(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-29
(54)【発明の名称】リチウム二次電池用負極活物質、その製造方法およびそれを含むリチウム二次電池
(51)【国際特許分類】
H01M 4/587 20100101AFI20240122BHJP
H01M 4/36 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
H01M4/587
H01M4/36 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538059
(86)(22)【出願日】2021-12-20
(85)【翻訳文提出日】2023-06-21
(86)【国際出願番号】 KR2021019432
(87)【国際公開番号】W WO2022139380
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】10-2020-0179374
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592000691
【氏名又は名称】ポスコホールディングス インコーポレーティッド
(71)【出願人】
【識別番号】592000705
【氏名又は名称】リサーチ インスティチュート オブ インダストリアル サイエンス アンド テクノロジー
(71)【出願人】
【識別番号】511038879
【氏名又は名称】ポスコ ケミカル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】イ、 ガン ホ
(72)【発明者】
【氏名】アン、 ジョン-チョル
(72)【発明者】
【氏名】パク、 シ ミン
(72)【発明者】
【氏名】ユン、 ジョン フン
(72)【発明者】
【氏名】ジョ、 ヒュン-チョル
【テーマコード(参考)】
5H050
【Fターム(参考)】
5H050AA19
5H050BA17
5H050CA01
5H050CA02
5H050CA07
5H050CA08
5H050CA09
5H050CA11
5H050CB08
5H050EA23
5H050EA28
5H050FA17
5H050FA18
5H050GA02
5H050GA05
5H050GA10
5H050HA01
5H050HA10
5H050HA13
(57)【要約】
本発明は人造黒鉛を準備する段階;人造黒鉛と液状コーティング物質を混合して人造黒鉛を被覆するコート層を形成する段階;およびコート層が形成された人造黒鉛を炭化させる段階;を含み、液状コーティング物質は35℃で粘度が300~25000mPa・sであるリチウム二次電池用負極活物質の製造方法およびこれから製造された負極活物質、およびそれを含むリチウム二次電池に関するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人造黒鉛を準備する段階;
前記人造黒鉛と液状コーティング物質を混合して人造黒鉛を被覆するコート層を形成する段階;および
前記コート層が形成された人造黒鉛を炭化させる段階;を含み、
前記液状コーティング物質は35℃で粘度が300~25000mPa・sである、リチウム二次電池用負極活物質の製造方法。
【請求項2】
コート層を形成する段階;で、
人造黒鉛100重量部に対する液状コーティング物質の含有量が5~30重量部である、請求項1に記載のリチウム二次電池用負極活物質の製造方法。
【請求項3】
コート層を形成する段階;で、
液状コーティング物質の25℃での固定炭素量が15~60重量%である、請求項1に記載のリチウム二次電池用負極活物質の製造方法。
【請求項4】
人造黒鉛を準備する段階;は、
コークスを粉砕する段階;および
コークスを黒鉛化させる段階;を含む、請求項1に記載のリチウム二次電池用負極活物質の製造方法。
【請求項5】
人造黒鉛を準備する段階;で、
前記人造黒鉛は石炭系コークス由来の人造黒鉛、石油系コークス由来の人造黒鉛またはこれらの混合物である、請求項1に記載のリチウム二次電池用負極活物質の製造方法。
【請求項6】
人造黒鉛が石炭系コークス由来の人造黒鉛と石油系コークス由来の人造黒鉛混合物であり、
混合物100重量部に対して石油系コークス由来の人造黒鉛が50重量部以上混合されたものである、請求項5に記載のリチウム二次電池用負極活物質の製造方法。
【請求項7】
人造黒鉛を準備する段階;で、
人造黒鉛の粒度SPAN((D90-D10)/D50)は0.7~2.5である、請求項1に記載のリチウム二次電池用負極活物質の製造方法。
【請求項8】
コート層を形成する段階;で、
液状コーティング物質は易黒鉛化炭素前駆体または難黒鉛化炭素前駆体である、請求項1に記載のリチウム二次電池用負極活物質の製造方法。
【請求項9】
炭化させる段階;は炭化温度が800~2000℃である、請求項1に記載のリチウム二次電池用負極活物質の製造方法。
【請求項10】
コート層を形成する段階;で、
前記人造黒鉛と液状コーティング物質の混合は温度50℃以下で行われる、請求項1に記載のリチウム二次電池用負極活物質の製造方法。
【請求項11】
人造黒鉛;および
前記人造黒鉛の表面に形成された炭素コート層;を含み、
炭素コート層は35℃で粘度が300~25000mPa・s液状コート層が炭化したものである、リチウム二次電池用負極活物質。
【請求項12】
前記人造黒鉛は石炭系コークス由来の人造黒鉛、石油系コークス由来の人造黒鉛またはこれらの混合物である、請求項11に記載のリチウム二次電池用負極活物質。
【請求項13】
人造黒鉛が石炭系コークス由来の人造黒鉛と石油系コークス由来の人造黒鉛混合物であり、
混合物100重量部に対して石油系コークス由来の人造黒鉛が50重量部以上である、請求項12に記載のリチウム二次電池用負極活物質。
【請求項14】
請求項1ないし10のいずれか一項に記載のリチウム二次電池用負極活物質の製造方法から製造された負極活物質を含む負極;
正極;および
電解質を含む、リチウム二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリチウム二次電池用負極活物質、その製造方法およびそれを含むリチウム二次電池に関する。具体的には、本発明は電極接着性に優れるリチウム二次電池用負極活物質、その製造方法およびそれを含むリチウム二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウム二次電池の負極として使用される黒鉛系/炭素系負極活物質は、リチウム金属の電極電位に近接する電位を有するので、イオン状態リチウムの挿入および脱離過程の間結晶構造の変化が小さい。したがって、電極の持続的で繰り返し的な酸化還元反応を可能にしてリチウム二次電池が高い容量および優れた寿命を示すことができるようにする。
【0003】
炭素系負極活物質としては結晶質炭素系材料である天然黒鉛および人造黒鉛または非晶質炭素系材料であるハードカーボンおよびソフトカーボンなど多様な形態の材料が使用されている。この中でも可逆性に優れてリチウム二次電池の寿命特性を向上させる黒鉛系活物質が最も広く使用されている。黒鉛系活物質はリチウムに比べて放電電圧が-0.2Vで低いので、黒鉛系活物質を用いた電池は3.6Vの高い放電電圧を示し得るためリチウム二次電池のエネルギ密度の面で多くの利点を提供している。
【0004】
結晶質炭素系材料である人造黒鉛は2,700℃以上の高い熱エネルギを加えて黒鉛の結晶構造を作るので、天然黒鉛より安定した結晶構造を有するためリチウムイオンの繰り返し的な充放電にも結晶構造の変化が小さくて相対的に寿命が長い。一般に人造黒鉛系負極活物質は天然黒鉛より2~3倍程度寿命が長い。
【0005】
結晶構造が安定化されていない非晶質炭素系材料であるソフトカーボンおよびハードカーボンはリチウムイオンの進出がより円滑な特性を有する。したがって、充放電速度を高めることができ、高速充電が求められる電極に用いられる。
【0006】
使用しようとするリチウム二次電池の寿命特性および出力特性を考慮して、前記炭素系材料を互いに一定の比率で混合して使用することが一般的である。
【0007】
一方、リチウム二次電池で高温性能(高温貯蔵の特性および高温サイクルの特性)を改善するのは重要な解決課題である。負極活物質を集電体に塗布して圧延した後に内部の総気孔の体積が高いと負極の高温性能が低下する可能性が大きい。したがって、電極圧延時に起こる電極の構造変化および内部の総気孔の体積の変化を最小化させてリチウム二次電池の高温特性を向上させる必要がある。
【0008】
特に、急速充電用二次電池の負極材の開発時には高温特性の向上がより求められる。
【0009】
モバイル機器に係る技術開発と需要の増加によりエネルギ源としての二次電池に対する需要が急激に増加しており、このような二次電池の中でも高いエネルギ密度と作動電位を示し、サイクル寿命が長く、自己放電率が低いリチウム二次電池が商用化されて広く使用されている。
【0010】
また、環境問題への関心が高まるにつれて大気汚染の主な原因の一つであるガソリン車両、ディーゼル車両など化石燃料を使用する車両に代わる電気自動車、ハイブリッド電気自動車に対する関心が高まっており、このような電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの動力源としてリチウム二次電池を使用するための研究が活発に進められている。
【0011】
リチウム二次電池は一般的に正極活物質を含む正極、負極活物質を含む負極、分離膜および電解質で構成されてリチウムイオンの挿入-脱離(intercalation-decalation)により充電および放電が行われる二次電池である。リチウム二次電池はエネルギ密度(energy density)が高く、起電力が大きくて高容量を発揮できる長所を有するので、多様な分野に適用されている。
【0012】
特に、最近のEV電気車の急激な浮上により、リチウムイオン二次電池に対する期待も既存の容量はそのまま保存しながら、急速充電の特性に対する改善要求が増加している。このような急速充電の改善は充電時のリチウムイオンの貯蔵を担当する負極材活物質でその役割を担当しなければならないため、主に炭素/黒鉛系物質で構成されているので、充電時の安定したSEI(solid electrolyte interface)の形成が重要であると言える。
【0013】
ここで、快速充電および寿命(安定性)などの観点から、人造黒鉛が最も円滑に採用されており、今後もこのような傾向は続くと予想される。
【0014】
人造黒鉛を得るためにコークス粒子とバインダ物質を混合して熱処理して2次粒子として得るのは設備構築が難しく、実際の実現において、一定の部分の汚染問題などがあり、バッチ別の品質の具現の側面から均一性を保障しにくい短所が存在する。したがって、最小限の工程回数で行う必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の一実施形態は、組み立て工程を含まずに製造されたリチウム二次電池用負極活物質、その製造方法およびそれを含む二次電池を提供する。
【0016】
本発明の一実施形態は、液状コーティング物質を使用して組み立て工程を経ずに製造されたリチウム二次電池用負極活物質、その製造方法およびそれを含む二次電池を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一実施形態によるリチウム二次電池用負極活物質は、人造黒鉛を準備する段階;前記人造黒鉛と液状コーティング物質を混合して人造黒鉛を被覆するコート層を形成する段階;および前記コート層が形成された人造黒鉛を炭化させる段階;を含み、前記液状コーティング物質は35℃で粘度が300~25000mPa・sである。
【0018】
コート層を形成する段階;で人造黒鉛100重量部に対する液状コーティング物質の含有量が5~30重量部である。
【0019】
コート層を形成する段階;で液状コーティング物質の25℃での固定炭素量が15~60重量%である。
【0020】
人造黒鉛を準備する段階;はコークスを粉砕する段階;およびコークスを黒鉛化させる段階;を含む。
【0021】
人造黒鉛を準備する段階;で前記人造黒鉛は石炭系コークス由来の人造黒鉛、石油系コークス由来の人造黒鉛またはこれらの混合物である。
【0022】
人造黒鉛が石炭系コークス由来の人造黒鉛と石油系コークス由来の人造黒鉛混合物であり、混合物100重量部に対して石油系コークス由来の人造黒鉛が50重量部以上混合されたものである。
【0023】
人造黒鉛を準備する段階;で人造黒鉛の粒度SPAN((D90-D10)/D50)は0.7~2.5である。
【0024】
コート層を形成する段階;で液状コーティング物質は易黒鉛化炭素前駆体または難黒鉛化炭素前駆体である。
【0025】
炭化させる段階;は炭化温度が800~2000℃である。
【0026】
コート層を形成する段階;で前記人造黒鉛と液状コーティング物質の混合は温度50℃以下で行われる。
【0027】
本発明の一実施形態によるリチウム二次電池用負極活物質は人造黒鉛;および前記人造黒鉛の表面に形成された炭素コート層;を含み、炭素コート層は35℃で粘度が300~25000mPa・s液状コート層が炭化したものである。
【0028】
前記人造黒鉛は石炭系コークス由来の人造黒鉛、石油系コークス由来の人造黒鉛またはこれらの混合物である。
【0029】
人造黒鉛が石炭系コークス由来の人造黒鉛と石油系コークス由来の人造黒鉛混合物であり、混合物100重量部に対して石油系コークス由来の人造黒鉛が50重量部以上である。
【0030】
本発明の一実施形態によるリチウム二次電池は前記リチウム二次電池用負極活物質の製造方法から製造された負極活物質を含む負極;正極;および電解質を含む。
【発明の効果】
【0031】
本発明の一実施形態によるリチウム二次電池用負極活物質、その製造方法およびそれを含む二次電池は、使用する液状コーティング物質の粘度を制御して組み立て工程を含まなくてもよい。
【0032】
本発明の一実施形態によるリチウム二次電池用負極活物質、その製造方法およびそれを含む二次電池は電極接着性に優れる。
【0033】
本発明の一実施形態によるリチウム二次電池用負極活物質、その製造方法およびそれを含む二次電池は別途の組み立て工程がないため単粒子で構成された人造黒鉛負極材を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
第1、第2および第3などの用語は、多様な部分、成分、領域、層および/またはセクションを説明するために使用されるが、これらに限られない。これらの用語はある部分、成分、領域、層またはセクションを他の部分、成分、領域、層またはセクションと区別することのみのために使用される。したがって、以下で叙述する第1部分、成分、領域、層またはセクションは本発明の範囲を逸脱しない範囲内で第2部分、成分、領域、層またはセクションと言及され得る。
【0035】
ここで使用される専門用語は、単に特定の実施例を言及するためのものであり、本発明を限定することを意図しない。ここで使用される単数形は、文脈上明らかに逆の意味を示さない限り複数形も含む。明細書で使用される「含む」こと意味は、特定の特性、領域、整数、段階、動作、要素および/または成分を具体化し、他の特性、領域、整数、段階、動作、要素および/または成分の存在や付加を除外させるものではない。
【0036】
ある部分が他の部分の「上に」または「の上に」あると言及する場合、これは他の部分のすぐ上にまたは上にあり得るか、その間に他の部分を伴ってもよい。対照的にある部分が他の部分の「すぐ上に」あると言及する場合、その間に他の部分が介在しない。
【0037】
また、特記しない限り、%は重量%を意味し、1ppmは0.0001重量%である。
【0038】
本発明の一実施例で追加元素をさらに含むことの意味は、追加元素の追加量だけ残部である鉄(Fe)の代わりに含むことを意味する。
【0039】
別に定義していないが、ここに使用される技術用語および科学用語を含むすべての用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が一般的に理解する意味と同じ意味を有する。一般に用いられている辞書に定義された用語は、関連技術文献と現在開示されている内容に合う意味を持つものと追加解釈され、定義されていない限り理想的や公式的過ぎる意味に解釈されない。
【0040】
以下、本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施例に限られない。
【0041】
以下、各段階について具体的に調べる。
【0042】
本発明の一実施形態によるリチウム二次電池用負極活物質の製造方法は、人造黒鉛を準備する段階;前記人造黒鉛と液状コーティング物質を混合して人造黒鉛を被覆するコート層を形成する段階;および前記コート層が形成された人造黒鉛を炭化させる段階;を含む。
【0043】
前記二次電池用負極活物質の製造方法において、人造黒鉛を準備する段階;はコークスを粉砕する段階;およびコークスを黒鉛化させる段階;を含む。
【0044】
また、人造黒鉛を準備する段階で、人造黒鉛は石炭系コークス由来の人造黒鉛、石油系コークス由来の人造黒鉛またはこれらの混合物である。すなわち、人造黒鉛は石炭系コークス、石油系コークスまたはこれらの混合物を粉砕し黒鉛化して得たものであり得る。
【0045】
また、人造黒鉛を準備する段階;で、人造黒鉛が石炭系コークス由来の人造黒鉛と石油系コークス由来の人造黒鉛混合物である場合、石炭系コークス由来の人造黒鉛と石油系コークス由来の人造黒鉛混合物100重量部に対して石油系コークス人造黒鉛が50重量部以上で混合されたものであり得る。
【0046】
すなわち、人造黒鉛を準備する段階で使用されるコークスは、石炭系コークス、石油系コークスまたはこれらの混合物である。また、石炭系コークスと石油系コークス混合物を使用する場合は混合物100重量部に対して石油系コークスは50重量部未満で含まれ得る。
【0047】
また、石炭系コークスまたは石油系コークスはそれぞれ針状コークス、等方性コークスまたはこれらの混合物であり得る。また、石炭系コークスまたは石油系コークスはそれぞれグリーンコークス、か焼コークスまたはこれらの混合物であり得る。
【0048】
また、本発明による人造黒鉛は組み立てたものでない。すなわち、人造黒鉛は1次粒子、単粒子自体であり、組み立てられていないため、負極活物質の製造方法で原料として使用される人造黒鉛にはソフトカーボン接着剤またはハードカーボン接着剤は含まれない。
【0049】
前記人造黒鉛を準備する段階;に含まれるコークスを粉砕する段階;で使用する粉砕方法は、下記に記載する粒度に調節できる粉砕方法であれば制限がないが、例えば、Jet mill, Pin mill, Air classifier mill, Raymond mill, Jaw crusherなどを用いることができる。粉砕されたコークスは適したSieveを用いて分級することができる。
【0050】
また、人造黒鉛を準備する段階;で、人造黒鉛粒度SPAN((D90-D10)/D50)は0.7~2.5である。また、人造黒鉛の粒径D50は10~20μmであり、D10は5μm以上であり、D90は40μm以下である。また、もし石炭系コークス由来の人造黒鉛と石油系コークス由来の人造黒鉛を混合して使用する場合は二つの粒度が類似することが好ましい。
【0051】
人造黒鉛を準備する段階において、コークスを黒鉛化させる段階での黒鉛化温度は2200~3000℃であり、黒鉛化処理時間は3時間以上である。
【0052】
前記二次電池用負極活物質の製造方法で、コート層を形成する段階;の液状コーティング物質は、35℃で粘度が300~25000mPa・sである。具体的には液状コーティング物質は35℃で粘度が1000~15000mPa・sである。より具体的には液状コーティング物質は35℃で粘度が8000~10000mPa・sである。
【0053】
液状コーティング物質の粘度が過度に低い場合は、ぬれ性が良くないため母材と別に分離されて母材が不完全にコートされる問題がある。しかし、液状コーティング物質の粘度が過度に高い場合は粘性が過度に高くて液体よりは固体に近い物性を持つようになって相分離が起こり、母材のコーティングが不完全な問題がある。すなわち、前記粘度範囲を満たす場合のみ母材のコーティングが良好に行われる。
【0054】
また、本発明によるリチウム二次電池用負極活物質の製造方法で液状コーティング物質の粘度を前記範囲に制御することによって、単粒子、すなわち、1次粒子のみで構成された人造黒鉛をすぐにコートさせることができる。また、別途の組み立て工程を経ずとも電極接着力に優れる負極活物質を提供することができ、工程実行中のエネルギおよびコスト低減効果を得ることができる。
【0055】
また、コート層を形成する段階;で液状コーティング物質の25℃での固定炭素量(残炭量)は15~60重量%である。固定炭素量が過度に低い場合はコーティング物質としての作用を実現するためには人造黒鉛と混合時にミキサーの回転率を高めなければならず、回転率が高くなるにつれてミキサーの内部および混合物の温度が上昇するため、それによって性能が劣化する問題があり得る。反面、固定炭素量が多すぎる場合は液状化が難しくて液状コートにより得ようとする利点を得ることができず、より高い工程で処理しなければならない短所がある。
【0056】
また、コート層を形成する段階;で液状コーティング物質は前記粘度および固定炭素量を満たすものであれば制限はない。
【0057】
前記液状コーティング物質は非晶質炭素系物質のうち易黒鉛化炭素(Soft carbon)前駆体または難黒鉛化炭素(Hard carbon)前駆体であり得る。易黒鉛化炭素前駆体は石炭系ピッチ、石油系ピッチまたはコールタールであり得る。そのため、易黒鉛化炭素系前駆体物質を用いる場合、熱処理により炭化した後に構造安定性を強化させることができる。難黒鉛化炭素(Hard carbon)は、ポリイミド樹脂、フラン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、エポキシ樹脂およびポリスチレン樹脂などであり得る。難黒鉛化炭素系前駆体物質も熱処理による炭素化後に構造安定性を強化させることができる。
【0058】
例えば、液状フェノールレジン、液状石油系ピッチ、液状石炭系ピッチ、およびコールタールからなる群より選択された1種以上であり得る。すなわち、液状コーティング物質は液状フェノールレジン、液状石油系ピッチ、液状石炭系ピッチ、コールタールなどであり、前記粘度および固定炭素範囲を満たすものであり得る。
【0059】
また、コート層を形成する段階;で人造黒鉛100重量部に対する液状コーティング物質の含有量が5~30重量比である。具体的には、人造黒鉛100重量部に対する液状コーティング物質の含有量は10~30重量部または15~25重量部であり得る。液状コーティング物質の含有量が前記範囲を満たさない場合は製品に使用するには負極活物質の電極接着力が充分でない(例えば、300gf/cm2以下)問題がある。
【0060】
また、コート層を形成する段階;で人造黒鉛と液状コーティング物質の混合は温度50℃以下で行われる。
【0061】
人造黒鉛と液状コーティング物質の混合時間と混合機の速度(例えば、回転ミキサーの場合の回転速度(rpm))は液状コーティング物質の粘度に応じて調節することができる。液状コーティング物質の粘度が過度に低い場合は良好な母材コーティングのために混合時間を長くし、混合機速度を高めた方が良い。反面、液状コーティング物質の粘度が過度に高い場合は、逆に良好な母材コーティングのために混合時間を短くし、混合機速度を遅くした方が良い。好ましい混合回転速度は100rpm以上であり、混合時間は15分以上行われる。時間が過度に短い場合は母材が完全にコートされない。
【0062】
また、コート層を形成する段階;で混合反応器に液状コーティング物質は人造黒鉛よりも上部で装入される。これは人造黒鉛に液状コーティング物質を最大に均一に広げて塗布されるようにするためである。
【0063】
前記混合反応器は1個以上の回転部を備え得る。好ましくは混合反応器は2個以上の回転部を備えてもよく、2個以上の回転部が公転自転を同時に行うこともできる。
【0064】
前記混合反応器の未反応部は全体面積に対して10面積%以下であり得る。前記未反応部とは混合反応器の回転部が当たらない反応器の部分を意味する。
【0065】
前記二次電池用負極活物質の製造方法で、前記コート層が形成された人造黒鉛を炭化させる段階;は炭化温度が800~2000℃である。具体的には、炭化温度は1000~1500℃、または1200~1500℃である。具体的には炭化温度まで昇温速度は3~8℃/分であり、炭化温度で1~5時間維持して炭化させることができる。炭化温度が過度に低いと、揮発分の除去率が低くて最終製品の品質が低くなり、炭化温度が過度に高いと、黒鉛化に近い温度で不要なエネルギ消耗が生じる問題がある。
【0066】
本発明の一実施形態によるリチウム二次電池用負極活物質は、人造黒鉛;および前記人造黒鉛の表面に形成された炭素コート層;を含み、炭素コート層は35℃で粘度が300~25000mPa・s液状コート層が炭化したものである。
【0067】
前記リチウム二次電池用負極活物質に含まれる人造黒鉛は、石炭系コークス由来の人造黒鉛、石油系コークス由来の人造黒鉛またはこれらの混合物である。
【0068】
また、前記人造黒鉛が石炭系コークス由来の人造黒鉛と石油系コークス由来の人造黒鉛混合物である場合、石炭系コークス由来の人造黒鉛と石油系コークス由来の人造黒鉛混合物100重量部に対して石油系コークス由来の人造黒鉛が50重量部以上であり得る。
【0069】
本発明の一実施形態によるリチウム二次電池は、上述した製造方法から製造された負極活物質を含む負極;正極;および電解質を含む。具体的には、リチウム二次電池は正極と負極の間に配置されたセパレータをさらに含むことができる。
【0070】
前記負極は本発明の一実施形態により製造された負極活物質、バインダおよび選択的に導電材を混合して負極活物質層形成用組成物を製造した後、これを負極集電体に塗布して製造することができる。
【0071】
前記負極集電体は、例えば、銅箔、ニッケル箔、ステンレス鋼、チタニウム箔、ニッケル発泡体(foam)、銅発泡体、伝導性金属がコートされたポリマー基材またはこれらの組み合わせであり得る。
【0072】
前記バインダとしてはポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース/スチレン-ブタジエンゴム、ヒドロキシプロピレンセルロース、ジアセチレンセルロース、ポリビニルクロライド、ポリビニルピロリドン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどを使用できるが、これに限定されるものではない。前記バインダは前記負極活物質層形成用組成物の総量に対して1重量%~30重量%で混合されることができる。
【0073】
前記導電材としては電池に化学的変化を誘発せず、かつ導電性を有するもであれば特に制限されるものではなく、具体的には天然黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛;アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維;フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウイスキー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材などを使用できる。前記導電材は前記負極活物質層形成用組成物の総量に対して0.1重量%~30重量%で混合されることができる。
【0074】
次に、前記正極は、正極活物質、バインダおよび選択的に導電材を混合して正極活物質層形成用組成物を製造した後、この組成物を正極集電体に塗布して製造することができる。このとき、バインダおよび導電材は前述した負極の場合と同一に使用される。
【0075】
前記正極集電体は、例えば、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、またはアルミニウムやステンレススチールの表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したものを使用することができる。
【0076】
前記正極活物質は、リチウムの可逆的なインターカレーションおよびデインターカレーションが可能な化合物(リチエイテッドインターカレーション化合物)を使用することができる。
【0077】
前記正極活物質は具体的には、コバルト、マンガン、ニッケルまたはこれらの組み合わせの金属とリチウムとの複合酸化物のうち1種以上のものを使用することができ、その具体的な例としては下記化学式のいずれか一つで表される化合物を使用することができる。LiaA1-bRbD2(前記式において、0.90≦a≦1.8および0≦b≦0.5である);LiaE1-bRbO2-cDc(前記式において、0.90≦a≦1.8,0≦b≦0.5,および0≦c≦0.05である);LiE2-bRbO4-cDc(前記式において、0≦b≦0.5,0≦c≦0.05である);LiaNi1-b-cCobRcDα(前記式において、0.90≦a≦1.8,0≦b≦0.5,0≦c≦0.05および0<α≦2である);LiaNi1-b-cCobRcO2-αZα(前記式において、0.90≦a≦1.8,0≦b≦0.5,0≦c≦0.05および0<α<2である);LiaNi1-b-cCobRcO2-αZ2(前記式において、0.90≦a≦1.8,0≦b≦0.5,0≦c≦0.05および0<α<2である);LiaNi1-b-cMnbRcDα(前記式において、0.90≦a≦1.8,0≦b≦0.5,0≦c≦0.05および0<α≦2である);LiaNi1-b-cMnbRcO2-αZα(前記式において、0.90≦a≦1.8,0≦b≦0.5,0≦c≦0.05および0<α<2である);LiaNi1-b-cMnbRcO2-αZ2(前記式において、0.90≦a≦1.8,0≦b≦0.5,0≦c≦0.05および0<α<2である);LiaNibEcGdO2(前記式において、0.90≦a≦1.8,0≦b≦0.9,0≦c≦0.5および0.001≦d≦0.1である。);LiaNibCocMndGeO2(前記式において、0.90≦a≦1.8,0≦b≦0.9,0≦c≦0.5,0≦d≦0.5および0.001≦e≦0.1である。);LiaNiGbO2(前記式において、0.90≦a≦1.8および0.001≦b≦0.1である。);LiaCoGbO2(前記式において、0.90≦a≦1.8および0.001≦b≦0.1である。);LiaMnGbO2(前記式において、0.90≦a≦1.8および0.001≦b≦0.1である。);LiaMn2GbO4(前記式において、0.90≦a≦1.8および0.001≦b≦0.1である。);QO2;QS2;LiQS2;V2O5;LiV2O5;LiTO2;LiNiVO4;Li(3-f)J2(PO4)3(0≦f≦2);Li(3-f)Fe2(PO4)3(0≦f≦2);およびLiFePO4。
【0078】
前記化学式において、AはNi、Co、Mnまたはこれらの組み合わせであり;RはAl、Ni、Co、Mn、Cr、Fe、Mg、Sr、V、希土類元素またはこれらの組み合わせであり;DはO、F、S、Pまたはこれらの組み合わせであり;EはCo、Mnまたはこれらの組み合わせであり;ZはF、S、Pまたはこれらの組み合わせであり;GはAl、Cr、Mn、Fe、Mg、La、Ce、Sr、Vまたはこれらの組み合わせであり;QはTi、Mo、Mnまたはこれらの組み合わせであり;TはCr、V、Fe、Sc、Yまたはこれらの組み合わせであり;JはV、Cr、Mn、Co、Ni、Cuまたはこれらの組み合わせである。
【0079】
前記リチウム二次電池に充填される電解質としては非水性電解質または公知された固体電解質などを使用することができ、リチウム塩が溶解したものを使用することができる。
【0080】
前記リチウム塩は、例えば、LiPF6、LiBF4、LiSbF6、LiAsF6、LiClO4、LiCF3SO3、Li(CF3SO2)2N、LiC4F9SO3、LiSbF6、LiAlO4、LiAlCl4、LiCl、およびLiIからなる群より選ばれた1種以上を使用することができる。
【0081】
前記非水性電解質の溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネート;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ-ブチロラクトンなどのエステル類;1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,2-ジオキサン、2-メチルテトラヒドロフランなどのエーテル類;アセトニトリルなどのニトリル類;ジメチルホルムアミドなどのアミド類などを使用できるが、これに限定されるものではない。これらを単独または複数を組み合わせて使用することができる。特に、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合溶媒を好ましく使用することができる。
【0082】
また、電解質としては、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリルなどの重合体電解質に電解液を含浸したゲル状重合体電解質や、LiI、Li3Nなどの無機固体電解質が可能である。
【0083】
前記セパレータは耐化学性および疎水性のポリプロピレンなどのオレフィン系ポリマー;ガラス繊維、ポリエチレンなどで作られたシートや不織布などを使用することができる。電解液としてポリマーなどの固体電解液が使用される場合、固体電解液が分離膜を兼ねることもできる。
【実施例】
【0084】
以下、本発明の実施例について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施例に限られない。
【0085】
「実験例1-母材構成による電極接着力の実験」
下記表1の組成で負極活物質を製造した。下記表1で粒度Spanは(D90-D10)/D50を意味する。母材に対して液状コーティング物質を20重量%で混合し、Nauta Mixerを用いて150rpmで公転自転による混合を30分間行った。その後、コーティング材の外部に位置した母材を1200℃で炭化した。このとき、炭化温度まで昇温速度は5℃/分とし、炭化温度で3時間維持させて炭化させた後に自然冷却して100℃で製造された負極活物質を得た。
【0086】
前記製造された負極活物質97重量%、カルボキシメチルセルロースとスチレンブタジエンゴムを含むバインダ2重量%、Super P導電材1重量%を蒸留水溶媒中で混合して負極活物質スラリーを製造した。
【0087】
負極活物質スラリーを銅(Cu)集電体に塗布した後、100℃で10分間乾燥させた後にロールプレスで圧着した。その後、100℃真空オーブンで乾燥時に脱離が発生する時点を測定した。該当条件で12時間の間脱離が起こらなければ電極として使用可能であるため12時間まで測定した。このとき、脱離とは負極集電体であるCu板で負極活物質が分離されることを意味する。
【0088】
真空乾燥された負極の電極密度は1.5~1.7g/ccであった。
【0089】
【0090】
前記表1の結果を調べると、区分1、2の場合のような天然黒鉛は、液状コーティング物質として液状フェノールレジンと液状石油系ピッチを使用した場合はいずれも電極接着力が低く測定された。
【0091】
区分5、6は、いずれも石炭系、石油系人造黒鉛を混合して使用したが、その結果は相反するものであった。すなわち、粒度が類似の石炭系、石油系人造黒鉛を混合して使用する場合には、石油系人造黒鉛を石炭系より多く混合した場合にのみ優れた電極接着力を確認することができた。すなわち、人造黒鉛を混合して使用時に粒度測定レーザピークが2個以上に分布する区分6のような場合は電極接着力が劣ることが分かる。
【0092】
「実験例2-液状コーティング物質の粘度による接着力測定」
下記表2の組成で負極活物質を作ってそれを含む負極を製造した。負極製造方法は実験例1と同様にして製造した。
【0093】
接着力試験は最終的に製造された電極を25cm2大きさでカットしてASTM D4541試験法でテストした。
【0094】
【0095】
負極電極としての使用に適した接着力は300gf/cm2以上でなければならない。区分7~10は母材に対して液状コーティング物質の含有量のみを異なるようにし、同一の母材と同一の粘度の液状コーティング物質を使用した。しかし、液状コーティング物質の含有量が少ないか、または多い区分7および10は電極接着力が低く示された。
【0096】
区分11および13は同一の母材を使用し、母材に対して液状コーティング物質の含有量も同一にしたが、粘度が異なるコールタールを使用した。その結果、粘度が270mPasで低い区分13の場合は電極接着力が低く示された。したがって、液状コーティング物質の粘度が270mPasより大きくなければならないことが分かった。
【0097】
区分12および14も区分11および13と同じ結果を示した。
【0098】
参考までに、以前の同一の母材に液状コーティング物質として液状石油系ピッチを25重量%使用し、液状石油系ピッチの粘度が250mPasおよび450mPasで異なる場合、粘度が250mPasである場合の接着力は80gf/cm2で過度に低く、粘度450mPaである場合の接着力は590gf/cm2で示されることを確認した。
【0099】
本発明は実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で製造することができ、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施例はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人造黒鉛を準備する段階;
前記人造黒鉛と液状コーティング物質を混合して人造黒鉛を被覆するコート層を形成する段階;および
前記コート層が形成された人造黒鉛を炭化させる段階;を含み、
前記液状コーティング物質は35℃で粘度が300~25000mPa・sである、リチウム二次電池用負極活物質の製造方法。
【請求項2】
コート層を形成する段階;で、
人造黒鉛100重量部に対する液状コーティング物質の含有量が5~30重量部である、請求項1に記載のリチウム二次電池用負極活物質の製造方法。
【請求項3】
コート層を形成する段階;で、
液状コーティング物質の25℃での固定炭素量が15~60重量%である、請求項1
または2に記載のリチウム二次電池用負極活物質の製造方法。
【請求項4】
人造黒鉛を準備する段階;は、
コークスを粉砕する段階;および
コークスを黒鉛化させる段階;を含む、請求項1
から3のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用負極活物質の製造方法。
【請求項5】
人造黒鉛を準備する段階;で、
前記人造黒鉛は石炭系コークス由来の人造黒鉛、石油系コークス由来の人造黒鉛またはこれらの混合物である、請求項1
から3のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用負極活物質の製造方法。
【請求項6】
人造黒鉛が石炭系コークス由来の人造黒鉛と石油系コークス由来の人造黒鉛混合物であり、
混合物100重量部に対して石油系コークス由来の人造黒鉛が50重量部以上混合されたものである、請求項5に記載のリチウム二次電池用負極活物質の製造方法。
【請求項7】
人造黒鉛を準備する段階;で、
人造黒鉛の粒度SPAN((D90-D10)/D50)は0.7~2.5である、請求項1
から6のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用負極活物質の製造方法。
【請求項8】
コート層を形成する段階;で、
液状コーティング物質は易黒鉛化炭素前駆体または難黒鉛化炭素前駆体である、請求項1
から7のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用負極活物質の製造方法。
【請求項9】
炭化させる段階;は炭化温度が800~2000℃である、請求項1
から8のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用負極活物質の製造方法。
【請求項10】
コート層を形成する段階;で、
前記人造黒鉛と液状コーティング物質の混合は温度50℃以下で行われる、請求項1
から9のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用負極活物質の製造方法。
【請求項11】
人造黒鉛;および
前記人造黒鉛の表面に形成された炭素コート層;を含み、
炭素コート層は35℃で粘度が300~25000mPa・s液状コート層が炭化したものである、リチウム二次電池用負極活物質。
【請求項12】
前記人造黒鉛は石炭系コークス由来の人造黒鉛、石油系コークス由来の人造黒鉛またはこれらの混合物である、請求項11に記載のリチウム二次電池用負極活物質。
【請求項13】
人造黒鉛が石炭系コークス由来の人造黒鉛と石油系コークス由来の人造黒鉛混合物であり、
混合物100重量部に対して石油系コークス由来の人造黒鉛が50重量部以上である、請求項12に記載のリチウム二次電池用負極活物質。
【請求項14】
請求項1ないし10のいずれか一項に記載のリチウム二次電池用負極活物質の製造方法から製造された負極活物質を含む負極;
正極;および
電解質を含む、リチウム二次電池。
【国際調査報告】