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特表2024-504047可変速度・モジュール式の動く歩道のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】可変速度・モジュール式の動く歩道のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 21/12 20060101AFI20240123BHJP
   B66B 31/00 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
B66B21/12
B66B31/00 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540876
(86)(22)【出願日】2022-01-04
(85)【翻訳文提出日】2023-08-29
(86)【国際出願番号】 US2022011138
(87)【国際公開番号】W WO2022147540
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】63/133,713
(32)【優先日】2021-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523251806
【氏名又は名称】ベルトウェイズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100221327
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 亮
(72)【発明者】
【氏名】ユクセル,エディプ
【テーマコード(参考)】
3F321
【Fターム(参考)】
3F321BA06
3F321CA06
3F321CB08
3F321HA11
(57)【要約】
水平化され、地面、床、道路、またはデッキなどの表面の上に配置された、少なくとも3つの実質的に同一の歩道モジュールを含む、ピットレスかつモジュール式でベルト型の加速する動く歩道輸送システム。各モジュールは、異なる速度または同じ速度で動く無端ベルトを有し、少なくとも3つの歩道モジュールは、直線状に隣り合って配置される。各モジュールは、電源に動作的に接続された1つまたは複数の電動モータと、同じモジュールの無端ベルトと同期して動く、両側にある手すりと、を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピットレスかつモジュール式でベルト型の加速する動く歩道輸送システムであって、
水平化され、地面、床、道路、またはデッキなどの表面の上に配置された、少なくとも3つの実質的に同一の歩道モジュール、を備え、
各モジュールは、異なる速度または同じ速度で動く無端ベルトを備え、前記少なくとも3つの歩道モジュールは、直線状に隣り合って配置され、
各モジュールは、電源に動作的に接続された1つまたは複数の電動モータと、同じモジュールの前記無端ベルトと同期して動く、両側にある手すりと、を備えている、
ピットレスかつモジュール式でベルト型の加速する動く歩道輸送システム。
【請求項2】
各モジュールが、機械的締結具と磁気掛け金との少なくとも1つを含む連結システムを備えている、請求項1に記載のピットレスかつモジュール式でベルト型の加速する動く歩道輸送システム。
【請求項3】
各モジュールが、各モジュールの速度を調整するために各モジュールに信号を送信するベルト路制御システムに対して自身の状態を通信する、請求項1に記載のピットレスかつモジュール式でベルト型の加速する動く歩道輸送システム。
【請求項4】
各モジュールの動き検出器が、乗客の存在をベルト路制御システムに通信することにより前記ベルトの動きを停止または開始することが可能であり、前記ベルト路制御システムは、前記乗客の速度に応じて隣のモジュールの前記ベルトを順次起動させ、どの乗客の前および後ろにも最低1つまたは複数のアクティブモジュールがあるようにする、請求項1に記載のピットレスかつモジュール式でベルト型の加速する動く歩道輸送システム。
【請求項5】
各モジュールが、乗客通行の流れに基づいて、あらかじめ設定された時間に前記システムを停止させ、前記無端ベルトの方向を変えるようにプログラムされる、請求項1に記載のピットレスかつモジュール式でベルト型の加速する動く歩道輸送システム。
【請求項6】
モジュールを個々にまたはまとめて水平化するための手動または自動水平化システムをさらに備え、前記水平化システムは、各モジュールの少なくとも一部分を昇降させて各モジュールの前記無端ベルトを平坦なまたは非平坦な表面上で水平化するための水平調整脚を備えている、請求項1に記載のピットレスかつモジュール式でベルト型の加速する動く歩道輸送システム。
【請求項7】
動作不能になるまたは保守点検を必要とするモジュールの交換のために前記輸送システムの一方または両方の端部に設置された予備モジュールをさらに備える、請求項1に記載のピットレスかつモジュール式でベルト型の加速する動く歩道輸送システム。
【請求項8】
各モジュールが、モジュールの入れ替えを容易にするための収納可能な旋回車輪を備えている、請求項7に記載のピットレスかつモジュール式でベルト型の加速する動く歩道輸送システム。
【請求項9】
各モジュールの速度に対応する色分けされた視覚的手がかりを提供し、それにより、乗客に、モジュール速度の変化を予期しそれに順応する準備をさせるための視覚媒体をさらに備える、請求項1に記載のピットレスかつモジュール式でベルト型の加速する動く歩道輸送システム。
【請求項10】
各モジュールが、各モジュールの速度に対応する様々に変化するテンポの音声手がかりを提供し、それにより、乗客に、モジュール速度の変化を予期しそれに順応する準備をさせるためのスピーカを備える、請求項1に記載のピットレスかつモジュール式でベルト型の加速する動く歩道輸送システム。
【請求項11】
直接隣り合うモジュールの前記無端ベルト間の接合部の内部に正の空気圧を生じさせるように動作的に配置されたデバイスをさらに備え、前記正の空気圧が、前記接合部から異物を追い払うと共に空調としても機能し得る、前記接合部を通る外向きの力を提供する、請求項1に記載のピットレスかつモジュール式でベルト型の加速する動く歩道輸送システム。
【請求項12】
各モジュールが、両側にある手すりをさらに備え、前記手すりは、「U型チャネル」を介して基部枠のそれぞれの側に締結されて掛け金およびボルトで固定され、前記手すりは、同じモジュールのベルトを駆動するモータへの機械接続を介して同じモジュールの前記無端ベルトと同期して動き、大きい隙間およびコネクタ無しに、または隣のモジュールの前記手すりとの共通の接線隙間を覆うT型コネクタを介して、前記隣のモジュールの前記手すりへと安全に移行していく、請求項1に記載のピットレスかつモジュール式でベルト型の加速する動く歩道輸送システム。
【請求項13】
前記電源が、少なくとも1つのモジュールを覆う構造物の上に設置されたソーラーパネルをさらに備える、請求項1に記載のピットレスかつモジュール式でベルト型の加速する動く歩道輸送システム。
【請求項14】
前記通信と速度の調整とが実質的に同時に行われる、請求項3に記載のピットレスかつモジュール式でベルト型の加速する動く歩道輸送システム。
【請求項15】
前記自動水平化システムが、液圧式、空圧式、機械式、または電子式のシステムからなる、請求項6に記載のピットレスかつモジュール式でベルト型の加速する動く歩道輸送システム。
【請求項16】
少なくとも5つの歩道モジュールを備え、前記少なくとも5つの歩道モジュールが、
人がより容易に前記輸送システムに移行できるようにするための初速度を有する初期歩道モジュールと、
前記初期歩道モジュールの隣に配置され、前記初期歩道モジュールよりも高い速度を有する、第1の加速歩道モジュールと、
前記第1の加速歩道モジュールの隣に配置され、前記第1の加速歩道モジュールよりも高い速度を有する、フル速度歩道モジュールと、
前記フル速度歩道モジュールの隣に配置され、前記フル速度歩道モジュールよりも低い速度を有する、第1の減速歩道モジュールと、
前記第1の減速歩道モジュールの隣に配置され、前記第1の減速歩道よりも低い速度を有する、最終歩道モジュールと、
を含む、請求項1に記載のピットレスかつモジュール式でベルト型の加速する動く歩道輸送システム。
【請求項17】
前記第1の加速歩道モジュールと前記フル速度歩道モジュールとの間に配置され、前記第1の加速歩道モジュールよりも高い速度および前記フル速度歩道モジュールの速度よりも低い速度を有する、第2の加速モジュールと、
前記第1の減速歩道モジュールと前記フル速度歩道モジュールとの間に配置され、前記第1の減速歩道モジュールよりも高い速度および前記フル速度歩道モジュールの速度よりも低い速度を有する、第2の減速モジュールと、
をさらに含む、請求項15に記載のピットレスかつモジュール式でベルト型の加速する動く歩道輸送システム。
【請求項18】
前記ピットレスかつモジュール式でベルト型の加速する動く歩道輸送システム内のすべての前記モジュールが相互に交換可能である、請求項1に記載のピットレスかつモジュール式でベルト型の加速する動く歩道輸送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年1月4日に出願された米国仮出願第63/133,713号明細書、名称「SYSTEMS AND METHODS FOR VARIABLE SPEED MODULAR MOVING WALWAYS」(原文のまま)の米国特許法第119条(e)の下における利益を主張し、同出願は全体が明示的に本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明の実施形態は、歩行速度よりも高い速度で人および物品を移動するために加速し、退出地点において歩行速度まで減速することができる、モジュール式の動く歩道に関する。
【発明の概要】
【0003】
本発明の実施形態は、乗客の加速および減速を可能にする、相互に交換可能で実質的に同一のモジュール同士を接続したチェーンを備える、ピットレスかつモジュール式でベルト型の加速する動く歩道輸送システム(以下「ベルト路」と呼ぶ)を提供する。各モジュールには、例えばモジュール間のハンドシェイクを使用して、モジュール速度差、省エネルギーの始動、および衝撃時の安全な停止を監視するための接続およびデータの交換を容易にするセンサ、ソフトウェア、およびその他技術が組み込まれている。
【0004】
ベルト路は、相互に交換可能な一連のベルト型モジュールを含み、それは、歩行者が、知られている従来の歩道の速度のおよそ10倍である7m/秒およびそれを超える速度で、例えば都市や大きい会場を通って移動することを可能にする。ベルト路の実施形態は、1時間あたり7,500人またはそれ以上の人を移動することができ、既存の公共交通ハブおよび大型会場と周辺エリアとの接続性を効率的かつ費用効果的に高めることができる。一実施形態では、各モジュールは、地面の上で接続され、床の長さにわたって延びる業界標準の1メートルピットの必要がない。
【0005】
加速する動く歩道の技術を改良することにより、ベルト路の実施形態は、高速で、容易で、安全な移動性を常時提供することができる。エネルギー消費は、太陽エネルギー収集技術の導入によって補強され得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】3つの例示的な歩道モジュールの側面図である。
図2】本開示に従って構築されたベルト路システムの模式図である。
図3】本開示に従って構築されたベルト路制御システムの模式図である。
図4】本開示に従って構築された歩道モジュールコントローラの模式図である。
図5】接続されていない位置にある、モジュール間の電気機械式コネクタの部分斜視図である。
図6】接続されていない位置にある、モジュール間の電気機械式コネクタの第2の部分斜視図である。
図7】接続された位置にある、モジュール間の電気機械式コネクタの部分斜視図である。
図8】歩道モジュールの調節可能な水平調整脚を示す斜視図である。
図9】歩道モジュールの4つの調節可能な水平調整脚を示す斜視図である。
図10】歩道モジュールの2つの調節可能な水平調整脚を示す側面図である。
図11】調節可能な水平調整脚上の収納可能車輪を示す斜視図である。
図12】2つの歩道モジュール間のエアナイフを示す側面図である。
図13】下部手すりギア構成の斜視図である。
図14】上部手すりギア構成の斜視図である。
図15】手すり接続部の第1の実施形態の斜視図である。
図16】手すり接続部の第2の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、100全体が、ピットレスかつモジュール式でベルト型の加速する動く歩道輸送システム(ベルト路)の側面図であり、このシステムは水平化され、地面、床、道路、またはデッキなどの表面の上に配置された、3つの実質的に同一のピットレス歩道モジュール101a~cを例示のために含んでいる。モジュール101a~cは簡略のために示されているが、一般に101a~nとして示されるモジュールが4つ以上存在することも可能であることが理解されるべきである。一般に、1つまたは複数の追加モジュールと組み合わせて使用するのに加えて、単一のモジュール101が単独で使用されることが可能である。モジュール101は、望まれるベルト路100が作り出されるような任意の大きさであり得る。別の実施形態では、ベルト路100は、2つ以上のサイズのモジュール101を含むことができる。例えば、ベルト路100は、第1の大きさを有する25個のモジュール101と、第2の大きさを有する25個のモジュールとを有することができる。
【0008】
各モジュール101a~cは、無端ベルト601(図9)と、ベルト路100内の他のモジュール101とそれぞれ異なるまたは同じ速度で動く手すり102とを備えている。各モジュール101a~nは、どの他のモジュールの手すり102からも独立している、各自の手すり102a~nをそれぞれ有する。少なくとも直線状に直接隣り合うモジュール(101a~cなど)は、ケーブル201によって電気的に接続され(図5に示されるように)、接続されている各モジュールの速度および状態を電子的に通信する。電波を使用して、1つのモジュールと1つまたは複数の他のモジュール101a~cとの間で速度および状態を通信することも可能である。直接隣り合うモジュール(101a~cなど)は、掛け金、磁石、およびボルト1001(図13)の少なくとも1つなどの締結具によって、物理的に結合される。無端ベルト601は、任意タイプの1つまたは複数のモータ106、および動く歩道を動作可能にするための当技術分野で知られる任意の他の構成要素によって駆動され得る。同様に、手すり102は、モジュール101ごとに各手すり102を動かすことが可能な、当業者に知られている任意タイプのモータによって駆動され得る。1つの例示的実施形態では、手すり102およびベルト601は、モータプーリによって駆動することができる。
【0009】
各モジュール101a~nは、人または物体が各モジュール101に入った、またはモジュール101を出たときにそのことを判定するための少なくとも1つの動きセンサ105を備えることができる。1つの実施形態では、各モジュール101は、人が各モジュール101に乗るとき、人が各モジュール101から降りるとき、または複数のモジュール100a~nが使用される場合に人がベルト路100のどこにいるかを判定可能であるように、各モジュール101の各端部に動きセンサ105を含むことができる。動きセンサ105は、モジュール101a~nの1つまたは複数を起動する、乗客の流れを追跡する、転倒を検出する等のために使用することができる。各モジュール101a~nはまた、ベルトの位置合わせ、ベルト張力、ベルト速度、およびベルトの保全状態を監視する(1つまたは複数の)ベルトセンサ107a~nも含むことができる。各モジュール101a~nはまた、各モジュール101のモータ106の速度、温度、振動、および雑音を監視するための(1つまたは複数の)モータセンサ108a~nも含むことができる。センサ105、107、および/または108は単一のセンサであっても複数のセンサであってもよいことが理解・認識されるべきである。
【0010】
動きセンサ105のいずれかによって転倒が検出された場合、ベルト路制御システム111は、転倒を検出したセンサ105との近接度に応じて、特定のモジュール101のベルト601を休止させることができる。モジュール101のベルト601は、任意の望ましい率で徐々に休止させるか、または直ちに停止させることができる。例えば、ベルト路制御システム111は、ベルト路100内のすべてのモジュール101のベルト601を休止させても、または検出された転倒のすぐ隣のモジュールのベルト601だけを休止させてもよい。別の実施形態では、ベルト路制御システム111は、検出された転倒のすぐ隣にあるすべてのベルト601と、検出された転倒に至るベルト路100内のすべてのモジュール101とを休止させることができる。どのようにベルト路制御システム111が設定されるかに応じて、ベルト路制御システム111は、ベルト路100の一部のモジュール101のベルト601を減速させる、ベルト路100の一部のモジュール101のベルト601を徐々に停止させる、またはベルト路100の一部のモジュール101のベルト601を直ちに停止させることができる。
【0011】
次いで図2を参照すると、ベルト路オペレーティングシステム(BOS)110が示されている。BOS110は、BOS110の動作を容易にするためのベルト路制御システム111を含むことができる。ベルト路制御システム111は、1つのモジュール101に関連する少なくとも1つの歩道モジュールコントローラ112、または複数のモジュール101a~nに関連する複数の歩道モジュールコントローラ112a~nと、データを送受信するように構成される。ベルト路制御システム111はまた、本明細書に記載されるBOS110のすべての動作を遂行するように構成される。各歩道モジュールコントローラ112は、各モジュール101の動作態様を制御するシステムである。各モジュール101の動作態様には、これらに限定されないが、電源投入(オンまたはオフ)、モジュール101のベルト速度、音声インジケータ、視覚インジケータ、各モジュール101の手すり速度、動きの起動等が含まれる。
【0012】
各歩道モジュールコントローラ112は、各モジュール101について各センサ105、107、および/または108から情報を受信し、その情報をベルト路制御システム111に送信することができる。ベルト路100は、各センサ105、107および/または108からの情報が直接ベルト路制御システム111に送信されることが可能であり、情報がその特定のモジュール101自身の歩道モジュールコントローラ112を迂回するように設定され得る。ベルト路制御システム111は、センサ105、107、および/もしくは108、ならびに/または各歩道モジュールコントローラ112から受信された情報に基づいて、ベルト路100のモジュール101a~nのいずれかの動作を変更することができる。
【0013】
次いで図3を参照すると、ベルト路制御システム111の図が示されている。ベルト路制御システム111は、有形のプロセッサ可読記憶媒体として具現化されたコンピュータプログラム製品を実行してコンピュータプロセスを実行することが可能である。データおよびプログラムファイルがベルト路制御システム111に入力されてよく、ベルト路制御システム111は、そのファイルを読み込み、その中のプログラムを1つまたは複数のプロセッサを使用して実行する。ベルト路制御システム111の要素の一部が図3に示され、ここで、入出力(I/O)部130と、中央演算処理装置(CPU)140と、メモリ部150とを有するプロセッサ120が示されている。1つまたは複数のプロセッサ120があってよく、ベルト路制御システム111のプロセッサ120は、単一の中央演算処理装置140または複数の処理装置を備える。プロセッサは、単一コアプロセッサでも複数コアプロセッサであってもよい。ベルト路制御システム111は、従来のコンピュータ、分散型コンピュータ、または任意の他のタイプのコンピュータであってよい。ここに記載される技術は、任意で、メモリ150、ディスク記憶装置160にロードされる、および/または搬送波信号(例えば、Ethernet、3Gワイヤレス、1Gワイヤレス、LTE(Long Term Evolution)、5G)で有線または無線ネットワークリンク170を介して通信され、それにより、図3のベルト路制御システム111を、記載される動作を実装するための特殊目的機械に変えるソフトウェアとして実装される。
【0014】
I/O部130は、1つまたは複数のユーザインターフェースデバイス(例えば、キーボード、タッチ画面表示装置等)、またはディスク記憶装置160に接続されてよい。記載される技術に従って本システムおよび方法を実施する機構を含んでいるコンピュータプログラム製品が、ベルト路制御システム111のメモリ部150または記憶装置160に存在していてよい。
【0015】
ベルト路制御システム111はまた、ネットワークリンク170を介してベルト路制御システム111をエンタープライズネットワークに接続することが可能な通信インターフェース180も含むことができ、それを通じてベルト路制御システム111は、搬送波中に具現化された命令およびデータを受信することができる。ローカルエリアネットワーキング(LAN)環境で使用される場合、ベルト路制御システム111は、通信デバイスの一種である通信インターフェース180を通じて、ローカルネットワークに(有線接続により、またはワイヤレスに)接続される。ワイドエリアネットワーキング(WAN)環境で使用される場合、ベルト路制御システム111は通例、ワイドエリアネットワークを通じて通信を確立するためのモデム、ネットワークアダプタ、または任意の他のタイプの通信デバイスを含む。ネットワーク化された環境では、ベルト路制御システム111に関して描かれたプログラムモジュールまたはその部分は、遠隔のメモリ記憶装置に記憶されてよい。図示されるネットワーク接続は通信デバイスの例であり、コンピュータ間に通信リンクを確立する他の手段が使用されてよいことが認識される。
【0016】
例示的な実装では、ブラウザアプリケーション、1つまたは複数の互換性基準を適用する互換性エンジン、および他のモジュールもしくはプログラムが、メモリ150および/または記憶装置160に記憶された命令によって具現化され、プロセッサ120によって実行されてよい。さらに、ローカルコンピューティングシステム、リモートのデータソースおよび/またはサービス、およびその他の関連する論理は、ファームウェア、ハードウェア、および/またはソフトウェアに相当し、それらは、ベルト路100およびベルト路100に含まれる各モジュール101a~nを動作させるように構成されてよい。BOS110のベルト路制御システム111は、汎用コンピュータおよび特殊化されたソフトウェア(サービスソフトウェアを実行するサーバなど)、特殊目的コンピューティングシステムおよび特殊化されたソフトウェア(サービスソフトウェアを実行するモバイルデバイスやネットワーク機器など)、または他のコンピューティング構成を使用して実施されてよい。加えて、ユーザ要求、プロファイルおよびパラメータデータ、エージェントプロファイルおよびパラメータデータ、位置データ、パラメータ照合データ、およびその他データが、メモリ150および/または記憶装置160に記憶され、プロセッサ120によって実行されてよい。
【0017】
次いで図4を参照すると、各歩道モジュールコントローラ112の図が示されている。各歩道モジュールコントローラ112は、有形のプロセッサ可読記憶媒体として具現化されたコンピュータプログラム製品を実行してコンピュータプロセスを実行することが可能である。データおよびプログラムファイルが各歩道モジュールコントローラ112に入力されてよく、歩道モジュールコントローラ112は、そのファイルを読み込み、その中のプログラムを1つまたは複数のプロセッサを使用して実行する。各歩道モジュールコントローラ112の要素の一部が図4に示され、ここでは、入出力(I/O)部230と、中央演算処理装置(CPU)240と、メモリ部250とを有するプロセッサ220が示されている。1つまたは複数のプロセッサ220があってよく、各歩道モジュールコントローラ112のプロセッサ220は、単一の中央演算処理装置240または複数の処理装置を備える。プロセッサは、単一コアプロセッサでも複数コアプロセッサであってもよい。各歩道モジュールコントローラ112は、従来のコンピュータ、分散型コンピュータ、または任意の他のタイプのコンピュータであってよい。記載される技術は、任意で、メモリ250、ディスク記憶装置260にロードされる、および/または搬送波信号(例えば、Ethernet、3Gワイヤレス、1Gワイヤレス、LTE(Long Term Evolution)、5G)で有線または無線ネットワークリンク270を介して通信され、それにより、図4の各歩道モジュールコントローラ112を、記載される動作を実装するための特殊目的機械に変えるソフトウェアとして実装される。
【0018】
I/O部230は、1つまたは複数のユーザインターフェースデバイス(例えば、キーボード、タッチ画面表示装置等)またはディスク記憶装置260に接続されてよい。記載される技術に従って本システムおよび方法を実施する機構を含んでいるコンピュータプログラム製品が、各歩道モジュールコントローラ112のメモリ部250または記憶装置260に存在していてよい。
【0019】
各歩道モジュールコントローラ112はまた、ネットワークリンク270を介して各歩道モジュールコントローラ112をエンタープライズネットワークに接続することが可能な通信インターフェース280も含むことができ、それを通じて各歩道モジュールコントローラ112は、搬送波中に具現化された命令およびデータを受信することができる。ローカルエリアネットワーキング(LAN)環境で使用される場合、各歩道モジュールコントローラ112は、通信デバイスの一種である通信インターフェース280を通じて、ローカルネットワークに(有線接続により、またはワイヤレスに)接続される。ワイドエリアネットワーキング(WAN)環境で使用される場合、各歩道モジュールコントローラ112は通例、ワイドエリアネットワークを通じて通信を確立するためのモデム、ネットワークアダプタ、または任意の他のタイプの通信デバイスを含む。ネットワーク化された環境では、各歩道モジュールコントローラ112に関して描かれたプログラムモジュールまたはその部分は、遠隔のメモリ記憶装置に記憶されてよい。図示されるネットワーク接続は通信デバイスの例であり、コンピュータ間に通信リンクを確立する他の手段が使用されてよいことが認識される。
【0020】
例示的な実装では、ブラウザアプリケーション、1つまたは複数の互換性基準を適用する互換性エンジン、および他のモジュールもしくはプログラムが、メモリ250および/または記憶装置260に記憶された命令によって具現化され、プロセッサ220によって実行されてよい。さらに、ローカルコンピューティングシステム、リモートのデータソースおよび/またはサービス、およびその他の関連する論理は、ファームウェア、ハードウェア、および/またはソフトウェアに相当し、それらは、ベルト路100内の各モジュール101a~nを動作させるように構成されてよい。各歩道モジュールコントローラ112は、汎用コンピュータおよび特殊化されたソフトウェア(サービスソフトウェアを実行するサーバなど)、特殊目的コンピューティングシステムおよび特殊化されたソフトウェア(サービスソフトウェアを実行するモバイルデバイスやネットワーク機器など)、または他のコンピューティング構成を使用して実施されてよい。加えて、ユーザ要求、プロファイルおよびパラメータデータ、エージェントプロファイルおよびパラデータ、位置データ、パラメータ照合データ、およびその他データが、メモリ250および/または記憶装置260に記憶され、プロセッサ220によって実行されてよい。
【0021】
本明細書に記載される本発明の実施形態は、1つまたは複数のコンピュータシステムにおいて論理ステップとして実施される。本発明の論理動作は、(1)1つまたは複数のコンピュータシステムで実行される一連のプロセッサ実装ステップとして、および(2)1つまたは複数のコンピュータシステム内の相互接続された機械または回路モジュールとして、実装される。この実装形態は、本発明を実施するコンピュータシステムの性能要件に応じて適宜選択し得る。したがって、本明細書に記載される本発明の実装形態を構成する論理動作は、動作、ステップ、オブジェクト、またはモジュールと様々に呼ばれる。さらに、論理動作は、明示的に別様に要求されない限り、または請求項の文言によって特定の順序が本質的に必要とされない限り、適宜追加および省略を加えて、任意の順序で行われてよいことが理解されるべきである。
【0022】
データストレージおよび/またはメモリは、ハードディスク媒体、複数の記憶装置を含んでいるストレージアレイ、光学媒体、ソリッドステートドライブ技術、ROM、RAM、およびその他の技術などの様々な種類のストレージによって具現化されてよい。動作は、マイクロプロセッサ、マイクロプロセッサコア、マイクロコントローラ、特殊目的回路、または他の処理技術によって実行または支援されるかどうかにかかわらず、ファームウェア、ソフトウェア、配線回路、ゲートアレイ技術およびその他の技術で実施されてよい。書き込みコントローラ、記憶コントローラ、データ書き込み回路、データ読取りおよび復元回路、ソートモジュール、およびデータ記憶システムの他の機能モジュールが、システム実施プロセスを行うためにプロセッサ可読命令を処理するプロセッサを含むかまたはプロセッサと連携してよいことが理解されるべきである。
【0023】
この説明および特許請求の範囲の趣旨の目的では、用語「メモリ」(例えば、メモリ150および/または250)は、不揮発性メモリ(フラッシュメモリ等)および揮発性メモリ(ダイナミックランダムアクセスメモリ等)を含む、有形のデータ記憶装置を意味する。コンピュータ命令は、望まれる機能を行うためにコンピュータプロセッサによってアクセスされるデータ、仮想マッピング、オペレーティングシステム、アプリケーション等の他の情報と共に、恒久的または一時的にメモリに存在する。用語「メモリ」または「記憶媒体」は、明確に、搬送波信号などの一過性媒体を含まないが、コンピュータ命令はワイヤレスにメモリに転送され得る。
【0024】
図5図7に示すように、ケーブル201は、雄/雌コネクタ202/203を使用して電動モータ(図示せず)に電力を供給することができ、電動モータは、各モジュール101a~cの無端ベルト601および手すり102を同じ速度で同期式に駆動する。これにより、複数のモジュール101a~cがチェーン状に接続してシステム100を形成することが可能になる。
【0025】
動力源は、電力網と、第1のアクティブモジュール(例えば、モジュール101b、モジュール101c、またはより一般的な実施形態では、モジュール101n)とに接続されている電気である。屋外用途の場合に、ベルト路を覆う構造物(図示せず)の上の太陽発電パネルを使用して、エネルギーを補うことができる。電気を供給するために使用され得る例示的なACケーブル(図示せず)は、標準的な110VACの壁コンセントにプラグ接続するアメリカ電機工業会(National Electrical Manufacturers Association(NEMA))5-15-P電気コネクタ、および第1のアクティブモジュール(例えばモジュール101n)にプラグ接続するNEMA5-15-Rソケットを有することができる。特定の実施形態では、モジュールは、460VAC、3相、60Hzの電源を必要とし得る。屋外用途には、太陽電池からのエネルギーが、AC電力線(図示せず)に動作的に接続された光起電力インバータを通る。一般に、AC電力線とケーブル201が共に、モジュール101a~nの照明、電動モータ、およびACドライブなどの関係するデバイスに電気を供給する。
【0026】
ケーブル201は、AC電力線から電力を受け取るように動作的に接続することができ、雄/雌コネクタ202/203を使用して、無端ベルト601を駆動する電動モータ(図示せず)と、各モジュール101a~nの手すり102を同じ速度で同期式に駆動するモータとに電力を供給することができる。これにより、複数のモジュール101a~nがチェーン状に接続してシステム100を形成することが可能になる。電力は、ベルト路100の下方に配設された電力ケーブルの母線路を介してモジュール101に供給することもできる。
【0027】
モジュール101a~nは、その入口側103(乗客104の方向によって決定される)またはその近くに、例えば、乗客を検出することができる動きセンサ105を有する。しかし、最初のモジュール101aおよび/または最後のモジュール101nは、アイドル状態のままにして、動作不能になる別のモジュール101b~m(mはn未満)を代替することのできる予備モジュールとして使用され得る。モジュール101a(および/またはモジュール101n)が予備として使用される場合に、その動きセンサ105が乗客104を検出すると、それは、少なくとも1つの隣のモジュール101bのベルト601(モジュール101aのベルト601ではなく)を起動する。同様に、モジュール101nが予備として使用される場合、それは、少なくとも1つの隣のモジュール101mのベルト601(モジュール101nのベルト601ではなく)を起動する。
【0028】
加えて、モジュール101aの動きセンサ105aは、モジュール101aが、動作不能になり得るモジュール101b~mを代替するときに、モジュール101aのベルト601を起動するためにも使用され得る。動きセンサは、光電式の動きセンサであり得、それは反射型光電センサまたは透過型(thru-beam type)センサであり得ることが理解されるべきである。加えて、光電とマイクロ波を組み合わせた動きセンサスイッチ、またはマイクロ波センサスイッチなど、他の動きセンサ技術を利用することができる。
【0029】
一実施形態では、各モジュール101a~nは、プログラミング等により、どのモジュール101a~nのベルト601にも乗客104がいないことを条件としてベルト601の方向を変えるように構成される。どのモジュール101a~nにも乗客104がいないとき、モジュール101a~nは非アクティブで静止状態になり、モジュール101a~nのいずれかまたはすべてのベルト601の方向が逆転され得る。例えば、朝または夕方のラッシュ時間帯中に、ベルト601の方向を逆転して乗客104の需要に対応することができる。
【0030】
しかし、第1の非アクティブモジュール101aの入口側103にまたはその近傍に配置されたセンサ105が乗客104を検出すると、そのような検出は、モジュール101bのベルト601および手すり102の動きをトリガすると共に、乗客104の速度に応じて、1つまたは複数の隣のモジュール(例えば、モジュール101c~nの1つまたは複数)のベルト601および手すり102の動きもトリガする。一般に、モジュール101b~mは、どの乗客104の前にも少なくとも1つのアクティブモジュール(動いているベルト601および手すり102を伴う)が存在し、かつ、アクティブモジュール(101c~n)に立っている(またはその上を歩く)どの乗客104の後ろにも少なくとも1つのアクティブモジュールが存在し得るように起動され得る。
【0031】
本明細書で前に述べたように、ベルト路100は、所望の長さの動く歩道を作るために任意数のモジュール101a~nを有することができる。1つの実施形態では、ベルト路100内のすべてのモジュール101が同じ速度であり得る。他の実施形態では、モジュール101は、ベルト路100内での各自の位置に応じて異ならせた速度を有することができる。通例、3つ以上のモジュール101がベルト路100で使用される場合、初期モジュール、少なくとも1つのフル速度モジュール、および最終モジュールがある。初期モジュールは、ベルト路100への移行を容易にする初速度を有することができる。少なくとも1つのフル速度モジュールは、初期モジュールからフル速度モジュールへの安全な移行が達成されるような任意の所望の最大速度を有することができる。最終モジュールは、ベルト路100を出るときにユーザによって安全な移行が達成されることが可能であるような任意の終速度であり得る。終速度と初速度とは、望まれるベルト路100の設定に応じて、異なる速度であっても同じ速度であってもよい。
【0032】
特定の実施形態では、ベルト路100は、少なくとも5個のモジュールを含むことができる。そのような実施形態では、ベルト路100は、初期モジュール101、加速モジュール101、フル速度モジュール、減速モジュールおよび最終モジュールを含むことができる。加速モジュールの速度および減速モジュールの速度は、初期モジュールおよび最終モジュールの速度よりもそれぞれ高いが、フル速度モジュールの速度よりも低い。加速モジュールおよび減速モジュールを含めることにより、ベルト路100が、従来の動く歩道よりも高い最大速度、低い初速度、および低い終速度を実現することが可能になる。何故ならば、これらは、初速度とフル速度との間、および終速度とフル速度との間に移行速度を提供するからである。これらのモジュールはすべて同じであり、様々に異なる速度で動作させられるに過ぎないことが理解・認識されるべきである。また、ベルト路100は、各モジュールの長さおよび望まれるベルト路100の長さに応じて、任意の数のフル速度モジュールを含み得ることが理解されるべきである。
【0033】
さらなる実施形態では、ベルト路100は、初期モジュールとフル速度モジュールとの間に配置された複数の加速モジュール、およびフル速度モジュールと最終モジュールとの間に配置された複数の減速モジュールを含むことができる。複数の加速モジュールおよび減速モジュールは、ベルト路100がさらに高いフル速度を実現することを可能にする。例示的実施形態では、ベルト路100は、第1の加速モジュールおよび第2の加速モジュールを有することができる。初期モジュールの隣に配置された第1の加速モジュールは、初期モジュールよりも高い速度、および初期モジュールとは反対側で第1の加速モジュールの隣に配置された第2の加速モジュールよりも低い速度を有する。第1の加速モジュールとフル速度モジュールとの間に配置された第2の加速モジュールは、第1の加速モジュールよりも高い速度およびフル速度モジュールよりも低い速度を有する。フル速度モジュールは、一方の側の第2の加速モジュールと他方の側の第1の減速モジュールとの間に配置される。第1の減速モジュールは、フル速度モジュールよりも低く、第2の減速モジュールのフル速度モジュールとは反対側に配置された第1の減速モジュールよりも高い速度を有する。第1の減速モジュールは、第2の減速モジュールよりも低く、第1の減速モジュールの第2の減速モジュールとは反対側に配置された最終モジュールよりも高い速度を有する。ベルト路100に搭載される加速モジュールおよび減速モジュールの数は、ベルト路100の長さ、所望の最大速度、所望の進入速度および退出速度、ならびにそれぞれ異なる速度で動作するモジュール間の所望の速度差に応じて、変動し得る。
【0034】
モジュール101a~nはまた、各モジュールの速度に対応する色分けされた視覚的手がかりを提供するための視覚媒体(図示せず)を含むことができ、色分けされた視覚的手がかりは、虹の色または何らかの他の色スペクトルの順序であり得、それにより、乗客に、各モジュール101a~nの速度の変化を予期しそれに順応する準備をさせる。視覚媒体は、各モジュール101の速度に対応する視覚的手がかりを提供するように、減光されるまたは明るくされてもよい。
【0035】
モジュール101a~nはまた、音声情報、指示、警告、または少なくとも1つのモジュール101a~nの速度に対応する様々に変化するテンポの音楽を介した手がかりを提供し、それにより、乗客に、任意のモジュール101a~nのベルト601の線形速度の変化を予期しそれに順応する準備をさせるためのスピーカを含むことができる。
【0036】
図5は、接続されていない位置にある、モジュール間の電気機械式の雄/雌コネクタ202/203の部分斜視図である。各モジュール101a~nは、電気接続を確立して固定するために、例えば、ばね式プランジャ301(図6)などの機械的締結具および孔205を含む。任意で、磁気掛け金(図示せず)を、機械的締結具に加えてまたはそれに代えて使用することができる。また、例えば鋼板(図示せず)を用いて直線状に隣り合うモジュール101を互いに接続し、固定または締結するためのナットおよびボルト、ねじ等のための孔204、206がある。
【0037】
図6は、接続されていない位置にある、モジュール間の電気機械式の雄/雌コネクタ202/203の第2の部分斜視図である。各モジュール101a~nは、ワイヤレスにまたは有線接続を介して、自身の状態を制御センター(図示せず)に通信し、制御センターは、システムが、加速/減速を自己調整し、モジュールのいずれかが非動作状態になった場合に徐々に停止するように、モジュール101a~nのベルト601の速度差を制御および調整する。一実施形態では、制御センターは、スマートIoT制御システムであり得る。図7は、接続された位置にある、電気機械式の雄/雌コネクタ202/203の部分斜視図である。
【0038】
図8は、モジュール101a~nの調節可能な水平調整脚500を示す斜視図である。ハンドル501を一方の方向(例えば時計回り)に回転させて伸縮アーム502を伸長することができ、反対方向(例えば反時計回り)に回転させて伸縮アーム502を収納することができる。
【0039】
図9は、歩道モジュール101の4つの調節可能な水平調整脚500を示す斜視図である。各モジュール101a~nの4つの調節可能な水平調整脚500は、個々に昇降させて、各モジュール101a~nのベルト601を実質的に水平方向に位置合わせすることができる。よって、どの個々のモジュール101a~nのベルト601も水平方向に位置合わせされ、すべての個々のモジュール101a~nのベルト601がまとめて実質的に水平方向に位置合わせされる。一実施形態では、自動化された位置合わせシステムが設けられて、調節可能な水平調整脚500の代わりに利用されることも可能である。
【0040】
モジュール101a、101bは、筐体取付台の側部ドア(図示せず)を開き、ベルトの張力を緩め、歩行プラットフォームの上およびモータ軸の下からベルトをスライドさせて取り出すことにより、モジュールの機械部品を解体または分解することなく、ベルト601の取り外しと交換を可能にするように構成される。一実施形態では、ベルト601は、パラ系アラミド材料などの高引張強度の繊維で強化されたゴムの薄い層を含んでよい。
【0041】
図10は、モジュール101の一部分の2つの調節可能な水平調整脚500を示す側面図である。
【0042】
図11は、調節可能な水平調整脚500の上にある収納可能車輪503を示す斜視図である。各モジュール101a~nは、上記で説明したように、動作不能になるモジュール101b~mを最初のモジュール101aおよび/または最後のモジュール101nと交換するのを容易にするために、収納可能車輪503を有することができる。
【0043】
図12は、2つの歩道モジュール101b、101cの間のエアナイフ901を示す側面図である。エアナイフ901は、ベルト601の下側部分の下方から、それぞれのモジュール101b、101cのベルト601の間の空間902を通って上に通過する強力な空気流を提供する。空気流は、塵埃が空間902に近づく、またはその中に溜まるのを防止し、また空間902に溜まり得る積もった塵埃を取り除くのを容易にする。エアナイフは空調も提供してよい。各モジュール101はまた、隣り合うモジュール101のベルト601の間の空間902(移行隙間)を監視するための隙間センサ903を含むことができる。ベルト路制御システム111は、隙間センサ903が所定の時間量にわたって移行隙間の中に何かを検出した場合、モジュール101のいずれかまたはすべてを休止させることができる。隙間センサ903は、光電センサまたは反射アレイセンサなど、本明細書に記載される機能を行うことが可能な任意タイプの当技術分野で知られるセンサであり得る。
【0044】
図13は、下部手すりギア構成の斜視図である。
【0045】
図14は、上部手すりギア構成1106の斜視図である。各モジュール101b、101cは、ベルト601(図示せず)の両側に手すりを含んでいる。図14では、各モジュール101b、101cごとに単一の手すり1101が示されている。
【0046】
各モジュール101b、101cの手すり1101は、それをフレーム1104の基部の「Uチャネル」(図示せず)に挿入することによって各側に締結され、掛け金およびボルト(図示せず)で固定される。隣り合うモジュールの手すり同士は、当技術分野で知られる任意の手段によって接続され得る。1つの例はT型コネクタ1103であり、これは、隣り合うモジュール101b、101cの手すり1101間の隙間を覆う。
【0047】
手すり1101は、それぞれのモジュール101b、101cのベルト601を駆動するモータ(図示せず)に動作的に接続されている軸1105およびギア1106の配置などの機械的接続を介して、各自のモジュール101b、101cのベルト601(図示せず)と同期して移動する。加えて、手すり1101は、手すり1101の裏面1107の近くに設置された紫外線Cランプおよび照明(図示せず)などの装置によって消毒され得る。
【0048】
図15は、手すり接続部の第1の実施形態の斜視図である。窪んだ手すり接続部1201のこの実施形態は、2つの隣り合う手すり1101と面一でなく、手すりの固定された部分を減らすため、より高い安全性を提供し得る。
【0049】
図16は、手すり接続部の第2の実施形態の斜視図であり、カバープレート1301の付いた図14の実施形態を示している。
【符号の説明】
【0050】
100 動く歩道輸送システム、ベルト路
101、101a~c、n 歩道モジュール
102、102a~n、1101 手すり
201 ケーブル
1001 ボルト
601 無端ベルト
106 モータ
105 動きセンサ
104 乗客
107a~n ベルトセンサ
108a~n モータセンサ
111 ベルト路制御システム
110 ベルト路オペレーティングシステム(BOS)
112、112a~n 歩道モジュールコントローラ
120 プロセッサ
130 入出力(I/O)部
140 CPU
150 メモリ部
160 ディスク記憶装置
170 ネットワークリンク
180 通信インターフェース
220 プロセッサ
230 入出力(I/O)部
240 CPU
250 メモリ部
260 記憶装置
270 ネットワークリンク
280 通信インターフェース
202、203 コネクタ
103 入口側
301 プランジャ
204、205、206 孔
500 水平調整脚
501 ハンドル
502 伸縮アーム
503 車輪
901 エアナイフ
902 空間
903 隙間センサ
1106 上部手すりギア構成、ギア
1104 フレーム
1103 T型コネクタ
1105 軸
1107 裏面
1201 手すり接続部
1301 カバープレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】