(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-29
(54)【発明の名称】ネットワーク通信のための時分割物理層アクセス
(51)【国際特許分類】
H04W 28/18 20090101AFI20240122BHJP
H04W 72/12 20230101ALI20240122BHJP
H04W 72/50 20230101ALI20240122BHJP
【FI】
H04W28/18 110
H04W72/12
H04W72/50 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543329
(86)(22)【出願日】2022-01-20
(85)【翻訳文提出日】2023-09-15
(86)【国際出願番号】 US2022013038
(87)【国際公開番号】W WO2022159531
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523325484
【氏名又は名称】ランディス・ギア・テクノロジー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LANDIS+GYR TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100189544
【氏名又は名称】柏原 啓伸
(72)【発明者】
【氏名】マシューズ,ジャスティン クリフォード
(72)【発明者】
【氏名】ホルコム,マイケル ショーン
(72)【発明者】
【氏名】ヘット,クリストファー スコット
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA11
5K067DD34
5K067EE12
5K067HH21
5K067JJ21
(57)【要約】
データパケットを送受信するために、時分割スケジュールに従ってネットワークノードによって異なる通信モードを切り替えるシステムを提供する。例えば、送信ノードは、時分割スケジュールに従って、次の時分割のスケジュールされた通信モードを決定し、スケジュールされた通信モードが、送信ノードと受信ノードの両方でサポートされている選択された通信モードと一致するときに、その時分割でデータパケットを送信するように構成される。受信ノードは、時分割スケジュールによって現在の時分割に指定されるスケジュールされた通信モードで動作し、データパケットのヘッダが現在の時分割で検出されたかどうかを決定する。そうでない場合、受信ノードは、時分割スケジュールによって後続の時分割に指定される第2のスケジュールされた通信モードに切り替えて、後続の時分割のデータパケットのヘッダを検出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信ノードと、受信ノードとを含むシステムであって、
送信ノードは、
時分割スケジュールに従って、次の時分割のスケジュールされた通信モードを決定することであって、時分割スケジュールは複数のサイクルを含み、各サイクルは少なくとも2つの時分割を含み、少なくとも2つの時分割の夫々のスケジュールされた通信モードを指定する、決定することと、
送信ノードと受信ノードの通信状況に基づいて決定された、送信ノードと受信ノードの両方によりサポートされている複数の通信モードの中からの、選択された通信モードと、次の時分割のスケジュールされた通信モードが、一致することを決定することと、
次の時分割が到着して現在の時分割になったと決定することに応じて、データパケットを生成して、スケジュールされた通信モードを用いて受信ノードに送信することと
を行うように構成されており、
受信ノードは、
時分割スケジュールにより、現在の時分割に指定された、スケジュールされた通信モードで動作することと、
スケジュールされた通信モードで動作中に、データパケットのプリアンブルが現在の時分割で検出されたことを決定することと、
少なくとも部分的に、データパケットのプリアンブルが検出されたことを決定することに基づいて、スケジュールされた通信モードでデータパケットの残余の部分を受信して処理することと
を行うように構成されている、
システム。
【請求項2】
前記受信ノードは、更に、
所定の時分割中にデータパケットが受信されていないことを決定することと、
時分割スケジュールにより後続の時分割に指定されている第2のスケジュールされた通信モードに切り替えて、後続の時分割でのデータパケットを検出することであって、第2のスケジュールされた通信モードは第1のスケジュールされた通信モードと異なるものである、検出することと
を行うように構成されている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
データパケットを受信ノードに送信することは、
最大時間同期誤差期間に従って決定された時間を待機し、データパケットを受信ノードに送信すること
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
データパケットを受信ノードに送信する前に、
前記送信ノードは、
クリアチャネルアセスメント(CCA)を実行するように
更に構成されている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
スケジュールされた通信モードの1つは、受信ノードのベースモードであり、
該ベースモードは、サポートされている複数の通信モードのうち、サポートされている複数の通信モードの大部分よりも長い通信の範囲を有する、1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記送信ノードは、
前記選択された通信モードが時分割スケジュールのスケジュールされた通信モードと異なることを決定することと、
前記選択された通信モードを示すために、現在の時分割のスケジュールされた通信モードでモードスイッチヘッダを生成して送信することと、
前記選択された通信モードでデータパケットを送信することと
を行うように
更に構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記受信ノードは、
前記スケジュールされた通信モードで動作中にモードスイッチヘッダを検出して、前記選択された通信モードを決定することと、
前記選択された通信モードに切り替えることと、
前記選択された通信モードでデータパケットを受信して処理することと
を行うように
更に構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記サポートされている複数の通信モードは、1つ以上の周波数シフトキーイング(FSK)通信モード、又は、1つ以上の直交周波数分割多重(OFDM)通信モードを、含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
ネットワークのノードであって、
コンピュータ可読命令を実行するように構成されたプロセッサと、
コンピュータ可読命令を格納するように構成されたメモリと
を含み、
前記メモリに格納される前記コンピュータ可読命令は、
時分割スケジュールによって現在の時分割に対して指定された第1のスケジュールされた通信モードで動作することであって、時分割スケジュールは複数のサイクルを含み、各サイクルは少なくとも2つの時分割を含み、少なくとも2つの時分割に対して夫々のスケジュールされた通信モードを指定し、前記第1のスケジュールされた通信モードはノードのサポートされている複数の通信モードの1つである、動作することと、
前記第1のスケジュールされた通信モードで動作する間に、送信ノードにより送信されたデータパケットの信号が現在の時分割で検出されたかどうかを決定することと、
データパケットの信号が検出されたことを決定することに応じて、前記第1のスケジュールされた通信モードでデータパケットの残余の部分を受信することと、
現在の時分割中にデータパケットを受信していないことを決定することに応じて、時分割スケジュールにより後続の時分割に指定された第2のスケジュールされた通信モードに切り替えてデータパケットを受信することであって、第2のスケジュールされた通信モードは前記第1のスケジュールされた通信モードとは異なるものである、切り替えてデータパケットを受信することと
を含む動作を、前記プロセッサに実行させるものである、
ネットワークのノード。
【請求項10】
前記データパケットは、
時分割スケジュールによって現在の時分割に指定された前記第1のスケジュールされた通信モードに一致する、前記データパケットに対して選択された通信モードに基づいて、前記送信ノードによって送信される、請求項9に記載のノード。
【請求項11】
前記スケジュールされた通信モードの1つは、ノードのベースモードであり、
該ベースモードは、サポートされている複数の通信モードのうち、サポートされている複数の通信モードの大部分よりも長い通信範囲を有する、1つを含む、請求項9に記載のノード。
【請求項12】
データパケットの信号が検出されたことを決定することは、データパケットのプリアンブルが検出されたことを決定すること、又は、データパケットのプリアンブルとヘッダの両方が検出されたことを決定することを含む、
請求項9に記載のノード。
【請求項13】
前記動作は、
前記第1のスケジュールされた通信モードで動作中にデータパケットのモードスイッチヘッダを検出して、選択された通信モードを決定することと、
選択された通信モードへ切り替えることと、
選択された通信モードでデータパケットを受信して処理することと
を更に含む、請求項9のノード。
【請求項14】
サポートされている複数の通信モードが、1つ以上の周波数シフトキーイング(FSK)通信モード、又は、1つ以上の直交周波数分割多重(OFDM)通信モードを含む、請求項9に記載のノード。
【請求項15】
ネットワークのノードによって、時分割スケジュールに従って次の時分割のスケジュールされた通信モードを決定することであって、時分割スケジュールは複数のサイクルを含み、各サイクルは少なくとも2つの時分割を含み、少なくとも2つの時分割に対して夫々のスケジュールされた通信モードを指定する、決定することと、
前記次の時分割のスケジュールされた通信モードが、ノードと受信ノードの両方でサポートされている複数の通信モードの中から選択される通信モードと一致することを、ノードにより、決定することであって、選択される通信モードはノードと受信ノードの通信状況に基づいて決定される、決定することと、
前記次の時分割が到着して現在の時分割になったことを決定することに応じて、ノードによって、データパケットを生成して、前記スケジュールされた通信モードを使用してネットワーク経由で受信ノードに送信することと
を含む、方法。
【請求項16】
データパケットを前記受信ノードに送信することは、
最大時間同期誤差期間に従って決定された時間を待機し、データパケットを前記受信ノードに送信することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
データパケットを前記受信ノードに送信することの前に、クリアチャネルアセスメント(CCA)を実行することを、更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記スケジュールされた通信モードの1つは受信ノードのベースモードであり、
該ベースモードは、サポートされている複数の通信モードのうち、サポートされている複数の通信モードの大部分よりも長い通信範囲を有する、1つを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
選択された通信モードは時分割スケジュールの前記スケジュールされた通信モードとは異なることを決定することと、
選択された通信モードを示すために、現在の時分割の前記スケジュールされた通信モードでモードスイッチヘッダを生成して送信することと、
選択された通信モードでデータパケットを送信することと
を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
サポートされている複数の通信モードは、1つ以上の周波数シフトキーイング(FSK)通信モード、又は、1つ以上の直交周波数分割多重(OFDM)通信モードを含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概略、ネットワーク内のノード間の通信に関する。より詳細には、本開示は、ネットワーク内の複数の物理(PHY)層構成をサポートする送信ノードおよび受信ノードによって、ネットワークを介してデータパケットを送受信するために、時分割スケジュールに従って異なる通信モードに切り替えることに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークでは、エンドポイントデバイス、ゲートウェイ、またはルータなどのインフラストラクチャノード(または単に「ノード」)は、例えば、メッセージを交換したりデータを送信したりするために、常に互いに通信する。しかし、ノードが異なると、ハードウェアおよびソフトウェアの構成が異なり、異なる通信モードをサポートする場合がある。さらに、各ノードが複数の通信モードをサポートする場合もある。通信モードは、データ伝送のための特定のデータレート、特定の符号化方式、特定の変調方式、またはそれらの組み合わせを示す場合がある。例えば、一部のノードは直交周波数分割多重(「OFDM」)の特定の通信モードをサポートするように構成され、他のノードは別のOFDM通信モードをサポートするように構成される場合がある。また、OFDMの代わりに、またはOFDMに加えて、周波数シフトキーイング(「FSK」)に基づくさまざまな通信モードをサポートするように構成されているノードもある。データを送信する場合、送信ノードは、受信ノードにデータを確実かつ効率的に送信するために、サポートされている複数の通信モードの中から通信モードを選択することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
受信ノードが受信データを正しく受信してデコードするためには、受信ノードは、データの送信に使用された通信モードを識別し、正しい通信モードに切り替える必要がある。 現在のモード切り替えメカニズムの1つは、送信ノードが使用するモードを示すためにデータパケットの前に付加されるモード切り替えヘッダに依存している。モードスイッチヘッダは通常、低いデータレートを持つベースモードで通信されるため、モードスイッチヘッダを送信すると、特に高いデータレートを持つ通信モードでは、伝送効率が大幅に低下する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ネットワークノードが時分割スケジュールに従って異なる通信モード間で切り替えてデータパケットを送受信するための装置およびプロセスに関する態様及び実施例が開示される。一実施例では、システムは送信ノードと受信ノードとを含む。送信ノードは、時分割スケジュールに従って、次の時分割のスケジュールされた通信モードを決定するように構成される。時分割スケジュールは複数のサイクルを含み、各サイクルは少なくとも2つの時分割を含み、少なくとも2つの時分割の夫々のスケジュールされた通信モードを指定する。送信ノードは、更に、次の時分割のスケジュールされた通信モードが、送信ノードと受信ノードの両方によりサポートされている複数の通信モードの中からの、選択された通信モードと、一致することを決定するように構成される。選択された通信モードは、送信ノードおよび受信ノードの通信条件に基づいて決定される。また、送信ノードは、次の時分割が到着して現在の時分割になったと決定することに応じて、データパケットを生成して、スケジュールされた通信モードを用いて受信ノードに送信するように構成される。受信ノードは、時分割スケジュールにより、現在の時分割に指定された、スケジュールされた通信モードで動作し、スケジュールされた通信モードで動作中に、データパケットのプリアンブルが現在の時分割で検出されたことを決定し、データパケットのプリアンブルが検出されたことを決定することに応じて、スケジュールされた通信モードでデータパケットの残余の部分を受信して処理する、ように構成されている。
【0005】
別の実施例では、ネットワークのノードは、コンピュータ可読命令を実行するように構成されたプロセッサと、プロセッサによって実行されると、プロセッサに動作を実行させるコンピュータ可読命令を記憶するように構成されたメモリとを含む。該動作は、時分割スケジュールによって現在の時分割に対して指定された第1のスケジュールされた通信モードで動作することを含む。時分割スケジュールは複数のサイクルを含み、各サイクルは少なくとも2つの時分割を含み、少なくとも2つの時分割に対して夫々のスケジュールされた通信モードを指定する。第1のスケジュールされた通信モードは、ノードのサポートされている複数の通信モードの1つである。該動作は更に、第1のスケジュールされた通信モードで動作する間に、送信ノードにより送信されたデータパケットの信号が現在の時分割で検出されたかどうかを決定することと、データパケットの信号が検出されたことを決定することに応じて、第1のスケジュールされた通信モードでデータパケットの残余の部分を受信することと、現在の時分割中にデータパケットが受信されていないことを決定することに応じて、データパケットを受信するために、時分割スケジュールにより後続の時分割に指定された第2のスケジュールされた通信モードに切り替えることとを含む。第2のスケジュールされた通信モードは、第1のスケジュールされた通信モードとは異なる。
【0006】
さらに別の実施例では、方法は、ネットワークのノードによって、時分割スケジュールに従って、次の時分割のスケジュールされた通信モードを決定することを含み、時分割スケジュールは、複数のサイクルを含み、各サイクルは、少なくとも2つの時分割を含み、少なくとも2つの時分割に対して夫々のスケジュールされた通信モードを指定する。方法は更に、次の時分割のスケジュールされた通信モードが、ノードと受信ノードの両方でサポートされている複数の通信モードの中から選択された通信モードと一致することを、ノードにより、決定することを含む。選択された通信モードは、ノードと受信ノードの通信条件に基づいて決定される。方法は更に、次の時分割が到着して現在の時分割になったことを決定することに応じて、ノードによって、データパケットを生成して、スケジュールされた通信モードを使用してネットワーク経由で受信ノードに送信することを含む。
【0007】
これらの例示的な態様および特徴は、現下説明する要旨を限定または定義するために言及されているのではなく、本願で説明される概念の理解を助けるべく例を提供するために言及されている。現下説明する要旨の他の態様、利点、および特徴は、本出願全体を検討した後に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むと、よりよく理解される。
【
図1】
図1は、本開示の或る態様に係る、データパケットを送受信するための時分割スケジュールに従って異なる通信モード間を切り替えるための例示的な動作環境を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本開示の或る態様に係る、時分割スケジュールに従って異なる通信モードに切り替えてデータパケットをそれぞれ送信および受信するように構成された送信ノードおよび受信ノードの態様を示す図である。
【
図3】
図3は、本開示の或る実施例による、データパケットを送受信するためにネットワーク内のノードが従う時分割スケジュールの一例である。
【
図4A】
図4Aは、先行技術のモード切り替え機構に係る、受信ノードで受信されたデータパケット、受信ノードの通信モード、および受信ノードによって実行される動作の例を示す図である。
【
図4B】
図4Bは、本開示の或る態様に係る受信ノードで受信されたデータパケット、受信ノードの通信モード、および時分割スケジュールに基づいて受信ノードによって実行される動作の例を示す図である。
【
図4C】
図4Cは、本開示の或る態様に係る、受信ノードで受信されたデータパケット、受信ノードの通信モード、および時分割スケジュールによって指定された通信モードが選択された通信モードと一致しない場合に受信ノードによって実行される動作の例を示す図である。
【
図5】
図5は、本開示の或る態様に係る、送信ノードによって送信されたデータパケットを受信して処理するためのプロセスの一例である。
【
図6】
図6は、本開示の特定の態様による、時分割スケジュールに従ってデータパケットを送信するためのプロセスの一例である。
【
図7】
図7は、本明細書で提示する技法および技術の態様を実施するのに適したコンピューティングシステムの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ネットワークノードが時分割スケジュールに従って異なる通信モードに切り替えてデータパケットを送受信するためのシステムおよび方法が提供される。送信ノードと受信ノードの両方は、時分割スケジュールに従って異なる通信モードに切り替える。時分割スケジュールは複数のサイクルを含み、各サイクルには対応する時分割の通信モードを示す少なくとも2つの時分割が含まれる。時分割スケジュールに従うことで、送信ノードと受信ノードは所定の時間に同じ通信モードで動作する。このように、送信ノードと受信ノードの通信モードが一致することにより、データパケットを送信する際に通信モードを示すモードスイッチヘッダを追加する必要がなくなる。
【0010】
例えば、送信ノードは、サポートされる通信モードのセットの中から通信モードを選択し、選択された通信モードを使用してデータパケットを生成する。選択された通信モードを示すためにモードスイッチヘッダをデータパケットに挿入する代わりに、送信ノードは、選択された通信モードが現在の時分割によって示される通信モードと一致する場合、選択された通信モードを直接使用してデータパケットを送信する。選択された通信モードが現在の時分割によって示された通信モードと一致しない場合、送信ノードは、通信モードが選択された通信モードと一致する時分割まで待機し、データパケットを受信ノードに送信する。
【0011】
時分割スケジュールに従った通信モードで動作する受信ノードは、ネットワーク上のトラフィックをリッスンする。受信ノードが現在の時分割でデータパケットのプリアンブルとヘッダを検出しなかった場合、受信ノードは時分割スケジュールによって次の時分割に指定された次の通信モードに切り替え、この新しい通信モードでトラフィックを聞く。受信ノードが現在の時分割でデータパケットのプリアンブルとヘッダを検出した場合、受信ノードはデータパケットの受信と処理を継続する。いくつかの例では、時分割の少なくとも1つは、サポートされる通信モードのセットの中で最も長い通信範囲を有するモードであるベース通信モードに設定された通信モードを有する。他の1つ以上の時分割は、高いデータレートを有する通信モードを有することができる。このようにして、受信ノードは、各サイクルのある期間、最も長い通信範囲のトラフィックを検出し、サイクルの残余の時間、より高いデータレートでデータを受信することができる。
【0012】
本開示で説明する技術は、ネットワークのノード間の通信の効率を高める。上述したように、既存のアプローチで使用されるモードスイッチヘッダは、モードスイッチヘッダを通信するために使用されるベースモードのデータレートが低いため、ペイロードよりも送信に長い時間を要する場合がある。一方、本開示で説明する時分割モードスイッチ機構では、モードスイッチヘッダを使用せずにデータパケットを伝送することができる。その結果、伝送効率(例えば、実効データレートとペイロードデータレートとの比)を大幅に向上させることができる。
【0013】
さらに、本開示に記載の時分割モード切り替え機構は、受信ノードが、各サイクルの少なくとも一定期間、最も長い通信範囲を有するベースモードで動作することを可能にする。これにより、受信ノードは遠く離れた送信ノードと通信することができ、ノードの通信範囲を最大化することができる。各サイクルの残余の期間では、ノードはベースモードよりもはるかに高いビットレートで動作するように構成できる。これにより、通信効率がさらに向上する。
【0014】
図1は、本開示の或る態様に係る、ノードが時分割スケジュールに従って異なる通信モード間で切り替えてデータパケットを送受信する例示的なネットワーク100を示す。
図1に示すネットワーク100は、(本明細書では、個別にノード112と呼ぶことも、ノード112と総称することもある)複数のノード112A~112Hを含む。ネットワーク100は、無線周波数(RF)メッシュネットワーク(IEEE802.15.4ネットワークなど)、Wi-Fiネットワーク、セルラーネットワーク、イーサネット、電力線搬送ネットワーク、または任意の他の有線または無線ネットワークであり得る。これに対応して、ノード112は、RF無線機、コンピュータ、モバイルデバイス、電力線ネットワークデバイス、またはネットワーク100上の他のデバイスと直接通信できる他のタイプのデバイスとすることができる。
【0015】
ネットワーク100がメッシュネットワークである例では、ノード112は、ノードのそれぞれの配置された位置からデータを収集するための測定ノード、ノードに利用可能なデータを処理するための処理ノード、あるノードから受信したデータをネットワーク100内の別のノードに転送するためのルータノード、またはこれらの機能の組み合わせを実行するように構成されたノードを含むことができる。ノード112はさらに、ノード112間でメッセージまたはデータを交換できるように、互いに通信するように構成される。
【0016】
一実施例では、ネットワーク100は、ユーティリティ・ネットワークなどの資源分配ネットワークに関連付けられ、資源分配ネットワークで得られた測定データを配信することができる。この例では、ノード112は、電力メータ、ガスメータ、水道メータ、蒸気メータなどのメータを含むことができ、リソース分配ネットワークのさまざまな動作特性を測定し、収集されたデータをネットワーク100を介して、たとえば(本明細書では、個別にルートノード114と呼ぶことも、まとめてルートノード114と呼ぶこともできる)ルートノード114Aおよび114Bに送信するように実装される。
【0017】
ネットワーク100のルートノード114は、ノード112を管理し、ノード112からデータを収集し、データをヘッドエンドシステム104に転送するなどの動作を実行するために、ノード112と通信するように構成され得る。ルートノード114は、それ自体がデータを測定および処理するノードとして機能するように構成することもできる。ルートノード114は、パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)コーディネータ、ゲートウェイ、またはヘッドエンドシステム104と通信可能な他の任意のデバイスであってもよい。ルートノード114は、最終的に、生成および収集されたデータを、(
図1には示されていない)1つまたは複数の追加ネットワークを介してヘッドエンドシステム104に送信する。ヘッドエンドシステム104は、ルートノード114からデータまたはメッセージのストリームを受信する中央処理システムとして機能することができる。ヘッドエンドシステム104は、収集されたデータを処理するか、または収集されたデータを様々なアプリケーションのために処理させることができる。
【0018】
ネットワーク100のノードが互いに通信するために、各ノードは、1つまたは複数の通信モードをサポートするように構成される。例えば、ノード112は、様々なデータレートでFSKをサポートするように構成される場合がある。別のノードは、異なる変調および符号化方式(MCS)レベルでFSKおよびOFDMの両方をサポートするように構成される場合がある。ノード112およびルートノード114を含むネットワーク100の異なるノードは異なるように構成されることがあるため、通信モードをサポートするそれらの能力は異なることがある。そのため、ネットワーク内の各ノードは、共通の基本通信モードで構成される。
【0019】
いくつかの例では、基本モードは、配置の能力によって決定される。たとえば、ノードの配置には、新しくて能力の高いノードと並んで、古くて能力の低いノードが含まれる場合がある。この場合、ネットワークの基本モードは、FSK変調など、古いノードがサポートできるモードとすることができる。新しいOFDM対応ノードは、FSKベースモードをマルチキャストメッセージに使用し、モード切り替え動作を開始することができる。さらに、この配備では、ノードが強化された能力を持つという肯定的な確認をそのノードから受信するまで、そのノードはネットワークに参加し、ベースノードをサポートするために必要な最小限の能力を持つと仮定することができる。一例では、この情報はIEEE802.15.4規格で定義された情報要素を使用して共有することができる。さらなる例では、ノード112のベースモードは、サポートされる通信モードの中で、サポートされる通信モードの大部分よりも長い通信範囲を有するモード、例えば、最も長い通信範囲を有するモードとして選択される。
【0020】
一対のノードが互いに通信するために、本明細書では 「送信ノード」とも呼ばれるデータを送信するノードは、データパケット122A、122B、・・・、または122Hが、本明細書では「受信ノード」とも呼ばれる他方のノードに正常に送信されるように、通信モードを決定する。データパケット122A~122Hは、本明細書では、個々にデータパケット122と称されるか、または集合的にデータパケット122と称されることがある。本開示のいくつかの態様によれば、選択された通信モードはまた、受信ノードがデータパケット122を受信したことを確認するために、確認応答パケットを送信ノードに正常に送り返すために、受信ノードによって使用され得る。いくつかの例では、受信ノードは、それぞれが複数の物理層構成をサポートするダイバーシティ受信機である。データパケット122を正しく受信して処理するために、送信ノードと受信ノードは、同じ時分割スケジュールに従って、サポートされる複数の通信モード間を切り替える。その結果、送信ノードと受信ノードは、送信発生時に対応する時分割に指定された通信モードを使用して直接通信することができる。時分割スケジュールに従った通信モードを使用してデータパケットを送受信することに関する追加の詳細は、
図2~
図6に関して後述する。
【0021】
本明細書で説明する時分割スケジュールに基づくデータパケットの通信は、ノード112、ルートノード114、またはネットワークの他のノードと通信可能なネットワーク100の他のノードを含む、ネットワーク100の任意のノードによって利用できることを理解されたい。さらに、
図1は特定のネットワークトポロジ(例えば、DODAGツリー)を描いているが、他のネットワークトポロジも可能である(例えば、リングトポロジ、メッシュトポロジ、スタートポロジなど)。
【0022】
ここで
図2を参照すると、
図2は、本開示の或る態様に係る、キャリアセンス多重アクセス(CSMA)プロトコルに従って、時分割スケジュールに基づいて、データパケットを送受信するように構成された送信ノードおよび受信ノードの態様を示す。
図1に示す例では、送信ノード202は、ノード112、ルートノード114、またはネットワーク内の別のノードと通信可能なネットワーク100の任意の他のノードであり得る。受信ノード212は、送信ノード202の近傍、すなわち、送信ノード202が直接通信できるネットワーク100内の任意のノードである。
【0023】
送信ノード202は、送信ノード202が選択された通信モードを使用して受信ノード212との通信を正常に完了できるように、通信モードを選択するように構成されたモード選択モジュール204を含むことができる。いくつかの例では、送信ノード202は、送信ノード202および受信ノード212の通信条件に基づいて通信モードを決定する。通信条件は、データパケット122を送信するために使用される送信電力、送信ノード202と受信ノード212との間の経路損失(すなわち、送信信号が通信経路を伝搬する際の電力減衰)、受信ノード212におけるSNR要件、受信ノード212において観測されるノイズフロアなどを含むが、これらに限定されない様々な要素を使用して記述することができる。
【0024】
送信ノード202は、受信ノード212との通信のために選択された通信モードを使用してデータパケット122を生成するように構成されたデータパケット生成モジュール206をさらに含む。データパケット生成モジュール206によって生成されるデータパケット122は、プリアンブルおよび同期データ222、ヘッダ224、およびペイロードデータ226を含み得る。プリアンブルおよび同期データ222は、同期化などの目的で受信ノード212によって利用され得る同期データが続くプリアンブル信号を含む。ヘッダ224は、データパケットの区切り文字、データユニットの長さを記述する物理層ヘッダなどのデータを含むことができる。ペイロードデータ226は、実際に意図されたメッセージを含む。
【0025】
データパケット122を送信するために、送信ノード202および受信ノード212は、ネットワーク100内のノード112の通信モードに対する時分割スケジュール214に従う。
図3は、時分割スケジュール214の一例を示す。時分割スケジュール214は、複数の時分割を含み、時分割ごとに、本明細書で「スケジュールされた通信モード」とも称する、ノード112の通信モードを指定する。例えば、第1の時分割302A(すなわち、時間0~3ミリ秒)の間、ネットワーク100内のノード112は、通信モード2-FSK 10kbpsを使用する。次の時分割302B(すなわち、時間3~5.5ミリ秒)の間、ネットワーク100内のノード112は、100kbps~2.4Mbpsのデータレートをサポートする通信モードOFDMオプション1を使用する。第3の時分割302C(すなわち、時間5.5~8.5ミリ秒)の間に、通信モードは2-FSK 10kbpsに切り替わる。次の時分割も同じパターンを繰り返す。2-FSKおよびOFDMオプション1は、時分割スケジュール214に含めることができる通信モードの例として使用されており、限定するものとして解釈されるべきではないことを理解されたい。IEEE 802.15.4 SUN O-QPSKなどの、他の通信モードを採用することもできる。
【0026】
図3に示す例から分かるように、時分割スケジュール214は複数のサイクルを有し、各サイクルは2つ以上の時分割を含む。各サイクルにおいて、ノード112は異なる時分割で異なる通信モードで動作する。サイクル内の時分割の持続時間は、同じであっても異なっていてもよい。いくつかの例では、時分割の持続時間は、その時分割に指定された通信モードに基づいて決定される。例えば、時分割の持続時間は、受信ノード212がプリアンブル、同期データ、およびヘッダを受信し終えるまでの時間、受信ノード212が通信モードを設定するための時間、および最大時間同期誤差の少なくとも合計となるように決定することができる。
【0027】
この方法によれば、
図3に示す時分割1の持続時間を次のように決定することができる。2-FSK 10kbpsを用いたプリアンブルの受信時間が1.6ミリ秒、受信ノード212による2-FSK 10kbpsモードのセットアップ時間が0.36ミリ秒、最大時間同期誤差が1ミリ秒の場合、時分割1の持続時間は少なくとも1.6+0.36+1≒3ミリ秒である。同様に、時分割2では、OFDMオプション1を使用してプリアンブル、同期データ、ヘッダを受信する時間は1.08ミリ秒、受信ノード212によるOFDMモードのセットアップ時間は0.29ミリ秒、最大時間同期誤差は再び1ミリ秒であり、時分割2の持続時間は少なくとも1.08+0.29+1≒2.5ミリ秒である。時分割スケジュール214は、時分割の持続時間がそれぞれの最小時間持続時間であることを示しているが、各時分割は、それぞれの最小時間持続時間よりも長い持続時間を有することができる。
【0028】
図2に戻って、送信ノード202は、現在の時分割の通信モードを使用して、生成されたデータパケット122を受信ノード212に送信する。現在の時分割の通信モードが、モード選択モジュール204によって決定された選択された通信モードと一致しない場合、送信ノード202は、例えば、通信モードが選択された通信モードと一致する将来の時分割まで待つことができる。例えば、モード選択モジュールによって選択された通信モードがOFDMオプション1であり、現在の時分割の通信モードが2-FSK 10kbpsである場合、送信ノード202は、通信モードがOFDMオプション1である次の時分割まで待って、その通信モードでデータパケット122の送信を開始することができる。
【0029】
前述のように、受信ノード212も時分割スケジュール214に従って通信モードを切り替える。ある時点で、受信ノード212は現在の時分割の通信モードで動作し、ネットワーク100内のトラフィックを待ち受ける。受信ノード212が現在の時分割内でデータパケット122のプリアンブルおよび同期データ222とヘッダ224を検出しない場合、受信ノード212は次の時分割の通信モードに切り替え、ネットワーク100上のトラフィックをリッスンし続ける。現在の時分割で、受信ノード212がデータパケット122のプリアンブルおよび同期データ222とヘッダ224を検出した場合、受信ノード212は現在の通信モードを使用してペイロードデータ226を含むデータパケット122の残余のデータを受信し続ける。受信ノード212がデータパケット122の受信を終えると、データパケット122は時分割スケジュール214に基づいて現在の時分割を決定し、現在の時分割で指定された通信モードに切り替えてネットワークトラフィックを待ち受ける。
【0030】
ここで
図4Aおよび4Bを参照すると、標準のIEEE 802.15.4モードスイッチ機構と、本明細書で示す時分割モードスイッチ機構が比較されている。
図4Aは、標準のIEEE 802.15.4モードスイッチ通信機構に従って、受信ノードで受信したデータ、受信ノードのモード、および受信ノードが異なる時間帯に実行した操作の例を示す図である。
図4Bは、受信ノードで受信したデータ、受信ノードのモード、および時分割スケジュールに基づいて受信ノードが実行する操作を、本開示の或る態様に従って示している。
【0031】
図4Aに示す標準のIEEE 802.15.4モードスイッチ機構は、各データパケットに追加されたモードスイッチヘッダを使用して、送信ノードによって選択された通信モードを通信する。そのため、通信モードが検出されたオーバーヘッド期間T0の間、標準のIEEE 802.15.4モードスイッチ機構を使用する受信ノードは、ベースモードで動作してモードスイッチヘッダを受信した後、モードスイッチヘッダを処理して、送信ノードが使用する通信モードを特定する。通信モードが決定されると、受信ノードは決定された通信モードに切り替えて、データパケット内の、プリアンブルおよび同期データ、ヘッダ、並びに、残りのデータを受信して処理する。この通信後、受信ノードはベースモードに戻る。
【0032】
比較すると、本明細書で示す時分割モード切り替え機構では、受信ノード212が送信ノード202と同じ時分割スケジュール214で動作するため、受信ノード212と送信ノード202の通信モードが同期している(受信ノード212と送信ノード202の同期エラーを省略)。そのため、送信ノード202がデータパケット122を送信する場合、送信ノード202と受信ノード212の通信モードは同じになる。これにより、受信ノード212は、データパケット122の通信モードを事前に決定することなく、データパケット122を直接受信することができる。これにより、標準のIEEE 802.15.4モードスイッチ機構におけるオーバーヘッド期間T0がなくなる。その結果、本明細書で提案する技術によって通信効率を大幅に向上させることができる。
【0033】
ただし、送信ノード202により選択された通信モードが時分割スケジュール214で指定された通信モードのどれとも一致しない場合がある。例えば、選択された通信モードは2-FSK 100kbpsであり、
図3の時分割スケジュール214で指定されたすべての通信モードとは異なる。その場合、送信ノード202は、モードスイッチヘッダ機構を使用して、選択された通信モードを受信ノード212に通知できる。具体的には、送信ノード202は、2-FSK 10kbpsモードなど、現在の時分割の時分割スケジュール214で指定された通信モードで動作しながら、選択された通信モードを示すモードスイッチヘッダを生成して送信することができる。その後、送信ノード202は選択された通信モードに切り替え、データパケット122の残りを選択された通信モードで送信することができる。
【0034】
受信ノード212は、現在の時分割でスケジュールされた通信モードで動作している間、モードスイッチヘッダを受信し、データパケット122の選択された通信モードを決定することができる。選択された通信モードが決定されると、受信ノード212は選択された通信モードに切り替え、データパケット122を受信して処理することができる。このシナリオを
図4Cに示す。
図4Cのシナリオの通信効率は、
図4Aに示した標準のIEEE 802.15.4モードスイッチ機構の通信効率と類似しているが、このシナリオは、送信ノード202によって選択された通信モードが時分割スケジュール214で指定された通信モードと一致しない場合にのみ発生する。したがって、提案した技術の全体的な通信効率は、標準のIEEE 802.15.4モードスイッチ機構よりもまだはるかに高い。
【0035】
図5は、本開示の或る態様に係る、受信ノードがデータパケットを受信して処理するプロセス500の例である。ネットワーク100の一つ以上のノード(例えば、ノード112またはルートノード114)は、受信ノードとして動作するときに適切なプログラムコードを実行することによって、
図5に示す動作を実装する。説明のために、図に示されている特定の例を参照してプロセス500を記述する。しかし、他の実装も可能である。
【0036】
ブロック502で、プロセス500は、受信ノード212が、時分割スケジュール214に従って、(分割インデックスiの)現在の時分割のスケジュールされた通信モードで着信トラフィックをリッスンすることを含む。ブロック504で、プロセス500は、パケット信号が検出されたかどうかを決定する受信ノード212を含む。通信モードに応じて、受信ノード212は、プリアンブル、同期データ、および/またはヘッダの検出に基づいて信号が検出されたことを決定できる。例えば、現在のスケジュールされた通信モードがFSKモードの場合、受信ノード212は、データパケットのプリアンブルが検出されたときに信号が検出されたことを決定できる。現在のスケジュールされた通信モードがOFDMモードの場合、受信ノード212は、プリアンブル、同期データ、およびデータパケットのヘッダが検出されたときに信号が検出されたことを決定できる。他の例では、受信ノード212は、現在のスケジュールされた通信モードがOFDMモードの場合に、データパケットのプリアンブルまたは同期データが検出されたならば、信号が検出されたことを決定できる。受信ノード212がパケット信号が検出されないことを決定するならば、プロセス500はブロック506に進み、現在の時分割iが満了するかどうかを決定する。そうでない場合、送信ノード202はスケジュールされた通信モードで着信トラフィックをリッスンし続ける。ブロック506で、受信ノード212が現在の時分割が期限切れになったことを決定するならば、プロセス500は次の時分割のスケジュールされた通信モードに切り替え、時分割インデックスiを1増やすことを含む。その後、受信ノード212は新しいスケジュールされた通信モードを使用して着信トラフィックをリッスンし続ける。
【0037】
ブロック504で、受信ノード212がパケット信号が検出されたことを決定するならば、プロセス500はブロック510に進む。ブロック510で、受信ノード212は現在のスケジュールされた通信モードでデータパケット122の残りを受信し続ける。この受信プロセスは複数の時分割にまたがる場合がある。ブロック512で、プロセス500は、受信ノード212がデータ受信が完了したかどうかを決定することを含む。そうでない場合、受信ノード212はブロック510でデータパケット122を受信し続ける。受信が完了した場合、プロセス500は、受信ノード212がブロック514で時分割スケジュール214に従って現在の時分割を決定し、それに応じて時分割インデックスiを設定することを含む。プロセス500では、受信ノード212がブロック516で現在の時分割のスケジュールされた通信モードに切り替え、ブロック502でそのモードを使用して着信トラフィックをリッスンする。
【0038】
次に
図6に移り、時分割スケジュールに従ってデータパケットを送信するプロセス600の例を示す。ネットワーク100の1つ以上のノード(例えば、ノード112またはルートノード114)は、送信ノードとして動作するときに適切なプログラムコードを実行することによって、
図6に示す動作を実装する。説明のために、プロセス600は、図に示されている特定の例を参照して説明される。しかし、他の実装も可能である。
【0039】
ブロック601で、プロセス600は送信ノード202がデータ送信要求を受信することを含む。ブロック602において、プロセス600は、送信ノード202が時分割スケジュール214に基づいて、来るべき時分割を決定することを含む。ブロック604で、プロセス600は、送信ノード202が、次の時分割のスケジュールされた通信モードが、データパケット122の選択された通信モードと一致するかどうかを決定することを含む。
図2について詳細に説明したように、送信ノード202は、送信ノード202と受信ノード212の通信状況に基づいて、モード選択モジュール204を使用してデータパケット122の送信モードを決定することができる。スケジュールされた通信モードが選択された通信モードと一致しない場合、送信ノード202は、ブロック612で次の時分割を待機し、ブロック602の操作を繰り返して、次の時分割のスケジュールされた通信モードを決定する。
【0040】
ブロック604で、送信ノード202が、スケジュールされた次の通信モードが選択された通信モードと一致することを決定するならば、プロセス600は、ブロック606で、送信ノード202が送信前操作を実行することを含む。これらの操作には、たとえば、チャネルが伝送に使用可能かどうかを決定するためのクリアチャネルアセスメント(CCA)の実行が含まれる。送信前操作には、データパケットの送信を開始する前に送信ノード202が実行する必要がある他の操作も含まれる場合がある。ブロック608で、プロセス600は、次の時分割が到着したとき(すなわち、次の時分割に入る時刻が到来したとき)に、スケジュールされた通信モードを使用してデータを送信することを含む。送信は、スケジュールされた通信モードを使用した送信の設定と、最大時間同期誤差期間の待機とを含み得る。ネットワーク100内のノード112は、随時クロックを同期させる。しかし、同期エラーが発生し、ノード112のクロックが互いに一定のオフセットを持つことがある。最大時間同期誤差期間は、ノード112間の同期誤差の最大時間を表す。最大時間同期誤差期間を待機することで、送信ノード202と受信ノード212の間に同期誤差があっても、データパケット122を送信しているときに受信ノード212が正しい通信モードになる。その後、送信ノード202は、現在の時分割のスケジュールされた通信モードでデータパケット122を送信する。
【0041】
図6では、スケジュールされた通信モードが選択された通信モードと一致しない場合、送信ノード202は次の時分割を待つが、他の例では、送信ノード202は、選択された通信モードと一致しなくても、スケジュールされた通信モードを使用して送信する場合がある。たとえば、送信ノードと受信ノードの両方がスケジュールされた通信モードをサポートしている場合、送信ノードは次の一致する時分割を待つのではなく、次の時分割で送信することを選択できる(実行が速い場合)。これにより、待ち時間を回避できる。
【0042】
なお、時分割スケジュール214において、選択された通信モードが少なくとも一つのスケジュールされた通信モードと一致する場合には、
図6に示すプロセス例を採用してもよい。選択された通信モードが時分割スケジュール214のスケジュールされた通信モードのどれとも一致しない場合、送信ノード202は、前述のようにスイッチヘッダーを使用して、選択された通信モードを示すことができる。
【0043】
図3に示されている時分割スケジュール214は説明目的のみであり、制限と解釈すべきではないことを理解すべきである。時分割スケジュール214の構築には、他にも様々な方法が利用できる。たとえば、時分割スケジュール214は、サイクル内に複数の時分割を持つことができる。時分割スケジュール214の少なくとも一つの通信モードをベースモードまたは別の長距離低データレートモードに設定する。時分割スケジュール214では、少なくとも一つの通信モードが最もデータレートの高い通信モードに設定されている。一部の実装では、時分割スケジュール214に含まれる通信モードは、ネットワーク100内のノード112が使用する通信モードに基づいて決定することができる。例えば、時分割スケジュール214は、過去の通信に基づいてノード112がよく使用していた通信モードを含むように設定することができる。さらに、本明細書で示す時分割モード切り替えメカニズムは、CSMAメディアアクセスコントロール(MAC)プロトコルまたは時間同期チャネルホッピング(TSCH)プロトコルなどの他のMACプロトコルを使用して実装できる。
【0044】
一部のシナリオでは、ネットワーク100上のすべてのノード112が、本明細書で説明する時分割モードスイッチメカニズムを実装しているわけではない。これらのシナリオでは、(非準拠ノードとも呼ばれる)時分割モード切り替えメカニズムを実装していないノード112は、時分割スケジュール214を認識せず、代わりにモードスイッチヘッダに依存して、選択された通信モードをネットワーク100内の受信ノードに通知する場合がある。これには、(準拠ノードとも呼ばれる)時分割モード切り替えメカニズムを実装するノードが最初にネットワークに参加し、時分割スケジュール214を取得していない場合のシナリオも含まれる。準拠ノード112が非準拠ノードと通信できるようにするために、データパケット122のプリアンブルは、プリアンブルが送信されている時の時分割スケジュール214のサイクル内で受信準拠ノードがどこで動作していても、完全なプリアンブル検出期間を含むのに十分な長さに増やすことができる。たとえば、プリアンブルの持続時間は、少なくとも時分割スケジュール214のサイクルに、ベースモードのデータパケットのプリアンブルを検出するための期間を加えたものと決定できる。このように、準拠ノードは、非準拠ノードからデータパケット122を受信すると、プリアンブル、つまりモードスイッチヘッダを検出し、データパケット122の選択された通信モードを決定できる。別の例では、プリアンブルの長さを、90%など、時分割スケジュール214の1サイクルに近いが短いように設定できる。この設定は、通信プロトコルのリトライ機構とともに使用して、受信ノードがプリアンブルを受信し、正しい通信モードを決定できるようにする。
【0045】
例示のノード
【0046】
図7は、ノード112またはルートノード114など、本明細書で説明するモードスイッチ機構を実装するために使用できる例示のノード700を示している。ノード700は、それぞれバス710を介して通信的に結合されたプロセッサ702、メモリ704、およびトランシーバデバイス720を含むことができる。ノード700のコンポーネントは、A/C電源、またはバッテリなどの低エネルギ源から、電力を供給することができる(但し、図には示されていない)。トランシーバデバイス720は、他のノードと通信するためのアンテナ708を含むことができる(または通信的に結合される)。いくつかの例では、トランシーバ装置は無線で信号を送受信するための無線周波数(「RF」)トランシーバである。
【0047】
プロセッサは、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、ステートマシン、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)またはその他の適切なコンピューティングデバイスを含むことができる。プロセッサは、任意の数のコンピューティングデバイスを含めることができ、メモリ704などのコンピュータ可読メディアに通信的に結合することができる。プロセッサ702は、コンピュータ実行可能プログラム命令を実行したり、メモリに格納された情報にアクセスしたりして、本明細書で説明する時分割スケジュール214のような操作を実行することができる。命令は、任意の適切なコンピュータプログラミング言語で書かれたコードから、コンパイラおよび/またはインタプリタによって生成されたプロセッサ固有の命令を含むことができる。命令が実行されると、本明細書で説明する操作のいずれかを実行するようにノード700を設定できる。プロセッサ、メモリ、バス、およびトランシーバ装置は、互いに通信する別々のコンポーネントとして
図7に示されているが、他の実装も可能である。本明細書で説明するシステムおよびコンポーネントは、特定のハードウェアアーキテクチャまたは構成に限定されない。
【0048】
一般的考慮事項
【0049】
本発明の要旨を完全に理解するために、多数の具体的な詳細を本明細書に記載している。しかしながら、当業者は、本発明の要旨がこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることを理解するであろう。他の例では、通常の技術者であれば知っているであろう方法、装置またはシステムが、本発明の要旨を不明瞭にしないように、詳細に説明されていない。
【0050】
本明細書で説明する機能は、特定のハードウェアアーキテクチャまたは構成に限定されない。コンピューティングデバイスは、1つ以上の入力を条件とした結果を提供するコンポーネントの任意の適切な配置を含むことができる。適切なコンピューティングデバイスには、汎用コンピューティング装置から本発明の要旨の1つ以上の態様を実装する特殊なコンピューティング装置まで、コンピューティングシステムをプログラムまたは構成する、格納されたソフトウェア(すなわち、コンピュータシステムのメモリに格納されたコンピュータ可読命令)にアクセスする多目的マイクロプロセッサベースのコンピュータシステムが含まれる。任意の適切なプログラミング、スクリプティング、またはその他のタイプの言語または言語の組み合わせは、コンピューティングデバイスのプログラミングまたは構成に使用されるソフトウェアに本明細書に含まれる教示を実装するために使用できる。
【0051】
本明細書に開示する方法の態様は、そのようなコンピューティングデバイスの操作において実行することができる。上記の例で示されているブロックの順序は、さまざまに変更できる。たとえば、ブロックを並べ替えたり、組み合わせたり、サブブロックに分割したりできる。特定のブロックまたはプロセスを並行して実行できる。
【0052】
本明細書での「適合する」または「構成された」の使用は、追加のタスクまたはステップを実行するように適合された、又は構成されたデバイスを締め出さない、オープンで包括的な言語を意味する。さらに、「に基づく」の使用は、開かれた包括的なものであることを意味しており、プロセス、ステップ、計算、またはその他のアクションが、1つ以上の引用された条件または値に「基づく」場合、実際には、引用された条件または値を超える追加の条件または値に基づく場合がある。本明細書に記載する見出し、リスト、および番号付けは、説明を容易にするためのものであり、制限するものではない。
【0053】
本発明の要旨は、その特定の態様に関して詳細に説明されているが、当業者は、前述の理解を得ると、そのような態様に対する変更、バリエーション、および同等のものを容易に作成できることが認められる。したがって、本開示は、限定ではなく例示を目的として提示されたものであり、当業者であれば容易に理解できるような、本発明の要旨に対する修正、変形、および/または追加を含めることを妨げるものではないことを理解すべきである。
【国際調査報告】