(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-29
(54)【発明の名称】材料ストリップを工作機械の処理領域に送る際に材料ストリップの厚みを算出する方法
(51)【国際特許分類】
B30B 15/30 20060101AFI20240122BHJP
B65H 5/06 20060101ALI20240122BHJP
B65H 43/00 20060101ALI20240122BHJP
G01B 5/06 20060101ALI20240122BHJP
B21C 51/00 20060101ALI20240122BHJP
B21D 28/00 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
B30B15/30
B65H5/06 Z
B65H43/00
G01B5/06 101
B21C51/00 K
B21D28/00
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023535820
(86)(22)【出願日】2020-12-15
(85)【翻訳文提出日】2023-08-07
(86)【国際出願番号】 EP2020086188
(87)【国際公開番号】W WO2022128073
(87)【国際公開日】2022-06-23
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591119554
【氏名又は名称】ブルーデラー アーゲー
【氏名又は名称原語表記】BRUDERER AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100108143
【氏名又は名称】嶋崎 英一郎
(72)【発明者】
【氏名】デ サンティス,ウゴ
(72)【発明者】
【氏名】ホーゲル,ヘルベルト
【テーマコード(参考)】
2F062
3F048
3F049
4E090
【Fターム(参考)】
2F062AA28
2F062AA81
2F062BB05
2F062BC12
2F062CC02
2F062EE03
2F062FF13
2F062GG61
2F062GG65
2F062GG68
2F062GG71
2F062HH15
2F062JJ05
2F062NN01
3F048AA00
3F048AB07
3F048AC02
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3F048CB09
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3F049AA10
3F049DA12
3F049EA22
3F049LA15
3F049LB10
4E090AB01
4E090EA01
4E090FA02
4E090GA03
4E090HA04
(57)【要約】
本発明は、材料ストリップ(5)を工作機械(1)の処理領域に送る際に前記材料ストリップ(5)の厚みを算出するための方法である。材料ストリップ(5)は、2つの回転可能なローラ(3、4)の間にクランプされ、汚れのない元の状態にありローラの間隔が「ゼロ」であるそれらの互いに対する相対位置(基準相対位置)を検出し、意図する送り処理におけるそれらの互いに対する相対位置(現時点の相対位置) が測定される。ローラが汚れのない元の状態であるときの、材料ストリップ(5)の厚みをもたらす現時点の相対位置と基準相対位置との差は、汚染が原因でローラ(3、4)の直径が変化した場合に本発明に従って補正される。この目的のために、基準送り動作における汚れのないローラ(3、4)の元の状態では、ローラ(3)の割り当てられた基準回転角度が、検出された基準送り長さで、少なくとも一方のローラ(3)に対し検出され、その結果、このローラ(3)に対する元の送り長さ/回転角度の比がわかり、その元の直径も明確に定められる。意図した送り動作中にこれらのパラメータからずれが生じた場合、そのずれは、少なくとも一方のローラ(3)の直径の変化に変換され、材料ストリップ(5)の厚みを計算する際に考慮に入れられる。本発明は、ローラを用いたストリップ厚さにおける今日の問題点を解決する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料ストリップ(5)を工作機械(1)、特に打ち抜きプレス(1)の処理領域に送る際に前記材料ストリップ(5)の厚みを算出するための方法であって、
a)2つの回転可能なローラ(3、4)、すなわち第1のローラ(3)及び第2のローラ(4)を含むローラ構成を提供する工程であって、前記2つのローラ(3、4)の回転軸(Z)は平行で、前記ローラ(3、4)は可動式で、特に回転軸(Z)に垂直に互いに対して移動可能である、工程と、
b)前記2つのローラ(3、4)が互いに接触するように前記ローラ(3、4)を互いに対して位置決めし、この状態で前記ローラ(3、4)の互いに対する相対位置を基準相対位置として検出する工程と、
c)前記材料ストリップ(5)の長手方向が前記ローラ(3、4)の前記回転軸(Z)に対して垂直に走り、前記材料ストリップ(5)が前記ローラ(3、4)の間でクランプされるように、材料ストリップ(5)を前記ローラ(3、4)の間に配置する工程と、
d)前記ローラ(3、4)の間でクランプされた前記材料ストリップ(5)を、前記ローラ(3、4)が前記ストリップの表面(12a、12b)上を滑らずに転がって特定の送り長さ(L)だけ前進させる工程であって、前記ローラ(3、4)は、前記特定の送り長さ(L)に対応する特定の回転角度だけ回転する工程と、
e)基準送り長さとして算出された前記送り長さ(L)及び第1の基準回転角度として算出された前記第1のローラ(3)の回転角度を検出し、及び/又は算出された前記送り長さ(L)と算出された前記第1のローラ(3)の回転角度との比を、第1の基準送り長さ/回転角度の比として検出する工程と、
その後、
f)c)の時点でまだ実行されていない場合、前記材料ストリップ(5)の長手方向が前記ローラ(3、4)の前記回転軸(Z)に対して垂直に走り、前記材料ストリップ(5)が前記ローラ(3、4)の間にクランプされるように、前記材料ストリップ(5)を前記ローラ(3、4)の間に前記工作機械(1)の処理領域に意図したとおりに送るように準備して配置する工程と、
g)前記ローラ(3、4)の間でクランプされた前記材料ストリップ(5)を一定間隔で毎回送り長さ(L)だけ前進させる工程であって、前記ローラ(3、4)は、一定間隔で回転角度(Ro、Ru)だけ回転する工程と、
h)送り間隔ごとに、前記ローラ(3、4)の互いに対する相対位置及び前記第1のローラ(3)の前記回転角度(Ro)、前記送り長さ(L)
及び/又は前記第1のローラ(3)の前記送り長さ(L)と前記回転角度(Ro)との比を検出する工程と、
i)送り間隔ごとに、現時点で検出された前記送り長さ(L)を前記基準送り長さと比較し、前記第1のローラ(3)の現時点で検出された前記回転角度(Ro)を前記第1の基準回転角度と比較し、及び/又は前記送り長さ(L)と前記第1のローラ(3)の前記回転角度(Ro)との現時点で検出された比を、前記第1の基準送り長さ/回転角度の比と比較する工程と、
j)送り間隔ごとに、前記基準相対位置と現時点で算出された前記ローラ(3、4)の互いに対する前記相対位置との差から、前記材料ストリップの厚み(5)を計算する工程と
を含む方法において、
現時点で検出された前記送り長さ(L)が前記基準送り長さからずれていれば、現時点で検出された前記第1のローラ(3)の前記回転角度(Ro)は、前記第1の基準回転角度からずれ、及び/又は現時点で検出された前記送り長さ(L)と前記第1のローラ(3)の前記回転角度(Ro)との比は、前記第1の基準送り長さ/回転角度の比からずれ、算出された前記送り長さのずれ、算出された前記回転角度のずれ及び/又は算出された前記送り長さ/回転角度の比のずれは、前記ローラの直径と前記回転角度と前記送り長さとの関係によって、前記第1のローラ(3)の直径のずれに前記基準相対位置の検出時のその直径から変換され、前記材料ストリップ(5)の厚みの計算に考慮される、
方法。
【請求項2】
工程e)で、前記第1のローラ(3)と同じように、前記第2のローラ(4)に対しても第2の基準回転角度及び/又は第2の基準送り長さ/回転角度の比を検出し、
送り間隔ごとに、さらに前記第2のローラ(4)の前記回転角度(Ru)は、前記第2の基準回転角度と比較され、及び/又は前記第2のローラ(4)の前記送り長さ(L)と前記回転角度(Ru)の比は、第2の基準送り長さ/回転角度の比と比較され、現時点で検出された前記第2のローラ(4)の前記回転角度(Ru)が前記第2の基準回転角度からずれ、及び/又は現時点で検出された前記第2のローラ(4)の前記送り長さ(L)と前記回転角度(Ru)の比が前記第2の基準送り長さ/回転角度の比からずれている場合、算出された前記第2のローラ(4)の回転角度のずれ及び/又は算出された前記送り長さ/回転角度の比は、前記ローラの直径と前記回転角度と前記送り長さとの関係によって、前記第2のローラ(4)の直径のずれに前記基準相対位置の検出時のその直径から変換され、前記材料ストリップ(5)の厚みを計算する際に考慮に入れられる、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
現時点で検出された前記送り長さ(L)が前記基準送り長さからずれている場合、現時点で検出された前記第1のローラ(3)の前記回転角度(Ro)は、前記第1の基準回転角度からずれ、及び/又は現時点で検出された前記送り長さ(L)と前記第1のローラ(3)の前記回転角度(Ro)との比は、前記第1の基準送り長さ/回転角度の比からずれ、算出された前記送り長さのずれ、算出された前記回転角度のずれ及び/又は算出された前記送り長さ/回転角度の比のずれは、前記ローラの直径と前記回転角度と前記送り長さとの関係によって、前記第1のローラ(3)の直径のずれに前記基準相対位置の検出時のその直径から変換され、前記第2のローラ(4)のローラの直径は、前記基準相対位置の検出時のその直径から同じずれを有すると想定され、想定された前記ずれは、前記材料ストリップ(5)の厚みを計算する際に考慮に入れられる、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ローラ(3、4)の一方、特に前記第2のローラ(4)の前記回転軸(Z)は静止型で、もう一方の前記ローラ(3)の前記回転軸(Z)は、前記回転軸(Z)に対して垂直に、かつ前記材料ストリップ(5)の進行方向に対して垂直に移動可能である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ローラの少なくとも一方(3、4)は、駆動され、前記2つのローラ(3、4)は、前記材料ストリップ(5)を送ることを生じさせる、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ローラ(3、4)の少なくとも一方の、前記材料ストリップ(5)の反対側を向いている外面(11a)の位置は、前記ローラ(3、4)の互いに対する相対位置、特に前記第1のローラ(3)の相対位置を検出するために算出される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ローラ(3、4)の互いに対する相対位置を検出するために、前記ローラ(3、4)の少なくとも一方の軸受に接続された本体(14;14a、14b)、特に前記第1のローラ(3)の軸受に接続された本体(14;14a、14b)の位置が算出される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
1つ以上の非接触型距離測定センサ(6;6a、6b)、特に渦電流センサ、容量性センサ又はレーザ測定装置、特に共焦点レーザ測定システムは、前記それぞれのローラ(3)の、前記材料ストリップ(5)の反対側を向いている前記外面(11a)の位置及び/又は前記それぞれのローラ(3)の軸受に接続された前記本体(14;14a、14b)の位置を測定するために使用される、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記それぞれのローラ(3)の、前記材料ストリップ(5)の反対側を向いている前記外面(11a)の位置及び/又は前記それぞれのローラ(3)の軸受に接続された前記本体(14;14a、14b)の位置の測定は、複数個所で、特に前記それぞれのローラ(3)の両端の領域で実行される、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記材料ストリップ(5)にはパイロット開口部(9)が設けられ、前記パイロット開口部(9)の位置は、前記材料ストリップ(5)の前記送り長さ(L)を検出するために、特にラインセンサ(10)を介して毎回測定される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
厚みを算出された前記材料ストリップ(5)は、シート金属の積層体を製造するための機械を備えた打ち抜きプレス(1)に送られ、算出された前記シート金属の厚みを用いて前記積層体の高さを測定する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の方法を実行するのに使用するローラ構成であって、少なくとも一対のローラ(3、4)を含み、両ローラの間で材料ストリップ(5)をクランプでき、前記ローラ(3、4)の互いに対する相対位置及び前記ローラ(3、4)の少なくとも一方の回転角度(Ro、Ru)を検出する装置(6;6a、6b)を含む、ローラ構成。
【請求項13】
少なくとも一対のローラ(3、4)を含み、両ローラの間で前記材料ストリップ(5)をクランプでき、前記ローラ(3、4)を一定間隔で回転させることにより一定間隔で前記材料ストリップを前進させることができ、送り間隔ごとに、前記ローラ(3、4)の互いに対する相対位置及び前記ローラ(3、4)の少なくとも一方の回転角度(Ro、Ru)を検出する装置(6;6a、6b)を含む、請求項12に記載のローラ構成。
【請求項14】
前記ローラ(3、4)の互いに対する相対位置を検出する前記装置(6;6a、6b)は、少なくとも一方の前記送りローラ(3、4)の、前記材料ストリップ(5)の反対側を向いている前記外面(11a)の位置を測定するように設計される、請求項12又は13に記載のローラ構成。
【請求項15】
前記ローラ(3、4)の互いに対する相対位置を検出する前記装置(6;6a、6b)は、少なくとも一方の前記ローラ(3)の軸受に接続された本体(14;14a、14b)の位置を測定するように設計される、請求項12~14のいずれか一項に記載のローラ構成。
【請求項16】
前記ローラ(3、4)の互いに対する相対位置を検出して、前記それぞれのローラ(3)の、前記材料ストリップ(5)の反対側を向いている外面(11a)の位置及び/又は前記それぞれのローラ(3)の軸受に接続された前記本体(14;14a、14b)の位置を測定する前記装置(6;6a、6b)は、非接触型距離測定センサ(6;6a、6b)、特に渦電流センサ、容量性センサ又はレーザ測定装置、特に共焦点レーザ測定システムを1つ以上有する、請求項12~15のいずれか一項に記載のローラ構成。
【請求項17】
前記ローラ(3、4)の互いに対する相対位置を検出する前記装置(6;6a、6b)は、前記それぞれのローラ(3)の、前記材料ストリップ(5)の反対側を向いている前記外面(11a)の位置及び/又は前記それぞれのローラ(3)の軸受に接続された前記本体(14;14a、14b)の位置の測定を、いくつかの点で、特に前記それぞれのローラ(3)の両端の領域で、行えるように設計される、請求項12~16のいずれか一項に記載のローラ構成。
【請求項18】
請求項12~17のいずれか一項に記載のローラ構成を含む送り装置。
【請求項19】
請求項1~11のいずれか一項に記載の方法を実行し、請求項12~17のいずれか一項に記載のローラ構成又は請求項18に記載の送り装置を含む工作機械。
【請求項20】
前記工作機械は、シートの積層体を製造するための機械を含む打ち抜きプレス(1)である、請求項19に記載の工作機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料ストリップを工作機械の処理領域に送る際に前記材料ストリップの厚みを算出するための方法、該方法を実行するのに使用するローラ構成、該ローラ構成を含む送り装置、及び従属請求項の前提部分によるローラ構成又は送り装置を備えた前記方法を実行するための工作機械である。
【背景技術】
【0002】
材料ストリップから製品を工業用に打ち抜く場合、ストリップの正確な厚みが重要である用途が常にある。
【0003】
例えば、コインを打ち抜く場合、ストリップの厚みを用いてコインの重さを推定する。厚みが正確でなければ、コインは受け付けられない。
【0004】
電動のシート打ち抜きプロセスでは、シートを組み立ててパッケージにする。ストリップの厚みにわずかな誤差があると、パッケージの高さに大きなばらつきが生じる。このばらつきを制御するために厚みを測定する。束の高さに達する直前に、測定に基づいて束の高さを修正する必要があるかどうかを決定する。選択は、パッケージをそのままにするか、シートを1枚追加するか、最後にシートを1枚減らすかのいずれかである。
【0005】
ストリップの厚みの測定は、送られる前に常に行われる。測定のための様々なシステム及び業者が存在する。
【0006】
高精度の測定システムには、ダイアモンドチップかレーザーヘッドのいずれかが備わっている。ストリップが幅広の場合、測定は1点で行われるだけではなく、測定ヘッドはストリップ全体を前後に動く。その後、平均値を取ってストリップの厚みを算出する。コーティングされたストリップを使用する場合、コーティングが壊れるためダイアモンドチップは使用できない。
【0007】
精度の低いシステムにはローラが備わっている。下方固定ローラ、ラムに接続された上方可動ローラがある。上方ローラは、所定の力でストリップに押し付けられる。その後ストリップは、2つのローラの間でクランプされる。ローラは、較正(ゼロ)のために互いに移動する。その後、シート金属ストリップが挿入され、上方ロールが持ち上げられる距離は、ストリップの厚みとして算出される。生産実行過程では、パッケージの高さを正確に測定するために、ストリップの厚さの変化を明らかにする必要がある。
【0008】
原理として、ローラを用いた測定は極めて正確である。しかしながら、残念なことに、ローラは、汚れやストリップのコーティングなどの外部要因の影響を受ける。エレクトロシートを打ち抜く場合、コーティングされたストリップを使用することが多い。コーティングは、個々のシートの間で絶縁層となる。シート間の絶縁が良好であるほど、シートから形成されるモータの磁場が良好になる。したがって、この場合、コーティングも無傷のままであることが重要である。ローラを用いて測定する場合、ストリップコーティングの小さな粒子がローラ上に堆積するのが普通である。ローラ上の蓄積は、時間の経過とともに厚みが増してくる。ローラへの粒子の蓄積が増すにつれて、測定の精度は低下する。永続的に正確な測定を実現するために、ローラをかなり頻繁に清掃する必要があるが、これは実際には行われていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、前述した従来技術の短所をもたない、又は少なくともその短所の一部を解消する技術的な解決策を提供することである。
【0010】
この目的は、本発明の独立請求項の内容により達成される。
【0011】
これらに従い、本発明の第1の実施形態は、材料ストリップを工作機械、好ましくは自動打ち抜き機の処理領域に送る際に前記材料ストリップの厚みを算出するための方法である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本方法を実行するために、ローラ構成には、平行、かつ互いに対して回転軸に垂直に、互いに近づいたり離れたりするように移動できる2つのローラが設けられ、特許請求の範囲に従い、このローラを第1のローラ及び第2のローラと称する。有利には、ローラは、その回転軸に対して垂直に互いに対して移動可能であり、よって互いに近づいたり離れたりするように移動できる。特許請求の範囲による「ローラ」という用語は、送られる材料ストリップの幅より大きいかそれ以下の幅の回転対称形状のローラ及びその他のローラ要素も含む。
【0013】
材料ストリップを意図したとおりに工作機械の処理領域に送り、また、材料ストリップの厚みを算出する前に、様々な基準パラメータが算出される。
【0014】
一方では、平行なローラは、2つのローラが接触している(距離「ゼロ」)ように互いに対して配置される。この状態でローラの互いに対する相対位置を基準相対位置と定め、これは、例えば固定ローラ及び可動ローラを含むローラ構成で、固定システムでの可動ローラの絶対位置を算出することによって行うことができる。
【0015】
他方では、2つの平行なローラは離れていて、両者の間には材料ストリップがローラの間でクランプされるような形で配置される。この材料ストリップは、意図したとおりに工作機械の処理領域に送られる材料ストリップであってもよいし、基準パラメータを算出するためだけに使用する材料ストリップであってもよい。
【0016】
ローラの間でクランプされた材料ストリップは、ローラがストリップ表面上を滑らずに転がりながら一定の送り長さだけ前進する。ローラは、対応する特定の回転角度だけ回転し、この回転角度は、送り長さに相当するローラの円周の一区分を含む。送り長さは、材料ストリップを意図したとおりに送るための所望の送り長さと一致していてよいが、必ずしも一致する必要はない。この送り長さは、基準送り長さとして記録され、第1のローラの対応する回転角度は、第1の基準回転角度として記録される。それに代えて、又はそれに加えて、第1のローラの算出された送り長さと算出された回転角度との比も、第1の基準送り長さ/回転角度の比として記録でき、これは、基準状態でのローラの直径を指している。
【0017】
基準パラメータが得られた後、前記工作機械の処理領域に意図したとおりに送る前記材料ストリップがまだ前記ローラの間に基準パラメータの算出のために配置されていない場合、この材料ストリップは、前記前記ローラの回転軸に対して垂直に走り、前記材料ストリップが前記ローラの間でクランプされるように、前記ローラの間に配置される。
【0018】
前記ローラの間でクランプされた前記材料ストリップは、送り長さに対応する回転角度だけ一定間隔で回転する前記ローラを用いて、意図したとおりに一定間隔で前進させることにより、前記工作機械の処理領域に送られる。
【0019】
ローラの互いに対する相対位置は、送り間隔ごとに検出され、これは、例えば1つの固定ローラと1つの可動ローラを含むローラ構成で、固定システムでの可動ローラの絶対位置を測定することによって行うことができる。
【0020】
さらに、送り間隔ごとに、第1のローラの回転角度、達成された送り長さ及び/又は送り長さと第1のローラの回転角度との比が記録される。
【0021】
送り長さを常に設定値で正確に一定に維持できれば、例えば、送る動きの最後に材料ストリップのパイロット開口部に挿入されるパイロットピンを備えた打ち抜き機を使用する場合、送り間隔ごとに現時点の送り長さを算出する必要はなく、代わりに既知の設定送り長さを使用できる。
【0022】
次に、送り間隔ごとに、現時点で検出された送り長さが基準送り長さと比較され(前述したように既知の正確に維持された設定送り長さを使用しない限り)、現時点で記録されている第1のローラの回転角度は、第1の基準回転角度と比較され、及び/又は現時点で検出された送り長さと第1のローラの回転角度との比は、第1の基準送り長さ/回転角度の比と比較される。
【0023】
次に、材料ストリップの厚みは、基準相対位置と現時点で算出されているローラの互いに対する相対位置との差から計算され、これは、ローラの直径が基準相対位置を検出したときの直径と同じであれば、2つのローラの間の距離に相当する。
【0024】
現時点で検出された送り長さが基準送り長さからずれていれば、現時点で検出された第1のローラの回転角度は、第1の基準回転角度からずれ、及び/又は現時点で検出された送り長さと第1のローラの回転角度との比は、第1の基準送り長さ/回転角度の比からずれ、算出された送り長さのずれ、算出された回転角度のずれ及び/又は算出された送り長さ/回転角度の比のずれは、ローラの直径と回転角度と送り長さとの関係によって、基準相対位置の検出時の第1のローラの直径から起こり得る第1のローラの直径のずれに変換され、材料ストリップの厚みの計算に考慮される。
【0025】
これは、例えば、材料ストリップの厚みを計算するために現時点で算出されたローラの相対位置を補正してこの直径のずれを考慮に入れるか、あるいは現時点で算出されたローラの相対位置から計算された材料ストリップの厚みを補正してこの直径のずれを考慮に入れるかによって行うことができる。
【0026】
基準相対位置が検出されるときの第1のローラの直径は、ローラの直径と送り長さとの関係から、基準送り長さと第1の基準回転角度から、又は第1の基準送り長さ/回転角度の比から得られる。
【0027】
換言すれば、本発明は、材料ストリップを工作機械の処理領域に送る際に材料ストリップの厚みを算出するための方法に関し、この方法では、材料ストリップは、2つの回転可能なローラの間でクランプされ、ローラの互いに対する相対位置は、汚れのないローラで、ローラの状態が「ゼロ」の元の状態で検出されたものであり(基準相対位置)、ローラの互いに対する相対位置は、送り間隔ごとに意図した送り動作で検出される(現時点の相対位置)。ローラが汚れのない元の状態であるときの材料ストリップの厚みをもたらす現時点の相対位置と基準相対位置との差は、汚染などが原因でローラの直径が変化した場合に本発明に従って補正される。この目的のために、汚れのないローラの元の状態では、検出された基準送り長さで、追加で少なくとも一方のローラに対して、基準送り動作で関連する方のローラの基準回転角度が事前に検出され、その結果、このローラに対する元の送り長さ/回転角度の比がわかり、よってその元の直径も明確に定められる。意図した送り動作中にこれらのパラメータからずれが生じた場合、そのずれは、少なくとも一方のローラの直径の変化に変換され、材料ストリップの厚みを計算する際に考慮に入れられる。
【0028】
本発明は、ローラを用いたストリップの厚みの測定に対し、当初述べた問題を解決することを可能にする。
【0029】
好ましくは、材料ストリップの厚みを計算する際に第2のローラの直径におけるいかなる変化も考慮に入れられる。
【0030】
第1の好適な変形例では、これは、第1のローラの場合と同じように行われる。基準パラメータを算出する際、第2のローラに対する第2の基準回転角度及び/又は第2の基準送り長さ/回転角度の比も記録される。
【0031】
次に、送り間隔ごとに、さらに第2のローラの回転角度が第2の基準回転角度と比較され、及び/又は第2のローラの送り長さ/回転角度の比が第2の基準送り長さ/回転角度の比と比較される。現時点で検出された第2のローラの回転角度が第2の基準回転角度からずれ、及び/又は現時点で検出された第2のローラの送り長さ/回転角度の比が第2の基準送り長さ/回転角度の比からずれている場合、算出された第2のローラの回転角度のずれ及び/又は算出された送り長さ/回転角度の比は、ローラの直径と回転角度と送り長さとの関係によって、基準相対位置の検出時の第2のローラの直径から生じ得る第2のローラの直径のずれに変換され、材料ストリップの厚みを計算する際に考慮に入れられる。
【0032】
これは、例えば、この直径のずれを考慮に入れて材料ストリップの厚みを計算するために現時点で算出されたローラの相対位置を補正することによって、又はこの直径のずれを考慮に入れて現時点で算出されたローラの相対位置から計算された材料ストリップの厚みを補正することによって行うことができる。
【0033】
基準相対位置が検出されたときの第2のローラの直径は、ローラの直径と基準送り長さからの送り長さと第2の基準回転角度との関係によって算出されるか、第2の基準送り長さ/回転角度の比から算出される。このようにして、特に正確なストリップの厚みの測定を達成できる。
【0034】
第2の好適な変形例では、第2のローラの直径は、動作時間中に第1のローラの直径と同じように変化すると想定される。
【0035】
現時点で検出された送り長さが基準送り長さからずれていて、現時点で検出された第1のローラの回転角度が第1の基準回転角度からずれていて、及び/又は第1のローラの現時点で検出された送り長さ/回転角度の比が第1の基準送り長さ/回転角度の比からずれていると判断された場合、したがって、算出された送り長さのずれ、算出された回転角度のずれ、及び/又は算出された送り長さ/回転角度の比のずれは、ローラの直径と回転角度と送り長さとの関係によって再計算されて、相対位置が検出されたときの第1のローラの直径から生じ得る第1のローラの直径のずれになり、第2のローラの直径は、基準相対位置の検出時の第2のローラの直径からのずれと同じであると想定され、材料ストリップの厚みを計算する際は、計算された第1のローラの直径のずれが考慮されるだけでなく、想定された第2のローラの直径のずれも考慮に入れられる。
【0036】
これは、例えば、これらの直径のずれを考慮に入れて材料ストリップの厚みを計算するために現時点で算出されたローラの相対位置を補正することによって、又はこれらの直径のずれを考慮に入れて現時点で算出されたローラの相対位置から計算した材料ストリップの厚みを補正することによって行うことができる。
【0037】
このようにして、相対的に精確なストリップの厚み測定が、第1の変形例よりも、より少ない技術的対応で達成することができる。
【0038】
本方法の好適な実施形態では、一方のローラ、好ましくは特許請求の範囲に記載の第2のローラの回転軸は、静止(固定)式で、もう一方のローラの回転軸は、回転軸に対して垂直に、かつ材料ストリップの移動方向に対して実質的に垂直に移動可能又は枢動可能(可動式)である。それにより、本方法を実施するために使用する装置が比較的簡易になる。
【0039】
本方法のさらに好適な実施形態では、ローラの少なくとも一方が駆動され、両方のローラが協働して材料ストリップを一定間隔で前進させる。そのため、ストリップの厚みの測定が実行されるローラは、同時に、ストリップ送り装置の送りローラでもある。このようにして、必要な技術機材をできるかぎり少なく抑えることがき、コンパクトな解決策が可能になる。
【0040】
本方法のさらに別の好適な実施形態では、材料ストリップの反対側を向いている少なくとも一方のローラの外面の位置は、ローラの互いに対する相対位置を検出するため、そして有利には、特許請求の範囲に記載の少なくとも第1のローラの相対位置を検出するために測定される。この外面には、通常容易にアクセスできるため、堆積物によるローラの直径の変化を、ローラのこの外面の相対位置の変化として1:1で検出できる。
【0041】
本方法の別の好適な実施形態では、ローラの互いに対する相対位置を検出するために、ローラの少なくとも一方の軸受に接続された本体、好ましくは第1のローラの軸受に接続された本体の位置が測定される。このような構成要素の位置は、非常に確実に算出できるため、堆積物によるローラの半径の変化を、これらの構成要素の位置の変化として1:1で検出できる。したがって、堆積物によるローラの直径の変化は、これらの構成要素の位置の変化の2倍の大きさである。
【0042】
前述の2つの実施形態では、1つ以上の非接触型距離測定センサを使用して、材料ストリップの反対側を向いているそれぞれのローラの外面の位置、又はそれぞれのローラの軸受に接続された本体の位置を、好ましくは渦電流センサ、容量性センサ又はレーザ測定装置、特に共焦点レーザ測定システムで測定することが有利である。このようなセンサは、低コストで入手でき、高精度の位置測定を可能にする。
【0043】
上記の2つの実施形態では、材料ストリップの反対側を向いているそれぞれのローラの外面の位置又はそれぞれのローラの軸受に接続された本体の位置は、好ましくはそれぞれのローラの両端の領域で、複数の点で算出されることも有利である。これにより、位置を特に正確に算出することが可能になる。
【0044】
本発明による方法のさらに別の好適な実施形態では、材料ストリップにパイロット開口部が設けられ、パイロット開口部の位置は、材料ストリップの送り長さを検出するために毎回算出される。これは、ラインセンサを用いて行うことが有利である。このようにして、送り長さを高精度で算出することが可能である。
【0045】
本方法を打ち抜きプレスで使用することがさらに好ましく、この場合、厚みを算出された材料ストリップは、シートの積層体を製造するための機械に送られ、算出されたストリップの厚みを用いて積層体の高さを決定する。本発明の利点は、プロセスのこのような応用で特に明らかになる。
【0046】
本発明の第2の実施形態は、本発明の第1の実施形態の前記方法を実施する際に使用するためのローラ構成である。
【0047】
前記ローラ構成は、少なくとも一対のローラを含み、両ローラの間で前記材料ストリップをクランプでき、また、前記ローラの互いに対する相対位置及び前記ローラの少なくとも一方の回転角度を検出する装置を含む。特許請求の範囲による「ローラ」という用語は、送られる材料ストリップの幅より大きいかそれ以下の幅の回転対称形状のローラ及びその他のローラ要素も含む。
【0048】
本発明の方法の実施は、このようなローラ構成を用いて著しく簡易化される。
【0049】
好適な実施形態では、ローラ構成は、少なくとも一対のローラを含み、両ローラの間で材料ストリップをクランプでき、ローラを回転させることにより一定間隔で材料ストリップを前進させることができる。したがって、これらはいわゆる送りローラである。さらに、ローラ構成は、ローラの互いに対する相対位置及び少なくとも一方のローラの回転角度を送り間隔ごとに検出できる装置を含む。このようなローラ構成では、本発明によるプロセスを実施することは、特に打ち抜きプレスで大幅に簡易化される。
【0050】
有利には、前記ローラの互いに対する相対位置を検出する前記装置は、
少なくとも一方の前記送りローラの、前記材料ストリップの反対側を向いている前記外面の位置を測定するように、又は、少なくとも一方の前記ローラの軸受に接続された本体の位置を測定するように設計される。これにより、堆積物によるローラの直径又は半径の変化の相対的に簡潔で信頼性の高い定量測定が可能になる。
【0051】
前記それぞれのローラの、前記材料ストリップの反対側を向いている外面の位置及び/又は前記それぞれのローラの軸受に接続された前記本体の位置を測定する前記装置は、1つ以上の非接触型距離測定センサ、特に渦電流センサ、容量性センサ又はレーザ測定装置、特に共焦点レーザ測定システムを有することも好ましい。これらのセンサは低コストで利用することができ、高精度の位置の測定が可能である。
【0052】
好ましくは、前記ローラの互いに対する相対位置を検出する前記装置は、前記それぞれのローラの、前記材料ストリップの反対側を向いている前記外面の位置及び/又は前記それぞれのローラの軸受に接続された前記本体の位置の測定をいくつかの点で、特に前記それぞれのローラの両端の領域で行えるように設計される。これにより、特に精確に前記位置の測定を行うことが可能になる。
【0053】
本発明の第3の実施形態は、本発明の第2の実施形態のローラ構成を含む送り装置である。
【0054】
本発明の第4の実施形態は、本発明の第1の実施形態の方法を実行し、本発明の第2の実施形態のローラ構成又は本発明の第3の実施形態の送り装置を含む工作機械である。
【0055】
前記工作機械は、シートメタルの積層体を製造するためのダイを備えた打ち抜きプレスであることが好ましい。
【0056】
本発明の有利な点は、そのような工作機械において特に明らかである。
【0057】
本発明の好ましいさらなる実施例は、従属項から明らかであり、また、図面を参照する以下の明細書から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【
図1】材料ストリップを処理する打ち抜きプレスの正面図である。
【
図2】従来技術によりストリップの厚みを測定するためのローラ構成の縦断面図である。
【
図3】本発明の方法の好ましい実施例を説明する主要な略図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1は、材料ストリップをエレクトロシートの積層体に処理する打ち抜きプレスの正面図である。
【0060】
見てわかるように、打ち抜きプレス1は、その送り込み側に、上方送りローラ3及び下方送りローラ4を含むローラ構成を備えた送り装置2を有し、この送り装置によって、材料ストリップ(図示せず)は、ストリップ走行面Sで、打ち抜きプレス1の処理領域に送られる。
【0061】
図2は、送り装置のローラ構成の縦断面図であり、該ローラ構成において、当初述べた従来技術によりストリップの厚みが測定される。
【0062】
ここに図示した状況では、材料ストリップ5は、送り装置の下方固定ローラ4と上方可動ローラ3との間に配置され、それによって上方ローラ3は、ストリップ5が2つのローラ3、4の間でクランプされるように、ストリップ5の上に所定の力で押し付けられる。距離測定センサ6a、6bは、可動式上方ローラ3の軸受けジャーナル7a、7bの位置を測定するために、すなわち、材料ストリップ5がなくローラ3、4が互いに接触している状態で較正し、その後、本明細書の
図2に示したように、材料ストリップ5がローラ3、4の間に配置された状態で較正するために使用される。よってローラ3、4が互いに接触している状態で測定される位置は、ストリップの厚みが「ゼロ」の状態でのローラの互いに対する相対位置を具現化しており、材料ストリップがローラ3、4の間に配置された状態で測定される位置は、現時点のストリップの厚みを表す状態でのローラ3、4の互いに対する相対位置を具現化している。測定された位置どうしの差、又はローラ3、4の互いに対する相対位置は、ストリップの厚みとして測定されるが、汚染が原因でローラの直径が変化した場合には冒頭で述べた問題がある。
【0063】
図3は、材料ストリップ5を工作機械の処理領域に送る際に前記材料ストリップ5の厚みを算出するための本発明の方法の好ましい実施例を説明する主要な略図である。
【0064】
前記方法を実行するために、ローラ構成に2つのローラ3、4が設けられ、それらは平行、かつ互いに対してそれらの回転軸に垂直に、互いに近づいたり離れたりするように移動できる。ローラ3、4の回転軸は
水平方向に走り、前記ローラは上下に縦に配置されており、その結果、上方ローラ3及び下方ローラ4となる。ローラ3、4は等しいローラの直径を有している。
【0065】
図3に示している、材料ストリップの工作機械の処理領域に意図したように送り、ストリップの厚さを測定する前に、様々な基準パラメータが測定される。
【0066】
まず、ローラ3、4は、外面11a、11bが接触するように互いに対して位置決めされる。この状態で、ローラ3、4の互いに対する相対位置は、基準相対位置として算出される。この目的のために、レーザ測定装置の形態である非接触型距離測定センサ6が設けられ、このセンサを用いて、材料ストリップ5の反対側を向いている上方ローラ3の外面11aの位置は、センサ6と上方ローラ3の外面11aとの距離を、両ローラ3、4の回転軸を通って走る直線Gに沿って測定することによって算出される。この場合、下方ローラ4の回転軸及びセンサ6は、静止している(固定されている)ため、ローラ3、4が汚れていない最初の状態でこの基準測定を行う場合、センサ6を用いて測定された上方ローラ3の外面11aまでの距離は、ローラの間隔が「ゼロ」でのローラ3、4の互いに対する相対位置を表す。
【0067】
一方、ローラ3、4は、互いに離れていて、両者の間には材料ストリップ5が配置されて、材料ストリップ5がローラ3、4の間でクランプされるようになっている。この場合、この材料ストリップ5は、意図したとおりに工作機械の処理領域に送られる材料ストリップ5である。ただし、基準パラメータを算出するために別の材料ストリップを使用することもできる。
【0068】
ローラ3、4の間でクランプされた材料ストリップ5は、ローラ3、4がストリップの表面12a、12b上を滑らずに転がって特定の送り長さLだけ前進する。ローラ3、4は、対応する特定の回転角度Ro、Ruを回転し、この角度には、送り長さLに対応するローラの円周の一区画が含まれる。この場合、この基準送り長さは、材料ストリップが意図したとおりに送られたときの所望の送り長さLに相当する。ただし、基準パラメータを算出するために、これとは異なる送り長さを選択することもできる。この送り長さLは、基準送り長さとして記録され、それに対応する上方ローラ3の回転角度Roは、基準回転角度として記録される。
【0069】
ローラの間隔が「ゼロ」のときのローラ3、4の互いに対する基準相対位置ならびに基準送り長さ及びそれに関わる基準回転角度が、ローラ3、4の汚れのない最初の状態で算出された後、ローラ3、4の間でクランプされた材料ストリップ5は、間隔をおいて所望の送り長さLだけ前進することによって、工作機械の処理領域に意図したとおりに送られる。この状況は
図3に描かれている。
【0070】
材料ストリップ5が間隔をおいて前進するとき、ローラ3、4は、ストリップ表面上を滑らずに転がり、それに応じて、材料ストリップ5が間隔をおいて前進するとき、送り長さLに対応する回転角度Ru、Roだけ間隔をおいて回転する。
【0071】
2回の送り間隔の間の送り休止中に、材料ストリップ5は、打ち抜き機で打ち抜かれる。毎回、材料ストリップ5には固定打ち抜き機8を用いてパイロット開口部9が設けられ、この開口部は、次の送り間隔での現時点の送り長さLを算出するために用いられる。この目的のためにラインセンサ10が設けられ、このラインセンサを用いて毎回最後のパイロット開口部9の位置が測定されて材料ストリップ5の送り長さLを検出する。送り長さLは、打ち抜き機8で開けられるときのパイロット開口部9の既知の位置と、材料ストリップ5が前進した後にラインセンサ10が測定したパイロット開口部9の位置との間の距離に相当する。
【0072】
また、意図した送り動作では、送り間隔ごとにローラ3、4の互いに対する相対位置がセンサ12を用いて検出されるとともに、上方ローラ3の回転角度Roも検出される。このことは、上方ローラ3のシャフトにある角度エンコーダ(図示せず)を介して行われる。
【0073】
その後、送り間隔ごとに、現時点で検出された前記送り長さLを前記基準送り長さと比較し、また、現時点で検出された上方ローラ3の前記回転角度Roを前記基準回転角度と比較する。
【0074】
材料ストリップの厚みは、基準相対位置と、現時点でセンサ6で算出されたローラ3、4の互いに対する相対位置との差、又は基準測定でのセンサ6と上方ローラ3の表面11aとの間の距離と、現時点の測定でのセンサ6と上方ローラ3の表面11aとの間の距離との差から計算され、この差は、2つのローラ3、4の間の距離に相当し、よって、ローラ3、4の現時点の直径が、基準パラメータを記録したときの元の汚れのない状態での直径と同じであると仮定した場合のストリップの厚みに相当する。
【0075】
現時点で検出された送り長さLが基準送り長さからずれている場合、及び/又は現時点で検出された上方ローラ3の回転角度Roが基準回転角度からずれている場合、両ローラ3、4の直径は、基準相対位置が算出されて以来、両ローラ3、4について同じように変化したとみなされる。
【0076】
この場合、算出された送り長さのずれ、及び/又は算出された回転角度のずれは、ローラの直径と回転角度と送り長さとの関係によって、基準相対位置が検出されたときの直径から生じ得る上方ローラ3の直径のずれ、特に直径の増大に変換され、基準相対位置と現時点でセンサ12で算出されたローラ3、4の相対位置との差から計算される理論上のストリップの厚みは、直径のずれの分だけ補正される。
【0077】
基準相対位置が検出されたときの上方ローラ3の直径は、ローラの直径と基準送り長さからの送り長さと基準回転角度との関係によって算出される。下方ローラ4の直径は、基準相対位置が検出された時点の上方ローラ3の直径と同じであった。
【0078】
さらに下方ローラ4は、同じ直径のずれ、特に直径の増大を受けたと想定され、基準相対位置と現時点でセンサ6で測定されたローラ3、4の相対位置との差から計算された理論上のストリップの厚みは、下方ローラ4のこの想定された直径のずれを考慮に加えて、上方ローラ3の直径のずれの半分だけ補正される。これは、下方固定ローラ4が材料ストリップ5の下に配置されていて、このローラ4の直径が増大しても、上方ローラ3の位置変化の半分しか影響しないからである。
【0079】
したがって、基準相対位置と現時点でセンサ12によって算出されたローラ3、4の相対位置との差から計算された理論上のストリップの厚みは、上方ローラ3の直径のずれの1.5倍だけ補正される。これを以下の例を用いて図面とともに説明する。
【0080】
基準パラメータを算出する際には、上方ローラ3の外面11aと距離測定センサ6との間の距離である32mmをローラ3、4の互いに対する基準相対位置として算出した(ローラ距離「ゼロ」)。さらに、上方ローラ3の基準回転角度を90度として、基準送り長さを31.42mmと算出した。これらの値から、ローラの直径と回転角度と送り長さの関係によって、上方ローラ3の直径は、基準相対位置が算出された時点で40mmであったことが容易に計算できる。
【0081】
意図した送り動作で送り間隔を考慮した場合、上方ローラの回転角度Roが90度、送り長さLが31.49mm、上方ローラ3の外面11aと距離測定センサ6との間の距離が32mmであるときのローラ3、4の現時点の相対位置を算出した。
【0082】
したがって、現時点で算出された送り長さLは、基準の送り長さよりも長い0.07mmであり、基準相対位置と現時点で算出されたローラ3、4の相対位置との差は、0.415mmである。この差は、2つのローラ3、4の直径が、基準相対位置が算出されたときの直径と現時点で同じである場合のストリップの厚みに相当する(理論上のストリップの厚み)。
【0083】
ただし、ローラの直径と回転角度と送り長さとの関係から、上方ローラ3の実際のローラの直径は40.1mmになる。すなわち基準状態に比べて直径が0.1mm大きくなる。さらに、下方ローラ4の直径も同程度変化し、すなわち同じく0.1mm大きくなったと想定される。
【0084】
材料ストリップ5の厚みを計算する際にこれらの直径のずれを考慮に入れるために、上方ローラ3についてはその直径を0.1mm大きくし、下方ローラについては想定される直径の増大の半分、すなわち0.05mmを、理論上のストリップの厚みである0.415mmからこの時点で差し引き、その結果、それに応じて補正された実際のストリップの厚みは0.4mmになる。
【0085】
図4及び5は、本発明の方法のさらなる好ましい実施例を行うのに使用するための本発明のローラ構成を示し、側面図(
図4)及び
図4のA-A線に沿った縦断面図(
図5)である。
【0086】
このローラの構成は、2つの平行なローラ3、4である上方ローラ3及び下方ローラ4を含み、両者の間に材料ストリップ5がクランプされる。ローラ3、4は同じもので、下方ローラ4は固定構造13に取り付けられ、上方ローラ3は、下方ローラ4に対して枢動できるようにロッカー14に取り付けられる。材料ストリップ5は、重力及び2つのバネ15の力によって下方ローラ4の方へ付勢されるため、一定の圧縮力でローラ3、4の間にクランプされる。
【0087】
ローラ3、4の軸受軸の端部には、ローラ3、4の回転角度を測定するために、ローラ3、4の回転角度を監視する回転角度エンコーダ16a、16bが配置される。
【0088】
ロッカー14の上側、上方ローラ3の回転軸の真上、上方ローラ3の端部の領域には、2つの固定式の距離測定センサ6a、6bが、ロッカー14の上側17から距離をおいて配置され、それによって、ローラ3、4の互いに対する相対位置を測定する目的で、それぞれのセンサ6a、6bとロッカー14の上側17との間の距離を、ローラ3、4の回転軸を通る直線Gに沿って測定できる。
【0089】
以下に説明するずれを除いて、このローラ構成を用いた場合の材料ストリップ5の厚みの算出は、
図3に基づいて説明した方法と同様の方法で実行される。
【0090】
この場合、両ローラ3、4が回転角度エンコーダ16a、16bを有しているため、下方ローラ4の直径のずれは、ここで上方ローラ3に対する場合と同じように起こる。すなわち両方のローラ3、4に対して別々の基準回転角度が記録され、その後、送り間隔ごとに別々の現時点の回転角度が記録され、それを用いてローラ3、4の直径のずれは別々に計算される。
【0091】
ローラの互いに対する相対位置を
図3のようにではなく距離測定センサ6a、6を用いて検出するために、材料ストリップ5の反対側を向いている上方ローラ3の外面11aの位置は測定されるが、ロッカー14の上側の位置、すなわち上方ローラ3の軸受に接続されている本体の位置、上方ローラ3の基準相対位置と現時点でセンサ6a、6bで測定されたローラ3、4の相対位置との差から計算された理論上のストリップの厚みは、算出された上方ローラ3の直径のずれの半分だけ補正される。これは、この状況では、このローラ3の直径が増大してもロッカー14の最上部の位置の変化に半分しか影響しないからである。センサ6a、6bで測定された距離は平均化される。
【0092】
図3に関して既に説明したように、理論上のストリップの厚みを補正するために、固定された下方ローラ4の直径のずれの半分だけを用いる。したがってこの場合、これは上方ローラ3の直径のずれの半分、及び下方ローラ4の直径のずれの半分を用いて補正される。
【0093】
図6及び7は、本発明の方法の他の好ましい実施例を行うのに使用するための本発明のさらなるローラ構成を示し、側面図(
図6)及び
図6のB-B線に沿った縦断面図(
図7)である。
【0094】
このローラ構成では、上方ローラ3がロッカーに枢動可能に取り付けられずに、線形ガイドに沿って垂直に移動可能であるという点で、
図4及び5に示したものとは本質的に異なる。距離ゲージ6a、6bは、ここでは非接触となるように設計されておらず、上方ローラ3の軸受の軸受ハウジング14a、14bで直接測定する。
【0095】
その他の点では、ここでの技術概念は
図4及び5に示されたものと同様であり、同じ機能の要素には
図4及び5のときと同じ符号を付与している。
【0096】
このローラ構成を用いて実施される本発明の方法は、
図4及び5に基づいて記載された処理に相当する。
【0097】
本発明の好ましい実施例は本出願に記載されているが、本発明はこれらに限定されず、特許請求の範囲内の他の方法で実施できることに、はっきりと留意すべきである。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料ストリップ(5)を工作機械(1)、特に打ち抜きプレス(1)の処理領域に送る際に前記材料ストリップ(5)の厚みを算出するための方法であって、
a)2つの回転可能なローラ(3、4)、すなわち第1のローラ(3)及び第2のローラ(4)を含むローラ構成を提供する工程であって、前記2つのローラ(3、4)の回転軸(Z)は平行で、前記ローラ(3、4)は可動式で、特に回転軸(Z)に垂直に互いに対して移動可能である、工程と、
b)前記2つのローラ(3、4)が互いに接触するように前記ローラ(3、4)を互いに対して位置決めし、この状態で前記ローラ(3、4)の互いに対する相対位置を基準相対位置として検出する工程と、
c)前記材料ストリップ(5)の長手方向が前記ローラ(3、4)の前記回転軸(Z)に対して垂直に走り、前記材料ストリップ(5)が前記ローラ(3、4)の間でクランプされるように、材料ストリップ(5)を前記ローラ(3、4)の間に配置する工程と、
d)前記ローラ(3、4)の間でクランプされた前記材料ストリップ(5)を、前記ローラ(3、4)が前記ストリップの表面(12a、12b)上を滑らずに転がって特定の送り長さ(L)だけ前進させる工程であって、前記ローラ(3、4)は、前記特定の送り長さ(L)に対応する特定の回転角度だけ回転する工程と、
e)基準送り長さとして算出された前記送り長さ(L)及び第1の基準回転角度として算出された前記第1のローラ(3)の回転角度を検出し、及び/又は算出された前記送り長さ(L)と算出された前記第1のローラ(3)の回転角度との比を、第1の基準送り長さ/回転角度の比として検出する工程と、
その後、
f)c)の時点でまだ実行されていない場合、前記材料ストリップ(5)の長手方向が前記ローラ(3、4)の前記回転軸(Z)に対して垂直に走り、前記材料ストリップ(5)が前記ローラ(3、4)の間にクランプされるように、前記材料ストリップ(5)を前記ローラ(3、4)の間に前記工作機械(1)の処理領域に意図したとおりに送るように準備して配置する工程と、
g)前記ローラ(3、4)の間でクランプされた前記材料ストリップ(5)を一定間隔で毎回送り長さ(L)だけ前進させる工程であって、前記ローラ(3、4)は、一定間隔で回転角度(Ro、Ru)だけ回転する工程と、
h)送り間隔ごとに、前記ローラ(3、4)の互いに対する相対位置及び前記第1のローラ(3)の前記回転角度(Ro)及び前記送り長さ(L)を検出するか、あるいは送り間隔ごとに、前記ローラ(3、4)の互いに対する相対位置及び前記第1のローラ(3)の前記回転角度(Ro)及び前記送り長さ(L)と前記第1のローラ(3)の前記回転角度(Ro)との比を検出する工程と、
i)送り間隔ごとに、現時点で検出された前記送り長さ(L)を前記基準送り長さと比較し、前記第1のローラ(3)の現時点で検出された前記回転角度(Ro)を前記第1の基準回転角度と比較し、及び/又は前記送り長さ(L)と前記第1のローラ(3)の前記回転角度(Ro)との現時点で検出された比を、前記第1の基準送り長さ/回転角度の比と比較する工程と、
j)送り間隔ごとに、前記基準相対位置と現時点で算出された前記ローラ(3、4)の互いに対する前記相対位置との差から、前記材料ストリップの厚み(5)を計算する工程と
を含む方法において、
現時点で検出された前記送り長さ(L)が前記基準送り長さからずれていれば、現時点で検出された前記第1のローラ(3)の前記回転角度(Ro)は、前記第1の基準回転角度からずれ、及び/又は現時点で検出された前記送り長さ(L)と前記第1のローラ(3)の前記回転角度(Ro)との比は、前記第1の基準送り長さ/回転角度の比からずれ、算出された前記送り長さのずれ、算出された前記回転角度のずれ及び/又は算出された前記送り長さ/回転角度の比のずれは、前記ローラの直径と前記回転角度と前記送り長さとの関係によって、前記第1のローラ(3)の直径のずれに前記基準相対位置の検出時のその直径から変換され、前記材料ストリップ(5)の厚みの計算に考慮される、
方法。
【請求項2】
工程e)で、前記第1のローラ(3)と同じように、前記第2のローラ(4)に対しても第2の基準回転角度及び/又は第2の基準送り長さ/回転角度の比を検出し、
送り間隔ごとに、さらに前記第2のローラ(4)の前記回転角度(Ru)は、前記第2の基準回転角度と比較され、及び/又は前記第2のローラ(4)の前記送り長さ(L)と前記回転角度(Ru)の比は、第2の基準送り長さ/回転角度の比と比較され、現時点で検出された前記第2のローラ(4)の前記回転角度(Ru)が前記第2の基準回転角度からずれ、及び/又は現時点で検出された前記第2のローラ(4)の前記送り長さ(L)と前記回転角度(Ru)の比が前記第2の基準送り長さ/回転角度の比からずれている場合、算出された前記第2のローラ(4)の回転角度のずれ及び/又は算出された前記送り長さ/回転角度の比は、前記ローラの直径と前記回転角度と前記送り長さとの関係によって、前記第2のローラ(4)の直径のずれに前記基準相対位置の検出時のその直径から変換され、前記材料ストリップ(5)の厚みを計算する際に考慮に入れられる、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
現時点で検出された前記送り長さ(L)が前記基準送り長さからずれている場合、現時点で検出された前記第1のローラ(3)の前記回転角度(Ro)は、前記第1の基準回転角度からずれ、及び/又は現時点で検出された前記送り長さ(L)と前記第1のローラ(3)の前記回転角度(Ro)との比は、前記第1の基準送り長さ/回転角度の比からずれ、算出された前記送り長さのずれ、算出された前記回転角度のずれ及び/又は算出された前記送り長さ/回転角度の比のずれは、前記ローラの直径と前記回転角度と前記送り長さとの関係によって、前記第1のローラ(3)の直径のずれに前記基準相対位置の検出時のその直径から変換され、前記第2のローラ(4)のローラの直径は、前記基準相対位置の検出時のその直径から同じずれを有すると想定され、想定された前記ずれは、前記材料ストリップ(5)の厚みを計算する際に考慮に入れられる、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ローラ(3、4)の一方、特に前記第2のローラ(4)の前記回転軸(Z)は静止型で、もう一方の前記ローラ(3)の前記回転軸(Z)は、前記回転軸(Z)に対して垂直に、かつ前記材料ストリップ(5)の進行方向に対して垂直に移動可能である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ローラの少なくとも一方(3、4)は、駆動され、前記2つのローラ(3、4)は、前記材料ストリップ(5)を送ることを生じさせる、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ローラ(3、4)の少なくとも一方の、前記材料ストリップ(5)の反対側を向いている外面(11a)の位置は、前記ローラ(3、4)の互いに対する相対位置、特に前記第1のローラ(3)の相対位置を検出するために算出される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ローラ(3、4)の互いに対する相対位置を検出するために、前記ローラ(3、4)の少なくとも一方の軸受に接続された本体(14;14a、14b)、特に前記第1のローラ(3)の軸受に接続された本体(14;14a、14b)の位置が算出される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
1つ以上の非接触型距離測定センサ(6;6a、6b)、特に渦電流センサ、容量性センサ又はレーザ測定装置、特に共焦点レーザ測定システムは、前記それぞれのローラ(3)の、前記材料ストリップ(5)の反対側を向いている前記外面(11a)の位置及び/又は前記それぞれのローラ(3)の軸受に接続された前記本体(14;14a、14b)の位置を測定するために使用される、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記それぞれのローラ(3)の、前記材料ストリップ(5)の反対側を向いている前記外面(11a)の位置及び/又は前記それぞれのローラ(3)の軸受に接続された前記本体(14;14a、14b)の位置の測定は、複数個所で、特に前記それぞれのローラ(3)の両端の領域で実行される、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記材料ストリップ(5)にはパイロット開口部(9)が設けられ、前記パイロット開口部(9)の位置は、前記材料ストリップ(5)の前記送り長さ(L)を検出するために、特にラインセンサ(10)を介して毎回測定される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
厚みを算出された前記材料ストリップ(5)は、シート金属の積層体を製造するための機械を備えた打ち抜きプレス(1)に送られ、算出された前記シート金属の厚みを用いて前記積層体の高さを測定する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の方法を実行するために構成されるローラ構成であって、少なくとも一対のローラ(3、4)を含み、両ローラの間で材料ストリップ(5)をクランプでき、前記ローラ(3、4)を一定間隔で回転させることにより一定間隔で前記材料ストリップを前進させることができ、送り間隔ごとに、前記ローラ(3、4)の互いに対する相対位置及び前記ローラ(3、4)の少なくとも一方の回転角度(Ro,Ru)を検出する装置(6;6a、6b)を含む、ローラ構成。
【請求項13】
前記ローラ(3、4)の互いに対する相対位置を検出する前記装置(6;6a,6b)は、少なくとも一方の前記送りローラ(3、4)の、前記材料ストリップ(5)の反対側を向いている前記外面(11a)の位置を測定するように設計される、請求項12に記載のローラ構成。
【請求項14】
前記ローラ(3、4)の互いに対する相対位置を検出する前記装置(6;6a,6b)は、少なくとも一方の前記ローラ(3)の軸受に接続された本体(14;14a、14b)の位置を測定するように設計される、請求項12又は13に記載のローラ構成。
【請求項15】
前記ローラ(3、4)の互いに対する相対位置を検出して、前記それぞれのローラ(3)の、前記材料ストリップ(5)の反対側を向いている外面(11a)の位置及び/又は前記それぞれのローラ(3)の軸受に接続された前記本体(14;14a、14b)の位置を測定する前記装置(6;6a、6b)は、非接触型距離測定センサ(6;6a、6b)、特に渦電流センサ、容量性センサ又はレーザ測定装置、特に共焦点レーザ測定システムを1つ以上有する、請求項12~14のいずれか一項に記載のローラ構成。
【請求項16】
前記ローラ(3、4)の互いに対する相対位置を検出する前記装置(6;6a、6b)は、前記それぞれのローラ(3)の、前記材料ストリップ(5)の反対側を向いている前記外面(11a)の位置及び/又は前記それぞれのローラ(3)の軸受に接続された前記本体(14;14a、14b)の位置の測定を、特に前記それぞれのローラ(3)の両端の領域で、いくつかの点で行えるように設計される、請求項12~15のいずれか一項に記載のローラ構成。
【請求項17】
請求項12~16のいずれか一項に記載のローラ構成を含む送り装置。
【請求項18】
請求項1~11のいずれか一項に記載の方法を実行し、請求項12~16のいずれか一項に記載のローラ構成又は請求項17に記載の送り装置を含む工作機械。
【請求項19】
前記工作機械は、シートの積層体を製造するための機械を含む打ち抜きプレス(1)である、請求項18に記載の工作機械。
【国際調査報告】