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特表2024-503939オートバイ後輪駆動伝動用静音駆動チェーンシステムおよびオートバイ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】オートバイ後輪駆動伝動用静音駆動チェーンシステムおよびオートバイ
(51)【国際特許分類】
   F16H 7/06 20060101AFI20240123BHJP
   B62M 9/00 20060101ALI20240123BHJP
   F16G 13/04 20060101ALI20240123BHJP
   F16G 13/02 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
F16H7/06
B62M9/00 D
F16G13/04
F16G13/02 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021549715
(86)(22)【出願日】2021-04-25
(85)【翻訳文提出日】2021-08-24
(86)【国際出願番号】 CN2021089493
(87)【国際公開番号】W WO2022110630
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】202011336533.9
(32)【優先日】2020-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521183992
【氏名又は名称】青島征和工業股分有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO CHOHO INDUSTRIAL CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100194526
【弁理士】
【氏名又は名称】叶野 徹
(72)【発明者】
【氏名】付振明
(72)【発明者】
【氏名】劉毅
(72)【発明者】
【氏名】李存志
(72)【発明者】
【氏名】王魁
(72)【発明者】
【氏名】戴竜傑
(72)【発明者】
【氏名】金玉謨
【テーマコード(参考)】
3J049
【Fターム(参考)】
3J049AA08
3J049BH04
3J049CA05
(57)【要約】
オートバイ後輪駆動伝動用静音駆動チェーンシステムであり、オートバイのチェーン伝動技術分野に関し、小スプロケット、大スプロケットおよび静音駆動チェーンを備え、前記静音駆動チェーンはアウターチェーンプレート、インナーチェーンプレート、ガイドプレート、ピンシャフト、スリーブおよびダンピングシールリングを含む歯形チェーンであり、前記スリーブはインナーチェーンプレート、ガイドプレートの取付穴と締まり嵌めになり、インナーチェーンプレート、ガイドプレートと一緒にインナーチェーンユニットを構成し、ピンシャフトはスリーブ内を貫通してスリーブと隙間嵌めになり、ピンシャフトの両端はアウターチェーンプレートの取付穴と締まり嵌めになり、アウターチェーンプレートと一緒にアウターチェーンユニットを構成し、アウターチェーンユニットとインナーチェーンユニットの間にはダンピングシールリングが設けられている。本発明はオートバイの静音駆動チェーンとそのチェーン伝動システムの革新的な設計を通じて、従来のチェーン伝動の技術的制限を克服し、オートバイが高速で激しい運動をする時でもチェーン伝動システムの安定と低騒音を維持でき、ハイエンドオートバイの個性化・低騒音化・高耐摩耗性に対するニーズを満たし、危険事故の発生を効果的に避けることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小スプロケット、大スプロケットおよび小スプロケットと大スプロケットの間に伝動接続される静音駆動チェーンを備え、前記小スプロケットとオートバイのモーターまたはエンジンの出力シャフトが着脱可能に固定接続され、前記大スプロケットとオートバイの後輪シャフトが着脱可能に固定接続され、前記静音駆動チェーンがアウターチェーンプレート、インナーチェーンプレート、ガイドプレート、ピンシャフト、スリーブおよびダンピングシールリングを含む歯形チェーンであり、前記スリーブがインナーチェーンプレート、ガイドプレートの取付穴と締まり嵌めになり、インナーチェーンプレート、ガイドプレートと一緒にインナーチェーンユニットを構成し、前記ピンシャフトがスリーブ内を貫通してスリーブと隙間嵌めになり、前記ピンシャフトの両端がアウターチェーンプレートの取付穴と締まり嵌めになり、アウターチェーンプレートと一緒にアウターチェーンユニットを構成し、前記アウターチェーンユニットとインナーチェーンユニットの間にはダンピングシールリングが設けられていることを特徴とするオートバイ後輪駆動伝動用静音駆動チェーンシステム。
【請求項2】
前記ガイドプレートはスリーブの外部表面の中央部に位置し、前記インナーチェーンプレートはガイドプレートの両側に対称的に取り付けられ、前記ダンピングシールリングはスリーブの端部に嵌合され、且つダンピングシールリングの内外端面はそれぞれインナーチェーンプレートの外部表面およびアウターチェーンプレートの内部表面にそれぞれ当接していることを特徴とする請求項1記載のオートバイ後輪駆動伝動用静音駆動チェーンシステム。
【請求項3】
前記静音駆動チェーンと小スプロケット、大スプロケットとの噛合は内外複合噛合機構を採用するか、前記静音駆動チェーンと大スプロケットとの噛合は内部噛合機構を採用し、前記小スプロケット、大スプロケットの歯数が13~72歯であることを特徴とする請求項2記載のオートバイ後輪駆動伝動用静音駆動チェーンシステム。
【請求項4】
チェーンホルダーを備え、前記チェーンホルダーは転倒したU字型ブラケットとブラケットのボトム開口間に接続された支持具を含み、前記ブラケットのトップはオートバイリヤフォークの大スプロケットの一側に近づく外部表面に着脱可能に固定接続され、前記静音駆動チェーンはブラケットを通し、支持具と組み合わせて使用され、前記支持具は軽量な耐摩耗性材料で作られていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のオートバイ後輪駆動伝動用静音駆動チェーンシステム。
【請求項5】
前記小スプロケットと大スプロケットの歯形はいずれもインボリュート歯形または直線歯形を採用することができ、前記大スプロケットと小スプロケットが採用したインボリュート歯形の歯形圧力角は30°~40°で、前記静音駆動チェーンのインナーチェーンプレートとアウターチェーンプレートの歯形半角は30°~40°であることを特徴とする請求項3記載のオートバイ後輪駆動伝動用静音駆動チェーンシステム。
【請求項6】
前記静音駆動チェーンのインナーチェーンプレートとアウターチェーンプレートとの歯形半角は35°であることを特徴とする請求項5記載のオートバイ後輪駆動伝動用静音駆動チェーンシステム。
【請求項7】
前記大スプロケットと小スプロケットとの歯形はインボリュート歯形で、圧力角は35°であることを特徴とする請求項5記載のオートバイ後輪駆動伝動用静音駆動チェーンシステム。
【請求項8】
前記ダンピングシールリングの横断面形状はO形またはX形または+形またはM形またはZ形であることを特徴とする請求項1~3、5~7のいずれかに記載のオートバイ後輪駆動伝動用静音駆動チェーンシステム。
【請求項9】
前記支持具は板状構造またはローラ構造であり、前記支持具はPA46またはPA66材料で作られていることを特徴とする請求項4記載のオートバイ後輪駆動伝動用静音駆動チェーンシステム。
【請求項10】
請求項1~3、5~7、9のいずれかに記載のオートバイ後輪駆動伝動用静音駆動チェーンシステムを搭載していることを特徴とするオートバイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンやモータなどで駆動するオートバイをカバーするオートバイチェーン伝動技術分野に関し、特に、オートバイ後輪駆動チェーン伝動システムおよびオートバイに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、オートバイ後輪駆動伝動方式は主にチェーン伝動を採用しており、エンジンの出力シャフトと後輪シャフトとの間のチェーン伝動によってオートバイの駆動問題を解決している。
【0003】
従来の技術設計では、オートバイ後輪駆動伝動に採用されているチェーン構造はローラチェーンであり、チェーン伝動構造が簡単・軽量・低コストで、メンテナンスが容易であるという特徴に加えて、もう一つの重要な原因は、駆動輪を取り付けたオートバイのリヤフォークが激しい運動中に振動が発生し、チェーン締り具合を調整する時、ある程度の余裕を与えることができるため、リヤフォークの振動に対応しながら、エンジンと後輪の伝動を維持できることである。
【0004】
ただし、既存のオートバイ後輪駆動チェーン伝動システムは業界の発展に伴い、ますますその技術的限界が目立っており、具体的には下記の通りである。
【0005】
大排気量巡航、旅行、オフロード、競技などのオートバイとハイエンド高速電動オートバイの需要が日増しに高まるにつれて、従来のチェーン伝動システムはこれらのオートバイの個性化・低騒音化の需要に対応することが困難であり、特にハイエンド電動バイクと巡航、旅行、ストリートライドなどのハイエンド大排気量オートバイに対して後輪駆動チェーン伝動騒音の低減を求める声がますます大きくなっている。特許「202020979030.2伝動用騒音低減スプロケット」では、ゴム包みスプロケット設計を採用しており、チェーンが高速伝動する時にローラと歯とのショックを緩和し、伝動騒音をある程度低減できるが、包まれたゴムのクッション能力の低下に伴い、その騒音低減能力が次第に低下し、ハイエンドオートバイの個性化・低騒音化のニーズを効果的に解決できない。また、チェーンを取り付ける時にチェーン締りの余裕を保留しすぎたり、使用後にチェーンが摩耗され、伸びすぎたりすると、チェーン伝動システムの伝動騒音も大きくなり、速度計センサーが故障したり、チェーン・スプロケットの摩耗が進んだり、チェーンがスプロケットから外れたりするリスクもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の課題を解決するために、本発明は、オートバイ後輪駆動伝動用静音駆動チェーンシステムを提供し、オートバイの静音駆動チェーンおよびそのチェーン伝動システムに対して、革新的な設計を行い、従来のチェーン伝動の技術的限界を克服し、高速で激しい運動をしている時でもチェーン伝動システムの安定化と低騒音化を維持し、ハイエンドオートバイの個性化・低騒音化・高耐摩耗性に対する需要を満たし、危険事故の発生を効果的に避けることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明は下記の技術的手段を講じている。
【0008】
小スプロケット、大スプロケットおよび小スプロケットと大スプロケットの間に伝動接続される静音駆動チェーンを備えたオートバイ後輪駆動伝動用静音駆動チェーンシステムを提供し、前記小スプロケットとオートバイのモーターまたはエンジンの出力シャフトが着脱可能に固定接続され、前記大スプロケットとオートバイの後輪シャフトが着脱可能に固定接続され、前記静音駆動チェーンがアウターチェーンプレート、インナーチェーンプレート、ガイドプレート、ピンシャフト、スリーブおよびダンピングシールリングを含む歯形チェーンであり、前記スリーブがインナーチェーンプレート、ガイドプレートの取付穴と締まり嵌めになり、インナーチェーンプレート、ガイドプレートと一緒にインナーチェーンユニットを構成し、前記ピンシャフトがスリーブ内を貫通してスリーブと隙間嵌めになり、前記ピンシャフトの両端がアウターチェーンプレートの取付穴と締まり嵌めになり、アウターチェーンプレートと一緒にアウターチェーンユニットを構成し、前記アウターチェーンユニットとインナーチェーンユニットの間にはダンピングシールリングが設けられている。
【0009】
好ましくは、前記ガイドプレートはスリーブの外部表面の中央部に位置し、前記インナーチェーンプレートはガイドプレートの両側に対称的に取り付けられ、前記ダンピングシールリングはスリーブの端部に嵌合され、且つダンピングシールリングの内外端面はそれぞれインナーチェーンプレートの外部表面およびアウターチェーンプレートの内部表面にそれぞれ当接する
【0010】
好ましくは、前記静音駆動チェーンと小スプロケット、大スプロケットとの噛合は内外複合噛合機構を採用するか、前記静音駆動チェーンと大スプロケットとの噛合は内部噛合機構を採用し、前記小スプロケット、大スプロケットの歯数が13~72歯である。
【0011】
好ましくは、チェーンホルダーを備え、前記チェーンホルダーが転倒したU字型ブラケットとブラケットのボトム開口間に接続された支持具を含み、前記ブラケットのトップはオートバイリヤフォークの大スプロケットの一側に近づく外部表面に着脱可能に固定接続され、前記静音駆動チェーンはブラケットを通し、支持具と組み合わせて使用され、前記支持具は軽量な耐摩耗性材料で作られている。
【0012】
好ましくは、前記小スプロケットと大スプロケットの歯形はいずれもインボリュート歯形または直線歯形を採用することができ、前記大スプロケットと小スプロケットが採用したインボリュート歯形の歯形圧力角は30°~40°で、前記静音駆動チェーンのインナーチェーンプレートとアウターチェーンプレートの歯形半角は30°~40°である。
【0013】
好ましくは、前記静音駆動チェーンのインナーチェーンプレートとアウターチェーンプレートとの歯形半角は35°である。
【0014】
好ましくは、前記大スプロケットと小スプロケットとの歯形はインボリュート歯形で、圧力角は35°である。
【0015】
好ましくは、前記ダンピングシールリングの横断面形状はO形またはX形または+形またはM形またはZ形である。
【0016】
好ましくは、前記支持具は板状構造またはローラ構造である。
【0017】
好ましくは、前記支持具はPA46またはPA66材料で作られている。
【0018】
好ましくは、前記オートバイ後輪駆動伝動用静音駆動チェーンシステムを搭載しているオートバイである。
【0019】
本発明オートバイ後輪駆動伝動用静音駆動チェーンシステムおよびオートバイは下記の有益な効果を持っている。
【発明の効果】
【0020】
(1)本発明は静音駆動チェーンの革新的な構造設計によって、静音駆動チェーン(歯形チェーン)とスプロケットとの内部噛合機構または内外複合噛合機構を実現しており、従来のオートバイのローラーチェーン伝動中における多角形効果を低減し、チェーン伝動をよりスムーズにする。ハイエンドバイク、特に高速電動オートバイ後輪駆動チェーン伝動の低騒音化と高耐摩耗性に対する需要を効果的に満たしている。
【0021】
(2)本発明は従来のオートバイ駆動チェーン伝動の技術的限界を克服し、ダンピングシールリング付きスリーブ歯形チェーン構造設計を採用し、大胆にインナーガイド式歯形チェーン伝動のガイド方式を運用し、チェーン伝動システムをより安定的かつ確実にし、チェーン伝動効率と使用寿命を大幅に向上させ、チェーン伝動騒音を低減している。
【0022】
(3)本発明は、オートバイ後駆動チェーン伝動システムにチェーンホルダー構造設計を追加することにより、チェーン伝動システムの伝動騒音を低減し、チェーンが長すぎることによる速度計センサーの故障とチェーンのスプロケットからの離脱などの危険・リスクを解消すると同時に、チェーン伝動の耐摩耗性、耐疲労性と伝動の円滑性を高め、静音伝動をよりよく実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1:本発明におけるオートバイ後輪駆動伝動用静音駆動チェーンシステムの正面図である。
【0024】
図2図2:本発明におけるオートバイ後輪駆動伝動用静音駆動システムのオートバイにおける構造概略図である。
【0025】
図3図3:本発明における静音駆動チェーンの正面図と俯瞰図である。
【0026】
図4図4:本発明における静音駆動チェーンの各部品のフィッティング関係の俯瞰図である。
【0027】
図5図5:本発明における静音駆動チェーンのアウターチェーンユニットの俯瞰図である。
【0028】
図6図6:本発明における静音駆動チェーンのインナーチェーンユニットの俯瞰図である。
【0029】
図7図7:本発明における静音駆動チェーンシステムの小スプロケットの正面図と俯瞰図である。
【0030】
図8図8:本発明における静音駆動チェーンシステムの大スプロケットの正面図と俯瞰図である。
【0031】
図9図9:本発明における静音駆動チェーンシステムのチェーンホルダーの正面図である。
【0032】
図10図10:本発明における静音駆動チェーン伝動と一般的なローラチェーン伝動とゴム掛けスプロケット付きローラチェーン伝動の騒音と小スプロケット回転速度との関係イメージ図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態についてステップバイステップに詳しく説明するが、この説明は本発明の好適な実施形態に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の精神と原則の範囲内で行われたいかなる修正、同等の置換と改良などはいずれも本発明の保護範囲内に含まれるはずである。
【0034】
本発明の説明において、「上」「下」「左」「右」「トップ」「ボトム」「インナー」「アウター」などの用語が示す方位または位置関係は、図面に基づいて示される方位または位置関係であり、本発明を説明したり、説明を簡略化したりするためのものであり、示される装置またはデバイスが特定の方位および特定の方位構造と操作を持つべきことを示したり、示唆したりしない。したがって、本発明に対する制限と理解できない。
【0035】
実施例1
一種のオートバイ後輪駆動伝動用静音駆動チェーンシステムであり、図1~6に示すように、小スプロケット1、大スプロケット5および小スプロケット1と大スプロケット5の間に伝動接続される静音駆動チェーン2を備え、前記小スプロケット1とオートバイのモーターまたはエンジンの出力シャフトが着脱可能に固定接続され、前記大スプロケット5とオートバイの後輪シャフトが着脱可能に固定接続され、前記静音駆動チェーン2がアウターチェーンプレート6、インナーチェーンプレート7、ガイドプレート8、ピンシャフト10、スリーブ11およびダンピングシールリング9を含む歯形チェーンであり、前記スリーブ11がインナーチェーンプレート7、ガイドプレート8の取付穴と締まり嵌めになり、インナーチェーンプレート7、ガイドプレート8と一緒にインナーチェーンユニットを構成し、前記ピンシャフト10がスリーブ11内を貫通してスリーブ11と隙間嵌めになり、前記ピンシャフト10の両端がアウターチェーンプレート6の取付穴と締まり嵌めになり、アウターチェーンプレート6と一緒にアウターチェーンユニットを構成し、前記アウターチェーンユニットとインナーチェーンユニットの間にはダンピングシールリング9が設けられている。
【0036】
従来のオートバイ後輪駆動チェーンはローラチェーンであり、その構造が簡単で軽量で、メンテナンスが容易で、締り具合の調整が便利で、従来のオートバイの使用需要を満たすことができるが、本発明の背景技術部分で述べたように、大排気量巡航、旅行、オフロード、競技などのオートバイとハイエンド高速電動オートバイの急速な発展に伴い、従来のローラチェーンの使用はますます制限され、特に静音性の面では発展の需要を満たすことができない。 上記の理由によって、本発明は歯形チェーン構造の静音駆動チェーン2を提供し、オートバイの負荷強度を十分に満足させると同時に、静音効果を顕著に高めることができる。
【0037】
実施例2
実施例1を元に、本実施例ではさらなる改善を行い、具体的に下記の通りである。
図1~6に示すように、前記ガイドプレート8はスリーブ11の外部表面の中央部に位置し、前記インナーチェーンプレート7はガイドプレート8の両側に対称的に取り付けられ、前記ダンピングシールリング9はスリーブ11の端部に嵌合され、且つダンピングシールリング9の内外端面はそれぞれ隣接するインナーチェーンプレート7の外部表面およびアウターチェーンプレート6の内部表面にそれぞれ当接している。
【0038】
実施例3
実施例2を元に、本実施例ではさらなる改善を行い、具体的には下記の通りである。
前記静音駆動チェーン2と小スプロケット1、大スプロケット5との噛合は内外複合噛合機構を採用するか、前記静音駆動チェーン2と大スプロケット5との噛合は内部噛合機構を採用する。
【0039】
実施例4
実施例3を元に、本実施例ではさらなる改善を行い、具体的には下記の通りである。
図1、2、9に示すように、チェーンホルダー4を備え、前記チェーンホルダー4は転倒したU字型ブラケット12とブラケット12のボトム開口間に接続された支持具13を含み、前記ブラケット12のトップはオートバイリヤフォーク3の大スプロケット5の一側に近づく外部表面に着脱可能に固定接続され、前記静音駆動チェーン2はブラケット12を通し、支持具13と組み合わせて使用され、前記支持具は軽量な耐摩耗性材料で作られている。
【0040】
実施例5
実施例4を元に、本実施例ではさらなる改善を行い、具体的には下記の通りである。
図7、8に示すように、前記小スプロケット1の歯数は16歯または15歯であり、本実施例では16歯が好ましく、前記大スプロケット5の歯数は51歯であり、前記小スプロケット1と大スプロケット5の歯形はいずれもインボリュート歯形であり、前記大スプロケットと小スプロケットが採用したインボリュート歯形の歯形圧力角は30°~40°で、前記静音駆動チェーン2のインナーチェーンプレート7とアウターチェーンプレート6の歯形半角は30°である。
【0041】
実施例6
実施例4を元に、本実施例ではさらなる改善を行い、具体的には下記の通りである。
前記大スプロケットと小スプロケットが採用したインボリュート歯形の歯形圧力角は40°で、前記静音駆動チェーン2のインナーチェーンプレート7とアウターチェーンプレート6との歯形半角は40°である
【0042】
実施例7
実施例4を元に、本実施例ではさらなる改善を行い、具体的には下記の通りである。
前記小スプロケット1と大スプロケット5の歯形はいずれも直線歯形である。
【0043】
実施例8
実施例4を元に、本実施例ではさらなる改善を行い、具体的には下記の通りである。
図7、8に示すように、前記静音駆動チェーン2のインナーチェーンプレート7とアウターチェーンプレート6の歯形半角は35°である。
【0044】
実施例9
実施例4を元に、本実施例ではさらなる改善を行い、具体的には下記の通りである。
図7、8に示すように、前記大スプロケット5と小スプロケット1の歯形はインボリュート歯形で、且つ圧力角は35°である。
【0045】
実施例10
以上の実施例を元に、本実施例ではさらなる改善を行い、具体的には下記の通りである。
【0046】
前記ダンピングシールリングの横断面形状は「+」形である。
【0047】
実施例11
実施例10を元に、本実施例ではさらなる改善を行い、具体的には下記の通りである。
図9に示すように、前記支持具13は板状構造である。
【0048】
実施例12
実施例10を元に、本実施例ではさらなる改善を行い、具体的には下記の通りである。
前記支持具13はローラ構造(図の中に表示されていない)である。
【0049】
実施例13
実施例11、12を元に、本実施例ではさらなる改善を行い、具体的には下記の通りである。
【0050】
前記支持具13はPA66材料で作られている。
【0051】
実施例14
以上の実施例を元に、本実施例ではさらに下記のことを開示している。
一種のオートバイで、前記オートバイは前記オートバイ後輪駆動伝動用静音駆動チェーンシステムを搭載している。
【0052】
実験例
以上の実施例に基づいて、本発明が実験の検証により、図10に示す結果を得た。静音駆動チェーン伝動の騒音試験と一般的なローラチェーン伝動およびゴム掛けスプロケット付きローラチェーン伝動の騒音試験の比較結果は下記の通りである。
(1)静音駆動チェーン伝動の騒音は一般的なローラチェーン伝動の騒音より2~7デシベル小さい。
(2)静音駆動チェーン伝動の騒音はゴム掛けスプロケット付きローラチェーン伝動の騒音より1~6デシベル小さい。
(3)静音駆動チェーン伝動の騒音変化は一般的なローラチェーン伝動とゴム掛けスプロケット付きローラチェーン伝動の騒音よりも相対的に安定している。
【0053】
本発明の動作原理
1.本発明ではインナーガイド式歯形チェーン伝動のガイド方式によって、オートバイ伝動チェーンの伝動騒音を大幅に低減している。
【0054】
2.上記に基づき、本発明ではインナーチェーンユニットとアウターチェーンユニットとの間にダンピングシールリング9が設けられ、ダンピングシールリング9により、外部砂塵がチェーン内部へ侵入してピンシャフト10とスリーブ11の摩耗を促すことをブロックし、チェーン内部の潤滑油の溢れによるピンシャフト10とスリーブ11との乾式摩擦を防止し、インナーチェーンプレート7とアウターチェーンプレート6との衝突摩擦を解消し、チェーンの耐摩耗性を高め、使用寿命を延ばし、さらにチェーンの伝動騒音を下げることができる。
【0055】
3.本発明の静音駆動チェーン2は歯形チェーン形式を採用し、従来のローラチェーン伝動方式を突破し、オートバイの大負荷需要を十分に満たすと同時に、内部噛合または内外複合噛合伝動を実現し、オートバイの後輪駆動の安定的な伝動を維持しながら、さらに伝動騒音を下げることができる。
【0056】
4.また、本発明ではチェーンホルダー4を設けており、チェーンホルダーを通じて、チェーンが長すぎることによる速度計センサーの故障やスプロケットからチェーンの離脱などの危険・リスクを解消すると同時に、チェーン伝動の安定した性能を高め、静音チェーン伝動をよりよく実現する。
【符号の説明】
【0057】
1:小スプロケット、2:静音駆動チェーン、3:オートバイリヤフォーク、4:チェーンホルダー、5:大スプロケット、6:アウターチェーンプレート、7:インナーチェーンプレート、8:ガイドプレート、9:ダンピングシールリング、10:ピンシャフト、11:スリーブ、12:ブラケット、13:支持具。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】