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特表2024-503950ディスプレイパネル、ディスプレイモジュール、および移動端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】ディスプレイパネル、ディスプレイモジュール、および移動端末
(51)【国際特許分類】
   H10K 59/38 20230101AFI20240123BHJP
   H10K 50/86 20230101ALI20240123BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240123BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
H10K59/38
H10K50/86
G09F9/30 365
G09F9/30 349C
G09F9/30 349B
G09F9/00 302
H10K50/86 865
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022534816
(86)(22)【出願日】2021-12-24
(85)【翻訳文提出日】2022-06-08
(86)【国際出願番号】 CN2021141054
(87)【国際公開番号】W WO2023115504
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】202111573343.3
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517333336
【氏名又は名称】武漢華星光電半導体顕示技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUHAN CHINA STAR OPTOELECTRONICS SEMICONDUCTOR DISOLAY TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】305 Room,Building C5 Biolake of Optics Valley,No.666 Gaoxin Avenue,.Wuhan East Lake High-tech Development Zone Wuhan,Hubei 430079 China
(74)【代理人】
【識別番号】100204386
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 啓
(72)【発明者】
【氏名】周 文君
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC32
3K107CC33
3K107CC43
3K107CC45
3K107EE22
3K107EE27
3K107FF14
3K107FF15
5C094AA43
5C094BA29
5C094CA19
5C094DA13
5C094ED03
5C094ED15
5C094FA01
5C094FA02
5C094FA03
5C094JA08
5C094JA09
5G435AA17
5G435BB05
5G435CC09
5G435GG12
5G435GG43
5G435KK10
5G435LL07
(57)【要約】
本願は、ディスプレイパネル、ディスプレイモジュール、および移動端末を開示しており、前記ディスプレイパネルは、基板と、発光デバイス層と、カラーフィルム層とを含み、基板は、ディスプレイパネルの切断面に近い側の第1境界を含み、ディスプレイパネルの上面視方向において、ディスプレイパネルにおける基板からカラーフィルム層への方向に沿ったフィルム層の切断面に近い側のフィルム層境界と第1境界との距離は徐々に増加し、切断面と基板との夾角は鈍角である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイパネルであって、
前記ディスプレイパネルの切断面に近い側の第1境界を含む基板と、
前記基板上に設置される発光デバイス層と、
前記発光デバイス層上に設置されるカラーフィルム層と、
を含み、
前記ディスプレイパネルの上面視方向において、前記ディスプレイパネルにおける前記基板から前記カラーフィルム層への方向に沿ったフィルム層の前記切断面に近い側のフィルム層境界と前記第1境界との距離は徐々に増加し、
前記切断面と前記基板との夾角は、鈍角である、
ディスプレイパネル。
【請求項2】
前記切断面と前記基板との夾角の範囲は、100°~120°である、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項3】
前記ディスプレイパネルは、複数層の有機層を含み、少なくとも1つの前記有機層の前記切断面に近い側には黒色材料が設置される、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項4】
前記ディスプレイパネルの前記複数層の有機層のうち、前記基板に近い側の前記有機層における前記黒色材料の質量は、前記基板から離れる側の前記有機層における前記黒色材料の質量よりも大きい、請求項3に記載のディスプレイパネル。
【請求項5】
前記カラーフィルム層は、遮光層と、前記遮光層内に埋め込まれた複数のカラーレジストユニットとを含み、前記遮光層は、前記ディスプレイパネルの切断面に近く設置された第1遮光部を含む、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項6】
前記第1遮光部は、前記切断面に近い側の第2境界を含み、前記第2境界から前記切断面までの距離は、0以上且つ150ミクロン以下である、請求項5に記載のディスプレイパネル。
【請求項7】
前記第2境界から前記切断面までの距離が0に等しいときに、前記第2境界と前記切断面とは、重なっている、請求項6に記載のディスプレイパネル。
【請求項8】
前記遮光層は、さらに前記切断面から離れる第2遮光部を含み、前記第2遮光部の厚さは、前記第1遮光部の厚さよりも大きい、請求項7に記載のディスプレイパネル。
【請求項9】
前記第2境界が前記切断面から離れて設置されるときに、前記第1遮光部の前記切断面に近い領域には第1切り欠きが設けられ、前記第1切り欠きは、前記切断面に対向する、請求項6に記載のディスプレイパネル。
【請求項10】
前記ディスプレイパネルは、さらに前記カラーフィルム層上に設置される第1平坦層を含み、前記第1平坦層は、前記カラーフィルム層を被覆し、前記第1平坦層の厚さは、第2遮光部の厚さ以下である、請求項9に記載のディスプレイパネル。
【請求項11】
ディスプレイパネルと、
前記ディスプレイパネル上に位置するカバープレート層と、
を備え、
前記ディスプレイパネルの前記カバープレート層における正投影は、前記カバープレート層内に位置し、
前記ディスプレイパネルは、
前記ディスプレイパネルの切断面に近い側の第1境界を含む基板と、
前記基板上に設置される発光デバイス層と、
前記発光デバイス層上に設置されるカラーフィルム層と、
を備え、
前記ディスプレイパネルの上面視方向において、前記ディスプレイパネルにおける前記基板から前記カラーフィルム層への方向に沿ったフィルム層の前記切断面に近い側のフィルム層境界と前記第1境界との距離は徐々に増加し、
前記切断面と前記基板との夾角は、鈍角である、
ディスプレイモジュール。
【請求項12】
前記切断面と前記基板との夾角の範囲は100°~120°である、請求項11に記載のディスプレイモジュール。
【請求項13】
前記ディスプレイパネルは、複数層の有機層を含み、少なくとも1つの前記有機層の前記切断面に近い側には黒色材料が設置される、請求項11に記載のディスプレイモジュール。
【請求項14】
前記ディスプレイパネルの前記複数層の有機層のうち、前記基板に近い側の前記有機層における前記黒色材料の質量は、前記基板から離れる側の前記有機層における前記黒色材料の質量よりも大きい、請求項13に記載のディスプレイモジュール。
【請求項15】
前記カラーフィルム層は、遮光層と、前記遮光層内に埋め込まれた複数のカラーレジストユニットとを含み、前記遮光層は、前記ディスプレイパネルの切断面に近く設置された第1遮光部を含む、請求項11に記載のディスプレイモジュール。
【請求項16】
前記第1遮光部は、前記切断面に近い側の第2境界を含み、前記第2境界から前記切断面までの距離は、0以上且つ150ミクロン以下である、請求項15に記載のディスプレイモジュール。
【請求項17】
前記第2境界から前記切断面までの距離が0に等しいときに、前記第2境界と前記切断面とは、重なっており、
前記遮光層は、さらに前記切断面から離れる第2遮光部を含み、前記第2遮光部の厚さは、前記第1遮光部の厚さよりも大きい、請求項16に記載のディスプレイモジュール。
【請求項18】
前記第2境界が前記切断面から離れて設置されるときに、前記第1遮光部の前記切断面に近い領域には第1切り欠きが設けられ、前記第1切り欠きは、前記切断面に対向する、請求項16に記載のディスプレイモジュール。
【請求項19】
前記ディスプレイパネルは、さらに前記カラーフィルム層上に設置される第1平坦層を含み、前記第1平坦層は、前記カラーフィルム層を被覆し、前記第1平坦層の厚さは、第2遮光部の厚さ以下である、請求項18に記載のディスプレイモジュール。
【請求項20】
端末本体と、
請求項11に記載のディスプレイモジュールと、を含み、前記端末本体と前記ディスプレイモジュールとは一体に組み合わせられる、移動端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示技術分野に関し、特にディスプレイパネル、ディスプレイモジュール、および移動端末に関する。
【背景技術】
【0002】
OLED(Organic Light-Emitting Diode、有機発光ダイオード)パネルは軽くて薄く、視野角が大きく、及び省電力等の長所を有するため、将来の発展の主流になる。
【0003】
従来のOLEDディスプレイパネルにおいて、ディスプレイパネルの厚さを減らすために、偏光板除去技術を採用してOLEDパネルを作製することができ、すなわちカラーレジスト層及びブラックマトリックス層によって従来の偏光板を置き換える。一方、パネル切断を行うときに、レーザを利用してディスプレイパネルの外周のブラックマトリックスを切断する必要があるため、レーザの高温によりブラックマトリックスの炭化を引き起こし、炭化後のカーボンダストがディスプレイパネルのエッジギャップ中に残存する可能性があり、ディスプレイパネルの清浄度に影響を与える。
【0004】
従って、上記技術的課題を解決するためのディスプレイパネルが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、ディスプレイパネル、ディスプレイモジュール、および移動端末を提供することにより、従来のディスプレイパネルのエッジギャップにカーボンダストが存在する技術的課題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は、ディスプレイパネルを提供し、それは、
前記ディスプレイパネルの切断面に近い側の第1境界を含む基板と、
前記基板上に設置される発光デバイス層と、
前記発光デバイス層上に設置されるカラーフィルム層と、を含み、
前記ディスプレイパネルの上面視方向において、前記ディスプレイパネルにおける前記基板から前記カラーフィルム層への方向に沿ったフィルム層の前記切断面に近い側のフィルム層境界と、前記第1境界との距離は徐々に増加し、前記切断面と前記基板との夾角は、鈍角である。
【0007】
本願のディスプレイパネルにおいて、前記切断面と前記基板との夾角の範囲は100°~120°である。
【0008】
本願のディスプレイパネルにおいて、前記ディスプレイパネルは複数層の有機層を含み、少なくとも1つの前記有機層の前記切断面に近い側には黒色材料が設置される。
【0009】
本願のディスプレイパネルにおいて、前記ディスプレイパネルの前記複数層の有機層のうち、前記基板に近い側の前記有機層における前記黒色材料の質量は、前記基板から離れる側の前記有機層における前記黒色材料の質量よりも大きい。
【0010】
本願のディスプレイパネルにおいて、前記カラーフィルム層は、遮光層と、前記遮光層内に埋め込まれた複数のカラーレジストユニットとを含み、前記遮光層は、前記ディスプレイパネルの切断面に近く設置された第1遮光部を含み、
前記第1遮光部は前記切断面に近い側の第2境界を含み、前記第2境界から前記切断面までの距離は、0以上且つ150ミクロン以下である。
【0011】
本願のディスプレイパネルにおいて、前記第2境界から前記切断面までの距離が0に等しいときに、前記第2境界と前記切断面とは重なっており、
前記遮光層は、さらに前記切断面から離れる第2遮光部を含み、前記第2遮光部の厚さは、前記第1遮光部の厚さよりも大きい。
【0012】
本願のディスプレイパネルにおいて、前記第2境界が前記切断面から離れて設置されるときに、前記第1遮光部の前記切断面に近い領域には第1切り欠きが設けられ、前記第1切り欠きは、前記切断面に対向する。
【0013】
本願のディスプレイパネルにおいて、前記ディスプレイパネルはさらに前記カラーフィルム層上に設置される第1平坦層を含み、前記第1平坦層は前記カラーフィルム層を被覆し、前記第1平坦層の厚さは第2遮光部の厚さ以下である。
【0014】
本願は、さらにディスプレイモジュールを提案し、前記ディスプレイモジュールは、前記ディスプレイパネルと、前記ディスプレイパネル上に位置するカバープレート層とを含み、
前記ディスプレイパネルの前記カバープレート層上での正投影は、前記カバープレート層内に位置する。
【0015】
本願は、さらに移動端末を提案し、前記移動端末は、端末本体と、前記ディスプレイモジュールとを含み、前記端末本体と前記ディスプレイモジュールとは一体に組み合わせられる。
【発明の効果】
【0016】
本願では、ディスプレイパネルのエッジの切断面をディスプレイパネルから離れる斜面として設置することにより、ディスプレイパネルの切断過程で生じたカーボンダストを基板に近い側に堆積させ、カーボンダストが基板に近い側に残存することを回避し、製品の清浄度を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】従来のディスプレイパネルの断面図である。
図2】従来のディスプレイパネルの異常領域の拡大図である。
図3】本願のディスプレイパネルを切断する模式図である。
図4図3における断面AAの第1種類の断面図である。
図5図4における一部のフィルム層の詳細構造図である。
図6】レーザ光のガウススポットの模式図である。
図7図3における断面AAの切断前の第1種類の断面図である。
図8図3における断面AAの第2種類の断面図である。
図9図3における断面AAの第3種類の断面図である。
図10図3における断面AAの切断前の第2種類の断面図である。
図11】本願のディスプレイモジュールの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本願の目的、技術的手段及び効果をより明確で明瞭にするために、以下、図面を参照しかつ実施例を挙げて本願をさらに詳細に説明する。理解すべきことは、ここで記述された具体的な実施例は、本願を解釈するものに過ぎず、本願を限定することに用いられるものではない。
【0019】
図1に参照されるように、図1は、従来のディスプレイパネルの切断後のフィルム層の構造図である。従来のOLEDディスプレイパネルにおいて、ディスプレイパネルの厚さを減らすために、偏光板除去技術を採用してOLEDパネルを作製することができ、すなわち、カラーレジスト層及びブラックマトリックス層によって従来の偏光板を代替する。製品の平坦性を保証するために、通常、カラーフィルム層上に第1平坦層をコーティングし、かつ、第1平坦層上に保護層を貼り合わせることでフィルム層を保護する。一方、パネル切断を行うときに、レーザ光Lの温度により切断面200に近い黒色遮光層71を炭化する可能性がある。同時に、第1保護層81と第1平坦層80との間の剥離力が比較的小さいため、炭化した黒色材料が第1保護層81と第1平坦層80との間の隙間に入り、ディスプレイパネルの清浄度に影響を与える。具体的に、図2に参照されるように、図における丸で囲んだ領域の構造は、図1における領域BBの黒色の不均一な物である。従って、本願は、ディスプレイパネルを提案することで、上記技術的課題を解決する。
【0020】
図3図11に参照されるように、本願は、ディスプレイパネル100を提供し、それは基板10と、発光デバイス層30と、カラーフィルム層70とを含んでもよい。発光デバイス層30は、基板10上に設置され、カラーフィルム層70は、発光デバイス層30上に設置され、基板10は、ディスプレイパネル100の切断面200に近い側の第1境界N1を含む。
【0021】
本実施例において、ディスプレイパネル200の上面視方向において、ディスプレイパネル200における基板10からカラーフィルム層70への方向に沿ったフィルム層の切断面200に近い側のフィルム層境界と第1境界N1との距離は、徐々に増加し、切断面200と基板10との夾角mは鈍角である。
【0022】
説明すべきことは、切断面200と基板10との夾角mは、図4における切断面200と基板10とで形成された実際の夾角であり、切断面200は、ディスプレイパネル100から離れる側へ傾斜する。
【0023】
本実施例において、切断面200と基板10との夾角mの範囲は100°~120°である。
【0024】
本願では、ディスプレイパネル100のエッジの切断面200をディスプレイパネル100から離れる斜面として設置することにより、ディスプレイパネル100の切断過程で生じたカーボンダストを基板10に近い側に堆積させ、カーボンダストが基板10に近い側に残存することを回避し、製品の清浄度を向上させる。
【0025】
以下では、具体的な実施例を組み合わせて本願の技術的手段を説明する。
【0026】
図3に参照されるように、図3における破線はターゲットパネルの切断線GGであり、切断線GGで囲んでいる形状はディスプレイパネル100の外周形状である。
【0027】
図4及び図5に参照されるように、図4は、図3における断面AAの第1種類の断面図であり、図5は、図4における一部のフィルム層の詳細構造図である。
【0028】
ディスプレイパネル100は、基板10上に設置された薄膜トランジスタアレイ層20と、薄膜トランジスタアレイ層20上に設置された画素定義層40と、画素定義層40と同じ層に設置された発光デバイス層30と、画素定義層40上に設置されたパッケージ層50と、パッケージ層50上に設置されたタッチ制御層60と、タッチ制御層60上に設置されたカラーフィルム層70と、カラーフィルム層70上に設置された第1平坦層80と、第1平坦層80上に設置された第1保護層81と、を含んでもよい。
【0029】
本実施例において、基板10の材料は、ガラス、石英又はポリイミド等の材料であってもよい。
【0030】
本実施例において、図5に参照されるように、薄膜トランジスタアレイ層20は、複数の薄膜トランジスタ21を含んでもよい。薄膜トランジスタ21は、エッチングストップ型、バックチャネルエッチング型であってもよく、又はゲート電極及び活性層の位置に応じてボトムゲート薄膜トランジスタ、トップゲート薄膜トランジスタ等の構造に区別されてもよく、具体的に制限されていない。例えば、図5に示される薄膜トランジスタ21はトップゲート型薄膜トランジスタであり、該薄膜トランジスタ21は、基板10上に設置された遮光金属層211と、遮光金属層211上に設置された緩衝層212と、緩衝層212上に設置された活性層213と、活性層213上に設置されたゲート絶縁層214と、ゲート絶縁層214上に設置されたゲート電極層215と、ゲート電極層215上に設置された層間絶縁層216と、層間絶縁層216上に設置されたソースドレイン電極層217と、ソースドレイン電極層217上に設置された第2平坦層218と、を含んでもよい。
【0031】
本実施例において、図5に参照されるように、ディスプレイパネル100は、さらに第2平坦層218上に設置された陽極層31と、陽極層31上に設置された発光層33と、発光層33上に設置された陰極層32と、を含んでもよい。陽極層31は、複数の陽極311を含み、画素定義層40は、複数の陽極311と1対1で対応する複数の画素開口を含み、且つ各画素開口は、対応して1つの陽極311の上表面を露出させる。発光層33は、複数の陽極311と1対1で対応する複数の発光画素を含んでもよい。
【0032】
本実施例において、図4に参照されるように、パッケージ層50は画素定義層40を被覆し、かつ複数の画素開口及び複数の発光画素を連続的に被覆する。ここで、パッケージ層50は、少なくとも画素定義層40上に積層して設置された第1無機パッケージ層と、第1有機パッケージ層と、第2無機パッケージ層とを含んでもよい。
【0033】
本実施例において、図4に参照されるように、タッチ制御層60は、パッケージ層50上に設置された第1タッチ制御金属層及び第2タッチ制御金属層と、第1タッチ制御金属層と第2タッチ制御金属層との間に設置された絶縁層と、を含んでもよい。
【0034】
本実施例において、本願の実施例により提供されたタッチ制御層60は、相互静電容量タイプ又は自己静電容量タイプであってもよい。
【0035】
本実施例において、図4に参照されるように、カラーフィルム層70は、タッチ制御層60上に設置されてもよい。カラーフィルム層70は、遮光層71と、遮光層71内に埋め込まれた複数の異なる色のカラーレジストユニット72とを含んでもよい。1つのカラーレジストユニット72は、1つの発光画素に対応し、カラーレジストユニット72の色は、対応する発光画素が発した光線と同じである。
【0036】
本実施例において、図4に参照されるように、発光層33は、第1色を発する第1発光画素331と、第2色を発する第2発光画素332と、第3色を発する第3発光画素333とを含む。カラーフィルム層70は、第1カラーレジストユニット721と、第2カラーレジストユニット722と、第3カラーレジストユニット723とを含む。第1発光画素331は、第1カラーレジストユニット721に対応し、第2発光画素332は、第2カラーレジストユニット722に対応し、第3発光画素333は、第3カラーレジストユニット723に対応する。
【0037】
本実施例において、第1発光画素331は赤色発光画素であり、第2発光画素332は緑色発光画素であり、第3発光画素333は青色発光画素であり、第1カラーレジストユニット721は赤色カラーレジストであり、第2カラーレジストユニット722は緑色カラーレジストであり、第3カラーレジストユニット723は青色カラーレジストである。
【0038】
本実施例において、第1発光画素331の第1カラーレジストユニット721上での正投影は第1カラーレジストユニット721内に位置し、第2発光画素332の第2カラーレジストユニット722上での正投影は第2カラーレジストユニット722内に位置し、第3発光画素333の第3カラーレジストユニット723上での正投影は第3カラーレジストユニット723内に位置する。
【0039】
本実施例において、第1平坦層80の材料は、第2平坦層218と同じ有機材料に設定されてもよい。
【0040】
本実施例において、第1保護層81の材料は、ポリエチレンテレフタレート等の可撓性材料であってもよい。
【0041】
本実施例において、ディスプレイパネル100は、さらにリアパネル90と、リアパネル90に貼り合わせた第2保護層91とを含んでもよく、リアパネル90は基板10の光出射方向から離れる側に設置され、第2保護膜はリアパネル90の光出射方向から離れる側に位置する。
【0042】
本実施例において、第2保護層91の作用は第1保護層81と同じであり、第2保護層91の材料は第1保護層81の材料と同じであってもよい。
【0043】
本実施例において、第1保護層81と第1平坦層80との間の剥離力は、1~4g/inchであり、第2保護層91とリアパネル90との間の剥離力は45~55g/inchである。
【0044】
本実施例において、第1保護層81及び第2保護層91は、第1平坦層80及び下方のその他のフィルム層構造を保護するように、ディスプレイパネル100の作製過程における中間生成物であり、製造プロセスの中間過程にのみ存在する。最終的な製品において、第1保護層81及び第2保護層91は剥離される。
【0045】
図4に参照されるように、ディスプレイパネル100は、表示領域300と、表示領域300の外周に位置する非表示領域400とを含んでもよく、同時に非表示領域400から離れる側には切断領域500と、切断により残された切断生成物600とが設けられる。
【0046】
ディスプレイパネル100の切断過程において、レーザ光Lを利用してディスプレイパネル100を切断する必要がある。例えば、図4に示される構造において、切断領域500の左側の生成物は、ターゲット製品であり、切断領域500の右側の生成物は、役に立たない切断生成物600である。
【0047】
本実施例において、レーザ光Lのスポットはガウススポットであるため、図6に示されるものに参照されるように、レーザ光Lは、中間部のエネルギーが高く、及び周囲のエネルギーが順に逓減する特性を有し、従って、レーザ光Lを利用して切断した後のフィルム層の断面は、三角形状を呈する可能性がある。
【0048】
本実施例において、レーザ光Lの高温作用により該有機材料が炭化し、且つ第1保護層81と第1平坦層80との間の剥離力が第2保護層91とリアパネル90との間の剥離力よりも小さい。このため、ディスプレイパネル100の光出射方向側から切断し始めれば、レーザ光Lによって生じたカーボンダストは、第1保護層81と第1平坦層80との間に残存する可能性がある。図4に参照されるように、本願では、レーザ光Lを利用してディスプレイパネル100のバックライト側から切断し始めることと、重力作用とを利用することにより、レーザ光Lによって発生するカーボンダストをディスプレイパネル100から離れる光出射側へ堆積させる。一方、第2保護層91とリアパネル90との間の剥離力が比較的大きいため、カーボンダストが切断面200の表面にのみ残存し、第2保護層91とリアパネル90との間に入ることがなく、かつ、重力作用又は後続のエッジクリーニングにより一部の残存カーボンダストを除去する。
【0049】
本実施例において、レーザ光Lを利用して切断した後のフィルム層の断面は正三角形状である。
【0050】
本願のディスプレイパネル100において、図4に参照されるように、基板10からカラーフィルム層70への方向において、ディスプレイパネル100の切断面200に近い側のフィルム層境界と第1境界N1との距離は徐々に増加し、すなわち基板10からカラーフィルム層70への方向において、各フィルム層のパターン化を考慮しない場合、ディスプレイパネル100におけるフィルム層の外周面積が徐々に増加する。
【0051】
本実施例において、レーザ光L自体の特性を除き、光出射方向に近い側のフィルム層は、比較的多くの有機材料、例えば第1平坦層80、カラーフィルム層70、画素定義層40等を有するため、レーザ光Lの高温作用により該有機材料が炭化し、パネルの清浄度に影響を与えるカーボンダストが発生する。従って、光出射方向に近い側のフィルム層の外周面積は、光出射方向から離れる側のフィルム層の外周面積よりも大きくてもよく、すなわち、光出射方向に近い側のフィルム層の境界と第1境界N1との距離は、光出射方向から離れる側のフィルム層の境界と第1境界N1との距離よりも小さい。すなわち、光出射側から離れるフィルム層を先に切断すると、比較的大きな開口を得られるだけでなく、重力作用を利用し、生じたカーボンダストが直接底部開口から落ちることにより、カーボンダストの堆積が回避される。一方、光出射側から切断し始めるという方法について、光出射方向に近い側のフィルム層は比較的多くの有機材料を有するため、生じたカーボンダストが切断の全過程に伴って発生してからようやく光出射側から離れて落ちることができる。それにより、フィルム層の表面に残存するカーボンダストは比較的多く、従って本願の技術的手段はカーボンダスト残存問題を根本的に解決することができる。
【0052】
切断過程において、レーザ光Lがディスプレイパネル100の発光方向に沿って移動することに伴って、ディスプレイパネル100の切断面200はレーザ光L自体の特性に影響されるため、切断面200は、所定の傾斜角度を有する1つの斜面になる。
【0053】
本実施例において、切断面200と基板10との夾角mの範囲は100°~120°であってもよく、該夾角mは切断面200と基板10との実際の夾角であってもよい。レーザ光L自体の特性により、それはレーザ光Lのエネルギーを制御することにより、切断面200と基板10との夾角mを可能な限り90°に近づけることができる。一方、現在のプロセス上の制限により、120°にしか達成できないが、後続では、エッジング又はその他の処理によりディスプレイパネル100の側辺と基板10との夾角を90°に近づけることができる。
【0054】
本願のディスプレイパネル100において、ディスプレイパネル100は複数層の有機層を含み、少なくとも1つの有機層の切断面200に近い側には黒色材料が設置される。
【0055】
本実施例において、ディスプレイパネル100において第1平坦層80、カラーフィルム層70、有機パッケージ層、画素定義層40等の有機層が含まれるため、レーザ光Lの高温により該有機材料が炭化する可能性がある。従って切断が完了した後、上記フィルム層のエッジ領域に炭化後のカーボンダストが残存する可能性がある。後続のエッジングプロセスにおいて、該カーボンダストは完全に除去することができず、従って切断面200上に残存する可能性がある。同時に、炭化後の有機層が有機層の側辺に付着すると、表示領域300における有機材料に対して所定の保護効果を果たすことができ、例えば水や酸素等を遮断する。
【0056】
本実施例において、生じたカーボンダストが重力作用によりディスプレイパネル100の光出射方向から離れる側に落ち、従って比較的多いカーボンダストは、ディスプレイパネル100光出射方向から離れる側に残存する可能性がある。すなわち、基板10に近い側の有機層上の黒色材料の質量は、基板から離れる側の有機層上の黒色材料の質量よりも大きい。
【0057】
本願のディスプレイパネル100において、遮光層71は、ディスプレイパネル100の切断面200に近い第1遮光部711を含み、第1遮光部711は、切断面200に近い側の第2境界N2を含み、第2境界N2と切断面200との距離は、0以上且つ150ミクロン以下である。
【0058】
図4に参照されるように、第2境界N2から切断面までの距離が0に等しいときに、第2境界N2と切断面とは重なっている。図7に参照されるように、図7は、図4におけるディスプレイパネル100が切断されていない時の断面図である。第1遮光部711は、非表示領域400から切断領域500に延伸し、レーザ光Lが切断時に第1遮光部711と直接接触し、両者で生じた黒色カーボンダストは、重力作用によってディスプレイパネル100の底部から落ちる。
【0059】
本願のディスプレイパネル100において、図8に参照されるように、遮光層71は、さらに切断面200から離れる第2遮光部712を含み、第2遮光部712の厚さは、第1遮光部711の厚さよりも大きくてもよい。
【0060】
本実施例において、遮光層71は、表示領域300内に設置される第2遮光部712と、非表示領域400内に設置される第1遮光部711とを含んでもよい。第1遮光部711は、切断面200に近く設置され、すなわちディスプレイパネル100が切断されるときに、第1遮光部711の境界と比較的高い温度を有するレーザ光Lとの距離は比較的小さいため、レーザ光Lにより第1遮光部711の境界を炭化する可能性がある。一方、本願では、第1遮光部711の厚さを減少させることにより、第1遮光部711が炭化された場合、カーボンダストの生成を減少させることができる。
【0061】
図4に基づいて、レーザ光Lの高温は有機材料に対して所定の炭化作用を有するため、本願では炭化する可能性がある遮光材料を切断領域500と分離して設置する。
【0062】
本願のディスプレイパネル100において、図9に参照されるように、ディスプレイパネル100は、さらにカラーフィルム層70上に設置される第1平坦層80を含み、第1平坦層80はカラーフィルム層70を被覆する。第1平坦層80は、第1遮光部711を被覆し、かつ、切断面200へ延伸してもよい。第1遮光部の第2境界N2は、切断面から離れて設置される。
【0063】
本実施例において、第2境界N2と切断面200との距離は150ミクロン以下である。
【0064】
図9に参照されるように、遮光層71のディスプレイパネル100の切断面200に近い領域には、さらに第1切り欠き710が設けられてもよく、第1切り欠き710は、切断面200に対向する。同時に、第1平坦層80の切断面200に近い領域には第2切り欠き810が設けられ、第2切り欠き810は切断面200に対向する。
【0065】
図9に参照されるように、カラーレジストユニット72と遮光層71との厚さは一致しないため、カラーフィルムの製造プロセスを完了した後、カラーフィルム層70の平坦度が比較的低い。このため、カラーフィルム層70上に第1平坦層80を設置する必要がある。同時に、第1平坦層80は、有機材料で構成されるため、レーザ光Lで切断するときに、平坦層の材料が同様に炭化されて黒色のカーボンダストを形成することができる。このため、第1平坦層80の切断面200に近い側に平坦層材料を設置することができない。
【0066】
図10に参照されるように、図10は、本願のディスプレイパネル100の切断前の断面AAの断面構造図である。遮光層71及び第1平坦層80のいずれも、切断線GGに近い側に刳り抜かれる。第1平坦層80及び遮光層71は、いずれもフォトレジスト型有機材料で構成することができるため、該刳り抜かれた領域はマスクプロセスによって形成することができる。例えば、露光及び現像プロセスによって、第1平坦層80と遮光層71との境界が切断線GGから離れるように第1平坦層80及び遮光層71のエッジに対して刳り抜き処理を行う。
【0067】
本実施例において、第2切り欠き810は第1切り欠き710に対応し、第2切り欠き810の面積は第1切り欠き710の面積以上であってもよい。それにより、第2切り欠き810の境界と切断面200との距離とをさらに増大させる。
【0068】
本願では、第1平坦層80の境界が切断面200から離れるように第1平坦層80の切断面200に近い領域に第2切り欠き810を形成することにより、すなわち第1平坦層80の境界が切断線GGから離れると、第1平坦層80を構成する有機材料がレーザ光Lの高温に炭化されることを回避する。
【0069】
本願のディスプレイパネル100において、図4に参照されるように、第1平坦層80の厚さは第2遮光部712の厚さ以下であってもよい。第1平坦層80は切断面200に近く設置されるため、第1平坦層80のレーザ光Lにより炭化される割合を回避するために、本願では、第1平坦層80の厚さを減少させることができる。
【0070】
本実施例において、第1平坦層80は主に凹凸である不均一なカラーフィルム層70の表面を平坦化するために用いられるため、第1平坦層80は、カラーフィルム層70の表面の平坦度のみを保証すればよく、すなわち、第1平坦層80の最小厚さは、カラーレジストユニット72と遮光層71との厚さの差であれば、遮光層71に対応する領域の厚さとカラーレジストユニット72に対応する領域の厚さが同じであることを保証する。
【0071】
本願は、さらにディスプレイモジュール700を提案し、図11に参照されるように、ディスプレイモジュール700は、上記ディスプレイパネル100と、ディスプレイパネル100上に位置するカバープレート層CGとを含み、ディスプレイパネル100のカバープレート層CG上での正投影はカバープレート層CG内に位置する。
【0072】
本実施例において、図4における構造に比べて、図11における構造は図4における第1保護層81及び第2保護層91を除去し、同時に、ディスプレイパネル100は光学接着剤によって第1平坦層80とカバープレート層CGとを貼り合わせることができる。
【0073】
本実施例において、カバープレート層CGは主に下方のパネル構造に対して保護効果を果たし、従ってディスプレイモジュール700の上面視方向において、カバープレート層CGの外境界はディスプレイパネル100の外境界よりも大きくなるべきである。
【0074】
本願は、さらに端末本体と、上記ディスプレイモジュールとを含む移動端末を提案し、端末本体とディスプレイモジュールとは一体に組み合わせられる。該端末本体は、ディスプレイモジュールにボンディングされた回路基板等のデバイス等であってもよい。移動端末は携帯電話、テレビ、ノートパソコン等の電子機器を含んでもよい。
【0075】
理解できるように、当業者であれば、本願の技術的手段及びその発明構想に応じて等価置換又は変更を行うことができ、それらのすべての変更又は置換は、いずれも本願の添付する請求の範囲の保護範囲に属すべきである。
【符号の説明】
【0076】
10 基板
20 薄膜トランジスタアレイ層
21 薄膜トランジスタ
30 発光デバイス層
31 陽極層
32 陰極層
33 発光層
40 画素定義層
50 パッケージ層
60 タッチ制御層
70 カラーフィルム層
71 遮光層
72 カラーレジストユニット
80 第1平坦層
81 第1保護層
90 リアパネル
91 第2保護層
100 ディスプレイパネル
200 切断面
211 遮光金属層
212 緩衝層
213 活性層
214 ゲート絶縁層
215 ゲート電極層
216 層間絶縁層
217 ソースドレイン電極層
218 第2平坦層
300 表示領域
311 陽極
331 第1発光画素
332 第2発光画素
333 第3発光画素
400 非表示領域
500 切断領域
600 切断生成物
700 ディスプレイモジュール
710 第1切欠き
711 第1遮光部
712 第2遮光部
721 第1カラーレジストユニット
722 第2カラーレジストユニット
723 第3カラーレジストユニット
810 第2切欠き
CG カバープレート層
GG 切断線
L レーザ光
N1 第1境界
N2 第2境界
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】