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特表2024-503890血液採取及び注入を容易にするアダプタ、関連システム、及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-29
(54)【発明の名称】血液採取及び注入を容易にするアダプタ、関連システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/24 20060101AFI20240122BHJP
   A61M 25/06 20060101ALI20240122BHJP
   A61M 5/14 20060101ALI20240122BHJP
   A61M 5/142 20060101ALI20240122BHJP
   A61B 5/153 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
A61M39/24 100
A61M25/06 500
A61M5/14 500
A61M5/142 500
A61B5/153
A61B5/153 200
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544024
(86)(22)【出願日】2022-01-19
(85)【翻訳文提出日】2023-08-31
(86)【国際出願番号】 US2022012852
(87)【国際公開番号】W WO2022159412
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】63/139,621
(32)【優先日】2021-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エス.レイ アイザックソン
【テーマコード(参考)】
4C038
4C066
4C267
【Fターム(参考)】
4C038TA04
4C038UG01
4C038UG04
4C066AA07
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD01
4C066DD12
4C066FF04
4C066JJ04
4C066QQ14
4C066QQ15
4C066QQ82
4C267AA04
4C267AA21
4C267BB17
4C267BB33
4C267BB40
4C267BB62
4C267CC08
(57)【要約】
カテーテルアセンブリに結合するように構成されたアダプタである。アダプタは、第1の基端ポート、第2の基端ポート、及び末端ポートを含んでもよい。注入流体経路が、第1の基端ポートと末端ポートとの間に延びていてもよい。血液引出し流体経路は、第2の基端ポートと末端ポートとの間に延びていてもよい。アダプタは、第1の基端ポートに配置されていて開放して流体が1方向セプタムにわたって圧力差で末端方向へ流れることを可能にするように構成された1方向セプタムを含んでもよい。1方向セプタムは注入経路内に配置される。アダプタは、第2の基端ポートに配置された2方向セプタムを含んでもよい。2方向セプタムは、血液引出し流体経路内に配置されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルシステムであって、
末端端部及び基端端部を備えるカテーテルハブ、
前記カテーテルハブの前記末端端部から延びるカテーテル、
前記カテーテルハブ及び前記カテーテルと流体連通するアダプタであって、前記アダプタが、第1の基端ポート、第2の基端ポート、及び末端ポートを備え、注入流体経路が前記第1の基端ポート及び前記末端ポートを通って延びており、血液引出し流体経路が前記第2の基端ポート及び前記末端ポートを通って延びている、アダプタ、
前記第1の基端ポートに配置されて開放して流体が1方向セプタムにわたって圧力差で末端方向に流れることを可能にするように構成された1方向セプタムであって、前記1方向セプタムが前記注入流体経路内に配置されている、1方向セプタム、及び、
前記第2の基端ポートに配置された2方向セプタムであって、前記2方向セプタムが前記血液引出し流体経路内に配置されている、2方向セプタム、
を備える、カテーテルシステム。
【請求項2】
延長チューブをさらに備え、前記延長チューブは、前記カテーテルハブに結合された末端端部と、前記アダプタの前記末端ポートに結合された基端端部とを備える、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項3】
前記第1の基端ポートが前記末端ポートと整列され、前記注入流体経路が真っ直ぐである、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項4】
前記第2の基端ポートが、前記第1の基端ポートと前記末端ポートとの間に配置された側部ポートを備える、請求項3に記載のカテーテルシステム。
【請求項5】
注入モジュールであって、前記注入モジュールが、患者の血管系に注入するために注入流体経路を通って末端方向に流体を方向づけるように構成された第1の延長チューブを備える、注入モジュール、及び
診断モジュールであって、前記診断モジュールが、患者の血管系から血液引出し流体経路を通って基端方向に血液を方向づけるように構成された第2の延長チューブを備える、診断モジュール、
をさらに備える、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項6】
前記第1の延長チューブの末端端部が前記第1の基端ポートに結合され、前記第2の延長チューブの末端端部が前記第2の基端ポートに結合されている、請求項5に記載のカテーテルシステム。
【請求項7】
前記注入モジュールが、前記注入流体経路を通って前記末端方向に前記流体を方向づけるポンプ及び重力ベースの装置の少なくとも1つを備える、請求項5に記載のカテーテルシステム。
【請求項8】
前記診断モジュールが、前記2方向セプタムにわたって圧力差を加えて、前記2方向セプタムを開放し、血液を血液引出し流体経路を通って基端方向に方向づけるように構成されている、請求項5に記載のカテーテルシステム。
【請求項9】
前記診断モジュールが、前記血液を前記患者の血管系に再注入するために、前記血液引出し流体経路を通って前記末端方向に流体を押し出すポンプをさらに備える、請求項8に記載のカテーテルシステム。
【請求項10】
前記診断モジュールが、前記血液の診断検査を行うための少なくとも1つのセンサをさらに備える、請求項9に記載のカテーテルシステム。
【請求項11】
生理食塩水洗浄装置をさらに備え、前記ポンプが、前記生理食塩水洗浄装置を介して血液を前記血液引出し経路内に及び前記カテーテルを通って末端に再導入するように構成されている、請求項9に記載のカテーテルシステム。
【請求項12】
前記生理食塩水洗浄装置が前記診断モジュールに組み込まれている、請求項11に記載のカテーテルシステム。
【請求項13】
前記生理食塩水洗浄装置が、前記診断モジュールに対して自立している、請求項11に記載のカテーテルシステム。
【請求項14】
カテーテルアセンブリに結合するように構成されたアダプタであって、前記アダプタは、
第1の基端ポート、
第2の基端ポート、及び
末端ポートであって、注入流体経路が前記第1の基端ポートと前記末端ポートとの間に延びていて、血液引出し流体経路が前記第2の基端ポートと前記末端ポートとの間に延びている、末端ポート、
前記第1の基端ポートに配置されていて開放して流体が1方向セプタムにわたる圧力差で末端方向へ流れること可能にするように構成された1方向セプタムであって、前記1方向セプタムが前記注入流体経路内に配置されている、1方向セプタム、及び
前記第2の基端ポートに配置された2方向セプタムであって、前記2方向セプタムが前記血液引出し流体経路内に配置されている、2方向セプタム、
を備える、アダプタ。
【請求項15】
前記第1の基端ポートが前記末端ポートと整列されていて、前記注入流体経路が真っ直ぐである、請求項14に記載のアダプタ。
【請求項16】
前記第2の基端ポートが、前記第1の基端ポートと前記末端ポートとの間に配置された側部ポートを備える、請求項15に記載のアダプタ。
【請求項17】
流体注入及び血液引出しを容易にする方法であって、
アダプタをプライミングすることであって、前記アダプタが、
第1の基端ポート、
第2の基端ポート、及び
末端ポートであって、注入流体経路が前記第1の基端ポートと前記末端ポートとの間に延びており、血液引出し流体経路が前記第2の基端ポートと前記末端ポートとの間に延びている、末端ポート、
前記第1の基端ポートに配置されていて開放して流体が1方向セプタムにわたって圧力差で末端方向へ流れることを可能にするように構成された1方向セプタムであって、前記1方向セプタムが前記注入流体経路内に配置されている、1方向セプタム、及び
第2の基端ポートに配置された2方向セプタムであって、前記2方向セプタムが前記血液引出し流体経路内に配置されている、2方向セプタム、を備えること、
患者の血管系に第1の流体を注入するために、前記注入経路を通って末端方向に前記第1の流体を方向づけること、
前記血液を血液収集リザーバに方向づけるために、前記血液引出し流体経路を通って基端方向に前記患者の血管系から血液を引出すこと、
前記血液収集リザーバ内の前記血液の分析を行うこと、及び
前記分析を行った後、前記患者の血管系に前記血液を再注入するために、前記血液収集リザーバ及び前記血液引出し流体経路の少なくとも1つを通って前記末端方向に第2の流体を押し出すこと、
を含む、方法。
【請求項18】
前記第1の流体を前記末端方向に方向づけることが、前記第1の流体の流れを利用して前記第1の基端ポート内に配置された1方向セプタムを開放することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の流体の流れを利用して前記1方向セプタムを開放することに応答して、前記2方向セプタムは閉鎖されたままである、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記血液収集リザーバ及び前記血液引出し流体経路の少なくとも1つを通って前記末端方向に前記第2の流体を押し出して前記患者の血管系に前記血液を再注入することに応答して、前記1方向セプタムが閉鎖されたままである、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、「血液採取及び注入を容易にするアダプタ、関連システム、及び方法」と題する2021年1月20日出願の米国仮出願シリアル番号63/139,621の優先権を主張し、その開示全体が参照によりその全体でここに組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
背景
カテーテルは、様々な注入療法に一般的に使用される。例えば、カテーテルは、正常な生理食塩水、種々の医薬品、及び全非経口栄養などの流体を患者に注入するために使用されることがある。カテーテルはまた、患者から血液を引出すためにも使用されることがある。収集された後、血液サンプルは、疾患、ミネラル含有量、薬剤の有効性、臓器機能など、患者の生理学的・生化学的状態を判定するために検査されることがある。
【0003】
一般的なタイプのカテーテルは、「オーバー・ザ・ニードル」である末梢静脈カテーテル(「PIVC」)である。その名が示すように、オーバー・ザ・ニードルであるPIVCは、鋭利な末端先端を有する導入針上に装着することができる。PIVCと導入針は、導入針の末端先端がPIVCの末端先端を越えて針のベベルが患者の皮膚から離れる方向に向くように、組み立てられてもよい。PIVCと導入針は、皮膚から患者の血管系に全体として浅い角度で挿入される。
【0004】
一体型PIVCは、延長セットに連結されたPIVCを含む。延長セットは、典型的には、一端でカテーテルハブに一体化され、他端に結合されたYアダプタなどのアダプタを含む延長チューブを含む。アダプタは1つ以上のアクセスポート(例えばルアーコネクタ)を含んでもよい。
【0005】
一体型PIVCは血液を採取するために使用されてもよい。さらに詳細には、一体型PIVCを患者の血管系内への挿入の後、血液は拡張セット内及びアダプタ内に流入することがある。この血液の流れを促進するために、ベントプラグが通常アクセスポートの少なくとも1つに結合され、血液が延長チューブに流入する際に空気が延長チューブから逃げることを可能にする。血液収集装置がアダプタに結合されることもある。血液がアダプタを満たすのに応じて、施術者は血液収集を開始してもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
PIVCによる血液採取には様々な課題がある。例えば、血液サンプルが治療経過中の様々な時点で施術者により所望されることがあるが、PIVCは最初の挿入後の血液を採取するには信頼できないことがある。また、血液引出しのためにPIVCを一時的に使用するだけでも、注入への迅速な移行を妨げることがある。さらに詳細には、液体がアダプタを通って注入されて、血液引出し後、延長チューブから血液を洗い流す。この洗い流すプロセスは、アダプタ及びアクセスポート内から残留血液を完全に洗い流すことが困難であるため、時間がかかり、かつ非効率的である傾向がある。残留血液は、特定のアクセスポートが患者の血管系への血液引出し及び注入のためのものである場合に、血流感染のリスクを増大させることがある。
【0007】
ここで特許請求される主題は、任意の欠点を解決する実施形態に限定されるものではなく、また、上述のような環境でのみ動作するものでもない。むしろ、この背景は、ここに記載される幾つかの実施形態が実施され得る一例の技術分野を説明するために提供されるに過ぎない。
【0008】
概要
本開示は、全体として、カテーテルからの自動流体注入及び血液引出しを容易にする装置、システム、及び方法に関する。本開示における幾つかの実施形態は、血液を引出すため、及び延長セットを介して流体を注入するための異なる流体経路を提供してもよい。幾つかの実施形態では、アダプタは、注入が異なる流体経路のうちの1つを通って単一方向に流れることを可能にするように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、アダプタは、血液が異なる流体経路のうちの別の流体経路を通って2方向に流れることを可能にするように構成されてもよい。このようにして、幾つかの実施形態は、以前の血液採取による血液汚染のリスクを低減した状態で、流体が患者の血管系に注入されることを可能にしてもよい。さらに、幾つかの実施形態では、血液が診断手続のために患者の血管系から自動的に収集され、次に診断手続きの後に再注入されてもよい。
【0009】
幾つかの実施形態では、カテーテルシステムはカテーテルハブを含んでもよく、これは末端端部と基端端部とを含んでもよい。幾つかの実施形態では、カテーテルシステムはカテーテルを含んでもよく、これはカテーテルハブの末端端部から延びてもよい。一部の実施形態では、カテーテルはPIVC、末梢挿入型中心カテーテル、又は正中線カテーテルを含んでもよい。一部の実施形態では、カテーテルシステムはアダプタを含んでもよく、これはカテーテルハブ及びカテーテルと流体連通ってもよい。幾つかの実施形態では、アダプタは、第1の基端ポート、第2の基端ポート、及び末端ポートを含んでもよい。幾つかの実施形態では、注入流体経路が第1の基端ポート及び末端ポートを通って延びていてもよい。幾つかの実施形態では、血液引出し流体経路が、第2の基端ポート及び末端ポートを通って延びていてもよい。
【0010】
幾つかの実施形態では、カテーテルシステムは1方向セプタムを含んでもよく、これは第1の基端ポートに配置されて開放して流体が1方向セプタムにわたって圧力差で末端方向へ流れることを可能にするように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、1方向セプタムは注入流体経路内に配置される。幾つかの実施形態では、カテーテルシステムは、第2の基端ポート内に配置された2方向セプタムを含んでもよい。幾つかの実施形態では、2方向セプタムは血液引出し流体経路内に配置されてもよい。
【0011】
幾つかの実施形態では、カテーテルシステムは延長チューブを含んでもよい。幾つかの実施形態では、延長チューブは、カテーテルハブに結合された末端端部と、アダプタの末端ポートに結合された基端端部とを含んでもよい。幾つかの実施形態では、第1の基端ポートは末端ポートと整列されていてもよく、注入流体経路は真っ直ぐであってもよい。幾つかの実施形態では、第2の基端ポートは、第1の基端ポートと末端ポートとの間に配置された側部ポートを含んでもよい。
【0012】
幾つかの実施形態では、カテーテルシステムは注入モジュールを含んでもよい。幾つかの実施形態では、注入モジュールは、患者の血管系内に注入するために注入流体経路を通って末端方向に流体を方向づけるように構成された第1の延長チューブを含んでもよい。幾つかの実施形態では、カテーテルシステムは診断モジュールを含んでもよい。幾つかの実施形態において、診断モジュールは、血液引出し流体経路を通って患者の血管系から基端方向に血液を方向づけるように構成された第2の延長チューブを含んでもよい。幾つかの実施形態では、第1の延長チューブの末端端部は第1の基端ポートに結合されてもよく、第2の延長チューブの末端端部は第2の基端ポートに結合される。
【0013】
幾つかの実施形態では、注入モジュールは、注入流体経路を通って末端方向に流体を方向づけるためのポンプ及び重力ベースの装置のうちの少なくとも1つを含んでもよい。幾つかの実施形態では、診断モジュールは、2方向セプタムにわたって圧力差を加えて、2方向セプタムを開放し、血液を血液引出し流体経路を通って基端方向に方向づけるように構成されてもよい。幾つかの実施形態において、診断モジュールは、血液を患者の血管系内に再注入するために、血液引出し流体経路を通って末端方向に流体を押し出すポンプを含んでもよい。幾つかの実施形態では、診断モジュールは、血液に対して診断検査を行うための少なくとも1つのセンサを含んでもよい。
【0014】
幾つかの実施形態では、カテーテルシステムは生理食塩水洗浄装置を含んでもよい。幾つかの実施形態では、ポンプは、生理食塩水洗浄装置を介してカテーテルを通って末端に血液を再導入するように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、生理食塩水洗浄装置は診断モジュールに組み込まれていてもよい。幾つかの実施形態では、生理食塩水洗浄装置は診断モジュールに対して自立している。
【0015】
幾つかの実施形態では、流体の注入及び血液引出しを容易にする方法は、アダプタをプライミングすることを含んでもよい。幾つかの実施形態において、方法は、注入経路を通って末端方向に第1の流体を方向づけて、患者の血管系に第1の流体を注入することを含んでもよい。幾つかの実施形態において、本方法は、患者の血管系から血液引出し流体経路を通って基端方向に血液を引出して血液を血液収集リザーバに方向づけることを含んでもよい。幾つかの実施形態において、方法は、血液収集リザーバ内の血液の分析を行うことを含んでもよい。幾つかの実施形態において、方法は、分析を行った後、血液収集リザーバ及び血液引出し流体経路の少なくとも一方を通って末端方向に第2の流体を押し出して、血液を患者の血管系に再注入することを含んでもよい。
【0016】
幾つかの実施形態では、第1の流体を末端方向に方向づけることは、第1の流体の流れを利用して第1の基端ポート内に配置された1方向セプタムを開放することを含んでもよい。幾つかの実施形態において、第1の流体の流れを利用して1方向セプタムを開放することに応答して、2方向セプタムは閉鎖されたままであってもよい。幾つかの実施形態では、血液収集リザーバ及び血液引出し流体経路の少なくとも1つを通って第2の流体を末端方向に押し出して血液を患者の血管系に再注入することに応答して、1方向セプタムは閉鎖されたままであってもよい。
【0017】
発明の実施の形態
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、いずれも例示及び説明であり、特許請求の範囲に記載された本発明を制限するものではないことを理解されたい。様々な実施形態は、図面に図示された配置及び装置に限定されないことを理解されたい。また、実施形態が組み合わされてもよく、又は他の実施形態が利用されてもよく、構造的な変更が、そのように主張されない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく行われてもよいことが理解されるべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で捉えられるものではない。
【0018】
図面の簡単な説明
例示的な実施形態は、添付の図面の使用を通じて、さらに具体的かつ詳細に説明され、説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、幾つかの実施形態による、流体注入及び血液引出しを容易にするための例示的なカテーテルシステムを示す。
図2図2は、幾つかの実施形態による、流体注入及び血液引出しを容易にするためのカテーテルシステムを示す図である。
図3図3は、幾つかの実施形態による、1方向セプタム及び2方向セプタムを含むアダプタの断面図である。
図4A図4Aは、幾つかの実施形態による、アダプタがプライミングされた初期状態を示す図3のアダプタの断面図である。
図4B図4Bは、幾つかの実施形態による、血液引出し状態を示す図3のアダプタの断面図である。
図4C図4Cは、幾つかの実施形態による、血液再注入状態を示す図3のアダプタの断面図である。
図4D図4Dは、幾つかの実施形態による、注入状態を示す図3のアダプタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
実施形態の説明
先行技術のカテーテルシステムは、血液引き出し使用と注入使用との間の迅速な移行を備えていない。先行技術のアダプタを介した注入又は血液引出しは、流体の混合を招き、注入又は血液採取の目的に対して流体が誤った方向に進むことがある。単にアダプタの各アクセスポートに針なしコネクタをつけるだけでは、問題は解決しないことがある。実際、針なしコネクタは、両方向に開放した流体経路を作ることになる。
【0021】
ここで図1~2を参照すると、幾つかの実施形態によるカテーテルシステム10は、患者の血管系と流体連通するカテーテルからの流体の注入及び血液の引出しを容易にしてもよい。カテーテルシステム10の幾つかの実施形態は、診断目的のために、注入及び血液引出しを一貫して確実に行う方法を提供してもよい。幾つかの実施形態では、診断目的のための血液の引出し及び分析に応答して、血液の少なくとも一部が少量の生理食塩水洗浄で患者の血管系に戻されてもよく、ラインがポンプベースの注入のための一次状態に戻されてもよい。
【0022】
幾つかの実施形態では、カテーテルシステム10は、例えばYアダプタなどのアダプタ12を含んで、血液を引出し、患者の血管系に流体を注入するための別個の専用の流体経路を提供してもよい。例えば、アダプタ12は、流体又は注入の流れを1つの経路を通って1つの方向(患者内)に方向づけて、血液が別の経路を通って2つの方向(患者外及び/又は患者内)のいずれかに流れるように方向づけるように構成されたセプタムを含んでもよい。このようにして、幾つかの実施形態は、カテーテルが血液の引出しと注入の両方に使用されて、事前の血液採取による汚染のリスクを低減することを可能にしてもよい。
【0023】
図1に示されているように、幾つかの実施形態では、カテーテルシステム10は、注入モジュール14、診断モジュール16、及びアダプタ12を含んでもよい。幾つかの実施形態では、注入モジュール14は、注入投与セット18から生理食塩水、薬剤、非経口栄養剤、及び/又は他の適切な流体などの注入剤を受容してもよい。幾つかの実施形態では、注入投与セット18は、ポンプ20、重力式リザーバ、又は当業者に公知の他の適切な注入装置などの電子注入装置を含んでもよい。注入モジュール14の幾つかの実施形態は、患者の血管系に注入するための第1の流体経路26を通って末端方向24に流体又は注入を方向づけるための第1の延長チューブ22を含んでもよい。第1の流体経路26は、本開示において「注入経路」と呼ばれてもよい。第1の延長チューブ22の末端端部は、例えば、圧入によって、又は任意の他の適切な方法若しくは装置によってアダプタ12に結合されてもよい。
【0024】
幾つかの実施形態では、診断モジュール16は、注入モジュール14の隣に又は近接して配置されてもよい。幾つかの実施形態では、診断モジュール16は、第2の流体経路30を介して患者の血管系から引出された血液を収集するための血液収集リザーバ28を含んでもよい。第2の流体経路30は、本開示において「血液引出し流体経路」と呼ばれてもよく、引出された血液を患者の血管系に再導入するために使用されてもよい。幾つかの実施形態では、生理食塩水洗浄装置は、生理食塩水洗浄リザーバ32を含んでもよく、これは以下でさらに詳細に論じられるように、診断モジュール16と通信して患者の血管系への収集された血液の再注入を容易にしてもよい。
【0025】
幾つかの実施形態では、生理食塩水洗浄リザーバ32は、従来のセットアップ状況において診断モジュール16の上方に吊り下げられて、生理食塩水又は他の流体が重力によって診断モジュール16内に方向づけられるようになっていてもよい。幾つかの実施形態では、診断モジュール16は、生理食塩水洗浄リザーバ32を含む自立装置であってもよい。これらの実施形態及び他の実施形態では、ポンプが生理食塩水又は他の流体に正圧をかけて、第2の流体経路30を通じて末端方向24に流体の流れを方向づけてもよい。幾つかの実施形態では、診断モジュール16及び注入モジュール14は、共有制御装置34と通信して、患者の血管系へのそれぞれの流体の流入及び流出を制御してもよい。
【0026】
幾つかの実施形態では、診断モジュール16は、第2の流体経路30を通じて患者の血管系から離れる基端方向38に血液を方向づけるように構成された第2の延長チューブ36を含んでもよい。幾つかの実施形態では、第2の延長チューブ36の末端端部は、アダプタ12に結合されてもよい。幾つかの実施形態では、生理食塩水洗浄リザーバ32は、第2の延長チューブ36とも連通して末端方向24の血液を患者の血管系に再注入してもよい。
【0027】
幾つかの実施形態では、アダプタ12は注入部分40を含んでもよく、これは第1の流体経路26の少なくとも一部と、第2の流体経路30の少なくとも一部を含む血液引出し部分42とを含んでもよい。幾つかの実施形態では、第1の延長チューブ22の末端端部44は、注入部分40に結合されてもよく、第2の延長チューブ36の末端端部46は、血液引出し部分42に結合されてもよい。
【0028】
幾つかの実施形態では、カテーテルシステム10は、第3の延長チューブ48をさらに含んでもよい。幾つかの実施形態では、第3の延長チューブ48の末端端部50は、カテーテルハブ52に結合されていてもよい。幾つかの実施形態では、カテーテルハブ52は、その末端端部56から延びるカテーテル54を含んでもよい。幾つかの実施形態では、カテーテル54は患者の血管系と流体連通していてもよい。幾つかの実施形態では、カテーテル74は、PIVC、末梢挿入型中心カテーテル、又は正中線カテーテルを含んでもよい。
【0029】
幾つかの実施形態では、診断モジュール16は、第2の延長チューブ36の基端端部90に負圧を加えるための真空ポンプ又は他の適切な装置を含んでもよい。真空ポンプ又は他のそのような装置の作動に応答して、診断モジュール16は、第2の流体経路30を通って基端方向38に血液を方向づけてもよい。幾つかの実施形態では、診断モジュール16は、患者の血管系から血液を収集するように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、血液は、血液収集リザーバ28に収集されてもよい。幾つかの実施形態では、血液収集リザーバ28は、血液を収集して検査するための検査区画を含むか又は検査区画に対応してもよい。検査区画の幾つかの実施形態は、収集された血液に対して様々な診断検査のうちの1つ以上を実施するための1つ以上のセンサ62を含んでもよい。
【0030】
幾つかの実施形態では、診断モジュール16はポンプ63を含んでもよく、これは血液収集リザーバ28及び/又は生理食塩水洗浄リザーバ32に動作可能に結合されて、第2の流体経路30を通って末端方向24に生理食塩水及び/又は血液を押し出してもよい。幾つかの実施形態では、ポンプ20は、正圧ポンプを含んでもよい。幾つかの実施形態では、ポンプ20の作動に応答して、生理食塩水又は別の適切な流体が、生理食塩水洗浄リザーバ32から第2の流体経路30を通るように強制されてもよい。このようにして、幾つかの実施形態は、生理食塩水又は他の流体に加えられる正圧を利用して、それにより第2の流体経路30を通って末端方向24に血液を押し出し、患者の血管系に血液を再注入してもよい。
【0031】
図1に示されるように、幾つかの実施形態では、注入モジュール14は診断モジュール16に結合されてもよい。図1に示されるように、幾つかの実施形態では、生理食塩水洗浄リザーバは、自立してもよく又は診断モジュール16とは別の容器内に配置されてもよい。他の実施形態では、図2に示されるように、生理食塩水洗浄リザーバ32は、診断モジュール16内に組み込まれるか又は配置されてもよい。
【0032】
ここで図3を参照すると、幾つかの実施形態では、1方向セプタム64が注入部分40内に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、1方向セプタム64は、末端方向24の流体の流れに応答して自動的に開放するように構成された低圧1方向セプタムであってもよい。幾つかの実施形態では、1方向セプタム64は、例えば、ポンプ20又は重力ベースの注入によって加えられる小さなクラッキング圧力に応答して開放するように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、1方向セプタム64は可逆的でなくてもよく、したがって、真空の適用又は適用圧力の低下が、1方向セプタム64を閉鎖して流体密シールを提供してもよい。
【0033】
幾つかの実施形態では、2方向セプタム66が血液引出し部分42内に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、2方向セプタム66は、第2の流体経路30を通る基端方向38の血液の流れに応答して自動的に開放するように構成された受動セプタムを含んでもよい。
【0034】
幾つかの実施形態では、2方向セプタム66は、基端方向38と末端方向24の両方において均一なクラッキング圧力を有してもよい。幾つかの実施形態において、2方向セプタム66は、末端方向24又は基端方向38のいずれかにおいて対称的な活性化圧力に調整されてもよい。他の実施形態では、2方向セプタム66は非対称なクラッキング圧力に調整されてもよい。例えば、2方向セプタム66は、2方向セプタムにわたる圧力差に応答して血液引出しのために基端方向38に開放してもよいが、2方向セプタムは、圧力差と同じ大きさの反対の圧力差に応答して、血液再注入のために末端方向24に開放しなくてもよい。
【0035】
幾つかの実施形態では、2方向セプタム66は、注入部分40を通る圧力ベースの注入の間、閉鎖されたままであるのに十分な強度を有してもよい。さらに、2方向セプタム66の幾つかの実施形態は、負圧又は正圧の直接的な印加がない場合にシールされて閉鎖されてもよい。このようにして、2方向セプタム66の幾つかの実施形態は、血液引出し部分42をシールして、第1の流体経路26を通って注入された任意の生理食塩水、薬物又は他の流体が、2方向セプタム66の位置を越えて血液引出し部分42を逆上し不注意に患者に送達されることがないようにしてもよい。
【0036】
血液引出し又は血液引出しの間、幾つかの実施形態では、負圧又はポンプ力が第2の延長チューブ36の基端端部90に加えられてもよい。幾つかの実施形態では、上述したように、これは、1方向セプタム64が閉鎖されて2方向セプタム66が開放するトリガーとなって、低い力での血液引出しを可能にしてもよい。幾つかの実施形態では、負圧が2方向セプタム66を開放するトリガーとなって、血液が基端方向38に移行して診断モジュール16まで到達するようになっていてもよい。重要なことに、幾つかの実施形態では、第2の延長チューブ36の基端端部90に加えられる圧力は、血液が第2の流体経路30を通過する際に溶血しないように、十分に穏やかであってもよい。
【0037】
幾つかの実施形態では、診断モジュール16への血液引出しと診断検査の完了に続いて、2方向セプタム66は、血液が2方向セプタム66を通って末端方向24に受動的に流れて、患者の血管系に再注入されることを可能にしてもよい。このようにして、カテーテルシステム10の幾つかの実施形態は、検査後に血液が凝固したり汚れたりする可能性を低減してもよい。幾つかの実施形態では、血液は、少量の生理食塩水又は他の適切な流体を第2の流体経路30を通って末端方向24に押し出すことにより、再注入されてもよい。幾つかの実施形態では、例えばポンプによって加えられる正圧が、生理食塩水又は他の適切な流体を、患者の血管系への再注入のために、第2の流体経路30を通って押し出してもよい。
【0038】
幾つかの実施形態では、2方向セプタム66は、末端方向24への生理食塩水の押し出しに応答して自動的に開放するように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、第2の流体経路30を通って血液を再注入するために使用される圧力の量は、第1の流体経路26を通って流体を注入するために使用される圧力の量よりも少なくてもよい。幾つかの実施形態では、注入部分40は、そこを通る流体の流れを防止するようにロックされてもよい。幾つかの実施形態では、これは、流体が、基端方向38に逆行又は移動して注入部分40に戻るというよりもむしろ、患者の血管系に自然に方向づけられてもよいような流体ロック状態に寄与してもよい。
【0039】
幾つかの実施形態では、アダプタ12は患者の比較的近くに配置されて、診断処置のための血液引出しに必要な血液の量を減らしてもよい。同様に、患者の近くに位置付けられたアダプタ12は、患者の血管系に血液を再注入するために必要な生理食塩水又は他の適切な洗浄液の量を減らしてもよい。
【0040】
幾つかの実施形態では、第1の基端ポート68は末端ポート69と整列されてもよく、第1の流体経路26は真っ直ぐであってもよい。幾つかの実施形態では、第2の基端ポート71は、第1の基端ポート68と末端ポート69との間に配置された側部ポートを含んでもよく、これは血液引出し後にアダプタ12内の血液の除去を容易にしてもよい。しかしながら、幾つかの実施形態では、第1の流体経路26及び1方向セプタム64は、第2の基端ポート71と末端ポート69との間に配置されてもよく、第2の流体経路30及び2方向セプタム66は、第1の基端ポート58と末端ポート69との間に配置されてもよい。
【0041】
ここで図4Aを参照すると、幾つかの実施形態では、幾つかの実施形態に従った流体の注入及び血液引出しを容易にする方法は、血液引出し部分42及び注入部分40を含んでもよいアダプタ12をプライミングすることを含んでもよい。図示されているように、例えば、1方向セプタム64と2方向セプタム66の両方が閉鎖されて、流体がプライミング手順の間流れないようになっていてもよい。
【0042】
図4Aは、幾つかの実施形態に従って、プライミング液で満たされた注入部分40及び血液引出し部分42のそれぞれを示す。幾つかの実施形態において、このプライミング流体は、例えば、1方向セプタム64及び2方向セプタム66によって、注入部分40及び血液取出部分42内に保持され得てもよい。幾つかの実施形態では、プライミング液は、第3の延長チューブ48に結合されたピンチクランプ(図示せず)又は他の適切なクランプを作動させることにより、アダプタ12内にさらに保持されてもよい。
【0043】
次に図4Bを参照すると、幾つかの実施形態では、方法は、血液引出し部分42を通って基端方向38に患者の血管系から血液を引出すことを含んでもよい。幾つかの実施形態では、図示されているように、1方向セプタム64は閉鎖され、一方で2方向セプタム66は血液引出しを可能にするために開放する。
【0044】
幾つかの実施形態では、血液引出し部分42は、血液を血液収集リザーバ28に方向づけるための第2の流体経路30を含んでもよい。幾つかの実施形態では、負圧又は真空が第2の流体経路30に印加されて血液を基端方向38に流すことを引き起こしてもよい。幾つかの実施形態では、負圧は、注入部分40の1方向セプタム64に流体密シールを形成してもよい。
【0045】
幾つかの実施形態では、2方向セプタム66は、閉鎖位置70と開放位置72との間を受動的に移動するように構成されていてもよい。閉鎖位置70の幾つかの実施形態では、2方向セプタム66は第2の流体経路30をブロックしてもよく、一方で開放位置72では、2方向セプタム66は第2の流体経路30をブロックしなくてもよい。
【0046】
幾つかの実施形態では、2方向セプタム66は、第1の可撓性部分74と第2の可撓性部分76とを含んでもよい。幾つかの実施形態では、第1の可撓性部分74及び第2の可撓性部分76は、基端方向38の血液の流れに応答して基端方向38に変形するように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、第1の可撓性部分74及び第2の可撓性部分76は、末端方向24への生理食塩水又は別の適切な流体の押し込みに応答して、末端方向24に変形するようにさらに構成されてもよい。幾つかの実施形態は、生理食塩水又は流体の押し込みを利用して、血液の流れを末端方向24に方向づけて、患者の血管系に血液を再注入してもよい。
【0047】
ここで図4Cを参照すると、幾つかの実施形態では、方法は、血液収集リザーバ28内の血液の分析を行うことを含んでもよい。幾つかの実施形態は、血液収集リザーバ28、血液引出し部分42及び/又は第2の流体経路30を通って末端方向24に第2の流体を押し出し、それにより分析後に患者の血管系に血液を再注入することを含んでもよい。
【0048】
次に図4Dを参照すると、幾つかの実施形態では、方法は、その後流体を注入するために使用されてもよい流体経路とは異なる流体経路を通って血液サンプルが収集されることを可能にしてもよい。重要なことは、これがアダプタ12の注入部分40が予めプライミングされることを可能とし、また注入部分40がプライミングされたままの間に血液サンプルの収集を可能にすることである。
【0049】
注入手順の間、幾つかの実施形態では、1方向セプタム64は開放していてもよく、一方、2方向セプタム66は閉鎖されていてもよい。例えば、注入剤又は第1の流体は、注入部分40を通って末端方向24に方向づけられてもよい。幾つかの実施形態では、注入部分40を通って注入剤を末端方向24に方向づけることが、そこに配置された1方向セプタム64が自動的に開放することを引き起こしてもよい。幾つかの実施形態は、このようにして第1の流体経路26を開放して、注入剤が注入部分40及び第1の流体経路26を通って患者の血管系に注入されてもよいようになっている。
【0050】
1方向セプタム64の幾つかの実施形態は、それを通るスリットを有する弾力性要素を含んでもよい。幾つかの実施形態では、スリットは、第1の弾力性部分41a及び第2の弾力性部分41bを形成してもよい。幾つかの実施形態では、第1の弾力性部分41a及び第2の弾力性部分41bの各々は、末端方向24に撓むように構成されてもよい。これは、1方向セプタム64の幾つかの実施形態が末端方向24の流体の流れに応答して開放し、流体の流れの停止に応答して自動的に流体密シールを提供することを引き起こしてもよい。
【0051】
ここで援用されるすべての実施例及び条件文言は、読者が本発明及び当技術分野をさらに発展させるために本発明者によって貢献された概念を理解するのを助けるための教育的目的のために意図されたものであり、そのような具体的に援用された実施例及び条件に限定されないものと解釈される。本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、及び改変がなされ得ることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
【国際調査報告】