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特表2024-503746置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン誘導体、その組成物及び医薬上の使用
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  • 特表-置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン誘導体、その組成物及び医薬上の使用 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-26
(54)【発明の名称】置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン誘導体、その組成物及び医薬上の使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20240119BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20240119BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240119BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240119BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240119BHJP
【FI】
C07D487/04 142
C07D487/04 CSP
A61K31/519
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 111
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544606
(86)(22)【出願日】2022-01-21
(85)【翻訳文提出日】2023-07-24
(86)【国際出願番号】 CN2022073252
(87)【国際公開番号】W WO2022156779
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】202110892176.2
(32)【優先日】2021-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110087029.8
(32)【優先日】2021-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】520415971
【氏名又は名称】上海海雁医薬科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI HAIYAN PHARMACEUTICAL TECHNOLOGY CO., LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】519157978
【氏名又は名称】揚子江藥業集團有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】趙志明
(72)【発明者】
【氏名】呉盛華
(72)【発明者】
【氏名】華黙嘉
(72)【発明者】
【氏名】劉陽
(72)【発明者】
【氏名】▲かく▼生雷
(72)【発明者】
【氏名】王▲ろ▼▲ろ▼
【テーマコード(参考)】
4C050
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050BB05
4C050CC08
4C050EE03
4C050FF02
4C050FF03
4C050FF04
4C050GG02
4C050GG04
4C050GG05
4C050HH04
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB06
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA52
4C086MA55
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC20
(57)【要約】
式(I)に示される置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン誘導体、その薬学的に許容できる塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグ、及び薬物組成物である。当該誘導体は有意なCDK9選択的阻害活性を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)に示される化合物、またはその薬学的に許容できる塩、またはその立体異性体、またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグであって、
ただし、
1はC3-8シクロアルキル基(好ましくはC3-6シクロアルキル基)、C2-8アルケニル基(好ましくはC2-6アルケニル基、より好ましくはC2-4アルケニル基)またはC2-8アルキニル基(好ましくはC2-6アルキニル基、より好ましくはC2-4アルキニル基)であり、前記C3-8シクロアルキル基、C2-8アルケニル基及びC2-8アルキニル基は非置換またはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、NRa1b1、-SO21-3アルキル基、-C(O)NRa1b1、-C(O)C1-3アルキル基、-C(O)OC1-3アルキル基、-OC(O)C1-3アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3~6員のヘテロ環アルキル基、フェニル基から選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、前記フェニル基は、任意選択にそれぞれ独立して置換基群Sから選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、
2、R3はそれぞれ独立して水素、C1-8アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基)、C3-8シクロアルキル基(好ましくはC3-6シクロアルキル基)、C1-8アルコキシ基(好ましくはC1-6アルコキシ基、より好ましくはC1-3アルコキシ基)、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン(好ましくはフッ素または塩素)、-C(O)NRa0b0、-C(O)C1-8アルキル基(好ましくは-C(O)C1-6アルキル基、より好ましくは-C(O)C1-3アルキル基)、-C(O)OC1-8アルキル基(好ましくは-C(O)OC1-6アルキル基、より好ましくは-C(O)OC1-3アルキル基)または-OC(O)C1-8アルキル基(好ましくは-OC(O)C1-6アルキル基、より好ましくは-OC(O)C1-3アルキル基)であり、前記C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基、C3-8シクロアルキル基は非置換またはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、NRa1b1、-SO21-3アルキル基、-S(O)C1-3アルキル基、-C(O)NRa1b1、-C(O)OC1-3アルキル基、-OC(O)C1-3アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3~6員のヘテロ環アルキル基、フェニル基、5~6員のヘテロアリール基から選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、前記フェニル基、5~6員のヘテロアリール基は、任意選択にそれぞれ独立して置換基群Sから選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、
4、R5はそれぞれ独立して水素、C1-8アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基)、-C(O)OC1-8アルキル基(好ましくは-C(O)OC1-6アルキル基、より好ましくは-C(O)OC1-3アルキル基)、-C(O)C1-8アルキル基(好ましくは-C(O)C1-6アルキル基、より好ましくは-C(O)C1-3アルキル基)、-(C=N)-C1-8アルキル基(好ましくは-(C=N)-C1-6アルキル基、より好ましくは-(C=N)-C1-3アルキル基)または-(C=N)-NRa0b0であり、またはR4、R5は連結された窒素原子とともに3~7員の飽和または部分不飽和単複素環を形成し、前記3~7員の飽和または部分不飽和単複素環は非置換またはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、NRa1b1、-SO21-3アルキル基、-S(O)C1-3アルキル基、-C(O)NRa1b1、-C(O)OC1-3アルキル基、-OC(O)C1-3アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3~6員のヘテロ環アルキル基から選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、
ZはNまたはCRZであり、RZは水素、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン(好ましくはフッ素または塩素)、C1-8アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基)、C1-8アルコキシ基(好ましくはC1-6アルコキシ基、より好ましくはC1-3アルコキシ基)、-C(O)C1-8アルキル基(好ましくは-C(O)C1-6アルキル基、より好ましくは-C(O)C1-3アルキル基)、-C(O)OC1-8アルキル基(好ましくは-C(O)OC1-6アルキル基、より好ましくは-C(O)OC1-3アルキル基)、-C(O)NRa0b0、5~6員のヘテロアリール基または8~10員のヘテロアリール基であり、前記C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基は非置換またはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、NRa1b1、-SO21-3アルキル基、-S(O)C1-3アルキル基、-C(O)NRa1b1、-C(O)OC1-3アルキル基、-OC(O)C1-3アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3~6員のヘテロ環アルキル基、フェニル基、5~6員のヘテロアリール基から選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、前記フェニル基、5~6員のヘテロアリール基は、任意選択にそれぞれ独立して置換基群Sから選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、
a、Rbはそれぞれ独立して水素、C1-8アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基)、C3-8シクロアルキル基(好ましくはC3-6シクロアルキル基)、C1-8アルコキシ基(好ましくはC1-6アルコキシ基、より好ましくはC1-3アルコキシ基)、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン(好ましくはフッ素または塩素)、-C(O)NRa0b0、-C(O)C1-8アルキル基(好ましくは-C(O)C1-6アルキル基、より好ましくは-C(O)C1-3アルキル基)、-C(O)OC1-8アルキル基(好ましくは-C(O)OC1-6アルキル基、より好ましくは-C(O)OC1-3アルキル基)、-OC(O)C1-8アルキル基(好ましくは-OC(O)C1-6アルキル基、より好ましくは-OC(O)C1-3アルキル基)、-SO21-8アルキル基(好ましくは-SO21-6アルキル基、より好ましくは-SO21-3アルキル基)、-SO2NRa0b0であり、またはRa、Rbは連結して縮合した3~7員の飽和または部分不飽和単複素環または縮合した3~7員の飽和または部分不飽和単環を形成し、前記C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基、3~7員の飽和または部分不飽和単複素環及び3~7員の飽和または部分不飽和単環は非置換またはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、NRa1b1、-SO21-3アルキル基、-S(O)C1-3アルキル基、-C(O)NRa1b1、-C(O)OC1-3アルキル基、-OC(O)C1-3アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3~6員のヘテロ環アルキル基、フェニル基、5~6員のヘテロアリール基から選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、前記フェニル基、5~6員のヘテロアリール基は、任意選択にそれぞれ独立して置換基群Sから選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、
環Aは3~7員の飽和または部分不飽和単複素環または3~7員の飽和または部分不飽和単環であり、
(R0mは環A上の水素がm個のR0で置換され、mは0、1、2または3であり、各R0は同じでも、異なってもよく、それぞれ独立してシアノ基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン(好ましくはフッ素または塩素)、C1-8アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基)、C1-8アルコキシ基(好ましくはC1-6アルコキシ基、より好ましくはC1-3アルコキシ基)、-C(O)C1-8アルキル基(好ましくは-C(O)C1-6アルキル基、より好ましくは-C(O)C1-3アルキル基)、-C(O)OC1-8アルキル基(好ましくは-C(O)OC1-6アルキル基、より好ましくは-C(O)OC1-3アルキル基)、-OC(O)C1-8アルキル基(好ましくは-OC(O)C1-6アルキル基、より好ましくは-OC(O)C1-3アルキル基)または-C(O)NRa0b0であり、または同一の環原子または異なる環原子に連結する任意の2つのR0は連結して3~7員の飽和または部分不飽和単複素環または3~7員の飽和または部分不飽和単環を形成し、前記C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基、3~7員の飽和または部分不飽和単複素環及び3~7員の飽和または部分不飽和単環は非置換またはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、NRa1b1、-SO21-3アルキル基、-S(O)C1-3アルキル基、-C(O)NRa1b1、-C(O)OC1-3アルキル基、-OC(O)C1-3アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3~6員のヘテロ環アルキル基、フェニル基、5~6員のヘテロアリール基から選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、前記フェニル基、5~6員のヘテロアリール基は、任意選択にそれぞれ独立して置換基群Sから選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、
置換基群Sは、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、NRa1b1、-SO21-3アルキル基、-S(O)C1-3アルキル基、-C(O)NRa1b1、-C(O)OC1-3アルキル基、-OC(O)C1-3アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3~6員のヘテロ環アルキル基、フェニル基、5~6員のヘテロアリール基からなり、
a0、Rb0はそれぞれ独立して水素、C1-3アルキル基またはアセチル基であり、またはRa0、Rb0は連結した窒素原子とともに4~6員の飽和単複素環を形成し、前記4~6員の飽和単複素環は任意選択にそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、-SO21-3アルキル基、-S(O)C1-3アルキル基、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-3アルキル基)、-C(O)N(C1-3アルキル基)2、-C(O)OC1-3アルキル基、-OC(O)C1-3アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3~6員のヘテロ環アルキル基から選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、
a1、Rb1はそれぞれ独立して水素、C1-3アルキル基またはアセチル基であり、またはRa1、Rb1は連結した窒素原子とともに4~6員の飽和単複素環を形成し、前記4~6員の飽和単複素環は任意選択にそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、-SO21-3アルキル基、-S(O)C1-3アルキル基、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-3アルキル基)、-C(O)N(C1-3アルキル基)2、-C(O)OC1-3アルキル基、-OC(O)C1-3アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3~6員のヘテロ環アルキル基から選ばれる1、2または3つの置換基で置換される、式(I)に示される化合物、またはその薬学的に許容できる塩、またはその立体異性体、またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグ。
【請求項2】
前記式(I)に示される化合物は式(II)に示される構造である、
請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩、またはその立体異性体、またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグ。
【請求項3】
1はC3-8シクロアルキル基(好ましくはC3-6シクロアルキル基)またはC2-8アルケニル基(好ましくはC2-6アルケニル基、より好ましくはC2-4アルケニル基)であり、R2、R3はそれぞれ独立して水素、C1-8アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基)、C3-8シクロアルキル基(好ましくはC3-6シクロアルキル基)、ハロゲン化C1-8アルキル基(好ましくはハロゲン化C1-6アルキル基、より好ましくはハロゲン化C1-3アルキル基)または重水素化C1-8アルキル基(好ましくは重水素化C1-6アルキル基、より好ましくは重水素化C1-3アルキル基)であり、前記C3-8シクロアルキル基、C2-8アルケニル基は非置換またはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、NRa1b1、-SO21-3アルキル基、-C(O)NRa1b1、-C(O)C1-3アルキル基、-C(O)OC1-3アルキル基から選ばれる1、2または3つの置換基で置換される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩、またはその立体異性体、またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグ。
【請求項4】
ZはCHである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩、またはその立体異性体、またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグ。
【請求項5】
環Aにおける前記3~7員の飽和または部分不飽和単複素環は、アゼチジン環、オキセタン環、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロチオフェン環、テトラヒドロピロール環、ピペリジン環、ピロリジン環、オキサゾリジン環、ピペラジン環、ジオキソラン環、ジオキサン、モルホリン環、チオモルホリン環、チオモルホリン-1,1-ジオキサイド、テトラヒドロピラン環、アゼチジン-2-ケトン環、オキセタン-2-ケトン環、ピロリジン-2-ケトン環、ピロリジン-2,5-ジケトン環、ピペリジン-2-ケトン環、ジヒドロフラン-2(3H)-ケトン環、ジヒドロフラン-2,5-ジケトン環、テトラヒドロ-2H-ピラン-2-ケトン環、ピペラジン-2-ケトン環、モルホリン-3-ケトン環、1,2-ジヒドロアゼチジエン環、1,2-ジヒドロオキシヘテロ環ブタジエン環、2,5-ジヒドロ-1H-ピロール環、2,5-ジヒドロフラン環、2,3-ジヒドロフラン環、2,3-ジヒドロ-1H-ピロール環、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン環、1,2,3,4-テトラヒドロピリジン環、3,6-ジヒドロ-2H-ピラン環、1,2,3,6-テトラヒドロピリジン環、4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール環、1,4,5,6-テトラヒドロピリミジン環、3,4,7,8-テトラヒドロ-2H-1,4,6-オキサジアゾールシン環、1,6-ジヒドロピリミジン環、4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-1,3-ジアゼピン環、2,5,6,7-テトラヒドロ-1,3,5-オキサジアザゼピン環から選ばれる、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩、またはその立体異性体、またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグ。
【請求項6】
環Aにおける前記3~7員の飽和または部分不飽和単環は、シクロプロピル環、シクロブチル環、シクロペンチル環、シクロペンテニル環、シクロヘキシル環、シクロヘキセニル環、シクロヘキサジエン環、シクロヘプチル環、シクロヘプタニルシクロヘプタニル環、シクロペンタノン環、シクロペンタン-1,3-ジケトン環から選ばれる、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩、またはその立体異性体、またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグ。
【請求項7】
式(I)に示される化合物は式(III-a)または式(III-b)に示される構造であり、
式中、R1aは水素、C1-6アルキル基(好ましくはC1-3アルキル基)または重水素化C1-6アルキル基(より好ましくは重水素化C1-3アルキル基)であり、nは1、2、3、4、5または6であり、tは0、1、2、3または4であり、R11、R12はそれぞれ独立して水素、C1-3アルキル基またはハロゲンである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩、またはその立体異性体、またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグ。
【請求項8】
2、R3はそれぞれ独立して水素、C1-8アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基)、C3-8シクロアルキル基(好ましくはC3-6シクロアルキル基)、ハロゲン化C1-8アルキル基(好ましくはハロゲン化C1-6アルキル基、より好ましくはハロゲン化C1-3アルキル基)または重水素化C1-8アルキル基(好ましくは重水素化C1-6アルキル基、より好ましくは重水素化C1-3アルキル基)であり、前記C3-8シクロアルキル基は非置換またはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、NRa1b1、-SO21-3アルキル基、-C(O)NRa1b1、-C(O)C1-3アルキル基、-C(O)OC1-3アルキル基から選ばれる1、2または3つの置換基で置換される、請求項7に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩、またはその立体異性体、またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグ。
【請求項9】
前記式(III-a)に示される化合物は式(III-a-1)または式(III-a-2)に示される構造であり、
式中、R3’はC1-8アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基)、C1-8アルコキシ基(好ましくはC1-6アルコキシ基、より好ましくはC1-3アルコキシ基)、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン(好ましくはフッ素または塩素)、-C(O)NRa0b0、-C(O)C1-8アルキル基(好ましくは-C(O)C1-6アルキル基、より好ましくは-C(O)C1-3アルキル基)、-C(O)OC1-8アルキル基(好ましくは-C(O)OC1-6アルキル基、より好ましくは-C(O)OC1-3アルキル基)または-OC(O)C1-8アルキル基(好ましくは-OC(O)C1-6アルキル基、より好ましくは-OC(O)C1-3アルキル基)であり、前記C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基は非置換またはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、NRa1b1、-SO21-3アルキル基、-S(O)C1-3アルキル基、-C(O)NRa1b1、-C(O)OC1-3アルキル基、-OC(O)C1-3アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3~6員のヘテロ環アルキル基、フェニル基、5~6員のヘテロアリール基から選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、前記フェニル基、5~6員のヘテロアリール基は、任意選択にそれぞれ独立して置換基群Sから選ばれる1、2または3つの置換基で置換される、請求項7に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩、またはその立体異性体、またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグ。
【請求項10】
3’はC1-8アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基)、ハロゲン化C1-8アルキル基(好ましくはハロゲン化C1-6アルキル基、より好ましくはハロゲン化C1-3アルキル基)または重水素化C1-8アルキル基(好ましくは重水素化C1-6アルキル基、より好ましくは重水素化C1-3アルキル基)である、請求項9に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩、またはその立体異性体、またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグ。
【請求項11】
tは1または2であり、mは0であり、R4はHであり、R5はH、-C(O)C1-3アルキル基、-C(O)OC1-3アルキル基、-(C=N)-C1-3アルキル基または-(C=N)-NH2である、請求項7に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩、またはその立体異性体、またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグ。
【請求項12】
a、Rbはそれぞれ独立して水素、C1-6アルキル基(好ましくはC1-3アルキル基)、C3-6シクロアルキル基、C1-6アルコキシ基(好ましくはC1-3アルコキシ基)、ハロゲン化C1-6アルキル基(好ましくハロゲン化C1-3アルキル基)、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン(好ましくはフッ素または塩素)、-C(O)NRa0b0、-C(O)C1-6アルキル基(好ましくは-C(O)C1-3アルキル基)、-C(O)OC1-6アルキル基(好ましくは-C(O)OC1-3アルキル基)、-OC(O)C1-6アルキル基(好ましくは-OC(O)C1-3アルキル基)、-SO21-6アルキル基(好ましくは-SO21-3アルキル基)、-SO2NRa0b0であり、ただし、前記C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基は非置換またはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、NRa1b1、-SO21-3アルキル基、-S(O)C1-3アルキル基、-C(O)NRa1b1、-C(O)OC1-3アルキル基、-OC(O)C1-3アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3~6員のヘテロ環アルキル基、フェニル基、5~6員のヘテロアリール基から選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、ただし、前記フェニル基、5~6員のヘテロアリール基は、任意選択にそれぞれ独立して置換基群Sから選ばれる1、2または3つの置換基で置換される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩、またはその立体異性体、またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグ。
【請求項13】
4、R5はそれぞれ独立して水素、C1-8アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基)、-C(O)OC1-8アルキル基(好ましくは-C(O)OC1-6アルキル基、より好ましくは-C(O)OC1-3アルキル基)であり、またはR4、R5は連結された窒素原子とともに3~7員の飽和または部分不飽和単複素環を形成し、前記3~7員の飽和または部分不飽和単複素環は非置換またはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、NRa1b1、-SO21-3アルキル基、-S(O)C1-3アルキル基、-C(O)NRa1b1、-C(O)OC1-3アルキル基、-OC(O)C1-3アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3~6員のヘテロ環アルキル基から選ばれる1、2または3つの置換基で置換される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩、またはその立体異性体、またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグ。
【請求項14】
式(I)に示される化合物は以下の化合物の中のいずれかである、






請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩、またはその立体異性体、またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグ。
【請求項15】
式(I)に示される化合物は化合物Z-1~Z-74の中のいずれかである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩、またはその立体異性体、またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグ。
【請求項16】
請求項1-15のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩、またはその立体異性体、またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグ、及び薬学的に許容できる担体を含む、薬物組成物。
【請求項17】
請求項1-15のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩、またはその立体異性体、またはその溶媒和物またはそのプロドラッグ、または請求項16に記載の薬物組成物の、CDK9活性に関連する、またはCDK9活性によって媒介される疾患を治療または予防する薬物の調製における使用。
【請求項18】
CDK9活性に関連する、またはCDK9活性によって媒介される前記疾患は過剰増殖性疾患、好ましく癌、例えば固形腫瘍や血液腫瘍である、請求項17に記載の使用。
【請求項19】
前記癌は、膵臓癌、乳腺癌、卵巣癌、子宮頸癌及び白血病から選ばれる、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
請求項1-15のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩、またはその立体異性体、またはその溶媒和物またはそのプロドラッグ、または請求項16に記載の薬物組成物の、CDK9阻害剤の調製における使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬技術分野に関し、特に置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン誘導体、その薬学的に許容できる塩、溶剤和物、立体異性体、プロドラッグ、薬物組成物及び医薬上の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)タンパク質ファミリーは、遺伝子転写調節(転写CDK)に関与する細胞分裂周期の主要な調節因子のメンバー(細胞周期CDK)と他の機能を持つメンバーで構成される。CDKは、細胞周期タンパク質調節サブユニットとの結合を活性化する必要がある。前記細胞周期CDKのCDK1/細胞周期タンパク質B、CDK2/細胞周期タンパク質A、CDK2/細胞周期タンパク質E、CDK4/細胞周期タンパク質D及びCDK6/細胞周期タンパク質Dは順次に活性化され、細胞が入って前記細胞分裂周期を通過することを駆動する。前記転写されたCDKのCDK9/周期タンパク質TとCDK7/周期タンパク質Hはカルボキシル基末端ドメイン(CTD)のリン酸化によってRNAポリメラーゼIIの活性を調節する。
【0003】
CDK9は正転写伸長因子b(P-TEFb)複合体中の触媒サブユニットであり、リン酸化RNA複合酵素IIの炭素末端領域を介して遺伝子の転写伸長を制御し、染色体9q34.1のRNA転写伸長制御キナーゼに局在する。CDK9発現が広く、多種の真核細胞と人体組織にいずれも発現ており、その中で、CDK9キナーゼは心筋細胞、肝細胞、造血組織、脂肪細胞、ニューロン及び筋肉細胞で発現量が高く、一般的に腫瘍細胞で高発現している。CDK9はまた腫瘍細胞の進行と維持の重要な因素である。CDK9阻害剤は遺伝子の転写伸長を抑制し、関連する癌タンパク質(MYC)の発現及びアポトーシス阻害剤タンパク質Mcl-1の発現を下げることで、癌細胞のアポトーシスを促進する。CDK9阻害剤はエピジェネティック因子BRG1を調節することによって、サイレント遺伝子が再活性化され、腫瘍細胞中のERVsの活性化を含め、インターフェロンの発現を促進し、腫瘍細胞が免疫療法により敏感になる。
【0004】
現在、Bayer社が開発した選択的CDK9阻害剤BAY1251152、AstraZeneca社が開発した選択的CDK9阻害剤AZD4573、Tolero社が開発した非選択的CDK9阻害剤TP-1287及び常州千紅製薬社が開発した非選択的CDK9阻害剤QHRD107等を含む多くの企業がCDK9阻害剤の開発を行っている。しかしながら、現在、選択的CDK9阻害剤はほとんど、臨床の早期開発段階にあり、CDK9に対する選択阻害活性及び体内薬物代謝パラメータは向上する余裕がある。したがって、高活性、高選択性、体内毒性を低下させる新しいCDK9阻害剤を開発することは重要な臨床的意味を持つ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、CDK9に対する阻害活性が高く、選択性が良く、より良い薬物代謝パラメータを有する置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン誘導体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、式(I)に示される化合物、またはその薬学的に許容できる塩、またはその立体異性体、またはその溶剤和物、またはそのプロドラッグを提供し、
ただし、
1はC3-8シクロアルキル基(好ましくはC3-6シクロアルキル基)であり、C2-8アルケニル基(好ましくはC2-6アルケニル基、より好ましくはC2-4アルケニル基)またはC2-8アルキニル基(好ましくはC2-6アルキニル基、より好ましくはC2-4アルキニル基)であり、前記C3-8シクロアルキル基、C2-8アルケニル基及びC2-8アルキニル基は非置換またはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、NRa1b1、-SO21-3アルキル基、-C(O)NRa1b1、-C(O)C1-3アルキル基、-C(O)OC1-3アルキル基、-OC(O)C1-3アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3~6員のヘテロ環アルキル基、フェニル基から選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、ただし、前記フェニル基は、任意選択にそれぞれ独立して置換基群Sから選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、
2、R3はそれぞれ独立して水素、C1-8アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基)、C3-8シクロアルキル基(好ましくはC3-6シクロアルキル基)、C1-8アルコキシ基(好ましくはC1-6アルコキシ基であり、より好ましくはC1-3アルコキシ基)、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン(好ましくはフッ素または塩素)、-C(O)NRa0b0、-C(O)C1-8アルキル基(好ましくは-C(O)C1-6アルキル基、より好ましくは-C(O)C1-3アルキル基)、-C(O)OC1-8アルキル基(好ましくは-C(O)OC1-6アルキル基、より好ましくは-C(O)OC1-3アルキル基)または-OC(O)C1-8アルキル基(好ましくは-OC(O)C1-6アルキル基であり、より好ましくは-OC(O)C1-3アルキル基)であり、ただし、前記C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基、C3-8シクロアルキル基は非置換またはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、NRa1b1、-SO21-3アルキル基、-S(O)C1-3アルキル基、-C(O)NRa1b1、-C(O)OC1-3アルキル基、-OC(O)C1-3アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3~6員のヘテロ環アルキル基、フェニル基、5~6員のヘテロアリール基から選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、ただし、前記フェニル基、5~6員のヘテロアリール基は、任意選択にそれぞれ独立して置換基群Sから選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、
4、R5はそれぞれ独立して水素、C1-8アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基)、-C(O)OC1-8アルキル基(好ましくは-C(O)OC1-6アルキル基、より好ましくは-C(O)OC1-3アルキル基)、-C(O)C1-8アルキル基(好ましくは-C(O)C1-6アルキル基、より好ましくは-C(O)C1-3アルキル基)、-(C=N)-C1-8アルキル基(好ましくは-(C=N)-C1-6アルキル基、より好ましくは-(C=N)-C1-3アルキル基)または-(C=N)-NRa0b0であり、またはR4、R5は連結された窒素原子とともに3~7員の飽和または部分不飽和単複素環を形成し、ただし、前記3~7員の飽和または部分不飽和単複素環は非置換またはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、NRa1b1、-SO21-3アルキル基、-S(O)C1-3アルキル基、-C(O)NRa1b1、-C(O)OC1-3アルキル基、-OC(O)C1-3アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3~6員のヘテロ環アルキル基から選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、
ZはNまたはCRZであり、ただしRZは水素、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン(好ましくはフッ素または塩素)、C1-8アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基)、C1-8アルコキシ基(好ましくはC1-6アルコキシ基、より好ましくはC1-3アルコキシ基)、-C(O)C1-8アルキル基(好ましくは-C(O)C1-6アルキル基、より好ましくは-C(O)C1-3アルキル基)、-C(O)OC1-8アルキル基(好ましくは-C(O)OC1-6アルキル基、より好ましくは-C(O)OC1-3アルキル基)、-C(O)NRa0b0、5~6員のヘテロアリール基または8~10員のヘテロアリール基であり、ただし前記C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基は非置換またはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、NRa1b1、-SO21-3アルキル基、-S(O)C1-3アルキル基、-C(O)NRa1b1、-C(O)OC1-3アルキル基、-OC(O)C1-3アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3~6員のヘテロ環アルキル基、フェニル基、5~6員のヘテロアリール基から選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、ただし、前記フェニル基、5~6員のヘテロアリール基は、任意選択にそれぞれ独立して置換基群Sから選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、
a、Rbはそれぞれ独立して水素、C1-8アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基)、C3-8シクロアルキル基(好ましくはC3-6シクロアルキル基)、C1-8アルコキシ基(好ましくはC1-6アルコキシ基、より好ましくはC1-3アルコキシ基)、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン(好ましくはフッ素または塩素)、-C(O)NRa0b0、-C(O)C1-8アルキル基(好ましくは-C(O)C1-6アルキル基、より好ましくは-C(O)C1-3アルキル基)、-C(O)OC1-8アルキル基(好ましくは-C(O)OC1-6アルキル基、より好ましくは-C(O)OC1-3アルキル基)、-OC(O)C1-8アルキル基(好ましくは-OC(O)C1-6アルキル基、より好ましくは-OC(O)C1-3アルキル基)、-SO21-8アルキル基(好ましくは-SO21-6アルキル基、より好ましくは-SO21-3アルキル基)、-SO2NRa0b0であり、またはRa、Rbは連結して縮合した3~7員の飽和または部分不飽和単複素環または縮合した3~7員の飽和または部分不飽和単環を形成し、ただし、前記C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基、3~7員の飽和または部分不飽和単複素環及び3~7員の飽和または部分不飽和単環は非置換またはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、NRa1b1、-SO21-3アルキル基、-S(O)C1-3アルキル基、-C(O)NRa1b1、-C(O)OC1-3アルキル基、-OC(O)C1-3アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3~6員のヘテロ環アルキル基、フェニル基、5~6員のヘテロアリール基から選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、ただし、前記フェニル基、5~6員のヘテロアリール基は、任意選択にそれぞれ独立して置換基群Sから選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、
環Aは3~7員の飽和または部分不飽和単複素環または3~7員の飽和または部分不飽和単環であり、
(R0mは環A上の水素がm個のR0で置換され、mは0、1、2または3であり、各R0は同じでも、異なってもよく、それぞれ独立してシアノ基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン(好ましくはフッ素または塩素)、C1-8アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基)、C1-8アルコキシ基(好ましくはC1-6アルコキシ基、より好ましくはC1-3アルコキシ基)、-C(O)C1-8アルキル基(好ましくは-C(O)C1-6アルキル基、より好ましくは-C(O)C1-3アルキル基)、-C(O)OC1-8アルキル基(好ましくは-C(O)OC1-6アルキル基、より好ましくは-C(O)OC1-3アルキル基)、-OC(O)C1-8アルキル基(好ましくは-OC(O)C1-6アルキル基、より好ましくは-OC(O)C1-3アルキル基)または-C(O)NRa0b0であり、または同一の環原子または異なる環原子に連結する任意の2つのR0は連結して3~7員の飽和または部分不飽和単複素環または3~7員の飽和または部分不飽和単環を形成し、ただし、前記C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基、3~7員の飽和または部分不飽和単複素環及び3~7員の飽和または部分不飽和単環は非置換またはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、NRa1b1、-SO21-3アルキル基、-S(O)C1-3アルキル基、-C(O)NRa1b1、-C(O)OC1-3アルキル基、-OC(O)C1-3アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3~6員のヘテロ環アルキル基、フェニル基、5~6員のヘテロアリール基から選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、ただし、前記フェニル基、5~6員のヘテロアリール基は、任意選択にそれぞれ独立して置換基群Sから選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、
置換基群Sは、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、NRa1b1、-SO21-3アルキル基、-S(O)C1-3アルキル基、-C(O)NRa1b1、-C(O)OC1-3アルキル基、-OC(O)C1-3アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3~6員のヘテロ環アルキル基、フェニル基、5~6員のヘテロアリール基からなり、
a0、Rb0はそれぞれ独立して水素、C1-3アルキル基またはアセチル基であり、またはRa0、Rb0は連結した窒素原子とともに4~6員の飽和単複素環を形成し、前記4~6員の飽和単複素環は、任意選択にそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、-SO21-3アルキル基、-S(O)C1-3アルキル基、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-3アルキル基)、-C(O)N(C1-3アルキル基)2、-C(O)OC1-3アルキル基、-OC(O)C1-3アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3~6員のヘテロ環アルキル基から選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、
a1、Rb1はそれぞれ独立して水素、C1-3アルキル基またはアセチル基であり、またはRa1、Rb1は連結した窒素原子とともに4~6員の飽和単複素環を形成し、前記4~6員の飽和単複素環は任意選択にそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、-SO21-3アルキル基、-S(O)C1-3アルキル基、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-3アルキル基)、-C(O)N(C1-3アルキル基)2、-C(O)OC1-3アルキル基、-OC(O)C1-3アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3~6員のヘテロ環アルキル基から選ばれる1、2または3つの置換基で置換される。
【0007】
幾つかの実施例において、式(I)に示される化合物は式(II)に示される構造であり、
ただし、式中では各基は上記のように定義される。
【0008】
幾つかの実施例において、R1はC3-8シクロアルキル基(好ましくはC3-6シクロアルキル基)またはC2-8アルケニル基(好ましくはC2-6アルケニル基、より好ましくはC2-4アルケニル基)であり、R2、R3はそれぞれ独立して水素、C1-8アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基)、C3-8シクロアルキル基(好ましくはC3-6シクロアルキル基)、ハロゲン化C1-8アルキル基(好ましくはハロゲン化C1-6アルキル基、より好ましくはハロゲン化C1-3アルキル基)または重水素化C1-8アルキル基(好ましくは重水素化C1-6アルキル基、より好ましくは重水素化C1-3アルキル基)であり、前記C3-8シクロアルキル基、C2-8アルケニル基は非置換またはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、NRa1b1、-SO21-3アルキル基、-C(O)NRa1b1、-C(O)C1-3アルキル基、-C(O)OC1-3アルキル基から選ばれる1、2または3つの置換基で置換される。
【0009】
幾つかの実施例において、R1はC3-8シクロアルキル基(好ましくはC3-6シクロアルキル基)またはC2-8アルケニル基(好ましくはC2-6アルケニル基、より好ましくはC2-4アルケニル基)であり、R2は水素またはC1-8アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基)であり、R3は水素、C1-8アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基)、C3-8シクロアルキル基(好ましくはC3-6シクロアルキル基)、ハロゲン化C1-8アルキル基(好ましくはハロゲン化C1-6アルキル基、より好ましくはハロゲン化C1-3アルキル基)または重水素化C1-8アルキル基(好ましくは重水素化C1-6アルキル基、より好ましくは重水素化C1-3アルキル基)であり、前記C3-8シクロアルキル基、C2-8アルケニル基は非置換またはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、NRa1b1から選ばれる1、2または3つの置換基で置換される。
【0010】
幾つかの実施例において、R1はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1-メチルシクロプロピル、1-メチルシクロブチル、1-メチルシクロペンチル、1-メチルシクロヘキシル、ビニル、プロペニル、イソプロペニル、ノルマルブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘキセニルであり、R2、R3はそれぞれ独立して水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1-メチルシクロプロピル、1-メチルシクロブチル、1-メチルシクロペンチル、1-メチルシクロヘキシル、モノクロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、モノクロロエチル、1,2-ジクロロエチル、トリクロロエチル、モノブロモエチル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、モノフルオロエチル、ジフルオロエチル、トリフルオロエチル、モノ重水素化メチル、モノ重水素化エチル、二重水素化メチル、二重水素化エチル、三重水素化メチル、三重水素化エチルである。
【0011】
幾つかの実施例において、ZはCHである。
【0012】
幾つかの実施例において、環Aに記載の3~7員の飽和または部分不飽和単複素環は、アゼチジン環、オキセタン環、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロチオフェン環、テトラヒドロピロール環、ピペリジン環、ピロリジン環、オキサゾリジン環、ピペラジン環、ジオキソラン環、ジオキサン、モルホリン環、チオモルホリン環、チオモルホリン-1,1-ジオキサイド、テトラヒドロピラン環、アゼチジン-2-ケトン環、オキセタン-2-ケトン環、ピロリジン-2-ケトン環、ピロリジン-2,5-ジケトン環、ピペリジン-2-ケトン環、ジヒドロフラン-2(3H)-ケトン環、ジヒドロフラン-2,5-ジケトン環、テトラヒドロ-2H-ピラン-2-ケトン環、ピペラジン-2-ケトン環、モルホリン-3-ケトン環、1,2-ジヒドロアゼチジエン環、1,2-ジヒドロオキシヘテロ環ブタジエン環、2,5-ジヒドロ-1H-ピロール環、2,5-ジヒドロフラン環、2,3-ジヒドロフラン環、2,3-ジヒドロ-1H-ピロール環、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン環、1,2,3,4-テトラヒドロピリジン環、3,6-ジヒドロ-2H-ピラン環、1,2,3,6-テトラヒドロピリジン環、4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール環、1,4,5,6-テトラヒドロピリミジン環、3,4,7,8-テトラヒドロ-2H-1,4,6-オキサジアゾールシン環、1,6-ジヒドロピリミジン環、4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-1,3-ジアゼピン環、2,5,6,7-テトラヒドロ-1,3,5-オキサジアザゼピン環から選ばれる。
【0013】
幾つかの実施例において、環Aに記載の3~7員の飽和または部分不飽和単環は、シクロプロピル環、シクロブチル環、シクロペンチル環、シクロペンテニル環、シクロヘキシル環、シクロヘキセニル環、シクロヘキサジエン環、シクロヘプチル環、シクロヘプタニルシクロヘプタニル環、シクロペンタノン環、シクロペンタン-1,3-ジケトン環から選ばれる。
【0014】
幾つかの実施例において、式(I)に示される化合物は式(III-a)または式(III-b)に示される構造であり、
ただし、R1aは水素、C1-6アルキル基(好ましくはC1-3アルキル基)または重水素化C1-6アルキル基(より好ましくは重水素化C1-3アルキル基)であり、nは1、2、3、4、5または6であり、tは0、1、2、3または4であり、R11、R12はそれぞれ独立して水素、C1-3アルキル基またはハロゲンであり、その他の基は上記のように定義される。
【0015】
幾つかの実施例において、R2、R3はそれぞれ独立して水素、C1-8アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基)、C3-8シクロアルキル基(好ましくはC3-6シクロアルキル基)、ハロゲン化C1-8アルキル基(好ましくはハロゲン化C1-6アルキル基、より好ましくはハロゲン化C1-3アルキル基)または重水素化C1-8アルキル基(好ましくは重水素化C1-6アルキル基、より好ましくは重水素化C1-3アルキル基)であり、前記C3-8シクロアルキル基は非置換またはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、NRa1b1、-SO21-3アルキル基、-C(O)NRa1b1、-C(O)C1-3アルキル基、-C(O)OC1-3アルキル基から選ばれる1、2または3つの置換基で置換される。
【0016】
幾つかの実施例において、R2は水素またはC1-8アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基)であり、R3は水素、C1-8アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基)、C3-8シクロアルキル基(好ましくはC3-6シクロアルキル基)、ハロゲン化C1-8アルキル基(好ましくはハロゲン化C1-6アルキル基、より好ましくはハロゲン化C1-3アルキル基)または重水素化C1-8アルキル基(好ましくは重水素化C1-6アルキル基、より好ましくは重水素化C1-3アルキル基)であり、前記C3-8シクロアルキル基は非置換またはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、NRa1b1から選ばれる1、2または3つの置換基で置換される。
【0017】
幾つかの実施例において、R2、R3はそれぞれ独立して水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1-メチルシクロプロピル、1-メチルシクロブチル、1-メチルシクロペンチル、1-メチルシクロヘキシル、モノクロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、モノクロロエチル、1,2-ジクロロエチル、トリクロロエチル、モノブロモエチル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、モノフルオロエチル、ジフルオロエチル、トリフルオロエチル、モノ重水素化メチル、モノ重水素化エチル、二重水素化メチル、二重水素化エチル、三重水素化メチル、三重水素化エチルである。
【0018】
幾つかの実施例において、式(III-a)に示される化合物は式(III-a-1)または式(III-a-2)に示される構造であり、
ただし、R3’はC1-8アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基)、C1-8アルコキシ基(好ましくはC1-6アルコキシ基、より好ましくはC1-3アルコキシ基)、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン(好ましくはフッ素または塩素)、-C(O)NRa0b0、-C(O)C1-8アルキル基(好ましくは-C(O)C1-6アルキル基、より好ましくは-C(O)C1-3アルキル基)、-C(O)OC1-8アルキル基(好ましくは-C(O)OC1-6アルキル基、より好ましくは-C(O)OC1-3アルキル基)または-OC(O)C1-8アルキル基(好ましくは-OC(O)C1-6アルキル基、より好ましくは-OC(O)C1-3アルキル基)であり、ただし、前記C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基は非置換またはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、NRa1b1、-SO21-3アルキル基、-S(O)C1-3アルキル基、-C(O)NRa1b1、-C(O)OC1-3アルキル基、-OC(O)C1-3アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3~6員のヘテロ環アルキル基、フェニル基、5~6員のヘテロアリール基から選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、ただし、前記フェニル基、5~6員のヘテロアリール基は、任意選択にそれぞれ独立して置換基群Sから選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、その他の基は上記のように定義される。
【0019】
幾つかの実施例において、式(III-a)に示される化合物は式(III-a-3)に示される構造であり、
ただし、基は上記のように定義される。
【0020】
幾つかの実施例において、R3’はC1-8アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基)、ハロゲン化C1-8アルキル基(好ましくはハロゲン化C1-6アルキル基、より好ましくはハロゲン化C1-3アルキル基)または重水素化C1-8アルキル基(好ましくは重水素化C1-6アルキル基、より好ましくは重水素化C1-3アルキル基)である。
【0021】
幾つかの実施例において、R3’はメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、モノクロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、モノクロロエチル、1,2-ジクロロエチル、トリクロロエチル、モノブロモエチル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、モノフルオロエチル、ジフルオロエチル、トリフルオロエチル、モノ重水素化メチル、モノ重水素化エチル、二重水素化メチル、二重水素化エチル、三重水素化メチル、三重水素化エチルである。
【0022】
幾つかの実施例において、式(III-a)、式(III-a-1)または式(III-a-2)構造において、tは1または2であり、mは0であり、R4はHであり、R5はH、-C(O)C1-3アルキル基、-C(O)OC1-3アルキル基、-(C=N)-C1-3アルキル基または-(C=N)-NH2である。
【0023】
幾つかの実施例において、Ra、Rbはそれぞれ独立して水素、C1-6アルキル基(好ましくはC1-3アルキル基)、C3-6シクロアルキル基、C1-6アルコキシ基(好ましくはC1-3アルコキシ基)、ハロゲン化C1-6アルキル基(好ましくハロゲン化C1-3アルキル基)、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン(好ましくはフッ素または塩素)、-C(O)NRa0b0、-C(O)C1-6アルキル基(好ましくは-C(O)C1-3アルキル基)、-C(O)OC1-6アルキル基(好ましくは-C(O)OC1-3アルキル基)、-OC(O)C1-6アルキル基(好ましくは-OC(O)C1-3アルキル基)、-SO21-6アルキル基(好ましくは-SO21-3アルキル基)、-SO2NRa0b0であり、ただし、前記C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基は非置換またはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、NRa1b1、-SO21-3アルキル基、-S(O)C1-3アルキル基、-C(O)NRa1b1、-C(O)OC1-3アルキル基、-OC(O)C1-3アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3~6員のヘテロ環アルキル基、フェニル基、5~6員のヘテロアリール基から選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、ただし、前記フェニル基、5~6員のヘテロアリール基は、任意選択にそれぞれ独立して置換基群Sから選ばれる1、2または3つの置換基で置換される。
【0024】
幾つかの実施例において、Ra、Rbはそれぞれ独立して水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、モノクロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、モノクロロエチル、1,2-ジクロロエチル、トリクロロエチル、モノブロモエチル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、モノフルオロエチル、ジフルオロエチル、トリフルオロエチル、、モノ重水素化メチル、モノ重水素化エチル、二重水素化メチル、二重水素化エチル、三重水素化メチル、三重水素化エチル、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン(好ましくはフッ素または塩素)、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1-3アルキル基)、-C(O)N(C1-3アルキル基)2、-C(O)C1-6アルキル基(好ましくは-C(O)C1-3アルキル基)、-C(O)OC1-6アルキル基(好ましくは-C(O)OC1-3アルキル基)、-OC(O)C1-6アルキル基(好ましくは-OC(O)C1-3アルキル基)、-SO21-6アルキル基(好ましくは-SO21-3アルキル基)、-SO2NH2、-SO2NH(C1-3アルキル基)、-SO2N(C1-3アルキル基)2である。
【0025】
幾つかの実施例において、R4、R5はそれぞれ独立して水素、C1-8アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基)、-C(O)OC1-8アルキル基(好ましくは-C(O)OC1-6アルキル基、より好ましくは-C(O)OC1-3アルキル基)であり、またはR4、R5は連結された窒素原子とともに3~7員の飽和または部分不飽和単複素環を形成し、ただし、前記3~7員の飽和または部分不飽和単複素環は非置換またはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、NRa1b1、-SO21-3アルキル基、-S(O)C1-3アルキル基、-C(O)NRa1b1、-C(O)OC1-3アルキル基、-OC(O)C1-3アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3~6員のヘテロ環アルキル基から選ばれる1、2または3つの置換基で置換される。
【0026】
幾つかの実施例において、R4、R5と連結された窒素原子とで形成された3~7員の飽和または部分不飽和単複素環は、アゼチジン、テトラヒドロピロール環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、チオモルホリン-1,1-ジオキサイド、1,2-ジヒドロアゼチジエン環、2,5-ジヒドロ-1H-ピロール環、2,3-ジヒドロ-1H-ピロール環、1,2,3,4-テトラヒドロピリジン環または1,2,3,6-テトラヒドロピリジン環から選ばれる4~6員の飽和単複素環である。
【0027】
幾つかの実施例において、Ra、Rbを連結して形成された縮合した3~7員の飽和または部分不飽和単複素環は、縮合したアゼチジン、縮合したオキセタン、縮合したテトラヒドロフラン環、縮合したテトラヒドロチオフェン環、縮合したテトラヒドロピロール環、縮合したピペリジン環、縮合したピペラジン環、縮合したモルホリン環、縮合したチオモルホリン環、縮合したチオモルホリン-1,1-ジオキサイド、縮合したテトラヒドロピラン環、縮合した1,2-ジヒドロアゼチジエン環、縮合した1,2-ジヒドロオキシヘテロ環ブタジエン環、縮合した2,5-ジヒドロ-1H-ピロール環、縮合した2,5-ジヒドロフラン環、縮合した2,3-ジヒドロフラン環、縮合した2,3-ジヒドロ-1H-ピロール環、縮合した3,4-ジヒドロ-2H-ピラン環、縮合した1,2,3,4-テトラヒドロピリジン環、縮合した3,6-ジヒドロ-2H-ピラン環または縮合した1,2,3,6-テトラヒドロピリジン環から選ばれる縮合した4~6員の飽和単複素環である。
【0028】
幾つかの実施例において、Ra、Rbを連結して形成された縮合した3~7員の飽和または部分不飽和単環は、縮合したシクロプロピル環、縮合したシクロブチル環、縮合したシクロペンチル環、縮合したシクロペンテニル環、縮合したシクロヘキシル環、縮合したシクロヘキセニル環、縮合したシクロヘキサジエン環から選ばれる縮合した3~6員の飽和単環である。
【0029】
幾つかの実施例において、同一の環原子または異なる環原子に連結する任意の2つのR0を連結して形成された3~7員の飽和または部分不飽和単複素環は、アゼチジン、オキセタン、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロチオフェン環、テトラヒドロピロール環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、チオモルホリン-1,1-ジオキサイド、テトラヒドロピラン環から選ばれる4~6員の飽和単複素環である。
【0030】
幾つかの実施例において、同一の環原子または異なる環原子に連結する任意の2つのR0を連結して形成された3~7員の飽和または部分不飽和単環は、シクロプロピル環、シクロブチル環、シクロペンチル環、シクロヘキシル環から選ばれる3~6員の飽和単環である。
【0031】
幾つかの実施例において、Ra0、Rb0と連結した窒素原子とで形成された4~6員の飽和単複素環は、アゼチジン、オキセタン、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロチオフェン環、テトラヒドロピロール環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、チオモルホリン-1,1-ジオキサイド、テトラヒドロピラン環から選ばれる。
【0032】
幾つかの実施例において、Ra1、Rb1と連結した窒素原子とで形成された4~6員の飽和単複素環は、アゼチジン、オキセタン、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロチオフェン環、テトラヒドロピロール環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、チオモルホリン-1,1-ジオキサイド、テトラヒドロピラン環から選ばれる。
【0033】
幾つかの実施例において、上記各構造式では、各基に記載の5~6員のヘテロアリール基はそれぞれ独立して、チエニル基、フリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾール基、オキサゾリル基、ピロール基、ピラゾール基、トリアゾール基、1,2,3-トリアゾール基、1,2,4-トリアゾール基、1,2,5-トリアゾール基、1,3,4-トリアゾール基、テトラゾリル基、イソオキサゾール基、オキサジアゾール基、1,2,3-オキサジアゾール基、1,2,4-オキサジアゾール基、1,2,5-オキサジアゾール基、1,3,4-オキサジアゾール基、チアジアゾール基、ピリジン基、ピリダジン基、ピリミジン基、ピラジニル基、トリアジニル基及びテトラオキサジン基から選ばれる。
【0034】
幾つかの実施例において、前記5~6員のヘテロアリール基は、
から選ばれる。
【0035】
上記5~6員のヘテロアリール基は非置換またはそれぞれ独立して、ハロゲン、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン化C1-3アルキル基、ハロゲン化C1-3アルコキシ基、NRa1b1、-SO21-3アルキル基、-S(O)C1-3アルキル基、-C(O)NRa1b1、-C(O)OC1-3アルキル基、-OC(O)C1-3アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキルオキシ基、3~6員のヘテロ環アルキル基、フェニル基、5~6員のヘテロアリール基から選ばれる1、2または3つの置換基で置換され、Ra1、Rb1上記のように定義される。
【0036】
幾つかの実施例において、上記各構造式において、各基に記載の8~10員のヘテロアリール基は、インドール基、イソインドリル基、インダゾリル基、ベンゾトリアゾール基、ベンゾチエニル基、イソベンゾチエニル基、ベンゾフリル基、ベンゾイソフリル基、ベンゾイミダゾール基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾール基、ベンゾオキサジアゾール基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾチアジアゾール基、インドリジン基、プリン基、ピリジン[3,2-d]ピリミジン基、ピリジン[2,3-d]ピリミジン基、ピリジン[3,4-d]ピリミジン基、ピリジン[4,3-d]ピリミジン基、1,8-ナフチリジン基、1,7-ナフチリジン基、1,6-ナフチリジン基、1,5-ナフチリジン基、プテリジン基、キノリン基、イソキノリン基、シンノリン基、キノキサリン基、フタラジン基及びキナゾリン基から選ばれる。
【0037】
幾つかの実施例において、上記各構造式において、各基に記載の3~6員のヘテロ環アルキル基は、それぞれ独立して、アゼチジン基、トリメチレンオキシド基、テトラヒドロフラン基、テトラヒドロチオフェン基、テトラヒドロピロール基、オキサゾリルアルキル基、ジオキソラン基、ピペリジン基、ピペラジン基、モルホリン基、ジオキサン基、チオモルホリン基、チオモルホリン-1,1-ジオキサイド、テトラヒドロピラン基、ピロリジン-2-ケトン基、ジヒドロフラン-2(3H)-ケトン基、モルホリン-3-ケトン基、ピペラジン-2-ケトン基、ピペリジン-2-ケトン基から選ばれる4~6員のヘテロ環アルキル基である。
【0038】
幾つかの実施例において、式(I)に示される化合物は、





の化合物の中のいずれかである。
【0039】
幾つかの実施例において、式(I)に示される化合物は、実施例化合物の中のいずれかである。
【0040】
本発明の第2態様は、本発明の第1の態様に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩、またはその立体異性体、またはその溶剤和物、またはそのプロドラッグ、及び薬学的に許容できる担体を含む薬物組成物を提供する。
【0041】
本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩、またはその立体異性体、またはその溶剤和物、またはそのプロドラッグ、及び本発明の第2態様に記載の薬物組成物の、CDK9活性に関連する、またはCDK9活性によって媒介される疾患の治療薬物の製造における使用を提供する。前記疾患は、過剰増殖性疾患、ウイルス誘発感染性疾患および/または心血管疾患であることが好ましく、過剰増殖性疾患であることがより好ましい。
【0042】
本発明の第4の態様は、CDK9活性に関連する、またはCDK9活性によって媒介される疾患を治療する方法を提供し、前記方法は、有効量の本発明の第1の態様に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩、またはその立体異性体、またはその溶剤和物、またはそのプロドラッグ、または本発明の第2態様に記載の薬物組成物を対象に投与するステップを含む。幾つかの実施例において、CDK9活性に関連する疾患は、過剰増殖性疾患であり、特に固形腫瘍や血液腫瘍などの癌である。
【0043】
本発明において、CDK9活性に関連する、またはCDK9活性によって媒介される疾患は、CDK9活性(例えばCDK9の過剰活性)に関連するまたはCDK9活性に関与する疾患、及びこれらの疾患に伴う病態を含む。CDK9の過剰活性とは、正常な非疾患細胞と比較して増加したCDK9酵素活性、または不要な細胞増殖、或いは低下または不足したプログラム的細胞死(細胞アポトーシス)の増加を招くCDK9活性、またはCDK9の組成的活性化を招く突然変異を指す。過剰増殖性疾患は、細胞の望ましくない、または制御されていない増殖に関与する疾患を含み、また、低下または不足したプログラム的細胞死(細胞アポトーシス)に関与する疾患も含む。本発明の化合物は、細胞増殖および/または細胞分裂の予防、抑制、遮断、減少、低下、制御など、および/または細胞アポトーシスの発生のために用いることができる。該方法は、必要とする対象(人間を含む哺乳動物を含む)に前記疾患を効果的に治療または予防する一定量の本発明の化合物またはその薬学的に許容できる塩、水合物または溶剤和物を投与するステップを含む。
【0044】
本発明の文脈における過剰増殖性疾患は、乳腺、呼吸器、脳、生殖器官、消化管、尿路、眼、肝臓、皮膚、頭頸部、甲状腺、副甲状腺癌及びそれらの遠位転移などの血管生成または血管増殖性疾患、メサンギウム細胞増殖性疾患及び固形腫瘍を含むが、これらに制限されない。それらの疾患は、リンパ腫、肉腫及び白血病をさらに含む。幾つかの実施形態において、前記癌症は、膵臓癌、乳腺癌、卵巣癌、子宮頸癌、白血病から選ばれる。
【0045】
理解すべきこととして、本発明の範囲で、本発明の上記各技術的特徴と以下(例えば実施例)に具体的に説明する各技術的特徴とは互いに組み合わせられることができ、これにより、新しいまたは好ましい技術的解決手段を構成する。紙面に限りがあるので、ここではこれ以上詳しく述べない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】化合物Dと化合物Z-11-P1を1日1回経口投与した後の腫瘍体積の変化図である。
図2】化合物Dと化合物Z-11-P1を1日1回経口投与した後のマウス体重の変化図である。
図3】化合物Dと化合物Z-5-2を1日1回経口投与した後の腫瘍体積の変化図である。
図4】化合物Dと化合物Z-5-2を1日1回経口投与した後のマウス体重の変化図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
鋭意かつ詳細な研究の結果、本発明者は、有意なCDK9選択阻害活性と優れた生体内薬物動態活性を有する置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン誘導体を意外に発見した。このため、このシリーズの化合物は、CDK9活性に関連する、またはCDK9活性によって媒介される疾患を治療および/または予防するための薬物として開発することが期待される。これに基づいて、発明者は本発明を完成する。
【0048】
用語定義
【0049】
本発明の技術内容をより明らかに理解するために、以下、本発明の用語を更に説明する。
【0050】
「アルキル基」とは、直鎖と分岐鎖の飽和脂族炭化水素基を指す。「C1-8アルキル基」とは1~8個の炭化原子を有するアルキル基を指し、好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基であり、アルキル基の非制限的な例として、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、n-ヘキシル、1-エチル-2-メチルプロピル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2,3-ジメチルブチル、n-ヘプチル、2-メチルヘキシル、3-メチルヘキシル、4-メチルヘキシル、5-メチルヘキシル、2,3-ジメチルペンチル、2,4-ジメチルペンチル、2,2-ジメチルペンチル、3,3-ジメチルペンチル、2-エチルペンチル、3-エチルペンチル、n-オクチル、2,3-ジメチルヘキシル、2,4-ジメチルヘキシル、2,5-ジメチルヘキシル、2,2-ジメチルヘキシル、3,3-ジメチルヘキシル、4,4-ジメチルヘキシル、2-エチルヘキシル、3-エチルヘキシル、4-エチルヘキシル、2-メチル-2-エチルペンチル、2-メチル-3-エチルペンチル、n-ノニル、2-メチル-2-エチルヘキシル、2-メチル-3-エチルヘキシル、2,2-ジエチルペンチル、n-デシル、3,3-ジエチルヘキシル、2,2-ジエチルヘキシル、及びその様々な分枝異性体などを含む。
【0051】
「アルケニル基」とは、直鎖または分岐鎖の1つまたは複数の炭素-炭素二重結合(C=C)の不飽和脂族炭化水素基を指し、「C2-8アルケニル基」とは、2~8個の炭化原子を有するアルケニル基を指し、好ましくはC2-6アルケニル基、より好ましくはC2-4アルケニル基であり、定義は類似し、アルケニル基の非制限的な実施例はビニル、プロペニル、イソプロペニル、ノルマルブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘキセニルなどを含む。
【0052】
「アルキニル基」とは、直鎖と分岐鎖の1つまたは複数の炭素-炭素三重結合を有する不飽和脂族炭化水素基を指し、「C2-8アルキニル基」とは、2~8個の炭化原子を有するアルキニル基を指し、好ましくはC2-6アルキニル基、より好ましくはC2-4アルキニル基であり、定義は類似し、アルキニル基の非制限的な実施例はエチニル、プロピニル、n-ブチニル、イソブチレニル、ペントニル、ヘキシニルなどを含む。
【0053】
「シクロアルキル基」と「シクロアルキル基環」は交換可能に使用され、飽和単環、二環または多環式炭化水素基、またはそれがアリール基またはヘテロアリール基と縮合した基、またはその任意選択に置換された形態を指す。幾つかの実施例において、シクロアルキル基環は、酸素化基などの1つまたは複数のカルボニル基を有する。「C3-8シクロアルキル基」とは、3~8個の炭化原子を有する単環シクロアルキル基を指し、シクロアルキル基の非制限的な実施例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロブタノン、シクロペンタノン、シクロペンタン-1,3-ジケトンなどを含む。好ましくはC3-6シクロアルキル基であり、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルを含む。「C8-10シクロアルキル基」とは、8~10個の環原子を有する縮合した二環式炭化水素基を指し、C8-10シクロアルキル基の非制限的な実施例は
を含む。
【0054】
「スピロ環基」及び「スピロ環」は交換可能に使用され、いずれも単環の間が1つの炭化原子(スピロ原子と呼ばれる)を共有する多環式炭化水素基を指す。「7~11員のスピロ環基」とは、7~11個の環原子を有するスピロ環を指す。環の数に応じてスピロ環を二重スピロ環または多重スピロ環に分け、好ましくは二重スピロ環である。より好ましくは4員の/5員の、5員の/5員のまたは5員の/6員の二重スピロ環である。例えば、
である。
【0055】
「シクロアルケニル基」と「シクロアルケニル基環」は交換可能に使用され、いずれも環内で1つまたは複数の炭素-炭素二重結合を有する単環、二環または多環式炭化水素基を指し、該基はアリール基またはヘテロアリール基と縮合できる。シクロアルケニル基環は任意選択に置換されることができる。幾つかの実施形態において、シクロアルケニル基環は酸素化基などの1つまたは複数のカルボニル基を含む。「C3-8シクロアルケニル基」とは、3~8個の炭化原子を有する単環シクロアルケニル基を指す。好ましくはC3-6シクロアルケニル基である。シクロアルケニル基の非制限的な実施例はシクロブテン基、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエン、シクロヘプタニルシクロヘプタニル、シクロペンチル-2-エン-1-ケトン、シクロヘキシル-2,5-ジエン-1-ケトン、シクロヘキシル-2-エン-1-ケトン、シクロヘキシル-2-エン-1,4-ジケトンなどを含む。
【0056】
「ヘテロ環アルキル基」と「ヘテロ環アルキル基環」は交換可能に使用され、いずれも環原子に窒素、酸素、及び硫黄などの少なくとも1つのヘテロ原子を含むシクロアルキル基を指し、該基は、アリール基またはヘテロアリール基と縮合できる。ヘテロ環アルキル基環は任意選択に置換されることができる。幾つかの実施形態において、ヘテロ環アルキル基環は、酸素及びチオを含む基などの1つまたは複数のカルボニル基またはチオカルボニル基を含む。「3~8員のヘテロ環アルキル基」とは、3~8個の環原子を有することを指し、ただし、1、2または3個の環原子は窒素、酸素、及び硫黄から選ばれるヘテロ原子の単環式炭化水素基であり、好ましく4~8員のヘテロ環アルキル基である。より好ましく3~6員のヘテロ環アルキル基であり、3~6個の環原子を有し、ただし、1または2個の環原子は窒素、酸素、及び硫黄から選ばれるヘテロ原子である。より好ましく4~6員のヘテロ環アルキル基であり、4~6個の環原子を有し、ただし、1または2個の環原子は窒素、酸素、及び硫黄から選ばれるヘテロ原子である。非限定的な実施例は、窒素プロピル環基、オキシラニル基、アゼチジン基、トリメチレンオキシド基、テトラヒドロフラン基、テトラヒドロチオフェン基、テトラヒドロピロール基、オキサゾリルアルキル基、ジオキソラン基、ピペリジン基、ピペラジン基、モルホリン基、ジオキサン基、チオモルホリン基、チオモルホリン-1,1-ジオキサイド、テトラヒドロピラン基、アゼチジン-2-ケトン基、オキセタン-2-ケトン基、ジヒドロフラン-2(3H)-ケトン基、ピロリジン-2-ケトン基、ピロリジン-2,5-ジケトン基、ジヒドロフラン-2,5-ジケトン基、ピペリジン-2-ケトン基、テトラヒドロ-2H-ピラン-2-ケトン基、ピペラジン-2-ケトン基、モルホリン-3-ケトン基などを含む。「6~12員のヘテロ環アルキル基」と「6~12員の縮合ヘテロ環アルキル基」は交換可能に使用され、6~12個の環原子を有することを指し、ただし、1、2または3個の環原子は窒素、酸素、及び硫黄から選ばれるヘテロ原子の縮合した二環式炭化水素基である。「8~10員のヘテロ環アルキル基」と「8~10員の縮合ヘテロ環アルキル基」は交換可能に使用され、8~10個の環原子を有することを指し、ただし1、2または3個の環原子は窒素、酸素、及び硫黄から選ばれるヘテロ原子の縮合した二環式炭化水素基である。非限定的な実施例は、ヘキサヒドロ-1H-フラン[3,4-c]ピロール、オクタヒドロ-1H-シクロペンタン[c]ピリジン、ヘキサヒドロ-1H-ピロール[2,1-c][1,4]オキサジン、オクタヒドロピロール[1,2-a]ピラジニル、ヘキサヒドロピロール[1,2-a]ピラジニル-4(1H)-ケトン、オクタヒドロシクロペンタン[c]ピロールなどを含む。1つまたは複数の窒素原子を含む縮合二環式ヘテロ環アルキル基において、価数が許す限り、連結点は炭素または窒素原子であってもよい。二環式ヘテロ環アルキル基系は、1つまたは2つの環中に1つまたは複数のヘテロ原子を含むことができる。
【0057】
「ヘテロスピロ環基」と「ヘテロスピロ環」は交換可能に使用され、2つの単環が1つの炭化原子を共有する一価の非芳香族環系を意味し、炭化原子及び窒素、酸素、硫黄、及びリンから選ばれるヘテロ原子からなり、不飽和度を含まなく、且つ1つの単結合で母核に連結される。ヘテロスピロ環は任意選択に置換されることができる。幾つかの実施例において、ヘテロスピロ環は酸素及びチオを含む基などの1つまたは複数のカルボニル基またはチオカルボニル基である。「7~11員のヘテロスピロ環基」とは、7~11個の環原子を有し、ただし、1、2または3個の環原子はヘテロ原子のヘテロスピロ環基である。ヘテロスピロ環基の非制限的な実施例として、2,6-ジアザビシクロ[3.4]オクタン-5-ケトン基、2-オキソ-6-アザビシクロ[3.3]ヘプタン基、6-オキサスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル、7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル、7-メチル-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-イル、9-メチル-9-ホスフィンシロ[5.5]ウンデカン-3-イルなどを含む。
【0058】
「複素環アルケニル」と「複素環アルケニル環」は交換可能に使用され、環骨格上に1つまたは複数の炭素-炭素二重結合または炭素-窒素二重結合を含むヘテロ環アルキル基であるが、本明細書で定義されるヘテロアリール基部分を含むことを意図しない。該基はアリール基またはヘテロアリール基と縮合できる。複素環アルケニル環は任意選択に置換されることができる。幾つかの実施形態において、複素環アルケニル環は、酸素及びチオを含む基などの1つまたは複数のカルボニル基またはチオカルボニル基を含む。「5~8員の複素環アルケニル環」とは、5~8個の環原子を有することを指し、ただし、1、2または3個の環原子は窒素、酸素、及び硫黄から選ばれるヘテロ原子の複素環アルケニル環である。好ましくは5~6員の複素環アルケニル環である。複素環アルケニル環の非制限的な実施例として、4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール環、1,4,5,6-テトラヒドロピリミジン環、3,4,7,8-テトラヒドロ-2H-1,4,6-オキサジアゾールシン環、1,6-ジヒドロピリミジン環、4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-1,3-ジアゼピン環、2,5,6,7-テトラヒドロ-1,3,5-オキサジアザゼピン環を含む。
【0059】
「アリール基」と「芳香環」は交換可能に使用され、いずれも共役的なπ電子系を有する全炭素単環または縮合多環式(即ち隣接する炭素原子の対を共有する環)基を指し、該基はシクロアルキル環、ヘテロ環アルキル環、シクロアルケニル環、複素環アルケニル環またはヘテロアリール基と縮合できる。「C6-10アリール基」とは6~10個の炭化原子を有する単環または二環式アリール基を指し、アリール基の非制限的な実施例として、フェニル基、ナフチル基などを含む。
【0060】
「ヘテロアリール基」と「ヘテロアリール環」は交換可能に使用され、環状の炭化原子と環状ヘテロ原子を有する単環、二環または多環式の4n+2芳族環体系(例えば、環式配列で共有される6または10個のπ電子)の基を指し、ただし、各ヘテロ原子は独立して窒素、酸素、及び硫黄から選ばれる。本発明において、ヘテロアリール基はそのうちの上記ヘテロアリール環が1つまたは複数のシクロアルキル環、ヘテロ環アルキル環、シクロアルケニル環、複素環アルケニル環または芳香環と縮合した環系を更に含む。ヘテロアリール環は任意選択に置換されることができる。「5~10員のヘテロアリール基」とは、5~10個の環原子を有することを指し、ただし、1、2、3または4個の環原子はヘテロ原子の単環または二環式ヘテロアリール基である。「5~6員のヘテロアリール基」とは、5~6個の環原子を有することを指し、ただし、1、2、3または4個の環原子はヘテロ原子の単環式ヘテロアリール基であり、非限定的な実施例はチエニル基、フリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾール基、オキサゾリル基、ピロール基、ピラゾール基、トリアゾール基、1,2,3-トリアゾール基、1,2,4-トリアゾール基、1,2,5-トリアゾール基、1,3,4-トリアゾール基、テトラゾリル基、イソオキサゾール基、オキサジアゾール基、1,2,3-オキサジアゾール基、1,2,4-オキサジアゾール基、1,2,5-オキサジアゾール基、1,3,4-オキサジアゾール基、チアジアゾール基、ピリジン基、ピリダジン基、ピリミジン基、ピラジニル基、トリアジニル基、テトラオキサジン基を指す。「8~10員のヘテロアリール基」とは、8~10個の環原子を有することを指し、ただし、1、2、3または4個の環原子はヘテロ原子の二環式ヘテロアリール基であり、非限定的な実施例は、インドール基、イソインドリル基、インダゾリル基、ベンゾトリアゾール基、ベンゾチエニル基、イソベンゾチエニル基、ベンゾフリル基、ベンゾイソフリル基、ベンゾイミダゾール基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾール基、ベンゾオキサジアゾール基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾチアジアゾール基、インドリジン基、プリン基、ピリジン[3,2-d]ピリミジン基、ピリジン[2,3-d]ピリミジン基、ピリジン[3,4-d]ピリミジン基、ピリジン[4,3-d]ピリミジン基、1,8-ナフチリジン基、1,7-ナフチリジン基、1,6-ナフチリジン基、1,5-ナフチリジン基、プテリジン基、キノリン基、イソキノリン基、シンノリン基、キノキサリン基、フタラジン基及びキナゾリン基を含む。「ヘテロ原子」とは、窒素、酸素または硫を指す。1つまたは複数の窒素原子を含むヘテロアリール基では、価数が許す限り、連結点は炭素または窒素原子であってもよい。ヘテロアリール基二環系は一つのまたは2つの環に1つまたは複数のヘテロ原子を含むことができる。
【0061】
「縮合」とは、2つまたは複数の環は1つまたは複数の結合を共有する構造である。
【0062】
「フェニルヘテロ環アルキル基」とは、ベンゼン環とヘテロ環アルキル環が縮合して二環、三環または多環体系を形成する基であり、ただし、ヘテロ環アルキル環は上記に定義される。「7~11員のフェニルヘテロ環アルキル基」とは、7~11個の環原子を有することを指し、ただし、1、2、3または4個の環原子は窒素、酸素、及び硫黄から選ばれるヘテロ原子の二環式基である。好ましくは8~10員のフェニルヘテロ環アルキル基であり、8~10個の環原子を有し、ただし、1、2または3個の環原子は窒素、酸素、及び硫黄から選ばれるヘテロ原子である。非限定的な実施例はインドリン、ベンゾ[d][1,3]ビスオキサゾール、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン、3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジンなどを含む。
【0063】
「ヘテロアリールヘテロ環アルキル基」とは、ヘテロアリール環とヘテロ環アルキル環が縮合して二環、三環または多環系を形成する基を指し、ただし、ヘテロ環アルキル環は上記に定義される。「7~11員のヘテロアリールヘテロ環アルキル基」とは、7~11個の環原子を有することを指し、ただし、1、2、3または4個の環原子は窒素、酸素、及び硫黄から選ばれるヘテロ原子の二環式基である。好ましくは8~10員のヘテロアリールヘテロ環アルキル基であり、8~10個の環原子を有し、ただし、1、2、3または4個の環原子は窒素、酸素、及び硫黄から選ばれるヘテロ原子である。非限定的な実施例は2,3-ジヒドロ-1H-ピロール[2,3-b]ピリジン、[1,3]ジオキソラン[4,5-b]ピリジン、2,3-ジヒドロ-1H-ピリジン[3,4-b][1,4]オキサジン、2,3,4,6-テトラヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン、2,4,5,6-テトラヒドロピラン[2,3-c]ピラゾール、5,6,7,8-テトラヒドロピリジン[3,4-d]ピリミジンなどを含む。
【0064】
「アルコキシ基」とは、-O-アルキル基を指し、ただし、アルキル基の定義は以上のとおりである。好ましくはC1-8アルコキシ基であり、より好ましくはC1-6アルコキシ基であり、最も好ましくはC1-3アルコキシ基である。アルコキシ基の非制限的な実施例として、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert-ブトキシ、イソブトキシ、ペンチルオキシなどを含む。
【0065】
「シクロアルキルオキシ基」とは-O-シクロアルキル基を指し、ただし、シクロアルキル基の定義は以上のとおりである。好ましくはC3-8シクロアルキルオキシ基であり、より好ましくはC3-6シクロアルキルオキシ基である。シクロアルキルオキシ基の非制限的な実施例として、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシなどを含む。
【0066】
「1つの結合」とは、それに連結する2つの基が1つの共有結合で連結することを指す。
【0067】
「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を指す。
【0068】
「ハロゲン化」とは、基中の1つまたは複数(例えば1、2、3、4または5個の)水素がハロゲンで置換されることを指す。
【0069】
例えば、「ハロゲン化アルキル基」とは、アルキル基が1つまたは複数(例えば1、2、3、4または5個の)ハロゲンで置換されることを指し、ただし、アルキル基の定義は以上のとおりである。好ましくはハロゲン化C1-8アルキル基であり、より好ましくはハロゲン化C1-6アルキル基であり、より好ましくはハロゲン化C1-3アルキル基である。ハロゲン化アルキル基の例として、モノクロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、モノクロロエチル、1,2-ジクロロエチル、トリクロロエチル、モノブロモエチル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、モノフルオロエチル、ジフルオロエチル、トリフルオロエチルなどをを含む(これらに制限されない)。
【0070】
また例えば、「ハロゲン化アルコキシ基」とは、アルコキシ基が1つまたは複数の(例えば1、2、3、4または5個の)ハロゲンで置換されることを指し、ただし、アルコキシ基の定義は以上のとおりである。好ましくはハロゲン化C1-8アルコキシ基であり、より好ましくはハロゲン化C1-6アルコキシ基であり、より好ましくはハロゲン化C1-3アルコキシ基である。ハロゲン化アルコキシ基は、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、モノフルオロメトキシ、モノフルオロエトキシ、ジフルオロメトキシ、ジフルオロエトキシなどを含む(これらに制限されない)。
【0071】
また例えば、「ハロゲン化シクロアルキル基」とは、シクロアルキル基が1つまたは複数(例えば1、2、3、4または5個の)ハロゲンで置換されることを指し、ただし、シクロアルキル基の定義は以上のとおりである。好ましくはハロゲン化C3-8シクロアルキル基であり、より好ましくはハロゲン化C3-6シクロアルキル基である。ハロゲン化シクロアルキル基は、トリフルオロシクロプロピル、モノフルオロシクロプロピル、モノフルオロシクロヘキシル、ジフルオロシクロプロピル、ジフルオロシクロヘキシルなどを含む(これらに制限されない)。
【0072】
「重水素化アルキル基」とは、アルキル基が1つまたは複数(例えば1、2、3、4または5個の)重水素原子で置換されることを指し、ただし、アルキル基の定義は以上のとおりである。好ましくは重水素化C1-8アルキル基であり、より好ましくは重水素化C1-6アルキル基であり、より好ましくは重水素化C1-3アルキル基である。重水素化アルキル基の例として、モノ重水素化メチル、モノ重水素化エチル、二重水素化メチル、二重水素化エチル、三重水素化メチル、三重水素化エチルなどを含む(これらに制限されない)。
【0073】
「アミノ基」はNH2であり、「シアノ基」はCNであり、「ニトロ基」はNO2であり、「ベンジル基」は-CH2-フェニル基であり、「オキソ基」は=Oであり、「カルボキシル基」は-C(O)OHであり、「アセチル基」は-C(O)CH3であり、「メチロール基」は-CH2OHであり、「ヒドロキシエチル基」は-CH2CH2OHまたは-CHOHCH3であり、「水酸基」は-OHであり、「メルカプタン」はSHであり、「サブシクロプロピル」構造は
である。
【0074】
「飽和または部分不飽和単環」とは、飽和または部分不飽和の全炭素単環系を指し、ただし、「部分不飽和」とは、少なくとも1つの二重結合または三重結合の環部分を指し、「部分不飽和」とは、複数の不飽和部位を有する環を包含することを意図するが、本明細書で定義されるアリール基またはヘテロアリール基部分を含むことを意図しない。幾つかの実施例において、飽和または部分不飽和単環は、酸素化基などを含む1つまたは複数のカルボニル基を含む。「3~7員の飽和または部分不飽和単環」は3~7個の環炭化原子、好ましくは3~6個の環炭化原子を有する飽和または部分不飽和単環であり、より好ましくは3~6個の環炭化原子を有する飽和単環である。飽和または部分不飽和単環の非制限的な実施例として、シクロプロピル環、シクロブチル環、シクロペンチル環、シクロペンテニル環、シクロヘキシル環、シクロヘキセニル環、シクロヘキサジエン環、シクロヘプチル環、シクロヘプタニルシクロヘプタニル環、シクロペンタノン環、シクロペンタン-1,3-ジケトン環などを含む。
【0075】
「飽和または部分不飽和単複素環」とは、飽和または部分不飽和単環中の1、2または3個の環炭化原子が窒素、酸素またはS(O)t(ただしtは0~2の整数である)から選ばれるヘテロ原子で置換されることを指すが、-O-O-、-O-S-または-S-S-の環部分を含まなく、残る環原子は炭素である。「3~7員の飽和または部分不飽和単複素環」は3~7個の環原子を有し、ただし、1、2または3個の環原子は上記ヘテロ原子である。好ましくは3~6個の環原子を有し、ただし、1または2個の環原子は上記ヘテロ原子の3~6員の飽和または部分不飽和単複素環であり、より好ましくは5~6個の環原子を有し、ただし、1または2個の環原子は上記ヘテロ原子の5~6員の飽和または部分不飽和単複素環であり、最も好ましくは5または6員の飽和単複素環である。飽和単複素環の非制限的な実施例として、プロピレンオキシド環、アゼチジン環、オキセタン環、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロチオフェン環、テトラヒドロピロール環、ピペリジン環、ピロリジン環、オキサゾリジン環、ピペラジン環、ジオキソラン環、ジオキサン、モルホリン環、チオモルホリン環、チオモルホリン-1,1-ジオキサイド、テトラヒドロピラン環、アゼチジン-2-ケトン環、オキセタン-2-ケトン環、ピロリジン-2-ケトン環、ピロリジン-2,5-ジケトン環、ピペリジン-2-ケトン環、ジヒドロフラン-2(3H)-ケトン環、ジヒドロフラン-2,5-ジケトン環、テトラヒドロ-2H-ピラン-2-ケトン環、ピペラジン-2-ケトン環、モルホリン-3-ケトン環を含む。部分不飽和単複素環の非制限的な実施例として、1,2-ジヒドロアゼチジエン環、1,2-ジヒドロオキシヘテロ環ブタジエン環、2,5-ジヒドロ-1H-ピロール環、2,5-ジヒドロフラン環、2,3-ジヒドロフラン環、2,3-ジヒドロ-1H-ピロール環、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン環、1,2,3,4-テトラヒドロピリジン環、3,6-ジヒドロ-2H-ピラン環、1,2,3,6-テトラヒドロピリジン環、4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール環、1,4,5,6-テトラヒドロピリミジン環、3,4,7,8-テトラヒドロ-2H-1,4,6-オキサジアゾールシン環、1,6-ジヒドロピリミジン環、4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-1,3-ジアゼピン環、2,5,6,7-テトラヒドロ-1,3,5-オキサジアザゼピン環などを含む。
【0076】
「置換される」とは、基中の1つまたは複数の水素原子を指し、好ましくは1~5個の水素原子が互いに独立して対応する数の置換基で置換され、より好ましくは1~3個の水素原子が互いに独立して対応する数の置換基で置換される。置換基はそれらの可能な化学的位置にあるだけで、当業者は過度の努力なしに(実験または理論によって)可能または不可能な置換を決定することができることが言うまでもない。例えば、遊離水素を有するアミノ基または水酸基は不飽和(例えばオレフィン系)結合を有する炭化原子と結合すると、不安定である可能性がある。
【0077】
「特に定義しない限り、本発明に記載の「それぞれ独立して……から選ばれる置換基」とは、基上の1つの以上の水素が置換基で置換される場合、前記置換基の種類は同じまたは異なってもよく、選ばれた置換基はそれぞれ独立した種類である。
【0078】
特に定義しない限り、本発明に記載の「……同じまたは異なってもよく、且つそれぞれ独立して……である」とは、一般式中に1つの以上の同じ置換基が存在する場合、該基は同じまたは異なってもよく、それぞれ独立した種類である。例えばLは(CR0102sであり、sが2である場合、Lは(CR0102)-(CR0102)であり、その中の2つのR01またはR02は同じまたは異なってもよく、それぞれ独立した種類であり、例えばLはC(CH3)(CN)- C(CH2CH3)(OH)、C(CH3)(CN)-C(CH3)(OH)またはC(CN)(CH2CH3)-C(OH)(CH2CH3)であってもよい。
【0079】
特に定義しない限り、本明細書のいずれかの基は置換基でも、非置換基でもよい。上記基が置換される場合、置換基は、独立して、シアノ基、ハロゲン(好ましくはフッ素または塩素)、C1-8アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基)、C1-8アルコキシ基(好ましくはC1-6アルコキシ基、より好ましくはC1-3アルコキシ基)、ハロゲン化C1-8アルキル基(好ましくはハロゲン化C1-6アルキル基、より好ましくはハロゲン化C1-3アルキル基)、C3-8シクロアルキル基(好ましくはC3-6シクロアルキル基)、ハロゲン化C1-8アルコキシ基(好ましくはハロゲン化C1-6アルコキシ基、より好ましくはハロゲン化C1-3アルコキシ基)、C1-8アルキル基で置換されるアミノ基、ハロゲン化C1-8アルキル基で置換されるアミノ基、アセチル基、水酸基、メチロール、ヒドロキシエチル、カルボキシル基、ニトロ基、C6-10アリール基(好ましくはフェニル基)、C3-8シクロアルキルオキシ基(好ましくはC3-6シクロアルキルオキシ基)、C2-8アルケニル基(好ましくはC2-6アルケニル基、より好ましくはC2-4アルケニル基)、C2-8アルキニル基(好ましくはC2-6アルキニル基、より好ましくはC2-4アルキニル基)、-CONRa0b0、-C(O)OC1-10アルキル基(好ましくは-C(O)OC1-6アルキル基、より好ましくは-C(O)OC1-3アルキル基)、-CHO、-OC(O)C1-10アルキル基(好ましくは-OC(O)C1-6アルキル基、より好ましくは-OC(O)C1-3アルキル基)、-SO21-10アルキル基(好ましくは-SO21-6アルキル基、より好ましくは-SO21-3アルキル基)、-SO26-10アリール基(好ましくは-SO26アリール基、例えば-SO2-フェニル基)、-COC6-10アリール基(好ましくは-COC6アリール基、例えば-CO-フェニル基)、4~6員の飽和または不飽和単複素環、4~6員の飽和または不飽和単環、5~6員の単環ヘテロアリール環、8~10員の二環ヘテロアリール環、スピロ環、スピロヘテロ環、ブリッジ環またはブリッジヘテロ環から選ばれる1~5個の基であることが好ましく、Ra0、Rb0はそれぞれ独立して水素またはC1-3アルキル基である。
【0080】
本明細書の以上のような様々な置換基はその自体も本明細書に説明する基で置換されることができる。
【0081】
本明細書に記載の4~6員の飽和単複素環が置換される場合、置換基の位置はそれらの可能な化学位置に位置することができ、例示的な単複素環の代表的な置換場合は、

あり、ただし、「Sub」は本明細書に記載の様々な置換基を示し、
は、他の原子との連結を示す。
【0082】
薬物組成物
【0083】
通常、本発明の化合物またはその薬学的に許容できる塩、またはその溶媒和物、またはその立体異性体、またはプロドラッグは、1種または複数種の医薬担体と適切な剤形を形成して投与することができる。これらの剤形は、経口、直腸投与、局所投与、口内投与及び他の非胃腸投与(例えば、皮下、筋肉、静脈など)に適する。例えば、経口投与に適する剤形は、カプセル、錠剤、顆粒剤、及びシロップ剤などを含む。これらの製剤に含まれる本発明の化合物は固体粉末または顆粒、水性または非水性液体中の溶液または懸濁液、油中水や水中油型エマルジョンなどであってもよい。上記剤形は、活性化合物と1種または複数種の担体または補助材が通常の薬剤学的方法で調製することができる。上記の担体は活性化合物またはその他の補助材と互換性がある必要がある。固体製剤について、よく使用されている無毒担体は、マンニトール、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、セルロース、グルコース、ショ糖などを含むが、これらに制限されない。液体製剤用担体は、水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エチレングリコール、ポリエチレングリコールなどを含む。活性化合物は上記担体と溶液または懸濁液を形成することができる。
【0084】
「薬学的に許容できる担体」とは、無毒、不活性、固体、半固体の物質または液体充填剤、希釈剤、封入材料または補助製剤または任意の種類の補助材を指し、投与される対象(好ましくは哺乳動物、より好ましくは人)と互換性があり、試薬の活性を停止することなく、活性試薬を目的の標的に輸送するのに適している。
【0085】
「本発明の活性物質」または「本発明の活性化合物」とは、本発明の式(I)に示される化合物、またはその薬学的に許容できる塩、またはその溶媒和物、またはその立体異性体、またはそのプロドラッグを指し、高いCDK9選択阻害活性を有する。
【0086】
本発明の組成物は、医療行為基準と一致する様式で製剤化、定量化及び投与される。化合物を投与する「治療有効量」は、治療対象の具体的な疾患、治療の個体、疾患の原因、薬物の標的及び投薬方式などの要素によって決められる。
【0087】
「治療有効量」とは、酵素またはタンパク質活性を低下または抑制し、または症状を改善し、疾患を緩和し、疾患進行を減速または遅延し、または疾患を予防するなどの個体の生物学または医学的応答を引き起こす本発明の化合物またはその薬学的に許容できる塩、またはその溶媒和物、またはその立体異性体、またはそのプロドラッグの量を指す。
【0088】
本発明に記載の薬物組成物または前記医薬組成物中に含まれる本発明の化合物またはその薬学的に許容できる塩、またはその溶媒和物、またはその立体異性体、またはそのプロドラッグの治療有効量は、0.1mg/kg-5g/kg(体重)であることが好ましい。
【0089】
「対象」とは、動物を指し、好ましくは哺乳動物、より好ましくは人である。用語「哺乳動物」とは、猫、犬、ウサギ、熊、キツネ、オオカミ、サル、鹿、ネズミ、豚、人間を含む温血脊椎類哺乳動物を指す。
【0090】
「治療」とは、進行を軽減、遅延すること、減衰すること、予防すること、または既存の疾患または疾患(例えば癌)を維持することを指す。治療は、疾患または疾患の1つまたは複数の症状を治癒したり、その発展を予防したり、ある程度まで軽減したりすることも含む。
【0091】
前記「薬学的に許容できる塩」は、薬学的に許容できる酸付加塩と薬学的に許容できる塩基付加塩を含む。薬学的に許容できる酸付加塩とは、遊離塩基の生物有効性を他の副作用なしに保持でき、無機酸または有機酸と形成される塩を指す。これらの塩は本専門分野で知られている方法で調製することができる。
【0092】
「薬学的に許容できる塩基付加塩」は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などの無機塩基の塩を含むが、これらに制限されない。アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、リシン塩、アルギニン塩などの有機塩基の塩を含むが、これらに制限されない。これらの塩は本専門分野で知られている方法で調製することができる。
【0093】
本発明で言及された「溶媒和物」とは、本発明の化合物と溶剤が形成される錯体を指す。それらは、溶剤中で反応するか、溶剤から沈殿析出または結晶化する。例えば、水と形成される1つの錯体は「水和物」と呼ばれる。式(I)に示される化合物の溶媒和物は本発明の範囲内にある。
【0094】
本発明の式(I)に示される化合物は1つまたは複数のキラル中心を含む場合、異なる光学活性形式で存在できる。式(I)に示される化合物は1つのキラル中心を含む場合、該化合物は一対の鏡像異性体を含む。該化合物の2つの鏡像異性体及び該一対の鏡像異性体の混合物、例えばラセミ混合物も本発明の保護範囲内にある。鏡像異性体は本専門分野で知られている方法、例えば結晶化及びキラルクロマトグラフィーなどの方法によって分解できる。式(I)に示される化合物は1つ以上のキラル中心を含む場合、該化合物が鏡像異性体とジアステレオマーを含む。該化合物の全ての鏡像異性体とジアステレオマー、鏡像異性体の混合物、ジアステレオマーの混合物、及び鏡像異性体とジアステレオマーとの混合物も本発明の保護範囲内にある。鏡像異性体、ジアステレオマーは結晶化及び調製クロマトグラフィーなどの本専門分野で知られている方法によって分解できる。
【0095】
本発明は上記化合物のプロドラッグを含む。プロドラッグは既知のアミノ基保護基とカルボキシル基保護基を含み、生理学的条件下で加水分解されるか、酵素反応によって放出されて母体化合物を得る。具体的なプロドラッグ調製方法について、(Saulnier、M.G.;Frennesson、D.B.;Deshpande、M.S.;Hansel、S.B and Vysa、D.M.Bioorg.Med.Chem Lett.1994、4、1985-1990;及びGreenwald、R.B.;Choe、Y.H.;Conover、C.D.;Shum、K.;Wu、D.;Royzen、M.J.Med.Chem.2000、43、475.)を参照できる。
【0096】
調製方法
【0097】
本発明は式(I)に示される化合物の調製方法を提供し、当業者に知られている標準的な合成技術を使用し、または本分野で知られている方法と本発明に記載の方法を組合わせることで式(I)に示される化合物を合成することができる。本発明で与えられる溶剤、温度及び他の反応条件は当該分野技術に応じて変更してもよい。前記反応は、本発明の化合物を提供するために順に使用することもでき、またはそれらは断片を合成するために使用されることができ、それらは、本発明に記載される方法および/または当該技術分野で公知の方法によって続いて添加される。
【0098】
本発明に記載の化合物は、以下と類似する方法または実施例に記載の例示的な方法、または当業者によって使用される関連する公開文献を使用して、適切な選択可能な出発物質を用いて化合物を合成することができる。本発明に記載の化合物を合成するための出発物質は合成されてもよいし、商業的に入手されてもよい。本発明に記載の化合物とその他の関連する異なる置換基を有する化合物は、当業者で知られている技術と原料を使用して合成することができる。本発明で開示される化合物を調製する一般的な方法は、本分野で知られている反応から得られてもよく、また、該反応は、本発明によって提供される分子中の様々な部分を導入するために、当業者が考える適切な試薬と条件によって修正されることができる。
【0099】
従来の技術に比べて、本発明の主な利点は以下のとおりである。
CDK9に対する高い選択阻害活性を有するとともに優れた生体内薬物動態活性を有する一連の新規構造の置換ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン誘導体を提供し、IC50値が100nMよりも小さく、好ましくは50nMよりも小さく、より好ましくは10nMよりも小さいので、CDK9活性に関連する、またはCDK9活性によって媒介される疾患を治療および/または予防するための薬物として使用することができる。
【0100】
以下、具体的な実施例を参照しながら、本発明を更に説明する。これらの実施例は本発明を説明するためのものだけで、本発明の範囲を限定するためのものではないことを理解すべきである。以下の実施例には実験方法の具体的な条件を示していないが、一般に従来の条件、例えばSambrookらの分子クローニング:実験室マニュアル(New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989)に記載されている条件に従うか、または製造業者の推奨条件に従う。別途明記しない限り、パーセントと部数は重量で計算する。特に定義されていない限り、この明細書で使用される用語は、当業者がよく知っている意味と同じである。また、記載内容と類似または同等の方法および材料はいずれも本発明に適用することができる。
【0101】
既知の出発原料は、当技術分野で知られている方法で合成してもよいし、ABCR GmbH&Co.KG、Acros Organics、Aldrich Chemical Company、韶遠化学技術(Accela ChemBio Inc)やダリ化学品などの会社から購入してもよい。
【0102】
特に断りのない限り、実施例中の反応はすべて窒素雰囲気またはアルゴン雰囲気下で行われる。
【0103】
DMF:ジメチルホルムアミド、DMSO:ジメチルスルホキシド、THF:テトラヒドロフラン、DIEA:N,N-ジイソプロピルエタンアミン、EA:酢酸エチル、PE:石油エーテル、BINAP:(2R,3S)-2,2’-ビスジフェニルホスフィノ-1,1’-ビナフタレン、NBS:N-ブロモスクシンイミド、NCS:N-クロロスクシンイミド、CDI:N,N’-カルボニルジイミダゾール、Pd2(dba)3:トリス(ジフェニレンメチルアセトン)ジパラジウム、Pd(dppf)Cl2:[1,1’-ビス(トリフェニルホスフィン)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド、DPPA:ジフェニルアジドホスフェート、DBU:1,8-ジアザビシクロウンデカン-7-エン、TBAF:テトラブチルアンモニウムフルオリド、Na Ascorbate:アスコルビン酸ナトリウム、t-BuXPhosPd-G3:メタンスルホン酸(2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’、4’、6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)。
本明細書において、室温は、約20℃-30℃を指す。
【0104】
中間体
中間体V1の調製
【0105】
ステップ1:1,3-ジスルファン-2-イル(トリメチル)シラン(4.23g,21.97mmol)をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解し、-78℃まで冷却し、n-ブチルリチウム(2.5M,8.79mL)を滴下し、0.5時間反応し、そして、ビシクロプロピルケトン(2.2g,19.97mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液を滴下し、-78℃の条件で1.5時間攪拌し、そして、室温に昇温して16時間反応させる。飽和塩化ナトリウム溶液(100mL)を加えて、酢酸エチル(100mL)で抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、減圧で濃縮する。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(40g、100%石油エーテル)で分離し、化合物V1-1(3.0g,淡黄色の液体)を得る。収率:70.7%。MS m/z(ESI):213.0 [M+1]。
ステップ2:化合物V1-1(3.0g,14.13mmol)をアセトニトリル(50mL)及び水(12.5mL)に溶解し、そして、トリフルオロ酢酸(4.83g,42.38mmol)及び30%の過酸化水素(20.82g,183.64mmol)を加える。80℃条件で1時間攪拌し、40℃まで冷却し、溶液に2NのNaOH溶液(40mL)を加えて、0.5時間攪拌し続き、2Nの塩酸(40mL)を加えて中和し、酢酸エチル(60mL×3)で抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、溶剤を減圧下でスピンドライする。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(40g、0~60%酢酸エチル/石油エーテル)で分離し、化合物V1-2(1.5g,無色油状物)を得る。収率:75.8%。MS m/z(ESI):139.0 [M-1]
ステップ3:反応バイアルにおいて、2,2-ジシクロプロピル酢酸(1.50g,10.70mmol)をテトラヒドロフラン(30mL)に溶解し、CDI(2.31g,16.05mmol)を加えて、室温で16時間反応する(A溶液とする)。他の反応バイアルにおいて、(3-エトキシ-3-オキソプロピオニル)オキシカリウム(2.73g,16.05mmol)を塩化マグネシウム(1.02g,10.70mmol)に加えて、加熱して50℃で16時間反応する(B溶液とする)。A溶液をB溶液に滴下し(約5分間)、そして、溶液を混合して室温で16時間攪拌する。酢酸エチル(100mL)を加えて、飽和塩化ナトリウム溶液(80mL×3)で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、減圧で濃縮する。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(40 g、0~30%酢酸エチル/石油エーテル)で分離し、化合物V1(800mg,無色油状物)を得る。収率:33.6%。MS m/z(ESI):211.1 [M+1]
【0106】
中間体V2の調製
【0107】
中間体V1の調製のステップ3の方法を参照する。相違点は、2,2-ジシクロプロピル酢酸の代わりに2-シクロプロピル酢酸(CAS.NO:5239-82-7)を用いることであり、中間体V2(淡黄色の油状物、収率:88.2%)を調製して得る。MS m/z(ESI):171.1 [M+1]
【0108】
中間体V3の調製
【0109】
中間体V1の調製方法を参照する。相違点は、ビシクロプロピルケトンの代わりに1-シクロプロピルエチルケトンを用いることであり、中間体V3(淡黄色の液体、収率47.50%)を調製して得る。MS m/z(ESI): 185.1 [M+1]。
【0110】
中間体V4の調製
【0111】
窒素保護下で塩化チオニル(919.31mg,7.73mmol)を2,2-ジメチルブチン-3-エン酸(588mg,5.15mmol)に加えて、80℃で2時間反応し、反応液を黄色の油状物が得られるまで濃縮する。窒素保護下で-65℃でn-ブチルリチウム(2.5M,6.42mL)を3-エトキシ-3-オキシプロピオン酸(1.14g、8.60mmol)及びテトラヒドロフラン(15mL)の溶液に加えて、-10℃で1時間反応する。上記黄色の油状物のテトラヒドロフラン(15mL)溶液を加えて、-65℃で1時間反応して室温で1時間反応する。反応液をテトラヒドロフラン/1N塩酸(20/20mL)の溶液に注いで、室温で2時間攪拌する。有機層を分離し、飽和炭酸ナトリウムで洗浄し、飽和塩化ナトリウムで洗浄した後濃縮し、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=97.5%:2.5%)で精製して無色油状物である中間体V4(380mg,2.06mmol,収率71.97%)を得る。MS m/z(ESI): 185.2 [M+1]。
【0112】
中間体V5の調製
【0113】
中間体V1の調製のステップ3の方法を参照する。相違点は、2,2-ジシクロプロピル酢酸の代わりに2-シクロブチルプロピオン酸(CAS.NO:1082453-55-1)を用いることであり、中間体V5を調製して得る。
【0114】
中間体V6の調製
【0115】
中間体V1の調製方法を参照する。相違点は、ビシクロプロピルケトンの代わりに1-シクロペンチルエチルケトンを用いることであり、中間体V6を調製して得る。
【0116】
中間体V7の調製
【0117】
中間体V4の調製方法を参照する。相違点は、2,2-ジメチルブチン-3-エン酸の代わりに2-シクロプロピル-2-メチルプロピオン酸を用いることであり、中間体V7を調製して得る。
【0118】
中間体V8の調製
【0119】
ステップ1:2,2-ジシクロプロピル酢酸(2.5g,17.83mmol)をメタノール(50mL)に溶解し、そして、塩化チオニル(2.6mL,35.67mmol)を加える。該反応は70℃の条件下で6時間攪拌する。溶剤を減圧下で除去し、酢酸エチル(60mL)を加えて、飽和塩化ナトリウム溶液(50mL×3)で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、減圧で濃縮する。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離することによって精製し、酢酸メチル2,2-ジシクロプロピル(1.6g,無色油状物)を得る。収率:51.2%。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 3.60(s,3H),1.17-1.08(m,1H),1.02-0.88(m,2H),0.53-0.43(m,2H),0.41-0.31(m,2H),0.26-0.20(m,2H),0.14-0.06(m,2H).
ステップ2:酢酸メチル2,2-ジシクロプロピル(1.5g,9.73mmol)をテトラヒドロフラン(30mL)に溶解し、-78℃まで冷却し、リチウムジイソプロピルアミド(2M,14.59mL)を加える。該反応は、-78℃の条件で0.5時間攪拌し、そして、-20℃までゆっくりと昇温し0.5時間攪拌し、-78℃まで冷却し、ヨウ化メチル(4.14g,29.18mmol)を滴下し、室温までゆっくりと昇温し5時間反応する。そして、-78℃まで冷却し、リチウムジイソプロピルアミド(2M,14.59mL)を加える。該反応は、-78℃の条件で0.5時間攪拌し、そして、-20℃までゆっくりと昇温して0.5時間攪拌し、-78℃まで冷却し、ヨウ化メチル(4.14g,29.18mmol)を滴下し、室温にゆっくりと昇温して16時間反応させる。酢酸エチル(80mL)を加えて、飽和塩化ナトリウム溶液(80mL×2)で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、減圧で濃縮する。粗生成物である2,2-ジシクロプロピルプロピオン酸メチル(1.5g,淡黄色の油状物)を得る。収率:91.7%。さらに精製する必要はなく、そのまま次のステップに使用される。
ステップ3:2,2-ジシクロプロピルプロピオン酸メチル(1.5g,8.92mmol)をメタノール(10mL)に溶解し、そして、水酸化ナトリウム(1.43g,35.66mmol)を水(4mL)に溶解して加える。該反応は室温の条件下で16時間攪拌する。反応を停止させ、2Nの塩酸でPHを2程度に調整し、酢酸エチル(50mL×2)で抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、減圧で濃縮する。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離し、精製して2,2-ジシクロプロピルプロピオン酸(900mg,淡黄色の油状物)を得る。収率:65.5%。MS m/z(ESI):155.1 [M+1]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 1.01-0.89(m,2H),0.66(s,3H),0.33-0.20(m,8H).
ステップ4:反応バイアルにおいて、2,2-ジシクロプロピルプロピオン酸(900mg,5.84mmol)をテトラヒドロフラン(15mL)に溶解し、そして、N,N’-カルボニルジイミダゾール(1.26g,8.75mmol)を加え、そして、室温で16時間反応する(A溶液とする)。他の反応バイアルにおいて、(3-エトキシ-3-オキソプロピオニル)オキシカリウム(2.48g,14.59mmol)をテトラヒドロフラン(25mL)に溶解し、塩化マグネシウム(1.11g,11.67mmol)を加えて、加熱して50℃で16時間反応する(B溶液とする)。そして、A溶液をB溶液に滴下し(約5分間)、そして、溶液を混合して30℃で16時間攪拌する。反応を停止させ、酢酸エチル(50mL)を加えて、飽和塩化ナトリウム溶液(50mL×3)で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧で濃縮する。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離し、精製して4,4-ジシクロプロピル-3-カルボニルバラノ酸エチル(600mg,淡黄色の油状物)を得る。収率:45.8%。MS m/z(ESI):225.1 [M+1]。
【0120】
中間体V9の調製
【0121】
ステップ1:-20℃で3-メチルブチル-3-エン-1-オール(8.6g,99.85mmol)をジクロロメタン(200mL)に溶解し、ジエチル亜鉛(1M,299.54mL)、ジヨードメタン(79.98g,299.54mmol)を加えて、-20℃で4h反応する。反応液に飽和の塩化アンモニウム水溶液をゆっくりと加えて、ジクロロメタンで抽出し(2*200mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、スピンドライさせる。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=80%:20%)で精製して淡黄色の液体である2-(1-メチルシクロプロピル)エタノール(5.6g,収率:56.0%)を得る。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ4.27(s,1H),3.46(dd,J=6.8,4.8Hz,2H),1.40-1.32(m,2H),0.97(s,3H),0.23(t,J=4.8Hz,2H),0.15(dd,J=5.2,4.0Hz,2H).
ステップ2:氷浴下で、2-(1-メチルシクロプロピル)エタノール(4.6g,45.93mmol)をアセトンに溶解し、Jones試薬(2.2M,62.63mL)を加える。室温で16h反応し、反応液に70mLの水を加え、ジクロロメタンで抽出し(2*50mL)、飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、低温でスピンドライさせる。残留物に対してカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=70%:30%)で処理して淡黄色の液体である2-(1-メチルシクロプロピル)酢酸(1.7g,収率32.43%)を得る。MS m/z(ESI):113.1 [M-1]。
ステップ3:0℃の窒素の保護下でN,N’-カルボニルジイミダゾール(1.92g,11.83mmol)を2-(1-メチルシクロプロピル)酢酸(900mg,1.67mmol)及びテトラヒドロフラン(30mL)の溶液に加えて、加えた後室温で16時間反応する(溶液1)。窒素保護下で(3-エトキシ-3-オキソプロピオニル)オキシカリウム(2.01g,11.83mmol)、塩化マグネシウム(749.07mg,7.88mmol))及びテトラヒドロフラン(30mL)を加熱して50℃で16時間反応し、さらに0℃まで降温した後溶液を上記反応液に1滴加えて、加えた後、さらに室温で16時間反応する。反応液を氷水に加えて、さらに酢酸エチル(50mL*3)で抽出し、有機層を乾燥まで濃縮して粗生成物を得る。粗生成物に対してカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=90%:10%)で処理して、精製して淡黄色の液体である4-(1-メチルシクロプロピル)-3-オキソブタン酸エチル(1.2g、収率82.61%)を得る。MS m/z(ESI): 185.1 [M+1]。
【0122】
中間体V10の調製
【0123】
0℃の窒素の保護下でN,N’-カルボニルジイミダゾール(404.67mg,2.50mmol)を2-(3,3-ジフルオロシクロブチル)酢酸(250mg,1.67mmol)及びテトラヒドロフラン(15mL)の溶液に加えて、加えた後室温で16時間反応する(溶液1)。窒素保護下で(3-エトキシ-3-オキソプロピオニル)オキシカリウム(425.16mg,2.50mmol)、塩化マグネシウム(158.20mg,1.67mmol))及びテトラヒドロフラン(15mL)を加熱して50℃で16時間反応し、さらに0℃まで降温した後、溶液を上記反応液に1滴加えて、加えた後さらに室温で16時間反応する。反応液を氷水に加えてさらに酢酸エチルで抽出し(15mL*3)、有機層を乾燥まで濃縮して粗生成物を得る。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=90%:10%)で精製して4-(3,3-ジフルオロシクロブチル)-3-オキソブタン酸エチル(290mg、収率79.08%)を得る。MS m/z(ESI): 221.1 [M+1]。
【0124】
中間体V11の調製
【0125】
ステップ1:2-(1-メチルシクロプロピル)酢酸(1.7g,14.89mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(15mL)に溶解し、炭酸カリウム(6.18g,44.68mmol)、臭化ベンジル(3.06g,17.87mmol)を加える。25℃で一晩反応する。反応液に50mLの水を加え、酢酸エチルで抽出し(2*30mL)、飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、スピンドライさせる。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=95%:5%)で精製して、淡黄色の液体である2-(1-メチルシクロプロピル)酢酸ベンジル(2.1g,収率:69.03%)を得る。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.45-7.24(m,5H),5.10(s,2H),2.29(s,2H),1.06(s,3H),0.41(t,J=4.8 Hz,2H),0.30(dd,J=5.6,4.0 Hz,2H).
ステップ2:-78℃で、2-(1-メチルシクロプロピル)酢酸ベンジル(1.6g,7.83mmol)をTHF(20mL)に溶解し、ヨウ化メチル(5.52g,39.17mmol)を加える。30min攪拌し、ビス(トリメチルシリル)アミノリチウム(1M,15.67mL)を加える。室温までゆっくりと戻し2h攪拌する。反応液に飽和塩化アンモニウムを加えて、酢酸エチルで抽出し(2*50mL)、有機相を融合して、飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、スピンドライさせる。残留物に対してカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=95%:5%)で処理し、淡黄色の液体である2-(1-メチルシクロプロピル)プロピオン酸ベンジル(1.6g、収率:93.57%)を得る。
ステップ3:2-(1-メチルシクロプロピル)プロピオン酸ベンジル(2.1g,9.62mmol)をメタノール(20mL)に溶解し、水酸化ナトリウム(3.85g,96.20mmol)の水(10mL)溶液に加える。30℃で16h反応する。反応液はメタノールの大部分をスピンオフし、メチルtert-ブチルエーテルで抽出し(2*30mL)、塩酸でpH=4程度調整し、メチルtert-ブチルエーテルで抽出し(2*40mL)、飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、スピンドライさせる。淡黄色の液体である2-(1-メチルシクロプロピル)プロピオン酸(1.1g、収率:89.21%)を得る。MS m/z(ESI):127.1 [M-1]。
ステップ4:中間体V8のステップ4を参照して調製する。MS m/z(ESI): 199.1 [M+1]。
【0126】
中間体V12の調製
【0127】
ステップ1:2-シクロプロピル酢酸(50g,499.42mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(500mL)に溶解し、炭酸カリウム(207.07g,1.50mol)、臭化ベンジル(111.04g,649.25mmol)を加えて、30℃で16h反応する。反応液に2Lの水を加え、酢酸エチルで抽出し(3*500mL)、有機相を融合して、飽和食塩水で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、スピンドライさせる。残留物に対して石油エーテル:酢酸エチル=10:1のcombi-flashで処理し、淡黄色の液体である化合物V12-1(89g,収率:93.68%)を得る。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.42-7.25(m,5H),5.08(s,2H),2.27(d,J=4 Hz,2H),1.01-0.90(m,1H),0.51-0.38(m,2H),0.19-0.05(m,2H).
ステップ2:ビス(トリメチルシリル)アミノリチウム(1M,78.85mL)を三口フラスコに加えて、アルゴン保護の下で、-78℃で化合物V12-1(5g,26.28mmol)、ヨードエタン(41.00g,262.83mmol)のテトラヒドロフラン(70mL)を滴下する。-40℃で2h反応する。反応液に飽和塩化アンモニウム溶液を加えて、2*200mLの酢酸エチルで抽出し、有機相を融合して、飽和食塩水で2回洗浄する。無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、スピンドライさせる。残留物に対して石油エーテル:酢酸エチル=10:1のcombi-flashで処理し、淡黄色の液体である化合物V12-2(2.85g,収率:49.67%)を得る。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.40-7.26(m,5H),5.10(s,2H),1.57-1.65(m,3H),0.90-0.79(m,4H),0.52-0.43(m,1H),0.43-0.35(m,1H),0.21-0.12(m,2H).
ステップ3:化合物V12-2(22g,100.78mmol)をメタノール(200mL)に溶解し、氷浴下で水酸化ナトリウム(32.25g,806.26mmol)の水(100mL)溶液を滴下する。滴下し終わった後、30℃で16時間反応する。反応液はメタノールをスピンオフし、残留物に200mLの水を加え、メチルtert-ブチルエーテルで抽出し(3*150mL)、水相をpH=4に調整し、メチルtert-ブチルエーテルで抽出する(3*150mL)。有機相を融合して、飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、低温でスピンドライさせる。淡黄色の液体である化合物V12-3(12g,収率:90.2%)を得る。MS m/z(ESI):127.2[M-1]。
ステップ4:0℃で、カルボニルジイミダゾール(18.96g,117.03mmol)をテトラヒドロフラン(200mL)に溶解し、化合物V12-3(10g,78.02mmol)を加える。室温で16時間攪拌する。(3-エトキシ-3-オキソプロピオニル)オキシカリウム(39.84g,234.07mmol)をテトラヒドロフラン(200mL)に溶解し、塩化マグネシウム(22.24g,234.07mmol)を加える。50℃で16時間攪拌する。そして、1番目のフラスコでの液体を2番目のフラスコにゆっくりと滴下する。室温で16時間攪拌する。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し(3*150mL)、有機相を融合して、飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、スピンドライさせる。残留物に対して石油エーテル:酢酸エチル=10:1のcombi-flashで処理し、黄色の液体である化合物V12(14.8g,収率:95.68%)を得る。MS m/z(ESI):199[M+1]。
【0128】
中間体V13の調製
【0129】
ステップ1:0℃窒素の保護下でオキサロイルクロリド(1.78g、14.02mmol、1.20mL)を2-シクロプロピル-2-オキソ酢酸(1g、8.76mmol)及びジクロロメタン(15mL)の溶液に滴下し、滴下し終わった後さらにN,N-ジメチルホルムアミド(6.41mg、87.64μmol)を加え、室温に昇温して1時間反応する。反応液を濃縮して乾燥させた後ジクロロメタン(15mL)を加えて、0℃でベンジルアルコール(1.33g、12.27mmol、1.27mL)、トリエチルアミン(2.22g、21.91mmol、3.06mL)及びジクロロメタン(15mL)の溶液に滴下し、滴下し終わった後室温で1時間反応する。反応液を氷水に注いで、さらにジクロロメタン(15mL*2)で抽出し、有機層を融合させて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後濃縮して粗生成物を得る。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=90%:10%)で精製して、無色の液体(イオン流がない)である化合物V13-1(1.26g,67.56%収率)を得る。
ステップ2:室温の窒素の保護下でビス(2-メトキシエチル)アミノサルファートリフルオリド(3.90g、17.63mmol)を化合物V13-1(900mg、4.41mmol)及びジクロロメタン(30mL)に加えて、滴下し終わった後50℃で16時間反応する。反応液を氷に注いで、ジクロロメタン(50mL*2)で抽出し、有機層を融合させて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後濃縮して粗生成物を得る。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=70%:30%)で精製し無色の液体(イオン流がない)である化合物V13-2(555mg、収率55.67%)を得る。
ステップ3:化合物V13-2(555mg、2.45mmol)、水酸化ナトリウム(490.64mg、12.27mmol)、メタノール(5mL)、水(5mL)を混合した後室温で16時間反応する。メタノールを減圧下で除去し、水相をメチルtert-ブチルエーテル(15mL*2)で洗浄し、水相を収集してさらに0℃まで降温し、濃塩酸を加えてpH=2に調整し、さらにジクロロメタン(15mL*2)で抽出し、有機層を融合させて無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後濃縮して黄色の液体である化合物V13-3(320mg、2.35mmol、収率95.84%)を得る。MS m/z(ESI):135.1[M-1]。
ステップ4:0℃窒素の保護でN,N’-カルボニルジイミダゾール(507.70mg,3.53mmol)を化合物V13-3(320mg,2.35mmol)及びテトラヒドロフラン(20mL)の溶液に加えて、加えた後室温で16時間反応する。窒素保護下で(3-エトキシ-3-オキソプロピオニル)オキシカリウム(1.00g,5.88mmol)、塩化マグネシウム(447.73mg,4.70mmol)及びテトラヒドロフラン(20mL)を加熱して50℃で16時間反応し、さらに0℃まで降温した後溶液を上記反応液に1滴加えて、加えた後さらに室温で16時間反応する。反応液を酢酸エチル(50mL)及び水(50mL)に加えて、有機層を分離し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液及び飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、さらに無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、乾燥まで濃縮して粗生成物を得る。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=80%:20%)で精製して黄色の油状物である化合物V13(100mg、収率20.63%)を得る。
【0130】
中間体V14の調製
【0131】
中間体V12の方法を参照して調製して化合物V14を得る。MS m/z(ESI): 213.1 [M+1]。
【0132】
中間体V15の調製
【0133】
ステップ1:2-フルオロ-2-ホスホロシル酢酸トリエチル(1.90g,7.85mmol)を10mLのTHFに溶解し、窒素を3回交換した後、そして、-70℃まで降温し、n-ブチルリチウム(2.5M,3.42mL)をゆっくりと滴下し、-70℃で0.5h攪拌する。0℃まで昇温して0.5h攪拌する。そして、-70℃でシクロブタノン(0.5g,7.13mmol)をゆっくりと滴下し、そして、室温で3h攪拌する。水(20mL)で急冷し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出し、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮させる。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより溶離剤である0~20%酢酸エチルを用いて石油エーテルで精製して残留物を得、化合物V15-1(0.8g,淡黄色の液体)を得る。収率が70.9%である。
ステップ2:化合物V15-1(0.8g,5.06mmol)をメタノール(15mL)に溶解し、10%のウェットPd/C(538.26mg,505.79μmol)を加えて、そして、水素ガスで3回置換する。水素(15Psi)で25℃で1h攪拌する。触媒を濾過で除去し、減圧下で濃縮して化合物V15-2(0.7g,無色の液体)を得る。収率:86.40%。さらに精製する必要はなく、そのまま次のステップの反応に使用される。
ステップ3:化合物V15-2(0.7g,4.37mmol)及び水酸化ナトリウム(524.39mg,13.11mmol)をメタノール(5mL)及び水(2mL)に溶解する。30℃で2h攪拌する。2Mの希塩酸でpH値を5に調整し、ジクロロメタン(10mL×3)を抽出し、有機相を融合して乾燥してスピンドライさせる。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで溶離剤である0~20%酢酸エチルを用いて石油エーテルで精製して残留物を得、化合物V15-3(400mg,無色の液体)を得る。収率が69.27%である。MS m/z(ESI):131.1 [M-1]。
ステップ4:反応バイアルにおいて、化合物V15-3(0.4g,3.03mmol)をテトラヒドロフラン(6mL)に溶解し、そして、DCI(736.30mg,4.54mmol)を加えて、そして、室温で16時間反応する(A溶液とする)。他の反応バイアルにおいて、(3-エトキシ-3-オキソプロピオニル)オキシカリウム(2.06g,12.11mmol)を無水塩化マグネシウム(864.68mg,9.08mmol)及びテトラヒドロフラン(20mL)に加えて、アルゴン保護の下で加熱して50℃で16時間反応する(B溶液とする)。そして、A溶液をB溶液にゆっくりと滴下し、そして、溶液を混合して30℃で16時間攪拌する。反応液に30mLの水を加えて、酢酸エチル(30mL×3)で抽出する。有機相を融合した後、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、さらに減圧してスピンドライさせる。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって溶離剤である0~10%酢酸エチルを用いて石油エーテルで精製して残留物を得、化合物V15(230mg,淡黄色の油状物)を得る。収率:37.57%。MS m/z(ESI):203.2 [M+1]。
【0134】
中間体V16の調製
【0135】
中間体V15の方法を参照して調製して、相違点は、シクロブタノンをシクロペンタノンに変換することである。MS m/z(ESI):217.1 [M+1]。
【0136】
中間体V17の調製
【0137】
中間体V15の方法を参照して調製し、相違点は、2-フルオロ-2-ホスホロシル酢酸トリエチルを2-(ジエトキシホスホリル)酪酸エチルに変換することである。MS m/z(ESI):213.1 [M+1]。
【0138】
中間体V18の調製
【0139】
ステップ1:窒素の保護下で、-78℃でトリエチルアミン(6.06g,59.93mmol,8.36mL)を2-シクロプロピル酢酸(5g,49.94mmol)及びテトラヒドロフラン(100mL)の溶液に滴下し、加えた後、さらに-78℃でトリメチルアセチルクロリド(6.62g,54.94mmol,6.76mL)を滴下し、反応液が黄色透明溶液から白色懸濁液に変化し、加えた後反応液を0℃まで昇温して1.5時間反応する(溶液1)。窒素の保護下で、-78℃でn-ブチルリチウム(1.6M,37.46mL)を(R)-4-ベンジル-2-オキサゾリジノン(8.85g,49.94mmol)及びテトラヒドロフラン(50mL)の溶液に滴下し、反応液は無色透明溶液から白色懸濁液に変化し、加えた後0℃まで昇温した後反応液は黄色懸濁液になり、反応液は0℃下で0.5時間反応する。さらに0℃下でこの溶液を溶液1にゆっくりと滴下し、そして、室温で2h攪拌する。反応水(200mL)を急冷させて、酢酸エチル(300mL×3)を抽出し、有機相を融合して食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、減圧下で濃縮して粗生成物を得る。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって溶離剤である0~20%酢酸エチルを用いて石油エーテルで、得られた残留物を精製して、化合物V18-1(8.5g,無色油状物)を得る。収率:65.64%。MS m/z(ESI): 260.1 [M+1]。
ステップ2:化合物V18-1(7.5g,28.92mmol)をジクロロメタン(200mL)に溶解し、アルゴン保護の下で0℃まで降温し、そして、無水四塩化チタン(6.03g,31.82mmol,3.49mL)をゆっくりと滴下し、滴下し終わった後、溶液が黄色になり、0℃で5分間攪拌し、さらにN,N-ジイソプロピルエタンアミン(4.30g,33.26mmol,5.79mL)をゆっくりと滴下し、滴下し終わった後溶液が黒色になり、この温度を保持して1時間攪拌する。最後、ベンジルクロロメチルエーテル(9.06g,57.85mmol,8.05mL)を滴下し、0℃で6時間攪拌する。飽和塩化アンモニウム水溶液(150mL)で急冷反応し、そして、ジクロロメタン(100mL×3)を抽出し、有機相を融合して、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、減圧下で濃縮して粗生成物を得る。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで溶離剤である0~15%酢酸エチルを用いて石油エーテルで、得られた残留物を精製し、白色の固体である化合物V18-2(9g,収率:82%)を得る。MS m/z(ESI): 380.2 [M+1]。
ステップ3:化合物V18-2(9g,23.72mmol)をメタノール(120mL)に溶解し、10%のウェットPd/C(2.37g,4.74mmol)を加えて、そして、水素ガスで3回置換する。水素(15Psi)圧力下で室温で2h攪拌する。触媒を濾過で除去し、有機相を減圧下で濃縮して化合物V18-3(6g,白色固体)を得る。収率:87.43%。MS m/z(ESI): 290.1 [M+H]+
ステップ4:化合物V18-3(3g,10.37mmol)をジクロロメタン(50mL)に溶解し、アルゴン保護の下で0℃まで降温し、そして、1,8-ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン(5.56g,25.92mmol)及びトリメチルオキソニウムテトラフルオロボロン酸(3.07g,20.74mmol)をゆっくりと加える。室温までゆっくりと戻し16h攪拌する。飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)で急冷反応させ、ジクロロメタン(50mL×3)を抽出し、有機相を融合した後希塩酸で洗浄し、そして、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して粗生成物を得る。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで溶離剤である0~15%酢酸エチルを用いて石油エーテルで、得られた残留物を精製して、化合物V18-4(2.6g,白色固体)を得る。収率:66%。MS m/z(ESI): 304.2 [M+1]。
ステップ5:化合物V18-4(2.6g,8.57mmol)をテトラヒドロフラン(25mL)及び水(15mL)に溶解し、0℃まで降温し、そして、33%の過酸化水素(3.89g,34.28mmol,3.44mL)及び水酸化リチウム一水和物(720.47mg,17.14mmol)を滴下する。室温までゆっくりと戻し1h攪拌する。氷浴下で亜硫酸ナトリウム水溶液をゆっくりと加えて急冷し、そして、メチルtert-ブチルエーテル(20mL×2)で抽出し不純物を除去し、水相は希塩酸でpH値を約5に調整し、メチルtert-ブチルエーテル(20mL×3)で抽出し、有機相を融合して無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮してスピンドライし、粗生成物である化合物V18-5(1.2g,無色油状物)を得る。収率:97.12%。MS m/z(ESI): 143.1 [M-1]。
ステップ6:反応バイアルにおいて、化合物V18-5(0.7g,4.86mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、そして、CDI(1.18g,7.28mmol)を加え、そして、室温で16時間反応する(A溶液とする)。他の反応バイアルにおいて、(3-エトキシ-3-オキソプロピオニル)オキシカリウム(3.31g,19.42mmol)を無水塩化マグネシウム(1.39g,14.57mmol)及びテトラヒドロフラン(20mL)に加えて、アルゴン保護の下で加熱して50℃で16時間反応する(B溶液とする)。そして、A溶液をB溶液に滴下し(約10分間)、そして、溶液を混合して70℃で16時間攪拌する。反応液に30mLの水を加えて、酢酸エチル(30mL×3)で抽出する。有機相を融合した後食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、さらに減圧してスピンドライする。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで溶離剤である0~15%酢酸エチルを用いて石油エーテルで、得られた残留物を精製し、化合物V18(0.9g,淡黄色の油状物)を得る。収率:86.51%。MS m/z(ESI): 215.2 [M+1]。
【0140】
中間体V19の調製
【0141】
ステップ1:0℃窒素の保護下でオキサロイルクロリド(3.56g,28.05mmol,2.39mL)を2-シクロプロピル-2-オキソ酢酸(2g,17.53mmol)及びジクロロメタン(50mL)の溶液に滴下し、滴下し終わった後、さらにN,N-ジメチルホルムアミド(12.81mg,175.29μmol,13.57μL)を加えて、室温まで昇温して1時間反応する。反応液を濃縮して乾燥させた後、ジクロロメタン(50mL)に溶解し、0℃下でベンジルアルコール(2.65g,24.54mmol,2.54mL)、トリエチルアミン(4.43g,43.82mmol,6.11mL)及びジクロロメタン(50mL)の溶液を滴下し、滴下し終わった後室温で1時間反応する。反応液を氷水に注いで、さらにジクロロメタン(30mL*2)で抽出し、有機層を融合させて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後濃縮して粗生成物を得る。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで溶離剤である0~10%酢酸エチルを用いて石油エーテルで、得られた残留物を精製し、化合物V19-1(2.1g,無色の液体)を得る。収率:58.66%。MSから目的生成物が出てこず、TLCプレートで検出し、得られた生成物が直接次の反応に利用される。
ステップ2:化合物V19-1(1.9g,9.30mmol)をメタノール(30mL)に溶解し、-10℃まで降温して、水素化ホウ素ナトリウム(422.38mg,11.16mmol)をゆっくりと加えて、-10℃で30分間攪拌する。水を加えて急冷反応させ、酢酸エチル(40mL×3)を抽出し、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、減圧下で濃縮する。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで溶離剤である0~20%酢酸エチルを用いて石油エーテルで、得られた残留物を精製し、化合物V19-2(1.5g,無色油状物)を得る。収率:78.18%。MS m/z(ESI): 207.1 [M+1]。
ステップ3:化合物V19-2(1.5g,7.27mmol)、ヨウ化メチル(5.16g,36.37mmol,2.35mL)及び酸化銀(3.37g,14.55mmol,472.12μL)をアセトニトリル(15mL)のシールチューブに溶解し、アルゴンガスをしばらく吹き込んで密封し、70℃まで昇温して一晩攪拌する。濾過で固体を除去し、減圧でスピンドライして粗生成物を得る。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで、溶離剤である0~10%酢酸エチルを用いて石油エーテルで、得られた残留物を精製し、化合物V19-3(1.1g,無色油状物)を得る。収率:68.66%。MS m/z(ESI): 221.1 [M+1]。
ステップ4:化合物V19-3(1.1g,4.99mmol)及び水酸化ナトリウム(599.24mg,14.98mmol)をメタノール(15mL)及び水(5mL)に溶解する。30℃まで昇温して4h攪拌する。減圧で溶剤を除去し、2Mの希塩酸でpHを3に調整し、酢酸エチル(15mL×3)を抽出し、有機相を融合して、無水硫酸ナトリウムを乾燥させて、減圧下で濃縮する。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで溶離剤である0~20%酢酸エチルを用いて石油エーテルで、得られた残留物を精製し、化合物V19-4(0.6g,無色油状物)を得る。収率:92.32%。MS m/z(ESI): 129.1 [M-1]。
ステップ5:中間体V18のステップ6を参照して調製し、化合物V19を得る。MS m/z(ESI): 201.1 [M+1]。
【0142】
中間体V20の調製
【0143】
中間体V2の方法を参照して調製し、化合物V20を得る。MS m/z(ESI): 185.1 [M+1]。
【0144】
中間体V21の調製
【0145】
ステップ1:窒素の保護下で、グリオキシル酸エチル(5g、24.49mmol)をテトラヒドロフラン(30mL)に溶解する。-78℃まで降温してシクロプロピルマグネシウムブロミド(1.78g、12.24mmol)をゆっくりと加える。反応液を-20℃で3時間反応させる。氷水で急冷反応させ、酢酸エチル(30mL×2)で抽出し、有機相を融合して、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、減圧下で濃縮する。カラムクロマトグラフィー(PE:EA=4:1)で分離し、化合物V21-1(620mg,無色の液体)を得る。収率:17.56%。MS m/z(ESI):145.0 [M+1]。
ステップ2:化合物V21-1(620mg,4.30mmol)を8mLのジクロロメタンに溶解する。窒素の保護下で、-70℃でDAST(1.39g,8.60mmol)をゆっくりと加える。反応液を室温で12時間攪拌して反応させる。20mLの水を加えて、ジクロロメタン(20mL×2)で抽出し、有機相を融合して、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、減圧下で濃縮して、化合物V21-2(448mg、茶色の液体)を得る。収率:78%。MS m/z(ESI): 147.2 [M+1]。
ステップ3:化合物V21-2(448mg、3.07mmol)を水(3mL)及びメタノール(1mL)に溶解する。水酸化リチウム(293.62mg、12.26mmol)を加えた後、窒素の保護で、反応液を室温で攪拌して2時間反応する。反応し終わった後、減圧下で濃縮して、塩酸でPHを1に調整し、ジクロロメタン(20mL×2)で抽出し、有機相を融合して、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、減圧下で濃縮して化合物V21-3(380mg,茶色の液体)を得る。収率:78%。MS m/z(ESI):117.1 [M-1]。
ステップ4:中間体V18のステップ6を参照して調製し、化合物V21を得る。MS m/z(ESI): 189.1 [M+1]。
【0146】
中間体V22の調製
【0147】
中間体V4の方法を参照して調製し、化合物V22を得る。MS m/z(ESI): 199.1 [M+H+]。
【0148】
中間体3-2の調製
【0149】
ステップ1:化合物V2(1.2g,7.05mmol)及び1H-ピラゾール-5-アミン(585.8mg,7.05mmol)を酢酸(8mL)に溶解し、該反応は70℃の条件で4時間攪拌する。溶剤を減圧下で除去し、酢酸エチル(15ml)を加えて、固体を析出させ、濾過し、乾燥させて、化合物3-1(800mg,茶色の固体)を得る。収率:60.0%。MS m/z(ESI):190.1 [M+1]。
ステップ2:化合物3-1(500mg,2.64mmol)をオキシ塩化リン(6mL)に溶解して120℃まで加熱し3時間攪拌する。反応を停止させ、室温まで冷却し、氷水(60g)に注いで、ジクロロメタン(80mL)で抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧で濃縮する。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20g、0%-40%酢酸エチル/石油エーテル)で分離し、化合物3-2(300mg,淡黄色の油状物)を得る。収率:54.7%。MS m/z(ESI):208.1 [M+1]。
【0150】
中間体4-2~中間体23-2
【0151】
中間体4-2~中間体23-2は、対応するオキソブタン酸エチルを原料として中間体3-2の方法を参照して調製する。

【0152】
中間体24-2の調製
【0153】
化合物2-1の方法を参照して調製する。MS m/z(ESI):256.0 [M+1]。
【0154】
中間体27-3の調製
【0155】
ステップ1:室温で過酸化水素(818.72mg、7.22mmol、30%純度)及びヨウ素(1.53g、6.02mmol)を1H-ピラゾール-5-アミン(1g、12.03mmol)及び水(10mL)の溶液に加えて、滴下し終わった後室温で1時間反応する。20mLの飽和亜硫酸ナトリウム溶液を反応液に加えて、滴下し終わった後10分間攪拌した後、濾過し、フィルターケーキを水で洗浄した後乾燥して4-ヨウ素-1H-ピラゾール-5-アミン(1.3g、51.69%収率)を得、粗生成物を次のステップに直接利用する。MS m/z(ESI): 210.0 [M+1]。
ステップ2:化合物V1(1g、4.76mmol)、4-ヨウ素-1H-ピラゾール-5-アミン(993.91mg、4.76mmol)及び酢酸(35mL)を混合した後、窒素の保護下で、70℃で1時間反応する。反応液を乾燥まで濃縮して粗生成物を得る。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:ジクロロメタン/テトラヒドロフラン/酢酸エチル(体積割合2/1/1))=70%:30%)で精製して、黄色の固体である化合物27-1(300mg、収率17.76%)を得る。MS m/z(ESI):356.0[M+1]。
ステップ3:ヨウ化第一銅(257.38mg、1.35mmol)、フッ化カリウム(78.51mg、1.35mmol)を反応バイアルに加えて、窒素ガスを置換し、さらに化合物27-1(240mg、675.73μmol)、N,N-ジメチルホルムアミド(12mL)及びトリメチル(トリフルオロメチル)シラン(288.25mg、2.03mmol)を加えて、さらに窒素を分注した後90℃で16時間(冷却管+窒素ボール)反応する。冷却した後、ヨウ化第一銅(257.38mg、1.35mmol)、フッ化カリウム(78.51mg、1.35mmol)、トリメチル(トリフルオロメチル)シラン(288.25mg、2.03mmol)を添加し、さらに加熱して90℃で16時間反応する。反応容器を大きなシールチューブに交換して、95℃で6時間反応する。反応液を氷水に注いで、濾過して不溶物を除去し、さらに酢酸エチル(20mL*2)を加えて抽出し、有機層を融合させて、水(10mL*3)で洗浄し、飽和食塩水(15mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後濃縮して粗生成物を得る。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=70%:30%)で精製し、褐色の固体である化合物27-2(137mg、293.70μmol、収率43.46%)を得る。MS m/z(ESI):298.2[M+1]。
ステップ4:化合物27-2(127mg,427.21μmol)及びオキシ塩化リン(655.06mg,4.27mmol)を110℃まで加熱して3時間反応する。反応中の余分なオキシ塩化リンを蒸して乾燥させ、残留物に氷水を加えた後ジクロロメタン(20mL*3)で抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、乾燥まで濃縮して粗生成物を得る。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで(石油エーテル:酢酸エチル=70%:30%)で精製して淡黄色の固体である化合物27-3(86mg、収率39.30%)を得る。MS m/z(ESI):316.1[M+1]。
【0156】
中間体25-2~中間体50-2
中間体25-2~中間体50-2は、対応するオキソブタン酸エチルを原料として上記方法を参照して製造される。
【0157】


【0158】
実施例1:化合物Z-1の調製
【0159】
ステップ1:化合物V1(0.7g,3.33mmol)及び1H-ピラゾール-5-アミン(276.6mg、3.33mmol)を酢酸(6mL)に溶解し、70条件で4時間攪拌する。溶媒を減圧下で除去し、酢酸エチル(15ml)を加えて、固体が析出し、ろ過し、乾燥し、化合物1-1(500mg、茶色の固体)を得て、収率が65.5%である。MS m/z(ESI):230.1 [M+1]
ステップ2:化合物1-1(500.0mg、2.18mmol)をオキシ塩化リン(6mL)に溶解して120℃まで加熱して3時間攪拌する。室温まで冷却し、それを氷水(60g)に入れ、塩化メチレン(80mL)で抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧で濃縮する。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離し、(20g、0%-40%EA/DCM)化合物1-2(350mg、淡黄色の油状物)を得て、収率が64.8%である。MS m/z(ESI):248.0 [M+1]。
ステップ3:化合物1-2(150.0mg、605.5 μmol)及びtert-ブチル((1S,3S)-3-アミノシクロペンチル)カルバマート(121.27mg、605.52 μmol)をアセトニトリル(20mL)に溶解し、そして、炭酸カリウム(251.0mg、1.81mmol)をその中に加える。該反応は90℃の条件下で16時間攪拌する。酢酸エチル(80mL)を加えて希釈し、飽和塩化ナトリウム溶液(80mL×3)で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧で濃縮し、化合物1-3(180mg、淡黄色の油状物)を得て、収率が72.2%である。MS m/z(ESI):412.2 [M+1]。
ステップ4:化合物1-3(180mg、437.38 μmol)を1,4-ジオキサン(3mL)に溶解し、4Mの塩酸溶液(3.0mL)を加えて、室温条件下で3時間攪拌する。溶媒を減圧下で除去し、水(60mL)を加えて、酢酸エチルで(50mL)抽出し、水相を飽和炭酸ナトリウム溶液でPH=9-10になるように調整し、酢酸エチルで(60mL×2)抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧で濃縮する。分取HPLCクロマトグラフィーによって分離され、化合物Z-1(43.5mg)を得て、収率が31.3%である。MS m/z(ESI):312.2 [M+1];1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.96(d,J = 2.4 Hz,1H),7.39(d,J = 7.2 Hz,1H),6.27(d,J = 2.4 Hz,1H),6.00(s,1H),4.25 - 4.10(m,1H),3.42-3.35(m,1H),2.26 - 2.10(m,1H),2.04 - 1.53(m,6H),1.34 - 1.09(m,4H),0.59-0.47(m,2H),0.36 - 0.16(m,4H),0.13 - 0.02(m,2H).
【0160】
実施例2:化合物Z-2の調製
【0161】
ステップ1:化合物1-2(100mg、403.68μmol)をアセトニトリル(6mL)に溶解し、NCS(53.9mg、403.7μmol)を加えて、20℃条件下で2時間攪拌する。酢酸エチル(100mL)を加えて、飽和塩化ナトリウム溶液(80mL×3)で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧で濃縮する。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーでカラムクロマトグラフィー分離して(20g、0~30%酢酸エチル/石油エーテル)、化合物2-1(100mg、淡黄色の油状物)を得て、収率が87.8%である。MS m/z(ESI):282.0 [M+1]
ステップ2:実施例1のステップ3の方法を参照し、相違点は、化合物1-2の代わりに、化合物2-1を用いることであり、化合物2-2(120mg、淡黄色の油状物)を調製することができ、収率が75.9%である。MS m/z(ESI):446.1 [M+1]
ステップ3:実施例1のステップ4の方法を参照し、相違点は、化合物1-3の代わりに化合物2-2を用いることであり、化合物Z-2(22.3mg)を調製することができ、収率が23.4%である。MS m/z(ESI):346.1 [M+1];1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.13(s,1H),7.68(bs,1H),6.12(s,1H),4.28 - 4.15(m,1H),3.45-3.30(m,1H),2.24 - 2.13(m,1H),2.13 - 1.78(m,4H),1.77-1.70(m,1H),1.68-1.58(m,1H),1.37 - 1.13(m,4H),0.58-0.49(m,2H),0.40 - 0.18(m,4H),0.12-0.02(m,2H).
【0162】
実施例3:化合物Z-3の調製
【0163】
化合物Z-1の調製方法を参照し、相違点は、化合物V1の代わりに化合物V2を用いることであり、化合物Z-3(33.6mg)を調製することができ、収率が37.7%である。MS m/z(ESI):272.1 [M+1];1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.96(d,J = 2.0 Hz,1H),6.80(s,1H),6.26(d,J = 2.0 Hz,1H),6.08(s,1H),4.19 - 4.10(m,1H),3.98-3.91(m,1H),2.50(d,J = 7.2 Hz,2H),2.17-2.08(m,1H),2.05 - 1.80(m,3H),1.72-1.62(m,1H),1.50-1.38(m,1H),1.13 - 1.02(m,1H),0.49 - 0.40(m,2H),0.26 - 0.16(m,2H).。
【0164】
実施例4:化合物Z-4の調製
【0165】
化合物Z-1の調製方法を参照し、相違点は、1H-ピラゾール-5-アミンの代わりに3-アミノ-1H-ピラゾール-4-メチルニトリルを用いることであり、化合物Z-4(9.4mg)を調製することができ、収率が15.2%である。MS m/z(ESI):337.1 [M+1];1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.55(s,1H),8.20(bs,1H),6.34(s,1H),4.30-4.20(m,1H),3.45-3.35(m,1H),2.26 - 2.07(m,1H),2.00 - 1.82(m,2H),1.79 - 1.58(m,2H),1.49 - 1.13(m,4H),0.67 - 0.44(m,2H),0.43 - 0.18(m,4H),0.11-0.02(m,2H).
【0166】
実施例5:化合物Z-5及びその立体配置の化合物Z-5-1、化合物Z-5-2の調製
【0167】
化合物Z-1の調製方法を参照し、相違点は、化合物V1の代わりに化合物V3を用いることであり、化合物Z-5(収率41.29%)を調製することができる。MS m/z(ESI):286.1[M+1];1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.96(d,J = 2.2 Hz,1H),7.41(s,1H),6.27(d,J = 2.2 Hz,1H),6.03(s,1H),4.24 - 4.16(m,1H),3.43 - 3.37(m,1H),2.22 - 2.13(m,1H),2.01 - 1.82(m,3H),1.78 - 1.71(m,1H),1.68 - 1.58(m,1H),1.32 - 1.22(m,4H),1.06 - 0.97(m,1H),0.51 - 0.45(m, 1H),0.35 - 0.30(m,1H),0.22 - 0.14(m,2H).
化合物Z-5(50mg)に対してキラル分解(装置:SFC-150(Waters);カラム:IC 20*250mm、10um(Daicel);補助溶剤:CO2/IPA[0.5%NH3(7M inMeOH)]= 60/40、波長:214 nm)を行って2つの単一配置の生成物Z-5-1(保留時間が2.704min)及びZ-5-2(保留時間が3.175min)を得て、
化合物Z-5-1(収率21.93%)、MS m/z(ESI):286.1[M+1];1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.00(d,J = 2.2 Hz,1H),7.49(d,J = 7.6 Hz,1H),6.31(d,J = 2.2 Hz,1H),6.07(s,1H),4.28 - 4.19(m,1H),3.49 - 3.40(m,1H),2.26 - 2.18(m,1H),2.05 - 1.87(m, 3H),1.82- 1.75(m,1H),1.72- 1.63(m,1H),1.37 - 1.23(m,4H),1.11 - 1.00(m,1H),0.56 - 0.48(m,1H),0.40 - 0.31(m,1H),0.27 - 0.15(m,2H);
化合物Z-5-2(収率22.62%)、MS m/z(ESI):286.1[M+1];1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.00(d,J = 2.2 Hz,1H),7.48(d,J = 7.4 Hz,1H),6.31(d,J = 2.2 Hz,1H),6.07(s,1H),4.29 - 4.18(m,1H),3.48 - 3.40(m,1H),2.25 - 2.17(m,1H),2.05 - 1.87(m,3H),1.81- 1.75(m, 1H),1.70- 1.61(m,1H),1.35 - 1.23(m,4H),1.11 - 1.01(m,1H),0.55 - 0.48(m,1H),0.40 - 0.32(m,1H),0.26- 0.17(m,2H)。
【0168】
実施例6:化合物Z-6の調製
【0169】
化合物Z-1(60.0mg、192.66μmol)を塩化メチレン(10mL)に溶解し、そして、トリエチルアミン(195.0mg、1.93mmol,0.27mL)及びクロロギ酸メチル(91.0mg、963.32 μmol)を加えて、室温条件下で1時間攪拌する。飽和塩化ナトリウム溶液(50mL)を加えて、酢酸エチルで抽出し(60mL)、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧で濃縮する。残留物を分取HPLCクロマトグラフィーで化合物Z-6(40.3mg)を得て、収率が56.4%である。MS m/z(ESI):370.2 [M+1];1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.97(d,J = 2.0 Hz,1H),7.57(d,J = 8.0 Hz,1H),7.20(d,J = 6.8 Hz,1H),6.28(d,J = 2.0 Hz,1H),6.01(s,1H),4.18-4.12(m,1H),4.02-3.96(m,1H),3.48(s,3H),2.19 - 2.08(m,1H),2.06 - 1.83(m,3H),1.69-1.64(m,1H),1.52 - 1.36(m,1H),1.29 - 1.10(m,3H),0.58 - 0.45(m,2H),0.41 - 0.14(m,4H),0.13 -0.02(m,2H).。
【0170】
実施例7:化合物Z-7の調製
【0171】
ステップ1-2:実施例1のステップ1-2の方法を参照し、相違点は、1H-ピラゾール-5-アミンの代わりに3-アミノ-1H-ピラゾール-4-メチルニトリルを用いることであり、化合物7-1(淡黄色の油状物、収率が46.6%)を調製することができ、MS m/z(ESI):273.1 [M+1]。
ステップ3:化合物7-1(31mg、0.11mmol)、tert-ブチル((1S,3S)-3-アミノシクロペンチル)カルバマート(22.76mg、0.11mmol)及び炭酸カリウム(22.76mg、0.11mmol)を3mLアセトニトリルに溶解する。反応液を60℃で攪拌して3時間反応する。反応液を減圧で濃縮し、20mLの水を加えて、塩化メチレンで抽出し(20mL×2)、有機相を融合し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧で濃縮し、化合物7-2(30mg、黄色油状物)を得て、収率が60.46%である。
MS m/z(ESI): 437.2 [M+1]。
ステップ4:化合物7-2(30mg、0.068mmol)と5Mの水酸化ナトリウム溶液(0.5mL)をエタノール(1mL)とジメチルスルホキシド(1mL)に溶解する。反応液を60℃で攪拌して3時間反応する。反応終了後、塩化メチレンで抽出し(20mL×2)、有機相を融合し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧で濃縮して、化合物7-3(30mg、黄色油状物)を得て、収率が91.23%である。MS m/z(ESI):455.2 [M+1]。
ステップ5:化合物7-3(30mg、0.07mmol)を3mLの塩酸/1,4-ジオキサン溶液に溶解し、室温で攪拌して2時間反応する。反応液を減圧で濃縮し、分取HPLCクロマトグラフィーによって、化合物Z-7(4.57mg)を得て、収率が19.46%である。MS m/z(ESI):355.1 [M+1];1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.34(s,1H),8.10(s,1H),7.77(s,1H),7.27(s,1H),6.28(s,1H),4.35-4.22(m,1H),3.55-3.43(m,1H),2.30-2.18(m,1H),2.10-1.90(m,3H),1.89-1.65(m,3H),1.46 - 1.24(m,4H),0.62-0.53(m,2H),0.41-0.30(,4H),0.20 - 0.08(m,2H).
【0172】
実施例8:化合物Z-8の調製
【0173】
化合物Z-1の調製方法を参照し、相違点は、1H-ピラゾール-5-アミンの代わりに5-メチル-1H-ピラゾール-3-アミンを用いることであり、化合物Z-8(収率が33.4%)を調製することができる。MS m/z(ESI):326.2 [M+1];1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.23(s,1H),6.07(s,1H),5.95(s,1H),4.24-4.08(m,1H),3.46 - 3.36(m,1H),2.35(s,3H),2.25-2.10(m,1H),1.99 - 1.80(m,3H),1.80 - 1.55(m,3H),1.35 - 1.12(m,4H),0.56-0.48(m,2H),0.39 - 0.19(m,4H),0.15 - 0.02(m,2H).
【0174】
実施例9:化合物Z-9の調製
【0175】
化合物Z-1の調製方法を参照し、相違点は、1H-ピラゾール-5-アミンの代わりに4-メチル-1H-ピラゾール-3-アミンを用いることであり、化合物Z-9を調製することができる。MS m/z(ESI):326.2 [M+1];1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.83(s,1H),7.30(d,J = 7.6 Hz,1H),5.98(s,1H),4.25-4.16(m,1H),3.43-3.35(m,1H),2.24 - 2.14(m,4H),1.96 - 1.83(m,2H),1.79- 1.57(m,4H),1.33 - 1.16(m,4H),0.57 - 0.48(m,2H),0.38 - 0.22(m,4H),0.13-0.03(m,2H).
【0176】
実施例10:化合物Z-10の調製
【0177】
ステップ1:化合物1-3(200mg、0.485mmol)及びチオシアン酸カリウム(141.68mg、1.46mmol)をメタノール(5mL)に溶解し、室温で攪拌して3時間反応する。塩化メチレンで抽出し(15mL×2)、有機相を融合し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧で濃縮する。カラムクロマトグラフィー分離(PE:EA=4:1)を経て、化合物10-1(169mg、黄色の固体)を得て、収率が74.21%である。MS m/z(ESI):469.2 [M+1]。
ステップ2:化合物10-1(169mg、0.36mmol)を3mLのテトラヒドロフランに溶解する。0℃で3Mのメチル塩化マグネシウム溶液(0.2mL)を加える。反応液を0℃で2時間攪拌した後、酢酸(43.31mg、0.72mmol)を加える。反応液を減圧で濃縮し、20mLの水を加えて、酢酸エチルで抽出し(15mL×3)、有機相を融合し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧で濃縮し、化合物10-2(105mg、黄色の固体)を得て、収率が63.62%である。MS m/z(ESI): 458.2 [M+1]。
ステップ3:化合物10-2(105mg、0.229mmol)を塩化メチレン(3mL)に溶解する。攪拌しながらm-クロロ過安息香酸(73.31mg、0.482mmol)を加える。反応液を室温で攪拌して2時間反応する。反応終了後、酢酸エチルで抽出し(15mL×3)、有機相を融合し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧で濃縮する。カラムクロマトグラフィー分離(PE:EA=4:1)を経て、化合物10-3(83mg、淡黄色の固体)を得て、収率が79.44%である。MS m/z(ESI):490.2 [M+1]。
ステップ4:化合物10-3(83mg、0.17mmol)を3mLの塩酸/1,4-ジオキサン溶液に溶解し、室温で攪拌して3時間反応する。反応液を減圧で濃縮し、分取HPLCクロマトグラフィーによって、化合物Z-10(24.27mg)を得て、収率が33.45%である。MS m/z(ESI):390.1 [M+1];1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.37(s,1H),6.85(s,1H),6.43(s,1H),6.05(s,2H),4.31 -4.21(m,1H),4.00 -4.92(m,1H),3.28(s,3H),2.25 - 2.09(m,1H),2.06 - 1.87(m,3H),1.78 - 1.66(m,1H),1.51 - 1.34(m,2H),1.29 - 1.17(m,2H),0.62-0.50(m,2H),0.45 - 0.25(m,4H),0.16-0.06(m,2H).
【0178】
実施例11:化合物Z-11の調製
【0179】
化合物Z-1の調製方法を参照し、相違点は、中間体V1の代わりに中間体V5を用いることであり、化合物Z-11を調製することができる。MS /z(ESI): 300.2 [M+1];1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.97(s,1H),7.54(s,1H),6.28(s,1H),5.99(s,1H),4.13-4.22(m,1H),3.90-3.99(m,1H),2.75-2.6.3(m,1H),2.51-2.57(m,1H),2.20 - 1.96(m,3H),1.85-1.94(m,2H),1.60-1.78(m,6H),1.40-1.49(m,1H),1.11(d,J = 6.8 Hz,3H).
【0180】
実施例11a:化合物Z-11-P1の調製
【0181】
化合物Z-11(94.46mg、315.48 μmol)をキラル分解(カラムタイプ: IC-3 4.6*100mm 3um; 補助溶剤: IPA[1%NH3(7M inMeOH)];サンプル供給体積:5.00ul; 波長: 220.0nm; 作動時間: 6.0Minutes; 流速: 3.0mL/min; 圧力:2000psi;カラム温度: 40℃)して化合物Z-11-P1(9.70mg、保留時間2.471min)を得る。収率が9.89%であり、純度が96.34%である。MS m/z(ESI): 300.2 [M+H+]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.96(d, J = 2.0 Hz,1H),7.41(d, J = 7.6 Hz,1H),6.27(d, J = 2.0 Hz,1H),5.96(s,1H),4.21(q, J = 7.2 Hz,1H),3.42(q, J =6.0Hz,1H),2.65-2.74(m,1H),2.58 - 2.50(m,1H),2.16-2.24(m,1H),2.03-2.09(m,1H),1.83-1.95(m,2H),1.80 - 1.61(m,7H),1.35 - 1.25(m,1H),1.11(d, J = 6.8 Hz,3H).
【0182】
実施例11b:化合物Z-11-P2の調製
【0183】
化合物Z-11(94.46mg、315.48μmol)をキラル分解(カラムタイプ:IC-3 4.6*100mm 3um;補助溶剤: IPA[1%NH3(7M inMeOH)];サンプル供給体積:5.00ul;波長:220.0nm;作動時間:6.0Minutes;流速:3.0mL/min; 圧力:2000psi;カラム温度:40℃)に送って、化合物Z-11-P2(9.37mg、保留時間2.012min)を得て、収率が9.55%であり、純度が96.24%である。MS m/z(ESI): 300.2 [M+H+]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.96(d, J = 2.0 Hz,1H),7.42(d, J = 7.6 Hz,1H),6.27(d, J = 2.0 Hz,1H),5.96(s,1H),4.21(q, J = 7.2 Hz,1H),3.44-3.37(m,1H),2.65-2.74(m,1H),2.58 - 2.50(m,1H),2.15-2.25(m,1H),2.02-2.08(m,1H),1.82-1.95(m,2H),1.79 - 1.60(m,7H),1.35 - 1.24(m,1H),1.10(d, J = 6.8 Hz,3H).
【0184】
実施例12:化合物Z-12の調製
【0185】
化合物Z-1の調製方法を参照し、相違点は、中間体V1の代わりに中間体V7を用いることであり、化合物Z-12を調製することができる。MS m/z(ESI):300.2[M+1];1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.01(d,J = 2.0 Hz,1H),7.43(d,J =6.0Hz,1H),6.34(d,J = 2.0 Hz,1H),6.23(s,1H),4.30 - 4.18(m,1H),3.46 -3.40(m,1H),2.26 - 2.18(m,1H),1.99 - 1.86(m,2H),1.83 - 1.74(m,1H),1.73 - 1.64(m,1H),1.37 - 1.27(m,1H),1.17 (s,6H),1.15 - 1.11(m,1H),0.39 - 0.34(m,4H).
【0186】
実施例13:化合物Z-13の調製
【0187】
化合物Z-1の調製方法を参照し、相違点は、中間体V1の代わりに中間体V6を用いることであり、化合物Z-13を調製することができる。MS m/z(ESI): 314.2 [M+1];1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.99(d, J = 2.4 Hz,1H),7.50(d, J = 38.8 Hz,1H),6.30(d, J = 2.4 Hz,1H),6.02(d, J = 8.0 Hz,1H),4.23(s,1H),3.50-3.38(m,1H),2.52-2.55(m,1H),2.07-2.25(m,2H),1.99 - 1.77(m,4H),1.71 - 1.29(m,7H),1.26-1.16(m,4H),1.12 - 1.01(m,1H).
【0188】
実施例14:化合物Z-14の調製
【0189】
化合物Z-1の調製方法を参照し、相違点は、1H-ピラゾール-5-アミンの代わりに4-シクロプロピル-1H-ピラゾール-3-アミンを用いることであり、化合物Z-14を調製することができる。MS m/z(ESI): 352.2 [M+1];1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.74(s,1H),7.29(d,J = 7.2 Hz,1H),5.98(s,1H),4.24-4.12(m,1H),3.45-3.36(m,1H),2.27 - 1.79(m,6H),1.76-1.70(m,1H),1.67-1.56(m,1H),1.35-1.14(m,4H),0.89 - 0.71(m,4H),0.57- 0.48(m,2H),0.39 - 0.20(m,4H),0.15- 0.06(m,2H).
【0190】
実施例15:化合物Z-15の調製
【0191】
ステップ1:化合物1-2(145mg、0.585mmol)と酢酸(70.24mg、1.17mmol)をアセトニトリル(5mL)に溶解し、攪拌しながらSelectfluorフッ素試薬(207.36mg、0.584mmol)を加えた後、70℃で攪拌して4時間反応する。酢酸エチルで抽出し(15mL×2)、有機相を融合し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧で濃縮する。カラムクロマトグラフィー分離(PE:EA=4:1)を経て、化合物15-1(45mg、黄色の液体)を得て、収率が28.93%である。MS m/z(ESI):266.0 [M+1]。
ステップ2-3:化合物Z-1のステップ3とステップ4の調製方法を参照し、相違点は、化合物1-2の代わりに化合物15-1を用いることであり、化合物Z-15を調製することができる。MS m/z(ESI): 330.3 [M+1];1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.16(d,J = 3.6 Hz,1H),7.65(s,1H),6.08(s,1H),4.30-4.15(m,1H),3.48-3.42(m,1H),2.26-2.15(m,1H),2.00-1.85(m,2H),1.82-1.76(m,1H),1.72-1.60(m,1H),1.36 - 1.16(m,4H),0.61 - 0.50(m,2H),0.39 - 0.25(m,4H),0.15-0.05(m,2H).
【0192】
実施例16:化合物Z-16の調製
【0193】
化合物Z-1の調製方法を参照し、相違点は、1H-ピラゾール-5-アミンの代わりに4-エチル-1H-ピラゾール-3-アミンを用いることであり、化合物Z-16を調製することができる。MS m/z(ESI): 340.2 [M+1];1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.86(s,1H),7.30(d, J = 7.6 Hz,1H),5.99(s,1H),4.25-4.15(m,1H),3.37-3.45(m,1H),2.63(q, J = 7.6 Hz,2H),2.14-2.23(m,1H),1.98 - 1.81(m,2H),1.71-1.79(m,2H),1.69 - 1.56(m,1H),1.35 - 1.17(m,6H),0.47-0.56(m,2H),0.23-0.34(m,4H),0.15 - 0.03(m,2H).
【0194】
実施例17:化合物Z-17の調製
【0195】
化合物Z-1の調製方法を参照し、相違点は、化合物V1の代わりに化合物V9を用いることであり、化合物Z-17を調製することができる。MS m/z(ESI):286.2[M+1];1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.01(d,J = 2.4 Hz,1H),7.64(s,1H),6.90(d,J = 6.4 Hz,1H),6.32(d,J = 2.4 Hz,1H),6.07(s,2H),4.15-4.12(m,1H),4.03- 3.91(m,1H),2.57(s,2H),2.25-2.10(s,1H),2.06-1.85(m,3H),1.76-1.63(m,1H),1.53-1.40(m,1H),1.02(s,3H),0.56(s,2H),0.31(s,2H).
【0196】
実施例18:化合物Z-18の調製
【0197】
化合物Z-1の調製方法を参照し、相違点は、化合物V1の代わりに化合物V4を用いることであり、化合物Z-18(収率25.40%)を調製することができる。MS m/z(ESI):286.1[M+1];1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.03(d,J = 2.2 Hz,1H),7.61 & 6.89(s,1H),6.37(d,J = 2.2 Hz,1H),6.17(dd,J = 17.2,10.6 Hz,1H),6.04(s,1H),5.11(dd,J = 17.6,1.2 Hz,1H),5.07(dd,J = 10.6,1.2 Hz,1H),4.22 - 4.14(m,1H),4.00 - 3.93(m,1H),2.20 - 2.07(m,1H),2.03 - 1.86(m,3H),1.74 - 1.62(m,1H),1.53 - 1.41(m,1H),1.41(s,6H).
【0198】
実施例19:化合物Z-19の調製
【0199】
化合物Z-1の調製方法を参照し、相違点は、化合物V1の代わりに化合物V4を用いて、1H-ピラゾール-5-アミンの代わりに4-メチル-1H-ピラゾール-3-アミンを用いることであり、化合物Z-19を調製することができる。MS m/z(ESI):300.2[M+1];1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.86(s,1H),7.46 - 7.34(m,1H),6.17(dd,J = 17.6,10.4 Hz,1H),5.94(d,J =6.0Hz,1H),5.07(dd,J = 21.0,14.0 Hz,2H),4.19 - 4.12(m,1H),3.43 - 3.37(m,1H),2.92(bs,2H),2.18(s,3H),2.21-1.96(m,1H),1.94 - 1.82(m,2H),1.77 - 1.66(m,1H),1.67 - 1.59(m,1H),1.49 - 1.24 (m,7H)。
【0200】
実施例20~実施例25
【0201】
化合物Z-20~化合物Z-25について、実施例1の方法を参照して調製することができる。
【0202】


【0203】
実施例26:化合物Z-26の調製
【0204】
化合物22-2を原料として実施例1におけるステップ3と4の方法を参照して調製し、化合物Z-26を得る。MS m/z(ESI):314.1 [M+1]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.85(s,1H),7.28(d,J =6.0Hz,1H),5.97(s,1H),4.26 - 4.12(m,1H),3.50 - 3.38(m,1H),2.35-2.27(m,1H),2.25-2.10(m,5H),1.97 - 1.86(m,2H),1.83 - 1.72(m,1H),1.72 - 1.56(m,2H),1.34(d,J = 7.2Hz,1H),1.29(d,J = 7.2Hz,3H),0.96(s,3H),0.75 - 0.66(m,1H),0.48 - 0.38(m,1H),0.23-0.18(m,2H).
【0205】
実施例26a:化合物Z-26-P1の調製
【0206】
ステップ1:化合物Z-26-1(650mg)は超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)分解(カラムタイプ: IC-3 4.6*100mm 3um、補助溶剤:IPA/ACN=1/1[0.1%DEA]流速:3.0mL/min、カラム温度:40℃)を経て212mgの化合物Z-26-a(保留時間2.468minutes)を得る。
ステップ2:化合物Z-26-a(212mg、512.63 μmol)を塩酸/ジオキサン(4M)(10mL)に溶解する。室温で2h反応する。反応液をスピンドライし、残留物を酢酸エチル20mLに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウムを2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過してスピンドライする。残留物を分取液体クロマトグラフィー(分取カラム:21.2×250mm C18カラム;系:10mM NH4HCO32O;波長:254/214 nm;勾配:5%-95%アセトニトリル変化)で精製して60.12mgの化合物Z-26-P1を得て、収率が36.79%である。MS m/z(ESI):314.1 [M+1].1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.83(s,1H),7.36(s,1H). 5.96(s,1H),4.25- 4.05(m,1H),3.50 - 3.38(m,1H),2.35-2.25(m,1H),2.25-2.07(m,4H),2.05-1.80(m,3H),1.75-1.60(m,1H),1.53-1.40(m,1H),1.27(d,J = 7.2 Hz,3H),0.94(s,3H),0.74 - 0.64(m,1H),0.44 - 0.37(m,1H),0.31 - 0.19(m,2H).
【0207】
実施例26b:化合物Z-26-P2の調製
【0208】
ステップ1:化合物Z-26-1(650mg)は超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)分解(方法:カラムタイプ: IC-3 4.6*100mm 3um、補助溶剤:IPA/ACN=1/1[0.1%DEA]流速: 3.0mL/min、カラム温度:40℃)を経て、120mgの化合物Z-26-b(保留時間2.976minutes)を得る。
ステップ2:化合物Z-26-b(120mg、290.17μmol)を塩酸/ジオキサン(4M)(10mL)に溶解する。室温で2h反応する。反応液をスピンドライし、残留物を酢酸エチル20mLに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウムを2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過してスピンドライする。残留物を分取液体クロマトグラフィー(分取カラム:21.2×250mm C18カラム;系:10mM NH4HCO32O;波長:254/214 nm;勾配:5%-95%アセトニトリル変化)によって精製し、34.2mgの化合物Z-26-P2を得て、収率が36.96%である。MS m/z(ESI):314.1 [M+1]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.83(s,1H),7.24(d,J = 7.2 Hz,1H),5.96(s,1H),4.23-4.13(m,1H),3.47 - 3.37(m,1H),2.35-2.25(m,1H), 2.25 - 2.10(m,4H),2.00 - 1.82(m,2H),1.81 -1.72(m,1H),1.70 - 1.57(m,1H),1.37 - 1.23(m,4H),0.94(s,3H),0.73 - 0.64(m,1H),0.45-0.37(m,1H),0.34 - 0.19(m,2H).
【0209】
実施例27~実施例30
化合物Z-27~化合物Z-30は実施例1の方法を参照して調製することができる。
【0210】

【0211】
実施例27a:化合物Z-27-P1の調製
【0212】
ステップ1:化合物51-2を原料として実施例1におけるステップ3の方法を参照して調製し、化合物Z-27-1を得る。MS m/z(ESI):400.2 [M+1]。
ステップ2:410mgの化合物Z-27-1は超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)分解(カラムタイプ: IG 4.6*100mm 5um、補助溶剤:MeOH[0.2%NH3(7M inMeOH)]、サンプル供給体積:5.00ul、作動時間:4.0minutes、流速:3.0mL/min、圧力:2000psi、カラム温度:40℃)を経て、160mgの化合物Z-27-a(保留時間1.954minutes)を得る。
ステップ3:実施例26aのステップ2を参照して調製し、化合物Z-27-P1を得る。MS m/z(ESI): 300.2 [M+1]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.00(d,J = 2.4 Hz,1H),7.44(s,1H),6.35(d,J = 2.0 Hz,1H),6.05(s,1H),4.28-4.15(m,1H),3.49 - 3.38(m,1H),2.38 - 2.10(m,2H),2.05 - 1.88(m,2H),1.87 - 1.61(m,2H),1.55 - 1.22(m,4H),0.94(s,3H),0.75 - 0.64(m,1H),0.47-0.38(m,1H),0.34 - 0.13(m,2H).
【0213】
実施例27b:化合物Z-27-P2の調製
【0214】
ステップ1:410mgの化合物Z-27-1は超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)分解(カラムタイプ: IG 4.6*100mm 5um、補助溶剤:MeOH[0.2%NH3(7MinMeOH)]、サンプル供給体積:1.00ul、作動時間:4.0minutes、流速:3.0mL/min、圧力:2000psi、カラム温度:40℃)を経て、120mgの化合物Z-27-b(保留時間2.336minutes)を得る。
ステップ2:実施例26aのステップ2を参照して調製し、化合物Z-27-P2を得る。MS m/z(ESI): 300.2 [M+1]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.00(d,J = 2.4 Hz,1H),7.45(s,1H),6.35(d,J = 2.0 Hz,1H),6.04(s,1H),4.27-4.15(m,1H),3.50-3.40(m,1H),2.37 - 2.11(m,2H),2.05 - 1.87(m,2H),1.84 - 1.55(m,2H),1.54 - 1.19(m,4H),0.94(s,3H),0.77 - 0.59(m,1H),0.47-0.39(m,1H),0.35-0.22 (m,2H).
【0215】
実施例28a:化合物Z-28-P1の調製
【0216】
ステップ1:化合物23-2(5g,21.21mmol)をアセトニトリル(30mL)に溶解し、tert-ブチル((1S,3S)-3-アミノシクロペンチル)カルバマート(5.10g,25.45mmol)及び炭酸カリウム(8.80g,63.64mmol)を加える。90℃で16h反応する。反応液をろ過、スピンドライする。残留物に対して石油エーテル:酢酸エチル=3:1のcombi-flashで処理し、黄色の液体である化合物Z-28-1(7g、収率が82.6%である)を得る。MS m/z(ESI):400.2 [M+1]。
ステップ2:化合物Z-28-1(6.0g)は超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)分解(方法:カラムタイプ: IG 4.6*100mm 5um、補助溶剤:IPA/ACN=1/1[0.1%DEA]流速:3.0mL/minカラム温度:40℃)を経て、2.2gの化合物Z-28-a(保留時間1.931minutes)を得る。
ステップ3:化合物Z-28-a(2.2g,5.51mmol)を塩酸/ジオキサン(10mL)に溶解し、30℃で2h反応する。反応もスピンドライし、残留物を水50mLで溶解し、酢酸エチルで2回抽出する。水相をアンモニア水でPh=8になるように調整する、酢酸エチルで2回抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。ろ過、スピンドライする。化合物Z-28-P1(1.3g、収率が79.1%)を得る。MS m/z(ESI):300.2 [M+1].1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.98(d,J = 2.0 Hz,1H),7.41(d,J = 7.6Hz,1H),6.29(d,J = 2.0 Hz,1H),6.00(s,1H),4.28-4.16(m,1H),3.50-3.40(m,1H),2.27-2.17(m,1H),2.00 - 1.57(m,7H),1.35-1.24(m,1H),1.11 - 0.97(m,1H),0.80(t,J = 7.6 Hz,3H),0.60-0.51(m,1H),0.35-0.20(m,2H),0.18-0.08(m,1H).
【0217】
実施例28b:化合物Z-28-P2の調製
【0218】
ステップ1:化合物Z-28-1(6.0 g)は超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)分解(方法:カラムタイプ: IG 4.6*100mm 5um、補助溶剤:IPA/ACN=1/1[0.1%DEA] 流速: 3.0mL/minカラム温度:40℃)を経て、2.3gの化合物Z-28-b(保留時間2.566minutes)を得る。
ステップ2:化合物Z-28-b(220mg、550.6μmol)を塩酸/ジオキサン(10mL)に溶解し、30℃で2h反応する。反応もスピンドライし、残留物を酢酸エチルで溶解し、飽和炭酸水素ナトリウムで2回洗浄する。無水硫酸ナトリウムで乾燥する。ろ過、スピンドライする。残留物を分取液体クロマトグラフィー(分取カラム:21.2×250mm C18カラム;系:10mM NH4HCO3 H2O;波長:254/214 nm;勾配:5%-95%アセトニトリル変化)によって精製し、化合物Z-28-P2(99.58mg、収率が60.10%)を得る。MS m/z(ESI):300.2 [M+1]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.98(d,J = 2.0 Hz,1H),7.42(d,J = 6.0Hz,1H),6.29(d,J = 2.4 Hz,1H),6.01(s,1H),4.26-4.16(m,1H),3.50-3.40(m,1H),2.25-2.17(m,1H),2.00 - 1.57(m,7H),1.34-1.24(m,1H),1.10- 0.97(m,1H),0.80(t,J = 7.2 Hz,3H),0.58-0.48(m,1H),0.32-0.17(m,2H),0.16-0.06(m,1H).
【0219】
実施例30a:化合物Z-30-P1の調製
【0220】
ステップ1:化合物25-2を原料として実施例1におけるステップ3の方法を参照して調製し、化合物Z-30-1を得る。MS m/z(ESI):414.2 [M+1]。
ステップ2:1.1gの化合物Z-30-1は超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)分解(カラムタイプ: IC-3 4.6*100mm 3um、補助溶剤:IPA[1%NH3(7M inMeOH)]、サンプル供給体積:5.00ul、作動時間:6.0minutes、流速:3.0mL/min、圧力:2000psi、カラム温度:40℃)を経て、370mgの化合物Z-30-a(保留時間2.135minutes)を得る。
ステップ3:実施例26aのステップ2を参照して調製し、化合物Z-30-P1を得る。MS m/z(ESI):314.2[M+1]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.83(s,1H),7.25(d, J = 7.6 Hz,1H),5.95(s,1H),4.26-4.16(m,1H),3.45 - 3.36(m,1H),2.26 - 2.13(m,4H),2.02 - 1.54(m,7H),1.33-1.22(m,1H),1.10 - 0.99(m,1H),0.85-0.78(m,3H),0.59 - 0.49(m,1H),0.32 - 0.17(m,2H),0.14-0.08(m,1H).
【0221】
実施例30b:化合物Z-30-P2の調製
【0222】
ステップ1:1.1gの化合物Z-30-1は超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)分解(カラムタイプ: IC-3 4.6*100mm 3um、補助溶剤:IPA[1%NH3(7M inMeOH)]、サンプル供給体積:5.00ul、作動時間:6.0minutes、流速:3.0mL/min、圧力:2000 psi、カラム温度:40℃)を経て、380mgの化合物Z-30-b(保留時間2.416minutes)を得る。
ステップ2:実施例26aのステップ2を参照して調製し、化合物Z-30-P2を得る。MS m/z(ESI):314.2[M+1]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.83(s,1H),7.25(d, J = 7.6 Hz,1H),5.96(s,1H),4.25-4.15(m,1H),3.48 - 3.35(m,1H),2.24 - 2.09(m,4H),2.01 - 1.70(m,6H),1.68-1.56(m,1H),1.35-1.25(m,1H),1.10-1.00( m,1H),0.86-0.79(m,3H),0.57 - 0.47(m,1H),0.35-0.19(m,2H),0.15-0.08(m,1H).
【0223】
実施例31 化合物Z-31の調製
【0224】
ステップ1:化合物5-2(400mg、1.80mmol)と酢酸(216.70mg、3.61mmol)をアセトニトリル(20mL)に溶解する。1-クロロメチル-4-フルオロ-1,4-ジアゼピンヘテロジシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボラート)(639.2mg、1.80mmol)を加えてから70℃で4時間攪拌する。反応を停止し、溶媒を減圧下で除去し、酢酸エチルで溶解し(50mL)、有機相をそれぞれ飽和炭酸水素ナトリウム溶液(50mL)と飽和塩化ナトリウム溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、減圧で濃縮する。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離し、精製し、化合物31-1(200mg、収率が46.3%)を得て、淡黄色の油状物である。MS m/z(ESI):240.1 [M+1]。
ステップ2:化合物31-1(100mg、417.23μmol)及びt-ブチル3-アミノピロリジン-1-カルボン酸エステル(116.6mg、625.84μmol)をアセトニトリル(20mL)に溶解し、そして、炭酸カリウム(173.00mg、1.25mmol)を加える。該反応を90℃条件下で16時間攪拌する。反応を停止し、酢酸エチルで溶解し(50mL)、飽和塩化ナトリウム溶液(50mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、減圧で濃縮する。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離し、精製し、化合物31-2(120mg、収率が73.85%)を得て、淡黄色の油状物である。MS m/z(ESI):389.6 [M+1]。
ステップ3:化合物31-2(120mg、308.11μmol)を4Mの塩化水素/1,4-ジオキサン溶液(4M,7.70mL)に溶解する。該反応は室温条件下で3時間攪拌する。溶媒を減圧下で除去し、純水(30mL)を加えて、酢酸エチルで(30mL)不純物を抽出し、水相を飽和炭酸ナトリウム溶液でPH=9-10になるように調整し、酢酸エチルで(50mL×2)抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧で濃縮する。化合物31-3(89mg、収率が99.83%)を得て、淡黄色の油状物である。MS m/z(ESI):290 [M+1]。
ステップ4:化合物31-3(90mg、311.04μmol)を水(2mL)酢酸(2mL)に溶解し、氷浴下で亜硝酸ナトリウム(31.73mg、466.56μmol)の水(2mL)溶液をゆっくりと滴下する。室温までゆっくりと回復して2h攪拌し、反応液を飽和炭酸水素ナトリウムでpH=8になるように調整し、酢酸エチルで抽出し(2*30mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、スピンドライする。残留物に対して石油エーテル:酢酸エチル=1:1のcombi-flashで処理し、化合物31-4(55mg、収率が55.54%である)を得て、淡黄色の固体である。MS m/z(ESI):319 [M+1]。
ステップ5:化合物31-4(55mg、172.77μmol)をメタノール(3mL)及び酢酸(0.3mL)に溶解して亜鉛(225.94mg、3.46mmol)を加えて、室温で1h反応する。反応液にアンモニア水を加えてpH=9になるように調整し、酢酸エチルで抽出し(2*30mL)、有機相を融合し、飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、スピンドライし、残留物を分取液体クロマトグラフィー(分取カラム:21.2×250mm C18カラム;系:10mM NH4HCO32O;波長:254/214 nm;勾配:5%-95%アセトニトリル変化)によって得られた粗製品を精製し、化合物Z-31(4.98mg、収率が9.07%)を得る。MS m/z(ESI):304.6 [M+1]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.16(dd,J = 6.0,3.6 Hz,1H),7.58(d,J = 6.8 Hz,1H),6.12(s,1H),4.28-4.16(m,1H),3.01 - 2.91(m,1H),2.91 - 2.68(m,2H),2.67 - 2.52(m,1H),2.33 - 2.18(m,1H),2.07-1.95(m,1H),1.93-1.81(m,1H),1.30(d,J = 6.8 Hz,3H),1.10-0.98(m,1H),0.55-0.47(m,1H),0.39-0.30(m,1H),0.27-0.15(m,2H).
【0225】
実施例32:化合物Z-32の調製
【0226】
化合物26-2を原料として実施例1におけるステップ3と4の方法を参照して調製し、化合物Z-32を得る。MS m/z(ESI):300.2[M+1]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.83(s,1H),7.43(s,1H),6.01(s,1H),4.25 - 4.13(m,1H),3.99 -3.91(m,1H),2.24 - 1.81(m,4H),2.16(s,3H),1.79 - 1.72(m,1H),1.67 - 1.58(m,1H),1.50 - 1.40(m,1H),1.30(d,J = 6.8 Hz,3H),1.10 - 1.01(m,1H),0.54 - 0.46(m,1H),0.38 - 0.30(m,1H),0.23 - 0.16(m,2H).
【0227】
実施例32a:化合物Z-32-P1の調製
【0228】
ステップ1:590mgの化合物Z-32-1は、超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)分解(カラムタイプ: AD-3 4.6*100mm 3um、補助溶剤: EtOH[1%NH3(7M inMeOH)]、サンプル供給体積:2.00ul、作動時間:4.0minutes、流速:3.0mL/min、圧力:2000psi、カラム温度:40℃)を経て、化合物Z-32-a(218mg、545.64μmol,収率36.95%、保留時間2.592minutes)を得て、黄色の油状物である。MS m/z(ESI):400.3[M+1]。ee%=100%である。
ステップ2:実施例26aのステップ2を参照して調製し、化合物Z-32-P1を得る。MS m/z(ESI):300.2[M+1]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ7.83(s,1H),7.26(d,J = 4.8 Hz,1H),6.00(s,1H),4.24 - 4.15(m,1H),3.44 - 3.36(m,1H),2.24 - 2.17(m,1H),2.17(s,3H), 2.05 - 1.82(m,3H),1.80 - 1.73(m,1H),1.67 - 1.58(m,1H),1.31(d,J = 7.0 Hz,3H),1.29 - 1.23(m,1H),1.11 - 1.01(m,1H),0.53 - 0.48(m,1H),0.38 - 0.31(m,1H),0.24 - 0.16(m,2H)。
【0229】
実施例32b:化合物Z-32-P2の調製
【0230】
ステップ1:590mgの化合物Z-32-1は超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)分解(カラムタイプ: AD-3 4.6*100mm 3um、補助溶剤: EtOH[1%NH3(7M inMeOH)]、サンプル供給体積:2.00 ul、作動時間:4.0 minutes、流速:3.0mL/min、圧力:2000psi、カラム温度:40℃)を経て、化合物Z-32-b(241mg、603.21μmol,収率40.85%、保留時間3.167minutes)を得て、黄色の油状物である。MS m/z(ESI):400.3[M+1]。ee%=99.6%である。
ステップ2:実施例26aのステップ2を参照して調製し、化合物Z-32-P2を得る。MS m/z(ESI):300.2[M+1]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.83(s,1H),7.27(s,1H),6.00(s,1H),4.26 - 4.15(m,1H),3.44 - 3.38(m,1H),2.25 - 2.18(m,1H),2.17(s,3H),2.04 - 1.82(m,4H),1.79 - 1.71(m,1H),1.68 - 1.59(m,1H),1.31 - 1.30(d,J = 6.8 Hz, 4H),1.28 - 1.24(m,1H),1.10 - 1.01(m,1H),0.53 - 0.47(m,1H),0.37 - 0.32(m,1H),0.24 - 0.16(m,2H)。
【0231】
実施例33~実施例44
【0232】
化合物Z-33~化合物Z-44は実施例1の方法を参照して調製することができる。
【0233】



【0234】
実施例38a:化合物Z-38-P1の調製
【0235】
ステップ1:化合物35-2を原料として実施例1におけるステップ3の方法を参照して調製し、化合物Z-38-1を得る。MS m/z(ESI):414.2 [M+1]。
ステップ2:850mgの化合物Z-38-1は超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)分解(カラムタイプ: IC-3 4.6*100mm 3um、補助溶剤:IPA[1%NH3(7M inMeOH)]、サンプル供給体積:2.00ul、作動時間:6.0minutes、流速:3.0mL/min、圧力:2000psi、カラム温度:40℃)を経て、230mgの化合物Z-38-a(保留時間3.138minutes)を得る。
ステップ3:実施例26aのステップ2を参照して調製し、化合物Z-38-P1を得る。MS m/z(ESI): 314.2 [M+1]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.84(s,1H),7.29(d, J = 7.6 Hz,1H),5.90(s,1H),4.25 - 4.17(m,1H),3.45-3.38(m,1H),2.74 - 2.67(m,1H),2.61 - 2.52(m,1H),2.20(d, J = 8.0 Hz,1H),2.18(s,3H),2.12-2.05(m,1H),1.97 - 1.82(m,2H),1.81 - 1.56(m,7H),1.35 - 1.25(m,1H),1.13(d, J = 6.8 Hz,3H).
【0236】
実施例38b:化合物Z-38-P2の調製
【0237】
ステップ1:850mgの化合物Z-38-1は超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)分解(カラムタイプ: IC-3 4.6*100mm 3um、補助溶剤:IPA[1%NH3(7M inMeOH)]、サンプル供給体積:2.00ul、作動時間:6.0minutes、流速:3.0mL/min、圧力:2000psi、カラム温度:40℃)を経て、230mgの化合物Z-38-b(保留時間3.507minutes)を得る。
ステップ2:実施例26aのステップ2を参照して調製し、化合物Z-38-P2を得る。MS m/z(ESI): 314.2 [M+1]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.84(s,1H),7.30(d, J = 7.6 Hz,1H),5.91(s,1H),4.25 - 4.17(m,1H),3.46-3.39(m,1H),2.76-2.66(m,1H),2.61 - 2.52(m,1H),2.25-2.19(m,1H),2.18(s,3H),2.12-2.05(m,1H),1.98 - 1.82(m,2H),1.81 - 1.58(m,7H),1.36 - 1.26(m,1H),1.13(d, J = 6.8 Hz,3H).
【0238】
実施例41a:化合物Z-41-P1の調製
【0239】
化合物Z-41(76mg、250.51μmol)をキラル分解(カラムタイプ: IC-3 4.6*100mm 3um;補助溶剤:IPA[1%NH3(7M inMeOH)];サンプル供給体積:5.00ul;作動時間:6.0minutes;流速:3.0mL/min;圧力:2000psi;カラム温度:40℃)に送って、化合物Z-41-P1(9.76mg、保留時間2.153 minutes)を得て、収率が12.84%であり、純度が100%である。MS m/z(ESI): 304.2 [M+H+]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.08(d, J = 2.4 Hz,1H),7.82(s,1H),6.39(d, J = 2.4 Hz,1H),6.15(s,1H),5.34(dd, J = 48.8,6.0 Hz,1H),4.22-4.32(m,1H),3.40-3.47(m,1H),2.86-2.99(m,1H),2.24 - 2.13(m,1H),2.12 - 1.60(m,12H),1.27-1.36(m,1H).
【0240】
実施例41b:化合物Z-41-P2の調製
【0241】
化合物Z-41(76mg、250.51μmol)をキラル分解(カラムタイプ: IC-3 4.6*100mm 3um;補助溶剤: IPA[1%NH3(7M inMeOH)];サンプル供給体積:5.00ul;作動時間:6.0minutes;流速: 3.0mL/min;圧力:2000psi;カラム温度:40℃)に送って、化合物Z-41-P2(11.42mg、保留時間1.448minutes)を得て、収率が14.98%、純度が99.72%である。MS m/z(ESI): 304.2 [M+H+]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.08(d, J = 2.4 Hz,1H),7.83(s,1H),6.39(d, J = 2.4 Hz,1H),6.15(s,1H),5.34(dd, J = 48.8,6.0 Hz,1H),4.21-4.31(m,1H),3.48 - 3.41(m,1H),3.05 - 2.86(m,1H),2.15-2.25(m,1H),2.13 - 1.59(m,12H),1.27-1.37(m,1H).
【0242】
実施例45:化合物Z-45の調製
【0243】
ステップ1:化合物5-2(200mg、902.18μmol)、3-アミノピロリジン-1-カルボン酸t-ブチル(201.64mg、1.08mmol)及び炭酸カリウム(374.06mg、2.71mmol)をアセトニトリル(5mL)に溶解し、90℃まで昇温して一晩攪拌する。反応液に5mLの水を加えて、酢酸エチルで(10mL×3)抽出する。有機相を合わせてから食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下でスピンドライする。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって溶離剤である0~40%酢酸エチルで石油エーテルの中で、得られた残余物を精製して、化合物45-1(0.28g,淡黄色の油状物)を得、収率が83.55%である。MS m/z(ESI): 372.2 [M+1]。
ステップ2:化合物45-1(0.28g,753.75 μmol)を塩酸-ジオキサン(4M)(5mL)に溶解し、室温で2h攪拌する。減圧下で溶剤を除去して粗製品の化合物45-2(230mg、淡黄色の固体塩酸塩)を得て、収率が99.13%である。MS m/z(ESI): 308.2 [M+1]。
ステップ3:化合物45-2(150mg、487.30μmol,HCl)を水(1mL)及び酢酸(2mL)に溶解し、アルゴンガス保護下で0℃まで降温する。亜硝酸ナトリウム(67.25mg、974.59μmol)を水(1mL)に溶解して溶液にゆっくりと滴下する。室温まで回復して1.5h攪拌する。水(10mL)を加えて、酢酸エチル(10mL×3)で抽出し、有機相を融合し、炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、スピンドライして粗製品の化合物45-3(140mg、茶色の油状物)を得て、収率が95.65%である。MS m/z(ESI): 301.1 [M+1]。
ステップ4:化合物45-3(140mg、466.11μmol)をメタノール(3mL)及び酢酸(0.3mL)に溶解し、亜鉛粉末(609.58mg、9.32mmol)を加える。室温で1h攪拌する。亜鉛粉末をろ過し、溶剤をスピンドライし、酢酸エチル(5mL)に溶解し、炭酸水素ナトリウム水溶液と食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧で濃縮して粗製品を得る。分取HPLCクロマトグラフィーによって化合物Z-45(36.59mg)を得て、収率が23.78%であり、純度が86.74%である。MS m/z(ESI): 287.1 [M+1]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.99(d, J = 2.4 Hz,1H),7.40(s,1H),6.31(d, J = 2.4 Hz,1H),6.09(s,1H),4.24-4.15(m,1H),2.98-2.92(m,1H),2.84-2.77(m,1H),2.76-2.77(m,1H),2.60-2.53(m,1H),2.31-2.19(m,1H),2.03-1.94(m,1H),1.93 - 1.80(m,1H),1.29(d, J = 6.8 Hz,3H),1.10 - 0.99(m,1H),0.54 - 0.44(m,1H),0.37-0.30(m,1H),0.25 - 0.14(m,2H).
【0244】
実施例46~実施例59、64
【0245】
化合物Z-46~化合物Z-59及び化合物Z-64は実施例1の方法を参照して調製することができる。
【0246】




【0247】
実施例60:化合物Z-60の調製
【0248】
ステップ1:窒素の保護下でN-ブロモスクシンイミド(562.01mg、3.16mmol)をアセトニトリル(5mL)に溶解し、0℃で化合物5-2(700mg、3.16mmol)とアセトニトリル(10mL)の溶液に滴下し、滴下終了後、室温で0.5時間反応する。反応液を水に入れ、酢酸エチルで抽出し(5mL*2)、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮して粗製品を得る。粗製品をカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル:酢酸エチル=90%:10%)し、化合物49-2(946mg、96.57%収率)を得て、黄色の油状物である。MS m/z(ESI):300.0[M+1]。
ステップ2:窒素保護下で化合物49-2(300mg、998.06μmol)、炭酸カリウム(344.84mg、2.50mmol)、tert-ブチル((1S,3S)-3-アミノシクロペンチル)カルバマート(239.87mg、1.20mmol)及びアセトニトリル(10mL)を混合してから90℃まで加熱して16時間反応する。反応液をろ過し、ろ過液を濃縮して粗製品を得る。粗製品をカラムクロマトグラフィーで精製し(石油エーテル:酢酸エチル=70%:30%~65%:35%)、化合物Z-60-1(433mg、93.42%収率)を得て、無色油状物である。MS m/z(ESI): 464.2 [M+1]。
ステップ3:窒素保護下で化合物Z-60-1(383mg、824.72μmol)、ビニルトリフルオロホウ酸カリウム(331.41mg、2.47mmol)、1,1’-ビスジフェニルフォスフィンフェロセン二塩化パラジウム(II)ジクロリド(120.69mg、164.94 μmol)、炭酸カリウム(455.93mg、3.30mmol)、1,4-ジオキサン(10mL)、水(2.5mL)を混合した後、マイクロ波によって120℃で2時間反応する。反応液をろ過し、ろ過液に水を加えて酢酸エチルで抽出し(10mL*2)、有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥してから濃縮して、粗製品を得る。粗製品をカラムクロマトグラフィーで精製し(石油エーテル:酢酸エチル=90%:10%~70%:30%)、化合物Z-60-2(320mg、94.28%収率)を得、黄色油状物である。MS m/z(ESI): 412.2 [M+1]。
ステップ4:窒素保護下で臭化亜鉛(1.05g、4.67mmol)を化合物Z-60-2(320mg、777.57μmol)及び塩化メチレン(18mL)の溶液を加え、加えた後、室温で16時間反応する。臭化亜鉛(1.05g,4.67mmol)を追加し、室温で16時間反応する。反応液に水と少量のメタノールを加えて、塩化メチレンで抽出し(20mL*2)、有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥してから濃縮して、粗製品を得る。粗製品を分取液体クロマトグラフィー(分取カラム:21.2×250mm C18カラム;系:10mM NH4HCO32O;波長:254/214 nm)で精製して化合物Z-60(24.73mg、9.82%収率)を得る。MS m/z(ESI): 312.2 [M+1]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.18(s,1H),6.86(s,1H),6.76(dd,J = 18.0,11.6 Hz,1H),6.15(s,1H),5.93(dd,J = 17.6,2.0 Hz,1H),5.07(dd,J = 11.2,2.4 Hz,1H),4.25-4.18(m,1H),4.03 - 3.92(m,1H),2.22 - 2.12(m,1H),2.09 - 1.90(m,4H),1.75 - 1.64(m,1H),1.51 - 1.45(m,1H),1.34(d,J = 7.2 Hz,3H),1.13 - 1.04(m,1H),0.56 - 0.50(m,1H),0.42 - 0.35(m,1H),0.28 - 0.19(m,2H).
【0249】
実施例61:化合物Z-61の調製
【0250】
化合物Z-9(150mg、352.47μmol)及びエチルアセチルイミン塩酸塩(262.0mg、2.12mmol)をアセトニトリル(10mL)に溶解し、そして、N,N-ジイソプロピルエタンアミン(0.68mL,3.91mmol)を加える。該反応を80℃条件下で2時間攪拌し、室温まで冷却し、7Nのアンモニアメタノール溶液5mLを加えて、室温で1時間攪拌する。酢酸エチル(50mL)を加えて希釈し、飽和塩化ナトリウム溶液(50mLx3)で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧で濃縮し、分取HPLCクロマトグラフィーで化合物Z-61(33.58mg)を得て、収率が25.11%である。MS m/z(ESI):367.2 [M+1]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.86(s,1H),7.42(s,1H),5.99(s,1H),4.24 - 4.10(m,1H),4.00 - 3.90(m,1H),2.29 - 2.12(m,4H),2.11 - 1.93(m,2H),1.90 - 1.72(m,4H),1.68-1.59(m,1H),1.48-1.40(m,1H),1.37 - 1.12(m,3H),0.58-0.51(m,2H),0.38-0.24(m,4H),0.15-0.05(m,2H).
【0251】
実施例62:化合物Z-62の調製
【0252】
ステップ1:化合物5-2(100mg、451.1 μmol)及び((1R,3R)-3-アミノシクロブチル)tert-ブチルカーバメート(84.0mg、451.1 μmol)をアセトニトリル(20mL)に溶解し、そして、炭酸カリウム(187.0mg、1.35mmol)を加える。該反応は90℃の条件下で16時間攪拌する。酢酸エチル(80mL)を加えて、飽和塩化ナトリウム溶液(80mL×3)で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧で濃縮し、化合物Z-62-1(120mg、淡黄色の油状物)を得て、収率が71.6%である。MS m/z(ESI):372.2 [M+1]。
ステップ2:化合物Z-62-1(120mg、323.04μmol)を1,4-ジオキサン(2mL)に溶解し、そして、4Mの塩化水素/1,4-ジオキサン溶液(5mL)を加える。該反応室温条件下で5時間攪拌する。溶媒を減圧下で除去し、水(50mL)を加えて、酢酸エチルで(50mL×2)抽出し、水相を飽和炭酸ナトリウム溶液でPH=9-10になるように調整し、酢酸エチルで(60mL×2)抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧で濃縮する。分取HPLCクロマトグラフィーで化合物Z-62(47.9mg)を得て、収率が54.3%である。MS m/z(ESI):272.2 [M+1]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.00(s,1H),7.85(s,1H),6.30(d,J = 2.0 Hz,1H),5.85(s,1H),4.26-4.17(m,1H),3.56-3.47(s,1H),2.45-2.26(m,3H),2.15 - 1.96(m,2H),1.28(d,J = 7.2 Hz,3H),1.05-0.96(m,1H),0.55-0.46(m,1H),0.37 - 0.27(m,1H),0.24-0.15(m,2H).
【0253】
実施例62a:化合物Z-62-P1の調製
【0254】
化合物Z-62(45mg、165.83 μmol)をキラル分解(分解条件:カラムタイプ: IC-3 4.6*100mm 3um;補助溶剤:IPA(0.5%DEA);波長:220.0nm;流速:3.0mL/min;カラム温度:40℃)に送って、化合物Z-62-P1(7.47mg、保留時間3.394minutes)を得て、収率が15.4%である。MS m/z(ESI):272.2 [M+1]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.00(d,J = 2.4 Hz,1H),7.85(s,1H),6.30(d,J = 2.4 Hz,1H),5.85(s,1H),4.24-4.16(m,1H),3.56-3.50(m,1H),2.49-2.5(m,2H),2.15 - 1.92(m,3H),1.35 - 1.18(m,3H),1.07 - 0.95(m,1H),0.54-0.45(m,1H),0.37-0.28(m,1H),0.22 - 0.15(m,2H).
【0255】
実施例62b:化合物Z-62-P2の調製
【0256】
化合物Z-62(45mg、165.83 μmol)をキラル分解(分解条件:カラムタイプ: IC-3 4.6*100mm 3um;補助溶剤:IPA(0.5%DEA);波長:220.0nm; 流速:3.0mL/min;カラム温度:40℃)に送って、化合物Z-62-P2(7.74mg、保留時間2.850minutes)を得て、収率が16.3%である。MS m/z(ESI):272.2 [M+1]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.00(d,J = 2.4 Hz,1H),7.84(s,1H),6.30(d,J = 2.4 Hz,1H),5.85(s,1H),4.26-4.18(m,1H),3.56-3.47(m,1H),2.45 - 2.29(m,2H),2.15 - 1.89(m,3H),1.32-1.20(m,3H),1.06 - 0.96(m,1H),0.55-0.45(m,1H),0.37-0.29(m,1H),0.22-0.14(m,2H).
【0257】
実施例63:化合物Z-63の調製
ステップ1:化合物49-2(550mg、2.15mmol)及びtert-ブチル((1S,3S)-3-アミノシクロペンチル)カルバマート(645.10mg、3.22mmol)をアセトニトリル(20mL)に溶解し、そして、炭酸カリウム(890.32mg、6.44mmol)を加える。該反応は90℃の条件下で16時間攪拌する。反応を停止し、酢酸エチルで溶解(60mL)して希釈し、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(60mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧で濃縮して粗生成物Z-63-1(850mg、淡黄色の油状物)を得て、収率が94.3%である。MS m/z(ESI):420.2 [M+1].
ステップ2:化合物Z-63-1(550mg、1.31mmol)を1,4-ジオキサン(2mL)に溶解し、そして、4Mの塩化水素/1,4-ジオキサン溶液(4M,9.82mL)を加える。該反応は室温条件下で3時間攪拌する。溶媒を減圧下で除去し、純水(50mL)を加えて、酢酸エチルで(50mL)で不純物を抽出し、水相アンモニア水溶液をPH=9-10になるように調整し、酢酸エチルで(60mL×2)抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧で濃縮し、化合物Z-63-2(410mg、淡黄色の油状物)を得て、収率が97.9%である。MS m/z(ESI):320.2 [M+1].
ステップ3:化合物Z-63-2(60mg、187.60 μmol)を塩化メチレン(10mL)に溶解し、そして、アセチル塩素(73.63mg、937.99μmol)を加えて、続いて、N,N-ジイソプロピルエタンアミン(0.33mL,1.88mmol)を加える。該反応は室温条件下で0.5時間攪拌する。反応を停止し、酢酸エチルで溶解(50mL)希釈し、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、減圧で濃縮して粗生成物を得る。残留物を分取HPLCクロマトグラフィーによって化合物Z-63(47.0mg)を得て、収率が67.9%である。MS m/z(ESI):362.2 [M+1]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.15(s,1H),7.90-7.83(m,2H),6.14(s,1H),4.25-4.14(m,2H),2.21 - 2.12(m,1H),2.08 - 1.95(m,3H),1.90 - 1.81(m,1H),1.72(s,3H),1.74 - 1.65(m,1H),1.47-1.36(m,1H),1.31(d,J =6.8 Hz,3H),1.11 - 1.02(m,1H),0.55-0.47(m,1H),0.39-0.31(m,1H),0.25 - 0.17(m,2H).
【0258】
実施例64a:化合物Z-64-P1の調製
【0259】
ステップ1:1.2g化合物Z-63-1は超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)分解(カラムタイプ: AD-3 4.6*100mm 3um、補助溶剤:EtOH[1%NH3(7M inMeOH)]、サンプル供給体積:1.00ul、作動時間:4.0minutes、流速:3.0mL/min、圧力:2000psi、カラム温度:40℃)を経て、440mgの化合物Z-63-a(保留時間1.329minutes)を得る。
ステップ2:化合物Z-63-a(170.00mg、404.81μmol)を1,4-ジオキサン(2mL)に溶解し、そして、塩化水素/1,4-ジオキサン溶液(4M,6.07mL)を加えて、該反応室は温条件下で3時間攪拌する。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物である化合物Z-63-P1(120mg、淡黄色の固体塩酸塩)を得て、収率が92.68%である。MS m/z(ESI): 320.2 [M+1]。
ステップ3:化合物Z-63-P1(120mg、375.20μmol)及びエチレンイミン酸エチル(163.44mg、1.88mmol)をアセトニトリル(15mL)に溶解し、そして、N,N-ジイソプロピルエタンアミン(0.65mL,3.75mmol)を加える。該反応は80℃条件下で2時間攪拌し、室温まで冷却し、7Nのアンモニアメタノール溶液2mLを加える。室温で1時間攪拌する。反応を停止し、酢酸エチルで溶解(50mL)希釈し、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、減圧で濃縮する。残留物を分取液体クロマトグラフィー(分取カラム:21.2X250mm C18カラム;系:10mM NH4HCO32O;波長:254/214 nm;勾配:5%-95%アセトニトリル変化)で得られた粗製品を精製し、化合物Z-64-P1(63.5mg)を得て、収率が46.2%である。MS m/z(ESI): 361.2 [M+1]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.17(s,1H),6.17(s,1H),4.30 - 4.15(m,1H),3.99 - 3.89(m,1H),2.26 - 2.17(m,1H),2.12 - 1.93(m,3H),1.89 - 1.70(m,4H),1.70-1.60(m,1H),1.50-1.38(m,1H),1.33(d,J = 6.8 Hz,3H),1.10-1.02(m,1H),0.57-0.48(m,1H),0.42-0.31(m,1H),0.28-0.17(m,2H).
【0260】
実施例64b:化合物Z-64-P2の調製
ステップ1:1.2gの化合物Z-63-1は超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)分解(カラムタイプ: AD-3 4.6*100mm 3um、補助溶剤:EtOH[1%NH3(7M inMeOH)]、サンプル供給体積:5.00ul、作動時間:6.0minutes、流速:3.0mL/min、圧力:2000psi、カラム温度:40℃)を経て440mgの化合物Z-63-b(保留時間1.512minutes)を得る。
ステップ2-3:実施例64aのステップ2及び3の方法を参照して調製し、化合物Z-64-P2を得る。MS m/z(ESI): 361.2 [M+1]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.17(s,1H),6.16(s,1H),4.24 - 4.12(m,1H),3.98 - 3.88(m,1H),2.27 - 2.16(m,1H),2.12 - 1.92(m,3H),1.86 - 1.71(m,4H),1.70-1.60(m,1H),1.50-1.38(m,1H),1.33(d,J = 6.8 Hz,3H),1.12-1.02(m,1H),0.56-0.48(m,1H),0.41-0.30(m,1H),0.28-0.18(m,2H).
【0261】
実施例65 化合物Z-65の調製
【0262】
化合物Z-63-2(60mg、187.60μmol)及び1H-ピラゾール-1-メチルアミジン塩酸塩(620mg、4.23mmol)をアセトニトリル(12mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエタンアミン(1.31mL,7.50mmol)を加える。該反応は室温で16時間攪拌する。反応を停止し、飽和塩化ナトリウム溶液(30mL)を加えて、酢酸エチルで(30mL×2)抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧で濃縮する。分取HPLCクロマトグラフィーによって目標生成物である化合物Z-65(26.21mg)を得て、収率が36.68%である。MS m/z(ESI): 362.1[M+1]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.96(s,1H),7.60(s,1H),5.99(d,J = 2.8Hz,1H),4.10-4.00(m,1H),3.85-3.70(m,1H),2.09 - 1.77(m,4H),1.75-1.60(m,1H),1.55-1.46(m,1H),1.36-1.25(m,1H),1.07(d,J = 6.8Hz,3H),0.92 - 0.75(m,1H),0.33-0.25(m,1H),0.17-0.08(m,1H),0.05-0.01(m,2H).
【0263】
実施例66~実施例74
【0264】
化合物Z-66、Z-68、Z-69、Z-72、Z-73は実施例64aの方法を参照して調製することができる。化合物Z-67、Z-71は実施例65の方法を参照して調製することができる。化合物Z-70、Z-74は実施例1の方法を参照して調製することができる。
【0265】


【0266】
比較化合物D及びEの調製
【0267】
化合物DとEは、従来の公開特許文献を参照して調製することができる。
【0268】
試験例1:CDKファミリーキナーゼに対する活性抑制試験
【0269】
以下、LANCE Ultra試験方法では、キナーゼ試薬はCarna Bioscienceから購入し、反応基質と検出試薬はPerkinElmerから購入し、その他の試薬はThermo scientificから購入する。
LANCE Ultra方法によって測定対象物がCDK1/CycB(Carna bioscience、#04-102)、CDK2/CycA(Carna bioscience、 #04-103)、CDK9/CycT(Carna bioscience、 #04-110)キナーゼ活性に対する抑制作用を測定する。
【0270】
キナーゼ活性試験は10μLの系を採用し、CDKキナーゼ希釈液、Ulight-Myelic basic protein(Perkin Elmer、#TRF-0109、以下U-MBPと呼ばれる)及びATP(Thermo scientific、 #PV3227)を混合した基質希釈液、及び本発明の上記実施例で調製した化合物(即ち測定対象物)を含む。試験では、各種のキナーゼは3つの試験群、ブランク群(Blank)、阻害なし群(PC)及び化合物試験群(Test)を含む。各試験群に含まれる成分は、以下に示される。
【0271】
【0272】
異なるキナーゼ反応にTest群の各成分の作動濃度は以下の通りである。
【0273】
化合物:室温で10mM溶解した測定対象化合物をDMSOで勾配希釈し、続いて、脱イオン水で4x化合物作動液に希釈し、DMSOの含有量は2%である。CDK1とCDK2試験で使用される化合物の最高濃度は10μMであり、CDK9は1μMである。
【0274】
1.33x反応緩衝液:成分が26.7mMのMOPS、6.67mMのMgCl2及び0.0133%のTween-20であり、調製した後、4℃の冷蔵庫内に入れて遮光保存し、使用前に新たに調製したDTTを最終濃度が5.33mMになるまで加える。
【0275】
【0276】
反応中のDMSO作動濃度は0.5%である。
【0277】
上記成分を混合した後、ロッキングベッドに置かれ、室温で1時間遮光インキュベートする。続いて、全ての試験群(Blank、PC及びTest群を含む)に10μLの検出液を加える。
【0278】
10μLの検出液に含まれる成分は、16mMのEDTA(Thermo scientific、#15575)、1nMのリン酸化U-MBPタンパク質抗体(Perkin Elmer、#TRF-0201)及び1xの検出緩衝液(Perkin Elmer、#CR97-100)である。
【0279】
検出液を加えた後、ロッキングベッドに置かれ、室温で1時間遮光インキュベートし続ける。インキュベート終了後、Perkin Elmer社製のVictor X5蛍光酵素マーカーを使用して信号を読み取り、励起光波長は320nmであり、発光光波長は615nmと665nmであり、抑制率の計算方法は、
1、全ての群について、665nm/615nmの値(以下、Ratio値と呼ばれる)を計算し、抑制率は各群のRatio値で計算し、
2、抑制率=(PCRatio-TestRatio)/(PCRatio-BlankRatio)*100%、
3、XLFIT 5.0ソフトウェア(英国IDBS社)でフィッティングし、化合物濃度の対数値をX軸として、抑制率をY軸として、4パラメータモデルを使用して化合物の半数抑制濃度IC50を計算する。
【0280】

【0281】

【0282】
表1及び2から分かるように、本発明の実施例の化合物はCDK9に対して高い阻害活性を有し、高いCDK9抑制選択性を有する。
【0283】
試験例2:マウス体内薬物動態試験
【0284】
LC/MS/MS法を用いてマウスにそれぞれ本発明の化合物を静脈注射と胃内投与した後の異なる時点における血漿中の薬物濃度を測定し、本発明の化合物がマウス体内の薬物動態挙動を研究し、その薬物動態学的特徴を評価した。
【0285】
実験手段:
試験動物:健康な成人の雄性ICRマウス(体重30-40g、12匹、静脈注射群のマウスは自由に水と食事を飲み、胃内投与群は一晩断食し、4h投与した後、自由に水と食事を飲む)、Beijing Vital River Laboratory Animal Co. LTDによって提供され、
投与方式と投与量:ICRマウスの尾静脈投与(2mg/kg,5%DMSO,pH 4.5 20%Captisol )及び胃内投与(10mg/kg,5%DMSO,pH 4.5 20%Captisol)。
【0286】
血液サンプル採取:投与前に実験要求を満たす動物を選択し、体重を量ってマークする。血液サンプルを採取する前に、マウスをバインドし、各投与されたマウスは所定の採血時点(静脈投与:それぞれ投与後の0.083、0.25、0.5、1、2、4、6、7.5、24hで採血し、合計9つの時点;胃内投与:それぞれ投与後の0.083、0.25、0.5、1、2、4、6、7.5、24hで採血し、合計9つの時点)、眼窩から約100μL採血する。血液をK2EDTA予め加えた1.5mL試験管に移り、4min(8000rpm,4℃)遠心分離し、血漿を取り出し、全過程は採血後15min以内に完了する。全てのサンプルを-20℃の冷蔵庫にサンプル分析まで保管する必要がある。LC/MS/MS法を用いて薬物濃度を測定し、本発明の一部の実施例の化合物は同じ投与量と投与方式で、マウス体内の薬物動態特性パラメータを表3に示す。
【0287】
【0288】
試験例3:体内の薬効実験
【0289】
皮下にMV4-11急性骨髄性白血病患者由来のヒト由来腫瘍細胞系に基づく異種移植(CDX)BALB/cを植入してヌードマウスで体内の薬効実験を行う。
【0290】
実験手段:BALB/cヌードマウス、雌性、6-10週齢、体重約20-23g、マウスを特殊な病原体がない環境に保持し、且つ1つの換気ケージ(ケージごとに5匹マウス、群ごとに2ケージ10匹)に保管する。全てのケージ、敷物及び水は使用前に消毒する。すべての動物は自由に標準認証された商業実験室で食事をすることができる。上海市計画生育科学研究所実験動物経営部(上海浦東金科路3577号)で購入したマウスは合計80匹で研究に使用される。各マウスは右脇腹皮下に腫瘍細胞(1×1070.1ml+Matrigel 0.1ml)を植入し、腫瘍の成長に使用される。平均腫瘍体積が約165立方ミリメートルに達した時、体重、腫瘍体積によってランダムにグループ化し、投与を開始する。試験化合物を毎日経口胃内投与する。抗腫瘍効果は化合物で処理された動物の平均腫瘍増加体積を未処理動物の平均腫瘍増加体積で割ることにより決定される。
【0291】
腫瘍の体積は、週に2回、2次元ノギスで測定し、体積は立方ミリメートルで測定する。腫瘍体積TV=0.5a×b2。aは腫瘍の長径、bは腫瘍の短径である。
【0292】
相対腫瘍増強率T/C(%)、即ちある時間点、治療群及び対照群の腫瘍体積に対する百分率値である。計算式は、T/C%=TRTV/CRTV×100%(TRTV:治療群平均RTV;CRTV:溶媒対照群平均RTV;RTV=Vt/V0、V0はグループ化時の該動物の腫瘍体積であり、Vtは治療後の該動物の腫瘍体積である)である。
担癌動物の体重変化(%)の計算は、(測定時の体重-グループ化時の体重)/グループ化時の体重×100である。
【0293】
【0294】
【0295】
本発明で言及されているすべての文献は、各文献が単独で参照として引用されるように、本願で参照として引用される。なお、本発明の上記講義内容を読んだ後、当業者は、本発明に様々な変更または修正を加えることができ、これらの等価形態も同様に本願の添付の特許請求の範囲に規定されるものであることが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】