じ構成である。しかし、ロータアセンブリ110は僅かに異なり、入口180と出口184を有するウォータポンプとして作用するように構成される。本発明の1つの実施形態のプレート162はシャフト154に連結され、インペラ188に連結される。作動において、インペラは流体を入口から出口へ移動させるために回転し、これは当業者によって理解される。ステータアセンブリ106の要素が図1に示される実施形態と同じであることは重要である。
【0029】
本発明の実施形態の典型的な特性が記載された。しかし、本発明の実施形態を不必要に曖昧にすることを避けるため、上記記載は公知の装置、方法、システム、構造を省略し、および/または当業者が理解する装置は本発明の実施形態に共通に含まれる。このような省略は特許請求の範囲に記載された発明の範囲の制限として解釈されるべきではない。具体的な詳細は本発明のいくつかの実施形態の理解を与えるために記載される。しかし、本発明の実施形態がここに記載された具体的な詳細を越えた種々の方法において実行されるかもしれない。
【0030】
この明細書に記載された本発明の種々の実施形態の修正と変形が当業者に思い浮かぶであろう。このような修正と変形は、後述する特許請求の範囲に記載されるように、本発明の精神と範囲内に含まれることは明確に理解されるべきである。さらに、この明細書に記載された本発明が上記記述または図面に示された構造の詳細または要素の構成の応用に限定されないことは理解されるべきである。すなわち、この明細書に記載された本発明の実施形態は種々の形態で実現され、実施されることができる。この明細書に記載された種々の実施形態の範囲は、上述の記載によるよりも次の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等の意味と範囲に含まれる全ての変更は、特許請求の範囲内に包含されるべきである。代替的な交換および/または均等な構造物、機能、範囲またはステップを含み、許される範囲内で代替的な実施形態を特許請求の範囲に含める権利を得ることが、このような代替的、交換可能および/または均等な構造物、機能、範囲またはステップがこの明細書に開示されているかに関わらず、また特許性のある主題を公に提供することを意図することなく、意図される。
【0031】
上述した開示内容は本発明をここに開示された形態に限定することを意図していない。例えば、上述した詳細な説明において、本発明の種々の特徴が、開示内容を効率化する目的のために1以上の実施形態とともに分類される。開示の方法は、特許請求の範囲に記載された発明が明確に記載されたものよりも多くの特徴を要求する意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、後述する特許請求の範囲が示すように、発明の特徴は上述した1つの開示された実施形態の全ての特徴よりも少ない。したがって次の特許請求の範囲は、各請求項が本発明の個々の好ましい実施形態として成立しつつ、発明の詳細な説明に組み込まれる。さらに、この明細書に記載された本発明の実施形態は、種々のサブコンビネーションおよびサブセットを含み、実質的にこの明細書に示され記載されたような、要素、方法、工程、システムおよび/または装置を含む。したがって当業者は、他を提供することなく、本発明の実施形態のいくつかの特徴を提供することが可能であることを理解するであろう。換言すれば、この明細書に記載された1以上の面、特徴、要素、手段または実施形態が、この明細書に記載された1以上の他の面、特徴、要素、手段または実施形態と結合されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】