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特表2024-504016リニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】リニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システム
(51)【国際特許分類】
   B60L 13/06 20060101AFI20240123BHJP
   G01M 17/08 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
B60L13/06 Z
G01M17/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539275
(86)(22)【出願日】2022-04-27
(85)【翻訳文提出日】2023-06-27
(86)【国際出願番号】 CN2022089500
(87)【国際公開番号】W WO2022228453
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】202110486046.9
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516183897
【氏名又は名称】中▲車▼青▲島▼四方▲機車車▼輌股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】CRRC QINGDAO SIFANG CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.88 Jinhongdong Road, Chengyang District, Qingdao, Shandong, 266111, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】ウー ドンフア
(72)【発明者】
【氏名】ミャオ シン
(72)【発明者】
【氏名】リー ヤンミン
(72)【発明者】
【氏名】ジアン ショウリャン
(72)【発明者】
【氏名】チェン ジアン
(72)【発明者】
【氏名】ハン ジユ
【テーマコード(参考)】
5H113
【Fターム(参考)】
5H113AA09
5H113CD11
5H113DB01
5H113DB11
5H113GG04
5H113GG08
(57)【要約】
リニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システムは、検出部(20)とコントローラ(10)を含み、検出部(20)は、駆動ユニット(21)と、第1及び第2のテストコイルユニット(22、23)を含み、第1のテストコイルユニット(22)の第1のテストコイル群(221)は、テスト対象となる浮上センサ(01)の隙間コイルの数、位置、及びサイズのいずれにも対応し、第2のテストコイルユニット(23)の第2のテストコイル群(231)は、テスト対象となる浮上センサ(01)の速度コイルの数、位置、及びサイズのいずれにも対応し、コントローラ(10)は、駆動ユニット(21)及び浮上コントローラ(02)に通信可能に接続され、駆動ユニット(21)は、コントローラ(10)の制御命令に従って第1のテストコイルユニット(22)及び/又は第2のテストコイルユニット(23)に駆動信号を送信し、コントローラ(10)は、浮上コントローラ(02)からフィードバックされたパラメータ情報を収集する。検出システムは、現車の磁気浮上システムに対してデバッグ、検出、故障シミュレーション、及びトラブルシューティングを行うことができ、専用の検出用テストベンチの構築を回避し、検出コストを大幅に削減し、検出効率を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システムであって、
検出部とコントローラを含み、
前記検出部は、駆動ユニット、第1のテストコイルユニット、及び第2のテストコイルユニットを含み、前記第1のテストコイルユニットの第1のテストコイル群は、テスト対象となる浮上センサの隙間コイルの数、位置、及びサイズのいずれにも対応し、前記第2のテストコイルユニットの第2のテストコイル群は、テスト対象となる浮上センサの速度コイルの数、位置、及びサイズのいずれにも対応し、前記第1のテストコイル群及び前記第2のテストコイル群はいずれも少なくとも1つのコイルを含み、
前記コントローラは、前記駆動ユニット及び浮上コントローラに通信可能に接続され、前記駆動ユニットは、前記コントローラの制御命令に従って、前記第1のテストコイルユニット及び/又は前記第2のテストコイルユニットに駆動信号を送信し、前記コントローラは、前記浮上コントローラからフィードバックされたパラメータ情報を収集する、
ことを特徴とするリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システム。
【請求項2】
前記第1のテストコイルユニットは、2つの第1のテストコイル群を含み、前記第1のテストコイル群は、互いに独立した2つ以上のコイルを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システム。
【請求項3】
前記第2のテストコイルユニットは、2つの第2のテストコイル群を含み、前記第2のテストコイル群は、互いに独立した2つ以上のコイルを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システム。
【請求項4】
前記第1のテストコイルユニットと前記第2のテストコイルユニットはいずれも1つの回路基板に設置され、前記第1のテストコイルユニットと前記第2のテストコイルユニットは、前記回路基板内の異なる平面にある、
ことを特徴とする請求項1に記載のリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システム。
【請求項5】
前記検出部は、ケーシングをさらに含み、前記ケーシングは、テスト対象となる浮上センサの外形と一致し、前記駆動ユニット、前記第1のテストコイルユニット、及び前記第2のテストコイルユニットはいずれも前記ケーシングに取り付けられる、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システム。
【請求項6】
前記ケーシングは、テスト対象となる浮上センサの検出面に対応する筐体部を含み、前記第1のテストコイル群のコイルの長さ方向は、前記筐体部の幅方向と一致し、前記第2のテストコイル群のコイルの長さ方向は、前記筐体部の長さ方向と一致する、
ことを特徴とする請求項5に記載のリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システム。
【請求項7】
前記検出部は、無線通信モジュールをさらに含み、前記駆動ユニットは、前記無線通信モジュールを介して前記コントローラと通信し、前記無線通信モジュールは、前記ケーシングに内蔵される、
ことを特徴とする請求項5に記載のリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システム。
【請求項8】
前記検出部は、前記検出部に電力を供給するために、前記ケーシングに内蔵される電源モジュールをさらに含む、
ことを特徴とする請求項5に記載のリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システム。
【請求項9】
前記検出部は、具体的に複数設けられており、それぞれ複数のテスト対象となる浮上センサに対応して取り付けられ、複数の前記検出部は、いずれも前記コントローラと通信する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システム。
【請求項10】
前記浮上コントローラからフィードバックされたパラメータ情報は、テスト対象となる浮上センサの隙間値、速度値、及びテスト対象となる電磁石の電流値を含み、
前記コントローラから前記駆動ユニットに送信された駆動信号は、前記第1のテストコイルユニットと前記第2のテストコイルユニットにおけるコイルのオンオフ状態、オンオフ周波数、オンオフ順序、及びオンオフ数を含む、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年4月30日にて中国専利局に提出した、出願番号が202110486046.9であって、発明の名称が「リニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システム」である中国特許出願の優先権を主張し、その全内容を援用により本出願に組み込む。
【0002】
本発明は、リニアモーターカー検出技術分野に関し、特にリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システムに関する。
【背景技術】
【0003】
リニアモーターカー(Maglev)が固定子構造の軌道に浮上して運行する場合、その磁気浮上システムは、インダクタンス原理に基づく浮上センサによって、車両と固定子構造との間の隙間、及び一定時間内に通過する固定子構造の歯溝数を検出して列車の運行速度を取得する必要があり、浮上コントローラは、浮上センサが収集した隙間信号と速度信号を受信することにより、電磁石の駆動電流をリアルタイムに調節して、列車の安定磁気浮上制御を実現する。磁気浮上システムは、リニアモーターカーの重要な部品の1つである。
【0004】
磁気浮上システムの機能と性能を検証するために、浮上コントローラ及び浮上センサをテストする専用デバイスが必要である。
【0005】
従来の磁気浮上システムに対する検出方法は、専用のテストベンチを構築し、浮上コントローラを浮上センサ及び電磁石に接続し、浮上センサは、電磁石に取り付けられ、電磁石及び固定子構造は、テストベンチに取り付けられ、浮上隙間を設定することによって電磁石の実際の起伏を実現し、磁気浮上システムの性能をデバッグ及びテストする。
【0006】
上記の検出方式は、テストベンチのコストが高く、サイズが大きく、そして電磁石が横方向に移動することができず、静的なシステム性能試験のみを行うことができ、磁気浮上システムの各部品が車両に取り付けられた後、テストベンチの方式を利用してテストや故障検出を行うことができないことは明らかであり、しかし、車両を組み立てる部品を取り外して再検出すると、取り外し手順が複雑であり、検出効率に影響を与え、現車のトラブルシューティングにも不利である。
【0007】
これに鑑みて、現車の磁気浮上システムのデバッグ、検出、及びトラブルシューティングに適用することができ、専用のテストベンチを構築するために必要なコストを節約し、検出効率を向上させる検出システムをどのように設計するかは、当業者が現在解決すべき技術的問題となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、リニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システムを提供することにあり、当該検出システムは、現車の磁気浮上システムに対してデバッグ、検出、故障シミュレーション、及びトラブルシューティングを行うことができ、専用の検出用テストベンチの構築を回避し、検出コストを大幅に削減し、検出効率を向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記技術的問題を解決するために、本発明は、リニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システムを提供し、検出部とコントローラを含み、前記検出部は、駆動ユニット、第1のテストコイルユニット、及び第2のテストコイルユニットを含み、前記第1のテストコイルユニットの第1のテストコイル群は、テスト対象となる浮上センサの隙間コイルの数、位置、及びサイズのいずれにも対応し、前記第2のテストコイルユニットの第2のテストコイル群は、テスト対象となる浮上センサの速度コイルの数、位置、及びサイズのいずれにも対応し、前記第1のテストコイル群及び前記第2のテストコイル群はいずれも少なくとも1つのコイルを含み、
前記コントローラは、前記駆動ユニット及び浮上コントローラに通信可能に接続され、前記駆動ユニットは、前記コントローラの制御命令に従って前記第1のテストコイルユニット及び/又は前記第2のテストコイルユニットに駆動信号を送信し、前記コントローラは、前記浮上コントローラからフィードバックされたパラメータ情報を収集する。
【0010】
本発明によって提供される検出システムは、リニアモーターカー磁気浮上システムの検出に使用され、テスト対象となる浮上センサに外部磁場変化環境を加えることで、リニアモーターカー運行時の異なる隙間値と速度値をシミュレートし、異なるシミュレート動作状況で、磁気浮上システムの浮上コントローラからフィードバックされた検出値に従って、磁気浮上システムに対してデバッグ及び検出を行い、現車で実行できる故障シミュレーション及びトラブルシューティングを実現することができ、テストベンチを構築するために必要なコストを回避し、検出効率を向上させ、同時に、当該検出システムのデバイスの体積が小さく、携帯しやすい。
【0011】
上記のリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システムにおいて、前記第1のテストコイルユニットは、2つの第1のテストコイル群を含み、前記第1のテストコイル群は、互いに独立した2つ以上のコイルを含む。
【0012】
上記のリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システムにおいて、前記第2のテストコイルユニットは、2つの第2のテストコイル群を含み、前記第2のテストコイル群は、互いに独立した2つ以上のコイルを含む。
【0013】
上記のリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システムにおいて、前記第1のテストコイルユニットと前記第2のテストコイルユニットはいずれも1つの回路基板に設置され、前記第1のテストコイルユニットと前記第2のテストコイルユニットは、前記回路基板内の異なる平面にある。
【0014】
上記のリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システムにおいて、前記検出部はケーシングをさらに含み、前記ケーシングは、テスト対象となる浮上センサの外形と一致し、前記駆動ユニット、前記第1のテストコイルユニット、及び前記第2のテストコイルユニットはいずれも前記ケーシングに取り付けられる。
【0015】
上記のリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システムにおいて、前記ケーシングは、テスト対象となる浮上センサの検出面に対応する筐体部を含み、前記第1のテストコイル群のコイルの長さ方向は、前記筐体部の幅方向と一致し、前記第2のテストコイル群のコイルの長さ方向は、前記筐体部の長さ方向と一致する。
【0016】
上記のリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システムにおいて、前記検出部は、無線通信モジュールをさらに含み、前記駆動ユニットは、前記無線通信モジュールを介して前記コントローラと通信し、前記無線通信モジュールは、前記ケーシングに内蔵される。
【0017】
上記のリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システムにおいて、前記検出部は、前記検出部に電力を供給するために前記ケーシングに内蔵される電源モジュールをさらに含む。
【0018】
上記のリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システムにおいて、前記検出部は、具体的に複数設けられており、それぞれ複数のテスト対象となる浮上センサに対応して取り付けられ、複数の前記検出部はいずれも前記コントローラと通信する。
【0019】
上記のリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システムにおいて、前記浮上コントローラによって検出されるパラメータ情報は、テスト対象となる浮上センサの隙間値、速度値、及びテスト対象となる電磁石の電流値を含み、
前記コントローラから前記駆動ユニットに送信された駆動信号は、前記第1のテストコイルユニットと前記第2のテストコイルユニットにおけるコイルのオンオフ状態、オンオフ周波数、オンオフ順序、及びオンオフ数を含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】具体的な実施例におけるテスト対象となる浮上センサの構造概略図である。
図2】本発明によって提供される検出システムの検出部がテスト対象となる浮上センサに取り付けられている構造概略図である。
図3】本発明によって提供される検出システムの具体的な実施例の原理ブロック図である。
図4】具体的な実施例における検出システムの第1のテストコイルユニットの概略配置図である。
図5】具体的な実施例における検出システムの第2のテストコイルユニットの概略配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
当業者が本発明の技術的解決策をよりよく理解するために、以下は本発明を添付の図面及び具体的な実施形態を参照して詳細に説明する。
【0022】
図1から図5を参照して、図1は、具体的な実施例におけるテスト対象となる浮上センサの構造概略図である。図2は、本発明によって提供される検出システムの検出部がテスト対象となる浮上センサに取り付けられている構造概略図である。図3は、本発明によって提供される検出システムの具体的な実施例の原理ブロック図である。図4は、具体的な実施例における検出システムの第1のテストコイルユニットの概略配置図である。図5は、具体的な実施例における検出システムの第2のテストコイルユニットの概略配置図である。
【0023】
当該実施例によって提供される検出システムは、リニアモーターカー磁気浮上システムに使用され、リニアモーターカーの磁気浮上システムは、浮上センサ01、浮上コントローラ02、及び電磁石(図示せず)を含み、浮上センサ01は、電磁石に取り付けられ、浮上コントローラ02は、浮上センサ01と電磁石に接続され、浮上センサ01と電磁石の関連パラメータ情報を取得することができる。
【0024】
当該実施例の検出システムは、コントローラ10と検出部20を含み、コントローラ10は、浮上コントローラ02及び検出部20に通信可能に接続される。
【0025】
検出部20は、駆動ユニット21、第1のテストコイルユニット22、及び第2のテストコイルユニット23を含む。
【0026】
第1のテストコイルユニット22の第1のテストコイル群221は、テスト対象となる浮上センサ01の隙間コイルの数、位置、及びサイズのいずれにも対応し、つまり、テスト対象となる浮上センサ01はいくつかの隙間コイルを有し、第1のテストコイルユニット22は、同じ数の第1のテストコイル群221を有し、且つ、各第1のテストコイル群221とテスト対象となる浮上センサ01との間の対応する隙間コイルの位置は空間的に対応しており、サイズも対応しており、第1のテストコイル群221毎に少なくとも1つのコイルが設けられている。第1のテストコイルユニット22は、浮上センサ01の外部磁界状態をシミュレートし、各第1のテストコイル群221のコイルに対する制御によって、異なる隙間値をシミュレートすることができる。磁気浮上システムをより良く検出するために、第1のテストコイルユニット22の設置は、浮上センサ01の隙間通路の全範囲の隙間変化値を満たすことができなければならないことが理解できる。一例では、当該隙間変化値の範囲は0mm~20mmである。
【0027】
現在の応用では、浮上センサ01は通常2つの隙間コイルを有し、業界内ではA通路隙間コイルとB通路隙間コイルと呼ばれるため、図示の技術的解決策における第1のテストコイルユニット22にも2つの第1のテストコイル群221が設けられており、A通路隙間コイルとB通路隙間コイルにそれぞれ対応する。実際の応用では、テスト対象となる浮上センサ01の隙間コイルが変化すると、検出部20の第1のテストコイルユニット22の第1のテストコイル群221が対応して設置されることが理解でき、1つずつ例を挙げない。
【0028】
第2のテストコイルユニット23の第2のテストコイル群231は、テスト対象となる浮上センサ01の速度コイルの数、位置、及びサイズのいずれにも対応し、つまり、テスト対象となる浮上センサ01はいくつかの速度コイルを有し、第2のテストコイルユニット23は、同じ数の第2のテストコイル群231を有し、且つ、各第2のテストコイル群231とテスト対象となる浮上センサ01の対応する速度コイルの位置は空間的に対応しており、サイズも対応しており、第2のテストコイル群231毎に少なくとも1つのコイルが設けられている。第2のテストコイルユニット23は、テスト対象となる浮上センサ01内の速度コイルが長い固定子の歯溝構造の水平運行を等価に識別して速度測定を実現することができように、インダクタンス変化をシミュレートするために使用される。つまり、第2のテストコイルユニット23の各第2のテストコイル群231のコイルに対する制御によって、テストする必要がある速度値をシミュレートすることができる。そうすると、具体的な設置の際、第2のテストコイルユニット23の具体的な設置は、テストする必要がある速度範囲に関連し、一例として、シミュレートの速度範囲は0~600Km/hである。
【0029】
現在の応用では、浮上センサ01は通常2つの速度コイルも有するため、図示の技術的解決策における第2のテストコイルユニット23にも2つの第2のテストコイル群231が対応して設けられており、それぞれ2つの速度コイルに対応する。実際の応用では、テスト対象となる浮上センサ01の速度コイルが変化すると、検出部20の第2のテストコイルユニット23の第2のテストコイル群231も対応して設置されることが理解でき、1つずつ例を挙げない。
【0030】
第1のテストコイル群221と第2のテストコイル群231はいずれも少なくとも1つのコイルを含む。
【0031】
検出部20の駆動ユニット21は、コントローラ10の制御命令に従って第1のテストコイルユニット22及び/又は第2のテストコイルユニット23に駆動信号を送信し、つまり、駆動ユニット21によって第1のテストコイルユニット22の各第1のテストコイル群221のコイルを制御して異なる隙間値をシミュレートし、駆動ユニット21によって第2のテストユニット23の各第2のテストコイル群231のコイルを制御して異なる速度値をシミュレートする。
【0032】
明らかに、駆動ユニット21は、第1のテストコイルユニット22及び第2のテストコイルユニット23の両方に通信可能に接続される。
【0033】
コントローラ10はさらに、浮上コントローラ02からフィードバックされたパラメータ情報を収集する。
【0034】
上記のように、当該検出システムは、検出部20の第1のテストコイルユニット22及び第2のテストコイルユニット23がそれぞれ、浮上センサ01の隙間コイル及び速度コイルに対応するように、検出部20をテスト対象となる浮上センサ01上に取り付け、コントローラ10によって駆動ユニット21に制御命令を送信し、駆動ユニット21は、受信した制御命令に従って駆動信号を生成して、列車運行時の異なる隙間値と速度値をシミュレートするように第1のテストコイルユニット22及び第2のテストコイルユニット23に送信し、浮上コントローラ02は、浮上センサ01によって収集された隙間信号と速度信号を受信して処理することにより、電磁石の駆動電流を調節し、この過程では、コントローラ10は、浮上コントローラ02によってフィードバックされたパラメータ情報を収集し、磁気浮上システムに対するテストを実現し、これに基づいて磁気浮上システムをデバッグする。また、第1のテストコイルユニット22と第2のテストコイルユニット23に対する制御によって、故障シミュレーションを実現することもでき、テストに基づいて現車のトラブルシューティングを実行することもでき、従来技術におけるテストベンチを構築するために必要なコストが回避され、現車で実行できるため、検出効率を向上させ、同時に、当該検出システムのデバイスの体積が小さく、携帯しやすい。
【0035】
具体的な応用では、テスト対象となる浮上センサ01の数に応じて、マッチングする複数の検出部20を設置することができ、これらの検出部20は1つのコントローラ10と通信することができ、コントローラ10は、異なるテスト要件を満たすように、異なる検出部20に異なる制御命令を送信する。
【0036】
具体的な技術的解決策では、第1のテストコイルユニット22の第1のテストコイル群221は2つ以上のコイルが設置されており、各コイルは相対的に独立している。即ち、駆動ユニット21は、互いに影響を与えることなく、第1のテストコイル群221の異なるコイルのオンオフを制御することができる。
【0037】
図4に示すように、第1のテストコイル群221毎に複数のコイルが設けられており、第1のテストコイル群221の幅X3及び長さY2は、対応する浮上センサ01の隙間コイルと一致し、2つの第1のテストコイル群221間の間隔距離は、浮上センサ01における2つの隙間コイルの間隔距離と一致する。
【0038】
第2のテストコイルユニット23の第2のテストコイル群231は2つ以上のコイルが設置されており、各コイルも相対的に独立している。即ち、駆動ユニット21は、互いに影響を与えることなく、第2のテストコイル群231の異なるコイルのオンオフを制御することができる。
【0039】
図5に示すように、第2のテストコイル群231毎に複数のコイルが設けられており、第2のテストコイル群231の幅X1及び長さYは、対応する浮上センサ01の速度コイルと一致し、2つの第2のテストコイル群231間の間隔距離は、浮上センサ01における2つの速度コイルの間隔距離と一致する。
【0040】
上記の設置を踏まえて、駆動ユニット21によるテストコイル群の駆動信号は、各テストコイル群の各コイルのオンオフ状態、オンオフ周波数、これらのコイルのオンオフ順序、及びコイルオンオフの数を含み、具体的には、実際のテスト時の対応する動作状況の要件を基準とする。
【0041】
具体的な技術的解決策では、浮上コントローラ02からフィードバックされたパラメータ情報は、浮上センサの隙間値、速度値、及び対応する電磁石の電流値を含む。
【0042】
具体的な設置の際、第1のテストコイルユニット22と第2のテストコイルユニット23は1つの回路基板に設置することができ、且つ、第1のテストコイルユニット22と第2のテストコイルユニット23は、両者が互いに干渉しないように、回路基板内で異なる平面にある。もちろん、駆動ユニット21は駆動制御回路であってもよく、同一の回路基板に設置されてもよく、又は個別に設置されてもよい。
【0043】
具体的に、駆動ユニット21は、制御回路を介して論理スイッチング素子又はリレーを駆動して、駆動信号を生成することができる。
【0044】
もちろん、第1のテストコイルユニット22を1つの回路基板に設置し、第2のテストコイルユニット23を他の回路基板に設置することもできることが理解できる。
【0045】
図1に示すように、通常の浮上センサ01は検出面を有し、全体の構造はL字型であり、実際の設置時、検出部20にはケーシング24が設けられており、当該ケーシング24の外形は、ケーシング24を浮上センサ01上に取り付けやすくするように浮上センサ01と一致し、前述した駆動ユニット21、第1のテストコイルユニット22、及び第2のテストコイルユニット23はいずれもケーシング24内に取り付けられる。このように、検出部20の各部品をケーシング24内に集積することで、取り付けやすくする。
【0046】
図2を参照して、ケーシング24は、浮上センサ01の検出面011に対応する筐体部241を含み、取り付けた後、当該筐体部241は浮上センサ01の検出面011に載置され、第1のテストコイルユニット22と第2のテストコイルユニット23はいずれも筐体部241内に取り付けられる。具体的に、第1のテストコイルユニット22の各第1のテストコイル群221の各コイルの長さ方向は筐体部241の幅方向、即ち、浮上センサ01の検出面011の幅と一致し、第2のテストコイルユニット23の各第2のテストコイル群231の各コイルの長さ方向は、筐体部241の長さ方向、即ち、浮上センサ01の検出面の長さと一致し、前述のように、これは、浮上センサ01内の隙間コイルと速度コイルの配列方向に関連する。
【0047】
取り付け及び検出を容易にするために、検出部20はケーシング24内に無線通信モジュール25も設けられており、駆動ユニット21は具体的に無線通信モジュール25を介してコントローラ10との通信を可能にする。
【0048】
検出部20の電力供給及びデバイス航続を実現するために、検出部20のケーシング24内に電源モジュールも設置し、当該電源モジュールは具体的にバッテリ26であってもよい。もちろん、他の既存の電源形態であってもよい。
【0049】
実際の応用では、テストする必要がある浮上センサ01の数に応じて、検出部20を用意し、検出部20をテスト対象となる浮上センサ01に置き、デバッグ者は、コントローラ10によって検出部20の駆動ユニット21に制御命令を送信して駆動信号を生成することができ、全隙間範囲、全速度範囲を設置してシミュレートして、異なる隙間、異なる速度で浮上コントローラ02からフィードバックされた隙間値、速度値及び電流値などのパラメータをテストすることができ、同時に、ある1つ又は複数の浮上センサ01の異常な速度(速すぎる又は遅すぎる速度)又は異常な隙間(大きすぎる又は小さすぎる隙間)を設置して、浮上コントローラ02の応答能力又は論理処理方式などを監視してもよく、浮上コントローラ02の動作状態を判断し、磁気浮上システムの閉ループ検出を実現する。
【0050】
以上は、本発明で提供されるリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システムを詳細に紹介した。本明細書では、具体的な例を使用して本発明の原理と実施形態を説明し、以上の実施例の説明は、本発明の方法とその核心思想の理解を助けるために用いられる。なお、当業者にとって、本発明の原理から逸脱することなく、本発明に対していくつかの改良及び修飾を行うことができ、これらの改良及び修飾も、本出願の保護の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0051】
01 浮上センサ
011 検出面
02 浮上コントローラ
10コントローラ
20 検出部
21 駆動ユニット
22 第1のテストコイルユニット
221 第1のテストコイル群
23 第2のテストコイルユニット
231 第2のテストコイル群
24 ケーシング
241 筐体部
25 無線通信モジュール
26 バッテリ
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-06-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システムであって、
検出部とコントローラを含み、
前記検出部は、駆動ユニット、第1のテストコイルユニット、及び第2のテストコイルユニットを含み、前記第1のテストコイルユニットの第1のテストコイル群は、テスト対象となる浮上センサの隙間コイルの数、位置、及びサイズのいずれにも対応し、前記第2のテストコイルユニットの第2のテストコイル群は、テスト対象となる浮上センサの速度コイルの数、位置、及びサイズのいずれにも対応し、前記第1のテストコイル群及び前記第2のテストコイル群はいずれも少なくとも1つのコイルを含み、
前記コントローラは、前記駆動ユニット及び浮上コントローラに通信可能に接続され、前記駆動ユニットは、前記コントローラの制御命令に従って、前記第1のテストコイルユニット及び/又は前記第2のテストコイルユニットに駆動信号を送信し、前記コントローラは、前記浮上コントローラからフィードバックされたパラメータ情報を収集
前記第1のテストコイルユニットと前記第2のテストコイルユニットはいずれも1つの回路基板に設置され、前記第1のテストコイルユニットと前記第2のテストコイルユニットは、前記回路基板内の異なる平面にある、
ことを特徴とするリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システム。
【請求項2】
前記第1のテストコイルユニットは、2つの第1のテストコイル群を含み、前記第1のテストコイル群は、互いに独立した2つ以上のコイルを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システム。
【請求項3】
前記第2のテストコイルユニットは、2つの第2のテストコイル群を含み、前記第2のテストコイル群は、互いに独立した2つ以上のコイルを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システム。
【請求項4】
前記検出部は、ケーシングをさらに含み、前記ケーシングは、テスト対象となる浮上センサの外形と一致し、前記駆動ユニット、前記第1のテストコイルユニット、及び前記第2のテストコイルユニットはいずれも前記ケーシングに取り付けられる、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システム。
【請求項5】
前記ケーシングは、テスト対象となる浮上センサの検出面に対応する筐体部を含み、前記第1のテストコイル群のコイルの長さ方向は、前記筐体部の幅方向と一致し、前記第2のテストコイル群のコイルの長さ方向は、前記筐体部の長さ方向と一致する、
ことを特徴とする請求項に記載のリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システム。
【請求項6】
前記検出部は、無線通信モジュールをさらに含み、前記駆動ユニットは、前記無線通信モジュールを介して前記コントローラと通信し、前記無線通信モジュールは、前記ケーシングに内蔵される、
ことを特徴とする請求項に記載のリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システム。
【請求項7】
前記検出部は、前記検出部に電力を供給するために、前記ケーシングに内蔵される電源モジュールをさらに含む、
ことを特徴とする請求項に記載のリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システム。
【請求項8】
前記検出部は、具体的に複数設けられており、それぞれ複数のテスト対象となる浮上センサに対応して取り付けられ、複数の前記検出部は、いずれも前記コントローラと通信する、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システム。
【請求項9】
前記浮上コントローラからフィードバックされたパラメータ情報は、テスト対象となる浮上センサの隙間値、速度値、及びテスト対象となる電磁石の電流値を含み、
前記コントローラから前記駆動ユニットに送信された駆動信号は、前記第1のテストコイルユニットと前記第2のテストコイルユニットにおけるコイルのオンオフ状態、オンオフ周波数、オンオフ順序、及びオンオフ数を含む、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のリニアモーターカー磁気浮上システムのための検出システム。
【国際調査報告】