(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-29
(54)【発明の名称】液滴遅延時間を計算するためのシステムおよび方法および選別デバイス
(51)【国際特許分類】
G01N 15/1429 20240101AFI20240122BHJP
G01N 15/1434 20240101ALI20240122BHJP
【FI】
G01N15/14 K
G01N15/14 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543418
(86)(22)【出願日】2021-12-28
(85)【翻訳文提出日】2023-08-23
(86)【国際出願番号】 CN2021141828
(87)【国際公開番号】W WO2022156494
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】202110076453.2
(32)【優先日】2021-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521273743
【氏名又は名称】ベックマン コールター バイオテクノロジー (スージョウ) カンパニー, リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】510005889
【氏名又は名称】ベックマン コールター, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Beckman Coulter, Inc.
【住所又は居所原語表記】250 S. Kraemer Boulevard, Brea, CA 92821, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】デギール, ジェフ
(72)【発明者】
【氏名】バー, ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ティクシンスキー, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ, ジンジェ
(72)【発明者】
【氏名】ユー, シェン
(72)【発明者】
【氏名】チャオ, シュエウェン
(57)【要約】
本願は、選別デバイスの液体フロー内の液滴遅延時間を計算するためのシステムおよび方法および選別デバイスを開示する。本システムは、選別デバイスの液体フローに第1のレーザビームを発出するように構成される、第1のレーザ源であって、第1のレーザビームおよび液体フローは、選別デバイスのノズルシステムの中に位置する、第1のレーザ照会点において交差する、第1のレーザ源と、液体フローに第2のレーザビームを発出するように構成される、第2のレーザ源であって、第2のレーザビームおよび液体フローは、ノズルシステムの外側に位置する、第2のレーザ照会点において交差する、第2のレーザ源と、液滴遅延時間を計算するように構成される、液滴遅延時間計算ユニットとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
選別デバイスの液体フロー内の液滴遅延時間を計算するためのシステムであって、
第1のレーザ源であって、前記第1のレーザ源は、前記選別デバイスの液体フローに第1のレーザビームを発出するように構成され、前記第1のレーザビームおよび前記液体フローは、前記選別デバイスのノズルシステムの中に位置する第1のレーザ照会点において交差する、第1のレーザ源と、
第2のレーザ源であって、前記第2のレーザ源は、前記液体フローに第2のレーザビームを発出するように構成され、前記第2のレーザビームおよび前記液体フローは、前記ノズルシステムの外側に位置する第2のレーザ照会点において交差し、前記第2のレーザ照会点は、液滴分離点の前にある、第2のレーザ源と、
第1の検出器であって、前記第1の検出器は、前記第1のレーザ源に対応し、前記第1のレーザビームに応答して、前記液体フロー中の粒子の発出を検出し、前記粒子が前記第1のレーザ照会点を通して通過する時間を決定するように構成される、第1の検出器と、
第2の検出器であって、前記第2の検出器は、前記第2のレーザ源に対応し、前記第2のレーザビームに応答して、前記液体フロー中の前記粒子の発出を検出し、前記粒子が前記第2のレーザ照会点を通して通過する時間を決定するように構成される、第2の検出器と、
液滴遅延時間計算ユニットであって、前記液滴遅延時間計算ユニットは、前記液体フロー中の前記粒子が前記第1のレーザ照会点を通して通過する前記時間と、前記粒子が前記第2のレーザ照会点を通して通過する前記時間とに基づいて、前記第1のレーザ照会点から前記第2のレーザ照会点まで流動する前記液体フローに関する第1の遅延時間を計算し、前記第1の遅延時間に基づいて、液滴遅延時間を計算するように構成される、液滴遅延時間計算ユニットと
を備える、システム。
【請求項2】
前記液滴遅延時間計算ユニットはさらに、前記第2のレーザ照会点から前記液滴分離点まで流動する前記液体フローに関する第2の遅延時間を計算し、前記第1の遅延時間と、前記第2の遅延時間との和を前記液滴遅延時間として計算するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記液体フローの画像を取得するように適合されるカメラデバイスと、前記カメラデバイスの採取範囲内にある前記第2のレーザ照会点と、前記液滴分離点とをさらに備え、
前記液滴遅延時間計算ユニットはさらに、前記カメラデバイスによって取得された前記液体フローの複数の画像を使用することによって、前記第2の遅延時間を計算するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記液滴遅延時間計算ユニットはさらに、複数の粒子の第1の測定時間の平均値を前記第1の遅延時間として計算するように構成され、
粒子毎に、前記第1の測定時間は、前記第1の検出器の検出に基づいて決定される前記粒子が前記第1のレーザ照会点を通して通過する前記時間と、前記第2の検出器の検出に基づいて決定される前記粒子が前記第2のレーザ照会点を通して通過する前記時間との間の差異を指す、
請求項1-3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記液滴遅延時間計算ユニットはさらに、粒子サイズの複数のタイプのそれぞれに関して、前記第1の遅延時間が異なる粒子サイズに関して異なるように計算されるように、粒子サイズを伴う複数の粒子の第1の測定時間に基づいて、前記粒子サイズに関する第1の遅延時間を計算するように構成され、
粒子毎に、前記第1の測定時間は、前記第1の検出器の検出に基づいて決定される前記粒子が前記第1のレーザ照会点を通して通過する前記時間と、前記第2の検出器の検出に基づいて決定される前記粒子が前記第2のレーザ照会点を通して通過する前記時間との間の差異を指す、
請求項1-3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
粒子毎に、前記第1のレーザビームに応答して、前記粒子の発出および前記第1のレーザビームのスポットサイズを検出する前記第1の検出器によって取得された信号のパルス幅に基づいて、前記粒子のサイズを計算するように構成される粒子サイズ計算ユニットをさらに備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記液滴遅延時間計算ユニットはさらに、前記粒子サイズの複数のタイプの第1の遅延時間に基づいて、粒子サイズと第1の遅延時間との間の関係を特徴付けるルックアップテーブルまたは式を生成するように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
蛍光励起のために前記液体フローに第3のレーザビームを発出するために使用される第3のレーザ源と、
同一の経路に沿って前記液体フローに前記第1のレーザビームおよび前記第3のレーザビームを透過するように構成される光ビーム調節要素と
をさらに備え、
前記第1のレーザビームもまた、蛍光励起のために使用される、
請求項1-3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記選別デバイスは、フローサイトメータである、請求項1-3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記フローサイトメータは、ガラスプールベースのフローサイトメータであり、
前記ノズルシステムは、ガラスプールと、ノズルとを備え、
前記第1のレーザ照会点は、前記ガラスプールの中に位置する、
請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
選別デバイスであって、請求項1-10のいずれか1項に記載のシステムを備える、選別デバイス。
【請求項12】
選別デバイスの液体フロー内の液滴遅延時間を計算するための方法であって、
それぞれ、前記選別デバイスの第1のレーザ源および第2のレーザ源を使用し、前記選別デバイスの液体フローに第1のレーザビームおよび第2のレーザビームを発出することと、
前記選別デバイスの第1の検出器の検出に基づいて決定される前記液体フロー中の粒子が前記選別デバイスのノズルシステムの中に位置する第1のレーザ照会点を通して通過する前記時間と、前記選別デバイスの第2の検出器の検出に基づいて決定される前記粒子が前記ノズルシステムの外側にある第2のレーザ照会点を通して通過する前記時間とに基づいて、前記第1のレーザ照会点から前記第2のレーザ照会点まで流動する前記液体フローに関する第1の遅延時間を計算することと、
前記第1の遅延時間に基づいて、液滴遅延時間を計算することと
を含み、
前記第1のレーザビームおよび前記液体フローは、前記第1のレーザ照会点において交差し、
前記第2のレーザビームおよび前記液体フローは、前記第2のレーザ照会点において交差し、
前記第2のレーザ照会点は、液滴分離点の前にあり、前記第1の検出器は、前記第1のレーザビームに応答して、前記液体フロー中の前記粒子の発出を検出し、前記粒子が前記第1のレーザ照会点を通して通過する前記時間を決定するように構成され、
前記第2の検出器は、前記第2のレーザビームに応答して、前記液体フロー中の前記粒子の発出を検出し、前記粒子が前記第2のレーザ照会点を通して通過する前記時間を決定するように構成される、方法。
【請求項13】
前記第2のレーザ照会点から前記液滴分離点まで流動する前記液体フローに関する第2の遅延時間を計算することをさらに含み、
前記液滴遅延時間を計算する動作は、前記第1の遅延時間と、前記第2の遅延時間との和を前記液滴遅延時間として計算することを含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の遅延時間を計算する前記動作は、カメラデバイスによって取得された前記液体フローの複数の画像を使用することによって、前記第2の遅延時間を計算することを含み、前記第2のレーザ照会点および前記液滴分離点は、前記カメラデバイスの採取範囲内にある、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の遅延時間を計算する前記動作は、複数の粒子の第1の測定時間の平均値を前記第1の遅延時間として計算することを含み、
粒子毎に、前記第1の測定時間は、前記第1の検出器の検出に基づいて決定される前記粒子が前記第1のレーザ照会点を通して通過する前記時間と、
前記第2の検出器の検出に基づいて決定される前記粒子が前記第2のレーザ照会点を通して通過する前記時間との間の差異を指す、
請求項12-14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の遅延時間を計算する前記動作は、粒子サイズの複数のタイプのそれぞれに関して、前記第1の遅延時間が異なる粒子サイズに関して異なるように計算されるように、前記粒子サイズを伴う複数の粒子の第1の測定時間に基づいて、前記粒子サイズに関する第1の遅延時間を計算することを含み、
粒子毎に、前記第1の測定時間は、前記第1の検出器の検出に基づいて決定される前記粒子が前記第1のレーザ照会点を通して通過する前記時間と、前記第2の検出器の検出に基づいて決定される前記粒子が前記第2のレーザ照会点を通して通過する前記時間との間の差異を指す、
請求項12-14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
粒子毎に、前記第1のレーザビームに応答して、前記粒子の発出および前記第1のレーザビームのスポットサイズを検出する前記第1の検出器によって取得された信号のパルス幅に基づいて、前記粒子のサイズを計算することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の遅延時間を計算する前記動作はさらに、前記粒子サイズの複数のタイプの第1の遅延時間に基づいて、粒子サイズと第1の遅延時間との間の関係を特徴付けるルックアップテーブルまたは式を生成することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記選別デバイスの第3のレーザ源を使用し、蛍光励起のために前記液体フローに第3のレーザビームを発出することをさらに含み、
前記第1のレーザビームもまた、蛍光励起のために使用され、
前記第1のレーザビームおよび前記第3のレーザビームは、前記選別デバイスの光ビーム調節要素によって同一の経路に沿って、前記液体フローまで透過される、
請求項12-14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記選別デバイスは、フローサイトメータである、請求項12-14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記フローサイトメータは、ガラスプールベースのフローサイトメータであり、
前記ノズルシステムは、ガラスプールと、ノズルとを備え、
前記第1のレーザ照会点は、前記ガラスプールの中に位置する、
請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、選別の分野に関し、具体的には、液滴遅延時間を計算するためのシステムおよび方法および選別デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
フローサイトメータ等の選別デバイスは、粒子を含有する液滴を静電的に偏向させることによって、粒子を分類する。選別デバイスに関して、静電場によって、着目粒子を含有する液滴を適切に偏向させるために、液体フローを帯電させるための時間を決定することが、必要である。例えば、液滴遅延時間、すなわち、着目粒子のレーザ照会点から着目粒子を含有する液滴の分離点までの時間が、液体フローを帯電させるための時間を決定するために使用されることができる。したがって、液滴遅延時間を計算し得る技術を提供することが、望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の簡潔な概要が、本開示のある側面の基本的理解を提供するために、下記に与えられる。しかしながら、本概要が、本開示の包括的概要ではないことを理解されたい。これは、本開示の重要となるまたは重要な部分を決定するために使用されることを意図するものではなく、本開示の範囲を限定するために使用されることを意図するものでもない。その目的は、本開示についてのいくつかの概念を、後に与えられる、より詳細な説明に対する前置きとして、簡略化された形態において提示することにすぎない。
【0004】
上記の問題に照らして、本開示は、液滴遅延時間を計算するための改良されたシステムおよび方法と、液滴遅延時間を計算するような、選別デバイスとを提供することを目的とする。
【0005】
本開示のある側面によると、選別デバイスの液体フロー内の液滴遅延時間を計算するためのシステムであって、選別デバイスの液体フローに第1のレーザビームを発出するように構成される、第1のレーザ源であって、第1のレーザビームおよび液体フローは、選別デバイスのノズルシステムの中に位置する、第1のレーザ照会点において交差する、第1のレーザ源と、液体フローに第2のレーザビームを発出するように構成される、第2のレーザ源であって、第2のレーザビームおよび液体フローは、ノズルシステムの外側に位置する、第2のレーザ照会点において交差し、第2のレーザ照会点は、液滴分離点の前にある、第2のレーザ源と、第1のレーザ源に対応し、第1のレーザビームに応答して、液体フロー中の粒子の発出を検出し、粒子が第1のレーザ照会点を通して通過する時間を決定するように構成される、第1の検出器と、第2のレーザ源に対応し、第2のレーザビームに応答して、液体フロー中の粒子の発出を検出し、粒子が第2のレーザ照会点を通して通過する時間を決定するように構成される、第2の検出器と、液体フロー中の粒子が第1のレーザ照会点を通して通過する時間と、粒子が第2のレーザ照会点を通して通過する時間とに基づいて、第1のレーザ照会点から第2のレーザ照会点まで流動する、液体フローに関する第1の遅延時間を計算し、第1の遅延時間に基づいて、液滴遅延時間を計算するように構成される、液滴遅延時間計算ユニットとを含む、システムが、提供される。
【0006】
本開示の別の側面によると、上記に述べられるシステムを含む、選別デバイスが、提供される。
【0007】
本開示のさらに別の側面によると、選別デバイスの液体フロー内の液滴遅延時間を計算するための方法であって、それぞれ、選別デバイスの第1のレーザ源および第2のレーザ源を使用し、選別デバイスの液体フローに第1のレーザビームおよび第2のレーザビームを発出するステップと、選別デバイスの第1の検出器の検出に基づいて決定される、液体フロー中の粒子が選別デバイスのノズルシステムの中に位置する、第1のレーザ照会点を通して通過する時間と、選別デバイスの第2の検出器の検出に基づいて決定される、粒子がノズルシステムの外側にある第2のレーザ照会点を通して通過する時間とに基づいて、第1のレーザ照会点から第2のレーザ照会点まで流動する、液体フローに関する第1の遅延時間を計算するステップと、第1の遅延時間に基づいて、液滴遅延時間を計算するステップとを含む、方法が、提供される。第1のレーザビームおよび液体フローは、第1のレーザ照会点において交差する。第2のレーザビームおよび液体フローは、第2のレーザ照会点において交差する。第2のレーザ照会点は、液滴分離点の前にある。第1の検出器は、第1のレーザビームに応答して、液体フロー中の粒子の発出を検出し、粒子が第1のレーザ照会点を通して通過する時間を決定するように構成される。第2の検出器は、第2のレーザビームに応答して、液体フロー中の粒子の発出を検出し、粒子が第2のレーザ照会点を通して通過する時間を決定するように構成される。
【0008】
本開示の他の側面によると、本開示に従って、上記に述べられる方法を実装するためのコンピュータプログラムコードおよびコンピュータプログラム製品、およびその上に本開示に従って上記に述べられる方法を実装するためのコンピュータプログラムコードが提供される、コンピュータ可読記憶媒体が、さらに提供される。
【0009】
本開示の実施形態の他の側面が、以下の説明の節において与えられる。詳細な説明は、本開示の実施形態の好ましい実施形態を、それらに限定を課すことなく、完全に開示するために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示は、同一または類似の参照番号が、同一または類似の構成要素を示すために全ての図面内で使用される、付随の図面と併せて、下記に与えられる詳細な説明を参照することによって、より深く理解されることができる。図面は、以下の詳細な説明とともに、本明細書に含まれ、本明細書の一部を形成し、本開示の好ましい実施形態をさらに例証し、本開示の原理および利点を解説するために使用される。
【0011】
【
図1】
図1は、本開示のある実施形態による、液滴遅延時間を計算するためのシステムの構成実施例を示す、ブロック図である。
【
図2】
図2は、本開示のある実施形態による、液滴遅延時間を計算するためのシステムの具体的な実装モードのアーキテクチャ実施例を示す、概略図である。
【
図3】
図3は、本開示の別の実施形態による、液滴遅延時間を計算するためのシステムの具体的な実装モードのアーキテクチャ実施例を示す、概略図である。
【
図4】
図4は、本開示のある実施形態による、液滴遅延時間を計算するためのフロー実施例を示す、フローチャートである。
【
図5】
図5は、本開示のある実施形態において採用され得る、パーソナルコンピュータの例示的構造を示す、ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
本開示の例示的実施形態が、付随の図面を参照して下記に説明されるであろう。明確性および簡潔性のために、実際の実装モードの全ての特徴が、本明細書に説明されているわけではない。しかしながら、例えば、システムおよび事業に関連する、それらの制限に準拠する、開発者の具体的購入を達成するために、任意のそのような実際の実施形態の開発の間に、多くの実装モード固有の決定が、行われなければならないこと、およびこれらの制限が、異なる実装モードに伴って変動し得ることを理解されたい。加えて、開発作業は、非常に複雑かつ時間がかかり得るが、本開示から恩恵を享受する当業者にとって、そのような開発作業が、日常的なタスクにすぎないこともまた、理解されたい。
【0013】
用語「第1」、「第2」等が、本明細書では、種々の要素を説明するために使用され得るが、これらの要素が、これらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、1つの要素を別の要素から区別するために使用されるにすぎない。例えば、第1の要素は、本開示の範囲から逸脱することなく、第2の要素と称され得、同様に、第2の要素も、第1の要素と称され得る。
【0014】
加えて、本明細書および図面では、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素が、同一の参照符号の後に異なる文字を添付することによって区別される場合もまた、存在する。例えば、第3のレーザ源は、必要に応じて、第3のレーザ源112aと、第3のレーザ源112bとに分割される。しかしながら、基本的に同一の機能構成を有する複数の構成要素のそれぞれを区別することが必要ではない場合、同一の参照符号のみが、追加される。例えば、第3のレーザ源112aと第3のレーザ源112bとを区別する必要性が存在しないとき、第3のレーザ源112aおよび第3のレーザ源112bは、単に、第3のレーザ源112と称される。
【0015】
ここで、さらに、不必要な詳細に起因して本開示を不明瞭にすることを回避するために、本開示による、解決策に緊密に関連するデバイス構造および/または処理ステップのみが、図面内に示され、本開示と殆ど関係ない、他の詳細が、省略されることに留意されたい。
【0016】
本開示による実施形態が、付随の図面を参照して下記に詳細に説明されるであろう。
【0017】
最初に、本開示のある実施形態による、選別デバイスの液体フロー内の液滴遅延時間を計算するためのシステムの実装実施例が、
図1および
図2を参照して説明されるであろう。
図1は、本開示のある実施形態による、液滴遅延時間を計算するためのシステム100の構成実施例を示す、ブロック図である。
図2は、本開示のある実施形態による、液滴遅延時間を計算するためのシステム100の具体的な実装モードのアーキテクチャ実施例を示す、概略図である。
【0018】
図1および2に示されるように、本開示のある実施形態による、液滴遅延時間を計算するためのシステム100は、第1のレーザ源102(
図2に図示せず)と、第2のレーザ源104(
図2に図示せず)と、第1のレーザ源102に対応する、第1の検出器106と、第2のレーザ源104に対応する、第2の検出器108と、液滴遅延時間計算ユニット110(
図2に図示せず)とを含み得る。
【0019】
第1のレーザ源102は、選別デバイスの液体フローに第1のレーザビームを発出するように構成されてもよい。
図2に示されるように、第1のレーザビームは、選別デバイスのノズルシステムの中に位置する、第1のレーザ照会点P1において、液体フローと交差してもよい。
【0020】
第2のレーザ源104は、液体フローに第2のレーザビームを発出するように構成されてもよい。
図2に示されるように、第2のレーザビームは、ノズルシステムの外側に位置する、第2のレーザ照会点P2において、液体フローと交差してもよく、第2のレーザ照会点P2は、液滴分離点の前にある。
【0021】
第1の検出器106は、第1のレーザビームに応答して、液体フロー中の粒子の発出を検出し、粒子が第1のレーザ照会点P1を通して通過する時間を決定するように構成されてもよい。第2の検出器108は、第2のレーザビームに応答して、液体フロー中の粒子の発出を検出し、粒子が第2のレーザ照会点P2を通して通過する時間を決定するように構成される。例えば、第1の検出器106および第2の検出器108は、それぞれ、第1のレーザビームおよび第2のレーザビームに応答して、液体フロー中の粒子によって発生される、散乱光信号を検出するように構成される、光検出器であってもよい。
【0022】
液滴遅延時間計算ユニット110は、液体フロー中の粒子が第1のレーザ照会点P1を通して通過する時間と、粒子が第2のレーザ照会点P2を通して通過する時間とに基づいて、第1のレーザ照会点P1から第2のレーザ照会点P2まで流動する、液体フローに関する第1の遅延時間を計算し、第1の遅延時間に基づいて、液滴遅延時間を計算するように構成されてもよい。
【0023】
フローサイトメータ等の選別デバイスは、粒子を含有する液滴を静電的に偏向させることによって、粒子を分類する。静電場によって、着目粒子を含有する液滴を適切に偏向させるために、適切な時間にわたって液体フローを帯電させることが、必要である。正確な液滴遅延時間が、適切な帯電時間を決定するために重要である。液滴遅延時間を決定するために、特許文書1(第CN102782145B号)が、画像処理を使用し、液滴遅延時間を計算する技法を提案している。しかしながら、本技術に基づく液滴遅延時間の計算は、液体フローの変動をカウントすることを要求し、液体フローの変動は、液体フローが選別デバイスのノズルシステムから流出するまで生じないため、ノズルシステム内にレーザ照会点を伴うガラスプールベースのフローサイトメータまたは選別デバイスに関して、本技法は、レーザ照会点からノズルまでの遅延時間を計算することはできず、したがって、適用可能ではない。
【0024】
上記に説明されるように、本開示のある実施形態による、液滴遅延時間を計算するためのシステム100は、ノズルシステム内に第1のレーザ照会点を伴う選別デバイスの液滴遅延時間が計算され得るように、第1の検出器106の検出に基づいて決定される、液体フロー中の粒子が第1のレーザ照会点P1を通して通過する時間と、第2の検出器108の検出に基づいて決定される、液体フロー中の粒子が第2のレーザ照会点P2を通して通過する時間とに基づいて、第1のレーザ照会点P1から第2のレーザ照会点P2まで流動する、液体フローに関する第1の遅延時間を計算し、第1の遅延時間に基づいて、液滴遅延時間を計算してもよい。
【0025】
第1のレーザ照会点P1および第2のレーザ照会点P2の具体的な位置が、
図2に示されるが、示される具体的な位置が、実施例にすぎず、第1のレーザ照会点P1および第2のレーザ照会点P1の具体的な位置が、図面によって限定されないことに留意されたい。
【0026】
実施例として、液滴遅延時間計算ユニット110はまた、第2のレーザ照会点P2から液滴分離点まで流動する、液体フローに関する第2の遅延時間を計算し、第1の遅延時間と、第2の遅延時間との和を液滴遅延時間として計算してもよい。
【0027】
例えば、本開示のある実施形態によると、選別デバイスは、フローサイトメータであってもよい。例えば、
図2に示されるように、選別デバイスは、ガラスプールベースのフローサイトメータであってもよい。特に、ノズルシステムは、ガラスプールと、ノズルとを含む。選別デバイスが、ガラスプールベースのフローサイトメータであるとき、第1のレーザ照会点P1は、ガラスプールの中に位置してもよい。しかしながら、選別デバイスは、フローサイトメータに限定されず、選別デバイスは、任意の好適な選別デバイスであってもよい。
【0028】
例えば、本開示のある実施形態によると、液滴遅延時間を計算するためのシステム100はさらに、液体フローの画像を取得するように適合される、カメラデバイス114を含んでもよい。特に、第2のレーザ照会点P2および液滴分離点は、
図2に示されるように、カメラデバイス114の採取範囲内にある。本場合には、液滴遅延時間計算ユニット110は、カメラデバイス114によって取得された液体フローの複数の画像を使用することによって、第2の遅延時間を計算してもよい。例えば、第2の遅延時間は、上記の特許文書1において説明される方法によって計算されてもよい。
【0029】
加えて、例えば、第2の遅延時間は、実験的な繰り返される試行錯誤スキームを通して決定されてもよい。
【0030】
例えば、本開示のある実施形態によると、液滴遅延時間計算ユニット110は、複数の粒子の第1の測定時間の平均値を第1の遅延時間として計算してもよい。粒子毎に、第1の測定時間は、第1の検出器106の検出に基づいて決定される、粒子が第1のレーザ照会点P1を通して通過する時間と、第2の検出器108の検出に基づいて決定される、粒子が第2のレーザ照会点P2を通して通過する時間との間の差異を指す。
【0031】
例えば、シース流体圧力、温度、およびノズルサイズに基づくアルゴリズムが、複数の粒子の第1の測定時間に基づいて生成され得、第1の遅延時間を計算するために使用される。したがって、具体的なノズルと、ガラスプールとを伴う選別デバイスに関して、本アルゴリズムは、液体フローを再度走流させることなく第1の遅延時間を計算するために使用され得る。当然ながら、当業者は、具体的なノズルと、ガラスプールとを伴う選別デバイスに関して、液体フローが、そのアルゴリズムに基づいて取得された第1の遅延時間を較正するために、走流され得ることを理解することができる。
【0032】
例えば、本開示のある実施形態によると、粒子サイズの複数のタイプのそれぞれに関して、液滴遅延時間計算ユニット110は、第1の遅延時間が異なる粒子サイズに関して異なるように計算されるように、粒子サイズを伴う複数の粒子の第1の測定時間に基づいて、その粒子サイズに関する第1の遅延時間を計算してもよい。例えば、液滴遅延時間計算ユニット110は、粒子サイズの複数のタイプのそれぞれに関して、粒子サイズを伴う複数の粒子の第1の測定時間の平均値を、その粒子サイズに関する第1の遅延時間として計算してもよい。
【0033】
例えば、ガラスプールベースのフローサイトメータでは、粒子サイズは、粒子がガラスプールを通して通過する速さに大きい影響を及ぼし、そのため、異なる粒子サイズを伴う粒子の遷移時間(すなわち、ガラスプールを通して通過するための時間)は、異なる。遷移時間の本差異は、第1の遅延時間の差異を引き起こす。上記に説明されるように、本開示のある実施形態によると、粒子サイズの複数のタイプのタイプ毎に、第1の遅延時間が、粒子サイズを考慮して計算され、それによって、計算される第1の遅延時間の正確度を改良し、次いで、計算される液滴遅延時間の正確度を改良し得るように、その粒子サイズに関する第1の遅延時間が、粒子サイズを伴う複数の粒子の第1の測定時間に基づいて計算されることができる。
【0034】
例えば、本開示のある実施形態によると、液滴遅延時間を計算するためのシステム100はさらに、粒子サイズ計算ユニット(図に図示せず)を含んでもよい。第1のレーザビームに応答して、各粒子の発出を検出する第1の検出器106によって取得される、信号のパルス幅は、第1のレーザビームのスポットサイズおよび各粒子のサイズと関連付けられるため、例えば、粒子サイズ計算ユニットは、粒子毎に、第1のレーザビームに応答して、粒子の発出および第1のレーザビームのスポットサイズを検出する、第1の検出器106によって取得された信号のパルス幅に基づいて、粒子のサイズを計算するように構成されてもよい。
【0035】
例えば、本開示のある実施形態によると、液滴遅延時間計算ユニット110は、粒子サイズの複数のタイプの第1の遅延時間に基づいて、粒子サイズと第1の遅延時間との間の関係を特徴付ける、ルックアップテーブルを生成してもよい。加えて、例えば、第1のレーザビームのスポットサイズが、固定されているとき、ルックアップテーブルが、第1のレーザビームに応答して、液体フロー中の対応する粒子の発出と、第1の遅延時間とを検出する第1の検出器106によって取得された信号のパルス幅に基づいて生成されてもよく、後続の使用プロセスにおいて、事前に生成されたルックアップテーブルが、第1の遅延時間を取得するように、第1のレーザビームに応答して、液体フロー中の対応する粒子の発出を検出することによって取得された信号のパルス幅に基づいて、直接検索される。
【0036】
例えば、本開示のある実施形態によると、粒子サイズと第1の遅延時間との間の関係を特徴付ける式が、粒子サイズの複数のタイプの第1の遅延時間に基づいて生成されてもよい。多種多様な粒子サイズを考慮すると、第1の遅延時間が、粒子サイズのタイプ毎に計算される場合、より多くの時間および労力が、要求されるであろう。上記に説明されるように、粒子サイズと第1の遅延時間との間の関係を特徴付ける式が、粒子サイズの複数のタイプの第1の遅延時間に基づいて生成され、したがって、部分的な粒子サイズの第1の遅延時間のみが、計算される必要があり、他の粒子サイズに関しては、生成された式が、対応する第1の遅延時間を取得するために使用されることができ、これは、第1の遅延時間を計算する作業負荷を低減させることができる。
【0037】
加えて、ルックアップテーブルを生成する上記の状況と同様に、第1のレーザビームのスポットサイズが、固定されているとき、式が、第1のレーザビームに応答して、液体フロー中の対応する粒子の発出と、第1の遅延時間とを検出する、第1の検出器106によって取得された信号のパルス幅に基づいて生成されてもよく、後続の使用プロセスにおいて、生成された式が、第1の遅延時間を取得するように、第1のレーザビームに応答して、液体フロー中の対応する粒子の発出を検出することによって取得された信号のパルス幅に基づいて、直接使用されることができる。
【0038】
例えば、
図3に示されるように、本開示のある実施形態によると、液滴遅延時間を計算するためのシステム100はさらに、第3のレーザ源112と、コリメート/集束素子116および反射ミラー118等の光ビーム調節要素とを含んでもよい。第3のレーザ源112は、蛍光励起のために液体フローに第3のレーザビームを発出するように構成されてもよい。第1のレーザ源102によって発出される第1のレーザビームもまた、蛍光励起のために使用され得る。本場合には、例えば、第3のレーザ源112a、112b、および112cによって発出される、第3のレーザビームおよび第1のレーザ源102によって発出される、第1のレーザビームは、コリメート/集束素子116および反射ミラー118等の光ビーム調節要素を通して、同一の経路に沿って液体フローに透過され得る。すなわち、第3のレーザ源112a、112b、および112cによって発出される、第3のレーザビームおよび第1のレーザ源102によって発出される、第1のレーザビームは、1つの光ビームに組み合わせられ得る。
【0039】
図3に示される光ビーム調節要素および蛍光集光要素等の種々の要素の具体的な配列が、実施例にすぎず、種々の要素の配列が、図面によって限定されないことに留意されたい。当業者は、実際の必要性に従って、種々の要素を配列することができる。加えて、
図3に示される第1のレーザ源102、第2のレーザ源104、および第3のレーザ源112a、112b、および112cの数および発出波長は、実施例にすぎず、各レーザ源の数および発出波長は、図面によって限定されない。当業者は、実際の必要性に従って、各レーザ源の数および発出波長を設定することができる。
【0040】
本開示のある実施形態によると、液体フロー内の液滴遅延時間を計算するための上記に述べられるシステム100を含む、選別デバイスが、さらに提供される。
【0041】
本開示の実施形態による、選別デバイスの液体フロー内の液滴遅延時間を計算するためのシステム100が、上記に説明されている。選別デバイスの液体フロー内の液滴遅延時間を計算するためのシステム100の実施形態に対応して、本開示はさらに、下記に、選別デバイスの液体フロー内の液滴遅延時間を計算するための方法のある実施形態を提供する。
図4は、本開示のある実施形態による、液滴遅延時間を計算するための方法400のフロー実施例を示す、フローチャートである。
【0042】
図4に示されるように、本開示の実施形態に従って液滴遅延時間を計算するための方法400が、ステップS402から開始し、ステップS408において終了し得る。本開示の実施形態に従って液滴遅延時間を計算するための方法400は、レーザビーム発出ステップS404と、液滴遅延時間計算ステップS406とを含み得る。
【0043】
レーザビーム発出ステップS404において、選別デバイスの第1のレーザ源および第2のレーザ源が、それぞれ、選別デバイスの液体フローに第1のレーザビームおよび第2のレーザビームを発出するために使用されることができる。特に、第1のレーザビームおよび液体フローは、選別デバイスのノズルシステムの中に位置する、第1のレーザ照会点において交差し、第2のレーザビームおよび液体フローは、ノズルシステムの外側に位置する、第2のレーザ照会点において交差し、第2のレーザ照会点は、液滴分離点の前にある。
【0044】
液滴遅延時間計算ステップS406において、第1のレーザ照会点から第2のレーザ照会点まで流動する、液体フローに関する第1の遅延時間が、選別デバイスの第1の検出器106の検出に基づいて決定される、液体フロー中の粒子が第1のレーザ照会点を通して通過する時間と、選別デバイスの第2の検出器108の検出に基づいて決定される、液体フロー中の粒子が第2のレーザ照会点を通して通過する時間とに従って計算されてもよく、液滴遅延時間が、第1の遅延時間に基づいて計算される。例えば、液滴遅延時間計算ステップS406は、上記のシステム実施形態において説明される、液滴遅延時間計算ユニット110によって実装され得、そのため、具体的な詳細は、上記の液滴遅延時間計算ユニット110の説明を参照し得、これは、ここでは繰り返されないであろう。
【0045】
加えて、第1の検出器106および第2の検出器108の構成は、上記のシステム実施形態における第1の検出器106および第2の検出器108のものに類似し得、そのため、具体的な詳細は、上記のシステム実施形態における第1の検出器106および第2の検出器108の説明を参照し得、これは、ここでは繰り返されないであろう。
【0046】
例えば、本開示のある実施形態によると、液滴遅延時間計算ステップS406において、第2のレーザ照会点から液滴分離点まで流動する液体フローに関する第2の遅延時間もまた、計算されてもよく、第1の遅延時間と、第2の遅延時間との和が、液滴遅延時間として計算されてもよい。
【0047】
例えば、本開示のある実施形態によると、液滴遅延時間計算ステップS406において、第2の遅延時間が、カメラデバイス114によって取得された液体フローの複数の画像を使用することによって計算されてもよい。第2のレーザ照会点および液滴分離点は、カメラデバイス114の採取範囲内にある。
【0048】
例えば、本開示のある実施形態によると、液滴遅延時間計算ユニットS406において、複数の粒子の第1の測定時間の平均値が、第1の遅延時間として計算されてもよい。粒子毎に、第1の測定時間は、第1の検出器106の検出に基づいて決定される、粒子が第1のレーザ照会点を通して通過する時間と、第2の検出器108の検出に基づいて決定される、粒子が第2のレーザ照会点を通して通過する時間との間の差異を指す。
【0049】
例えば、本開示のある実施形態によると、液滴遅延時間計算ステップS406において、粒子サイズの複数のタイプのそれぞれに関して、第1の遅延時間が、異なる粒子サイズに関して異なるように計算されるように、その粒子サイズに関する第1の遅延時間が、粒子サイズを伴う複数の粒子の第1の測定時間に基づいて計算されてもよい。本動作は、粒子サイズを考慮して第1の遅延時間を計算し、それによって、計算される第1の遅延時間の正確度を改良し、次いで、計算される液滴遅延時間の正確度を改良することを可能にする。
【0050】
例えば、本開示のある実施形態によると、液滴遅延時間を計算するための方法400はさらに、粒子サイズ計算ステップ(
図4に図示せず)を含み得る。粒子サイズ計算ステップにおいて、粒子毎に、粒子のサイズが、第1のレーザビームに応答して、粒子の発出および第1のレーザビームのスポットサイズを検出する、第1の検出器106によって取得された信号のパルス幅に基づいて、計算されてもよい。
【0051】
例えば、本開示のある実施形態によると、液滴遅延時間計算ステップS406において、粒子サイズと第1の遅延時間との間の関係を特徴付けるルックアップテーブルまたは式がさらに、粒子サイズの複数のタイプの第1の遅延時間に基づいて生成され得る。
【0052】
例えば、本開示のある実施形態によると、レーザビーム発出ステップS404において、第3のレーザ源もまた、蛍光励起のために液体フローに第3のレーザビームを発出するために使用され得る。加えて、第1のレーザビームもまた、蛍光励起のために使用され得る。本場合には、例えば、第3のレーザビームおよび第1のレーザビームは、コリメート/集束素子116および反射ミラー118等の光ビーム調節要素を通して、同一の経路に沿って液体フローに透過され得る。すなわち、第3のレーザビームおよび第1のレーザビームは、1つの光ビームに組み合わせられ得る。
【0053】
例えば、本開示のある実施形態によると、選別デバイスは、フローサイトメータであってもよい。例えば、選別デバイスは、ガラスプールベースのフローサイトメータであってもよい。特に、ノズルシステムは、ガラスプールと、ノズルとを含む。選別デバイスが、ガラスプールベースのフローサイトメータであるとき、第1のレーザ照会点P1は、ガラスプールの中に位置してもよい。しかしながら、選別デバイスは、フローサイトメータに限定されず、選別デバイスは、任意の好適な選別デバイスであってもよい。
【0054】
本開示の実施形態による、液滴遅延時間計算システム、選別デバイス、および液滴遅延時間方法の機能構成および動作が、上記に説明されているが、これらが、実施例にすぎず、限定ではないこと、および当業者が、本開示の原理に従って上記の実施形態を修正し得ることが、指摘されるべきである。例えば、各実施形態において、機能性モジュールおよび動作が、追加、削除、または組み合わせられることができ、そのような修正は全て、本開示の範囲内にあるものとする。
【0055】
加えて、方法実施形態が、ここで、上記のシステム実施形態に対応することが、指摘されるべきである。したがって、方法実施形態において詳細に説明されていない内容は、システム実施形態内の対応する部分の説明を参照し得、それらの説明は、ここでは省略されるであろう。
【0056】
加えて、本開示はさらに、記憶媒体と、プログラム製品とを提供する。本開示の実施形態による、記憶媒体およびプログラム製品内の機械実行可能命令がまた、液滴遅延時間を計算するための上記に述べられる方法を実行するように構成され得ることを理解されたい。したがって、ここで詳細に説明されていない内容は、前述の対応する部分の説明を参照し得、それらの説明は、ここでは省略されるであろう。
【0057】
対応して、機械実行可能命令を含む、上記に述べられるプログラム製品を搬送するための記憶媒体もまた、本開示の開示内に含まれる。記憶媒体は、限定ではないが、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、メモリカード、メモリスティック等を含む。
【0058】
加えて、上記に述べられる一連の処理およびデバイスがまた、ソフトウェアおよび/またはファームウェアによって実装され得ることもまた、指摘されるべきである。ソフトウェアおよび/またはファームウェアによる実装の場合には、ソフトウェアを成すプログラムが、記憶媒体またはネットワークから、
図5に示される汎用目的パーソナルコンピュータ500等の専用のハードウェア構造を伴うコンピュータにインストールされ、コンピュータは、種々のプログラムのインストールの間に種々の機能を実行することができる。
【0059】
図5では、中央処理ユニット(CPU)501が、読取専用メモリ(ROM)502内に記憶されるプログラムまたは記憶部分508からランダムアクセスメモリ(RAM)503にロードされたプログラムに従って、種々の処理を実行する。CPU501が種々の処理および同等物を実行するときに要求されるデータもまた、必要性に従って、RAM503内に記憶される。
【0060】
CPU501、ROM502、およびRAM503が、バス504を介して相互に接続される。入/出力インターフェース505もまた、バス504に接続される。
【0061】
以下の構成要素、すなわち、キーボードおよびマウスを含む、入力部分506、陰極線管(CRT)および液晶ディスプレイ(LCD)等のディスプレイ、およびスピーカ等を含む、出力部分507、ハードディスク等を含む、記憶部分508、およびLANカードおよびモデム等のネットワークインターフェースカードを含む、通信部分509が、入/出力インターフェース505に接続される。通信部分509は、インターネット等のネットワークを介して、通信処理を実施する。
【0062】
駆動部510もまた、要求に応じて、入/出力インターフェース505に接続される。磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、および半導体メモリ等のリムーバブル媒体511が、そこから読み取られたコンピュータプログラムが要求に応じて記憶部分508内にインストールされるように、要求に応じて駆動部510上に搭載される。
【0063】
ソフトウェアによって上記に述べられる一連の処理を実装する場合には、ソフトウェアを成すプログラムが、インターネット等のネットワークまたはリムーバブル媒体511等の記憶媒体からインストールされる。
【0064】
当業者は、本記憶媒体が、プログラムを記憶し、デバイスから別個に分散され、ユーザにプログラムを提供する、
図5に示されるリムーバブル媒体511に限定されないことを理解するはずである。リムーバブル媒体511の実施例は、磁気ディスク(フロッピーディスク(登録商標)を含む)、光ディスク(コンパクトディスク読取専用メモリ(CD-ROM)およびデジタル多用途ディスク(DVD)を含む)、光磁気ディスク(ミニディスク(MD)(登録商標)を含む)、および半導体メモリを含む。代替として、記憶媒体は、ROM502および記憶部分508、または同等物内に含まれる、ハードディスクであってもよく、これは、プログラムを記憶し、それらを含むデバイスとともに、ユーザに配布される。
【0065】
本開示の好ましい実施形態が、付随の図面を参照して上記に説明されているが、本開示は、当然ながら、上記の実施例に限定されない。当業者は、添付の請求項の範囲内にある、種々の変更および修正を取得することができ、これらの変更および修正が、必然的に、本開示の技術的範囲内にあるであろうことを理解されたい。
【0066】
例えば、上記の実施形態において1つのユニット内に含まれる複数の機能が、別個のデバイスによって実現され得る。代替として、上記の実施形態において複数のユニットによって実装される複数の機能が、それぞれ、別個のデバイスによって実装され得る。加えて、上記の機能のうちの1つが、複数のユニットによって実装されることができる。言うまでもなく、そのような構成は、本開示の技術的範囲内にある。
【0067】
本明細書では、フローチャート内で説明されるステップは、説明される順序において時系列で実施される処理だけではなく、必ずしも時系列ではなく、同時または単独で実施される処理も含む。加えて、時系列で処理されるステップにおいても、言うまでもなく、順序は、適切に変更されることができる。
【国際調査報告】