(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-29
(54)【発明の名称】モータ、その調波騒音最適化方法、および装置
(51)【国際特許分類】
H02P 21/05 20060101AFI20240122BHJP
【FI】
H02P21/05
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544588
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(85)【翻訳文提出日】2023-07-24
(86)【国際出願番号】 CN2021121836
(87)【国際公開番号】W WO2022166231
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】202110169323.3
(32)【優先日】2021-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517419375
【氏名又は名称】▲広▼▲東▼威▲靈▼▲電▼机制造有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】521084895
【氏名又は名称】淮安威▲霊▼▲電▼机制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAI’AN WELLING MOTOR MANUFACTURING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 36, Yingbin Avenue, Economic and Technological Development Zone, Huai’an, Jiangsu 223005, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】樊 ▲鈴▼
(72)【発明者】
【氏名】秦 向南
【テーマコード(参考)】
5H505
【Fターム(参考)】
5H505AA04
5H505BB04
5H505DD08
5H505EE41
5H505GG02
5H505GG04
5H505HB01
5H505JJ03
5H505JJ25
5H505KK05
5H505LL01
5H505LL22
5H505LL41
5H505LL50
5H505LL60
(57)【要約】
本出願は、モータ分野に属し、モータ、その調波騒音最適化方法、および装置を提案し、該方法は、前記モータの運転作動状態での騒音スペクトル情報を取得するステップと、前記騒音スペクトル情報に含まれる調波騒音を確定するステップと、所定の調整範囲に従って注入された補償電圧の電圧パラメータを調整し、前記調波騒音の騒音値が最小である補償電圧の電圧パラメータを確定するステップと、確定された補償電圧の電圧パラメータに基づき、前記モータを電圧補償するステップと、を含む。本出願は、調波騒音により対応する補償電圧を照会して電圧補償を行うことにより、モータの調波騒音をより正確に電圧補償し、モータの品質をさらに向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータの調波騒音最適化方法であって、
前記モータの運転作動状態での騒音スペクトル情報を取得するステップと、
前記騒音スペクトル情報に含まれる調波騒音を確定するステップと、
所定の調整範囲に従って注入された補償電圧の電圧パラメータを調整し、前記調波騒音の騒音値が最小である補償電圧の電圧パラメータを確定するステップと、
確定された補償電圧の電圧パラメータに基づき、前記モータを電圧補償するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
騒音値が最小となるときの電圧パラメータに対応する補償電圧に基づき、前記モータを電圧補償するステップの後に、前記方法は、
前記補償電圧の電圧パラメータとモータの運転作動状態との対応関係を記録するステップと、
モータが記録された運転作動状態にあることが監視される場合、前記対応関係に基づいて対応する電圧パラメータを照会し、前記モータを電圧補償するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記モータの運転作動状態での騒音スペクトル情報を取得するステップの前に、前記方法は、
前記モータの運転作動状態での騒音値を検出するステップと、
検出された騒音値と予め設定された騒音閾値とを比較し、検出された騒音値が前記騒音閾値より大きい場合には、前記モータの運転作動状態での騒音スペクトル情報を取得するステップへ移行するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
検出された騒音値と予め設定された騒音閾値とを比較するステップの前に、前記方法は、
予め設定された騒音閾値と運転作動状態との対応関係に基づき、現在の運転作動状態に対応する騒音閾値を照会するステップをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記電圧パラメータは、電圧振幅と電圧位相とを含み、所定の調整範囲に従って注入された補償電圧の電圧パラメータを調整し、前記調波騒音の騒音値が最小である補償電圧の電圧パラメータを確定するステップは、
所定の電圧振幅で、所定の位相範囲内で前記補償電圧の位相を調整し、騒音値が最小となるときに対応する補償電圧位相を確定するステップと、
確定された補償電圧位相に基づき、所定の電圧振幅範囲内で前記補償電圧の振幅を調整し、騒音値が最小となるときに対応する補償電圧振幅を確定するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記電圧パラメータは、電圧振幅と電圧位相とを含み、所定の調整範囲に従って注入された補償電圧の電圧パラメータを調整し、前記調波騒音の騒音値が最小である補償電圧の電圧パラメータを確定するステップは、
所定の電圧位相で、所定の振幅範囲内で前記補償電圧の振幅を調整し、騒音値が最小となるときに対応する補償電圧振幅を確定するステップと、
確定された補償電圧振幅に基づき、所定の位相範囲内で前記補償電圧の位相を調整し、騒音値が最小となるときに対応する補償電圧位相を確定するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
所定の調整範囲に従って注入された補償電圧の電圧パラメータを調整し、前記調波騒音の騒音値が最小である補償電圧の電圧パラメータを確定するステップの前に、前記方法は、
前記騒音スペクトル情報における調波騒音の次数情報を確定するステップと、
予め設定された調波騒音の次数情報と電圧パラメータ調整範囲との対応関係に基づき、騒音スペクトル情報における調波騒音の次数情報に対応する電圧パラメータ調整範囲を確定するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
モータの調波騒音最適化装置であって、
前記モータの運転作動状態での騒音スペクトル情報を取得するための騒音スペクトル情報取得ユニットと、
前記騒音スペクトル情報に含まれる調波騒音を確定するための補償電圧注入ユニットと、
所定の調整範囲に従って注入された補償電圧の電圧パラメータを調整し、前記調波騒音の騒音値が最小である補償電圧の電圧パラメータを確定するための電圧パラメータ調整ユニットと、
確定された補償電圧の電圧パラメータに基づき、前記モータを電圧補償するための電圧補償ユニットと、を含むことを特徴とするモータの調波騒音最適化装置。
【請求項9】
メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され且つ前記プロセッサ上で稼働可能なコンピュータプログラムと、を含むモータであって、
前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行される際に、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法のステップが実現されることを特徴とするモータ。
【請求項10】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される際に、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法のステップが実現されることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年02月07日に中国国家知的財産局に提出された出願番号202110169323.3及び「モータ、その調波騒音最適化方法、および装置」という発明の名称の中国特許出願の優先権を主張するものであり、この出願の全内容は引用により本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は、モータの技術分野に属し、特に、モータ、その調波騒音最適化方法、および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
人々の生活水準が高まるに伴って、人々は電気設備の騒音にますます関心を持つようになった。1つの電気設備の騒音レベルの高低は、ユーザーの使用体験に直接影響を及ぼす。したがって、電気設備の騒音レベルの高低もこの製品の市場競争力の重要な指標となっている。
【0004】
永久磁石同期モータのような電気機器中のモータは、運転時に永久磁石同期モータの転送周波数と倍の調波騒音が発生し、この調波騒音は人々の生活と仕事に影響を及ぼす。また、永久磁石同期モータおよびファンのファンブレード構造を最適化することにより、モータ騒音をある程度低減することができるが、調波騒音を精確に低減することができず、モータの品質をさらに向上するのに不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに鑑み、本出願の実施例は、従来技術におけるモータが調波騒音を精確に低減できず、電気機器の品質をさらに向上させるのに不利な問題を解決するためのモータ、その調波騒音最適化方法、および装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願の実施例の第1態様は、モータの調波騒音最適化方法を提供し、前記方法は、
前記モータの運転作動状態での騒音スペクトル情報を取得するステップと、
前記騒音スペクトル情報に含まれる調波騒音を確定するステップと、
所定の調整範囲に従って注入された補償電圧の電圧パラメータを調整し、前記調波騒音の騒音値が最小である補償電圧の電圧パラメータを確定するステップと、
確定された補償電圧の電圧パラメータに基づき、前記モータを電圧補償するステップと、を含む。
【0007】
第1態様に関連して、第1態様の第1の可能な実施態様において、騒音値が最小となるときの電圧パラメータに対応する補償電圧に基づき、前記モータを電圧補償するステップの後に、前記方法は、
前記補償電圧の電圧パラメータとモータの運転作動状態との対応関係を記録するステップと、
モータが記録された運転作動状態にあることが監視される場合、前記対応関係に基づいて対応する電圧パラメータを照会し、前記モータを電圧補償するステップと、をさらに含む。
【0008】
第1態様に関連して、第1態様の第2の可能な実施形態において、前記モータの運転作動状態での騒音スペクトル情報を取得するステップの前に、前記方法は、
前記電磁同期モータの運転作動状態での騒音値を検出するステップと、
検出された騒音値と予め設定された騒音閾値とを比較し、検出された騒音値が前記騒音閾値より大きい場合には、前記モータの運転作動状態での騒音スペクトル情報を取得するステップへ移行するステップと、をさらに含む。
【0009】
第1態様に関連して、第1態様の第3の可能な実施形態において、検出された騒音値と予め設定された騒音閾値とを比較するステップの前に、前記方法は、
予め設定された騒音閾値と運転作動状態との対応関係に基づき、現在の運転作動状態に対応する騒音閾値を照会するステップをさらに含む。
【0010】
第1態様に関連して、第1態様の第4の可能な実施形態において、前記電圧パラメータは、電圧振幅と電圧位相とを含み、所定の調整範囲に従って注入された補償電圧の電圧パラメータを調整し、前記調波騒音の騒音値が最小である補償電圧の電圧パラメータを確定するステップは、
所定の電圧振幅で、所定の位相範囲内で前記補償電圧の位相を調整し、騒音値が最小となるときに対応する補償電圧位相を確定するステップと、
確定された補償電圧位相に基づき、所定の電圧振幅範囲内で前記補償電圧の振幅を調整し、騒音値が最小となるときに対応する補償電圧振幅を確定するステップと、を含む。
【0011】
第1態様に関連して、第1態様の第5の可能な実施形態において、前記電圧パラメータは、電圧振幅と電圧位相とを含み、所定の調整範囲に従って注入された補償電圧の電圧パラメータを調整し、前記調波騒音の騒音値が最小である補償電圧の電圧パラメータを確定するステップは、
所定の電圧位相で、所定の振幅範囲内で前記補償電圧の振幅を調整し、騒音値が最小となるときに対応する補償電圧振幅を確定するステップと、
確定された補償電圧振幅に基づき、所定の位相範囲内で前記補償電圧の位相を調整し、騒音値が最小となるときに対応する補償電圧位相を確定するステップと、を含む。
【0012】
第1態様に関連して、第1態様の第6の可能な実施形態において、所定の調整範囲に従って注入された補償電圧の電圧パラメータを調整し、前記調波騒音の騒音値が最小である補償電圧の電圧パラメータを確定するステップの前に、前記方法は、
前記騒音スペクトル情報における調波騒音の次数情報を確定するステップと、
予め設定された調波騒音の次数情報と電圧パラメータ調整範囲との対応関係に基づき、騒音スペクトル情報における調波騒音の次数情報に対応する電圧パラメータ調整範囲を確定するステップと、をさらに含む。
【0013】
本出願の実施例の第2態様は、モータの調波騒音最適化装置を提供し、前記装置は、
前記モータの運転作動状態での騒音スペクトル情報を取得するための騒音スペクトル情報取得ユニットと、
前記騒音スペクトル情報に含まれる調波騒音を確定するための補償電圧注入ユニットと、
所定の調整範囲に従って注入された補償電圧の電圧パラメータを調整し、前記調波騒音の騒音値が最小である補償電圧の電圧パラメータを確定するための電圧パラメータ調整ユニットと、
確定された補償電圧の電圧パラメータに基づき、前記モータを電圧補償するための電圧補償ユニットと、を含む。
【0014】
本出願の実施例の第3態様は、モータを提供し、モータは、メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され且つ前記プロセッサ上で稼働可能なコンピュータプログラムと、を含み、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行される際に、第1態様のいずれか1項に記載の方法のステップが実現される。
【0015】
本出願の実施例の第4態様は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される際に、第1態様のいずれか1項に記載の方法のステップが実現される。
【発明の効果】
【0016】
本出願の実施例は、従来技術に比べて、モータの運転作動状態での騒音スペクトル情報における調波騒音に補償電圧を注入し、補償電圧パラメータを調整することにより、騒音値が最小である補償電圧の電圧パラメータを得、得られた電圧パラメータに基づいてモータを電圧補償することで、モータの調波騒音をより正確に電圧補償することができ、モータの品質をさらに向上させることができるという有益な効果がある。
【0017】
本出願の実施例における技術案をより明瞭に説明するために、以下に、実施例または例示的な技術的説明において使用する必要がある添加図面を簡単に説明するが、以下に説明する添加図面は、本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な労働を伴わずに、これらの添加図面に基づいて他の図面を得ることができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本出願の実施例で提供したモータの調波騒音最適化方法を実現するフローチャートである。
【
図2】本出願の実施例で提供した騒音スペクトル情報の模式図である。
【
図3】本出願の実施例で提供した補償電圧の電圧パラメータ調整方法を実現するフローチャートである。
【
図4】本出願の実施例で提供した補償電圧の電圧パラメータ調整方法を実現するフローチャートである。
【
図5】本出願の実施例で提供した最適化後の騒音スペクトルの模式図である。
【
図6】本出願の実施例で提供したモータの調波騒音最適化の制御システムの構成を示す模式図である。
【
図7】本出願の実施例で提供したモータの調波騒音最適化装置を示す模式図である。
【
図8】本出願の実施例で提供したモータを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明では、本出願の実施例を徹底的に理解するために、限定するものではなく、説明のために、特定のシステム構成、技術などの具体的な詳細が提示される。しかしながら、当業者は、これらのような具体的な詳細がない他の実施例においても本出願が実現可能であることを認識すべきである。その他の場合には、不要な詳細が本出願の説明を妨げないように、周知のシステム、装置、回路、および方法の詳細な説明は省略する。
【0020】
本出願に記載の技術案を説明するために、以下に具体的な実施例により説明する。
【0021】
現在、モータ(例えば、永久磁石同期モータ)の運転中にモータの回動周波数と倍の調波騒音が発生すると、モータにブーンという重苦しい音が発生する。電気設備中のモータが運転する時、人々の仕事と生活環境に影響を及ぼす。モータとモータファンのファンブレード構造を最適化することで、モータの騒音をある程度改善することができる。しかし、このような構造的改善は、モータの調波騒音を精確に低減することができず、さらなるモータ品質に不利である。
【0022】
以上のような課題に基づいて、本出願の実施例は、モータの騒音最適化方法を提案する。
図1は本出願の実施例で提供したモータの騒音最適化方法を実現するフローチャートであり、以下のようなステップS101~ステップS104を含む。
【0023】
ステップS101において、上記モータの運転作動状態での騒音スペクトル情報を取得する。
【0024】
その中、上記モータの運転作動状態での騒音スペクトル情報は、モータの現在の運転作動状態での騒音スペクトル情報を含んでいてもよいし、上記モータの運転作動状態を調整することにより、モータの全運転作動状態での騒音スペクトル情報を含んで取得してもよい。
【0025】
上記騒音スペクトル情報の取得は、騒音テストシステムにおける音声センサーにより騒音スペクトル情報の採集を行うことができる。
図2は本出願の実施例で提供したある時点で採集された騒音スペクトル情報の模式図である。
図2において、横軸は音声の周波数、縦軸は騒音の大きさを示す。
図2に示すように、周波数200Hzに近いところに顕著な騒音信号(調波信号)が存在する。
【0026】
運転作動状態での騒音スペクトル情報の採集頻度を低減し、電圧補償パラメータの算出回数を低減するために、モータの運転作動状態での騒音スペクトル情報を取得するステップの前に、モータの騒音を検出するステップをさらに含むことができる。
【0027】
モータの騒音が所定の騒音閾値より大きいことが検出された場合、上記モータの騒音スペクトル情報を採集し、採集されたモータの騒音スペクトル情報に基づいて騒音低減処理を行うことができる。
【0028】
モータの騒音が所定の騒音閾値により小さいまたは等しいことが検出された場合、次の運転作動状態での騒音スペクトル情報の採集を継続することができる。
【0029】
本出願の可能な実施形態では、上記騒音閾値とモータの運転作動状態との対応関係を設定することができる。モータの運転作動状態における強度が大きいほど、対応する騒音閾値もそれに応じて増大することができる。例えば、モータの回転数が大きいほど、対応する騒音閾値も大きくなる。上記騒音閾値とモータの運転作動状態とを関係付けることにより、モータ調波騒音の検出精度をさらに向上させることができる。
【0030】
ステップS102において、上記騒音スペクトル情報に含まれる調波騒音を確定する。
【0031】
基本波電圧の周波数に基づき、該騒音信号に対応する調波次数を確定することができる。上記騒音スペクトル情報に調波騒音が含まれていると確定された場合、後続の電圧補償動作を行うことができる。
【0032】
騒音スペクトル情報に調波騒音が含まれていない場合、次の運転作動状態での騒音スペクトル情報の取得を継続することができる。
【0033】
例えば、
図2に示す顕著な騒音信号の周波数は約200Hzであり、基本波信号の周波数をxとする。すると、騒音信号の周波数と基本波信号の周波数との比から、該騒音信号は調波騒音であり、調波騒音の次数は200/x次調波騒音であると確定することができる。
【0034】
これに限らず、本出願の実施例における調波騒音は、1つの次数の調波騒音であってもよく、複数の次数の調波騒音を含んでいてもよい。例えば、5次調波騒音、7次調波騒音、11次調波騒音、13次調波騒音などが含まれることができる。
【0035】
ステップS103において、注入された補償電圧の電圧パラメータを所定の調整範囲に従って調整し、上記調波騒音の騒音値が最小である補償電圧の電圧パラメータを確定する。
【0036】
本出願の実施例において、上記電圧パラメータは、電圧の位相および/または電圧の振幅を含むことができる。予め定められた電圧位相に基づいて、モータが小さい騒音値にあるときに対応する電圧振幅を照会してもよいし、予め定められた電圧位相に基づいて、モータが小さい騒音値にあるときに対応する電圧位相を照会してもよいし、補償電圧の電圧振幅および電圧位相を調整することにより、モータが小さい騒音値にあるときに対応する電圧位相および電圧振幅を確定してもよい。
【0037】
本出願の可能な実施形態において、上記電圧補償の電圧パラメータの調整範囲は、予め設定された調波騒音の次数情報に基づいて対応することができる。調波騒音に対応する補償電圧が存在する区間を統計的に確定することができ、調波騒音に対応する補償電圧の後続の迅速な照会を容易にすることができる。
【0038】
図3は本出願の実施例で提供した補償電圧の電圧パラメータ調整のフローチャートであり、以下のようなステップS301~ステップS305を含む。
【0039】
ステップS301において、補償電圧における電圧振幅を変化しないように保持し、予め設定された位相範囲内で上記補償電圧の電圧位相を調整する。
【0040】
上記補償電圧の電圧振幅は、予め設定された一定の電圧振幅であってもよい。例えば、予め設定された電圧振幅は3V等とすることができる。または、調波騒音の次数と電圧振幅との対応関係に基づいて、保持した電圧振幅を確定してもよい。
【0041】
本出願の可能な実施形態において、上記予め設定された電圧位相範囲は、上記調波騒音の次数情報に対応することができる。例えば、調波騒音の次数がN1の場合、対応する位相範囲は[a1、b1]、上記調波騒音の次数がN2の場合、対応する位相範囲は[c1、d1]、上記調波騒音の次数がN3の場合、対応する位相範囲は[e1、f1]とすることができる。設定された調波騒音と位相範囲との対応関係により、モータの騒音値が最小となるときに対応する電圧位相を迅速に確定することを容易にすることができる。
【0042】
調波騒音に複数の次数の調波騒音が含まれる場合には、騒音値の大きい次数の調波騒音を選択して対応する位相範囲を確定したり、複数の次数の調波騒音に対応する位相範囲を合併集合して対応する位相範囲を確定したりすることができる。
【0043】
ステップS302において、上記モータの騒音値が最小となるときに対応する電圧位相を取得する。
【0044】
確定された位相範囲において電圧位相の大きさを順次変更することにより、異なる電圧位相に対応するモータの騒音値を記録する。位相範囲における全ての位相に対応するモータの騒音値を記録した後、騒音値が最小となるときに対応する電圧位相を照会することができる。
【0045】
ステップS303において、取得した電圧位相を保持し、所定の振幅範囲内で上記補償電圧の電圧振幅を調整する。
【0046】
本出願の実施例において、上記振幅範囲は、予め設定された一定の振幅範囲であってもよいし、または、調波騒音の次数と振幅範囲との対応関係に基づいて、現在のモータの調波騒音に対応する振幅範囲を照会するようにしてもよい。その中、この対応関係は統計データにより確定されて得られることができる。振幅範囲と調波次数との対応関係を構築することで、より効率的に最適な電圧振幅の照会を行うことができる。
【0047】
調波騒音に複数の次数の調波騒音が含まれる場合には、騒音値の大きい次数の調波騒音を選択して対応する振幅範囲を確定したり、複数の次数の調波騒音に対応する振幅範囲を合併集合して対応する振幅範囲を確定したりすることができる。
【0048】
ステップS304において、上記モータの騒音値が最小となるときに対応する電圧振幅を取得する。
【0049】
確定された振幅範囲において補償電圧の電圧振幅の大きさを順次変更することにより、異なる電圧振幅に対応するモータの騒音値を記録する。振幅範囲における全ての振幅に対応するモータの騒音値を記録した後、騒音値が最小となるときに対応する電圧振幅を照会することができる。
【0050】
ステップS305において、取得した電圧振幅と電圧位相に基づいて上記調波騒音に対応する補償電圧を得る。
【0051】
上記補償電圧の電圧位相と電圧振幅が得られた後、上記モータの現在運転作動状態で対応する補償電圧を確定することができる。
【0052】
図4は本出願の実施例で提供したもう一の補償電圧の電圧パラメータ調整フローチャートであり、以下のようなステップS401~ステップS405を含む。
【0053】
ステップS401において、補償電圧における電圧位相を変化しないように保持し、予め設定された振幅範囲内で上記補償電圧の電圧振幅を調整する。
【0054】
上記補償電圧の電圧位相は、予め設定された一定の電圧位相であってもよい。例えば、予め設定された電圧位相は0度などとすることができる。または、調波騒音の次数と電圧位相との対応関係に基づいて、保持する電圧位相を確定してもよい。
【0055】
本出願の可能な実施形態において、上記予め設定された電圧振幅範囲は、上記調波騒音の次数情報に対応することができる。例えば、調波騒音の次数がM1の場合、対応する振幅範囲は[a2、b2]、上記調波騒音の次数がM2の場合、対応する振幅範囲は[c2、d2]、上記調波騒音の次数がM3の場合、対応する振幅範囲は[e2、f2]とすることができる。設定された調波騒音と振幅範囲との対応関係により、モータの騒音値が最小となるときに対応する電圧振幅を迅速に確定することを容易にすることができる。
【0056】
調波騒音に複数次数の調波騒音が含まれる場合には、騒音値の大きい次数の調波騒音を選択して対応する振幅範囲を確定したり、複数次数の調波騒音に対応する振幅範囲を合併集合して対応する振幅範囲を確定したりすることができる。
【0057】
ステップS402において、上記モータの騒音値が最小となるときに対応する電圧振幅を取得する。
【0058】
確定された振幅範囲において電圧振幅の大きさを順次変更することにより、異なる電圧振幅に対応するモータの騒音値を記録する。振幅範囲における全ての振幅に対応するモータの騒音値を記録した後、騒音値が最小となるときに対応する電圧振幅を照会することができる。
【0059】
ステップS403において、取得した電圧振幅を保持し、所定の位相範囲内で上記補償電圧の電圧位相を調整する。
【0060】
本出願の実施例において、上記位相範囲は、予め設定された一定の振幅範囲であってもよいし、または、調波騒音の次数と位相範囲との対応関係に基づいて、現在のモータの調波騒音に対応する位相範囲を照会するようにしてもよい。その中、この対応関係は統計データにより確定されて得られることができる。位相範囲と調波次数との対応関係を構築することにより、より効率的に最適な電圧位相の照会を行うことができる。
【0061】
調波騒音に複数次数の調波騒音が含まれる場合には、騒音値の大きい次数の調波騒音を選択して対応する位相範囲を確定したり、複数次数の調波騒音に対応する位相範囲を合併集合して対応する位相範囲を確定したりすることができる。
【0062】
ステップS404において、上記モータの騒音値が最小となるときに対応する電圧位相を取得する。
【0063】
確定された位相範囲において補償電圧の電圧位相の大きさを順次変更することにより、異なる電圧位相に対応するモータの騒音値を記録する。位相範囲における全ての位相に対応するモータの騒音値を記録した後、騒音値が最小となるときに対応する電圧位相を照会することができる。
【0064】
ステップS405において、取得した電圧振幅と電圧位相に基づいて上記調波騒音に対応する補償電圧を得る。
【0065】
上記補償電圧の電圧位相と電圧振幅が得られた後、上記モータの現在運転作動状態で対応する補償電圧を確定することができる。
【0066】
可能な実施形態において、上記モータの電圧補償の電圧パラメータは、上記電圧位相と電圧振幅とを同時に調整することによって確定され得る。
【0067】
ステップS104において、確定された補償電圧の電圧パラメータに基づいて上記モータに電圧補償を行う。
【0068】
確定された補償電圧の電圧パラメータは、例えば、電圧振幅および/または電圧位相を含む。モータ駆動回路におけるインバータから出力される基本波電圧に上記補償電圧を重畳させる。
【0069】
可能な実施形態において、モータの該運転作動状態で対応する補償電圧を確定した後、上記モータの運転作動状態と補償電圧パラメータとの対応関係を記録することができる。モータの運転作動状態が予め記録された運転作動状態にある場合、例えば予め記録された回転数で運転すれば、予め記録された回転数と補償電圧パラメータとの対応関係に基づいて、対応する補償電圧パラメータを照会し、上記モータ駆動信号の基本波信号に対して高周波調波の電圧補償を行い、モータの調波騒音の最適化効率を大きく向上させることができる。
【0070】
本出願の実施例において、騒音スペクトル情報に複数の調波騒音が含まれる場合、上記補償電圧の位相または振幅を調整する際に、特定の調波騒音が最小となるときに対応する電圧位相または電圧振幅を取得することができる。スペクトル騒音情報に含まれる各調波騒音に対応する電圧補償パラメータをモータのインバータから出力される基本波信号に重畳させ、モータの調波騒音の抑制を図ることができる。
【0071】
図5は本出願の実施例で提供した調波騒音最適化を経た後の騒音スペクトルの模式図であり、調波騒音最適化を経た後、騒音スペクトルにおける調波騒音が顕著に抑制され改善され、モータの運転中に発生するブーンという音が除去され、モータ品質を全体的に向上させる。
【0072】
なお、上述した実施例における各ステップの順序番号の大きさは、実行順序の前後を意味するものではなく、各プロセスの実行順序は、本出願の実施例の実施過程に何ら限定するものではなく、その機能および内在論理によって確定されるべきである。
【0073】
図6は本出願の実施例で提供したモータの調波騒音最適化の制御システムの構成を示す模式図であり、
図6に示すように、該制御システムは、モータと、三相変換器と、変調器と、位置推定モジュールと、電圧注入モジュールと、複数の信号変換器と、などを備える。位置推定モジュールによりモータ角度θと角速度ωを得ることができる。三相変換器から出力される電流ia、ib、icを採集し、Clark(中国語名は「克拉克」と称する)を経て静止したαβ座標系に変換する。Clarkの出力とモータ角度θはPark(中国語名は「派克」と称する)を経て変換する。モータ角速度ωは入力の角速度ω
*と差をつけ、速度調節器ASRを経て電流Iq
*が得られ、Pakr変換の第1出力はIq
*と差をつけ、電流調節器ACRを経て電圧u
qが出力され、電圧u
qは電圧注入モジュール入力の補償電圧と重畳してIpark変換の第1入力となる。
【0074】
Park変換の第2出力は入力の電流Id*=0と差をつけ、電流調節器ACRを経て電圧udが出力され、Ipark変換の第2入力とする。Ipark変換はuαとuβを変調器に出力する。該変調器はパルス幅変調器であってもよく、変調器は調整信号を三相変換器に出力し、三相変換器を用いてモータを転送するように駆動する。モータの騒音スペクトルに調波騒音が含まれる場合、またはモータの運転作動状態が予め記録された対応関係にある場合、電圧注入モジュールから電圧パラメータに対応する補償電圧を注入することにより、モータに含まれる高調波騒音を除去することができる。
【0075】
図7は本出願の実施例で提供したモータの調波騒音最適化装置の模式図であり、該装置は、
上記モータの運転作動状態での騒音スペクトル情報を取得するための騒音スペクトル情報取得ユニット701と、
上記騒音スペクトル情報に含まれる調波騒音を確定するための補償電圧注入ユニット702と、
注入された補償電圧の電圧パラメータを所定の調整範囲に従って調整し、上記調波騒音の騒音値が最小である補償電圧の電圧パラメータを確定するための電圧パラメータ調整ユニット703と、
確定された補償電圧の電圧パラメータに基づいて、上記モータを電圧補償するための電圧補償ユニット704と、を含む。
【0076】
図7に示すモータの調波騒音最適化装置は、
図1に示すモータの調波騒音最適化方法に対応している。
【0077】
図8は本出願の一実施例で提供したモータの制御システムの模式図である。
図8に示すように、該実施例のモータ8は、プロセッサ80と、メモリ81と、上記メモリ81に記憶され且つ上記プロセッサ80上で稼働可能なコンピュータプログラム82と、例えばモータの調波騒音最適化プログラムと、を備えている。上記コンピュータプログラム82が上記プロセッサ80によって実行される際に、上述した各モータの調波騒音最適化方法の実施例におけるステップが実現される。または、上記プロセッサ80は、上記コンピュータプログラム82を実行する際に、上述した各装置の実施例における各モジュール/ユニットの機能が実現される。
【0078】
例示的なものとして、上記コンピュータプログラム82は、上記メモリ81に記憶され且つ上記プロセッサ80によって実行されて本出願を完成させる1つまたは複数のモジュール/ユニットに分割されてもよい。上記1つまたは複数のモジュール/ユニットは、特定の機能を完成することができる一連のコンピュータプログラム命令セグメントであってもよく、この命令セグメントは、上記コンピュータプログラム82の上記モータ8中での実行過程を説明するためのものである。
【0079】
上記モータはプロセッサ80及びメモリ81を含むことができるが、これに限定されるものではない。当業者であれば、
図8は、単にモータ8の一例に過ぎず、モータ8に限定されるものではなく、図示より多いまたは少ない部品、またはいくつかの部品の組み合わせ、または異なる部品を含むことができ、例えば、上記モータは入出力装置、ネットワークアクセス装置、バス等をさらに含むことができることは理解できるはずである。
【0080】
上記プロセッサ80は、中央処理ユニット(CPU、Central ProceSSing Unit)であってもよく、他の汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP、Digital Signal Processor)、専用集積回路(ASIC、Application Specific Integrated Circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA、Field-Programmable Gate Array)、または他のプログラマブルロジックデバイス、個別ゲートまたはトランジスタロジックデバイス、個別ハードウェアコンポーネント等であってもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよく、または、任意の通常のプロセッサであってもよい。
【0081】
上記メモリ81は、上記モータ8のハードディスクや内部メモリなどの内部記憶装置であってもよい。上記メモリ81は、上記モータ8の外部記憶装置であってもよく、例えば、上記モータ8に備えられたプラグインハードディスク、スマートメモリカード(SMC、Smart Memory Card)、セキュアデジタル(SD、Secure Digital)、SDカード、フラッシュカード(Flash Card)等であってもよい。さらに、上記メモリ81は、上記モータ8の内部記憶ユニットも外部記憶装置も含んでいてもよい。上記メモリ81は、上記コンピュータプログラムおよび上記モータに必要なその他のプログラムとデータを記憶するために使用される。上記メモリ81は、既に出力されたデータまたは出力しようとするデータを一時的に記憶するために使用することもできる。
【0082】
説明の便利及び簡略化のために、上述した各機能ユニット、モジュールの区分のみを例に挙げて説明し、実用上、上記機能の割り当ては、必要に応じて異なる機能ユニット、モジュールによって完成されることができ、即ち、上述した機能の全部又は一部を完成するために、上記装置の内部構成を異なる機能ユニット、モジュールに分割することは当業者にとって明らかである。実施例における各機能ユニット、モジュールは、1つの処理ユニットに集積されていてもよいし、各ユニットが単独で物理的に存在していてもよいし、2つまたは2つ以上のユニットが1つのユニットに集積されていてもよいし、上記集積されたユニットは、ハードウェアの形態で実現されていてもよいし、ソフトウェア機能ユニットの形態で実現されていてもよい。また、各機能ユニット、モジュールの具体的な名称も、相互の区別を容易にするためのものであり、本出願の保護範囲を制限するためのものではない。上記システムにおけるユニット、モジュールの具体的な動作過程は、上述した方法の実施例における対応過程を参照することができ、ここではこれ以上言及しない。
【0083】
上記実施例において、各実施例についてそれぞれの説明に重点を置いており、ある実施例において詳述または記載されていない部分は、他の実施例の関連説明を参照することができる。
【0084】
当業者は、本明細書に開示された実施例に関連して説明された各例のユニットおよびアルゴリズムステップが、電子ハードウェア、またはコンピュータソフトウェアおよび電子ハードウェアの組み合わせで実現され得ることを認識することができる。これらの機能がハードウェア的に実行されるかソフトウェア的に実行されるかは、技術案の特定の応用および設計制約条件に依存する。専門技術者は、特定の応用ごとに異なる方法を使用して記述された機能を実現することができるが、このような実現は、本出願の範囲を超えるものとみなすべきではない。
【0085】
開示された装置/端末装置および方法は、本明細書によって提供される実施例において、他の方法によって実現可能であることが理解されるべきである。例えば、上述した装置/端末装置の実施例は、単に概略的なものであり、例えば、上記モジュールまたはユニットの分割は、単に1つの論理機能の分割であり、実際に実現する際に別の分割方法があってもよく、例えば、複数のユニットまたはコンポーネントが結合または別のシステムに集積されていてもよく、または、いくつかの特徴は無視または実行されていなくてもよい。別の一方で、表示または議論された相互間の結合または直接結合または通信接続は、いくつかのインタフェース、装置またはユニットを介した間接結合または通信接続であってもよく、電気的、機械的、またはその他の形態であってもよい。
【0086】
上記分離部品として説明したユニットは、物理的に分離されていてもよいし、物理的に分離されていなくてもよく、ユニットとして表示される部品は、物理ユニットであってもよいし、物理ユニットでなくてもよく、即ち、1箇所に位置していてもよいし、複数のネットワークユニットに分布されていてもよい。本実施例の方案の目的は、実際の必要に応じて、そのユニットの一部または全部を選択して実現することができる。
【0087】
また、本出願の各実施例における各機能ユニットは、1つの処理ユニットに集積されていてもよいし、各ユニットが単独で物理的に存在していてもよいし、2つまたは2つ以上のユニットが1つのユニットに集積されていてもよい。上記集積されたユニットは、ハードウェアの形態で実現してもよいし、ソフトウェア機能ユニットの形態で実現してもよい。
【0088】
上記集積されたモジュール/ユニットは、ソフトウェア機能ユニットの形態で実現され且つ独立した製品として販売または使用される場合に、1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されることができる。このような理解に基づいて、本出願は、上述した実施例の方法におけるフローの全部または一部を実現するために、コンピュータプログラム命令に関連するハードウェアによって完成することもでき、上記コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されていてもよく、このコンピュータプログラムがプロセッサによって実行される際に、上述した各方法の実施例のステップが実現されることができる。ここで、上記コンピュータプログラムは、ソースコード形式、オブジェクトコード形式、実行可能ファイル、または何らかの中間形式等であってもよいコンピュータプログラムコードを含む。上記コンピュータ可読媒体は、コンピュータプログラムコードを携帯可能な任意のエンティティまたは装置、記録媒体、Uディスク、リムーバブルハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、コンピュータメモリ、読み取り専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、電気搬送波信号、電気通信信号、およびソフトウェア配布媒体などを含むことができる。なお、上記コンピュータ可読媒体に含まれる内容は、司法管轄区内の立法および特許実践の要求に従って適宜に増減することができ、例えば、いくつかの司法管轄区では、立法および特許実践に従って、コンピュータ可読媒体は、電気搬送波信号および電気通信信号を含まない。
【0089】
以上の上記実施例は、本出願の技術案を説明するためのものであり、限定するものではなく、上述した実施例を参照して本出願を詳細に説明したが、当業者であれば、上述した各実施例に記載された技術案を修正するか、または一部の技術的特徴を同等に置き換えることができ、これらの修正または置換は、当該技術案の本質を本出願の各実施例の技術案の趣旨および範囲から逸脱させることなく、本出願の保護範囲内に含まれることを理解されたい。
【国際調査報告】