(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-29
(54)【発明の名称】健康な中年集団におけるNAD+メタボロームを増加させるための方法及び組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/455 20060101AFI20240122BHJP
A61K 31/7004 20060101ALI20240122BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
A61K31/455
A61K31/7004
A61P43/00 121
A61P43/00 105
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542989
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(85)【翻訳文提出日】2023-09-12
(86)【国際出願番号】 US2022070209
(87)【国際公開番号】W WO2022155680
(87)【国際公開日】2022-07-21
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515101832
【氏名又は名称】バイオエナジー ライフ サイエンス,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【氏名又は名称】池田 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100225598
【氏名又は名称】桐島 拓也
(72)【発明者】
【氏名】ヨンチュアン シュエ
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC17
4C086EA01
4C086MA02
4C086NA14
4C086ZB21
4C086ZC75
(57)【要約】
有効量のDリボース及びニコチンアミドを利用して、ヒト対象におけるNADレベルを増加させるための方法及び組成物。本方法及び組成物は、ヒト対象におけるグルタチオンレベルを増加させ得る。方法及び組成物はまた、対象において酸化還元不均衡を引き起こすことなく、ヒト対象におけるNADレベル及びグルタチオンレベルを増加させ得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト対象に有効量のDリボース及びニコチンアミドを投与することによって、前記対象におけるNADメタボロームを増加させる方法。
【請求項2】
NADメタボローム及びグルタチオンレベルが、前記対象において増加する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
NADメタボローム及びグルタチオンレベルが、前記対象において酸化還元不均衡を引き起こすことなく、増加する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記有効量が、ニコチンアミド対Dリボースの0.5:10~10:0.5の比である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記有効量が、ニコチンアミド対Dリボースの1:5~5:1の比である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記有効量が、1日当たり20mg~5400mgである、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記有効量が、1日当たり100mg~4000mgである、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記有効量が、朝及び夕方に前記対象に投与される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記有効量が、前記対象が朝に朝食を食べる直前かつ前記対象が夕方に夕食を食べる直前に、前記対象に投与される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ヒト対象に投与され、ヒト対象におけるNADメタボロームを増加させる組成物であって、
有効量のDリボース及びニコチンアミドを含む、組成物。
【請求項11】
前記組成物が、前記対象におけるNADメタボローム及びグルタチオンレベルを増加させる、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、前記対象において酸化還元不均衡を引き起こすことなく、前記対象におけるNADメタボローム及びグルタチオンレベルを増加させる、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記有効量が、ニコチンアミド対Dリボースの0.5:10~10:0.5の比である、請求項10~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記有効量が、ニコチンアミド対Dリボースの1:5~5:1の比である、請求項10~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記有効量が、1日当たり20mg~5400mgである、請求項10~14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記有効量が、1日当たり100mg~4000mgである、請求項10~14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物が、朝と夕方に前記対象に投与される、請求項10~16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物は、前記対象が朝に朝食を食べる直前かつ前記対象が夕方に夕食を食べる直前に、前記対象に投与される、請求項17に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年1月14日に出願された、米国仮特許出願第63137720号の利益を主張するものであり、これはその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
NAD+、NADH、NADP+、及びNADPHを含む、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)メタボロームは、人間の健康のために極めて重要であり、NAD+はエネルギー産生及び酸化ストレスと関連付けられているため、その低下は老化及び疾患と相関している。NAD+、NADH、NADP+、及びNADPHは、多様な酸化還元(酸化還元)反応、及び栄養素を分解してアデノシン三リン酸(ATP)の形でエネルギーに変換するエネルギー恒常性のために再利用可能な補酵素である。NAD+及びNADP+は、遺伝子発現、エネルギー恒常性、DNA修復、アポトーシス細胞死及び寿命、カルシウムシグナル伝達、グルコース恒常性、概日リズムを含む、重要な生物学的プロセスを調整する酵素反応の消耗基質である。[1-5]補酵素として、NAD+メタボロームは、細胞代謝における反応の60%超に関与し、それらの恒常性は、酸化還元バランス及び代謝を維持するための決定要因である。[1,2]消耗基質として、NAD+濃度は、加齢、早期加齢[6]及び脂肪組成[7]、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)、サーチュイン(SIRT1-7)、及びcADP-リボースシンターゼ(CD38)を含む、NAD摂取酵素と直接関連しており、特に老化及び年齢に関連する慢性変性疾患の健康及び疾患[8]に広範囲にわたる影響を及ぼす。
【0003】
以下に表されるように、アミノ酸トリプトファンから始まる新生経路、及びピリジンサルベージの以下の3つの代替経路を含む、哺乳類[9]で作用する4つのNAD+生合成経路が存在する。
経路#1:アミノ酸トリプトファンからの新生経路、これは次のように表される。
Trp →NAD
経路#2:ニコチンアミド(Nam)のサルベージ経路、これは次のように表される。
NAM+PRPP→NMN+ATP→NAD
経路#3:ニコチン酸(Na)のサルベージ経路、これは次のように表される。
NA+PRPP→NAMN+ATP→NAAD→NAD
経路#4:ニコチンアミドリボシド(NR)のサルベージ経路、これは次のように表される。
NR+ATP→NAD
式中、
ATP=アデノシン三リン酸
NA=ニコチン酸
NAAd=ニコチン酸アデニンジヌクレオチド
NAD=ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
NAM=ニコチンアミド
NAMN=ニコチン酸モノヌクレオチド
NMN=ニコチンアミドモノヌクレオチド、
NR=ニコチンアミドリボシド
PRPP=リン酸リボースピロリン酸塩
Trp=トリプトファン
【0004】
3つのサルベージ経路(経路#2~#4)の各々において、PRPP及び/又はATPが必要である。PRPP及びATPの両方が、D-リボースの拡張産物(すなわち、D-リボース+ATP PRPP)であることが知られている。ピリジン、NA、NAM及びNRは、食事摂取及び/又は細胞内NAD+異化作用から生じ得るナイアシン又はビタミンB3[10]と総称される。新生経路(経路#1)、トリプトファンの出発物質は、卵、肉、及びチーズなどの食物タンパク質源からのものである。新生NAD合成は、概して正常なNAD恒常性を維持するには不十分であると考えられている[11]。強化食品及び飲料に一般的に含まれるビタミンB3は、ニコチン酸(NA)が多量に摂取されると紅潮を引き起こすため、量が制限されている。[12]哺乳類におけるNAD+のほとんどは、ニコチンアミド(NAM)からアミド化サルベージ経路を介して合成される。NAMサルベージはニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(NAMPT)によって触媒され[13]、これは概日リズムの調節下にある[4]。一部の研究者は、年齢に関連するNAD+の減少は、加齢に伴うNAMPTの減少に起因すると考えている。[14]しかしながら、PARP、サーチュイン、及びCD38などのNAD+摂取酵素によるNAD+の摂取が増大することの更なる証拠が報告されている[15]。更に重要なことに、人間の骨格筋における年齢に関連したNAMのサルベージ能力は、運動によって留保することができる。[16]したがって、NAMを定期的に補充することによってNAD+を増加させることが可能である。
【0005】
過去10年間では、NRを補充することによってNAD+を強化することについて、かなりの研究が行われてきた。[17]NRは、NAD+生合成サルベージ経路内のより高度な前駆体である。NRはATPを補助基質としてNRキナーゼ(NRK1/2)によってNMNに変換されると考えられている[18]。NRを補充するとNADレベルが上昇し、酸化代謝が強化され、脂肪及び肝脂肪症が減少することが示されている。[17,18]しかしながら、その利点については論争がある。第一に、複数の実験により、NRは、特に経口摂取時に、ニコチンアミド(NAM)及びリボースに非常に迅速に分解されることが実証されている。[19,20]したがって、報告されたNRの利点は、循環するニコチンアミド又はニコチンアミド及びリボースに起因する可能性が高い。第二に、健康な対象にNRを補充すると、その運動能力が低下し[21,22]、その使用が健康な活動集団において制限され得る。これらの問題に対処し、これらのNRの欠点を克服するために、出願人はニコチンアミドとD-リボースの異なる組み合わせを使用して研究調査を開始した。
【0006】
ニコチンアミド(NAM)は、ペラグラの好ましい治療法である。[23]NAMは、にきび及び非黒色腫皮膚がんにも使用されている。[24]最近では、NAMはアンチエイジング用途のためにNAD+メタボロームを増加させる潜在的な候補と考えられている。[25]高用量のNAMは、肥満のラットモデルでは、確かにNAD+レベルを強化し、疾患を改善した[26]。その長期的な適用を考慮すると、出願人はいくつかの制限要因を識別した。ビタミンB3欠乏症を予防するために推奨される1日の食事摂取量は、成人で約15mgに過ぎない。[27]1日当たり3gを超える用量は、肝毒性を含む副作用を引き起こす可能性がある。[28]それに応じて、NAMの1日の耐容上限食事摂取量は、EUでは900mg(Scientific Committee on Food発行「Opinion of the Scientific Committee on Food on the Tolerable Upper Intake Levels of Nicotinic Acid and Nicotinamide」)、カナダでは500mg、日本では5mg/kg(厚生労働省発行「Overview of Dietary Reference Intakes for Japanese」)と指定されている。したがって、NAMを比較的低用量域、特に1日100~500mgで使用することが現実的であるに過ぎない。NAMは、1日当たり90mg未満の用量では、NAD+を高める効果がないことを留意することも重要である。[26]900mgを超えると、調整上の課題が生じる。したがって、低用量域でそのNAD+を高める能力を最大限に発揮させることが好ましい。
【0007】
国際特許出願第PCT/US2019/031889号(公開第WO2019/217935号)に開示されているように、NAD+代謝物の薬力学及び組織分布を決定するための出願人の先行前臨床動物研究のデータが構築されており、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、出願人は、NAMのNADを高める能力を増幅し、その潜在的な側面を低減する、NAMとDリボースの新規組み合わせを開発した。NAMとDリボースのこの新規組み合わせは、Bioenergy Life Science,Inc.,13840 Johnson Street NE,Ham Lake,MN USA55304から入手可能な商標RiaGev(登録商標)で流通している。
【0008】
本明細書に開示されているように、出願人は、35~65歳の健康な成人での、NAD+メタボロームと多様な健康関連パラメータの評価を介してRiaGevの有効性と安全性を調査した、無作為化、三重盲検、比較対照、クロスオーバーパイロット試験でRiaGev製品を用いて臨床試験を実施した。臨床試験では、RiaGev製品を補充すると、対象のNAD+メタボロームが増加し、健康で活動的な中年期のヒト対象の徹底的な有酸素運動によって引き起こされる酸化還元不均衡を予防するのに安全かつ効果的であることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】スクリーニングされた参加者の数、スクリーニングに失敗した数とその理由、ランダム化された参加者の数、参加者のグループ分けをまとめたチャートである。
【
図3】比較対照-IPグループ及びIP-比較対照グループの参加者の臨床アセスメントの平均値及び中央値の表である。
【
図4A】比較対照グループ及びRiaGevグループのNAD+主要転帰のグラフである。
【
図4B】比較対照グループ及びRiaGevグループのNADP+主要転帰のグラフである。
【
図4C】比較対照グループ及びRiaGevグループの経時的なNAD+及びNADP+レベル変化のグラフである。
【
図5】比較対照グループ及びRiaGevグループの総血清ATP及びADPのグラフである。
【
図6】比較対照グループ及びRiaGevグループの総血清グルタチオンのグラフである。
【
図7】比較対照グループ及びRiaGevグループの唾液コルチゾールのグラフである。
【
図8A】RiaGevグループの8日目対1日目のOGTT血中グルコースのグラフである。
【
図8B】RiaGevグループの8日目対1日目のOGTTインスリンのグラフである。
【
図8C】比較対照グループの8日目対1日目のOGTT血中グルコースのグラフである。
【
図8D】比較対照グループの8日目対1日目のOGTTインスリンのグラフである。
【
図9A】1日目対8日目の運動前後の比較対照グループ及びRiaGevグループにおけるNADPH/NADP+変化のグラフである。
【
図9B】1日目対8日目の運動前後の比較対照グループ及びRiaGevグループにおけるGSH/GSSG変化のグラフである。
【
図10A】1日目~8日目までの比較対照グループ及びRiaGevグループのCIS身体的疲労のグラフである。
【
図10B】1日目~8日目までの比較対照グループ及びRiaGevグループのCIS濃度のグラフである。
【
図10C】1日目~8日目までの比較対照グループ及びRiaGevグループのCISモチベーションのグラフである。
【
図10D】1日目~8日目までの比較対照グループ及びRiaGevグループのCIS総スコアのグラフである。
【0010】
説明
35~65歳の健康な成人において、ニコチン酸アミド(NAM)及び(RiaGev(登録商標)の商標で販売されている)Dリボース組成物の有効性と安全性を、NAD+メタボローム及び健康関連パラメータの評価を介して、無作為化された三重盲検の比較対照管理交差研究で調査した。この試験は、IntegReview,Internal Review Board(プロトコルコード19RNHB(1918))により承認され、研究は、ClinicalTrials.govに識別子NCT04483011で登録されている。[33]
【0011】
試験対象に中年期を選択したのは、この時期に健康的な老化に直接影響する健康問題が多く発生するためである。また、人生の中で最もストレスの負担が大きい時期でもある。酸化ストレスは、多くの慢性疾患についての既知の要因であり、健康的な老化に有害である。[29,30]老化を伴う最も一般的な慢性疾患の2つは、肥満及び糖尿病である。2016年、世界保健機関(WHO)は、約160万人の死亡が糖尿病に起因していると報告した。これらの個人の半数は、70歳までに高血中グルコースを有していた(3)。したがって、中年期に血中グルコース及び酸化ストレスを積極的に制御することが重要である。したがって、ストレスパラメータ及び血中グルコースは、臨床試験のNAD+メタボロームの主要転帰に続く二次転帰である。
【0012】
対象集団
この研究の対象は、35歳~65歳の健康で活動的な男性と女性であった。対象の主要な選定基準には、以下のものが含まれた。18.5~29.9kg/m2の肥満度指数(BMI)を有する対象、女性対象は、出産しておらず、対象は、検査結果、病歴、身体検査、及び心電図により健康であり、対象は、無作為化の1週間前及び研究中はトリプトファン、ビタミンB3又はその誘導体(ナイアシン、ニコチン酸、ナイアシンアミド)の補充を避けることに同意しており、対象は、最大及び最大下の運動試験を完了する能力を有しており、対象は、研究中、現在の食事、活動レベル、及び睡眠サイクルを維持することに同意しており、対象は、自発的、書面、情報提供による同意を得て、全ての研究手順に従うことに同意している。本研究では、疾患又は炎症性状態を有する対象を除外した。詳細な選定基準及び除外基準は、ClinicalTrials.govの識別子NCT04483011の下に列挙されている。[33]
【0013】
治験薬と比較対照
治験薬(IP)であるRiaGev(登録商標)には、1280mgのDリボース、240mgのニコチンアミド、及び480mgのパーム油が3つのカプセルに包含されていた。Dリボースとニコチンアミドは有効成分であり、パーム油は賦形剤である。RiaGevのバッチ番号は、S0776313であった。
比較対照は、1280mgのデキストロースと480mgのパーム油を含み、IPと同じサイズと色の3つのカプセルに充填されていた。デキストロースは、IP中のDリボースのカロリーを一致させるために使用される。比較対照のバッチ番号は、SI126314であった。IP及び比較対照の両方は、Bioenergy Life Science,Inc.,13840 Johnson Street NE,Ham Lake,MN USA 55304によって提供された。
【0014】
スクリーニング及びグループへの参加者の割り当て
図1及び
図2を参照して、35~65歳の合計50人の健康な男女を、臨床試験の潜在的参加者としてスクリーニングした。全ての潜在的参加者は、イニシャルと生年月日で識別され、各々、最初のスクリーニング来院(来院1)において参加者番号が割り当てられた。スクリーニングされた50人の個人のうち、18人の個人が全ての選定基準を満たし、いずれの除外基準も満たさないとして認定された。18人の適格個人が研究のために募集された。来院2(ベースライン)では、18人の個人(以下、参加者と称する)の各々に、盲検化された研究者によって無作為化された番号が割り当てられた。無作為化された参加者番号は、無作為化されたリストジェネレータを介して生成された。
その後、18人の参加者は、それぞれ、年齢、性別、体重及び身長などの人口統計学的及び身体的情報に基づいて、「IPから比較対照グループ」、「比較対照からIPグループ」と称される、各9人の参加者の2つのマッチンググループに無作為に割り当てられた。各グループのBMI、心拍数、及びヘモグロビンAlcも統計学的に異なっていなかった。
【0015】
投与
全ての参加者は、朝に1回かつ夕方に1回、毎日カプセルを2回服用するように指示された。各用量は3カプセルであり、1回は朝食の直前に、もう1回は夕食の直前に投与された。両方の補充期間において、1日目には夕方の用量のみが投与され、8日目には朝の用量のみが投与された。参加者は、カプセルの全ての未使用及び開封したパッケージを保存し、コンプライアンス判定のためにそれらを返却するように指示された。投与を逃した場合、参加者は、就寝時を除き、同じ日のうちにいつでも逃した用量を摂取するように指示された。参加者は、毎日2回用量を超えないようにアドバイスされた。
【0016】
各補充期間中、1つのグループは1日2回のIPカプセル用量を受け取り、他のグループは1日2回の比較対照カプセル用量を受け取った。第1の
補充期間後、全ての参加者は7日間洗浄され、その後、もう一方の製品のカプセルを摂取するよう交代した。明確にするために、IPから比較対照グループの参加者は、研究の補充期間1(すなわち、1日目~8日目の第1のセット)中にIPカプセルを最初に投与される。7日間の洗浄期間の後、IPから比較対照グループは、次いで、研究の補充期間2(すなわち、1日目~8日目の第2のセット)中に比較対照カプセルを投与される。逆に、比較対照からIPグループの参加者は、研究の補充期間1(すなわち、1日目~8日目の第1のセット)中に比較対照カプセルを最初に投与される。7日間の洗浄期間の後、比較対照からIPグループは、研究の補充期間2(すなわち、1日目~8日目の第2のセット)中にIPカプセルを投与される。
【0017】
盲検
臨床試験は、Prism Clinical Research,Minneapolis,MNによって実施された三重盲検試験であった。IP及び比較対照は、ICH-GCPガイドライン及び適用できる現地の規制ガイドラインの要件に従って各々ラベル付けされた、同一のパッケージに密封された。いかなる試験アセスメントにも関与していないPrism Clinical Researchにおける非盲検担当者が、IPパッケージ及び比較対照パッケージのラベル付けを行った。無作為化スケジュールを作り、無作為化の順序を示すPrism Clinical Researchの治験担当者に提供した。治験責任医師及び他の現場要員、並びに参加者を含む全てのPrism Clinical Research治験担当者は、IP及び比較対照に関して盲検化されていた。
【0018】
臨床アセスメント、採血及び分析
Prism Clinical Researchは、標準的な手順を使用して、参加者の身長、体重、血圧、及び心拍数を測定した。出産能力のある参加者に対して、Prism Clinical Researchは、来院1及び来院2で尿妊娠検査(Henry Schein One Step+)を実施した。IP-比較対照グループ及び比較対照-IPグループの各々について、参加者の平均及び中央値測定パラメータ及び臨床アセスメントの表を
図3に示す。
【0019】
Prism Clinical Researchは、来院1~来院9において各参加者の血液サンプルを収集し、以下の手順を使用して分析を行った。1)全血採取にはヘパリン血漿管を使用し(BD vacutainer,sodium heparin 95 USP Units,REF 367878)、2)採血し、チューブを5~6回反転させて静かに混合し、氷上4℃で2.0mL予冷エッペンドルフチューブ(下記カタログ番号参照)を使用して、(正確に測定した)400uLの血液のアリコートを素早く作成し、3)直ちに、アリコートをドライアイスバケツを使用して凍結し、次いで-80℃のフリーザに移し、4)凍結したアリコートをドライアイスでNorthwest Metabolomics Research Center,University of Washington,Seattle,Washington,USAに輸送し、補酵素を分析した。輸送箱には十分なドライアイスを入れ、サンプルが受け取られるまで凍った状態のままであることを確実にした。
【0020】
全血球数(差異を伴うWBC数、RBC数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、血小板数、RBC指数(MCV、MCH、MCHC、RDW))、肝機能(AST、ALT、ビリルビン)、及び腎機能検査血液検査(クレアチニン、eGFR、電解質)の安全性エンドポイントは、標準化された手順を使用して、HCMC Pathology Lab、USAによる来院1(スクリーニング)、来院5、来院6、及び来院9で採取された血液から分析された。来院2、来院5、来院6、及び来院9では、標準化された手順を使用して、HCMC Pathology Labによっても、グルコース及びインスリンを分析した。
【0021】
Northwest Metabolomics Research Centerは、来院2、来院5、来院6、及び来院9において、確立されたNMR方法論[31]を使用して、グルタチオン(GSH)、グルタチオンジスルフィド(GSSG)、アデノシン三リン酸(ATP)、アデノシン二リン酸(ADP)、及びアデノシン一リン酸(AMP)を分析した。来院2~来院9において、確立されたNMR方法論[31]を使用して、また、Northwest Metabolomics Research CenterによってNAD+、NADP+、及びNADPHを分析した。
【0022】
CISアンケート
本研究では、標準的なChecklist Individual Strength(CIS)アンケートを使用した。CISアンケートには、主観的な疲労体験、集中力の低下、モチベーションの低下及び身体活動レベルの低下を測定する7段階でスコアリングされた20の質問が包含されている。[32]質問と採点方法は参考文献に従う。CISアンケートは、来院2~来院8でPrism Clinical Researchによって参加者に実施された。
【0023】
唾液の採取
参加者は、Salivette採取デバイスを使用して唾液コルチゾールサンプルを採取した。唾液サンプルは、スクリーニング(来院1)を除いて、覚醒から15分以内に、かつ全ての来院の朝、食事前に採取した。適切な採取を確実にするために、参加者はPrism Clinical Researchから指示が提供された。
【0024】
トレッドミル運動データ収集
参加者の最大心拍数を判定するために、各参加者の最初のスクリーニング(来院1)において、Prism Clinical Researchは、ランプ式のBruceプロトコルに従って、傾斜トレッドミル試験を実施した。参加者は、参加者が意志的に疲労するまで、段階を進め続けた。試験を通して、参加者の心拍数を監視し、胸部ストラップ心拍数モニタで記録した。試験の良好な競合は、年齢予測最大心拍数(220-年齢)の85%以上を達成したことである。
【0025】
各参加者は、来院2(期間1、1日目)、来院5(期間1、8日目)、来院6(期間2、1日目)、及び来院9(期間2、8日目)で追加のトレッドミル運動を行った。トレッドミルの運動の当日、参加者は最初にゆっくりと歩くペースで5分間トレッドミルでウォームアップするように指示された。参加者の準備ができたら、速度を参加者の最大HRの60%に上昇させ、5%の傾斜をつけ、トレッドミル上を30分間、又は疲労するまで歩くように指示した。
【0026】
食品の記録
参加者は、研究中の食品摂取量を記録するように求められた。参加者の食品記録は、Nutriticsソフトウェア(Nutritics,2019)を使用して、研究全体を通して1日のカロリー、マクロ栄養素及びミクロ栄養素の摂取量を計算し、分析した。食品の記録は、参加者の来院の各々において、Prism Clinical Researchの訓練を受けたスタッフによって再検討された。参加者は、Prism Clinical Researchのスタッフからカウンセリングを受け、必要に応じて食事の提案を受けた。全ての参加者には、食品の記録を完成させる方法についての指示が提供された。
【0027】
コンプライアンス
各参加者の研究手順に対するコンプライアンスは、各来院時のコンプライアンスレポートの関連セクションにPrism Clinical Researchスタッフによって記録された。IP及び比較対照の投与に対する各参加者のコンプライアンスは、各来院時に返却された未使用のIP及び比較対照カプセルをカウントすることによってアセスメントされた。コンプライアンスは、服用した投与単位数を、服用したと予想される投与単位数に100を乗じた数で割った値で計算した。
【0028】
有害事象の記録
研究中、各参加者は有害事象(AE)を日記に記録した。各来院において、参加者は次のことを尋ねられた。「最後にお会いしてから、何か困難又は問題を経験しましたか?」参加者が指摘したAEは、研究記録に記録され、説明、期間、強度、頻度、及び転帰に従って分類された。Prism Clinical Researchの治験責任医師は、AEをアセスメントし、因果関係を決定した。
【0029】
統計分析
この研究のために次の分析集団を定義した:治療意図(ITT)集団及びパープロトコル(PP)集団。ITT集団は、いずれかの製品を受け取り、無作為化後の有効性情報が入手可能であった全ての参加者からなる。ITT集団は、対象が無作為化された治療法に従って、全ての有効性情報を提示するために使用された。PP集団は、IP及び比較対照の用量の少なくとも80%を摂取し、重大なプロトコル違反がなく、主要変数の測定に関連する全ての研究来院及び手順を完了した全ての参加者からなっていた。
【0030】
カテゴリ変数については、カウントとパーセンテージを提示した。各パーセンテージの分母は、特に明記しない限り、研究グループ内の対象の数であった。グループ間の可能性のある差異は、必要に応じて、両側カイ2乗又はフィッシャー直接確率検定を使用してアセスメントした。
【0031】
区間変数の要約については、算術平均、標準偏差、中央値、及び最小最大範囲を小数点以下2桁まで提示した。これらは、その時点の分析に含められた参加者の数が添えられていた。スクリーニング/ベースライン来院時のグループ間の可能性のある差異を、ANOVAによってアセスメントした。各グループについて、研究時点間の各転帰の変化は、正規分布の場合は対応スチューデントのt検定、それ以外の場合はウィルコクソン符号順位検定を使用してアセスメントした。
【0032】
スクリーニング/ベースラインからの連続エンドポイントの変化を次のように計算した。
Tiへの変化=Tiにおける値-Tスクリーニング/ベースラインにおける値
【0033】
主要転帰及び各二次転帰の変化は、正規分布又は対数正規分布の場合、反復測定混合モデル共分散分析(ANCOVA)を使用してグループ間で比較された。各モデルは、固定効果としての研究グループ*時間(研究来院)、共変量としての従属変数のベースライン値、及びランダム効果としての対象を含んでいた。グループ間のP値は、最終モデルから得られた。
【0034】
この研究において報告された発現前及び発現後の有害事象(AE)について、記述的分析が提供された。更に、研究製品に関連する可能性がある、又は関連する可能性があると分類された各AEについて、転帰と研究製品との関係性が報告された。少なくとも1つのAEを有する参加者の数を、フィッシャー直接確率検定を使用して研究治療群間で比較した。バイタルサイン、血液学、及び臨床化学パラメータを、平均、標準偏差、中央値、及び最小最大範囲としてまとめた。スクリーニング/ベースラインからの変化を、対応t検定を使用してアセスメントした。
【0035】
全ての仮説検定を、特に明記しない限り、5%(両側)有意水準で実施した。P値は、小数点以下3桁に四捨五入した。P値は、0.001未満を<0.001と報告し、0.05以下を統計的に有意とみなした。全ての分析は、Microsoft Windows用のR Statistical Packageバージョン3.6.3(R Core Team,2020)を使用して行った。
結果-主要転帰-NAD+メタボローム
【0036】
この研究の主要転帰は、比較対照(「比較対照グループ」)を補完した場合と比較して、IP(「RiaGevグループ」)を補完した後の、NAD+メタボローム、特にNAD+レベルである。
図4Aに示すように、RiaGevグループのNAD+レベルは、補充後、ベースライン(1日目)にわたって着実に増加した。5日目に、RiaGevグループのNAD+濃度はベースラインよりも著しく高く、10.4%の増加(p=0.034)であり、これも比較対照グループよりも著しく高い(p=0.044)。8日目に、NAD+レベルもベースラインよりも6.4%著しく増加する傾向もある(p=0.07)。これと比較して、比較対照グループのNAD+レベルは、期間中に著しく変化しなかった。
【0037】
NAD+レベルの軽度の増加と比較して、NADP+レベルが予想外に大幅に増加したことに気づいた(
図4B)。3日目、5日目、8日目のRiaGevでは、ベースラインに比べてそれぞれ、19.1%、27.6%、及び19.6%の著しいグループ内増加が記録された(p≦0.008)。RiaGevグループのNADP+濃度も、比較対照グループよりも大幅に高い(p≦0.040)。
【0038】
図4Cを参照すると、3日目、5日目及び8日目に観察されたNAD+及びNADP+濃度を組み合わせた場合、RiaGevグループは、各日において比較対照グループよりも著しく高かった(p≦0.029)。また、RiaGevグループでは、3日目、5日目、8日目にそれぞれ、9.4%、14.8%及び9.7%の著しいグループ内濃度上昇が報告された(p≦0.032)。
【0039】
NAD+及びNADP+とは対照的に、NADPHの濃度は、1日目において、比較対照を用いた運動後にNADPHの濃度がグループ内で著しく低下した(p=0.039)以外は、研究期間中は著しく変化しなかった。この研究では、出荷中に使用した防腐剤が、NMR信号を破壊するため、NADHレベルを測定しなかった。全血1-メチルニコチンアミド(MeNAM)及びニコチン酸アデニンジヌクレオチドリン酸(NAAD(P))は、血液サンプル中の検出限界を下回った。
【0040】
要約すると、ベースライン(1日目)及び比較対照グループと比較して、5日目のRiaGevグループの血中NAD+濃度は、ベースライン(p=0.034)及び比較対照グループ(p=0.044)よりも10.4%高かった。5日目のRiaGevグループのNADP+濃度は、ベースライン(p=0.007)を27.6%上回り、比較対照グループ(p=0.033)を上回った。5日目のRiaGevグループのNAD+及びNADP+濃度の組み合わせは、ベースライン(0.004)に対して15%、比較対照グループ(p=0.014)に対して15%であった。
【0041】
結果-二次転帰
ATPは、エネルギーの普遍的な担体である。
図5は、比較対照グループ及びRiaGevグループの1日目~8日目までの血清ATP及びADPレベルの合計を示す。総ATP及びADPレベルは、その合計値がNMR分析においてATP単体よりも正確に測定されるため、報告される。高エネルギーリン酸塩(ATP及びADP)の合計は、5日目においてRiaGevグループが比較対照グループよりも著しく多くなっている(7.3%高い、p=0.029)。
【0042】
グルタチオンは、体内で生成される循環型抗酸化物質である。還元型(GSH)及び酸化型(GSSG)のグルタチオンの両方を、血液中で測定した。血液中の総血清グルタチオン(GSH+GSSG)濃度を、
図6に提示する。RiaGevの補充後、総グルタチオンに著しい増加があった。RiaGevグループの3日目及び5日目の総グルタチオン濃度は、それぞれ、10.2%及び11.6%であり、1日目よりも高い(p≦0.016)。比較対照グループでは、同期間中の総グルタチオン量に著しい変化はなかった。要約すると、5日目のRiaGevグループの総血清グルタチオンはベースライン(1日目)よりも11%多く、比較対照グループを超えていた(p=0.003)。
【0043】
覚醒唾液コルチゾールを
図7に提示する。RiaGevグループでは、コルチゾールレベルは補充の継続により1日目以降も着実に減少したが、比較対照グループでは研究期間中、コルチゾールレベルは変動していた。5日目及び8日目の覚醒唾液コルチゾールには著しいグループ間差があり、RiaGevグループは比較対照グループより著しく低いレベルを示した(p<0.044)。
【0044】
食後経口グルコース負荷試験(OGTT)を実施して、RiaGevによる7日間の補充の前後の標準化された食事に対する血中グルコース及びインスリン応答を判定した。
図8A及び
図8Bは、それぞれ、RiaGevグループの、1日目(補充前)及び8日目(7日目補充後)の食後の血中グルコース及びインスリンレベルを示す。RiaGevグループでは、8日目における全血中グルコース(上昇曲線下面積、iAUC)が、1日目に著しく減少した(61%減少、p=0.013)。しかしながら、8日目のOGTTにおける総体的なインスリン(iAUC)は、1日目のものと著しい差はなかった(p=0.793)。他方、8日目のインスリンピークは、1日目よりも高かった(それぞれ、74対67mcU/mL)が、グルコースピークは同じままであった(それぞれ、8日目対1日目において食後15分で116対114mg/dL)。その結果、8日目におけるグルコース濃度は、1日目よりも急激に低下した。
図8C及び
図8Dは、それぞれ、比較対照グループの、1日目(補充前)及び8日目(7日目補充後)の食後の血中グルコース及びインスリンレベルを示す。比較対照グループの血中グルコース及びインスインプロファイルは、8日目及び1日目ではそれほど異なっていなかった。
【0045】
図9A及び
図9Bは、それぞれ、1日目~8日目までの運動の前後の比較対照グループ及びRiaGevグループのNADPH/NADP+及びGSH/GSSGを示す。1日目(補充前)及び8日目(補充後)において、トレッドミル運動を、各参加者と共に行った。トレッドミルの傾斜と速度は、対象が最大60%のVO2最大に達するまで段階的に増加させ、対象は疲労するまでそのペースで続ける。運動直前と直後に血液を採取し、NADPH/NADP+及びGSH/GSSGを含む酸化還元バランス、並びにエネルギーチャージATP/AMPを分析した。変化は、運動後の測定値から運動前の測定値を差し引いたものとして定義される。NADPH/NADP+及びGSH/GSSG比は、特に比較対照グループにおいて、1日目に著しく低下し(p=0.003、及びp=0.022)、これは亜最大運動レジメンによる酸化還元障害を示している。この酸化還元の摂動は、RiaGevを補充することで防止され、8日目における運動中も酸化還元比は保たれる。比較対照は、比較対照内のグルコースの機能性から予想される著しい酸化還元増加を引き起こさなかった。
【0046】
図9Aに示すように、比較対照グループでは1日目の運動後にNADPH/NADP+比が著しく低下し(p=0.004)、亜最大運動が対象の酸化還元バランスを著しく乱すことが示された。この酸化障害は、8日目に示されるように、7日間のRiaGevの補充によって防止され、NADPH/NADP+比は運動前後で比較的変化することはない。比較対照の補充により、NADPH/NADP+及びGSH/GSSGの比がわずかに上昇したことに注目するのは興味深い。これは、比較対照内のグルコース成分(デキストロース)の機能性と一致する。
【0047】
Checklist Individual Strength(CIS)アンケートには、身体的疲労、精神的集中力、モチベーション、及び身体活動におけるサブスケールを有する20の質問の標準セットが包含されている。[31]CIS総スコア(
図10D)は、身体的疲労(
図10A)、集中力(
図10B)、モチベーション(
図10C)、及び身体活動(図示せず)を反映する4つのサブスケールを有する身体的及び精神的な疲れを表す。RiaGevグループと比較対照グループの両方で、研究中の生活の質スコアの改善が示された。しかしながら、RiaGevグループの改善は、全てのサブスケールで比較対照グループよりも一貫して大きかった。具体的には、3日目、5日目、及び8日目において、RiaGevグループ対比較対照グループで、総CISスコアは、それぞれ、21.5%(p=0.04)対10.4%(p=0.07)、18.3%(p=0.014)対6.2%(p=0.049)、及び12.7%(p=0.15)対4.1%(p=0.361)改善された。しかしながら、両グループ間の差異は、著しいレベルに達しなかった(p=0.224)。
【0048】
サブスケールについて、身体的疲労(
図10A)は、ベースラインに対して最大の改善を示し、グループ間で最大の差異を示した。3日目、5日目、及び8日目において、身体的疲労は、RiaGevグループと比較対照グループとの間で、それぞれ、24.3%(p=0.003)対13.6%(p=0.041)、21.2%(p=0.009)対11.6%(p=0.08)、15.1%
(p=0.132)対7.4%(p=0.17)と改善した。
図10Bを参照すると、RiaGevグループでは、3日目、5日目、及び8日目において、それぞれ、22.9%(p=0.014)、19.8%(p=0.012)、14.3%(p=0.118)と著しく濃度が改善されたが、比較対照グループでは、これらの日のいずれにおいても著しい改善はなかった。モチベーションについても同様の傾向があり(
図10C)、RiaGevグループでは、3日目、5日目、及び8日目において、それぞれ、20.4%(p=0.13)、22.2%(p=0.015)、14%(p=0.163)改善したのに対し、比較対照グループでは統計的に著しく改善された。試験したサブスケールのうち、身体活動スケール(図示せず)は、試験期間中、RiaGevグループ又は比較対照グループのいずれにおいても改善しなかった。これは、7日間のサプリメント期間は、行動の変化を見るには十分長くはないため、予想されることある。
【0049】
この研究の参加者の補充前後において、物理的測定、バイタルサイン、血液学、腎臓マーカ、又は電解質において臨床的に関連する変化は観察されなかった。全ての参加者は、両方の治療期間後に治験責任医師によって健康であるとみなされた。
【0050】
この研究では、10名の参加者によって、合計12件の発症後の有害事象(AE)が報告された。このうち、RiaGevの服用中の7人から9件、比較対照の服用中の2人から3件が報告された。発生後のAEは、いずれも製品との関連性において「最も可能性が高い」と分類されたものはなかった。2つのAE、すなわち衰弱及び食欲不振は、RiaGevで「可能性がある」と分類され、比較対照で関節痛の1つと分類された。全てのAEは、研究終了時に解消された。治験責任医師は、試験の前後に全ての対象が健康であるとアセスメントした。
【0051】
観察
RiaGev(登録商標)は、NAD+の代わりにNADP+を主に強化することが発見され(研究では27%対11%の増加)これは、NAD+を増強する前駆体の中では前例がない。NADP+は、NAD+よりも更に高度な製品であり、その生成には追加の高エネルギーのリン酸が必要である。したがって、NADP+の収量が多いということは、体のエネルギー状態が高いことを意味する。これは、循環血液中の高エネルギーリン酸塩(ATP及びADP)及びグルタチオンの増加と一致している。また、CISアンケートで対象が報告した、疲労感の軽減、集中力の向上、モチベーションの向上とも一致する。
【0052】
RiaGevの補充により、覚醒唾液中コルチゾールを介して、ストレスの生理的徴候が比較対照に比べて緩和されることが観察された。この所見を支持するものは、RiaGevでの、主観的な疲労、集中力、モチベーション、及び総CISスコアにおける最大で24%超の著しい改善であった。
【0053】
RiaGevは、35~65歳の健康な成人において安全で良好な耐容性であることが見出された。2つの軽微な有害事象(衰弱及び食欲)のみが観察された。特に、NAD前駆体サプリメントの一般的な副作用である、報告された皮膚紅潮に関連する有害事象はなかった。また、臨床化学及び血液学に関連する変化は観察されなかった。
【0054】
なお、本研究でRiaGevを補充した血液サンプルからは、MeNAM及びNAAD(P)は検出されなかったことは注目に値する。MeNAM及びNAAD(P)は、NR及びNAMサプリメントにおける非常に一般的な副産物である。[12,34]RiaGevでのDリボースとNAMとの組み合わせは、明らかにMeNAM及びNAAD(P)の形成を減少させた。これは、本研究で実証されたように、NAD+メタボロームの産生が強化され、潜在的に副作用が減少することと一致している。したがって、DリボースとNAMを組み合わせることで、NAMをより高用量で安全かつ効果的に採用する方式が提供される。
【0055】
ヒトでの臨床試験は、中年期の健康な活動集団に焦点を当てた。以前の研究は、酸化ストレスが継続的な要因として考慮されていない、肥満者又は高齢者集団のいずれかを対象としていた。[19,34,35]酸化ストレスは、疾患及び早期老化につながる一般的な要因であることが確実に立証されている。[29、30、36]一部の動物研究では、NRを含む他のNAD+強化成分は、運動誘発性酸化ストレスから対象を保護しないことが示されている。それどころか、NRを含むNAD+強化成分は、NADPH及びグルタチオンを枯渇させることによって、酸化ストレスをより大きくすることに寄与する。[21,22].より大きな酸化ストレスは、特に中年期の全ての活動的な人にとって日常生活の不可欠な部分であるため、これは潜在的に深刻である。この研究により、RiaGevがエネルギー及びグルタチオンレベルを強化し、酸化傷害から対象を保護することが実証された。このことは、徹底的な有酸素運動中の酸化還元ホメオスタシスの保存、並びにRiaGevグループでの安定した、かつ低唾液コルチゾールの保存において、比較対照グループでのより高く、かつ変動する唾液コルチゾールと比較して明らかに実証されている。
【0056】
酸化ストレスは、日常的な活動によって誘発されるだけでなく、主にグルコース不耐性及びインスリン抵抗性につながる高血糖指数食事の摂取から、私たちが毎日消費するいくつかの食品及び飲料によっても誘発され得る。RiaGevは、Dリボース単体のように食後の血中グルコースピークを急性的に下げることは見出されていない。[37]それどころか、RiaGevは、血流からのグルコースのクリアランスを強化し、グルコースのピークをより早く減少させるようにする。より重要なことは、インスリンの分泌量を増やすことなく、血中グルコースの全体的な低下を達成することである。これは、RiaGevがインスリン感受性及びグルコース不耐症を改善することを示唆している。この結果は、RiaGevグループの対象は、第一に高いヘモグロビン(HbAlc)を有するため、特に重要である。HbAlcは、血液中の1日平均グルコースレベルを反映している。RiaGevグループの平均HbAlcは5.5%で、米国の50歳前後の人に典型的であり、健康な集団の上限値(=5.7%)にも近い。この集団におけるRiaGevの補充による全体的な血中グルコースの著しい減少は、科学的並びに実用的な意味において特に重要である。
【0057】
成功したにもかかわらず、臨床試験には限界がある。明らかな制限の1つは、その期間が比較的短いことであった。これはRiaGevの最初の臨床試験であったため、期間が通常短い、出願人の前臨床動物試験に基づいて設計された。短い期間では、最後の臨床訪問、すなわち8日目は、活動量が多く、サンプリングが午後になり、1日目、3日目、及び5日目のサンプリング時間より大幅に遅れてしまった。このサンプリング時間の差は、8日目の測定値が3日目及び5日目の測定値の傾向に沿わず、NAD+メタボローム並びにCISアンケートからの測定値が予想より低くなった主な理由と考えられる。以前の研究では、NAD+メタボロームは概日リズムによって高度に調節されており、午後は典型的には、NAD+メタボロームのレベルが低いことが示されている。
【0058】
RiaGev及び比較対照グループ両方のCISスコアは、試験期間中の1日目以降に改善した。これは、対象が研究期間中に食物及び睡眠の日記をつける必要があり、食事と睡眠が規則正しくなり、ひいては全ての参加者の血中グルコース並びにCISスコアが改善されたことに起因する可能性がある。
【0059】
RiaGevグループの血中グルコース及びインスリンレベルは、特に1日目のベースラインにおいて、比較対照グループの血中グルコース及びインスリンレベルよりも一貫して高い。これは、RiaGev-比較対照及び比較対照-RiaGevの配列グループが、この態様において十分に一致していないことを反映している。グリコシル化
最初のRiaGev-比較対照グループのヘモグロビン(HbAlc)レベルは、比較対照-RiaGevグループの5.25%(p=0.108)に対して5.50%であり、これは、最初にRiaGevグループの平均血中グルコースが、比較対照グループより7mg/dL超高くなる計算になる。7日間の補充後、RiaGevグループの全体的な血中グルコースは有意に低下し(61%、p=0.013)、8日目の全体的な血中グルコースは、2つのグループ間で本質的に同じであった。これは、RiaGevが血中グルコースレベルを著しく改善することを強く示唆している。
【0060】
RiaGevの良好な安全性プロファイル、並びにNAD+メタボローム及び血中グルコースのその強い改善から、今後の研究では、高齢者、耐糖能異常者、並びに糖尿病前症及び糖尿病を含むメタボリックシンドロームの複雑な側面に苦しむ人など、NAD+レベルの低下のリスクがある対象に集団を拡大すべきである。より一般的には、酸化ストレスに悩む人々がRiaGevの恩恵を受けるであろう。NRやNMN[38]に比べ、NAMは安価で、安全性についても長い歴史がある[12]。RiaGevのDリボースとNAMの組み合わせは、NAMの代謝を改善し、ヒトのパフォーマンスを向上させる場合があり[39]、NAD+メタボロームを強化する新しいアプローチを提供することができる。他方では、RiaGevの優れた安全性プロファイルは、Dリボースとニコチンアミドの組み合わせが、ヒトの利益のためにこのビタミンB3の使用と投与量を拡大する新しいアプローチを提供し得ることを示唆している。
【0061】
臨床試験で使用されたRiaGevは、有効量のニコチンアミド及びDリボースを含有し、ニコチンアミドとDリボースの比率は約1対5と最適化されており、上で識別した結果を達成したが、有効量のニコチンアミドとDリボースを、Dリボースに対するニコチンアミドの幅広い比率と幅広い用量で使用すれば、ヒト対象においてNADレベルが上昇し、グルタチオンレベルも酸化還元不均衡を引き起こすことなく上昇すると予想されている。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、国際特許出願番号第PCT/US2019/031889号(公開第WO2019/217935号)に開示されているように、有効量のニコチンアミド及びDリボースは、0.5:10~10:0.5のニコチンアミド対Dリボース比、又は1:5~5:1のニコチンアミド対Dリボース比を有し得、ニコチンアミドとDリボースの有効量は、1日当たり20mg~5400mg、又は1日当たり100mg~4000mgであり得る。
【0062】
結論
無作為化された三重盲検の比較対照管理された交差予備研究では、健康な成人におけるニコチン酸アミドとDリボースの組み合わせ(RiaGev(登録商標))の有効性と安全性をアセスメントした。RiaGevの補充により、循環血液中のNAD+メタボローム、特にNADP+レベルの濃度が効果的に増加した。また、血液中の高エネルギーのリン酸塩及びグルタチオンレベルが強化された。RiaGevグループは、食後のグルコース耐性を著しく改善した。GSH及びNADPHを含む、循環抗酸化物質も、RiaGevで強化された。この側面は、激しい有酸素運動でより顕著であり、RiaGevは、酸化ストレスによって乱された酸化還元恒常性を維持する。ストレスホルモンである覚醒コルチゾールも、RiaGevグループでは比較対照グループよりも一貫して低かった。CISアンケートアセスメントは、RiaGevにより身体的疲労が減少し、集中力、モチベーション、並びに対象の全体的な健全性が改善されたことを示している。要約すると、RiaGevは健康な成人では安全で良好な耐容性であることが判明し、その良好な安全性プロファイルは、Dリボースとニコチンアミドの組み合わせが広範な用途とヒトへの利益のためにこのビタミンB3の使用を拡大するのに役立ち得ることを示唆している。
【0063】
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