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特表2024-503778シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマー、並びにその調製及びパーソナルケア組成物における使用のための方法。
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-29
(54)【発明の名称】シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマー、並びにその調製及びパーソナルケア組成物における使用のための方法。
(51)【国際特許分類】
   C08F 230/08 20060101AFI20240122BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20240122BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
C08F230/08
A61K8/81
A61Q1/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023526344
(86)(22)【出願日】2021-10-05
(85)【翻訳文提出日】2023-06-19
(86)【国際出願番号】 US2021053523
(87)【国際公開番号】W WO2022093497
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】63/106,506
(32)【優先日】2020-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(71)【出願人】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】ラン、ティアン
(72)【発明者】
【氏名】イン、リーゲン
(72)【発明者】
【氏名】バイ、ルー
(72)【発明者】
【氏名】ツォン、ファンウェン
(72)【発明者】
【氏名】ケーニッヒ、ジェニファー
(72)【発明者】
【氏名】トス、ロザリンド
(72)【発明者】
【氏名】ジン、メン
(72)【発明者】
【氏名】パホルスキ、マイケリーン エル.
(72)【発明者】
【氏名】リュー、ナングオ
【テーマコード(参考)】
4C083
4J100
【Fターム(参考)】
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB332
4C083AC012
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC422
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD162
4C083CC12
4C083DD22
4C083EE07
4J100AL03Q
4J100AL08P
4J100AL08R
4J100BA81P
4J100BC08Q
4J100CA05
4J100CA06
4J100DA25
4J100JA61
(57)【要約】
シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマー、並びにコポリマーの調製及び使用のための方法が提供される。コポリマーは、周囲条件下でエタノールに可溶性である。コポリマー又はその均質なエタノール溶液は、ファンデーションなどのパーソナルケア組成物中のフィルム形成剤として使用され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノマーの混合物を共重合することによって得られるコポリマーであって、前記モノマーの混合物が、
i)前記モノマーの合計重量に基づいて、15重量%~45重量%の、式
【化1】

のアクリレートモノマーと、
ii)前記モノマーの合計重量に基づいて、15重量%~40重量%の、式
【化2】

の(メタ)アクリレートモノマーと、
iii)前記モノマーの合計重量に基づいて、20重量%~60重量%の、式XSi(Rのオルガノシロキサン-(メタ)アクリレートマクロモノマーと、を含み、式中、
が、水素及びメチルからなる群から選択され、
が、1~4個の炭素原子の一価の炭化水素基であり、
が、8~13個の炭素原子の一価の炭化水素基であり、
各Xが、(メタ)アクリルオキシアルキル基であり、
各Rが、-OSi(R及びRから選択され、ただし、Rのうちの少なくとも2つが、-OSi(Rであり、各Rが、一価の炭化水素基であり、各Rが、R、-DSi(R、及び-[OSiROSiRから選択され、各Rが、R、-DSi(R、及び-[OSiROSiRから選択され、各Rが、R、-DSi(R、及び-[OSiROSiRから選択され、各Rが、R、及び-[OSiROSiRから選択され、各Dが、酸素、及び二価の炭化水素基から選択され、0≦m≦100である、コポリマー。
【請求項2】
前記モノマーの混合物が、iv)前記モノマーの合計重量に基づいて、>0~20重量%の式
【化3】

のイタコン酸エステルモノマーを更に含み、式中、各Rが、独立して選択された1~8個の炭素原子のアルキル基である、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項3】
iv)前記イタコン酸エステルモノマーが、ジブチルイタコネートを含む、請求項2に記載のコポリマー。
【請求項4】
i)前記アクリレートモノマーについての前記式中、Rが、2又は3個の炭素原子のアルキル基である、請求項1~3のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項5】
i)前記アクリレートモノマーが、エチルアクリレートを含む、請求項4に記載のコポリマー。
【請求項6】
ii)前記(メタ)アクリレートモノマーについての前記式中、Rが、メチルであり、Rが、10~12個の炭素原子のアルキル基又は10~12個の炭素原子のシクロアルキル基である、請求項1~5のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項7】
ii)前記(メタ)アクリレートモノマーが、ラウリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項6に記載のコポリマー。
【請求項8】
iii)前記マクロモノマーが、
式:
【化4】

を有し、式中、R、R、R、R、及びDが、上記の通りである、請求項1~7のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項9】
iii)前記マクロモノマーが、
3-(5-((1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)オキシ)-1,1,1,3,7,9,9,9-オクタメチル-3,7-ビス((トリメチルシリル)オキシ)ペンタシロキサン-5-イル)プロピルメタクリレート、
3-(1,5-ビス(2-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)エチル)-3-(((2-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)エチル)ジメチルシリル)オキシ)-1,1,5,5-テトラメチルトリシロキサン-3-イル)プロピルメタクリレート、
及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項8に記載のコポリマー。
【請求項10】
前記モノマーの混合物が、v)>0~10重量%の式
【化5】

の小さい(メタ)アクリレートモノマーを更に含み、式中、Rが、上記の通りである、請求項1~9のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項11】
組成物であって、請求項1~10のいずれか一項に記載のコポリマーと、エタノールと、を含み、前記コポリマーが、前記エタノールに可溶性であり、前記組成物が、均質な溶液である、組成物。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか一項に記載のコポリマーを調製するための方法であって、
1)ラジカル開始剤と、任意選択的に溶媒と、の存在下で、前記モノマーの混合物を共重合し、それによって、反応混合物を形成することと、
2)前記反応混合物を、クエンチすることと、を含む、方法。
【請求項13】
3)前記コポリマーを精製すること、任意選択的に4)前記コポリマーをエタノールに溶解すること、及び/又は任意選択的に5)溶媒交換を実行し、それによって、前記コポリマーを、イソプロピルアルコール、アセトン、カプリリック/カプリックトリグリセリド、イソドデカン、9~11個の炭素原子のアルカン、環状ポリジオルガノシロキサン、1.5cSt~6.0cStとしての25℃での粘度を有するポリジメチルシロキサンなどの直鎖状ポリジオルガノシロキサン、又はこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される担体に溶解することを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
パーソナルケア組成物を調製するための方法であって、請求項12に記載のコポリマーを、前記パーソナルケア組成物に添加することを含む、方法。
【請求項15】
前記組成物が、ファンデーションである、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下、2020年10月28日に出願された米国仮特許出願第63/106506号の利益を主張するものである。米国仮特許出願第63/106506号は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマー(コポリマー)、並びにコポリマーの調製及び使用のための方法に関する。より具体的には、コポリマーは、フリーラジカル重合法によって調製され得る。コポリマーは、皮膚への塗布に好適なパーソナルケア組成物に添加され得る。コポリマーは、パーソナルケア組成物において、フィルム形成剤として有用であり得る。
【0003】
序論
フィルム形成剤は、重要な化粧用原料成分であり、より多くの場合、パーソナルケア組成物、例えば、皮膚ケア、日焼け止め剤、及びカラー化粧製品などの皮膚に塗布されるリーブオン製品において広く使用されている。Dow Silicones Corporation(Midland、Michigan、USA)によって提供されるDOWSIL(商標)FA40xxシリーズ(ここで、xx=01~04、及び12)は、このような製品においてフィルム形成剤として使用されている。しかしながら、化粧品業界では、耐水性、耐皮脂性、耐摩擦性、及び好ましい官能特性のうちの1つ以上の特性を有する持続可能なかつ/又は天然由来の成分が引き続き必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマー、並びにその調製及びパーソナルケア組成物における使用のための方法が提供される。このコポリマーは、i)アクリレートモノマーと、ii)(メタ)アクリレートモノマーと、iii)オルガノシロキサン-(メタ)アクリレートマクロモノマーと、を含む、モノマーの混合物を共重合することによって、得られ得る。コポリマーは、パーソナルケア組成物において使用され得る。
【発明を実施するための形態】
【0005】
コポリマーは、上記のモノマーの混合物を共重合することを含む方法によって得られ得る。より具体的には、モノマーの混合物は、
モノマーの合計重量に基づいて、15重量%~45重量%の、i)式
【0006】
【化1】

のアクリレートモノマーであって、式中、Rが、1~4個の炭素原子の一価の炭化水素基である、アクリレートモノマーと、
モノマーの合計重量に基づいて、15重量%~40重量%の、ii)式
【0007】
【化2】

の(メタ)アクリレートモノマーであって、式中、Rが、水素及びメチルからなる群から選択され、Rが、8~13個の炭素原子の一価の炭化水素基である、(メタ)アクリレートモノマーと、モノマーの合計重量に基づいて、20重量%~60重量%の、iii)式XSi(Rのオルガノシロキサン-(メタ)アクリレートマクロモノマーであって、式中、各Xが、(メタ)アクリルオキシアルキル基であり、各Rが、-OSi(R及びRから選択され、ただし、Rのうちの少なくとも2つが、-OSi(Rであり、各Rが、一価の炭化水素基であり、各Rが、R、-DSi(R、及び-[OSiROSiRから選択され、各Rが、R、-DSi(R、及び-[OSiR2]OSiRから選択され、各Rが、R、-DSi(R、及び-[OSiR2]OSiRから選択され、各Rが、R、及び-[OSiROSiRから選択され、各Dが、酸素、及び二価の炭化水素基から選択され、0≦m≦100である、オルガノシロキサン-(メタ)アクリレートマクロモノマーと、を含む。代替的に、モノマーの混合物は、上記の量のi)アクリレートモノマー、ii)(メタ)アクリレートモノマー、及びiii)オルガノシロキサン-(メタ)アクリレートマクロモノマーから本質的になり得る。代替的に、モノマーの混合物は、上記の量のi)アクリレートモノマー、ii)(メタ)アクリレートモノマー、及びiii)オルガノシロキサン-(メタ)アクリレートマクロモノマーからなり得る。代替的に、モノマーの混合物は、iv)最大で20%のイタコン酸エステルモノマー、v)最大で10%の小さいメタクリレートモノマー、又はvi)iv)及びv)の両方を更に含み得る。モノマー混合物中のモノマーの合計重量パーセントは、合計100%である。
【0008】
i)アクリレートモノマー
出発物質i)は、式:
【0009】
【化3】

のアクリレートモノマーであり、式中、Rは、1~4個の炭素原子の一価の炭化水素基である。Rに好適なアルキル基としては、メチル、エチル、(イソプロピル及びn-プロピルを含む)プロピル、及び(n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、及びsec-ブチルを含む)ブチルなどのアルキル基が挙げられる。代替的に、Rは、2又は3個の炭素原子のアルキル基であり得る。
【0010】
好適なi)アクリレートモノマーの例は、当該技術分野において既知であり、市販されている。例えば、i)アクリレートモノマーは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、及びこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択され得る。代替的に、i)アクリレートモノマーは、エチルアクリレートを含み得る。アクリレートモノマーは、Sigma-Aldrich,Inc.(St.Louis、Missouri、USA)(Sigma)、及びThe Dow Chemical Company(Midland、Michigan、USA)(Dow)などの様々な供給元から市販されている。
【0011】
i)アクリレートモノマーは、モノマーの合計重量、すなわち、モノマーの混合物中で使用される全てのモノマーの合計重量に基づいて、15重量%~45重量%の量で使用される。代替的に、i)アクリレートモノマーは、モノマーの混合物の少なくとも15%、代替的に少なくとも18%、代替的に少なくとも20%、代替的に少なくとも25%、及び代替的に少なくとも27%の量で使用され得る。同時に、i)アクリレートモノマーは、モノマーの混合物の最大で40%、代替的に最大で33%、代替的に最大で32%、代替的に最大で30%、及び代替的に最大で27%の量で使用され得る。
【0012】
ii)(メタ)アクリレートモノマー
出発物質ii)は、式
【0013】
【化4】

の(メタ)アクリレートモノマーであり、式中、Rは、水素及びメチルからなる群から選択され、Rは、8~13個の炭素原子の一価の炭化水素基である。代替的に、Rは、メチルであり得る。Rに好適な一価の炭化水素基としては、直鎖状、分岐状、環状、又はこれらの組み合わせであり得るアルキル基が挙げられる。Rのアルキル基の例としては、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル(ラウリル)、トリデシル、及び/又はそれらの分岐状異性体が挙げられる。代替的に、アルキル基は、イソボルニル基などの環状部分を含み得る。代替的に、Rは、10~12個の炭素原子のアルキル基又は10~12個の炭素原子のシクロアルキル基であり得る。代替的に、ii)(メタ)アクリレートモノマーは、トリデシルアクリレート、トリデシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。代替的に、ii)(メタ)アクリレートモノマーは、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。代替的に、ii)(メタ)アクリレートモノマーは、ラウリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。上記の(メタ)アクリレートモノマーは、Fujifilm WAKO Chemicals、Sigma、及びDowなどの様々な供給元から市販されている。
【0014】
ii)(メタ)アクリレートモノマーは、モノマーの合計重量に基づいて、15重量%~40重量%の量で使用される。代替的に、ii)アクリレートモノマーは、モノマーの合計重量に基づいて、少なくとも15%、代替的に少なくとも18%、代替的に少なくとも20%、及び代替的に少なくとも28%の量で使用され得る。同時に、(メタ)アクリレートモノマーは、同じ基準で、最大で40%、代替的に最大で35%、代替的に最大で30%、及び代替的に最大で28%の量で使用され得る。
【0015】
iii)オルガノシロキサン-(メタ)アクリレートマクロモノマー
出発材料iii)は、式XSi(Rのオルガノシロキサン-(メタ)アクリレートマクロモノマー(マクロモノマー)であり、式中、Xは、(メタ)アクリルオキシアルキル基であり、各Rは、-OSi(R及びRから選択され、ただし、Rのうちの少なくとも2つは、-OSi(Rであり、各Rは、一価の炭化水素基であり、各Rは、R、-DSi(R、及び-[OSiROSiRから選択され、各Rは、R、-DSi(R、及び-[OSiROSiRから選択され、各Rは、R、-DSi(R、及び-[OSiROSiRから選択され、各Rは、R、及び-[OSiROSiRから選択され、各Dは、酸素、及び二価の炭化水素基から選択され、0≦m≦100である。Xの(メタ)アクリルオキシアルキル基の例としては、アクリルオキシメチル、3-アクリルオキシプロピル、メタクリルオキシメチル、3-メタクリルオキシプロピルが挙げられる。代替的に、Xは、3-メタクリルオキシプロピルであり得る。各Rは、独立して、Rについて上記のようなかつ上に例示されるようなアルキル基であり得る。代替的に、各Rは、メチルであり得る。各Dは、独立して、酸素原子又は二価の炭化水素基から選択される。Dの二価の炭化水素基は、2~10個の炭素原子のアルキレン基であり得る。例としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、及びヘキシレン基などの直鎖状アルキレン基、メチルメチレン基、メチルエチレン基、1-メチルフェニル基、及び1,4-ジメチルブチレン基などの分岐状アルキレン基が挙げられる。代替的に、二価の炭化水素基は、エチレンであり得る。代替的に、iii)マクロモノマーは、1分子当たり4~16個のケイ素原子を有し得る。
【0016】
代替的に、iii)マクロモノマーは、式:
【0017】
【化5】

を有し得、式中、R、R、R、R、及びDは、上記の通りである。代替的に、マクロモノマーは、
3-(5-((1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)オキシ)-1,1,1,3,7,9,9,9-オクタメチル-3,7-ビス((トリメチルシリル)オキシ)ペンタシロキサン-5-イル)プロピルメタクリレート、3-(1,5-ビス(2-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)エチル)-3-(((2-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)エチル)ジメチルシリル)オキシ)-1,1,5,5-テトラメチルトリシロキサン-3-イル)プロピルメタクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。好適なマクロモノマーは当該技術分野で既知であり、Furukawaらの日本国特許出願公開第11001530A号、Yoshitakeらの米国特許第6,420,504号、及びLiuらのPCT公開第2020/142388号において開示されているものなどの既知の方法によって調製され得る。
【0018】
iii)マクロモノマーは、モノマーの合計重量に基づいて、20重量%~60重量%の量で使用される。代替的に、iii)マクロモノマーの量は、モノマーの合計重量に基づいて、少なくとも20%、代替的に少なくとも25%、代替的に少なくとも30%、及び代替的に少なくとも35%であり得る。同時に、iii)マクロモノマーの量は、同じ基準で、最大で60%、代替的に最大で50%、代替的に最大で45%、代替的に最大で42%、代替的に最大で40%、及び代替的に最大で35%であり得る。
【0019】
iv)イタコン酸エステルモノマー
出発材料iv)は、コポリマーを調製するために使用されるモノマーの混合物に任意選択的に添加され得るイタコン酸エステルモノマーである。iv)イタコン酸エステルモノマーは、式
【0020】
【化6】

を有し、式中、各Rは、独立して選択される1~8個の炭素原子のアルキル基である。アルキル基は、メチル、エチル、(イソプロピル及びn-プロピルを含む)プロピル、(n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、及びsec-ブチルを含む)ブチル、並びに直鎖状ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、及びオクチル基(並びに5~8個の炭素原子の分岐状アルキル基)、並びにシクロペンチル、シクロヘキシル、及び/又はシクロオクチルなどの直鎖状、分岐状、及び/又は環状のアルキル基によって例示される。代替的に、各Rは、メチル、エチル、プロピル、又はブチルであり得る。代替的に、各Rは、メチル又はブチルであり得る。好適なiv)イタコン酸エステルモノマーの例としては、ジメチルイタコネート、及びジブチルイタコネートが挙げられる。イタコン酸エステルモノマーは、当該技術分野において既知であり、例えば、Sigmaから市販されている。
【0021】
iv)イタコン酸エステルモノマーは、モノマーの合計重量に基づいて、最大で20重量%、代替的に>0~20重量%の量で使用され得る。存在する場合、iv)イタコン酸エステルモノマーは、モノマーの合計重量に基づいて、>0%、代替的に少なくとも5%、代替的に少なくとも7%、及び代替的に少なくとも10%の量で存在し得る。同時に、iv)イタコン酸エステルモノマーは、同じ基準で、最大で20%、代替的に最大で17%、及び代替的に最大で15%の量で存在し得る。
【0022】
v)小さいメタクリレートモノマー
出発物質v)は、上記のi)及びii)とは異なる追加のメタクリレートモノマーであり、上記のコポリマーを調製するために使用されるモノマーの混合物に任意選択的に添加され得る。v)追加のメタクリレートモノマーは、式
【0023】
【化7】

を有し、式中、Rは、上記の通りである。好適なv)追加のメタクリレートモノマーの例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、又はこれらの2つ以上の組み合わせが挙げられる。v)小さいメタクリレートモノマーは、Sigma及びDowなどの様々な供給元から市販されている。
【0024】
存在する場合、v)追加のメタクリレートモノマーは、モノマーの合計重量に基づいて、>0%、代替的に少なくとも1%、代替的に少なくとも2%、代替的に少なくとも3%、代替的に少なくとも4%、及び代替的に少なくとも5%の量で存在し得る。同時に、v)追加のメタクリレートモノマーは、同じ基準で、最大で10%、代替的に最大で9%、代替的に最大で8%、代替的に最大で7%、及び代替的に最大で6%の量で存在し得る。v)追加のメタクリレートモノマーが存在する場合、i)アクリレートモノマーの量は、上記の範囲の下端に向かって、例えば、15%~<30%であり得る。
【0025】
コポリマーを調製するための方法
コポリマーは、1)ラジカル開始剤、及び任意選択的に溶媒の存在下で、モノマーの混合物を共重合し、それによって反応混合物を形成することと、2)反応混合物をクエンチすることと、を含む方法によって調製され得る。本方法は、任意選択的に、3)コポリマーを精製すること、及び/又は4)コポリマーをエタノールなどの単純アルコールに溶解することを更に含み得る。
【0026】
工程1)において、モノマーの混合物は、混合及び加熱によって共重合されて、反応混合物を形成し得る。共重合は、ラジカル重合によって実施され得、ラジカル開始剤は、工程1)においてモノマーの混合物と組み合わされ得る。
【0027】
ラジカル開始剤は、例えば、アゾビス系化合物、有機パーオキサイド、及びこれらの組み合わせであり得る。ラジカル開始剤は、例えば、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)2,2’-アゾビス(2-メチル)ブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル-2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、及びこれらの2つ以上の組み合わせなどのアゾビス系化合物を含み得る。代替的に、ラジカル開始剤は、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert-ブチルパーオキシベンゾエート、tert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、tert-アミルパーオキシピバレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、イソプロピルクミルハイドロパーオキサイド、ジ-tert-ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルパーカーボネート、tert-ブチルパーベンゾエート、tert-ブチルパーオクタノエート、ビス(3,5,5-トリメチル)ヘキサノイルパールオキサイド、tert-ブチルパーオキシピバレート、及びこれらの2つ以上の組み合わせなどの有機パーオキサイドを含み得る。ラジカル開始剤は、当該技術分野において既知であり、市販されている。例えば、パーオキシジカーボネート、ジアシルパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、及パーオキシエーテルなどの有機パーオキシドは、Arkema Inc.(King of Prussia、Pennsylvania、USA)から商品名LUPEROX(商標)で入手可能である。ラジカル開始剤の量は、工程1)において使用されるモノマーの混合物の100重量部当たり0.1重量部~5重量部であり得る。
【0028】
共重合は、溶液重合であり得、工程1)において溶媒が添加され得る。出発物質(例えば、ラジカル開始剤及び/又はiii)マクロモノマー)のうちの1つ以上は、溶媒中で供給され得る。例えば、ラジカル開始剤は、ミネラルスピリット中で供給され得る。溶液重合のための溶媒は、出発物質の供給のための溶媒に加えられ得るか、又はその代わりであり得る。工程1)における溶媒は、式ROHの単純アルコールを含み得、式中、Rは、上記の通りである。単純アルコールは、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、t-ブタノール、又はこれらの組み合わせによって例示される。単純アルコールは、エタノールを含み得る。代替的に、単純アルコールは、エタノール、イソプロパノール、又はこれらの組み合わせから選択され得る。
【0029】
工程1)は、例えば、>30℃、代替的に50℃~150℃の温度で、3時間~20時間にわたって、バッチ、セミバッチ、又は連続モードにおいて実施され得る。セミバッチモードでは、試薬の画分が反応器に投与され得(例えば、ラジカル開始剤、モノマーの混合物、並びに/又はラジカル開始剤及びモノマーの混合物が供給される溶媒)、残りの試薬は、目標とする供給時間、典型的には1時間~20時間にわたって反応器に計量供給される。連続モードでは、試薬は、反応器に連続的に計量供給され、コポリマーを含む反応混合物は、反応器から連続的に取り出される。工程1)において使用される出発原料は、酸を含み得ない。
【0030】
工程2)では、クエンチは、反応混合物を25±5℃にクエンチすることによって実施され得る。
【0031】
本方法は、任意選択的に、工程3)コポリマーの精製を更に含み得る。精製は、任意の好都合な手段によって行われ得る。例えば、1つ以上の任意の未反応モノマーが存在する場合、及び/又は溶媒が使用される場合、これらは、例えば、加熱によって、任意選択的に減圧を用いて除去され得る。例えば、ストリッピング及び/又は蒸留を使用して、コポリマーを精製し得る。代替的に、未反応モノマーは、追加のラジカル開始剤が添加されて、未反応モノマーを消費し、そのレベルを、未反応モノマーが除去される必要がない十分に低いレベル(例えば、<500ppm)に低下させる化学的チェイスによって低減され得る。
【0032】
本方法は、任意選択的に、工程4)エタノールを含む単純アルコールを用いるコポリマーの希釈を更に含み得る。理論に拘束されることを望むものではないが、コポリマーのパーソナルケア組成物へのブレンドの容易性及び/又は得られるパーソナルケア組成物の安定性のために、エタノール中のコポリマーの均質溶液が望ましい場合があると考えられる。均質な溶液は、10重量%~90重量%のエタノール、及び10重量%~90重量%のコポリマー(代替的に、40%~60%のコポリマーと、残りは、エタノールである)を含み得る。例えば、皮膚への塗布に好適な化粧品などのパーソナルケア組成物(例えば、ファンデーション)は、本明細書に記載されるコポリマーを含んで配合され得る。理論に拘束されることを望むものではないが、油(シリコーン油など)は、本明細書に記載されるコポリマーの供給に必要ではないと考えられる。更に、室温(25±5℃)で少なくとも6ヶ月間安定である(相分離しない)、エタノールに溶解したコポリマーの均質溶液が提供され得るので、本明細書に記載されるコポリマーは、先に提案されたシリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーよりも改善された安定性を提供し得ると考えられる。
【0033】
代替的に、本方法は、工程3)の後又は工程4)の後に溶媒交換工程5)を更に含み得る。コポリマーのための異なる担体が所望される場合、上記の単純アルコールは、除去され得、異なる担体で置換され得る。14.0~28.0MPa1/2の溶解度パラメータを有する任意の所望の担体が使用され得、溶解度パラメータは、Brandrup,J.;Immergut,E.H.;Grulke,E.A.”Polymer Handbook”,4th edition,page VII/675-714,John Wiley & Sons Inc,1999.ISBN:0-471-16628-6において記載されている通りである。代替的に、担体は、イソプロピルアルコール、n-プロパノール、tert-ブタノール、及びsec-ブタノールなどの一価アルコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、ジブチレングリコール、ペンチルグリコール、ヘキシレングリコール、及びオクチレングリコールなどの二価アルコール、トリメチロールプロパン、及び1,2,6-ヘキサントリオールなどの三価アルコール、ペンタエリスリトール、及びキシリトールなどの四価以上のアルコールを含む多価アルコール、ソルビトールなどの糖アルコールを含む代替アルコール、アセトン及びメチルエチルケトンを含むケトン、イソプロピルミリステート及びイソプロピルパルミテートを含む脂肪族エステル、ヒマワリ種子油、カプリリック/カプリックトリグリセリド、ヤシ油、ヒマシ油、アルガン油、及びホホバ油を含む天然油、イソドデカン、イソヘキサデカン、パラフィン、イソパラフィン、スクアラン、及びスクアレン、及び9~11の炭素原子のアルカンを含む炭化水素油、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)及び直鎖状低粘度ポリジメチルシロキサン(PDMS)などのシロキサン若しくはシリコーンオイル、グリセリン、又はこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択され得る。
【0034】
コポリマー
本明細書に記載されるように調製されたコポリマーは、2~100kg/mol、代替的に5~50kg/mol、代替的に10.1~10.9kg/molの数平均分子量(Mn)を有し得る。コポリマーは、5~1000kg/mol、代替的に20~200kg/mol、及び代替的に23.0~29.0kg/molの重量平均分子量(Mw)を有し得る。コポリマーは、2~10、代替的に2~5、及び代替的に2.25~2.89の多分散度を有し得る。Mn及びMwは、ポリスチレン標準物に対する移動相として、1重量%のギ酸を含有したテトラヒドロフランを用いたゲル浸透クロマトグラフィによって測定され得、多分散度は、上記のように測定されるMn及びMwから計算され得る。
【0035】
本明細書に記載されるように調製されたシリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーは、最大で60%の炭素原子で構成されたコポリマー骨格を有し得る。代替的に、コポリマーが溶液で供給される場合、溶液は、溶液の重量に基づいて最大で84%の炭素含有量を有し得る。コポリマーの炭素含有量及びその溶液は、化石燃料又は天然ガス以外の再生可能な資源由来であることが望ましい。皮膚への塗布のためのパーソナルケア組成物中で使用される場合、本明細書に記載されるコポリマーは、以下の実施例に記載されるように、良好な(水接触角によって示されるような)耐水性、良好な耐皮脂性、及び/又は良好な耐摩擦性の利益を提供し得る。
【0036】
パーソナルケア組成物
本明細書に記載されるように調製されたコポリマーは、パーソナルケア組成物に添加され得る。例えば、上記のコポリマーは、パーソナルケア組成物中のフィルム形成剤として作用し得る。パーソナルケア組成物は、特に制限されないが、パーソナルケア組成物は、皮膚ケア、日焼け止め剤、及びカラー化粧製品(例えば、ファンデーション)などの、皮膚への塗布に好適なリーブオン製品であり得る。上記のように調製されたコポリマー又はコポリマーの溶液は、混合などの任意の好都合な手段によってパーソナルケア組成物に添加され得る。パーソナルケア組成物は、上記のコポリマーを、パーソナルケア組成物の(コポリマーの供給のための担体を除く)全構成成分の重量に基づいて、例えば、少なくとも1%、代替的に少なくとも2%、代替的に少なくとも5%、代替的に少なくとも10%、代替的に少なくとも20%、及び代替的に少なくとも30%の任意の量で含み得る。同時に、パーソナルケア組成物は、上記のコポリマーを、パーソナルケア組成物の(コポリマーの供給のための担体を除く)全構成成分の重量に基づいて、最大で99%、代替的に最大で90%、代替的に最大で80%、代替的に最大で70%、代替的に最大で50%、代替的に最大で10%、代替的に最大で8%、及び代替的に最大で6%の量で含み得る。使用されるコポリマーの正確な量は、配合されるパーソナルケア組成物の種類などの様々な要因に依存する。代替的に、パーソナルケア組成物は、コポリマーを、パーソナルケア組成物の(コポリマーの供給のための担体を除く)全構成成分の重量に基づいて、1重量%~99重量%、代替的に5重量%~95重量%、代替的に1重量%~10重量%、代替的に2重量%~8重量%、及び代替的に4重量%~6重量%の量で含有し得る。上記のように調製されたコポリマーは、Moritaらの米国特許第6,280,748号、Furukawaらの米国特許第7,488,492号、Furukawaらの米国特許第9,670,301号、Iimuraらの米国特許第10,047,199号、Horiらの米国特許第10,172,779号、及びSoudaらの米国特許出願公開第2020/0222300号に開示されているものなどの、当該技術分野で既知のパーソナルケア組成物中の異なるコポリマーの代わりに使用され得る。
【実施例
【0037】
以下の実施例は、当業者に本発明を例解するために提供されるものであり、請求項に記載の本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。これらの実施例で使用した出発物質を表1に記載する。
【0038】
【表1】
【0039】
この参考例1では、コポリマーの試料を以下の一般的手順に従って調製した。300mLの直壁ガラス樹脂反応器に、4ピッチのステンレススチールプロペラ、水冷却管、及び熱電対を装備し、HEL Group(www.helgroup.com)によって設計された4ウェルの温度制御ブロック(PolyBLOCK、Parallel Synthesis)に収容した。プロペラをオーバーヘッド機械的撹拌機によって駆動し、熱電対をJ-KEM温度制御器に接続し、入力をPolyBLOCKユニットに提供して、所望の温度を得た。フラスコに最初に50.0gのエタノール(SDA 3-Cグレード、200プルーフのエタノールとイソプロパノールとの体積比95.24:4.76の混合物)を充填し、温度を78℃に上昇させた。Nブランケットを適用して、巻き込み同伴空気を除去し、撹拌速度は、300rpmであり、十分な撹拌を可能にした(中心の小さい渦によって示される)。別個の1Lのガラス瓶において、モノマーを混合し、磁気撹拌の助けを借りて均質な混合物を形成させた。各モノマーの選択及び量を以下の表2に示す。共供給開始剤は、43.49gのSDA 3-Cエタノール中の1.71gのTrigonox 125-C75(tert-アミルパーオキシピバレート、ミネラルスピリット中75%活性)であった。
【0040】
反応器の温度が78℃に到達したときに、5.0gのモノマー混合物を反応器に供給し、熱を加え続けた。残りのモノマー混合物及び共供給開始剤を、150分かけてそれぞれ0.63g/分及び0.30g/分の速度で計量供給し始めた。重合を通して、中程度の還流が観察された。モノマー混合物の供給が完了したときに、11.84gのSDA 3-Cエタノールをモノマー瓶に添加し、反応器中にすすいだ。バッチを78℃で15分間保持した。次いで、8.57gのSDA 3-Cエタノール中の2.54gのTrigonox 125-C75の2回の化学チェイスを、0.37g/分の速度で30分間にわたって計量供給し、その間に15分間保持した。次いで、バッチを更に15分間保持した後、空冷によってクエンチした。66.35gのSDA 3-Cグレードエタノールを最終希釈として冷却中に添加した。次いで、得られたコポリマー溶液を以下のように分析した。
【0041】
濁度測定
コポリマー溶液の濁度を、ASTM D7315-17法「静的モードにおける1濁度単位(TU)以上の濁度決定のための標準試験方法(Standard Test Method for Determination of Turbidity Above 1 Turbidity Unit(TU)in Static Mode)」を参照することによって測定した。ASTM D7315-17は、水中の濁度に適用されるが、同じ原理が適用され、この方法を、エタノールなどの様々な有機溶媒中のこれらの溶液ポリマーに対して、変更することなく使用した。1オンスの透明なガラスバイアルに、コポリマー溶液を23℃で充填した。空気の巻き込みを回避するために、コポリマー溶液の撹乱を最小限にするよう注意した。濁度を、HF Scientific,Inc.のMicro100濁度計で測定した。濁度計を、HF Scientific,Inc.の(1000NTU、10NTU、及び0.02NTUの3つの標準物を含む)ProCal Calibration kitを用いて新たに較正した。濁度を、比濁濁度単位(nephelometric turbidity unit、NTU)で報告した。
【0042】
ファンデーション配合物
ファンデーション配合物試料を、以下のように、表3に示される量で成分を組み合わせることによって調製した。相Bの成分を一緒に、オーバーヘッド混合器を用いて<500rpmの速度で混合する。相Aの成分を一緒に、Flacktek装置を用いて混合する。相AをBに添加する。相Cの成分を一緒に混合する。オーバーヘッド混合器を用いて高混合(1200rpm超)しながら、相Cを、相AとBとの混合物にゆっくり添加(滴下)する。翌日、pH、粘度をチェックし、観察する。
【0043】
ポリマーフィルム及びファンデーションフィルムの接触角測定
接触角データを、Kruss DSA100測定器で水と皮脂との両方を使用して各フィルムの表面から取得した。データを、可能な限り迅速に(0秒)、及び同じ液滴について約200秒後に取得した。接触角を測定した2つの種類のフィルムが存在した、すなわち、ニートポリマーフィルム(エタノール中のコポリマー溶液から直接流延されたもの)、又はファンデーションフィルム(コポリマーを含有するファンデーション配合物からフィルムに流延されたもの。表2のデータは、ニートコポリマーフィルムを示し、表4のデータは、ファンデーションフィルムからのものである)。コポリマー又はファンデーション配合物の薄いフィルムを、自動化ハイスループットコーティングステーションで、又はLENETA P121-16黒色プラスチックチャート上で6ミルドクターブレードを使用して手動で調製した。フィルムを、環境制御された室内(22℃、50%相対湿度)で少なくとも72時間乾燥させた。表2及び4は、これらの2つの種類のフィルムからの接触角測定値を列挙する。
【0044】
耐皮脂性
皮脂接触角を測定し、ニートポリマー及びファンデーション配合物の耐皮脂性を評価するために使用した。接触角データを、Kruss DSA100測定器で水及び皮脂の両方を使用して各フィルムの表面から取得した。データを、可能な限り迅速に(0秒)、及び同じ液滴について約200秒後に取得した。より高い数は、より高い抵抗に関連し、その逆もまた同様である。
【0045】
ガラス転移温度
少量のコポリマー溶液をアルミニウムパンに移動させ、最初に周囲温度で乾燥させ、次いで、一定質量が得られるまで、60℃、ハウスバキューム下で少なくとも24時間乾燥させた。乾燥したコポリマーの質量は、典型的には3~10mgであった。アルミニウムパンを密封し、TA InstrumentsのQ1000示差走査熱量計で分析した。20℃/分の速度で-90℃~150℃の間で2回の加熱走査を適用した。Tgは、熱流の工程変化中の中間点とし、各試料の第2の加熱走査からの測定値を報告した。
【0046】
【表2】
【0047】
上記表において、NMは、未測定を意味する。
【0048】
比較例1及び2は、i)に相当するモノマーを有しない。比較例3は、低すぎる(<15%)量のi)EA、及び高すぎる(>20%)量のiv)DBIを含有する。比較例4は、高すぎる(>40%)量のii)LMAとIBOMAとの組み合わせ(5+42=47%)を含有する。比較例5は、高すぎる(>40%)量のii)LMAとIBOMAとの組み合わせ(10+44=54%)を含有する。比較例6は、SMAが多すぎる炭素原子を有するので、比較である。比較例1~6は、各モノマーの量がこの発明のものと異なる場合、得られたコポリマーは、本出願の単純アルコール(エタノール)に十分に可溶性でないことを示す。比較例7は、US2020/0222300の比較例3の繰り返しであり、i)アクリレートモノマーを含有しない。*は、比較例7のモノマー混合物が完全には反応しなかったことを示す。それはわずか95%の転化率を有し、コポリマーの最も高価な構成成分である未反応シリコーン-(メタ)アクリレートマクロモノマーをもたらした。
【0049】
本発明の実施例は、モノマーの混合物(各モノマーの選択及び量)が本明細書に記載されるように使用される場合、モノマーが完全に反応した(≧99%の高い転化率)ことを示した。得られたコポリマーは、エタノールに可溶性であり、パーソナルケア用途に好適なガラス転移温度、耐水性、及び/又は耐皮脂性を有する。これらのモノマーの組み合わせは、高い転化率を有する溶液重合によって例示されるように、フリーラジカル重合を使用して優れた反応速度を示した。更に、重合は、バイオマスから供給される1つの商業的に至る所に存在する担体であるエタノール中で直接行われ得る。パーソナルケア用途の要件を満たすための、過剰な残留モノマーを除去するための溶媒交換は必要とされず、生産コストを低減し、サプライチェーンを合理化する。更に、本発明者らは、本発明のコポリマーが以下の利益を有することを見出した。
1.本発明の実施例のファンデーション内性能は、優れた撥水性を実証した。
2.本発明の実施例のファンデーション内性能は、耐久性のある撥皮脂性を実証した(比較よりも有意に高いCA皮脂250s値によって実証される)。
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】
各コポリマーの量は、添加された溶液の量(重量%)として示される。目標は、ファンデーション配合物中に5%のコポリマー(担体を除く)を提供することであった。
【0053】
【表5】
【0054】
産業上の利用可能性
本明細書に記載されるシリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーは、エタノールとの優れた溶解性を示し、したがって、コポリマーを調製するためのエタノール中での直接フリーラジカル重合を可能にする。理論に拘束されることを望むものではないが、コポリマーを調製するための方法においてエタノールが使用される場合、コポリマー溶液に対して余分な溶媒交換は必要とされず、製造コストを低減し、サプライチェーンを合理化すると考えられる。更に、エタノールは、パーソナルケア用途において至る所に存在し、エタノールは、製品としてのコポリマー溶液全体の持続可能性プロファイルを改善し得る商業的に重要な生物由来担体であると考えられる。
【0055】
加えて、i)(小さい)アクリレートモノマーは、立体障害を緩和すると考えられ、他のモノマー、特にiii)シリコーン-(メタ)アクリレートマクロモノマーの定量的転化を促進する。アクリレートとメタクリレートとの共重合は、一般にメタクリレートが有利であり、これは、多くの場合、メタクリレートが最初に消費されることを意味する。しかしながら、本発明者らは、フリーラジカル重合を介してコポリマーを作製する方法が、残留モノマーを<500ppm、代替的に<100ppmに低減させ、これが、コポリマー及び/又はその均質な溶液を調製するための方法において、余分なストリッピング及び/又は溶媒交換工程を伴わずに、得られたコポリマーを、パーソナルケア用途に好適にし得ることを見出した。
【0056】
本明細書に記載されるコポリマーは、ニートフィルムとして、及び例示的なファンデーション配合物において、撥水性及び撥皮脂性を含む優れた性能を示す。驚くべきことに、iii)シリコーン-(メタ)アクリレートマクロモノマー含有率は、コポリマーを調製するために使用されるモノマーの混合物の20%、代替的に20%~30%という低さに低減され得、上記の本発明の実施例によって示されるように、生成されるコポリマーの優れた撥水性及び撥皮脂性が維持される。iii)シリコーン-(メタ)アクリレートマクロモノマーの比較的少ない量に起因して、配合物は、シリコーン(メタ)アクリレート材料のより多い量を有する比較の組成物と比較してコストが低減される。更に、配合物は、より多い量のシリコーン含有材料を含有する比較の製品と比較して、製品の持続可能性プロファイルを改善するために、より多くの生物由来モノマーを含有し得る。
【手続補正書】
【提出日】2022-04-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノマーの混合物を共重合することによって得られるコポリマーであって、前記モノマーの混合物が、
i)前記モノマーの合計重量に基づいて、15重量%~45重量%の、式
【化1】

のアクリレートモノマーと、
ii)前記モノマーの合計重量に基づいて、15重量%~40重量%の、式
【化2】

の(メタ)アクリレートモノマーと、
iii)前記モノマーの合計重量に基づいて、20重量%~60重量%の、式XSi(Rのオルガノシロキサン-(メタ)アクリレートマクロモノマーと、を含み、式中、
が、水素及びメチルからなる群から選択され、
が、1~4個の炭素原子の一価の炭化水素基であり、
が、8~13個の炭素原子の一価の炭化水素基であり、
各Xが、(メタ)アクリルオキシアルキル基であり、
各Rが、-OSi(R及びRから選択され、ただし、Rのうちの少なくとも2つが、-OSi(Rであり、各Rが、一価の炭化水素基であり、各Rが、R、-DSi(R、及び-[OSiROSiRから選択され、各Rが、R、-DSi(R、及び-[OSiROSiRから選択され、各Rが、R、-DSi(R、及び-[OSiROSiRから選択され、各Rが、R、及び-[OSiROSiRから選択され、各Dが、酸素、及び二価の炭化水素基から選択され、0≦m≦100である、コポリマー。
【請求項2】
前記モノマーの混合物が、iv)前記モノマーの合計重量に基づいて、>0~20重量%の

【化3】

のイタコン酸エステルモノマーを更に含み、式中、各Rが、独立して選択された1~8個の炭素原子のアルキル基である、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項3】
iv)前記イタコン酸エステルモノマーが、ジブチルイタコネートを含む、請求項2に記載のコポリマー。
【請求項4】
i)前記アクリレートモノマーについての前記式中、Rが、2又は3個の炭素原子のアルキル基である、請求項1~3のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項5】
i)前記アクリレートモノマーが、エチルアクリレートを含む、請求項4に記載のコポリマー。
【請求項6】
ii)前記(メタ)アクリレートモノマーについての前記式中、Rが、メチルであり、Rが、10~12個の炭素原子のアルキル基又は10~12個の炭素原子のシクロアルキル基である、請求項1~5のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項7】
ii)前記(メタ)アクリレートモノマーが、ラウリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項6に記載のコポリマー。
【請求項8】
iii)前記マクロモノマーが、
式:
【化4】

を有し、式中、R、R、R、R、及びDが、上記の通りである、請求項1~7のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項9】
iii)前記マクロモノマーが、
3-(5-((1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)オキシ)-1,1,1,3,7,9,9,9-オクタメチル-3,7-ビス((トリメチルシリル)オキシ)ペンタシロキサン-5-イル)プロピルメタクリレート、
3-(1,5-ビス(2-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)エチル)-3-(((2-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)エチル)ジメチルシリル)オキシ)-1,1,5,5-テトラメチルトリシロキサン-3-イル)プロピルメタクリレート、
及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項8に記載のコポリマー。
【請求項10】
前記モノマーの混合物が、v)>0~10重量%の式
【化5】

の小さい(メタ)アクリレートモノマーを更に含み、式中、Rが、上記の通りである、請求項1~9のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項11】
組成物であって、請求項1~10のいずれか一項に記載のコポリマーと、エタノールと、を含み、前記コポリマーが、前記エタノールに可溶性であり、前記組成物が、均質な溶液である、組成物。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか一項に記載のコポリマーを調製するための方法であって、
1)ラジカル開始剤と、任意選択的に溶媒と、の存在下で、前記モノマーの混合物を共重合し、それによって、反応混合物を形成することと、
2)前記反応混合物を、クエンチすることと、を含む、方法。
【請求項13】
3)前記コポリマーを精製すること、任意選択的に4)前記コポリマーをエタノールに溶解すること、及び/又は任意選択的に5)溶媒交換を実行し、それによって、前記コポリマーを、イソプロピルアルコール、アセトン、カプリリック/カプリックトリグリセリド、イソドデカン、9~11個の炭素原子のアルカン、環状ポリジオルガノシロキサン、直鎖状ポリジオルガノシロキサン、又はこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される担体に溶解することを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
パーソナルケア組成物を調製するための方法であって、請求項12に記載のコポリマーを、前記パーソナルケア組成物に添加することを含む、方法。
【請求項15】
前記組成物が、ファンデーションである、請求項14に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下、2020年10月28日に出願された米国仮特許出願第63/106506号の利益を主張するものである。米国仮特許出願第63/106506号は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマー(コポリマー)、並びにコポリマーの調製及び使用のための方法に関する。より具体的には、コポリマーは、フリーラジカル重合法によって調製され得る。コポリマーは、皮膚への塗布に好適なパーソナルケア組成物に添加され得る。コポリマーは、パーソナルケア組成物において、フィルム形成剤として有用であり得る。
【0003】
序論
フィルム形成剤は、重要な化粧用原料成分であり、より多くの場合、パーソナルケア組成物、例えば、皮膚ケア、日焼け止め剤、及びカラー化粧製品などの皮膚に塗布されるリーブオン製品において広く使用されている。Dow Silicones Corporation(Midland、Michigan、USA)によって提供されるDOWSIL(商標)FA40xxシリーズ(ここで、xx=01~04、及び12)は、このような製品においてフィルム形成剤として使用されている。しかしながら、化粧品業界では、耐水性、耐皮脂性、耐摩擦性、及び好ましい官能特性のうちの1つ以上の特性を有する持続可能なかつ/又は天然由来の成分が引き続き必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
シリコーン-(メタ)アクリレートコポリマー、並びにその調製及びパーソナルケア組成物における使用のための方法が提供される。このコポリマーは、i)アクリレートモノマーと、ii)(メタ)アクリレートモノマーと、iii)オルガノシロキサン-(メタ)アクリレートマクロモノマーと、を含む、モノマーの混合物を共重合することによって、得られ得る。コポリマーは、パーソナルケア組成物において使用され得る。
【発明を実施するための形態】
【0005】
コポリマーは、上記のモノマーの混合物を共重合することを含む方法によって得られ得る。より具体的には、モノマーの混合物は、
モノマーの合計重量に基づいて、15重量%~45重量%の、i)式
【0006】
【化1】

のアクリレートモノマーであって、式中、Rが、1~4個の炭素原子の一価の炭化水素基である、アクリレートモノマーと、
モノマーの合計重量に基づいて、15重量%~40重量%の、ii)式
【0007】
【化2】

の(メタ)アクリレートモノマーであって、式中、Rが、水素及びメチルからなる群から選択され、Rが、8~13個の炭素原子の一価の炭化水素基である、(メタ)アクリレートモノマーと、モノマーの合計重量に基づいて、20重量%~60重量%の、iii)式XSi(Rのオルガノシロキサン-(メタ)アクリレートマクロモノマーであって、式中、各Xが、(メタ)アクリルオキシアルキル基であり、各Rが、-OSi(R及びRから選択され、ただし、Rのうちの少なくとも2つが、-OSi(Rであり、各Rが、一価の炭化水素基であり、各Rが、R、-DSi(R、及び-[OSiROSiRから選択され、各Rが、R、-DSi(R、及び-[OSiR2]OSiRから選択され、各Rが、R、-DSi(R、及び-[OSiR2]OSiRから選択され、各Rが、R、及び-[OSiROSiRから選択され、各Dが、酸素、及び二価の炭化水素基から選択され、0≦m≦100である、オルガノシロキサン-(メタ)アクリレートマクロモノマーと、を含む。代替的に、モノマーの混合物は、上記の量のi)アクリレートモノマー、ii)(メタ)アクリレートモノマー、及びiii)オルガノシロキサン-(メタ)アクリレートマクロモノマーから本質的になり得る。代替的に、モノマーの混合物は、上記の量のi)アクリレートモノマー、ii)(メタ)アクリレートモノマー、及びiii)オルガノシロキサン-(メタ)アクリレートマクロモノマーからなり得る。代替的に、モノマーの混合物は、iv)最大で20%のイタコン酸エステルモノマー、v)最大で10%の小さいメタクリレートモノマー、又はvi)iv)及びv)の両方を更に含み得る。モノマー混合物中のモノマーの合計重量パーセントは、合計100%である。
【0008】
i)アクリレートモノマー
出発物質i)は、式:
【0009】
【化3】

のアクリレートモノマーであり、式中、Rは、1~4個の炭素原子の一価の炭化水素基である。Rに好適なアルキル基としては、メチル、エチル、(イソプロピル及びn-プロピルを含む)プロピル、及び(n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、及びsec-ブチルを含む)ブチルなどのアルキル基が挙げられる。代替的に、Rは、2又は3個の炭素原子のアルキル基であり得る。
【0010】
好適なi)アクリレートモノマーの例は、当該技術分野において既知であり、市販されている。例えば、i)アクリレートモノマーは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、及びこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択され得る。代替的に、i)アクリレートモノマーは、エチルアクリレートを含み得る。アクリレートモノマーは、Sigma-Aldrich,Inc.(St.Louis、Missouri、USA)(Sigma)、及びThe Dow Chemical Company(Midland、Michigan、USA)(Dow)などの様々な供給元から市販されている。
【0011】
i)アクリレートモノマーは、モノマーの合計重量、すなわち、モノマーの混合物中で使用される全てのモノマーの合計重量に基づいて、15重量%~45重量%の量で使用される。代替的に、i)アクリレートモノマーは、モノマーの混合物の少なくとも15%、代替的に少なくとも18%、代替的に少なくとも20%、代替的に少なくとも25%、及び代替的に少なくとも27%の量で使用され得る。同時に、i)アクリレートモノマーは、モノマーの混合物の最大で40%、代替的に最大で33%、代替的に最大で32%、代替的に最大で30%、及び代替的に最大で27%の量で使用され得る。
【0012】
ii)(メタ)アクリレートモノマー
出発物質ii)は、式
【0013】
【化4】

の(メタ)アクリレートモノマーであり、式中、Rは、水素及びメチルからなる群から選択され、Rは、8~13個の炭素原子の一価の炭化水素基である。代替的に、Rは、メチルであり得る。Rに好適な一価の炭化水素基としては、直鎖状、分岐状、環状、又はこれらの組み合わせであり得るアルキル基が挙げられる。Rのアルキル基の例としては、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル(ラウリル)、トリデシル、及び/又はそれらの分岐状異性体が挙げられる。代替的に、アルキル基は、イソボルニル基などの環状部分を含み得る。代替的に、Rは、10~12個の炭素原子のアルキル基又は10~12個の炭素原子のシクロアルキル基であり得る。代替的に、ii)(メタ)アクリレートモノマーは、トリデシルアクリレート、トリデシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。代替的に、ii)(メタ)アクリレートモノマーは、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。代替的に、ii)(メタ)アクリレートモノマーは、ラウリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。上記の(メタ)アクリレートモノマーは、Fujifilm WAKO Chemicals、Sigma、及びDowなどの様々な供給元から市販されている。
【0014】
ii)(メタ)アクリレートモノマーは、モノマーの合計重量に基づいて、15重量%~40重量%の量で使用される。代替的に、ii)アクリレートモノマーは、モノマーの合計重量に基づいて、少なくとも15%、代替的に少なくとも18%、代替的に少なくとも20%、及び代替的に少なくとも28%の量で使用され得る。同時に、(メタ)アクリレートモノマーは、同じ基準で、最大で40%、代替的に最大で35%、代替的に最大で30%、及び代替的に最大で28%の量で使用され得る。
【0015】
iii)オルガノシロキサン-(メタ)アクリレートマクロモノマー
出発材料iii)は、式XSi(Rのオルガノシロキサン-(メタ)アクリレートマクロモノマー(マクロモノマー)であり、式中、Xは、(メタ)アクリルオキシアルキル基であり、各Rは、-OSi(R及びRから選択され、ただし、Rのうちの少なくとも2つは、-OSi(Rであり、各Rは、一価の炭化水素基であり、各Rは、R、-DSi(R、及び-[OSiROSiRから選択され、各Rは、R、-DSi(R、及び-[OSiROSiRから選択され、各Rは、R、-DSi(R、及び-[OSiROSiRから選択され、各Rは、R、及び-[OSiROSiRから選択され、各Dは、酸素、及び二価の炭化水素基から選択され、0≦m≦100である。Xの(メタ)アクリルオキシアルキル基の例としては、アクリルオキシメチル、3-アクリルオキシプロピル、メタクリルオキシメチル、3-メタクリルオキシプロピルが挙げられる。代替的に、Xは、3-メタクリルオキシプロピルであり得る。各Rは、独立して、Rについて上記のようなかつ上に例示されるようなアルキル基であり得る。代替的に、各Rは、メチルであり得る。各Dは、独立して、酸素原子又は二価の炭化水素基から選択される。Dの二価の炭化水素基は、2~10個の炭素原子のアルキレン基であり得る。例としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、及びヘキシレン基などの直鎖状アルキレン基、メチルメチレン基、メチルエチレン基、1-メチルフェニル基、及び1,4-ジメチルブチレン基などの分岐状アルキレン基が挙げられる。代替的に、二価の炭化水素基は、エチレンであり得る。代替的に、iii)マクロモノマーは、1分子当たり4~16個のケイ素原子を有し得る。
【0016】
代替的に、iii)マクロモノマーは、式:
【0017】
【化5】

を有し得、式中、R、R、R、R、及びDは、上記の通りである。代替的に、マクロモノマーは、
3-(5-((1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)オキシ)-1,1,1,3,7,9,9,9-オクタメチル-3,7-ビス((トリメチルシリル)オキシ)ペンタシロキサン-5-イル)プロピルメタクリレート、3-(1,5-ビス(2-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)エチル)-3-(((2-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)エチル)ジメチルシリル)オキシ)-1,1,5,5-テトラメチルトリシロキサン-3-イル)プロピルメタクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。好適なマクロモノマーは当該技術分野で既知であり、Furukawaらの日本国特許出願公開第11001530A号、Yoshitakeらの米国特許第6,420,504号、及びLiuらのPCT公開第2020/142388号において開示されているものなどの既知の方法によって調製され得る。
【0018】
iii)マクロモノマーは、モノマーの合計重量に基づいて、20重量%~60重量%の量で使用される。代替的に、iii)マクロモノマーの量は、モノマーの合計重量に基づいて、少なくとも20%、代替的に少なくとも25%、代替的に少なくとも30%、及び代替的に少なくとも35%であり得る。同時に、iii)マクロモノマーの量は、同じ基準で、最大で60%、代替的に最大で50%、代替的に最大で45%、代替的に最大で42%、代替的に最大で40%、及び代替的に最大で35%であり得る。
【0019】
iv)イタコン酸エステルモノマー
出発材料iv)は、コポリマーを調製するために使用されるモノマーの混合物に任意選択的に添加され得るイタコン酸エステルモノマーである。iv)イタコン酸エステルモノマーは、式
【0020】
【化6】

を有し、式中、各Rは、独立して選択される1~8個の炭素原子のアルキル基である。アルキル基は、メチル、エチル、(イソプロピル及びn-プロピルを含む)プロピル、(n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、及びsec-ブチルを含む)ブチル、並びに直鎖状ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、及びオクチル基(並びに5~8個の炭素原子の分岐状アルキル基)、並びにシクロペンチル、シクロヘキシル、及び/又はシクロオクチルなどの直鎖状、分岐状、及び/又は環状のアルキル基によって例示される。代替的に、各Rは、メチル、エチル、プロピル、又はブチルであり得る。代替的に、各Rは、メチル又はブチルであり得る。好適なiv)イタコン酸エステルモノマーの例としては、ジメチルイタコネート、及びジブチルイタコネートが挙げられる。イタコン酸エステルモノマーは、当該技術分野において既知であり、例えば、Sigmaから市販されている。
【0021】
iv)イタコン酸エステルモノマーは、モノマーの合計重量に基づいて、最大で20重量%、代替的に>0~20重量%の量で使用され得る。存在する場合、iv)イタコン酸エステルモノマーは、モノマーの合計重量に基づいて、>0%、代替的に少なくとも5%、代替的に少なくとも7%、及び代替的に少なくとも10%の量で存在し得る。同時に、iv)イタコン酸エステルモノマーは、同じ基準で、最大で20%、代替的に最大で17%、及び代替的に最大で15%の量で存在し得る。
【0022】
v)小さいメタクリレートモノマー
出発物質v)は、上記のi)及びii)とは異なる追加のメタクリレートモノマーであり、上記のコポリマーを調製するために使用されるモノマーの混合物に任意選択的に添加され得る。v)追加のメタクリレートモノマーは、式
【0023】
【化7】

を有し、式中、Rは、上記の通りである。好適なv)追加のメタクリレートモノマーの例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、又はこれらの2つ以上の組み合わせが挙げられる。v)小さいメタクリレートモノマーは、Sigma及びDowなどの様々な供給元から市販されている。
【0024】
存在する場合、v)追加のメタクリレートモノマーは、モノマーの合計重量に基づいて、>0%、代替的に少なくとも1%、代替的に少なくとも2%、代替的に少なくとも3%、代替的に少なくとも4%、及び代替的に少なくとも5%の量で存在し得る。同時に、v)追加のメタクリレートモノマーは、同じ基準で、最大で10%、代替的に最大で9%、代替的に最大で8%、代替的に最大で7%、及び代替的に最大で6%の量で存在し得る。v)追加のメタクリレートモノマーが存在する場合、i)アクリレートモノマーの量は、上記の範囲の下端に向かって、例えば、15%~<30%であり得る。
【0025】
コポリマーを調製するための方法
コポリマーは、1)ラジカル開始剤、及び任意選択的に溶媒の存在下で、モノマーの混合物を共重合し、それによって反応混合物を形成することと、2)反応混合物をクエンチすることと、を含む方法によって調製され得る。本方法は、任意選択的に、3)コポリマーを精製すること、及び/又は4)コポリマーをエタノールなどの単純アルコールに溶解することを更に含み得る。
【0026】
工程1)において、モノマーの混合物は、混合及び加熱によって共重合されて、反応混合物を形成し得る。共重合は、ラジカル重合によって実施され得、ラジカル開始剤は、工程1)においてモノマーの混合物と組み合わされ得る。
【0027】
ラジカル開始剤は、例えば、アゾビス系化合物、有機パーオキサイド、及びこれらの組み合わせであり得る。ラジカル開始剤は、例えば、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)2,2’-アゾビス(2-メチル)ブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル-2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、及びこれらの2つ以上の組み合わせなどのアゾビス系化合物を含み得る。代替的に、ラジカル開始剤は、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert-ブチルパーオキシベンゾエート、tert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、tert-アミルパーオキシピバレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、イソプロピルクミルハイドロパーオキサイド、ジ-tert-ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルパーカーボネート、tert-ブチルパーベンゾエート、tert-ブチルパーオクタノエート、ビス(3,5,5-トリメチル)ヘキサノイルパールオキサイド、tert-ブチルパーオキシピバレート、及びこれらの2つ以上の組み合わせなどの有機パーオキサイドを含み得る。ラジカル開始剤は、当該技術分野において既知であり、市販されている。例えば、パーオキシジカーボネート、ジアシルパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、及パーオキシエーテルなどの有機パーオキシドは、Arkema Inc.(King of Prussia、Pennsylvania、USA)から商品名LUPEROX(商標)で入手可能である。ラジカル開始剤の量は、工程1)において使用されるモノマーの混合物の100重量部当たり0.1重量部~5重量部であり得る。
【0028】
共重合は、溶液重合であり得、工程1)において溶媒が添加され得る。出発物質(例えば、ラジカル開始剤及び/又はiii)マクロモノマー)のうちの1つ以上は、溶媒中で供給され得る。例えば、ラジカル開始剤は、ミネラルスピリット中で供給され得る。溶液重合のための溶媒は、出発物質の供給のための溶媒に加えられ得るか、又はその代わりであり得る。工程1)における溶媒は、式ROHの単純アルコールを含み得、式中、Rは、上記の通りである。単純アルコールは、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、t-ブタノール、又はこれらの組み合わせによって例示される。単純アルコールは、エタノールを含み得る。代替的に、単純アルコールは、エタノール、イソプロパノール、又はこれらの組み合わせから選択され得る。
【0029】
工程1)は、例えば、>30℃、代替的に50℃~150℃の温度で、3時間~20時間にわたって、バッチ、セミバッチ、又は連続モードにおいて実施され得る。セミバッチモードでは、試薬の画分が反応器に投与され得(例えば、ラジカル開始剤、モノマーの混合物、並びに/又はラジカル開始剤及びモノマーの混合物が供給される溶媒)、残りの試薬は、目標とする供給時間、典型的には1時間~20時間にわたって反応器に計量供給される。連続モードでは、試薬は、反応器に連続的に計量供給され、コポリマーを含む反応混合物は、反応器から連続的に取り出される。工程1)において使用される出発原料は、酸を含み得ない。
【0030】
工程2)では、クエンチは、反応混合物を25±5℃にクエンチすることによって実施され得る。
【0031】
本方法は、任意選択的に、工程3)コポリマーの精製を更に含み得る。精製は、任意の好都合な手段によって行われ得る。例えば、1つ以上の任意の未反応モノマーが存在する場合、及び/又は溶媒が使用される場合、これらは、例えば、加熱によって、任意選択的に減圧を用いて除去され得る。例えば、ストリッピング及び/又は蒸留を使用して、コポリマーを精製し得る。代替的に、未反応モノマーは、追加のラジカル開始剤が添加されて、未反応モノマーを消費し、そのレベルを、未反応モノマーが除去される必要がない十分に低いレベル(例えば、<500ppm)に低下させる化学的チェイスによって低減され得る。
【0032】
本方法は、任意選択的に、工程4)エタノールを含む単純アルコールを用いるコポリマーの希釈を更に含み得る。理論に拘束されることを望むものではないが、コポリマーのパーソナルケア組成物へのブレンドの容易性及び/又は得られるパーソナルケア組成物の安定性のために、エタノール中のコポリマーの均質溶液が望ましい場合があると考えられる。均質な溶液は、10重量%~90重量%のエタノール、及び10重量%~90重量%のコポリマー(代替的に、40%~60%のコポリマーと、残りは、エタノールである)を含み得る。例えば、皮膚への塗布に好適な化粧品などのパーソナルケア組成物(例えば、ファンデーション)は、本明細書に記載されるコポリマーを含んで配合され得る。理論に拘束されることを望むものではないが、油(シリコーン油など)は、本明細書に記載されるコポリマーの供給に必要ではないと考えられる。更に、室温(25±5℃)で少なくとも6ヶ月間安定である(相分離しない)、エタノールに溶解したコポリマーの均質溶液が提供され得るので、本明細書に記載されるコポリマーは、先に提案されたシリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーよりも改善された安定性を提供し得ると考えられる。
【0033】
代替的に、本方法は、工程3)の後又は工程4)の後に溶媒交換工程5)を更に含み得る。コポリマーのための異なる担体が所望される場合、上記の単純アルコールは、除去され得、異なる担体で置換され得る。14.0~28.0MPa1/2の溶解度パラメータを有する任意の所望の担体が使用され得、溶解度パラメータは、Brandrup,J.;Immergut,E.H.;Grulke,E.A.”Polymer Handbook”,4th edition,page VII/675-714,John Wiley & Sons Inc,1999.ISBN:0-471-16628-6において記載されている通りである。代替的に、担体は、イソプロピルアルコール、n-プロパノール、tert-ブタノール、及びsec-ブタノールなどの一価アルコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、ジブチレングリコール、ペンチルグリコール、ヘキシレングリコール、及びオクチレングリコールなどの二価アルコール、トリメチロールプロパン、及び1,2,6-ヘキサントリオールなどの三価アルコール、ペンタエリスリトール、及びキシリトールなどの四価以上のアルコールを含む多価アルコール、ソルビトールなどの糖アルコールを含む代替アルコール、アセトン及びメチルエチルケトンを含むケトン、イソプロピルミリステート及びイソプロピルパルミテートを含む脂肪族エステル、ヒマワリ種子油、カプリリック/カプリックトリグリセリド、ヤシ油、ヒマシ油、アルガン油、及びホホバ油を含む天然油、イソドデカン、イソヘキサデカン、パラフィン、イソパラフィン、スクアラン、及びスクアレン、及び9~11の炭素原子のアルカンを含む炭化水素油、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)などのシロキサン若しくはシリコーン油、及び1.5cSt(mm2/秒)~6.0cSt(mm2/秒)としての25℃での粘度を有するポリジメチルシロキサンなどの直鎖状低粘度ポリジメチルシロキサン(PDMS)、グリセリン;又はこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択され得る。
【0034】
コポリマー
本明細書に記載されるように調製されたコポリマーは、2~100kg/mol、代替的に5~50kg/mol、代替的に10.1~10.9kg/molの数平均分子量(Mn)を有し得る。コポリマーは、5~1000kg/mol、代替的に20~200kg/mol、及び代替的に23.0~29.0kg/molの重量平均分子量(Mw)を有し得る。コポリマーは、2~10、代替的に2~5、及び代替的に2.25~2.89の多分散度を有し得る。Mn及びMwは、ポリスチレン標準物に対する移動相として、1重量%のギ酸を含有したテトラヒドロフランを用いたゲル浸透クロマトグラフィによって測定され得、多分散度は、上記のように測定されるMn及びMwから計算され得る。
【0035】
本明細書に記載されるように調製されたシリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーは、最大で60%の炭素原子で構成されたコポリマー骨格を有し得る。代替的に、コポリマーが溶液で供給される場合、溶液は、溶液の重量に基づいて最大で84%の炭素含有量を有し得る。コポリマーの炭素含有量及びその溶液は、化石燃料又は天然ガス以外の再生可能な資源由来であることが望ましい。皮膚への塗布のためのパーソナルケア組成物中で使用される場合、本明細書に記載されるコポリマーは、以下の実施例に記載されるように、良好な(水接触角によって示されるような)耐水性、良好な耐皮脂性、及び/又は良好な耐摩擦性の利益を提供し得る。
【0036】
パーソナルケア組成物
本明細書に記載されるように調製されたコポリマーは、パーソナルケア組成物に添加され得る。例えば、上記のコポリマーは、パーソナルケア組成物中のフィルム形成剤として作用し得る。パーソナルケア組成物は、特に制限されないが、パーソナルケア組成物は、皮膚ケア、日焼け止め剤、及びカラー化粧製品(例えば、ファンデーション)などの、皮膚への塗布に好適なリーブオン製品であり得る。上記のように調製されたコポリマー又はコポリマーの溶液は、混合などの任意の好都合な手段によってパーソナルケア組成物に添加され得る。パーソナルケア組成物は、上記のコポリマーを、パーソナルケア組成物の(コポリマーの供給のための担体を除く)全構成成分の重量に基づいて、例えば、少なくとも1%、代替的に少なくとも2%、代替的に少なくとも5%、代替的に少なくとも10%、代替的に少なくとも20%、及び代替的に少なくとも30%の任意の量で含み得る。同時に、パーソナルケア組成物は、上記のコポリマーを、パーソナルケア組成物の(コポリマーの供給のための担体を除く)全構成成分の重量に基づいて、最大で99%、代替的に最大で90%、代替的に最大で80%、代替的に最大で70%、代替的に最大で50%、代替的に最大で10%、代替的に最大で8%、及び代替的に最大で6%の量で含み得る。使用されるコポリマーの正確な量は、配合されるパーソナルケア組成物の種類などの様々な要因に依存する。代替的に、パーソナルケア組成物は、コポリマーを、パーソナルケア組成物の(コポリマーの供給のための担体を除く)全構成成分の重量に基づいて、1重量%~99重量%、代替的に5重量%~95重量%、代替的に1重量%~10重量%、代替的に2重量%~8重量%、及び代替的に4重量%~6重量%の量で含有し得る。上記のように調製されたコポリマーは、Moritaらの米国特許第6,280,748号、Furukawaらの米国特許第7,488,492号、Furukawaらの米国特許第9,670,301号、Iimuraらの米国特許第10,047,199号、Horiらの米国特許第10,172,779号、及びSoudaらの米国特許出願公開第2020/0222300号に開示されているものなどの、当該技術分野で既知のパーソナルケア組成物中の異なるコポリマーの代わりに使用され得る。
【実施例
【0037】
以下の実施例は、当業者に本発明を例解するために提供されるものであり、請求項に記載の本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。これらの実施例で使用した出発物質を表1に記載する。
【0038】
【表1】
【0039】
この参考例1では、コポリマーの試料を以下の一般的手順に従って調製した。300mLの直壁ガラス樹脂反応器に、4ピッチのステンレススチールプロペラ、水冷却管、及び熱電対を装備し、HEL Group(www.helgroup.com)によって設計された4ウェルの温度制御ブロック(PolyBLOCK、Parallel Synthesis)に収容した。プロペラをオーバーヘッド機械的撹拌機によって駆動し、熱電対をJ-KEM温度制御器に接続し、入力をPolyBLOCKユニットに提供して、所望の温度を得た。フラスコに最初に50.0gのエタノール(SDA 3-Cグレード、200プルーフのエタノールとイソプロパノールとの体積比95.24:4.76の混合物)を充填し、温度を78℃に上昇させた。Nブランケットを適用して、巻き込み同伴空気を除去し、撹拌速度は、300rpmであり、十分な撹拌を可能にした(中心の小さい渦によって示される)。別個の1Lのガラス瓶において、モノマーを混合し、磁気撹拌の助けを借りて均質な混合物を形成させた。各モノマーの選択及び量を以下の表2に示す。共供給開始剤は、43.49gのSDA 3-Cエタノール中の1.71gのTrigonox 125-C75(tert-アミルパーオキシピバレート、ミネラルスピリット中75%活性)であった。
【0040】
反応器の温度が78℃に到達したときに、5.0gのモノマー混合物を反応器に供給し、熱を加え続けた。残りのモノマー混合物及び共供給開始剤を、150分かけてそれぞれ0.63g/分及び0.30g/分の速度で計量供給し始めた。重合を通して、中程度の還流が観察された。モノマー混合物の供給が完了したときに、11.84gのSDA 3-Cエタノールをモノマー瓶に添加し、反応器中にすすいだ。バッチを78℃で15分間保持した。次いで、8.57gのSDA 3-Cエタノール中の2.54gのTrigonox 125-C75の2回の化学チェイスを、0.37g/分の速度で30分間にわたって計量供給し、その間に15分間保持した。次いで、バッチを更に15分間保持した後、空冷によってクエンチした。66.35gのSDA 3-Cグレードエタノールを最終希釈として冷却中に添加した。次いで、得られたコポリマー溶液を以下のように分析した。
【0041】
濁度測定
コポリマー溶液の濁度を、ASTM D7315-17法「静的モードにおける1濁度単位(TU)以上の濁度決定のための標準試験方法(Standard Test Method for Determination of Turbidity Above 1 Turbidity Unit(TU)in Static Mode)」を参照することによって測定した。ASTM D7315-17は、水中の濁度に適用されるが、同じ原理が適用され、この方法を、エタノールなどの様々な有機溶媒中のこれらの溶液ポリマーに対して、変更することなく使用した。1オンスの透明なガラスバイアルに、コポリマー溶液を23℃で充填した。空気の巻き込みを回避するために、コポリマー溶液の撹乱を最小限にするよう注意した。濁度を、HF Scientific,Inc.のMicro100濁度計で測定した。濁度計を、HF Scientific,Inc.の(1000NTU、10NTU、及び0.02NTUの3つの標準物を含む)ProCal Calibration kitを用いて新たに較正した。濁度を、比濁濁度単位(nephelometric turbidity unit、NTU)で報告した。
【0042】
ファンデーション配合物
ファンデーション配合物試料を、以下のように、表3に示される量で成分を組み合わせることによって調製した。相Bの成分を一緒に、オーバーヘッド混合器を用いて<500rpmの速度で混合する。相Aの成分を一緒に、Flacktek装置を用いて混合する。相AをBに添加する。相Cの成分を一緒に混合する。オーバーヘッド混合器を用いて高混合(1200rpm超)しながら、相Cを、相AとBとの混合物にゆっくり添加(滴下)する。翌日、pH、粘度をチェックし、観察する。
【0043】
ポリマーフィルム及びファンデーションフィルムの接触角測定
接触角データを、Kruss DSA100測定器で水と皮脂との両方を使用して各フィルムの表面から取得した。データを、可能な限り迅速に(0秒)、及び同じ液滴について約200秒後に取得した。接触角を測定した2つの種類のフィルムが存在した、すなわち、ニートポリマーフィルム(エタノール中のコポリマー溶液から直接流延されたもの)、又はファンデーションフィルム(コポリマーを含有するファンデーション配合物からフィルムに流延されたもの。表2のデータは、ニートコポリマーフィルムを示し、表4のデータは、ファンデーションフィルムからのものである)。コポリマー又はファンデーション配合物の薄いフィルムを、自動化ハイスループットコーティングステーションで、又はLENETA P121-16黒色プラスチックチャート上で6ミルドクターブレードを使用して手動で調製した。フィルムを、環境制御された室内(22℃、50%相対湿度)で少なくとも72時間乾燥させた。表2及び4は、これらの2つの種類のフィルムからの接触角測定値を列挙する。
【0044】
耐皮脂性
皮脂接触角を測定し、ニートポリマー及びファンデーション配合物の耐皮脂性を評価するために使用した。接触角データを、Kruss DSA100測定器で水及び皮脂の両方を使用して各フィルムの表面から取得した。データを、可能な限り迅速に(0秒)、及び同じ液滴について約200秒後に取得した。より高い数は、より高い抵抗に関連し、その逆もまた同様である。
【0045】
ガラス転移温度
少量のコポリマー溶液をアルミニウムパンに移動させ、最初に周囲温度で乾燥させ、次いで、一定質量が得られるまで、60℃、ハウスバキューム下で少なくとも24時間乾燥させた。乾燥したコポリマーの質量は、典型的には3~10mgであった。アルミニウムパンを密封し、TA InstrumentsのQ1000示差走査熱量計で分析した。20℃/分の速度で-90℃~150℃の間で2回の加熱走査を適用した。Tgは、熱流の工程変化中の中間点とし、各試料の第2の加熱走査からの測定値を報告した。
【0046】
【表2】
【0047】
上記表において、NMは、未測定を意味する。比較例8、比較例9、及び比較例10は各々、出発材料の同じ選択及び量を使用したが、異なる重合中の溶媒、重合温度、供給時間、及び重合後処理(以下に要約されるような)を使用した。
【表3】
【0048】
比較例1及び2は、i)に相当するモノマーを有しない。比較例3は、低すぎる(<15%)量のi)EA、及び高すぎる(>20%)量のiv)DBIを含有する。比較例4は、高すぎる(>40%)量のii)LMAとIBOMAとの組み合わせ(5+42=47%)を含有する。比較例5は、高すぎる(>40%)量のii)LMAとIBOMAとの組み合わせ(10+44=54%)を含有する。比較例6は、SMAが多すぎる炭素原子を有するので、比較である。比較例1~6は、各モノマーの量がこの発明のものと異なる場合、得られたコポリマーは、本出願の単純アルコール(エタノール)に十分に可溶性でないことを示す。比較例7は、US2020/0222300の比較例3の繰り返しであり、i)アクリレートモノマーを含有しない。*は、比較例7のモノマー混合物が完全には反応しなかったことを示す。それはわずか95%の転化率を有し、コポリマーの最も高価な構成成分である未反応シリコーン-(メタ)アクリレートマクロモノマーをもたらした。
【0049】
本発明の実施例は、モノマーの混合物(各モノマーの選択及び量)が本明細書に記載されるように使用される場合、モノマーが完全に反応した(≧99%の高い転化率)ことを示した。得られたコポリマーは、エタノールに可溶性であり、パーソナルケア用途に好適なガラス転移温度、耐水性、及び/又は耐皮脂性を有する。これらのモノマーの組み合わせは、高い転化率を有する溶液重合によって例示されるように、フリーラジカル重合を使用して優れた反応速度を示した。更に、重合は、バイオマスから供給される1つの商業的に至る所に存在する担体であるエタノール中で直接行われ得る。パーソナルケア用途の要件を満たすための、過剰な残留モノマーを除去するための溶媒交換は必要とされず、生産コストを低減し、サプライチェーンを合理化する。更に、本発明者らは、本発明のコポリマーが以下の利益を有することを見出した。
1.本発明の実施例のファンデーション内性能は、優れた撥水性を実証した。
2.本発明の実施例のファンデーション内性能は、耐久性のある撥皮脂性を実証した(比較よりも有意に高いCA皮脂250s値によって実証される)。
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】
各コポリマーの量は、添加された溶液の量(重量%)として示される。目標は、ファンデーション配合物中に5%のコポリマー(担体を除く)を提供することであった。
【0053】
【表6】
【0054】
産業上の利用可能性
本明細書に記載されるシリコーン-(メタ)アクリレートコポリマーは、エタノールとの優れた溶解性を示し、したがって、コポリマーを調製するためのエタノール中での直接フリーラジカル重合を可能にする。理論に拘束されることを望むものではないが、コポリマーを調製するための方法においてエタノールが使用される場合、コポリマー溶液に対して余分な溶媒交換は必要とされず、製造コストを低減し、サプライチェーンを合理化すると考えられる。更に、エタノールは、パーソナルケア用途において至る所に存在し、エタノールは、製品としてのコポリマー溶液全体の持続可能性プロファイルを改善し得る商業的に重要な生物由来担体であると考えられる。
【0055】
加えて、i)(小さい)アクリレートモノマーは、立体障害を緩和すると考えられ、他のモノマー、特にiii)シリコーン-(メタ)アクリレートマクロモノマーの定量的転化を促進する。アクリレートとメタクリレートとの共重合は、一般にメタクリレートが有利であり、これは、多くの場合、メタクリレートが最初に消費されることを意味する。しかしながら、本発明者らは、フリーラジカル重合を介してコポリマーを作製する方法が、残留モノマーを<500ppm、代替的に<100ppmに低減させ、これが、コポリマー及び/又はその均質な溶液を調製するための方法において、余分なストリッピング及び/又は溶媒交換工程を伴わずに、得られたコポリマーを、パーソナルケア用途に好適にし得ることを見出した。
【0056】
本明細書に記載されるコポリマーは、ニートフィルムとして、及び例示的なファンデーション配合物において、撥水性及び撥皮脂性を含む優れた性能を示す。驚くべきことに、iii)シリコーン-(メタ)アクリレートマクロモノマー含有率は、コポリマーを調製するために使用されるモノマーの混合物の20%、代替的に20%~30%という低さに低減され得、上記の本発明の実施例によって示されるように、生成されるコポリマーの優れた撥水性及び撥皮脂性が維持される。iii)シリコーン-(メタ)アクリレートマクロモノマーの比較的少ない量に起因して、配合物は、シリコーン(メタ)アクリレート材料のより多い量を有する比較の組成物と比較してコストが低減される。更に、配合物は、より多い量のシリコーン含有材料を含有する比較の製品と比較して、製品の持続可能性プロファイルを改善するために、より多くの生物由来モノマーを含有し得る。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノマーの混合物を共重合することによって得られるコポリマーであって、前記モノマーの混合物が、
i)前記モノマーの合計重量に基づいて、15重量%~45重量%の、式
【化1】

のアクリレートモノマーと、
ii)前記モノマーの合計重量に基づいて、15重量%~40重量%の、式
【化2】

の(メタ)アクリレートモノマーと、
iii)前記モノマーの合計重量に基づいて、20重量%~60重量%の、式XSi(Rのオルガノシロキサン-(メタ)アクリレートマクロモノマーと、を含み、式中、
が、水素及びメチルからなる群から選択され、
が、1~4個の炭素原子の一価の炭化水素基であり、
が、8~13個の炭素原子の一価の炭化水素基であり、
各Xが、(メタ)アクリルオキシアルキル基であり、
各Rが、-OSi(R及びRから選択され、ただし、Rのうちの少なくとも2つが、-OSi(Rであり、各Rが、一価の炭化水素基であり、各Rが、R、-DSi(R、及び-[OSiROSiRから選択され、各Rが、R、-DSi(R、及び-[OSiROSiRから選択され、各Rが、R、-DSi(R、及び-[OSiROSiRから選択され、各Rが、R、及び-[OSiROSiRから選択され、各Dが、酸素、及び二価の炭化水素基から選択され、0≦m≦100である、コポリマー。
【請求項2】
前記モノマーの混合物が、iv)前記モノマーの合計重量に基づいて、>0~20重量%の式
【化3】

のイタコン酸エステルモノマーを更に含み、式中、各Rが、独立して選択された1~8個の炭素原子のアルキル基である、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項3】
iv)前記イタコン酸エステルモノマーが、ジブチルイタコネートを含む、請求項2に記載のコポリマー。
【請求項4】
i)前記アクリレートモノマーについての前記式中、Rが、2又は3個の炭素原子のアルキル基である、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項5】
i)前記アクリレートモノマーが、エチルアクリレートを含む、請求項4に記載のコポリマー。
【請求項6】
ii)前記(メタ)アクリレートモノマーについての前記式中、Rが、メチルであり、Rが、10~12個の炭素原子のアルキル基又は10~12個の炭素原子のシクロアルキル基である、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項7】
ii)前記(メタ)アクリレートモノマーが、ラウリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項6に記載のコポリマー。
【請求項8】
iii)前記マクロモノマーが、式:
【化4】

を有し、式中、R、R、R、R、及びDが、上記の通りである、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項9】
iii)前記マクロモノマーが、
3-(5-((1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)オキシ)-1,1,1,3,7,9,9,9-オクタメチル-3,7-ビス((トリメチルシリル)オキシ)ペンタシロキサン-5-イル)プロピルメタクリレート、
3-(1,5-ビス(2-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)エチル)-3-(((2-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)エチル)ジメチルシリル)オキシ)-1,1,5,5-テトラメチルトリシロキサン-3-イル)プロピルメタクリレート、
及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項8に記載のコポリマー。
【請求項10】
前記モノマーの混合物が、v)>0~10重量%の式
【化5】

の小さい(メタ)アクリレートモノマーを更に含み、式中、Rが、上記の通りである、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項11】
組成物であって、請求項1~10のいずれか一項に記載のコポリマーと、エタノールと、を含み、前記コポリマーが、前記エタノールに可溶性であり、前記組成物が、均質な溶液である、組成物。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか一項に記載のコポリマーを調製するための方法であって、
1)ラジカル開始剤と、式ROHの単純アルコールを含む溶媒と、の存在下で、前記モノマーの混合物を共重合し、式中、Rが、1~4個の炭素原子の一価の炭化水素基であり、それによって、反応混合物を形成することと、
2)前記反応混合物を、クエンチすることと、を含む、方法。
【請求項13】
3)前記コポリマーを精製すること、任意選択的に4)前記コポリマーをエタノールに溶解すること、及び/又は任意選択的に5)溶媒交換を実行し、それによって、前記コポリマーを、イソプロピルアルコール、アセトン、カプリリック/カプリックトリグリセリド、イソドデカン、9~11個の炭素原子のアルカン、環状ポリジオルガノシロキサン、1.5cSt~6.0cStとしての25℃での粘度を有するポリジメチルシロキサンなどの直鎖状ポリジオルガノシロキサン、又はこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される担体に溶解することを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
パーソナルケア組成物を調製するための方法であって、請求項12に記載のコポリマーを、前記パーソナルケア組成物に添加することを含む、方法。
【請求項15】
前記組成物が、ファンデーションである、請求項14に記載の方法。
【国際調査報告】