(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】表示パネル及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240123BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20240123BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G09F9/33
G09F9/00 338
G09F9/30 349D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577100
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(85)【翻訳文提出日】2022-01-26
(86)【国際出願番号】 CN2021139352
(87)【国際公開番号】W WO2023103058
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】202111506405.9
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515203228
【氏名又は名称】ティーシーエル チャイナスター オプトエレクトロニクス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TCL China Star Optoelectronics Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.9-2,Tangming Rd,Guangming New District,Shenzhen,Guangdong,China 518132
(74)【代理人】
【識別番号】100204386
【氏名又は名称】松村 啓
(72)【発明者】
【氏名】周 世新
【テーマコード(参考)】
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA43
5C094BA03
5C094BA25
5C094CA19
5C094DB01
5C094DB03
5C094EA00
5C094ED11
5C094FB12
5C094JA09
5G435AA17
5G435BB04
5G435CC09
5G435KK05
(57)【要約】
駆動基板、複数の溶接パッド、反射層及び複数の発光ユニットを含む表示パネルである。前記駆動基板は、前記表示パネルの駆動回路の複数の配線を含む。前記複数の溶接パッドは、前記駆動基板に設けられ、かつ前記駆動基板の前記駆動回路の前記複数の配線に電気的に接続される。前記溶接パッドは、2つごとに対として設けられる。それぞれの前記溶接パッドは、切頭錐体を含む。前記反射層は、隣接する2対の前記溶接パッドの間に設けられる。前記反射層の材料は、光硬化反射インクを含む。それぞれの前記発光ユニットは、1対の前記溶接パッドに電気的に接続される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルであって、
前記表示パネルの駆動回路の複数の配線を含む駆動基板と、
複数の溶接パッドであって、前記駆動基板に設けられ、かつ前記駆動基板の前記駆動回路の前記複数の配線に電気的に接続され、2つの前記溶接パッドごとに対として設けられ、それぞれの溶接パッドが切頭錐体を含む複数の溶接パッドと、
反射層であって、隣接する2対の前記溶接パッドの間に設けられ、前記反射層の材料が光硬化反射インクを含む反射層と、
それぞれが1対の前記溶接パッドに電気的に接続された複数の発光ユニットと、を含む、表示パネル。
【請求項2】
それぞれの前記溶接パッドの前記切頭錐体の少なくとも1つの側面と底面との夾角は、40度~50度の間である、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
それぞれの前記溶接パッドの前記切頭錐体の少なくとも1つの側面と底面との夾角は、45度である、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項4】
それぞれの前記溶接パッドは、切頭四角錐体又は切頭円錐体である、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記複数の溶接パッドの材料は、銅、アルミニウム、銀、コバルト、パラジウム、鉄、カドミウム、ニッケル及びそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項6】
それぞれの前記溶接パッドの高さは、8ミクロン~10ミクロンの間である、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記反射層の厚さは、55ミクロン~60ミクロンの間である、請求項6に記載の表示パネル。
【請求項8】
表示パネルの製造方法であって、
駆動基板を形成するステップであって、前記駆動基板は前記表示パネルの駆動回路の複数の配線を含む、ステップと、
複数の溶接パッドを前記駆動基板に形成するステップであって、前記複数の溶接パッドは前記駆動基板の前記駆動回路の前記複数の配線に電気的に接続され、2つごとに対として設けられ、それぞれが切頭錐体として形成される、ステップと、
前記駆動基板に反射層を形成するステップであって、前記反射層は隣接する2対の前記溶接パッドの間に形成され、前記反射層の材料が光硬化反射インクを含む、ステップと、
各対の前記溶接パッドに発光ユニットを電気的に接続するステップと、を含む、表示パネルの製造方法。
【請求項9】
それぞれの前記溶接パッドの前記切頭錐体の少なくとも1つの側面と底面との夾角は、40度~50度の間である、請求項8に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項10】
それぞれの前記溶接パッドの前記切頭錐体の少なくとも1つの側面と底面との夾角は、45度である、請求項9に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項11】
それぞれの前記溶接パッドは、切頭四角錐体又は切頭円錐体である、請求項8に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項12】
前記複数の溶接パッドの材料は、銅、アルミニウム、銀、コバルト、パラジウム、鉄、カドミウム、ニッケル及びそれらの組み合わせを含む、請求項8に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項13】
それぞれの前記溶接パッドの高さは、8ミクロン~10ミクロンの間である、請求項8に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項14】
前記反射層の厚さは、55ミクロン~60ミクロンの間である、請求項13に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項15】
前記駆動基板に複数の溶接パッドを形成するステップは、さらに、
前記駆動基板の表面に電気めっきシード層を形成するステップと、
前記電気めっきシード層にフォトレジストを形成するステップと、
前記フォトレジストをパターン化することにより、それぞれの前記溶接パッドの形成予定の領域に切頭錐体のキャビティを形成するステップと、
前記フォトレジスト及び前記電気めっきシード層を電気めっきすることにより、前記フォトレジストの前記キャビティを充填した前記溶接パッドを形成するステップと、
前記フォトレジストを除去するステップと、
前記複数の溶接パッド及び前記電気めっきシード層をエッチングすることにより、前記複数の溶接パッドが形成された前記領域以外の電気めっきシード層を除去するステップと、を含む、請求項8に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項16】
前記電気めっきシード層の厚さは、0.5ミクロン~1ミクロンの間である、請求項15に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項17】
前記電気めっきシード層の材料は、銅、アルミニウム、銀、コバルト、パラジウム、鉄、カドミウム、ニッケル及びそれらの組み合わせを含む、請求項15に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項18】
前記フォトレジストの材料は、ネガ型フォトレジストを含む、請求項15に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項19】
前記キャビティの深さは、それぞれの前記溶接パッドの高さ以上であり、かつ前記キャビティの前記深さとそれぞれの前記溶接パッドの前記高さとの差は、0ミクロン~5ミクロンの間である、請求項15に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項20】
前記フォトレジストの厚さは、10ミクロン~12ミクロンの間である、請求項15に記載の表示パネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示の技術分野に関し、特に高反射率の斜面溶接パッドを有する表示パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
表示技術の発展に伴い、各タイプの表示パネルが開発されてきた。液晶(liquid crystal、LC)表示技術及び有機発光ダイオード(organic light-emitting diode、OLED)表示技術に比べて、ミニ発光ダイオード(mini-light-emitting diode、mini-LED)表示技術は、応答速度、表示色域、コントラスト、解像度及び消費電力パフォーマンスがより優れているなどの利点を有し、かつ上記ミニ発光ダイオード表示技術は、超高区画数の正確な調光も実現できるため、今後の発展が期待でき、さらに各表示パネルメーカーの開発計画の注目点となっている。
【0003】
上記ミニ発光ダイオードの表示技術を適用した表示パネルにおいて、輝度及び射出効率を向上させるとともに、エネルギー消費を低減するために、従来技術では、上記表示パネルにおけるミニ発光ダイオードから放出した光線をできるだけ反射させるように、上記表示パネルの駆動基板の表面に反射インクを塗布する。上記反射インクの塗布厚さ及び窓開けの精度を調整することにより、上記表示パネルの反射率を調整することができる。現在、最も一般的に使用された上記反射インクの製造方法は、インクジェット印刷又はスクリーン印刷により上記反射インクを上記表示パネルの上記駆動基板に塗布し、露光及び現像などの方式で上記反射インクを硬化させ、かつ窓開けを行うことにより、上記ミニ発光ダイオードをボンディング(bonding)するための複数の溶接を露出させることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1は、従来技術の上記表示パネルの一部の概略構成図である。上記表示パネルは、駆動基板100、複数の溶接パッド200、反射インク300及び複数のミニ発光ダイオード400を含む。1対の上記溶接パッド200は、1つの上記ミニ発光ダイオード400及び上記駆動基板100における複数の配線110に電気的に接続される。上記反射インク300は、隣接する2対の上記溶接パッド200の間に位置して複数の上記ミニ発光ダイオード400から放出した上記光線を反射させるために用いられる。
【0005】
従来技術では、上記表示パネルの上記反射率をできるだけ向上させるために、上記反射インクの塗布厚さを約60ミクロン程度に設計する。しかしながら、上記反射インク300が光硬化材料であるため、表層に近い上記反射インク300は、十分な光照射により完全に硬化されるが、底層に近い上記反射インク300は、不十分な光照射により完全に硬化されない。完全に硬化されない上記反射インク300は、後続の製造プロセスにおいて現像液によって洗い流されてなくなり、さらには
図1に示されるアンダーカット形状UCを形成する。発明者らのシミュレーション試験及び計算によると、上記反射インク300のこれらの上記アンダーカット形状UCの欠陥により上記表示パネルの上記反射率が15%~20%低下し、上記表示パネルの表示効果を大幅に低下させる。
【0006】
従来技術の上記表示パネルは、上記反射インクを十分に硬化できないという技術的課題を有するため、上記技術的課題を解決するために高反射率の斜面溶接パッドを有する表示パネルが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、高反射率の斜面溶接パッドを有する表示パネルを提供する。前記表示パネルは、駆動基板、複数の溶接パッド、反射層及び複数の発光ユニットを含む。前記駆動基板は、前記表示パネルの駆動回路の複数の配線を含む。前記複数の溶接パッドは、前記駆動基板に設けられ、かつ前記駆動基板の前記駆動回路の前記複数の配線に電気的に接続される。前記溶接パッドは、2つごとに対として設けられる。それぞれの前記溶接パッドは、切頭錐体を含む。前記反射層は、隣接する2対の前記溶接パッドの間に設けられる。前記反射層の材料は、光硬化反射インクを含む。それぞれの前記発光ユニットは、1対の前記溶接パッドに電気的に接続される。
【0008】
一実施例において、それぞれの前記溶接パッドの前記切頭錐体の少なくとも1つの側面と底面との夾角は、40度~50度の間である。
【0009】
本実施例において、それぞれの前記溶接パッドの前記切頭錐体の少なくとも1つの側面と底面との夾角は、45度である。
【0010】
一実施例において、それぞれの前記溶接パッドは、切頭四角錐体又は切頭円錐体である。
【0011】
一実施例において、前記複数の溶接パッドの材料は、銅、アルミニウム、銀、コバルト、パラジウム、鉄、カドミウム、ニッケル及びそれらの組み合わせを含む。
【0012】
一実施例において、それぞれの前記溶接パッドの高さは、8ミクロン~10ミクロンの間である。
【0013】
本実施例において、前記反射層の厚さは、55ミクロン~60ミクロンの間である。
【0014】
本発明は、さらに表示パネルの製造方法を提供する。前記表示パネルの製造方法は、
駆動基板を形成するステップであって、前記駆動基板は前記表示パネルの駆動回路の複数の配線を含む、ステップと、
複数の溶接パッドを前記駆動基板に形成するステップであって、前記複数の溶接パッドは前記駆動基板の前記駆動回路の前記複数の配線に電気的に接続され、2つごとに対として設けられ、それぞれが切頭錐体として形成される、ステップと、
前記駆動基板に反射層を形成するステップであって、前記反射層は隣接する2対の前記溶接パッドの間に形成され、前記反射層の材料が光硬化反射インクを含む、ステップと、
各対の前記溶接パッドに発光ユニットを電気的に接続するステップと、を含む。
【0015】
一実施例において、それぞれの前記溶接パッドの前記切頭錐体の少なくとも1つの側面と底面との夾角は、40度~50度の間である。
【0016】
一実施例において、それぞれの前記溶接パッドの前記切頭錐体の少なくとも1つの側面と底面との夾角は、45度である。
【0017】
一実施例において、それぞれの前記溶接パッドは、切頭四角錐体又は切頭円錐体である。
【0018】
一実施例において、前記複数の溶接パッドの材料は、銅、アルミニウム、銀、コバルト、パラジウム、鉄、カドミウム、ニッケル及びそれらの組み合わせを含む。
【0019】
一実施例において、それぞれの前記溶接パッドの高さは、8ミクロン~10ミクロンの間である。
【0020】
本実施例において、前記反射層の厚さは、55ミクロン~60ミクロンの間である。
【0021】
一実施例において、前記駆動基板に複数の溶接パッドを形成するステップは、さらに、
前記駆動基板の表面に電気めっきシード層を形成するステップと、
前記電気めっきシード層にフォトレジストを形成するステップと、
前記フォトレジストをパターン化することにより、それぞれの前記溶接パッドの形成予定領域に切頭錐体のキャビティを形成するステップと、
前記フォトレジスト及び前記電気めっきシード層を電気めっきすることにより、前記フォトレジストの前記キャビティを充填した前記溶接パッドを形成するステップと、
前記フォトレジストを除去するステップと、
前記複数の溶接パッド及び前記電気めっきシード層をエッチングすることにより、前記複数の溶接パッドが形成された前記領域以外の電気めっきシード層を除去するステップと、を含む。
【0022】
一実施例において、前記電気めっきシード層の厚さは、0.5ミクロン~1ミクロンの間である。
【0023】
一実施例において、前記電気めっきシード層の材料は、銅、アルミニウム、銀、コバルト、パラジウム、鉄、カドミウム、ニッケル及びそれらの組み合わせを含む。
【0024】
一実施例において、前記フォトレジストの材料は、ネガ型フォトレジストを含む。
【0025】
一実施例において、前記キャビティの深さは、それぞれの前記溶接パッドの高さ以上であり、かつ前記キャビティの前記深さとそれぞれの前記溶接パッドの前記高さとの差は、0ミクロン~5ミクロンの間である。
【0026】
一実施例において、前記フォトレジストの厚さは、10ミクロン~12ミクロンの間である。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、上記表示パネル及びその製造方法を提供する。上記表示パネルは、上記駆動基板、上記複数の溶接パッド、上記反射層及び上記複数の発光ユニットを含む。上記駆動基板は、上記表示パネルの駆動回路の複数の配線を含む。上記複数の溶接パッドは、上記駆動基板に設けられ、かつ上記駆動基板の上記駆動回路の上記複数の配線に電気的に接続される。上記溶接パッドは、2つごとに対として設けられる。それぞれの上記溶接パッドは、上記切頭錐体を含む。上記反射層は、隣接する2対の上記溶接パッドの間に設けられる。上記反射層の上記材料は、上記光硬化反射インクを含む。それぞれの上記発光ユニットは、1対の上記溶接パッドに電気的に接続される。それぞれの上記溶接パッドが上記切頭錐体を含むため、本発明は、高反射率の斜面を有する上記複数の溶接パッドを用いて、従来技術における上記反射層の上記光硬化反射インクを十分に硬化させることができないという技術的課題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】従来技術の表示パネルの一部の概略構成図である。
【
図2】本発明の表示パネルの一部の概略構成図である。
【
図3】本発明の上記表示パネルの溶接パッドの概略斜視図である。
【
図4】本発明の上記表示パネルの上記溶接パッドの別の概略斜視図である。
【
図5】本発明の上記表示パネルの製造プロセスの概略構成図である。
【
図6】本発明の上記表示パネルの製造プロセスの概略構成図である。
【
図7】本発明の上記表示パネルの製造プロセスの概略構成図である。
【
図8】本発明の上記表示パネルの製造プロセスの概略構成図である。
【
図9】本発明の上記表示パネルの製造プロセスの概略構成図である。
【
図10】本発明の上記表示パネルの製造プロセスの概略構成図である。
【
図11】本発明の上記表示パネルの製造プロセスの概略構成図である。
【
図12】本発明の上記表示パネルの製造プロセスの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の上記及び他の目的、特徴、利点をより明らかにするために、以下、本発明の好ましい実施例を挙げて、図面と併せて、以下のように詳細に説明する。
【0030】
図2に参照されるように、それは本発明の表示パネルの一部の概略構成図である。上記表示パネルは、駆動基板100、複数の溶接パッド200及び複数の発光ユニット400を含む。上記駆動基板100は、上記表示パネルの駆動回路の複数の配線110を含む。上記複数の溶接パッド200は、上記駆動基板100に設けられ、かつ上記駆動基板100の上記駆動回路の上記複数の配線110に電気的に接続される。上記複数の溶接パッド200は、上記発光ユニット400をボンディング(bonding)するボンディングパッドとなり、上記溶接パッド200は、2つごとに対として設けられる。上記発光ユニット400は、1対の上記溶接パッド200に電気的に接続される。即ち、各対の上記溶接パッド200は、上記駆動基板100の上記複数の配線110に電気的に接続されるために、陽極及び陰極を含む。
【0031】
上記表示パネルの輝度及び射出効率を向上させるとともに、上記表示パネルのエネルギー消費を低減するために、本発明は、上記表示パネルの駆動基板100に反射層300を設けることにより、上記発光ユニット400から放出した光線をできるだけ上記表示パネルから反射させる。一実施例において、上記反射層300は、隣接する2対の上記溶接パッド200の間に設けられ、即ち、上記発光素子のボンディング対象予定の領域を囲む。上記反射層300の材料は、主な色が白色の反射インクを含み、好ましくは、光硬化反射インクを含む。発明者らのシミュレーション試験によると、その厚さが55ミクロン~60ミクロンの間である場合、反射率は、92.5%以上に達することができる。
【0032】
露光のプロセスにおいて、上記反射層300の上記光硬化反射インクに光線を十分に照射させるために、本発明は、切頭錐体を含むようにそれぞれの上記溶接パッド200の形状を構成する。上記切頭錐体は、一般的な錐体から頭部を切り取って形成され、かつ断面が上記錐体の底面220と平行である。上記切頭錐体は平行截頭錐体、錐台及び台体とも呼ばれる。
【0033】
本発明のそれぞれの上記溶接パッド200の少なくとも1つの上記側面230が斜面として構成されるため、上記反射層300の上記光硬化反射インクを露光する上記プロセスにおいて、硬化光線を上記反射層300の底層に近い領域に反射させることができる。このようにして、表層に近い上記反射層300は十分な光照射により完全に硬化されるだけでなく、底層に近い上記反射層300も上記複数の溶接パッド200の反射光により十分に照射され、かつ完全に硬化される。
【0034】
図3に参照されるように、それは本発明の上記表示パネルの1つの上記溶接パッド200の概略斜視図である。本実施例において、それぞれの上記溶接パッド200は、切頭四角錐体であり、好ましくは、切頭正四角錐体であってよい。それぞれの上記溶接パッド200は、頂面210、底面220及び四つの側面230を含む。それぞれの上記溶接パッド200において、上記頂面210は、上記底面220と平行であり、かつ4つの側面230は、上記頂面210及び底面220に接続される。図に示すように、本発明は、それぞれの上記溶接パッド200の1つの上記側面230を上記底面220との夾角が40度~50度の間にあり、好ましくは45度になるように構成する。
【0035】
図4に参照されるように、それは本発明の上記表示パネルの1つの上記溶接パッド200の別の概略斜視図である。本実施例において、それぞれの上記溶接パッド200は、さらに切頭円錐体であってもよく、好ましくは、切頭正円錐体であってもよい。それぞれの上記溶接パッド200は、頂面210、底面220及び側面230を含む。それぞれの上記溶接パッド200において、上記頂面210は、上記底面220と平行であり、かつ側面230は、上記頂面210及び底面220に接続される。図に示すように、本発明は、それぞれの上記溶接パッド200の上記側面230を上記底面220との夾角が40度~50度の間にあり、好ましくは45度になるように構成する。
【0036】
図3に示された切頭四角錐体の1つの上記溶接パッド200に比べて、切頭正円錐体の上記溶接パッド200は、上記硬化光線を上記反射層300の底層に近い上記反射層300により均一に反射させることにより、上記反射層300の上記光硬化反射インクをより完全に硬化させることができる。
【0037】
一実施例において、本発明は、上記硬化光線を底層に近い上記反射層300にできるだけ反射させることにより、上記反射層300の上記光硬化反射インクを完全に硬化させるために、上記複数の溶接パッド200の材料を高反射率の金属材料に構成する。好ましくは、上記複数の溶接パッド200の上記材料は、銅、アルミニウム、銀、コバルト、パラジウム、鉄、カドミウム、ニッケル及びそれらの組み合わせを含む。そして、上記複数の溶接パッド200の上記材料は、さらに導電性が高いため、上記複数の発光ユニット400の上記ボンディングパッドとして、上記複数の発光ユニット400に電流を安定して供給することができる。
【0038】
なお、発明者のシミュレーション試験によると、上記反射層300の上記厚さが55ミクロン~60ミクロンの間に構成される場合、上記反射層300に対して従来技術のパターン化プロセスを行った後、高さが約10ミクロンの上記アンダーカット形状の欠陥が存在する可能性がある。したがって、本発明は、それぞれの上記溶接パッド200の少なくとも1つの上記側面230を上記底面220との上記夾角が40度~50度の間になるように構成するとともに、それに応じてそれぞれの上記溶接パッド200の高さを8ミクロン~10ミクロンの間になるように構成する。
【0039】
本発明の上記複数の溶接パッド200の構造設計により、上記反射層300の上記光硬化反射インクは、パターン化プロセスの後に、全体的に硬化させることができる。そのため、従来技術における、表示パネルの反射層に不完全な硬化により生じたアンダーカット形状の欠陥を回避する。これにより、本発明の上記表示パネルの上記反射層300は理論値以上の反射率を達成することができ、即ち、上記反射層300の上記反射率は、92.5%以上に達することにより、上記表示パネルの表示効果を高めるとともに、上記表示パネルのエネルギー消費を低減する。
【0040】
本発明は、さらに表示パネルの製造方法を提供する。上記表示パネルの製造方法は、以下のステップS1~S4を含む。
図5~
図12に参照されるように、それらは本発明の上記表示パネルの製造プロセスの概略構成図である。
【0041】
S1では、上記駆動基板100を形成する。上記駆動基板100は、上記表示パネルの上記駆動回路の上記複数の配線110を含む。
【0042】
S2では、上記複数の溶接パッド200を上記駆動基板100に形成する。上記複数の溶接パッド200は、上記駆動基板の上記複数の配線110に電気的に接続される。上記複数の溶接パッド200を形成するために、本ステップは、さらに以下のステップS21~S26を含む。
【0043】
S21では、上記駆動基板100の表面に電気めっきシード層500を形成する。
図5に示すように、金属の上記複数の溶接パッド200を非金属の上記駆動基板100の表面に形成するために、まず、1層の上記電気めっきシード層500の金属薄膜を形成しなければならない。上記電気めっきシード層の厚さは、0.5ミクロン~1ミクロンの間にあり、かつ好ましくは、形成された上記電気めっきシード層500の厚さは、0.6ミクロンであってよい。
【0044】
本ステップでは、後に形成される上記複数の溶接パッド200を上記電気めっきシード層500と均質化するために、上記電気めっきシード層500は、上記複数の溶接パッド200の上記材料と同様に、銅、アルミニウム、銀、コバルト、パラジウム、鉄、カドミウム、ニッケル及びそれらの組み合わせから選択することができる。
【0045】
S22では、上記電気めっきシード層500にフォトレジスト600を形成する。
図6に示すように、本発明は、続いて上記電気めっきシード層500に厚さが10ミクロン~12ミクロンの間である上記フォトレジスト600を形成する。上記複数の溶接パッド200の予定の高さが8ミクロン~10ミクロンの間であるため、本発明の上記フォトレジスト600の予定の厚さは、上記複数の溶接パッド200の予定の高さの範囲以上に構成される。
【0046】
S23では、上記フォトレジスト600をパターン化することにより、それぞれの上記溶接パッド200の形成予定領域に切頭錐体のキャビティ610を形成する。
図7に示すように、フォトマスクの露光、現像及び洗い流しなどのパターン化プロセスにより、上記フォトレジスト600に複数の切頭錐体の上記キャビティ610を開設して、後続の上記複数の溶接パッド200の成形空間を提供する。一実施例において、上記キャビティ610の深さは、それぞれの上記溶接パッド200の形成予定の高さ以上であり、かつ上記キャビティ610の上記深さとそれぞれの上記溶接パッドの形成予定の上記高さとの差は、0ミクロン~5ミクロンの間である。
【0047】
なお、本発明の上記フォトレジスト600の材料は、ネガ型フォトレジスト600を含む。好ましくは、上記ネガ型フォトレジスト600は、市販の、モデルが例えばMerck CPT-100のものを選択してよい。上記ネガ型フォトレジスト600の特性のため、上記フォトレジスト600は、パターン化後、
図7に示されるアンダーカット構造を形成する。上記アンダーカット構造の形状、例えば斜面角などは、いずれも上記フォトレジスト600の露光程度、現像時間、又はベーク時間などにより調整することができる。このようにして、実際の実施必要に応じて予定の複数の切頭錐体の上記キャビティ610を形成することができる。
【0048】
S24では、上記フォトレジスト600及び上記電気めっきシード層500を電気めっきすることにより、上記フォトレジスト600の上記キャビティ610を充填した上記溶接パッド200を形成する。
図8に示すように、上記フォトレジスト600に複数の上記キャビティ610を開設すると、例えば湿式電気めっきの電気めっきプロセスによって上記複数の溶接パッド200の材料、例えば、銅、アルミニウム、銀、コバルト、パラジウム、鉄、カドミウム、ニッケル及びそれらの組み合わせなどを、上記電気めっきシード層500の案内の下で、複数の切頭錐体の上記キャビティ610に充填して、切頭錐体のそれぞれの上記溶接パッド200を形成することができる。
【0049】
S25では、上記フォトレジスト600を除去する。
図9に示すように、上記複数の溶接パッド200が上記フォトレジスト600の複数の上記キャビティ610に形成された後、上記フォトレジスト600を上記電気めっきシード層500及び上記複数の溶接パッド200から剥離することができる。
【0050】
S24では、上記複数の溶接パッド200及び上記電気めっきシード層500をエッチングすることにより、上記複数の溶接パッド200が形成された上記領域以外の電気めっきシード層500を除去する。
図10に示すように、ステップS21では、まず、全層の上記電気めっきシード層500を形成するため、ここでは上記駆動基板100の上記複数の配線110は、いずれも上記電気めっきシード層500に電気的に接続される。それぞれの上記溶接パッド200を互いに絶縁し、かつそれぞれ上記駆動基板100の上記駆動回路の上記複数の配線110に電気的に接続するために、上記複数の溶接パッド200が形成された上記領域以外の電気めっきシード層500を除去しなければならない。
【0051】
本ステップでは、上記複数の溶接パッド200及び上記電気めっきシード層500を表面全体にわたってエッチングすることにより、上記複数の溶接パッド200が形成された上記領域以外の電気めっきシード層500を除去することができる。上記電気めっきシード層500の厚さが約0.6ミクロンであるため、上記複数の溶接パッド200の薄い表面を犠牲にするだけで、それぞれの上記溶接パッド200を互いに絶縁することを達成することができる。
【0052】
S3では、上記駆動基板100に反射層300を形成する。
図11に示すように、ステップS2が完了すると、上記反射層300は、隣接する2対の上記溶接パッド200の間に形成される。インクジェット印刷又はスクリーン印刷により上記反射層300の上記光硬化反射インクを上記駆動基板100に塗布し、かつプリベークプロセス、露光プロセス、現像プロセス及びポストベークなどのプロセスにより、上記反射層300の上記光硬化反射インクを完全に硬化させる。本ステップでは、好ましくは、上記露光プロセスは、レーザーダイレクトイメージング(laser direct imaring、LDI)プロセスであってよい。
【0053】
図11に示すように、上記反射層300の上記光硬化反射インクに対して上記露光プロセスを行う場合、本発明のそれぞれの上記溶接パッド200の少なくとも1つの上記側面230が斜面として構成されるため、上記反射層300の上記光硬化反射インクを露光するプロセスにおいて、上記硬化光線を上記反射層300の底層に近い領域に反射させることができる。このようにして、表層に近い上記反射層300は十分な光照射により完全に硬化されるだけでなく、底層に近い上記反射層300も上記複数の溶接パッド200の反射光により十分に照射され、かつ完全に硬化される。
【0054】
S4では、各対の上記溶接パッド200に1つの上記発光ユニット400を電気的に接続する。
図12に示すように、ステップS3が完了すると、上記複数の発光ユニット400と上記複数の溶接パッド200とを電気的に接続することができる。本ステップでは、上記複数の発光ユニット400は、リフローはんだ付け(mass reflow bonding)プロセスにより、上記発光ユニット400を1対の上記溶接パッド200にボンディングする。
【0055】
本発明は、上記表示パネル及びその製造方法を提供する。上記表示パネルは、上記駆動基板100、上記複数の溶接パッド200、上記反射層300及び上記複数の発光ユニット400を含む。上記駆動基板100は、上記表示パネルの駆動回路の複数の配線110を含む。上記複数の溶接パッド200は、上記駆動基板100に設けられ、かつ上記駆動基板100の上記駆動回路の上記複数の配線110に電気的に接続される。上記溶接パッド200は、2つごとに対として設けられる。それぞれの上記溶接パッド200は、上記切頭錐体を含む。上記反射層300は、隣接する2対の上記溶接パッド200の間に設けられる。上記反射層300の上記材料は、上記光硬化反射インクを含む。それぞれの上記発光ユニット400は、1対の上記溶接パッド200に電気的に接続される。それぞれの上記溶接パッド200が上記切頭錐体を含むため、本発明は、高反射率の斜面を有する上記複数の溶接パッド200を用いて、従来技術における、上記反射層の上記光硬化反射インクを十分に硬化させることができないという技術的課題を解決することができる。
【0056】
以上の説明は、本発明の好ましい実施形態に過ぎない。なお、当業者であれば、本発明の原理から逸脱しない前提下で、さらに複数の改善及び修正を行うことができ、これらの改善及び修正も本発明の保護範囲にあると見なされるべきである。
【符号の説明】
【0057】
100 駆動基板
110 配線
200 溶接パッド
210 頂面
220 底面
230 側面
300 反射層
400 発光ユニット
400 ミニ発光ダイオード
500 シード層
600 フォトレジスト
610 キャビティ
【国際調査報告】