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特表2024-503872エアロゾルスプレー、エアロゾルスプレーの生成方法、およびエアロゾルディスペンシングシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-29
(54)【発明の名称】エアロゾルスプレー、エアロゾルスプレーの生成方法、およびエアロゾルディスペンシングシステム
(51)【国際特許分類】
   B05B 1/14 20060101AFI20240122BHJP
   B05B 9/03 20060101ALI20240122BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
B05B1/14 Z
B05B9/03
B65D83/00 F
B65D83/00 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543049
(86)(22)【出願日】2022-01-17
(85)【翻訳文提出日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 EP2022050925
(87)【国際公開番号】W WO2022152921
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】63/138,505
(32)【優先日】2021-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500106743
【氏名又は名称】エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】518188843
【氏名又は名称】メドスプレイ ベーフェー
【氏名又は名称原語表記】MEDSPRAY BV
【住所又は居所原語表記】Colosseum 23 7521 PV Enschede Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ワシントン,ランディー パーネル
(72)【発明者】
【氏名】ロゼック,セレス エー.
(72)【発明者】
【氏名】バーグレン,キーガン
(72)【発明者】
【氏名】マイケルズ,ケネス
(72)【発明者】
【氏名】ハシック,セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】マッツ,ダラス
(72)【発明者】
【氏名】フーパー,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ルーバー,アンネ メクテルド
(72)【発明者】
【氏名】ニズダム,ヴィーチェ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーホエブン,フランシスカス マルティヌス
【テーマコード(参考)】
3E014
4F033
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PB01
3E014PD11
3E014PE17
3E014PF10
4F033BA03
4F033DA05
4F033EA01
4F033NA01
4F033RA14
4F033RD04
4F033RD10
4F033RE01
4F033RE11
4F033RE17
(57)【要約】
エアロゾルスプレー、芳香剤エアロゾルスプレーの生成方法、およびそのようなエアロゾルスプレーを分配吐出する装置。エアロゾルスプレーは、スプレー中の粒子のサイズや粒子のスパン係数など、芳香剤のような製品にとって非常に望ましい特性を有する。エアロゾル噴霧を提供する方法とシステムは、レイリージェットを形成する微細孔を有する膜を使用し、その後にエアロゾル粒子に分解する。エアロゾル噴霧を生成するために使用されるシステムは、吐出される製品のための非加圧容器と、膜の微細孔を通して製品を押し出す力を提供するポンプを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香剤を含む非加圧容器と、
前記容器と流体連通するスプレーノズルであって、製品がシステムから吐出されるときに製品が通過する微細孔を有する膜を含むスプレーノズルと、
芳香剤が容器からスプレーノズルを通って移動し、芳香剤がエアロゾルスプレーとしてシステムから排出されるようにする力を提供するように構成されたポンプと、を含み、
前記スプレー中の粒子は、約30μm~約70μmのDv(50)サイズを有する、
芳香剤エアロゾルスプレーディスペンシングシステム。
【請求項2】
前記エアロゾルスプレーが、スプレーノズル内の膜の微細孔からレイリージェットで噴出し、その後エアロゾルスプレーの粒子に分解する、
請求項1に記載のエアロゾルスプレーディスペンシングシステム。
【請求項3】
前記ノズルが、40~125個の微細孔を含み、
前記微細孔の直径は約5μmから約10μmの範囲である、
請求項1または2に記載のエアロゾルスプレーディスペンシングシステム。
【請求項4】
微細孔の直径は、約5μmから約8μmの範囲である、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエアロゾルスプレーディスペンシングシステム。
【請求項5】
前記孔によって提供される前記膜の表面の総開口面積が、約1100μm~約6150μmである、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のエアロゾルスプレーディスペンシングシステム。
【請求項6】
前記孔によって提供される前記膜の前記表面の前記総開口面積が、約1100μm~約3200μmである、
請求項5に記載のエアロゾルスプレーディスペンシングシステム。
【請求項7】
前記エアロゾルスプレーが、(i)フレグランスオイル、および(ii)水または溶媒を含む少なくとも1つの芳香組成物を含む、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載のエアロゾルスプレーディスペンシングシステム。
【請求項8】
前記ポンプが容積式ポンプである、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載のエアロゾルスプレーディスペンシングシステム。
【請求項9】
非加圧容器から芳香組成物を押し出すことと、
レイリージェットが発生し、レイリージェットがその後エアロゾルスプレーの粒子に分解されるように、膜上の微細孔を通して組成物を通過させることと、を含み、
前記芳香組成物は、(i)フレグランスオイル、および(ii)水または溶媒を含む、
芳香剤エアロゾルスプレーの生成方法。
【請求項10】
前記微細孔の直径が約5μmから約10μmの範囲である、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記微細孔の直径が約5μmから約8μmの範囲である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記エアロゾルスプレーが、最大約-3300の(負の)噴霧効力および最大約-1.25の(負の)スパン係数を有する噴霧経験係数を有する、
請求項9乃至11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記エアロゾルスプレーが、約-90μmまでの(負の)Dv(90)粒径および約-1.25までの(負の)スパン係数を有する粒子品質係数を有する、
請求項9乃至12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記孔によって提供される前記膜の表面の総開口面積が、約1100μmから約6150μmである、
請求項9乃至13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記孔によって提供される前記膜の表面の総開口面積が、約1100μmから約3200μmである、
請求項9乃至13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
芳香剤エアロゾルスプレーであって、
フレグランスオイルを含む芳香組成物の粒子を含み、
前記粒子は、約30μm~約70μmのDv(50)粒径を有し、
前記エアロゾルスプレーは、約0~約-3300の(負の)噴霧効力および約-1.25までの(負の)スパン係数を有する、スプレー経験係数を有する、
芳香剤エアロゾルスプレー。
【請求項17】
前記粒子が約35μm~約45μmのDv(50)粒径を有する、
請求項16に記載のエアロゾルスプレー。
【請求項18】
前記組成物は、水を含み、
前記エアロゾルスプレーは、約0~約-400の(負の)噴霧効力および約-0.75~約-1.0の(負の)スパン係数を有するスプレー経験係数を有する、
請求項16または17に記載のエアロゾルスプレー。
【請求項19】
前記組成物が溶媒を含み、
前記エアロゾルスプレーは、約-950~約-3300の(負の)噴霧効力および約-0.8~約-1.1の(負の)スパン係数を有する、スプレー経験係数を有する、
請求項16または17に記載のエアロゾルスプレー。
【請求項20】
エアロゾルスプレーであって、
フレグランスオイルを含む組成物の粒子を含み、
前記粒子は、約30μm~約70μmのDv(50)粒径を有し、
前記エアロゾルスプレーは、約-90μmまでの(負の)Dv(90)粒子径と約-1.25までの(負の)スパン係数を有する粒子品質係数を有する、
エアロゾルスプレー。
【請求項21】
前記粒子が約35μm~約45μmのDv(50)粒径を有する、
請求項20に記載のエアロゾルスプレー。
【請求項22】
前記組成物は、水を含み、
前記エアロゾルスプレーは、約-50μm~約-65μmの(負の)Dv(90)粒子径および-0.75~約-1.0の(負の)スパン係数を有する粒子品質係数を有する、
請求項20または21に記載のエアロゾルスプレー。
【請求項23】
前記組成物は、溶媒を含み、
前記エアロゾルスプレーは、約-40μm~約-65μmの(負の)Dv(90)粒径および-0.8~約-1.1の(負の)スパン係数を有する粒子品質係数を有する、
請求項20または21に記載のエアロゾルスプレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香剤エアロゾルスプレー、そのようなエアロゾルスプレーを生成する方法、およびそのようなエアロゾルスプレーを分配、吐出、噴霧するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾルスプレーは、芳香剤、消臭剤、殺菌剤、殺虫剤、洗浄剤など、多くの消費者向け製品を提供するために使用されている。このようなエアロゾルスプレーを提供するために、さまざまなタイプのディスペンシングシステムが開発されてきた。エアロゾルスプレー吐出システムの中には、システムが自動的にスプレーを吐出するように電源を備えているか、電源に接続されているものがある。他のタイプのエアロゾルディスペンシングシステムは、使用者の要求に応じて作動する容器で提供される。
【0003】
多種多様なディスペンシングシステムおよびディスペンシングシステム構成があっても、製品によっては、所望の特性を有するエアロゾルスプレーを生成することが困難な場合がある。例えば、芳香製品の場合、目標は、吐出後すぐに十分な量の芳香体験が得られるような製品をシステムが提供することであるが、同時に、芳香体験が長く続くようにすることである。これを達成するためには、エアロゾルスプレー中の粒子のサイズが一定の範囲にあり、粒子が一定のサイズから大きく逸脱しないことが重要であることが多い。また、芳香スプレーの粒子が、スプレーが噴霧された後、あまりにも早く地面に降下しないこと、および粒子がディスペンシングシステムから十分な距離を置いて噴霧されることもしばしば重要である。
【0004】
多くのエアロゾルディスペンシングシステムは、液体と気体部分を持つ製品を保持する容器を含む。液体製品に含まれるガスは、システムが作動したときに容器から液体製品を排出するための推進剤として作用する。推進剤は、液体組成物を保持する容器を加圧し、システムが作動したときに容器から液体組成物を排出する力を提供する。このようなシステムには、主に2種類の推進剤がある:(1)炭化水素やハイドロフルオロカーボン(HFC)推進剤などの液化ガス推進剤(LPG,Liquefied Gas Propellants)、(2)二酸化炭素や窒素などの圧縮ガス推進剤(CGA,Compressed Gas Propellants)。一般に、CGA推進剤システムと比較して、LPG推進剤を使用するエアロゾルディスペンシングシステムは、スプレーにおいてより小さく、より一貫したサイズの粒子を生成することができる。したがって、性能の観点から、LPG推進剤を使用するシステムは、推進剤としてCGAを使用するシステムよりも優れていることが多い。しかし、LPG推進剤は揮発性有機化合物(VOC)を多く含むため、その使用はさまざまな規制の対象となる。
【発明の概要】
【0005】
一側面によれば、本発明は芳香剤エアロゾルスプレーディスペンシングシステムを提供する。このシステムは、芳香剤製剤を含む非加圧容器を含む。システムはまた、容器と流体連通するスプレーノズルを含み、スプレーノズルは、製品がシステムから吐出される際に製品が通過する微細孔を有する膜を含む。システムはさらに、芳香製剤がエアロゾルスプレーとしてシステムから吐出されるように、芳香製剤を容器からスプレーノズルを通して移動させる力を与えるように構成されたポンプを含む。スプレー中の粒子は、約30μmから約70μmのDv(50)サイズを有する。
【0006】
任意に、エアロゾルスプレーは、スプレーノズルの膜の微細孔からレイリージェットで噴出し、その後エアロゾルスプレーの粒子に分解される。
【0007】
任意に、ノズルは40~125個の微細孔を含み、微細孔の直径は約5μm~約10μmの範囲である。
【0008】
任意に、微細孔の直径は約5μmから約8μmの範囲である。
【0009】
任意に、孔によって提供される膜表面の総開口面積は、約1100μm~約6150μmである。
【0010】
任意に、孔によって提供される膜表面の総開口面積は、約1100μm~約3200μmである。
【0011】
任意に、エアロゾルスプレーは、(i)フレグランスオイルおよび(ii)水または溶媒を含む少なくとも1つの芳香組成物を含んでもよい。
【0012】
任意に、前記ポンプは容積式ポンプであってもよい。
【0013】
別の態様によれば、本発明は、芳香剤エアロゾルスプレーを生成する方法を提供する。この方法は、非加圧容器から芳香剤組成物を強制的に取り出すステップと、レイリージェットが生成されるように膜上の微細孔に組成物を通過させるステップとを含み、レイリージェットはその後エアロゾルスプレーの粒子に分解される。組成物は、(i)フレグランスオイルと(ii)水または溶剤を含む。
【0014】
微細孔の直径は、約5μm~約10μm、任意で約5μm~約8μmの範囲である。
【0015】
任意に、エアロゾルスプレーは、最大約-3300の(負の)スプレー効力および最大約-1.25の(負の)スパン係数を有するスプレー経験係数を有してもよい。
【0016】
任意に、エアロゾルスプレーは、最大約-90μmの(負の)Dv(90)粒子径および最大約-1.25の(負の)スパン係数を有する粒子品質係数を有することができる。
【0017】
任意に、孔によって提供される膜表面の総開口面積は、約1100μm~約6150μmである。
【0018】
任意に、孔によって提供される膜表面の総開口面積は、約1100μm~約3200μmである。
【0019】
さらに別の態様によれば、本発明は、フレグランスオイルを含む芳香剤組成物の粒子を有する芳香剤エアロゾルスプレーを提供する。粒子は、約30μm~約70μmのDv(50)粒径を有し、エアロゾルスプレーは、最大約-3300の(負の)スプレー効力および最大約-1.25の(負の)スパン係数を有するスプレー経験係数を有する。
【0020】
オプションとして、粒子は、約35μm~約45μmのDv(50)粒子径を有することができる。
【0021】
任意に、組成物は水を含んでもよく、エアロゾルスプレーは、約0~約-400の(負の)スプレー効力および約-0.75~約-1.0の(負の)スパン係数を有するスプレー経験係数を有してもよい。
【0022】
任意に、組成物は溶媒を含んでもよく、エアロゾルスプレーは、約-950~約-3300の(負の)スプレー効力および約-0.8~約-1.1の(負の)スパン係数を有するスプレー経験係数を有してもよい。
【0023】
さらなる態様によれば、本発明は、フレグランスオイルを含む組成物の粒子を有する芳香剤エアロゾルスプレーを提供する。粒子は、約30μm~約70μmのDv(50)粒径を有し、エアロゾルスプレーは、最大約-90μmの(負の)Dv(90)粒径および最大約-1.25の(負の)スパン係数を有する粒子品質係数を有する。
【0024】
任意に、粒子は、約35μm~約45μmのDv(50)粒子径を有することができる。
【0025】
任意に、組成物は水を含んでもよく、エアロゾルスプレーは、約-50μm~約-65μmの(負の)Dv(90)粒子径および-0.75~約-1.0の(負の)スパン係数を有する粒子品質係数を有してもよい。
【0026】
任意に、組成物は溶媒を含んでもよく、エアロゾルスプレーは、約-40μm~約-65μmの(負の)Dv(90)粒子径および-0.8~約-1.1の(負の)スパン係数を有する粒子品質係数を有してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施形態によるスプレーノズルの斜視図である。
図2図1に示すスプレーノズルに微細孔を有する膜を設けた状態を示す図である。
図3】本発明の一実施形態によるノズルから噴出するエアロゾルスプレーのコーン角を示す。
図4】本発明の別の実施形態による微細孔を有する膜の斜視図である。
図5】本発明の一実施形態によるエアロゾルスプレー自動吐出システムの斜視図である。
図6図5に示すエアロゾルスプレー自動吐出システムの別の図である。
図7】本発明の一実施形態によるベース容器エアロゾルスプレー吐出システムを示す図である。
図8図7に示すベース容器エアロゾルシステムの断面図である。
図9A】比較システムによって生成されたエアロゾルスプレーの粒子径と比較した、本発明の実施形態によるエアロゾルスプレーの粒子径を示す。
図9B】比較システムによって生成されたエアロゾルスプレーの粒子径と比較した、本発明の実施形態によるエアロゾルスプレーの粒子径を示す。
図9C】比較システムによって生成されたエアロゾルスプレーの粒子径と比較した、本発明の実施形態によるエアロゾルスプレーの粒子径を示す。
図10】比較システムによって生成されたエアロゾルスプレーのスパン係数と比較した、本発明の実施形態によるエアロゾルスプレーのスパン係数を示す。
図11】比較システムからのエアロゾルスプレーの噴霧距離と比較した本発明の実施形態によるシステムから吐出されたエアロゾルスプレーの噴霧距離を示す。
図12】比較システムによって生成されたエアロゾルスプレーの降下物と比較した、本発明の実施形態によるエアロゾルスプレーの降下物を示す。
図13】本発明の実施形態による、異なるスプレーノズルを使用して生成されたエアロゾルスプレーの降下物を示す。
図14】比較システムによって生成されたエアロゾルスプレーの寿命と比較した、本発明の実施形態によるエアロゾルスプレーの寿命を示す。
図15】比較システムによって生成された噴霧経験係数エアロゾルスプレーと比較した、本発明の実施形態によるエアロゾルスプレーの噴霧経験係数を示す。
図16】比較システムによって生成されたエアロゾルスプレーの粒子品質係数と比較した、本発明の実施形態によるエアロゾルスプレーの粒子品質係数を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、芳香剤エアロゾルスプレー、そのようなエアロゾルスプレーを生成する方法、および芳香剤エアロゾルスプレーを吐出するシステムに関する。エアロゾルスプレーは、空気または気体中の粒子(固体または液体)の懸濁液である。多くのエアロゾルスプレーにおいて、スプレーは、推進剤ガスを使用してシステムから吐出される。後述するように、本発明の実施形態によるスプレーは、推進剤ガスを使用して形成されない。したがって、本明細書で使用される場合、エアロゾルスプレーは、さらなる推進剤ガスなしで通常の空気中に懸濁された粒子の集合体を意味し得る。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態において、エアロゾルスプレーは、芳香製品を提供するために香料化合物(複数可)を含む。
【0030】
本明細書に記載のエアロゾルスプレーの特定の特性により、スプレーは芳香剤に有用である。そのような特性の1つは、スプレー中の粒子の大きさである。粒子サイズは、粒子のDv(50)によって特徴付けられ得、これは、全スプレー体積の50%が、等しい、またはより小さい直径の液滴で構成される直径である。エアロゾルスプレーが芳香製品である本発明のいくつかの実施形態では、粒子のDv(50)サイズは約30μm~約70μmの範囲である。本発明のより好ましい実施形態では、粒子のDv(50)サイズは約35μm~約45μmの範囲である。本明細書に記載される方法およびシステムによって生成されるエアロゾルスプレー中の粒子のサイズは、以下でさらに記載され、他のタイプのシステムによって生成されるスプレーと比較される。
【0031】
本発明の実施形態によるエアロゾルスプレーの別の有利な特性は、スプレー中の粒子のサイズの分布である。サイズ分布は、以下の式によって定義されるスパン係数(因子)として定量化することができる:
【数1】
ここで、Dv(10)は、全スプレー体積の10%が等しいかそれより小さい直径の液滴でできている直径であり、Dv(50)は、全スプレー体積の50%が等しいかそれより小さい直径の液滴でできている直径であり、Dv(90)は、全スプレー体積の90%が等しいかそれより小さい直径の液滴でできている直径である。本発明の実施形態において、スパン係数は、約0.75から約1.25の範囲であってよい。水製剤を有する芳香化合物を使用する本発明の特定の実施形態では、粒子のスパン係数は、約0.75~約1.0の範囲であってよい。溶媒ベースの製剤で芳香化合物を使用する本発明の他の特定の実施形態では、エアロゾルスプレー中の粒子のスパン係数は、約0.80~約1.1の範囲であってもよい。
【0032】
本発明の実施形態によるエアロゾルスプレーのさらに他の有利な特性は、スプレー粒子が吐出システムから移動する距離、空気中のスプレーから地面への粒子の降下量の少なさ、および空気中のスプレー粒子の長寿命である。これらの特性を決定する方法については、後述の比較実験と併せて説明する。
【0033】
また、噴霧経験因子などのエアロゾル噴霧の特性の組み合わせも以下に記載する。本明細書で使用される場合、噴霧経験係数は、噴霧効力と負の粒子のスパン係数の組み合わせによって本明細書で定義され、ここで噴霧効力は、降下パーセントと噴霧距離との積の負として定義される。当業者は、噴霧経験係数が、芳香剤のような製品におけるエアロゾルスプレーの性能を示すことを理解するであろう。芳香スプレーを提供する本発明の実施形態において、スプレー経験係数は、約0~約-3300の(負の)スプレー効力、および約-1.25までの(負の)スパン係数を有する。水性製剤を有する芳香スプレーを提供する本発明の特定の実施形態では、スプレー経験係数は、約0~約-400のスプレー効力および約-0.75~約-1.0の(負の)スパン係数を有する。溶媒ベースの製剤を有する芳香スプレーを提供する本発明の他の特定の実施形態では、スプレー経験係数は、約-950~約-3300のスプレー効力および約-0.80~約-1.1の(負の)スパン係数を有する。後述する比較データは、先行技術のシステムから調剤された芳香スプレーが、本発明の実施形態によるエアロゾルスプレーのスプレー経験係数の範囲に入るスプレー経験係数を有さないことを実証する。
【0034】
性能を示す、本発明の実施形態によるスプレーの特性の別の組み合わせは、本明細書では、スプレーの負のDv(90)粒子径およびスプレー粒子の負のスパン係数によって定義される粒子品質係数である。当業者には理解されるように、Dv(90)粒子径はスプレー中の大きなサイズの粒子の量を示し、例えば、Dv(90)が低いほど大きな粒子の量が少ないことを示す。そして、大きな粒子の数が少ないことは、通常、スプレーの脱落が少ないことに等しい。本発明の実施形態において、粒子品質係数は、最大約-90μmの(負の)Dv(90)および最大約-1.25の(負の)スパン係数を有する。水性製剤を有する芳香スプレーを提供する本発明の特定の実施形態では、粒子品質係数は、約-50μm~約-65μmの(負の)Dv(90)および約-0.75~約-1.0の(負の)スパン係数を有する。溶媒ベースの製剤を有する芳香スプレーを提供する本発明の他の特定の実施形態では、粒子品質係数は、約-40μm~約-65μmの(負の)Dv(90)および約-0.8~約-1.1の(負の)スパン係数を有する。後述する比較データは、先行技術のシステムから調剤された芳香スプレーは、本発明の実施形態によるエアロゾルスプレーの粒子品質因子の範囲に入る粒子品質因子を有さないことを実証する。
【0035】
本明細書に記載されるエアロゾルスプレーは、エアロゾルスプレーを形成する製品が通過するスプレーノズルを含むエアロゾル吐出システムを使用して生成され得る。本発明の実施形態によるスプレーノズル100を図1~3に示す。スプレーノズル100は、例えば、以下に説明されるように、自動エアロゾル吐出システムにおいて使用され得る。スプレーノズル100は、プラスチックキャップ構造102、膜104、及び粒子が膜104に到達する前に大きな粒子を捕捉するためのフィルタ106を含む。図2に示すように、膜104は、3つの同心円状に配置された複数の微細孔108を含み、円の中心には1つの微細孔109が設けられている。スプレーノズル100が使用される対応する吐出システムは、吐出される製品が膜の微細孔を通過するように構成される。製品が膜の微細孔を通過する結果、製品はノズル100からレイリー噴流となって噴出し、その後、噴霧を構成するエアロゾル粒子に分解される。レイリージェットは、連続したジェットが形成されるような大きな速度でノズルから液体を吐出するときに発生する現象である。そして、毛細管力により、レイリージェットはノズルを出た後すぐに液滴に分解される。本明細書に記載の方法とシステムにより、多くの優れた特性を有するエアロゾルスプレーが得られる。
【0036】
本発明の実施形態によるノズルは、図1に描かれたスプレーノズル100の構成に限定されないことに留意すべきである。例えば、他の実施形態では、フィルタリングはノズル構造の前に行われる。したがって、いくつかのスプレーノズルは、フィルタ105及び106を含まない。
【0037】
本発明の特定の実施形態では、ノズルと共に使用される膜は、半導体の製造によく使用される周知の製造技術を用いて作成されるシリコンウェハーチップである。このようなシリコンウェハチップおよびその製造の例は、米国特許第8,936,160号、同第8,814,059号、同第9,566,398号、および同第10,632,265号に見ることができ、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0038】
本発明の実施形態によるスプレーノズルにおける膜の微細孔の配置および数は、図1に示す構成に限定されない。例えば、図4は、別のスプレーノズル200の図である。この実施形態では、ノズル200は、2つの同心円状の微細孔202を含む。他の実施形態では、スプレーノズルの微細孔は円形に配置される必要はない。例えば、他の実施形態では、微細孔は、正方形または星形などの他の対称的な幾何学形状にレイアウトされてもよい。さらに、本発明の他の実施形態では、複数の膜を1つのノズル構造で使用してもよく、複数の膜のそれぞれの微細孔が、ノズルからの全出力スプレーの一部を提供する。
【0039】
本発明の実施形態によるノズルの1つの設計パラメータは、ノズルに使用される膜の微細孔の総数、すなわちノズル内の微細孔の数である。本発明のいくつかの実施形態では、スプレーノズルの微細孔の数は40~125の範囲である。スプレーノズルの他の設計パラメータは、膜内の微細孔の直径と、微細孔から噴出するスプレーの円錐角である。本発明のいくつかの実施形態では、孔の直径は約5μm~約10μmの範囲である。本発明のより好ましい実施形態では、細孔の直径は約5μm~約8μmの範囲である。本発明の最も好ましい実施形態では、細孔の直径は約5μm~約7μmの範囲である。コーン角度に関して、これは、微細孔の軸に対する微細孔によって生成されるスプレージェットの角度として定義される。例えば、図3に描かれたスプレーノズル300に示されるように、スプレージェットは、ノズル300の軸Aに対して角度をなして噴出し、コーン角度αでスプレーを放出する。本発明の実施形態において、微細孔のコーン角度は、約0゜~約15゜の範囲である。本発明のより好ましい実施形態では、微細孔の円錐角度は約5°~約10°の範囲である。
【0040】
本発明の実施形態によるスプレーノズルのパラメータを設計する別の方法は、細孔によって提供される膜内の開口面積、すなわち膜表面の細孔の断面積に細孔の数を乗じたものに注目することである。例えば、本発明の実施形態によるスプレーノズルの膜は、直径6μmの孔を82個有し、総開口面積は約2318μmである。本発明の実施形態では、膜の細孔によって提供される膜表面の総開口面積は、約1100μmから約6150μmである。本発明の好ましい実施形態では、細孔によって提供される膜表面の総開口面積は、約1100μm~約3200μmである。当業者であれば、ノズルの開口面積は、吐出システムの操作条件、特に製剤を膜に押し通す力を発生させる手段に関連することを理解するであろう。例えば、(後述するように)ポンプ機構を使用する本発明の実施形態では、膜の細孔によって提供される開口面積は、ポンプが製剤を、膜を通して移動させるために発生させる圧力に相関する。
【0041】
本発明の特定の実施形態によるノズルの構成を表1に示す。表1に示すノズルの微細孔及び膜の配置は、図1に示す通りである。設計番号4~6において、「内側リング」は内側の2つの同心リングを指し、「外側リング」は外側の2つの同心リングを指す。
【0042】
【表1】
【0043】
本明細書に記載のスプレーノズルは、多くの異なるタイプのディスペンシングシステムと共に使用することができる。当該技術分野でよく知られている2つのタイプのシステムは、自動エアロゾルディスペンサーおよびベースコンテナーエアロゾルディスペンサーである。自動エアロゾルディスペンシングシステムの具体例は、ウィスコンシン州ラシーンのエス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド(本出願の譲受人)からGLADE(登録商標) Automatic Sprayの名称で販売されており、ベースコンテナーエアロゾルディスペンシングシステムの具体例は、 エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッドからGLADE(登録商標) Air Freshenerの名称で販売されている。次に、自動エアロゾルディスペンサーおよびベース容器エアロゾルディスペンサーの構成例を説明する。
【0044】
図5および図6は、本発明の実施形態による自動エアロゾルディスペンシングシステム400の図である。このようなシステムは、数週間などの長期間にわたって定量スプレーを提供する。システム400は、システムの動作部品を囲むハウジング402を含む(ハウジング402の一部は、動作部品を見ることができるように、図5では取り除かれている)。システムは、エアロゾルスプレーとして吐出される製剤を保持するための容器404を含む。容器404は、容器404からの製品を使い切ったときにシステムを再充填できるように、交換可能であってもよい。スプレーノズル406は容器404と流体連通しており、システム400が作動したときに製品が容器からスプレーノズルへと上方に移動し、したがって製品がノズル406を通過するようになっている。スプレーノズル406は、上述したように、微細孔を有する膜構造を含む。容器404の底部には作動機構410が設けられている。作動機構410は、描かれた実施形態では電池412によって電力供給されるが、代替実施形態では、ディスペンシングシステムは、電気コードおよびプラグなどの他の手段によって電力供給されてもよい。システム400はまた、作動機構410に作動可能に接続されたコントローラを有する回路基板414を含む。当業者であれば、図5および図6に示すようなシステム400を提供するために使用することができる特定の種類の容器、作動システム、および回路基板を容易に認識するであろう。
【0045】
先行技術の自動エアロゾルディスペンシングシステムとは異なり、本発明の実施形態によるシステムは、容器からの製品の排出を効果的に行うための手段として、容器を加圧するための推進剤ガスを使用せず、容器内の製品は標準大気圧のままである。推進剤ガスを使用するのではなく、本発明の実施形態では、作動機構410はポンプである。より具体的には、作動機構410は、往復ポンプまたは回転ポンプなどの容積式ポンプの形態であってもよい。例えば、往復ポンプとして、ポンプは、製品を容器404から押し出す力を提供するように機能するピストン、プランジャー、ダイヤフラム、または他の構造を含むことができる。回転ポンプの場合、ポンプは、容器から製品を排出する力を発生させるために、歯車、ローブ、スクリュー、ベーン、および/またはカムを含むことができる。本発明の特定の実施形態では、ポンプは、高度に直線的な圧力の送達を提供するように機能する予圧縮弁を使用することができ、その結果、製品をシステムから一貫して流出させることができる。
【0046】
本発明の実施形態による自動エアロゾルディスペンシングシステムは、図5および図6に示される特定の構成に限定されないことに留意すべきである。実際、当業者に理解されるように、自動システムは、本明細書に記載されるようなエアロゾルスプレーを生成しながらも、多種多様な構成になり得、多くの異なる構造を有し得る。例えば、図5のノズルは、システムの側面から噴出するように配置されているが、他の実施形態では、システムは、スプレーがシステムの上部、すなわち、垂直方向から吐出されるように構成され得る。さらに、さらなる実施形態において、システムは、水平(0゜)と垂直(90゜)との間の任意の角度でスプレーが吐出され得るように、調整可能なノズルを備えて構成され得る。本発明と共に使用され得る自動エアロゾルディスペンシングシステムの構成の例は、米国特許第8,061,562号、同第8,678,233号、同第9,247,724号、および同第9,833,533号に示されており、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0047】
本発明の実施形態による自動エアロゾルディスペンシングシステムは、推進剤ガスを使用しないので、システムは、LPGなどのVOC含有推進剤ガスを使用するシステムに関連する規制を受けない。しかしながら、以下の比較結果によって実証されるように、本発明によるシステムは、LPGシステムで生成されるスプレーと同等またはそれ以上の特性を有する製品スプレーを依然として提供し得る。さらに、本発明システムからのスプレーは、CGAなどのVOC含有推進剤ガスを使用しない他のタイプのシステムから生成されるスプレーよりも優れていることが多い。
【0048】
図7および図8は、本発明の実施形態によるベース容器エアロゾルディスペンシングシステム500の一例を示す。システム500は、使用者が保持し、要求に応じて作動するように設計されている。システム500は、ベースカップ503に取り付けられるボトル501を含み、エアロゾルスプレーとして吐出される加圧製品がボトル501に収容される。システム500の上部には、バルブ504とスプレーノズル506を含むスプレー機構502がある。上述したように、スプレーノズル506は微細孔を有する膜構造を含む。ボトル501内に収容された加圧製品は、スプレー機構502の作動によって吐出される。図示していないが、スプレー機構502の上にキャップを設けてもよい。当業者であれば、本明細書に記載されたタイプの高圧ディスペンシングシステムと共に使用され得る多種多様なバルブ、スプレー機構、およびキャップを認識するであろう。
【0049】
本発明の実施形態によるベースコンテナエアロゾルディスペンシングシステムは、図7および8に示される特定の構成に限定されない。実際、当業者には理解されるように、ベース容器エアロゾルディスペンシングシステムは、本明細書に記載されるようなエアロゾルスプレーを生成しながらも、多種多様な構成であり得、多くの異なる構造を有し得る。例えば、ベース容器エアロゾルディスペンシングシステムは、米国特許第9,040,024号、第9,242,256号、第9,393,336号、第9,802,752号、および第10,633,168号、ならびに米国特許出願公開第2020/0062489号明細書に記載されており、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0050】
本発明の実施形態において、推進剤ガスは、ベース容器ディスペンシングシステムからのエアロゾル製品の吐出を効果的にするために使用される。例えば、上述のような自動エアロゾルディスペンシングシステムおよびベース容器エアロゾルディスペンシングシステムの容器は、推進剤ガスで加圧されてもよい。上述したように、多くの先行技術のシステムでは、推進剤ガスは、かなりの量の揮発性有機化合物(VOC,Volatile Organic Compounds)を含む。推進剤は、低VOC、VOCなし、およびVOC免除によって分類することができる。ジメチルエーテルなどの低VOC推進剤は蒸気圧が低く、製品のVOCレベルを下げるために使用される。ジメチルエーテルは水と混合することができる。非VOC推進剤には、HFC 152a、HFC 134、エタンなどがある。プロパン、ブタン、イソブタンなどのLPGはVOCとみなされる。ノースカロライナ州シャーロットのハネウェル・インターナショナル社から販売されている推進剤HFO 1234zeは、新世代のVOC免除推進剤の一部である。これにより、低VOCはVOC推進剤とVOCフリー推進剤、溶剤、VOC免除推進剤のいずれかの組み合わせとなる。本発明の実施形態によるベース容器エアロゾルシステムは、低VOC、VOCなし、およびVOC免除推進剤を使用し得る。
【0051】
本発明によるベース容器エアロゾルシステムのさらに他の実施形態では、推進剤ガスは使用されない。その代わりに、これらの実施形態では、ポンプ機構が、スプレーノズルを通して製品を吐出するための圧力を生成する。このようなポンプ機構の例には、消費者製品に一般的に見られるような、手で作動するトリガーシステムが含まれる。具体例は、米国特許第5,474,215号、同第6,189,739号、および同第6,708,852号に見ることができ、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。上述した非推進剤自動エアロゾルディスペンシングシステムの場合と同様に、本発明によるベース容器エアロゾルシステムは、VOC含有LPGを含まないが、望ましい特性を有するエアロゾルスプレーを提供する。
【0052】
空気中にフレグランスを拡散させるために、さまざまな製剤が無数の市販製品に使用されている。単相ベース容器CGAエアロゾルディスペンシングシステムは、一般的に水、乳化剤、香料を含む水性製剤を使用する傾向がある。また、水性製剤をLPGと併用して二相製剤とする場合もある。このような場合、製品を振ってLPGを水性製剤中に分散させる。自動エアロゾルディスペンシングシステムは、LPG推進剤を香料の共溶媒として利用することが多い。このような自動装置では、香料は有機溶媒に溶解され、LPGとブレンドされて単相の製剤となる。拡散システムは、通常、様々な溶剤と混合された香料から成るフレグランスオイルを使用する。
【0053】
本発明の一実施形態において、芳香剤組成物は、以下のように、水、乳化剤、およびフレグランスオイルを含む水性製剤であってもよい:
【表2】
【0054】
本発明の他の実施形態において、芳香化合物は、成分の可溶化を促進するために、アルコールなどの共溶媒を有する溶媒ベースの製剤であってもよい。好ましくは、共溶媒は、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールまたはイソブタノールなどの低分子量一価Cアルコールである。アセトンなどの他の共溶媒もまた、エアロゾル組成物に含まれ得る。一般的な実施形態において、乳化剤は、上記のように存在してもよい。共溶媒が、乳化剤の存在なしにエマルジョンを形成するには不十分な量で組成物中に存在する場合、乳化剤は、このような例において、約0.4~約4重量%の範囲の量で存在し得る。香料、腐食防止剤、pH調整剤、抗菌剤、防腐剤などのような追加の補助剤も含まれ得る。上記の補助剤の好ましい個々の範囲は、0~約5重量%であり、より好ましくは0~約2重量%である。
【0055】
別の実施形態では、エアロゾル組成物は、スイスのVernierのGivaudan Company、日本の東京のTakasago International Corporation、およびドイツのHolzmindenのSurmise AGによって開発されたフレグランスオイルだけで構成され得る。このような製品は通常、プラグイン式のアロマオイルやディフューザーで使用される。さらに、フレグランスオイルは、DPMA(ジプロピレングリコールエーテルアセテート)、IsoparTM M(テキサス州アービングのExxonMobil Chemical Company社製)、DPM(ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)、エタノール、およびそれらの組み合わせなどの低蒸気圧溶媒などの溶媒に添加し、蒸気圧を加えることで、香りの体験を高め、落ちを少なくすることができる。さらに、低VOC溶剤を使って低VOC製剤を作ることもできる。低VOC製剤には、アセトン、ジメチルカーボネート、メチルアセテート、パラクロロベンゾトリフルオリド(ニューヨーク州ニューヨークのマナ社からOXSOL(登録商標) 100という商品名で販売されている)、tert-ブチルアセテート、プロピレンカーボネートなどが含まれる。溶剤ベースの製剤の場合、芳香剤組成物は以下のようにすることができる:
【表3】
【0056】
本発明の実施形態によるエアロゾルスプレーのユニークな特性を実証するために、スプレーの特性を市販のエアロゾルディスペンシングシステムから吐出されたスプレーと比較する実験を行った。
【0057】
本発明の実施形態によるシステムをモデル化するために、上記のようなスプレーノズルを用いて本発明システムを作成した。特に、上記表1の設計番号1~9の構成を有するスプレーノズルを本発明システムに使用した。スプレーノズルを、上述のポンプ作動機構を有する自動エアロゾルディスペンシングシステムをシミュレートする試験装置に取り付けた。この試験装置は、本発明の実施形態に従って、組成物を容器から出し、スプレーノズルを通して移動させる力を発生させるための作動板を駆動するステッピングモーターを含んでいた。この力は、自動吐出システムから製剤を吐出するのに使用される力に匹敵するものであった。水性製剤と溶剤系製剤(上述の通り)の両方をスプレーノズルで試験した。
【0058】
試験装置から吐出された芳香エアロゾルスプレーを、市販の自動エアロゾルスプレー吐出システム、ベース容器エアロゾル吐出システム、および他のタイプのエアロゾル吐出システムから吐出された芳香スプレーと比較した。5つの異なる自動エアロゾルディスペンシングシステムを試験した。自動エアロゾルディスペンシングシステムは、溶剤ベースの製剤を使用した。自動システムのうち3つは、上述の自動システムに一般的に見られるような構成を有し、自動システムはエアロゾルスプレーを生成するために推進剤ガスを使用した。他の2つの自動エアロゾルシステムは、当該技術分野でよく知られているように、ウィックディフューザーシステム(以下、「ディフューザー」)であった。水性製剤および液化ガス推進剤(LPG)を有する5つの異なるベース容器エアロゾルシステム、および推進剤として水性製剤および圧縮ガス(CGA)を有する8つの異なるベースエアロゾルシステムが試験された。また、バッグオンバルブ構成を有する2種類のベース容器エアロゾルシステムも試験した。そのようなバッグオンバルブシステムは当技術分野で周知であり、そのようなシステムの例は、例えば、米国特許第9,902,552号に見ることができる。さらに試験されたのは、水性製剤を用いた3つのトリガーベースのディスペンシングシステムであり、これらのディスペンシングシステムは、上述のように、エアロゾルスプレーを生成するためにポンプを作動させる手で操作されるトリガーを有する。
【0059】
本発明および比較のシステムから吐出されたエアロゾルスプレーを、室内の周囲条件、すなわち70°Fおよび通常の湿度で評価した。システムは、試験の前に少なくとも24時間保管された。噴霧速度は、10秒間の噴霧中の重量変化を通して決定され、グラム/秒として報告され、サンプル寿命の最初の40秒間の2回の噴霧の平均である。自動エアロゾル吐出システムは、各試験で5回作動させた。ベース容器エアロゾルシステム(すなわち、LPG、CPG、およびバッグオンバルブシステム)のアクチュエーターは、各試行で5秒間完全に押し下げられ、システムは噴霧の前に適切に振られ、振ってから噴霧するまでの間に最大2~4秒の時間が与えられた。トリガー式吐出システムは、各試験で5回作動させた。各システムで複数回の試験を行った。
【0060】
300mmのレンズを装備したMalvernレーザー回折式粒度分布測定装置から、質量中央径Dv(50)としてミクロン(マイクロメートル、μm)の粒径を測定した。ベース容器エアロゾルシステムとトリガーシステムは、ビームから6インチの距離で噴霧した。自動システムはレンズから1~2インチの距離でスプレーした。すべての製品がレンズにかからないようにスプレーされた。ビームステアリングによるゴーストピークを除去するため、301.7μmでカットオフした。スパンファクターは、回折式粒度分布測定装置からの測定値に基づいて決定され、上述の式に従って計算された。
【0061】
気流によるドリフトを最小限に抑えるため、降下物および製品の噴霧距離を低気流の部屋でテストした。各システムを実験用ジャッキに載せ、3フィート×100インチのクラフト紙に水平にスプレーした。スプレーの高さは床から約18インチになるように調整した。各システムは、クラフト紙上に再現可能な量の製品を得るために、5秒間スプレーするか、10回作動させた。降下量は、製品をスプレーする前と後のクラフト紙の重量変化で測定した。製品(パッケージと詰め替え)の重量は、試験前と試験後に測定した。紙上の製品量を重量測定した。降下物は、クラフト紙上に蓄積した製品量と空気中に噴霧された製品量の商×100で求めた。
【数2】
噴霧距離は、紙面上または空気中の大部分の液滴を目視検査することにより決定した。噴霧距離は、製品の先端から噴煙の終端までの距離として測定した(単位はインチ)。
【0062】
エアロゾルスプレーの寿命は、24立方フィートの混合チャンバー内の全粒子濃度をモニターすることにより測定した。等量のスプレーを本発明および比較システムからチャンバー内に吐出し、濃度をTSI 3321空気力学的粒子サイザーを用いて25分間にわたり20秒間隔で測定した。本発明システムと比較システムは、混合され空気交換のないチャンバーの中央下部に直立させて設置した。サンプリングは、プルームの約2フィート上にある2分の1インチのポートから行った。寿命は、5%の粒子濃度を教える時間として決定された。
【0063】
実験結果を表4に示す。表中の本発明システムについて、「SN」はスプレーノズル番号(上述の構成による)を示し、「WB」は水性製剤を使用したことを示し、「SB」は溶剤系製剤を使用したことを示す。結果の考察は、以下の通りである。
【表4】
【0064】
図9A~9Cは、本発明システムから吐出されたエアロゾルスプレーおよび比較システムから吐出されたエアロゾルスプレーの粒子サイズDv(10)、Dv(50)およびDv(90)を示す。本発明システムは、約21μm~約29μmのDv(10)サイズ、約35μm~約42μmの範囲のDv(50)サイズ、および約43μm~約62μmの範囲のDv(90)サイズを有する粒子を生成したことが分かる。また、本発明のエアロゾルスプレー中の粒子サイズは、CGAおよびバッグオンバルブシステムの粒子サイズよりも小さく、本発明のエアロゾルスプレー中の粒子サイズは、LPGディスペンシングシステムからの粒子サイズに非常に匹敵することが分かる。上述したように、エアロゾルディスペンシングシステムの推進剤からのVOCの量を低減または除去することが望ましいので、これは重要である。そして、LPGシステムとは異なり、本発明システムは、VOC含有LPG推進剤を使用しなかった。CGAおよびバッグオンバルブシステムの推進剤は、VOCをほとんどまたは全く有していないが、結果は、このようなシステムから吐出されたスプレーの粒子径がより大きいことを示している。したがって、推進剤なしで生成された本発明のエアロゾルスプレーは、LPGシステムで生成されたエアロゾルスプレーの粒子径に近い粒子径を有し、CGAおよびバッグオンバルブシステムからのスプレーで見られるような大きな粒子径を有さない。
【0065】
図10は、本発明システムから吐出されたエアロゾルスプレーの粒子のスパン係数および比較システムから吐出された粒子のスパン係数を示す。このデータから、本発明システムは、比較システムより低くないとしても、同じくらい低いスパン係数を有していたことがわかる。一般的に上述したように、スパンファクターが低いということは、スプレー中の粒子の大きさがより一定であることを意味する。そして、芳香製品にとって、一貫した粒子サイズは、より一貫した消費者の香り体験を提供する。
【0066】
図11は、本発明システムから吐出されたエアロゾルスプレーの粒子の噴霧距離、および比較システムから吐出された粒子の噴霧距離を示す。本発明システムからの噴霧距離は、比較システム、特に自動システムおよびトリガーベースのシステムからの距離と概して同等であった。
【0067】
図12は、本発明のシステムおよび比較システムから吐出されたエアロゾルスプレーの粒子の降下物の比較を示す。図13は、本発明の実施形態による異なるスプレーノズルおよび配合物で生成された降下物のさらなる比較を示す。特に、スプレーノズル設計番号1~8は、水性製剤(図13において1/W、2/Wなどと指定される)で試験され、スプレーノズル設計番号1、2、および4~8は、溶剤系製剤(図13において1/S、2/Sなどと指定される)で試験された。
【0068】
消費者の満足度の観点から、降下物が多すぎることは望ましくないため、降下物はエアロゾルスプレーの評価において重要な因子である。図12および13に示すデータは、水性製剤を用いた本発明のエアロゾルスプレーの脱落が約0%から10%の範囲であったことを示している。注目すべきことに、この範囲の脱落は、CGAおよびバッグオンバルブシステムからの脱落よりも少なく、LPGベース容器システムからの脱落と同程度であった。上述したように、本発明エアロゾルスプレーは、本発明システムが推進剤ガスを含まないため、LPG推進剤ベースコンテナーシステムと比較して有利であった。したがって、水性製剤を有する本発明システムは、LPGシステムに見られる高VOC推進剤の欠点を伴うことなく、LPGシステムに見られる低降下物という長所を有していた。
【0069】
本発明システムおよび比較システムの寿命試験の結果を表4および図14に示す。上述したように、寿命は5%の粒子濃度を教える時間として決定された。これらの試験には、設計番号1のスプレーノズルと水性製剤を使用した。比較のため、1つのLPGシステム、2つのバッグオンバルブシステム、4つのCGAシステム、2つの自動システム、および2つのディフューザーシステムが試験された。
【表5】

本発明システムからのエアロゾルスプレーの寿命は、自動システムおよびディフューザーシステムからのエアロゾルスプレーの寿命よりも長く、ほとんどのCGA推進剤システムよりも長く、LPG推進剤システムに匹敵した。
【0070】
図15は、本発明システムからのエアロゾルスプレーの噴霧(スプレー)経験係数および比較システムからのエアロゾルスプレーの噴霧経験係数を示す。上述したように、噴霧経験係数は、スプレー効力と粒子スパンの組み合わせによって定義され、ここで、スプレー効力は、パーセント降下物と噴霧距離の積の負として定義され、スパンは、負の粒子のスパン係数として定義される。図15の結果が示すように、本発明のエアロゾル噴霧は、約0~約-3300の噴霧効力および約-0.75~約-1.1の(負の)スパンを有する噴霧経験係数を有した。比較システムはいずれも、本発明システムの範囲内の噴霧経験係数を有さなかった。これは、本発明エアロゾル製品が、例えば芳香製品として使用される場合、製品がより一貫した粒子サイズ(低いスパン係数)およびより大きな噴霧効力(より多くの噴霧距離およびより少ない降下)を含む特性の組合せを有するので、より良好な性能を発揮することを示している。
【0071】
図16は、本発明システムと比較システムの粒子品質係数を示す。上述したように、粒子品質係数は、スプレーの負のDv(90)粒子サイズおよびスプレー粒子の負のスパン係数によって定義される。図16に示される結果は、本発明エアロゾルスプレーが比較システムからのスプレーに見られない粒子品質係数を有し、(負の)Dv(90)が約-40μm~約-65μmの範囲であり、(負の)スパン係数が約-0.75~約-1,1の範囲であることを示している。このように、本発明システムからのスプレーは、狭い範囲に収まる大きなサイズの粒子をより少なく含んでいた。本発明スプレーのこの粒子品質は、優れた芳香製品を提供する。
【0072】
本明細書に記載されるように、本発明は、従来技術には見られないエアロゾルスプレー、エアロゾルスプレーを生成する方法、およびエアロゾルスプレーを生成するシステムを提供する。本発明のエアロゾルスプレーは、噴霧を多くの用途、特に芳香製品として理想的にする特性および特性の組み合わせを有する。
【0073】
以上、本発明の様々な実施形態について説明したが、これらは例示として提示したものであり、限定するものではないことを理解されたい。形態および詳細において様々な変更が可能であることは、関連技術の当業者には明らかである。したがって、本発明は、上述したいずれの実施形態によっても限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびその均等物に従ってのみ定義されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本明細書に記載の発明は、エアロゾルディスペンシングシステムの商業生産に使用することができる。このようなエアロゾルディスペンシングシステムは、例えば、芳香製品の市場において、多種多様な用途を有する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2024-01-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香剤エアロゾルスプレーディスペンシングシステムであって、
芳香剤を含む非加圧容器と、
前記非加圧容器と流体連通するスプレーノズルであって、組成物前記芳香剤エアロゾルスプレーディスペンシングシステムから吐出されるときに組成物が通過する微細孔を有する膜を含むスプレーノズルと、
芳香剤が容器からスプレーノズルを通って移動し、芳香剤がエアロゾルスプレーとして前記芳香剤エアロゾルスプレーディスペンシングシステムから排出されるようにする力を提供するように構成されたポンプと、を含み、
前記エアロゾルスプレー中の粒子は、約30μm~約70μmのDv(50)サイズを有する、
芳香剤エアロゾルスプレーディスペンシングシステム。
【請求項2】
前記エアロゾルスプレーが、スプレーノズル内の膜の微細孔からレイリージェットで噴出し、その後エアロゾルスプレーの粒子に分解する、
請求項1に記載の芳香剤エアロゾルスプレーディスペンシングシステム。
【請求項3】
前記スプレーノズルが、40~125個の微細孔を含み、
前記微細孔の直径は約5μmから約10μmの範囲である、
請求項1に記載の芳香剤エアロゾルスプレーディスペンシングシステム。
【請求項4】
前記微細孔の直径は、約5μmから約8μmの範囲である、
請求項1に記載の芳香剤エアロゾルスプレーディスペンシングシステム。
【請求項5】
前記微細孔によって提供される前記膜の表面の総開口面積が、約1100μm~約6150μmである、
請求項1に記載の芳香剤エアロゾルスプレーディスペンシングシステム。
【請求項6】
前記エアロゾルスプレーが、(i)フレグランスオイル、および(ii)水または溶媒を含む少なくとも1つの芳香組成物を含む、
請求項1に記載の芳香剤エアロゾルスプレーディスペンシングシステム。
【請求項7】
前記ポンプが容積式ポンプである、
請求項1に記載の芳香剤エアロゾルスプレーディスペンシングシステム。
【請求項8】
非加圧容器から芳香組成物を押し出すことと、
レイリージェットが発生し、レイリージェットがその後芳香剤エアロゾルスプレーの粒子に分解されるように、膜上の微細孔を通して組成物を通過させることと、を含み、
前記芳香組成物は、(i)フレグランスオイル、および(ii)水または溶媒を含む、
芳香剤エアロゾルスプレーの生成方法。
【請求項9】
前記微細孔の直径が約5μmから約10μmの範囲である、
請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記芳香剤エアロゾルスプレーが、最大約-3300の(負の)噴霧効力および最大約-1.25の(負の)スパン係数を有する噴霧経験係数を有する、
請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記芳香剤エアロゾルスプレーが、約-90μmまでの(負の)Dv(90)粒径および約-1.25までの(負の)スパン係数を有する粒子品質係数を有する、
請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記微細孔によって提供される前記膜の表面の総開口面積が、約1100μm 約6150μmである、
請求項に記載の方法。
【請求項13】
芳香剤エアロゾルスプレーであって、
フレグランスオイルを含む芳香組成物の粒子を含み、
前記粒子は、約30μm~約70μmのDv(50)粒径を有し、
前記芳香剤エアロゾルスプレーは、約0~約-3300の(負の)噴霧効力および約-1.25までの(負の)スパン係数を有する、スプレー経験係数を有する、
芳香剤エアロゾルスプレー。
【請求項14】
前記粒子が約35μm~約45μmのDv(50)粒径を有する、
請求項13に記載の芳香剤エアロゾルスプレー。
【請求項15】
前記芳香組成物は、水を含み、
前記芳香剤エアロゾルスプレーは、約0~約-400の(負の)噴霧効力および約-0.75~約-1.0の(負の)スパン係数を有するスプレー経験係数を有する、
請求項13に記載の芳香剤エアロゾルスプレー。
【請求項16】
前記芳香組成物が溶媒を含み、
前記芳香剤エアロゾルスプレーは、約-950~約-3300の(負の)噴霧効力および約-0.8~約-1.1の(負の)スパン係数を有する、スプレー経験係数を有する、
請求項13に記載の芳香剤エアロゾルスプレー。
【請求項17】
エアロゾルスプレーであって、
フレグランスオイルを含む組成物の粒子を含み、
前記粒子は、約30μm~約70μmのDv(50)粒径を有し、
前記エアロゾルスプレーは、約-90μmまでの(負の)Dv(90)粒子径と約-1.25までの(負の)スパン係数を有する粒子品質係数を有する、
エアロゾルスプレー。
【請求項18】
前記粒子が約35μm~約45μmのDv(50)粒径を有する、
請求項17に記載のエアロゾルスプレー。
【請求項19】
前記組成物は、水を含み、
前記エアロゾルスプレーは、約-50μm~約-65μmの(負の)Dv(90)粒子径および-0.75~約-1.0の(負の)スパン係数を有する粒子品質係数を有する、
請求項17に記載のエアロゾルスプレー。
【請求項20】
前記組成物は、溶媒を含み、
前記エアロゾルスプレーは、約-40μm~約-65μmの(負の)Dv(90)粒径および-0.8~約-1.1の(負の)スパン係数を有する粒子品質係数を有する、
請求項17に記載のエアロゾルスプレー。
【国際調査報告】