(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-29
(54)【発明の名称】電池およびその製造方法、製造設備、電気装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/262 20210101AFI20240122BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20240122BHJP
【FI】
H01M50/262 E
H01M50/262 S
H01M50/209
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549355
(86)(22)【出願日】2021-12-29
(85)【翻訳文提出日】2022-08-16
(86)【国際出願番号】 CN2021142444
(87)【国際公開番号】W WO2023123039
(87)【国際公開日】2023-07-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100106220
【氏名又は名称】大竹 正悟
(72)【発明者】
【氏名】唐 ▲ゆう▼
(72)【発明者】
【氏名】王 紅
(72)【発明者】
【氏名】王 鵬
(72)【発明者】
【氏名】劉 江
(72)【発明者】
【氏名】李 俊栄
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA14
5H040AS07
5H040AT02
5H040CC22
5H040CC34
(57)【要約】
本出願は、電池およびその製造方法、製造設備、電気装置を提供する。電池は、筐体と、筐体内に設置される電池ユニットと、筐体の筐体内壁と電池ユニットとの間に設置されるエンドプレートとを備え、電池ユニットは、第1方向に沿って積層した複数の電池セルを含み、電池セルは第1方向において対向して設けられた2つの第1壁と、第2方向に沿って設けられた2つの第2壁とを含み、第2壁には電極端子が設置され、第1方向と第2方向とは直交する方向であり、エンドプレートは、筐体内壁に向かう第1面と第1壁に向かう第2面とを有し、第1面は、第1壁の中心領域に対応する第1領域と第1壁の縁部領域に対応する第2領域とを有し、第2面の電池ユニットに密接する部分は平らな面であり、第1領域と筐体内壁との間には間隔が設けられており、間隔内には緩衝部が設けられ、緩衝部は、電池ユニットが膨張するときに筐体内壁に当接して変形することができ、第2領域と筐体内壁とは当接している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、電池ユニットと、エンドプレートとを備え、
前記電池ユニットは、前記筐体内に設置され、第1方向に沿って積層した複数の電池セルを含み、前記電池セルが第1方向において対向して設けられた2つの第1壁と、第2方向に沿って設けられた2つの第2壁とを含み、前記第2壁には電極端子が設置され、前記第1方向と前記第2方向とが直交する方向であり、
前記エンドプレートは、前記筐体の筐体内壁と前記電池ユニットとの間に設置され、前記筐体内壁に向かう第1面と前記第1壁に向かう第2面とを有し、前記第1面は、前記第1壁の中心領域に対応する第1領域と前記第1壁の縁部領域に対応する第2領域とを有し、前記第2面の前記電池ユニットに密接する部分は平らな面であり、
前記第1領域と前記筐体内壁との間には間隔が設けられており、前記間隔内には緩衝部が設けられ、前記緩衝部は、前記電池ユニットが膨張するときに前記筐体内壁に当接して変形することができ、前記第2領域と前記筐体内壁とは当接している
ことを特徴とする電池。
【請求項2】
前記縁部領域は前記第1壁の10%~50%を占める
ことを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記第1壁において、前記第2方向に沿って前記第2壁のエッジから0%~25%の範囲が前記縁部領域である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電池。
【請求項4】
前記緩衝部の少なくとも一部が前記第2方向に沿って延在する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の電池。
【請求項5】
前記緩衝部の少なくとも一部が前記筐体内壁に向かって上へ傾斜して延在する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の電池。
【請求項6】
前記緩衝部は複数設けられ、複数の前記緩衝部は前記エンドプレートの高さ方向において間隔をあけて設けられる
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の電池。
【請求項7】
複数の前記緩衝部は、マトリックス状に配列するように配置される
ことを特徴とする請求項6に記載の電池。
【請求項8】
前記第1領域は、前記エンドプレートに設けられた凹部により形成される
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の電池。
【請求項9】
前記緩衝部と前記エンドプレートとは一体の構造である
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の電池。
【請求項10】
前記筐体内壁は前記エンドプレートへ突出する第1係合部を有し、前記エンドプレートは第2係合部を有し、前記第1係合部は、前記第2係合部と係合接続するように構成される
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の電池。
【請求項11】
前記電池セルは電極アッセンブリーを含み、前記電極アッセンブリーは第1極板と、第2極板と、隔離部材とを含み、前記第1極板と前記第2極板とは互いに逆の極性を有し、前記隔離部材は、前記第1極板と前記第2極板とを隔てるように構成され、
前記第1極板および前記第2極板は捲回軸線回りに捲回して捲回構造として形成され、前記捲回軸線は前記第1方向に垂直であり、
または、
前記電極アッセンブリーは複数の第1極板と、複数の第2極板と、隔離部材とを含み、複数の前記第1極板および複数の前記第2極板は前記第1方向において交互に積層し、
または、
前記電極アッセンブリーは第1極板と、複数の第2極板と、隔離部材とを含み、前記第1極板は連続に折曲って複数の積層セグメントと複数の折り曲がりセグメントとを含み、複数の積層セグメントおよび複数の第2極板は前記第1方向において交互に積層し、各折り曲がりセグメントは、隣接する2つの積層セグメントをつなぐ部分である
ことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の電池。
【請求項12】
前記第1壁は、前記電池セルにおける面積が最も大きい壁である
ことを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の電池。
【請求項13】
請求項1~11のいずれか1項に記載の電池を備える、電気装置。
【請求項14】
筐体を提供する、ステップと、
電池ユニットを提供し、前記電池ユニットは第1方向に沿って積層した複数の電池セルを含み、前記電池セルは前記第1方向において対向して設けられた2つの第1壁と、第2方向において対向して設けられた2つの第2壁とを含み、前記第2壁には電極端子が設置され、前記第1方向と前記第2方向とは直交する方向である、ステップと、
エンドプレートを提供し、前記エンドプレートは、前記筐体内壁に向かう第1面と前記第1壁に向かう第2面とを有し、前記第1面は、前記第1壁の中心領域に対応する第1領域と、前記第1壁の縁部領域に対応する第2領域とを有し、前記第2面は平らな面である、ステップと、
前記電池ユニットおよび前記エンドプレートを前記筐体内に取り付け、前記エンドプレートを前記筐体内壁と前記電池ユニットとの間に位置させ、前記第2領域を前記筐体内壁に当接させ、前記第1領域と前記筐体内壁との間には間隔が設けられ、前記間隔内には緩衝部が設けられ、前記緩衝部は、前記電池ユニットが膨張するときに前記筐体内壁に当接して変形することができる、ステップと、を含む
ことを特徴とする、電池の製造方法。
【請求項15】
第1提供装置と、第2提供装置と、第3提供装置と、組立装置とを備え、
前記第1提供装置は、筐体を提供するように構成され、
前記第2提供装置は、電池ユニットを提供するように構成され、前記電池ユニットは第1方向に沿って積層した複数の電池セルを含み、前記電池セルは前記第1方向において対向して設けられた2つの第1壁と、第2方向において対向して設けられた2つの第2壁とを含み、前記第2壁には電極端子が設置され、前記第1方向と前記第2方向とは直交する方向であり、
前記第3提供装置は、エンドプレートを提供するように構成され、前記エンドプレートは、前記筐体内壁に向かう第1面と前記第1壁に向かう第2面とを有し、前記第1面は、前記第1壁の中心領域に対応する第1領域と、前記第1壁の縁部領域に対応する第2領域とを有し、前記第2面は平らな面であり、
前記組立装置は、前記電池ユニットおよび前記エンドプレートを前記筐体内に取り付けるように構成され、前記エンドプレートは前記筐体内壁と前記電池ユニットとの間に位置しており、前記第2領域を前記筐体内壁に当接させ、前記第1領域と前記筐体内壁との間には間隔が設けられ、前記間隔内には緩衝部が設けられ、前記緩衝部は、前記電池ユニットが膨張するときに前記筐体内壁に当接して変形することができる
ことを特徴とする、電池の製造設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池の技術分野に属し、具体的に、電池、電池の製造方法、電池の製造設備および電気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、科学技術の進歩、特に電動自動車の技術の発展に従って、電池の性能に対する要求もますます高くなっている。電池は、筐体と、複数の電池セルが積層した構成を有する電池ユニットとを含み、電池ユニットが筐体内に設置される。電池の使用過程において、電池セル(電池ユニット)が必ず膨張して変形し、電池ユニット全体の体積が大きくなり、よって、電池ユニットの筐体が押圧されて変形し、電池の組み立ておよび使用寿命に影響を与える。電池ユニットの膨張による筐体に対する影響を防止するため、通常、筐体の内壁と電池ユニットとの間にエンドプレートを設置し、即ち、電池ユニットがエンドプレートを介して筐体に固定され、これによって電池ユニットの膨張による筐体に対する影響を抑える。
【発明の概要】
【0003】
本出願は、電池ユニットの膨張分布に基づいてエンドプレートおよび筐体における、受けた力の分布を均一にするとともに膨張空間を提供することができ、筐体の変形が発生しにくく、筐体および電池ユニットの組み立ておよび電池の使用寿命に有利な、電池およびその製造方法、製造設備、電気装置を提供する。
【0004】
第1局面において、本出願の実施例は電池を提供する。該電池は、筐体と、電池ユニットと、エンドプレートとを備え、前記電池ユニットは、前記筐体内に設置され、第1方向に沿って積層した複数の電池セルを含み、前記電池セルが第1方向において対向して設けられた2つの第1壁と、第2方向に沿って設けられた2つの第2壁とを含み、前記第2壁には電極端子が設置され、前記第1方向と前記第2方向とは直交する方向であり、前記エンドプレートは、前記筐体の筐体内壁と前記電池ユニットとの間に設置され、前記筐体内壁に向かう第1面と前記第1壁に向かう第2面とを有し、前記第1面は、前記第1壁の中心領域に対応する第1領域と前記第1壁の縁部領域に対応する第2領域とを有し、前記第2面の前記電池ユニットに密接する部分は平らな面であり、前記第1領域と前記筐体内壁との間には間隔が設けられており、前記間隔内には緩衝部が設けられ、前記緩衝部は、前記電池ユニットが膨張するときに前記筐体内壁に当接して変形することができ、前記第2領域と前記筐体内壁とは当接している。
【0005】
上記の技術案において、エンドプレートの第1領域と筐体の筐体内壁との間に設けられた間隔内には、圧力を受けて変形することができる緩衝部が設けられるため、該緩衝部自体の変形により電池ユニットの第1方向における膨張に緩衝のための膨張空間を提供でき、したがって、エンドプレートを、過剰に押圧されて変形すること、ひいてはその効果を失うことがないように保護でき、さらに、筐体内壁を、過剰に押圧されて損壊することがないように保護でき、電池の正常な組み立ておよび使用にとって有利であるとともに、電池の使用寿命を保証できる。
【0006】
また、エンドプレートの第1面に、電池セルの第1壁の中心領域に対応する第1領域および電池セルの第1壁の縁部領域に対応する第2領域を設け、かつエンドプレートの第1領域における厚さが第2領域における厚さよりも小さいようにし、即ち、エンドプレートの第1領域と筐体の筐体内壁との間に間隔を設け、かつ緩衝部を該間隔内に設けることにより、エンドプレートの緩衝部が設けられた部分が電池ユニットの膨張量の大きい中心部分に対応でき、エンドプレートの受けた膨張による押圧を均一させることができ、電池ユニットの膨張の不均一に起因してエンドプレートの受ける力が不均一になることがなく、エンドプレート全体の受けた膨張による押圧を均一に保つことができ、電池ユニットの実際の膨張の分布に基づいて緩衝でき、エンドプレートの受ける局部応力が過大になることを抑えることができ、エンドプレートを、過剰に押圧されて変形すること、ひいてはその効果を失うことがないようによりよく保護でき、さらに、筐体内壁を、過剰に押圧されて損壊することがないように保護でき、電池の正常な組み立ておよび使用に有利であるとともに、電池の使用寿命を保証できる。
【0007】
また、電池ユニットの膨張が発生するとき、エンドプレートの第1面の第2領域が、第1領域のように緩衝部を設けるのではなく筐体の筐体内壁と直接当接するため、電池ユニットの端部の膨張を抑えることができ、隣接する2つの電池セル同士の電気的な接続の確実性を保証できる。特に、電極端子が電池セルの、第2方向に沿って対向して設けられた2つの第2壁に設置され、即ち、電極端子が電池セルの、第2方向における両端に設置され、通常、電池セル同士がバスバー部材を介して電気的に接続されるため、エンドプレートに筐体の筐体内壁と直接当接する第2領域を設けることによれば、電池ユニットの端部を制限して、隣接する電池セルの端部の間の距離の変化を抑制することができ、各電池セルの電気的な接続を確実に保証することができる。
【0008】
いくつかの実施例において、前記縁部領域は前記第1壁の10%~50%を占める。
【0009】
上記の技術案において、電池セルの縁部領域の上記の割合に基づいてエンドプレートの第1面に設けられる第1領域および第2領域を設定することによれば、電池ユニットの膨張の不均一によりよく対処でき、電池ユニットの実際の膨張分布に基づいてよりよく緩衝し、局部応力が過大になるのを抑えることができる。
【0010】
いくつかの実施例において、前記第1壁は、前記第2方向に沿って前記第2壁のエッジから0%~25%の範囲が前記縁部領域である。
【0011】
上記の技術案において、上記の割合に基づいて縁部領域を設けることにより、電池ユニットの膨張の不均一によりよく対処でき、電池ユニットの実際の膨張分布に基づいてよりよく緩衝でき、局部応力が過大になるのを抑えることができる。
【0012】
いくつかの実施例において、前記緩衝部の少なくとも一部が前記第2方向に沿って延在する。
【0013】
上記の技術案において、エンドプレートの受けた力の過剰な集中がなく、電池ユニットの膨張力を分散させ、エンドプレートの受けた力を緩和することができ、電池ユニットの膨張に対してよりよく緩衝することができる。即ち、緩衝部の少なくとも一部が第2方向に沿って延在するように設けることにより、エンドプレートによる、第2方向において電池ユニットの膨張による膨張力の分散に有利である。
【0014】
いくつかの実施例において、前記緩衝部の少なくとも一部が前記筐体内壁に向かって上へ傾斜して延在する。
【0015】
上記の技術案において、電池ユニットに膨張が発生してエンドプレートが押圧されたとき、緩衝部が筐体内壁に向かって上へ傾斜して延在する傾斜角を有するため、緩衝部が、電池ユニットの膨張による押圧で筐体内壁に接触するとき、より容易に変形でき、電池ユニットの膨張に膨張空間を適時に提供でき、緩衝により有利であり、電池ユニットの膨張による膨張力をよりよく分散させることができる。また、緩衝部の上への傾斜角は、電池ユニットの膨張が発生するときに該緩衝部が変形して緩衝できれば、任意の角度であってもよく、緩衝部の上への傾斜角に対して特に限定しない。
【0016】
いくつかの実施例において、前記緩衝部は複数設けられ、複数の前記緩衝部は前記エンドプレートの高さ方向において間隔をあけて設けられる。
【0017】
上記の技術案において、エンドプレートの高さ方向において緩衝部を、間隔をあけて複数設けることにより、電池ユニットの膨張力の均一な分散により有利であり、エンドプレートの接触面が受けた力の均一性を向上させて、受けた力を均一にすることができ、電池をよりよく保護できる。
【0018】
いくつかの実施例において、複数の前記緩衝部は、マトリックス状に配列するように配置される。
【0019】
上記の技術案において、電池ユニットの膨張力をより均一に分散させ、エンドプレートの接触面が受けた力の均一性を向上させて、受けた力を均一にすることができ、電池をよりよく保護できる。
【0020】
いくつかの実施例において、前記第1領域は、前記エンドプレートに設けられた凹部により形成される。
【0021】
上記の技術案において、エンドプレートの構成に対して大きい変更を行う必要がなく、エンドプレートに凹部を設けることだけで第1領域を形成することができ、即ち、簡単な工程(例えばガウジング、金型成形など)でエンドプレートが第1領域および第1領域よりも厚い第2領域を有するようにすることができ、加工を簡単にすることができる。
【0022】
いくつかの実施例において、前記緩衝部と前記エンドプレートとは一体の構造である。
【0023】
上記の技術案において、簡単な工程(金型成形など)で第1領域および第1領域よりも厚い第2領域を有する緩衝構造を実現でき、加工を簡単にすることができる。また、本出願はこれに限定されなく、必要に応じて緩衝部をエンドプレートに対する別体の構造として構成してもよい。
【0024】
いくつかの実施例において、前記筐体内壁は前記エンドプレートへ突出する第1係合部を有し、前記エンドプレートは第2係合部を有し、前記第1係合部は、前記第2係合部と係合接続するように構成される。
【0025】
上記の技術案において、エンドプレートの筐体に対する位置決めをより精確にかつより素早く行うことができ、エンドプレートの組み立てを容易にすることができる。
【0026】
いくつかの実施例において、前記電池セルは電極アッセンブリーを含み、前記電極アッセンブリーは第1極板と、第2極板と、隔離部材とを含み、前記第1極板と前記第2極板とは互いに逆の極性を有し、前記隔離部材は、前記第1極板と前記第2極板とを隔てるように構成され、前記第1極板および前記第2極板は捲回軸線回りに捲回して捲回構造として形成され、前記捲回軸線は前記第1方向に垂直であり、または、前記電極アッセンブリーは複数の第1極板と、複数の第2極板と、隔離部材とを含み、複数の前記第1極板および複数の前記第2極板は前記第1方向において交互に積層し、または、前記電極アッセンブリーは第1極板と、複数の第2極板と、隔離部材とを含み、前記第1極板は連続に折曲って複数の積層セグメントと複数の折り曲がりセグメントとを含み、複数の積層セグメントおよび複数の第2極板は前記第1方向において交互に積層し、各折り曲がりセグメントは、隣接する2つの積層セグメントをつなぐ部分である。
【0027】
上記の技術案において、電池セルがおもに第1方向に沿って膨張し、緩衝部が第1方向に沿って設けられるとともに電池ユニットと筐体内壁との間に位置し、エンドプレートの緩衝部により電池ユニットの膨張を吸収することにより有利である。
【0028】
いくつかの実施例において、前記第1壁は、前記電池セルにおける面積が最も大きい壁である。
【0029】
上記の技術案において、電池ユニットの膨張力の均一な分散により有利であり、エンドプレートの接触面が受けた力の均一性を向上させて、受けた力を均一にすることができ、電池をよりよく保護できる。
【0030】
第2局面において、本出願の実施例は電気装置を提供する。該電気装置は本出願の実施例の第1局面による電池を備える。
【0031】
第3局面において、本出願の実施例は電池の製造方法を提供する。該製造方法は、筐体を提供する、ステップと、電池ユニットを提供し、前記電池ユニットは第1方向に沿って積層した複数の電池セルを含み、前記電池セルは前記第1方向において対向して設けられた2つの第1壁と、第2方向において対向して設けられた2つの第2壁とを含み、前記第2壁に電極端子が設置され、前記第1方向と前記第2方向とが直交する方向である、ステップと、エンドプレートを提供し、前記エンドプレートは、前記筐体内壁に向かう第1面と前記第1壁に向かう第2面とを有し、前記第1面は、前記第1壁の中心領域に対応する第1領域と、前記第1壁の縁部領域に対応する第2領域とを有し、前記第2面は平らな面である、ステップと、前記電池ユニットおよび前記エンドプレートを前記筐体内に取り付け、前記エンドプレートを前記筐体内壁と前記電池ユニットとの間に位置させ、前記第2領域を前記筐体内壁に当接させ、前記第1領域と前記筐体内壁との間には間隔が設けられ、前記間隔内には緩衝部が設けられ、前記緩衝部は、前記電池ユニットが膨張するときに前記筐体内壁に当接して変形することができる、ステップと、を含む。
【0032】
第4局面において、本出願の実施例は電池の製造設備を提供する。該電池の製造設備は、第1提供装置と、第2提供装置と、第3提供装置と、組立装置とを備え、前記第1提供装置は、筐体を提供するように構成され、前記第2提供装置は、電池ユニットを提供するように構成され、前記電池ユニットは第1方向に沿って積層した複数の電池セルを含み、前記電池セルは前記第1方向において対向して設けられた2つの第1壁と、第2方向において対向して設けられた2つの第2壁とを含み、前記第2壁には電極端子が設置され、前記第1方向と前記第2方向とは直交する方向であり、前記第3提供装置は、エンドプレートを提供するように構成され、前記エンドプレートは、前記筐体内壁に向かう第1面と前記第1壁に向かう第2面とを有し、前記第1面は、前記第1壁の中心領域に対応する第1領域と、前記第1壁の縁部領域に対応する第2領域とを有し、前記第2面は平らな面であり、前記組立装置は、前記電池ユニットおよび前記エンドプレートを前記筐体内に取り付けるように構成され、前記エンドプレートは前記筐体内壁と前記電池ユニットとの間に位置しており、前記第2領域を前記筐体内壁に当接させ、前記第1領域と前記筐体内壁との間には間隔が設けられ、前記間隔内には緩衝部が設けられ、前記緩衝部は、前記電池ユニットが膨張するときに前記筐体内壁に当接して変形することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
下記の好ましい実施形態に対する詳細な説明により、当業者であれば各種の他のメリットおよび有益な効果を明瞭に理解できる。図面は、好ましい実施形態を示すものにすぎず、本出願を限定するものではない。すべての図面において、同じ符号は同じ部品を表す。
【
図1】本出願の一実施例による車両の模式図である。
【
図2】本出願に係る電池の一実施例による組み立て構造の拡大斜視図であり、筐体の上筐体が取り外された状態のものを図示している。
【
図3】本出願に係る電池モジュールおよびエンドプレートの実施例の斜視図であり、図面においては、エンドプレートに近い側の筐体側壁を図示しておらず、かつ電池セルが電池モジュールのフレームにより覆われている。
【
図4】本出願に係る電池のエンドプレートの一実施例の斜視図である。
【
図5】本出願に係る電池セルの一実施例の斜視図である。
【
図6】
図5に基づき電池セルの各領域を示す斜視図である。
【
図7】
図2におけるA-A線に沿う模式的断面図であり、該A-A線はエンドプレートの第1領域を通るものである。
【
図8】
図2におけるB-B線に沿う模式的断面図であり、該B-B線はエンドプレートの第2領域を通るものである。
【
図9】本出願に係る電池セルの電極アッセンブリーの構成の断面図であり、
図9における(a)、(b)、(c)はそれぞれ電極アッセンブリーの構成の一実施例である。
【
図10】本出願の一実施例による電池を製造する方法の模式的フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照しながら本出願の技術案の実施例を詳細に説明する。下記の実施例は、本出願の技術案をより明瞭に説明するためのものにすぎないため、例示的なものとして用いられ、本出願の保護範囲を限定するものではない。
【0035】
特に断りがない限り、本明細書に使用されるすべての技術的用語および科学的用語は、当業者が通常理解する意味を有する。本明細書に使用される用語は、実施例を具体的に説明するためのものにすぎず、本出願を限定するものではない。本出願の明細書、特許請求の範囲および上記の図面に対する説明における用語の「含む」、「有する」およびその任意の変形は、排除的ではない包含を意味する。
【0036】
本出願の実施例の説明において、「第1」、「第2」などの技術的用語は、異なる対象を区別するためのものにすぎず、相対的な重要性を明示または暗示したり、示される技術的特徴の数、特定の順序、または主要なものと副次的なものを暗示したりするものではない。本出願の実施例の説明において、別途の定義がない限り、「複数」は2つ以上を意味する。
【0037】
本明細書で「実施例」というとき、実施例を用いて説明する特定の特徴、構造または特性が本出願の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味している。明細書の各部分にこの用語が使用された場合、同一の実施例を指しているとは限られず、他の実施例と互いに排斥する独立な実施例または選択可能な実施例を指しているでもない。本明細書で説明する実施例は他の実施例と組み合わせることができると当業者は理解できる。
【0038】
本出願の実施例の説明において、用語の「および/または」は、関連対象の関連関係を説明するためのものにすぎず、3種の関係を表すことができ、例えばAおよび/またはBのように、Aだけが存在することと、AおよびBがともに存在することと、Bだけが存在することとの3種の状況を表すことができる。また、本明細書における記号「/」は、一般的に記号の前後の関連対象が「または」の関係を満たすことを意味している。
【0039】
本出願の実施例の説明において、用語の「複数」は、2つ以上(2つを含む)であることを意味し、同様に、「複数組」は、2組以上(2組を含む)であることを意味し、「複数枚」は、2枚以上(2枚を含む)であることを意味する。
【0040】
本出願の実施例の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」等の技術的用語で表された方向または位置関係は、図面に基づくものであり、本出願の実施形態を便宜におよび簡略に説明するためのものにすぎず、該当装置又は要素が、必ずしも特定の方向を有したり、特定の方向に構成、操作されたり、することを明示又は暗示するものではないため、本出願の実施例を限定するものではないと理解すべきである。
【0041】
本出願の実施例の説明において、明確な定義や限定がない限り、「取付」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語を、広義的に理解すべきである。例えば、固定接続でもよいし、取外し可能な接続でもよいし、一体的な接続でもよい。そして、機械的な接続でもよいし、電気的な接続でもよい。また、直接接続してもよいし、中間物を介して間接的に接続してもよいし、2つの要素の内部が連通し又は2つの要素が相互に作用してもよい。当業者は、本出願の実施例における上記用語の具体的な意味を、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0042】
本出願の実施例で言及される電池は、より高い電圧および容量を提供するために複数の電池セルを含む単一の物理的モジュールである。電池は、互いに電気的に接続される複数の電池モジュールおよび筐体を含み、複数の電池モジュールが筐体による空間内に配置される。筐体は一般的に密封の筐体である。
【0043】
電池モジュールは複数の電池セルおよびフレームを含み、複数の電池セルがフレームにより囲まれて1つの構造として固定して形成される。一般的に、フレームは複数の電池セルを固定する役割を果たし、密封できないものである。
【0044】
電池セルは、電極アッセンブリーおよび電解液を含み、電極アッセンブリーは、正極板、負極板およびセパレータを含む。電池セルは、主に金属イオンが正極板と負極板との間で移動することにより機能する。正極板は正極集電体と正極活物質層とを含み、正極活物質層が正極集電体の表面に塗布され、正極活物質層の未塗布の集電体が正極活物質層の塗布された集電体に対して突出し、正極活物質層の未塗布の集電体が正極タブとして機能する。リチウムイオン電池で例示すると、正極集電体の材料はアルミニウムであり、正極活物質はコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元系リチウムまたはマンガン酸リチウムなどである。負極板は負極集電体と負極活物質層とを含み、負極活物質層が負極集電体の表面に塗布され、負極活物質層の未塗布の集電体が負極活物質層の塗布された集電体に対して突出し、負極活物質層の未塗布の集電体が負極タブとして機能する。負極集電体の材料は銅であり得、負極活物質は炭素系または珪素系などであり得る。大電流が流れる際に溶けないことを確保するため、正極タブは複数に積層したものであり、負極タブは複数に積層したものである。隔離部材の材質はPPまたはPEなどであり得る。また、電極アッセンブリーは、捲回型構造であってもよく、積層型構造であってもよく、本出願の実施例はこれに限定されない。
【0045】
電池技術の発展には、例えば、エネルギ密度、サイクル寿命、放電容量、充放電レートなどの性能パラメータのような多方面の設計要素を同時に考慮しなければならず、また、電池の安全性を考慮しなければならない。
【0046】
現在、電動車両の電池は、一般的に何十から千個以上の電池セルにより構成される。
【0047】
電気装置、例えば電動車両は、使用過程において、電池セル(電池ユニット)が必ず膨張して変形し、電池ユニット全体の体積が大きくなり、よって、電池ユニットの筐体が押圧されて変形し、電池の組み立ておよび使用寿命に影響を与える。これに対して、通常、筐体の内壁と電池ユニットとの間にエンドプレートを設置することにより電池ユニットの膨張による筐体に対する影響を抑える。
【0048】
しかし、電池ユニットを束縛することで膨張による変形を抑制するため、通常、エンドプレートには比較的高い構成強度が要求される。電池セル(電池ユニット)が膨張して変形するとき、各箇所の膨張がそれぞれ異なり、エンドプレートが受ける力も均一ではなく、中心部位に近い箇所で受けた応力は比較的大きく、周縁部位に近い箇所で受けた応力は比較的小さい。従来技術によるエンドプレートは電池ユニットの膨張分布の不均一による影響を考慮しておらず、電池ユニットが膨張して変形することを抑制する能力に限界があり、エンドプレートの設置があっても、エンドプレートが電池ユニットの膨張によって過剰に変形することに起因してその効果を失うことが依然として発生することがあり、ひいては筐体が押圧され、筐体が破壊されることもあった。また、単純にエンドプレートの構造強度を強化して、電池ユニットを過剰に束縛すれば電池の安全および寿命に不利な影響をもたらす。
【0049】
これに鑑みて、本出願に係る技術案において、電池は、筐体と、前記筐体内に設置される電池ユニットと、エンドプレートとを備え、前記電池ユニットは、第1方向に沿って積層した複数の電池セルを含み、前記電池セルが第1方向において対向して設けられた2つの第1壁と、第2方向に沿って設けられた2つの第2壁とを含み、前記第2壁に電極端子が設置され、前記第1方向と前記第2方向とが直交する方向であり、前記エンドプレートは、前記筐体の筐体内壁と前記電池ユニットとの間に設置され、前記筐体内壁に向かう第1面と前記第1壁に向かう第2面とを有し、前記第1面が、前記第1壁の中心領域に対応する第1領域と前記第1壁の縁部領域に対応する第2領域とを有し、前記第2面の、前記電池ユニットに密接する部分が平らな面であり、前記第1領域と前記筐体内壁との間に間隔が設けられており、前記間隔内に緩衝部が設けられ、前記緩衝部が、前記電池ユニットが膨張するときに前記筐体内壁に当接して変形することができ、前記第2領域と前記筐体内壁とが当接している。
【0050】
エンドプレートの第1領域と筐体の筐体内壁との間に設けられた間隔内に、圧力を受けて変形することができる緩衝部が設けられることにより、該緩衝部自体の変形によって電池ユニットの第1方向における膨張を緩衝するための膨張空間を提供でき、したがって、エンドプレートを、過剰に押圧されて変形すること、ひいてはその効果を失うことがないように保護でき、さらに、筐体内壁を、過剰に押圧されて損壊することがないように保護でき、電池の正常な組み立ておよび使用に有利であるとともに、電池の使用寿命を保証できる。また、エンドプレートの第1面に、電池セルの第1壁の中心領域に対応する第1領域および電池セルの第1壁の縁部領域に対応する第2領域を設け、かつエンドプレートの、第1領域における厚さが第2領域における厚さよりも小さいようにし、即ち、エンドプレートの第1領域と筐体の筐体内壁との間に間隔を設け、かつ緩衝部を該間隔内に設けることにより、エンドプレートの、緩衝部の設けられた部分が電池ユニットの膨張量の大きい中心部分に対応することができ、エンドプレートの受けた膨張による押圧を均一にすることができ、電池ユニットの膨張の不均一に起因してエンドプレートの受ける力が不均一になることがなく、エンドプレート全体の受けた膨張による押圧を均一に保つことができ、電池ユニットの実際の膨張の分布に基づいて緩衝でき、エンドプレートの受ける局部応力が過大になることを抑えることができ、エンドプレートを、過剰に押圧されて変形すること、ひいてはその効果を失うことがないようによりよく保護でき、さらに、筐体内壁を、過剰に押圧されて損壊することがないように保護でき、電池の正常な組み立ておよび使用に有利であるとともに、電池の使用寿命を保証できる。また、電池ユニットの膨張が発生するとき、エンドプレートの第1面の第2領域が、第1領域のように緩衝部を設けるのではなく筐体の筐体内壁と直接当接するため、電池ユニットの端部の膨張を抑えることができ、隣接する2つの電池セル同士の電気的な接続の確実性を保証できる。特に、電極端子が電池セルの、第2方向に沿って対向して設けられた2つの第2壁に設置され、即ち、電極端子が電池セルの、第2方向における両端に設置され、通常、電池セル同士がバスバー部材を介して電気的に接続されるため、エンドプレートに筐体の筐体内壁と直接当接する第2領域を設けることによれば、電池ユニットの端部を制限して、隣接する電池セルの端部の間の距離変化を抑制することができ、各電池セルの電気的な接続を確実に保証することができる。
【0051】
本出願の一実施例による電気装置においては、電池が電気エネルギを提供するものとして機能する。
【0052】
本出願の実施例で説明される技術案は電池を使用する各種の装置に適用でき、例えば、携帯電話、携帯型機器、ノートパソコン、電気自動車、電動玩具、電動工具、電動車両、船舶および航空機などが挙げられ、例えば、航空機は飛行機、ロケット、スペースシャトルおよび宇宙船などを含む。
【0053】
なお、本出願の実施例で説明する技術案を適用できる設備は上記に列挙した設備のみに限定されず、電池を使用するすべての設備に適用でき、説明の簡潔のため、以下の実施例では電動車両を例にして説明する。
【0054】
例えば、
図1は、本出願の一実施例による一種の車両1の模式的構成図である。車両1は、燃料車両、天然ガス自動車または新エネルギー車であり得、新エネルギー車は、電気自動車、ハイブリッド車またはレンジエクステンダー式電気自動車などであり得る。車両1の内部にエンジン20、制御装置30および電池10が設置され、制御装置30が、電池10によるエンジン20への給電を制御するように構成される。例えば、車両1の底部または前方または後方に電池10が設置される。電池10は車両1への給電に使用することができ、例えば、電池10が車両1の操縦用電源として車両1の回路システムに使用することができ、例えば、車両1の始動、ナビゲーションおよび走行時の仕事電気要求を満たすために使用される。本出願の他の一実施例では、電池10は、車両1の操縦用電源として使用されるだけではなく、ガソリンまたは天然ガスに代わってまたは部分的に代わって車両1に駆動動力を提供する車両1の駆動電源として使用することも可能である。
【0055】
さまざまな電気使用ニーズを満たすため、電池10は複数の電池セル200を含むことができる。この場合、複数の電池セル200同士が直列接続してもよく並列接続してもよくその両方を含む方式で接続してもよい。その両方を含む方式で接続とは、直列接続するものがあれば並列接続するものもあることを指している。
【0056】
図2に示すように、本出願に係る電池は、筐体100と、筐体100内に設置される電池ユニット200と、エンドプレート300とを備える。電池ユニット200は、第1方向Xに沿って積層した複数の電池セル201を含み、電池セル201が第1方向Xにおいて対向して設けられた2つの第1壁2011と、第1方向Xと直交する第2方向Yに沿って設けられた2つの第2壁2012とを含み、第2壁2012に電極端子Vが設置される。エンドプレート300は、筐体100の筐体内壁101と電池ユニット200との間に設置される。エンドプレート300は、筐体内壁101に向かう第1面301と第1壁2011に向かう第2面302とを有する。第1面301は、第1壁2011の中心領域に対応する第1領域3011と第1壁2011の縁部領域に対応する第2領域3012とを有する。第2面302の、電池ユニット200に密接する部分は平らな面である。第1領域3011と筐体内壁101との間に間隔dが設けられており、間隔d内に緩衝部303が設けられ、緩衝部303は、電池ユニット200が膨張するときに筐体内壁101に当接して変形することができ、第2領域3012と筐体内壁101とが当接する。
【0057】
例えば、
図2は、本出願に係る電池の一実施例による組み立て構造の拡大斜視図である(筐体の上筐体が取り外された状態のものを示す)。本出願、電池10は、筐体100と、電池ユニット200と、エンドプレート300とを備え、電池ユニット200およびエンドプレート300がいずれも筐体100内に設置され、エンドプレート300が電池ユニット200と筐体100の筐体内壁との間に設置される。
【0058】
いくつかの実施例において、エンドプレート300は実体を有する部品であり、通常、プラスチックまたは金属のものである。
【0059】
いくつかの実施例において、筐体100は上筐体(図示しない)と下筐体とを含む。下筐体は、4つの側壁101(
図2において3つだけ示されている)と1つの底壁(図示しない)を含む。4つの側壁101は、2つずつで対向して設けられ、平面視で矩形を呈するように垂直に底壁に設けられて底壁と合わせて上端が開放する下筐体を形成する。電池ユニット200およびエンドプレート300を収容するように、上筐体を該下筐体の上端の開口を覆うように密封して設けることにより筐体100を形成する。即ち、4つの側壁101は筐体100の一部の筐体内壁として形成される。また、
図2に示すように、電池ユニット200およびエンドプレート300が該筐体100内に取り付けられた状態で、エンドプレート300は、該エンドプレート300に最も近接する1つの側壁101(
図2における右下側)と電池ユニット200との間に位置する。説明の便宜のため、
図2における、エンドプレート300に最も近接する側壁101を「エンドプレート側の側壁101」とも呼ぶ。即ち、電池ユニット200およびエンドプレート300が該筐体100内に取り付けられた状態で、エンドプレート300が電池ユニット200と該エンドプレート側の側壁101との間に位置する。
図3では、エンドプレート300の構成を示すために該エンドプレート側の側壁101を省略して示している。また、
図2では、筐体100内の組み立て構造を示すために上筐体を省略して示している。
【0060】
図2~
図5に示すように、電池ユニット200は、第1方向Xに沿って積層した複数の電池セル201を含み、電池セル201が、第1方向Xにおいて対向して設けられた2つの第1壁2011と、第2方向Yにおいて対向して設けられた2つの第2壁2012とを有する。いくつかの実施例において、第2壁2012に電極端子Vが設置される。
図5は、本出願に係る電池セルの一実施例の斜視図であり、本出願のいくつかの実施例において、電池セル201が略直方体のものであり、第1壁2011が電池セル201における面積が最も大きい壁である。また、説明の便宜のため、ここで、電池セル201の長さをLとし、幅をWとし、厚さをHとし、即ち、第1方向Xが電池セル201の厚み方向であり、第2方向Yが電池セル201の長さ方向であり、第1方向Xと第2方向Yとが直交する方向である。また、説明の便宜のため、
図2における、エンドプレート300に最も近接する電池セル201を「エンドプレートに近接する電池セル201」とも呼ぶ。
【0061】
図2~
図8に示すように、エンドプレート300は、電池ユニット200とエンドプレート側の側壁101(筐体内壁)との間に取り付けられ、上記のエンドプレート側の側壁101に向かう第1面301と、電池セル201の第1壁2011側に向かう第2面302とを有する。また、
図2~
図8に示すように、エンドプレート300の第1面301は、筐体100内に取り付けられた状態で、電池セル201の第1壁2011の中心領域に対応する第1領域3011と、電池セル201の第1壁2011の縁部領域に対応する第2領域3012とを有する。
【0062】
図6は、電池セルの各領域を示す斜視図であり、ここで、電池セル201の第1壁2011の縁部領域は、第1壁2011において、第1壁2011の長さ方向における両側のエッジeに対する距離が所定長さnである範囲の領域を指している。また、
図6に示すように、電池セル201の第1壁2011の中心領域は、第1壁2011の、縁部領域以外の他の部分の領域を指している。
【0063】
また、
図2~
図8に示すように、第1領域3011の第1方向Xにおける長さが第2領域3012の第1方向Xにおける長さよりも小さく、即ち、エンドプレート300の厚さは、第1領域3011の厚さが第2領域3012の厚さよりも小さい。したがって、
図7および
図8に示すように、エンドプレート300が電池ユニット200とエンドプレート側の側壁101(筐体内壁)との間に取り付けられた状態で、エンドプレート300の第1領域3011と筐体100のエンドプレート側の側壁101(筐体内壁)との間には所定間隔dを有し、第2領域3012と第2面302との間のエンドプレート部分は実際にエンドプレート300の実体を有する部分であり、かつエンドプレート300は通常プラスチックまたは金属の物であるため、エンドプレート300の第2領域3012と筐体100のエンドプレート側の側壁101(筐体内壁)とは当接しており、したがって、電池セル端部の変位を制限することができる。
【0064】
また、
図7および
図8に示すように、エンドプレート300の第2面302は、平らな面であり、該第2面302に最も近接する電池セル201の第1壁2011と密接する。簡単に理解できるように、図面では、エンドプレート300の第2面302と、該第2面302に密接する電池セル201の第1壁2011との間に少しの隙間を有するものを示しているが、実際には、両者が緊密に接しており、図面では簡単に理解できるように隙間を示しただけである。
【0065】
図7および
図8に示すように、本出願のいくつかの実施例において、エンドプレート300の第1領域3011と筐体100のエンドプレート側の側壁101(筐体内壁)との間に(間隔d)内に緩衝部303が設けられ、緩衝部303は、電池ユニット200の膨張が発生するときに、上記のエンドプレート側の側壁101(筐体内壁)に当接して変形することができるように構成され、したがって、電池ユニット200の膨張を緩衝するための膨張空間を提供できる。
【0066】
本出願の上記の技術案において、電池の使用過程において、電池ユニット200の複数の電池セル201が第1方向Xに沿って積層するため、電池ユニット200の膨張が発生するとき、その膨張も第1方向Xに沿って膨張する。電池ユニット200の膨張は、エンドプレート300を押圧してエンドプレート300を壊すことがあり、ひいてはその押圧がエンドプレート300経由してエンドプレート側の側壁101(筐体内壁)に伝達されることにより筐体内壁が破損するおそれもある。これに対して、本出願において、エンドプレート300の第1領域3011と筐体100のエンドプレート側の側壁101(筐体内壁)との間に設けられた間隔d内に、圧力を受けて変形することができる緩衝部303が設けられたため、該緩衝部303自体の変形により電池ユニット200の第1方向Xにおける膨張に緩衝のための膨張空間を提供でき、エンドプレート300を、過剰に押圧されて変形すること、ひいてはその効果を失うことがないように保護でき、さらに、筐体内壁を、過剰に押圧されて損壊することがないように保護でき、電池の正常な組み立ておよび使用にとって有利であるとともに、電池の使用寿命を保証できる。
【0067】
また、電池ユニット200の膨張が発生するとき、通常、中心部分の膨張量が大きくて周辺部分の膨張量が小さいため、電池ユニット200の膨張によるエンドプレート300に対する押圧も、通常、エンドプレート300の中心部分に対する押圧力が大きくてエンドプレート300の周辺部分に対する押圧力は小さい。即ち、電池ユニット200の膨張が発生するとき、その面における膨張の分布が不均一であり、エンドプレート300全体が受けた膨張押圧も不均一である。したがって、このような膨張の不均一による、受ける力の不均一を考慮しなければ、緩衝部を設けても、エンドプレート、ひいては筐体内壁が壊されることがある。これに対して、本出願において、エンドプレート300の第1面301に、電池セル201の第1壁2011の中心領域に対応する第1領域3011と、電池セル201の第1壁2011の縁部領域に対応する第2領域3012とを設け、かつエンドプレート300の第1領域3011の厚さが第2領域3012の厚さよりも小さいようにし、即ち、エンドプレート300の第1領域3011と筐体100のエンドプレート側の側壁101(筐体内壁)との間に間隔dを設け、緩衝部303を該間隔d内に設けることにより、エンドプレート300における、緩衝部303が設けられた部分を電池ユニット200の膨張量の大きい中心部分に対応させることができ、エンドプレート300が受けた膨張押圧を均一にさせ、電池ユニット200の膨張の不均一に起因するエンドプレート300が受ける力の不均一がなく、エンドプレート300全体が受ける膨張による押圧を均一に保つことができ、電池ユニット200の実際の膨張の分布に基づいて緩衝でき、エンドプレート300の受ける局部応力が過大になることを抑えることができ、エンドプレート300を、過剰に押圧されて変形すること、ひいてはその効果を失うことがないようによりよく保護でき、さらに、筐体内壁を、過剰に押圧されて損壊することがないように保護でき、電池の正常な組み立ておよび使用にとって有利であるとともに、電池の使用寿命を保証できる。
【0068】
また、本出願において、エンドプレート300の第1面301は、電池セル201の第1壁2011の縁部領域に対応する第2領域3012も有し、第2領域3012は筐体100のエンドプレート側の側壁101(筐体内壁)と当接する。したがって、電池ユニット200の膨張が発生するとき、エンドプレート300の第1面301の第2領域3012は、第1領域3011のように緩衝部303を設けるのではなく、筐体100のエンドプレート側の側壁101(筐体内壁)と直接当接するため、電池ユニット200の端部の膨張を制限でき、隣接する2つの電池セル201同士の電気的な接続の確実性を保証できる。特に、
図4および
図5に示すように、電極端子Vが電池セル201の第2方向Yにおいて対向に設けられた2つの第2壁2012に設置され、即ち、電極端子Vが電池セル201の第2方向Yにおける両端に設置されるため、エンドプレート300に筐体100のエンドプレート側の側壁101(筐体内壁)と直接当接する第2領域3012を設けることによれば、電池ユニット200の端部の膨張を抑制でき、各電池セルの電気的な接続を確実に保証することができる。
【0069】
いくつかの実施例において、電池セル201の縁部領域は第1壁2011の10%~50%を占める。
【0070】
いくつかの実施例において、電池セル201の縁部領域は第1壁2011の20%~40%を占める。
【0071】
図6に示すように、電池セル201の第1壁2011の縁部領域は、第1壁2011において、第1壁2011の長さ方向における両側のエッジeに対する距離が所定長さnである範囲の領域を指している。したがって、電池セル201の縁部領域の上記の割合に基づいてエンドプレート300の第1面301に設けられる第1領域3011および第2領域3012を設定することによれば、電池ユニット200の膨張の不均一に、よりよく対処でき、電池ユニット200の実際の膨張分布に基づいてよりよく緩衝し、局部応力が過大になるのを抑えることができる。
【0072】
いくつかの実施例において、第1壁2011において、第2方向Yに沿って第2壁2012のエッジeから0%~25%の範囲が縁部領域である。
【0073】
いくつかの実施例において、本出願でいう縁部領域は、第1壁2011の長さ方向における両側のエッジeから、電池セル201の長さ方向、即ち第2方向Yに沿って電池セル201の長さLの0%~25%の範囲までの領域である。即ち、第1壁2011の長さ方向における両側のエッジeから0%~25%L(電池セル201の長さ)の範囲の領域は縁部領域である。つまり、所定長さnは電池セル201の長さLの0%~25%の長さである。
図6に示すように、電池セル201の第1壁2011の縁部領域が2つ有し、それぞれ第1壁2011の第2方向Yにおける両側に位置する。第1壁2011において、第2方向Yに沿って前記第2壁2012のエッジから0%~25%の範囲の領域が縁部領域であるため、上記の割合に基づいて縁部領域を設けることができ、電池ユニット200の膨張の不均一に、よりよく対処でき、電池ユニット200の実際の膨張分布に基づいてよりよく緩衝でき、局部応力が過大になるのを抑えることができる。
【0074】
本出願は、
図2および
図3に示すように、本出願のいくつかの実施例において、緩衝部303の少なくとも一部が第2方向Yに沿って延在する。
【0075】
緩衝部303の少なくとも一部が第2方向Yに沿って延在するため、エンドプレート300の受けた力の過剰な集中がなく、電池ユニット200の膨張力を分散させ、エンドプレート300の受けた力を緩和することができ、電池ユニット200の膨張に対してよりよく緩衝することができる。即ち、緩衝部303の少なくとも一部が第2方向Yに沿って延在するように設けることにより、エンドプレート300による、長さ方向において電池ユニット200の膨張による膨張力の分散に有利である。
【0076】
図7に示すように、本出願のいくつかの実施例において、緩衝部303の少なくとも一部が筐体内壁(エンドプレート側の側壁101)に向かって上へ傾斜して延在する。したがって、電池ユニット200に膨張が発生してエンドプレート220が押圧されたとき、緩衝部303が筐体内壁(エンドプレート側の側壁101)に向かって上へ傾斜して延在して傾斜角を有するため、緩衝部303が、電池ユニット200の膨張による押圧で筐体内壁に接触するとき、より容易に変形でき、電池ユニット200の膨張に膨張空間を適時に提供でき、緩衝により有利であり、電池ユニット200の膨張による膨張力をよりよく分散させることができる。ここで、「上へ傾斜して延在する」における「上へ」とは、電池10の底壁の配置位置に対していうものであり、具体的に、「上へ」とは、電池10が、電池を載置する電池載置面に配置されている場合、電池10の筐体100の底壁から上筐体への方向(例えば、
図2、
図7における上方)を指し、物理的意味上の鉛直に上へということではない。また、緩衝部303の上への傾斜角は、電池ユニット200の膨張が発生するときに該緩衝部303が変形して緩衝できれば、任意の角度であってもよく、本出願では、緩衝部303の上への傾斜角に対して特に限定しない。
【0077】
図2~
図7に示すように、本出願のいくつかの実施例において、緩衝部303は複数設けられ、複数の緩衝部303はエンドプレート300の高さ方向において間隔をあけて設けられる。したがって、エンドプレート300の高さ方向において緩衝部303を、間隔をあけて複数設けることにより、電池ユニット200の膨張力の均一な分散により有利であり、エンドプレート300の接触面が受ける力の均一性を向上させる。
図2~
図7に示すように、本出願のいくつかの実施例において、複数の緩衝部303は、マトリックス状に配列するように配置される。したがって、電池ユニット200の膨張力をより均一に分散させ、エンドプレート300の接触面が受ける力の均一性を向上させて、受けた力を均一にすることができ、電池をよりよく保護できる。
【0078】
本出願のいくつかの実施例において、第1領域3011は、エンドプレート300に設けられた凹部により形成される。したがって、エンドプレートの構成に対して大きな変更を行う必要がなく、エンドプレート300に凹部を設けることだけで第1領域3011を形成することができ、即ち、簡単な工程(例えばガウジング、金型成形など)でエンドプレート300が第1領域3011および第1領域よりも厚い第2領域3012を有するようにすることができ、加工を簡単にすることができる。
【0079】
本出願のいくつかの実施例において、緩衝部303とエンドプレート300とは一体の構造である。緩衝部303とエンドプレート300とを一体の構造にすることにより、簡単な工程(金型成形など)で第1領域3011および第1領域よりも厚い第2領域3012を有する緩衝構造を実現でき、加工を簡単にすることができる。
【0080】
また、本出願はこれに限定されなく、必要に応じて緩衝部303をエンドプレート300に対する別体の構造として構成してもよい。エンドプレート300と緩衝部303とを一体に形成する方法として、例えば射出成形、加圧鋳造成形または押出成形などを利用でき、本出願はこれに限定されない。緩衝部303は、例えばプラスチックまたは金属のような、エンドプレート300と同じ材料を使用してもよく、例えば弾性材料のような他の材料を使用してもよく、電池ユニット200の膨張が発生するときにエンドプレート側の側壁101(筐体内壁)に当接して変形して、電池ユニット200の膨張に緩衝のための膨張空間を提供できればよい。
【0081】
本出願のいくつかの実施例において、
図2~
図7に示すように、筐体100のエンドプレート側の側壁101(筐体内壁)は、エンドプレート300へ突出する第1係合部102を有し、エンドプレート300は第2係合部304を有し、第1係合部102が、第2係合部304と係合接続するように構成される。したがって、エンドプレート300の筐体100に対する位置決めをより精確にかつより素早く行うことができ、エンドプレート300の組み立てを容易にすることができる。
【0082】
本出願のいくつかの実施例において、
図9における(a)に示すように、電池セル201は電極アッセンブリーmを含み、電極アッセンブリーmが第1極板m1と、第2極板m2と、隔離部材m3とを含み、第1極板m1と第2極板m2とが互いに逆の極性を有し、隔離部材m3が、第1極板m1と第2極板m2とを隔てるように構成される。第1極板m1および第2極板m2が捲回軸線回りに捲回して捲回構造として形成され、捲回軸線が第1方向Xに垂直である。または、
図9における(b)に示すように、電極アッセンブリーm′は、複数の第1極板m1′と、複数の第2極板m2′と、隔離部材m3′とを含み、複数の第1極板m1′および複数の前記第2極板m2′が第1方向Xにおいて交互に積層する。または、
図9における(c)に示すように、電極アッセンブリーm″は、第1極板m1″と、複数の第2極板m2″と、隔離部材m3″とを含み、第1極板m1″が連続に折曲って複数の積層セグメントm11と複数の折り曲がりセグメントm12とを含み、複数の積層セグメントm11および複数の第2極板m2″が第1方向Xにおいて交互に積層し、各折り曲がりセグメントm12が、隣接する2つの積層セグメントm11をつなぐ部分である。
【0083】
したがって、電池セルがおもに第1方向に沿って膨張し、緩衝部が第1方向に沿って設けられるとともに電池ユニットと筐体内壁との間に位置し、エンドプレートの緩衝部により電池ユニットの膨張を吸収することにより有利である。
【0084】
また、本出願のいくつかの実施例において、第1壁2011は電池セル201の、面積の最も大きい壁である。したがって、電池ユニットの膨張力の均一な分散により有利であり、エンドプレートの接触面が受ける力の均一性を向上させて、受けた力を均一にすることができ、電池をよりよく保護できる。
【0085】
本出願の他の一実施例は電気装置を提供し、例えば、該電気装置は上記の電池10を使用する。該電気装置は車両、船舶または飛行装置などであり得るが、これだけに限定されない。本出願の実施例による電池は電池を使用する各種の装置に適用でき、例えば、携帯電話、ノートパソコン、電気自動車、電動自動車、船、航空機、電動玩具および電動工具などが挙げられ、例えば、航空機にはロケット、スペースシャトルおよび宇宙船などが含まれ、電動玩具には、固定式または移動式のものが含まれ、例えば、ゲーム機、電動自動車玩具、電動船玩具および電動飛行機玩具などが挙げられ、電動工具には金属切削電動工具、研磨電動工具、組立用電動工具および鉄道用電動工具が含まれ、例えば、電動ドリル、電動グラインダー、電動レンチ、電動ドライバー、電動ハンマー、コンクリートバイブレーターおよび電動カンナが挙げられる。本出願の実施例による電池10は、上記の電気装置だけではなく、電池10を使用するすべての装置に適用できる。
【0086】
図10に示すように、本出願の他の一局面は電池を製造する方法を提供し、例えば、上記の電池10を製造する方法を提供する。該方法は下記のステップS1~S4を含む。
【0087】
S1:筐体100を提供する。
【0088】
S2:電池ユニット200を提供し、該電池ユニット200が第1方向Xに沿って積層した複数の電池セル201を含み、該電池セル201が第1方向Xにおいて対向して設けられた2つの第1壁2011と、第2方向Yにおいて対向して設けられた2つの第2壁2012とを含み、第2壁2012には電極端子Vが設置され、第1方向Xと第2方向Yとは直交する方向である。
【0089】
S3:エンドプレート300を提供し、エンドプレート300が、筐体200のエンドプレート側の側壁101(筐体内壁)に向かう第1面301と、第1壁2011に向かう第2面302とを有し、第1面301が、第1壁2011の中心領域に対応する第1領域3011と、第1壁2011の縁部領域に対応する第2領域3012とを有し、第2面302が平らな面である。
【0090】
S4:電池ユニット200およびエンドプレート300を筐体100内に取り付け、エンドプレート300をエンドプレート側の側壁101(筐体内壁)と電池ユニット200との間に位置させ、第2領域3012をエンドプレート側の側壁101(筐体内壁)に当接させ、第1領域3011とエンドプレート側の側壁101(筐体内壁)との間に間隔dが設けられ、間隔d内に緩衝部303が設けられ、緩衝部303は、電池ユニット200が膨張するときにエンドプレート側の側壁101(筐体内壁)に当接して変形することができる。
【0091】
なお、本出願に係る電池を製造する方法は、上記のS1、S2、S3、S4の順に限定されなく、例えば、S1、S3、S2、S4の順、またはS2、S1、S3、S4の順、またはS2、S3、S1、S4の順、またはS3、S1、S2、S4の順、またはS3、S2、S1、S4の順で実行してもよい。
【0092】
本出願の他の一局面は、電池を製造する製造設備を提供し、例えば、上記の電池10を製造する設備を提供する。該製造設備は、以下の装置を含む。
【0093】
第1提供装置、これは筐体100を提供するように構成される。
【0094】
第2提供装置、これは電池ユニット200を提供するように構成され、該電池ユニット200は第1方向Xに沿って積層した複数の電池セル201を含み、該電池セル201は第1方向Xにおいて対向して設けられた2つの第1壁2011と、第2方向Yにおいて対向して設けられた2つの第2壁2012とを含み、第2壁2012には電極端子Vが設置され、第1方向Xと第2方向Yとは直交する方向である。
【0095】
第3提供装置、これはエンドプレート300を提供するように構成され、エンドプレート300は、筐体200のエンドプレート側の側壁101(筐体内壁)に向かう第1面301と、第1壁2011に向かう第2面302とを有し、第1面301は、第1壁2011の中心領域に対応する第1領域3011と、第1壁2011の縁部領域に対応する第2領域3012とを有し、第2面302は平らな面である。
【0096】
組立装置、これは電池ユニット200およびエンドプレート300を筐体100内に取り付けるように構成され、エンドプレート300をエンドプレート側の側壁101(筐体内壁)と電池ユニット200との間に位置させ、第2領域3012をエンドプレート側の側壁101(筐体内壁)に当接させ、第1領域3011とエンドプレート側の側壁101(筐体内壁)との間に間隔dが設けられ、間隔d内に緩衝部303が設けられ、緩衝部303が、電池ユニット200が膨張するときにエンドプレート側の側壁101(筐体内壁)に当接して変形することができる。
【0097】
なお、矛盾がない限り、本出願の実施例における特徴を互いに組み合わせることができる。
【0098】
上記は、本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を限定するものではない。当業者にとって、本出願はさまざまな変更および変化を有し得る。本出願の精神および主旨から逸脱しない限り、行われるすべての変更、均等置換、改良などは、いずれも本出願の保護範囲内に含まれる。
【国際調査報告】