(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-29
(54)【発明の名称】多重物理設備システムに対する次数低減モデル、測定データ及び機械学習技法を融合したデジタルツイン構築方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20240122BHJP
【FI】
G06Q50/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562448
(86)(22)【出願日】2021-12-24
(85)【翻訳文提出日】2023-06-20
(86)【国際出願番号】 KR2021019870
(87)【国際公開番号】W WO2022139557
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】10-2020-0183255
(32)【優先日】2020-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523235769
【氏名又は名称】ペイス インコーポレーティッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100175271
【氏名又は名称】筒井 宣圭
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(72)【発明者】
【氏名】ハン ウジュ
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC03
(57)【要約】
本発明の目的は、多重物理システムの次数低減モデルと現場データ、人工知能技法を結合して産業現場でリアルタイムモニタリング、運転改善及び事故発生時に対応が可能なデジタルツイン構築方法を提供することであって、本発明に係るデジタルツイン構築方法は、多重物理設備システムを要素設備の組み合わせから構成されたネットワークとして定義する、ネットワーク定義段階;個別要素設備に対する関係式基盤の0-Dモデルを確立する、要素モデル確立段階;核心要素設備に対する3-D CAE ROM又はデータからの機械学習による追加の関係式を反映して、システムに対する全ての関係式の閉を成す、システムモデル確立段階;運転変数パラメータ空間でサンプリングされた条件に対する計算結果から、前記システムモデル確立段階で確立されたシステムモデルに対するシステムROMを構築する、システムROM構築段階;要素設備及びシステムに対するモデル予測値と測定データとの間の誤差を最小化する、システムROM補正段階;及びリアルタイムモニタリング結果に基づいて、仮想運転条件で予想されるシステムの状態や最適な運転条件を把握するためのアルゴリズムを構築する、リアルタイムアルゴリズム構築段階;を含むことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多重物理設備システムを要素設備の組み合わせから構成されたネットワークとして定義する、ネットワーク定義段階;
個別要素設備に対する関係式基盤の0-Dモデルを確立する、要素モデル確立段階;
前記要素モデル確立段階で確立された0-Dモデルに、核心要素設備に対する3-D CAE ROM又はデータからの機械学習による追加の関係式を反映してシステムに対する全ての関係式の閉を成す、システムモデル確立段階;
運転変数パラメータ空間でサンプリングされた条件に対する計算結果から、前記システムモデル確立段階で確立されたシステムモデルに対するシステムROMを構築する、システムROM構築段階;
要素設備及びシステムに対するモデル予測値と測定データとの間の誤差を最小化する、システムROM補正段階;及び
リアルタイムモニタリング結果に基づいて、仮想運転条件で予想されるシステムの状態や最適な運転条件を把握するためのアルゴリズムを構築する、リアルタイムアルゴリズム構築段階;
を含むデジタルツイン構築方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記システムROM補正段階は、
運転変数パラメータ空間でサンプリングされた条件で求めた全ての関心変数からなる行列からROMを導出し、予測値と測定値との間の誤差の二乗の和が最小化するようにROMの主成分係数を調整するギャッピィ-POD方法を適用する、ギャッピィ-POD補正段階;及び、
予測値とデータとの間の誤差と、運転変数及び予測された物理量との間に因果関係や関数関係が明確でない場合に蓄積されたデータに基づいて、神経網回路による機械学習などの人工知能技法を活用して誤差を補正する、人工知能補正段階;のいずれか一つ以上の段階を含むことを特徴とするデジタルツイン構築方法。
【請求項3】
請求項2において、
前記ギャッピィ-POD方法には、異種の測定値を融合してROMの主成分係数を調整する連関ギャッピィ-POD方法が適用できることを特徴とするデジタルツイン構築方法。
【請求項4】
請求項2において、
前記ギャッピィ-POD補正段階と人工知能補正段階は、互いに独立して行われるか、又は順次同時に行われることを特徴とするデジタルツイン構築方法。
【請求項5】
請求項1において、
前記システムROM補正段階は、予測値の誤差を最小化する過程で測定値の不確実性や主要性能指標に及ぼす重要度に応じて各誤差に適切な加重値を与えることを特徴とするデジタルツイン構築方法。
【請求項6】
請求項1において、
前記システムROM補正段階は、デジタルツインの確度を維持するために周期的又は設備運転に重要な変化が発生する場合に、オンライン測定データとモデル予測値との間の誤差を最小化する自動補正を行うことを特徴とするデジタルツイン構築方法。
【請求項7】
請求項1において、
前記リアルタイムアルゴリズム構築段階は、運転変数パラメータ空間で予め定義された性能変数又はコスト関数を最大又は最小化する条件を見つけて運転者にリアルタイムで提示することを特徴とするデジタルツイン構築方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルツイン構築方法に関するものであって、特に多重物理設備システムに対する無次元(0-Dimensional、以下、「0-D」という)又は多次元(1-D、2-D又は3-D)次数低減モデル(Reduced Order Model、以下、「ROM」という)とモノのインターネット(Internet of Things、以下、「IoT」という)基盤の現場データ及び機械学習(Machine Learning)等の人工知能技法を融合したデジタルツイン構築方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルツイン(Digital Twin)は、現実空間に存在する多重物理設備又は複数の要素設備から構成されたシステムに対して仮想空間に構築された双子モデルを意味し、運転状態を決定する全ての条件が与えられれば、デジタルツインでも現実のように運転状態及び関心変数を決定できなければならない。
【0003】
従って、デジタルツインは、現在の運転条件で全ての関心変数を正確に把握することができなければならず(診断モード)、仮想の運転条件に対しても同様に全ての関心変数を予測できなければならない(予測モード)。また、このような診断と予測にかかる時間が十分短く、現場の運転者にリアルタイムで情報を提供できなければならない。
【0004】
以下の「特許文献1」には、連関-PODを通じて現場測定データとCAE解析とを結合した次数低減モデル構築方法が提示されているが、測定データとCAE解析結果として与えられた3次元分布を結合する技術のみに限られており、それ自体で複数の要素設備のネットワークとして構成された多重物理システムに対して拡張適用されにくい限界がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国登録特許第10-2048243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような問題点を解決するために考案されたものであって、本発明の目的は、多重物理設備システムのシミュレーションに基づくROMと現場データ、機械学習技法を結合して産業現場でリアルタイムモニタリング、運転改善及び事故発生時に対応が可能なデジタルツイン構築方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記のような課題を解決するための本発明に係るデジタルツイン構築方法は、多重物理設備システムを要素設備の組み合わせから構成されたネットワークとして定義する、ネットワーク定義段階;個別要素設備に対する関係式基盤の0-Dモデルを確立する、要素モデル確立段階;核心要素設備に対する3-D CAE ROM又はデータからの機械学習による追加関係式を反映してシステムに対する全ての関係式の閉を成す、システムモデル確立段階;運転変数パラメータ空間でサンプリングされた条件に対する計算結果から、前記システムモデル確立段階で確立されたシステムモデルに対するシステムROMを構築する、システムROM構築段階;要素設備及びシステムに対するモデル予測値と測定データとの間の誤差を最小化する、システムROM補正段階;及びリアルタイムモニタリング結果に基づいて、仮想運転条件で予想されるシステム状態や最適な運転条件を把握するためのアルゴリズムを構築する、リアルタイムアルゴリズム構築段階;を含むことを特徴とする。
【0008】
前記システムROM補正段階は、運転変数パラメータ空間でサンプリングされた条件で求めた全ての関心変数からなる行列からROMを導出し、予測値と測定値との間の誤差の二乗の和が最小化するようにROMの主成分係数を調整するギャッピィ-POD方法を適用する、ギャッピィ-POD補正段階;及び予測値とデータとの間の誤差と、運転変数及び予測された物理量との間に因果関係や関数関係が明確でない場合に蓄積されたデータに基づいて、神経網回路による機械学習等の人工知能技法を活用して誤差を補正する、人工知能補正段階;のいずれか一つ以上の段階を含み得る。
【0009】
前記ギャッピィ-POD方法には、異種の測定値を融合してROMの主成分係数を調整する連関ギャッピィ-POD方法が適用されることができる。
【0010】
前記ギャッピィ-POD補正段階と人工知能補正段階は、互いに独立して行われるか、又は順次同時に行われることができる。
【0011】
前記システムROM補正段階は、予測値の誤差を最小化する過程で測定値の不確実性や主要性能指標に及ぼす重要度に応じて各誤差に適切な加重値を与えることができる。
【0012】
前記システムROM補正段階は、デジタルツインの確度を維持するために周期的に又は設備運転に重要な変化が発生する場合に、オンライン測定データとモデル予測値との間の誤差を最小化する自動補正を行うことができる。
【0013】
前記リアルタイムアルゴリズム構築段階は、運転変数パラメータ空間で予め定義された性能変数又はコスト関数を最大又は最小化する条件を見つけて運転者にリアルタイムで提示することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るデジタルツイン構築方法は、次のような優れた効果を有する。
【0015】
i)各要素設備に対する0-Dシミュレーション、核心設備に対する3-D CAEシミュレーション、データからの機械学習の結果から速い応答特性を有するリアルタイム運用が可能なシステムROMと、それに基づくデジタルツインを構築することができる。
【0016】
ii)ギャッピィ-POD或いは連関ギャッピィ-POD方法を通じて様々なオンライン及びオフライン測定データを反映することによって、核心設備に対して補正された3-D ROMや全体のシステムに対する補正されたROMを構築することができ、それに基づくデジタルツインの信頼性と正確性を維持することができる。
【0017】
iii)データ融合過程で測定データの不確実性や最終性能変数に及ぼす重要度に応じて、該当変数に異なる加重値を反映することによって不確実性を最小化することができる。
【0018】
iv)診断と予測の2つのモードでデジタルツインの活用ができ、許容された運転範囲内でリアルタイムで最適な運転条件を提示できるので、運転自動化に反映されることができる。
【0019】
【0020】
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係るデジタルツイン構築方法の遂行段階を順次図示したフローチャートである。
【
図2】本発明の一例として、都市ガス生産工程システムに対して定義されたネットワークを示す図である。
【
図3】
図2のネットワークを構成する各要素設備に対する0-Dモデル関係式を示す図である。
【
図4】
図4は、3-D CAE解析が要求される核心設備として海水式気化器を示す図である。
【
図5】本発明のシステムROM補正段階に係る補正方法を示す図であって、(a)は、ギャッピィ-POD補正段階、(b)は、人工知能補正段階に係る補正方法をそれぞれ示す。
【
図6】本発明のリアルタイムアルゴリズム構築段階に係るリアルタイムアルゴリズムによる最適な運転事例を示す図であって、(a)は、運転変数(上記の数式1、海水式気化器への流量比)に対する最適な運転事例、(b)は、性能変数(上記の数式2、単位NG生産にかかるエネルギー費用)に対する最適な運転事例をそれぞれ示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、本発明に係るデジタルツイン構築方法を添付の図面を参照して詳細に説明する。ただし、本発明の要旨を不要に不明にする可能性がある公知の機能及び構成についての詳細な説明は省略する。
図1は、本発明に係るデジタルツイン構築方法の遂行段階を順次図示したフローチャートである。
【0023】
図1を参照すると、本発明に係るデジタルツイン構築方法は、ネットワーク定義段階(S100)、要素モデル確立段階(S200)、システムモデル確立段階(S300)、システムROM構築段階(S400)、システムROM補正段階(S500)及びリアルタイムアルゴリズム構築段階(S600)を含む。
【0024】
本発明の各段階は、コンピュータ上で本発明が具現されているプログラムによって遂行されることができ、測定データは、現場に備えられる様々なIoTセンサによって得ることができる。
【0025】
本発明で使用されるいくつかの用語は以下のように定義される。
運転変数:要素設備又はシステムの全般的な状態を決定する境界条件と運転可能な変数、その他の現在の状態に影響を与える全ての変数。
関心変数:要素設備又はシステムの状態を示す変数の中で、設備運転者の関心の対象となる全ての変数(一般的に測定変数と性能変数は関心変数に含まれる)。
測定変数:要素設備又はシステムに対して各種センサによってオンライン測定されている変数。
性能変数:要素設備又はシステムの主な性能を示す変数(例えば、効率、寿命、エネルギー消耗、安全性、有害排ガス量など)。
【0026】
本発明に係るデジタルツイン構築方法の第1の段階であるネットワーク定義段階(S100)は、デジタルツインを構築するために、システムを要素設備と連結媒体などの組み合わせから構成されたネットワークとして定義する段階である。
【0027】
図2は、一例として都市ガス生産工程システムに対して定義されたネットワークを示す。
図2に図示された都市ガス生産工程ネットワークは、液体状態の天然ガス(Natural Gas、以下、「NG」という)を海水からの熱伝達を活用する海水式気化器と燃料ガスの燃焼エネルギーを活用する燃焼式気化器によって気体状態のNGを供給するシステムを示す。本例において海水へ伝達される熱量は、
、バーナーから供給されるエネルギーは、
、各地点での流量、温度、圧力、エンタルピーは、
でそれぞれ表現される。
【0028】
この例では、単純化のために入口流量(
、
)、海水式気化器への流量比(
)、海水の流量(
)と温度(
)を運転変数と定義した。要素モデルに随伴する全ての変数と単位NG生産にかかるエネルギー費用(
)のような性能変数は、関心変数と定義できる。表1は、本発明の例示のために任意に決定した運転変数、関心変数、測定変数、及び性能変数を示す。
【0029】
【0030】
次に、要素モデル確立段階(S200)は、個別要素設備に対する主要変数の間の関係式を確立する段階である。
【0031】
ここで、関係式は、運転変数に応じて設備の状態を決定できる0-Dモデルを表す。基礎物理法則によるモデルの構築が難しい場合には、データ回帰、神経網回路などの機械学習によるモデルを活用することができ、物理的モデルとデータ基盤のモデルとを融合したハイブリッドモデルも可能である。
【0032】
次に、システムモデル確立段階(S300)は、核心要素設備に対する3-D CAE(Computer Aided Engineering)ROM或いはデータからの機械学習による追加の関係式を反映して、システムに対する全ての関係式の閉(closure)を成す段階である。
【0033】
図3は、
図2のネットワークを構成する各要素設備に対する0-Dモデル関係式を示し、運転変数と関心変数とから構成されている。
図3において、海水加熱器の海水へ伝達される熱量(
)に関する追加情報が与えられてこそ、システムに対する全ての関係式の閉が行われる。
【0034】
図4に図示された海水式気化器のCAE解析が行われる場合、サンプリングされた運転条件で多次元分布や
のような関心変数からなる行列の適合直交分解(Proper Orthogonal Decomposition、以下、「POD」という)によって
図5(a)に示した主成分ベクトルと係数からなる3-D ROMを求める。
【0035】
このような3-D ROMや機械学習によるデータ分析結果から閉のために必要な新しい0-D関係式や任意の運転条件で
のような関心変数値を容易に求めることができる。
【0036】
一例によって、0-Dモデルで構築した設備要素であるBOG圧縮機、再液化機、ポンプ、燃焼式気化器、海水加熱器と3-D CAE解析が連係された0-Dモデルを構築した海水式気化器を
図2に図示された都市ガス生産工程ネットワークと同一に連結することによって、全体の工程に対するシステムモデルを構築することができる。
【0037】
一方、システムモデルから全ての要素設備に対する関係式の解を直接求める過程は、一般に過度の計算時間が要求され、リアルタイム対応が難しい問題がある。これを解決するために、本発明は、運転変数パラメータ空間でサンプリングされた条件に対する計算結果からシステムROMを構築する段階(S400)をさらに含む。
【0038】
これによって、本発明は、システム運転変数空間でサンプリングされた運転条件に対する解を予め求め、全ての関心変数から構成された行列を構成し、POD分析のような方法を通じてシステムモデル確立段階(S300)で確立されたシステムモデルに対するシステムROMを導出することによって、リアルタイム対応が可能な速い予測結果を得ることができる。
【0039】
次に、システムROM補正段階(S500)は、要素設備及びシステムに対するモデル予測値と測定データとの間の誤差を最小化する段階であって、ギャッピィ-POD補正段階(S510)と人工知能補正段階(S520)とを含む。
【0040】
ギャッピィ-POD補正段階(S510)は、運転変数パラメータ空間でサンプリングされた条件で求めた全ての関心変数からなる行列からROMを導出し、予測値と測定値との間の誤差の二乗の和が最小化するようにROMの主成分係数を調整するギャッピィ-POD(Gappy-POD)方法を適用する段階である(
図5(a)参照)。ギャッピィ-POD方法には、異種の測定値を融合してROMの主成分係数を調整する連関ギャッピィ-POD方法が適用されることもできる(「特許文献1」参照)。
【0041】
人工知能補正段階(S520)は、予測値とデータとの間の誤差と、運転変数及び予測された物理量との間に因果関係や関数関係が明確でない場合に、蓄積されたデータに基づいて、神経網回路による機械学習などの人工知能技法を活用して誤差を補正する段階である(
図5(b)参照)。
【0042】
システムROM補正段階(S500)においてギャッピィ-POD補正段階(S510)と人工知能補正段階(S520)は、独立して行われることもあり、順次同時に行われることもある。
【0043】
本発明は、システムROM補正段階(S500)の中、予測値の誤差を最小化する過程で測定値の不確実性や主要性能指標に及ぼす重要度に応じて、各誤差に適切な加重値を与えることができる。また、デジタルツインの確度を維持するために、周期的に又は設備運転に重要な変化が発生する場合に、オンライン測定データとモデル予測値との間の誤差を最小化する自動補正を行うことができる。
【0044】
最後に、リアルタイムアルゴリズム構築段階(S600)は、リアルタイムモニタリング結果に基づいて仮想運転条件で予想されるシステムの状態や最適な運転条件を把握するためのアルゴリズムを構築する段階であって、以前の段階で構築されたシステムROMに基づいて運転変数パラメータ空間で予め定義された性能変数又はコスト(Cost)関数を最大又は最小化する条件を見つけて、運転者にリアルタイムで提示することができる(
図6(a)及び
図6(b)参照)。
【0045】
本明細書及び添付の図面に開示された実施例は、本発明の技術的思想を容易に説明するために使用されただけであり、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限するために使用されたものではない。従って、本技術分野の通常の知識を有する者ならば、これから様々な変形及び均等な他の実施例が可能であることを理解するであろう。
【符号の説明】
【0046】
S100 ネットワーク定義段階
S200 要素モデル確立段階
S300 システムモデル確立段階
S400 システムROM構築段階
S500 システムROM補正段階
S510 ギャッピィ-POD補正段階
S520 人工知能補正段階
S600 リアルタイムアルゴリズム構築段階
【国際調査報告】