(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】処理設備及び工作物を処理する方法
(51)【国際特許分類】
B05B 13/02 20060101AFI20240123BHJP
B05C 13/02 20060101ALI20240123BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20240123BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
B05B13/02
B05C13/02
B65G1/00 501C
B65G1/137 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537660
(86)(22)【出願日】2021-12-03
(85)【翻訳文提出日】2023-06-20
(86)【国際出願番号】 DE2021100968
(87)【国際公開番号】W WO2022135629
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】102020216425.8
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504389784
【氏名又は名称】デュール システムズ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Durr Systems AG
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ハイスト
(72)【発明者】
【氏名】コリンナ マイアー
(72)【発明者】
【氏名】ディートマー ビーラント
(72)【発明者】
【氏名】ゼーレン ベーラー
【テーマコード(参考)】
3F022
3F522
4F035
4F042
【Fターム(参考)】
3F022AA05
3F022JJ11
3F022LL07
3F022MM11
3F522AA03
3F522JJ02
3F522KK05
4F035AA03
4F035CA02
4F035CA05
4F035CA08
4F035CB03
4F035CB12
4F035CB13
4F035CB14
4F035CB26
4F042AA09
4F042AB00
4F042BA08
4F042DA00
4F042DB00
4F042DC00
4F042DF05
4F042DF15
4F042DF18
4F042DF19
4F042DF22
4F042DF29
4F042DF34
4F042DG00
4F042ED04
4F042ED05
4F042ED09
4F042ED10
(57)【要約】
簡単に構築されており、かつフレキシブルに使用可能な、工作物を処理する処理設備を提供するために、処理設備が、それぞれ1つ又は複数の処理ステップを実施するためのそれぞれ1つ又は複数の処理ステーションを備えた複数の処理領域と、2つの処理ステップを実施する間において工作物を一時保管するための1つ又は複数の一時保管装置とを有することが、提案される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作物を処理するため、特に車両ボディをコーティングするための、処理設備(100)であって、前記処理設備(100)が以下のものを有する:
-それぞれ1つ又は複数の処理ステップを実施するためにそれぞれ1つ又は複数の処理ステーション(106)を備えた、複数の処理領域(104);及び
-2つの処理ステップを実施する間に工作物を一時保管するための、1つ又は複数の一時保管装置(118)、
を有する、処理設備。
【請求項2】
前記1つ又は複数の一時保管装置(118)が、2つの処理領域(104)の間に配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の処理設備(100)。
【請求項3】
前記処理設備(100)が、様々な高さ水準に、特に重ねて、配置された複数の処理平面(108)を有し、前記処理平面上に、前記処理領域(104)の前記処理ステーション(106)が配置されており、前記1つ又は複数の一時保管装置(118)が前記処理平面(108)の複数を次のように、すなわち前記処理平面(108)の1つの上の工作物が前記1つ又は複数の一時保管装置内へ積込み可能であり、かつ前記処理平面(108)の他のものの上で前記1つ又複数の一時保管装置(118)から積出し可能であるように、互いに結合する、ことを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の処理設備(100)。
【請求項4】
前記1つ又は複数の一時保管装置(108)が、それぞれ複数の積込みゲート(124)及び/又は複数の積出しゲート(126)を有している、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の処理設備(100)。
【請求項5】
前記積込みゲート(124)の2つ以上が、前記処理設備(100)の互いに異なる処理平面(108)上に配置されており、かつ/又は
前記積出しゲート(126)の2つ以上が、前記処理設備(100)の互いに異なる処理平面(108)上に配置されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の処理設備(100)。
【請求項6】
前記処理設備(100)が、様々な高さ水準に、特に重ねて、配置された複数の処理平面(108)を有し、前記処理平面上に前記処理領域(104)の前記処理ステーション(106)が配置されており、前記処理平面(108)の1つ又は複数の上にそれぞれ、前記1つ又は複数の一時保管装置(118)の1つ又は複数の積込みゲート(124)及び/又は前記1つ又は複数の一時保管装置(118)の1つ又は複数の積出しゲート(126)が配置されている、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の処理設備(100)。
【請求項7】
前記1つ又は複数の一時保管装置(118)がそれぞれ、それぞれの一時保管装置(118)の内部で前記工作物を移送するために保管移送設備(122)を有している、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の処理設備(100)。
【請求項8】
前記一時保管装置(118)の1つ又は複数の保管ゲート、特に積込みゲート(124)及び/又は積出しゲート(126)が、1つ又は複数の引き渡しステーション(128)を形成し、あるいは有し、あるいはそれに隣接し、前記1つ又は複数の引き渡しステーション(128)において、前記工作物が前記処理設備(100)の領域移送設備(114)から保管移送設備(122)へ、かつ/又は前記保管移送設備(122)から前記領域移送設備(114)へ引き渡し可能である、ことを特徴とする請求項7に記載の処理設備(100)。
【請求項9】
前記工作物が、工作物収容装置を用いて前記保管移送設備(122)上に収容可能であり、前記工作物収容装置が隣接する領域移送設備(114)の種類にしたがって選択的に、前記保管移送設備(122)から領域移送設備(114)へ引き渡し可能であり、あるいは前記それぞれの一時保管装置(118)の内部に残留する、ことを特徴とする請求項8に記載の処理設備(100)。
【請求項10】
前記保管移送設備(122)が、工作物移送の代わりに、あるいはそれに加えて、工作物を装填していない工作物収容装置、特にスキッドを、移送するため、特に戻し移送するために用いられる、ことを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の処理設備(100)。
【請求項11】
前記一時保管装置(118)の1つ又は複数が、様々な処理進捗状態にある工作物を一時保管するために用いられる、ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の処理設備(100)。
【請求項12】
前記一時保管装置(118)の1つ又は複数が、それぞれ複数の積込みゲート(124)を有し、前記積込みゲートにおいて様々な処理進捗状態にある工作物が、一時保管装置(118)内へ積み込み可能である、ことを特徴とする請求項11に記載の処理設備(100)。
【請求項13】
前記処理設備(100)が複数の一時保管装置(118)を有し、同一の処理進捗状態にある工作物が、選択的にこれら一時保管装置(118)の1つ又は複数内へ積み込み可能である、ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の処理設備(100)。
【請求項14】
工作物を処理する、特に車両ボディをコーティングする、方法であって、前記方法が以下のことを有する:
-工作物を複数の処理ステーション(106)内で処理し;
-2つの処理ステップの実施の間において1つ又は複数の一時保管装置(118)内に工作物を一時保管する、
工作物を処理する方法。
【請求項15】
特に様々な処理進捗状態にある、前記工作物が、複数回同一の一時保管装置(118)内に積み込まれる、ことを特徴とする請求14に記載の方法。
【請求項16】
前記工作物が、前記処理ステーション(106)が配置されている、互いに異なる処理平面(108)上で、前記1つ又は複数の一時保管装置(118)内へ積み込み可能であり、かつそこから積み出し可能である、ことを特徴とする請求項14又は15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記工作物が方向づけを維持しながら前記1つ又は複数の一時保管装置(118)内へ積み込まれ、前記1つ又は複数の一時保管装置(118)の内部で方向づけを維持しながら移送され、かつ/又は方向づけを維持しながら前記1つ又は複数の一時保管装置(118)から積み出される、ことを特徴とする請求項14から16のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作物を処理する処理設備、特に車両ボディをコーティングするためのコーティング設備に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明の課題は、簡単に構築されており、かつ工作物を処理するためにそれを効率的かつフレキシブルに利用することを可能にする、処理設備を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
この課題は、本発明によれば、独立した装置請求項の特徴によって解決される。
【0004】
工作物を処理する、特に車両ボディをコーティングする、処理設備は、好ましくは複数の処理領域を有しており、それらが、それぞれ1つ又は複数の処理ステップを実施するための、それぞれ1つ又は複数の処理ステーションを有している。
【0005】
さらに処理設備は、2つの処理ステップの間において工作物を一時保管するための、好ましくは1つ又は複数の一時保管装置を有している。
【0006】
一時保管装置は、特にハイラック保管部材である。
【0007】
工作物の処理又は処理するというのは、特に、工作物における前準備又は後準備措置の実施、工作物のコーティング、工作物の後加工、工作物又はその上に設けられたコーティングの乾燥、工作物に配置されたコーティングの硬化及び/又は工作物の管理である。
【0008】
処理は、特に手動又は自動で、特にロボットを用いて、行うことができる。
【0009】
従来の処理設備においては、一時保管装置は、たとえば処理設備の端縁領域に配置されている。それに対して、1つ又は複数の一時保管装置が2つの処理領域の間に配置されていると、効果的であり得る。
【0010】
特に、1つ又は複数の一時保管装置は、水平の方向に関して、かつ/又は垂直の方向に関して、2つの処理領域の間に配置することができる。
【0011】
さらに、1つ又は複数の一時保管装置は、特に水平の平面に関して、3つの側又は4つの側を処理領域によって包囲することができる。
【0012】
1つ又は複数の一時保管装置が、処理設備の、特に処理設備の処理平面の、1つ、2つ又は2つより多い平面上で、3つの側又は4つの側を処理領域によって包囲されていると、効果的であり得る。
【0013】
その場合に1つ又は複数の一時保管装置に、好ましくは工作物が1つ又は複数の一時保管装置の1つの側、又は複数の側、特に互いに対向する側で、供給可能である。
【0014】
その代わりに、あるいはそれに加えて、工作物は1つ又は複数の一時保管装置から、1つ又は複数の一時保管装置の1つの側、複数の側、特に互いに対向する側で、搬出することができる。
【0015】
処理設備が、様々な高さ水準に、特に重ねて、配置された複数の処理平面を有し、それらの上に処理領域の処理ステーションが配置されていると、効果的であり得る。
【0016】
1つ又は複数の一時保管装置が、複数の処理平面を好ましくは次のように、すなわち工作物が処理平面の1つの上で1つ又は複数の一時保管装置内へ積み込み可能であり、かつ処理平面の他のものの上で1つ又は複数の一時保管装置から積み出し可能であるように、互いに結合する。
【0017】
したがって1つ又は複数の一時保管装置は、好ましくは複数の処理領域、特に処理設備の互いに異なる処理平面上に配置されている処理領域を、互いに結合する。
【0018】
1つ又は複数の一時保管装置が、それぞれ複数の積込みゲート及び/又は複数の積出しゲートを有していると、効果的であり得る。
【0019】
積込みゲートは、特に1つ又は複数の工作物を積み込むために用いられる。
【0020】
積出しゲートは、特に1つ又は複数の工作物を積み出すために用いられる。
【0021】
一般化して、積込みゲートと積出しゲートは、以下では保管ゲートと称する。
【0022】
積込みゲートの2つ以上を、処理設備の互いに異なる処理平面上に配置することができる。
【0023】
その代わりに、あるいはそれに加えて、積込みゲートの2つ以上を、処理設備の互いに異なる処理平面上に配置することができる。
【0024】
さらに、1つ又は複数の、特にすべての積込みゲートを、処理設備の同一の処理平面上及び/又は同一の高さ水準に配置することができる。
【0025】
さらにその代わりに、あるいはそれに加えて、1つ又は複数の、特にすべての積出しゲートを同一の処理平面上、特に同一の高さ水準に配置することができる。
【0026】
処理設備が、様々な高さ水準に、特に重ねて、配置された複数の処理平面を有することができ、それらの上に処理領域の処理ステーションが配置されており、その場合に処理平面の1つ又は複数の上に、それぞれ1つ又は複数の一時保管装置の1つ又は複数の積込みゲートが、かつ/又は1つ又は複数の一時保管装置の1つ又は複数の積出しゲートが配置されている。それによって特に1つ又は複数の一時保管装置のきわめてフレキシブルな利用を得ることができる。というのは、工作物が好ましくは選択的に様々な高さ水準において一時保管装置内へ積み込み可能であり、かつ1つ又は複数の他の高さ水準、又は同一の高さ水準において1つ又は複数の一時保管装置から積み出し可能だからである。
【0027】
1つ又は複数の一時保管装置がそれぞれ、それぞれの一時保管装置の内部で工作物を移送するための保管移送設備を有していると、効果的であり得る。
【0028】
保管移送装置を用いて、工作物が好ましくは1つ又は複数の積込みゲートから1つ又は複数の積出しゲートへ移動可能であり、特に、積み出すべき工作物の積込みが行われた積込みゲートへ戻るようにも、移動可能である。
【0029】
積込みゲートは、選択的に、積込みのみに用いることができる。
【0030】
さらに積出しゲートは、選択的に、積出しのみに用いることができる。
【0031】
しかし好ましくは、1つ又は複数の一時保管装置のすべての保管ゲートは、積込みゲートでもあり、積出しゲートでもある。
【0032】
一時保管装置の1つ又は複数の保管ゲート、特に積込みゲート及び/又は積出しゲートは、好ましくは引き渡しステーションを形成し、その引き渡しステーションにおいて工作物が処理設備の領域移送設備から保管移送設備へ、かつ/又は保管移送設備から領域移送設備へ引き渡し可能である。
【0033】
特に引き渡しステーションは、好ましくは、工作物を第1の移送設備種類に基づく移送設備からそれとは異なる第2の移送設備種類の移送設備へ、たとえばスキッドコンベア及び/又はローラコンベアからレールコンベア又はAGV移送設備へ引き渡すために用いられる。その代わりに、あるいはそれに加えて、引き渡しステーションは工作物をレールコンベア又はAGV移送設備からスキッドコンベア及び/又はローラコンベアへ引き渡すために用いることができる。
【0034】
工作物が工作物収容装置を用いて保管移送設備上に収容可能であると、効果的であり得る。
【0035】
工作物収容装置は、好ましくは隣接する領域移送設備の種類にしたがって、選択的に、保管移送設備から領域移送設備へ引き渡し可能であり、あるいはそれぞれの一時保管装置内で保管可能である。したがって工作物収容装置は、特にそれぞれの一時保管装置の内部に留まることができ、あるいはまた工作物と共に積み込み及び積み出すことができる。
【0036】
たとえば、工作物収容装置として、いわゆるスキッド又はスキッドバーあるいはクロスバーを設けることができる。これらは、たとえば1つ又は複数の一時保管装置の内部に工作物を収容するために用いることができ、かつ、工作物が引き渡される領域移送設備がこの種の工作物収容装置を必要としない場合に、たとえば1つ又は複数の一時保管装置の内部に留まることができる。それに対して代替的に、このような場合において、それ以上必要とされない工作物収容装置を他のやり方で運び去ることができる。
【0037】
さらに、工作物は、工作物収容装置なしで1つ又は複数の一時保管装置の内部に収容可能、特に積み込み可能あるいは積み出し可能とすることができる。場合によってこの種の工作物収容装置を用いて積込みゲートへ移送された工作物は、その後特に引き渡しステーションにおいて工作物収容装置から分離されて、それぞれの工作物収容装置なしで1つ又は複数の一時保管装置内へ積み込まれる。その場合に引き渡しステーションに残留する工作物収容装置は、特に領域移送設備又は付加的な移送設備を用いて運び去られる。
【0038】
保管移送設備が、工作物移送の代わりに、あるいはそれに加えて、工作物が装填されていない工作物収容装置、特にスキッドの移送、特に戻し移送に用いられると、効果的であり得る。1つ又は複数の一時保管装置は、特にスキッド収集器及び/又はスキッド分配器として、特に工作物収容装置を新しい工作物と共に使用するために元へ戻すことを可能にするために、利用可能である。
【0039】
好ましくは1つ又は複数の一時保管装置は、様々な処理進捗状態にある工作物を一時保管するために用いられる。
【0040】
1つ又は複数の一時保管装置は、好ましくは可変に工作物を装填可能であって、特に工作物は好ましくはあらかじめ定められた位置において及び/又はあらかじめ定められた移送路に沿ってではなく、1つ又は複数の一時保管装置内へ積み込み可能であり、かつ/又はそれを通して移送可能である。
【0041】
好ましくは、工作物は必要に応じて、特に1つ又は複数の処理ステーション及び/又は処理領域におけるフル稼働状態及び/又は加工順序にしたがって、1つ又は複数の一時保管装置へ供給可能である。
【0042】
特に工作物は、様々な処理進捗状態において1つ又は複数の同一の一時保管装置内へ積み込み可能である。
【0043】
一時保管装置の1つ又は複数が、それぞれ複数の積込みゲートを有し、それらにおいて工作物が様々な処理進捗状態において一時保管装置内へ積み込み可能であると、効果的であり得る。
【0044】
さらに、1つ又は複数の一時保管装置が、それぞれ複数の積出しゲートを有することができ、それらにおいて工作物が様々な処理進捗状態においてそれぞれの一時保管装置から積み出すことができる。
【0045】
1つ又は複数の一時保管装置は、好ましくは分類保管部材として形成されており、あるいは分類保管部材として用いられる。
【0046】
好ましくは、1つ又は複数の一時保管装置は、複数の処理ステーション及び/又は処理領域の間で、工作物を一時保管及び/又は分類するために用いられる。
【0047】
処理設備は、好ましくは複数の一時保管装置を有しており、その場合に同一の処理進捗状態を有する工作物が選択的にこれら一時保管装置の1つ又は複数内へ積み込み可能である。好ましくはさらに、これら複数の一時保管装置に、様々な処理進捗状態にある工作物が供給可能であって、その場合に複数の一時保管装置内に好ましくは同時に、様々な処理進捗状態を有する工作物が積み込まれている。
【0048】
本発明は、さらに、工作物を処理する、特に工作物をコーティングする、方法に関する。
【0049】
これに関して本発明の課題は、簡単かつフレキシブルなやり方で工作物を処理することができる方法を提供することである。
【0050】
この課題は、本発明によれば、独立した方法請求項によって解決される。
【0051】
工作物を処理する、特に車両ボディをコーティングする方法は、好ましくは以下のことを有する:
複数の処理ステーション内で工作物を処理する;
2つの処理ステップを実施する間において、工作物を1つ又は複数の一時保管装置8内に一時保管する。
【0052】
方法は、好ましくは、処理設備に関連して記述した特徴及び/又は利点の1つ又は複数を有している。
【0053】
さらに好ましくは、処理設備は、方法に関連して記述した特徴及び/又は利点の1つ又は複数を有する。
【0054】
工作物、特に様々な処理進捗状態を有する工作物が、複数回同一の一時保管装置内へ積み込まれると、効果的であり得る。
【0055】
工作物が、処理ステーションが配置されている、互いに異なる処理平面上で、1つ又は複数の一時保管装置内へ積み込まれ、かつそれ又はそれらから積み出されると、効果的であり得る。
【0056】
その場合に特に、1つの処理平面上で工作物の積み込みを行い、かつこの工作物の積み出しを他の処理平面上で、特に処理領域内で次の処理ステップを実施するために、行うことができる。
【0057】
工作物が方向づけを維持しながら1つ又は複数の一時保管装置内へ積み込まれ、方向づけを維持しながら1つ又は複数の一時保管装置の内部で移送され、かつ/又は方向づけを維持しながら1つ又は複数の一時保管装置から積み出されると、効果的であり得る。それによって特に、大体において適切な回転方向のために高い空間需要を必要とする、工作物の回転を回避することができる。
【0058】
その場合に「方向づけを維持しながら」という概念は、好ましくは工作物の長手軸線が、1つ又は複数の一時保管装置内へ引き渡す間、1つ又は複数の一時保管装置の内部で移送する間、かつ/又は1つ又は複数の一時保管装置から放出する間、変化しないことを意味する。
【0059】
この場合に維持される、工作物の方向づけは、好ましくは全体としての処理設備の方向づけに対する工作物のグローバルな方向づけであり、特に移送設備のローカルな移送方向に関係しない。
【0060】
特に上述した処理設備及び/又は上述した方法をさらに最適化するために利用することができ、かつ/又は付け加えることができる、本発明の他の視点は、1つ又は複数の処理平面に加えて設けることができる、1つ又は複数の付加平面の使用に関する。
【0061】
したがって処理設備は、特に複数の処理領域を有しており、それらがそれぞれ、1つ又は複数の処理ステップを実施するための1つ又は複数の処理ステーションを有している。
【0062】
好ましくはさらに、様々な高さ水準に、特に重ねて、配置された複数の処理平面が設けられており、それらの上に処理領域の処理ステーションが配置されている。
【0063】
好ましくはさらに、処理領域を通して工作物を移送するための移送設備が設けられている。
【0064】
さらに、処理設備において、好ましくは、2つの処理ステップを実施する間に工作物を一時保管するための一時保管装置が設けられている。
【0065】
その場合に工作物は、様々な処理平面上で一時保管装置内へ積み込み可能であり、かつそれから積み出し可能である。それによって特に、様々な処理ステーション及び/又は処理領域へ工作物を供給するための平面オフセットを実現することができる。さらに、工作物を処理ステーションへ供給することができる、工作物のシーケンスが適合可能及び/又は変化可能である。
【0066】
一時保管装置は、特にハイラック保管部材である。
【0067】
好ましくは、一時保管装置が保管移送設備を有しており、それを用いて工作物が一時保管装置の内部の様々な保管平面上で、かつ/又は様々な平面、特に処理平面上で、処理設備へ移送可能である。
【0068】
処理設備は、好ましくは1つ又は複数の付加平面を有しており、その上に好ましくは処理ステーションは配置されておらず、あるいはその付加平面は、付加平面からでなく、付加平面の1つ又は複数の処理ステーションが対応づけられている処理領域の外部からアクセスできる、処理ステーションのみを有している。
【0069】
したがって、場合によっては付加平面内に配置されている処理領域は、好ましくは、処理平面の内部ではアクセスできない。
【0070】
工作物を積み込み、かつ/又は積み出すための一時保管装置が、処理設備の少なくとも1つの付加平面からアクセスできると、効果的であり得る。
【0071】
付加平面は、特に、処理設備の2つの処理平面の間の中間平面とすることができる。
【0072】
さらに付加平面は、たとえば、処理設備のすべての処理平面の上方の1番上の平面とすることもできる。
【0073】
少なくとも1つの付加平面は、特に積込み平面及び/又は積出し平面であって、それを用いて一時保管装置は、次のような場合、すなわち工作物がたとえばまず水平の方向において一時保管装置から離隔して処理平面上で処理され、かつこの処理平面の内部で容易に一時保管装置へ移送できない場合でも、工作物にとってアクセスできる。さらにこの種の付加平面は、特に1つ又は複数の処理平面上の1つ又は複数の積込みゲート及び/又は1つ又は複数の積出しゲートに加えて、より大きい数の積出しゲート及び/又は積出しゲートを可能にする。
【0074】
処理設備が1つ又は複数の平面、特に付加平面を有し、その上に処理設備の1つ又は複数の中間移送設備が配置されていると、効果的であり得る。
【0075】
1つ又は複数の中間移送設備は、好ましくは処理設備の垂直移送装置から一時保管装置へ、かつ/又は一時保管装置から垂直移送装置へ、工作物を処理せずに移送することのみに用いられる。
【0076】
中間移送設備は、たとえば、付加平面上に配置されているすべての処理ステーションを迂回して、一時保管装置を垂直移送装置と結合する。
【0077】
垂直移送装置は、好ましくは保管移送装置とは異なる、かつ/又は一時保管装置から離隔した、移送装置である。
【0078】
垂直移送装置を用いて、工作物は、好ましくは処理ステップの実施なしで移送可能である。
【0079】
好ましくは工作物は、垂直移送装置によって平面、特に処理平面又は付加平面から他の平面、特に付加平面又は処理平面へ移送可能である。その場合にこれらの平面は、特に直接互いに連続し、特に直接重なりあって、配置することができる。さらに、これらの平面の間に、1つ又は複数の他の平面を配置することができる。
【0080】
中間移送装置は、好ましくは固定の移送路を有し、その移送路からは、場合によっては付加平面上に配置されている、処理ステーションはアクセスできない。
【0081】
一時保管装置は、好ましくは、少なくとも1つの付加平面上に配置された1つ又は複数の積込みゲート及び/又は積出しゲートを有している。
【0082】
垂直移送装置が、工作物を平面の1つから平面の他の1つ又は複数へ移送するために、処理設備の2つ以上の平面を互いに結合すると、効果的であり得る。その場合に垂直移送装置は、好ましくは、処理設備の処理平面の1つ又は複数のみを、付加平面の1つ又は複数のみと結合する。
【0083】
特に、垂直移送装置は2つの引き渡しステーションのみを互いに結合することができ、その場合に1つの引き渡しステーションは処理平面上に、そして他の引き渡しステーションは付加平面上に配置されている。
【0084】
たとえば、垂直移送装置は、処理設備の処理平面の1つの上の処理設備のAGV移送設備を、中間移送設備と結合することができる。
【0085】
AGV移送設備は、特に、工作物が自走する無人の移送車両上で、すなわちいわゆる自動化された誘導車両(Automated Guided Vehicle)(AGV)上で、移送される、移送設備である。
【0086】
中間移送設備は、特にスキッドコンベア、ローラコンベア及び/又はクロスフィード又はレールコンベアである。
【0087】
処理設備のAGV移送設備は、特にゼロレベル上、特に処理設備を包囲するホールのホール床上に配置され、かつ/又は形成されている。
【0088】
ゼロレベルの上方において、処理設備の移送設備は、好ましくは他の移送設備種類のみを有する。
【0089】
たとえば、中間移送設備は、ローラコンベアであり、あるいはローラコンベアを有する。
【0090】
特に付加平面上に複数の積込みゲート及び/又は複数の積出しゲートが配置されている場合に、中間移送設備は、特に積込みゲート及び/又は積出しゲートを、たとえばローラコンベアとして形成されている、中間移送設備のコンベアと接続するために、1つ又は複数のクロスフィードを有することができる。
【0091】
処理設備が1つ又は複数の引き渡しステーションを有しており、それを用いて、特に工作物を収容するための工作物収容装置、たとえばスキッドの引き渡しなしで、工作物が中間移送設備へ引き渡し可能であり、あるいは中間移送設備から放出可能であると、効果的であり得る。
【0092】
上述した処理設備は、特に工作物を処理する方法を実施するのに適している。
【0093】
上で挙げた本発明の視点によれば、この種の方法は以下のことを有する:
処理設備の処理ステーション内で工作物において処理ステップを実施し;かつ
工作物を、処理ステーションが配置されている、様々な処理平面上へ移送し;かつ
2つの処理ステップを実施する間に、工作物を一時保管装置内に一時保管する。
【0094】
工作物は、好ましくは様々な処理平面上で一時保管装置内へ積み込まれ、かつそこから積み出される。特に1つの処理平面内で積込みを、そして他の処理平面内で積出しを行うことができる。
【0095】
好ましくは工作物は、複数の処理平面内で一時保管装置内へ積み込み、かつ/又は複数の処理平面内で一時保管装置から積み出すことができる。
【0096】
工作物は、好ましくは処理平面の1つの上で処理ステップを実施した後に、他の処理平面又は付加平面へ移送されて、そこで一時保管装置内へ積み込まれ、その場合に特にこの他の処理平面又はこの付加平面上で処理ステップは実施されない。
【0097】
工作物が1つの平面、特に処理平面又は付加平面上で処理ステップを実施するために、一時保管装置から積み出され、その場合に工作物がその後、好ましくは処理ステップを実施するために他の平面、特に処理平面上へ移送され、その場合に一時保管装置からの工作物の積出しが行われる平面、特に処理平面又は付加平面上で処理ステップが実施されないと、好ましい場合がある。
【0098】
一時保管装置に依存しない、1つの平面から他の平面への工作物の移送は、特に垂直移送装置を用いて、たとえば付加リフトを用いて、行われる。
【0099】
工作物を一時保管装置から積み出し、付加平面の、一時保管装置から離隔した位置へ水平に移動させ、最終的に他の平面、特に処理平面上の領域移送設備へ引き渡すために、中間移送設備と垂直移送装置を用いて、たとえば移送接続が形成され、あるいは形成可能である。この領域移送設備は、特にAGV移送設備である。付属の処理領域は、特に、たとえば前準備又は後準備措置及び/又はコーティングステップ及び/又は密閉ステップを実施するための、個々の走着可能かつ/又は個々の装填可能な処理ボックスが設けられている、処理領域である。
【0100】
前準備する措置として、たとえば栓を取りつけることができ、駆動補助手段を取りつけ及び/又は取り外すことができ、マスキングを取りつけ及び/又は除去することができ、かつ/又は工作物、特に未加工ボディにおいて追加改良が実施可能である。
【0101】
後準備する措置として、たとえば駆動補助手段が取りつけ可能かつ/又は取り外し可能、マスキングが取りつけ可能かつ/又は除去可能かつ/又はコーティングにおける追加改良が実施可能である。
【0102】
駆動補助手段は、特にボディ部分ホルダ、好ましくはドアオープンホルダ、ボンネットオープンホルダなどである。
【0103】
マスキングは、工作物における欠陥箇所を後加工する場合に、正しく処理されている工作物領域を保護するための、特にローカルなカバーである。
【0104】
中間移送設備と垂直移送設備、特に他の中間移送設備と他の垂直移送設備を用いて、たとえば処理設備の乾燥器から導出された工作物を他の平面、特に処理平面又は付加平面へ移送し、この処理平面又は付加平面内で水平に一時保管装置へ移送し、かつ一時保管装置内へ積み込むために、たとえば移送結合を形成することができ、あるいは形成可能とすることができる。乾燥器内で工作物を移送するための領域コンベアは、特にローラコンベア又はサスペンションチェーンコンベアである。その場合に中間移送設備は、特にローラコンベア又はサスペンションチェーンコンベアである。
【0105】
本発明の他の好ましい特徴及び/又は利点が、実施例についての以下の説明と図面表示の対象である。
【0106】
図面において:
【図面の簡単な説明】
【0107】
【
図1】
図1は、工作物を処理するための処理設備の第1の処理平面を示している。
【
図2】
図2は、処理設備の第1の付加平面を示している。
【
図3】
図3は、処理設備の第2の処理平面を示している。
【
図4】
図4は、処理設備の第2の付加平面を示している。
【発明を実施するための形態】
【0108】
すべての図において、同一又は機能的に等しい部材には、同一の参照符号が設けられている。
【0109】
図1から4に示す、全体を符号100で示す処理設備の実施形態は、工作物を処理するため、特に車両ボディを塗装するために、用いられる。
【0110】
したがって処理設備100は、特に塗装設備である。
【0111】
処理設備100は、複数の平面102を有し、それらの平面は処理設備100のコンポーネントを収容するため、特に処理領域104を収容するために用いられ、それらの処理領域がそれぞれ1つ又は複数の処理ステーション106を有している。
【0112】
図1から4に示す実施形態において、2つの平面102が処理平面108として形成されている。
【0113】
これらの処理平面108上に、処理ステーション106の大部分又はすべてが配置されている。
【0114】
付加的に、付加平面110として形成された、処理設備100の2つの平面102が設けられている。
【0115】
処理すべき工作物は移送設備112によって、平面102を通り、かつ平面をまたいで処理設備100へ移送される。
【0116】
そのために移送設備112は、種々の移送設備セクションを有している。
【0117】
その場合に各移送設備セクションは、特別な移送目的のために用いられ、かつ/又は特別な移送設備種類として形成されている。
【0118】
たとえば、各処理領域104に、領域移送設備114が対応づけられている。
【0119】
図1に示す第1の処理平面108内では、たとえばAGV移送設備116によって工作物の移送が行われ、そのAGV移送設備において工作物は、自由に走行する、特に自律的に走行する、移送車両を用いて移送される。
【0120】
その場合にAGV移送設備116は、個々の処理領域104内に、あるいは複数の処理領域にまたがって設けることもできる。
【0121】
図1に示す実施形態において、AGV移送設備116は、複数の処理領域104内での工作物の移送に用いられる。
【0122】
図1からさらに明らかなように、処理設備100は一時保管装置118を有しており、その一時保管装置は特にハイラック保管部材120として形成されている。
【0123】
一時保管装置118は、保管移送設備122を有しており、それを用いて工作物が一時保管装置118の内部の保管場所から、そしてそこへ、移送可能である。
【0124】
さらに保管移送設備122は、一時保管装置118の積込みゲート124において工作物を収容するため、かつ/又は一時保管装置118の積出しゲート126において工作物を放出するために用いられる。
【0125】
特に引き渡し領域に、たとえば積込みゲート124及び/又は積出しゲート126に、処理設備100の引き渡しステーション128が設けられている。
【0126】
引き渡しステーション128は、特に、工作物を第1の移送設備種類の移送設備から同じ移送設備種類の、あるいは他の移送設備種類の移送設備へ引き渡すことを可能にする。
【0127】
図1からさらに明らかなように、一時保管装置118は、たとえば複数のセクション又は領域を有しており、それらは結合箇所130によって互いに結合されており、あるいは結合可能である。
【0128】
したがって一時保管装置118は、特に一時保管装置118の種々の領域又はセクションの内部で工作物の交換又は引き渡しを可能にする。
【0129】
積み込まれた工作物は、それによって特にフレキシブルに様々な積出しゲートへ移送可能である。
【0130】
好ましくは一時保管装置118は、処理設備100の他の平面102への工作物の引き渡しに用いられる。
【0131】
その場合に保管移送設備122を用いて、たとえば、第2の処理平面108(
図3を参照)内で処理された工作物(これらの工作物はこの第2の処理平面108内で一時保管装置118へ供給される)は、第1の処理平面108内で工作物の処理を続行するために、この第1の処理平面(108(
図1を参照))へ移送可能である。
【0132】
処理領域104は、特に
図3から明らかなように、一時保管装置118のまわりに配置されている。
【0133】
特に一時保管装置118は、好ましくは、少なくとも水平の方向に関して、かつ平面102の少なくとも1つに関して、2つの処理領域104の間に配置されている。
【0134】
一時保管装置118は、それによって特に簡単に処理設備100内へ統合可能であり、かつ複数の箇所において簡単かつフレキシブルに接近可能であり、それによって工作物は必要に応じて一時保管装置118内へ積み込み、かつそれから積み出すことができる。
【0135】
特に、2つの処理平面108を示す、
図1から3において明らかなように、各処理平面108上に複数の積込みゲート124及び/又は積出しゲート126が設けられている。これらの積込み(出し)ゲート124、126の数は、保管移送設備122の設計と共に、一時保管装置118がどのような積込み容量、積出し容量、積込み速度及び/又は積出し速度を有しているかを、決定する。
【0136】
処理領域104の形態と配置にしたがって、平面102上に存在する保管ゲート124、126の数が不十分な場合がある。
【0137】
したがって好ましくは、1つ又は複数の付加平面110を、一時保管装置118へのアクセス用に他の保管ゲート124、126を提供するために利用することができる。
【0138】
特に
図2と4内の2つの付加平面110から明らかなように、処理設備100はそのために1つ又は複数の垂直移送装置132を有しており、それらが2つ又はそれより多い平面102を互いに結合する。
【0139】
そのようにして、垂直移送装置132が第1の付加平面110(
図2を参照)上でこの付加平面110を第1の処理平面108(
図1を参照)と結合する。
【0140】
その場合に、この垂直移送装置132を用いて、第1の付加平面110上の、特に複数の、たとえば6つの積出しゲート126が、第1の処理平面108上の1つ又は複数の、たとえば2つの、引き渡しステーション128と結合されている。
【0141】
したがってあらかじめ定められたタイムインターバル内で一時保管装置118から積み出すことができ、かつ第1の処理平面108へ供給可能な工作物の数は、著しく増大し、たとえば倍増することができる。
【0142】
その場合に垂直移送装置132は、一時保管装置118に直接隣接して配置する必要はない。
【0143】
むしろ、垂直移送装置132は、一時保管装置118から離隔して配置することができ、かつ中間移送設備134を用いてそれと接続されている。
【0144】
中間移送設備134は、たとえばローラコンベア136であって、そのローラコンベアが複数のクロスフィード及び/又は回転テーブルを用いて垂直移送装置132を第1の付加平面110上の積出しゲート126と結合する。
【0145】
第1の処理平面108へ供給すべき工作物を一緒にして同一の処理領域104へ供給することができる。
【0146】
それに対して
図1から4に示す実施形態においては、積出しゲート126から第1の処理平面108上へ放出された工作物と、垂直移送装置132を介して第1の付加平面110から第1の処理平面108へ供給された工作物は、互いに異なる処理領域104へ供給される。
【0147】
特に
図3と4から明らかなように、他の垂直移送装置132を設けることができ、それはたとえば、第2の処理平面108上の処理領域104から工作物を、第2の付加平面110上の中間移送設備134へ引き渡すために用いられる。
【0148】
その場合に、第2の付加平面110上のこの中間移送設備134を用いて、工作物は垂直移送装置132からこの第2の付加平面110上に配置されている、一時保管装置118の積込みゲート124へ移送可能であり、かつ最終的に一時保管装置128内へ積込み可能である。
【0149】
したがって上述した2つの垂直移送装置132を用いて、工作物を特に平面102の1つから隣接する平面102へ移送することができる。
【0150】
さらに、ここでは主題として扱われない垂直移送装置132を設けて、工作物を特に処理平面108の1つから処理平面108の他のものへ移送することができる。
【0151】
移送設備112の上述した形態は、一時保管装置118を含めて、特に、処理ボックス138として形成された処理ステーション106を第1の処理平面108上に集積し、かつ第2の処理平面108上に処理ラインを集積させることを可能にする。その場合に一時保管装置118内の最適化された積込みと積出しによって、平面102間の簡単な移送、個々の処理ステーション106へ供給するための工作物の簡単な分類そしてさらに様々な処理変形例へのフレキシブルな適合が可能である。
【0152】
さらなる柔軟性は、処理設備100内に一時保管装置118を配置すること及び工作物を一時保管装置118内へ積み込み、かつ/又は一時保管装置118から積み出すために1つ又は複数の付加平面110を利用することによって、得られる。
【符号の説明】
【0153】
100 処理設備
102 平面
104 処理領域
106 処理ステーション
108 処理平面
110 付加平面
112 移送設備
114 領域移送設備
116 AGV移送設備
118 一時保管装置
120 ハイラック保管部材
122 保管移送設備
124 積込みゲート
126 積出しゲート
128 引き渡しステーション
130 結合箇所
132 垂直移送装置
134 中間移送設備
136 ローラコンベア
138 処理ボックス
140 処理ライン
【国際調査報告】