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特表2024-503881コンテキストアウェアエクステンデッドリアリティシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-29
(54)【発明の名称】コンテキストアウェアエクステンデッドリアリティシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04845 20220101AFI20240122BHJP
【FI】
G06F3/04845
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543354
(86)(22)【出願日】2021-12-01
(85)【翻訳文提出日】2023-07-19
(86)【国際出願番号】 US2021072680
(87)【国際公開番号】W WO2022164586
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】17/159,955
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ターツ、ロバート
(72)【発明者】
【氏名】キース、ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ゲスト、ダニエル・ジェームズ
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA74
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC08
5E555BE17
5E555CB69
5E555CB70
5E555CB78
5E555CB81
5E555DA21
5E555DC19
5E555DC25
5E555DC36
5E555EA05
5E555EA22
5E555FA00
(57)【要約】
エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツを動的に調整するための技法およびシステムが提供される。いくつかの例では、システムは、エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツによるエクステンデッドリアリティシステムのユーザの注意散漫のレベルを決定する。本システムは、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルを超えるのかそれよりも小さいのかを決定し、ここで、注意散漫のしきい値レベルは、ユーザが位置する現実世界環境に関連する1つまたは複数の環境ファクタに少なくとも部分的に基づいて決定される。本システムはまた、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルを超えるのかそれよりも小さいのかの決定に基づいて、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性を調整する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツを調整するための装置であって、前記装置が、
メモリと、
前記メモリに結合されたプロセッサと
を含み、前記プロセッサは、
エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツによる前記エクステンデッドリアリティシステムのユーザの注意散漫のレベルを決定することと、
前記仮想コンテンツによる前記ユーザの注意散漫の前記レベルが注意散漫のしきい値レベルを超えるのかそれよりも小さいのかを決定することと、注意散漫の前記しきい値レベルが、前記ユーザが位置する現実世界環境に関連する1つまたは複数の環境ファクタに少なくとも部分的に基づいて決定される、
前記仮想コンテンツによる前記ユーザの注意散漫の前記レベルが注意散漫の前記しきい値レベルを超えるのかそれよりも小さいのかの前記決定に基づいて、前記仮想コンテンツの1つまたは複数の特性を調整することと
を行うように構成された、装置。
【請求項2】
前記プロセッサが、少なくとも部分的に、前記ユーザと前記仮想コンテンツとの間の関与のレベルを決定することによって、前記エクステンデッドリアリティシステムによって提供された前記仮想コンテンツによる前記エクステンデッドリアリティシステムの前記ユーザの注意散漫の前記レベルを決定するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プロセッサが、少なくとも部分的に、前記ユーザの1つまたは複数の物理的挙動を監視することによって、前記ユーザと前記仮想コンテンツとの間の関与の前記レベルを決定するように構成された、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ユーザの前記1つまたは複数の物理的挙動は、前記ユーザが焦点を合わせている仮想物体および物理的物体のうちの少なくとも1つを示す、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記プロセッサが、少なくとも部分的に、前記エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイ内の前記仮想コンテンツの突出性を決定することによって、前記エクステンデッドリアリティシステムによって提供された前記仮想コンテンツによる前記エクステンデッドリアリティシステムの前記ユーザの注意散漫の前記レベルを決定するように構成され、高い突出性が、注意散漫の高いレベルに関連する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記プロセッサが、少なくとも部分的に、前記仮想コンテンツのオーディオのボリューム、前記仮想コンテンツのサイズ、前記仮想コンテンツのタイプ、前記仮想コンテンツの輝度、前記仮想コンテンツの透過性、前記仮想コンテンツの移動のレベル、前記仮想コンテンツの1つまたは複数の色特性、前記仮想コンテンツの振動強度、前記仮想コンテンツの振動数、前記仮想コンテンツの振動持続時間、前記仮想コンテンツによって占有される視野、前記仮想コンテンツの視覚深度、および前記仮想コンテンツの位置のうちの少なくとも1つを決定することによって、前記エクステンデッドリアリティシステムの前記ディスプレイ内の前記仮想コンテンツの前記突出性を決定するように構成された、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記1つまたは複数の環境ファクタが、前記現実世界環境内の物理的物体を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記1つまたは複数の環境ファクタが、前記エクステンデッドリアリティシステムの前記ユーザと人との間の対話を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記プロセッサが、前記1つまたは複数の環境ファクタの重要性のレベルを決定することに少なくとも部分的に基づいて、注意散漫の前記しきい値レベルを決定するように構成され、注意散漫の低いしきい値レベルが、前記1つまたは複数の環境ファクタの重要性の高いレベルに関連する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記ユーザに対する高い安全上のリスクをもつ環境ファクタが、重要性の高いレベルに関連する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記仮想コンテンツによる前記ユーザの注意散漫の前記レベルが注意散漫の前記しきい値レベルを超えると決定することと、
前記仮想コンテンツによる前記ユーザの注意散漫の前記レベルが注意散漫の前記しきい値レベルを超えることに基づいて、前記エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイを介して、前記1つまたは複数の環境ファクタの指示を出力することによって、前記仮想コンテンツの前記1つまたは複数の特性を調整することと
を行うように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記仮想コンテンツによる前記ユーザの注意散漫の前記レベルが注意散漫の前記しきい値レベルを超えると決定することと、
前記仮想コンテンツによる前記ユーザの注意散漫の前記レベルが注意散漫の前記しきい値レベルを超えることに基づいて、前記エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイ内の前記仮想コンテンツの突出性を減少させることによって、前記仮想コンテンツの前記1つまたは複数の特性を調整することと
を行うように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、
前記仮想コンテンツによる前記ユーザの注意散漫の前記レベルが注意散漫の前記しきい値レベルよりも小さいと決定することと、
前記仮想コンテンツによる前記ユーザの注意散漫の前記レベルが注意散漫の前記しきい値レベルよりも小さいことに基づいて、前記エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイ内の前記仮想コンテンツの突出性を増加させることによって、前記仮想コンテンツの前記1つまたは複数の特性を調整することと
を行うようにさらに構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、
前記調整された1つまたは複数の特性をもつ前記仮想コンテンツによる前記エクステンデッドリアリティの前記ユーザの注意散漫の更新されたレベルを決定することと、
前記現実世界環境に関連する1つまたは複数の更新された環境ファクタに少なくとも部分的に基づいて、注意散漫の更新されたしきい値レベルを決定することと、前記1つまたは複数の更新された環境ファクタが、前記1つまたは複数の環境ファクタとは少なくとも部分的に異なる、
を行うようにさらに構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、
前記調整された1つまたは複数の特性をもつ前記仮想コンテンツによる前記ユーザの注意散漫の前記更新されたレベルが、注意散漫の前記更新されたしきい値レベルを超えると決定することと、
注意散漫の前記更新されたレベルが注意散漫の前記更新されたしきい値レベルを超えるという前記決定に基づいて、前記仮想コンテンツの前記1つまたは複数の特性をさらに調整することと、ここにおいて、前記仮想コンテンツの前記1つまたは複数の特性をさらに調整することが、前記エクステンデッドリアリティシステムによって提供された前記仮想コンテンツの突出性を減少させる、
を行うようにさらに構成された、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記プロセッサは、
前記調整された1つまたは複数の特性をもつ前記仮想コンテンツによる前記ユーザの注意散漫の前記更新されたレベルが、注意散漫の前記更新されたしきい値レベルよりも小さいと決定することと、
注意散漫の前記更新されたレベルが注意散漫の前記更新されたしきい値レベルよりも小さいと決定したことに基づいて、前記仮想コンテンツの前記1つまたは複数の特性をさらに調整することと、ここにおいて、前記仮想コンテンツの前記1つまたは複数の特性をさらに調整することが、前記エクステンデッドリアリティシステムによって提供された前記仮想コンテンツの突出性を増加させる、
を行うようにさらに構成された、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツを調整するための方法であって、前記方法は、
エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツによる前記エクステンデッドリアリティシステムのユーザの注意散漫のレベルを決定することと、
前記仮想コンテンツによる前記ユーザの注意散漫の前記レベルが注意散漫のしきい値レベルを超えるのかそれよりも小さいのかを決定することと、注意散漫の前記しきい値レベルが、前記ユーザが位置する現実世界環境に関連する1つまたは複数の環境ファクタに少なくとも部分的に基づいて決定される、
前記仮想コンテンツによる前記ユーザの注意散漫の前記レベルが注意散漫の前記しきい値レベルを超えるのかそれよりも小さいのかの前記決定に基づいて、前記仮想コンテンツの1つまたは複数の特性を調整することと
を備える、方法。
【請求項18】
前記エクステンデッドリアリティシステムによって提供された前記仮想コンテンツによる前記エクステンデッドリアリティシステムの前記ユーザの注意散漫の前記レベルを決定することが、前記ユーザと前記仮想コンテンツとの間の関与のレベルを決定することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも部分的に、前記ユーザの1つまたは複数の物理的挙動を監視することによって、前記ユーザと前記仮想コンテンツとの間の関与の前記レベルを決定することをさらに備える、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ユーザの前記1つまたは複数の物理的挙動は、前記ユーザが焦点を合わせている仮想物体および物理的物体のうちの少なくとも1つを示す、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記エクステンデッドリアリティシステムによって提供された前記仮想コンテンツによる前記エクステンデッドリアリティシステムの前記ユーザの注意散漫の前記レベルを決定することが、前記エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイ内の前記仮想コンテンツの突出性を決定することを含み、高い突出性が、注意散漫の高いレベルに関連する、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記エクステンデッドリアリティシステムの前記ディスプレイ内の前記仮想コンテンツの前記突出性を決定することが、前記仮想コンテンツのオーディオのボリューム、前記仮想コンテンツのサイズ、前記仮想コンテンツのタイプ、前記仮想コンテンツの輝度、前記仮想コンテンツの透過性、前記仮想コンテンツの移動のレベル、前記仮想コンテンツの1つまたは複数の色特性、前記仮想コンテンツの振動強度、前記仮想コンテンツの振動数、前記仮想コンテンツの振動持続時間、前記仮想コンテンツの視野、前記仮想コンテンツの視覚深度、および前記仮想コンテンツの位置のうちの少なくとも1つを決定することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記1つまたは複数の環境ファクタが、前記現実世界環境内の物理的物体を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記1つまたは複数の環境ファクタが、前記エクステンデッドリアリティシステムの前記ユーザと人との間の対話を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記1つまたは複数の環境ファクタの重要性のレベルを決定することに少なくとも部分的に基づいて、注意散漫の前記しきい値レベルを決定することをさらに備え、注意散漫の低いしきい値レベルが、前記1つまたは複数の環境ファクタの重要性の高いレベルに関連する、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
前記ユーザに対する高い安全上のリスクをもつ環境ファクタが、重要性の高いレベルに関連する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記ユーザの注意散漫の前記レベルが注意散漫の前記しきい値レベルを超えると決定することをさらに備え、ここにおいて、前記仮想コンテンツの前記1つまたは複数の特性を調整することが、前記エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイを介して、前記1つまたは複数の環境ファクタの指示を出力することを含む、
請求項17に記載の方法。
【請求項28】
前記ユーザの注意散漫の前記レベルが注意散漫の前記しきい値レベルを超えると決定することをさらに備え、ここにおいて、前記仮想コンテンツの前記1つまたは複数の特性を調整することが、前記エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイ内の前記仮想コンテンツの突出性を減少させることを含む、
請求項17に記載の方法。
【請求項29】
前記ユーザの注意散漫の前記レベルが注意散漫の前記しきい値レベルよりも小さいと決定することをさらに備え、ここにおいて、前記仮想コンテンツの前記1つまたは複数の特性を調整することが、前記エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイ内の前記仮想コンテンツの突出性を減少させることを含む、
請求項17に記載の方法。
【請求項30】
前記調整された1つまたは複数の特性をもつ前記仮想コンテンツによる前記エクステンデッドリアリティシステムの前記ユーザの注意散漫の更新されたレベルを決定することと、
前記現実世界環境に関連する1つまたは複数の更新された環境ファクタに少なくとも部分的に基づいて、注意散漫の更新されたしきい値レベルを決定することと、前記1つまたは複数の更新された環境ファクタが、前記1つまたは複数の環境ファクタとは少なくとも部分的に異なる、
をさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項31】
前記調整された1つまたは複数の特性をもつ前記仮想コンテンツによる前記ユーザの注意散漫の前記更新されたレベルが、注意散漫の前記更新されたしきい値レベルを超えると決定することと、
注意散漫の前記更新されたレベルが注意散漫の前記更新されたしきい値レベルを超えると決定したことに基づいて、前記仮想コンテンツの前記1つまたは複数の特性をさらに調整することと、ここにおいて、前記仮想コンテンツの前記1つまたは複数の特性をさらに調整することが、前記エクステンデッドリアリティシステムによって提供された前記仮想コンテンツの突出性を減少させる、
をさらに備える、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記調整された1つまたは複数の特性をもつ前記仮想コンテンツによる前記ユーザの注意散漫の前記更新されたレベルが、注意散漫の前記更新されたしきい値レベルよりも小さいと決定することと、
注意散漫の前記更新されたレベルが注意散漫の前記更新されたしきい値レベルよりも小さいと決定したことに基づいて、前記仮想コンテンツの前記1つまたは複数の特性をさらに調整することと、ここにおいて、前記仮想コンテンツの前記1つまたは複数の特性をさらに調整することが、前記エクステンデッドリアリティシステムによって提供された前記仮想コンテンツの突出性を増加させる、
をさらに備える、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
命令を記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、前記1つまたは複数のプロセッサに、
エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツによる前記エクステンデッドリアリティシステムのユーザの注意散漫のレベルを決定することと、
前記仮想コンテンツによる前記ユーザの注意散漫の前記レベルが注意散漫のしきい値レベルを超えるのかそれよりも小さいのかを決定することと、注意散漫の前記しきい値レベルが、前記ユーザが位置する現実世界環境に関連する1つまたは複数の環境ファクタに少なくとも部分的に基づいて決定される、
前記仮想コンテンツによる前記ユーザの注意散漫の前記レベルが注意散漫の前記しきい値レベルを超えるのかそれよりも小さいのかの前記決定に基づいて、前記仮想コンテンツの1つまたは複数の特性を調整することと
を行わせる、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項34】
前記仮想コンテンツの前記1つまたは複数の特性を調整することが、前記エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイ内の前記仮想コンテンツの突出性を減少させることを含む、請求項33に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、一般に、コンテキストアウェアエクステンデッドリアリティシステム(context-aware extended reality system)に関する。いくつかの例では、本開示の態様は、エクステンデッドリアリティシステム(extended reality system)が位置する現実世界環境(real world environment)の特徴に基づいて、エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツ(virtual content)を調整(adjust)することに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] エクステンデッドリアリティ技術は、エクステンデッドリアリティエクスペリエンスをユーザ(user)に提供するために、ユーザに仮想コンテンツを提示するために使用され得、および/または、物理世界からの実環境と仮想環境とを組み合わせることができる。エクステンデッドリアリティという用語は、仮想現実、拡張現実、複合現実などを包含することができる。エクステンデッドリアリティシステムは、エクステンデッドリアリティデバイス(たとえば、ヘッドマウントディスプレイ、エクステンデッドリアリティグラス、または他のデバイス)を通してユーザによって閲覧され得る現実世界環境の画像上に仮想コンテンツを重ねることによって、ユーザがエクステンデッドリアリティ環境を経験することを可能にすることができる。多くのエクステンデッドリアリティシステムの目的は、現実的な、対話型の、および完全没入型のエクステンデッドリアリティ環境を作成することであるが、エクステンデッドリアリティシステムはまた、仮想コンテンツが、ユーザにとって潜在的に危険な状況を作成しないこと、またはさもなければ、ユーザが現実世界環境と適切に対話するのを妨げないことを保証するべきである。現実世界環境の特徴に基づいて仮想コンテンツを動的に適応させるために、改善されたエクステンデッドリアリティシステムが必要とされる。
【発明の概要】
【0003】
[0003] エクステンデッドリアリティシステム内の仮想コンテンツを調整するためのシステムおよび技法が、本明細書で説明される。少なくとも1つの例によれば、エクステンデッドリアリティシステム内の仮想コンテンツを調整するための装置(apparatus)が提供される。例示的な装置は、メモリ(memory)と、(たとえば、回路において構成された)1つまたは複数のプロセッサ(processor)とを含むことができる。1つまたは複数のプロセッサは、エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツによるエクステンデッドリアリティシステムのユーザの注意散漫(distraction)のレベル(level)を決定することと、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベル(threshold level)を超えるかどうかを決定することと、注意散漫のしきい値レベルが、ユーザが位置する現実世界環境に関連する1つまたは複数の環境ファクタ(environmental factor)に少なくとも部分的に基づいて決定される、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルを超えるかどうかの決定に基づいて、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性(characteristic)を調整することとを行うように構成される。
【0004】
[0004] 別の例では、エクステンデッドリアリティシステム内の仮想コンテンツを調整するための装置が提供される。本装置は、エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツによるエクステンデッドリアリティシステムのユーザの注意散漫のレベルを決定するための手段と、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルを超えるかどうかを決定するための手段と、注意散漫のしきい値レベルが、ユーザが位置する現実世界環境に関連する1つまたは複数の環境ファクタに少なくとも部分的に基づいて決定される、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルを超えるかどうかの決定に基づいて、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性を調整するための手段とを備える。
【0005】
[0005] 別の例では、エクステンデッドリアリティシステム内の仮想コンテンツを調整するための方法が提供される。例示的な方法は、エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツによるエクステンデッドリアリティシステムのユーザの注意散漫のレベルを決定することを含むことができる。本方法は、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルを超えるのかそれよりも小さいのかを決定することをも含むことができ、注意散漫のしきい値レベルは、ユーザが位置する現実世界環境に関連する1つまたは複数の環境ファクタに少なくとも部分的に基づいて決定される。本方法は、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルを超えるのかそれよりも小さいのかの決定に基づいて、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性を調整することをさらに含む。
【0006】
[0006] 別の例では、エクステンデッドリアリティシステム内の仮想コンテンツを調整するための非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。例示的な非一時的コンピュータ可読媒体は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、1つまたは複数のプロセッサに、エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツによるエクステンデッドリアリティシステムのユーザの注意散漫のレベルを決定することと、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルを超えるのかそれよりも小さいのかを決定することと、注意散漫のしきい値レベルが、ユーザが位置する現実世界環境に関連する1つまたは複数の環境ファクタに少なくとも部分的に基づいて決定される、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルを超えるのかそれよりも小さいのかの決定に基づいて、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性を調整することとを行わせる命令を記憶することができる。
【0007】
[0007] いくつかの態様では、エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツによるエクステンデッドリアリティシステムのユーザの注意散漫のレベルを決定することは、ユーザと仮想コンテンツとの間の関与のレベル(a level of engagement)を決定することを含むことができる。いくつかの例では、ユーザと仮想コンテンツとの間の関与のレベルを決定することは、ユーザの1つまたは複数の物理的挙動(physical behavior)を監視(monitor)することを含むことができる。1つまたは複数の物理的挙動は、ユーザが焦点を合わせている仮想物体(virtual object)および物理的物体(physical object)のうちの少なくとも1つを示すことができる。追加または代替として、エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツによるエクステンデッドリアリティシステムのユーザの注意散漫のレベルを決定することは、エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイ(display)内の仮想コンテンツの突出性(prominence)を決定することを含むことができ、高い突出性(high prominence)が、注意散漫の高いレベルに関連する。いくつかの例では、エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイ内の仮想コンテンツの突出性を決定することは、仮想コンテンツのオーディオ(audio)のボリューム(volume)、仮想コンテンツのサイズ(size)、仮想コンテンツのタイプ(type)、仮想コンテンツの輝度(brightness)、仮想コンテンツの透過性(transparency)、仮想コンテンツの移動(movement)のレベル、仮想コンテンツの1つまたは複数の色特性(color characteristic)、仮想コンテンツの振動強度(vibration intensity)、仮想コンテンツの振動数(vibration frequency)、仮想コンテンツの振動持続時間(vibration duration)、仮想コンテンツの視野(a field of view)、仮想コンテンツの視覚深度(visual depth)、および仮想コンテンツの位置(position)のうちの少なくとも1つを決定することを含むことができる。
【0008】
[0008] いくつかの態様では、1つまたは複数の環境ファクタは、現実世界環境内の物理的物体を含む。いくつかの例では、1つまたは複数の環境ファクタは、エクステンデッドリアリティシステムのユーザと人(person)との間の対話(interaction)を含む。
【0009】
[0009] いくつかの態様では、注意散漫のしきい値レベルは、1つまたは複数の環境ファクタの重要性(importance)のレベルを決定することに少なくとも部分的に基づいて決定され得、ここで、注意散漫の低いしきい値レベルが、1つまたは複数の環境ファクタの重要性の高いレベルに関連する。いくつかの例では、ユーザに対する高い安全上のリスク(high safety risk)をもつ環境ファクタが、重要性の高いレベルに関連し得る。
【0010】
[0010] いくつかの例では、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルを超えるかどうかを決定することは、ユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルを超えると決定することを含む。これらの例では、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性を調整することは、エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイを介して、1つまたは複数の環境ファクタの指示を出力することを含むことができる。追加または代替として、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性を調整することは、エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイ内の仮想コンテンツの突出性を減少させることを含むことができる。
【0011】
[0011] いくつかの例では、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルを超えるかどうかを決定することは、ユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルよりも小さいと決定することを含む。これらの例では、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性を調整することは、エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイ内の仮想コンテンツの突出性を増加させることを含むことができる。いくつかの例では、調整された1つまたは複数の特性をもつ仮想コンテンツによるエクステンデッドリアリティシステムのユーザの注意散漫の更新されたレベルが決定され得る。これらの例は、現実世界環境に関連する1つまたは複数の更新された環境ファクタに少なくとも部分的に基づいて、注意散漫の更新されたしきい値レベルを決定することを含むことができ、1つまたは複数の更新された環境ファクタは、1つまたは複数の環境ファクタとは少なくとも部分的に異なる。これらの例は、調整された1つまたは複数の特性をもつ仮想コンテンツによるユーザの注意散漫の更新されたレベルが、注意散漫の更新されたしきい値レベルを超えると決定することと、注意散漫の更新されたレベルが注意散漫の更新されたしきい値レベルを超えると決定したことに基づいて、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性をさらに調整することとをも含むことができる。仮想コンテンツの1つまたは複数の特性をさらに調整することは、エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツの突出性を減少させることができる。これらの例は、調整された1つまたは複数の特性をもつ仮想コンテンツによるユーザの注意散漫の更新されたレベルが、注意散漫の更新されたしきい値レベルよりも小さいと決定することをも含むことができる。これらの例は、注意散漫の更新されたレベルが注意散漫の更新されたしきい値レベルよりも小さいと決定したことに基づいて、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性をさらに調整することをも含むことができ、ここで、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性をさらに調整することは、エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツの突出性を増加させることができる。
【0012】
[0012] いくつかの態様では、本明細書で説明される方法、装置、およびコンピュータ可読媒体は、エクステンデッドリアリティデバイス(たとえば、仮想現実デバイス、拡張現実デバイス、および/または複合現実デバイス)、モバイルデバイス(たとえば、携帯電話またはいわゆる「スマートフォン」または他のモバイルデバイス)、ウェアラブルデバイス、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、サーバコンピュータ、または他のデバイスを含み、その一部であり、および/またはそれによって実装され得る。いくつかの態様では、装置は、1つまたは複数の画像をキャプチャするための1つまたは複数のカメラを含む。いくつかの態様では、装置は、1つまたは複数の画像、通知、および/または他の表示可能なデータを表示するためのディスプレイを含む。いくつかの態様では、上記で説明された装置は、1つまたは複数のセンサー(たとえば、1つまたは複数の加速度計、ジャイロスコープ、慣性測定ユニット(IMU)、動き検出センサー、および/または他のセンサー)を含むことができる。
【0013】
[0013] 本発明の概要は、請求される主題の主要なまたは本質的な特徴を識別するものではなく、請求される主題の範囲を決定するために独立して使用されるものでもない。本主題は、本特許の明細書全体、いずれかまたはすべての図面、および各請求項の適切な部分を参照することによって理解されるべきである。
【0014】
[0014] 上記のことは、他の特徴および例とともに、以下の明細書、特許請求の範囲、および添付の図面を参照すると、より明らかになろう。
【0015】
[0015] 本出願の例示的な例が、以下の図を参照しながら以下で詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】[0016] いくつかの例による、エクステンデッドリアリティシステムの例示的なアーキテクチャを示すブロック図。
図2】[0017] いくつかの例による、エクステンデッドリアリティ環境内の仮想コンテンツを調整するためのシステムの一例を示すブロック図。
図3】[0018] いくつかの例による、エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイの図。
図4A】[0019] いくつかの例による、エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイ内の仮想コンテンツの調整の図。
図4B】いくつかの例による、エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイ内の仮想コンテンツの調整の図。
図5】[0020] いくつかの例による、エクステンデッドリアリティ環境内の仮想コンテンツを調整するためのプロセスの一例を示す流れ図。
図6】[0021] いくつかの例による、エクステンデッドリアリティシステム内の仮想コンテンツを調整するための例示的なしきい値を示すグラフ。
図7】[0022] いくつかの例による、エクステンデッドリアリティ環境内の仮想コンテンツを調整するためのプロセスの一例を示す流れ図。
図8】[0023] 本明細書で説明されるいくつかの態様を実装するためのシステムの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0024] 本開示のいくつかの態様および例が以下で提供される。当業者に明らかであるように、これらの態様および例のうちのいくつかは独立して適用され得、それらのうちのいくつかは組み合わせて適用され得る。以下の説明では、説明の目的で、本出願の主題の完全な理解を提供するために具体的な詳細が記載される。ただし、様々な例は、これらの具体的な詳細なしに実施され得ることが明らかであろう。図および説明は限定するものではない。
【0018】
[0025] 以下の説明は、例示的な例を提供するにすぎず、本開示の範囲、適用性、または構成を限定するものではない。そうではなく、以下の説明は、例示的な例を実装することを可能にする説明を当業者に提供する。添付の特許請求の範囲に記載されるように、本出願の趣旨および範囲から逸脱することなく、要素の機能および構成において様々な変更が行われ得ることを理解されたい。
【0019】
[0026] エクステンデッドリアリティ(XR)デバイスまたはシステムは、仮想現実(VR)環境、拡張現実(AR)環境、複合現実(MR)環境、および/または他のXR環境を含む異なるタイプのXR環境との対話を容易にすることができる。XRデバイスまたはシステムは、XR環境と対話するためにユーザによって使用され得る。XRデバイスまたはシステムの例は、特に、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、XRグラスを含む。XRデバイスまたはシステムは、仮想コンテンツを現実世界環境の画像上に重ねさせることができ、これは、XRデバイスまたはシステムを通してユーザによって閲覧され得る。いくつかのXRデバイスまたはシステムは、付随するオーディオコンテンツを提供し得る。現実世界環境は、物理的物体、人、または他の現実世界物体を含むことができる。XRデバイスまたはシステムは、ユーザが仮想コンテンツのアイテムと対話することを可能にするために、ユーザの部分(たとえば、ユーザの手および/または指先)を追跡することができる。
【0020】
[0027] いくつかの場合には、XRデバイスまたはシステムの没入型の性質は、ユーザが、環境を動き回るときなど、ユーザの現実世界環境と適切にまたは安全に対話するのを妨げ得る。たとえば、ユーザに提示される仮想コンテンツは、重い家具、階段、交通など、安全上の危険を不明瞭にするか、または覆い隠すことがある。さらに、仮想コンテンツに没入したユーザは、他の人々を見ることまたは聴取することに問題があり得、ユーザと通信することを試みている他の人々に気づいていないことさえある。これらの問題は、ユーザが特に仮想コンテンツによって注意散漫にさせられるとき、悪化される。多くのXRシステムの目的は、現実的な、対話型の、および完全没入型のXR環境を作成することであるが、XRシステムはまた、仮想コンテンツが、ユーザにとって潜在的に危険な状況を作成しないこと、またはさもなければ、ユーザが現実世界環境と適切に対話するのを妨げないことを保証するべきである。
【0021】
[0028] 本開示は、コンテキストアウェアXR環境を提供するためのシステム、装置、方法、およびコンピュータ可読媒体(「システムおよび技法」と総称される)について説明する。本明細書で説明されるシステムおよび技法は、XRシステムまたはデバイス(たとえば、HMD、ARグラスなど)が、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルに基づいて、ユーザに提供された仮想コンテンツを動的に調整する能力を提供する。たとえば、XRシステムは、ユーザの注意散漫のレベルを低下させるように仮想コンテンツを調整することができる。そのような様式で仮想コンテンツを調整することによって、XRシステムは、ユーザを、現実世界環境に関連する環境ファクタに焦点を合わせるようにトリガするか、またはさもなければ、ユーザが、現実世界環境に関連する環境ファクタに焦点を合わせることを可能にする。本明細書で使用される「環境ファクタ」という用語は、ユーザの注意を潜在的に必要とするかまたは引く現実世界環境の任意の要素または態様を指すことがある。一例では、環境ファクタは、ユーザと通信するための1人または複数の人々による試みを含むことができる。追加または代替として、環境ファクタは、ユーザの近くの、ユーザの経路または道筋中の、あるいはさもなければユーザの近傍にある安全上の危険またはリスク(たとえば、車、階段、動物、家具、物理的障害物など)を含むことができる。いくつかの場合には、XRシステムは、ユーザに関連し得る環境ファクタを検出するために(たとえば、様々なタイプのセンサーを使用して)現実世界環境を監視することができる。XRシステムは、検出された環境ファクタに基づいて仮想コンテンツを調整することができる。
【0022】
[0029] いくつかの場合には、XRシステムは、ユーザと仮想コンテンツとの間の関与のレベルを決定することによって、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルを決定することができる。仮想コンテンツとの高いレベルの関与は、ユーザが仮想コンテンツによって極めて注意散漫にさせられ、したがって、現実世界環境内の環境ファクタに焦点を合わせている可能性が低いことを示すことができる。いくつかの例では、XRシステムは、ユーザが焦点を合わせている物体(たとえば、仮想物体および/または物理的物体)を識別することと、XRシステムに入力を提供することに関連するユーザの動きを検出することと、ユーザの生理的反応を監視することとによって、および/または任意の他の好適な様式で、ユーザと仮想コンテンツとの間の関与のレベルを決定することができる。いくつかの場合には、XRシステムは、仮想コンテンツの突出性に基づいて、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルを決定することができる。仮想コンテンツの突出性は、仮想コンテンツのサイズ、XRシステムのディスプレイ上の仮想コンテンツの配置(たとえば、ディスプレイの中央の仮想コンテンツは、ディスプレイのコーナーにおける仮想コンテンツよりも突出していることがある)、仮想コンテンツのオーディオレベル、仮想コンテンツの輝度、仮想コンテンツの移動量、それらの任意の組合せ、および/または仮想コンテンツの他の特性に基づき得る。たとえば、極めて突出した仮想コンテンツ(たとえば、大きい、音が大きい、アニメーション化されたなどの仮想コンテンツ)は、あまり突出していない仮想コンテンツよりも注意散漫にさせるものであり得る。いくつかの例では、XRシステムは、ユーザと仮想コンテンツとの間の関与のレベルと仮想コンテンツの突出性の両方に基づいて、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルを決定することができる。たとえば、XRシステムは、ユーザの注意散漫の全体的なレベルを決定するために、関与のレベルの定量的測定とコンテンツ突出性の定量的測定とを組み合わせることができる。
【0023】
[0030] XRシステムは、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルが、ユーザが現実世界環境内の環境ファクタを適切におよび/または安全に扱うのを妨げる可能性があり、および/または妨げることが予想されるかどうかを決定することができる。たとえば、XRシステムは、環境内の安全上の危険(またはユーザの注意を必要とする他の特徴)の定量的評価を表す環境安全性スコア(ESS:environmental safety score)を決定することができる。高いESSは、比較的安全な環境を示すことができる。さらに、XRシステムは、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルの定量的評価を表すユーザ注意散漫スコア(UDS:user distraction score)を決定することができる。XRシステムは、XRシステムによって提示されている仮想コンテンツを調整すべきかどうかを決定するために、UDSをESSと比較することができる。たとえば、UDSが(たとえば、少なくともしきい値量だけ)ESSを超える場合、XRシステムは、ユーザが環境ファクタに焦点を合わせることを可能にするために仮想コンテンツの突出性を減少させることができる。例示的な例では、XRシステムがESSおよびUDSを1~10の範囲内の値として決定した場合、XRシステムは、UDSが少なくとも1の値(または任意の他の好適なしきい値量)だけESSを超える場合、仮想コンテンツの突出性を減少させることを決定することができる。このしきい値量は、仮想コンテンツの突出性を減少させることが、環境ファクタによってユーザに提示される安全上のリスクを緩和するのを助けることができるので、安全しきい値と呼ばれることがある。一例では、XRシステムは、(たとえば、ESSとUDSとの間の差に対する)重み付けされた量または比例量だけ仮想コンテンツの突出性を減少させることができる。仮想コンテンツの突出性を減少させることの例は、オーディオコンテンツのボリュームを低下させること、および/またはXRシステムによって表示されている視覚コンテンツのサイズ、配置、輝度、移動などを低減することを含むことができる。
【0024】
[0031] いくつかの例では、XRシステムは、XRシステムのディスプレイ内の物理的物体の輪郭を描くこと、物理的物体をハイライトすること、指すこと、および/またはさもなければ強調することによって、ユーザに1つまたは複数の環境ファクタを示すことができる。たとえば、XRシステムの一例として拡張現実(AR)システムを使用すると、ARシステムは、ディスプレイ上に仮想コンテンツを表示することができる。ARシステムのディスプレイ(たとえば、ARグラスのレンズ)は、ユーザが現実世界環境をも閲覧することを可能にすることができる。ARシステムを使用して、ユーザは、現実世界環境上に重ねられた仮想コンテンツを閲覧することができる。そのような例では、ARシステムは、ARシステムのディスプレイを通して閲覧されている仮想環境の物理的物体の輪郭を表示することができ、物理的物体をハイライトすることができ、指すことができ、および/またはさもなければ強調することができる。
【0025】
[0032] いくつかの場合には、XRシステムは、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルが、ユーザが環境ファクタを適切におよび/または安全に扱うのを妨げる可能性が低く、および/または妨げることが予想されないと決定することができる。たとえば、XRシステムは、UDSが(たとえば、少なくともしきい値量だけ)ESSを超えないと決定することができる。いくつかの場合には、XRシステムは、UDSが(たとえば、少なくともしきい値量だけ)ESSを超えない場合、仮想コンテンツの調整が不要であると決定することができる。他の場合には、XRシステムは、仮想コンテンツの突出性を増加させることによって仮想コンテンツを調整することができる。たとえば、XRシステムは、ユーザが環境ファクタを適切に扱いながらより大きい量の仮想コンテンツを経験することが可能であると決定することができる。例示的な例では、XRシステムがESSおよびUDSを1~10の範囲内の値として決定した場合、XRシステムは、UDSが少なくとも1の値(または任意の他の好適なしきい値量)だけESSを下回る場合、仮想コンテンツの突出性を増加させることを決定することができる。このしきい値量は、仮想コンテンツの突出性を増加させることが、XRシステムのユーザビリティを増加させ、および/またはXRシステムによるユーザのエクスペリエンスを向上させることができるので、ユーザビリティしきい値と呼ばれることがある。一例では、XRシステムは、(たとえば、ESSとUDSとの間の差に対する)重み付けされた量または比例量だけ仮想コンテンツの突出性を増加させることができる。いくつかの場合には、仮想コンテンツの突出性を増加させることは、XRシステムのユーザビリティを増加させ、および/またはXRシステムによるユーザのエクスペリエンスを向上させることができる。仮想コンテンツの突出性を増加させることの例は、オーディオコンテンツのボリュームを増加させること、および/または視覚コンテンツのサイズ、配置、輝度、移動などを増加させることを含むことができる。
【0026】
[0033] いくつかの場合には、コンテキストアウェアXRシステムは、現実世界環境内の環境ファクタの変化に基づいて、および/または仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルの変化に基づいて、仮想コンテンツを連続的にまたは周期的に調整することができる。たとえば、XRシステムは、閉ループシステムを含み、および/またはそれに対応することができ、ここで、仮想コンテンツの突出性は、ユーザの注意散漫のレベルを決定するために使用されるフィードバックを表すことができる。閉ループシステムでは、仮想コンテンツの突出性の変化はシステム出力を表すことができ、仮想コンテンツの突出性の新しい状態が、(たとえば、コンテンツ突出性の変化によるユーザの注意散漫のレベルの変化を考慮するために)システムにフィードバックされ得る。
【0027】
[0034] 開示されるコンテキストアウェアXRシステムおよび技法は、ユーザが、現実世界環境中の物体または要素とのネガティブなまたは有害な対話のリスクなしにXR環境に完全に没入するようになることを可能にすることができる。さらに、周囲の環境に基づいて仮想コンテンツを調整することによって、システムおよび技法は、ユーザがXRアプリケーションを楽しむことができる環境のタイプを拡大することができる。
【0028】
[0035] コンテキストアウェアXRシステムに関するさらなる詳細は、様々な図に関して本明細書で提供される。図1は、本開示のいくつかの態様による、例示的なエクステンデッドリアリティシステム100を示す図である。エクステンデッドリアリティシステム100は、XRアプリケーションを動作させ(または実行し)、XR動作を実装することができる。いくつかの例では、エクステンデッドリアリティシステム100は、XRエクスペリエンスの一部として追跡および位置特定、物理世界(たとえば、シーン)のマッピング、ならびにディスプレイ(たとえば、画面、可視平面/領域、および/または他のディスプレイ)上での仮想コンテンツの配置およびレンダリングを実施することができる。たとえば、エクステンデッドリアリティシステム100は、物理世界におけるシーンのマップ(たとえば、3Dマップ)を生成し、シーンに対する(たとえば、シーンの3Dマップに対する)エクステンデッドリアリティシステム100の姿勢(たとえば、ロケーションおよび位置)を追跡し、シーンのマップ上の(1つまたは複数の)特定のロケーションに仮想コンテンツを配置および/またはアンカリングし、ディスプレイ上に仮想コンテンツをレンダリングすることができる。エクステンデッドリアリティシステム100は、仮想コンテンツが配置および/またはアンカリングされるシーンのマップ上の特定のロケーションに対応するシーン中のロケーションに仮想コンテンツがあるように見えるようにディスプレイ上に仮想コンテンツをレンダリングすることができる。いくつかの例では、ディスプレイは、ユーザが現実世界環境を見ることを可能にし、XRコンテンツがその上に表示されることをも可能にするグラス、画面、レンズ、および/または他の表示機構を含むことができる。
【0029】
[0036] 図1に示されているように、エクステンデッドリアリティシステム100は、1つまたは複数の画像センサー102と、加速度計104と、ジャイロスコープ106と、ストレージ108と、計算構成要素110と、XRエンジン120と、コンテンツ調整エンジン122と、画像処理エンジン124と、レンダリングエンジン126とを含むことができる。図1に示されている構成要素102~126は、例示および説明の目的で提供された非限定的な例であり、他の例は、図1に示されている構成要素よりも多い、少ない、またはそれらとは異なる構成要素を含むことができることに留意されたい。たとえば、いくつかの場合には、エクステンデッドリアリティシステム100は、図1に示されていない1つまたは複数の他のセンサー(たとえば、1つまたは複数の慣性測定ユニット(IMU)、レーダー、光検出および測距(LIDAR)センサー、オーディオセンサーなど)、1つまたは複数のディスプレイデバイス、1つまたは複数の他の処理エンジン、1つまたは複数の他のハードウェア構成要素、ならびに/あるいは1つまたは複数の他のソフトウェアおよび/またはハードウェア構成要素を含むことができる。エクステンデッドリアリティシステム100によって実装され得る例示的なアーキテクチャおよび例示的なハードウェア構成要素が、図7に関して以下でさらに説明される。
【0030】
[0037] 簡単および説明の目的で、1つまたは複数の画像センサー102は、本明細書では(たとえば、単数形で)画像センサー102と言及されることになる。しかしながら、当業者は、エクステンデッドリアリティシステム100が単一の画像センサーまたは複数の画像センサーを含むことができることを認識されよう。また、単数形または複数形でのエクステンデッドリアリティシステム100の構成要素(たとえば、102~126)のいずれかへの言及は、エクステンデッドリアリティシステム100によって実装されるそのような構成要素の数を、1つ、または2つ以上に限定するものとして解釈されるべきではない。たとえば、単数形での加速度計104への言及は、エクステンデッドリアリティシステム100によって実装される加速度計の数を1つに限定するものとして解釈されるべきではない。当業者は、図1に示されている構成要素102~126のいずれについても、エクステンデッドリアリティシステム100が、(1つまたは複数の)そのような構成要素のうちの1つのみ、または(1つまたは複数の)そのような構成要素のうちの2つ以上を含むことができることを認識されよう。
【0031】
[0038] エクステンデッドリアリティシステム100は、入力デバイスを含むかまたはそれと(ワイヤードまたはワイヤレスに)通信していることがある。入力デバイスは、タッチスクリーン、ペンまたは他のポインタデバイス、キーボード、マウス、ボタンまたはキー、ボイスコマンドを受信するためのマイクロフォン、ジェスチャーコマンドを受信するためのジェスチャー入力デバイス、それらの任意の組合せ、および/あるいは他の入力デバイスなど、任意の好適な入力デバイスを含むことができる。いくつかの場合には、画像センサー102は、ジェスチャーコマンドを解釈するために処理され得る画像をキャプチャすることができる。
【0032】
[0039] エクステンデッドリアリティシステム100は、単一のコンピューティングデバイスまたは複数のコンピューティングデバイスの一部であるか、またはそれによって実装され得る。いくつかの例では、エクステンデッドリアリティシステム100は、エクステンデッドリアリティヘッドマウントディスプレイ(HMD)デバイス、エクステンデッドリアリティグラス(たとえば、拡張現実またはARグラス)、カメラシステム(たとえば、デジタルカメラ、IPカメラ、ビデオカメラ、防犯カメラなど)、電話システム(たとえば、スマートフォン、セルラー電話、会議システムなど)、デスクトップコンピュータ、ラップトップまたはノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、セットトップボックス、スマートテレビジョン、ディスプレイデバイス、ゲーミングコンソール、ビデオストリーミングデバイス、モノのインターネット(IoT)デバイス、および/あるいは(1つまたは複数の)任意の他の好適な電子デバイスなど、(1つまたは複数の)電子デバイスの一部であり得る。
【0033】
[0040] いくつかの実装形態では、1つまたは複数の画像センサー102、加速度計104、ジャイロスコープ106、ストレージ108、計算構成要素110、XRエンジン120、コンテンツ調整エンジン122、画像処理エンジン124、およびレンダリングエンジン126は、同じコンピューティングデバイスの一部であり得る。たとえば、いくつかの場合には、1つまたは複数の画像センサー102、加速度計104、ジャイロスコープ106、ストレージ108、計算構成要素110、XRエンジン120、コンテンツ調整エンジン122、画像処理エンジン124、およびレンダリングエンジン126は、HMD、エクステンデッドリアリティグラス、スマートフォン、ラップトップ、タブレットコンピュータ、ゲーミングシステム、および/または任意の他のコンピューティングデバイスに統合され得る。しかしながら、いくつかの実装形態では、1つまたは複数の画像センサー102、加速度計104、ジャイロスコープ106、ストレージ108、計算構成要素110、XRエンジン120、コンテンツ調整エンジン122、画像処理エンジン124、およびレンダリングエンジン126は、2つまたはそれ以上の別個のコンピューティングデバイスの一部であり得る。たとえば、いくつかの場合には、構成要素102~126のうちのいくつかは、1つのコンピューティングデバイスの一部であるかまたはそれによって実装され得、残りの構成要素は、1つまたは複数の他のコンピューティングデバイスの一部であるかまたはそれによって実装され得る。
【0034】
[0041] ストレージ108は、データを記憶するための(1つまたは複数の)任意の記憶デバイスであり得る。その上、ストレージ108は、エクステンデッドリアリティシステム100の構成要素のいずれかからのデータを記憶することができる。たとえば、ストレージ108は、画像センサー102からのデータ(たとえば、画像またはビデオデータ)、加速度計104からのデータ(たとえば、測定値)、ジャイロスコープ106からのデータ(たとえば、測定値)、計算構成要素110からのデータ(たとえば、処理パラメータ、選好、仮想コンテンツ、レンダリングコンテンツ、シーンマップ、追跡および位置特定データ、物体検出データ、プライバシーデータ、XRアプリケーションデータ、顔認識データ、オクルージョンデータなど)、XRエンジン120からのデータ、コンテンツ調整エンジン122からのデータ、画像処理エンジン124からのデータ、および/またはレンダリングエンジン126からのデータ(たとえば、出力フレーム)を記憶することができる。いくつかの例では、ストレージ108は、計算構成要素110によって処理するためのフレームを記憶するためのバッファを含むことができる。
【0035】
[0042] 1つまたは複数の計算構成要素110は、中央処理ユニット(CPU)112、グラフィックス処理ユニット(GPU)114、デジタル信号プロセッサ(DSP)116、および/または画像信号プロセッサ(ISP)118を含むことができる。計算構成要素110は、画像強調、コンピュータビジョン、グラフィックスレンダリング、エクステンデッドリアリティ(たとえば、追跡、位置特定、姿勢推定、マッピング、コンテンツアンカリング、コンテンツレンダリングなど)、画像/ビデオ処理、センサー処理、認識(たとえば、テキスト認識、顔認識、物体認識、特徴認識、追跡またはパターン認識、シーン認識、オクルージョン検出など)、機械学習、フィルタ処理、および本明細書で説明される様々な動作のいずれかなど、様々な動作を実施することができる。この例では、計算構成要素110は、XRエンジン120、コンテンツ調整エンジン122、画像処理エンジン124、およびレンダリングエンジン126を実装する。他の例では、計算構成要素110はまた、1つまたは複数の他の処理エンジンを実装することができる。
【0036】
[0043] 画像センサー102は、任意の画像および/またはビデオセンサーあるいはキャプチャデバイスを含むことができる。いくつかの例では、画像センサー102は、デュアルカメラアセンブリなど、複数カメラアセンブリの一部であり得る。画像センサー102は、画像および/またはビデオコンテンツ(たとえば、未加工の画像および/またはビデオデータ)をキャプチャすることができ、これは、次いで、本明細書で説明される計算構成要素110、XRエンジン120、コンテンツ調整エンジン122、画像処理エンジン124、および/またはレンダリングエンジン126によって処理され得る。
【0037】
[0044] いくつかの例では、画像センサー102は、画像データをキャプチャすることができ、画像データに基づいてフレームを生成することができ、ならびに/あるいは処理のためにXRエンジン120、コンテンツ調整エンジン122、画像処理エンジン124、および/またはレンダリングエンジン126に画像データまたはフレームを提供することができる。フレームは、ビデオシーケンスのビデオフレームまたは静止画像を含むことができる。フレームは、シーンを表すピクセルアレイを含むことができる。たとえば、フレームは、ピクセルごとに赤、緑、および青の色成分を有する赤緑青(RGB)フレーム、ピクセルごとにルーマ成分と2つのクロマ(色)成分(クロマ赤およびクロマ青)とを有するルーマ、クロマ赤、クロマ青(YCbCr)フレーム、または任意の他の好適なタイプのカラーまたはモノクロームピクチャであり得る。
【0038】
[0045] いくつかの場合には、画像センサー102(および/またはエクステンデッドリアリティシステム100の他の画像センサーまたはカメラ)は、深度情報をもキャプチャするように構成され得る。たとえば、いくつかの実装形態では、画像センサー102(および/または他のカメラ)は、RGB深度(RGB-D)カメラを含むことができる。いくつかの場合には、エクステンデッドリアリティシステム100は、画像センサー102(および/または他のカメラ)とは別個であり、深度情報をキャプチャすることができる1つまたは複数の深度センサー(図示せず)を含むことができる。たとえば、そのような深度センサーは、画像センサー102とは無関係に深度情報を取得することができる。いくつかの例では、深度センサーは、画像センサー102と同じ一般的なロケーション中に物理的に設置され得るが、画像センサー102とは異なる周波数またはフレームレートにおいて動作し得る。いくつかの例では、深度センサーは、1つまたは複数の狭帯域の光を含み得る構造化またはテクスチャ光パターンを、シーン中の1つまたは複数の物体上に投影することができる光源の形態をとることができる。次いで、深度情報は、物体の表面形状によって引き起こされる、投影されたパターンの幾何学的ひずみを活用することによって取得され得る。一例では、深度情報は、赤外線構造化光プロジェクタとカメラ(たとえば、RGBカメラ)に登録された赤外線カメラとの組合せなど、立体センサーから取得され得る。
【0039】
[0046] 上述のように、いくつかの場合には、エクステンデッドリアリティシステム100は、画像センサー102以外の1つまたは複数のセンサー(図示せず)をも含むことができる。たとえば、1つまたは複数のセンサーは、1つまたは複数の加速度計(たとえば、加速度計104)、1つまたは複数のジャイロスコープ(たとえば、ジャイロスコープ106)、および/または他のセンサーを含むことができる。1つまたは複数のセンサーは、計算構成要素110に速度、配向、および/または他の位置関連情報を提供することができる。たとえば、加速度計104は、エクステンデッドリアリティシステム100によって加速度を検出することができ、検出された加速度に基づいて加速度測定値を生成することができる。いくつかの場合には、加速度計104は、エクステンデッドリアリティシステム100の位置または姿勢を決定するために使用され得る1つまたは複数の並進ベクトル(たとえば、上/下、左/右、前/後)を提供することができる。ジャイロスコープ106は、エクステンデッドリアリティシステム100の配向および角速度を検出し、測定することができる。たとえば、ジャイロスコープ106は、エクステンデッドリアリティシステム100のピッチ、ロール、およびヨーを測定するために使用され得る。いくつかの場合には、ジャイロスコープ106は、1つまたは複数の回転ベクトル(たとえば、ピッチ、ヨー、ロール)を提供することができる。いくつかの例では、画像センサー102および/またはXRエンジン120は、エクステンデッドリアリティシステム100の姿勢を計算するために加速度計104(たとえば、1つまたは複数の並進ベクトル)および/またはジャイロスコープ106(たとえば、1つまたは複数の回転ベクトル)によって取得された測定値を使用することができる。前述のように、他の例では、エクステンデッドリアリティシステム100はまた、慣性測定ユニット(IMU)、磁力計、マシンビジョンセンサー、スマートシーンセンサー、音声認識センサー、衝撃センサー、ショックセンサー、位置センサー、チルトセンサーなど、他のセンサーを含むことができる。
【0040】
[0047] いくつかの場合には、1つまたは複数のセンサーは、少なくとも1つのIMUを含むことができる。IMUは、1つまたは複数の加速度計、1つまたは複数のジャイロスコープ、および/または1つまたは複数の磁力計の組合せを使用して、エクステンデッドリアリティシステム100の特定の力、角速度、および/または配向を測定する電子デバイスである。いくつかの例では、1つまたは複数のセンサーは、画像センサー102(および/またはエクステンデッドリアリティシステム100の他のカメラ)によってキャプチャされた画像のキャプチャに関連する測定された情報、および/またはエクステンデッドリアリティシステム100の1つまたは複数の深度センサーを使用して取得された深度情報を出力することができる。
【0041】
[0048] 1つまたは複数のセンサー(たとえば、加速度計104、ジャイロスコープ106、1つまたは複数のIMU、および/または他のセンサー)の出力は、(頭部姿勢とも呼ばれる)エクステンデッドリアリティシステム100の姿勢および/または画像センサー102(またはエクステンデッドリアリティシステム100の他のカメラ)の姿勢を決定するために、エクステンデッドリアリティエンジン120によって使用され得る。いくつかの場合には、エクステンデッドリアリティシステム100の姿勢と画像センサー102(または他のカメラ)の姿勢とは、同じであり得る。画像センサー102の姿勢は、基準系に対する画像センサー102の位置および配向を指す。いくつかの実装形態では、カメラ姿勢は、6自由度(6DOF)について決定され得、これは、(たとえば、画像平面など、基準系に対するX(水平)、Y(垂直)、およびZ(深度)座標によって与えられ得る)3つの並進成分と、3つの角度成分(たとえば、同じ基準系に対するロール、ピッチ、およびヨー)とを指す。
【0042】
[0049] いくつかの場合には、デバイストラッカー(図示せず)は、エクステンデッドリアリティシステム100の姿勢(たとえば、6DOF姿勢)を追跡するために、1つまたは複数のセンサーからの測定値と画像センサー102からの画像データとを使用することができる。たとえば、デバイストラッカーは、物理世界(たとえば、シーン)と物理世界のマップとに対するエクステンデッドリアリティシステム100の位置と動きとを決定するために、(たとえば、視覚追跡ソリューションを使用して)キャプチャされた画像データからの視覚データを慣性測定データと融合させることができる。以下で説明されるように、いくつかの例では、エクステンデッドリアリティシステム100の姿勢を追跡するとき、デバイストラッカーは、シーン(たとえば、現実世界)の3次元(3D)マップを生成し、および/またはシーンの3Dマップのための更新を生成することができる。3Dマップ更新は、たとえば、限定はしないが、シーンおよび/またはシーンの3Dマップに関連する新しいまたは更新された特徴および/または特徴もしくはランドマークポイント、シーンおよびシーンの3Dマップ内のエクステンデッドリアリティシステム100の位置を識別または更新する位置特定更新などを含むことができる。3Dマップは、現実/物理世界におけるシーンのデジタル表現を提供することができる。いくつかの例では、3Dマップは、現実世界座標および/または物体にロケーションベース物体および/またはコンテンツをアンカリングすることができる。エクステンデッドリアリティシステム100は、物理世界および仮想世界をマージすることならびに/あるいは物理的環境と仮想コンテンツまたは物体をマージすることを行うために、マッピングされたシーン(たとえば、3Dマップによって表され、および/またはそれに関連する物理世界におけるシーン)を使用することができる。
【0043】
[0050] いくつかの態様では、画像センサー102および/またはエクステンデッドリアリティシステム100の姿勢は、全体として、画像センサー102(および/またはエクステンデッドリアリティシステム100の他のカメラ)によってキャプチャされた画像に基づいて、視覚追跡ソリューションを使用して計算構成要素110によって決定および/または追跡され得る。たとえば、いくつかの例では、計算構成要素110は、コンピュータビジョンベース追跡技法、モデルベース追跡技法、ならびに/または同時位置特定およびマッピング(SLAM:simultaneous localization and mapping)技法を使用して追跡を実施することができる。たとえば、計算構成要素110は、SLAMを実施することができるか、またはSLAMエンジン(図示せず)と通信(ワイヤードまたはワイヤレス)していることがある。SLAMは、環境のマップ(たとえば、エクステンデッドリアリティシステム100によってモデル化されている環境のマップ)が作成され、同時に、そのマップに対するカメラ(たとえば、画像センサー102)および/またはエクステンデッドリアリティシステム100の姿勢を追跡する技法のクラスを指す。マップは、SLAMマップと呼ばれることがあり、3Dであり得る。SLAM技法は、画像センサー102(および/またはエクステンデッドリアリティシステム100の他のカメラ)によってキャプチャされたカラーまたはグレースケール画像データを使用して実施され得、画像センサー102および/またはエクステンデッドリアリティシステム100の6DOF姿勢測定の推定値を生成するために使用され得る。6DOF追跡を実施するように構成されたそのようなSLAM技法は、6DOF SLAMと呼ばれることがある。いくつかの場合には、1つまたは複数のセンサー(たとえば、加速度計104、ジャイロスコープ106、1つまたは複数のIMU、および/または他のセンサー)の出力は、推定された姿勢を推定する、補正する、および/またはさもなければ調整するために使用され得る。
【0044】
[0051] いくつかの場合は、6DOF SLAM(たとえば、6DOF追跡)は、SLAMマップに画像センサー102(および/または他のカメラ)からのいくつかの入力画像から観測された特徴を関連付けることができる。たとえば、6DOF SLAMは、入力画像について画像センサー102および/またはエクステンデッドリアリティシステム100の姿勢(位置および配向)を決定するために、入力画像からの特徴ポイント関連付けを使用することができる。6DOFマッピングはまた、SLAMマップを更新するために実施され得る。いくつかの場合には、6DOF SLAMを使用して維持されるSLAMマップは、2つまたはそれ以上の画像から三角測量された3D特徴ポイントを含んでいることができる。たとえば、キーフレームは、観測されたシーンを表すために入力画像またはビデオストリームから選択され得る。キーフレームごとに、画像に関連するそれぞれの6DOFカメラ姿勢が決定され得る。画像センサー102および/またはエクステンデッドリアリティシステム100の姿勢は、画像またはビデオフレームに3D SLAMマップからの特徴を投影し、検証された2D-3D対応からカメラ姿勢を更新することによって決定され得る。
【0045】
[0052] 1つの例示的な例では、計算構成要素110は、あらゆる入力画像からまたは各キーフレームから特徴ポイントを抽出することができる。本明細書で使用される(登録ポイントとも呼ばれる)特徴ポイントは、特に、手の一部、テーブルの縁など、画像の特徴的なまたは識別可能な部分である。キャプチャされた画像から抽出された特徴は、3次元空間(たとえば、X、Y、およびZ軸上の座標)に沿って別個の特徴ポイントを表すことができ、あらゆる特徴ポイントは、関連する特徴ロケーションを有することができる。キーフレーム中の特徴ポイントは、前にキャプチャされた入力画像またはキーフレームの特徴ポイントに一致する(それと同じであるかまたはそれに対応する)か、またはそれに一致することができないかのいずれかである。特徴検出は、特徴ポイントを検出するために使用され得る。特徴検出は、特徴が特定のピクセルにおいて存在するかどうかを決定するために、画像の1つまたは複数のピクセルを検査するために使用される画像処理動作を含むことができる。特徴検出は、キャプチャされた画像全体または画像のいくつかの部分を処理するために使用され得る。各画像またはキーフレームについて、特徴が検出されると、特徴の周りのローカル画像パッチが抽出され得る。特徴は、(特徴の位置を特定し、それらの説明を生成する)スケール不変特徴変換(SIFT)、高速化ロバスト特徴(SURF)、勾配位置-配向ヒストグラム(GLOH:Gradient Location-Orientation histogram)、正規化相互相関(NCC)、または他の好適な技法など、任意の好適な技法を使用して抽出され得る。
【0046】
[0053] いくつかの場合には、エクステンデッドリアリティシステム100はまた、ユーザが仮想環境中の仮想コンテンツと対話することおよび/またはそれを制御することを可能にするために、ユーザの手および/または指を追跡することができる。たとえば、エクステンデッドリアリティシステム100は、仮想環境とのユーザ対話を識別するかまたは変換するために、ユーザの手および/または指先の姿勢および/または移動を追跡することができる。ユーザ対話は、たとえば、限定はしないが、仮想コンテンツのアイテムを移動すること、仮想コンテンツのアイテムおよび/または仮想プライベート空間のロケーションをサイズ変更すること、仮想ユーザインターフェース(たとえば、モバイルフォンの仮想表現、仮想キーボード、および/または他の仮想インターフェース)中の入力インターフェース要素を選択すること、仮想ユーザインターフェースを通して入力を提供することなどを含むことができる。
【0047】
[0054] XRエンジン120、コンテンツ調整エンジン122、画像処理エンジン124、およびレンダリングエンジン126(および任意の画像処理エンジン)のための動作は、計算構成要素110のいずれかによって実装され得る。1つの例示的な例では、レンダリングエンジン126の動作は、GPU114によって実装され得、XRエンジン120、コンテンツ調整エンジン122、および画像処理エンジン124の動作は、CPU112、DSP116、および/またはISP118によって実装され得る。いくつかの場合には、計算構成要素110は、本明細書で説明される様々な動作のいずれかを実施するために、他の電子回路またはハードウェア、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、あるいはそれらの任意の組合せを含むことができる。
【0048】
[0055] いくつかの例では、XRエンジン120は、1つまたは複数のIMU、レーダーなど、エクステンデッドリアリティシステム100上の画像センサー102、加速度計104、ジャイロスコープ106、および/または1つまたは複数のセンサーからのデータに基づいてXRエクスペリエンスを生成するために、XR動作を実施することができる。いくつかの例では、XRエンジン120は、追跡、位置特定、姿勢推定、マッピング、コンテンツアンカリング動作および/または任意の他のXR動作/機能を実施することができる。XRエクスペリエンスは、仮想セッション中にユーザにXRコンテンツ(たとえば、仮想現実コンテンツ、拡張現実コンテンツ、複合現実コンテンツなど)を提示するためのエクステンデッドリアリティシステム100の使用を含むことができる。いくつかの例では、XRコンテンツおよびエクスペリエンスは、たとえば、特に、XRゲーミングエクスペリエンス、XRクラスルームエクスペリエンス、XRショッピングエクスペリエンス、XRエンターテインメントエクスペリエンス、XRアクティビティ(たとえば、動作、トラブルシューティングアクティビティなど)など、特定のXRエクスペリエンスを提供する(たとえば、XRエンジン120によって実行または実装される)XRアプリケーションを通してエクステンデッドリアリティシステム100によって提供され得る。XRエクスペリエンス中に、ユーザは、エクステンデッドリアリティシステム100を使用して仮想コンテンツを閲覧し、および/またはそれと対話することができる。いくつかの場合には、ユーザは、ユーザの周りの物理的環境を閲覧することおよび/またはそれと対話することも可能でありながら、仮想コンテンツを閲覧し、および/またはそれと対話することができ、これは、ユーザが、物理的環境と、物理的環境と混合または統合された仮想コンテンツとの間に没入型エクスペリエンスを有することを可能にする。
【0049】
[0056] コンテンツ調整エンジン122は、エクステンデッドリアリティシステム100によって提供された仮想コンテンツ(または他のタイプのXRコンテンツ)の調整を決定するために様々な動作を実施することができる。本明細書で使用される、仮想コンテンツの調整は、XRアプリケーションによって構成されたような仮想コンテンツの修正、変更、および/またはデビエーション(deviation)を含むことができる。たとえば、XRアプリケーションは、エクステンデッドリアリティシステム100内で動作しながら、ユーザに表示されるべき仮想コンテンツを生成し、および/または構成することができる。コンテンツ調整エンジン122は、生成されたおよび/または構成された仮想コンテンツに適用されるべき1つまたは複数の調整を決定することができる。次いで、画像処理エンジン124および/またはレンダリングエンジン126は、ユーザによって経験される仮想コンテンツが調整を反映するように、仮想コンテンツの調整を適用することができる。以下で説明されるように、コンテンツ調整エンジン122は、ユーザのXRエクスペリエンスに関連する現在のコンテキストファクタに基づいて、仮想コンテンツの調整を決定することができる。コンテキストファクタは、現実世界環境に関連する環境ファクタ、(たとえば、仮想コンテンツが調整される前の)仮想コンテンツの突出性、および/またはユーザと仮想コンテンツとの間の関与のレベルを含むことができる。
【0050】
[0057] 図2は、コンテンツ調整システム200の一例を示すブロック図である。いくつかの場合には、コンテンツ調整システム200は、図1中のエクステンデッドリアリティシステム100を含み、および/またはその一部であり得る。たとえば、コンテンツ調整システム200は、コンテンツ調整エンジン122の全部または一部分に対応することができる。図2に示されているように、コンテンツ調整システム200は、環境ファクタエンジン202と、ユーザ関与エンジン204と、コンテンツ突出性エンジン206と、コンテンツ調整エンジン214とを含む、1つまたは複数のエンジンを含むことができる。コンテンツ調整システム200のエンジンは、コンテンツ調整224を決定するように構成され得る。コンテンツ調整224は、エクステンデッドリアリティシステム100のディスプレイ上に表示され、エクステンデッドリアリティシステム100のユーザによって閲覧され得る、仮想コンテンツ(たとえば、仮想コンテンツ212)の、任意のタイプまたは数の調整を含むことができる。
【0051】
[0058] いくつかの場合には、コンテンツ調整システム200は、現実世界環境に関連する1つまたは複数の環境ファクタ(たとえば、環境ファクタ208)に少なくとも部分的に基づいて、コンテンツ調整224を決定することができる。上記で説明されたように、環境ファクタは、ユーザの注意を潜在的に必要とし、および/または伴う、現実世界環境の任意の要素または態様を含むことができる。いくつかの例では、環境ファクタ208は、特に、一続きの階段、交通、ユーザの経路中の物理的物体(たとえば、街路標識、1つの家具など)など、安全上の危険を含むことができる。他の例では、環境ファクタ208は、環境の複雑性を含むことができる。たとえば、環境の複雑性は、環境内の散らかり、移動、雑音などのレベルの全体的評価に基づき得る。いくつかの場合には、複雑な環境は、仮想コンテンツを処理するために(たとえば、仮想コンテンツを複雑な環境から分離するために)、ユーザがより大きい量の注意を仮想コンテンツに向けることを生じ得る。いくつかの例では、環境ファクタ208は、1人または複数の人々との潜在的対話を含むことができる。たとえば、環境ファクタ208は、ユーザと通信する人による試みを含むことができる。追加または代替として、環境ファクタ208は、現実世界環境の周辺および/または地理的特性を含むことができる。たとえば、環境ファクタ208は、環境の温度、環境内の1つまたは複数の物理的物体の温度、環境内の照明のレベル、環境のタイプ(たとえば、環境が公共空間であるかどうか、建築物の内部にあるかどうかなど)、ならびに/あるいは現実世界環境の他の周辺および/または地理的特性を含むことができる。一例では、高いレベルの環境照明は、仮想コンテンツの可視性を低減し、したがって、ユーザがより大きい量の注意を仮想コンテンツに向けることを生じ得る。別の例では、高温の物体(たとえば、暖炉またはレンジ上面)は、ユーザに対する安全上の危険を表すことができる。いくつかの場合には、環境ファクタ208は、環境のロケーション(たとえば、環境に関連する特定の街路、都市、または他の地理的領域)を含むことができる。いくつかの場合には、環境ファクタ208は、環境に関連する、履歴のおよび/または前に識別された環境ファクタを含むことができる。たとえば、環境ファクタ208は、環境内の交通、犯罪、負傷などの傾向、および/または文書化された交通量、犯罪率、負傷率などを含むことができる。
【0052】
[0059] 環境ファクタエンジン202は、様々な技法および/またはデバイスを使用して環境ファクタ208を決定することができる。いくつかの例では、環境ファクタエンジン202は、環境ファクタ208を決定するために、1つまたは複数のカメラまたは画像センサー(たとえば、エクステンデッドリアリティシステム100の画像センサー102)によってキャプチャされた画像またはビデオデータを分析することができる。たとえば、環境ファクタエンジン202は、様々な画像処理技法を使用して、物理的物体、安全上の危険、人々などを検出し、および/または識別することができる。そのような安全上の危険は、安全上の危険の中でも、階段、駐車された車両、家具、ペット、混雑した街路を含むことができる。さらに、いくつかの場合には、環境ファクタエンジン202は、安全上の危険を示すために環境中に配置された視覚マーカー(たとえば、クイックレスポンス(QR)コード)を検出するために、様々な画像処理技法を使用することができる。画像処理技法は、物体検出アルゴリズム、物体認識アルゴリズム、顔認識アルゴリズム、それらの任意の組合せ、および/または他の画像処理技法を含むことができる。いくつかの例では、環境ファクタエンジン202は、空間周波数分析または同様の分析を使用して環境の複雑性を決定することができる。いくつかの例では、環境ファクタエンジン202は、LIDARセンサー、オーディオセンサー、温度計、それらの任意の組合せ、および/あるいは他のセンサーまたはデバイスなど、センサーを使用して、環境の周辺および/または物理的条件を決定することができる。さらなる例では、環境ファクタエンジン202は、ネットワーク接続および/または測位システム(たとえば、全地球測位システム(GPS))を使用して、エクステンデッドリアリティシステム100が位置する現実世界環境のロケーションを決定することができる。環境ファクタエンジン202は、任意の好適な技法および/またはデバイスを使用して、任意の追加または代替のタイプの環境ファクタを検出することができる。
【0053】
[0060] 図2に示されているように、環境ファクタエンジン202は、環境ファクタ208に少なくとも部分的に基づいて、環境安全性スコア(ESS)216を決定することができる。ESS216は、環境内の安全上の危険(またはユーザの注意を必要とする他のファクタ)による、ユーザに提示されるリスクの定量的評価を表すことができる。たとえば、ESS216の値は、(たとえば、ユーザが環境ファクタ208を安全におよび/または適切に扱うまたはそれに対処するために)ユーザに環境ファクタ208の組合せが要求し得る注意の量に対応することができる。いくつかの場合には、高いESS216は、環境中の物体または他のアイテムに対処するためにユーザ注意の低いレベルが必要とされることを示すことができ)、低いESS216は、ユーザ注意の高いレベルを示すことができる。たとえば、高い安全上のリスクに関連する環境ファクタは、低い環境安全性スコアに関連し得る。いくつかの場合には、ユーザからの大量の注意を必要とすることが予想される環境ファクタは、「重要な」環境ファクタと呼ばれることがあり、ユーザからの大量の注意を必要とすることが予想されない環境ファクタは、「重要でない」環境ファクタと呼ばれることがある。
【0054】
[0061] いくつかの例では、環境ファクタエンジン202は、環境ファクタ208内の個々の環境ファクタを重み付けすることによって、ESS216を決定することができる。たとえば、環境ファクタエンジン202は、XRシステムが位置する現実世界環境内に存在すること、および/または現実世界環境内で関連することを決定された各環境ファクタに、数値スコアを割り当てることができる。非限定的な例では、環境ファクタエンジン202は、所定の範囲(たとえば、1~10の範囲、ここで、1のスコアが環境安全性の最も低いレベルに対応し、10のスコアが環境安全性の最も高いレベルに対応する)内のスコアを各環境ファクタに割り当てることができる。環境ファクタに割り当てられたスコアの数値は、環境ファクタの相対的重要性に対応することができる。たとえば、高い重要性をもつ環境スコアは、(ユーザ注意の高いレベルに対応する)低いスコアを割り当てられ得る。いくつかの場合には、環境ファクタエンジン202は、環境ファクタ208の累積評価を表すESS216を生成するために、環境ファクタ208の各々の個々のスコアを(たとえば、平均(average)または平均(mean)または他の代表値を決定することによって)組み合わせることができる。非限定的な例では、環境ファクタエンジン202は、以下のように、4つの環境ファクタを識別し、それにスコアを割り当て得る。(1)ユーザの3フィート右側に位置する椅子、7のスコアを割り当てられる、(2)ユーザの3フィート前の一続きの下り階段、2のスコアを割り当てられる、(3)ユーザと同じ部屋内のオーディオコンテンツと視覚コンテンツの両方を提供するテレビジョン、4のスコアを割り当てられる、および(4)環境内の高いレベルの周辺光、5のスコアを割り当てられる。この例では、環境ファクタエンジン202は、個々のスコアを平均化することによってESS216を決定し、4.5のESS216を生じることができる。
【0055】
[0062] いくつかの場合には、コンテンツ調整システム200は、ユーザの1つまたは複数の特性(たとえば、ユーザ特性210)に少なくとも部分的に基づいて、コンテンツ調整224を決定することができる。ユーザ特性210は、ユーザと仮想コンテンツ212との間の関与のレベルに関連する、ユーザの、任意の数またはタイプの挙動、反応、生理的状態、および/または他の特徴を含むことができる。いくつかの場合には、ユーザと仮想コンテンツ212との間の高いレベルの関与は、ユーザが仮想コンテンツ212により現実世界環境から極めて注意散漫にさせられることに対応することができる。したがって、ユーザと仮想コンテンツ212との間の高いレベルの関与は、ユーザが現実世界環境との安全でないまたはさもなければ望ましくない対話を経験する増加されたリスクに関連し得る。たとえば、仮想コンテンツによって極めて注意散漫にさせられるユーザは、安全上の危険(たとえば、街路、階段など、ユーザの経路中の物理的物体)に気づくことができないことがあり、および/または、人がユーザと通信することを試みていることに気づくことができないことがある。
【0056】
[0063] 一例では、ユーザ特性210は、ユーザが閲覧および/または追跡している1つまたは複数の物体を示す物理的挙動を含むことができる。たとえば、ユーザ関与エンジン204は、1つまたは複数の物体が仮想コンテンツを含むのか(仮想コンテンツとの高いレベルの関与を示す)、物理的物体を含むのか(仮想コンテンツとのより低いレベルの関与を示す)を決定するために、(たとえば、1つまたは複数のアイトラッキング技法を使用して)ユーザの視線の方向を追跡することができる。別の例では、ユーザ特性210は、XRアプリケーションに入力を提供することに関連する動きを含むことができる。たとえば、ユーザ関与エンジン204は、ユーザがXRアプリケーションへの入力に対応する特定のジェスチャー(たとえば、手のジェスチャー)をいつ実施するか、および/またはユーザがいつXRアプリケーションのコントローラと対話するかを検出することができる。XRアプリケーションに入力を提供することに関連する頻繁な動きは、仮想コンテンツ212との高いレベルの関与を示すことができる。さらなる例では、ユーザ特性210は、ユーザの音声を含むことができる。たとえば、ユーザ関与エンジン204は、ユーザによる音声が、仮想コンテンツ212に関係するのか(たとえば、XRアプリケーションの他のユーザとの対話、XRアプリケーションへの命令など)、現実世界環境に関係するのか(たとえば、XRアプリケーションを使用していない人々に向けられる音声)を決定することができる。仮想コンテンツ212に関係する音声は、仮想コンテンツ212とのより高いレベルの関与に関連し得る。別の例では、ユーザ特性210は、ユーザの移動を含むことができる。たとえば、ユーザ関与エンジン204は、ユーザがいつ座っているか、歩いているか、走っているかなどを検出することができる。いくつかの場合には、高速のおよび/または変動された移動(たとえば、2つ以上の方向および/または速さにおける移動)は、ユーザが仮想コンテンツ212と極めて関与することを示すことができる。さらに、高速のおよび/または変動された移動は、現実世界環境中の安全上の危険によるユーザの負傷の増加されたリスクに関連し得る。いくつかの場合には、ユーザ特性210は、ユーザの生理的状態および/または生理的反応を含むことができる。たとえば、ユーザ関与エンジン204は、ユーザの心拍数、呼吸数、および/またはユーザに関連する任意の追加の生物学的メトリックを監視することができる。いくつかの場合には、(たとえば、ベースラインまたは静止値と比較して)上昇した値をもつ生物学的メトリックは、仮想コンテンツ212との高いレベルの関与に関連し得る。
【0057】
[0064] ユーザ関与エンジン204は、様々な技法および/またはデバイスを使用してユーザ特性210を決定することができる。いくつかの例では、ユーザ関与エンジン204は、ユーザの視線を追跡するために、アイトラッキング技法ならびに/あるいは焦点面検出センサーおよび/またはアルゴリズムを利用することができる。そのようなセンサーおよび/またはアルゴリズムは、ユーザが仮想コンテンツまたは現実世界コンテンツに視覚的に焦点を合わせている(たとえば、それを閲覧および/または追跡している)かどうかを決定することができる。さらなる例では、ユーザ関与エンジン204は、ユーザの手のジェスチャーまたは他の入力ジェスチャーを検出するために、1つまたは複数のカメラまたは画像センサー(たとえば、エクステンデッドリアリティシステム100の画像センサー102)によってキャプチャされた画像またはビデオデータを分析することができる。他の例では、ユーザ関与エンジン204は、ユーザの移動を検出するために、1つまたは複数の動き検出センサー(たとえば、IMU、加速度計、ジャイロスコープなど)を利用することができる。動き検出センサーは、ユーザ関与エンジン204が、ユーザの移動の速さ、方向、および/またはタイプを決定することを可能にすることができる。追加または代替として、ユーザ関与エンジン204は、ユーザの生理的状態および/または反応を監視するために、生理学的センサー(たとえば、電気皮膚反応(GSR)センサー、脳波図(EEG)デバイスなど)を利用することができる。ユーザ関与エンジン204は、任意の好適な技法および/またはデバイスを使用して、任意の追加または代替のタイプのユーザ特性を検出することができる。
【0058】
[0065] 図2に示されているように、ユーザ関与エンジン204は、ユーザ特性210に少なくとも部分的に基づいて、ユーザ関与スコア(UES:user engagement score)218を決定することができる。UES218は、ユーザと仮想コンテンツ212との間の関与の全体的なレベルの定量的評価を表すことができる。ユーザと仮想コンテンツ212との間の関与のレベルは、(たとえば、ユーザが現実世界環境のほうへ向ける注意の量と比較して)ユーザが仮想コンテンツ212のほうへ向ける注意の量に対応し、および/またはそれを示すことができる。いくつかの場合には、高いUES218は、仮想コンテンツとの高いレベルの関与を示すことができ、低いUES218は、仮想コンテンツとの低いレベルの関与を示すことができる。
【0059】
[0066] いくつかの場合には、ユーザ関与エンジン204は、ユーザ特性210内の個人ユーザ特性を重み付けすることによって、UES218を決定することができる。たとえば、ユーザ関与エンジン204は、関連する(たとえば、ユーザによって現在表示されている)ことを検出および/または決定された各ユーザ特性に、数値スコアを割り当てることができる。非限定的な例では、ユーザ関与エンジン204は、所定の範囲(たとえば、1~10の範囲、ここで、1のスコアがユーザ関与の最も低いレベルに対応し、10のスコアがユーザ関与の最も高いレベルに対応する)内のスコアを各ユーザ特性に割り当てることができる。いくつかの場合には、ユーザ関与エンジン204は、ユーザ特性210の累積評価を表すUES218を生成するために、ユーザ特性210の各々の個々のスコアを(たとえば、平均(average)または平均(mean)または他の代表値を決定することによって)組み合わせることができる。いくつかの場合には、UES218を決定するために使用される所定の範囲は、ESS216を決定するために環境ファクタエンジン202によって使用される所定の範囲と同じであり得る。このようにして、ESS216およびUES218は、正規化され(たとえば、直接比較され)得る。いくつかの場合には、UES218を決定するために使用される所定の範囲は、ESS216を決定するために環境ファクタエンジン202によって使用される所定の範囲とは異なり得る。非限定的な例では、ユーザ関与エンジン204は、以下のように、3つのユーザ特性210を識別し、それにスコアを割り当て得る。(1)ユーザが一直線に走っている、8のスコアを割り当てられる、(2)ユーザがXRアプリケーションに口頭命令を提供している、7のスコアを割り当てられる、および(3)ユーザが仮想物体を視覚的に追跡している、6のスコアを割り当てられる。この例では、ユーザ関与エンジン204は、個々のスコアを平均化することによってUES218を決定し、7のUESを生じ得る。
【0060】
[0067] 図2に示されているように、コンテンツ突出性エンジン206は、仮想コンテンツ212に少なくとも部分的に基づいて、コンテンツ突出性スコア(CPS:content prominence score)220を決定することができる。仮想コンテンツ212は、エクステンデッドリアリティシステム100のユーザに表示される任意の仮想コンテンツ(たとえば、オーディオ仮想コンテンツ、視覚仮想コンテンツ、および/または触覚仮想コンテンツ)を含むことができる。CPS220は、ユーザに現在表示されている仮想コンテンツ212の量および/またはタイプの定量的評価を表すことができる。いくつかの例では、高いCPS220は、仮想コンテンツ212の高い突出性に対応することができ、低いCPS220は、仮想コンテンツ212の低い突出性に対応することができる。
【0061】
[0068] コンテンツ突出性エンジン206は、仮想コンテンツ212の様々な特性に基づいてCPS220を決定することができる。いくつかの例では、コンテンツ突出性エンジン206は、仮想コンテンツ212内の仮想コンテンツの各タイプ(たとえば、モダリティ)について、コンテンツ突出性スコアを決定することができる。たとえば、コンテンツ突出性エンジン206は、オーディオ仮想コンテンツに関連する第1のコンテンツ突出性スコアと、視覚仮想コンテンツに関連する第2のコンテンツ突出性スコアと、触覚仮想コンテンツに関連する第3のコンテンツ突出性スコアとを決定することができる。いくつかの例では、コンテンツ突出性エンジン206は、音声を伴うオーディオ仮想コンテンツが他のオーディオ仮想コンテンツ(たとえば、音効果、音楽など)よりも大きい突出性を有すると決定することができる。他の例では、コンテンツ突出性エンジン206は、より高いボリュームのオーディオおよび/またはより高い複雑性をもつオーディオ仮想コンテンツが、より低いボリュームのオーディオおよび/またはより低い複雑性をもつオーディオ仮想コンテンツよりも大きい突出性を有すると決定することができる。
【0062】
[0069] さらなる例では、コンテンツ突出性エンジン206は、より高い輝度、色飽和度および他の色特性、視覚複雑性、サイズ、透過性(および/または不透明度)などをもつ視覚仮想コンテンツが、より低いレベルのそのような特性をもつ視覚仮想コンテンツよりも高い突出性を有すると決定することができる。たとえば、コンテンツ突出性エンジン206は、より低い透過性をもつ視覚仮想コンテンツが、より高い透過性をもつ視覚仮想コンテンツよりも高い突出性を有すると決定することができる。さらなる例では、コンテンツ突出性エンジン206は、移動している仮想コンテンツ(たとえば、アニメーション化された仮想コンテンツ)が、(たとえば、特に、ユーザの視界の周辺にあるときに)静止した仮想コンテンツよりも高い突出性を有すると決定することができる。追加の例では、コンテンツ突出性エンジン206は、より短い深度をもつ視覚仮想コンテンツ(たとえば、ユーザのより近くに見える仮想コンテンツ)が、より長い深度をもつ視覚仮想コンテンツ(たとえば、ユーザからより遠く離れて見える仮想コンテンツ)よりも高い突出性を有すると決定することができる。さらなる例では、コンテンツ突出性エンジン206は、ディスプレイのより大きい量の視野(FOV:field of view)を占有する視覚仮想コンテンツが、より小さい量のFOVを占有する視覚仮想コンテンツよりも高い突出性を有すると決定することができる。別の例では、コンテンツ突出性エンジン206は、より大きい複雑性(たとえば、変動)をもつ視覚仮想コンテンツが、より低い複雑性をもつ視覚仮想コンテンツよりも高い突出性を有すると決定することができる。別の例では、コンテンツ突出性エンジン206は、ディスプレイ内のいくつかの位置(たとえば、ユーザの主要な視線内の位置)における視覚仮想コンテンツが、他の位置における視覚仮想コンテンツよりも高い突出性を有すると決定することができる。
【0063】
[0070] いくつかの場合には、触覚仮想コンテンツは、ハンドヘルドまたはウェアラブルXRデバイス(たとえば、XRコントローラ、XRウォッチなど)に誘起される振動を含むことができる。一例では、コンテンツ突出性エンジン206は、より高い振動強度、より高い振動持続時間、および/またはより高い振動数をもつ触覚仮想コンテンツが、それぞれ、より低い振動強度、より低い振動持続時間、および/またはより低い振動強度をもつ触覚仮想コンテンツよりも高い突出性を有すると決定することができる。
【0064】
[0071] いくつかの場合には、コンテンツ突出性エンジン206は、仮想コンテンツ212に関連する個々の特性に数値スコアを割り当てることによって、CPS220を決定することができる。非限定的な例では、コンテンツ突出性エンジン206は、所定の範囲(たとえば、1~10の範囲、ここで、1のスコアが突出性の最も低いレベルに対応し、10のスコアが突出性の最も高いレベルに対応する)内のスコアを各特性に割り当てることができる。いくつかの場合には、コンテンツ突出性エンジン206は、仮想コンテンツ212の突出性の累積評価を表すCPS220を生成するために、各特性の個々のスコアを(たとえば、平均(average)または平均(mean)または他の代表値を決定することによって)組み合わせることができる。いくつかの場合には、CPS220を決定するために使用される所定の範囲は、UES218を決定するためにユーザ関与エンジン204によって使用される所定の範囲および/またはESS216を決定するために環境ファクタエンジン202によって使用される所定の範囲と同じであり得る。このようにして、CPS220、ESS216、および/またはUES218は、正規化され(たとえば、直接比較され)得る。いくつかの場合には、CPS220を決定するために使用される所定の範囲は、UES218を決定するために使用される所定の範囲および/またはESS216を決定するために使用される所定の範囲とは異なり得る。いくつかの例では、コンテンツ突出性エンジン206が複数のタイプの仮想コンテンツについての個々のコンテンツ突出性スコアを決定する場合、コンテンツ突出性エンジン206は、個々のコンテンツ突出性スコアを平均化することによってCPS220を決定することができる。非限定的な例では、スコアの平均は、重み付き平均(たとえば、視覚コンテンツ突出性スコアの場合0.3の重み、オーディオコンテンツ突出性スコアの場合0.5の重み、および触覚コンテンツ突出性スコアの場合.2の重み)であり得る。
【0065】
[0072] 図2に示されているように、コンテンツ調整システム200は、ユーザ注意散漫スコア(UDS)222を決定することができる。UDS222は、仮想コンテンツ212によるユーザの注意散漫の全体的なレベルの定量的評価を表すことができる。いくつかの場合には、高いUDS222は、ユーザ注意散漫の高いレベルを示すことができ、低いUDS222は、ユーザ注意散漫の低いレベルを示すことができる。コンテンツ調整システム200は、様々な方法でUDS222を決定することができる。一例では、コンテンツ調整システム200は、UES218としてUDS222を決定することができる。たとえば、コンテンツ調整システム200は、ユーザと仮想コンテンツ212との間の関与のレベルを、仮想コンテンツ212によるユーザ注意散漫のレベルと等しくすることができる。他の例では、コンテンツ調整システム200は、UES218とCPS220の両方に基づいてUDS222を決定することができる。たとえば、ユーザが仮想コンテンツ212と極めておよび/またはアクティブに関与するわけではない場合(低いUES218に対応する)でも、ユーザは、依然として、極めて突出したコンテンツによって注意散漫にさせられ得る(高いCPS220に対応する)。いくつかの場合には、コンテンツ調整システム200は、UES218とCPS220との平均(たとえば、重み付き平均)としてUDS222を決定することができる。非限定的な例では、コンテンツ調整システム200は、UES218に0.7の重みを割り当て、CPS220に0.3の重みを割り当てることができる。
【0066】
[0073] いくつかの場合には、コンテンツ調整エンジン214は、ESS216とUDS222との間の比較に少なくとも部分的に基づいて、コンテンツ調整224を決定することができる。たとえば、ESS216は、「しきい値」ユーザ注意散漫スコアを表すことができる。UDS222がESS216を下回る場合、コンテンツ調整エンジン214は、ユーザ注意散漫のレベル(および/またはユーザと仮想コンテンツ212との間の関与のレベル)がしきい値レベルを超えない(たとえば、しきい値レベルに等しいかまたはそれよりも小さい)と決定することができる。したがって、コンテンツ調整エンジン214は、ユーザ注意散漫のレベル(および/またはユーザと仮想コンテンツ212との間の関与のレベル)がしきい値レベルを超えないという決定に基づいて、仮想コンテンツ212を調整しないことを決定することができる。たとえば、コンテンツ調整エンジン214は、ユーザ注意散漫のレベル(および/またはユーザと仮想コンテンツ212との間の関与のレベル)がしきい値レベルを超えない(あるいは、それに等しいかまたはそれよりも小さい)場合、調整が不要であると決定することができる。他の例では、コンテンツ調整エンジン214は、(たとえば、仮想コンテンツ212の突出性を増加させることによって)仮想コンテンツ212を調整することを決定することができる。UDS222がESS216を超える場合、コンテンツ調整エンジン214は、ユーザ注意散漫のレベル(および/またはユーザと仮想コンテンツ212との間の関与のレベル)がしきい値レベルを超えると決定することができる。コンテンツ調整エンジン214は、ユーザ注意散漫のレベル(および/またはユーザと仮想コンテンツ212との間の関与のレベル)がしきい値レベルを超えるという決定に基づいて、適切なコンテンツ調整224を決定することができる。コンテンツ調整エンジン214は、次いで、適切なコンテンツ調整224を仮想コンテンツ212に適用することができる。上述のように、ESS216、UES218、CPS220、およびUDS222は、正規化され(たとえば、同じ範囲をもつスケールを使用して決定され)得る。この正規化は、ESS216とUDS222との間の直接比較を容易にし得る。しかしながら、いくつかの場合には、コンテンツ調整システム200は、異なる範囲をもつスコアを利用することができ、および/または、コンテンツ調整エンジン214は、UDS222とESS216とがしきい値量だけ(安全しきい値またはユーザビリティしきい値によって定義された量だけ)異なるかどうかを決定することができる。
【0067】
[0074] コンテンツ調整エンジン214は、様々な方法で適切なコンテンツ調整224を決定することができる。いくつかの場合には、コンテンツ調整224は、CPS220を減少または増加させるように設計され得る。たとえば、UDS222がCPS220を使用して決定される場合、コンテンツ調整224を仮想コンテンツ212に適用することは、UDS222の対応する減少または増加を引き起こすことがある。いくつかの場合には、コンテンツ調整224は、CPS220の減少を引き起こすように構成され得、それは、ESS216を下回るUDS222を生じる。他の場合には、コンテンツ調整224は、CPS220の増加を引き起こすように構成され得、それは、ESS216を満たすかまたはそれに接近するUDS222を生じる。いくつかの例では、コンテンツ調整エンジン214は、仮想コンテンツ212内の特定のタイプ(たとえば、モダリティ)の仮想コンテンツを調整することを決定することができる。たとえば、コンテンツ調整エンジン214は、最も高い突出性をもつタイプの仮想コンテンツを調整するか、または、最も低い突出性をもつタイプの仮想コンテンツを調整することができる。別の例では、コンテンツ調整エンジン214は、複数のタイプの仮想コンテンツ(たとえば、視覚仮想コンテンツ、オーディオ仮想コンテンツ、および触覚仮想コンテンツのうちの2つまたはそれ以上)を調整することができる。非限定的な例では、コンテンツ調整エンジン214は、CPS220を決定するときにコンテンツタイプに割り当てられた重みに従って、仮想コンテンツのタイプを調整することができる。
【0068】
[0075] コンテンツ調整エンジン214は、様々な方法で仮想コンテンツ212の突出性を低減するようにコンテンツ調整を構成することができる。たとえば、コンテンツ調整224は、オーディオ仮想コンテンツのボリュームを低減することを含むことができる。追加または代替として、コンテンツ調整224は、オーディオ仮想コンテンツの複雑性を低減すること(たとえば、音効果および/または音楽を許容しながら音声を除去すること)を含むことができる。追加の例では、コンテンツ調整224は、XRデバイスのディスプレイ内の視覚仮想コンテンツの輝度、サイズ、色飽和度(および/または他の色特性)、不透明度、および/または視覚複雑性を低減することを含むことができる。追加または代替として、コンテンツ調整224は、XRデバイスのディスプレイ内の視覚仮想コンテンツの位置を変更することを含むことができる。たとえば、コンテンツ調整224は、(たとえば、視覚仮想コンテンツを、背景においてさらに先に、および/またはユーザからより遠く離れて見えるようにするために)視覚仮想コンテンツの深度を増加させることを含むことができる。別の例では、環境ファクタ(たとえば、物理的障害物)が視覚仮想コンテンツの一部分によってユーザのビューから遮られる場合、コンテンツ調整224は、環境ファクタがユーザに可視であるように、視覚仮想コンテンツをディスプレイの異なるエリアに移動することを含むことができる。さらなる例では、コンテンツ調整224は、アニメーション化された仮想コンテンツの移動を低減および/または停止することを含むことができる。さらなる例では、コンテンツ調整224は、視覚仮想コンテンツによって占有されるFOVを変更することを含むことができる。たとえば、コンテンツ調整224は、現実世界物体の可視性を増加させるためにFOVのサイズを減少させることを含むことができる。
【0069】
[0076] いくつかの場合には、コンテンツ調整224は、追加の仮想コンテンツをユーザに表示することを含むことができる。追加の仮想コンテンツは、ユーザに、1つまたは複数の環境ファクタの存在を示すことができる。たとえば、コンテンツ調整224は、XRデバイスのヘッドセットを通して、近くの環境ファクタに関してユーザにアラートするオーディオメッセージを提供することを含むことができる。別の例では、コンテンツ調整224は、XRデバイスのディスプレイ内に、環境ファクタの輪郭、環境ファクタを識別するラベル、環境ファクタを指す矢印、および/または環境ファクタの任意の好適な視覚識別を表示することを含むことができる。
【0070】
[0077] コンテンツ調整エンジン214は、様々な方法で仮想コンテンツ212の突出性を増加させるようにコンテンツ調整を構成することができる。たとえば、コンテンツ調整224は、オーディオ仮想コンテンツのボリュームを増加させることを含むことができる。追加または代替として、コンテンツ調整224は、オーディオ仮想コンテンツの複雑性を増加させること(たとえば、音声、音効果、および/または音楽を有効にすること)を含むことができる。追加の例では、コンテンツ調整224は、XRデバイスのディスプレイ内の視覚仮想コンテンツの輝度、サイズ、色飽和度(および/または他の色特性)、不透明度、および/または視覚複雑性を増加させることを含むことができる。追加または代替として、コンテンツ調整224は、XRデバイスのディスプレイ内の視覚仮想コンテンツの位置を変更することを含むことができる。たとえば、コンテンツ調整224は、(たとえば、視覚仮想コンテンツを、前景のより近くに、および/またはユーザからより近くに見えるようにするために)視覚仮想コンテンツの深度を減少させることを含むことができる。さらなる例では、コンテンツ調整224は、アニメーション化された仮想コンテンツの移動を増加させ、および/または有効にすることを含むことができる。別の例では、コンテンツ調整224は、視覚仮想コンテンツによって占有されるFOVを変更することを含むことができる。たとえば、コンテンツ調整224は、FOVのサイズを増加させることを含むことができる。さらに、コンテンツ調整224は、仮想コンテンツ212の突出性に課された前の限定の全部または一部分を除去することを含むことができる。たとえば、コンテンツ調整エンジン214が、ユーザに安全上のリスクを提示する1つまたは複数の環境ファクタを検出したことに基づいて仮想コンテンツ212の突出性を前に減少させた場合、コンテンツ調整エンジン214は、1つまたは複数の環境ファクタがもはや存在しないことを検出した後に、仮想コンテンツ212をそれの元のおよび/または意図された状態に戻すことができる。
【0071】
[0078] 図3は、XRデバイスのユーザに表示される例示的なXRディスプレイ300を示す。XRディスプレイ300は、現実世界コンテンツと、現実世界コンテンツ上に重ねられた仮想コンテンツとを含む。たとえば、図3に示されているテーブル304および人306は、XRディスプレイ300上でまたはそれを通して閲覧され得る現実世界環境中の物理的物体に対応する。XRディスプレイ300は、XRディスプレイ300を通して閲覧される現実世界コンテンツ上に重ねられた仮想コンテンツに対応するアバター302をも含むことができる。いくつかの場合には、アバター302は、オーディオ仮想コンテンツに付随することができる。いくつかの例では、図2のコンテンツ調整システム200は、テーブル304および/または人306を検出したことに少なくとも部分的に基づいて、現実世界環境に関連する環境安全性スコア(ESS)を決定することができる。コンテンツ調整システム200は、アバター302の特性および/またはユーザの特性に少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連するユーザ注意散漫スコア(UDS)をも決定することができる。一例では、コンテンツ調整システム200は、UDSがESSを超えないと決定することができる。UDSがESSを超えないと決定したことに基づいて、コンテンツ調整システム200は、XRディスプレイ300内の仮想コンテンツの特性を調整しないことを決定することができる(たとえば、コンテンツ調整システム200は、調整が現在必要でないと決定することができる)。別の例では、UDSがESSを超えないと決定したことに基づいて、コンテンツ調整システム200は、XRディスプレイ300内の仮想コンテンツの突出性を増加させるように仮想コンテンツの特性を調整することを決定することができる。別の例では、コンテンツ調整システム200は、UDSがESSを超えると決定することができる。UDSがESSを超えると決定したことに基づいて、コンテンツ調整システム200は、XRディスプレイ300内の仮想コンテンツの1つまたは複数の特性を調整することを決定することができる。さらなる例では、コンテンツ調整システム200は、UDSがESSを満たす(またはESSに十分に近い)と決定することができる。UDSがESSを満たすかまたはそれに十分に近いと決定したことに基づいて、コンテンツ調整システム200は、XRディスプレイ300内の仮想コンテンツの特性を調整しないことを決定することができる。
【0072】
[0079] 図4Aは、図3のXRディスプレイ300内の仮想コンテンツの1つまたは複数の特性を調整することの一例を示す。この例では、コンテンツ調整システム200は、(たとえば、人306がユーザに接近しており、および/またはユーザに名前で呼びかけたことに基づいて)人306がユーザと通信することを試みていると決定することができる。応答して、コンテンツ調整システム200は、アバター302の突出性を低減することができる。たとえば、図4Aに示されている調整されたアバター402は、コンテンツ調整システム200がアバター302のサイズを低減した後の図3中のアバター302に対応する。いくつかの場合には、コンテンツ調整システム200は、アバター302に付随するオーディオコンテンツのボリュームおよび/または複雑性をも低減することができる。アバター302および/または付随するオーディオコンテンツの突出性を低減することによって、コンテンツ調整システム200は、アバター302に関連するユーザ注意散漫のレベルを低減し、それにより、ユーザが十分な量の注意を人306に向けることを可能にすることができる。いくつかの場合には、コンテンツ調整システム200は、ユーザがもはや人306と通信していないと決定したことに基づいて、調整されたアバター402をそれの元の状態(たとえば、アバター302)に戻すことができる。
【0073】
[0080] 図4Bは、図3のXRディスプレイ300内の仮想コンテンツの1つまたは複数の特性を調整することの別の例を示す。この例では、コンテンツ調整システム200は、ユーザがテーブル304を含む経路中で移動していると決定することができる。応答して、コンテンツ調整システム200は、XRディスプレイ300内に追加の仮想コンテンツを表示することによって、ユーザにテーブル304を示すことができる。たとえば、図4Bに示されているように、コンテンツ調整システム200は、テーブル304をハイライトする仮想輪郭404を追加することができる。仮想輪郭404は、アバター302に関連するユーザ注意散漫のレベルを低減し、それにより、ユーザが、テーブル304と衝突する前に進路を変更することを可能にすることができる。いくつかの場合には、コンテンツ調整システム200は、テーブル304がもはやユーザの経路中にないと決定したことに基づいて、XRディスプレイ300から輪郭404を除去することができる。
【0074】
[0081] いくつかの例では、コンテンツ調整システム200は、現実世界環境内の環境ファクタの変化に基づいて、および/または仮想コンテンツ212によるユーザ注意散漫のレベルの変化に基づいて、仮想コンテンツ212の特性を調整し続けることができる。たとえば、XRシステム200は、閉ループシステムを含み、および/またはそれに対応することができる。閉ループシステムとして実装されるとき、コンテンツ突出性エンジン206によって決定されたCPS220は、UDS222を決定するために使用されるフィードバックを表すことができる。UDS222に少なくとも部分的に基づく仮想コンテンツ212の突出性の調整は、システム出力を表すことができる。仮想コンテンツ212の調整から生じる更新されたCPS220は、コンテンツ調整エンジン214にフィードバックされ得る。いくつかの場合には、(たとえば、閉ループシステムとして実装される)コンテンツ調整システム200は、更新された環境安全性スコア、ユーザ関与スコア、コンテンツ突出性スコア、および/またはユーザ注意散漫スコアを周期的に決定することによって、仮想コンテンツ突出性の適切なおよび/または所望のレベルを維持することができる。更新されたスコアは、周期的間隔において(たとえば、1秒ごとに、5秒ごとになど)、および/または必要に応じて(たとえば、環境および/または仮想コンテンツ212の変化に基づいて)決定され得る。
【0075】
[0082] XR環境内の仮想コンテンツを調整するための開ループシステムでは、仮想コンテンツの突出性の調整は、現実世界環境に関連するコンテキストファクタおよび/または他のコンテキストファクタに基づいて行われ得る。たとえば、仮想コンテンツの突出性の調整は、システム出力を表すことができる。しかしながら、開ループシステムは、システム入力として仮想コンテンツの突出性の調整を受信するように構成されない(および、したがって、開ループシステムはフィードバックループを含まない)。その結果、開ループシステムは、仮想コンテンツの調整が仮想コンテンツによるユーザ注意散漫のレベルにどのように影響を及ぼすかの直接的知識を有しないことがある。コンテンツ調整システム200は開ループシステムとして実装され得るが、コンテンツ調整システム200を閉ループシステムとして実装することは、仮想コンテンツのより速い、より高品質な、および/またはより動的な調整を可能にし得る。
【0076】
[0083] 図5は、エクステンデッドリアリティシステム内の仮想コンテンツを調整するための例示的なプロセス500を示す流れ図である。明快のために、プロセス500は、図2に示されているコンテンツ調整システム200を参照しながら説明される。本明細書で概説されるステップまたは動作は、例であり、いくつかのステップまたは動作を除外、追加、または修正する組合せを含むそれらの任意の組合せで実装され得る。
【0077】
[0084] ブロック502において、プロセス500は、検出された環境ファクタに基づいて環境安全性スコア(ESS)を決定することを含む。たとえば、コンテンツ調整システム200の環境ファクタエンジン202は、環境ファクタ208に少なくとも部分的に基づいてESS216を決定することができる。ブロック504において、プロセス500は、ユーザに表示される仮想コンテンツの突出性に基づいてコンテンツ突出性スコア(CPS)を決定することを含む。たとえば、コンテンツ調整システム200のコンテンツ突出性エンジン206は、仮想コンテンツ212に少なくとも部分的に基づいてCPS220を決定することができる。
【0078】
[0085] ブロック506において、プロセス500は、ユーザと仮想コンテンツとの間の関与のレベルに基づいてユーザ関与スコア(UES)を決定することを含む。たとえば、ユーザ関与エンジン204は、ユーザ特性210に少なくとも部分的に基づいてUES218を決定することができる。ブロック508において、プロセス500は、ユーザ関与スコアおよび/またはコンテンツ突出性スコアに基づいてユーザ注意散漫スコア(UDS)を決定することを含む。たとえば、コンテンツ調整システム200は、UES218および/またはCPS220に少なくとも部分的に基づいてUDS222を決定することができる。
【0079】
[0086] ブロック510において、プロセス500は、UDSがESSを超えるかどうかを決定することを含む。たとえば、コンテンツ調整システム200のコンテンツ調整エンジン214は、UDS222が(たとえば、安全しきい値によって定義される量など、少なくともしきい値量だけ)ESS216を超えるかどうかを決定することができる。プロセス500が、UDSが(たとえば、少なくともしきい値量だけ)ESSを超えると決定することを含む場合、プロセス500はブロック512に進む。この決定は、仮想コンテンツによるユーザ注意散漫の現在のレベルが、ユーザが現在の環境ファクタに十分な量の注意を向けるのを妨げる(または妨げることが予想される)ことを示すことができる。ブロック512において、プロセス500は、CPSを低下させるように仮想コンテンツを調整することを含む。たとえば、コンテンツ調整エンジン214は、仮想コンテンツ212に調整が適用されるとき、UDS222が、ESS216を下回るスコアまで低下されるように、仮想コンテンツ212の1つまたは複数の特性の調整を決定することができる。ブロック512から、プロセス500はブロック502に戻る。たとえば、コンテンツ調整システム200は、仮想コンテンツ212の適切な調整を行い続けるために、更新されたESS、更新されたCPS、更新されたUES、および/または更新されたUDSを決定することができる。
【0080】
[0087] プロセス500が、ブロック510においてUDSがESSを超えないと決定すること(たとえば、UDSが、ユーザビリティしきい値によって定義される量など、少なくともしきい値量だけESSを下回ると決定すること)を含む場合、プロセス500はブロック514に進む。この決定は、仮想コンテンツによるユーザ注意散漫の現在のレベルが、ユーザが現在の環境ファクタに十分な量の注意を向けるのを妨げない(または妨げることが予想されない)ことを示すことができる。いくつかの場合には、決定は、環境ファクタによりユーザを危険にさらすことなしに仮想コンテンツの突出性が増加され得ることをも示すことができる。たとえば、コンテンツ調整システム200は、UDS222がESS216を満たすかまたはそれに接近する(ただし、それを超えない)ように、仮想コンテンツ212の突出性を増加させることができる。一例では、コンテンツ調整システム200が仮想コンテンツ212の突出性を前に低減した場合、コンテンツ調整システム200は、仮想コンテンツ212をそれの元のおよび/または意図された状態に戻すことができる。ブロック514から、プロセス500はブロック502に戻る。たとえば、コンテンツ調整システム200は、仮想コンテンツ212の適切な調整を行い続けるために、更新されたESS、更新されたCPS、更新されたUES、および/または更新されたUDSを決定することができる。
【0081】
[0088] 図6は、仮想コンテンツ212の適切な調整を決定するために図2のコンテンツ調整システム200によって使用され得る様々なしきい値を示す例示的なグラフ602である。この例では、コンテンツ調整システム200は、ESS216およびUDS222を0~10の範囲内の値として決定することができる。いくつかの場合には、コンテンツ調整システム200は、ESS216がx軸座標であり、UDS222がy軸座標である、(x,y)座標ペアが、グラフ602に示されている領域604内に入るのか、領域606内に入るのか、領域608内に入るのかを決定することができる。図示のように、領域604は、しきい値610およびしきい値612によって画定され得、領域606および608が領域604の両側に位置する。図6は、しきい値610および612が、UDS=ESSに対応するライン614から1の値だけオフセットされることを示す。しかしながら、しきい値610および612は、任意の好適な量だけライン614からオフセットされ得る(オフセットなしを含む)。一例では、しきい値612は、安全しきい値に対応することができる。たとえば、コンテンツ調整システム200は、UDS222が安全しきい値超だけESS216を超える状況が、おそらく、ユーザにとって安全でないと決定することができる。したがって、ESS216およびUDS222に対応する(x,y)座標ペアが領域606内に入る場合、コンテンツ調整システム200は、仮想コンテンツ212の突出性を低減することができる。たとえば、コンテンツ調整システム200は、UDS222が、しきい値612またはESS216など、好適な値を満たすかまたはそれを下回るまで、仮想コンテンツ212の突出性を低減することができる。
【0082】
[0089] 一例では、しきい値610は、ユーザビリティしきい値に対応することができる。たとえば、コンテンツ調整システム200は、UDS222がユーザビリティしきい値超だけESS216を下回る状況が、おそらく、ユーザにとって不十分なおよび/または望ましくないXRエクスペリエンスに対応すると決定することができる。したがって、ESS216およびUDS222に対応する(x,y)座標ペアが領域608内に入る場合、コンテンツ調整システム200は、仮想コンテンツ212の突出性を増加させることができる。たとえば、コンテンツ調整システム200は、UDS222が、しきい値610またはESS216など、好適な値を満たすかまたはそれに接近するまで、仮想コンテンツ212の突出性を増加させることができる。一例では、領域604は、中間領域またはヒステリシス領域に対応することができる。たとえば、ESS216およびUDS222に対応する(x,y)座標ペアが領域604内に入る場合、コンテンツ調整システム200は、仮想コンテンツ212を調整しないことを決定することができる。このようにして、コンテンツ調整システム200は、仮想コンテンツ212の不要な、厄介な、および/または注意散漫にする調整を回避することができる。
【0083】
[0090] いくつかの場合には、コンテンツ調整システム200は、ESS216とUDS222との間の差の大きさに基づいて、仮想コンテンツ212の突出性を増加または減少させることができる。たとえば、コンテンツ調整システム200は、仮想コンテンツ212の比例調整および/または重み付けされた調整を決定し、適用することができる。例示的な例では、コンテンツ調整システム200は、式P(t)=P(t-1)-X(UDS(t)-ESS(t))を使用して仮想コンテンツ212の調整の大きさを決定することができ、ここで、PはCPS220であり、tは現在の時間ステップであり、Xは重み付けファクタである。時間ステップは、1秒、5秒、30秒など、任意の好適な時間間隔に対応することができる。
【0084】
[0091] 図7は、エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツを調整するための例示的なプロセス700を示す流れ図である。明快のために、プロセス700は、図2に示されているコンテンツ調整システム200を参照しながら説明される。本明細書で概説されるステップまたは動作は、例であり、いくつかのステップまたは動作を除外、追加、または修正する組合せを含むそれらの任意の組合せで実装され得る。
【0085】
[0092] ブロック702において、プロセス700は、エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツによるエクステンデッドリアリティシステムのユーザの注意散漫のレベルを決定することを含む。たとえば、コンテンツ調整システム200は、仮想コンテンツとのユーザの関与のレベルを決定することによって、エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツによるエクステンデッドリアリティのユーザの注意散漫のレベルを決定することができる。追加または代替として、コンテンツ調整システム200は、エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイ内の仮想コンテンツの突出性を決定することによって、ユーザの注意散漫のレベルを決定することができ、ここで、高い突出性が、注意散漫の高いレベルに関連する。いくつかの場合には、コンテンツ調整システム200は、仮想コンテンツのオーディオのボリューム、仮想コンテンツのサイズ、仮想コンテンツのタイプ、仮想コンテンツの輝度、仮想コンテンツの透過性、仮想コンテンツの移動のレベル、仮想コンテンツの1つまたは複数の色特性、仮想コンテンツの振動強度、仮想コンテンツの振動数、仮想コンテンツの振動持続時間、仮想コンテンツによって占有される視野、仮想コンテンツの視覚深度、および仮想コンテンツの位置のうちの少なくとも1つを決定することによって、エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイ内の仮想コンテンツの突出性を決定することができる。さらなる例では、コンテンツ調整システム200は、少なくとも部分的に、ユーザの1つまたは複数の物理的挙動を監視することによって、ユーザと仮想コンテンツとの間の関与のレベルを決定することができる。1つまたは複数の物理的挙動は、本明細書で説明されるファクタの中でも、ユーザが焦点を合わせている仮想物体および物理的物体のうちの少なくとも1つを示すことができる。
【0086】
[0093] ブロック704において、プロセス700は、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルを超えるのかそれよりも小さいのかを決定することを含む。注意散漫のしきい値レベルは、ユーザが位置する現実世界環境に関連する1つまたは複数の環境ファクタに少なくとも部分的に基づいて決定され得る。いくつかの場合には、1つまたは複数の環境ファクタは、現実世界環境内の物理的物体を含むことができる。追加または代替として、1つまたは複数の環境ファクタは、エクステンデッドリアリティシステムのユーザと人との間の対話を含むことができる。いくつかの場合には、コンテンツ調整システム200は、1つまたは複数の環境ファクタの重要性のレベルを決定することに少なくとも部分的に基づいて、注意散漫のしきい値レベルを決定することができ、ここで、注意散漫の低いしきい値レベルが、1つまたは複数の環境ファクタの重要性の高いレベルに関連する。一例では、ユーザに対する高い安全上のリスクをもつ環境ファクタが、重要性の高いレベルに関連する。いくつかの場合には、コンテンツ調整システム200は、ユーザの注意散漫のレベルを注意散漫のしきい値レベルと比較することによって、ユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルを超えるかどうかを決定することができる。
【0087】
[0094] ブロック706において、プロセス700は、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルを超えるのかそれよりも小さいのかの決定に基づいて、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性を調整することを含む。一例では、コンテンツ調整システム200が、(ブロック704において)仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルを超えると決定した場合、コンテンツ調整システムは、エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイを介して、1つまたは複数の環境ファクタの指示を出力することによって、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性を調整することができる。追加または代替として、コンテンツ調整システム200は、エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイ内の仮想コンテンツの突出性を減少させることによって、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性を調整することができる。別の例では、コンテンツ調整システム200が、(ブロック704において)仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルよりも小さいと決定した場合、コンテンツ調整システムは、エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイ内の仮想コンテンツの突出性を増加させることによって、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性を調整することができる。
【0088】
[0095] いくつかの場合には、プロセス700は、調整された1つまたは複数の特性をもつ仮想コンテンツによるエクステンデッドリアリティシステムのユーザの注意散漫の更新されたレベルを決定することを含むことができる。これらの場合には、プロセス700は、現実世界環境に関連する1つまたは複数の更新された環境ファクタに少なくとも部分的に基づいて、注意散漫の更新されたしきい値レベルを決定することをも含むことができ、ここで、1つまたは複数の更新された環境ファクタは、1つまたは複数の環境ファクタとは少なくとも部分的に異なる。いくつかの例では、プロセス700は、調整された1つまたは複数の特性をもつ仮想コンテンツによるユーザの注意散漫の更新されたレベルが、注意散漫の更新されたしきい値レベルを超えると決定することと、次いで、注意散漫の更新されたレベルが注意散漫の更新されたしきい値レベルを超えるという決定に基づいて、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性をさらに調整することとを含むことができる。仮想コンテンツの1つまたは複数の特性をさらに調整することは、エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツの突出性を減少させることができる。いくつかの例では、プロセス700は、調整された1つまたは複数の特性をもつ仮想コンテンツによるユーザの注意散漫の更新されたレベルが、注意散漫の更新されたしきい値レベルよりも小さいと決定することと、注意散漫の更新されたレベルが注意散漫の更新されたしきい値レベルよりも小さいと決定したことに基づいて、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性をさらに調整することとを含むことができる。仮想コンテンツの1つまたは複数の特性をさらに調整することは、エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツの突出性を増加させることができる。
【0089】
[0096] 図8は、本技術のいくつかの態様を実装するためのシステムの一例を示す図である。特に、図8は、コンピューティングシステム800の一例を示し、これは、たとえば、システムの構成要素が接続805を使用して互いと通信している、内部コンピューティングシステム、リモートコンピューティングシステム、カメラ、またはそれらの任意の構成要素を構成する任意のコンピューティングデバイスであり得る。接続805は、バスを使用したプロセッサ810への物理接続、または、チップセットアーキテクチャなどにおける、プロセッサ810への直接接続であり得る。接続805はまた、仮想接続、ネットワーク化された接続、または論理接続であり得る。
【0090】
[0097] いくつかの例では、コンピューティングシステム800は、本開示で説明される機能が、データセンター、複数のデータセンター、ピアネットワーク内などに分散され得る、分散型システムである。いくつかの例では、説明されるシステム構成要素のうちの1つまたは複数は、構成要素がそれについて説明される機能の一部または全部を各々実施する多くのそのような構成要素を表す。いくつかの場合には、構成要素は、物理デバイスまたは仮想デバイスであり得る。
【0091】
[0098] 例示的なシステム800は、少なくとも1つの処理ユニット(CPUまたはプロセッサ)810と接続805とを含み、接続805は、読取り専用メモリ(ROM)820およびランダムアクセスメモリ(RAM)825など、システムメモリ815を含む様々なシステム構成要素を、プロセッサ810に結合する。コンピューティングシステム800は、プロセッサ810と直接接続された、プロセッサ810に極めて近接した、またはプロセッサ810の一部として統合された、高速メモリのキャッシュ812を含むことができる。
【0092】
[0099] プロセッサ810は、任意の汎用プロセッサと、プロセッサ810ならびに専用プロセッサを制御するように構成された、記憶デバイス830に記憶されたサービス832、834、および836など、ハードウェアサービスまたはソフトウェアサービスとを含むことができ、ここで、ソフトウェア命令が実際のプロセッサ設計に組み込まれる。プロセッサ810は、本質的に、複数のコアまたはプロセッサと、バスと、メモリコントローラと、キャッシュなどとを含んでいる、完全自己完結型コンピューティングシステムであり得る。マルチコアプロセッサは、対称的または非対称的であり得る。
【0093】
[0100] ユーザ対話を可能にするために、コンピューティングシステム800は入力デバイス845を含み、入力デバイス845は、音声のためのマイクロフォン、ジェスチャーまたはグラフィカル入力のためのタッチセンシティブスクリーン、キーボード、マウス、動き入力、音声など、任意の数の入力機構を表すことができる。コンピューティングシステム800は、いくつかの出力機構のうちの1つまたは複数であり得る、出力デバイス835をも含むことができる。いくつかの事例では、マルチモーダルシステムは、ユーザが、コンピューティングシステム800と通信するために複数のタイプの入力/出力を提供することを可能にすることができる。コンピューティングシステム800は、概してユーザ入力とシステム出力とを統制および管理することができる、通信インターフェース840を含むことができる。通信インターフェースは、オーディオジャック/プラグ、マイクロフォンジャック/プラグ、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート/プラグ、Apple(登録商標)Lightning(登録商標)ポート/プラグ、イーサネット(登録商標)ポート/プラグ、光ファイバーポート/プラグ、プロプライエタリワイヤードポート/プラグ、BLUETOOTH(登録商標)ワイヤレス信号転送、BLUETOOTH(登録商標)低エネルギー(BLE)ワイヤレス信号転送、IBEACON(登録商標)ワイヤレス信号転送、無線周波数識別(RFID)ワイヤレス信号転送、ニアフィールド通信(NFC)ワイヤレス信号転送、専用短距離通信(DSRC)ワイヤレス信号転送、802.11Wi-Fi(登録商標)ワイヤレス信号転送、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)信号転送、可視光通信(VLC)、ワールドワイドインターオペラビリティフォーマイクロウェーブアクセス(WiMAX(登録商標))、赤外線(IR)通信ワイヤレス信号転送、公衆交換電話網(PSTN)信号転送、統合サービスデジタルネットワーク(ISDN)信号転送、3G/4G/5G/LTE(登録商標)セルラーデータネットワークワイヤレス信号転送、アドホックネットワーク信号転送、電波信号転送、マイクロ波信号転送、赤外線信号転送、可視光信号転送、紫外光信号転送、電磁スペクトルに沿ったワイヤレス信号転送、またはそれらの何らかの組合せを利用するものを含む、ワイヤードトランシーバおよび/またはワイヤレストランシーバを使用して、ワイヤード通信またはワイヤレス通信の受信および/または送信を実施するか、または容易にし得る。通信インターフェース840はまた、1つまたは複数のグローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)システムに関連する1つまたは複数の衛星からの1つまたは複数の信号の受信に基づいてコンピューティングシステム800のロケーションを決定するために使用される1つまたは複数のGNSS受信機またはトランシーバを含み得る。GNSSシステムは、限定はしないが、米国ベースの全地球測位システム(GPS)と、ロシアベースの全地球航法衛星システム(GLONASS)と、中国ベースの北斗航法衛星システム(BDS)と、欧州ベースのGalileo GNSSとを含む。任意の特定のハードウェア構成上で動作することに対する制限はなく、したがって、ここでの基本的特徴は、改善されたハードウェア構成またはファームウェア構成が開発されるにつれて、それらで容易に代用され得る。
【0094】
[0101] 記憶デバイス830は、不揮発性および/または非一時的および/またはコンピュータ可読メモリデバイスであり得、磁気カセット、フラッシュメモリカード、固体メモリデバイス、デジタル多用途ディスク、カートリッジ、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、磁気ストリップ/ストライプ、任意の他の磁気記憶媒体、フラッシュメモリ、メモリスタメモリ、任意の他の固体メモリ、コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)光ディスク、書換え可能コンパクトディスク(CD)光ディスク、デジタルビデオディスク(DVD)光ディスク、blu-ray(登録商標)ディスク(BDD)光ディスク、ホログラフィック光ディスク、別の光媒体、セキュアデジタル(SD)カード、マイクロセキュアデジタル(microSD)カード、Memory Stick(登録商標)カード、スマートカードチップ、EMVチップ、加入者識別モジュール(SIM)カード、ミニ/マイクロ/ナノ/ピコSIMカード、別の集積回路(IC)チップ/カード、ランダムアクセスメモリ(RAM)、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、読取り専用メモリ(ROM)、プログラマブル読取り専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュEPROM(FLASHEPROM)、キャッシュメモリ(L1/L2/L3/L4/L5/L#)、抵抗性ランダムアクセスメモリ(RRAM(登録商標)/ReRAM)、相変化メモリ(PCM)、スピン転送トルクRAM(STT-RAM)、別のメモリチップまたはカートリッジ、および/あるいはそれらの組合せなど、コンピュータによってアクセス可能であるデータを記憶することができるハードディスクまたは他のタイプのコンピュータ可読媒体であり得る。
【0095】
[0102] 記憶デバイス830は、ソフトウェアサービス、サーバ、サービスなどを含むことができ、それらは、そのようなソフトウェアを定義するコードがプロセッサ810によって実行されるとき、システムに機能を実施させる。いくつかの例では、特定の機能を実施するハードウェアサービスは、その機能を行うために、プロセッサ810、接続805、出力デバイス835など、必要なハードウェア構成要素に関して、コンピュータ可読媒体に記憶されたソフトウェア構成要素を含むことができる。
【0096】
[0103] 本明細書で使用される「コンピュータ可読媒体」という用語は、限定はしないが、ポータブルまたは非ポータブル記憶デバイス、光記憶デバイス、ならびに(1つまたは複数の)命令および/またはデータを記憶、含有、または担持することが可能な様々な他の媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、データがそこに記憶され得る非一時的媒体を含み得、それは、ワイヤレスにまたはワイヤード接続を介して伝搬する搬送波および/または一時的電子信号を含まない。非一時的媒体の例は、限定はしないが、磁気ディスクまたはテープ、コンパクトディスク(CD)またはデジタル多用途ディスク(DVD)などの光記憶媒体、フラッシュメモリ、メモリまたはメモリデバイスを含み得る。コンピュータ可読媒体は、プロシージャ、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラス、あるいは命令、データ構造、またはプログラムステートメントの任意の組合せを表し得る、コードおよび/または機械実行可能命令をその上に記憶していることがある。コードセグメントは、情報、データ、引数、パラメータ、またはメモリコンテンツをパスおよび/または受信することによって、別のコードセグメントまたはハードウェア回路に結合され得る。情報、引数、パラメータ、データなどは、メモリ共有、メッセージパッシング、トークンパッシング、ネットワーク送信などを含む、任意の好適な手段を使用してパス、フォワーディング、または送信され得る。
【0097】
[0104] いくつかの例では、コンピュータ可読記憶デバイス、媒体、およびメモリは、ビットストリームなどを含んでいるケーブル信号またはワイヤレス信号を含むことができる。しかしながら、述べられるとき、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、エネルギー、キャリア信号、電磁波、および信号自体などの媒体を明確に除外する。
【0098】
[0105] 本明細書で提供される例の完全な理解を提供するために、具体的な詳細が上記の説明で提供される。ただし、例はこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることを当業者は理解されよう。説明の明快のために、いくつかの事例では、本技術は、デバイス、デバイス構成要素、ソフトウェアで具現される方法におけるステップまたはルーチン、あるいはハードウェアとソフトウェアとの組合せを備える機能ブロックを含む個々の機能ブロックを含むものとして提示され得る。図に示されているおよび/または本明細書で説明される構成要素以外の追加の構成要素が使用され得る。たとえば、回路、システム、ネットワーク、プロセス、および他の構成要素は、例を不要な詳細で不明瞭にしないためにブロック図の形態で構成要素として示され得る。他の事例では、例を不明瞭にすることを回避するために、よく知られている回路、プロセス、アルゴリズム、構造、および技法が不要な詳細なしに示され得る。
【0099】
[0106] 個々の例は、フローチャート、流れ図、データフロー図、構造図、またはブロック図として示されるプロセスまたは方法として、上記で説明され得る。フローチャートは動作を連続プロセスとして説明することがあるが、動作の多くは並行してまたは同時に実施され得る。さらに、動作の順序は並べ替えられ得る。プロセスの動作が完了されるとき、プロセスは終了されるが、図中に含まれない追加のステップを有し得る。プロセスは、方法、関数、プロシージャ、サブルーチン、サブプログラムなどに対応し得る。プロセスが関数に対応するとき、それの終了は呼出し関数またはメイン関数への関数の復帰に対応することができる。
【0100】
[0107] 上記で説明された例によるプロセスおよび方法は、記憶されるかまたはさもなければコンピュータ可読媒体から利用可能である、コンピュータ実行可能命令を使用して実装され得る。そのような命令は、たとえば、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または処理デバイスが、ある関数または関数のグループを実施することを引き起こすか、あるいはさもなければそれらを実施するように構成する、命令とデータとを含むことができる。使用されるコンピュータリソースの部分が、ネットワークを介してアクセス可能であり得る。コンピュータ実行可能命令は、たとえば、バイナリ、アセンブリ言語などの中間フォーマット命令、ファームウェア、ソースコードなどであり得る。命令、使用される情報、および/または説明される例による方法中に作成される情報を記憶するために使用され得るコンピュータ可読媒体の例は、磁気または光ディスク、フラッシュメモリ、不揮発性メモリを備えたUSBデバイス、ネットワーク化された記憶デバイスなどを含む。
【0101】
[0108] これらの開示によるプロセスおよび方法を実装するデバイスは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはそれらの任意の組合せを含むことができ、様々なフォームファクタのいずれかをとることができる。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、またはマイクロコードで実装されるとき、必要なタスクを実施するためのプログラムコードまたはコードセグメント(たとえば、コンピュータプログラム製品)は、コンピュータ可読媒体または機械可読媒体に記憶され得る。(1つまたは複数の)プロセッサが、必要なタスクを実施し得る。フォームファクタの一般的な例は、ラップトップ、スマートフォン、モバイルフォン、タブレットデバイスまたは他のスモールフォームファクタパーソナルコンピュータ、携帯情報端末、ラックマウント(rackmount)デバイス、スタンドアロンデバイスなどを含む。本明細書で説明される機能はまた、周辺機器またはアドインカードで具現され得る。そのような機能はまた、さらなる例として、単一のデバイスにおいて実行する異なるチップまたは異なるプロセスの間で回路板上に実装され得る。
【0102】
[0109] 命令、そのような命令を伝達するための媒体、それらを実行するためのコンピューティングリソース、およびそのようなコンピューティングリソースをサポートするための他の構造は、本開示で説明される機能を提供するための例示的な手段である。
【0103】
[0110] 上記の説明では、本出願の態様がそれの特定の例を参照しながら説明されたが、本出願はそれに限定されないことを、当業者は認識されよう。したがって、本出願の例示的な例が本明細書で詳細に説明されているが、従来技術によって限定される場合を除いて、発明的概念が、場合によっては様々に具現および採用され得、添付の特許請求の範囲が、そのような変形形態を含むように解釈されるものであることを理解されたい。上記で説明された適用例の様々な特徴および態様は、個々にまたは一緒に使用され得る。さらに、例は、本明細書のより広い趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書で説明された環境および適用例以外に、任意の数の環境および適用例において利用され得る。したがって、本明細書および図面は、限定的なものではなく例示的なものとして考慮されるべきである。例示の目的で、方法は、特定の順序で説明された。代替例では、方法は、説明された順序とは異なる順序で実施され得ることを諒解されたい。
【0104】
[0111] 本明細書で使用される、よりも小さい(「<」)、および、よりも大きい(「>」)のシンボルまたは専門用語は、本説明の範囲から逸脱することなく、それぞれ、よりも小さいかまたはそれに等しい(「≦」)、および、よりも大きいかまたはそれに等しい(「≧」)のシンボルと置き換えられ得ることを、当業者は諒解されよう。
【0105】
[0112] 構成要素がいくつかの動作を実施する「ように構成される」ものとして説明される場合、そのような構成は、たとえば、動作を実施するように電子回路または他のハードウェアを設計することによって、動作を実施するようにプログラマブル電子回路(たとえば、マイクロプロセッサ、または他の好適な電子回路)をプログラムすることによって、あるいはそれらの任意の組合せで達成され得る。
【0106】
[0113] 「に結合された」という句は、直接的にまたは間接的にのいずれかで別の構成要素に物理的に接続された任意の構成要素、および/あるいは直接的にまたは間接的にのいずれかで別の構成要素と通信している(たとえば、ワイヤードまたはワイヤレス接続、および/あるいは他の好適な通信インターフェースを介して別の構成要素に接続された)任意の構成要素を指す。
【0107】
[0114] セット「のうちの少なくとも1つ」、および/またはセットのうちの「1つまたは複数」を具陳するクレームの文言または他の文言は、セットのうちの1つのメンバーまたは(任意の組合せにおける)セットのうちの複数のメンバーがクレームを満足することを示す。たとえば、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」を具陳するクレームの文言は、A、B、またはAおよびBを意味する。別の例では、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」を具陳するクレームの文言は、A、B、C、またはAおよびB、またはAおよびC、またはBおよびC、またはAおよびBおよびCを意味する。セット「のうちの少なくとも1つ」および/またはセットのうちの「1つまたは複数」という文言は、セットを、セットに記載されている項目に限定しない。たとえば、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」を具陳するクレームの文言は、A、B、またはAおよびBを意味することができ、さらに、AおよびBのセットに記載されていない項目を含むことができる。
【0108】
[0115] 本明細書で開示される例に関して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組合せとして実装され得る。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、概してそれらの機能に関して上記で説明された。そのような機能がハードウェアとして実装されるのかソフトウェアとして実装されるのかは、特定の適用例および全体的なシステムに課される設計制約に依存する。当業者は、説明された機能を特定の適用例ごとに様々な方法で実装し得るが、そのような実装の決定は、本出願の範囲からの逸脱を引き起こすものとして解釈されるべきではない。
【0109】
[0116] 本明細書で説明された技法はまた、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。そのような技法は、汎用コンピュータ、ワイヤレス通信デバイスハンドセット、またはワイヤレス通信デバイスハンドセットおよび他のデバイスにおける適用を含む複数の用途を有する集積回路デバイスなど、様々なデバイスのいずれかにおいて実装され得る。モジュールまたは構成要素として説明された特徴は、集積論理デバイスに一緒に、または個別であるが相互運用可能な論理デバイスとして別個に実装され得る。ソフトウェアで実装された場合、本技法は、実行されたとき、上記で説明された方法のうちの1つまたは複数を実施する命令を含むプログラムコードを備えるコンピュータ可読データ記憶媒体によって、少なくとも部分的に実現され得る。コンピュータ可読データ記憶媒体は、パッケージング材料を含み得るコンピュータプログラム製品の一部を形成し得る。コンピュータ可読媒体は、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)などのランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気または光データ記憶媒体など、メモリまたはデータ記憶媒体を備え得る。本技法は、追加または代替として、伝搬信号または電波など、命令またはデータ構造の形態でプログラムコードを搬送または通信し、コンピュータによってアクセスされ、読み取られ、および/または実行され得るコンピュータ可読通信媒体によって少なくとも部分的に実現され得る。
【0110】
[0117] プログラムコードは、1つまたは複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブル論理アレイ(FPGA)、あるいは他の等価な集積回路またはディスクリート論理回路など、1つまたは複数のプロセッサを含み得るプロセッサによって実行され得る。そのようなプロセッサは、本開示で説明された技法のいずれかを実施するように構成され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装され得る。したがって、本明細書で使用される「プロセッサ」という用語は、上記の構造、上記の構造の任意の組合せ、あるいは本明細書で説明された技法の実装に好適な任意の他の構造または装置のいずれかを指し得る。さらに、いくつかの態様では、本明細書で説明された機能は、符号化および復号のために構成された専用のソフトウェアモジュールまたはハードウェアモジュール内に提供され得、あるいは複合ビデオエンコーダ/デコーダ(コーデック)に組み込まれ得る。
【0111】
[0118] 本開示の例示的な態様は、以下を含む。
【0112】
[0119] 態様1:エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツを調整するための装置であって、装置が、メモリと、メモリに結合されたプロセッサとを含み、プロセッサは、エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツによるエクステンデッドリアリティシステムのユーザの注意散漫のレベルを決定することと、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルを超えるのかそれよりも小さいのかを決定することと、注意散漫のしきい値レベルが、ユーザが位置する現実世界環境に関連する1つまたは複数の環境ファクタに少なくとも部分的に基づいて決定される、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルを超えるのかそれよりも小さいのかの決定に基づいて、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性を調整することとを行うように構成された、装置。
【0113】
[0120] 態様2:プロセッサが、少なくとも部分的に、ユーザと仮想コンテンツとの間の関与のレベルを決定することによって、エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツによるエクステンデッドリアリティシステムのユーザの注意散漫のレベルを決定するように構成された、態様1に記載の装置。
【0114】
[0121] 態様3:プロセッサが、少なくとも部分的に、ユーザの1つまたは複数の物理的挙動を監視することによって、ユーザと仮想コンテンツとの間の関与のレベルを決定するように構成された、態様2に記載の装置。
【0115】
[0122] 態様4:ユーザの1つまたは複数の物理的挙動は、ユーザが焦点を合わせている仮想物体および物理的物体のうちの少なくとも1つを示す、態様3に記載の装置。
【0116】
[0123] 態様5:プロセッサが、少なくとも部分的に、エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイ内の仮想コンテンツの突出性を決定することによって、エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツによるエクステンデッドリアリティシステムのユーザの注意散漫のレベルを決定するように構成され、高い突出性が、注意散漫の高いレベルに関連する、態様1から4のいずれか1つに記載の装置。
【0117】
[0124] 態様6:プロセッサが、少なくとも部分的に、仮想コンテンツのオーディオのボリューム、仮想コンテンツのサイズ、仮想コンテンツのタイプ、仮想コンテンツの輝度、仮想コンテンツの透過性、仮想コンテンツの移動のレベル、仮想コンテンツの1つまたは複数の色特性、仮想コンテンツの振動強度、仮想コンテンツの振動数、仮想コンテンツの振動持続時間、仮想コンテンツによって占有される視野、仮想コンテンツの視覚深度、および仮想コンテンツの位置のうちの少なくとも1つを決定することによって、エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイ内の仮想コンテンツの突出性を決定するように構成された、態様5に記載の装置。
【0118】
[0125] 態様7:1つまたは複数の環境ファクタが、現実世界環境内の物理的物体を含む、態様1から6のいずれか1つに記載の装置。
【0119】
[0126] 態様8:1つまたは複数の環境ファクタが、エクステンデッドリアリティシステムのユーザと人との間の対話を含む、態様1から7のいずれか1つに記載の装置。
【0120】
[0127] 態様9:プロセッサが、1つまたは複数の環境ファクタの重要性のレベルを決定することに少なくとも部分的に基づいて、注意散漫のしきい値レベルを決定するように構成され、注意散漫の低いしきい値レベルが、1つまたは複数の環境ファクタの重要性の高いレベルに関連する、態様1から8のいずれか1つに記載の装置。
【0121】
[0128] 態様10:ユーザに対する高い安全上のリスクをもつ環境ファクタが、重要性の高いレベルに関連する、態様9に記載の装置。
【0122】
[0129] 態様11:プロセッサは、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルを超えると決定することと、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルを超えることに基づいて、エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイを介して、1つまたは複数の環境ファクタの指示を出力することによって、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性を調整することとを行うように構成された、態様1から10のいずれか1つに記載の装置。
【0123】
[0130] 態様12:プロセッサは、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルを超えると決定することと、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルを超えることに基づいて、エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイ内の仮想コンテンツの突出性を減少させることによって、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性を調整することとを行うように構成された、態様1から11のいずれか1つに記載の装置。
【0124】
[0131] 態様13:プロセッサは、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルよりも小さいと決定することと、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルよりも小さいことに基づいて、エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイ内の仮想コンテンツの突出性を増加させることによって、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性を調整することとを行うようにさらに構成された、態様1から12のいずれか1つに記載の装置。
【0125】
[0132] 態様14:プロセッサは、調整された1つまたは複数の特性をもつ仮想コンテンツによるエクステンデッドリアリティのユーザの注意散漫の更新されたレベルを決定することと、現実世界環境に関連する1つまたは複数の更新された環境ファクタに少なくとも部分的に基づいて、注意散漫の更新されたしきい値レベルを決定することと、1つまたは複数の更新された環境ファクタが、1つまたは複数の環境ファクタとは少なくとも部分的に異なる、を行うようにさらに構成された、態様1から13のいずれか1つに記載の装置。
【0126】
[0133] 態様15:プロセッサは、調整された1つまたは複数の特性をもつ仮想コンテンツによるユーザの注意散漫の更新されたレベルが、注意散漫の更新されたしきい値レベルを超えると決定することと、注意散漫の更新されたレベルが注意散漫の更新されたしきい値レベルを超えるという決定に基づいて、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性をさらに調整することと、ここにおいて、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性をさらに調整することが、エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツの突出性を減少させる、を行うようにさらに構成された、態様14に記載の装置。
【0127】
[0134] 態様16:プロセッサは、調整された1つまたは複数の特性をもつ仮想コンテンツによるユーザの注意散漫の更新されたレベルが、注意散漫の更新されたしきい値レベルよりも小さいと決定することと、注意散漫の更新されたレベルが注意散漫の更新されたしきい値レベルよりも小さいと決定したことに基づいて、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性をさらに調整することと、ここにおいて、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性をさらに調整することが、エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツの突出性を増加させる、を行うようにさらに構成された、態様14または15のいずれか1つに記載の装置。
【0128】
[0135] 態様17:エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツを調整するための方法であって、方法は、エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツによるエクステンデッドリアリティシステムのユーザの注意散漫のレベルを決定することと、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルを超えるのかそれよりも小さいのかを決定することと、注意散漫のしきい値レベルが、ユーザが位置する現実世界環境に関連する1つまたは複数の環境ファクタに少なくとも部分的に基づいて決定される、仮想コンテンツによるユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルを超えるのかそれよりも小さいのかの決定に基づいて、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性を調整することとを備える、方法。
【0129】
[0136] 態様18:エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツによるエクステンデッドリアリティシステムのユーザの注意散漫のレベルを決定することが、ユーザと仮想コンテンツとの間の関与のレベルを決定することを含む、態様17に記載の方法。
【0130】
[0137] 態様19:少なくとも部分的に、ユーザの1つまたは複数の物理的挙動を監視することによって、ユーザと仮想コンテンツとの間の関与のレベルを決定することをさらに備える、態様18に記載の方法。
【0131】
[0138] 態様20:ユーザの1つまたは複数の物理的挙動は、ユーザが焦点を合わせている仮想物体および物理的物体のうちの少なくとも1つを示す、態様19に記載の方法。
【0132】
[0139] 態様21:エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツによるエクステンデッドリアリティシステムのユーザの注意散漫のレベルを決定することが、エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイ内の仮想コンテンツの突出性を決定することを含み、高い突出性が、注意散漫の高いレベルに関連する、態様17から20のいずれか1つに記載の方法。
【0133】
[0140] 態様22:エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイ内の仮想コンテンツの突出性を決定することが、仮想コンテンツのオーディオのボリューム、仮想コンテンツのサイズ、仮想コンテンツのタイプ、仮想コンテンツの輝度、仮想コンテンツの透過性、仮想コンテンツの移動のレベル、仮想コンテンツの1つまたは複数の色特性、仮想コンテンツの振動強度、仮想コンテンツの振動数、仮想コンテンツの振動持続時間、仮想コンテンツの視野、仮想コンテンツの視覚深度、および仮想コンテンツの位置のうちの少なくとも1つを決定することを含む、態様21に記載の方法。
【0134】
[0141] 態様23:1つまたは複数の環境ファクタが、現実世界環境内の物理的物体を含む、態様17から22のいずれか1つに記載の方法。
【0135】
[0142] 態様24:1つまたは複数の環境ファクタが、エクステンデッドリアリティシステムのユーザと人との間の対話を含む、態様17から23のいずれか1つに記載の方法。
【0136】
[0143] 態様25:1つまたは複数の環境ファクタの重要性のレベルを決定することに少なくとも部分的に基づいて、注意散漫のしきい値レベルを決定することをさらに備え、注意散漫の低いしきい値レベルが、1つまたは複数の環境ファクタの重要性の高いレベルに関連する、態様17から24のいずれか1つに記載の方法。
【0137】
[0144] 態様26.ユーザに対する高い安全上のリスクをもつ環境ファクタが、重要性の高いレベルに関連する、態様25に記載の方法。
【0138】
[0145] 態様27:ユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルを超えると決定することをさらに備え、ここにおいて、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性を調整することが、エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイを介して、1つまたは複数の環境ファクタの指示を出力することを含む、態様17から26のいずれか1つに記載の方法。
【0139】
[0146] 態様28:ユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルを超えると決定することをさらに備え、ここにおいて、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性を調整することが、エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイ内の仮想コンテンツの突出性を減少させることを含む、態様17から27のいずれか1つに記載の方法。
【0140】
[0147] 態様29:ユーザの注意散漫のレベルが注意散漫のしきい値レベルよりも小さいと決定することをさらに備え、ここにおいて、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性を調整することが、エクステンデッドリアリティシステムのディスプレイ内の仮想コンテンツの突出性を減少させることを含む、態様17から28のいずれか1つに記載の方法。
【0141】
[0148] 態様30:調整された1つまたは複数の特性をもつ仮想コンテンツによるエクステンデッドリアリティシステムのユーザの注意散漫の更新されたレベルを決定することと、現実世界環境に関連する1つまたは複数の更新された環境ファクタに少なくとも部分的に基づいて、注意散漫の更新されたしきい値レベルを決定することと、1つまたは複数の更新された環境ファクタが、1つまたは複数の環境ファクタとは少なくとも部分的に異なる、をさらに備える、態様17から29のいずれか1つに記載の方法。
【0142】
[0149] 態様31:調整された1つまたは複数の特性をもつ仮想コンテンツによるユーザの注意散漫の更新されたレベルが、注意散漫の更新されたしきい値レベルを超えると決定することと、注意散漫の更新されたレベルが注意散漫の更新されたしきい値レベルを超えると決定したことに基づいて、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性をさらに調整することと、ここにおいて、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性をさらに調整することが、エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツの突出性を減少させる、をさらに備える、態様30に記載の方法。
【0143】
[0150] 態様32:調整された1つまたは複数の特性をもつ仮想コンテンツによるユーザの注意散漫の更新されたレベルが、注意散漫の更新されたしきい値レベルよりも小さいと決定することと、注意散漫の更新されたレベルが注意散漫の更新されたしきい値レベルよりも小さいと決定したことに基づいて、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性をさらに調整することと、ここにおいて、仮想コンテンツの1つまたは複数の特性をさらに調整することが、エクステンデッドリアリティシステムによって提供された仮想コンテンツの突出性を増加させる、をさらに備える、態様30または31のいずれか1つに記載の方法。
【0144】
[0151] 態様33:命令を記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、命令は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、1つまたは複数のプロセッサに、態様1から32のいずれかに記載の動作を実施させる、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0145】
[0152] 態様34:態様1から32のいずれかに記載の動作を実施するための手段を備える装置。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】