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特表2024-503969セルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法
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  • 特表-セルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】セルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/02 20090101AFI20240123BHJP
   H04W 52/24 20090101ALI20240123BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20240123BHJP
【FI】
H04W24/02
H04W52/24
H04W16/28 130
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528190
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2023-05-10
(86)【国際出願番号】 CN2022126961
(87)【国際公開番号】W WO2023124453
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111610897.6
(32)【優先日】2021-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】518371489
【氏名又は名称】南京郵電大学
【氏名又は名称原語表記】NANJING UNIVERSITY OF POSTS AND TELECOMMUNICATIONS
【住所又は居所原語表記】No.66 Xin Mofan Road, Gulou Nanjing, Jiangsu 210003 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】趙 海涛
(72)【発明者】
【氏名】倪 ▲イー▼洋
(72)【発明者】
【氏名】夏 文超
(72)【発明者】
【氏名】張 暉
(72)【発明者】
【氏名】朱 洪波
(72)【発明者】
【氏名】談 宇浩
(72)【発明者】
【氏名】劉 ▲クン▼
(72)【発明者】
【氏名】徐 林林
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA11
5K067AA43
5K067DD34
5K067DD44
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
本発明はセルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法を開示し、該方法は、被サーバ装置を選択し、コヒーレンス時間を決定するステップ1)と、基準信号を用いて装置の上りチャネル推定値を得るステップ2)と、装置の数に基づき電力の割り当て法則を決定し、該法則に従って各装置の送信電力を決定するステップ3)と、ビームフォーミング行列及びアクセスポイントのクラスタリング方式を同時に最適化するステップ4)と、時間Tholdが経過する毎に、送信電力の割り当て及びAPクラスタリングを改めて行うステップ5)とに従って行われる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法であって、具体的には、
被サービス装置を選択し、そのコヒーレンス時間が持続するシンボルの数τを決定するステップ1と、
被サービス装置の数Kに基づき、基準信号RSによってチャネル推定に使用されるτにおけるシンボルの数τを決定し、且つRSを用いて各被サービス装置の上りチャネル推定値
【数30】
を得るステップ2と、
被サービス装置の数Kに基づき電力の割り当ての法則を決定し、且つ該法則に基づき被サービス装置の送信電力を決定するステップ3と、
二重深層Q学習DDQLアルゴリズムを用いて、システム容量を最大化することを目標として、ビームフォーミング行列及びアクセスポイントAPのクラスタリング方式を同時に最適化するステップ4と、を含むことを特徴とするセルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法。
【請求項2】
ステップ3において、電力の割り当て法則は
【数31】
であり、pは被サービス装置kの送信電力を示し、Ik,MMSE及びIk,MRはそれぞれ最小平均二乗誤差MMSE処理及び最大比MR処理された後、装置kでの干渉状況を示し、Nk,noiseは被サービス装置kのノイズに関連するパラメータを示し、ζは可変パラメータであることを特徴とする請求項1に記載のセルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法。
【請求項3】
K≦Lの場合、電力の割り当て法則Ξを用い、K>Lの場合、電力の割り当て法則Ξを用い、LはシステムにおけるAPの数を示すことを特徴とする請求項2に記載のセルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法。
【請求項4】
ステップ4において、APクラスタリングとビームフォーミングの同時最適化の問題は
【数32】
として示され、
ここで、CはAPクラスタリング方式の集合Cにおける番号jのクラスタリング方式を示し、C={C,...,C}であり、j=1,2,L,Sであり、SはAPクラスタリング方式の数を示し、Wはビームフォーミング行列であり、その第k列要素からなるベクトルw=[w1k,...,wNk]であり、wnkは被サービス装置kとCにおける第n個のAPクラスタとの間のビームフォーミングパラメータを示し、
【数33】
はクラスタリング方式Cを用いるときに、被サービス装置kがAPと通信する時の信号対干渉雑音比SINRを示すことを特徴とする請求項1に記載のセルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法。
【請求項5】
APクラスタリングとビームフォーミングの同時最適化の問題に対する最適な解決策は、上りリンク伝送速度を最大化することができるAPクラスタリング方式
【数34】
及びそれに対応するビームフォーミング行列Wであることを特徴とする請求項4に記載のセルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法。
【請求項6】
【数35】
ここで、
【数36】
は、被サービス装置kとCにおける第n個のAPクラスタ中の第m個のAPとの間のチャネルゲインを示し、
【数37】
は、被サービス装置lとCにおける第n個のAPクラスタ中の第m個のAPとの間のチャネルゲインを示し、
【数38】
は、被サービス装置vとCにおける第n個のAPクラスタ中の第m個のAPとの間のチャネルゲインを示し、
【数39】
は、被サービス装置uとCにおける第n個のAPクラスタ中の第m個のAPとの間のチャネルゲインを示し、DはCにおける第n個のAPクラスタに含まれるAPの数を示すことを特徴とする請求項4に記載のセルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法。
【請求項7】
ステップ4において、二重深層Q学習DDQLアルゴリズムは、深層決定論的ポリシー勾配DDPG及び二重深層Q学習DDQLの2つのサブネットワークのトレーニングを含み、
状態空間sは、被サービス装置がAPと通信する時のSINRからなる行列であり、s=[s,...,s]であり、ここで、
【数40】
であり、行動空間a=(ω,C)であり、ここで、ωは表示DDPGの連続的な行動を示し、
DDQLアルゴリズムにおけるDDPGサブネットワークのトレーニングの反復ステップは以下のとおりであり、
ステップ4-1-1.目標Qネットワークを用いてQネットワークの時間的差分TD目標を計算し、
ステップ4-1-2.TD目標損失関数の最小平均二乗誤差の勾配を用いてクリティックパラメータを更新し、
ステップ4-1-3.勾配モンテカルロ推定を用いてアクターactorパラメータを更新し、
ステップ4-1-4.P回の反復ごとに、目標クリティックcritic及び目標ポリシーpolicyネットワークを一回更新し、
DDQLアルゴリズムにおけるDDQLサブネットワークのトレーニングの反復ステップは以下のとおりであり、
ステップ4-2-1.目標Qネットワークを用いて行動を選択し、すなわち
【数41】
であり、ここで、aは最適な行動であり、
【数42】
は目標Qネットワークのパラメータであり、
ステップ4-2-2.DDQLのQネットワークパラメータ
【数43】
を更新し、
ステップ4-2-3.P回の反復ごとに、目標Qネットワーク
【数44】
を一回更新することを特徴とする請求項4に記載のセルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法。
【請求項8】
ステップ4における同時最適化してクラスタリング方式を得ることに基づいてAPをクラスタリングし、且つ各APクラスタを1つの仮想APとして、1つの分散型アンテナシステムDASを構成することを特徴とする請求項1に記載のセルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法。
【請求項9】
基準信号によってデータ伝送に使用されるシンボルの数はτc-τpであることを特徴とする請求項1に記載のセルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は低電力消費多接続の技術に関し、特にセルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法に関し、無線通信の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
移動通信技術の発展に伴い、工業、農業及び交通運輸等の業界は装置通信の無線化、知能化の推進を加速している。それと同時に、移動通信サービス分野の継続的な展開により、ユーザー端末装置の数は急速に増加し、分布もより密集している。しかしながら、多数の移動装置のアクセスは移動通信システムの安全で安定した運転に大きな挑戦をもたらす。
【0003】
低電力消費多接続の技術は主に移動通信システムにおける情報収集類のサービス向けであり、以下の応用上の優位性を有する。先ず、低電力消費多接続の技術は、移動装置に高いカバレッジ、広接続、及び十分な安全性と信頼性を提供することができる。次に、低電力消費多接続の技術は装置に対して電力の割り当てを行うことで、装置通信中のエネルギー消費量を低減させ、それによりコストを低減させ、システム効率を向上させるという目標を達成する。セルフリー大規模MIMOは、高いスペクトル利用率及び高いエネルギー効率を提供できる新興の移動通信技術である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術における問題及び欠陥に対して、本発明は、セルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法を提供することを目的とする。該方法はシステムにおける干渉状況に基づき装置の送信電力の割り当てを行い、装置の電力消費を低減させ、且つAPクラスタリング及びビームフォーミング行列を動的に最適化し、システム容量を増加する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は以上の要点を実現するために、セルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法を提案し、その技術案として、具体的には、
K個の被サービス装置を選択し、そのコヒーレンス時間が持続するシンボルの数τを決定するステップ1と、
被サービス装置の数Kに基づき、基準信号(RS)によってチャネル推定に使用されるτにおけるシンボルの数τを決定し、且つRSを用いて各装置の上りチャネル推定値
【数1】
を得るステップ2と、
被サービス装置Kに基づき電力の割り当ての法則を決定し、且つ該法則に基づき被サービス装置の送信電力を決定し、その後、CPUは結果を各被サービス装置に送信するステップ3と、
二重深層Q学習(DDQL)アルゴリズムを用いて、システム容量を最大化することを目標として、ビームフォーミング行列及びアクセスポイント(AP)のクラスタリング方式を同時に最適化するステップ4と、
設定時間Tholdが経過する毎に、システムの内部条件の変化に基づき、送信電力の割り当て及びAPクラスタリングを改めて行うステップ5とを含む。
【0006】
本発明に記載のセルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法のより好適な手段として、ステップ2において、基準信号(RS)によってチャネル推定に使用されるシンボルの数はτであり、この場合、データ伝送に使用されるシンボルの数はτ-τである。
【0007】
本発明に記載のセルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法のより好適な手段として、ステップ3において、合計2つの電力の割り当て法則
【数2】
が定義され、2つの法則はいずれもシステムにおける干渉状況に基づき各被サービス装置の送信電力を決定する。
【数3】
に従って被サービス装置kの送信電力を決定し、
【数4】
に従って被サービス装置kの送信電力を決定する。ここで、pは被サービス装置kの送信電力を示す。Ik,MMSE及びIk,MRはそれぞれMMSE(最小平均二乗誤差)処理及びMR(最大比)処理された後、被サービス装置kでの干渉状況を示す。Nk,noiseは被サービス装置kのノイズに関連するパラメータを示し、ζは可変パラメータである。
【0008】
本発明に記載のセルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法のより好適な手段として、L個のAP及びK個の被サービス装置を有するシステムは、装置の数が少ない(K≦L)場合、電力の割り当て法則
【数5】
を用いて電力の割り当てを行い、装置の数が多い(K>L)場合、電力の割り当て法則
【数6】
を用いて電力の割り当てを行う。
【0009】
本発明に記載のセルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法のより好適な手段として、ステップ4において、APクラスタリングとビームフォーミングの同時最適化の問題は
【数7】
として示される。
【0010】
ここで、CはAPクラスタリング方式の集合Cにおける番号jのクラスタリング方式を示し、C={C,...,C}であり、j=1,2,…,Sであり、SはAPクラスタリング方式の数を示し、Wはビームフォーミング行列であり、その第k列要素からなるベクトルw=[w1k,...,wNk]であり、wnkは被サービス装置kとCにおける第n個のAPクラスタとの間のビームフォーミングパラメータを示し、
【数8】
はクラスタリング方式Cを用いるときに、被サービス装置kがAPと通信する時の信号対干渉雑音比(SINR)を示し、それは下記の式で決定される。
【数9】
【0011】
ここで、
【数10】
は、被サービス装置kとCにおける第n個のAPクラスタ中の第m個のAPとの間のチャネルゲインを示し、
【数11】
は、被サービス装置lとCにおける第n個のAPクラスタ中の第m個のAPとの間のチャネルゲインを示し、
【数12】
は、被サービス装置vとCにおける第n個のAPクラスタ中の第m個のAPとの間のチャネルゲインを示し、
【数13】
は、被サービス装置uとCにおける第n個のAPクラスタ中の第m個のAPとの間のチャネルゲインを示し、DはCにおける第n個のAPクラスタに含まれるAPの数を示す。
【0012】
本発明に記載のセルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法のより好適な手段として、APクラスタリングとビームフォーミングの同時最適化の問題に対する最適な解決策は、上りリンク伝送速度を最大化することができるAPクラスタリング方式
【数14】
及びそれに対応するビームフォーミング行列Wである。
【0013】
本発明に記載のセルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法のより好適な手段として、上記同時最適化の問題を解くための二重深層Q学習(DDQL)アルゴリズムは2つのサブネットワークのトレーニングを含み、すなわちDDPG(深層決定論的ポリシー勾配)ネットワーク及びDDQL(二重深層Q学習)ネットワークである。状態空間sは各被サービス装置がAPと通信する時のSINRからなる行列であり、
s=[s,...,s]と記され、ここで、
【数15】
であり、行動空間a=(ω,C)であり、ωは表示DDPGの連続的な行動を示す。
【0014】
本発明に記載のセルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法のより好適な手段として、DDQLアルゴリズムにおけるDDPGサブネットワークのトレーニングの反復ステップは以下のとおりであり、
ステップ4-1-1.目標Qネットワークを用いてQネットワークの時間的差分TD目標を計算し、
ステップ4-1-2.TD目標損失関数の最小平均二乗誤差の勾配を用いてクリティックパラメータを更新し、
ステップ4-1-3.勾配モンテカルロ推定を用いてアクターactorパラメータを更新し、
ステップ4-1-4.P回の反復ごとに、目標クリティックcritic及び目標ポリシーpolicyネットワークを一回更新する。
【0015】
本発明に記載のセルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法のより好適な手段として、DDQLアルゴリズムにおけるDDQLサブネットワークのトレーニングの反復ステップは以下のとおりであり、
ステップ4-2-1.目標Qネットワークを用いて行動を選択し、すなわち
【数16】
である。ここで、aは最適な行動であり、
【数17】
は目標Qネットワークのパラメータであり、
ステップ4-2-2.DDQLのQネットワークパラメータ
【数18】
を更新し、
ステップ4-2-3.P回の反復ごとに、目標Qネットワーク
【数19】
を一回更新する。
【0016】
本発明に記載のセルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法のより好適な手段として、ステップ4における同時最適化してクラスタリング方式を得ることに基づいてAPをクラスタリングし、且つ各APクラスタを1つの仮想APとして、1つの分散型アンテナシステムDASを構成する。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るセルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法は、以下の利点を有する。
【0018】
1.本方法は、一般的な状況でのセルフリー大規模MIMOシステムのシーンを多接続シーンに展開し、且つ装置の送信電力の割り当てと組み合わせることで、より多くの装置のアクセスを効果的にサポートし、装置通信のエネルギー消費量を顕著に低減させることができる。
【0019】
2.本方法は、AP動的クラスタリング機能を有するセルフリー大規模MIMOシステムを考慮し、チャネル状態に応じてAPクラスタリング方式とビームフォーミング行列の同時最適化を動的に行うことができ、システム容量を増加する。
【0020】
3.本方法は、多くの移動通信システム装置が接続されたシーンで、低電力消費、高速度、適応的な情報伝送を実現することができ、システムのリソース利用効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は本発明のセルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法の一実施例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下は具体的な実施例を参照しながら、本発明をさらに説明するが、これらの実施例が本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明を知った後、当業者が本発明に対して行う様々な等価的な修正はいずれも本願の特許請求の範囲に限定される範囲に属することを理解すべきである。
【0023】
本発明の実施例に係るセルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法は、セルフリー大規模MIMOシステムのシーンを多接続シーンに展開し、且つ装置の送信電力の割り当て及びAP動的クラスタリングと組み合わせることで、装置通信のエネルギー消費量を顕著に低減させ、且つシステム容量を増加する。
【0024】
図1は、本発明の実施例に係るセルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法のフローチャートを示しており、該方法は以下のステップを含む。
【0025】
ステップ101において、L個のAP及び1つのCPUからなる1つのセルフリー大規模MIMOシステムにおいて、複数のユーザー装置がある。K個の被サービス装置を選択し、そのコヒーレンス時間が持続するシンボルの数τを決定する。3GPPモデルに基づき、コヒーレンス時間T=1ms内に、合計τ=12×14=168個のシンボルを得ることができる。
【0026】
ステップ102において、被サービス装置の数Kに基づき、基準信号(RS)によってチャネル推定に使用されるτにおけるシンボルの数τを決定し、この場合、データ伝送に使用されるシンボルの数はτ-τである。ここで、τの値が最大でτの半分以下であることが規定される。また、基準信号RSを用いて装置iの上りチャネル推定値
【数20】
を得て、該推計値は各装置での干渉状況を推定することに用いられ、それにより、これに基づいて電力の割り当てを行う。
【0027】
ステップ103において、APの数L及び被サービス装置Kに基づき、装置の数が少ない(K≦L)場合、電力の割り当て法則
【数21】
を用いて電力の割り当てを行い、
【数22】
に従って被サービス装置kの送信電力を決定し、装置の数が多い(K>L)場合、電力の割り当て法則
【数23】
を用いて電力の割り当てを行い、
【数24】
に従って被サービス装置kの送信電力を決定する。本実施例では、可変パラメータζ=10とする。各装置の送信電力を決定した後、CPUは割り当て結果をすべての被サービス装置に送信し、被サービス装置kは割り当て結果に基づいて送信電力を調整する。
【0028】
ステップ104において、二重深層Q学習アルゴリズムを用いてAPクラスタリングとビームフォーミングの同時最適化の問題を解く。
【数25】
【0029】
DDPGサブネットワーク及びDDQLサブネットワークのトレーニングステップは以下のとおりである。
【0030】
ステップ104-1.目標Qネットワークを用いてQネットワークの時間的差分目標を計算し、TD目標損失関数の最小平均二乗誤差の勾配を用いてクリティックパラメータを更新し、且つ勾配モンテカルロ推定を用いてアクターパラメータを更新する。
【0031】
ステップ104-2.P回の反復ごとに、目標クリティック及び目標ポリシーネットワークを一回更新する。
【0032】
ステップ104-3.目標Qネットワークを用いて行動を選択し、すなわち
【数26】
であり、DDQLのQネットワークパラメータ
【数27】
を更新する。
【0033】
ステップ104-4.P回の反復ごとに、目標Qネットワーク
【数28】
を一回更新する。
【0034】
ステップ105、所定の時間Tholdが経過する毎に、送信電力の割り当て及びAPクラスタリングを改めて行う。
【0035】
APクラスタリングとビームフォーミングの同時最適化の問題に対する最適な解決策は、上りリンク伝送速度を最大化することができるAPクラスタリング方式
【数29】
及びそれに対応するビームフォーミング行列Wである。クラスタリング結果に基づいてAPをクラスタリングし、且つ各APクラスタを1つの仮想APとして、1つの分散型アンテナシステム(DAS)を構成する。
【0036】
本発明は、移動通信の関連する応用シーンに対して、セルフリー大規模MIMOネットワークの低電力消費多接続方法を提案する。装置の多接続の面では、セルフリー大規模MIMO技術と装置電力の割り当てを組み合わせることで、多数の端末装置の信頼可能なアクセスを実現し、低電力消費の面では、装置電力の割り当て方法を設計することで、その通信中のエネルギー消耗を低減させる。この他、装置と移動アクセスポイント(AP)との通信の効率のために、セルフリー大規模MIMOシステムにおけるAPの動的クラスタリングを考慮し、それにより装置の上り伝送速度をさらに向上させ、伝送のエネルギー消費量を低減させる。
【0037】
以上は、本発明の具体的な実施形態だけであるが、本発明の保護範囲はこれに限定されるものではなく、当業者であれば本発明に開示された技術的範囲内で、容易に想到し得る変更又は置換はいずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
【国際調査報告】