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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】直接接合構造体
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20240123BHJP
   H10N 30/20 20230101ALI20240123BHJP
   B81C 3/00 20060101ALI20240123BHJP
   B81B 7/02 20060101ALI20240123BHJP
   H01S 5/02325 20210101ALI20240123BHJP
【FI】
H01L25/08 Y
H10N30/20
B81C3/00
B81B7/02
H01S5/02325
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540205
(86)(22)【出願日】2021-12-29
(85)【翻訳文提出日】2023-08-25
(86)【国際出願番号】 US2021073170
(87)【国際公開番号】W WO2022147460
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】63/132,400
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/132,409
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518065991
【氏名又は名称】アデイア セミコンダクター ボンディング テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】カトカー ラジェシュ
(72)【発明者】
【氏名】ハーバ ベルガセム
(72)【発明者】
【氏名】エンクイスト ポール エム
(72)【発明者】
【氏名】ファウンテン ガイウス ギルマン ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ギリアン
(72)【発明者】
【氏名】ウゾー シプリアン エメカ
【テーマコード(参考)】
3C081
5F173
【Fターム(参考)】
3C081AA17
3C081BA25
3C081BA45
3C081BA55
3C081CA05
3C081CA32
3C081EA35
5F173MC03
5F173MC12
(57)【要約】
直接接合構造体を作製する方法及び直接接合構造体を形成する方法の実施形態が開示される。直接接合構造体は、能動エレクトロニクス(電子部品)を構成する素子、微小電気機械システム(MEMS)、光学素子その他を有するのがよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接合構造体を形成する方法であって、前記方法は、
第1の素子の第1の領域に接合面を形成するステップを含み、
前記接合面の少なくとも一部分を保護層で被覆するステップを含み、
前記第1の素子の第2の領域内に加工を施して、前記第2の領域内に第2の表面を作製するステップを含み、前記第2の表面は、前記接合面とは物質的に異なっており、
前記第1の領域の前記接合面をむき出しにするステップを含み、
第2の素子を前記第1領域の前記接合面に直接接合するステップを含む、方法。
【請求項2】
前記第2の領域内に加工を施す前記ステップは、前記第2の領域内に層をビルドアップして前記第2の表面が異なる高さ位置に存在することによって前記第2の表面が前記接合面とは物質的に異なるようにするステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記層をビルドアップするステップは、前記層を前記第2の領域内に被着させるステップを含む、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記層をビルドアップするステップは、ビルドアップ構造体を前記第2の領域に移着させ又は取り付けるステップを含む、請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記第2の領域内に加工を施すステップは、前記接合面とは異なる組成を有する表面を形成するステップを含む、請求項1~4のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項6】
接着剤なしで第3の素子を前記第2の表面上に直接接合するステップをさらに含む、請求項1~5のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項7】
前記保護層は、前記第1及び前記第2の領域内に設けられた無機エッチングストップ材料を含む、請求項1~6のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項8】
前記保護層は、前記第2の領域ではなく、前記第1の領域内に設けられたパターン形成済み犠牲材料を含む、請求項1~6のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項9】
第3の素子を前記第2の領域の前記第2の表面に取り付けるステップをさらに含み、前記第2の領域内に加工を施す前記ステップは、前記第3の素子上にビルドアップ構造体を形成するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
接合構造体を形成する方法であって、前記方法は、
キャリヤ上の接合面を直接接合可能に前処理するステップと、
前記接合面の一部分上にビルドアップ構造体を形成するステップと、
前記ビルドアップ構造体の形成後、素子を介在接着剤なしで前記接合面の露出部分に直接接合するステップと、を含む、方法。
【請求項11】
前記ビルドアップ構造体を形成するステップは、前記ビルドアップ構造体を前記接合面の前記一部分上に被着させるステップを含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記ビルドアップ構造体の形成前に、前記接合面を保護層で被覆するステップをさらに含む、請求項10又は11記載の方法。
【請求項13】
前記接合面を被覆する前記ステップは、前記接合面上の第1の領域及び第2の領域内にエッチングストップ材料を提供するステップを含む、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記接合面を被覆するステップは、パターン形成犠牲材料を前記接合面の第2の領域ではなく、前記素子が直接接合されるべき前記接合面の第1の領域内に提供するステップを含む、請求項12記載の方法。
【請求項15】
前記ビルドアップ構造体の上面上の第2の接合面を前処理するステップをさらに含む、請求項10~14のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項16】
第2の素子を介在接着剤なしで前記第2の接合面に直接接合するステップをさらに含む、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記ビルドアップ構造体は、1つ以上の層を備えた集積化デバイスを含む、請求項10~16のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項18】
前記ビルドアップ構造体を形成するステップは、前記ビルドアップ構造体を前記接合面の一部分に移着させ又は取り付けるステップを含む、請求項10記載の方法。
【請求項19】
第2の素子を前記キャリヤに取り付けるステップをさらに含み、前記ビルドアップ構造体を形成するステップは、前記ビルドアップ構造体を前記第2の素子上に形成するステップを含む、請求項10記載の方法。
【請求項20】
接合構造体であって、
第1の領域及び前記第1の領域から側方に間隔を置いて位置する第2の領域を備えたキャリヤと、
介在接着剤なしで前記第1の領域の接合面に直接接合された素子と、
前記第2の領域内に設けられていて、前記接合面と平行ではない方向において前記接合面の上方で垂直に延びる集積化ビルドアップ構造体とを有し、前記集積化ビルドアップ構造体は、前記キャリヤ上に1つ以上の層を有する、接合構造体。
【請求項21】
前記1つ以上の層は、前記キャリヤ上に被着されている、請求項20記載の接合構造体。
【請求項22】
前記1つ以上の層は、前記キャリヤ上に第2のキャリヤから移着される、請求項20記載の接合構造体。
【請求項23】
介在接着剤なしで前記集積化ビルドアップ構造体の第2の接合面に直接接合された第2の素子をさらに有する、請求項20~22のうちいずれか一に記載の接合構造体。
【請求項24】
前記1つ以上の層は、集積化デバイスを構成する、請求項20~23のうちいずれか一に記載の接合構造体。
【請求項25】
前記キャリヤの前記第2の領域に取り付けられた第2の素子をさらに有し、前記集積化ビルドアップ構造体は、前記第2の素子上に形成される、請求項20記載の接合構造体。
【請求項26】
接合構造体を形成する方法であって、前記方法は、
キャリヤの第1の領域の接合面を直接接合可能に前処理するステップを含み、
前記接合面を前処理した後、前記第1の領域から側方に間隔を置いて位置する前記キャリヤの第2の領域内にビルドアップ構造体を提供するステップを含み、前記ビルドアップ構造体は、前記接合面とは平行ではない方向において前記接合面の上方で垂直に延び、前記ビルドアップ構造体は、前記キャリヤ上に設けられた1つ以上の層を有し、
前記ビルドアップ構造体の提供後、素子を介在接着剤なしで前記キャリヤの前記第1の領域の前記接合面に直接接合するステップを含む、方法。
【請求項27】
前記ビルドアップ構造体を提供するステップは、前記ビルドアップ構造体を前記キャリヤの前記第2の領域上に被着させるステップを含む、請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記ビルドアップ構造体を提供する前に、前記接合面の少なくとも一部分を保護層で被覆するステップをさらに含む、請求項26又は27記載の方法。
【請求項29】
前記接合面を被覆するステップは、前記接合面上の前記第1及び前記第2の領域内にエッチングストップ材料を提供するステップを含む、請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記接合面を被覆するステップは、パターン形成済み犠牲材料を前記第2の領域ではなく前記第1の領域内に提供するステップを含む、請求項28記載の方法。
【請求項31】
前記素子を介在接着剤なしで前記キャリヤの前記第1の領域の前記接合面に直接接合する前に、前記第1領域の前記接合面をむき出しにするステップをさらに含む、請求項26~30のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項32】
前記ビルドアップ構造体の第2の接合面を直接接合可能に前処理するステップ、及び、第2の素子を介在接着剤なしで前記第2の接合面に直接接合するステップをさらに含む、請求項26~31のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項33】
前記ビルドアップ構造体は、1つ以上の層を有する集積化デバイスを含む、請求項26~32のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項34】
第2の素子を前記キャリヤの前記第2の領域に取り付けるステップをさらに含み、前記ビルドアップ構造体を提供するステップは、前記ビルドアップ構造体を前記第2の素子上に形成するステップを含む、請求項26記載の方法。
【請求項35】
接合構造体であって、
第1の領域及び前記第1の領域から側方に間隔を置いて位置する第2の領域を備えたキャリヤを有し、
介在接着剤なしで前記キャリヤの前記第1領域の接合面に直接接合された素子を有し、前記素子は、少なくとも部分的に空洞を形成するよう形作られており、
前記空洞内に設けられ、かつ複数の層中の前記第2領域上にパターン形成された集積化微小電気機械システム(MEMS)デバイスを有し、前記MEMSデバイスは、前記接合面の上方で延びている、接合構造体。
【請求項36】
前記MEMSデバイスは、前記キャリヤ上に設けられた圧電材料層を有し、前記圧電材料層は、前記圧電材料層への電圧の印加に応答して前記空洞に圧力を及ぼすよう構成されている、請求項35記載の接合構造体。
【請求項37】
前記空洞内に入れられた流体をさらに有する、請求項35又は36記載の接合構造体。
【請求項38】
前記複数の層は、前記キャリヤ上に被着されている、請求項35~37のうちいずれか一に記載の接着構造体。
【請求項39】
前記MEMSデバイスは、前記接合面に直接接合されているのではなく、前記接合面上に設けられている、請求項35~38のうちいずれか一に記載の接合構造体。
【請求項40】
接合構造体を形成する方法であって、前記方法は、
第1の領域及び前記第1の領域から側方に間隔を置いて位置する第2の領域を備えたキャリヤを提供するステップと、
複数の層中の第2の領域内に集積化微小電気機械システム(MEMS)デバイスを提供するステップと、
素子を介在接着剤なしで前記キャリヤの前記第1の領域の接合面に直接接合するステップと、を含み、前記素子は、少なくとも部分的に空洞を形成するよう形作られ、前記集積化MEMSデバイスは、前記空洞内に設けられ、かつ前記接合面の上方で延びている、方法。
【請求項41】
前記接合面を平坦化するステップをさらに含む、請求項40記載の方法。
【請求項42】
前記集積化MEMSデバイスをパターン形成する前に、前記接合面の少なくとも一部分を保護層で被覆するステップをさらに含む、請求項41記載の方法。
【請求項43】
前記接合面を被覆する前記ステップは、前記接合面上の前記第1及び前記第2の領域内にエッチングストップ材料を提供するステップを含む、請求項42記載の方法。
【請求項44】
前記接合面を被覆する前記ステップは、パターン形成済み犠牲材料を前記第2の領域内ではなく、前記第1の領域内に提供するステップを含む、請求項42記載の方法。
【請求項45】
前記素子を介在接着剤なしで前記キャリヤの前記第1領域の前記接合面に直接接合する前に、前記第1領域内の前記接合面をむき出しにするステップをさらに含む、請求項42~44のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項46】
前記集積化MEMSデバイスを提供する前記ステップは、複数の層を前記キャリヤ上に被着させるステップを含む、請求項40~45のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項47】
前記複数の層をパターン形成して前記集積化MEMSデバイスを形成するステップをさらに含む、請求項46記載の方法。
【請求項48】
前記集積化MEMSデバイスは、圧電アクチュエータから成る、請求項40~47のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項49】
接合構造体であって、
第1の非導電接合領域及び第2の非導電接合領域を備えたキャリヤを有し、前記第1の非導電接合領域は、第1の非導電材料を含み、前記第2の非導電領域は、前記第1の非導電材料とは異なる組成を有する第2の非導電材料を含み、
介在接着剤なしで前記キャリヤの前記第1の非導電接合領域に直接接合されている第1の接合層を備えた第1のデバイスを有し、
介在接着剤なしで前記キャリヤの前記第2の非導電接合領域に直接接合されている第2の接合層を備えた第2デバイスを有する、接合構造体。
【請求項50】
前記第1及び前記第2のデバイスは、互いに異なる高さ位置で前記キャリヤに直接接合されている、請求項49記載の接合構造体。
【請求項51】
前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスのうちの少なくとも一方上にビルドアップ構造体を形成するステップをさらに含む、請求項49記載の接合構造体。
【請求項52】
接合構造体を形成する方法であって、前記方法は、
第1のデバイスの第1の接合層を介在接着剤なしでキャリヤの第1の非導電接合領域に直接接合するステップを含み、前記第1の非導電接合領域は、第1の非導電材料を含み、
第2のデバイスの第2の接合層を介在接着剤なしで前記キャリヤの第2の非導電接合領域に直接接合するステップを含み、前記第2の非導電接合領域は、前記第1の非導電材料とは異なる組成を有する第2の非導電材料を含む、方法。
【請求項53】
前記第1のデバイスを前記キャリヤの第1の接合面に直接接合するステップ、及び、前記第2のデバイスを前記キャリヤの第2の接合面に直接接合するステップをさらに含み、前記第1及び前記第2の接合面は、互いに異なる高さ位置に設けられている、請求項52記載の方法。
【請求項54】
前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスのうちの少なくとも一方上にビルドアップ構造体を形成するステップをさらに含む、請求項53記載の方法。
【請求項55】
接合構造体であって、
第1の領域及び前記第1の領域から側方に間隔を置いて位置する第2の領域を備えたキャリヤと、
介在接着剤なしで前記第1の領域の接合面に直接接合された光学素子と、
前記第2の領域内に設けられていて、前記接合面と平行ではない方向において前記接合面の上方で垂直に延びる集積化ビルドアップ構造体とを有し、前記集積化ビルドアップ構造体は、前記キャリヤ上に設けられた1つ以上の層を含む、接合構造体。
【請求項56】
前記キャリヤは、フォトニクスチップから成り、前記光学素子は、エミッタダイから成る、請求項55記載の接合構造体。
【請求項57】
前記エミッタダイは、側面発光レーザデバイスダイから成る、請求項56記載の接合構造体。
【請求項58】
前記集積化ビルドアップ構造体は、前記接合面とは平行ではない方向において前記接合面の上方で垂直に設けられている光ポートを備えた光路を有し、前記光ポートは、前記光学素子と光通信状態にある、請求項55~57のうちいずれか一に記載の接合構造体。
【請求項59】
介在接着剤なしで前記集積化ビルドアップ構造体に直接接合されたプロセッサ素子をさらに有する、請求項55~58のうちいずれか一に記載の接合構造体。
【請求項60】
接合構造体であって、
第1の領域及び前記第1の領域から側方に間隔を置いて位置する第2の領域を備えたキャリヤと、
介在接着剤なしで前記第1の領域の接合面に直接接合された光学デバイスダイと、
前記第2の領域内に設けられ、かつ前記光学デバイスダイと光学的に結合された光路とを有し、前記光路は、前記接合面とは平行ではない方向において前記接合面の上方で垂直に設けられた光ポートを有し、前記光ポートは、前記光学デバイスダイと光通信状態にある、接合構造体。
【請求項61】
前記キャリヤは、フォトニクスチップから成り、前記光学デバイスダイは、エミッタダイから成る、請求項60記載の接合構造体。
【請求項62】
前記エミッタダイは、側面発光レーザデバイスダイから成る、請求項61記載の接合構造体。
【請求項63】
介在接着剤なしで前記光路に直接接合されたプロセッサ素子をさらに有する、請求項60~62のうちいずれか一に記載の接合構造体。
【請求項64】
接合構造体を形成する方法であって、
第1の領域及び前記第1の領域から側方に間隔を置いて位置する第2の領域を有するキャリヤを提供するステップを含み、
前記キャリヤの前記第2の領域内に集積化ビルドアップ構造体を提供するステップを含み、前記集積化ビルドアップ構造体は、前記キャリヤ上に設けられた1つ以上の層を有し、
光学素子を介在接着剤なしで前記第1領域の接合面に直接接合するステップを含み、前記集積化ビルドアップ構造体は、前記接合面とは平行ではない方向において前記接合面の上方で垂直に延びる、方法。
【請求項65】
前記接合面を平坦化するステップをさらに含む、請求項64記載の方法。
【請求項66】
前記集積化ビルドアップ構造体を提供する前に、前記接合面の少なくとも一部分を保護層で被覆するステップをさらに含む、請求項65記載の方法。
【請求項67】
前記接合面を被覆する前記ステップは、エッチングストップ材料を前記接合面上の前記第1及び前記第2の領域内に提供するステップを含む、請求項66記載の方法。
【請求項68】
前記接合面を被覆する前記ステップは、パターン形成された犠牲材料を前記第2の領域内ではなく、前記第1の領域内に提供するステップを含む、請求項66記載の方法。
【請求項69】
前記光学素子を介在接着剤なしで前記第1の領域の前記接合面に直接接合する前に、前記第1の領域内の前記接合面をむき出しにするステップをさらに含む、請求項66~68のうちいずれか一に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術分野は、直接接合(ダイレクトボンディング)された構造体に関する。
【0002】
〔関連出願の相互参照〕
本願は、2020年12月30日に出願された米国特許仮出願第63/132,409号(発明の名称:DIRECTLY BONDED STRUCTURES)、及び2020年12月30日に出願された米国特許仮出願第63/132,400号(発明の名称:DIRECTLY BONDED STRUCTURES)の優先権主張出願であり、これら両方の米国特許仮出願を参照により引用し、これらの記載内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
マイクロエレクトロニクス用の直接接合構造体は、典型的には、キャリヤ(ウエハ又は集積化デバイスダイなど)及び介在接着剤なしでキャリヤの接合面に直接接合された1つ以上の集積化デバイスダイを有する。キャリヤは多くの場合、半導体又は誘電体接合面を有し、集積化デバイスダイは、同一材料の接合面を有する。キャリヤ及びダイのそれぞれの接合面は、直接接合可能に加工されるのがよく、そしてこれらを互いに接触させると直接接合部を形成することができる。幾つかのデバイスでは、キャリヤの導電接触パッドをダイの対応の接触パッドに直接接合すると、直接ハイブリッド接合部を形成することができる。種々の形式の材料を直接接合構造体の状態に集積化することは難題となる場合がある。デバイスを設ける多数の垂直レベルを形成することもまた、難題であるといえる。したがって、改良型直接接合構造体が要望され続けている。
【発明の概要】
【0004】
この発明の概要の項の目的上、特定の観点、利点、及び新規な特徴について説明する。理解されるべきこととして、任意特定の実施形態に従ってかかる全ての利点を必ずしも達成できるわけではない。かくして、例えば、当業者であれば認識されるように、本明細書における開示は、本明細書において教示され又は示唆される他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書において教示される1つ以上の利点を達成する仕方で具体化されるのがよく又は実施されるのがよい。
【0005】
本明細書において説明する実施形態の全ては、本発明の範囲に含まれることが意図されている。これらの実施形態及び他の実施形態は、添付の図面を参照して行われる以下の詳細な説明から当業者には容易に明らかになろう。本明細書において説明する実施形態は、本発明を任意特定の一実施形態又は複数の実施形態に限定するものではない。
【0006】
幾つかの実施形態では、接合構造体を形成する方法は、第1の素子の第1の領域内に接合面を形成するステップと、接合面の少なくとも一部分を保護層で被覆するステップと、第1の素子の第2の領域内に加工を施して、第2の領域内に第2の表面を作製するステップとを含み、第2の表面は、接合面とは物質的に異なっており、本方法は、第1の領域の接合面をむき出しにするステップと、第2の素子を第1領域の接合面に直接接合するステップとをさらに含む。
【0007】
幾つかの実施形態では、接合構造体を形成する方法は、キャリヤ上の接合面を直接接合可能に前処理するステップと、接合面の一部分上にビルドアップ構造体を形成するステップと、ビルドアップ構造体の形成後、素子を介在接着剤なしで接合面の露出部分に直接接合するステップとを含む。
【0008】
幾つかの実施形態では、接合構造体を形成する方法は、キャリヤの第1の領域の接合面を直接接合可能に前処理するステップと、接合面を前処理した後、第1の領域から側方に間隔を置いて位置するキャリヤの第2の領域内にビルドアップ構造体を提供するステップとを含み、ビルドアップ構造体は、接合面とは平行ではない方向において接合面の上方で垂直に延び、ビルドアップ構造体は、キャリヤ上に設けられた1つ以上の層を有し、本方法は、ビルドアップ構造体の提供後、素子を介在接着剤なしでキャリヤの第1の領域の接合面に直接接合するステップをさらに含む。幾つかの実施形態では、ビルドアップ構造体は、直接接合ダイ上に設けられるのがよい。例えば、ビルドアップ構造体は、直接接合ダイ上に1つ以上のBEOL(Back End of Line)層を有し、BEOL層は、受動素子、光学素子、又は機械要素その他を含む。
【0009】
幾つかの実施形態では、接合構造体を形成する方法は、第1の領域及び第1の領域から側方に間隔を置いて位置する第2の領域を備えたキャリヤを提供するステップと、複数の層中の第2の領域内に集積回路、例えば微小電気機械システム(MEMS)デバイスを提供するステップと、素子を介在接着剤なしでキャリヤの第1の領域の接合面に直接接合するステップとを含み、素子は、少なくとも部分的に空洞を形成するよう形作られ、集積回路(例えばMEMSデバイス)は、空洞内に設けられ、かつ接合面の上方で延びている。
【0010】
幾つかの実施形態では、接合構造体を形成する方法は、第1のデバイスの第1の接合層を介在接着剤なしでキャリヤの第1の非導電接合領域に直接接合するステップを含み、第1の非導電接合領域は、第1の非導電材料を含み、本方法は、第2のデバイスの第2の接合層を介在接着剤なしでキャリヤの第2の非導電接合領域に直接接合するステップをさらに含み、第2の非導電接合領域は、第1の非導電材料とは異なる組成を有する第2の非導電材料を含む。
【0011】
幾つかの実施形態では、接合構造体を形成する方法は、第1の領域及び第1の領域から側方に間隔を置いて位置する第2の領域を有するキャリヤを提供するステップと、キャリヤの第2の領域内に集積化ビルドアップ構造体を提供するステップとを含み、集積化ビルドアップ構造体は、キャリヤ上に設けられた1つ以上の層を有し、本方法は、素子、例えば、光学素子を介在接着剤なしで第1領域の接合面に直接接合するステップをさらに含み、集積化ビルドアップ構造体は、接合面とは平行ではない方向において接合面の上方で垂直に延びる。幾つかの実施形態では、ビルドアップ構造体は、キャリヤに取り付けられたダイ上に設けられるのがよい。
【0012】
幾つかの実施形態では、接合構造体は、第1の領域及び第1の領域から側方に間隔を置いて位置する第2の領域を備えたキャリヤと、介在接着剤なしで第1の領域の接合面に直接接合された素子と、第2の領域内に設けられていて、接合面と平行ではない方向において接合面の上方で垂直に延びる集積化ビルドアップ構造体とを有し、集積化ビルドアップ構造体は、キャリヤ上に1つ以上の層を有する。幾つかの実施形態では、ビルドアップ構造体は、キャリヤに取り付けられたダイ上に設けられるのがよい。
【0013】
幾つかの実施形態では、接合構造体は、第1の領域及び第1の領域から側方に間隔を置いて位置する第2の領域を備えたキャリヤと、介在接着剤なしでキャリヤの第1の領域の接合面に直接接合された素子とを有し、素子は、少なくとも部分的に空洞を形成するよう形作られており、接合構造体は、空洞内に設けられ、かつ複数の層中の第2領域上にパターン形成された集積化微小電気機械システム(MEMS)デバイスをさらに有し、MEMSデバイスは、接合面の上方で延びている。
【0014】
幾つかの実施形態では、接合構造体は、第1の非導電接合領域及び第2の非導電接合領域を備えたキャリヤを有し、第1の非導電接合領域は、第1の非導電材料を含み、第2の非導電領域は、第1の非導電材料とは異なる組成を有する第2の非導電材料を含み、接合構造体は、介在接着剤なしでキャリヤの第1の非導電接合領域に直接接合されている第1の接合層を備えた第1のデバイスと、介在接着剤なしでキャリヤの第2の非導電接合領域に直接接合されている第2の接合層を備えた第2デバイスとをさらに有する。
【0015】
幾つかの実施形態では、接合構造体は、第1の領域及び第1の領域から側方に間隔を置いて位置する第2の領域を備えたキャリヤと、介在接着剤なしで第1の領域の接合面に直接接合された光学素子と、第2の領域内に設けられていて、接合面と平行ではない方向において接合面の上方で垂直に延びる集積化ビルドアップ構造体とを有し、集積化ビルドアップ構造体は、キャリヤ上に設けられた1つ以上の層を含む。
【0016】
幾つかの実施形態では、接合構造体は、第1の領域及び第1の領域から側方に間隔を置いて位置する第2の領域を備えたキャリヤと、介在接着剤なしで第1の領域の接合面に直接接合された光学デバイスダイと、第2の領域内に設けられ、かつ光学デバイスダイと光学的に結合された光路とを有し、光路は、接合面とは平行ではない方向において接合面の上方で垂直に設けられた光ポートを有し、光ポートは、光学デバイスダイと光通信状態にある。
【0017】
幾つかの実施形態では、接合構造体は、第1の非導電接合領域及び第1の非導電接合領域から側方に間隔を置いて位置する第2の領域を備えたキャリヤと、介在接着剤なしで第1の非導電接合領域の接合面に直接接合された素子とを有し、第1の非導電接合領域は、第1の非導電材料を含み、接合構造体は、第2の領域内に設けられていて、接合面と平行ではない方向において接合面の上方で垂直に延びる集積化ビルドアップ構造体をさらに有し、集積化ビルドアップ構造体は、キャリヤ上に1つ以上の層を有し、かかる1つ以上の層は、第2の接合層及び介在接着剤なしでキャリヤの第2の非導電接合領域に直接接合された第2のデバイスを含む。幾つかの実施形態では、第2の接合層は、第1の非導電材料と同種の非導電材料から成る。幾つかの実施形態では、第2の接合層は、第1の非導電材料とは異種の非導電材料から成る。
【0018】
本発明のこれらの特徴、観点、及び利点、ならびに他の特徴、観点、及び利点は、ある特定の実施形態の図面を参照して説明するが、図面は、本発明を説明することを意図しているが、これを限定するものではない。理解されるように、本発明に組み込まれてこの一部を成す添付の図面は、本明細書において開示する技術的思想を説明する目的のためであり、これら図面は、縮尺通りにはなっていない場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】幾つかの実施形態に従って互いに異なる接合領域を有する表面の略図である。
図2】幾つかの実施形態に従って多数の素子の直接接合法を示す図である。
図3A】一実施形態に従って2つの側方に間隔を置いて位置する接合面の実施形態を示す図である。
図3B】別の実施形態に従って2つの側方に間隔を置いて位置する接合面の実施形態を示す図である。
図3C】別の実施形態に従って2つの側方に間隔を置いて位置する接合面の実施形態を示す図である。
図3D】別の実施形態に従って2つの側方に間隔を置いて位置する接合面の実施形態を示す図である。
図3E】別の実施形態に従って2つの側方に間隔を置いて位置する接合面の実施形態を示す図である。
図4A】一実施形態としての直接接合プロセスを示す図である。
図4B】別の実施形態としての直接接合プロセスを示す図である。
図4C】別の実施形態としての直接接合プロセスを示す図である。
図4D】別の実施形態としての直接接合プロセスを示す図である。
図4E】別の実施形態としての直接接合プロセスを示す図である。
図4F】別の実施形態としての直接接合プロセスを示す図である。
図5A】一実施形態としての直接接合プロセスを示す図である。
図5B】別の実施形態としての直接接合プロセスを示す図である。
図5C】別の実施形態としての直接接合プロセスを示す図である。
図5D】別の実施形態としての直接接合プロセスを示す図である。
図5E】別の実施形態としての直接接合プロセスを示す図である。
図5F】別の実施形態としての直接接合プロセスを示す図である。
図6】幾つかの実施形態に従って多数の素子の直接接合法を示す図である。
図7A】一実施形態に従って形成されたMEMSデバイスの図である。
図7B】別の実施形態に従って形成されたMEMSデバイスの図である。
図8A】一実施形態に従って形成された光パッケージの図である。
図8B】別の実施形態に従って形成された光パッケージの図である。
図8C】別の実施形態に従って形成された光パッケージの図である。
図9】幾つかの実施形態に従って多数の素子を接合する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
幾つかの実施形態、実施例、及び実例を以下に開示するが、当業者であれば理解されるように、本明細書において説明する本発明は、具体的に開示する実施形態、実施例、及び実例を超えており、本発明は、他の使用ならびに明白な改造例及び均等例を含む。添付の図を参照して実施形態について説明するが、図中、同一の参照符号は、図全体を通じて同様の要素を指している。本明細書において提供される説明で用いられる用語は、単にこれが本発明のある特定の実施形態の詳細な説明と関連して用いられているという理由で、何らかの限定された又は制限された仕方で解釈されるものではない。加うるに、本発明の実施形態は、幾つかの新規な特徴を有する場合があり、その望ましい属性の一要因であり、又は本明細書において説明する本発明を実施する上で本質的な単一の特徴は存在しない。
【0021】
本明細書において開示する種々の実施形態は、直接に接合される構造体に関し、かかる構造体では、互いに異なる素子は、キャリヤの互いに異なる領域に接合されるのがよい。幾つかの実施形態では、第1の素子(例えば、第1の集積化デバイスダイ又は他の素子)は、キャリヤの第1の領域中の接合面に直接接合されるのがよい。キャリヤの第2の領域は、接合表面とは物質的に異なる表面を作製するよう処理されるのがよい。例えば、幾つかの実施形態では、物質的に異なる表面は、異なる材料組成(例えば、異なる材料組成を備えた接合層)を有するのがよい。
【0022】
幾つかの実施形態では、材料的に異なる表面は、接合面に対する異なる垂直高さ位置のところに位置する表面を含むのがよい。従来、表面を高度に平坦化して、これら表面を活性化する必要があったので、直接接合のために互いに異なる高さ位置のところに又は互いに異なる材料の表面を前処理することは困難であり、このように高度に平坦化して活性化することは、互いに異なる材料及び/又は互いに異なる高さ位置に伴う前処理後加工とは両立しない場合がある。本明細書において開示する実施形態は、有利には、互いに異なる材料セットの集積化を実施可能にし、かかる集積化は、多種多様なデバイスについて直接接合技術の使用を容易にすることができる。本明細書において開示する実施形態は、追加的に又は代替的に、垂直方向にオフセットした表面のところでの三次元におけるデバイスの集積化を実施可能にする。例えば、本明細書において開示する実施形態は、直接接合にとっては大きすぎる表面粗さを結果的にもたらさないで、下に位置する接合部インターフェースを露出させるよう頂部層の除去を実施可能にする。
【0023】
図1は、幾つかの実施形態に従って、互いに異なる接合領域を有する表面の図である。図示のように、種々の実施形態では、キャリヤ(例えば、ウエハ、集積化デバイスダイ、又は他形式の素子など)を構成する第1の素子は、互いに異なる領域を有するのがよい。互いに異なる領域は、互いに異なる接合材料から成るのがよい。例えば、キャリヤは、第1の非導電材料の第1の表面101、第2の非導電材料の第2の表面102、及び第3の非導電材料の第3の表面103を有するのがよい。幾つかの実施形態では、第3の表面103は、第1の表面101の頂部上に位置してもよく、第2の表面102の頂部上に位置してもよく、又は第2の表面102内に埋め込まれてもがよい。同様に、第2の表面102及び第3の表面103は、第1の表面101内に埋め込まれてもよい。第1、第2及び第3の非導電材料は、互いに異なる組成を有するのがよい。例えば、幾つかの実施形態では、第1、第2、及び第3の非導電材料は、アンドープ半導体(例えば、純ケイ素)、窒化ケイ素、酸化ケイ素、オキシ窒化ケイ素、炭窒化ケイ素、及び/又は異なる誘電体から成るのがよく、この誘電体は、low-k 誘電体であるのがよい。
【0024】
図2は、例示の接合構造体を示している。幾つかの実施形態では、例えば、第1の素子201は、第1の誘電体202(例えば、窒化ケイ素)を含む第1の領域207、及び第2の誘電体203(例えば、酸化ケイ素又は低k誘電体)を含む第2の領域208を備えたキャリヤ(例えば、第1のダイ、ウエハ、又はフラットパネル)を有するのがよい。幾つかの実施形態では、第2の素子204(例えば、第2のダイ)は、第1の誘電体202から成る接合層を有するのがよい。他の実施形態では、第2の素子204の接合層は、キャリヤの第1の領域207の第1の非導電材料とは異なる材料から成るのがよい。さらに、第3の素子205(例えば、第3のダイ)が、第2の誘電体203から成る接合層を有するのがよい。他の実施形態では、第3の素子205の接合層は、キャリヤの第2の領域208の第2の非導電材料とは異なる材料から成るのがよく、この接合層は、直接接合のための異なる前処理(例えば、活性化)を伴うのがよい。直接接合のための種々の非導電材料の使用は、本明細書に開示する実施形態のうちの任意のものに適用できる。幾つかの実施形態では、第1の誘電体202は、例えば、第1の素子201(例えば、キャリヤ)の第1の領域207内に埋め込まれるのがよく、第2の誘電体203は、第1の素子201(例えば、キャリヤ)の第2の領域208内に埋め込まれるのがよい。
【0025】
第1の領域207及び第2の領域208は、幾つかの実施形態では、互いに異なるプロセスステップで形成されるのがよい。本明細書で説明するように、第2の誘電体203(又は変形例として第1の誘電体202)から成る接合層は、第1の素子201(例えば、第1のダイ又はキャリヤ)の上面を覆って設けられるのがよい。例えば、幾つかの実施形態では、第2の誘電体203(又は変形例として、第1の誘電体202)は、上面全体を覆って設けられるのがよい。第1の領域207を有する接合層の一部分は、除去されるのがよく(例えば、選択的エッチング法によって)、第1の誘電体202は、接合層の一部分が除去された第1の領域207内に設けられるのがよい。第1の領域207及び第2の領域208は、幾つかの実施形態では、同一のステップで研磨(ポリシング)されると共に/或いは平坦化されるのがよい。他の実施形態では、第1の領域207と第2の領域208は、別々のステップで研磨されると共に/或いは平坦化されるのがよく、その結果、一方の領域は、他方の領域の前に加工されるようなっている。幾つかの実施形態では、第1の領域207と第2の領域208の両方は、以下に説明するように、活性化されると共に/或いは適切な化学種で端子形成されるのがよい。他の実施形態では、第1及び第2の領域207,208のうちの一方だけが活性化されると共に/或いは端子形成されるのがよい。他の実施形態では、第1の領域207も第2の領域208も活性化されないのがよくかつ/或いは端子形成されないのがよい。かかる実施形態では、第1の領域207及び/又は第2の領域208が接合部インターフェース206のところで直接接合されるべき素子(例えば、素子204又は素子205)は、活性化されると共に/或いは端子形成されるのがよい。幾つかの実施形態では、第1の誘電体202及び第2の誘電体203は、側方ギャップ(図示せず)だけ互いに離隔されるのがよい。側方ギャップは、第1の素子201と同様な誘電体又は別の適当な誘電体(例えば、スペーサ誘電体)から成るのがよい。接合部インターフェース206は、第1の誘電体202、第2の誘電体203、及びスペーサ誘電体を含むのがよい。幾つかの実施形態では、第1の誘電体202及び/又は第2の誘電体203は、第1の素子201(例えば、キャリヤ)に直接接合されたダイを含むのがよい。幾つかの実施形態では、接合ダイの裏側は、薄化され、平坦化されるのがよく、接合面が薄化されたダイの裏側上に形成されるのがよい。
【0026】
例示のプロセスフローが図3A図3Eに示されている。接合層302をキャリヤ301上に被着させる。フォトレジスト層304を接合層302の頂部上に被着させてパターン形成(パターニングともパターンニングとも呼ばれる)し、それにより接合層302の保護されていない状態の第2の領域308を露出させる。次に、露出した接合層302を除去して(例えばエッチングによって)、接合層302中に空洞(例えば第2の領域308)を生じさせる。残りの接合層302は、第1の領域307を形成する。この後に、もう1つの接合層303を被着させる。幾つかの実施形態では、1つ以上の誘電体層(例えば、バッファ層、接着層、拡散バリア、その他)(図示せず)を被着させるのがよく、その後接合層303を被着させる。次に、接合層303を研磨して、最初に、第1の領域307の接合層302を露出させる。次に、両方の接合層を研磨し、活性化し、そして直接接合のために互いに前処理するのがよい。幾つかの実施形態では、接合層302と接合層303は、スペーサ誘電体(図示せず)だけ側方に間隔を置いて位置するのがよい。
【0027】
図4A図4Fは、一実施形態に従って接合構造体を形成する方法を示している。図4Aに示すように、接合層402をキャリヤ401上に設ける(例えば、被着させ又は移着させる)のがよい。キャリヤ401は、半導体素子、例えば、ウエハ、ダイ、再構成ウエハ又は素子などから成るのがよい。図示の実施形態では、キャリヤ401は、ウエハの第1の集積化デバイスダイ又はデバイスダイ領域を含むのがよい。接合層402は、非導電材料、例えば誘電体(例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、オキシ窒化ケイ素、炭窒化ケイ素など)から成るのがよい。接合層402は、同一平面上に位置する(又は、わずかに凹んでいる、例えば、20nm未満凹んだ)導電表面をさらに有するのがよい。接合層402は、接合面を形成するために直接接合可能に前処理されるのがよい。以下に説明するように、接合層402を高い平滑度まで研磨すると共に/或いは平坦化するのがよい。幾つかの実施形態では、研磨済みの接合層402を、以下に説明するように、適切な種で活性化すると共に/或いは適当な化学種で端子形成するのがよい。幾つかの実施形態では、キャリヤ401の表面全体を直接接合可能に前処理するのがよい。
【0028】
図4Bを参照すると、保護犠牲層403をキャリヤ401の第1の領域406上に、例えば、第1の領域406の接合層402の一部分上に被着させてパターン形成するのがよい。図示のように、キャリヤの接合層402の第2の領域407を露出させた後はパターン形成済み保護犠牲層403で被覆しないようにするのがよい。保護犠牲層403は、接合層402から容易に除去できる任意適当な材料から成るのがよい。例えば、幾つかの実施形態では、犠牲層403は、フォトレジスト、ポリイミド又はポリアミド材料、又は炭素(例えば、約100nm以下の薄い炭素層)から成るのがよいが、他の材料が適している場合がある。幾つかの実施形態では、犠牲層は、無機材料、例えば窒化ケイ素又は別の誘電体、又は任意適当なエッチングストップ層であるのがよい。幾つかの実施形態では、犠牲層は、多数の層から成るのがよい。
【0029】
図4Cでは、集積化ビルドアップ構造体404を少なくともキャリヤの第2の領域407の接合層402上に(例えば、直接)設けるのがよい。他の実施形態(図9参照)では、1つ以上の介在する素子をキャリヤ401上に設けるのがよく、ビルドアップ構造体404を介在する素子上に直接設けるのがよい。図示の実施形態では、ビルドアップ構造体404は、キャリヤ401の第1の領域406及び第2の領域407上に被着された1つ以上の層から成るのがよい。図示のように、ビルドアップ構造体404をキャリヤ401の第2の領域407上に、そしてまた第1の領域406の保護犠牲層403を覆って被着させるのがよい。図4Cでは、ビルドアップ構造体404を第1の領域406及び第2の領域407で平坦化するのがよい。他の実施形態では、ビルドアップ構造体404を移着プロセスにおいて第2の領域407上に設けるのがよく、次に、第1の領域406を覆う追加の被着(又は、移着した構造体と第1の領域406の両方を覆う被着、次に、平坦化)を行うのがよい。例えば、ビルドアップ構造体404を接着剤なしで第2の領域407に直接接合した状態でハンドルウエハ上に形成するのがよく、そしてハンドルウエハを除去するのがよい。幾つかの実施形態では、ビルドアップ構造体404を、フリップチップ相互接続を介して又はダイ取り付け材料を用いて第2の領域407に取り付けるのがよい。
【0030】
ビルドアップ構造体404は、絶縁材料及び導電材料の多数の層を含む多層構造体から成るのがよい。幾つかの実施形態では、多層構造体は、1つ又は複数の絶縁層内に埋め込まれたトレース及びビアを有する相互接続構造体から成るのがよい。この相互接続構造体は、電気信号を、ビルドアップ構造体404を介して側方にかつ/或いは垂直に移送するよう構成されているのがよい。幾つかの実施形態では、ビルドアップ構造体404には、1つ以上の集積化デバイスが形成されるのがよい。例えば、1つ以上の集積化デバイスは、微小電気機械システム(MEMS)デバイス、集積回路(例えば、トランジスタ)、光デバイスなどを含むのがよい。幾つかの実施形態では、ビルドアップ構造体404は、集積化デバイスダイを含まないのがよい。例えば、幾つかの実施形態では、ビルドアップ構造体404は、バルク半導体部分(例えば、バルクケイ素部分)を含まないのがよい。これとは異なり、図示の実施形態では、ビルドアップ構造体404は、キャリヤ401の第2の領域407上に形成される(例えば、被着される)無機又はラミネート電気相互接続部、及び/又はキャリヤ401の第2の領域407上に形成された(例えば、ビルドアップされた)集積化デバイスとしての役目を果たすのがよい。幾つかの実施形態では、上述したように、無機又はラミネート電気相互接続部は、移着又は取り付けプロセスで第2の領域407上に設けられるのがよい。図4Cの構造体を幾つかの実施形態では平坦化するのがよい。幾つかの実施形態では、さらに、図4Cの構造体を第2の領域407上への直接接合のために前処理するのがよく、そして別の保護犠牲層で保護するのがよい。
【0031】
図4Dでは、ビルドアップ構造体404をパターン形成して、犠牲層403及び第1の領域406と重なり合っているビルドアップ構造体404の一部分を除去するのがよい。他の実施形態では、ビルドアップ構造体404を第2の領域407にのみ配置してもよく(例えば、第2の領域407に移着させてもよく)、すると、ビルドアップ構造体404は、第1の領域406及び犠牲層403と重なり合うことがないようになる。幾つかの実施形態では、犠牲層403及び第1の領域406と重なり合ったビルドアップ構造体404の一部分を例えば研削及び研磨によって除去するのがよい。
【0032】
図4Eでは、図4Dに示す犠牲層403を任意適当な仕方で除去することができる。有益には、犠牲層403の除去は、直接接合のための表面粗さ及び適合性に悪影響を及ぼさないのがよい。例えば、現像液を犠牲材料に供給し(例えば、吹き付け)又は灰化(アッシング)プロセス(例えば、酸素プラズマ)を用いることによって有機(例えば、フォトレジスト)犠牲材料を除去して、下に位置する第1の領域406の粗さに影響を及ぼさないで犠牲材料を除去するのがよい。幾つかの実施形態では、犠牲層403の除去に続き、直接接合を可能にするために第1の領域406の清浄化(クリーニング)及び活性化をこの段階で実施するのがよい。他の実施形態では、犠牲層403の被着及び除去は、図4Bの犠牲層403の被着に先立って行われる接合のための前処理を妨害するものではない。
【0033】
図4Fでは、素子405(例えば、集積化デバイスダイ)をキャリヤ401の第1の領域406の接合層402に直接接合するのがよい。したがって、素子405をビルドアップ構造体404の形成後にキャリヤ401に直接接合するのがよい。ビルドアップ構造体404を垂直方向にビルドアップするのがよく、その結果、ビルドアップ構造体404の上面は、素子405が直接接合された接合層402の上方に垂直方向に位置するようになる。本明細書において説明するように、幾つかの実施形態では、もう1つの素子(例えば、別のダイ、光デバイス、受動素子、ダミー素子、ダミーデバイス、又は任意他のマイクロ電子素子)を特に接合前処理及び保護が図4Cの段階で実施されている場合には、接着剤なしでビルドアップ構造体404の上面に直接接合するのがよい(例えば、図6参照)。幾つかの実施形態では、もう1つの素子を任意他の適当な方法によって、例えば、フリップチップ相互接続部、ラミネート又はダイ取り付け材料などを用いることによってビルドアップ構造体404の上面に接合するのがよい。
【0034】
図5A図5Fは、もう1つの実施形態に従って接合構造体を形成する方法を示している。別段の指定がなければ、図5A図5Fに示すステップ及び構造は、図4A図4Fにおいて上述したステップ及び構造とほぼ同じ又は同一であるのがよい。図4A~4Fの場合とは異なり、図5Bに示すように、エッチングストップ層503をキャリヤの接合面上に設けるのがよい。エッチングストップ層503を幾つかの実施形態では、キャリヤ501の第1及び第2の領域506,507を含む全体にわたって被着するのがよい。かくして、エッチングストップ層503は、この加工段階では、パターン形成されていないままのブランケット層であるのがよい。エッチングストップ層503は、次に形成される上に位置するビルドアップ構造体504(図5B及び図5Cを参照)のエッチングを停止するよう選択されており、かかるビルドアップ構造体504は、幾つかの実施形態では、第2の領域507上の接合層としての役目を果たすこともできる。加うるに、エッチングストップ層503は、第1の領域506の接合層502の下に位置する接合面をエッチングすることなく又はその粗さを実質的に変更することなく、容易に除去可能であるべきである。幾つかの実施形態では、エッチングストップ層503は、ポリシリコン層、又は抵抗の高い有機層もしくは炭素層から成るのがよい。幾つかの実施形態では、第2の領域507上に位置するエッチングストップ層503の一部分をパターン形成して空洞を備えるようにするのがよく、これら空洞は、電気相互接続層(図示せず)を形成するよう平板状の導電材料で選択的に満たされるのがよい。幾つかの実施形態では、エッチングストップ層503に埋め込まれた導電相互接続層は、エッチングストップ層503及び接合層502、ならびに第2の領域507のエッチングストップ層503上に形成された後続の任意の構造体を介して通信する電気信号のために形成される。
【0035】
図4A図4Fの場合と同様、図5Cでは、ビルドアップ構造体504をエッチングストップ層503上に設ける(例えば、被着させる又は移着させる)のがよい。図示の実施形態では、ビルドアップ構造体504をキャリヤ501の第1の領域506及び第2の領域507上に設けるのがよい。有益には、エッチングストップ層503は、ビルドアップ構造体504を形成する処理中、接合層502の下に位置する接合面を保護することができる。エッチングストップ層503は、例えば、エッチングストップ層503の少なくとも上側部分として、窒化ケイ素層を有するのがよい。
【0036】
図5Dでは、第1の領域506の上に位置するビルドアップ構造体504の部分を除去するのがよい。例えば、第2の領域507の上に位置するビルドアップ構造体504の部分をマスキングするのがよく、そして第1の領域506の上に位置するビルドアップ構造体504の部分をエッチングするのがよい。幾つかの実施形態では、ビルドアップ構造体を例えば、トランスファープロセス、例えば直接接合法によって、又は任意他の適当なプロセスによって第2の領域507だけの上に位置した状態で形成されるのがよい。
【0037】
図5Eでは、接合層502の下に位置する接合面に影響を及ぼさないでエッチングストップ層503を第1の領域506から選択的に除去するのがよい。例えば、エッチングストップ層503を酸化ケイ素接合層上から除去するために採用されるエッチングは、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を採用するのがよく、TMAHは、酸化ケイ素上のケイ素をエッチングする上で約1000:1以上のエッチング選択性を有するのがよい。例えば、窒化ケイ素がエッチングストップ層503として用いられている他の実施形態では、エッチング選択性は、少なくとも10,000:1であるのがよい。幾つかの実施形態では、エッチングストップ層503は、多数の層、例えば、ポリシリコン上の窒化ケイ素から成るのがよい。例えば、SiN/ポリSi2層エッチングストップ層は、Siに対するSiNの第1の選択的除去(高い選択性である必要はない)を用いてエッチングするのがよく、次に、第1の領域506中の下に位置する接合層に対するポリシリコンの高い選択的除去を行うのがよい。例えば、上述したように、TMAHは、下に位置する酸化ケイ素に対してポリシリコンを高い選択性により除去するのがよい。同様に、薄い有機誘電体層、例えばポリイミドエッチングストップ層を、第1の選択性酸素プラズマを用いてエッチングして誘電接合面、例えば下に位置する酸化ケイ素に対して有機層を除去するのがよい。
【0038】
図5Fに示すように、図4Fにおいて上述が、素子505(例えば、第1のダイ)を介在接着剤なしで第1の領域506の接合層502の接合面に直接接合するのがよい。また、上述したように、第3の素子(図示せず)の直接接合もまた、図5Cの段階で前処理されると共に保護されている場合、第2の領域507においてビルドアップ構造体504上で実施するのがよい。
【0039】
図4A図4F及び図5A図5Fの方法を用いると、接合構造体、例えば図6に示す接合構造体を形成することができる。図6では、第2の素子607(例えば、第2のダイ、光デバイス、受動素子、ダミーデバイス、ダミー素子、又は任意他のマイクロ電子素子)を接合層610経由で誘電体602上に設けられたビルドアップ構造体604の上面に直接接合するのがよい。幾つかの実施形態では、例えば、図3C及び図4Cに示すビルドアップ構造体の上面を直接接合可能に前処理する(例えば、平坦化する)のがよく、幾つかの実施形態では、活性化すると共に/或いは端子形成するのがよい。第2の領域609のビルドアップ構造体の前処理された表面はまた、追加の処理、例えば第1の領域608からの犠牲層又はエッチングストップ層の除去、及び/又は誘電体602を介するキャリヤ601への第1の素子605(例えば、第1のダイ)の接合中、保護されるのがよい(例えば、第2の犠牲層又はエッチングストップ層によって)。第2の保護犠牲層又はエッチングストップ層を第2の領域609のビルドアップ構造体604から除去するのがよく、その後、第2の素子607を取り付けるのがよい。第2の素子607を接合層610によりビルドアップ構造体604の上面に直接接合するのがよく、そして追加の層の他の部分を除去するのがよい。種々の実施形態では、基板又はキャリヤ601は、追加の接合インターフェース、例えば、対応の垂直レベルにおいて3つ以上、4つ以上、5つ以上又は7つ以上の接合インターフェースを有するのがよい。種々の実施形態では、例えば、対応の垂直レベルにおいて最高6つ以上の接合インターフェースが設けられるのがよい。第1の接合部インターフェース603は、第2の接合インターフェース606の下に垂直方向にかつこれから側方にオフセットした状態で設けられるのがよい。第1の接合部インターフェース603のところの物質は、第2の接合インターフェース606の物質と同一であってもよく、又は第2の接合インターフェース606のところの物質とは異なっていてもよい。第2の接合インターフェース606は、第3の接合インターフェースの下に垂直方向にかつこれから側方にオフセットした状態で設けられるのがよく、この第2の接合インターフェースは、例えば、非導電直接接合部、又は直接に接合された非導電領域及び導電領域を含むハイブリッド直接接合部であるのがよい。第3の接合インターフェースを第4の接合インターフェースの下に垂直にかつこれから側方にオフセットした状態で設けられるのがよい。幾つかの実施形態では、第2の素子607(例えば、第2のダイ、光デバイス、受動素子、ダミーデバイス、ダミー素子、又は任意他のマイクロ電子素子)を任意他の適当な方法によって(例えば、フリップチップ相互接続、ラミネート又はダイ取り付け材料、その他を用いることによって)、誘電体602上に設けられているビルドアップ構造体604の上面に接合するのがよい。
【0040】
種々の形式のデバイスを本明細書において開示する方法で形成することができる。図7Aは、本明細書において開示する方法に従って作られてはいない例示のMEMSデバイスを示している。図7Aでは、圧電構造を有するMEMS構造体702は、このMEMS構造体への電圧の印加に応答して圧力をチャンバに及ぼすよう構成されている。例えば、MEMS構造体702は、流体(例えば、インキ)を圧電材料に伝えられた信号又は電圧に応答して、インキカートリッジから追い出すために使用できる。図7Aでは、デバイスは、複数の層をビルドアップすることによってデバイスをアクチュエータウエハ701上に形成することができ、それによりメンブレン表面及びこのメンブレン表面の上方に突き出た(例えば、約2μm~約10μmにわたって)圧電体を形成する。複数の層のビルドアップ後、接合材料704を用いてノズルウエハ703を層の一部分の上面に取り付けることができる。幾つかの実施形態では、接合材料704は、例えば、有機接着剤であるのがよい。接着剤は、チャンバ内の流体と反応することができ、この接着剤はまた、感温性である。例えば、接着剤は、約80℃を超える温度で劣化する場合がある。幾つかの実施形態では、接着剤を用いる代わりに酸化物を被着させることができるが、厚手の酸化物は、平坦化及びパターン形成に関して問題をもたらす場合がある。
【0041】
図7Bは、図7Aに示すデバイスに類似したMEMSデバイスの一実施形態を示しており、ただし、本明細書において開示し、例えば、図4A図4F及び図5A図5Fに示す方法を用いてこのデバイスを形成することができるという点を除く。例えば、上述したように、アクチュエータウエハ701の第1の領域706を接合部インターフェース705を形成することによって直接接合可能に前処理するのがよい。幾つかの実施形態では、パターン形成した犠牲材料を第1の領域706上に被着させるのがよい。他の実施形態では、ブランケットエッチングストップ層(図示せず)をアクチュエータウエハ701の接合面上に被着させるのがよい。上述したように、ビルドアップ構造体708をアクチュエータウエハ701の第2の領域706にビルドアップするのがよく、そしてこれをパターン形成すると、MEMS構造体702(例えば、圧電デバイス)を形成することができる。MEMS構造体702は、第2の領域707の接合面上に被着された集積化MEMSデバイスを含むのがよい。保護層(犠牲層又はエッチングストップ層)を第2の領域707のMEMS構造体702の処理後に第1の領域706から除去するのがよい。素子(例えば、ノズルウエハ703)の取り付け部分を接着剤なしでアクチュエータウエハ701の第1の領域706に直接接合して空洞を形成するのがよく、MEMS構造体702は、この空洞内に配置される。図7Bは、MEMSデバイスの一実施形態を示しているが、理解されるように、MEMS構造体702は、別のビルドアップ材料、別のダイ、光デバイス、受動素子、ダミーデバイス、又は任意他のマイクロ電子素子であってよい。
【0042】
有益には、図7Bの実施形態は、ノズルウエハ703とアクチュエータウエハ701との間により堅固かつ信頼性の高い接合部(ボンド)を形成することができる。図7Aに示すデバイスとは異なり、図7Bに示す接合構造体は、高温の影響を受けにくいといえ、低垂直プロフィールをもたらすことができ(介在接着剤が設けられていないため)、気密封止を可能にすると共に/或いは空洞内に設けられるべき流体との反応性が低くすることができる。ハイブリッド直接接合はまた、接合素子相互間の電気的接続を容易にすることができる。さらに、上述したように、互いに異なる材料組成を用いることができる。
【0043】
もう1つの実施例として、本明細書に開示する実施形態を用いると、種々の形式の光及び/又は光電子デバイス又はシステムを形成することができる。光及び/又は光電子デバイスでは、多数の素子(互いに異なる形式の素子を含む)をパッケージ又はシステム内の異なる垂直方向高さ位置のところに設けることができる。例えば、幾つかの実施形態では、センサ又はエミッタダイを第1の高さ位置のところに取り付けることができ、異なるダイ(例えば、プロセッサチップ)を第1の高さ位置とは異なる第2の高さ位置に取り付けることができる。直接接合のためのウエハレベルの処理と関連した課題に起因して、これら素子を互いに異なる高さ位置のところで1つ以上のキャリヤに直接接合することは、困難である。本明細書において開示する種々の実施形態は、互いに異なる高さ位置における多数の互いに異なる素子の直接接合を実施可能にする。例えば、種々の実施形態では、光又は光電子デバイスダイを第1の高さ位置のところで直接接合することができ、別のデバイス(例えば、プロセッサチップ、光デバイス又はダイなど)を別の高さ位置のところで直接接合することができる。
【0044】
図8Aは、フォトニクスベースのスーパーコンピューティングチップを有する光学パッケージの概略側面図である。フォトニクスチップ802がはんだボール808によりインターポーザ801に取り付けられるのがよい。はんだボールは、インターポーザ801上のパッドをフォトニクスチップ802上のパッドに電気的に接続することができる。線路又はウェーブガイド803をフォトニクスチップ802に取り付けるのがよく、又はフォトニクスチップ802上に形成するのがよい。プロセッサダイ、例えばCMOSチップ804を接合部インターフェース806により線路803に取り付けるのがよい。幾つかの構成例では、CMOSチップ804を線路803に直接接合するのがよい。幾つかの構成例では、CMOSチップ804をはんだボールによりフォトニクスチップ802に取り付けるのがよい。光デバイス、例えば側面発光レーザデバイスダイ(side-emitting laser device die)805をフリップチップ接続によりインターポーザ801に取り付けるのがよい(例えば、はんだボールによってインターポーザ801に取り付けるのがよい)。レーザデバイスダイ805は、光を側面から放出して線路803に結合するのがよい。CMOSチップ804は、線路803に沿って伝送された光信号を処理することができ、又は違ったやり方でこれと相互作用することができる。
【0045】
光を線路803に効果的に結合するため、レーザデバイスダイ805は、非常に高い精度で線路803に垂直方向に位置合わせすべきである。しかしながら、レーザデバイスダイ805を図8Aの構成例では線路803と垂直方向に正確に位置合わせすることが難題となる場合があり、というのは、例えば、レーザデバイスダイ805をインターポーザ801に取り付けると共にフォトニクスチップ802をインターポーザ801に取り付けるために用いられるはんだ付けプロセスが良好な体積制御性を備えていないからである。さらに、レーザデバイスダイ805は、相当な量の熱を生じさせる場合があり、レーザデバイスダイ805の温度を下げるためにはんだボールが提供する熱放散経路が貧弱な場合がある。さらに、図8Aに示すように、このデバイスは、追加のインターポーザ801を利用しており、それにより、製造費及び製造上の複雑さが増す。
【0046】
図8Bは、本明細書において開示する方法を用いて製造できるもう1つの実施形態としての光デバイスを示している。図8Bでは、インターポーザを使用する必要がない。これとは異なり、CMOSチップ804を接合部インターフェース806により線路803に直接取り付けるのがよく、レーザデバイスダイ805を接合部インターフェース807によりフォトニクスチップ802に取り付けるのがよい。上述したように、フォトニクスチップ802又はウエハの第1の領域809を直接接合可能に前処理するのがよい。幾つかの実施形態では、保護犠牲材料を第1の領域809を覆って被着させるのがよい。他の実施形態では、エッチングストップ層を接合面上に被着させるのがよい。上述したように、ビルドアップ構造体811をフォトニクスチップ802又はウエハの第2の領域810に形成するのがよい。ビルドアップ構造体を、本明細書で説明したように電気的相互接続でパターン形成するのがよく、そして第1の領域809から除去するのがよい。CMOSチップ804をフォトニクスチップ802又はウエハの第2の領域810内の光経路(例えば、線路803)に取り付けるのがよい(例えば、直接接合するのがよい)。光経路(例えば、線路803)は、レーザデバイスダイ805に光学的に結合するよう構成された光ポート(例えば、入力又は出力光学カップリング)を有するのがよい。幾つかの実施形態では、線路803をビルドアップ構造体811に実装し又は取り付けるのがよい。他の実施形態では、線路803をビルドアップ構造体811の頂部上にビルドアップするのがよく、それによりCMOSチップ804を取り付けることができる大きなビルドアップ構造体を形成するのがよい。ビルドアップ構造体を形成した後、レーザデバイスダイ805を介在接着剤なしでフォトニクスチップ802又はウエハの第1の領域809に直接接合するのがよい。
【0047】
図8Cは、本明細書に開示する方法に従って製造できるもう1つの実施形態としての光デバイスを示している。図8Cでは、レーザデバイスダイ805を第1の領域809内の接合部インターフェース807によりインターポーザ801に取り付けるのがよい。第2の領域810内のインターポーザ801の頂部上に形成されたビルドアップ構造体812は、フォトニクスチップ802が取り付けられた(例えば、直接接合され又は接着剤で接合された)接合部インターフェース813を有するのがよい。線路803をフォトニクスチップ802の頂部上に取り付ける(例えば、直接接合)のがよく、CMOSチップ804を線路803に取り付ける(例えば、直接接合)のがよい。
【0048】
有益には、図8B及び図8Cに示す実施形態は、レーザデバイスダイ805と線路803との垂直位置合わせ具合を向上させることができる。はんだの使用が回避されるので、線路803に対するレーザデバイスダイ805の発光領域の高さをレーザデバイスダイ805及びこの上に形成される任意の接合層の厚さに応じて厳密に制御することができる。さらに、レーザデバイスダイ805をフォトニクスチップ802に直接接合することにより、熱の放散を向上させることができる。幾つかの実施形態では、レーザデバイスダイ805をフォトニクスチップ802にハイブリッド接合して誘電及び導電直接接合部を形成するのがよい。導電直接接合部は、光デバイスダイから熱を放散させる上で効率的な熱伝達路をもたらすことができる。
【0049】
図8A図8Cに示す実施形態は、レーザデバイスを含むエミッタデバイスを有する光デバイスダイを含むが、理解されるべきこととして、他形式の光エミッタデバイスを開示した実施形態において用いることができる。さらに、幾つかの実施形態では、光デバイスダイは、異なる形式のデバイスダイ、例えば、センサダイ又は他形式の光ダイを含むことができる。
【0050】
図9は、幾つかの実施形態に従って、多数の素子をキャリヤに接合する仕方を示している。図9では、キャリヤ901は、第1の領域902及び第2の領域903を有する。第1の領域902では、第1の素子905の誘電接合層904がキャリヤ901に直接接合されている。第2の領域903では、第2の素子906がキャリヤ901に取り付けられている。第2の素子906は、はんだ付け、直接接合、接着剤を用いるなどによってキャリヤ901に取り付けられるのがよい。ビルドアップ構造体907を例えばウエハレベル処理(例えば、被着)、トランスファープロセスなどによって、第2の素子906の頂部上に形成されるのがよい。かくして、幾つかの実施形態では、素子906は、ビルドアップ構造体907と素子906との間に介在して位置するのがよい。
【0051】
直接接合法及び直接接合構造体の実施例
本明細書において開示した種々の実施形態は、2つの素子(例えば、ダイ、キャリヤなど)を介在接着剤なしで互いに直接接合することができる直接接合構造体に関する。2つ以上の素子(集積化デバイスダイ、ウエハなど)を互いに積み重ね又は接合して、接合構造体を形成することができる。1つの素子の導電接触パッドをもう1つの素子の対応の導電接触パッドに電気的に接続するのがよい。任意の適当な数の素子を接合構造体内に積み重ねることができる。
【0052】
幾つかの実施形態では、素子は、接着剤なしで互いに直接接合される。種々の実施形態では、第1の素子の非導電材料又は誘電体を接着剤なしで第2の素子の対応の非導電又は誘電フィールド領域に直接接合することができる。非導電材料を第1の素子の非導電接合領域又は接合層という場合がある。幾つかの実施形態では、第1の素子の非導電材料を、非導電性直接接合技術を用いて第2の素子の対応の非導電材料に直接接合するのがよい。例えば、非導電性直接接合部を、少なくとも米国特許第9,564,414号明細書、同第9,391,143号明細書、及び同第10,434,749号明細書に開示された直接接合技術を用いて接着剤なしで形成することができ、これら米国特許を参照により引用し、これら米国特許の各々の記載内容全体を全ての目的に関して本明細書の一部とする。
【0053】
種々の実施形態では、直接ハイブリッド接合部を介在接着剤なしで形成することができる。例えば、非導電接合面を高い平滑度に研磨することができる。接合面を清浄化して、プラズマ及び/又はエッチング剤に当てると、表面を活性化させることができる。幾つかの実施形態では、これら表面は、活性化後又は活性化中(例えば、プラズマ及び/又はエッチングプロセス中)、化学種で端子形成することができる。理論に束縛されるものではないが、幾つかの実施形態では、活性化プロセスは、接合面のところでの化学結合を壊すために実施されるのがよく、端子形成プロセスは、直接接合中における接合エネルギーを向上させる1種類以上の追加の化学種を接合面のところに提供することができる。幾つかの実施形態では、活性化及び端子形成は、同一のステップで実施できる。例えば、プラズマ又はウェットエッチング剤は、表面を活性化させると共に端子形成することができる。他の実施形態では、接合面を別個の処理で端子形成して直接接合のための追加の化学種を提供することができる。種々の実施形態では、端子形成化学種は、窒素を含むのがよい。さらに、幾つかの実施形態では、接合面をフッ素にさらすのがよい。例えば、層及び/又は接合インターフェースの近くに1つ又は複数のフッ素ピークが生じるのがよい。かくして、直接接合構造体では、2つの誘電体相互間の接合インターフェースは、接合面のところに高い窒素含有量及び/又はフッ素ピークを有する極めて滑らかなインターフェースを構成することができる。活性化及び/又は端子形成処理の追加の実施例が米国特許第9,564,414号明細書、同第9,391,143号明細書、及び同第10,434,749号明細書を通して見受けられ、これら米国特許の各々を参照により引用し、その記載内容全体を全ての目的に関して本明細書の一部とする。
【0054】
種々の実施形態では、第1の素子の導電接触パッドもまた、第2の素子の対応の導電接触パッドに直接接合されるのがよい。例えば、ハイブリッド接合技術を用いると、上述したように前処理された、共有結合的に直接接合されている誘電体‐誘電体表面を含む接合部インターフェースに沿って、導体‐導体直接接合部を提供することができる。種々の実施形態では、導体‐導体(例えば、接触パッド‐接触パッド)直接接合部及び非導電体‐非導電体ハイブリッド接合部は、少なくとも米国特許第9,716,033号明細書及び同第9,852,988号明細書に開示された直接接合技術を用いて形成でき、これら米国特許の各々を参照により引用し、その記載内容全体を全ての目的に関して本明細書の一部とする。
【0055】
幾つかの実施形態では、非導電(例えば、半導体又は誘電体)接合面を前処理して、上述のように介在接着剤なしで互いに直接接合することができる。導電接触パッド(これは、非導電フィールド領域によって包囲されるのがよい)もまた、介在接着剤なしで互いに直接接合することができる。幾つかの実施形態では、それぞれの接触パッドを誘電フィールド領域又は非導電接合領域の外面(例えば、上面)の下に凹ませるのがよい。例えば、接触パッドを20nm未満、15nm未満、又は10nm未満だけ凹ませるのがよく、また、2nm~20nmの範囲又は4nm~10nmの範囲で凹ませるのがよい。非導電接合領域を、幾つかの実施形態では、室温で接着剤なしで互いに直接接合するのがよく、その後、接合構造体をアニールするのがよい。アニール時、接触パッドは、熱膨張して互いに接触し、それにより金属間直接接合部を形成することができる。有益には、カリフォルニア州サンノゼ所在のXperi社から商業的に入手できるダイレクト・ボンド・インターコネクト(Direct Bond Interconnect:DBI(登録商標))技術の使用により、高密度のパッドを、直接接合部インターフェースを横切って接続することができる(例えば、規則的なアレイについては小さな又は細かいピッチで)。幾つかの実施形態では、接合パッドのピッチは、40ミクロン未満、10ミクロン未満、或いは2ミクロン未満であるのがよい。幾つかの用途に関し、接合パッドのピッチと接合パッドの寸法のうちの1つの比は、5未満、3未満、又は場合によっては望ましくは2未満である。種々の実施形態では、接触パッドは、銅から成るのがよく、ただし、他の金属が適している場合がある。
【0056】
かくして、直接接合プロセスでは、第1の素子を介在接着剤なしで第2の素子に直接接合することができる。幾つかの構成例では、第1の素子は、単一化された素子、例えば単一化された集積化デバイスダイから成るのがよい。他の構成例では、第1の素子は、単一化されたときに複数の集積化デバイスダイを形成する複数の(例えば、数十個、数百個、又はそれ以上)のデバイス領域を含むキャリヤ又は基板(例えば、ウエハ)から成るのがよい。同様に、第2の素子は、単一化された素子、例えば単一化された集積化デバイスダイから成るのがよい。他の構成例では、第2の素子は、キャリヤ又は基板(例えば、ウエハ)から成るのがよい。
【0057】
本明細書で説明したように、第1の素子と第2の素子を接着剤なしで互いに直接接合することができ、これは、被着プロセスとは異なっている。したがって、第1及び第2の素子は、非被着素子から成ってもよい。直接接合構造体は、接合部インターフェースに沿って、ナノボイドが存在する欠陥領域を含む場合がある。ナノボイドは、接合面の活性化(例えば、プラズマへの曝露)に起因して形成される場合がある。上述したように、接合部インターフェースは、活性化及び/又は最後の化学処理プロセスから生じる物質の濃縮を含む場合がある。例えば、活性化のために窒素プラズマを利用する実施形態では、窒素ピークが接合部インターフェースのところに形成される場合がある。活性化のために酸素プラズマを利用する実施形態では、酸素ピークが接合部インターフェースのところに形成される場合がある。幾つかの実施形態では、接合部インターフェースは、オキシ窒化ケイ素、オキシ炭窒化ケイ素、又は炭窒化ケイ素から成るのがよい。本明細書において説明したように、直接接合部は、共有結合を含み、この共有結合は、ファンデルワールス結合よりも強固である。接合層は、高い平滑度まで平坦化された研磨表面をさらに有するのがよい。
【0058】
種々の実施形態では、接触パッド相互間の金属間接合部は、銅粒が接合部インターフェースを横切って互いの中に成長するよう接合するのがよい。幾つかの実施形態では、銅は、接合部インターフェースを横切る銅の拡散を向上させるために、111結晶面に沿って配向した結晶粒を有するのがよい。接合部インターフェースは、接合接触パッドの少なくとも一部分まで実質的に完全に延びるのがよく、その結果、接合接触パッドのところ又はその近くに非導電接合領域相互間に実質的にギャップが生じないようになっている。幾つかの実施形態では、バリア層を接触パッド(例えば、銅を含むのがよい)の下に設けるのがよい。しかしながら、他の実施形態では、例えば、米国特許出願公開第2019/0096741号明細書に記載されているように、接触パッドの下にバリア層がなくてもよく、この米国特許出願公開を参照により引用し、その記載内容全体を全ての目的に関して本明細書の一部とする。
【0059】
一実施形態では、接合構造体を形成する方法が開示される。本方法は、第1の素子の第1の領域に接合面を形成するステップと、接合面の少なくとも一部分を保護犠牲層で被覆するステップと、第1の素子の第2の領域内に加工を施して、第2の領域内に第2の表面を作製するステップとを含み、第2の表面は、接合面とは物質的に異なっており、本方法は、第1の領域の接合面をむき出しにするステップと、第2の素子を第1領域の接合面に直接接合するステップとをさらに含む。
【0060】
幾つかの実施形態では、第2の領域内に加工を施すステップは、第2の領域内に層をビルドアップして第2の表面が異なる高さ位置に、少なくとも異なる高さ位置に存在することによって第2の表面が接合面とは物質的に異なるようにするステップを含む。幾つかの実施形態では、層をビルドアップするステップは、例えば非導電材料、導電材料、有機材料、又は無機材料のうちの1つ以上であるのがよい層を第2の領域内に被着させるステップを含む。幾つかの実施形態では、第2の領域内に加工を施すステップは、接合面とは異なる組成を有する表面を形成するステップを含む。幾つかの実施形態では、本方法は、接着剤なしで第3の素子を第2の表面上に直接接合するステップをさらに含む。幾つかの実施形態では、保護犠牲層は、第1及び第2の領域内に設けられた無機エッチングストップ材料を含む。幾つかの実施形態では、保護層は、第2の領域ではなく、第1の領域内に設けられたパターン形成済み犠牲材料を含むのがよい。
【0061】
もう1つの実施形態では、接合構造体を形成する方法が開示される。本方法は、キャリヤ上の接合面を直接接合可能に前処理するステップと、接合面の一部分上にビルドアップ構造体を形成するステップと、ビルドアップ構造体の形成後、素子を介在接着剤なしで接合面の露出部分に直接接合するステップとを含む。
【0062】
幾つかの実施形態では、ビルドアップ構造体を形成するステップは、ビルドアップ構造体を接合面の一部分上に被着させるステップを含む。幾つかの実施形態では、本方法は、ビルドアップ構造体の形成前に、接合面を保護犠牲層で被覆するステップをさらに含む。幾つかの実施形態では、接合面を被覆するステップは、接合面上の第1の領域及び第2の領域内にエッチングストップ材料を提供するステップを含む。幾つかの実施形態では、接合面を被覆するステップは、パターン形成犠牲材料を接合面の第2の領域ではなく、素子が直接接合されるべき接合面の第1の領域内に提供するステップを含む。幾つかの実施形態では、本方法は、ビルドアップ構造体の上面上の第2の接合面を前処理するステップをさらに含む。幾つかの実施形態では、本方法は、第2の素子を介在接着剤なしで第2の接合面に直接接合するステップをさらに含む。幾つかの実施形態では、集積化ビルドアップ構造体は、1つの層又は複数の層を備えた集積化デバイスを含む。
【0063】
もう1つの実施形態では、接合構造体が開示される。接合構造体は、第1の領域及び第1の領域から側方に間隔を置いて位置する第2の領域を備えたキャリヤと、介在接着剤なしで第1の領域の接合面に直接接合された素子と、第2の領域内に設けられていて、接合面と平行ではない方向において接合面の上方で垂直に延びる集積化ビルドアップ構造体とを有するのがよく、集積化ビルドアップ構造体は、キャリヤ上に1つの層又は複数の層を有する。
【0064】
幾つかの実施形態では、1つ又は複数の層は、キャリヤ上に被着されている。幾つかの実施形態では、1つ又は複数の層は、キャリヤ上に第2のキャリヤから移着される。幾つかの実施形態では、接合構造体は、介在接着剤なしで集積化ビルドアップ構造体の第2の接合面に直接接合された第2の素子をさらに有する。幾つかの実施形態では、1つ又は複数の層は、集積化デバイスを構成する。
【0065】
もう1つの実施形態では、接合構造体を形成する方法が開示される。本方法は、キャリヤの第1の領域の接合面を直接接合可能に前処理するステップと、接合面を前処理した後、第1の領域から側方に間隔を置いて位置するキャリヤの第2の領域内にビルドアップ構造体を提供するステップとを含むのがよく、ビルドアップ構造体は、接合面とは平行ではない方向において接合面の上方で垂直に延び、ビルドアップ構造体は、キャリヤ上に設けられた1つの層又は複数の層を有し、本方法は、ビルドアップ構造体の提供後、素子を介在接着剤なしでキャリヤの第1の領域の接合面に直接接合するステップをさらに含むのがよい。
【0066】
幾つかの実施形態では、ビルドアップ構造体を提供するステップは、ビルドアップ構造体をキャリヤの第2の領域上に被着させるステップを含む。幾つかの実施形態では、本方法は、ビルドアップ構造体を提供する前に、接合面の少なくとも一部分を保護犠牲層で被覆するステップを含む。幾つかの実施形態では、接合面を被覆するステップは、接合面上の第1及び第2の領域内にエッチングストップ材料を提供するステップを含む。幾つかの実施形態では、接合面を被覆するステップは、パターン形成済み犠牲材料を第2の領域ではなく第1の領域内に提供するステップを含む。幾つかの実施形態では、直接接合前に、第1領域の接合面をむき出しにするステップを含む。幾つかの実施形態では、本方法は、ビルドアップ構造体の第2の接合面を直接接合可能に前処理するステップ、及び、第2の素子を介在接着剤なしで第2の接合面に直接接合するステップを含む。幾つかの実施形態では、ビルドアップ構造体は、1つの層又は複数の層を有する集積化デバイスを含む。
【0067】
もう1つの実施形態では、接合構造体が開示される。接合構造体は、第1の非導電接合領域及び第2の非導電接合領域を備えたキャリヤを有するのがよく、第1の非導電接合領域は、第1の非導電材料を含み、第2の非導電領域は、第1の非導電材料とは異なる組成を有する第2の非導電材料を含み、接合構造体は、介在接着剤なしでキャリヤの第1の非導電接合領域に直接接合されている第1の接合層を備えた第1のデバイスと、介在接着剤なしでキャリヤの第2の非導電接合領域に直接接合されている第2の接合層を備えた第2デバイスとをさらに有するのがよい。幾つかの実施形態では、第1及び第2のデバイスは、互いに異なる高さ位置でキャリヤに直接接合されるのがよい。
【0068】
もう1つの実施形態では、接合構造体を形成する方法が開示される。本方法は、第1のデバイスの第1の接合層を介在接着剤なしでキャリヤの第1の非導電接合領域に直接接合するステップを含むのがよく、第1の非導電接合領域は、第1の非導電材料を含み、本方法は、第2のデバイスの第2の接合層を介在接着剤なしでキャリヤの第2の非導電接合領域に直接接合するステップをさらに含むのがよく、第2の非導電接合領域は、第1の非導電材料とは異なる組成を有する第2の非導電材料を含む。幾つかの実施形態では、本方法は、第1のデバイスをキャリヤの第1の接合面に直接接合するステップ、及び、第2のデバイスをキャリヤの第2の接合面に直接接合するステップを含むのがよく、第1及び第2の接合面は、互いに異なる高さ位置に設けられている。
【0069】
もう1つの実施形態では、接合構造体が開示される。接合構造体は、第1の領域及び第1の領域から側方に間隔を置いて位置する第2の領域を備えたキャリヤと、介在接着剤なしでキャリヤの第1領域の接合面に直接接合された素子を有するのがよく、素子は、少なくとも部分的に空洞を形成するよう形作られており、接合構造体は、空洞内に設けられ、かつ複数の層中の第2領域上にパターン形成された集積化微小電気機械システム(MEMS)デバイスを有するのがよく、MEMSデバイスは、接合面の上方で延びている。
【0070】
幾つかの実施形態では、MEMSデバイスは、キャリヤ上に設けられた圧電材料層を有し、圧電材料層は、圧電材料層への電圧の印加に応答して空洞に圧力を及ぼすよう構成されている。幾つかの実施形態では、接合構造体は、空洞内に入れられた流体を有する。幾つかの実施形態では、複数の層は、キャリヤ上に被着されている。幾つかの実施形態では、MEMSデバイスは、接合面に直接接合されているのではなく、接合面上に設けられている。
【0071】
もう1つの実施形態では、接合構造体を形成する方法が開示される。本方法は、第1の領域及び第1の領域から側方に間隔を置いて位置する第2の領域を備えたキャリヤを提供するステップと、複数の層中の第2の領域内に集積化微小電気機械システム(MEMS)デバイスを提供するステップと、素子を介在接着剤なしでキャリヤの第1の領域の接合面に直接接合するステップとを含むのがよく、素子は、少なくとも部分的に空洞を形成するよう形作られ、MEMSデバイスは、空洞内に設けられ、かつ接合面の上方で延びている。
【0072】
幾つかの実施形態では、本方法は、接合面を平坦化するステップを含む。幾つかの実施形態では、本方法は、MEMSデバイスをパターン形成する前に、接合面の少なくとも一部分を保護犠牲層で被覆するステップを含む。幾つかの実施形態では、接合面を被覆するステップは、接合面上の第1及び第2の領域内にエッチングストップ材料を提供するステップを含む。幾つかの実施形態では、接合面を被覆するステップは、パターン形成済み犠牲材料を第2の領域内ではなく、第1の領域内に提供するステップを含む。幾つかの実施形態では、本方法は、直接接合前に、第1領域内の接合面をむき出しにするステップを含む。幾つかの実施形態では、集積化MEMSデバイスを提供するステップは、複数の層をキャリヤ上に被着させるステップを含む。幾つかの実施形態では、本方法は、複数の層をパターン形成して集積化MEMSデバイスを形成するステップをさらに含む。幾つかの実施形態では、MEMSデバイスは、圧電アクチュエータから成る。
【0073】
もう1つの実施形態では、接合構造体が開示される。接合構造体は、第1の領域及び第1の領域から側方に間隔を置いて位置する第2の領域を備えたキャリヤと、介在接着剤なしで第1の領域の接合面に直接接合された光学素子と、第2の領域内に設けられていて、接合面と平行ではない方向において接合面の上方で垂直に延びる集積化ビルドアップ構造体とを有するのがよく、集積化ビルドアップ構造体は、キャリヤ上に設けられた1つの層又は複数の層を含む。
【0074】
幾つかの実施形態では、キャリヤは、フォトニクスチップから成り、光学素子は、エミッタダイから成る。幾つかの実施形態では、エミッタダイは、側面発光レーザデバイスダイから成る。幾つかの実施形態では、ビルドアップ構造体は、接合面とは平行ではない方向において接合面の上方で垂直に設けられている光ポートを備えた光路を有し、光ポートは、光学素子と光通信状態にある。幾つかの実施形態では、接合構造体は、介在接着剤なしで集積化ビルドアップ構造体に直接接合されたプロセッサ素子をさらに有する。
【0075】
もう1つの実施形態では、接合構造体が開示される。接合構造体は、第1の領域及び第1の領域から側方に間隔を置いて位置する第2の領域を備えたキャリヤと、介在接着剤なしで第1の領域の接合面に直接接合された光学デバイスダイと、第2の領域内に設けられ、かつ光学デバイスダイと光学的に結合された光路とを有するのがよく、光路は、接合面とは平行ではない方向において接合面の上方で垂直に設けられた光ポートを有し、光ポートは、光学ダイと光通信状態にある。
【0076】
幾つかの実施形態では、キャリヤは、フォトニクスチップから成り、光学デバイスダイは、エミッタダイから成る。幾つかの実施形態では、エミッタダイは、側面発光レーザデバイスダイから成る。幾つかの実施形態では、接合構造体は、介在接着剤なしで光路に直接接合されたプロセッサ素子を有する。
【0077】
もう1つの実施形態では、接合構造体を形成する方法が開示される。本方法は、第1の領域及び第1の領域から側方に間隔を置いて位置する第2の領域を有するキャリヤを提供するステップと、キャリヤの第2の領域内に集積化ビルドアップ構造体を提供するステップとを含むのがよく、集積化ビルドアップ構造体は、キャリヤ上に設けられた1つ又は複数の層を有し、本方法は、光学素子を介在接着剤なしで第1領域の接合面に直接接合するステップをさらに含むのがよく、集積化ビルドアップ構造体は、接合面とは平行ではない方向において接合面の上方で垂直に延びる。
【0078】
幾つかの実施形態では、本方法は、接合面を平坦化するステップを含む。幾つかの実施形態では、本方法は、集積化ビルドアップ構造体を提供する前に、接合面の少なくとも一部分を保護犠牲層で被覆するステップを含む。幾つかの実施形態では、接合面を被覆するステップは、エッチングストップ材料を接合面上の第1及び第2の領域内に提供するステップを含む。幾つかの実施形態では、接合面を被覆するステップは、パターン形成された犠牲材料を第2の領域内ではなく、第1の領域内に提供するステップを含む。幾つかの実施形態では、本方法は、直接接合前に、第1の領域内の接合面をむき出しにするステップをふくむ。
【0079】
文脈上別段の明示の必要がなければ、原文明細書及び原文特許請求の範囲全体を通じて、“comprise”(訳文では「~を有する」としている場合が多い)、“comprising”、“include”(「~を含む」)、“including”などの用語は、排他的又は網羅的な意味とは異なり、包括的な意味に、すなわち“including, but not limited to”(「~を含むが、これには限定されない」)の意味に解されるべきである。本明細書に一般的に用いられている「結合され」という用語は、互いに直接的に連結されるか、1つ以上の中間要素により互いに連結される2つ以上の要素を意味している。同様に、本明細書において一般的に用いられている「連結され」という用語は、互いに直接的に連結されるか、1つ以上の中間要素により互いに連結される2つ以上の要素を意味している。加うるに、本願において用いられている“herein”(訳文では「本明細書において」としている場合が多い)、“above”(「上述の」の意)、“below”(「後述の」の意)、及び同様な趣旨の用語は、本願を全体として意味しており、本願の何らかの特定の部分を意味しているわけではない。さらに、本明細書で用いられているように、第1の素子が第2の素子の「上」又は「覆って」位置すると説明されている場合、第1の素子は、第1の素子と第2の素子は、互いに直接的に接触するよう、第2の素子上に又はこれを覆って直接位置する場合があり、或いは第1の素子は、1つ以上の素子が第1の素子と第2の素子の間に介在するよう、第2の素子上又はこれを覆って間接的に位置する場合がある。文脈上許容される場合には、単数形又は複数形を用いた上記の詳細な説明中の用語は、それぞれ複数又は単数を含む場合がある。2つ以上のアイテムのリストに関して「又は」という用語は、この用語についての以下の解釈、すなわち、リスト中のアイテムのうちの任意のもの、リスト中のアイテムの全て、及びリスト中のアイテムの任意の組み合わせの全てを含む。
【0080】
さらに、原文明細書で用いられている条件語、とりわけ“can ”(「~のがよい」又は「~でもよい」)、“could”、“migh ”、“may”、“e.g.”、“for example”、“such as ”などは、別段の明示の指定がなければ、又は用いられている文脈内で違ったやり方で理解されない場合、一般に、ある特定の実施形態がある特定の特徴、要素、及び/又は状態を含み、他の実施形態がある特定の特徴、要素、及び/又は状態を含まないということを意味するようになっている。かくして、かかる条件語は、一般的には、特徴、要素、及び/又は状態が、1つ以上の実施形態について必要な何らかの仕方で存在することを意味するようにはなってはいない。
【0081】
ある特定の実施形態を説明したが、これら実施形態は、例示としてのみ提供されており、本発明の範囲を限定するものではない。確かに、本明細書において説明した新規な装置、方法、及びシステムは、種々の他の形態で具体化でき、さらに、本明細書において説明した方法及びシステムの形態における種々の省略、置換、及び変更は、本発明の範囲から逸脱することなく実施できる。例えば、ブロックが所与の配置で示されているが、変形実施形態は、異なるコンポーネント及び/又は回路トポロジでほぼ同じ機能を実行することができ、幾つかのブロックを削除し、動かし、追加し、分割し、組み合わせ、かつ/或いは改造することができる。これらブロックの各々は、多種多様な仕方で具体化できる。上述の種々の実施形態の要素及び作用の任意適当な組み合わせは、別の実施形態を提供するよう組み合わせ可能である。添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲及びその均等範囲は、本発明の範囲及び精神に含まれるかかる形態又は改造を含むものである。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9
【国際調査報告】