(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】電池交換ステーション
(51)【国際特許分類】
B60L 53/80 20190101AFI20240123BHJP
E04H 1/06 20060101ALI20240123BHJP
E04H 6/02 20060101ALI20240123BHJP
E04H 6/42 20060101ALI20240123BHJP
B60L 53/30 20190101ALI20240123BHJP
【FI】
B60L53/80
E04H1/06
E04H6/02 A
E04H6/42 Z
B60L53/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540151
(86)(22)【出願日】2021-12-28
(85)【翻訳文提出日】2023-08-29
(86)【国際出願番号】 CN2021142115
(87)【国際公開番号】W WO2022143673
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】202011628454.5
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519236398
【氏名又は名称】奥動新能源汽車科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】AULTON NEW ENERGY AUTOMOTIVE TECHNOLOGY GROUP
【住所又は居所原語表記】Block 1, Room 606, No. 1 Yichuang Street, China-Singapore Guangzhou Knowledge City, Huangpu District, Guangzhou, Guangdong 510700, China
(71)【出願人】
【識別番号】519236387
【氏名又は名称】上海電巴新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI DIANBA NEW ENERGY TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Building 1,No.4766,Jiangshan Road,Nicheng Town,Pudong New Area Shanghai 201308 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】張 建平
(72)【発明者】
【氏名】陳 新雨
【テーマコード(参考)】
5H125
【Fターム(参考)】
5H125AA01
5H125AC12
5H125FF06
(57)【要約】
本発明は、電池交換室と、充電室と、第一拡張ビンとを含む電池交換ステーションを提供し、電池交換室は、電気自動車にバッテリーを交換するために使用され、前記充電室は、前記電池交換室内の車両駐車位置の左右両側に位置し、バッテリーに充放電を行うために使用される。前記第一拡張ビンは、前記電池交換室の上方に位置し、且つ前記第一拡張ビンは、電気自動車の走行方向に沿って前記電池交換室の上方から突出する突出端を有する。第一拡張ビンは、電池交換ステーションの内部空間を増加させ、電池交換ステーションの機能を充実させるためにより多くの可能性を提供し、例えば、増加した空間は、エアコンメインフレームを収容することができ、或いは、第一拡張ビンは、スタッフと運転手のために休憩場所を提供し、人員のユーザー体験を向上させることができ、同時に、第一拡張ビンの突出端は、電池交換室を風雨から保護する役割を果たし、風雨、日照りなどの悪天候が電池交換室に与える影響を軽減し、電池交換ステーションの寿命と電池交換の安定性を向上させるのに役立つ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池交換ステーションであって、前記電池交換ステーションは、
電気自動車にバッテリーを交換するために使用される電池交換室と、
前記電池交換室内の車両駐車位置の左右両側に位置し、バッテリーに充放電を行うために使用される充電室と、
前記電池交換室の上方に位置し、且つ電気自動車の走行方向に沿って前記電池交換室の上方から突出する突出端を有する第一拡張ビンと、を含むことを特徴とする、電池交換ステーション。
【請求項2】
前記電池交換室の両側に車両入口及び車両出口がそれぞれ設けられ、前記第一拡張ビンは、それぞれ前記車両入口及び前記車両出口の上方から突出する二つの前記突出端を有することを特徴とする、請求項1に記載の電池交換ステーション。
【請求項3】
前記車両入口に上り坂が設けられ、前記車両出口に下り坂が設けられ、二つの前記突出端の鉛直方向の投影はそれぞれ前記上り坂及び前記下り坂を覆うことを特徴とする、請求項2に記載の電池交換ステーション。
【請求項4】
前記電池交換ステーションの外部から前記第一拡張ビンにアクセスできるように、前記突出端の側部に地面まで下方へ通じる第一材料通路が設けられることを特徴とする、請求項1~3の少なくとも一項に記載の電池交換ステーション。
【請求項5】
前記通路が前記電池交換室の車両入口及び車両出口を妨げないように、前記第一材料通路は、前記突出端の側部から地面まで斜め下方へ延びる階段を含むことを特徴とする、請求項4に記載の電池交換ステーション。
【請求項6】
二つの前記充電室の上方に第二拡張ビンが設けられ、前記第二拡張ビンの内部空間と前記充電室の内部空間とを連通させることにより、前記充電室内の昇降機をすべての前記第二拡張ビンの内部まで昇降させることができ、及び/又は前記充電室内の充電ラックを前記第二拡張ビンの内部まで延ばすことができることを特徴とする、請求項1~5の少なくとも一項に記載の電池交換ステーション。
【請求項7】
前記第二拡張ビンの内部空間は、前記第一拡張ビンの内部空間に連通されていることを特徴とする、請求項6に記載の電池交換ステーション。
【請求項8】
前記充電室内の充電ラックの一部は前記充電室に予め設置され、前記充電ラックの別の一部は前記第二拡張ビンに予め設置され、前記拡張ビンが前記充電室の上方に設けられる場合、前記充電ラックの二つの部分は接続されることを特徴とする、請求項6又は7に記載の電池交換ステーション。
【請求項9】
前記充電ラックはフレーム構造であり、前記充電ラックの二つの部分はフレーム構造の直立柱によって互いに接続されることを特徴とする、請求項8に記載の電池交換ステーション。
【請求項10】
前記充電室にエアコン通風ダクトが設けられ、前記エアコン通風ダクトは前記充電室内の前記電池交換室に近いエリアに設けられ、及び/又は、前記エアコン通風ダクトは前記電池交換室に近い前記充電ラックと電池交換室との間のエリアに設けられることを特徴とする、請求項6~9の少なくとも一項に記載の電池交換ステーション。
【請求項11】
前記充電室に主制御盤がさらに設けられ、前記主制御盤は前記エアコン通風ダクト内に設けられ、且つ前記エアコン通風ダクト内の空気は前記主制御盤内の電気部品を通過することを特徴とする、請求項10に記載の電池交換ステーション。
【請求項12】
前記エアコン通風ダクト上の前記主制御盤の制御盤に対応するエリアに通路口が設けられ、前記充電室と前記電池交換室との間にパーティションがあり、前記パーティションの前記主制御盤の制御盤に対応するエリアに主制御扉が設けられ、ここで、前記通路口が前記主制御扉に連通され、前記主制御盤の主制御扉が前記電池交換室に向かって開放されるように設置されていることを特徴とする、請求項11に記載の電池交換ステーション。
【請求項13】
前記エアコン通風ダクトの一部は前記第二拡張ビンに予め設置され、前記エアコン通風ダクトの別の一部は前記充電室に予め設置され、前記エアコン通風ダクトの二つの部分は柔軟な継目によって接続されて連通されることを特徴とする、請求項11又は12に記載の電池交換ステーション。
【請求項14】
前記充電室に充電器通風ダクトがさらに設けられ、前記充電器は充電ラック上のバッテリーと電気的に接続するための挿抜端を有し、ここで、前記充電器通風ダクトの一端は、前記充電器の前記挿抜端の異なる側に向かって設けられ、前記充電器通風ダクトの他端は、ファンによって前記充電室の外部に連通されることを特徴とする、請求項1~13の少なくとも一項に記載の電池交換ステーション。
【請求項15】
前記充電室内に少なくとも2組の充電器通風ダクトが設けられ、それぞれが前記2組の充電器の前記挿抜端の異なる側に向かい、且つそれぞれが前記充電器の昇降エリアから離れた側に設けられ、前記2組の充電器の挿抜端は、互いに対向して設けられ、且つその間に操作エリアが形成されることを特徴とする、請求項14に記載の電池交換ステーション。
【請求項16】
前記第一拡張ビンと前記電池交換室との間に第二材料通路が設けられることを特徴とする、請求項1~15の少なくとも一項に記載の電池交換ステーション。
【請求項17】
前記電池交換室は、頂部に位置する独立ビンと、底部に位置する走行通路とを含み、前記独立ビンは、前記第一拡張ビンに連通されることを特徴とする、請求項1~16の少なくとも一項に記載の電池交換ステーション。
【請求項18】
前記電池交換ステーションに電気自動車の走行方向に沿って少なくとも二つの電池交換室が並列に設けられ、各前記電池交換室の対向する両側に充電室がそれぞれ設けられ、各前記電池交換室の上方の第一拡張ビンの端面は接続され、複数の前記第一拡張ビンは内部で連通されていることを特徴とする、請求項1~17の少なくとも一項に記載の電池交換ステーション。
【請求項19】
前記充電室の上方に第二拡張ビンが設けられ、前記第二拡張ビンの底部は前記充電室の頂部に連通されることを特徴とする、請求項18に記載の電池交換ステーション。
【請求項20】
前記電池交換ステーションにおいて、前記電気自動車の走行方向に隣接する充電室の間に第三拡張ビンが設けられ、前記第三拡張ビンに前記電気自動車が走り出すための通路扉が設けられることを特徴とする、請求項18又は19に記載の電池交換ステーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は出願日が2020年12月31日である中国特許出願2020116284545の優先権を主張する。本出願は上記中国特許出願の全文を引用する。
【0002】
本発明は、電池交換の分野に関し、特に電池交換ステーションに関する。
【背景技術】
【0003】
現在、電池交換ステーションは電気自動車の電池交換に大規模に使用されている。単一の電池交換ステーションの場合、保管できるバッテリーの数を増やすことで電池交換効率を高めることができ、従って、バッテリーを収容してバッテリーに電力を供給するための電池ビンの数も増加する。しかし、保管されるバッテリーの数が多くなるほど、バッテリーを保管するための電池交換ステーションのエリアも大きくする必要がある。既存の電池交換ステーションは、一般に、横方向に組み立てることでバッテリーの保管エリアを拡大し、その結果、電池交換車両と各電池ビンとの間でバッテリーを運搬する電池交換機構のストロークがそれに応じて増加し、そして、電池交換ステーションの床面積が増加し、空間使用率が低くなり、電池交換ステーションを比較的狭い敷地に適用することが困難になる。同時に、既存の電池交換ステーション内の電池交換操作を行うための電池交換エリア及び電池交換エリアの両側にある車両走行坂が外部環境にさらされ、遮蔽されず、外部の雨や不純物が電池交換エリアや車両走行坂に容易に侵入し、電池交換操作に影響を与え、そして、電池交換効率が低下し、電池交換設備が損傷しやすくなる。
【発明の概要】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術における電池交換ステーションの電池交換エリアが遮蔽されていないという欠陥を克服するために、電池交換ステーションを提供することである。
【0005】
本発明は、下記技術案により、上記技術的問題が解決される。
電池交換ステーションであって、前記電池交換ステーションは、
電気自動車にバッテリーを交換するために使用される電池交換室と、
前記電池交換室内の車両駐車位置の左右両側に位置し、バッテリーに充放電を行うために使用される充電室と、
前記電池交換室の上方に位置し、且つ電気自動車の走行方向に沿って前記電池交換室の上方から突出する突出端を有する第一拡張ビンと、を含むことを特徴とする、電池交換ステーション。
【0006】
本方案では、第一拡張ビンは、電池交換ステーションの内部空間を増加させ、電池交換ステーションの機能を充実させるためにより多くの可能性を提供し、例えば、増加した空間は、エアコンメインフレームを収容することができ、或いは、第一拡張ビンは、スタッフと運転手のために休憩場所を提供し、人員のユーザー体験を向上させることができ、同時に、第一拡張ビンの突出端は、電池交換室を風雨から保護する役割を果たし、風雨、日照りなどの悪天候が電池交換室に与える影響を軽減し、電池交換室の内部環境を比較的安定させ、電池交換ステーションの寿命と電池交換の安定性を向上させるのに役立つ。
【0007】
好ましくは、前記電池交換室の両側に車両入口及び車両出口がそれぞれ設けられ、前記第一拡張ビンは、それぞれ前記車両入口及び前記車両出口の上方から突出する二つの前記突出端を有する。
【0008】
本方案では、電池交換室は車両入口及び車両出口を通じて外界に連通され、突出端は車両入口及び車両出口の上方で遮蔽する役割を果たし、開放された電池交換室への太陽光や風雨の侵入をある程度防ぎ、それによって電池交換室の内部を保護する役割を果たし、同時に、車両が車両入口でナンバープレート認識や車両情報のアップロード操作を待っているとき、雨水による上記操作への影響を避けることができる。
【0009】
好ましくは、前記車両入口に上り坂が設けられ、前記車両出口に下り坂が設けられ、二つの前記突出端の鉛直方向の投影はそれぞれ前記上り坂及び前記下り坂を覆う。
【0010】
本方案では、突出端は上り坂及び下り坂を遮蔽し、冬には積雪や坂の凍結を避けて車両の横滑りを防ぎ、夏には雨を遮り、電気自動車が上り坂を走行中に雨に降られず、車体の雨水の一部を上り坂に振り落とすことができるため、電池交換室への雨水の侵入を減らすことができる。
【0011】
好ましくは、前記電池交換ステーションの外部から前記第一拡張ビンにアクセスできるように、前記突出端の側部に地面まで下方へ通じる第一材料通路が設けられる。
【0012】
本方案では、人員は電池交換ステーションの外部から第一材料通路を介して2階の第一拡張ビンに入ることができ、電池交換ステーションの内部配置に影響を与えなく、材料通路は突出端の側部に位置し、電池交換室の車両の出入りに影響を与えなく、また、人員が電気自動車に衝突されないようにすることができる。材料通路は、階段、エスカレーター、エレベーターなどであってもよい。
【0013】
好ましくは、前記通路が前記電池交換室の車両入口及び車両出口を妨げないように、前記第一材料通路は、前記突出端の側部から地面まで斜め下方へ延びる階段を含む。
【0014】
本方案では、階段を傾斜させて車両の出入口に道を譲ることができ、階段の側部を充電室に接続して階段を補強することができ、電池交換ステーションに充電室が一つしかない場合、充電室のない側にも階段を設置することができ、それによって電池交換ステーションのレイアウトをコンパクトにすることができる。階段は固定式階段であっても格納式階段であってもよく、必要に応じて階段を格納できるため、電池交換ステーションが占める空間をさらに減らすことができる。
【0015】
好ましくは、二つの前記充電室の上方に第二拡張ビンが設けられ、前記第二拡張ビンの内部空間と前記充電室の内部空間とを連通させることにより、前記充電室内の昇降機をすべての前記第二拡張ビンの内部まで昇降させることができ、及び/又は前記充電室内の充電ラックを前記第二拡張ビンの内部まで延ばすことができる。
【0016】
本方案では、充電室の上部に第二拡張ビンを設けることで、充電室内のバッテリーの最大保管可能数を増やすことができ、それによって電池交換室で電池交換できるバッテリーの数を増やし、電池交換効率を向上させ、且つ電池交換ステーションの床面積を節約する。
【0017】
好ましくは、前記第二拡張ビンの内部空間は、前記第一拡張ビンの内部空間に連通されている。
【0018】
本方案では、2階に位置する第一拡張ビンと第二拡張ビンとを互いに連通させることにより、2階への通路を共用してメンテナンスや使用のニーズに対応することができ、また、2階の空間を拡張することにより、第二拡張ビンに連通されるエアコンメインフレームを第一拡張ビン内に設置するなど、多様な配置方式を実現することができる。
【0019】
好ましくは、前記充電室内の充電ラックの一部は前記充電室に予め設置され、前記充電ラックの別の一部は前記第二拡張ビンに予め設置され、前記拡張ビンが前記充電室の上方に設けられる場合、前記充電ラックの二つの部分は接続される。
【0020】
本方案では、充電ラックを分割して充電室と第二拡張ビン内にそれぞれ予め設置することにより、輸送時の充電ラックの体積を低減し、コストを節約することができる。
【0021】
好ましくは、前記充電ラックはフレーム構造であり、前記充電ラックの二つの部分はフレーム構造の直立柱によって互いに接続される。
【0022】
本方案では、充電ラックの二つのセクションは、そのフレーム構造の直立柱によって互いに接続され、建設現場で充電ラックの二つのセクションを位置合わせする難しさを低減し、且つ接続後の信頼性を向上させることができる。
【0023】
好ましくは、前記充電室内にエアコン通風ダクトが設けられ、前記エアコン通風ダクトは前記充電室内の前記電池交換室に近いエリアに設けられ、及び/又は、前記エアコン通風ダクトは前記電池交換室に近い前記充電ラックと電池交換室との間のエリアに設けられる。
【0024】
本方案では、エアコン通風ダクトは充電ラックと昇降機の位置を避けることができ、充電室と電池交換室との間の間隔のエリアを利用し、充電室の内部空間を節約することができる。
【0025】
好ましくは、前記充電室内に主制御盤がさらに設けられ、前記主制御盤は前記エアコン通風ダクト内に設けられ、且つ前記エアコン通風ダクト内の空気は前記主制御盤内の電気部品を通過する。
【0026】
本方案では、主制御盤がエアコン通風ダクトの空間を占めることで外部設置による空間占有を節約する一方で、エアコン通風によって直接冷却され、過熱障害の発生を減らす。
【0027】
好ましくは、前記エアコン通風ダクト上の前記主制御盤の制御盤に対応するエリアに通路口が設けられ、前記充電室と前記電池交換室との間にパーティションがあり、前記パーティションの前記主制御盤の制御盤に対応するエリアに主制御扉が設けられ、前記通路口が前記主制御扉に連通され、ここで、前記主制御盤の主制御扉が前記電池交換室に向かって開放されるように設置されている。
【0028】
本方案では、主制御盤を電池交換室に向かって開放した後、スタッフが充電室に入らずに電池交換室の側で主制御盤を制御しやすくなり、操作に便利である。同時に、充電室の狭い空間に行かず、電池交換室の外側でメンテナンスと取り付けを実現することができる。
【0029】
好ましくは、前記エアコン通風ダクトの一部は前記第二拡張ビン内に予め設置され、前記エアコン通風ダクトの別の一部は前記充電室内に予め設置され、前記エアコン通風ダクトの二つの部分は柔軟な継目によって接続されて連通される。
【0030】
本方案では、エアコン通風ダクトを分割して充電室と第二拡張ビン内にそれぞれ予め設置することにより、建設現場で電池交換ステーションの内部部材を取り付ける作業の負荷を低減し、現場での工期を短縮する。ここで、エアコン通風ダクトの二つのセクションは、柔軟な構造によって接続され、建設現場でダクトを位置合わせする難しさを低減し、接続後の信頼性も向上する。
【0031】
好ましくは、前記充電室内に充電器通風ダクトがさらに設けられ、前記充電器は充電ラック上のバッテリーと電気的に接続するための挿抜端を有し、ここで、前記充電器通風ダクトの一端は、前記充電器の前記挿抜端の異なる側に向かって設けられ、前記充電器通風ダクトの他端は、ファンによって前記充電室の外部に連通される。
【0032】
本方案では、充電器通風ダクトは独立した風路を提供し、充電器の充電によって発生した熱を充電室から独立して送り出し、それによって充電室内の熱を大幅に減らし、充電器の熱が充電室内の他の設備に与える影響を避けることができる。
【0033】
好ましくは、前記充電室内に少なくとも2組の充電器通風ダクトが設けられ、それぞれが前記2組の充電器の前記挿抜端の異なる側に向かい、且つそれぞれが前記充電器の前記昇降エリアから離れた側に設けられ、前記2組の充電器の挿抜端は、互いに対向して設けられ、且つその間に操作エリアが形成される。
【0034】
好ましくは、前記第一拡張ビンと前記電池交換室との間に第二材料通路が設けられる。
【0035】
本方案では、電池交換室の内部から第一拡張ビンに入ることができ、第一拡張ビンを建設するとき、電池交換室の空間を利用することができ、また、第一拡張ビンから電池交換室をメンテナンスすることもできる。
【0036】
好ましくは、前記電池交換室は、頂部に位置する独立ビンと、底部に位置する走行通路とを含み、前記独立ビンは、前記第一拡張ビンに連通される。
【0037】
本方案では、電池交換室の空間使用率が高く、走行通路は電気自動車が走行するためのものであり、独立ビンは、第一拡張ビンに接続されたパイプラインなどのパイプラインを配置し、又は第一拡張ビン内の物品を収容するために使用することができ、第一拡張ビンの使用可能な空間を増やす。
【0038】
好ましくは、前記電池交換ステーションに電気自動車の走行方向に沿って少なくとも二つの電池交換室が並列に設けられ、各前記電池交換室の対向する両側に充電室がそれぞれ設けられ、各前記電池交換室の上方の第一拡張ビンの端面は接続され、複数の前記第一拡張ビンは内部で連通されている。
【0039】
本方案では、電池交換室を並列に設置することにより、電池交換ステーションの床面積を節約することができ、複数の車両の電池交換を同時に行い、電池交換の効率を向上させることができる。複数の第一拡張ビンを接続することにより、電池交換室の上方でよい多くの空間を利用することができ、より豊富なアプリケーションシナリオを実現する。
【0040】
好ましくは、前記充電室の上方に第二拡張ビンが設けられ、前記第二拡張ビンの底部は前記充電室の頂部に連通される。
【0041】
本方案では、第二拡張ビンは、充電室内のバッテリーの最大保管可能数を増やすことができ、それによって電池交換室で電池交換できるバッテリーの数を増やし、電池交換効率を向上させ、且つ電池交換ステーションの床面積を節約する。
【0042】
好ましくは、前記電池交換ステーションにおいて、前記電気自動車の走行方向に隣接する充電室の間に第三拡張ビンが設けられ、前記第三拡張ビンに前記電気自動車が走り出すための通路扉が設けられる。
【0043】
本方案では、第三拡張ビンは、電池交換ステーションに関連する設備を取り付けるために使用されることができ、第三拡張ビンを空けて、最初に電池交換操作を完了した電気自動車が第三拡張ビンから走り出すことを容易にし、電池交換の効率を向上させることもできる。
【0044】
上記各好ましい条件は、本分野の常識に基づき、任意に組み合わせて本発明の各好ましい実施例を得ることができる。
【0045】
本発明の積極的な進歩及び効果は、以下の通りである。第一拡張ビンは、電池交換ステーションの内部空間を増加させ、電池交換ステーションの機能を充実させるためにより多くの可能性を提供し、エアコンメインフレームを収容し、或いは、スタッフと運転手のために休憩場所を提供するために使用することができ、同時に、第一拡張ビンの突出端は、電池交換室を風雨から保護する役割を果たし、風雨、日照りなどの悪天候が電池交換室に与える影響を軽減し、電池交換室の内部環境を比較的安定させ、電池交換ステーションの寿命と電池交換の安定性を向上させるのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】本発明の実施例1に係る電池交換ステーションの全体構造の模式図である。
【
図2】本発明の実施例1に係る電池交換ステーションの全体構造の別の模式図である。
【
図3】本発明の実施例1に係る電池交換ステーションの全機能ビンの内部構造の模式図である。
【
図4】本発明の実施例1に係る電池交換ステーションの内部の全体配置の模式図である。
【
図5】本発明の実施例1に係る電池交換ステーションの内部配置の部分拡大模式図である。
【
図6】本発明の実施例1に係る電池交換ステーションのエアコン通風ダクトの構造模式図である。
【
図7】本発明の実施例2に係る電池交換ステーションの全体構造の模式図である。
【
図8】本発明の実施例2に係る電池交換ステーションの全体構造の別の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、実施例を通じて本発明を更に説明するが、本発明は、それによって実施例の範囲内に限定されるものではない。
【0048】
<実施例1>
図1及び
図2に示すように、本実施例は、全機能ビン11を含む電池交換ステーションを提供し、全機能ビン11は、電池交換室101と充電室102とを含み、ここで、電池交換室101は、電気自動車にバッテリーを交換するために使用され、充電室102は、電池交換室101内の車両駐車位置の左右両側に位置し、バッテリーに充放電を行うために使用される。
【0049】
他の実施形態では、全機能ビン11は、一つの電池交換室101及び一つの充電室102のみを含んでもよい。二つ以上の電池交換室101が一つの充電室102を共有し、又は二つ以上の電池交換室101が二つ以上の充電室102と連携するように設置してもよい。
【0050】
図3に示すように、本実施例の電池交換ステーションは、電気自動車にバッテリーを交換するための電池交換室101と、バッテリーに充放電を行うための少なくとも二つの充電室102とを含み、充電室102は、電池交換室101内の車両駐車位置の左右両側にそれぞれ対向して設けられる。充電室102と電池交換室101との間に電池交換設備が出入りするための電池交換通路103があり、ここで、電池交換通路103には、電池交換設備が往復移動するときに開き、電池交換設備が電池交換動作を終了したときに閉まるための電池交換通路扉が設けられる。
【0051】
図4及び
図5に示すように、充電室102には、バッテリーに充放電を行うための充電器51、バッテリーの取出入を行うための昇降機6、及び充電室102と電池交換室101との間を往復して電気自動車にバッテリーを交換するための電池交換設備が設けられ、充電室102内に車両の走行方向と直交する方向に沿って少なくとも2列の充電ラック5が並列に設けられ、2列の充電ラック5の間の昇降エリア104内に昇降機6が設けられ、充電ラック5の側に充電器51が設けられる。
【0052】
他の実施形態では、複数列の充電ラック5又は単一列の充電ラック5として設置してもよい。昇降機5は、水平方向及び垂直方向に移動可能なパレタイザであってもよいし、バッテリーを搬送するために垂直方向のみに移動可能に設けられた設備であってもよいし、バッテリーを搬送するために水平方向のみに移動可能に設けられた設備であってもよい。
【0053】
本実施例では、全機能ビン11の上方に拡張ビンが設けられ、具体的には、電池交換ステーションは、電池交換室101の上方に位置する第一拡張ビン110をさらに含み、第一拡張ビン110は、電池交換ステーションの内部空間を増加させ、電池交換ステーションの機能を充実させるためにより多くの可能性を提供し、例えば、増加した空間は、エアコンメインフレームを収容することができ、或いは、第一拡張ビン110は、スタッフと運転手のために休憩場所を提供し、人員のユーザー体験を向上させることができる。
【0054】
また、第一拡張ビン110は、電気自動車の走行方向に沿って電池交換室101の上方から突出する突出端111を有し、第一拡張ビン110の突出端111は、電池交換室101を風雨から保護する役割を果たし、風雨、日照りなどの悪天候が電池交換室101に与える影響を軽減し、電池交換室101の内部環境を比較的安定させ、電池交換ステーションの寿命と電池交換の安定性を向上させるのに役立つ。建設現場の具体的な状況に応じて、第一拡張ビン110に突出端111が一つだけ設けられてもよいし(例えば、現場の電池交換室の一端にすでに防雨施設がある場合、突出端が一つだけ設けられてもよい)、いくつかの好ましい実施形態では、突出端111が第一拡張ビン110の両端に設けられてもよい。
【0055】
他の実施形態では、電池交換ステーションは、全機能ビン11を一つだけ含んでもよく、全機能ビン11の頂部は閉鎖され、拡張が必要な場合、拡張ビンを全機能ビンの上方に接続する。
【0056】
本実施例では、電池交換室101の両側にそれぞれ車両入口及び車両出口が設けられ、電気自動車は車両入口から電池交換室101に入って電池交換を行い、電池交換終了後に車両出口から走り出すことができる。第一拡張ビン110は、それぞれ車両入口及び車両出口の上方から突出する二つの突出端111を有する。電池交換室101は車両入口及び車両出口を通じて外界に連通され、突出端111は車両入口及び車両出口の上方で遮蔽する役割を果たし、開放された電池交換室101への太陽光や風雨の侵入をある程度防ぎ、それによって電池交換室101の内部を保護する役割を果たし、同時に、車両が車両入口でナンバープレート認識や車両情報のアップロード操作を待っているとき、雨水による上記操作への影響を避けることができる。
【0057】
車両入口に上り坂81が設けられ、車両出口に下り坂82が設けられ、上り坂81、電池交換室101及び下り坂82は車両通路を形成し、二つの突出端111の鉛直方向の投影はそれぞれ上り坂81及び下り坂82を覆う。突出端111は上り坂81及び下り坂82を遮蔽し、冬には積雪や坂の凍結を避けて車両の横滑りを防ぎ、夏には雨を遮り、電気自動車が上り坂81を走行中に雨に降られず、車体の雨水の一部を上り坂81に振り落とすことができ、それによって電池交換室101への雨水の侵入を減らし、電池交換室101内の環境を改善することができる。
【0058】
図2に示すように、電池交換ステーションの外部から第一拡張ビン110にアクセスできるように、突出端111の側部に地面まで下方へ通じる第一材料通路10が設けられる。人員は電池交換ステーションの外部から第一材料通路10を介して2階の第一拡張ビン110に入ることができ、電池交換ステーションの内部配置に影響を与えず、材料通路は突出端111の側部に位置し、電池交換室101の車両の出入りに影響を与えず、また、人員の行動経路が車両の行動経路と重ならず、人と車両の分離を実現し、人員が電気自動車に衝突されないようにすることができる。材料通路は、階段、エスカレーター、エレベーターなどであってもよい。
【0059】
通路が電池交換室101の車両入口及び車両出口を妨げないように、第一材料通路10は、突出端111の側部から地面まで斜め下方へ延びる階段を含む。階段を傾斜させて車両の出入口に道を譲ることができ、階段の側部を充電室102に接続して階段を補強することができ、電池交換ステーションに充電室102が一つしかない場合、充電室102のない側にも階段を設置することができ、それによって電池交換ステーションのレイアウトをコンパクトにすることができる。階段は固定式階段であっても格納式階段であってもよく、必要に応じて階段を格納できるため、電池交換ステーションが占める空間をさらに減らすことができ、例えば、充電室102を点検するとき、格納された階段は充電室102の側部に空間を空けることができる。本実施例では、
図2に示すように、一方の突出端111の両側にそれぞれ一つ階段を設け、人員が分離して階段を上り下りできるようにし、混雑を減らす。いくつかの好ましい実施形態では、第一拡張ビン110の両方の突出端111に第一材料通路10を設けることができる。
【0060】
二つの充電室102の上方に第二拡張ビン120が設けられ、第二拡張ビン120の内部空間と充電室102の内部空間とを連通させることにより、充電室102内の昇降機6をすべての第二拡張ビン120の内部まで昇降させることができ、充電室102内の充電ラック5を第二拡張ビン120の内部まで延ばすことができる。充電室102の上部に第二拡張ビン120を設けることで、充電室102内のバッテリーの最大保管可能数を増やすことができ、それによって電池交換室101で電池交換できるバッテリーの数を増やし、電池交換効率を向上させ、且つ電池交換ステーションの床面積を節約する。
【0061】
単一の充電ラック5の場合、充電室内の充電ラックの一部は充電室に予め設置され、充電ラックの別の一部は拡張ビンに予め設置され、拡張ビンが充電室の上方に設けられる場合、充電ラックの二つの部分は接続され、具体的には、充電ラックは互いに独立した上部ラック本体及び下部ラック本体に分割してもよく、上部ラック本体は第二拡張ビン120内に予め設置され、下部ラック本体は充電室102内に予め設置され、第二拡張ビン120が充電室102の上方に設けられる場合、充電ラック5のこの二つの部分は接続され、充電ラック5を分割して充電室102と第二拡張ビン120にそれぞれ予め設置することにより、輸送時の充電ラック5の体積を低減し、コストを節約することができる。当該充電ラック5はフレーム構造であり、充電ラックの二つの部分は当該フレーム構造の直立柱によって互いに接続される。ここで、全機能ビン11の側に取り付けられた下部ラック本体の直立柱の頂部に充電ラック接続部が設けられ、充電ラック接続部は、上部ラック本体及び下部ラック本体を取り外し可能に接続するための接続インターフェースを提供し、充電ラック接続部は、フランジ接続部、スナップ接続部、ネジ留め具接続部、溶接接続部のうちの一つ又は複数であってもよい。
【0062】
他の代替的な実施形態では、二つ以上の第二拡張ビン120を各充電室102の上方に積み重ねて、より多くのバッテリー保管空間を提供してもよい。複数の第二拡張ビン120を充電室102の上方に高さ方向に順次に積み重ね、隣接する第二拡張ビン120の底部空間と頂部空間とを互いに連通させることにより、前記充電室内の昇降機をすべての前記拡張ビンの内部まで昇降させることができ、充電室102内の充電ラックをすべての前記拡張ビンの内部まで延ばすことができ、充電室102内のバッテリーの最大保管可能数をさらに増やすことができ、最上部の第二拡張ビン120の底部空間は、下方の隣接する第二拡張ビン120又は充電室102の頂部空間に連通され、中間に位置する第二拡張ビン120の頂部空間と底部空間は、上下の隣接する第二拡張ビン120又は充電室102に連通される。同時に、第二拡張ビン120の数の配置方式を変更することにより、電池交換ステーションのバッテリーの保管可能数を簡単かつ迅速に調整することができ、電池交換ステーションのモジュール性を向上させ、優れた拡張性を持っている。
【0063】
第二拡張ビン120の内部空間は、第一拡張ビン110の内部空間に連通されている。2階に位置する第一拡張ビン110と第二拡張ビン120とを互いに連通させることにより、2階への通路を共用してメンテナンスや使用のニーズに対応することができ、また、2階の空間を拡張することにより、第二拡張ビン120に連通されるエアコンメインフレームを第一拡張ビン110内に設置するなど、多様な配置方式を実現することができる。
【0064】
第一拡張ビン110の突出端111と第二拡張ビン120との間に走行プラットホーム9が設けられ、且つ突出端111と第二拡張ビン120にいずれも走行プラットホーム9に向かって開くビンドアが設けられるため、電池交換ステーションの外部で第一拡張ビン110から第二拡張ビン120に入ることができる。好ましい実施形態として、第一材料通路10は走行プラットホーム9に連通されるため、第一材料通路10を介して第二拡張ビン120に直接入ることができる。
【0065】
充電室102内の充電ラック5の一部は充電室102に予め設置され、充電ラック5の別の一部は第二拡張ビン120に予め設置され、拡張ビンが充電室102の上方に設けられる場合、充電ラック5の二つの部分は接続される。充電ラック5を分割して充電室102と第二拡張ビン120にそれぞれ予め設置することにより、輸送時の充電ラック5の体積を低減し、コストを節約することができる。好ましい実施形態として、充電室102内の充電ラック5の頂部に第二拡張ビン120内の充電ラック5を接続するための充電ラック5接続部が設けられ、それによって上部と下部の充電ラック5を便利かつ確実に接続することができる。
【0066】
充電ラック5はフレーム構造であり、充電ラック5の二つの部分はフレーム構造の直立柱によって互いに接続される。充電ラック5の二つのセクションは、そのフレーム構造の直立柱によって互いに接続され、建設現場で充電ラック5の二つのセクションを位置合わせする難しさを低減し、且つ接続後の信頼性を向上させることができる。具体的には、前述のように、充電ラック5接続部材が上下の直立柱の間に設けられる。
【0067】
図4及び
図5に示すように、本実施例の充電室102にエアコン通風ダクト4が設けられ、エアコン通風ダクト4は充電室102内の電池交換室101に近いエリアに設けられ、他の実施形態では、本実施例のエアコン通風ダクト4は電池交換室101に近い充電ラック5と電池交換室101との間のエリアに設けられる。このように設けられたエアコン通風ダクトは、充電ラック5と昇降機6の位置を避けることができ、充電室102と電池交換室101との間の間隔のエリアを利用し、充電室102の内部空間を節約することができる。
【0068】
図4及び
図5に示すように、本実施例の充電室102に主制御盤71がさらに設けられ、主制御盤71はエアコン通風ダクト4内に設けられ、且つエアコン通風ダクト4内の空気は主制御盤71内の電気部品を通過する。主制御盤71がエアコン通風ダクト4の内部空間を占めることで外部設置による空間占有を節約する一方で、エアコン通風によって直接冷却され、過熱障害の発生を減らす。
【0069】
図5に示すように、本実施例のエアコン通風ダクト4上の主制御盤71の制御盤に対応するエリアに通路口が設けられ、充電室102と電池交換室101との間にパーティション106があり、パーティション106の主制御盤71の制御盤に対応するエリアに主制御扉14が設けられ、通路口が主制御扉14に連通され、ここで、主制御盤71の主制御扉14が電池交換室101に向かって開放されるように設置されている。主制御盤71を電池交換室101に向かって開放した後、スタッフが充電室102に入らずに電池交換室101の側で主制御盤71を制御しやすくなり、操作に便利である。同時に、充電室102の狭い空間に行かず、電池交換室101の外側で主制御盤71のメンテナンスと取り付けを実現することができる。他の実施形態では、通信キャビネット又はスイッチを充電室102の他の外向きの壁面の近くに設けることもでき、外側から便利に開くように外向きの壁面にスイッチドアが設けられる。
【0070】
他の実施形態では、主制御盤71及び充電器51は、車両の走行方向に沿って充電ラックの両側にそれぞれ対向して設けられてもよい。ここで、主制御盤71は、充電室102内の車両進入方向に近い側に設けられ、充電器51は、充電室102内の車両退出方向側に設けられている。主制御盤71と充電器51は大きな空間を占めるため、互いに避けて空間の占有を避けるために、それぞれ充電ラックの両側に位置する。同時に、電気自動車上のバッテリーの位置に対応するため、充電室102は、車両退出方向に近い側の方が空間が広いため、充電ラックの車両退出方向に近い側に充電器51を設けることが好ましい。
【0071】
図6に示すように、本実施例の全機能ビン11は、エアコン室外機32とエアコン室内機31とをさらに含み、ここで、エアコン室外機32は全機能ビン11の上方に設けられ、エアコン室内機31は充電ラック5の側に設けられ、充電室102内にエアコン通風ダクト4がさらに設けられ、エアコン通風ダクト4の吸気ダクト部分(下風道41及び上風道42)が充電ラック5と電池交換室101との間に設けられ、吸気ダクト(下風道41及び上風道42)の一端は充電室102の下方へ連通され、他端はエアコン室内機31の吸気口に接続され、エアコン通風ダクト4の排気ダクト44は充電室102の頂部に設けられる。エアコン通風ダクト4は、エアコン排気と吸気の循環を実現し、充電室102を十分に冷却し、バッテリーパックの過熱現象の発生を減らすことができる。エアコン室外機32の熱は、全機能ビン11の内部に影響を与えることなく、直接外部に排出される。吸気ダクトの底部、即ち下風道41の底部と充電室102の底面との間には、充電室102内の電池交換設備を避けるため、一定の隙間が確保されている。
【0072】
図6に示すように、エアコン通風ダクト4の下風道41は全機能ビン11に予め設置され、エアコン通風ダクト4の上風道42は第一拡張ビン110又は第二拡張ビン120に予め設置され、エアコン通風ダクト4の二つの部分は接続片43(即ちエアコン通風ダクト接続片)によって接続・連通される。予め設置することにより、エアコン通風ダクト4は、組み立てる際に最初から取り付ける必要がなく、接続片のみで接続するだけで済み、接続片43は、フランジであってもよいし、硬質ダクトホース、コルゲートパイプのうちの一つ又は複数であってもよく、突き合わせジョイント、ネジ留め又は溶接などの方式によって上風道42及び下風道41を接続する。
【0073】
図4及び
図5に示すように、本実施例の充電室102に充電器通風ダクト52がさらに設けられ、充電器51はバッテリーと電気的に接続するための挿抜端を有し、ここで、充電器通風ダクト52の一端は、充電器51の挿抜端の異なる側に向かって設けられ、充電器通風ダクト52の他端は、ファンによって充電室102の外部に連通される。その結果、充電器通風ダクト52は独立した風路を提供し、充電器51の充電によって発生した熱を充電室102から独立して送り出し、それによって充電器51によって発生した熱が室内に与える影響を減らし、充電室102内の温度を大幅に減らし、充電器51の熱が充電室102内の他の設備に与える影響を避けることができる。
【0074】
全機能ビン11の充電室102内の充電器通風ダクト52の頂部は、拡張接続のための充電器通風ダクト接続部をさらに有してもよい。充電器通風ダクト接続部は、充電器通風ダクト52の全体の一部が第二拡張ビン120の内部まで延びることができるように、高くなった充電器通風ダクト拡張部をさらに接続するために使用される。即ち、第二拡張ビン120内に予め配置された充電器通風ダクト拡張段の一部は、充電器通風ダクト接続部を介して全機能ビン11の充電器通風ダクト52内に接続されている。ここで、充電器通風ダクト接続部は、フランジ接続部、スナップ接続部、ネジ留め具接続部、溶接接続部のうちの一つ又は複数であってもよい。
【0075】
図4及び
図5に示すように、本実施例の充電器通風ダクト52は、充電器51の昇降エリア104から離れた側に設けられている。充電室102内に少なくとも2組の充電器通風ダクト52が設けられ、それぞれが2組の充電器51の挿抜端(
図5では充電器51の操作エリアに向かう側)の異なる側に向かい、且つそれぞれが昇降エリア104から離れた充電器51の側に設けられ、2組の充電器51の挿抜端は、互いに対向して設けられ、且つその間に操作エリア105が形成される。
【0076】
図5に示すように、充電器51は充電室102の点検扉13内に設けられている。ここで、
図5の上側の点検扉を開けることによって操作エリア105に入ることができ、このように設置された点検扉13は、スタッフが全機能ビン11の外で開けるのに便利であり、充電室102内に入る必要がなく、操作に便利である。同時に、充電室102のもっと内側の狭い空間に行かず、操作エリア105、さらには充電室102の外側で充電器51のメンテナンスと取り付けを実現することができる。
【0077】
第一拡張ビン110と電池交換室101との間に第二材料通路(図示せず)が設けられ、第二材料通路を介して第一拡張ビン110と電池交換室101との間で物品を移送することができ、例えば、ユーザーは、電池交換室で第一拡張ビン110に保管される物品を購入することができ、当該第二材料通路を介して当該物品を電池交換室に移送することができ、当該第二材料通路は鉛直方向に昇降可能なプラットフォーム又は他の鉛直昇降可能な機構であってもよい。
【0078】
電池交換室101は、頂部に位置する独立ビン21と、底部に位置する走行通路22とを含み、独立ビン21は、第一拡張ビン110に連通される。このように設置することにより、電池交換室101の空間使用率が高くなり、底部の走行通路22は電気自動車が走行するためのものであり、頂部の独立ビン21は、第一拡張ビン110に接続されたパイプラインなどのパイプラインを配置し、又は休憩室などの多機能な使用空間を提供し、又は第一拡張ビン内の物品を収容するために使用することができ、第一拡張ビンの使用可能な空間が増加する。
【0079】
<実施例2>
図7及び
図8に示すように、実施例2は電池交換ステーションを提供し、実施例2は実施例1に基づき、電気自動車の走行方向に沿って少なくとも二つの電池交換室101が並列に設けられ、各電池交換室101の対向する両側に充電室102がそれぞれ設けられ、各電池交換室101の上方の第一拡張ビン110の端面は接続され、複数の第一拡張ビン110は内部で連通されている。電池交換室101を並列に設置することにより、電池交換ステーションの床面積を節約することができ、複数の車両の電池交換を同時に行い、電池交換の効率を向上させることができる。複数の第一拡張ビン110を接続することにより、電池交換室101の上方でよい多くの空間を利用することができ、より豊富なアプリケーションシナリオを実現する。例えば、実施例1では、一つの第一拡張ビン110の空間には数台の自動販売機しか配置できないが、実施例2では、二つの第一拡張ビン110によって連通された空間にはスーパーマーケットを建設することができ、より豊富なサービスを提供することができる。
【0080】
実施例1と同様に、実施例2では、充電室102の上方に第二拡張ビン120が設けられ、第二拡張ビン120の底部は充電室102の頂部に連通される。第二拡張ビン120は、充電室102内のバッテリーの最大保管可能数を増やすことができ、それによって電池交換室101で電池交換できるバッテリーの数を増やし、電池交換効率を向上させ、且つ電池交換ステーションの床面積を節約する。
【0081】
電池交換ステーションにおいて、電気自動車の走行方向に隣接する充電室102の間に第三拡張ビン130が設けられ、第三拡張ビン130に電気自動車が走り出すための通路扉131が設けられる。第三拡張ビン130は、電池交換ステーションに関連する設備を取り付けるために使用することができ、第三拡張ビン130を空けて、最初に電池交換作業を完了した電気自動車が第三拡張ビン130から走り出すことを容易にし、電池交換の効率を向上させることもできる。
【0082】
さらに、第三拡張ビン130の上方に第四拡張ビン(図示せず)を設けることもでき、第四拡張ビンは第一拡張ビン110に連通されてもよく、第四拡張ビンの機能は第一拡張ビン110の機能と同様であり、サービス系施設の設置や電池交換関連設備の設置にも使用することができる。
【0083】
一つの第一拡張ビン110にのみ第一材料通路10を設けてもよく、例えば、
図8に示すように、同じ第一拡張ビン110に接続された二つの第一材料通路10が電池交換ステーションの片側に設けられ、それによって占有空間を節約することができ、また、各第一拡張ビン110に第一材料通路10を設けてもよく、例えば、第一材料通路10を電池交換ステーションの両側に設けるか、又は二つの第一拡張ビン110が互いに接続された箇所に接続された第一材料通路10を設けることも可能である。
【0084】
以上、本願の具体的な実施形態を説明したが、当業者であれば、これは例示に過ぎず、本願の保護範囲は添付の特許請求の範囲によって規定されることを理解すべきである。当業者は、本発明の原理及び本質から逸脱することなく、これらの実施形態に対して種々な変更又は修正を加えることができるが、これらの変更及び修正は、何れも本願の保護範囲内に入るものとする。
【符号の説明】
【0085】
101 電池交換室
102 充電室
103 電池交換通路
104 昇降エリア
105 操作エリア
106 パーティション
11 全機能ビン
110 第一拡張ビン
111 突出端
120 第二拡張ビン
130 第三拡張ビン
131 通路扉
10 第一材料通路
13 点検扉
14 主制御扉
21 独立ビン
22 走行通路
31 エアコン室内機
32 エアコン室外機
4 エアコン通風ダクト
41 下風道
42 上風道
43 接続片
44 排気ダクト
5 充電ラック
51 充電器
52 充電器通風ダクト
6 昇降機
71 主制御盤
81 上り坂
82 下り坂
9 走行プラットホーム
【国際調査報告】