(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-29
(54)【発明の名称】アークティックジェルパッド用のオンパッド流体ラインコネクタ
(51)【国際特許分類】
A61F 7/00 20060101AFI20240122BHJP
A61F 7/02 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
A61F7/00 310F
A61F7/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543410
(86)(22)【出願日】2022-01-19
(85)【翻訳文提出日】2023-08-30
(86)【国際出願番号】 US2022013007
(87)【国際公開番号】W WO2022159513
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591018693
【氏名又は名称】シー・アール・バード・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】1 Becton Drive Franklin Lakes NEW JERSEY 07417 UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100116322
【氏名又は名称】桑垣 衛
(72)【発明者】
【氏名】ブーン-ワースマン、タイグ イー.
(72)【発明者】
【氏名】スティッチ、マデリン
(72)【発明者】
【氏名】ガネサン、カルティク
(72)【発明者】
【氏名】ウォーカー、ショーン イー.
【テーマコード(参考)】
4C099
【Fターム(参考)】
4C099AA04
4C099CA02
4C099CA08
4C099EA05
4C099GA02
4C099JA01
4C099PA04
(57)【要約】
本明細書中に開示されるのは、患者に目標体温管理(TTM)療法を提供するためのシステム及び方法である。例えば、TTMシステムは、流体提供ラインを熱接触パッドに結合するための回転可能なコネクタシステムを含み得る。コネクタシステムの実施形態は、1つのルーメン又は複数のルーメンを含むコネクタ対を含み得る。TTMシステムは、第2の熱パッドが第1の熱パッドに結合される実施形態を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標体温管理(TTM:targeted temperature management)システムであって、
TTM流体を提供するように構成されたTTMモジュールと、
前記TTMモジュールから前記TTM流体を受け取り、前記TTM流体と患者との間の熱エネルギー移動を促進するように構成された、熱パッドと、
前記TTMモジュールと前記熱パッドとの間に延びる流体送達ライン(FDL:fluid delivery line)であって、前記TTMモジュールと前記熱パッドとの間でTTM流体流を提供するように構成されている、流体送達ラインと、を含み、
前記熱パッドは、前記FDLの対応するFDLコネクタに結合されるパッドコネクタを含み、前記FDLコネクタは、前記パッドコネクタに対して回転可能である、TTMシステム。
【請求項2】
前記FDLコネクタは、前記パッドに対する前記FDLの先端部の平行な方向付けを容易にするためのエルボを含む、請求項1に記載のTTMシステム。
【請求項3】
前記FDLは、複数ルーメン式である、請求項1又は2に記載のTTMシステム。
【請求項4】
前記FDLコネクタは、スナップフィットによって前記パッドコネクタに結合するように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載のTTMシステム。
【請求項5】
前記FDLコネクタ又は前記パッドコネクタの少なくとも一方は密封部材を含み、前記FDLコネクタ又は前記パッドコネクタの他方は、環状密封面を含み、前記密封部材及び前記環状密封面は、前記FDLコネクタと前記パッドコネクタとの間の流体シールを容易にするように構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載のTTMシステム。
【請求項6】
前記TTMシステムのTTM流体流路に沿って配置されたフィルタを更に含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のTTMシステム。
【請求項7】
前記フィルタは、前記TTM流体流路に沿ってTTM流体の流れ方向に平行に配置された多孔質壁を含む、請求項6に記載のTTMシステム。
【請求項8】
前記フィルタは、前記熱パッドに取り付けられる、請求項6又は7に記載のTTMシステム。
【請求項9】
前記フィルタは、前記熱パッドの流体収容層内に配置される、請求項6から8のいずれか一項に記載のTTMシステム。
【請求項10】
第2の熱パッドと、前記熱パッドと前記第2の熱パッドとの間に延びる第2のFDLとを更に含み、前記第2のFDLは、熱パッドと前記第2の熱パッドとの間にTTM流体流を提供するように構成されている、請求項1から9のいずれか一項に記載のTTMシステム。
【請求項11】
前記熱パッドは、前記第2のFDLの対応する第2のFDLコネクタに結合された第2のパッドコネクタを含み、前記第2のFDLコネクタは、前記第2のパッドコネクタに対して回転可能である、請求項10に記載のTTMシステム。
【請求項12】
前記第2の熱パッドは、前記第2のFDLの対応する第3のFDLコネクタに結合された第3のパッドコネクタを含み、前記第3のFDLコネクタは、前記第3のパッドコネクタに対して回転可能である、請求項11に記載のTTMシステム。
【請求項13】
TTM流体と患者との間の熱エネルギー移動を促進するための熱パッドであって、
TTM流体源と前記熱パッドとの間でTTM流体を輸送するように構成された流体ラインと、
流体収容層であって、前記TTM流体を収容し、前記流体収容層内で前記TTM流体を循環させて、前記TTM流体と前記患者との間の熱エネルギー移動を促進するように構成されている、流体収容層と、を含み、
前記流体ラインは、前記流体ラインの先端部が前記パッドに対して平行に方向付けられるように、流体収容層に結合され、
前記流体ラインは、前記流体収容層に対して回転可能である、熱パッド。
【請求項14】
前記流体収容層はTTM流体流路を含み、前記パッドは、前記TTM流体流路に沿って配置されたフィルタを更に含む、請求項13に記載の熱パッド。
【請求項15】
目標体温管理(TTM)流体と患者との間の熱エネルギー移動を促進するための熱パッドであって、
流体収容層であって、
TTM流体源と前記熱パッドとの間に延びる流体ラインを介して前記TTM流体源からTTM流体を受け取り、
前記TTM流体を収容し、
前記流体収容層内で前記TTM流体を循環させて、前記TTM流体と前記患者との間の熱エネルギー移動を促進する、ように構成されている流体収容層と、
前記流体収容層に取り付けられたコネクタであって、前記流体収容層の流体ポートを画定する、コネクタと、を含み、
前記コネクタは、対応する流体ラインコネクタに結合し、前記コネクタのルーメンを介して前記流体収容層と前記流体ラインとの間に流体連通を確立するように構成され、
前記コネクタは、前記対応する流体ラインコネクタに対して旋回するように構成される、熱パッド。
【請求項16】
前記コネクタは、
TTM流体を前記流体収容層に輸送するための第1のルーメンと、
TTM流体を流体収容層から離れる方に輸送するための第2のルーメンと、を含む、請求項15に記載の熱パッド。
【請求項17】
前記コネクタは、スナップフィットによって前記対応する流体ラインコネクタに結合するように構成される、請求項15又は16に記載の熱パッド。
【請求項18】
前記コネクタは、前記コネクタと前記対応する流体ラインコネクタとの間の流体シールを容易にするように構成された環状密封面を含む、請求項15から17のいずれか一項に記載の熱パッド。
【請求項19】
前記コネクタは、前記コネクタと前記対応する流体ラインコネクタとの間の第2の流体シールを容易にするように構成された第2の環状密封面を含む、請求項18に記載の熱パッド。
【請求項20】
前記流体収容層に取り付けられる第2のコネクタであって、前記流体収容層の第2の流体ポートを画定する、第2のコネクタを更に含み、
前記第2のコネクタは、
第2の流体ラインの第2の対応する流体ラインコネクタに結合して、前記第2のコネクタのルーメンを介して前記流体収容層と前記第2の流体ラインとの間に流体連通を確立し、
前記第2のコネクタが前記第2の対応する流体ラインコネクタに結合されると、前記第2の対応する流体ラインコネクタに対して旋回する、ように構成されている、請求項15から19のいずれか一項に記載の熱パッド。
【請求項21】
前記第2のコネクタは、前記第2のコネクタの前記ルーメンを横切って延びて前記第2のコネクタの前記ルーメンを密封する隔壁を含み、前記隔壁は、前記第2のコネクタが前記第2の対応する流体ラインコネクタに結合されると破壊されるように構成される、請求項20に記載の熱パッド。
【請求項22】
前記流体収容層に取り付けられる第3のコネクタであって、前記流体収容層の第3の流体ポートを画定する、第3のコネクタを更に含み、
前記第3のコネクタは、
第3の対応する流体ラインコネクタに結合し、
前記第3のコネクタが前記第3の対応する流体ラインコネクタに結合されると、前記第3の対応する流体ラインコネクタに対して旋回する、ように構成される、請求項20又は21に記載の熱パッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アークティックジェル(登録商標)パッド用のオンパッド流体ラインコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
人体に対する温度の影響は十分に文書化されており、身体組織を選択的に冷却及び/又は加熱するために目標体温管理(TTM:targeted temperature management)システムを使用することが知られている。高温、すなわち高体温は、通常の状況下において、更により重要には、疾患又は手術などの身体的ストレスの期間中には脳に有害な場合がある。その反面、より低い体温、すなわち軽度低体温は、ある程度の神経保護を提供し得る。中程度から重度の低体温は、身体、特に心血管系により有害な傾向がある。
【0003】
目標体温管理は、2つの異なる側面において見ることができる。体温管理の第1の側面は、異常体温を治療すること、すなわち、高体温の状態の身体を冷却すること、又は低体温の状態の身体を加温することを含む。体温調節の第2の側面は、ある程度の神経保護を得るために卒中の患者を冷却することなど、生理学的利益を提供するために患者の体温を物理的に制御する技術を用いる発展的な治療である。例として、TTMシステムは、卒中及び頭部外傷患者が受ける神経損傷を低減するために、卒中の早期治療で利用されることがある。更なる用途としては、心肺バイパス手術などの外科的処置中の選択的な患者の加熱/冷却が挙げられる。
【0004】
TTMシステムは、患者に結合された1つ以上の熱接触パッドを通して流体(例えば、水)を循環させ、患者との表面間熱エネルギー交換に影響を及ぼす。一般に、TTMシステムは、流体送達ラインを介して少なくとも1つの接触パッドに結合されたTTM流体制御モジュールを含む。そのようなTTMシステムの1つは、2001年10月11日に出願された「流体圧力維持を伴う患者体温制御システム(Patient Temperature Control System with Fluid Pressure Maintenance)」という発明の名称の特許文献1に開示されており、そのような熱接触パッド及び関連システムの1つは、1999年1月4日に出願された「冷却/加熱パッド及びシステム(Cooling/heating Pad and System)」という発明の名称の特許文献2に開示されている。これらの両方は、内容全体が参照によって本明細書に組み込まれる。特許文献2に示されるように、パッドと患者との密接な接触を確立し、維持する能力は、TTMシステムによる医療の有効性を完全に実現するために重要なものである。
【0005】
これら及び他の医療用途が進化するにつれて、パッド配置の柔軟性及び異なる患者サイズの適応がより重要になってきている。
本明細書中に開示されるのは、患者に結合された熱接触パッドにTTM流体を輸送するためのデバイス及び方法の実施形態である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6645232号明細書
【特許文献2】米国特許第6197045号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
簡潔に概要を示すと、本明細書中に開示されるのは、TTM流体を提供するように構成されたTTMモジュールと、TTMモジュールからTTM流体を受け取るように構成された、TTM流体と患者との間の熱エネルギー移動を促進するための熱パッドと、TTMモジュールと熱パッドとの間に延びる流体送達ライン(FDL:fluid delivery line)であって、TTMモジュールと熱パッドとの間でTTM流体流を提供するように構成されている、流体送達ラインと、を含む目標体温管理(TTM:targeted temperature management)システムである。熱パッドは、FDLの対応するFDLコネクタに結合されるパッドコネクタを含んでもよく、FDLコネクタは、パッドコネクタに対して回転可能であってもよい。
【0008】
FDLコネクタは、パッドに対するFDLの先端部の平行な方向付けを容易にするためのエルボを含み得る。FDLは、複数ルーメン式であってもよく、FDLコネクタは、スナップフィットによってパッドコネクタに結合するように構成され得る。
【0009】
FDLコネクタ又はパッドコネクタの少なくとも一方は密封部材を含み得、FDLコネクタ又はパッドコネクタの他方は、環状密封面を含み得る。密封部材及び環状密封面は、FDLコネクタとパッドコネクタとの間の流体シールを容易にするように構成され得る。
【0010】
システムは、TTMシステムのTTM流体流路に沿って配置されたフィルタを含み得る。フィルタは、TTM流体流路に沿ってTTM流体の流れ方向に平行に配置された多孔質壁を含み得る。フィルタは、熱パッドに取り付けられ得、更に、熱パッドの流体収容層内に配置され得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、システムは、第2の熱パッドと、熱パッドと第2の熱パッドとの間に延びる第2のFDLとを含み、第2のFDLは、熱パッドと第2の熱パッドとの間にTTM流体流を提供するように構成されている。熱パッドは、第2のFDLの対応する第2のFDLコネクタに結合された第2のパッドコネクタを含み得、第2のFDLコネクタは、第2のパッドコネクタに対して回転可能であり得る。第2の熱パッドはまた、第2のFDLの対応する第3のFDLコネクタに結合された第3のパッドコネクタを含み得、第3のFDLコネクタは、第3のパッドコネクタに対して回転可能であり得る。
【0012】
また、本明細書中に開示されるのは、TTM流体と患者との間の熱エネルギー移動を促進するための熱パッドである。熱パッドは、TTM流体源と熱パッドとの間でTTM流体を輸送するように構成された流体ラインを含み得る。熱パッドは、TTM流体を収容し、流体収容層内でTTM流体を循環させて、TTM流体と患者との間の熱エネルギー移動を促進するように構成されている、流体収容層を含む。流体ラインは、流体ラインの先端部がパッドに対して平行に方向付けられ、流体ラインが流体収容層に対して回転可能であり得るように、流体収容層に結合され得る。
【0013】
熱パッドの流体収容層はTTM流体流路を含み、パッドは、TTM流体流路に沿って配置されたフィルタを更に含み得る。
また、本明細書中に開示されるのは、目標体温管理(TTM)流体と患者との間の熱エネルギー移動を促進するための熱パッドであり、パッドは、流体収容層を含み、流体収容層は、流体源と熱パッドとの間に延びる流体ラインを介してTTM流体源からTTM流体を受け取り、TTM流体を収容し、流体収容層内でTTM流体を循環させて、TTM流体と患者との間の熱エネルギー移動を促進するように構成されている。コネクタが流体収容層に取り付けられ得、コネクタは、流体収容層の流体ポートを画定し得る。コネクタは、対応する流体ラインコネクタに結合し、コネクタのルーメンを介して流体収容層と流体ラインとの間に流体連通を確立するように構成され得、コネクタは、対応する流体ラインコネクタに対して旋回するように構成され得る。
【0014】
熱パッドのコネクタは、TTM流体を流体収容層に輸送するための第1のルーメンと、TTM流体を流体収容層から離れる方に輸送するための第2のルーメンとを含み得る。コネクタはまた、スナップフィットによって対応する流体ラインコネクタに結合するように構成され得る。
【0015】
熱パッドのコネクタは、コネクタと対応する流体ラインコネクタとの間の流体シールを容易にするように構成された環状密封面を含み得る。熱パッドのコネクタはまた、コネクタと対応する流体ラインコネクタとの間の流体シールを容易にするように構成された第2の環状密封面を含み得る。
【0016】
熱パッドは、流体収容層に取り付けられる第2のコネクタを含み得、第2のコネクタは、流体収容層の第2の流体ポートを画定し得る。第2のコネクタは、第2の流体ラインの第2の対応する流体ラインコネクタに結合し、第2のコネクタのルーメンを介して流体収容層と第2の流体ラインとの間に流体連通を確立するように構成され得る。第2のコネクタはまた、第2のコネクタが第2の対応する流体ラインコネクタに結合されると、第2の対応する流体ラインコネクタに対して旋回するように構成され得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、第2のコネクタは、第2のコネクタのルーメンを横切って延びて第2のコネクタのルーメンを密封する隔壁を含む。隔壁は、第2のコネクタが第2の対応する流体ラインコネクタに結合されると破壊されるように構成され得る。
【0018】
熱パッドはまた、流体収容層に取り付けられる第3のコネクタを含み得、第3のコネクタは、流体収容層の第3の流体ポートを画定し得る。第3のコネクタは、第3の対応する流体ラインコネクタに結合するように構成され得、第3のコネクタは、第3のコネクタが第3の対応する流体ラインコネクタに結合されると、第3の対応する流体ラインコネクタに対して旋回するように構成され得る。
【0019】
本明細書中に開示されるのはまた、目標体温管理(TTM)システムを使用する方法である。本方法は、TTM流体を提供するように構成されたTTMモジュールと、TTMモジュールからTTM流体を受け取るように構成された、TTM流体と患者との間の熱エネルギー移動を促進するための熱パッドと、TTMモジュールと熱パッドとの間に延びる流体送達ライン(FDL)であって、TTMモジュールと熱パッドとの間でTTM流体流を提供するように構成されている、流体送達ライン(FDL)と、を含み得るTTMシステムを用意する工程を含み得る。本方法は、回転可能な接続部を介してFDLをパッドコネクタと接続することと、パッドをFDLに対して熱パッドの第1の向きから熱パッドの第2の向きに回転させることと、パッドを第2の向きで患者に適用することと、TTMモジュールから熱パッドにTTM流体を送達することとを更に含む。
【0020】
TTMシステムは、第2の熱パッド及び第2のFDLを更に含み得、本方法は、回転可能な接続部を介して第2のFDLを熱パッドに結合することと、回転可能な接続部を介して第2のFDLを第2の熱パッドに結合することとを更に含み得る。本方法は、第2のFDLを熱パッドに対して第2のFDLの第1の向きから第2のFDLの第2の向きに回転させることを更に含み得る。本方法は、第2の熱パッドを第2のFDLに対して第2の熱パッドの第1の向きから第2の熱パッドの第2の向きに回転させることと、第2のパッドを患者に適用することと、熱パッドから第2の熱パッドにTTM流体を送達することとを更に含み得る。
【0021】
本明細書で提供される概念のこれら及び他の特徴は、そのような概念の特定の実施形態をより詳細に説明する添付の図面及び以下の説明を考慮すれば、当業者にはより明らかになるであろう。
【0022】
本開示のより具体的な説明は、添付の図面に示されるその特定の実施形態を参照することにより行われる。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示し、したがって、その範囲を限定するものとみなされないことを理解されたい。本発明の例示的な実施形態は、添付の図面の使用を通じて更に具体的且つ詳細に記載及び説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】いくつかの実施形態による、患者及び患者を冷却又は加温するための目標体温管理(TTM)システムを示す。
【
図2】いくつかの実施形態による、
図1のTTMシステムの油圧回路図を示す。
【
図3】いくつかの実施形態による、
図1のTTMモジュールのコンソールの様々な要素を示すブロック図を示す。
【
図4A】いくつかの実施形態による、
図1の熱接触パッドの一部の頂面図である。
【
図4B】いくつかの実施形態による、
図4Aの熱接触パッドの一部の側断面図である。
【
図5A】いくつかの実施形態による、
図1の流体送達ラインの導管セットの側断面図である。
【
図5B-5F】いくつかの実施形態による、
図5Aに示される導管セットの様々な端部断面図を提供する。
【
図6A】いくつかの実施形態による、非接続状態におけるコネクタセットの側断面図である。
【
図6B】いくつかの実施形態による、接続状態における
図6Aのコネクタセットの側断面図である。
【
図7A】いくつかの実施形態による、非接続状態における複数ルーメン式コネクタセットの側断面図である。
【
図7B】いくつかの実施形態による、接続状態における
図7Aの複数ルーメン式コネクタセットの側断面図である。
【
図7C】いくつかの実施形態による、
図7Aのコネクタセットのキャップの側断面図である。
【
図8A】いくつかの実施形態による、TTM流体フィルタの分解斜視図を提供する。
【
図8B】いくつかの実施形態による、
図8Aのフィルタの側断面図を提供する。
【
図8C】いくつかの実施形態による、
図8Aのフィルタを組み込んだ
図1の熱接触パッドの側断面図を提供する。
【
図9A】いくつかの実施形態による、第1の熱パッド及び第2の熱パッドを含む目標体温管理(TTM)システムを示す。
【
図9B】いくつかの実施形態による、
図9Aの第1の熱パッド及び第2の熱パッドの分解組立図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
いくつかの特定の実施形態をより詳細に開示する前に、本明細書に開示される特定の実施形態は、本明細書に提供される概念の範囲を限定するものではないことを理解されたい。本明細書に開示される特定の実施形態は、特定の実施形態から容易に分離することができ、任意選択的に、本明細書に開示される他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴と組み合わせる又は置換することができる特徴を有し得ることも理解されたい。
【0025】
本明細書で使用される用語に関して、用語は、いくつかの特定の実施形態を説明するためのものであり、用語は、本明細書に提供される概念の範囲を限定するものではないことも理解されたい。序数(例えば、第1、第2、第3など)は、全般的に、特徴又は工程の群内の異なる特徴若しくは工程を区別又は識別するために使用され、連続的又は数値的な限定を提供するものではない。例えば、「第1の」、「第2の」、及び「第3の」特徴又は工程は、その順序で必ずしも現れる必要はなく、そのような特徴又は工程を含む特定の実施形態は、3つの特徴又は工程に必ずしも限定される必要はない。例えば「左」、「右」、「上」、「下」、「前」、「後」などのラベルは、便宜的に使用されるものであり、例えば、任意の特定の固定された位置、向き、又は方向を示唆することを意図するものではない。その代わりに、そのようなラベルは、例えば、相対的な位置、向き、又は方向を反映するように使用される。単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈で別段の明確な指示のない限り、複数形の参照を含む。「含む(including)」、「有する(has)」、及び「有する(having)」という語は、特許請求の範囲を含む本明細書で使用する場合、「含む(comprising)」という語と同じ意味を有する。更に、「又は」及び「及び/又は」という用語は、本明細書で使用する場合、包括的又は任意の1つの若しくは任意の組み合わせを意味するものと解釈されるものとする。一例として、「A、B又はC」又は「A、B及び/又はC」は、「以下、すなわち、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びB、A及びC、B及びC、並びにA、B及びC、のいずれか」を意味する。この定義の例外は、要素、構成要素、機能、工程、又は行為の組み合わせが何らかの方法で本質的に相互に排他的である場合にのみ生じる。
【0026】
「に接続される」及び「に結合され」という語句は、機械的、電気的、磁気的、電磁的、流体的、信号的、通信的(無線を含む)、及び熱的相互作用を含む、2つ以上の実体間の任意の形態の相互作用を指す。2つの構成要素は、互いに直接接触していなくても、互いに接続又は結合され得る。例えば、2つの構成要素は、中間構成要素を介して互いに結合され得る。
【0027】
別段に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
図1は、いくつかの実施形態による、患者50の冷却及び/又は加温を含み得る目標体温管理療法を患者50に施すために患者50に接続された目標体温管理(TTM)システム100を示す。TTMシステム100は、モジュールハウジング111内に収められたグラフィカルユーザインターフェース(GUI)115を含むTTMモジュール110を含む。TTMシステム100は、TTMモジュール110と熱接触パッド(パッド)120との間でTTM流体112の流れを提供するためにTTMモジュール110からパッド120まで延びる流体送達ライン(FDL)130を含む。FDLは、TTMモジュール110からパッド120へのTTM流体112の送出流と、パッド120からTTMモジュール110へのTTM流体112の戻り流とを促進するための2つの導管を含む。いくつかの実施形態では、2つの導管は、FDLの長さの一部分に沿って互いに取り付けられていてもよい。
【0028】
TTMシステム100は、1つ、2つ、3つ、4つ、又はこれより多いパッド120を含んでもよく、TTMシステム100は、1つ、2つ、3つ、4つ、又はこれより多い流体送達ライン130を含んでもよい。使用中、TTMモジュール110は、TTM流体112を所定のTTM療法に応じた温度まで加熱又は冷却することによって、TTM流体112をパッド120への送達のために準備する。TTMモジュール110は、患者50との熱エネルギー交換を促進するために、パッド120内を含むTTM流体流路に沿ってTTM流体112を循環させる。TTM療法中、TTMモジュール110は、TTM流体112の温度を目標TTM温度に継続的に制御し得る。
【0029】
TTMシステム100は、FDL130をパッド120に結合するためのコネクタシステム150を含み得る。いくつかの実施形態では、コネクタシステム150は、FDLの単一の流体導管をパッド120に結合し得る。したがって、FDL130とパッド120との間の接続部は、2つ以上の流体導管をパッド120に結合するための、2つ以上のコネクタシステム150を含み得る。コネクタシステム150については、
図4A及び
図4Bに詳細に記載する。
【0030】
図2は、TTMシステム100の油圧回路図を示す。FDL130及びパッド120は、TTMモジュール110のハウジング111の外部に配置されている。TTMモジュールは、TTM流体112を準備し循環させるために様々な流体センサ及び流体制御デバイスを含む。TTMモジュールの流体サブシステムは、温度制御サブシステム210及び循環サブシステム230を含んでもよい。
【0031】
温度制御サブシステム210は、チラー213とチラータンク214とを含むチラー回路212を通してTTM流体112を圧送する(再循環させる)ためのチラーポンプ211を含み得る。チラータンク214内の温度センサ215は、チラータンク214内のTTM流体112の温度を測定するように構成されている。チラー213は、チラータンク214内のTTM流体112の所望の温度を確立するために、以下に詳細に記載する温度制御ロジック(
図3を参照)によって制御され得る。場合によっては、チラータンク214内のTTM流体112の温度は、TTM療法の目標温度よりも低い場合がある。
【0032】
温度制御サブシステム210は、チラータンク214と、循環タンク224と、チラータンク214と循環タンク224との間に配置された堰228とを含む混合回路222を通してTTM流体112を圧送するための混合ポンプ221を更に含み得る。TTM流体112は、混合ポンプ221によって圧送されると、チラータンク214に入り、チラータンク214内のTTM流体112と混合される。チラータンク214内の混合されたTTM流体112は、堰228を越えて、循環タンク224に流入する。換言すれば、混合回路222は、チラータンク214内のTTM流体112を循環タンク224内のTTM流体112と混合して、循環タンク224内のTTM流体112を冷却する。循環タンク224内の温度センサ225は、循環タンク224内のTTM流体112の温度を測定する。温度制御ロジックは、循環タンク224内の温度センサ225からの温度データに従って混合ポンプ221を制御し得る。
【0033】
循環タンク224は、循環タンク224内のTTM流体112の温度まで上昇させるためのヒータ227を含み、ヒータ227は、温度制御ロジックによって制御され得る。要約すると、温度制御ロジックは、プロセッサによって実行されると(
図3を参照)、1)チラータンク内の温度センサ215及び循環タンク224内の温度センサ225から温度データを受け取ることができ、2)循環タンク224内のTTM流体112の温度をTTM療法の目標温度に確立し、維持するように、チラー213、チラーポンプ211、ヒータ227、及び混合ポンプ222の動作を制御することができる。
【0034】
循環サブシステム230は、循環タンク224から、循環ポンプ213の上流に位置する流体送達ライン130とパッド120とを含む循環回路232を通してTTM流体112を引き出すための循環ポンプ213を含む。循環回路232はまた、パッド120内のTTM流体112の圧力を示すための圧力センサ237を含む。循環回路232は、パッド120に入るTTM流体112の温度を示すための、循環タンク224内の温度センサ235と、パッド120を出るTTM流体の温度を示すための温度センサ236とを含む。流量計238が循環ポンプ213の下流に配置されており、TTM流体112がその循環タンク224に再び入る前に、循環回路232内のTTM流体112の流量を測定する。
【0035】
循環回路232を通るTTM流体の流れが停止するとパッド120内の圧力が大気圧未満(すなわち、負圧)になるように、使用中、大気に排出され得る循環タンク224は、パッド120よりも下に(すなわち、パッド120よりも低い高さに)配置される。パッド120はまた、循環ポンプ213が動作しているときにパッド120内の負圧を更に確立するために、循環ポンプ231の上流に配置される。流体フロー制御ロジック(
図3を参照)は、パッド120内の所望の負圧を確立し、維持するように、循環ポンプ213の動作を制御し得る。供給タンク240は、ポート241を介してTTM流体112を循環タンク224に提供し、循環タンク224内のTTM流体112の規定量を維持する。
【0036】
図3は、いくつかの実施形態による、
図1のTTMモジュール110の様々な要素を示すブロック図を示す。TTMモジュール110は、プロセッサ310と非一時的なコンピュータ可読媒体を含むメモリ340とを含むコンソール300を含む。メモリ340に格納されたロジックモジュールは、患者治療ロジック341と、流体温度制御ロジック342と、流体フロー制御ロジック343とを含む。ロジックモジュールは、プロセッサ310によって実行されると、TTMモジュール110の動作及び機能を定義する。
【0037】
図3のブロック図に示されているのは、
図2に関連して上述した流体センサ320である。TTMモジュールの動作の実施に流体センサ320からのデータを利用できるように、流体センサ320の各々は、コンソール300に結合されている。
図3には、コンソール300に結合された流体制御デバイス330も示されている。したがって、ロジックモジュールは、以下に更に説明するように、流体制御デバイス330の動作を制御し得る。
【0038】
患者治療ロジック341は、臨床医からGUI115を介して入力を受け取り、所定のTTM療法に従って動作パラメータを確立し得る。動作パラメータは、TTM流体112の目標温度及び/又は時間ベースの目標温度プロファイルを含み得る熱エネルギー交換率を含み得る。いくつかの実施形態では、流体温度制御ロジック342は、TTMモジュール110内のTTM流体112の他の流体温度を、例えば、チラータンク214内のTTM流体112の目標温度を定義し得る。
【0039】
流体温度制御ロジック342は、パッド120に送達されるTTM流体112の温度を予め定義された目標温度に従って確立し、維持するための操作を実行し得る。1つの温度制御操作は、チラータンク214内のTTM流体112を冷やすことを含み得る。流体温度制御ロジック342は、チラータンク温度センサ215からの温度データを用いて、チラータンク214内のTTM流体112の温度を確立し、維持するように、チラー213の動作を制御し得る。
【0040】
別の温度制御操作は、循環タンク224内のTTM流体112を冷却することを含み得る。流体温度制御ロジック342は、循環タンク温度センサ225からの温度データを用いて、チラータンク214からのTTM流体112と循環タンク224内のTTM流体112とを混合することによって循環タンク224内のTTM流体112の温度を低下させるように、混合ポンプ221の動作を制御し得る。
【0041】
更に別の温度制御操作は、循環タンク224内のTTM流体112を加温することを含み得る。流体温度制御ロジック342は、循環タンク温度センサ225からの温度データを用いて、循環タンク224内のTTM流体112の温度を上昇させるように、ヒータ227の動作を制御し得る。
【0042】
流体フロー制御ロジック343は、循環ポンプ231の動作を制御し得る。熱エネルギー交換率は、パッド120を通るTTM流体112の流量によって少なくとも部分的に定義されるため、流体フロー制御ロジック343は、いくつかの実施形態では、TTM療法の定義された熱エネルギー交換率に従って循環ポンプ231の動作を制御し得る。
【0043】
コンソール300は、外部デバイスとの無線通信を容易にするために、無線通信モジュール350を含み得る又は無線通信モジュール350に結合され得る。電源360は、コンソール300に電力を供給する。
【0044】
図4Aは、いくつかの実施形態による、コネクタシステム150とコネクタシステム150から離れる方に延びるFDL130とを含む熱接触パッド120の一部分の頂面図を示す。図示のように、コネクタシステム150は、FDL130とパッド120との間に回転可能な接続部を提供し得る。回転可能な接続部により、FDL130は、約90度、180度、又は360度までの範囲の角度455にわたって回転することができる。
【0045】
図4Bは、いくつかの実施形態による、患者50と接触している
図1の熱接触パッド120の入口又は出口の側断面図を示す。パッド120は、パッド120の複数の機能を提供するために複数の層を含み得る。流体収容層420は、流体収容層420内のTTM流体112の循環を容易にするために、コネクタシステム150を介してFDL130に流体接続されている。循環するTTM流体112をその内部に有する流体収容層420は、TTM流体112の温度に応じて、ヒートシンク又は患者50のための熱源を定義する。
【0046】
パッド120は、流体収容層420と患者50との間に配置された熱伝導層430を含み得る。熱伝導層430は、流体収容層420と患者50との間の熱エネルギー移動を促進するように構成されている。熱伝導層430は、流体収容層420の底面421に沿って熱伝導層430に取り付けられ得る。熱伝導層430は、患者50との密接な接触を提供するように適合性があり得る。換言すれば、熱伝導層430は、熱伝導層430と患者50との間の空間またはエアポケットの存在を阻止するために、患者50の輪郭に適合し得る。
【0047】
パッド120は、流体収容層420の上側に配置された絶縁層410を含み得る。絶縁層410は、流体収容層420と環境との間の熱エネルギー移動を阻止するように構成されている。絶縁層410は、流体収容層420の頂面422に沿って流体収容層420に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、絶縁層410は、流体収容層420とのFDL130の結合を提供するために絶縁層410内に延びる1つ以上の開口部411を含み得る。
【0048】
コネクタシステム150は、コネクタシステム150から離れる方に延びるFDL130の方向を変えるためのエルボ460を含み得る。図示のように、FDL130の方向は、パッド120に垂直な方向からパッド120に実質的に平行な方向にシフトしている。エルボ460はまた、FDL130の先端部分461の向きを、パッド120及び/又は流体収容層420に実質的に平行になるように確立する。
【0049】
いくつかの実施形態では、開口部411は、TTM流体112が流体収容層420に入り、循環ポンプ213の動作から生じるパッド120内の負圧によって決定される方向に自由に流れることができるように、FDL130が結合する入口ポートを示す。しかしながら、他の実施形態では、流体収容層420は、TTM流体112が、循環ポンプ213の動作から生じる負圧によって決定される、制御された状態で内部流路内を流れることができるように、1つ以上の内部流路(破線423で示される)を含み得る。いくつかの実施形態では、例えば、
図4Bは入口ポートを示し、TTM流体112は、
図4Bに示す構成に類似し得る出口ポート(図示せず)を通ってパッド120、具体的には、流体収容層420を出る。
【0050】
図5Aは、導管セット530の側断面図を示す。いくつかの実施形態では、FDL130は、導管セット530を含み得る。導管セット530は、先端部511と基端部512との間に延びる外側導管510を含む。導管セット530はまた、先端部551と基端部552との間に延びて内側流路555を画定する内側導管550を含む。外側流路515は、外側導管510の内面516と内側導管550の外面557との間の環状領域によって画定される。内側導管510と外側導管550は、同じ長さを有してもよい。いくつかの実施形態では、内側導管510又は外側導管550の一方は、他方よりも長くてもよい。
【0051】
外側導管510は、押出プロセスによりプラスチック材料で形成されてもよい。外側導管510は、外側導管510の長さに延びる1つ以上の補強材(図示せず)を含む。補強材は、使用中の外側導管510の圧縮破壊及び/又はキンクを抑制し得る。補強材はまた、導管510負圧下での使用中の潰れを抑制し得る。いくつかの実施形態では、外側導管510は、外面517上に方向マーキングなどの印(図示せず)を含んでもよく、外面は、滑らかであってもテクスチャ加工されていてもよい。
【0052】
外側導管510は、TTM流体112と環境との間の熱伝達を最小限にするように構成され得る。いくつかの実施形態では、外側導管510の構造は、例えば発泡構造などの熱絶縁特性を含み得る。熱伝達を更に抑制するために、内面516は、層流領域における流体の流れを促進するように滑らかであってもよい。層流領域における流体の流れは、乱流領域内の流体の流れよりも、外側導管510の内面に対するTTM流体112の対流性熱伝達を低くし得る。いくつかの実施形態では、内面516は、細菌の増殖を抑制するための抗菌コーティング(図示せず)を含み得る。
【0053】
外側導管510と同様に、内側導管550は、押出プロセスによりプラスチック材料で形成されてもよい。内側導管550は、負圧下での使用中に導管510の潰れを抑制するための構造を含み得る。内側導管550は、内側導管112内を流れるTTM流体112と外面557に沿って流れるTTM流体112との間の熱伝達を最小限にするように構成され得る。いくつかの実施形態では、内側導管550の構造は、例えば内側導管550の壁内の複数の長手方向の押出ルーメン(図示せず)などの熱絶縁特性を含み得る。熱伝達を更に抑制するために、内面556は、内側流路555内の層流領域における流体の流れを促進するために滑らかであってもよい。熱伝達を更に抑制するために、外面557は、外側流路515内の層流領域における流体の流れを促進するように滑らかであってもよい。いくつかの実施形態では、内面556及び外面557は、細菌の増殖を抑制するための抗菌コーティング(図示せず)を含み得る。
【0054】
図5B~
図5Fは、導管セット530の異なる実施形態の端部断面図を示す。
図5Bは、内側導管550が外側導管510に取り付けられていない導管セット530の一実施形態を示す。内側導管550を外側導管510に対して浮かせることで、FDL130のより高い柔軟性を可能にすることができる。
【0055】
図5Cは、内側導管550が長手方向のリブ561を介して外側導管510に取り付けられたFDLの一実施形態を示す。
図5Cの実施形態は、単一の押出成形品を含み得る。この実施形態では、内側導管550の長手方向軸線は、外側導管510の長手方向軸線からオフセットし得る。
図5Cの実施形態は、2つ以上のリブ561を含んでもよい。内側導管550を外側導管510に対してオフセットさせることによって、内側流路555内を流れるTTM流体112と外側流路515に沿って流れるTTM流体112との間の熱伝達がより少なくなり得る。
【0056】
図5Dは、
図5Cの実施形態に類似する導管セット530の一実施形態を示す。この実施形態では、内側導管550は、外側導管510内に同心円状に配置されている。内側導管550は、1つ以上の長手方向のリブ571を介して外側導管510に取り付けられている。
図5Dの実施形態は、単一の押出成形品を含み得る。図示の実施形態では、外側流路515は、3つの流路572に分かれている。長手方向のリブ571の数は、1、2、3、4又はこれ以上であってもよい。
【0057】
図5Eは、(1)外側導管510が内面516から内向きに突出した1つ以上のリブ581を含む及び/又は(2)内側導管550が外面557から外向きに突出した1つ以上のリブ582を含む、一実施形態を示す。リブ581、582は、外側導管510と同心になるように内側導管550を拘束するように構成され得る。この実施形態では、内側導管550と外側導管510は、別個の押出成形品を含み得る。
【0058】
図5Fは、内側導管550及び外側導管510のそれぞれが別々に押し出し成形された管という点で、
図5Bの実施形態に類似する一実施形態を示す。この実施形態では、分離構造591が、外側導管510と同心になるように内側導管550を拘束するために、内側導管550と外側導管510との間に配置されている。分離構造591は、複数の長手方向のリブ部593に結合されたフープ部592を含み得る。分離構造591は、押出成形品で形成されてもよい。
【0059】
図6Aは、パッドコネクタ610と相補的な流体ラインコネクタ650とを含むコネクタセット600の分解組立側断面図を示す。
図6Bは、コネクタセット600の組立側断面図を示す。いくつかの実施形態では、コネクタシステム150は、
図6A及び
図6Bに示される例示的なコネクタセット600などのコネクタセットを含み得る。流体ラインコネクタ650は、FDL130に取り付けられており、パッドコネクタ610は、流体収容層420に取り付けられている。流体ラインコネクタ650及びパッドコネクタ610は、FDL130と流体収容層420との間に流体連通を確立する。コネクタ610、650は、流体ラインコネクタ650のルーメン656とパッドコネクタ610のルーメン616との間に流体連通を確立するために、互いに密封可能に結合するように構成されている。流体ラインコネクタ650はポスト部651を含み、パッドコネクタ610はポスト受入部611を含む。
【0060】
ポスト部651及びポスト受入部611は、パッドコネクタ610と流体ラインコネクタ650との間にシールを形成するような大きさ及び形状である。流体ラインコネクタ650は、シールを確立するための密封部材655(例えば、Oリング)を含んでもよい。パッドコネクタ610は、密封部材655に密封可能に係合するための環状密封面613を含む。いくつかの実施形態では、パッドコネクタ610は密封部材655を含み得、流体ラインコネクタ650は環状密封面613を含み得る。いくつかの実施形態では、ポスト部651は、環状密封面613とのシールを直接提供するように形成され得る。そのような実施形態では、密封部材655は省略されてもよい。
【0061】
ポスト部651及びポスト受入部611は、パッドコネクタ610と流体ラインコネクタ650との間に滑り嵌めを提供するような大きさである。滑り嵌めにより、ポスト受入部611内におけるポスト部651の挿入がもたらされ、また、軸線654の周りにおける、パッドコネクタ610に対する流体ラインコネクタ650の回転ももたらされる。換言すれば、滑り嵌めにより、パッドコネクタ610と流体ラインコネクタ650との間に回転可能な接続が提供される。流体ラインコネクタ650は、流体ライン結合部657が軸線654から離れる方に実質的に垂直方向に延びるように、約90度のエルボ658を含み得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、パッドコネクタ610は、ルーメン616を横切って延び、ルーメン616を横切るシールを形成する、隔壁612を含み得る。いくつかの実施形態では、ポスト部651は、
図6Bに示されるように流体ラインコネクタ650がパッドコネクタ610に結合されたときに隔壁612を破壊するように構成されたスパイク652を含み得る。いくつかの実施形態では、隔壁612及びスパイク652は省略されてもよい。
【0063】
パッドコネクタ610は、パッド120の流体収容層420とのパッドコネクタ610の結合を容易にするためのフランジ614を含み得る。フランジ614は、高周波溶接、超音波溶接、接着結合、又は任意の適切な結合プロセスによって流体収容層420に結合され得る。流体ライン結合部657は、流体ラインコネクタ650をFDL130に結合するためのかえし653を含み得る。或いは、流体ライン結合部657は、流体ラインコネクタ650をFDL130に結合するためのボンディングソケット又は任意の他の適切な特徴を含んでもよい。
【0064】
コネクタ650、610は、スナップフィットによって互いに結合するように構成され得る。例示的な実施形態では、スナップフィットは、パッドコネクタ610の環状隆起622と係合するように構成された、流体ラインコネクタ650の1つ又は複数のフック662を含み得る。フック662は、環状隆起622との係合時にフック662のたわみを可能にするために可撓性部分661を含み得る。スナップフィットは、パッドコネクタ610に対するFDLコネクタ650の長手方向の変位によって、コネクタ650、610の結合を容易にするように構成され得る。いくつかの実施形態では、スナップフィットは、レバーアーム663などの解除機構を含み得る。レバーアーム663の操作によって環状隆起662からフック662を係合解除し、パッドコネクタ610からのFDLコネクタ650の分離を可能にし得る。
【0065】
図7Aは、パッドコネクタ710と相補的な流体ラインコネクタ750とを含むコネクタセット700の分解組立側断面図を示す。
図7Bは、コネクタセット700の組立側断面図を示す。いくつかの実施形態では、コネクタシステム150は、
図7A及び
図7Bに示される例示的なコネクタセット700などの複数ルーメン式コネクタセットを含み得る。複数ルーメン式コネクタセット700は、上述の同心の複数ルーメン式導管セット530に対応し得る。コネクタ710、750は、互いに結合し、流体ラインコネクタ750の内側ルーメン755及び外側ルーメン756と、パッドコネクタ710の内側ルーメン715及び外側ルーメン717とのそれぞれの流体連通を確立するように構成されている。
【0066】
流体ラインコネクタ750はポスト部751を含み、パッドコネクタ710はポスト受入部711を含む。ポスト部751及びポスト受入部711は、パッドコネクタ710と流体ラインコネクタ750との間にシールを形成するような大きさ及び形状にされている。流体ラインコネクタ750は、パッドコネクタ710のそれぞれ環状密封面713、718とのシールを確立するための密封部材755、759(例えばOリング)を含む。いくつかの実施形態では、パッドコネクタ710は、1つ又は両方の密封部材755、759を含み得、流体ラインコネクタ750は1つ又は両方の環状密封面713、718を含み得る。いくつかの実施形態では、ポスト部751は、環状密封面713、718の1つ又は両方と直接シールを設けるように形成され得る。そのような実施形態では、密封部材755、759の1つ又は両方は省略されてもよい。
【0067】
ポスト部751及びポスト受入部711は、パッドコネクタ710と流体ラインコネクタ750との間に滑り嵌めを提供するような大きさにされている。滑り嵌めは、ポスト受入部711へのポスト部751の挿入をもたらすことができ、パッドコネクタ710に対する流体ラインコネクタ750の軸線754の周りの回転をもたらし得る。換言すると、滑り嵌めは、パッドコネクタ710と流体ラインコネクタ750との間に回転可能な接続を提供する。流体ラインコネクタ750は、流体ライン結合部756が軸線754から離れる方に実質的に垂直方向に延びるように、約90度のエルボ758を含み得る。
【0068】
コネクタ750、710は、スナップフィットによって共に結合するように構成され得る。スナップフィットは、パッドコネクタ610に向かうFDLコネクタ650の長手方向の変位によりコネクタ750、710の結合を容易にし、その後、分離力が加えられたときに切り離されるのを防止するように構成され得る。例示的な実施形態では、スナップフィットは、パッドコネクタ710の環状隆起722と係合するように構成された流体ラインコネクタ650の1つ又は複数のフック762を含み得る。フック762は、環状隆起722との係合時にフック762のたわみを可能にするための可撓性部分761を含み得る。
【0069】
パッドコネクタ710は、パッドコネクタ710とパッド120の流体収容層420(図示せず)との結合を容易にするためのパッド結合部714を含む。流体ラインコネクタ750は、FDL130(図示せず)に対する流体ラインコネクタ750の結合を容易にするための流体ライン結合部753を含む。
【0070】
図7Cは、キャップ770の正面断面図を示す。いくつかの実施形態では、コネクタセット700はキャップ770を含み得る。キャップ770は、コネクタセット700のパッドコネクタ710に適用され得る。キャップ770は、キャップがパッドコネクタ710に取り付けられると、内側ルーメン715及び外側ルーメン716のシールを提供するように構成され得る。例示的なキャップ770は、周壁720に結合された頂壁709を含み得る。周壁720は、受入部711内に収まるような大きさにされ、環状密封面713との締り嵌めをもたらし得る。キャップ770は、内側ルーメン715内に収まるような大きさにされ、環状密封面718との締り嵌めをもたらす中央ポスト725を更に含み得る。したがって、キャップ770がパッドコネクタに適用されると、TTM流体112が外側ルーメン716及び内側ルーメン715を通過することが防止される。
【0071】
図8A及び
図8Bは、TTMシステム100に含まれ得るフィルタ800を示す。フィルタ800は、循環するTTM流体112がフィルタ800を通って流れるように、TTMシステム100のTTM流体流路に沿って配置され得る。フィルタ800は、TTM流体112の流量制限を生じさせることなく、0.2マイクロメートル以上のサイズを有する材料/粒子をTTM流体112から除去する(すなわち、ろ過する)ように構成され得る。
【0072】
フィルタ800は、第1の端部802から第2の端部803まで延びる流路801を有する長手方向の形状を含む。フィルタ800は、第1の端部802に隣接するディフューザ810と、第2の端部803に隣接するノズル820と、ディフューザ810とノズル820との間に延びる本体830とを含む。ディフューザ810に沿って、フィルタ800の断面流領域は、入口流領域811から本体流領域831まで拡大し、ノズル820に沿って、フィルタ800の断面流領域は、本体流領域831から出口流領域821まで縮小する。いくつかの実施形態では、入口流領域811と出口流領域821は、実質的に等しくてもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、本体流領域831は、本体830に沿って一定であり得る。他の実施形態では、本体流領域831は、本体流領域831が、本体830の端部よりも本体830の中間部分に沿って大きくなる又は小さくなるように、本体830の長さに沿って変化し得る。いくつかの実施形態では、本体流領域831は、円形であり得る。
【0074】
フィルタ800は、本体830内に配置された、本体830の長さに沿って延びる内部管840を含む。内部管840は、第1の端部802にてフィルタ800に入るTTM流体112が第1の内部管端部841にて内部管840にも入るように、第1の内部管端部841にてディフューザ810に結合され得る。内部管840は、第2の端部803にてフィルタ800を出るTTM流体112が第2の内部管端部842にて内部管840も出るように、第2の内部管端部842にてノズル820に結合され得る。
【0075】
内部管840は、内部管840の長さに延びる内部管流領域845を含む。内部管流領域845は、入口流領域811及び/又は出口流領域821よりも大きくてもよい。内部管流領域845は、内部管840の長さに沿って一定であり得る。いくつかの実施形態では、内部管流領域845は、内部管840の長さに沿って変化し得る。いくつかの実施形態では、内部管840は、円形断面を含み得る。内部管840及び本体830は、本体流領域831が内部管流領域845と環状流領域836との組み合わせを含むように構成され得る。
【0076】
内部管840は、多孔質の周壁847を含む。多孔質壁847は、TTM流体112が多孔質壁847を通って、すなわち、多孔質壁847の細孔848を通って流れ得るように構成され得る。その結果、TTM流体112は、多孔質壁847を通って、内部管流領域845から環状流領域836に、及び環状流領域836から内部管流領域845に流れ得る。
【0077】
使用中、TTM流体112の長手方向速度は、フィルタ800の長さに沿って変化し得る。フィルタを通るTTM流体112の体積流量は一定であるため、TTM流体112の長手方向速度は、以下に記載されるように、フィルタ800の流れ領域によって少なくとも部分的に定義され得る。TTM流体112は、第1の長手方向速度851でフィルタ800に入り、ディフューザに沿って減少し得るため、TTM流体112は、第1の長手方向速度851よりも低い第2の速度852で内部管に入る。この時点で、TTM流体112の一部は、多孔質壁847を通って、内部管流領域845から環状流領域836に流れ、流体流を内部管流領域845内の第3の速度853と環状流領域836内の第4の速度854とに分割し得る。第4の速度854は、第3の速度853よりも低くてもよい。その後、TTM流体112の一部は、環状流領域836から内部管流領域845に逆流し、内部管流領域845に沿って、第2の速度852にほぼ等しくてもよい第5の速度855を定義し得る。その後、TTM流体112は、ノズル820に沿って進み、フィルタ800を出る第6の速度856を定義し得る。いくつかの実施形態では、第1の速度851と第6の速度856はほぼ等しくてもよい。
【0078】
フィルタ800は、沈降原理を使用して、有害な細菌及びウイルスをTTM流体112から除去するように構成され得る。使用中、フィルタ800は、フィルタ800を通る流体流の方向が重力865に対して垂直になるように、水平に向けられ得る。場合によっては、細菌、ウイルス、及びTTM流体112内の他の粒子は、TTM流体112よりも高い密度を有することがあるため、流体の流れの方向に対して垂直な方向に重力865によって引き寄せられ得る(すなわち、沈む)。場合によっては、内部管流領域845内の粒子は、多孔質壁847に向けて、多孔質壁847を通って、環状流領域836内に沈み得る。その後、環状流領域836内の粒子は、本体830の内面831に向けて沈み、内面831の近傍に捕捉され得る。フィルタ800の幾何学的形状は、0.2マイクロメートルの細菌/ウイルス粒子がTTM流体112の流れから落下し、内面831に沿って捕捉されることを可能にするように構成され得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、フィルタ800は、内部管流領域845から環状流領域836へのTTM流体112の流れが、多孔質壁847を通して粒子を引き出し得るように構成され得る。いくつかの実施形態では、入口流領域811、内部管流領域845、及び環状流領域836は、第3の速度853が、第1の速度851の約50パーセント、25パーセント、又は10パーセント以下よりも低くなるような大きさであり得る。いくつかの実施形態では、本体830及び内部管840は、第4の速度854が第3の速度853よりも低くなるように構成され得る。いくつかの実施形態では、第4の速度854は、第3の速度853の約50パーセント、25パーセント、又は10パーセント以下よりも低くなり得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、フィルタ800は、内部管流領域845内の流れが層流であるように、すなわち、多孔質壁847の内面841に隣接又は近接する流体流の速度が内面841から離隔した場所の速度よりも低くなるように構成され得る。そのような実施形態では、粒子は、多孔質壁847に向けて、及び多孔質壁847を通ってより容易に沈み得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、フィルタ800は、環状流れ領域836内の流体流が層流であるように、すなわち、本体830の内面831に隣接又は近接する流体流の速度が内面831から離隔した場所の速度よりも低くなるように構成され得る。そのような実施形態では、粒子は、内面831に向けてより容易に沈み、内面831に沿って捕捉され得る。
【0082】
フィルタ800は、内部管840と、内側本体シェル838と、外側本体シェル839とを含む3つの構成要素を含み得る。3つの構成要素の各々は、プラスチック射出成形プロセスによって形成され得る。フィルタ800の組み立てには、内側本体シェル838及び外側本体シェル839内に内部管840を捕捉することと、内側本体シェル838を外側本体シェル839内に摺動させることとが含まれ得る。内側本体シェル838と外側本体シェル839との間の嵌合は締まり嵌めである。
【0083】
いくつかの実施形態では、フィルタ800は、パッド120内に配置され得る。
図8Cは、流体収容層420内に配置されたフィルタ800を含むパッド120の詳細断面図を示す。フィルタ800は、パッド120内を循環するTTM流体12がフィルタ800を通過するように、流体収容層420内の内部流路860に沿って結合されている。フィルタ800は、入口流領域811及び出口流領域821が流体収容層420内の内部流路860の断面流領域に類似するような大きさにされ得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、流体収容層420の厚さは、フィルタ800の本体直径864に適応するために、フィルタ800の近傍で増大し得る。本体直径864に更に適応するために、絶縁層410及び/又は熱伝導層430は、それぞれ内部凹部862、863を含み得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、1つ以上のフィルタ800が、TTMシステム100の他の場所に、TTM流体112の流れに沿って配置され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のフィルタ800は、TTMモジュール110内に配置され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のフィルタ800は、FDL130に沿って配置され得る。いくつかの実施形態では、フィルタ800は、パッドコネクタ652とパッド120との間に延びる導管などの、流体収容層420の外部にあるパッドの流体導管に沿って配置され得る。
【0086】
図9Aは、いくつかの実施形態による、
図1のTTMシステム100にいくつかの点で類似し得る目標体温管理(TTM)システム900を示す。TTMシステム900は、第1の熱パッド922に結合された第2の熱パッド922を含む。
図9Bは、第1の熱パッド920と第2の熱パッド922とを含むTTMシステム900の一部分の分解組立図を示す。図示の実施形態では、第1の熱パッド920は、流体送達導管931と流体戻り導管932とを含むFDL930を介して、TTMモジュール110に接続されている。FDL930は、第1のコネクタシステム951を介して第1の熱パッド920に接続されている。第1の熱パッド920は更に、第2のコネクタシステム952を介して流体移送ライン930に結合されており、流体移送ライン930は、第3のコネクタシステム933を介して第2の熱パッド922に結合されている。流体移送ラインは、流体送達導管941及び流体戻り導管942を含む。使用中、TTM流体112は、FDL930の流体送達導管931、第1の熱パッド920、及び流体移送ライン940の流体送達導管941を通って第2の熱パッド922に流れる。TTM流体112は、流体移送ライン940の流体戻りライン942、第1の熱パッド920、及びFDL930の流体戻りライン932を通ってTTMモジュール110に戻るように流れる。
【0087】
図9Bを参照すると、コネクタシステム951、952、及び953のそれぞれは、
図6Aを参照して説明したように、コネクタセット600の対を含む。図示のように、FDLは、FDLコネクタ650Aをパッドコネクタ610Aと接続し、更に、FDLコネクタ650Bをパッドコネクタ610Bと接続することによって、第1の熱パッドに結合される。第1の熱パッド920は、FDLコネクタ650Cをパッドコネクタ610Cと接続し、更に、FDLコネクタ650Dをパッドコネクタ610Dと接続することによって、流体移送ライン940に結合される。TTM流体回路を完成させるために、流体移送ライン940は、FDLコネクタ650Eをパッドコネクタ610Eと接続し、更に、FDLコネクタ650Fをパッドコネクタ610Fと接続することによって、第2の熱パッド922に結合される。いくつかの実施形態では、コネクタシステム951、952、及び953の一部又は全部は、コネクタセット700を含み得る。
【0088】
コネクタシステムのそれぞれは、各パッドが、それに接続された各FDLに対して旋回し得るように回転可能であり得る。より具体的には、熱パッド920は、FDL930及び/又は流体移送ライン940に対して旋回し得る。同様に、第2の熱パッド922は、流体移送ライン940に対して旋回し得る。接続システム951、952、及び953の旋回機能は、患者50上における熱パッド920及び第2の熱パッド922の多種多様な配置の向きを提供し得る。
【0089】
いくつかの実施形態では、第2の熱パッド922及び流体移送ライン940は省略されてもよい。この実施形態では、熱パッド920は、コネクタシステム951を介して930に結合されてもよい。熱パッド920は、パッドコネクタ610C、610Dを更に含み得る。いくつかの例では、パッドコネクタ610C、610Dはそれぞれ、隔壁612を含み得る(
図6Aを参照)。いくつかの実施形態では、流体導管941などの流体導管が、パッドコネクタ610C、610Dを横切って第1の熱パッドに結合され得る。
【0090】
いくつかの実施形態では、コネクタシステム951、952、及び953の一部又は全部は、コネクタセット700を含み得る(
図7A~
図7Bを参照)。より具体的には、各パッドコネクタはパッドコネクタ710であり得、各流体ラインコネクタはFDLコネクタ750であり得る。そのような実施形態では、FDL930及び/又は流体移送ライン940は、導管セット530を含み得る(
図5Aを参照)。第2の熱パッド922が省略される実施形態では、キャップ770が、FDLコネクタ750に接続されていない各パッドコネクタ710に適用され得る。キャップ770は、パッド120の流体収容層420内にTTM流体112を封じ込めるために、パッドコネクタ710のシールを提供する(
図4Bを参照)。
【0091】
使用中、臨床医は、第1の熱パッド920及び第2の熱パッド922を患者50に適用し得る。第1の熱パッド920の配置中、臨床医は、FDL930に対して第1の熱パッド920を旋回させてもよい。同様に、第2の熱パッド922を配置することは、流体移送ライン940を第1の熱パッド920に対して回転させること、及び/又は第2の熱パッド922を流体移送ライン940に対して回転させることを含んでもよい。
【0092】
当業者であれば、これ以上の詳述がなくても、前述の説明を使用して、本発明をその最大限まで利用することができると考えられる。本明細書に開示される特許請求の範囲及び実施形態は、単なる説明及び例示であり、本開示の範囲を一切限定するものではないと解釈されるべきである。当業者であれば、本開示の助けを借りて、本明細書の開示の基本原則から逸脱することなく、上記の実施形態の細部に変更を施すことができることは明らかであろう。換言すれば、上記説明に具体的に開示された実施形態の様々な修正及び改良は、添付の特許請求の範囲の範囲内である。更に、本明細書に開示される方法の工程又は動作の順序は、本開示の範囲から逸脱することなく当業者によって変更され得る。換言すれば、工程又は動作の特定の順序が実施形態の適切な動作のために必要でない限り、特定の工程又は動作の順序又は使用は変更され得る。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって定義される。
【国際調査報告】