(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-29
(54)【発明の名称】薬物送達装置用針ハブ
(51)【国際特許分類】
A61M 5/142 20060101AFI20240122BHJP
A61M 5/32 20060101ALI20240122BHJP
A61M 5/158 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
A61M5/142 522
A61M5/32 530
A61M5/32 510D
A61M5/158 500H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540993
(86)(22)【出願日】2022-01-05
(85)【翻訳文提出日】2023-08-21
(86)【国際出願番号】 US2022011205
(87)【国際公開番号】W WO2022150317
(87)【国際公開日】2022-07-14
(32)【優先日】2021-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スティーブ ビギン
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ジェームズ コールマン
(72)【発明者】
【氏名】パトリック ル ガル ルドン
(72)【発明者】
【氏名】マルコ プレヴニク
(72)【発明者】
【氏名】ナーザン ライエル
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD12
4C066DD13
4C066EE14
4C066FF04
4C066LL13
4C066MM04
(57)【要約】
薬物送達装置用の針ハブは、ハブ本体、起動ボタン、ハブ本体に対して移動可能な針ホルダ、針ホルダに取り付けられた針、針ホルダを、針がハブ本体内に位置づけられる後退位置に付勢する針ばね、ハブ本体および針ホルダに対して移動可能なカニューレホルダ、カニューレホルダに取り付けられたカニューレであって、カニューレは、流体源と流体連通するように構成された、カニューレ、および、カニューレホルダを後退位置に付勢するカニューレばねを含む。ハブ本体の一部の移動は、カニューレホルダとハブ本体との間の結合を解除し、カニューレホルダが後退位置に戻ることを可能にするように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達装置用の針ハブであって、前記針ハブは、
ハブ本体と、
前記ハブ本体に対して移動可能な起動ボタンであって、前記起動ボタンは、第1の作動面を有する、前記起動ボタンと、
前記ハブ本体に対して移動可能である針ホルダであって、前記針ホルダは、第2の作動面を有し、前記起動ボタンの前記第1の作動面は、前記針ホルダの前記第2の作動面と係合するように構成される、前記針ホルダと、
前記針ホルダに取り付けられた針と、
前記針が、前記ハブ本体内に位置づけられる後退位置に、前記針ホルダを付勢する針ばねと、
前記ハブ本体および前記針ホルダに対して移動可能である、カニューレホルダと、
前記カニューレホルダに取り付けられたカニューレであって、前記カニューレは、流体源と流体連通するように構成される、前記カニューレと、
前記カニューレが、前記ハブ本体内に位置づけられる後退位置に、前記カニューレホルダを付勢する、カニューレばねと、を含み、
前記起動ボタンの移動は、前記起動ボタンの前記第1の作動面が、前記針ホルダの前記第2の作動面と係合することをもたらし、前記針ホルダと前記カニューレホルダを、それぞれの後退位置から、前記針と前記カニューレの遠位端が、前記ハブ本体の外側に位置づけられる挿入位置まで移動させるように構成され、前記針ホルダは、前記カニューレホルダが前記挿入位置に留まる間に、前記後退位置に戻るように構成され、前記ハブ本体の一部の移動は、前記カニューレホルダと前記ハブ本体との間の結合を解除し、前記カニューレホルダが前記後退位置に戻ることを可能にするように構成されることを特徴とする針ハブ。
【請求項2】
請求項1に記載の針ハブであって、前記針ホルダは、流体源と流体連通するように構成された通路を備え、前記針は、前記針ホルダの前記通路と流体連通することを特徴とする針ハブ。
【請求項3】
請求項2に記載の針ハブであって、前記針の少なくとも一部は、前記カニューレ内に受容され、前記カニューレホルダは、前記針と係合するシールを備えることを特徴とする針ハブ。
【請求項4】
請求項1に記載の針ハブであって、前記針ハブは、第1の突出部を備え、前記カニューレホルダは、第2の突出部を備え、前記カニューレが前記挿入位置にあるときに、前記針ハブの前記第1の突出部は、前記カニューレホルダの第2の突出部と係合して、前記カニューレホルダの前記後退位置への移動を制限することを特徴とする針ハブ。
【請求項5】
請求項4に記載の針ハブであって、前記針ハブは、取り外しタブを備え、前記取り外しタブの移動は、前記針ハブの前記第1の突出部と前記カニューレホルダの前記第2の突出部との間の係合を解除し、前記カニューレばねが、前記カニューレを前記後退位置に付勢することを可能にすることを特徴とする針ハブ。
【請求項6】
請求項5に記載の針ハブであって、前記針ハブを人に取り付けた後、前記取り外しタブの少なくとも一部が人の皮膚表面と係合するように構成されることを特徴とする針ハブ。
【請求項7】
請求項1に記載の針ハブであって、前記起動ボタンは、第1の軸に沿って移動可能であり、前記針ホルダおよび前記カニューレホルダは、前記第1の軸に垂直な第2の軸に沿って移動可能であることを特徴とする針ハブ。
【請求項8】
請求項7に記載の針ハブであって、前記起動ボタンの前記第1の作動面は、前記起動ボタンの前記第1の軸に沿った所定の距離の移動後に、前記針ホルダの前記第2の作動面から係合解除されるように構成されることを特徴とする針ハブ。
【請求項9】
請求項1に記載の針ハブであって、さらに、人の皮膚表面に接着されるように構成された接着面を含む、皮膚テンティング低減機構を備え、前記皮膚テンティング低減機構は、前記針が前記皮膚表面を穿刺する位置で、前記皮膚表面を伸ばすように構成されることを特徴とする針ハブ。
【請求項10】
薬物送達装置用の針ハブであって、前記針ハブは、
ハブ本体と、
前記ハブ本体に対して移動可能な起動ボタンと、
前記ハブ本体に対して移動可能な針ホルダと、
前記針ホルダに取り付けられた針と、
前記ハブ本体および前記針ホルダに対して移動可能なカニューレホルダと、
前記カニューレホルダに取り付けられカニューレであって、前記カニューレは、流体源と流体連通するように構成された、前記カニューレと、
前記針および前記カニューレが、前記ハブ本体内に位置づけられる後退位置から、前記針および前記カニューレの遠位端が、前記ハブ本体の外側に位置づけられる挿入位置まで、前記針ホルダおよび前記カニューレホルダを付勢するように構成された、駆動ばねと、
前記針ホルダを、前記挿入位置から前記後退位置に後退させるように構成された、引込みばねと、を含み、
前記起動ボタンの作動に先立って、前記駆動ばねは、前記カニューレホルダと係合し、前記針ホルダは、前記カニューレホルダと係合して、前記カニューレホルダの移動を制限し、
起動ボタンの作動後、前記針ホルダは前記ハブ本体に対して移動するように構成され、前記カニューレホルダが針ホルダに対して回転することを可能にするように構成され、その結果、前記駆動ばねが、前記カニューレホルダと前記針ホルダを、前記挿入位置に移動させることを特徴とする針ハブ。
【請求項11】
請求項10に記載の針ハブであって、前記ハブ本体は、第1のカム面を備え、前記カニューレホルダは、第2のカム面を備え、前記第2のカム面の前記第1のカム面との係合は、前記カニューレホルダを回転させるように構成されることを特徴とする針ハブ。
【請求項12】
請求項11に記載の針ハブであって、前記針ホルダは、第1の突出部を備え、前記カニューレホルダは、第2の突出部を備え、前記起動ボタンの作動前に、前記針ホルダの前記第1の突出部が、前記カニューレホルダの第2の突出部と係合して、前記カニューレホルダの回転を防止することを特徴とする針ハブ。
【請求項13】
請求項12に記載の針ハブであって、前記起動ボタンは、押下げられるように構成され、前記起動ボタンを押下げは、前記針ホルダの前記第1の突出部を、前記カニューレホルダの前記第2の突出部との係合から移動させ、前記カニューレホルダが回転することを可能にし、前記ハブ本体の前記第1のカム面が、前記カニューレホルダの前記第2のカム面と係合解除され、前記カニューレホルダおよび前記針ホルダが挿入位置に移動するように構成されることを特徴とする針ハブ。
【請求項14】
請求項13に記載の針ハブであって、前記起動ボタンの作動および前記カニューレホルダの回転の後、前記カニューレホルダの第1の駆動面が、前記針ホルダの第2の駆動面と係合し、その結果、前記カニューレホルダの前記挿入位置に向けた移動は、また、前記針ホルダを前記挿入位置に向けて移動させることを特徴とする針ハブ。
【請求項15】
請求項14に記載の針ハブであって、前記挿入位置への前記カニューレホルダの移動後、前記針ホルダは、前記ハブ本体の傾斜部分と係合して、前記針ホルダを回転させ、その結果、前記カニューレホルダの前記第1の駆動面が、前記針ホルダの第2の駆動面から係合解除され、前記後退ばねが、前記針ホルダを前記後退位置に付勢することを特徴とする針ハブ。
【請求項16】
請求項13に記載の針ハブであって、前記起動ボタンが第1の位置から第2の位置に移動可能であり、前記起動ボタンが前記第1の位置にあるとき、前記起動ボタンは、押下げを制限されることを特徴とする針ハブ。
【請求項17】
請求項10に記載の針ハブであって、さらに、前記針および前記カニューレの少なくとも一部を覆う針シールドと、前記ハブ本体と係合した針シールド除去装置を備え、針シールド除去装置は、前記起動ボタンの移動を防止することを特徴とする針ハブ。
【請求項18】
請求項10に記載の針ハブであって、前記針ホルダは、前記後退位置にあり、前記カニューレホルダは、前記挿入位置にある状態で、前記針は、完全に、前記カニューレの外側に位置づけられることを特徴とする針ハブ。
【請求項19】
請求項18に記載の針ハブであって、前記カニューレホルダは、流体源と流体連通するように構成された入口を備え、前記カニューレホルダは、前記針と係合するシールを備えることを特徴とする針ハブ。
【請求項20】
請求項10に記載の針ハブであって、前記駆動ばねは、第1および第2の圧縮ばねを備えることを特徴とする針ハブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年1月5日に出願された米国仮出願第63/134,054号に対する優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本開示は、薬物送達装置用の針ハブに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
自動注射器などのウェアラブル医療装置は、臨床施設から離れた場所で、および/または、患者の衣服の下に別個に装着されながら、患者に治療を提供するという利点を有する。ウェアラブル医療装置は、患者の皮膚に適用され、ウェアラブル医療装置を患者の皮膚に適用した後、所定の時間内に、ある用量の医薬組成物を、患者の皮膚に自動的に送達するように構成され得る。装置が医薬組成物を患者に送達した後、患者は、その後、装置を取り外して廃棄し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2017/0354788号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
薬物送達装置用の針ハブを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
一態様または実施形態では、薬物送達装置用の針ハブは、ハブ本体と、ハブ本体に対して移動可能な起動ボタンであって、起動ボタンは、第1の作動面を有する、起動ボタンと、ハブ本体に対して移動可能な針ホルダであって、針ホルダは、第2の作動面を有する、針ホルダと、を含む。起動ボタンの第1の作動面は、針ホルダの第2の作動面と係合するように構成される。針ハブは、さらに、針ホルダに取り付けられた針と、針がハブ本体内に位置づけられる後退位置に、針ホルダを付勢する、針ばねと、ハブ本体および針ホルダに対して移動可能なカニューレホルダと、カニューレホルダに取り付けられたカニューレであって、カニューレは、流体源と流体連通するように構成された、カニューレと、カニューレホルダを、カニューレがハブ本体内に位置づけられる後退位置に付勢する、カニューレばねと、を含む。起動ボタンの移動は、起動ボタンの第1の作動面が、針ホルダの第2の作動面と係合し、針ホルダおよびカニューレホルダを、それぞれの後退位置から、針およびカニューレの遠位端がハブ本体の外側に位置づけられる挿入位置へと、移動させることをもたらすように構成され、針ホルダは、後退位置に戻り、一方で、カニューレホルダは、挿入位置に留まるように構成される。さらに、ハブ本体の一部の移動は、カニューレホルダとハブ本体との間の接続を解除し、カニューレホルダが、後退位置に戻ることを可能にするように構成される。
【0007】
針ホルダは、流体源と流体連通するように構成された通路を含み得、針は、針ホルダの通路と流体連通する。針の少なくとも一部はカニューレ内に受容され得、カニューレホルダは、針と係合するシールを含み得る。針ハブは、第1の突出部を含み得、カニューレホルダは第2の突出部を含み得、カニューレが挿入位置にあるときに、針ハブの第1の突出部がカニューレホルダの第2の突出部と係合して、カニューレホルダの後退位置への移動を制限する。針ハブは、取り外しタブを含み得、そして、取り外しタブの移動は、針ハブの第1の突出部とカニューレホルダの第2の突出部との間の係合を解除し、カニューレばねが、カニューレを後退位置に付勢することを可能にする。取り外しタブの少なくとも一部は、針ハブを人に取り付けた後、人の皮膚表面と係合するように構成され得る。
【0008】
起動ボタンは、第1の軸に沿って移動可能であり得、そして、針ホルダおよびカニューレホルダは、第1の軸に垂直な第2の軸に沿って移動可能である。起動ボタンの第1の作動面は、起動ボタンが第1の軸に沿って所定の距離だけ移動した後、針ホルダの第2の作動面から係合解除するように構成され得る。
【0009】
針ハブは、人の皮膚表面に接着されるように構成された接着面を含む、皮膚テンティング低減機構を含み得、皮膚テンティング低減機構は、針が皮膚表面を穿刺する位置で、皮膚表面を伸ばすように構成される。
【0010】
一態様または実施形態では、薬物送達装置用の針ハブは、ハブ本体と、ハブ本体に対して移動可能な起動ボタンと、ハブ本体に対して移動可能な針ホルダと、針ホルダに取り付けられた針と、ハブ本体および針ホルダに対して移動可能なカニューレホルダと、カニューレホルダに取り付けられカニューレであって、カニューレは、流体源と流体連通するように構成された、カニューレと、針ホルダおよびカニューレホルダを、針とカニューレがハブ本体内に位置づけられる後退位置から、針とカニューレの遠位端がハブ本体の外側に位置づけられる挿入位置まで、付勢するように構成された、駆動ばねと、針ホルダを、挿入位置から後退位置まで後退させるように構成された、引込みばねとを含む。起動ボタンの作動前に、駆動ばねは、カニューレホルダと係合し、針ホルダは、カニューレホルダと係合して、カニューレホルダの移動を防止する。起動ボタンの作動後、針ホルダは、ハブ本体に対して移動して、カニューレホルダが、針ホルダに対して回転することを可能にし、その結果、駆動ばねは、カニューレホルダおよび針ホルダを挿入位置に移動させるように構成される。
【0011】
ハブ本体は、第1のカム面を含み得、カニューレホルダは、第2のカム面を含み得、そして、第2のカム面の第1のカム面との係合は、カニューレホルダを回転させるように構成される。針ホルダは、第1の突出部を含み得、カニューレホルダは、第2の突出部を含み得、そして、起動ボタンの作動前に、針ホルダの第1の突出部が、カニューレホルダの第2の突出部と係合して、カニューレホルダの回転を防止する。起動ボタンは、押下げられるように構成され得、そして、起動ボタンの押下げは、針ホルダの第1の突出部を、カニューレホルダの第2の突出部との係合から移動させて、カニューレホルダが回転することを可能にし、ハブ本体の第1のカム面が、カニューレホルダの第2カム面から外れ、カニューレホルダと針ホルダが挿入位置に移動するように構成される。起動ボタンの作動およびカニューレホルダの回転後、カニューレホルダの第1の駆動面は、針ホルダの第2の駆動面と係合し得、その結果、カニューレホルダの挿入位置に向かう移動は、また、針ホルダを挿入位置に向けて移動させるであろう。カニューレホルダの挿入位置への移動後、針ホルダは、ハブ本体の傾斜部分と係合して針ホルダを回転させ、その結果、カニューレホルダの第1の駆動面は、針ホルダの第2の駆動面から係合解除されて、引き込みばねが、針ホルダを後退位置に戻すように付勢することを可能にする。起動ボタンは、第1の位置から第2の位置に移動可能であり得、そして、起動ボタンが第1の位置にあるとき、起動ボタンは、押下げられることを制限される。
【0012】
針ハブは、さらに、針およびカニューレの少なくとも一部を覆う、針シールドと、ハブ本体と係合する針シールド除去装置を含み得、そして、針シールド除去装置は、起動ボタンの移動を防止する。針ホルダが後退位置にあり、カニューレホルダが挿入位置にある状態で、針は、完全にカニューレの外側に位置づけられ得る。カニューレホルダは、流体源と流体連通するように構成された入口を含み得、カニューレホルダは、針と係合するシールを含む。駆動ばねは、第1および第2の圧縮ばねであり得る。
【0013】
本開示の上記および他の特徴および利点、ならびに、それらを達成する方法は、添付の図面と併せて理解される、本開示の実施形態の以下の説明を参照することによって、より明らかとなり、本開示自体が、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本出願の一態様または実施形態による薬物送達装置の概略図である。
【
図3】本出願の一態様または実施形態による、針ハブの斜視図である。
【
図4A】針ハブの使用前のインジケータを示す、
図3の針ハブの上面図である。
【
図4B】針の挿入後のインジケータを示す、
図3の針ハブの上面図である。
【
図4C】カニューレの引き抜き後のインジケータを示す、
図3の針ハブの上面図である。
【
図5】
図3の針ハブの使用方法を示す概略図である。
【
図6A】起動ボタンの作動を示す、
図3の針ハブの概略図である。
【
図6B】後退位置から挿入位置への針およびカニューレの移動を示す、
図3の針ハブの概略図である。
【
図6C】後退位置にある針と、挿入位置にあるカニューレを示す、
図3の針ハブの概略図である。
【
図6D】後退位置へのカニューレの移動を示す、
図3の針ハブの概略図である。
【
図7】本出願のさらなる態様または実施形態による、針ハブの斜視図である。
【
図8】注入モードを示す、
図7の針ハブの正面図である。
【
図9】カニューレの引き抜きを示す、
図7の針ハブの正面図である。
【
図10】本出願のさらなる態様または実施形態による、針ハブの斜視図である。
【
図11】
図7の針ハブの使用方法を示す概略図である。
【
図12A】針ハブの使用前の位置を示す、
図7の針ハブの概略図である。
【
図12B】作動させられた針ハブを示す、
図7の針ハブの概略図である。
【
図12C】後退させられた針を示す、
図7の針ハブの概略図である。
【
図12D】後退位置にある針を示す、
図7の針ハブの概略図である。
【
図12E】針ハブから取り外されたアプリケータを示す、
図7の針ハブの概略図である。
【
図12F】後退位置にあるカニューレを示す、
図7の針ハブの概略図である。
【
図13】本出願のさらなる態様または実施形態による、針ハブの断面図である。
【
図15】本出願のさらなる態様または実施形態による、針ハブの斜視図である。
【
図16】本出願のさらなる態様または実施形態による、針ハブの斜視図である。
【
図17】本出願の一態様または実施形態による、針作動アセンブリの斜視図である。
【
図18A】カニューレの挿入位置を示す、
図15の針ハブの断面図である。
【
図18B】カニューレの後退位置を示す、
図15の針ハブの断面図である。
【
図19】本出願のさらなる態様または実施形態による、針ハブの斜視図である。
【
図21】本出願のさらなる態様または実施形態による、針作動アセンブリの斜視図である。
【
図22】本出願のさらなる態様または実施形態による、薬物送達装置および針ハブの斜視図である。
【
図23】
図22の薬物送達装置および針ハブの分解斜視図である。
【
図24】薬剤を送達する間、連結された薬物送達装置と針ハブを示す、
図22の薬物送達装置および針ハブの斜視図である。
【
図25】薬剤を送達する間、薬剤送達装置から分離された針ハブを示す、
図22の薬物送達装置および針ハブの斜視図である。
【
図26A】針ハブの初期位置を示す、本出願のさらなる態様または実施形態による、針ハブの断面図である。
【
図26B】皮膚表面との係合を示す、本出願のさらなる態様または実施形態による、針ハブの断面図である。
【
図26C】針の挿入を示す、本出願のさらなる態様または実施形態による、針ハブの断面図である。
【
図27A】針ハブの初期位置を示す、本出願のさらなる態様または実施形態による、針ハブの断面図である。
【
図27B】皮膚表面との係合を示す、本出願のさらなる態様または実施形態による、針ハブの断面図である。
【
図27C】針の挿入を示す、本出願のさらなる態様または実施形態による、針ハブの断面図である。
【
図28A】針ハブの初期位置を示す、本出願のさらなる態様または実施形態による、針ハブの断面図である。
【
図28B】皮膚表面との係合を示す、本出願のさらなる態様または実施形態による、針ハブの断面図である。
【
図28C】針の挿入を示す、本出願のさらなる態様または実施形態による、針ハブの断面図である。
【
図29】非作動位置を示す、本出願のさらなる態様または実施形態による、針作動アセンブリの斜視図である。
【
図30】作動位置を示す、
図29の針作動アセンブリの斜視図である。
【
図31】非作動位置を示す、
図29の針作動アセンブリの断面図である。
【
図32】作動位置を示す、
図29の針作動アセンブリの断面図である。
【
図33】後退位置を示す、
図29の針作動アセンブリの断面図である。
【
図34】本出願のさらなる態様または実施形態による、針ハブの斜視図である。
【
図36】本出願のさらなる態様または実施形態による、薬物送達装置の斜視図である。
【
図38】薬物送達装置から分離されたリザーバを示す、
図36の薬物送達装置の正面図である。
【
図39】患者に取り付けられた薬物送達装置を示す、
図36の薬物送達装置の正面図である。
【
図40】従来技術の弁アセンブリの部分断面図である。
【
図41】本出願のさらなる態様または実施形態による、薬物送達装置用の針ハブの正面断面図である。
【
図43】針シールド除去装置を示す、
図41の針ハブの切り取り斜視図である。
【
図44】針ハブの使用前の位置を示す、
図41の針ハブの側断面図である。
【
図45】針ハブから取り外された針シールド除去装置を示す、
図41の針ハブの側断面図である。
【
図46】起動ボタンの初期動作を示す、
図41の針ハブの側断面図である。
【
図47】本出願の一態様または実施形態による、起動ボタンを示す、
図41の針ハブの部分斜視図である。
【
図48】針ホルダおよびカニューレホルダの後退位置を示す、
図41の針ハブの部分斜視図である。
【
図49】起動ボタンが押下げられたことを示す、
図41の針ハブの側断面図である。
【
図50】起動ボタンが押下げられたことを示す、
図41の針ハブの部分斜視図である。
【
図51】挿入位置にある針ホルダおよびカニューレホルダを示す、
図41の針ハブの側断面図である。
【
図52】針ホルダの最初の回転を示す、
図41の針ハブの部分斜視図である。
【
図53】針ホルダの最終の回転を示す、
図41の針ハブの部分斜視図である。
【
図54】後退位置にある針ホルダと挿入位置にあるカニューレホルダを示す、
図41の針ハブの側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
対応する参照文字は、いくつかの図を通して対応する部分を示す。本明細書に記載される例示は、本開示の例示的な実施形態を示し、そのような例示は、決して本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0016】
発明の詳細な説明
「左」、「右」、「内側」、「外側」、「上」、「下」などの空間的または方向性の用語は、本発明が、さまざまな代替の向きを想定し得るから、限定的であると解釈されるべきではない。
【0017】
本明細書および特許請求の範囲で使用されるすべての数字は、すべての例において、用語「約」によって修飾されるものと理解されるべきである。「約」により、記載された値のプラスまたはマイナス10パーセントの範囲が、意味される。本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「一つ(a)」、「一つ(an)」、および「その(the)」の単数形は、文脈が、明らかにそうでないと規定しなければ、複数の参照を含む。「第1」、「第2」、および、それに類する用語は、特定の順序や時間配列に言及することを意図されず、代わりに、異なる条件、特性、または、要素に言及する。「少なくとも」によって、「より多い、または、等しい」ことが意味される。
【0018】
図1-
図3を参照すると、薬物送達装置10は、リザーバ12、電源モジュール14、挿入機構16、制御電子装置18、および、ハウジング20を含む。一態様または実施形態では、薬物送達装置10は、身に着けることが可能な自動注射器である。薬物送達装置10は、患者の皮膚上に取り付けられ、リザーバ12から患者に医薬組成物を注入するようにトリガされ得る。薬物送達装置10は、医薬組成物を予め充填され得、または、それは、使用前に、患者または医療専門家によって、医薬組成物を充填され得る。制御電子装置18は、マイクロコントローラなどのプロセッサ22、モータドライバ23、感知モジュール24、ビジュアルドライバ25、および/または、オーディオドライバ26を含み得る。薬物送達装置10は、リザーバ12から流体を分配するように構成された、駆動機構27を含む。駆動機構27は、モータ駆動、ばね駆動、油圧駆動、空気圧駆動、および/または、他の適切な駆動の機構であり得る。
【0019】
薬物送達装置10は、ゆっくりした、制御された注入速度で、皮下注射によって、ある用量の医薬組成物、例えば、任意の所望の薬剤を、患者の体内に送達するように構成される。薬物送達装置10によって達成される送達のための例示的な時間は、約5分から約60分の範囲であり得るが、この例示的な範囲に限定されない。薬物送達装置10によって送達される医薬組成物の例示的な体積は、約10ミリリットルから約50ミリリットルの範囲であり得るが、この例示的な範囲に限定されない。患者に送達される医薬組成物の量は調整され得る。薬物送達装置10は、モバイル装置またはコンピュータなどの、別の装置と通信し得る。
【0020】
図3-
図6Dを参照すると、一態様または実施形態によれば、挿入機構16は、ハウジング20とは別個の針ハブ30を含む。針ハブ30は、取り外しタブ32、起動ボタン34、状態インジケータ36、フィンガーグリップ、サイドグリップ、および、一体化されたカニューレ引き抜きタブ38を含む。針ハブ30は、留置カニューレを含む。状態インジケータ36は、未使用のときは、白色(
図4A)であり得、針が挿入され、注入する準備ができているときは、青色(
図4B)であり得、カニューレが引き抜かれたときは、緑色(
図4C)であり得る。
図5に示されるように、針ハブ30は、パッケージを取り除き、針ハブ30の底部から接着ライナーを取り外し、針ハブ30を皮膚表面に取り付け、起動ボタン34を押し込むことによって使用され、起動ボタン34の押し込みは、針が、留置カニューレを患者の中に残したまま、自動的に後退することをもたらす。次いで、薬剤または流体が、患者に注入される。注入が完了すると、カニューレ引き抜きタブ38が引かれ、これは、カニューレを後退させる。その後、針ハブ30は、患者の皮膚から取り外され得る。
【0021】
図6A-
図6Dを参照すると、一態様または実施形態では、針ハブ30は、ハブ本体42、起動ボタン34、針ホルダ44、針ホルダ44に取り付けられた針46、針ばね48、カニューレホルダ50、カニューレホルダ50に取り付けられたカニューレ52、および、カニューレばね54を含む。起動ボタン34は、ハブ本体42に対して移動可能であり、第1の作動面56を有する。針ホルダ44は、ハブ本体42に対して移動可能であり、第2の作動面58を有する。起動ボタン34の第1の作動面56は、針ホルダ44の第2の作動面58と係合するように構成される。針ばね48は、針ホルダ44を、針46がハブ本体42内に位置づけられる後退位置に付勢する。カニューレホルダ50は、ハブ本体42および針ホルダ44に対して移動可能である。カニューレ52は、流体リザーバ12などの流体源と流体連通するように構成される。カニューレばね54は、カニューレ52がハブ本体42内に位置づけられる後退位置にカニューレホルダ50を付勢する。起動ボタン34の移動は、起動ボタン34の第1の作動面56が、針ホルダ44の第2の作動面58と係合し、針ホルダ44およびカニューレホルダ50を、それぞれの後退位置から、針46およびカニューレ52の遠位端が、ハブ本体42の外側に位置づけられる挿入位置に移動することをもたらすように構成され、針ホルダ44は、後退位置に戻るように構成される一方で、カニューレホルダ50は、挿入位置に留まる。ハブ本体42の一部の移動は、カニューレホルダ50とハブ本体42との間の係合を解除し、カニューレホルダ50が後退位置に戻ることを可能にするように構成される。
【0022】
再び、
図6A-
図6Dを参照すると、針ホルダ44は、流体リザーバ12と流体連通するように構成された通路60を含み、針46は、針ホルダ44の通路60と流体連通する。針46の少なくとも一部は、カニューレ52内に受容される。流体は、流体リザーバ12から、チューブ62を介して、針ホルダ44の通路60に流れ、針46を通ってカニューレ52に流れるように構成される。カニューレホルダ50は、針46と係合されるシール64を含む。針ハブ30は、第1の突出部66を含み、カニューレホルダ50は、第2の突出部68を含み、カニューレ52が挿入位置にあるとき、針ハブ30の第1の突出部66は、カニューレホルダ50の第2の突出部68と係合し、カニューレホルダ50の後退位置への移動を制限する。
【0023】
図3-
図6Dを参照すると、針ハブ30は、取り外しタブ70を含み、そして、取り外しタブ70の移動は、針ハブ30の第1の突出部66とカニューレホルダ50の第2の突出部68との間の係合を解除し、カニューレばね54が、カニューレ52を後退位置に付勢することを可能にする。取り外しタブ70の少なくとも一部は、針ハブ30を人に取り付けた後、人の皮膚表面と係合するように構成される。起動ボタン34は、第1の軸72に沿って移動可能であり、針ホルダ44およびカニューレホルダ50は、第1の軸72に垂直な第2の軸74に沿って移動可能である。起動ボタン34の第1の作動面56は、起動ボタン34の移動が、第1の軸72に沿った所定の距離である後に、針ホルダ44の第2の作動面58からの係合を解除されるように構成される。
【0024】
図7-
図14を参照すると、さらなる態様または実施形態による、針ハブ80は、針ホルダ84、針ホルダ84に取り付けられた針86、針引込みばね88、および、起動ボタン90を有するアプリケータ82を含み、ハブ本体92は、カニューレホルダ94、カニューレホルダ94に取り付けられたカニューレ96、カニューレ引き抜きボタン98、および、カニューレ引き込みばね100を有する。ハブ本体92の少なくとも一部は、アプリケータ82内に受容されるように構成され、アプリケータ82は、ハブ本体92から分離されるように構成される。起動ボタン90の移動は、針ホルダ84およびカニューレホルダ94を、針86およびカニューレ96がアプリケータ82またはハブ本体92内に位置づけられる、後退位置から、針86およびカニューレ96の遠位端が、アプリケータ82およびハブ本体92外に位置づけられる、挿入位置まで、移動させるように構成される。カニューレ引き抜きボタン98は、カニューレホルダ94が、後退位置から挿入位置に移動させられるときに、カニューレ引き込みばね100の付勢力に抗して、カニューレホルダ94を挿入位置にロックする。
図10に示されるように、一態様または実施形態では、カニューレ引き抜きボタン98は、省略され得る。
【0025】
図12A-
図12Fを参照すると、針ホルダ84は、カニューレホルダ94の挿入位置への移動後、後退位置に移動するように構成される。起動ボタン90は、駆動突起103を有する延長部102を含み、アプリケータ82は、駆動突起103と係合するように構成された駆動面104を含む。起動ボタン90の移動で、駆動突起103は、針ホルダ84と係合して、針ホルダ84およびカニューレホルダ94を挿入位置に移動させ、駆動突起103は、アプリケータ82の駆動面104と係合して、延長部102を半径方向外側に移動させ、それにより、針ホルダ84を駆動突起103から解放し、針引込みばね88が、針ホルダ84を引込み位置に戻すことを可能にする。カニューレ引き抜きボタン98の作動は、カニューレホルダ94を挿入位置から後退位置へ移動させるように構成される。ハブ本体92は、さらに、ハブ本体92を人の皮膚表面に固定するように構成された、接着パッド105を含む。接着パッド105は、ハブ本体92から半径方向外側に延びる取り外しタブ106を含む。起動ボタン90は、アプリケータ82の本体108によって画定された開口部107内に受容される。カニューレホルダ94は、流体リザーバ12と流体連通するように構成されたポート109を含み、カニューレ96は、ポート109と流体連通する。チューブ110は、カニューレホルダ94のポートに接続される。
【0026】
図11を参照すると、一態様または実施形態では、針ハブ80は、パッケージを取り除き、接着ライナーを取り外し、針ハブ80を患者の皮膚表面に取り付け、安全キャップを取り外し、そして、アプリケータ82の起動ボタン90を押すことによって使用され、アプリケータ82の起動ボタン90を押すことは、留置カニューレ96を離れるように、針86を自動的に作動させ、後退させる。次いで、アプリケータ82は、ハブ本体92から取り外され得、注入を開始し得る。注入が完了すると、カニューレ引き抜きボタン98が押され、カニューレ96を患者から取り外し得、ハブ本体92は、取り外しタブ106を使用して、患者の皮膚から取り外される。
【0027】
図13および14を参照すると、一態様または実施形態では、カニューレホルダ94は、接着パッド105の一部を含み、これは、カニューレホルダ94がハブ本体92から取り外されるときに、接着パッド105の一部を患者の皮膚から除去し、接着パッド105の残りの部分の患者の皮膚からの容易な除去を促進する。
【0028】
図15-
図18Bを参照すると、さらなる態様または実施形態による、針ハブ112は、ハブ本体114、起動ボタン116、針ホルダ118と針ホルダ118に取り付けられた針120、カニューレホルダ122とカニューレホルダ122に取り付けられたカニューレ124、針作動機構126、および、カニューレばね128を含む。針作動機構126は、針ホルダ118およびカニューレホルダ122を、後退位置から挿入位置に移動させるように構成され、針ホルダ118を後退位置に後退させるように構成される。針作動機構126は、カムトラック130と、カムトラック130内に収容されたカム部材132と、ねじりばね134とを含む。トーションばね134は、カム部材132をカムトラック130に対して付勢する。カニューレばね128は、カニューレホルダ122を後退位置に付勢する。起動ボタン116の移動は、針ホルダ118およびカニューレホルダ122を、後退位置から挿入位置に移動させるように構成され、針ホルダ118は後退位置に戻り、一方で、カニューレホルダ122は挿入位置に留まるように構成される。
図16に示されるように、一態様または実施形態では、針ハブ112は、2つの横方向作動押し込みボタン116を含む。針ハブ112は、
図5に示される針ハブ30に関連して上述されたのと同じ方法で使用される。
【0029】
図17-
図18Bを参照すると、ハブ本体114は、カニューレホルダ122を挿入位置にロックするように構成された、カニューレロック136を含む。針ハブ112は、ハブ本体114を人の皮膚表面に固定するように構成された接着パッド138を含み、接着パッド138は、取り外しタブ140を含む。取り外しタブ140の移動は、カニューレロック136とハブ本体114の係合を解除し、カニューレホルダ122が後退位置に戻ることを可能にするように構成される。カニューレロック136は、ロックばね142を介してカニューレホルダ122から離れる方向に付勢され、そして、ハブ本体114は、ヒンジ部分144を含み、ヒンジ部分144は、取り外しタブ140の移動で回転し、カニューレロック135から離れるように構成される。カニューレホルダ122は、流体リザーバ12と流体連通するように構成されたポート146を含み、カニューレ124はポート146と流体連通する。針ハブ112は、カニューレホルダ122のポート146に接続されたチューブ148を含む。カニューレホルダ122は、針120と係合されたシール150を含み、針120の少なくとも一部が、カニューレ124内に受容される。
【0030】
図19-
図21を参照すると、さらなる態様または実施形態による、針ハブ152は、針ホルダ154および針ホルダ154に取り付けられた針156と、針ホルダ154を、後退位置から挿入位置に移動させ、後退位置に戻すように構成された、針作動アセンブリ158と、流体リザーバ12と流体連通するように構成された入口162と、針156と流体連通する出口164と、ロック部材166とを含む、圧力インターロック160とを含む。ロック部材166は、ロック部材166が針作動アセンブリ158の作動を阻止する、第1の位置と、ロック部材166が針作動アセンブリ158の作動を可能にする第2の位置とを有する。ロック部材166は、圧力インターロック160内の圧力に基づいて、第1の位置から第2の位置まで移動させられる。
【0031】
図21を参照すると、ロック部材166が第1の位置にあるとき、ロック部材166は、入口162を出口164から隔離し、ロック部材166が第2の位置にあるとき、ロック部材166は、入口162と出口164との間の流体連通を可能にする。針ハブ152は、さらに、出口164に接続され、針156と流体連通するチューブ168を含む。ロック部材166は開口部170を備え、ロック部材166が第2の位置にあるとき、針作動アセンブリ158の一部が、ロック部材166の開口部170を通って延びる。針作動アセンブリ158は、カムトラック172、カム部材174、および、カムトラック172に対してカム部材174を付勢する作動ばね176を含む。カムブロック178は、カムトラック172を画定し、ロック部材166が第2の位置にあるとき、カムブロック178は、ロック部材166の開口部170を通って延びる。針作動アセンブリ158は、さらに、カニューレ180を含み、そして、針ホルダ154が後退位置にあるとき、針156は、カニューレ180内に受容される。
【0032】
再び、
図19-
図21を参照すると、針ハブ152は、ハウジング182および取り外しタブ184を含む。ハウジング182の上面186は滑らかであり、起動ボタンがない。
図20に示されるように、針ハブ152は、パッケージを取り除き、接着ライナーを取外し、針ハブ152を患者の皮膚表面に取り付け、駆動機構27を作動させて針156を挿入することによって使用され、針156は、自動的に後退して、留置カニューレ180を残す。注入が完了した後、針ハブ152は、取り外しタブ184を掴んで上方に持ち上げることによって取り外され、カニューレ180は、自動的に後退する。一態様または実施形態では、取り外しタブ184を引くことは、圧力インターロック160の圧力の低下をもたらし、カニューレホルダ、および/または、カニューレ180が自動的に後退することをもたらす。
【0033】
次に、
図22-
図25を参照すると、さらなる態様または実施形態による、薬物送達装置190および針ハブ192が示される。薬物送達装置190は、
図1および
図2に示される薬物送達装置10と同様であり得る。しかしながら、
図22-
図25の薬物送達装置190および針ハブ192は、モジュール式であり、針ハブ192は、薬物送達装置190内に任意に一体化されるか(
図24)、または、針ハブ192は、薬物送達装置190から分離され、患者の皮膚表面に別個に取り付けられる(
図25)。一態様または実施形態では、薬物送達装置190および針ハブ192は、より少ない薬物量に対して、接続されたまま、または、一体のままであり、より多い薬物量に対して、それらの間の流体接続を備えて分離され得る。
【0034】
図26A-
図26Cを参照すると、一態様または実施形態による、皮膚テンティング低減構造を備えた、針ハブ200が示される。針ハブ200は、回転係合機構202を含み、回転係合機構202の一部は、最初に患者の皮膚表面に接触して皮膚表面に付着し、針ハブ200が、皮膚表面に完全に押し付けられると、さらに回転する。回転係合機構の最初の接着とさらなる回転は、皮膚を伸ばし、皮膚のテンティングを軽減する。
【0035】
図27A-
図27Cを参照すると、一態様または実施形態による、皮膚テンティング低減構造を備えた、針ハブ204が示される。針ハブ204は、起動ボタンが押下げられるか作動させられるときに、針の挿入に先立って皮膚に押し付けられる、接着リング206を含む。接着リング206は、皮膚を引き伸ばして皮膚のテンティングを減少させる。
【0036】
図28A-
図28Cを参照すると、一態様または実施形態による、皮膚テンティング低減構造を備えた、針ハブ208が示される。針ハブ208は、最初に患者の皮膚表面に接着された後、半径方向外側に移動させられる、皮膚伸張部材210を含む。起動ボタン212は、皮膚伸張部材210と係合して、皮膚伸張部材210を半径方向外側に移動させ、これは、皮膚を局所的に伸張して皮膚のテンティングを減少させる。
【0037】
図26A-
図28Cの皮膚テンティング低減構造および関連機構は、本明細書に開示される針ハブまたは針挿入構成の態様または実施形態のいずれにも組み込まれ得る。
【0038】
図29-
図33を参照すると、一態様または実施形態による、針作動アセンブリ220は、針アクチュエータ本体224およびカニューレ本体226を後退位置に保持するクリップ222を含み、針アクチュエータ本体224およびカニューレ本体226は、ばね228によって付勢される。クリップ222を内側に押すことは、針アクチュエータ本体224およびカニューレ本体226を解放し、針230およびカニューレ232の挿入をもたらす。カニューレ本体226がハウジング233の底部に到達すると、カニューレ本体226は、傾斜構造に接触し、カニューレ本体226が回転および/または稔回することをもたらす。カニューレ本体226は、ハウジング233の壁のクリップ236によって押さえ付けられる。カニューレ本体226が、回転および/または稔回した後、針アクチュエータ本体224が解放され、戻しばね238が針230を後退させる。
【0039】
図34および
図35を参照すると、さらなる態様または実施形態による、針ハブ240は、薬物送達装置の残りの構成要素から切り離されるように構成される。針ハブ240は、保護キャップ242、針挿入機構244、針ハブ240をリザーバ12と流体連通に置くように構成された接続配置246と駆動機構27、流路248、および、接着パッドおよび/または接着層250を含む。接続配置246は、針ハブ240とリザーバ12との間の無菌接続を提供し得る。針の後退は、手動で起動され得、投薬イベントの末端に接続されるトリガ機構を介して、および/または、駆動ユニットと針ハブ240との間の無線接続を介して、自動的に起動され得る。トリガ機構は、プランジャーロッドの移動(完全にまたは部分的に、移動の末端で)への、フレキシブルリジッド接続を含み得る。流路248および接続配置246は、サブシステムおよびリザーバ12の滅菌との接続が確立されるまで、無菌に維持される。
【0040】
図36-
図39を参照すると、さらなる態様または実施形態による、薬物送達装置252は、可撓性リザーバ254を含み、可撓性リザーバ254の少なくとも一部は、薬物送達装置252の残りの部分から外側に位置づけられる。薬物送達装置252は、
図1および2に示される薬物送達装置10と同様であり得る。
図39に示されるように、10mL-30mLなどの、より少ない容量に対して、可撓性リザーバ254は、薬物送達装置252に直接取り付けられ、患者の皮膚表面に装着され得る。
図38に示されるように、50mLなどの、より大きな容量に対して、可撓性リザーバ254は、薬物送達装置252から分離され、チューブなどの流路256を介して、薬物送達装置252に流体接続され得る。可撓性リザーバ254は、ベルトクリップ、ハーネス、ストラップ、または、他の適切な構成を介して患者に別個に取り付けられ得る。
【0041】
図40を参照すると、上述の態様または実施形態のいずれかの薬物送達装置は、リザーバおよび/または容器と、針および/またはカニューレへの流路との間の流体接続を容易にするために、リザーバおよび/または容器と係合する、弁アセンブリ260を利用し得る。弁アセンブリ260は、特許文献1に示され、説明される弁アセンブリと同様であり得、同様に動作し得る。
【0042】
図41-
図54を参照すると、さらなる態様または実施形態では、薬物送達装置用の針ハブ270は、ハブ本体272と、ハブ本体272に対して移動可能な起動ボタン274と、ハブ本体272に対して移動可能な針ホルダ276と、針ホルダ276に取り付けられた針278と、ハブ本体272および針ホルダ276に対して移動可能なカニューレホルダ280と、カニューレホルダ280に取り付けられたカニューレ282とを含み、カニューレ282は、リザーバ12などの供給源と流体連通するように構成され、駆動ばね284は、針278およびカニューレ282が、ハブ本体の内側に位置づけられる後退位置から、針278およびカニューレ282の遠位端が、ハブ本体272の外側に位置づけられる挿入位置へ、針ホルダ276およびカニューレホルダ280を付勢するように構成され、後退ばね286は、針ホルダ276を、挿入位置から後退位置へ後退させるように構成される。起動ボタン274の作動前に、駆動ばね284は、カニューレホルダ280と係合し、針ホルダ276は、カニューレホルダ280と係合して、カニューレホルダ280の移動を防止する。
起動ボタン274の作動後、針ホルダ276は、ハブ本体272に対して移動するように構成されて、カニューレホルダ280が針ホルダ276に対して回転することを可能にし、その結果、駆動ばね284は、カニューレホルダ280および針ホルダ276を、挿入位置に移動させる。ハブ本体272は第1のカム面288を含み、カニューレホルダ280は第2のカム面290を含み、そして、第2のカム面290の第1のカム面288との係合は、カニューレホルダ280を回転させるように構成される。カニューレホルダ280は、流体リザーバ12などの流体源と流体連通するように構成された入口292を含み、カニューレホルダ280は、針278と係合されたシール294を含む。駆動ばね284は、第1および第2の圧縮ばねを含むが、1つまたは複数の駆動ばね284が利用され得る。
【0043】
図48を参照すると、針ホルダ276は、第1の突出部296を含み、カニューレホルダ280は第2の突出部298を含み、そして、起動ボタン274の作動前に、針ホルダ276の第1の突出部296は、カニューレの第2の突出部298と係合して、カニューレホルダ280の回転を防止する。
【0044】
図49および
図50を参照すると、起動ボタン274は押下げられるように構成される。起動ボタン274を押下げることは、針ホルダ276の第1の突出部296を、カニューレホルダ280の第2の突出部298との係合から移動させるように構成され、カニューレホルダ280が回転することを可能にし、ハブ本体272の第1のカム面288が、カニューレホルダ280の第2のカム面290から係合解除され、カニューレホルダ280および針ホルダ276が、挿入位置に移動する。起動ボタン274の作動およびカニューレホルダ280の回転後、カニューレホルダ280の第1の駆動面302は、針ホルダ276の第2の駆動面304と係合し、その結果、挿入位置に向かうカニューレホルダ280の移動は、また、針ホルダ276を挿入位置に向かって移動させるであろう。
【0045】
図51-
図53を参照すると、カニューレホルダ280の挿入位置への移動後、針ホルダ276は、ハブ本体272の傾斜部分306と係合して、針ホルダ276を回転させ、その結果、カニューレホルダ280の第1の駆動面302は、針ホルダ276の第2の駆動面304から係合解除され、引込みばね286が、後退位置に後戻りする針ホルダ276を付勢することを可能にする。
【0046】
図41-
図49を参照すると、起動ボタン274は、第1の位置から第2の位置に移動可能であり、起動ボタン274が、第1の位置にあるとき、起動ボタン274は、押下げることを制限される。
図47に示されるように、起動ボタン274または薬物送達装置の別の部分は、付勢部材308を含み得、起動ボタン274が、第1の位置から第2の位置に移動させられるときに、起動ボタン274に抵抗を与える。
【0047】
図41-
図44を参照すると、針ハブ270は、針278およびカニューレ282の少なくとも一部を覆う針シールド310と、ハブ本体272と係合する針シールド除去装置312とを含む。針シールド除去装置312は、針シールド除去装置312が、ハブ本体272と係合しているときに、起動ボタン274の移動を防止する。
【0048】
図54を参照すると、針ホルダ276が後退位置にあり、カニューレホルダ280が挿入位置にある状態で、針278は、完全にカニューレ282の外側に位置づけられる。針278が、カニューレ282の外側に完全に位置づけられると、カニューレ282を通る流体の流れが最大化される。
【0049】
本発明は、現在最も実際的で好ましい実施形態であると考えられるものに基づいて、説明の目的で詳細に説明されたが、そのような詳細は、単にその目的のためであり、本発明は、開示された実施形態に限定されず、しかし、逆に、添付の特許請求の範囲の精神および範囲内にある、修正および同等の構成に及びことを意図される。例えば、本発明は、可能な範囲で、任意の実施形態の1つ以上の特徴が、他の任意の実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせられ得ることを企図することが、理解されるべきである。
【国際調査報告】