(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-29
(54)【発明の名称】流動層熱交換器及び方法
(51)【国際特許分類】
F28D 19/02 20060101AFI20240122BHJP
F28D 20/00 20060101ALI20240122BHJP
F28D 13/00 20060101ALI20240122BHJP
F24S 23/70 20180101ALI20240122BHJP
F24S 20/30 20180101ALI20240122BHJP
H02J 15/00 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
F28D19/02
F28D20/00 A ZAB
F28D13/00
F24S23/70
F24S20/30
H02J15/00 H
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023528207
(86)(22)【出願日】2020-11-16
(85)【翻訳文提出日】2023-07-04
(86)【国際出願番号】 IB2020060761
(87)【国際公開番号】W WO2022101669
(87)【国際公開日】2022-05-19
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518019673
【氏名又は名称】マガルディ パワー ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】マガルディ,マリオ
(72)【発明者】
【氏名】バセッティ,フルヴィオ
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA32
(57)【要約】
熱エネルギーの蓄積及び伝導のための装置(100)であって、ケーシングに受け入れられるとともに熱エネルギー源に暴露されることにより蓄熱手段として機能する流動化可能固体粒子の層を有する#熱エネルギー投入デバイス(1)と、前記層粒子の加熱ベクトル質量と動作流体との間の熱エネルギーの交換のために構成された、向流で動作する#熱交換手段(3)と、前記層粒子の前記ベクトル質量を前記デバイス(1)から前記熱交換手段(3)へ供給するために及び前記熱交換手段(3)の下流の、前記ベクトル質量の少なくとも一部を前記デバイス(1)へ戻すために構成された#輸送手段(5)と、パラメータ検出手段(6)と関連する#制御ユニット(10)とを含む、装置(100)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱エネルギーの蓄積及び伝導のための装置(100)であって、
・ケーシングに受け入れられるとともに熱エネルギー源に暴露されることにより蓄熱手段として機能する固体粒子の流体層を有する少なくとも1つの熱エネルギー投入デバイス(1)と、
・前記層の粒子の加熱ベクトル質量と動作流体との間の熱エネルギーの交換のために構成された熱交換手段(3)であって、向流交換のために構成された熱交換手段(3)と、
・前記層の粒子の前記ベクトル質量を前記エネルギー投入デバイス(1)から前記熱交換手段(3)に供給するために及び前記熱交換手段(3)の下流の、前記ベクトル質量の少なくとも一部を前記エネルギー投入デバイス(1)へ戻すために構成された輸送手段(5)と、
・予めプログラムされた及び/又は前記装置(100)の1つ又は複数の選択された位置に配置されたパラメータ検出手段(6)、例えば温度センサーにより検出されたパラメータ値に基づき前記装置内の前記ベクトル質量のフローを制御するように構成された制御ユニット(10)と
を含む装置(100)。
【請求項2】
前記エネルギー投入デバイス(1)が、前記層の粒子と日射との間に挿入されたスクリーン手段がある状態又は無い状態のいずれかで、前記層の粒子に直接的又は間接的のいずれかで衝突する日射により前記層の粒子を加熱するように構成される、請求項1に記載の装置(100)。
【請求項3】
前記エネルギー投入デバイス(1)が、電気手段により、特に粒子の前記層に浸漬された又は粒子の前記層と熱的に接続した1つ又は複数の抵抗器により及びそれらをジュール効果により加熱することにより、前記層の粒子を加熱するように構成される、請求項1又は2に記載の装置(100)。
【請求項4】
前記装置(100)が、高温タンク(2)であって、前記又は各エネルギー投入デバイス(1)の下流に配置され、又はそこに一体化され、前記エネルギー投入デバイス(1)、又は電源に暴露されたその一部と前記熱交換手段(3)との間に挿入された前記ベクトル質量の貯蔵容器として構成された高温タンク(2)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項5】
前記装置(100)が、低温タンク(4)であって、前記熱交換手段(3)の下流に配置され、前記熱交換手段(3)と、前記輸送手段(5)の、前記ベクトル質量を前記エネルギー投入デバイス(1)に戻す部分との間に挿入された前記ベクトル質量の貯蔵容器として構成された低温タンク(4)を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項6】
前記又は各エネルギー投入デバイス(1)、前記高温タンク(2)、前記熱交換手段(3)及び/又は前記低温タンク(4)がタワー配置構成を有し、前記1つ又は複数のエネルギー投入デバイス(1)が上部にあり、他の要素がそれらより下にある、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置(100’)。
【請求項7】
前記低温タンク(4)が、前記又は各エネルギー投入デバイス(1)、前記高温タンク(2)及び/又は前記熱交換手段(3)に対して横方向に配置される、請求項5又は6に記載の装置(100)。
【請求項8】
前記装置(100’’’)が、複数の熱エネルギー投入デバイス(11~14)であって、各々、ケーシングに受け入れられるとともに熱エネルギー源に暴露されることにより蓄熱手段として機能する固体粒子のそれぞれの流体層を有する複数の熱エネルギー投入デバイス(11~14)を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置(100’’’)。
【請求項9】
前記装置(100’’’)が、熱交換手段(300)及び/又は低温タンク(400)であって、複数の熱エネルギー投入デバイス(11~14)に共通であるとともに前記デバイスの1つ又は複数のそれぞれのベクトル質量により選択的に供給されるように構成された熱交換手段(300)及び/又は低温タンク(400)を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置(100’’’)。
【請求項10】
前記熱交換手段(3)が、動作流体として、蒸気、CO
2又は超臨界CO
2で動作するように構成される、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置(100’)。
【請求項11】
前記輸送手段(5)が1つ又は複数の機械式コンベヤ(51、52)、好ましくはベルトコンベヤ、及び/又は1つ又は複数のエレベータデバイスを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項12】
熱エネルギーの蓄積及び伝導のためのシステムであって、前記動作流体のフローに対して平行に配置された、各々請求項1~11のいずれか一項に記載の複数の装置(101、102)を含むシステム。
【請求項13】
熱の形のエネルギーを蓄積及び伝導するための方法であって、以下のステップ、すなわち、
・固体粒子の流体層がエネルギー源に暴露される熱エネルギー投入ステップと、
・加熱された前記層の粒子の少なくともベクトル質量が、熱を動作流体に伝導するために向流で動作する熱交換手段へ循環される熱交換ステップと、
・前記ベクトル質量を前記投入ステップへ戻す輸送ステップと
を提供し、
前記ベクトル質量のフローが、予めプログラムされた及び/又は検出されたパラメータ値に基づき制御される、方法。
【請求項14】
前記エネルギー源が太陽エネルギー源である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記エネルギー源が電気エネルギー源、例えば再生可能エネルギーからの電気エネルギー、又は残余の熱エネルギー源、例えば他の工業用プラントに由来する熱廃棄物である、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記動作流体が蒸気、CO
2又は超臨界CO
2である、請求項13~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
熱エネルギー投入ステップが熱交換ステップと同時である、請求項13~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記熱交換ステップが任意の熱エネルギー投入ステップに対して遅延される、請求項13~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
請求項1~12のいずれか一項に記載の装置又はシステムを使用する、請求項13~18のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
概要
発明の技術分野
本発明は主に熱エネルギーの蓄積及び伝導のためのデバイス、システム及び方法に関する。
【0002】
特に、本発明は、流動化可能固体粒子の層に基づく熱エネルギーの蓄積のためのデバイスを使用する。
【背景技術】
【0003】
背景
固体粒子の流動層又は流動可能層に基づく熱エネルギーの蓄積及び伝導のためのデバイスは当該技術分野において既知である。
【0004】
上記のシステムにおいて、熱交換器は粒子層に浸漬される。そのような交換器は例えば、例えば蒸気又はCO2など動作流体が横断するチューブ束に依存し得る。
【0005】
その最も簡潔な構成において、粒子層は等温、すなわち各及び任意の粒子が同じ温度を有する質量と仮定され得る。この近似は、流動層全体での高い熱拡散率を原因として許容可能である。これらの条件において、熱エネルギーは、以下により与えられる、固体粒子の顕熱の形で層に貯蔵される
Q=m*cp*ΔT[1]、
ここで
Qは流体層に貯蔵された熱エネルギーであり、
mは層粒子の総質量であり、
cpは粒子の比熱容量であり、
ΔTは固体粒子温度(Tmax-Tmin)の差であり、Tmin及びTmaxは、それぞれ熱交換中の層粒子の最低及び最高動作温度である。
【0006】
上で与えられたとおり、層に熱エネルギーが蓄積されると、すなわち、加熱されると、そのようなエネルギーは、層に浸漬された前記熱交換器により、熱伝導流体(HTF)、例えば蒸気、CO2、超臨界CO2などへと放出され得る。
【0007】
HTFにおいて生じた温度は、当然のことながら、常に層温度未満であるとともに、使用のために必要な条件を満たすように(例えばいわゆる蒸気過熱防止装置により)調整され得る。
【0008】
より良好な理解のために、
図1~3の図は、T
minが350℃、T
maxが620℃で仮定され、蒸気発生時間が6時間である場合の(例えば砂粒子でできている)層質量の及び熱伝導流体(例えば蒸気)の可能な温度傾向を示す。
【0009】
特に、
図1は、固体粒子温度の低下と共に常に低下する蒸気温度を示し、
図2は、最初の2時間500℃で、次いで固体粒子温度の低下と共に低下する蒸気発生プロファイルを示し、一方で、
図3は、全期間にわたって300℃で一定の蒸気発生を示す。
【0010】
上記図は、全ての場合において、HTFは、少なくともある時間の間、流体層最低温度(図示の例においてTmin=350℃)未満の温度で生成されることを示していることに留意することが重要である。
【0011】
換言すると、HTFが常に例えば500℃で必要とされる用途について、粒子最低温度が500℃より上(例えば530℃)に上昇しない限り、上で示された解決策は機能し得ない。
【0012】
しかしながら、Tminのこの上昇は、固体粒子動作ΔTが著しく減少するため、蓄熱量に大きな悪影響を及ぼす。上記例にとどまるためには、ΔTは(620-350)℃=270℃から(620-530)℃=90℃へ減少させられなければならず、蒸気が300℃ではなく500℃で製造されなければならない場合、これは蓄熱量が1/3に減少することを意味する。
【0013】
理論上は、このギャップは流体層最高温度(Tmax)を上昇させることにより取り戻され得るが、特に、熱交換器の材料の動作上の限界を理由として、この上昇は実施可能ではない(及び/又は経済的ではない)場合がある。上記の例を再び参照すると、530℃の流体層最低温度(Tmin)を採用し、同じ熱エネルギー貯蔵容量を維持することにより、蒸気を常に500℃で製造するために、流体層最高温度は620℃から800℃(すなわち、530+ΔT=530+270=800℃)まで上昇しなければならず、これは、熱交換器材料の限界により実行不能であり得る。
【0014】
より高い温度(例えば500℃)で蒸気を製造するときの、同じ蓄熱量を保つための別の可能な対策は、固体粒子質量を増加させることであるが、この場合も、これは、かなりのコスト上昇とはるかにより大きいモジュール(例においては、3倍大きい)を伴う。
【0015】
上記検討は、HTFが今日では最大で50%の推定熱対電気効率を備えたタービンを駆動することができることが期待される超臨界CO2である場合、なおより重要であり、但し、超臨界CO2は700℃を超える温度(及び200バールを超える圧力)でタービンへ送達される。
【0016】
これらの場合において、流体層は極めて高い温度範囲(例えば、730℃~1000℃)において機能するべきであり、このことは、固体粒子にとって可能な場合であっても、前述の材料の限界を原因として浸漬熱交換器の構成を実施不可能にし得る、又はそれらの寿命を短くし過ぎ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、特に特定の応用分野において、有効な方法で熱エネルギーの蓄積及び交換をより可能にする流体粒子層に基づくデバイス、システム及び方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0018】
発明の概要
本発明により提起及び解決される技術的問題は、したがって、既知の技術を参照して上で言及された欠点又は批判の1つ又は複数を克服することを可能にする、固体粒子の流体層に基づく熱貯蔵及び伝導構成を提供することである。
【0019】
本発明の目的は、特に、電気又は熱エネルギーを最終ユーザへ供給するための高温熱伝導流体の連続的な生成を確実にするのに特に有効な、熱の形のエネルギーを蓄積及び伝導するためのデバイス、装置、システム及び/又は方法を提供することである。
【0020】
別の態様によると、本発明は、熱エネルギー源に暴露された同じ粒子層において浸漬された熱交換器を備えた固体粒子の流動層によりなされる熱エネルギー貯蔵の熱伝導機構と本質的に関連するいくつかの性能の限界を克服することをねらいとする。
【0021】
上記の目的は、請求項1による装置により、及び請求項13による方法により達成される。
【0022】
本発明の好ましい特徴は従属クレームに挙げられる。
【0023】
本発明は、流動化された固体粒子の層において熱の形でのエネルギーの蓄積及び蓄積されたエネルギーの動作流体への同時又は遅延伝導を可能にするデバイスに基づく。
【0024】
本発明の構成は、最終ユーザのニーズに基づき出ていくエネルギーの効率的でフレキシブルな使用を可能にする。有利には、蓄積されたエネルギーは、電気エネルギーに変換されることも、熱の形で直接使用されることも、さらには工業用途においてそのような2つの形の組み合わされた使用に供されることもできる(CHP、熱電併給プラント)。
【0025】
本発明は、いわゆる「集光型太陽発電」構成に適用でき、熱出力が太陽光線により、すなわち貯蔵層に衝突する日射により、直接的又は間接的のいずれかで、例えば、層と太陽源/放射線との間に挿入された透明なスクリーンなどの手段がある状態又は無い状態で、1つ又は複数の反射又は再照射後に、貯蔵層内へ投入される。
【0026】
固体粒子に基づく他の集光型太陽発電ソリューションと比べると、流体層技術に基づく太陽光レシーバ/蓄熱デバイスは、粒子を加熱するためのバッファ時間を提供し、動作のより高い性能及び安全性のための固体粒子温度制御を保証する性能がより高い。この特徴は、雲の突然の出現/消滅などレシーバデバイスへの太陽エネルギーの入力の急激な過渡変化中に、又はいずれにせよ日中に変化する日射に対応するために特に重要であり、固体粒子の流体層は熱フライホイールのように作用し、優れた熱伝導、均質な温度場を備えたかなりの熱容量を可能にし、固体粒子の温度耐性のみならず、高い熱拡散率、集光型太陽光線に暴露される材料の連続的な更新、及び粒子を使用のために望ましい温度レベルにするのに十分な滞留時間を提供する流動化された固体粒子の連続的な混合を理由としてヒートショックを吸収することが可能である。
【0027】
本発明はまた、熱抵抗器又は熱的に等価な手段が粒子の流動層に浸漬されるか粒子の流動層と熱的に接触している構成に適用できる、すなわち、層における熱出力の投入がジュール効果により(したがって電気により)、高温熱伝導流体により、廃熱により、又はこれらの組合せによりなされる。特に、前記層加熱手段は、例えば再生可能資源、特に風又は光電池エネルギー、又は工業的過程からの熱廃棄物である残余の熱エネルギーに由来する低コストの電気エネルギーを使用し得る。
【0028】
本発明はまた、層に投入される熱エネルギーが太陽光線、電気、熱伝導流体、廃熱など異なる電源の組合せにより生じるハイブリッドソリューションに適用できる。
【0029】
本発明の追加的な利点、特徴及び使用モードは、限定目的ではなく一例として開示されたそのいくつかの実施形態の以下の詳細な説明から生じ明らかになる。
【0030】
図面の簡単な説明
添付図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本開示の「背景」の章で既に紹介された図表を示す。
【
図2】本開示の「背景」の章で既に紹介された図表を示す。
【
図3】本開示の「背景」の章で既に紹介された図表を示す。
【
図4】本発明による熱交換及び熱エネルギー貯蔵装置の実施形態の概念スキームを示すブロック図を示す。
【
図4A】
図4に示された配置構成に基づく、本発明による熱交換及び熱エネルギー貯蔵システムの実施形態の概念スキームを示すブロック図を示す。
【
図5】本発明による熱交換及び熱エネルギー貯蔵装置及びシステムの別の実施形態の概念スキームを示すブロック図を示す。
【
図6】
図4の配置構成に基づく、本発明による熱交換及び熱エネルギー貯蔵装置の実施形態の側面図を示す。
【
図7】
図4に示された配置構成に基づく、本発明による熱交換及び熱エネルギー貯蔵装置の別の実施形態の側面図を示す。
【
図8A】
図4に示された配置構成に基づく、本発明による熱交換及び熱エネルギー貯蔵装置のさらなる実施形態の側面図を示す。
【
図8B】
図4に示された配置構成に基づく、本発明による熱交換及び熱エネルギー貯蔵装置のさらなる実施形態の上面図を示す。
【
図9】
図4に示された配置構成に基づく、高度に集光型日射の存在下で固体粒子を流体層に再導入するための可能な方法の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の好ましい実施形態の詳細な説明
本発明の実施形態及び変形形態が、主に上記の図を参照して、以下で説明される。
【0033】
以下の詳細な説明において、同じ説明において既に取り上げられた実施形態及び変形形態に対する追加的な実施形態及び変形形態は、既に示されたものに対する違いとの関連においてのみ示される。
【0034】
さらに、以下で説明される様々な実施形態及び変形形態、並びに相対的な構成要素、手段及び要素は、相性が良い場合は、組み合わせて使用され得る。
【0035】
本発明の好ましい実施形態による熱交換装置100が、
図4において概念的に示されている。
【0036】
装置100は、固体粒子の流動層内への熱エネルギーの捕捉及び温度安定化のためのレシーバデバイス1又はレシーバを含む。そのようなデバイスは、前記
図4において「レシーバ」として表示される。熱は、日射又は別のエネルギー源などエネルギー源(
図4において「パワー」)により前記層に提供される。エネルギー源は、本開示の「概要」の章において示された、層に浸漬される又はそれと熱的に接続している電気抵抗器などを含み得る。
【0037】
デバイス1の一般的な構成は、例えば国際公開第2017/021832A1号、国際公開第2018/142292A1号、国際公開第2013/150347A1号又は国際公開第2020/136456A1号において開示されたものであり得る。
【0038】
固体粒子の物理的フローに対してデバイス1の下流には、デバイス1の層を構成する高温粒子の物理的フローを受ける高温タンク2が位置する。高温タンク2は望ましい時間の間高温粒子を蓄積する機能を有し、その容量は、望ましい熱エネルギー貯蔵を可能にする。デバイス1から高温タンク2内へ物理的に移される粒子は、デバイス1に受け入れられた層全体であることもその一部であることもできる。層は、その常在(resident)質量が常にデバイス1に残り、別のベクトル質量が高温タンク2及び装置100の後続の要素に移されるように構成され得る。前記2つの質量を構成する体積はまた、エネルギーの必要性に依存して調整又は選択され得る。上で言及したとおり、好ましい用途において、常在質量はゼロであり、これは、本明細書において開示されたとおり、層全体が熱回路内を移動することを意味する。
【0039】
特定の構成において、デバイス1における流体層レベルは、レシーバに入る及びレシーバを出る固体粒子速度の間のあり得る差を補償するために、動作中、最大レベルと最小レベルとの間で変わり得る又は調整され得る。
【0040】
熱交換フロー及び粒子物理的フローに対して高温タンク2の下流には、熱交換器3が位置する。したがって、本発明の構成において、熱交換器3は流体層に浸漬されず、デバイス1の外側に位置する。
【0041】
熱交換器3は熱伝導流体(HTF)、例えば蒸気又は(超臨界)CO2に基づき得る。好ましくは、熱交換器3は向流で動作する、すなわち層粒子及びHTFは交換器3内で反対の方向に流れる。
【0042】
熱交換器3は、異なる交換原理又は流体に従っても動作する複数のユニットを含み得る。
【0043】
交換器3の下流には、低温固体粒子が熱をHTFへ移動させた後で低温固体粒子を受ける低温タンク4が位置する。
【0044】
装置100は、層粒子のベクトル質量をデバイス1から、上で紹介された構成要素2~4へ及びデバイス1に戻すように循環させるための手段をさらに含む。前記手段は、
図4において矢印により模式的に表され、全体として5により示される。それらは、例えば機械式コンベヤ、重力供給、エレベータ又は他の手段に基づき得る。
【0045】
装置100の局所又は遠隔制御ユニット10は、上で紹介された様々な要素を制御することができ又は上で紹介された様々な要素に命令することができ、粒子のフロー及び熱交換に関する動作モード及び/又はパラメータを決定することができる。
【0046】
制御ユニット10は、予めプログラムされた及び/又は、装置100の1つ又は複数の選択された位置に配置されたパラメータ検出手段6により検出されたパラメータ値に基づき装置内の前記ベクトル質量のフローを制御するように構成され得る。特に、制御ユニット10は、流体層温度の検出された値を望ましい範囲内に保つために、利用可能な電源入力により、デバイス1に入る及びデバイス1を出る粒子質量流量を調整することができる。同様に、制御ユニット10は、使用のために望ましいHTF質量流量及び温度により、特に熱交換器を横断する固体粒子質量流量を調整することにより、熱交換器3の動作を制御するように構成され得る。
【0047】
有利には、例えばデバイス1、高温及び低温タンク2、4、熱交換器3及び関連する伝導手段の全ての装置要素は、熱損失を制限するために熱的に絶縁される。
【0048】
装置100の一般的な動作モードが以下で示される。
【0049】
上で説明されたとおり、固体粒子、又はそのベクトル質量はデバイス1に永続的に含まれるのではなく、デバイス1から高温タンク2へ、熱交換器3へ、低温タンク4へ順に移動させられ、最後にデバイス1内へ再循環させられる。
【0050】
固体粒子はデバイス1において、例えば太陽源、電気、プロセス熱などにより加熱される。
【0051】
固体粒子がデバイス1において望ましい最高温度に到達すると、すなわち、熱エネルギーが流体層において投入されると、固体粒子がデバイス1からバッチ/分離又は連続モードで抽出され、高温タンク2へ搬送される。
【0052】
流体デバイス1の層の温度場は、固体粒子の温度が熱交換器3動作にとって最適な望ましい値に到達したときに、高温タンク2への固体粒子の排出を可能にするために好ましくは制御ユニット10と通信している、専用の熱電温度計6、又は他の温度センサー又はトランスデューサにより連続的に監視され得る。
【0053】
高温タンク2は、望ましい熱エネルギー貯蔵容量を確実にするようなサイズで構成される。エネルギーがHTFへ放出されることになると、固体粒子は高温タンク2から外部熱交換器3へ送達される。高温タンク2に貯蔵された熱エネルギーは、特定のプロセスニーズにより、常在層質量に基づきデバイス1に生じる同時の熱投入段階中に又は遅延時間に放出され得る。
【0054】
好ましくは向流構成で実現される外部熱交換器3は高温固体粒子を受け、HTFは、レシーバに入る高温粒子の温度を僅かに下回る温度で熱交換器3を出る。例えば、超臨界CO2と関して、本開示の「背景」の章で示された例を参照すると、超臨界CO2は700℃で生成され得、例えば最高温度として720℃で固体粒子を有し、したがって、既知の技術を参照して強調された臨界性を解決する。
【0055】
固体粒子は、それらの熱容量をHTFへ放出した後で、「低い」温度で外部熱交換器3を出るとともに、例えば上で言及したとおり、重力により、機械的抽出装置又は他の手段により低温タンク4へ送達される。
【0056】
低温タンク4はHTF生成中に固体粒子を受けるとともに、デバイス1における次の加熱段階が開始するまで粒子を蓄積し得る。低温タンク4は、高温タンク2に貯蔵された粒子質量全体と関連する熱容量が熱交換器3におけるHTFに放出され得るように、好ましくは高温タンク2と少なくとも同じサイズを有する。
【0057】
最後に、固体粒子は、手段5により、低温タンク4からデバイス1へ戻るように循環させられ、デバイス1で、それらは電源により再び加熱される。
【0058】
デバイス1への固体粒子の再循環中、例えば輸送コンベヤ内に位置する電気ヒータ、放射バーナー又は他の加熱手段などにより固体粒子の予熱が提供され得る。
【0059】
好ましい制御モードによると、デバイス1内へ再循環させられることになる固体粒子の質量流量は、デバイスに入る入力パワーの実際の量により調整される。そのような制御は、例えば低温タンクからの機械的抽出システムの速度を調整する周波数変換器により、制御ユニット10により実施され得る。デバイス1への利用可能な入力パワーが増加/減少すると、デバイス1内へ再循環する粒子流量は比例して増加/減少し得、したがってデバイス内部の固体粒子温度を望ましい温度範囲内に保つのに役立つ。
【0060】
変形形態によると、デバイス1及び高温タンク2は単一のユニットに一体化されることも高温タンクが省略されることもできる。この変形形態は、例えばHTFがデバイス1におけるエネルギー投入と同時に生成されず、遅延ステージにおいてのみ生成される場合に有用であり得る。
【0061】
この代替的構成において、低温タンク4から一体化された流動層レシーバ/高温タンクデバイスへ-又はレシーバ1のみへ-再循環させられた低温固体粒子は、特にHTF生成中に低温粒子を高温粒子と混ぜること無しに、次のエネルギー投入段階が開示する前にそれを充填する。
【0062】
集光型太陽発電システムのようにデバイスに太陽エネルギーが投入される場合、日射は、流体層レシーバにヘリオスタットフィールドから直接又は例えばビームダウンミラーによる二次反射を通じて導入され得る。
【0063】
図8に示された前記レシーバデバイス1の好ましい実施形態によると、固体粒子のレシーバ内への再循環は、好ましくは側壁の窓201を通じてレシーバに入る日射200が、固体粒子203に、それらがデバイス内に落下する間に衝突するような方法で実現され得る。このような方法で、レシーバ内面ライニング204は特に強い放射フラックスから保護され、粒子が流体層205の残りの部分に到達する前に粒子の第1の加熱が得られ、流体層205の残りの部分において、それらの加熱は粒子温度が使用のために望ましい値に到達するまで続き、完了する。
【0064】
依然として集光型太陽熱利用システムの場合において、レシーバに入るパワーは、従来の器具類により、例えば日射計によりヘリオスタットフィールドにおける実際の日射(例えばDNI、直達日射量)を測定し既知の光学性能アルゴリズムによりそれを精緻化することにより、いつでも推定され得る。
【0065】
レシーバに電気からの熱出力が投入される場合(ジュール効果)、入力パワーはワット計など従来の器具類により推定され得、同様にレシーバに高温流体による熱が投入される場合、入力パワーは従来の高温ガス流量及び温度/圧力測定値から導出され得る。
【0066】
熱交換及び熱エネルギー貯蔵システムの好ましい実施形態によると、
図4に示されたものなど複数の装置又はモジュールは
図4Aに概念的に示されるとおり、並列に配置されることができ、前記装置はそれぞれ101、102、...,10Nで示される。この実施形態において、各モジュールにより生成された高温HTFフローA1、A2、...、ANは合せて最終ユーザへ送達される。
【0067】
図5に示された熱交換システム及び熱エネルギー貯蔵の別の実施形態によると、複数の装置又はモジュール111、112、...11Nが熱交換器30を共有して一体化され得る。この場合において、それぞれの装置の各高温タンクから又は各レシーバからの固体粒子はフローC1、C2、CNとして、共通の熱交換器30へ搬送され、そこからフローB1、B2、...、BNとして各それぞれの低温タンクへ戻され再利用される。
【0068】
図5のシステム構成は、熱交換器が高温HTF使用領域の近くに位置しなければならない場合に有利には使用され得る。例えば、超臨界CO
2タービンによる電力生産の場合、効率の高い変換サイクルを可能にするために、超臨界CO
2は高温及び高圧(それぞれ、例えば700℃及び200バール超)で生産されなければならない。これらの条件は、特に熱交換器における及び熱交換器から超臨界CO
2タービンへの超臨界CO
2配管のための高温と高圧との組み合わせに由来する厳しい熱機械ストレスに耐え得る特別な材料の使用を必要とする。それら配管の長さは、したがって、提案された構成により最少化され得、故障の可能性及び過剰なコストのリスクを孕む。
【0069】
したがって、再び、
図5において、いくつかの装置に共通の熱交換器30が、選択された用途において、超臨界CO
2タービンのすぐ近くに位置し得るような方法で使用され、したがって関連する配管長さを最小化し、一方で、固体粒子は、例えば機械式コンベヤにより、重力又は他の手段により熱交換器へ及び熱交換器から搬送される。
【0070】
図4~5において矢印で模式的に示された循環手段5の1つ又は複数の要素のための好ましい実施形態がここで説明される。
【0071】
環境への熱損失を制限するために好ましくは外側ケーシングに完全に囲まれた及び/又は熱的に絶縁された高温に耐える機械式コンベヤによる固体粒子の信頼性のある輸送が、好ましくは得られる。好適なコンベヤ、特にベルトコンベヤの例は、例えば国際公開第2007/034289A1号又は国際公開第2017/013517A1号に開示された一般的な構成に基づき得る。
【0072】
図4の概念スキームに基づく100’として示された装置構成の実施形態が
図6に示される。本例において、レシーバ1、高温タンク2及び熱交換器3はタワー構成で配置される一方、低温タンク4は脇に配置され、したがってタワー高さを制限する。
【0073】
好ましくは、交換器3から低温タンク4へ及び低温タンク4から再びレシーバ1内への固体粒子の輸送は、51及び52により示されたそれぞれの傾斜したコンベヤの組合せにより得られる。
【0074】
図6の構成に関連してデバイス及びシステムを寸法決めする例として、以下のことが述べられる。
【0075】
図6のスキームによると、装置は、流体層レシーバ、高温タンク、低温タンク及び超臨界CO
2(sCO
2)熱交換器を含み、発電のためにブレイトンパワーサイクルタービン(
図6には示されず)を駆動するsCO
2を製造する。超臨界CO
2タービンは、50%に近い熱対電気変換効率に到達することをねらいとして開発されているが、但しsCO
2はおよそ700~720℃の温度(及び200バールを超える圧力)で途切れなく製造される。
【0076】
例えば終日発電のための、すなわちまた太陽が無いときの、所与の出力でのCSPプラントを仮定すると、高温及び低温タンクは、夜間の発電を確実にするために固体粒子を蓄積するのに十分な用量を有しているべきであり、一方で、レシーバは日中太陽エネルギーを捕捉して丸1日の間sCO2ループへ放出することができるべきであり、固体粒子再循環システムは必要な質量流量を処理するような大きさにされるべきである。
【0077】
例えば、3MWeの出力、1日当たり24時間の発電(日中8時間プラス夜間16時間)、比熱容量が1200J/kgKの個体粒子、47%のsCO2タービン効率、200℃の固体粒子温度低下(例えば750℃から550℃へ)で95%の効率の固体粒子対sCO2向流熱交換器、85%のレシーバ効率を仮定すると、以下の結果となる、すなわち、
・レシーバ1は日中に23.7MWtの平均太陽発電を受けるような大きさにされるべきである、
・熱交換器3は、丸1日の間連続的に101t/hの固体粒子により横断させなければならない、
・傾斜したコンベヤ51は550℃で101t/hの固体粒子質量流量を処理しなければならない、
・高温タンク2及び低温タンク4は、それぞれの材料温度が750℃及び550℃で(輸送中の小規模な熱損失は無視する)、少なくとも1613トンの容量を確実にしなければならない、
・傾斜したコンベヤ52は、550℃で日中に低温タンク4からレシーバ1へ303t/hの固体粒子速度で輸送しなければならない。
【0078】
したがって、レシーバ1には、日中に303t/hの速度で固体粒子が供給され、ドージングデバイス(
図6には示さず)により高温タンク2へ303t/hで排出される。例えば、300トンのレシーバ容量を仮定すると、固体粒子は23.7MWtの平均太陽発電下では加熱されるのにほぼ1時間かかる。
【0079】
この時間は他のCSP固体粒子技術よりもはるかに長く、また、流体層の高い熱拡散率及び例えば流体層に浸漬された熱電温度計によりリアルタイムで粒子温度を監視することができることから、提案された構成は、固体粒子が高温タンクへ次いで熱交換器へ供給される前に、望ましい温度範囲内での固体粒子のはるかに高度な温度安定化及びより良好な制御を可能にする。固体粒子の適切な温度制御がsCO2ループの安全な動作及び高い性能にとって最重要である。
【0080】
図7は、依然として
図4の概念スキームに基づく、100’’により示される、装置実施形態の代替的配置構成を示し、レシーバ1、高温タンク2及び熱交換器3は全てタワー構成において配置される。
【0081】
この実施形態は、タワー高さは問題ではなく、水平方向の土地の占有が最少化されなければならない工場に特に好適である。
【0082】
様々な要素からの固体粒子の下向きの輸送は、、重力及び/又は隣接する要素1~2、2~3及び3~4の間に挿入されたドージング弁など質量流制御デバイスにより得られ得る。固体粒子の上向きに戻る輸送は、例えば垂直エレベータ53により得られ得る。
【0083】
図8A及び8Bは、依然として
図4又は4Aの概念スキームに略基づくとみなされ得る、本明細書において100’’’により示される、装置構成のさらなる実施形態を示す。
【0084】
この構成において、熱出力が1つ又は複数の流体層レシーバ、特に、図示の例において11~14で示される4つのレシーバに投入される。蓄積された熱エネルギーは次いで、それぞれの高温固体粒子質量を排出することにより、熱交換器300及び低温タンク400の共通のセットへ送達される。最終的にそれぞれのレシーバへ一体化される共通の又は別個の高温タンクもまた提供され得る。
【0085】
なお図示の例において、粒子を交換器300へ移すために機械式コンベヤが使用され得る。それらのうちの2つが例として、
図8Aにおいて501及び502として示されている。同様に、21~24により示された機械式コンベヤ及びエレベータが、低温固体粒子を低温タンク400から4つのレシーバ11~14へ再循環させるために使用され得る。
【0086】
高温タンクがそれぞれのレシーバ11~14と関連付けられた又は一体化された構成において、装置100’’’は、投入段階において流体層レシーバにおいて熱エネルギーを捕捉及び貯蔵し、固体粒子がレシーバ/高温タンクに含まれた状態を保ち、後に、HTF生成段階中に関連する粒子質量を放出する。それぞれのレシーバ11~14から共通の交換器300への粒子質量の供給は、特定のエネルギー生成ニーズ及びプラント構成に依存して、同時であってもなくてもよい。
【0087】
低温タンク400は、次の投入段階が始まる前に全てのベクトル粒子質量を含むようにレシーバ11~14の総容量と少なくとも同じ容量を有し得る。
【0088】
したがって、装置100’’’は、レシーバにおける熱エネルギー投入及び交換器300における熱交換、すなわちHTF生成が同時に起こらない場合に使用するのに好適である。
【0089】
例えば、この構成は、日中の集光型太陽発電システムにおいて太陽エネルギーを捕捉し、遅延時間で、典型的には日没後にHTFを生成するのに採用され得る。さらに、この構成は、パワーが低コストで利用可能であり投入段階と同時ではなく後で放出されるときに、(例えば電気、廃熱又は他の源により提供された)パワーを流動層内へ投入するために使用され得る。
【0090】
換言すると、好ましい動作モードによると、低温タンクからの低温粒子は、パワー投入段階中に流体層レシーバへ再循環されず、又はいずれの場合も、パワー投入及びパワー交換段階はやがてシフトされる。
【0091】
本発明はさらに、本発明の装置及びシステムと関連して既に上で述べられた機能に基づき熱エネルギーを蓄積及び伝導するための方法を提供する。
【0092】
本開示の対象は、これまでその好ましい実施形態を参照して説明された。同じ発明のコアに属する他の実施形態も存在し得ることが意図され、全ては以下で報告される特許請求の範囲の保護範囲に属する。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱エネルギーの蓄積及び伝導のための装置(100)であって、
・ケーシングに受け入れられるとともに熱エネルギー源に暴露されることにより蓄熱手段として機能する固体粒子の流体層を有する少なくとも1つの熱エネルギー投入デバイス(1)と、
・前記層の粒子の加熱ベクトル質量と動作流体との間の熱エネルギーの交換のために構成された熱交換手段(3)であって、向流交換のために構成された熱交換手段(3)と、
・前記層の粒子の前記ベクトル質量を前記エネルギー投入デバイス(1)から前記熱交換手段(3)
へ供給するために
、及び前記熱交換手段(3)の下流の、前記ベクトル質量の少なくとも一部を前記エネルギー投入デバイス(1)へ戻すために構成された輸送手段(5)と、
・前記装置(100)の1つ又は複数の選択された位置に配置
され、温度センサーを含むパラメータ検出手段(6)
と、
・予めプログラムされたパラメータ値及び前記パラメータ検出手段(6)により検出されたパラメータ値に基づき
、前記装置内の前記ベクトル質量のフローを制御するように構成された制御ユニット(10)と
を
含み、
前記制御ユニット(10)が、前記流体層の温度の検出された値を望ましい範囲内に保つために、利用可能な電源入力により、前記エネルギー投入デバイス(1)に入る及び前記エネルギー投入デバイス(1)を出る前記粒子の質量流量を調整するように構成され、
前記制御ユニット(10)が、使用のために望ましい前記動作流体の質量流量及び温度により、前記熱交換手段(3)を横断する前記固体粒子の質量流量を調整することにより、前記熱交換手段(3)の動作を制御するように構成される、装置(100)。
【請求項2】
前記エネルギー投入デバイス(1)が、前記層の粒子と日射との間に挿入されたスクリーン手段がある状態又は無い状態のいずれかで、前記層の粒子に直接的又は間接的のいずれかで衝突する日射により前記層の粒子を加熱するように構成される、請求項1に記載の装置(100)。
【請求項3】
前記エネルギー投入デバイス(1)が、電気手段により、特に粒子の前記層に浸漬された又は粒子の前記層と熱的に接続した1つ又は複数の抵抗器により及びそれらをジュール効果により加熱することにより、前記層の粒子を加熱するように構成される、請求項1又は2に記載の装置(100)。
【請求項4】
前記装置(100)が、高温タンク(2)であって、前記又は各エネルギー投入デバイス(1)の下流に配置され、又はそこに一体化され、前記エネルギー投入デバイス(1)、又は電源に暴露されたその一部と前記熱交換手段(3)との間に挿入された前記ベクトル質量の貯蔵容器として構成された高温タンク(2)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項5】
前記装置(100)が、低温タンク(4)であって、前記熱交換手段(3)の下流に配置され、前記熱交換手段(3)と、前記輸送手段(5)の、前記ベクトル質量を前記エネルギー投入デバイス(1)に戻す部分との間に挿入された前記ベクトル質量の貯蔵容器として構成された低温タンク(4)を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項6】
前記又は各エネルギー投入デバイス(1)、前記高温タンク(2)、前記熱交換手段(3)及び/又は前記低温タンク(4)がタワー配置構成を有し、前記1つ又は複数のエネルギー投入デバイス(1)が上部にあり、他の要素がそれらより下にある、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置(100’)。
【請求項7】
前記低温タンク(4)が、前記又は各エネルギー投入デバイス(1)、前記高温タンク(2)及び/又は前記熱交換手段(3)に対して横方向に配置される、請求項5又は6に記載の装置(100)。
【請求項8】
前記装置(100’’’)が、複数の熱エネルギー投入デバイス(11~14)であって、各々、ケーシングに受け入れられるとともに熱エネルギー源に暴露されることにより蓄熱手段として機能する固体粒子のそれぞれの流体層を有する複数の熱エネルギー投入デバイス(11~14)を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置(100’’’)。
【請求項9】
前記装置(100’’’)が、熱交換手段(300)及び/又は低温タンク(400)であって、複数の熱エネルギー投入デバイス(11~14)に共通であるとともに前記デバイスの1つ又は複数のそれぞれのベクトル質量により選択的に供給されるように構成された熱交換手段(300)及び/又は低温タンク(400)を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置(100’’’)。
【請求項10】
前記熱交換手段(3)が、動作流体として、蒸気、CO
2又は超臨界CO
2で動作するように構成される、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置(100’)。
【請求項11】
前記輸送手段(5)が1つ又は複数の機械式コンベヤ(51、52)、好ましくはベルトコンベヤ、及び/又は1つ又は複数のエレベータデバイスを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項12】
熱エネルギーの蓄積及び伝導のためのシステムであって、前記動作流体のフローに対して平行に配置された、各々請求項1~11のいずれか一項に記載の複数の装置(101、102)を含むシステム。
【請求項13】
熱の形のエネルギーを蓄積及び伝導するための方法であって、以下のステップ、すなわち、
・固体粒子の流体層がエネルギー源に暴露される熱エネルギー投入ステップと、
・加熱された前記層の粒子の少なくともベクトル質量が、熱を動作流体に伝導するために向流で動作する熱交換手段へ循環される熱交換ステップと、
・前記ベクトル質量を前記投入ステップへ戻す輸送ステップと
を提供し、
前記ベクトル質量のフローが、
温度を含む予めプログラムされた及
び検出されたパラメータ値に基づき
制御され、
前記エネルギー投入ステップに入る及び前記エネルギー投入ステップを出る前記粒子の質量流量が、前記流体層の温度の検出された値を望ましい範囲内に保つために、利用可能な電源入力により調整され、
前記熱交換ステップが、使用のために望ましい前記動作流体の質量流量及び温度により、前記熱交換手段へ循環される前記ベクトル質量の前記固体粒子の質量流量を調整することにより制御される、方法。
【請求項14】
前記エネルギー源が太陽エネルギー源である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記エネルギー源が電気エネルギー源、例えば再生可能エネルギーからの電気エネルギー、又は残余の熱エネルギー源、例えば他の工業用プラントに由来する熱廃棄物である、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記動作流体が蒸気、CO
2又は超臨界CO
2である、請求項13~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
熱エネルギー投入ステップが熱交換ステップと同時である、請求項13~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記熱交換ステップが任意の熱エネルギー投入ステップに対して遅延される、請求項13~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
請求項1~12のいずれか一項に記載の装置又はシステムを使用する、請求項13~18のいずれか一項に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0063】
図9に示された前記レシーバデバイス1の好ましい実施形態によると、固体粒子のレシーバ内への再循環は、好ましくは側壁の窓201を通じてレシーバに入る日射200が、固体粒子203に、それらがデバイス内に落下する間に衝突するような方法で実現され得る。このような方法で、レシーバ内面ライニング204は特に強い放射フラックスから保護され、粒子が流体層205の残りの部分に到達する前に粒子の第1の加熱が得られ、流体層205の残りの部分において、それらの加熱は粒子温度が使用のために望ましい値に到達するまで続き、完了する。
【国際調査報告】