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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】曲面表示パネル及び曲面表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1335 20060101AFI20240123BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240123BHJP
   G09F 9/302 20060101ALI20240123BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
G02F1/1335 500
G09F9/30 308Z
G09F9/302 Z
G09F9/30 349B
G09F9/30 349C
G09F9/30 338
G02F1/1333
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502957
(86)(22)【出願日】2022-01-11
(85)【翻訳文提出日】2022-03-04
(86)【国際出願番号】 CN2022071272
(87)【国際公開番号】W WO2023123554
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111646199.1
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517264292
【氏名又は名称】武漢華星光電技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUHAN CHINA STAR OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】Building C5, Biolake of Optics Valley,No.666 Gaoxin Avenue,Wuhan East Lake High-tech Development Zone, Wuhan,Hubei 430079,China
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 国宇
(72)【発明者】
【氏名】▲チョウ▼ 庚秀
【テーマコード(参考)】
2H189
2H291
5C094
【Fターム(参考)】
2H189CA13
2H189HA16
2H189LA03
2H189LA10
2H189LA14
2H189LA15
2H291FA02Y
2H291FA14Y
2H291FD22
2H291FD26
2H291GA19
2H291LA21
2H291MA20
5C094AA06
5C094BA43
5C094CA20
5C094DA06
5C094DB01
5C094ED02
5C094ED15
(57)【要約】
本願は、曲面表示パネル及び曲面表示装置を開示する。曲面表示パネルは、複数のサブ画素を含む曲面表示パネルであって、中線と、中線に対して対称に設けられる中心表示区域と、を有し、中線から離れる側から中線に向かう方向において、中心表示区域に位置するサブ画素の開口率は、徐々に大きくなり、隣接する二つのサブ画素の開口率の差は、2%以下である。本願によれば、曲面表示パネルの画面分割確率を低下させる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサブ画素を含む曲面表示パネルであって、
中線と、前記中線に対して対称に設けられる中心表示区域と、を有し、
前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、前記中心表示区域に位置する前記サブ画素の開口率は、徐々に大きくなり、隣接する二つの前記サブ画素の開口率の差は、2%以下である、
曲面表示パネル。
【請求項2】
前記中心表示区域の背向する両側に位置するように前記中線に対して対称に設けられる非中心表示区域をさらに含み、
前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、前記非中心表示区域に位置する前記サブ画素の開口率は、徐々に大きくなり、前記非中心表示区域及び前記中心表示区域において隣接するいずれかの二つの前記サブ画素の開口率の差は、いずれも2%以下である、
請求項1に記載の曲面表示パネル。
【請求項3】
第1方向に沿って延在し、かつ第2方向に沿って配列される複数本のデータ線を含むアレイ基板であって、複数本の前記データ線が前記第1方向に沿って延在する第1中心線をそれぞれ有する複数本の第1データ線を含むアレイ基板と、
前記アレイ基板に対向して設けられ、前記第1方向に沿って延在する第2中心線をそれぞれ有する複数の第1ブラックマトリクス部を含むカラーフィルム基板であって、単一の前記第1ブラックマトリクス部がこれと対応する単一の前記第1データ線を覆うカラーフィルム基板と、をさらに含み、
前記中線は、前記第1方向に沿って延在し、少なくとも四本の前記第1データ線は、前記中心表示区域に位置するように前記中線に対して対称に設けられ、
前記曲面表示パネルが湾曲しない場合に、前記中心表示区域において、前記第1中心線と、これと対応する前記第2中心線とは、前記第2方向において第1所定距離を有し、前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、前記第1所定距離は、徐々に小さくなる、
請求項1に記載の曲面表示パネル。
【請求項4】
少なくとも六本の前記第1データ線は、前記中心表示区域に位置し、
前記曲面表示パネルが湾曲しない場合に、前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、前記中心表示区域において隣接する二つの前記第1ブラックマトリクス部の間の距離は、徐々に大きくなる、
請求項3に記載の曲面表示パネル。
【請求項5】
複数本の前記データ線は、前記第1方向に沿って延在し、かつ前記中線との間の前記第2方向における距離がゼロである第3中心線を有する第2データ線をさらに含み、
前記カラーフィルム基板は、前記第1方向に沿って延在し、かつ前記第3中心線との間の前記第2方向における距離がゼロである第4中心線を有する第2ブラックマトリクス部をさらに含む、
請求項3に記載の曲面表示パネル。
【請求項6】
隣接する二本の各前記データ線の間の距離は、等しく、
前記第2方向において、前記第2ブラックマトリクス部と隣接する前記第1ブラックマトリクス部との間には、隣接する二つの前記第1ブラックマトリクス部の間の距離よりも大きい中心距離があり、
前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、隣接する二つの前記第1ブラックマトリクス部の間の距離は、徐々に大きくなる、
請求項5に記載の曲面表示パネル。
【請求項7】
隣接する二本の各前記データ線の間の距離は、等しく、
前記第2方向において、前記中線に隣接する二つの前記第1ブラックマトリクス部の間には、前記中線から前記中線を離れる方向において隣接する二つの前記第1ブラックマトリクス部の間の距離よりも大きい中心距離があり、
前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、隣接する二つの前記第1ブラックマトリクス部の間の距離は、徐々に大きくなる、
請求項3に記載の曲面表示パネル。
【請求項8】
少なくとも六本の前記第1データ線は、前記中心表示区域に位置し、
前記中線から前記中線を離れる方向において、前記第1所定距離は、等差数列に構成される、
請求項3に記載の曲面表示パネル。
【請求項9】
前記中心表示区域の背向する両側に位置するように前記中線に対して対称に設けられる非中心表示区域を、さらに含み、
前記非中心表示区域において、前記第1中心線と、これと対応する前記第2中心線との間には、前記第2方向において前記第1所定距離よりも大きい第2所定距離があり、
前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、前記第2所定距離は、徐々に小さくなる、
請求項3に記載の曲面表示パネル。
【請求項10】
前記中心表示区域及び前記非中心表示区域にて、前記中線から前記中線を離れる方向において、前記第1中心線と、これと対応する前記第2中心線との間の前記第2方向における距離は、等差数列に構成される、
請求項9に記載の曲面表示パネル。
【請求項11】
同時に前記中心表示区域及び前記非中心表示区域に位置する複数のサブ画素を含み、
前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、前記サブ画素の開口率は、等差数列に構成される、
請求項9に記載の曲面表示パネル。
【請求項12】
前記中心表示区域の背向する両側に位置するように前記中線に対して対称に設けられる非中心表示区域を、さらに含み、
前記非中心表示区域において、前記第1中心線と、これと対応する前記第2中心線との間には、前記第2方向において前記第1所定距離よりも大きい第2所定距離があり、
前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、前記第2所定距離は、不変である、
請求項3に記載の曲面表示パネル。
【請求項13】
前記中心表示区域に位置する複数の第1サブ画素と、
前記非中心表示区域に位置する複数の第2サブ画素と、を含み、
前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、前記第1サブ画素の開口率は、等差数列に構成され、前記第2サブ画素の開口率は、同一である、
請求項12に記載の曲面表示パネル。
【請求項14】
前記曲面表示パネルが湾曲する場合に、前記第1中心線と、これと対応する前記第2中心線との間の前記第2方向における距離は、ゼロである、
請求項3に記載の曲面表示パネル。
【請求項15】
複数のサブ画素を含む曲面表示パネルであって、
第1方向に沿って延在し、かつ第2方向に沿って配列される複数本のデータ線を含むアレイ基板であって、複数本の前記データ線が前記第1方向に沿って延在する第1中心線をそれぞれ有する複数本の第1データ線を含むアレイ基板と、
前記アレイ基板に対向して設けられ、前記第1方向に沿って延在する第2中心線をそれぞれ有する複数の第1ブラックマトリクス部を含むカラーフィルム基板であって、単一の前記第1ブラックマトリクス部がこれと対応する単一の前記第1データ線を覆うカラーフィルム基板と、をさらに含み、
前記曲面表示パネルは、前記第1方向に沿って延在する中線と、前記中線に対して対称に設けられる中心表示区域と、前記中心表示区域の背向する両側に位置するように前記中線に対して対称に設けられる非中心表示区域と、を有し、
少なくとも四本の前記第1データ線は、前記中心表示区域に位置するように前記中線に対して対称に設けられ、
前記曲面表示パネルが湾曲した場合に、前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、前記中心表示区域に位置する前記サブ画素の開口率は、徐々に大きくなり、隣接する二つの前記サブ画素の開口率の差は、2%以下であり、
前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、前記非中心表示区域に位置する前記サブ画素の開口率は、徐々に大きくなり、前記非中心表示区域及び前記中心表示区域において隣接するいずれかの二つの前記サブ画素の開口率の差は、いずれも2%以下で、
前記曲面表示パネルが湾曲しない場合に、前記中心表示区域において、前記第1中心線と、これと対応する前記第2中心線とは、前記第2方向において第1所定距離を有し、前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、前記第1所定距離は、徐々に小さくなる、
曲面表示パネル。
【請求項16】
請求項1に記載の前記曲面表示パネルを含む、
曲面表示装置。
【請求項17】
前記曲面表示パネルは、前記中心表示区域の背向する両側に位置するように前記中線に対して対称に設けられる非中心表示区域をさらに含み、
前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、前記非中心表示区域に位置する前記サブ画素の開口率は、徐々に大きくなり、前記非中心表示区域及び前記中心表示区域において隣接するいずれかの二つの前記サブ画素の開口率の差は、いずれも2%以下である、
請求項16に記載の曲面表示装置。
【請求項18】
前記曲面表示パネルは、
第1方向に沿って延在し、かつ第2方向に沿って配列される複数本のデータ線を含むアレイ基板であって、複数本の前記データ線が前記第1方向に沿って延在する第1中心線をそれぞれ有する複数本の第1データ線を含むアレイ基板と、
前記アレイ基板に対向して設けられ、前記第1方向に沿って延在する第2中心線をそれぞれ有する複数の第1ブラックマトリクス部を含むカラーフィルム基板であって、単一の前記第1ブラックマトリクス部がこれと対応する単一の前記第1データ線を覆うカラーフィルム基板と、をさらに含み、
前記中線は、前記第1方向に沿って延在し、少なくとも四本の前記第1データ線は、前記中心表示区域に位置するように前記中線に対して対称に設けられ、
前記曲面表示パネルが湾曲しない場合に、前記中心表示区域において、前記第1中心線と、これと対応する前記第2中心線とは、前記第2方向において第1所定距離を有し、前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、前記第1所定距離は、徐々に小さくなる、
請求項16に記載の曲面表示装置。
【請求項19】
少なくとも六本の前記第1データ線は、前記中心表示区域に位置し、
前記曲面表示パネルが湾曲しない場合に、前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、前記中心表示区域において隣接する二つの前記第1ブラックマトリクス部の間の距離は、徐々に大きくなる、
請求項18に記載の曲面表示装置。
【請求項20】
複数本の前記データ線は、前記第1方向に沿って延在し、かつ前記中線との間の前記第2方向における距離がゼロである第3中心線を有する第2データ線をさらに含み、
前記カラーフィルム基板は、前記第1方向に沿って延在し、かつ前記第3中心線との間の前記第2方向における距離がゼロである第4中心線を有する第2ブラックマトリクス部をさらに含む、
請求項18に記載の曲面表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示の技術分野に関し、具体的に、曲面表示パネル及び曲面表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、その軽量、薄型、省エネ、無放射などの利点により様々な表示デバイスに広く適用されている。一般的に、液晶表示パネルは、対向して設けられるアレイ基板及びカラーフィルム基板と、アレイ基板とカラーフィルム基板との間に挟まれる液晶と、を含み、アレイ基板及びカラーフィルム基板が支持されるように、アレイ基板とカラーフィルム基板との間にさらに支持柱が設けられ、カラーフィルム基板側にブラックマトリクスを塗布することで、光漏れやコントラスト比を改善する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
中大型の液晶表示パネル、例えば車載用の液晶表示パネルにおいて、データ線及びブラックマトリクスは中央に位置する。曲面ディスプレイを製造する際に、ディスプレイが湾曲したとき、アレイ基板の曲率とカラーフィルム基板の曲率が異なるため、ブラックマトリクスと金属配線との位置ずれが生じることで、ディスプレイに光漏れが生じ、コントラスト比に影響を及ぼし、表示装置の表示効果に大きく影響を及ぼす。従来の課題を解決するための技術手段として、液晶表示パネルは左右の二つの表示領域に区画され、左側表示領域において、ブラックマトリクスの中心線はデータ線の中心線よりも左側に位置し、右側表示領域において、ブラックマトリクスの中心線はデータ線の中心線よりも右側に位置する。当該技術手段によれば、光漏れやコントラスト比を有効に改善する。しかしながら、上記技術手段において、中心線に近接するサブ画素の開口率と中心線から離れるサブ画素の開口率との差が大きいため、パネルの中央には開口率激変領域が存在することで、パネルに画面分割現象が発生し、曲面表示パネルの表示効果が低下する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
曲面表示パネルに開口率激変領域が存在することによる画面分割の技術的課題を解決するために、本願によれば、曲面表示パネル及び曲面表示装置が提供される。
【0005】
本願の実施例によれば、複数のサブ画素を含む曲面表示パネルであって、
中線と、前記中線に対して対称に設けられる中心表示区域と、を有し、
前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、前記中心表示区域に位置する前記サブ画素の開口率は、徐々に大きくなり、隣接する二つの前記サブ画素の開口率の差は、2%以下である、
曲面表示パネルが提供される。
【0006】
好ましくは、本願の他の実施例において、前記曲面表示パネルは、
前記中心表示区域の背向する両側に位置するように前記中線に対して対称に設けられる非中心表示区域をさらに含み、
前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、前記非中心表示区域に位置する前記サブ画素の開口率は、徐々に大きくなり、前記非中心表示区域及び前記中心表示区域において隣接するいずれかの二つの前記サブ画素の開口率の差は、いずれも2%以下である。
【0007】
好ましくは、本願の他の実施例において、前記曲面表示パネルは、
第1方向に沿って延在し、かつ第2方向に沿って配列される複数本のデータ線を含むアレイ基板であって、複数本の前記データ線が前記第1方向に沿って延在する第1中心線をそれぞれ有する複数本の第1データ線を含むアレイ基板と、
前記アレイ基板に対向して設けられ、前記第1方向に沿って延在する第2中心線をそれぞれ有する複数の第1ブラックマトリクス部を含むカラーフィルム基板であって、単一の前記第1ブラックマトリクス部がこれと対応する単一の前記第1データ線を覆うカラーフィルム基板と、をさらに含み、
前記中線は、前記第1方向に沿って延在し、少なくとも四本の前記第1データ線は、前記中心表示区域に位置するように前記中線に対して対称に設けられ、
前記曲面表示パネルが湾曲しない場合に、前記中心表示区域において、前記第1中心線と、これと対応する前記第2中心線とは、前記第2方向において第1所定距離を有し、前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、前記第1所定距離は、徐々に小さくなる。
【0008】
好ましくは、本願の他の実施例において、少なくとも六本の前記第1データ線は、前記中心表示区域に位置し、
前記曲面表示パネルが湾曲しない場合に、前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、前記中心表示区域において隣接する二つの前記第1ブラックマトリクス部の間の距離は、徐々に大きくなる。
【0009】
好ましくは、本願の他の実施例において、複数本の前記データ線は、前記第1方向に沿って延在し、かつ前記中線との間の前記第2方向における距離がゼロである第3中心線を有する第2データ線をさらに含み、
前記カラーフィルム基板は、前記第1方向に沿って延在し、かつ前記第3中心線との間の前記第2方向における距離がゼロである第4中心線を有する第2ブラックマトリクス部をさらに含む。
【0010】
好ましくは、本願の他の実施例において、隣接する二本の各前記データ線の間の距離は、等しく、
前記第2方向において、前記第2ブラックマトリクス部と隣接する前記第1ブラックマトリクス部との間には、隣接する二つの前記第1ブラックマトリクス部の間の距離よりも大きい中心距離があり、
前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、隣接する二つの前記第1ブラックマトリクス部の間の距離は、徐々に大きくなる。
【0011】
好ましくは、本願の他の実施例において、隣接する二本の各前記データ線の間の距離は、等しく、
前記第2方向において、前記中線に隣接する二つの前記第1ブラックマトリクス部の間には、前記中線から前記中線を離れる方向において隣接する二つの前記第1ブラックマトリクス部の間の距離よりも大きい中心距離があり、
前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、隣接する二つの前記第1ブラックマトリクス部の間の距離は、徐々に大きくなる。
【0012】
好ましくは、本願の他の実施例において、少なくとも六本の前記第1データ線は、前記中心表示区域に位置し、
前記中線から前記中線を離れる方向において、前記第1所定距離は、等差数列に構成される。
【0013】
好ましくは、本願の他の実施例において、前記曲面表示パネルは、
前記中心表示区域の背向する両側に位置するように前記中線に対して対称に設けられる非中心表示区域を、さらに含み、
前記非中心表示区域において、前記第1中心線と、これと対応する前記第2中心線との間には、前記第2方向において前記第1所定距離よりも大きい第2所定距離があり、
前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、前記第2所定距離は、徐々に小さくなる。
【0014】
好ましくは、本願の他の実施例において、前記中心表示区域及び前記非中心表示区域にて、前記中線から前記中線を離れる方向において、前記第1中心線と、これと対応する前記第2中心線との間の前記第2方向における距離は、等差数列に構成される。
【0015】
好ましくは、本願の他の実施例において、前記曲面表示パネルは、
同時に前記中心表示区域及び前記非中心表示区域に位置する複数のサブ画素を含み、
前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、前記サブ画素の開口率は、等差数列に構成される。
【0016】
好ましくは、本願の他の実施例において、前記曲面表示パネルは、
前記中心表示区域の背向する両側に位置するように前記中線に対して対称に設けられる非中心表示区域を、さらに含み、
前記非中心表示区域において、前記第1中心線と、これと対応する前記第2中心線との間には、前記第2方向において前記第1所定距離よりも大きい第2所定距離があり、
前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、前記第2所定距離は、不変である。
【0017】
好ましくは、本願の他の実施例において、前記曲面表示パネルは、
前記中心表示区域に位置する複数の第1サブ画素と、
前記非中心表示区域に位置する複数の第2サブ画素と、を含み、
前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、前記第1サブ画素の開口率は、等差数列に構成され、前記第2サブ画素の開口率は、同一である。
【0018】
好ましくは、本願の他の実施例において、
前記曲面表示パネルが湾曲する場合に、前記第1中心線と、これと対応する前記第2中心線との間の前記第2方向における距離は、ゼロである。
【0019】
本願の他の実施例によれば、複数のサブ画素を含む曲面表示パネルであって、
第1方向に沿って延在し、かつ第2方向に沿って配列される複数本のデータ線を含むアレイ基板であって、複数本の前記データ線が前記第1方向に沿って延在する第1中心線をそれぞれ有する複数本の第1データ線を含むアレイ基板と、
前記アレイ基板に対向して設けられ、前記第1方向に沿って延在する第2中心線をそれぞれ有する複数の第1ブラックマトリクス部を含むカラーフィルム基板であって、単一の前記第1ブラックマトリクス部がこれと対応する単一の前記第1データ線を覆うカラーフィルム基板と、をさらに含み、
前記曲面表示パネルは、前記第1方向に沿って延在する中線と、前記中線に対して対称に設けられる中心表示区域と、前記中心表示区域の背向する両側に位置するように前記中線に対して対称に設けられる非中心表示区域と、を有し、
少なくとも四本の前記第1データ線は、前記中心表示区域に位置するように前記中線に対して対称に設けられ、
前記曲面表示パネルが湾曲した場合に、前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、前記中心表示区域に位置する前記サブ画素の開口率は、徐々に大きくなり、隣接する二つの前記サブ画素の開口率の差は、2%以下であり、
前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、前記非中心表示区域に位置する前記サブ画素の開口率は、徐々に大きくなり、前記非中心表示区域及び前記中心表示区域において隣接するいずれかの二つの前記サブ画素の開口率の差は、いずれも2%以下で、
前記曲面表示パネルが湾曲しない場合に、前記中心表示区域において、前記第1中心線と、これと対応する前記第2中心線とは、前記第2方向において第1所定距離を有し、前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、前記第1所定距離は、徐々に小さくなる、
曲面表示パネルがさらに提供される。
【0020】
本願の他の実施例によれば、曲面表示パネルを含む曲面表示装置であって、
前記曲面表示パネルは、
複数のサブ画素と、中線と、前記中線に対して対称に設けられる中心表示区域と、を含み、
前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、前記中心表示区域に位置する前記サブ画素の開口率は、徐々に大きくなり、隣接する二つの前記サブ画素の開口率の差は、2%以下である曲面表示装置をさらに提供される。
【0021】
好ましくは、本願の他の実施例において、前記曲面表示パネルは、
前記中心表示区域の背向する両側に位置するように前記中線に対して対称に設けられる非中心表示区域をさらに含み、
前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、前記非中心表示区域に位置する前記サブ画素の開口率は、徐々に大きくなり、前記非中心表示区域及び前記中心表示区域において隣接するいずれかの二つの前記サブ画素の開口率の差は、いずれも2%以下である。
【0022】
好ましくは、本願の他の実施例において、前記曲面表示パネルは、
第1方向に沿って延在し、かつ第2方向に沿って配列される複数本のデータ線を含むアレイ基板であって、複数本の前記データ線が前記第1方向に沿って延在する第1中心線をそれぞれ有する複数本の第1データ線を含むアレイ基板と、
前記アレイ基板に対向して設けられ、前記第1方向に沿って延在する第2中心線をそれぞれ有する複数の第1ブラックマトリクス部を含むカラーフィルム基板であって、単一の前記第1ブラックマトリクス部がこれと対応する単一の前記第1データ線を覆うカラーフィルム基板と、をさらに含み、
前記中線は、前記第1方向に沿って延在し、少なくとも四本の前記第1データ線は、前記中心表示区域に位置するように前記中線に対して対称に設けられ、
前記曲面表示パネルが湾曲しない場合に、前記中心表示区域において、前記第1中心線と、これと対応する前記第2中心線とは、前記第2方向において第1所定距離を有し、前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、前記第1所定距離は、徐々に小さくなる。
【0023】
好ましくは、本願の他の実施例において、少なくとも六本の前記第1データ線は、前記中心表示区域に位置し、
前記曲面表示パネルが湾曲しない場合に、前記中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、前記中心表示区域において隣接する二つの前記第1ブラックマトリクス部の間の距離は、徐々に大きくなる。
【0024】
好ましくは、本願の他の実施例において、複数本の前記データ線は、前記第1方向に沿って延在し、かつ前記中線との間の前記第2方向における距離がゼロである第3中心線を有する第2データ線をさらに含み、
前記カラーフィルム基板は、前記第1方向に沿って延在し、かつ前記第3中心線との間の前記第2方向における距離がゼロである第4中心線を有する第2ブラックマトリクス部をさらに含む。
【発明の効果】
【0025】
本願が提供する曲面表示パネルによれば、曲面表示パネルの中線から離れる側から中線に向かう方向において、曲面表示パネルの中心表示区域に位置するサブ画素の開口率は、徐々に大きくなり、隣接する二つのサブ画素の開口率の差は、2%以下である。本願では、上記のように設置することによって、中心表示区域に位置する隣接するサブ画素の開口率の差が小さくなることで、曲面表示パネルの画面分割確率が低下するため、曲面表示パネルの表示効果の向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本願の実施例の技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下に説明される図面は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0027】
図1】従来技術に係る曲面表示パネルが湾曲しない場合の断面構造概略図である。
図2】従来技術に係る曲面表示パネルが湾曲しない場合の平面構造概略図である。
図3図2に示す曲面表示パネルの異なる領域における画素開口率の変化概略図である。
図4】本願の第1実施例に係る曲面表示パネルが湾曲しない場合の断面構造概略図である。
図5】本願の第1実施例に係る曲面表示パネルが湾曲しない場合の平面構造概略図である。
図6図5に示す曲面表示パネルの異なる領域における画素開口率の変化概略図である。
図7】本願の第1実施例に係る曲面表示パネルが湾曲した場合の平面構造概略図である。
図8】本願の第1実施例に係る曲面表示パネルが湾曲した場合の断面構造概略図である。
図9】本願の第2実施例に係る曲面表示パネルが湾曲しない場合の断面構造概略図である。
図10】本願の第2実施例に係る曲面表示パネルが湾曲しない場合の平面構造概略図である。
図11】本願の第3実施例に係る曲面表示パネルが湾曲しない場合の断面構造概略図である。
図12】本願の第3実施例に係る曲面表示パネルが湾曲しない場合の平面構造概略図である。
図13図12に示す曲面表示パネルの異なる領域における画素開口率の変化概略図である。
図14】本願の第3実施例に係る曲面表示パネルが湾曲した場合の断面構造概略図である。
図15】本願の第4実施例に係る曲面表示パネルが湾曲しない場合の断面構造概略図である。
図16】本願の第4実施例に係る曲面表示パネルが湾曲しない場合の平面構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術手段を明確かつ完全に説明し、明らかに、説明される実施例は、本願の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で得られる他の全ての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属するものである。
【0029】
本願の実施例は、曲面表示パネル及び曲面表示装置を提供する。続いて、これらをそれぞれ詳しく説明する。以下の実施例の説明順番は、好ましい実施例の順番を限定するものではない。
【0030】
本願は、曲面表示パネルを提供する。前記曲面表示パネルは、複数のサブ画素を含み、中線と、中線に対して対称に設けられる中心表示区域と、を有し、中線から離れる側から中線に向かう方向において、中心表示区域に位置するサブ画素の開口率は、徐々に大きくなり、隣接する二つのサブ画素の開口率の差は、2%以下である。
【0031】
そのため、本願が提供する曲面表示パネルによれば、曲面表示パネルの中線から離れる側から中線に向かう方向において、曲面表示パネルの中心表示区域に位置するサブ画素の開口率は、徐々に大きくなり、隣接する二つのサブ画素の開口率の差は、2%以下である。本願では、上記のように設置することによって、中心表示区域に位置する隣接するサブ画素の開口率の差が小さくなることで、曲面表示パネルの画面分割確率が低下するため、曲面表示パネルの表示効果の向上に寄与する。
【0032】
図1から図3に示すように、従来技術に係る曲面表示パネル100′は、対向して設けられたアレイ基板10′と、カラーフィルム基板20′と、を含む。アレイ基板10′は、複数本のデータ線11′と、複数本の走査線12′と、を含む。複数本のデータ線11′は、第1方向Y′に沿って延在し、第2方向X′に沿って配列される。各データ線11′は、第1方向Y′に沿って延在する第1中心線11a′を有する。複数本の走査線12′は、第2方向X′に沿って延在し、第1方向Y′に沿って配列される。複数のサブ画素13′は、複数本のデータ線11′と複数本の走査線12′とが交差して形成される。カラーフィルム基板20′は、ブラックマトリクス21′を含む。ブラックマトリクス21′は、データ線11′及び走査線12′を覆う。ブラックマトリクス21′は、複数のブラックマトリクス部211′を含む。単一のブラックマトリクス部211′は、これと対応する単一のデータ線11′を覆う。各ブラックマトリクス部211′は、第1方向Y′に沿って延在する第2中心線21a′を有する。曲面表示パネル100′は、中線10a′を有する。中線10a′は、第1方向Y′に沿って延在する。曲面表示パネル100′が湾曲しない場合に、中線10a′から中線10a′を離れる方向において、第1中心線11a′と、これと対応する第2中心線21a′との第2方向X′における距離n′は、等しい。
【0033】
上記の曲面表示パネル100′において、中線10a′の位置に、第1中心線11a′と、これと対応する第2中心線21a′との第2方向X′における距離は、ゼロである。即ち、中線10a′の位置におけるブラックマトリクス部211′は、データ線11′に対してずれていない。中線10a′から中線10a′を離れる方向において、第1中心線11a′と、これと対応する第2中心線21a′との第2方向X′における距離n′は、等しい。即ち、ブラックマトリクス部211′のデータ線11′に対するずれ度合いは、等しい。
【0034】
ここで、サブ画素13′が位置する区域において、ブラックマトリクス21′に覆われていない区域が画素開口区域(図示省略)である。各サブ画素13′と対応する画素開口区域は、いずれも開口率を有する。複数のブラックマトリクス部211′の第1方向Y′における長さが等しい場合、隣接するサブ画素13′の画素開口率の大きさの関係は、隣接するブラックマトリクス部211′の間の距離の関係と同様である。
【0035】
図2に示すように、中線10a′が位置する箇所に位置するブラックマトリクス部211′と、隣接する二つのブラックマトリクス部211′との距離は、L0′であり、中線10a′から中線10a′を離れる方向において、隣接する二つの各ブラックマトリクス部211′の間の距離は、L1′であり、L0′>L1′である。中線10a′を曲面表示パネル100′の対称軸とし、中線10a′が位置する箇所に位置するブラックマトリクス部211′と、隣接する二つのブラックマトリクス部211′との間の区域は、中心表示区域10A′である。さらに、曲面表示パネル100′は、中心表示区域10A′の一方側に位置する左方表示区域10B′と、中心表示区域10A′の他方側に位置する右方表示区域10C′と、をさらに含む。
【0036】
図3に示すように、L0′>L1′であり、即ち、中心表示区域10A′におけるサブ画素13′の開口率は、左方表示区域10B′及び右方表示区域10C′におけるサブ画素13′の開口率よりも大きく、左方表示区域10B′と右方表示区域10C′におけるサブ画素13′の開口率はいずれも同一である。そのため、画素開口率が中心表示区域10A′にて激変する結果、パネルに画面分割現象が発生してしまい、曲面表示パネル100′の表示効果が大幅に低下する。
【0037】
従来技術に存在する上記技術的課題に対して、本願は曲面表示パネルを提供する。曲面表示パネルは、対向して設けられるアレイ基板と、カラーフィルム基板と、を含む。アレイ基板は、第1方向に沿って延在し、かつ第2方向に沿って配列される複数本のデータ線を含み、複数本のデータ線が第1方向に沿って延在する第1中心線をそれぞれ有する複数本の第1データ線を含む。カラーフィルム基板は、第1方向に沿って延在する第2中心線をそれぞれ有する複数の第1ブラックマトリクス部を含み、単一の第1ブラックマトリクス部がこれと対応する単一の第1データ線を覆う。中線は、第1方向に沿って延在し、少なくとも四本の第1データ線は、中心表示区域に位置するように中線に対して対称に設けられる。曲面表示パネルが湾曲しない場合に、中心表示区域において、第1中心線と、これと対応する第2中心線とは、第2方向において第1所定距離を有し、中線から離れる側から中線に向かう方向において、第1所定距離は、徐々に小さくなる。
【0038】
そのため、本願が提供する曲面表示パネルの中心表示区域において、曲面表示パネルが湾曲しない場合に、曲面表示パネルの中線から離れる側から前記中線に向かう方向において、第1データ線の中心線と第1ブラックマトリクス部の中心線との距離は、徐々に小さくなる。即ち、第1ブラックマトリクス部の第1データ線に対するずれ度合いが徐々に小さくなるため、中心表示区域の画素開口率が徐々に大きくなる。そのため、画素開口率を漸進的に変化させるように設計することにより、中心表示区域における曲面表示パネルの開口率の激変現象を防止することができ、曲面表示パネルの画面分割確率が低下し、曲面表示パネルの表示効果が向上する。
【0039】
続いて、具体的な実施例を用いて本願が提供する曲面表示パネルについて詳しく説明する。
【0040】
図4及び図5に示すように、本願の第1実施例は、曲面表示パネル100を提供する。曲面表示パネル100は、対向して設けられるアレイ基板10及びカラーフィルム基板20と、アレイ基板10とカラーフィルム基板20との間に設けられる液晶層(図示省略)と、を含む。
【0041】
アレイ基板10は、複数本のデータ線11と、複数本の走査線12と、を含む。複数本のデータ線11は、第1方向Yに沿って延在し、第2方向Xに沿って配列される。複数本のデータ線11は、複数本の第1データ線111を含む。各第1データ線111は、第1方向Yに沿って延在する第1中心線111aを有する。複数本の走査線12は、第2方向Xに沿って延在し、第1方向Yに沿って配列される。
【0042】
カラーフィルム基板20は、ブラックマトリクス21を含む。ブラックマトリクス21は、データ線11及び走査線12を覆う。ブラックマトリクス21は、複数の第1ブラックマトリクス部211を含む。単一の第1ブラックマトリクス部211は、これと対応する単一の第1データ線111を覆う。各第1ブラックマトリクス部211は、第1方向Yに沿って延在する第2中心線211aを有する。
【0043】
曲面表示パネル100は、中線10aを有する。中線10aは、第1方向Yに沿って延在する。ここで、中線10aは、曲面表示パネル100の中心軸である。曲面表示パネル100を応用する曲面ディスプレイについて、中線10aの位置は、曲面ディスプレイのディスプレイ中心線である。さらに、曲面表示パネル100が湾曲した場合、中線10aは、曲面表示パネル100の折曲線である。
【0044】
本実施例において、中心表示区域10Aに位置するデータ線11の数は、奇数である。複数本のデータ線11は、第2データ線112をさらに含む。第2データ線112は、第1方向Yに沿って延在する第3中心線112aを有する。第3中心線112aと中線10aとの第2方向Xにおける距離は、ゼロであり、平面視において、第3中心線112aと中線10aとが重なる。対応的に、ブラックマトリクス21は、第2ブラックマトリクス部212をさらに含む。第2ブラックマトリクス部212は、第1方向Yに沿って延在する第4中心線212aを有する。第4中心線212aと第3中心線112aとの第2方向Xにおける距離は、ゼロであり、平面視において、第4中心線212aと第3中心線112aとが重なる。即ち、中線10aの位置において、第2ブラックマトリクス部212は、第2データ線112に対してずれていない。
【0045】
さらに、曲面表示パネル100は、中心表示区域10Aと、中心表示区域10Aの背向する両側に位置するように中線10aに対して対称に設けられる非中心表示区域10Bと、を含む。ここで、中心表示区域10Aは、中線10aに対して対称である。曲面表示パネル100を応用する曲面ディスプレイについて、中心表示区域10Aは、曲面ディスプレイのディスプレイ中心領域である。中心表示区域10Aの一方側に位置する非中心表示区域10Bは、曲面ディスプレイの左方表示区域であり、中心表示区域10Aの他方側に位置する非中心表示区域10Bは、曲面ディスプレイの右方表示区域である。本実施例において、少なくとも四本の第1データ線111は、中心表示区域10Aに位置するように中線10aに対して対称に設けられる。
【0046】
曲面表示パネル100が湾曲しない場合に、中心表示区域10Aにおいて、第1中心線111aと、これと対応する第2中心線211aとは、第2方向Xにおいて第1所定距離を有する。図5に示すように、中線10aから離れる側から中線10aに向かう方向において、第1所定距離は、徐々に小さくなり、n1<n2<n3である。即ち、中心表示区域10Aの中線10aのいずれか一方側に位置する区域において、第1ブラックマトリクス部211は、第1データ線111に対して異なるずれ度合いを有する。具体的に、中線10aから離れる側から中線10aに向かう方向において、第1ブラックマトリクス部211の第1データ線111に対するずれ度合いは、徐々に小さくなる。
【0047】
さらに、少なくとも六本の第1データ線111は、中心表示区域10Aに位置する。中線10aから中線10aを離れる方向において、第1所定距離は、等差数列に構成され、即ち、(n2-n1)=(n3-n2)である。中心表示区域10Aに位置する第1データ線111の数は、パネルの解像度のニーズに基づいて設定することができ、本願においてこれに対して限定せず、第1データ線111の数が少なくとも四本であることを保証すれば、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0048】
本実施例において、複数のサブ画素13は、複数本のデータ線11と複数本の走査線12とが交差して形成される。サブ画素13が位置する区域において、ブラックマトリクス21に覆われない区域が画素開口区域(図示省略)である。各サブ画素13と対応する画素開口区域は、いずれも開口率を有する。サブ画素13は、中心表示区域10Aに位置する第1サブ画素131を含む。
【0049】
本実施例において、複数の第1ブラックマトリクス部211の第1方向Yにおける長さは、等しく、隣接する第1サブ画素131の画素開口率の大きさの関係は、隣接する第1ブラックマトリクス部211の間の距離の関係と反比例になる。具体的に、中線10aから離れる側から中線10aに向かう方向において、第1ブラックマトリクス部211の第1データ線111に対するずれ度合いが徐々に小さくなる場合、第1サブ画素131の開口率は、徐々に大きくなる。ここで、パネルの表示均一性を向上させ、隣接する第1サブ画素131の開口率の差が大きすぎることを防ぐため、隣接する二つの各第1サブ画素131の開口率は、いずれも2%以下であることを維持する。
【0050】
さらに、中線10aから離れる側から中線10aに向かう方向において、中心表示区域10Aに位置する第1サブ画素131の開口率は、等差数列に構成される。これにより、中心表示区域10Aにおいて表示輝度の滑らかな遷移を実現でき、パネルの中心表示区域10Aにおける輝度均一性の向上に寄与する。
【0051】
図5に示すように、本実施例において、隣接する二本の各データ線11の間の距離dは、等しい。第2方向において、第2ブラックマトリクス部212と、これと隣接する第1ブラックマトリクス部211との間には、中心距離L0がある。中心距離L0は、隣接する二つの第1ブラックマトリクス部211の間の距離よりも大きい。中線10aから離れる側から中線10aに向かう方向において、隣接する第1ブラックマトリクス部211の間の距離は、徐々に大きくなる。具体的に、中心表示区域10Aにおいて第1データ線111が六本ある場合、中線10aから中線10aを離れる方向において、隣接する二つの第1ブラックマトリクス部211の間の距離は、順にL1とL2となり、L0>L1>L2である。
【0052】
さらに、図6に示すように、中心表示区域10Aにおいて、中線10aから離れる側から中線10aに向かう方向において、第1サブ画素131の開口率は、徐々に大きくなり、従来技術の画素開口率の激変に比べて、画素開口率を漸進的に変化させるように設計することにより、開口率の激変現象を防止することができ、曲面表示パネル100の画面分割確率が顕著に低下し、曲面表示パネル100の表示効果が向上する。
【0053】
曲面表示パネル100が湾曲しない場合に、非中心表示区域10Bにおいて、第1中心線111aと、これと対応する第2中心線211aとの間には、第2方向Xにおける第2所定距離mがある。第2所定距離mは、第1所定距離よりも大きい。中線10aから離れる側から中線10aに向かう方向において、第2所定距離mは、不変である。即ち、本実施例の非中心表示区域10Bにおいて、第1ブラックマトリクス部211の第1データ線111に対するずれ度合いは、等しい。これに対応して、図6に示すように、第2サブ画素132の開口率は、同一である。
【0054】
そのため、本実施例において、曲面表示パネル100の中心表示区域10Aにおいて画素開口率を漸進的に変化させるように設計し、非中心表示区域10Bの画素開口率の一致を維持することにより、パネルの画面分割確率が低下するとともに、曲面表示パネル100の実用性が向上する。
【0055】
図7に示すように、曲面表示パネル100が湾曲した場合に、中線10aから離れる側から中線10aに向かう方向において、中心表示区域10Aの位置する第1サブ画素131の開口率は、徐々に大きくなり、隣接する二つの第1サブ画素131の開口率の差は、2%以下である。具体的に、前記差は、0.2%、0.5%、0.8%、1.0%、1.2%、1.5%、1.8%、または2%であってもよく、前記差の具体的な大きさは、実際の応用のニーズに合わせて設定することができ、本願はこれに対し限定しない。
【0056】
また、本実施例において、曲面表示パネル100が湾曲した場合に、非中心表示区域10Bに位置する第2サブ画素132の開口率は、同一である。
【0057】
さらに、曲面表示パネル100が湾曲した場合に、中心表示区域10A及び非中心表示区域10Bにおいて、第1中心線111aと、これと対応する第2中心線211aとの第2方向における距離は、ゼロである。即ち、曲面表示パネル100の全体において、第1ブラックマトリクス部211は、第1データ線111に対していずれもずれていない。図8に示すように、第1ブラックマトリクス部211と、これと対応する第1データ線111との間には、ずれがない。そのため、本実施例において、第1ブラックマトリクス部211と第1データ線111の間のずれによる光漏れの発生を防止し、曲面表示パネル100のコントラスト比が影響を受けないことを保証することができ、曲面表示パネル100の表示質の向上に寄与する。
【0058】
従って、本願の第1実施例が提供する曲面表示パネル100において、曲面表示パネル100が湾曲しない場合に、曲面表示パネル100の中線10aから離れる側から中線10aに向かう方向において、中心表示区域10Aに位置する第1データ線111の中心線と第1ブラックマトリクス部211の中心線の間の距離は、徐々に小さくなる。即ち、本願は、第1ブラックマトリクス部211の第1データ線111に対するずれ度合いを徐々に小さくすることで、中心表示区域10Aにおける画素開口率を徐々に大きくする。そのため、中心表示区域10Aにおいて画素開口率を漸進的に変化させるように設計することで、パネルのコントラスト比が影響を受けないことを保証するとともに、曲面表示パネル100の画面分割確率を低下させ、曲面表示パネル100の表示効果を大幅に向上させることができる。なお、本実施例において、非中心表示区域10Bにおける画素開口率が不変のため、曲面表示パネル100の実用性の向上に寄与する。
【0059】
図9及び図10に示すように、本願の第2実施例は、曲面表示パネル100を提供する。本願の第2実施例が提供する曲面表示パネル100と第1実施例とは以下の点で異なる。中心表示区域10Aに位置するデータ線11の数は、偶数であり、第2方向Xにおいて、中線10aと隣接する二つの第1ブラックマトリクス部211の間には、中心距離L0がある。中線10aから中線10aを離れる方向において、中心距離L0は、隣接する二つの第1ブラックマトリクス部211の間の距離よりも大きい。
【0060】
図11から図10に示すように、本願の第3実施例は、曲面表示パネル100を提供する。本願の第3実施例が提供する曲面表示パネル100と第1実施例とは以下の点で異なる。中線10aから離れる側から中線10aに向かう方向において、第2所定距離は、徐々に小さくなる。
【0061】
図12に示すように、m2>m1であり、即ち、本実施例の非中心表示区域10Bにおいて、第1ブラックマトリクス部211の第1データ線111に対するずれ度合いが異なる。具体的に、中線10aから離れる側から中線10aに向かう方向において、第1ブラックマトリクス部211の第1データ線111に対するずれ度合いは、徐々に小さくなる。これと対応して、図13に示すように、中線10aから離れる側から中線10aに向かう方向において、第2サブ画素132の開口率は、徐々に大きくなる。
【0062】
そのため、本実施例において、曲面表示パネル100の中心表示区域10A及び非中心表示区域10Bにおいて同時に画素開口率を漸進的に変化させるように設計することで、曲面表示パネル100の画面分割確率が顕著に低下し、曲面表示パネル100の表示効果が向上する。
【0063】
本実施例において、非中心表示区域10Bにて、中線10aから中線10aを離れる方向において、第2所定距離は、等差数列に構成される。さらに、中心表示区域10A及び非中心表示区域10Bにて、中線10aから中線10aを離れる方向において、第1中心線111aと、これと対応する第2中心線211aとの第2方向における距離は、等差数列に構成される。即ち、中線10aから中線10aを離れる方向において、隣接する第1ブラックマトリクス部211の隣接する第1データ線111に対するずれ度合いの変化値は等しく、中線10aから離れる側から中線10aに向かう方向において、隣接する各二つのサブ画素13の開口率の差は、等しい。上記のように設置することで、サブ画素13の開口率が規則的に変化し、曲面表示パネル100の輝度均一性の向上に寄与する。
【0064】
さらに、本実施例において、曲面表示パネル100が湾曲した場合、中線10aから離れる側から中線10aに向かう方向において、非中心表示区域10Bに位置する第2サブ画素132の開口率は、徐々に大きくなり、非中心表示区域10B及び中心表示区域10Aにおいて、隣接するいずれかの二つのサブ画素13の開口率の差は、いずれも2%以下である。上記のように設置することで、曲面表示パネル100の輝度均一性が向上する。
【0065】
図15及び図16に示すように、本願の第4実施例は、曲面表示パネル100を提供する。本願の第4実施例が提供する曲面表示パネル100と第3実施例とは以下の点で異なる。中心表示区域10Aに位置するデータ線11の数は、偶数であり、第2方向Xにおいて、中線10aと隣接する二つの第1ブラックマトリクス部211の間には、中心距離L0がある。中線10aから中線10aを離れる方向において、中心距離L0は、隣接する二つの第1ブラックマトリクス部211の間の距離よりも大きい。
【0066】
本願は、曲面表示装置をさらに提供する。前記曲面表示装置は、車載用表示器、テレビ又は商用表示製品などでもよい。ここで、前記曲面表示装置は、前述のいずれか一つの実施例の前記曲面表示パネル100を含む。曲面表示パネル100の具体的な構造は、前述の実施例の説明を参照し、詳細は省略する。
【0067】
以上、本願の実施例に係る曲面表示パネル及び曲面表示装置を詳しく説明した。本明細書において、具体例を用いて本願の原理及び実施形態について説明した。以上より実施例に対する説明は、本願の方法及びその主旨を理解させるためのものである。また、当業者であれば、本発明の思想に基づいて、具体的な実施形態及び応用範囲に対して変更を加えることができる。従って、本明細書の内容は、本出願を制限するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】