IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ メドス・インターナショナル・エスエイアールエルの特許一覧

特表2024-503744骨固定のための可撓性スリーブ、並びに関連するシステム及び方法
<>
  • 特表-骨固定のための可撓性スリーブ、並びに関連するシステム及び方法 図1
  • 特表-骨固定のための可撓性スリーブ、並びに関連するシステム及び方法 図2
  • 特表-骨固定のための可撓性スリーブ、並びに関連するシステム及び方法 図3
  • 特表-骨固定のための可撓性スリーブ、並びに関連するシステム及び方法 図4
  • 特表-骨固定のための可撓性スリーブ、並びに関連するシステム及び方法 図5
  • 特表-骨固定のための可撓性スリーブ、並びに関連するシステム及び方法 図6
  • 特表-骨固定のための可撓性スリーブ、並びに関連するシステム及び方法 図7
  • 特表-骨固定のための可撓性スリーブ、並びに関連するシステム及び方法 図8
  • 特表-骨固定のための可撓性スリーブ、並びに関連するシステム及び方法 図9
  • 特表-骨固定のための可撓性スリーブ、並びに関連するシステム及び方法 図10
  • 特表-骨固定のための可撓性スリーブ、並びに関連するシステム及び方法 図11
  • 特表-骨固定のための可撓性スリーブ、並びに関連するシステム及び方法 図12
  • 特表-骨固定のための可撓性スリーブ、並びに関連するシステム及び方法 図13
  • 特表-骨固定のための可撓性スリーブ、並びに関連するシステム及び方法 図14
  • 特表-骨固定のための可撓性スリーブ、並びに関連するシステム及び方法 図15
  • 特表-骨固定のための可撓性スリーブ、並びに関連するシステム及び方法 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-26
(54)【発明の名称】骨固定のための可撓性スリーブ、並びに関連するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/02 20060101AFI20240119BHJP
   A61B 17/88 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
A61B17/02
A61B17/88
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544543
(86)(22)【出願日】2022-01-25
(85)【翻訳文提出日】2023-07-28
(86)【国際出願番号】 EP2022051573
(87)【国際公開番号】W WO2022157377
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】17/156,874
(32)【優先日】2021-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514046806
【氏名又は名称】メドス・インターナショナル・エスエイアールエル
【氏名又は名称原語表記】Medos International SARL
【住所又は居所原語表記】Chemin-Blanc 38, CH-2400 Le Locle, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】リヒター・イェルン
(72)【発明者】
【氏名】ポンザー・ライナー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160AA12
4C160LL24
4C160LL62
(57)【要約】
骨内に固定された骨ねじへの器具の挿入を誘導するための可撓性管状部材は、可撓性であり、織物材料から構成され、長手方向軸線を画定する管状本体を含む。管状本体はまた、長手方向軸線に沿って互いに対向する近位端部及び遠位端部を画定する。管状本体は、近位端部の近位開口部から遠位端部の遠位開口部まで延在するガイドチャネルを更に画定する。取り付け部材は、管状本体の遠位端部に配置され、遠位端部を骨ねじの近位部分に連結するように構成されている。取り付け部材は、ガイドチャネルの周りに環状形状を有し、骨ねじから分離するために管状本体に印加される所定の張力に応答して拡張するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨内に固定された骨ねじへの器具の挿入を誘導するための可撓性管状部材であって、
可撓性であり、織物材料から構築された管状本体であって、前記管状本体が、長手方向軸線と、前記長手方向軸線に沿って互いに対向する近位端部及び遠位端部と、を画定し、前記管状本体が、前記近位端部における近位開口部から前記遠位端部における遠位開口部まで延在するガイドチャネルを画定する、管状本体と、
前記管状本体の前記遠位端部に配置され、前記管状本体の前記遠位端部を前記骨ねじの近位部分に連結するように構成された取り付け部材であって、前記取り付け部材が、前記ガイドチャネルの周りに環状形状を画定し、前記取り付け部材が、前記管状本体を前記骨ねじから分離するために前記管状本体に印加される所定の張力に応答して拡張するように構成されている、取り付け部材と、を備える、可撓性管状部材。
【請求項2】
前記管状本体が、前記長手方向軸線に沿って配向された長手方向に沿って実質的に一定の長さを維持しながら、前記長手方向軸線に垂直な半径方向に沿って拡張可能である、請求項1に記載の可撓性管状部材。
【請求項3】
前記織物材料が、織られた、組まれた、編まれた、及び電界紡糸されたもののうちの1つ以上である、請求項2に記載の可撓性管状部材。
【請求項4】
前記取り付け部材が、前記遠位端部において前記ガイドチャネルの周りで環状にリングになって液相又は半液相で適用されるように構成され、固相へと硬化して前記取り付け部材を画定するように更に構成された材料によって画定されている、請求項1に記載の可撓性管状部材。
【請求項5】
前記取り付け部材が、前記遠位端部において前記ガイドチャネルの周りで環状にリングへと少なくとも実質的に溶融され、前記取り付け部材を画定するように固化された、前記管状本体の一部分によって画定されている、請求項1に記載の可撓性管状部材。
【請求項6】
前記近位端部において導入部材を更に備え、前記導入部材が、前記ガイドチャネルの周りに環状に延在し、前記近位開口部を画定する、請求項1に記載の可撓性管状部材。
【請求項7】
前記管状本体が、前記ガイドチャネルが占有されていない場合に静止構成にあるときに平坦になるように構成されている、請求項1に記載の可撓性管状部材。
【請求項8】
前記管状本体が、軟組織と前記ガイドチャネルとの間に水分障壁を画定する、請求項1に記載の可撓性管状部材。
【請求項9】
前記織物材料が、磁気共鳴画像法(MRI)下で少なくとも部分的に視認可能である、請求項1に記載の可撓性管状部材。
【請求項10】
骨固定のためのシステムであって、
骨ねじであって、ヘッド部と、前記ヘッド部から前記骨ねじの遠位端部に向かって遠位方向に延在するシャフトと、を有し、前記ヘッド部が、前記遠位方向に狭くなるテーパ状部分を画定する、骨ねじと、
可撓性であり、織物材料から構築されたスリーブであって、前記スリーブが、長手方向軸線と、前記長手方向軸線に沿って互いに対向する近位端部及び遠位端部と、を画定し、前記スリーブが、前記近位端部における近位開口部から前記遠位端部における遠位開口部まで延在するガイドチャネルを画定する、スリーブと、
前記スリーブの前記遠位端部に配置され、前記スリーブの前記遠位端部を前記骨ねじの前記テーパ状部分に連結するように構成された取り付けリングであって、前記取り付けリングが、前記ガイドチャネルの周りに環状に延在し、前記スリーブを前記骨ねじから分離するために前記スリーブに印加される所定の張力に応答して拡張するように構成されている、取り付けリングと、を備える、骨固定のためのシステム。
【請求項11】
長手方向に沿って細長い延長部材を更に備え、前記延長部材が、前記近位開口部から前記遠位方向に前記ガイドチャネルを通って前進し、前記骨ねじの前記ヘッド部に連結するように構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記延長部材が、主要部分と、前記延長部材の遠位端部を画定する固定ヘッド部と、前記主要部分と前記固定ヘッド部との間に介在する脆弱部分と、を有し、
前記固定ヘッド部が、1)前記ガイドチャネルを通る前記延長部材の前進を容易にするために、前記延長部材の前記遠位端部まで延在する面取り表面と、2)前記固定ヘッド部を前記骨ねじの前記ヘッド部に連結するために、前記骨ねじの前記ヘッド部を受容するように構成されたレセプタクル部と、を画定し、
前記脆弱部分が、所定の力に応答して破断し、それによって、前記主要部分を前記固定ヘッド部から分離するように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記固定ヘッド部が、
前記長手方向に沿って延在する中心ボア軸線に沿って延在するボアを画定する内側表面であって、前記内側表面が、前記レセプタクル部を画定する、内側表面と、
前記長手方向に対して実質的に垂直な横断方向に沿って延在する横断チャネルであって、脊椎ロッドを受容するように構成された、横断チャネルと、を画定し、
前記システムが、
前記レセプタクル部内に存在するように構成された保持部材であって、前記保持部材が、前記骨ねじの前記ヘッド部に係合するように構成された内側表面と、前記固定ヘッド部と前記骨ねじの前記ヘッド部との間の接続を維持する様式で前記固定ヘッド部の前記内側表面に係合するように構成された外側表面と、を有する、保持部材と、
前記固定ヘッド部の近位端部において前記ボア内に存在するように構成された係止キャップであって、前記係止キャップが、前記脊椎ロッドを前記横断チャネル内に係止するために、前記固定ヘッド部の前記内側表面によって画定された相補的な係止形成部に係合するように構成された係止形成部を有する、係止キャップと、を更に備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記骨ねじを骨内へとねじ込むために、前記骨ねじの前記ヘッド部内に画定されたソケットに係合するように構成された第1のドライバと、
前記ガイドチャネルを通して前記延長部材を前進させ、前記固定ヘッド部を前記骨ねじの前記ヘッド部に連結するように構成された第2のドライバであって、前記第2のドライバが、前記脆弱部分を破断し、前記固定ヘッド部から前記主要部分を分離するために、前記所定の力を前記延長部材に印加するように更に構成された、第2のドライバと、を更に備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記スリーブが、前記近位端部において導入部材を更に備え、前記導入部材が、前記ガイドチャネルの周りに環状に延在し、前記近位開口部を画定し、前記導入部材が、前記長手方向軸線に垂直な方向に沿って測定される前記延長部材の最大断面寸法よりも大きい内径を画定する、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨固定装置に連結するための、特に、埋め込まれた骨固定装置から延在して、骨固定装置と生体外位置との間の軟組織を通るガイドチャネルを提供するための、可撓性スリーブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の脊椎手術は、切開処置を利用して行われ、その結果、かなりの軟組織が比較的大きく切開、破壊又は切除され、患者の回復時間が長くなっていた。低侵襲技術は、特に脊椎手術に対してますます一般的になってきており、この場合、比較的小さな切開及び手術経路を利用して患者に対して外科的処置を行い、一般的には、切開処置と比較して、より小さな切開又はいくつかの比較的小さな切開、軟組織のより少ない退縮及び切除、並びに患者のより短い回復時間をもたらす。低侵襲処置は、特定の状況では、切開処置と比較して同等又は改善された長期的手術結果を得ることができ、術後疼痛の低減、術後麻酔の使用の低減、組織破壊の低減を含む短期的利益を提供し得、それによって、瘢痕組織の低減及び修正が必要な場合の潜在的利益、血液損失の低減、回復時間の加速、入院期間の短縮、及び美容上魅力的なより小さい切開を可能にする。しかしながら、患者の軟組織が手術部位を見る外科医の能力を制限することが多いので、1つ又は複数のより小さい切開は、外科医が手術部位を直接見る視線を減少させる。
【0003】
脊椎手術における一般的な処置は、ねじをいくつかの椎骨に固定し、ねじ及び椎骨をロッドで互いに対して固定することを含む。このような脊椎構造体は、典型的には、囲まれた剛性カニューレ又はスリーブが軟組織を通る手術経路を形成し、外科医が手術部位にアクセスできるように、囲まれた又は実質的に囲まれた剛性カニューレ又はスリーブをねじに取り付けることによって埋め込まれる。Kワイヤを採用するものなどの、このような処置のために利用される低侵襲脊椎器具は、組み立てることが困難であり得、嵩高な傾向があり得、患者の皮膚からかなりの距離に延在し得、外科医が外科手術部位を視認する能力を制限し得、また、それらのサイズ及び材料組成の結果として、Cアーム又は蛍光透視鏡を利用する撮像を阻害し得、処置の終了時にねじから分離することが困難である場合がある。なお、脊椎手術におけるねじの現在の最小侵襲性固定及びロッドの配置は、多くの場合、手術経路に沿って、かつ切開部に近接して、手術部位内及びその周囲の患者の軟組織に望ましくないレベルの外傷をもたらす。ロッド挿入のために組み立てられると、これらの従来の最小侵襲性システムは、典型的には、所定の位置に係止され、外科医の手術技法を特定の患者の解剖学的構造に適合させる際、又は患者に利益をもたらすであろう様式で構成要素を埋め込むように器具を適合させる際に、外科医の選択肢を制限する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一実施形態によれば、骨内に固定された骨ねじへの器具の挿入を誘導するための可撓性管状部材は、可撓性であり、織物材料から構築され、長手方向軸線を画定する管状本体を含む。管状本体はまた、長手方向軸線に沿って互いに対向する近位端部及び遠位端部を画定する。管状本体は、近位端部の近位開口部から遠位端部の遠位開口部まで延在するガイドチャネルを更に画定する。取り付け部材は、管状本体の遠位端部に配置され、遠位端部を骨ねじの近位部分に連結するように構成されている。取り付け部材は、ガイドチャネルの周りに環状形状を有し、骨ねじから分離するために管状本体に印加される所定の張力に応答して拡張するように構成されている。
【0005】
本開示の別の実施形態によれば、骨固定のためのシステムは、ヘッド部と、そこから骨ねじの遠位端部に向かって遠位方向に延在するシャフトと、を有する、骨ねじを含む。ヘッド部はまた、遠位方向に狭くなるテーパ状部分を画定する。システムは、可撓性であって織物材料から構築されるスリーブを含む。スリーブは、長手方向軸線と、長手方向軸線に沿って互いに対向する近位端部及び遠位端部と、を画定する。スリーブはまた、近位端部の近位開口部から遠位端部の遠位開口部まで延在するガイドチャネルを画定する。取り付けリングは、スリーブの遠位端部に配置され、スリーブの遠位端部を骨ねじのテーパ状部分に連結するように構成されている。取り付けリングは、ガイドチャネルの周りに環状に延在し、スリーブを骨ねじから分離するためにスリーブに印加される所定の張力に応答して拡張するように構成されている。
【0006】
本開示の追加の実施形態によれば、骨ねじを骨に固定するための方法は、スリーブが骨ねじから近位方向に延在するように、骨ねじのヘッド部に可撓性スリーブを取り付けることを含む。スリーブを取り付けることは、ヘッド部の遠位面がスリーブの遠位端部に配置された取り付けリングに接触するまで、スリーブによって画定されたガイドチャネルを通して骨ねじを前進させることを含む。取り付けリングは、ヘッド部の最大直径よりも小さい内径を画定する。本方法は、ヘッド部によって画定されているソケット内へとドライバを挿入することと、骨ねじを軟組織を通して骨の固定部位まで前進させることと、中心軸線を中心としてドライバを回転させ、それによって、スリーブが軟組織を通して延在し、スリーブの近位端部が生体外に配置されるように、骨ねじのシャフトを固定部位の中にねじ込むことと、を含む。本方法はまた、スリーブに張力を印加し、それによって、骨ねじからスリーブを分離するために取り付けリングを拡張させることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
前述の概要及び本出願の例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むと、よりよく理解されるであろう。本出願の構造を例示する目的で、例示的な実施形態を図面に示す。しかし、本出願は、図示される正確な配置及び手段に限定されないことを理解すべきである。図面のうち:
図1】本開示の一実施形態による、埋め込まれた骨固定装置から生体外位置まで延在する可撓性スリーブを含む脊椎手術システムの、背面平面図である。
図2】スリーブが理論的な中立構成で示されている、図1に示す可撓性スリーブの斜視図である。
図3図1に示す可撓性スリーブの生体外部分の、斜視図である。
図4図3に示す可撓性スリーブの、拡大斜視図である。
図5図1図4に示す可撓性スリーブと共に使用される先行技術の骨固定装置の、側面図である。
図6図5に示す骨固定装置のヘッド部に連結された可撓性スリーブの遠位部分の、斜視図である。
図7図1図4に示す可撓性スリーブを用いる脊椎手術システムの、分解斜視図である。
図8図7に示される脊椎手術システムの骨固定装置及びねじ込みツールに連結されたスリーブの、平面図である。
図9図7に示された脊椎手術システムの延長部材を支持する第2のねじ込みツールの骨固定装置への挿入を誘導するスリーブの、平面図である。
図10】可撓性スリーブが図示のために省略されている、骨固定装置に連結された図9に示す延長部材の、一部断面側面図である。
図11】第2のねじ込み部材が可撓性スリーブから取り外された状態で骨固定装置に連結された、図9に示す延長部材の平面図である。
図12】スリーブ内に存在して骨固定装置に連結されて示されている、図11に示す延長部材の遠位部分の拡大斜視図である。
図13】骨固定装置に連結された、図12に示す可撓性スリーブの遠位部分の斜視図である。
図14】スリーブの取り付け部材が破断され、スリーブが部分的に引き抜かれ、骨固定装置に連結された延長部材の遠位部分を露出させている、図13に示す可撓性スリーブの遠位部分の斜視図である。
図15】本開示の実施形態による、脊椎手術の中間段階中に隣接する椎体に取り付けられた、図7に示す脊椎手術システムの種々の構成要素の斜視図である。
図16】本開示の一実施形態による、脊椎手術の最終段階中に隣接する椎体に取り付けられた、図15に示す脊椎手術システムの種々の構成要素の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、本開示の一部を形成する、添付図面及び実施例に関連する以下の詳細な説明を参照することにより、より容易に理解され得る。本開示は、本明細書に説明及び/又は図示される特定の装置、方法、用途、条件又はパラメータに限定されるものではなく、本明細書で使用される専門用語は実施例を用いて具体的な実施形態を説明する目的のためだけのものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。また、添付の請求項を含む明細書において使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は複数を含み、特定の数値への言及は、文脈により明確に別様に指示されない限り、少なくともこの特定の値を含む。
【0009】
「複数」という用語は、本明細書で使用される場合、1つよりも多いことを意味する。値の範囲が表されている場合、別の実施形態においては、ある特定の値から、及び/又はその他の特定の値までが含まれる。同様に、先行する「約」によって値が近似の形式で表現された場合、その特定値により別の実施形態が形成されることが理解されるであろう。範囲はいずれも境界値を含み、組み合わせが可能である。
【0010】
寸法、角度、及びその他の形状に関して本明細書で使用される場合、「約」及び「実質的に」という用語は、製造公差を考慮する。更に、「約」及び「実質的に」という用語は、規定の寸法又は角度よりも10%大きい又は小さいものを含み得る。更に、「約」及び「実質的に」という用語は、規定された特定の値にも等しく適用され得る。
【0011】
以下に説明する実施形態は、骨固定装置などの埋め込み部材に連結し、器具類及び/又は追加の埋め込み構成要素の挿入を軟組織を通して埋め込み部材まで誘導するために軟組織を通るガイドチャネルを提供するように構成された可撓性スリーブに関する。例えば、脊椎癒合術、特に低侵襲脊椎癒合術などの現在の脊椎固定術は、外科的治療部位において1つ以上の椎体の椎弓根に固定するために経皮椎弓根ねじを用いる傾向がある。このような経皮椎弓根ねじは、一般に、外形が縮小されたヘッド部を有する骨ねじと、骨ねじの外形が縮小されたヘッド部に連結し得る別個の延長部材と、を備える。これらの延長部材は、遠位固定ヘッド部を画定する傾向があり、この遠位固定ヘッド部は、延長部材の残りの部分から切断されるか、又は別の方法で分離され得る。固定ヘッド部は、一般に、隣接する椎体間の相対位置を固定するために脊椎ロッドをその内部に受容するためのU字型チャネルを画定する。あるいは、固定ヘッド部は、その内部に脊椎ロッドを側方から装填するように構成されたねじシステムで使用するためなど、C字型チャネルを画定し得る。固定ヘッド部は、その内部に受容可能な脊椎ロッドの配向のための優れた調節可能性を提供するために、骨ねじに対して多軸角形成のために構成され得る。
【0012】
現在の技術水準では、骨ねじを埋め込む前に延長部材を骨ねじに取り付けることが好ましい。しかしながら、本技術は、特に、挿入された椎弓根ねじ及び取り付けられた延長部材の数が増加するにつれて、患者から外向きに延在する嵩高な構成要素をもたらし得、それによって、手術部位において物理的障害をもたらし、また、外科医の直接の視線を妨げる。本技術はまた、軟組織に過剰な力をかけ得、したがって、その内部に虚血をもたらす可能性がある。更に、これらの構成要素は、放射線不透過性である傾向があり、したがって同様に、放射線学及び蛍光透視法などの手術部位の電子撮像を妨害する。しかしながら、延長部材を骨ねじに生体内で連結することはまた、特に、外科医が埋め込まれた骨ねじへの経皮的アクセスを制限される場合に、視界のきかない状態で骨ねじのヘッド部を患者の中に配置することが困難である傾向があるという点で、課題を提起する。更に、延長部材を骨ねじのヘッド部に生体内で連結することは、骨ねじと延長部材との嵌合面の間に介在する可能性がある流体及び/又は組織によって、複雑になる可能性がある。
【0013】
本明細書に開示される可撓性スリーブは、延長部材を挿入するためなど、軟組織を通る信頼性の高いガイドチャネルを提供する。このようにして、骨ねじは、延長部材と連結する前に埋め込まれ得るが、これによって、手術部位における物理的障害が低減され、手術中に外科医がより容易に動くことが可能になる。なお、スリーブの可撓性材料は、その生体外部分が患者の皮膚の外側表面に沿って実質的に平坦に置かれることを可能にし、それによって同様に、電子可視化、例えば、蛍光透視法を含む、手術部位の視覚的妨害を低減する。更に、可撓性スリーブ材料は、好ましくは、スリーブの全長を減少させることなく、スリーブが半径方向に(すなわち、外向きに)拡張することを可能にするように構築され、それによって、周囲の軟組織に課される摩擦を減少させる。
【0014】
ここで図1を参照すると、骨固定システム100の代表的実施形態は、本明細書では可撓性ソックス又は可撓性スリーブ2とも称される可撓性管状本体2を含み、可撓性管状本体2は、骨102内の標的部位に固定可能な骨ねじなどの骨固定装置4に連結するように構成されている。スリーブ2は、骨固定装置4に取り付けられたその遠位端部6から、軟組織104を通って近位方向に、患者の解剖学的構造に対して生体外位置において位置付けられた近位端部8まで延在するように、構成されている。スリーブ2は、軟組織104を通して骨固定装置4への埋め込み構成要素及び/又は器具の挿入を誘導するように構成されている。例示的実施例では、骨固定装置4は、椎体105内へとその椎弓根を通して挿入されるように構成された椎弓根骨ねじであり、スリーブ2は、椎弓根ねじ4から軟組織104を通って軌道軸線106に沿って患者の解剖学的構造の皮膚線110における切開部108まで近位方向に延在し、更に切開部108から近位端部8まで延在する。示されるように、スリーブ2は、好ましくは、その近位生体外部分が軌道軸線106から離れて折り畳まれ、患者の皮膚110の外側表面に沿って置かれ得るように構成されている。
【0015】
ここで図2を参照すると、スリーブ2は、長手方向Lに沿って細長く、長手方向Lに沿って配向された長手方向軸線Xを画定する。スリーブ2の遠位端部6及び近位端部8は、長手方向Lに沿って互いに対向しており、それによって、遠位端部6は、長手方向Lに沿って遠位方向Dに近位端部8から離間しており、近位端部8は、長手方向Lに沿って近位方向Pに遠位端部6から離間している。近位方向P及び遠位方向Dは互いに対向しており、それぞれ長手方向Lの単方向構成要素であるが、これは双方向であることを理解されたい。同様に、図2は、外力(重力を含む)がない理論上の中立構成におけるスリーブ2を示すことを理解されたい。
【0016】
スリーブ2は、遠位端部6の遠位開口部12から近位端部8の近位開口部14まで長手方向軸線Xに沿って延在するガイドチャネル10を、更に画定する。スリーブ2はまた、長手方向軸線Xに垂直な(したがって長手方向Lにも垂直な)半径方向Rに沿って互いに離間された外側表面16及び内側表面18を、画定する。スリーブ2の壁20は、外側表面16と内側表面18との間で半径方向に(すなわち、半径方向Rに沿って)延在する。内側表面18がガイドチャネル10を画定することを、理解されたい。
【0017】
スリーブ2は、以下でより詳細に説明するように、遠位端部6を骨固定装置4の近位部分に連結するために、遠位端部6に又は遠位端部6に隣接して取り付け部材22を含む。スリーブ2の近位端部8は、好ましくは、ガイドチャネル10内への器具の挿入を容易にするように構成された導入部材24を含む。示されるように、導入部材24は、ガイドチャネル10の周りに環状に延在し、近位開口部14を画定するリングであり得る。リング24は、近位開口部14において漏斗状構造を提供するように構成されることが好ましい。スリーブ2は、近位端部8から遠位端部6まで長手方向Lに沿って測定される長さL1を画定する。スリーブ2はまた、半径方向Rに沿って測定される断面寸法R1を画定する。
【0018】
スリーブ2は、好ましくは織物材料から構築され、織物材料は、織られた、組まれた、編まれた、及び/又は電界紡糸された構造体であり得る。織物材料は、非限定的実施例として、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、超高分子量ポリエチレン(ultra-high-molecular-weight polyethylene、UHMWPE)、ポリジオキサノン(polydioxanone、PDS)、ポリプロピレン(polypropylene、PP)、ポリエステル、及びナイロンなどの埋め込みグレードの生体適合性材料であり得る。しかしながら、スリーブ2は、外科的処置中の一時的な使用のために構成されており、永久的又は長期的な埋め込みとしてではないため、織物材料は、埋め込みグレードの材料である必要はなく、医療グレードの材料及び/又は生分解性材料であり得ることを理解されたい。
【0019】
スリーブ2はまた、好ましくは、半径方向に柔軟であるように、特に、実質的に一定の長さを維持しながら半径方向に(すなわち、半径方向Rに沿って)及び円周方向に拡張することができるように構成されている。別の言い方をすれば、スリーブ2は、好ましくは、長さL1が実質的に一定のままである一方で、断面寸法R1が拡張するように構成されるように構築される。このような構成は、スリーブ2を構築する様式によって提供され得る。非限定的実施例として、スリーブ2の織物材料は、高い半径方向の伸展性を提供する横糸編みパターンで、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維を編むことによって、構築され得る。高い半径方向の伸展性を有するスリーブ2を提供するために、その他の材料及び構造体が用いられ得る。このようにして、スリーブ2は、実質的に長さL1を延長又は短縮することなく、ガイドチャネル10を通る埋め込み構成要素及び/又は器具の通過に対応するように半径方向に拡張し得、それによって、スリーブ2の外側表面16とスリーブ2に隣接する軟組織104との間の摩擦を回避するか、又は少なくとも低減する。スリーブ2はまた、好ましくは、軟組織104内で実質的に平坦な様式で(すなわち、それ自体の上に折り畳まれることなく)圧潰するように構成されている。このようにして、スリーブ2は、スリーブ2を取り囲む軟組織104の圧縮を回避するように構成され得る。追加的に又は代替的に、スリーブ2の材料はまた、例えば、低空隙率を採用することによって、ガイドチャネル10内への水分の浸透を防止するか、又は少なくとも低減するように、構成され得る。その他の実施形態では、スリーブ2は、ガイドチャネル10内の水分を抑制する必要はない。更に、スリーブ2は、好ましくは、実質的に放射線透過性であるように構成されており、それによって、蛍光透視画像を妨げることを回避する。追加的に又は代替的に、スリーブ2の1つ以上の部分は、蛍光透視法又はX線画像において視認可能であるように、部分的に放射線不透過性であり得る。更に、スリーブ2は、磁気共鳴映像法(magnetic resonance imaging、MRI)において少なくとも部分的に視認可能であるように構成され得る。これは、例えば、非限定的実施例として、織物材料に金属フィラメントを組み込むことによって達成され得る。追加的に又は代替的に、スリーブ2は、抗生物質及び/又は消毒液を搬送し、スリーブ2と接触するか、又はそれに近接する軟組織に治療的利点を提供し得る。更に、スリーブ2の織物材料は、ガイドチャネル10内に照明を提供するため、及び/又はスリーブ2に隣接する軟組織を滅菌するために紫外線(ultraviolet、UV)光を放射するためなど、発光ファイバを所望により含み得る。
【0020】
ここで図3及び図4を参照すると、スリーブ2はまた、その任意の部分、又は取り付け部材22と導入部材24との間の少なくとも任意の部分が、そのガイドチャネル10が占有されていない場合に静止構成にあるときに実質的に平坦になるように構成されるように、構成され得る。したがって、医師は、切開部108から延在するスリーブ2の生体外部分を、患者の皮膚110の外側表面に沿って、実質的に平坦に置き得る。このようにして、スリーブ2は、有利には、手術部位への障害を低減しながら、埋め込まれた骨固定装置4へのアクセスを提供し得る。別の言い方をすれば、スリーブ2の生体外部分は、骨固定装置4へのアクセスが望まれるまで、邪魔にならないように折り畳まれ得る。必要であれば、医師は、非限定的実施例として、スリーブ2を皮膚110に対して押し下げる様式でその外側表面16に沿って指又は親指を走らせることによって、又はスリーブ2を親指と人差し指との間に挟み込み、親指を近位端部8に向かって近位方向に走らせることなどによって、スリーブ2の生体外部分を手動で平坦にし得る。
【0021】
ここで図5を参照すると、骨固定装置4は、ヘッド部30と、ヘッド部30から遠位方向Dに延在するシャフト32と、を有する、椎弓根ねじなどの骨ねじであり得る。ヘッド部30の近位表面34は、骨ねじ4の近位端部を画定する。したがって、近位表面34は、骨ねじ4の近位端部と称され得る。シャフト32は、標的部位で骨材料と係合するための雄ねじ36を画定することが好ましい。雄ねじ36は、図示のように螺旋状であり得、骨ねじ4の遠位端部を画定する遠位先端部38に向かって延在し得る。したがって、遠位先端部38は、骨ねじ4の遠位端部と称され得る。骨ねじ4は、長手方向Lに沿って中心ねじ軸線40を画定する。骨ねじ4は、好ましくは、骨ねじ4の標的部位への挿入を誘導するために、キルシュナワイヤ又は「Kワイヤ」などのガイドワイヤを受容するための中心ねじ軸線40に沿って、カニューレ挿入部を画定する。
【0022】
骨ねじ4のヘッド部30は、好ましくは、骨ねじから生体外位置まで延在する延長部材に取り付けるように構成されている。したがって、図示された実施形態全体にわたって示されるヘッド部30は、雄ねじを含まないが、スリーブ2は、ねじ切りされたねじヘッド部と共に用いられ得ることを理解されたい。ヘッド部30は、以下でより詳細に説明するように、好ましくは滑らかであり、延長部材に対する回転を容易にするために湾曲又は半球形状を有する外側表面42を画定する。したがって、ヘッド部30は、最大幅W1を画定し、好ましくは、最大幅W1よりも小さい第2の幅W2を有するネック部45まで遠位方向に(すなわち、遠位方向Dに)狭くなる、テーパ状部分43を画定する。
【0023】
ヘッド部30はまた、好ましくは、1つ以上の相補的なねじ込みツールを受容するための、1つ以上のソケット44a、44bを画定する。示されるように、ヘッド部30は、骨ねじ4を骨102内の標的部位内へとねじ込むためのドライバなどの、第1のねじ込みツールを受容するように構成された第1のソケット44aを画定し得る。ヘッド部30はまた、以下でより詳細に説明するように、延長部材をねじ込んでヘッド部30と係合させるためのドライバなどの、第2のねじ込みツールを受容するように構成された第2のソケット44bを画定し得る。各ソケット44a、44bは、関連するねじ込みツールの対応するビットと嵌合するように構成されたねじ込み表面を画定し得る。例えば、非限定的実施例として、第1のソケット44aのねじ込み表面は、星形六角ねじ込みビットと嵌合するように構成された星形六角パターンであり得、第2のソケット44bのねじ込み表面は、ねじ切りポストねじ込みビット上の雄ねじと係合するように構成された雌ねじを画定し得る。その他のねじ込み表面パターンも、本開示の範囲内にあることを理解されたい。骨ねじ4及びその特徴部は、2012年9月11日にBeardsleyらの名で発行された米国特許第8,262,662号(以下、「Beardsley参考文献」)、2018年11月27日にKeyerらの名で発行された米国特許第10,136,923号(以下、「Keyer参考文献」)、2019年5月23日にBiesterらの名で出願された米国特許公開第2019/0150989号(「以下、「Biester参考文献」)により完全に記載されているように構成され得、そのそれぞれの開示全部が参照により本明細書に組み込まれる。
【0024】
ここで図6を参照すると、スリーブ2は、骨固定装置4に、特にそのヘッド部30において、又はそれに隣接して連結するように構成されている。示されるように、取り付け部材22は、好ましくは、非限定的実施例として、図示のようなネック部45、又はヘッド部30のテーパ状部分43など、ヘッド部30の最大幅W1から遠位方向に離間した位置において骨ねじ4に連結するように構成されている。取り付け部材22は、好ましくは、スリーブ2の遠位端部6において、又はそれに隣接してガイドチャネル10の周りに延在する環状形状を画定する。例えば、取り付け部材22は、環状リング又はバンドであり得、遠位開口部12を画定し得るが、その他の実施形態では、取り付け部材22は、遠位開口部12から近位方向に離間され得る。取り付け部材22は、骨固定装置4の第2の幅W2と等しいか又はそれよりもわずかに大きい内径D1を画定し得、それによって、取り付け部材22の内側表面は、好ましくは、ネック部45又はヘッド部30のテーパ状部分43などにおいて、骨固定装置4の外側表面と滑り嵌めを形成する。
【0025】
取り付け部材22はまた、長手方向軸線Xに沿ってスリーブ2に印加される所定の張力などの分離力に応答して、特にその内径D1を増大させることによって拡張するように構成される。このようにして、医師は、スリーブ2を骨固定装置4から分離することが望ましい場合に、導入部材24を引っ張ることなどによって、所定の張力をスリーブ2に印加し得る。非限定的実施例として、取り付け部材22は、ガイドチャネル10の周りで環状にリングになって、又はガイドチャネル10の周りに少なくとも部分的に、液相若しくは半液相で適用されるように構成され、更に固相へと硬化するように構成された接着剤、エポキシ、又はその他の材料によって画定され得る。その他の実施形態では、取り付け部材22は、少なくとも実質的に溶融され、その後、ガイドチャネル10の周りで環状にリング状になって固化されるか、又はガイドチャネル10の周りに少なくとも部分的に固化されるスリーブ2の一部分によって、画定され得る。前述の代表的取り付け部材22は、破断、引き裂き、裂け、又は別の方法で機械的破損形態を受けることによって拡張するように構成され得る。追加の実施形態では、取り付け部材22は、所定の張力に応答して開くか、又は別の方法で拡張することによって(その内径D1を拡張することなどによって)構成された、スロット付きリング若しくはC字型リングなどの環状ばね又は半環状ばねなどのばね部材、あるいは渦巻きばねとされ得る。取り付け部材22としてばね部材を用いるこれらの実施形態は、拡張して骨ねじ4から分離するために機械的破損形態を受ける必要がないので、有利であり得る。取り付け部材22を構築するためのその他の技術も、本開示の範囲内にあることを理解されたい。
【0026】
図7図16を参照して、代表的な外科的処置による脊椎固定システム100の更なる使用について説明する。本実施例では、外科的処置は、脊髄減圧を提供するためなどの脊椎固定手術であるが、スリーブ2は、その他の種類の外科的処置のために同様の利益を伴って用いられ得ることを理解されたい。
【0027】
次に図7を参照すると、脊椎固定システム100は、上述のようにスリーブ2と骨固定装置4と、を含み、骨固定装置4の第1のソケット44aに係合するように構成された遠位端部122と、ねじ込みツールに係合するように構成された近位端部124と、を有する、第1のねじ込みビット120などの、第1のねじ込み部材を更に含み得る。
【0028】
システム100は、長手方向Lに沿って細長く、骨固定装置4のヘッド部30に連結するように構成された延長部材130を更に含み得る。延長部材130は、長手方向Lに沿って互いに離間された近位端部132及び遠位端部134を画定する。延長部材130は、近位端部132から遠位方向に延在する主要部分136と、遠位端部134まで延在して画定する固定ヘッド部138と、主要部分136と固定ヘッド部138との間に介在する脆弱部分140と、を含み得る。延長部材130はまた、近位端部132などから主要部分136に沿って延在し、固定ヘッド部138の一部分に沿って延在する、長手方向に細長いチャネル142を画定し得る。細長いチャネル142はまた、長手方向Lに対して実質的に垂直である横断方向Tに沿って、それぞれ主要部分136及び固定ヘッド部138の対向する側部144a、144bから延在する。このようにして、細長いチャネル142は、主要部分136に沿って一対の細長いタブを画定し得る。したがって、主要部分136はまた「延長タブ」136とも称され得る。細長いチャネル142は、以下でより詳細に説明するように、固定ヘッド部138内への脊椎ロッドの誘導挿入のために構成されている。
【0029】
固定ヘッド部138は、スリーブ2を通る延長部材130の前進を容易にするために、遠位端部134まで延在する面取り表面146を画定することが好ましい。固定ヘッド部138はまた、骨固定装置4のヘッド部30を受容するように構成された、レセプタクル部148などの取り付け形成部を画定する。脆弱部分140は、所定のねじり力及び/又は引っ張り力などの所定の力に応答して破断するように構成されており、それによって、固定ヘッド部138が骨固定装置4に連結した後、延長タブ136を固定ヘッド部138から分離する。延長タブ136及び固定ヘッド部138を含む延長部材130は、Biester及びBeardsleyの参考文献に更に十分に記載されている。
【0030】
システム100は、延長部材130と連結し、それをスリーブ2のガイドチャネル10を通して骨固定装置4のヘッド部30まで前進させるために、延長部材130の細長いチャネル142内で長手方向に延在するように構成された、第2のねじ込みツール150などの第2のねじ込み部材を含み得る。第2のねじ込みツール150は、その近位端部に配置されたハンドル152を含み得る。ハンドル152は、延長部材130の近位端部132に取り付けるための、環状凹部154などの近位取り付け形成部を画定し得る。第2のねじ込みツール150は、第2のねじ込みツール150の近位端部から遠位端部まで延在するカニューレ挿入部153を更に画定し得る。カニューレ挿入部153は、その内部に第1のねじ込みビット120を受容するようなサイズであり得る。このようにして、第2のねじ込みツール150は、その遠位端部122が骨固定装置4の第1のソケット44aと係合されている間に、スリーブ2のガイドチャネル10を通して第1のねじ込みビット120に沿って、延長部材130を前進させ得る。
【0031】
第2のねじ込みツール150の遠位端部は、骨固定装置4の第2のソケット44bの雌ねじに係合するための雄ねじを有するねじ切り取り付けポスト155などの遠位取り付け形成部を画定し得、それによって、骨固定装置4のヘッド部30を固定ヘッド部138のレセプタクル部148内に配置する。ねじ切り取り付けポスト155と第2のソケット44bの雌ねじとの間のこのようなねじ切り係合は、骨固定装置4を所定の位置に効果的に保持し、追加の連結要素が固定ヘッド部138に取り付けられている間、骨固定装置4が第2のねじ込みツール150に対して角形成されることを防止する。
【0032】
第2のねじ込みツール150はまた、固定ヘッド部138を骨固定装置4のヘッド部30にしっかりと連結するための1つ以上の関連する連結要素を支持するための、1つ以上の追加の形成部を含み得る。例えば、第2のねじ込みツール150は、固定ヘッド部138と骨固定装置4のヘッド部30との間のレセプタクル部148内に存在するような様式でヘッド部30上に挿入するための、スナップ式カラーなどの、保持部材160を支持するための第1のボス部156を含み得る。第2のねじ込みツール150はまた、以下でより詳細に説明するように、固定ヘッド部138のチャネル142内に脊椎ロッドを保持する様式で固定ヘッド部138の相補的な係止形成部と係合するための、係止キャップなどの、係止部材170を支持するための第2のボス部158を含み得る。第2のねじ込みツール150はまた、所定のねじり力及び/又は引っ張り力をそこに印加し、主要部分136を固定ヘッド部138から分離するために、延長部材130の主要部分136の相補的形成部に係合するように構成された形成部を含み得ることを、理解されたい。
【0033】
ここで図8を参照すると、医師は、特にビットの遠位端部122を骨固定装置4のヘッド部30の第1のソケット44a内へと挿入することによって、第1のねじ込みビット120を骨固定装置4と係合させ得る。例示的実施例では、骨固定装置4は椎弓根ねじ4である。医師は、その後、接続された椎弓根ねじ4及び第1のねじ込みビット120をスリーブ2のガイドチャネル10内へとその近位開口部14から挿入し、取り付け部材22がヘッド部30のネック部45又はテーパ状部分43などの椎弓根ねじ4の所望の部分に係合するまで(図6により明確に示す)、椎弓根ねじ4及び第1のねじ込みビット120を、ガイドチャネル10を通して遠位方向に前進させ得る。椎弓根ねじ4、第1のねじ込みビット120、及びスリーブ2がこのようにして連結された状態で、医師は、第1のねじ込みビット120を用いて、椎弓根ねじ4及びスリーブ2の遠位部分を、穿刺切開などの切開を通して、軟組織104を通して軌道軸線106に沿って第1の椎体105の標的部位まで前進させ得、ねじシャフト32を標的部位において骨材料102内へとねじ込みさせ得る。シャフト32が第1の椎体105内の所望の深さまで挿入された後、第1のねじ込みビット120は、ガイドチャネル10から近位方向に引き抜かれ、軌道軸線106に沿って、軟組織104内へとスリーブ102の遠位部分を残し得る。
【0034】
第1のねじ込みビット120がスリーブ2から取り外された状態で、医師は、上述したように、スリーブ2の生体外部分を、患者の皮膚の外側表面に沿って邪魔にならないように平坦に置き得る。次に、医師は、第1のねじ込みビット120などのねじ込みツールを使用して、第2の椎弓根ねじ4を第2のスリーブ2に連結し、第2の椎弓根ねじ4を骨102内の第2の標的部位、例えば、第2の椎体105の椎弓根又は第1の椎体105の反対側の椎弓根などの別の椎弓根内などへと挿入し得るが、スリーブは、第1のスリーブ2と同様に、そこから軟組織104を通って第2の生体外位置まで近位方向に延在する。医師は、追加の椎弓根ねじを追加の標的部位内へと挿入するために、必要に応じて前述の工程を繰り返し得、関連するスリーブ2がそこからそれぞれの生体外位置へと延在する。医師は、スリーブ2の生体外部分を患者の皮膚の外側表面に沿って平坦に置いて、手術部位の妨害を低減し、撮像妨害もまた低減し得る。
【0035】
延長部材130を椎弓根ねじ4に連結することが望ましい場合、医師は、延長部材130が第2のねじ込みツール150に適切に連結されていることを確実にし得る。医師は、導入部材24を持ち上げることなどによって、スリーブ2の生体外部分を操作して軌道軸線106に沿って位置合わせし得る。ここで図9を参照すると、スリーブ2の生体外部分が位置合わせされた状態で、医師は、第2のねじ込みツール150を操作して、延長部材130の遠位端部134を導入部材24を通してガイドチャネル10内へと挿入し得る。医師は、ねじ切り取り付けポスト155がねじヘッド部30の第2のソケット44bに係合するまで、第2のねじ込みツール150及びそこへと連結された延長部材130を、遠位方向に更に前進させ得る。
【0036】
ここで図10を参照すると、医師は、第2のねじ込みツール150を回転させて、ねじ切り取り付けポスト155が第2のソケット44b内に完全に着座するまで、ねじ切り取り付けポスト155を第2のソケット44bの雌ねじに螺合させ、それによって、ヘッド部30を所望の深さで固定ヘッド部138のレセプタクル部148内に存在させ得る。カラー160は、カラー160がヘッド部30に対して完全に着座するまで、ヘッド部30の外側表面42に沿って遠位方向に前進し得る。その完全に着座した位置において、カラー160の内側表面162は、最大幅W1の場所を横切って、かつヘッド部外側表面42のテーパ状部分43に沿って遠位方向に延在し得るが、一方で、カラー160の外側表面164は、そのレセプタクル部148を画定する固定ヘッド部138の内側表面149に係合する。図示された実施形態のカラー160は、カラー160の遠位端部が最大幅W1の場所を通過すると、ヘッド部30上の定位置にスナップ留めされるように構成されており、それによって、カラー160がねじヘッド部30及び固定ヘッド部138に対して完全に着座された場合を示す触覚フィードバック及び好ましくは聴覚フィードバック(例えば、スナップ音又はクリック音)もまた医師に提供する。カラー160は、例えば、Keyer及びBiesterの参考文献においてより完全に説明されるように、ねじヘッド部30に対して多軸角形成を固定ヘッド部138に提供するように更に構成されている。
【0037】
ここで図11及び図12を参照すると、固定ヘッド部138が椎弓根ねじ4に連結された状態で、第2のねじ込みツール150を第2のソケット44bから分離してスリーブ2から引き抜くことができ、延長部材130をスリーブ2内に残し、椎弓根ねじ4に連結させる。スリーブ2の可撓性により、医師は、延長部材130を含むスリーブ2の生体外部分の周りを把持するなどして、スリーブ2を通して延長部材130を操作して、必要に応じて延長部材130を椎弓根ねじ4に対して多軸的に角度付けして、細長いチャネル146を脊椎ロッドを受容するための所望の向きに位置付けることなどが可能である。
【0038】
ここで図13及び図14を参照すると、スリーブ2を取り外すことが所望される場合、医師は、そこへと所定の張力F1を印加し、それによって、取り付け部材22を破断し得る。次に、医師は、スリーブ2を引き抜くことができ、それによって、延長タブ136及び細長いチャネル142を露出させる。このようにして、スリーブ2は、脊椎ロッドをチャネル142内に挿入することが望まれるまで、ねじヘッド部30、固定ヘッド部138、及び延長タブ136を生体内で保護し得る。
【0039】
ここで図15及び図16を参照すると、医師は、一対の隣接する椎体105などの複数の椎体内へと椎弓根ねじ4を挿入し、延長部材130を椎弓根ねじ4に連結するために、必要に応じて前述の工程のうちの1つ以上を繰り返し得る。医師は、脊椎ロッドを細長いチャネル142内へと挿入するために、スリーブ2を関連する延長タブ136から完全に又は部分的にのみ取り外すことを選択し得ることを理解されたい。例えば、図15は、スリーブ2が完全に引き出された第1の対の延長部材130aを示す。これらの延長部材130aに対して、関連する脊椎ロッド180は、延長部材130の近位端部132などから細長いチャネル142内へと挿入し得るが、脊椎ロッド180は、脊椎ロッド180が固定ヘッド部138のチャネル142内に着座するまで、チャネル142に沿って遠位方向に前進し得る。
【0040】
また、第2の対の延長部材130bが示されており、その一方は、その関連するスリーブ2を完全に引き込んでおり、その他方は、その関連するスリーブ2を部分的に引き込んでおり、細長いチャネル142の遠位部分を露出させている。これらの延長部材130bに対して、医師は、スリーブ2がそこから完全に引き抜かれた延長部材130bのチャネル142に沿って遠位方向に、ロッド搬送ツール182などの補助を用いて、脊椎ロッド180を挿入することを選択し得る。医師は、ツール182を使用して、ロッド180の遠位端部を、スリーブ2がそこから部分的にのみ引き出された延長部材130bの露出した固定ヘッド部138内へと挿入し得る。次に、医師は、関連する固定ヘッド部138の両方に、所望のようにロッド180を着座させ得る。このようにして、スリーブ2の少なくとも1つは、軟組織104と関連する延長部材130との間に障壁を提供し続けることができる。なお、第2の対の延長部材130bのうちの1つのみに沿って脊椎ロッド180を遠位方向に前進させることによって、これらの延長部材130bに隣接する軟組織、特にそれらの間の軟組織に、より少ない圧縮力を印加し得る。残りのスリーブ2は、所望により、後続の動作のために関連する延長タブ136上の所定の位置に留まり得、それによって、関連するチャネル142内への生体内流体の進入を低減し、したがって、固定ヘッド部128内に脊椎ロッド180を係止させるための係止キャップ170などの後続の部材をその内部へと挿入するための、また、延長タブ136を分離及び取り外すために脆弱部分140に所定のねじり力及び/又は引っ張り力を印加する分離ツールのための、より清浄なチャネル142を提供する。このような実施形態では、延長タブ136の一部分は、脆弱部分140が破断される間、所望によりスリーブ2内に留まることができ、スリーブ2、延長タブ136、及び分離ツールは、所望により一斉に患者から取り外され得る。このようにして、スリーブ2は、外科的処置中に延長部材130と関連器具との間の摩擦及び/又は摩耗を低減するために用いられ得る。
【0041】
本明細書に記載されるスリーブ2は、その他の種類の骨固定処置、又は軟組織を通って骨固定装置に至るガイドチャネルを提供することが有利である任意の処置と共に用いられ得ることを、理解されたい。
【0042】
本開示を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書において種々の変更、代用、及び改変を行い得る点を理解されたい。例えば、本明細書に記載される種々の実施形態の特徴は、本明細書に記載されるその他の実施形態のうちの1つ以上、最大ではその全てに組み込まれ得る。更に、本開示の範囲は、本明細書に説明される特定の実施形態に限定されるものではない。当業者がそのプロセスから容易に理解するように、本明細書に記載される対応する実施形態と実質的に同じ機能を実施する、又は実質的に同じ結果を達成する、現在存在する又は後に開発される機械、製造法、組成物、手段、方法、又は工程は、本開示に従って利用され得る。
【0043】
〔実施の態様〕
(1) 骨内に固定された骨ねじへの器具の挿入を誘導するための可撓性管状部材であって、
可撓性であり、織物材料から構築された管状本体であって、前記管状本体が、長手方向軸線と、前記長手方向軸線に沿って互いに対向する近位端部及び遠位端部と、を画定し、前記管状本体が、前記近位端部における近位開口部から前記遠位端部における遠位開口部まで延在するガイドチャネルを画定する、管状本体と、
前記管状本体の前記遠位端部に配置され、前記管状本体の前記遠位端部を前記骨ねじの近位部分に連結するように構成された取り付け部材であって、前記取り付け部材が、前記ガイドチャネルの周りに環状形状を画定し、前記取り付け部材が、前記管状本体を前記骨ねじから分離するために前記管状本体に印加される所定の張力に応答して拡張するように構成されている、取り付け部材と、を備える、可撓性管状部材。
(2) 前記管状本体が、前記長手方向軸線に沿って配向された長手方向に沿って実質的に一定の長さを維持しながら、前記長手方向軸線に垂直な半径方向に沿って拡張可能である、実施態様1に記載の可撓性管状部材。
(3) 前記織物材料が、織られた、組まれた、編まれた、及び電界紡糸されたもののうちの1つ以上である、実施態様2に記載の可撓性管状部材。
(4) 前記取り付け部材が、前記遠位端部において前記ガイドチャネルの周りで環状にリングになって液相又は半液相で適用されるように構成され、固相へと硬化して前記取り付け部材を画定するように更に構成された材料によって画定されている、実施態様1に記載の可撓性管状部材。
(5) 前記取り付け部材が、前記遠位端部において前記ガイドチャネルの周りで環状にリングへと少なくとも実質的に溶融され、前記取り付け部材を画定するように固化された、前記管状本体の一部分によって画定されている、実施態様1に記載の可撓性管状部材。
【0044】
(6) 前記近位端部において導入部材を更に備え、前記導入部材が、前記ガイドチャネルの周りに環状に延在し、前記近位開口部を画定する、実施態様1に記載の可撓性管状部材。
(7) 前記管状本体が、前記ガイドチャネルが占有されていない場合に静止構成にあるときに平坦になるように構成されている、実施態様1に記載の可撓性管状部材。
(8) 前記管状本体が、軟組織と前記ガイドチャネルとの間に水分障壁を画定する、実施態様1に記載の可撓性管状部材。
(9) 前記織物材料が、磁気共鳴画像法(MRI)下で少なくとも部分的に視認可能である、実施態様1に記載の可撓性管状部材。
(10) 骨固定のためのシステムであって、
骨ねじであって、ヘッド部と、前記ヘッド部から前記骨ねじの遠位端部に向かって遠位方向に延在するシャフトと、を有し、前記ヘッド部が、前記遠位方向に狭くなるテーパ状部分を画定する、骨ねじと、
可撓性であり、織物材料から構築されたスリーブであって、前記スリーブが、長手方向軸線と、前記長手方向軸線に沿って互いに対向する近位端部及び遠位端部と、を画定し、前記スリーブが、前記近位端部における近位開口部から前記遠位端部における遠位開口部まで延在するガイドチャネルを画定する、スリーブと、
前記スリーブの前記遠位端部に配置され、前記スリーブの前記遠位端部を前記骨ねじの前記テーパ状部分に連結するように構成された取り付けリングであって、前記取り付けリングが、前記ガイドチャネルの周りに環状に延在し、前記スリーブを前記骨ねじから分離するために前記スリーブに印加される所定の張力に応答して拡張するように構成されている、取り付けリングと、を備える、骨固定のためのシステム。
【0045】
(11) 長手方向に沿って細長い延長部材を更に備え、前記延長部材が、前記近位開口部から前記遠位方向に前記ガイドチャネルを通って前進し、前記骨ねじの前記ヘッド部に連結するように構成されている、実施態様10に記載のシステム。
(12) 前記延長部材が、主要部分と、前記延長部材の遠位端部を画定する固定ヘッド部と、前記主要部分と前記固定ヘッド部との間に介在する脆弱部分と、を有し、
前記固定ヘッド部が、1)前記ガイドチャネルを通る前記延長部材の前進を容易にするために、前記延長部材の前記遠位端部まで延在する面取り表面と、2)前記固定ヘッド部を前記骨ねじの前記ヘッド部に連結するために、前記骨ねじの前記ヘッド部を受容するように構成されたレセプタクル部と、を画定し、
前記脆弱部分が、所定の力に応答して破断し、それによって、前記主要部分を前記固定ヘッド部から分離するように構成されている、実施態様11に記載のシステム。
(13) 前記固定ヘッド部が、
前記長手方向に沿って延在する中心ボア軸線に沿って延在するボアを画定する内側表面であって、前記内側表面が、前記レセプタクル部を画定する、内側表面と、
前記長手方向に対して実質的に垂直な横断方向に沿って延在する横断チャネルであって、脊椎ロッドを受容するように構成された、横断チャネルと、を画定し、
前記システムが、
前記レセプタクル部内に存在するように構成された保持部材であって、前記保持部材が、前記骨ねじの前記ヘッド部に係合するように構成された内側表面と、前記固定ヘッド部と前記骨ねじの前記ヘッド部との間の接続を維持する様式で前記固定ヘッド部の前記内側表面に係合するように構成された外側表面と、を有する、保持部材と、
前記固定ヘッド部の近位端部において前記ボア内に存在するように構成された係止キャップであって、前記係止キャップが、前記脊椎ロッドを前記横断チャネル内に係止するために、前記固定ヘッド部の前記内側表面によって画定された相補的な係止形成部に係合するように構成された係止形成部を有する、係止キャップと、を更に備える、実施態様12に記載のシステム。
(14) 前記骨ねじを骨内へとねじ込むために、前記骨ねじの前記ヘッド部内に画定されたソケットに係合するように構成された第1のドライバと、
前記ガイドチャネルを通して前記延長部材を前進させ、前記固定ヘッド部を前記骨ねじの前記ヘッド部に連結するように構成された第2のドライバであって、前記第2のドライバが、前記脆弱部分を破断し、前記固定ヘッド部から前記主要部分を分離するために、前記所定の力を前記延長部材に印加するように更に構成された、第2のドライバと、を更に備える、実施態様13に記載のシステム。
(15) 前記スリーブが、前記近位端部において導入部材を更に備え、前記導入部材が、前記ガイドチャネルの周りに環状に延在し、前記近位開口部を画定し、前記導入部材が、前記長手方向軸線に垂直な方向に沿って測定される前記延長部材の最大断面寸法よりも大きい内径を画定する、実施態様11に記載のシステム。
【0046】
(16) 骨ねじを骨に固定するための方法であって、
可撓性スリーブを骨ねじのヘッド部に取り付けて、それによって、前記スリーブが前記骨ねじから近位方向に延在するようにする工程であって、前記取り付け工程が、前記ヘッド部の遠位表面が前記スリーブの遠位端部における取り付けリングに接触するまで、前記スリーブによって画定されたガイドチャネルを通して前記骨ねじを前進させることを含み、前記取り付けリングが、前記ヘッド部の最大直径未満の内径を画定する、工程と、
前記骨ねじの前記ヘッド部によって画定されたソケット内へとドライバを挿入する工程であって、前記ドライバが前記ソケット内にある間に、前記ドライバが前記スリーブの前記ガイドチャネル内に配置される、工程と、
前記骨ねじを、軟組織を通して前記骨の固定部位まで前進させる工程と、
前記ドライバを中心軸線の周りで回転させ、それによって、前記骨ねじのシャフトを前記固定部位内へとねじ込む工程であって、前記スリーブが前記軟組織を通って延在し、前記スリーブの近位端部が生体外に配置される、工程と、
前記スリーブに張力を印加し、それによって、前記スリーブを前記骨ねじから分離するために前記取り付けリングを拡張する工程と、を含む、方法。
(17) 前記シャフトを前記固定部位内へとねじ込んだ後で、かつ前記取り付けリングを破断する前に、生体外で前記スリーブの前記近位端部から延長部材を挿入し、前記骨ねじの前記ヘッド部が、前記延長部材の前記遠位端部における固定ヘッド部内に画定されたレセプタクル部に存在するまで、前記ガイドチャネルを通して前記延長部材を遠位方向に前進させることを更に含む、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記固定ヘッド部が、前記骨ねじの前記ヘッド部に対して多軸的に角度付けられるように構成されている、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記固定ヘッド部によって画定されたチャネル内に脊椎ロッドを挿入することであって、前記チャネルが、前記中心軸線に実質的に垂直な方向に沿って前記固定ヘッド部の両側から延在する、ことと、
係止部材を前記ガイドチャネルを通して前記固定ヘッド部まで前進させて、前記係止部材を前記固定ヘッド部の近位部分に連結することであって、前記係止部材を連結することにより、前記脊椎ロッドを前記固定ヘッド部に取り付ける、ことと、を更に含む、実施態様17に記載の方法。
(20) 前記固定ヘッド部と一対の延長タブとの間に長手方向に配置された前記延長部材の脆弱部分を破断することであって、前記延長タブが、前記延長部材の近位端部まで延在し、前記脆弱部分が、前記延長タブの少なくとも一部分が前記スリーブの前記ガイドチャネル内にある間に破断される、ことと、
前記軟組織から前記延長タブ及び前記スリーブを一斉に取り外すことと、を更に含む、実施態様17に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】