(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-29
(54)【発明の名称】適応可能な作業チャネル装置、組織用クリップ適用アダプタ、および外科用器具システム
(51)【国際特許分類】
A61B 1/012 20060101AFI20240122BHJP
【FI】
A61B1/012
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544352
(86)(22)【出願日】2022-01-20
(85)【翻訳文提出日】2023-09-21
(86)【国際出願番号】 EP2022051233
(87)【国際公開番号】W WO2022157244
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】102021101273.2
(32)【優先日】2021-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510285610
【氏名又は名称】オヴェスコ エンドスコピー アーゲー
【住所又は居所原語表記】FRIEDRICH-MIESCHER-STRASSE 9, 72076 TUEBINGEN, GERMANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ザイプト
(72)【発明者】
【氏名】アントニオ カプート
(72)【発明者】
【氏名】ニコ ホフマン
(72)【発明者】
【氏名】チ-ンギア ホー
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161FF11
4C161FF43
4C161HH22
4C161JJ06
(57)【要約】
本発明は、内視鏡(2)への適応的な装着のための適応可能な作業チャネル装置(1)に関する。適応可能な作業チャネル装置(1)は、第1の装着用カップリング(5)に自身の近位端部で取り付けられる少なくとも1つの外部作業チャネル(3)と、作業チャネル(3)とは別に形成され、内視鏡シャフトまたは内視鏡ハンドルを取り囲むように設けられた、スリーブ状のハンドル装着用スリーブ(7)であって、自身の半径方向外周側に、第1の装着用カップリング(5)と解除可能に装着が係合されるように設計される少なくとも1つの第2の装着用カップリング(6)を有するハンドル装着用スリーブ(7)と、を備える。第1の装着用カップリング(5)は、ばね付勢されクランプ係合し、かつそのブランチは洗濯挟みのように互いにヒンジ結合されており、それぞれがクランプブランチ部(24)と手動の作動ブランチ部(27)とを形成する、2つのクランプブランチ(23)を含む。第2の装着用カップリング(6)は、ハンドル装着用スリーブ(7)の長手方向に延在する装着用レール(8)を有し、第1の装着用カップリング(5)のクランプブランチ(23)により連動可能に留められることができるように設計される、少なくとも1つのアンダーカット(9)を有するか形成する。本発明はまた、適応可能な作業チャネル装置(1)に連結可能な遠位の組織用クリップ適用アダプタ(29)と、適応可能な作業チャネル装置(1)と組織用クリップ適用アダプタ(29)とを有する、内視鏡(2)のための外科用器具システムとに関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡(2)への適応的な装着のための、適応可能な作業チャネル装置(1)であって、
第1の装着用カップリング(5)に自身の近位端部で連結がなされた少なくとも1つの外部作業チャネル(3)と、
前記作業チャネル(3)とは別に形成され、内視鏡シャフトまたは内視鏡ハンドルを取り囲むように設けられた、スリーブ状のハンドル装着用スリーブ(7)であって、自身の半径方向外周側に、前記第1の装着用カップリング(5)と解除可能に装着が係合されるように構成された少なくとも1つの第2の装着用カップリング(6)を有する、ハンドル装着用スリーブ(7)と、を備える
適応可能な作業チャネル装置(1)において、
前記第1の装着用カップリング(5)は、
それぞれのクランプブランチ部(24)と手動の作動ブランチ部(27)とを形成するために、ばね付勢されクランプ係合し洗濯挟みのように互いにヒンジ結合されている、2つのクランプブランチ(23)を有し、
前記第2の装着用カップリング(6)は、
前記ハンドル装着用スリーブ(7)の長手方向に延在する装着用レール(8)を有し、
前記第1の装着用カップリング(5)の前記クランプブランチ(23)により形状が適応するように包まれることができるように寸法決めされる、少なくとも1つのアンダーカット(9)を有するかまたは形成する
ことを特徴とする、適応可能な作業チャネル装置(1)。
【請求項2】
前記クランプブランチ(23)は、前記クランプブランチ(23)に対し斜めまたは垂直に延在する連結ウェブ(22)を介して、対応する前記クランプブランチ(23)の前記クランプブランチ部(24)と前記作動ブランチ部(27)との間の位置で、それぞれ弾力的に互いに連結される、請求項1に記載の適応可能な作業チャネル装置(1)。
【請求項3】
前記連結ウェブ(22)は、前記クランプブランチ(23)を超えて横方向に突出するように、前記クランプブランチ(23)より広く、
前記ハンドル装着用スリーブ(7)は、自身の長手方向に対して横方向に延在して前記長手方向に距離を空けた少なくとも2つの支持縁(10)を形成し、
前記支持縁(10)間の距離は実質的に前記連結ウェブ(22)の幅に対応する、
請求項2に記載の適応可能な作業チャネル装置(1)。
【請求項4】
前記第1の装着用カップリングは、連結ブッシュ(4)を形成し、
連結ブッシュ(4)の遠位端に、前記作業チャネル(3)が連結され、
連結ブッシュ(4)の近位端に、ルアーアダプタ(20)または一体型の生検バルブ(19)が形成される、
請求項1~3のいずれか一項に記載の適応可能な作業チャネル装置(1)。
【請求項5】
前記ハンドル装着用スリーブ(7)の前記装着用レール(8)は、前記長手方向に互いにオフセットされ配置される複数のアンダーカット(9)を形成する、請求項1~4のいずれか一項に記載の適応可能な作業チャネル装置(1)。
【請求項6】
前記ハンドル装着用スリーブ(7)は、前記ハンドル装着用スリーブ(7)の周方向に互いにオフセットされ、好ましくは互いに直径方向に対向して配置される複数の装着用レール(8)を形成する、請求項1~5のいずれか一項に記載の適応可能な作業チャネル装置(1)。
【請求項7】
前記ハンドル装着用スリーブ(7)は、前記内視鏡シャフトまたは前記内視鏡ハンドルの放射状突部(13)を受けるように構成された受容口()を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の適応可能な作業チャネル装置(1)。
【請求項8】
前記ハンドル装着用スリーブ(7)は、前記ハンドル装着用スリーブ(7)を締め具のように前記内視鏡ハンドルまたは前記内視鏡シャフトにスナップ嵌めできるように、連続的な長手方向の隙間(11)を有し、少なくとも部分的に弾力がある、請求項1~7のいずれか一項に記載の適応可能な作業チャネル装置(1)。
【請求項9】
前記ハンドル装着用スリーブ(7)は、
クロージャーストラップ(15)の第1の端が取り付けられるか、取り付け可能なストラップホルダー(14)と、
前記クロージャーストラップ(15)が前記長手方向の隙間(11)を横断するように前記ハンドル装着用スリーブに巻き付けられる位置に、前記クロージャーストラップ(15)のクロージャー部(17)を保持するよう構成されたストラップ固定部(16)と
を備える、請求項8に記載の適応可能な作業チャネル装置(1)。
【請求項10】
医療用内視鏡(2)のためのキャップアタッチメントのように構成される組織用クリップ適用アダプタ(29)であって、
前記医療用内視鏡(2)の遠位ヘッドに取り付けられるよう構成された近位の内視鏡保持部(31)を有し、組織用クリップ(33)が組織用クリップ保持部(32)から遠位方向に取り外し可能なように、自身の半径方向外周面上で前記組織用クリップ(33)を支持するよう構成された前記組織用クリップ保持部(32)をさらに有するブッシュ状基体(30)と、
近位の第1のチャネル端が前記基体(30)の外側で開口し、遠位の第1のチャネル端が前記基体(30)内の内部で開口するように、前記基体(30)内を通って延在する第1の内部チャネルを有する第1のアダプタ一体型作業チャネル端子(35)と、を備える、
組織用クリップ適用アダプタ(29)において、
第2のアダプタ一体型作業チャネル端子(38)が、近位の第2のチャネル端と遠位の第2のチャネル端とが前記基体(30)の外側で開口し、かつ前記遠位の第2のチャネル端は前記組織用クリップ保持部(32)の近位に配されるように、前記基体(30)に沿って延在する第2の内部チャネルを有する
ことを特徴とする、組織用クリップ適用アダプタ(29)。
【請求項11】
滑りブッシュ(34)が、前記組織用クリップ保持部(32)から遠位に前記組織用クリップ(33)をスライドさせ外すために、前記組織用クリップ保持部(32)のすぐ近位にある前記基体上に長手方向にスライド可能な様に装着される、請求項10に記載の組織用クリップ適用アダプタ(29)。
【請求項12】
前記基体(30)の遠位の前縁は、近位方向に延在する2つの直径方向に対向する凹部(40)を有する、請求項10または11に記載の組織用クリップ適用アダプタ(29)。
【請求項13】
前記凹部(40)はそれぞれ、前記基体(30)の対向する周方向に、前記第2のアダプタ一体型作業チャネル端子(38)から、好ましくは70°~110°、より好ましくは90°オフセットされ配置される、請求項12に記載の組織用クリップ適用アダプタ(29)。
【請求項14】
前記組織用クリップ保持部(32)は、所定の姿勢で広げられた前記組織用クリップ(33)を保持するよう構成された2つの直径方向に対向する拡張支持面(41)を形成し、
一方の前記拡張支持面(41)は、前記第2のアダプタ一体型作業チャネル端子(38)と同一の、前記基体(30)の周方向位置に配される、請求項10~13のいずれか一項に記載の組織用クリップ適用アダプタ(29)。
【請求項15】
内視鏡(2)のための外科用器具システムであって、
請求項1に記載の適応可能な作業チャネル装置(1)と、
請求項2に記載の組織用クリップ適用アダプタ(29)であって、前記組織用クリップ適用アダプタ(29)の前記第1のアダプタ一体型作業チャネル端子(35)は、第1の外部作業チャネル(3a)としての、前記適応可能な作業チャネル装置(1)の前記外部作業チャネル(3)の遠位端部に結合される、組織用クリップ適用アダプタ(29)と、
前記組織用クリップ適用アダプタ(29)の前記基体(30)の前記内部(36)を通り、前進可能なように、前記第1の外部作業チャネル(3a)を通して遠位に挿入されているかまたは挿入されるように構成された把持器具(37)と、
前記適応可能な作業チャネル装置(1)の前記ハンドル装着用スリーブ(7)に装着するための第3の装着用カップリングを自身の近位端部に有し、前記組織用クリップ適用アダプタ(29)の前記第2のアダプタ一体型作業チャネル端子(38)に結合された自身の遠位端部を有する第2の外部作業チャネル(3b)と、
前記組織用適用アダプタ(29)の前記基体(30)の半径方向外側に設けることができるように、遠位方向に前記第2の外部作業チャネル(3b)に挿入されているか、挿入されるように構成された拡張器具(39)と、
を特徴とする、外科用器具システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、内視鏡への適応的な装着のための、適応可能な作業チャネル装置に関し、当該適応可能な作業チャネル装置は、第1の装着用カップリングに自身の近位端部で連結がなされた少なくとも1つの外部作業チャネルと、作業チャネルとは別に形成され、内視鏡シャフトまたは内視鏡ハンドルを取り囲むように設けられており、第1の装着用カップリングと解除可能に装着が係合されるよう構成された少なくとも1つの第2の装着用カップリングを自身の半径方向外周側に有する、スリーブ状のハンドル装着用スリーブと、を有する。さらに本開示は、遠位の組織用クリップ適用アダプタと、適応可能な作業チャネル装置と組織用クリップ適用アダプタとを有する内視鏡のための外科用器具システムと、に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用内視鏡は、多くの様々な患者の治療のために使用されるため、広い範囲にわたる要件に従わなくてはならない。多数の様々な専門性の高い治療のニーズに応えるために、専門性の高い内視鏡、および/または追加の作業チャネルのためのアダプタシステムがあり、これにより、追加の器具および/または機能性を設けることができる。特にはこのようなアダプタシステムは、標準的な内視鏡に装備されるように構成される。アダプタシステムは、素早くかつ容易に内視鏡に取り付けられる必要があり、その取り付けは確実に行われなければならない。アダプタシステムは、ディスポーザブルパーツとして安価に製造可能であり、構成がシンプルであることが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国公開特許第102009014178号
【特許文献2】独国公開特許第102017112896号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近位のコネクタを介して内視鏡ハンドルに結合可能な追加のチューブアセンブリの例は、独国公開特許第102009014178号に記載されている。この文献では、内視鏡ハンドルに固定可能であり小さな突起を備えたブラケットの隙間を有するクランプブッシュと、この小さな突起と係合するための係合用の凹みを備えたブラケットの隙間への装着のための翼部を有する外部作業チャネルとについて開示されている。しかしこの連結は、きつく締まって操作が困難でぎくしゃくとなり得るか、または、滑らかであるが安定しない。さらに、連結の際にカウンタープレッシャーを高める必要があるので、内視鏡ハンドルに外部作業チャネルを取り付けるためには、2本の手が必要である。加えて、回転リングが擦り減り、さらに不安定となり得る。しかし、多くの患者の治療または手術のためには、連結の高い安定性と、容易かつ安全な組立および分解との両方が必要とされる。
【0005】
さらに、先行技術により知られているアダプタシステムは、専門的な治療により定められた要件を満たさないことが多い。例えば、遠位の内視鏡先端部のためのアダプタシステムが、独国公開特許第102017112896号により知られており、このアダプタシステムは、押し下げが可能な組織用クリップを担持したアタッチメントを有する。しかしこのアタッチメントでは、自身の見込みのある用途が厳しく制限されている。さらにこのアダプタシステムでは、例えば人工吻合を行うとき(すなわち、例えば胃と小腸との間など、2つの解剖学的空腔の間を連結するとき)に、問題が生じ得ることが分かっている。特に、外科的に形成された吻合では、連結部の1つの開口があまりにも大きくなる可能性がある。そうすると、胃と小腸との吻合の場合は、例えば食べ物が消化管内であまりに速くさらに運ばれるので消化が不十分となるかもしれない。その一方で、開口はあまりにも小さいかもしれない。この場合、食べ物の運ばれる速度が非常に遅くなり得る。両方の場合に、このことは消化の問題となり得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の根底にある目的は、先行技術の欠点を改善または解決することである。特には、組立分解がシンプルで安価で安全であり、および/または追加の機能性を確実かつ容易に提供することができる、適応可能な作業チャネルシステムおよび/または組織用クリップ適用アダプタおよび/または内視鏡のための外科用器具システムが提供されるべきである。
【0007】
本開示の根底にある目的は、請求項1の特徴を有する、適応可能な作業チャネル装置によって、解決される。
【0008】
より具体的には、本発明の根底にある目的は、内視鏡への適応的な装着のための、適応可能な作業チャネル装置によって解決される。適応可能な作業チャネル装置は、第1の装着用カップリングに自身の近位端部で連結がなされた少なくとも1つの外部作業チャネルを有する。さらに、適応可能な作業チャネル装置は、作業チャネルとは別に形成され、内視鏡シャフトまたは内視鏡ハンドルを取り囲むように設けられたスリーブ状のハンドル装着用スリーブを有する。ハンドル装着用スリーブの半径方向外周側に、第1の装着用カップリングと解除可能に装着が係合されるよう構成された少なくとも1つの第2の装着用カップリングが設けられる。第1の装着用カップリングは、それぞれのクランプブランチ部と手動の作動ブランチ部とを形成するために、ばね付勢されクランプ係合し洗濯挟みのように互いにヒンジ結合されている、2つのクランプブランチを有する。第2の装着用カップリングは、ハンドル装着用スリーブの長手方向に延在する装着用レールと、少なくとも1つのアンダーカットとを有する。アンダーカットは、第1の装着用カップリングのクランプブランチにより形状が適応するように包まれることができるように寸法決めされる。適応可能な作業チャネル装置は有利には、シンプルで、ぎくしゃくしない、安定した、外部作業チャネルの内視鏡ハンドルへの結合を可能にする。
【0009】
換言すれば、適応可能な作業チャネル装置には、シンプルな装着システムを介して内視鏡ハンドルに選択的に着脱可能である外部作業チャネルが設けられる。したがって、(外部)作業チャネルおよび、内視鏡ハンドルに取り付け可能なハンドル装着用スリーブは、互いに解放可能に結合されるよう構成された第1および第2の装着用カップリングを有する。作業チャネルの第1の装着装置は、ロッカージョイント(rocker joint)を介して、弾力的に、互いに角度が調節可能な(すなわち、洗濯挟みのように連結された)2つのクランプブランチを備えたクランプを形成する。クランプブランチはそれぞれ、突部または開口等の、少なくとも1つの第1の係合部材を備えたクランプブランチ部を形成するために、ロッカージョイントを超えてクランプ側に突出する第1の自由端を有する。クランプブランチの第2の自由端は、使用者による手動のプッシュ作動を介して対向するクランプブランチ部を開くよう構成されており、ロッカージョイントに対してクランプブランチ部に対向する、作動ブランチ部を形成する。第2の装着用カップリングは、内視鏡ハンドル又はシャフト周囲にスナップ嵌め/取り付けることができる締め具形状部またはブッシュ形状部を有する。締め具形状部又はブッシュ形状部は、クランプブランチの対応する第1の係合部材との係合のために設けられた開口または突出部の形の少なくとも1つの第2の係合部材を備えた長手方向バー/装着用レールを有する。それぞれのクランプブランチのクランプブランチ部および作動ブランチ部は互いに、特に強固に連結される。
【0010】
有利な実施形態は、従属クレームの主題であり、以下にさらに詳細に記載される。
【0011】
ロッカージョイントまたはヒンジは、作業チャネル上に直接、又はそれぞれ作業チャネルの連結ブッシュ上に設けられてもよく、または、スペーサを介して作業チャネルに対して、半径方向に間隔が空けられてもよい。このようなスペーサにより、作業チャネルへの近位アクセスが内視鏡から離間されることが確実になり、容易にアクセスできるようになる。さらに、作動ブランチ部は、開および/または閉が片方の手で操作可能なように配置されるのが好ましい。
【0012】
第1の装着用カップリングのクランプブランチは好ましくは、第2の装着用カップリングの少なくとも1つのアンダーカットの後ろ側で係合するよう構成される、フック形状の突部または開口等の、クランプブランチ部で互いに向き合う係合部材を形成する。特に、アンダーカットの接触面と係合部材の接触面は、クランプブランチに垂直に延在して形成することができるので、その結果、装着用カップリング間は安定して接触する。特には、洗濯挟みのようなヒンジにより、2つのクランプブランチに弧を描く運動を行わせ、その結果、それぞれの係合部材は大きな横方向の運動を行うので、クランプブランチの長手方向を横切る相対的に大きな延在部を有することができ、この種の相対的に大きな接触/取り付け面を設けることができる。可能な限り長く、したがって安定した係止縁を設けるために、それぞれのクランプブランチ部の全幅に沿って、突部が形成されることが特に好ましい。
【0013】
また、クランプブランチ部の自由端を向かい合う縁において面取りして、クランプブランチ部の間に挿入くさびを形成するようにすることは、実用的であると証明されている。
【0014】
好ましくは、装着用レールの周方向に向かい合う側の両方の側面に、互いに対向して配置される少なくとも2つのアンダーカットが設けられる。1つ/複数のアンダーカットは、ハンドル装着用スリーブを介して、ハンドル装着用スリーブの長手方向に対して接線方向に延在する貫通開口としてそれぞれ構成されるのが好ましい。これにより、製造が容易で、特に安定した結合構造となる。好ましくは、ハンドル装着用スリーブは、装着用レールを形成するために、半径方向外向きに突き出る、実質的に円筒または円錐曲線状の形状を有してもよい。このようにして、シンプルな構造が達成され、ハンドル装着用スリーブの製造は容易かつ安価である。
【0015】
さらに好ましくは、クランプブランチ部はそれぞれ、ヒンジまたはロッカージョイントから、互いに離れて斜めに延在する。換言すれば、クランプブランチ部の間には鋭角が形成されている。これにより、クランプブランチ部は、特には幅が広く安定して装着用レールの周辺を把持することもできる。溝またはウェブ(腹板)等の滑り止め構造が、作動ブランチ部の手動作動の間、さらに安定した把持とするために、作動ブランチ部の外側に(すなわち、互いに反対向きに)形成されてもよい。
【0016】
第1の装着用カップリングが連結ブッシュを形成し、その遠位端に作業チャネルが連結されると実用的であると証明されている。好ましくは、ルアーアダプタまたはルアーロックアダプタがさらに、連結ブッシュの近位端に連結される。ルアー(ロック)アダプタは生検バルブを備えていてもよい。あるいは、連結ブッシュが一体型の生検バルブを形成してもよい。これにより、例えば生検または水洗の間は外部作業チャネルを封鎖することができ、本発明の適応可能な作業チャネル装置の、見込みのある機能性が拡張される。特に連結ブッシュは、作業チャネルを連結ブッシュの近位の入口に連結している長手方向の通路/チャネルを形成する。
【0017】
好ましくはクランプブランチは、クランプブランチに対し斜めまたは垂直に延在する連結ウェブを介して、対応するクランプブランチのクランプブランチ部と作動ブランチ部との間の位置で、それぞれ弾力的に互いに連結される。一方で、このような連結ウェブは、2つのクランプブランチを互いに連結するヒンジまたはロッカージョイントのシンプルかつ一体型の組み立てのない構成を可能にする。さらに連結ウェブは、2つのクランプブランチの間にスペースを設ける。これにより、作動ブランチ部の作動を介して、クランプブランチを開閉するとき、より大きく作動できるようになる。
【0018】
さらに好ましくは、連結ウェブは、連結ウェブに中心的に取り付けられる例えばスペーサとしての中央の梁を介して、連結ブッシュに連結される。スペーサの長さは、連結ブッシュにより邪魔されないで作動部を制限なく作動させることができるように、連結ブッシュと連結ウェブとを離間させるように寸法決めされることが好ましい。さらにスペーサの長さは、使用者が連結ブッシュの周りに片手をかけて作動ブランチ部に届くことができるように、作動ブランチ部の自由端が連結ブッシュの近くにあるように寸法決めされる。スペーサは、結果として第1の装着用カップリングへの損傷となる過度の作動を防ぐために、作動ブランチ部のための端止めとして役立つことができる。
【0019】
好都合なことに、クランプブランチと連結ブッシュとは、第1の装着用カップリングと第2の装着用カップリングとが結合された状態において、連結ブッシュの長手方向の軸と、ハンドルアダプタスリーブの長手方向の軸とが互いに対して斜めに方向づけがなされるように、互いに方向づけられてもよい。これらの長手方向の軸はその間に、好ましくは10°~50°、より好ましくは20°~25°の角度が形成されることが好ましい。したがって、近位の作業チャネルへのアクセスは、内視鏡から離れる方向へ方向づけがなされている。したがって使用者は、さらに容易に近位の作業チャネルへアクセスすることができる。これは特に、上記したスペーサと組み合わせると有利である。なぜなら、角度をつけて連結ブッシュを配置することにより、内視鏡シャフトに向かって対角線的に最大距離から作業チャネルを導くことができるからである。作業チャネルは特には、内視鏡シャフトの外側に取り付けられ、遠位方向に導かれる。
【0020】
有利な態様によると、連結ウェブは、クランプブランチを越えて横方向に(すなわち、作業チャネルに対して、近位および/もしくは遠位方向、または長手方向に)突出するように、クランプブランチより広くなっている。ハンドル装着用スリーブがさらに、自身の長手方向に対して横方向に延在してその長手方向に距離を空けた少なくとも2つの支持縁を形成すると特に有利であり、支持縁間の距離は実質的に連結ウェブの幅に対応する。アンダーカットは、好ましくはこの支持縁間に形成される。このようにして、第1および第2の装着用カップリングを介して伝達される力は、異なるカップリング部材に分配されることができる。例えば、作業チャネルまたは装着用スリーブの長手方向に作用する力は、支持縁および連結ウェブの側縁を介して伝達可能であり、クランプブランチ部に負担を与えることはない。この場合、クランプブランチ部は、第1の装着部と第2の装着部との間で、半径方向に作用する力のみを伝達する。
【0021】
好ましくは、ハンドル装着用スリーブの装着用レールは、長手方向に互いにオフセットされ配置される複数のアンダーカットを形成する。これにより、異なる長さの作業チャネルを設けることが可能となり、異なる長さの作業チャネルを、同じハンドル装着用スリーブにそれぞれ結合させることが可能である。より具体的には、例えば相対的に短い作業チャネルは、より遠位に位置するアンダーカットを介してハンドル装着用スリーブに取り付け可能であり、および/または、相対的に長い作業チャネルは、より近位に位置するアンダーカットを介して取り付け可能である。これにより、適応可能な作業チャネル装置と、異なる長さの内視鏡との結合が簡略化される。
【0022】
有利には、ハンドル装着用スリーブは、ハンドル装着用スリーブの周方向に互いにオフセットされ、好ましくは互いに直径方向に対向して配置される複数の装着用レールを形成する。これにより、内視鏡において作業チャネルをさらに柔軟に配置することができる。さらには、適応可能な作業チャネル装置は、対応する第1の装着用カップリングを備えた幾つかの作業チャネルを有することができる。
【0023】
さらに好ましい態様によると、ハンドル装着用スリーブは、内視鏡ハンドルの放射状突部を受けるよう構成された受容口を有する。放射状突部は、例えば、内視鏡ハンドルの内視鏡一体型の内部作業チャネルの出口である。このようにハンドル装着用スリーブは、ハンドルアダプタスリーブの少なくとも長手方向および/または周方向に、内視鏡ハンドルに形状が適応するように固定される。これにより、ハンドル装着用スリーブと内視鏡ハンドルとの間で、特にシンプルで安定した、耐摩耗の連結が可能となる。
【0024】
さらに、ハンドル装着用スリーブを、締め具のように内視鏡シャフト/ハンドルにスナップ嵌めすることができるように、ハンドル装着用スリーブが、連続的な長手方向の隙間を有し、少なくとも部分的に弾力があると有利である。これにより、ハンドル装着用スリーブは、クランプ力を内視鏡シャフト/ハンドルに作用させることができる。特には、長手方向の隙間に対向するハンドル装着用スリーブの周方向領域には、少なくとも部分的に弾性領域を形成するために、1つ以上の穴が含まれてもよい。換言すれば、スリーブ構造を局所的に弱め、ハンドル装着用スリーブの他の領域よりも大きな弾性を備えるようにしてもよい。特に有利には、長手方向の隙間は、受容口の直径方向の反対側に形成され、受容口により、スリーブ構造が弱められる。
【0025】
さらに有利な態様によると、ハンドル装着用スリーブは、クロージャーストラップの第1の端が取り付けられるか、取り付け可能なストラップホルダーを備える。さらに、ハンドル装着用スリーブは、クロージャーストラップが長手方向の隙間を横断するようにハンドル装着用スリーブに巻き付けられる位置に、クロージャーストラップのクロージャー部を保持するよう構成されたストラップ固定部を備えてもよい。換言すれば、ハンドル装着用スリーブ内に配された内視鏡部に対し張力を付与するために、長手方向の隙間と、少なくともハンドル装着用スリーブの一部とを取り囲むようにハンドル装着用スリーブに配されたクロージャーストラップを設ける。好ましくは、ストラップホルダーおよび/またはストラップ固定部は、1つ、または2つの対向する装着用レールに対応して、半径方向外向きに取り付けられる。このようにして、ハンドル装着用スリーブ周囲に、クロージャーストラップのより大きなクランプ力を付与することが可能なレバーが設けられる。クロージャー部は、例えば、穴あきベルトの原理に従ってラチェットストラップとして構成されるか、ベルクロ(登録商標)で作られてもよく、それによってストラップ固定部は適応される。
【0026】
あるいはまたは加えて、本開示の根底にある目的は、請求項10による組織用クリップ適用アダプタにより解決される。
【0027】
より具体的には、医療用内視鏡のためのキャップアタッチメントのような、すなわち、医療用内視鏡とは別に構成された、組織用クリップ適用アダプタが設けられる。組織用クリップ適用アダプタは、ブッシュ状基体を有する。基体は、医療用内視鏡の遠位ヘッドに取り付けられるよう構成された近位の内視鏡保持部を有する。さらに基体は、組織用クリップが組織用クリップ保持部から遠位方向に取り外し可能なように、自身の半径方向外周面上で組織用クリップを支持するよう構成された組織用クリップ保持部を有する。特に、基体は、基体内を通って処置部位へ/患者の腔内に器具等を進めることができるよう、および/または、患者の組織を基体内に回収/引き入れることができるように、遠位方向に開口している。
【0028】
組織用クリップ適用アダプタはさらに、第1の内部チャネルを有する第1のアダプタ一体型作業チャネル端子を備える。第1の内部チャネルは、自身の近位の第1のチャネル端が基体の外部で開口し、自身の遠位の第1のチャネル端が基体内の内部に開口するように、基体内を通って延在する。換言すれば、別の作業チャネルが連結されているかまたは連結可能な貫通路が、近位方向から、基体の半径方向外側から対角線的に、すなわち、遠位かつ半径内方向に、基体の壁を通って連続的に延在する。任意で、遠位方向に連結されているかまたはそれぞれ連結される外部作業チャネルの位置を固定するために、内フランジが第2の内部チャネル内に設けられてもよい。
【0029】
これは、追加の作業チャネルを設けることができるという利点を有し、この追加の作業チャネルの内部を通って、器具、洗浄用チューブ等を実際の内視鏡の直接前にある空間へ進めることができる。特に、挿入された器具等は、第1の内部チャネルが斜めのコースであるので、対応する半径方向に既に方向づけがなされており、これは、例えばすすぎ工程または組織を基体内へ引き込むのに有利であり得る。
【0030】
特にこれは、組織用クリップの定められた標的配置に有利である。この目的のために、把持器具は、対応する外部作業チャネルと第1の内部チャネルを通り基体内を進み、遠位で基体から出ることができる。そこで把持器具は、内視鏡の光学システムの視野に直接位置するエリアにある患者の組織を選択的に把持し、基体の内部に引き込むことができる。それから組織用クリップが、組織用クリップ保持部から遠位方向へと取り外し/押し下げられると、患者の組織の特定部位の、標的の定められたクランプが行われる。把持器具は、機械式の例えば鉗子状の器具、または吸引圧を介して患者の組織を保持/把持することができる吸引器具であってもよい。
【0031】
組織用クリップ適用アダプタの第2のアダプタ一体型作業チャネル端子が、第2の内部チャネルの近位の第2のチャネル端と遠位の第2のチャネル端とが基体の外側で開口するように、基体に沿って延在する第2の内部チャネルを有する。さらに、遠位の第2のチャネル端は、組織用クリップ保持部の近位に配されている。換言すれば、ブッシュ状基体の外周面に沿って実質的に直線的に延在する(内部)チャネルが、近位方向から来る、組織用クリップ適用アダプタに連結されているかまたは連結可能なさらなる外部作業チャネルを(第1の内部チャネルと独立に)連結するために設けられる。任意で、遠位方向における外部作業チャネルの位置を固定するために、フランジが第2の内部チャネル内に設けられてもよい。前記外部作業チャネルは、連結されているかまたは連結される。
【0032】
したがって、本発明の組織用クリップ適用アダプタにより、組織用クリップを介して患者の組織をクランプするための組織用クリップ適用アダプタの機能性を制限することなく、または、適応させた内視鏡を著しく制限することなく、クランプされる患者の組織の周囲を観察または操作することができる器具、洗浄用チューブ、特別な光学システム等を設けることができる。これは特に、定められたサイズの組織開口を、組織用クリップでクランプされる組織の近傍で開いたままにしておく吻合を行うときに有利である。
【0033】
吻合配置におけるこの適用例では、例えば、バルーンカテーテル等の拡張器具を、対応して連結された外部作業チャネルと第2の内部チャネル内を通して、設けられる組織開口へと進めることができる。そこで拡張器具を所定のサイズ/直径に広げることができる。それから、ステープルされる患者の組織が、例えば上記の様な拡張器具のすぐ近くで把持器具によって把持され、基体内に引き入れられる場合、患者の組織は拡張器具の周囲に広げられる。続いてステープルがセットされ、拡張器具が取り外されると、組織開口は留められた組織部位の近傍に依然としてあり、広げられた時の拡張器具の所定のサイズ/直径に実質的に対応する。
【0034】
好ましくは、滑りブッシュが、組織用クリップ保持部から遠位に組織用クリップをスライドさせ外すための組織用クリッププッシュオフ装置として、組織用クリップ保持部のすぐ近位にある基体上に長手方向にスライド可能な様に装着される。換言すれば、滑りブッシュは、組織用クリップ保持部と第2の内部チャネルの遠位端との間で、組織用クリップを押しやるために設けられる。これにより、特に容易で、均一かつ有効に、組織用クリップを滑り落とすことができる。さらに、滑りブッシュはほんの少しの放射状の設置空間しか必要としないので、組織用クリッププッシュオフ装置とスプレッダ装置とが、例えば、互いに邪魔になることはない。
【0035】
有利な態様によると、基体の遠位の前縁(すなわち、組織用クリップ適用アダプタの最も遠位にある端)は、(好ましくは直径方向に)互いに対向し、近位方向に延在しているかまたは凹んだ、2つの凹部を有する。換言すれば、前縁は顎形状であり、凹部はそこで顎形状の口角を形成する。これは、特に定められたように患者の組織を基体内に引き込むことにより、凹部内へと折り込むことを可能にするために、特に有利である。これにより、患者の組織の、特に定められた長手方向のクランプが可能となる。
【0036】
特に好ましくは、凹部はそれぞれ、基体の対向する周方向に、第2のアダプタ一体型作業チャネル端子から、好ましくは70°~110°、さらに好ましくは90°オフセットされ配置される。すなわち、一方の凹部は、第2の作業チャネル端子に対して、対応する角度だけ第1の周方向にオフセットされ、もう一方の凹部は、第2の作業チャネル端子に対して、対応する角度だけ反対の周方向にオフセットされる。したがって、2つの凹部は実質的に直径方向に対向しており、第2の作業チャネル端子は、2つの凹部の間で周方向位置に配されている。換言すれば、吻合の手術を行うとき、ステープルされる患者の組織は、設けられる組織開口に対し実質的に接線方向に折り畳まれるように、第2の作業チャネル端子および凹部は、互いに方向づけられる。したがって、続く組織のステープルは、特に正確であり標的が定められている。
【0037】
組織用クリップ保持部が、所定の姿勢で広げられた組織用クリップを保持するよう構成された2つの直径方向に対向する拡張支持面を形成するとさらに有利であり、一方の拡張支持面は、第2のアダプタ一体型作業チャネル端子と位置合わせされているか、これと同一の基体の周方向位置にある。換言すれば、組織用クリップ保持部に適応する組織用クリップは、ベアトラップ形状であり、遠位に向けられた2つの顎状爪部を有する。一方の爪部は、第2の作業チャネル端子と同じ周方向の位置にある。このことは、吻合の手術を行うときに、クランプされる患者の組織をしっかりと把持して引っかくよう構成された一方の爪部が、設けられる組織開口のすぐ近傍にある患者の組織とこうして係合するので有利である。このようにして、組織開口のサイズ設定における不正確さにつながり得る、組織開口とステープルとの間に残存する「緩んだ」組織の量を最小限とすることが可能であり、患者の消化の不快感を避けることができる。
【0038】
あるいはまたは加えて、本開示の根底にある目的は、請求項15による外科用器具システムにより解決される。
【0039】
より具体的には、上記の適応可能な作業チャネル装置と、上記の組織用クリップ適用アダプタとを有する内視鏡のための外科用器具システムが設けられる。第1のアダプタ一体型作業チャネル端子は、第1の外部作業チャネルとしての、適応可能な作業チャネル装置の外部作業チャネルの遠位端部に結合される。さらに、器具システムは、第1の外部作業チャネルを通して遠位に挿入されているかまたは挿入されるように構成された把持器具を備える。したがって、把持器具は、組織用クリップ適用アダプタの基体内を通り、前進することができる。
【0040】
さらに、適応可能な作業チャネル装置のハンドル装着用スリーブに装着するための第3の装着用カップリングに、自身の近位端部で連結される第2の外部作業チャネルが設けられる。第2の作業チャネルの遠位端部は、組織用クリップ適用アダプタの第2のアダプタ一体型作業チャネル端子に結合される。さらに、器具システムは、遠位方向に第2の外部作業チャネルに挿入されているかまたは挿入されるよう構成された拡張器具、特にはバルーンカテーテルを備える。したがって、拡張器具は、組織用適用アダプタの基体の半径方向外側に設けることができる。この器具システムは、詳細に上記されるように、吻合において、残存組織開口の最適な設定を有利に達成することができる。好ましくは、それぞれの第1の装着用カップリングと同様に、第1および第2の作業チャネルは、作業チャネルを区別するために、異なるように、例えば異なる色でマーク付けされる。
【0041】
要約すると本発明の根底にある目的は以下のように解決される。把持ハンドル(ハンドル装着用スリーブ)は、幾つかの機能を有してもよい。1つの態様において、把持ハンドルは、内視鏡(特に、内視鏡ハンドル)上で容易にスライド可能であるか、内視鏡から引き抜くことができる締め具のように構成されることが好ましい。この設計により把持ハンドルは、内視鏡ハンドルをクランプすることにより、内視鏡ハンドル上で保持力を有することができる。さらにまたこの設計により、異なる形状の内視鏡ハンドルを収容することが可能となる。特に、把持ハンドルの中央(中央領域)の開口により、内視鏡の内部作業チャネルの入口(開口は入口周辺に配置してもよい)での直接配置が可能となる。これによって把持ハンドルは、高さ(または軸方向の延在部)において適切な場所に位置決めされる(近位-遠位方向の適切な場所に固定される)。さらに、固定ストラップ(クロージャーストラップ)が、把持ハンドル全体を内視鏡/内視鏡ハンドルに対して取り付けられるように用い/設けられてもよい。
【0042】
さらに、把持ハンドルは好ましくは、コネクタ(第1の装着用カップリング)を取り付け可能な6つの(長手方向および/または周方向に分布した)ラッチ位置を有する。異なる位置は、異なる内視鏡の長さを補うように(すなわち、適応させる内視鏡の長さによって、異なる係止位置が把持ハンドルの軸方向の延在部に対して選択される)、また、使用者が彼/彼女自身の好みに従うことができるように意図されている。
【0043】
コネクタは、外部チューブ(作業チャネル)の入口であり(を形成し)、実際にはルアーロック(ルアーアダプタ)により構成される。(Pentax)生検バルブは、例えば、このルアーロック上に配置される。コネクタは好ましくは、スナップフック(第1の装着用カップリングの係合部材またはクランプブランチ部)によって、把持ハンドルに取り付けられる。固定は、直感的かつシンプルであるように設計されるべきである。さらに、把持ハンドルとコネクタの取り付け/連結は、コネクタを再配置することができるように、(好ましくはうねのある)翼部(作動ブランチ部)を介して開放可能である。
【0044】
要約すると、コネクタはルアーロックを含んでもよく、任意で、好ましくはルアーロックに取り付け可能な生検バルブ、BARSシステム(すなわち、組織用クリップ適用アダプタ)および/または追加の作業チャネル(AWCシステム、「追加の作業チャネル」)のためのアタッチメントを含んでもよい。アタッチメントは、BARS/AWCに一部分として統合されてもよい(すなわち、一体化システムを形成する)。加えてコネクタは、作動クランプブランチ(すなわち、翼部または作動ブランチ部)有してもよい。
【0045】
本開示について、好ましい実施形態を参照し以下で説明する。しかし、これらは本質的に例証に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するものではない。さらに、様々な実施形態の記載において、同様の構成については、それらの冗長な記載を避けるために同一の参照記号が使用される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】
図1は、第1の態様または好ましい実施形態による、適応可能な作業チャネル装置が固定された内視鏡を示す。
【
図2】
図2は、好ましい実施形態による、適応可能な作業チャネル装置のハンドル装着用スリーブの上面図を示す。
【
図3】
図3は、適応可能な作業チャネル装置のコネクタの斜視図を示す。
【
図4】
図4は、第1の実施形態による、適応可能な作業チャネル装置の調節可能な構造を示す。
【
図5】
図5は、第2の態様またはさらなる実施形態による、組織用クリップ適用アダプタが取り付けられた内視鏡を示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1は、医療用内視鏡2に、少なくとも1つの外部作業チャネル3を装備または後付けすることができる適応可能な作業チャネル装置1を示す。この実施形態では、2つの(同一の)作業チャネル3が、一例として設けられる。作業チャネル3はそれぞれ、内視鏡2とは別に形成される。各外部作業チャネル3は、近位の(すなわち、使用者に面しているか、または患者から離れた方向にある)端部を有する。この近位端部は、第1の装着用カップリング5の連結ブッシュ4に連結される。第1の装着用カップリング5は、内視鏡2に取り付けられており以下にさらに詳細に記載される第2の装着用カップリング6を解除可能に保持かつ係合するよう構成される。
【0048】
第2の装着用カップリング6は、ハンドル装着用スリーブ7の半径方向外側に形成される。ハンドル装着用スリーブ7は、実質的にブッシュ状または締め具状であり、内視鏡2を部分的に、特には
図1に示すように、内視鏡ハンドルを取り囲む。ハンドル装着用スリーブ7は、ハンドル装着用スリーブ7の半径方向外向きに突出しかつその長手方向に延在する装着用レール8を形成する。この実施形態において、2つの(同一の)装着用レール8が、互いに対向して設けられる。
図2では、装着用レール8がハンドル装着用レール8の周壁に出っ張りの形で形成されていることがはっきりとわかる、近位方向からのハンドル装着用スリーブ7の上面図を示す。
【0049】
装着用レール8は、その側面またはそれぞれその横側に、ハンドル装着用スリーブ7の周方向に方向づけされたアクセス開口9を有する。アクセス開口9は、第1の装着用カップリング5との係合のために構成/寸法決めされる。特には、アクセス開口9は装着用レール8の隅から隅まで連続して延在し、装着用レール8の両側面で開口する。装着用レール8はさらに、ハンドル装着用スリーブ7の長手方向を横切る方向に、特にはこれに直交する方向に延在する支持縁10を形成する。支持縁10は、長手方向から見て、各アクセス開口9の両側に支持縁10が1つずつ位置するように配置される。
【0050】
ハンドル装着用スリーブ7は、周方向位置で自身の長手方向に沿ってハンドル装着用スリーブ7を完全に分割/分ける、
図2に示す長手方向の隙間11を有する。したがって、ハンドル装着用スリーブ7は、長手方向の隙間11を介して内視鏡ハンドルを受けるために広げられ、そこにスナップ嵌めすることができる。ハンドル装着用スリーブ7は、内視鏡の放射状突部13を受けるよう構成される受容口12を、特には長手方向の隙間11の反対側に有する。
【0051】
さらに、好ましくはアクセス開口9が設けられていない2つの支持縁10間にあるエリアに、クロージャーストラップ15を保持するためのストラップホルダー14が、一方の装着用レール8の半径方向外側に形成される。好ましくは、クロージャーストラップ15は、ストラップホルダー14に対して並進的に固定されるが、任意で、ハンドル装着用スリーブ7の長手方向を横切る軸を中心に回転可能である。当該長手方向に対して同じ高さで、対向する装着用レール8にストラップ固定部16が形成される。クロージャーストラップ15が長手方向の隙間11にかけ渡されハンドル装着用スリーブ7に巻き付けられるとクロージャーストラップ15のクロージャー部17がストラップ固定部16に固定され得るように、ストラップ固定部16は構成される。
図1において、クロージャーストラップ15は、長手方向の隙間にかけ渡された、このような取り付け位置に示され、クロージャーストラップ15の端のみが見えており、それぞれストラップホルダー14とストラップ固定部16に保持され、内視鏡の後ろに突出している。
図4において、クロージャーストラップ15は、ストラップ固定部に取り付けられておらず、吊下位置に示される。特に
図2から分かるように、ストラップ固定部13および/またはストラップホルダー14はボタンの形で設けてもよい。
【0052】
第1の装着用カップリング5の構造は、特に、
図1および
図3においてはっきりと見てわかる。より正確には、第1の装着用カップリングは連結ブッシュ4を有し、連結ブッシュ4の遠位端に外部作業チャネル3が連結される。示される構成によると、連結ブッシュ4の近位端に生検バルブ19が設けられる。あるいはまたは加えて、
図4に示すように、ルアーアダプタ20が形成されてもよい。
【0053】
第1および第2の装着用カップリング5,6を互いに連結させるとき、作業チャネル3とハンドル装着用スリーブ7とが傾斜して配置するように、連結ブッシュ4の側方に、梁状のスペーサ21が半径方向外向きに、そして好ましくは遠位に延在する。連結ブッシュ4から離れる方向のスペーサ21の端に、連結ウェブ22が、スペーサ21を横切る両方向に延在し配置される。すなわち、スペーサ21と連結ウェブ22とはT字を形づくる。クランプブランチ23が連結ウェブ22の外側の各端に形成され、少なくとも部分的に、連結ウェブ22を実質的に横切るか、又はスペーサ21と実質的に平行に延在する。連結ウェブ22はロッカージョイントを提供し、その周囲で、クランプブランチ23は互いに対して弾力的かつ角度的に調節可能である。
【0054】
クランプブランチ23は、クランプブランチ部24を形成するために、ロッカージョイントまたは連結ウェブ22を越えて、連結ブッシュ4から離れる方向(すなわち、連結ブッシュ4に対して半径方向外向き)に突出する。クランプブランチ部24はわずかに外側に、すなわち互いに離れるよう曲げられる。さらに、クランプブランチ部24はそれぞれ、フック形状の突部25を形成し、フック形状の突部25は、対応する他方のクランプブランチ部24と向き合い、第2の組立装置6のアクセス開口9と係合するよう構成される。静止位置では、クランプブランチ23は閉位置にあり、この閉位置においてクランプブランチ部24は、互いに向かって、好ましくは最大限まで動く。第1および第2の組立装置5,6が互いに連結されるとき、連結ブッシュ4と向かい合うそれぞれの突部25の接触面26は、第2の組立装置6のアクセス開口9のうち1つの、対応する接触面と接触する。できるだけ大きな力を伝達できるようにするため、突部25の接触面26はスペーサ21の延在方向に対して実質的に垂直に形成される。
【0055】
クランプブランチ23は、ロッカージョイントまたは連結ウェブ22を越えて、連結ブッシュ4に向かう方向(すなわち、連結ブッシュ4に対して半径方向内向き)に突出し、作動ブランチ部27を形成する。作動ブランチ部27とクランプブランチ部24とは、互いに強固に連結される。作動ブランチ部27が、好ましくは使用者により片方の手のみで、互いに向かって押され/動かされると、クランプブランチ23はそれぞれ、連結ウェブ22又はロッカージョイントを中心に傾斜し、クランプブランチ部24はアクセス開口9とのクランプ係合を解除できるよう、互いに遠ざかる。作動ブランチ部27は外側にうねを有し、これにより、作動ブランチ部27の安全でスリップフリーな作動が可能となる。
【0056】
連結ウェブ22は、クランプブランチ23を超えて横向きに、すなわち、近位および遠位方向に突出するサイドリム28を有する。連結ウェブ22のこの方向の幅は、第2の装着用カップリング6の支持縁10間の距離に実質的に対応する。したがって、第1および第2の装着用カップリング5,6が連結された状態において、
図1で見られるように作業チャネル3を長手方向に装着すると、第2の装着用カップリング6の支持縁10と、連結ウェブ22のサイドリム28とは、直接隣接し、特には互いに当接する。近位-遠位方向に向けられたクランプブランチ部24の横方向のリムは、それぞれのアクセス開口9の一方の側には接触せず、これにより第1および第2の装着用スリーブ5,6間の力の伝達は向上する。
【0057】
図1および
図4は、本質的に同じ構造を備えた適応的な作業チャネル装置の異なる構成を示す。
図1においては2つの作業チャネル3が、互いに同じ高さで第2の装着用カップリング6に連結される。
図4においては作業チャネル3は、アクセス開口9により画定されたグリッドの、長手方向にオフセットされた位置に配置される。
【0058】
図5は内視鏡2を示しており、より具体的には、患者の組織を切り取る機能性を内視鏡2に追加するための、自身の遠位の内視鏡ヘッドに後付けされた組織用クリップ適用アダプタ29を有する内視鏡シャフトを示す。組織用クリップ適用アダプタ29は、キャップ状のアタッチメントの形で設けられ、ブッシュ形状の基体30を有する。基体30は、内視鏡ヘッドへの取り付けのために構成された近位の内視鏡保持部31と、組織用クリップ33が担持される組織用クリップ保持部32とを有する。組織用クリップ33または組織用クリップ保持部32のすぐ近位に、滑りブッシュ34が、長手方向にスライド可能なように基体30上に装着される。滑りブッシュ34を遠位方向に移動させると、滑りブッシュ34は組織用クリップ33と接触し、組織用クリップ33は遠位にスライドされ、組織用クリップ適用アダプタ29から外れる。
【0059】
第1のアダプタ一体型作業チャネル端子35は、第1の外部作業チャネル3aとの結合のために形成された第1の内部チャネルを有する。第1の内部チャネルは、近位方向から遠位方向へと、基体30の外側から、基体30の壁内を通って半径方向内側に延在し、基体30の内部36に開口する。すなわち、近位の第1のチャネル端は基体30の外側で開口し、遠位の第1のチャネル端は基体30の内側で開口する。好ましくは、第1の作業チャネル3aへ挿入されるか挿入可能であり、第1の内部チャネルを通って内部36へ進み、場合によっては基体30の外側へ遠位に進む、把持器具37が設けられる。
【0060】
第2のアダプタ一体型作業チャネル端子38は、第2の外部作業チャネル3bと結合するよう構成された第2の内部チャネルを有する。第2の内部チャネルは、近位方向から遠位方向へと、基体30の外側に沿って延在する。第2の内部チャネルは、組織用クリップ保持部32の近位の位置で、基体30の外側へ開口する。すなわち、近位の第2のチャネル端と遠位の第2のチャネル端は両方、基体30の外側で開口する。好ましくは、第2の作業チャネル3bに挿入されるか挿入可能であり、基体30の外側で組織用クリップ保持部32と横方向に隣接して、第2の作業チャネル端子35を通して設けられる、バルーンカテーテル等の拡張器具39が設けられる。
【0061】
基体30はさらに、内部36へ引き込まれた患者の組織の折り畳みを可能にするために、近位方向に延在する2つの直径方向に対向する凹部40を含む遠位の前縁を有する。凹部40の間には突出部が設けられており、凹部40の外面は、開口を保持して折畳み式組織用クリップ33をそれぞれ広げるための拡張支持面41として形成される。組織用クリップ33は爪部を有しており、組織用クリップ33が組織用クリップ保持部32から押し外されるときに、互いに向かってこれらの爪部を折り畳むのに適応している。このように爪部は、拡張支持面41上で支持される。一方の拡張支持面41は、特には、遠位の第2のチャネル端が開口する周方向位置に配置される。
【0062】
第1および第2の外部作業チャネル3a,3bは好ましくは、
図1による適応可能な作業チャネル装置1の外部作業チャネル3である。したがって、適応可能な作業チャネル装置1と、
図4による組織用クリップ適用アダプタ29とは、特には、把持器具37および拡張器具39をさらに備える外科用器具システムを形成する。
【符号の説明】
【0063】
1 適応可能な作業チャネル装置
2 内視鏡
3 作業チャネル
3a 外科用器具システムの第1の外部作業チャネル
3b 外科用器具システムの第2の外部作業チャネル
4 連結ブッシュ
5 第1の装着用カップリング
6 第2の装着用カップリング
7 ハンドル装着用スリーブ
8 装着用レール
9 第2の装着用カップリングのアクセス開口/係合部材
10 支持縁
11 長手方向の隙間
12 アンダーカット/受容口
13 放射状突部
14 ストラップホルダー
15 クロージャーストラップ
16 ストラップ固定部
17 クロージャー部
19 生検バルブ
20 ルアーアダプタ
21 スペーサ/中心バー
22 連結ウェブ
23 クランプブランチ
24 クランプブランチ部
25 第1の装着用カップリングのフック型突部/係合部材
26 接触面
27 作動ブランチ部
28 連結ウェブの凸側リム
29 組織用クリップ適用アダプタ
30 ブッシュ状基体
31 近位の内視鏡保持部
32 組織用クリップ保持部
33 組織用クリップ
34 滑りブッシュ
35 第1のアダプタ一体型作業チャネル端子
36 内部
37 把持器具
38 第2のアダプタ一体型作業チャネル端子
39 拡張器具/バルーンカテーテル
40 遠位の前縁の凹部
41 拡張支持面
【手続補正書】
【提出日】2023-10-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡への適応的な装着のための、適応可能な作業チャネル装置であって、
第1の装着用カップリングに自身の近位端部で連結がなされた少なくとも1つの外部作業チャネルと、
前記作業チャネルとは別に形成され、内視鏡シャフトまたは内視鏡ハンドルを取り囲むように設けられた、スリーブ状のハンドル装着用スリーブであって、自身の半径方向外周側に、前記第1の装着用カップリングと解除可能に装着が係合されるように構成された少なくとも1つの第2の装着用カップリングを有する、ハンドル装着用スリーブと、を備える
適応可能な作業チャネル装置において、
前記第1の装着用カップリングは、
それぞれのクランプブランチ部と手動の作動ブランチ部とを形成するために、ばね付勢されクランプ係合し洗濯挟みのように互いにヒンジ結合されている、2つのクランプブランチを有し、
前記第2の装着用カップリングは、
前記ハンドル装着用スリーブの長手方向に延在する装着用レールを有し、
前記第1の装着用カップリングの前記クランプブランチにより形状が適応するように包まれることができるように寸法決めされる、少なくとも1つのアンダーカットを有するかまたは形成する
ことを特徴とする、適応可能な作業チャネル装置。
【請求項2】
前記クランプブランチは、前記クランプブランチに対し斜めまたは垂直に延在する連結ウェブを介して、対応する前記クランプブランチの前記クランプブランチ部と前記作動ブランチ部との間の位置で、それぞれ弾力的に互いに連結される、請求項1に記載の適応可能な作業チャネル装置。
【請求項3】
前記連結ウェブは、前記クランプブランチを超えて横方向に突出するように、前記クランプブランチより広く、
前記ハンドル装着用スリーブは、自身の長手方向に対して横方向に延在して前記長手方向に距離を空けた少なくとも2つの支持縁を形成し、
前記支持縁間の距離は実質的に前記連結ウェブの幅に対応する、
請求項2に記載の適応可能な作業チャネル装置。
【請求項4】
前記第1の装着用カップリングは、連結ブッシュを形成し、
前記連結ブッシュの遠位端に、前記作業チャネルが連結され、
前記連結ブッシュの近位端に、ルアーアダプタまたは一体型の生検バルブが形成される、
請求項1~3のいずれか一項に記載の適応可能な作業チャネル装置。
【請求項5】
前記ハンドル装着用スリーブの前記装着用レールは、前記長手方向に互いにオフセットされ配置される複数のアンダーカットを形成する、請求項1~4のいずれか一項に記載の適応可能な作業チャネル装置。
【請求項6】
前記ハンドル装着用スリーブは、前記ハンドル装着用スリーブの周方向に互いにオフセットされ、好ましくは互いに直径方向に対向して配置される複数の装着用レールを形成する、請求項1~5のいずれか一項に記載の適応可能な作業チャネル装置。
【請求項7】
前記ハンドル装着用スリーブは、前記内視鏡シャフトまたは前記内視鏡ハンドルの放射状突部を受けるように構成された受容口を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の適応可能な作業チャネル装置。
【請求項8】
前記ハンドル装着用スリーブは、前記ハンドル装着用スリーブを締め具のように前記内視鏡ハンドルまたは前記内視鏡シャフトにスナップ嵌めできるように、連続的な長手方向の隙間を有し、少なくとも部分的に弾力がある、請求項1~7のいずれか一項に記載の適応可能な作業チャネル装置。
【請求項9】
前記ハンドル装着用スリーブは、
クロージャーストラップの第1の端が取り付けられるか、取り付け可能なストラップホルダーと、
前記クロージャーストラップが前記長手方向の隙間を横断するように前記ハンドル装着用スリーブに巻き付けられる位置に、前記クロージャーストラップのクロージャー部を保持するよう構成されたストラップ固定部と
を備える、請求項8に記載の適応可能な作業チャネル装置。
【請求項10】
医療用内視鏡のためのキャップアタッチメントのように構成される組織用クリップ適用アダプタであって、
前記医療用内視鏡の遠位ヘッドに取り付けられるよう構成された近位の内視鏡保持部を有し、組織用クリップが組織用クリップ保持部から遠位方向に取り外し可能なように、自身の半径方向外周面上で前記組織用クリップを支持するよう構成された前記組織用クリップ保持部をさらに有するブッシュ状基体と、
近位の第1のチャネル端が前記基体の外側で開口し、遠位の第1のチャネル端が前記基体内の内部で開口するように、前記基体内を通って延在する第1の内部チャネルを有する第1のアダプタ一体型作業チャネル端子と、を備える、
組織用クリップ適用アダプタにおいて、
第2のアダプタ一体型作業チャネル端子が、近位の第2のチャネル端と遠位の第2のチャネル端とが前記基体の外側で開口し、かつ前記遠位の第2のチャネル端は前記組織用クリップ保持部の近位に配されるように、前記基体に沿って延在する第2の内部チャネルを有する
ことを特徴とする、組織用クリップ適用アダプタ。
【請求項11】
滑りブッシュが、前記組織用クリップ保持部から遠位に前記組織用クリップをスライドさせ外すために、前記組織用クリップ保持部のすぐ近位にある前記基体上に長手方向にスライド可能な様に装着される、請求項10に記載の組織用クリップ適用アダプタ。
【請求項12】
前記基体の遠位の前縁は、近位方向に延在する2つの直径方向に対向する凹部を有する、請求項10または11に記載の組織用クリップ適用アダプタ。
【請求項13】
前記凹部はそれぞれ、前記基体の対向する周方向に、前記第2のアダプタ一体型作業チャネル端子か
らオフセットされ配置される、請求項12に記載の組織用クリップ適用アダプタ。
【請求項14】
前記凹部はそれぞれ、前記基体の対向する周方向に、前記第2のアダプタ一体型作業チャネル端子から、70°~110°オフセットされ配置される、請求項13に記載の組織用クリップ適用アダプタ。
【請求項15】
前記組織用クリップ保持部は、所定の姿勢で広げられた前記組織用クリップを保持するよう構成された2つの直径方向に対向する拡張支持面を形成し、
一方の前記拡張支持面は、前記第2のアダプタ一体型作業チャネル端子と同一の、前記基体の周方向位置に配される、請求項10~14のいずれか一項に記載の組織用クリップ適用アダプタ。
【請求項16】
内視鏡のための外科用器具システムであって、
請求項1に記載の適応可能な作業チャネル装置と、
請求項
10に記載の組織用クリップ適用アダプタであって、前記組織用クリップ適用アダプタの前記第1のアダプタ一体型作業チャネル端子は、第1の外部作業チャネルとしての、前記適応可能な作業チャネル装置。の前記外部作業チャネルの遠位端部に結合される、組織用クリップ適用アダプタと、
前記組織用クリップ適用アダプタの前記基体の前記内部を通り、前進可能なように、前記第1の外部作業チャネルを通して遠位に挿入されているかまたは挿入されるように構成された把持器具と、
前記適応可能な作業チャネル装置の前記ハンドル装着用スリーブに装着するための第3の装着用カップリングを自身の近位端部に有し、前記組織用クリップ適用アダプタの前記第2のアダプタ一体型作業チャネル端子に結合された自身の遠位端部を有する第2の外部作業チャネルと、
前記組織用
クリップ適用アダプタの前記基体の半径方向外側に設けることができるように、遠位方向に前記第2の外部作業チャネルに挿入されているか、挿入されるように構成された拡張器具と、
を特徴とする、外科用器具システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
さらに、適応可能な作業チャネル装置のハンドル装着用スリーブに装着するための第3の装着用カップリングに、自身の近位端部で連結される第2の外部作業チャネルが設けられる。第2の作業チャネルの遠位端部は、組織用クリップ適用アダプタの第2のアダプタ一体型作業チャネル端子に結合される。さらに、器具システムは、遠位方向に第2の外部作業チャネルに挿入されているかまたは挿入されるよう構成された拡張器具、特にはバルーンカテーテルを備える。したがって、拡張器具は、組織用クリップ適用アダプタの基体の半径方向外側に設けることができる。この器具システムは、詳細に上記されるように、吻合において、残存組織開口の最適な設定を有利に達成することができる。好ましくは、それぞれの第1の装着用カップリングと同様に、第1および第2の作業チャネルは、作業チャネルを区別するために、異なるように、例えば異なる色でマーク付けされる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
連結ウェブ22は、クランプブランチ23を超えて横向きに、すなわち、近位および遠位方向に突出するサイドリム28を有する。連結ウェブ22のこの方向の幅は、第2の装着用カップリング6の支持縁10間の距離に実質的に対応する。したがって、第1および第2の装着用カップリング5,6が連結された状態において、
図1で見られるように作業チャネル3を長手方向に装着すると、第2の装着用カップリング6の支持縁10と、連結ウェブ22のサイドリム28とは、直接隣接し、特には互いに当接する。近位-遠位方向に向けられたクランプブランチ部24の横方向のリムは、それぞれのアクセス開口9の一方の側には接触せず、これにより第1および第2の装着用
カップリング5,6間の力の伝達は向上する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0060】
第2のアダプタ一体型作業チャネル端子38は、第2の外部作業チャネル3bと結合するよう構成された第2の内部チャネルを有する。第2の内部チャネルは、近位方向から遠位方向へと、基体30の外側に沿って延在する。第2の内部チャネルは、組織用クリップ保持部32の近位の位置で、基体30の外側へ開口する。すなわち、近位の第2のチャネル端と遠位の第2のチャネル端は両方、基体30の外側で開口する。好ましくは、第2の作業チャネル3bに挿入されるか挿入可能であり、基体30の外側で組織用クリップ保持部32と横方向に隣接して、第2の作業チャネル端子38を通して設けられる、バルーンカテーテル等の拡張器具39が設けられる。
【国際調査報告】