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特表2024-504055粉末噴霧システム、粉末噴霧ノズル及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】粉末噴霧システム、粉末噴霧ノズル及び方法
(51)【国際特許分類】
   B05B 7/14 20060101AFI20240123BHJP
   B01F 23/30 20220101ALI20240123BHJP
   B01F 25/31 20220101ALI20240123BHJP
【FI】
B05B7/14
B01F23/30
B01F25/31
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541044
(86)(22)【出願日】2022-02-09
(85)【翻訳文提出日】2023-07-05
(86)【国際出願番号】 GB2022050340
(87)【国際公開番号】W WO2022171998
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】63/200,076
(32)【優先日】2021-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590004718
【氏名又は名称】ジョンソン、マッセイ、パブリック、リミテッド、カンパニー
【氏名又は名称原語表記】JOHNSON MATTHEY PUBLIC LIMITED COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】ブルメスター、サビナ
(72)【発明者】
【氏名】ホッチキス、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】マーヴェル、デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】トムソン、クレイグ
【テーマコード(参考)】
4F033
4G035
【Fターム(参考)】
4F033QA01
4F033QB02Y
4F033QB05
4F033QB12Y
4F033QB19
4F033QD02
4F033QD19
4F033QD24
4F033QE11
4F033QE12
4F033QE13
4F033QF01X
4F033QF02Y
4F033QF07X
4F033QF07Y
4F033QF17X
4F033QH03
4F033QH05
4F033QH10
4G035AB34
4G035AC22
4G035AE13
(57)【要約】
【解決手段】 粉末噴霧システムは、乾燥粉末(4)の供給源と、噴霧ノズル(25)と、乾燥粉末の供給源を噴霧ノズルに接続する供給導管(16)と、を備える。噴霧ノズルは、ノズル出口(51)を有するノズル本体(50)と、乾燥粉末のための第1の導管(52)と、ガスのための第2の導管(53)と、を備える。第1の導管は、供給導管と連通する粉末入口(54)と粉末出口(55)との間に延びている。第2の導管は、ガス入口(56)とガス出口(57)との間に延びており、ガス出口は、第2の導管を通ってガス出口から流出するガスが粉末出口において吸引力を生成して、第1の導管を通って粉末出口及びノズル出口から出る乾燥粉末の流れを促進するように、粉末出口に近接して配置されている。粉末出口及びガス出口は、ガスと乾燥粉末との混合を促進するように配向されている。第1の導管(52)は、粉末入口(54)と粉末出口(55)との間の直線導管である。
【選択図】図7

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末噴霧システムであって、
a)乾燥粉末の供給源と、
b)噴霧ノズルと、
c)前記乾燥粉末の供給源を前記噴霧ノズルに接続する供給導管と、を備え、
前記噴射ノズルは、
i)ノズル出口を有するノズル本体と、
ii)乾燥粉末のための第1の導管と、
iii)ガスのための第2の導管と、を備え、
前記第1の導管は、前記供給導管と連通する粉末入口と粉末出口との間に延びており、
前記第2の導管は、ガス入口とガス出口との間に延びており、前記ガス出口は、前記第2の導管を通って前記ガス出口から流出するガスが、前記粉末出口において吸引力を生成して、前記第1の導管を通って前記粉末出口及び前記ノズル出口から出る乾燥粉末の流れを促進するように、前記粉末出口に近接して配置されており、
前記粉末出口及び前記ガス出口は、前記ガスと前記乾燥粉末との混合を促進するように配向されている、粉末噴霧システム。
【請求項2】
前記粉末出口は、
単一の粉末開口、又は
複数の粉末開口であって、それぞれの粉末開口は前記第2の導管の前記ガス出口に関連付けられている、複数の粉末開口を含む、請求項1に記載の粉末噴霧システム。
【請求項3】
前記粉末開口又はそれぞれの粉末開口は、0.5~5.0mm、任意選択的に1.0~2.5mm、任意選択的に1.0~2.0mmのオリフィス直径を有する、請求項2に記載の粉末噴霧システム。
【請求項4】
前記ノズル出口は、前記ノズル本体の第1の端面に配置され、前記粉末入口は、前記ノズル本体の反対側の第2の端面に配置されている、請求項1に記載の粉末噴霧システム。
【請求項5】
前記第1の導管は、前記粉末入口と前記粉末出口との間の直線導管である、請求項1に記載の粉末噴霧システム。
【請求項6】
前記第1の導管は、前記ノズル本体の長手方向軸線に平行であり、任意選択的に前記長手方向軸線と一致する、請求項1に記載の粉末噴霧システム。
【請求項7】
前記第1の導管は、内径が前記粉末入口における第1の直径から前記粉末出口における又は前記粉末出口に隣接する第2の直径まで減少するボアを含む、請求項1に記載の粉末噴霧システム。
【請求項8】
前記第1の導管は、内径が前記粉末入口における第1の直径から前記粉末出口における又は前記粉末出口に隣接する第2の直径まで滑らかに減少するボアを含む、請求項1に記載の粉末噴霧システム。
【請求項9】
前記第1の導管は、内径が前記粉末入口における第1の直径から前記粉末出口における又は前記粉末出口に隣接する第2の直径まで、専ら1つ以上のテーパ部分を介して減少するボアを含む、請求項1に記載の粉末噴霧システム。
【請求項10】
前記ノズル本体は、前記ノズル出口から離間配置され、1つ以上のガスの二次流れを、前記ノズル出口から出る前記ガス及び乾燥粉末の流れに衝突するように方向付けるように配向された1つ以上の二次ガス出口を含み、前記衝突は、前記ノズル本体の外部で、前記ノズル出口から離れており、
前記1つ以上の二次ガス出口は、前記ノズル出口から出る前記ガス及び乾燥粉末の流れに対する入射角が30~90°、任意選択的に45~75°、任意選択的に60°であるように、前記1つ以上のガスの二次流れを方向付けるように配向されている、請求項1に記載の粉末噴霧システム。
【請求項11】
前記1つ以上の二次ガス出口は、2つ、4つ、6つ、8つ、又はそれ以上の二次ガス出口を含み、任意選択的に、前記1つ以上の二次ガス出口は、1対、2対、3対、4対、又はそれ以上の対の二次ガス出口を形成し、二次ガス出口のそれぞれの対は、前記ノズル出口の互いに反対側に位置する2つの二次ガス出口を含む、請求項10に記載の粉末噴霧システム。
【請求項12】
前記ノズル本体は、前記二次ガス出口にガスを供給するための、前記第2の導管とは別個の第3の導管を含む、請求項10に記載の粉末噴霧システム。
【請求項13】
前記乾燥粉末の供給源は、前記ノズル本体の前記第1の導管と位置合わせされ、任意選択的に、前記乾燥粉末の供給源は、前記第1の導管の長手方向軸線と一致する、請求項1に記載の粉末噴霧システム。
【請求項14】
前記乾燥粉末の供給源と前記噴霧ノズルとの間の前記供給導管は直線状である、請求項1に記載の粉末噴霧システム。
【請求項15】
前記噴霧ノズルは、前記ノズル出口が下方を向き、前記乾燥粉末の供給源が前記噴霧ノズルの真上に配置されるように配向されている、請求項1に記載の粉末噴霧システム。
【請求項16】
前記第1の導管内に配置された洗浄ノズルを更に備え、前記洗浄ノズルは、ガスの供給源に接続され、前記粉末出口に向けて配向された出口を有し、任意選択的に、前記洗浄ノズルの前記出口は、1~10個、任意選択的に1~3個のオリフィスを備え、任意選択的に、前記オリフィス又はそれぞれのオリフィスは、0.5~1.5mm、任意選択的に0.5mmのオリフィス直径を有する、請求項1に記載の粉末噴霧システム。
【請求項17】
粉末噴霧ノズルであって、
i)ノズル出口を有するノズル本体と、
ii)乾燥粉末のための第1の導管と、
iii)ガスのための第2の導管と、を備え、
前記第1の導管は、前記供給導管と連通する粉末入口と粉末出口との間に延びており、
前記第2の導管は、ガス入口とガス出口との間に延びており、前記ガス出口は、前記第2の導管を通って前記ガス出口から流出するガスが、前記粉末出口において吸引力を生成して、前記第1の導管を通って前記粉末出口及び前記ノズル出口から出る乾燥粉末の流れを促進するように、前記粉末出口に近接して配置されており、
前記第1の導管は、前記粉末入口と前記粉末出口との間の直線導管である、粉末噴霧ノズル。
【請求項18】
前記ノズル出口は、前記ノズル本体の第1の端面に配置され、前記粉末入口は、前記ノズル本体の反対側の第2の端面に配置されている、請求項17に記載の粉末噴霧ノズル。
【請求項19】
前記第1の導管は、前記粉末入口と前記粉末出口との間の直線導管である、請求項17に記載の粉末噴霧ノズル。
【請求項20】
前記第1の導管は、前記ノズル本体の長手方向軸線に平行であり、任意選択的に前記長手方向軸線と一致する、請求項17に記載の粉末噴霧ノズル。
【請求項21】
前記第1の導管は、内径が前記粉末入口における第1の直径から前記粉末出口における又は前記粉末出口に隣接する第2の直径まで減少するボアを含む、請求項17に記載の粉末噴霧ノズル。
【請求項22】
前記第1の導管は、内径が前記粉末入口における第1の直径から前記粉末出口における又は前記粉末出口に隣接する第2の直径まで滑らかに減少するボアを含む、請求項17に記載の粉末噴霧ノズル。
【請求項23】
前記第1の導管は、内径が前記粉末入口における第1の直径から前記粉末出口における又は前記粉末出口に隣接する第2の直径まで、専ら1つ以上のテーパ部分を介して減少するボアを含む、請求項17に記載の粉末噴霧ノズル。
【請求項24】
前記ノズル本体は、前記ノズル出口から離間配置され、1つ以上のガスの二次流れを、前記ノズル出口から出る前記ガス及び乾燥粉末の流れに衝突するように方向付けるように配向された1つ以上の二次ガス出口を含み、前記衝突は、前記ノズル本体の外部で、前記ノズル出口から離れており、前記ノズル本体は、前記二次ガス出口にガスを供給するための、前記第2の導管とは別個の第3の導管を含む、請求項17に記載の粉末噴霧ノズル。
【請求項25】
排気ガスから粒子状物質を濾過するためのフィルタを処理する装置であって、前記装置は、請求項1に記載の粉末噴霧システム又は請求項17に記載の粉末噴霧ノズルを備える、装置。
【請求項26】
フィルタを保持するためのフィルタホルダを更に備え、前記粉末噴霧ノズルの前記ノズル出口は、前記乾燥粉末を前記フィルタの入口面に向けて噴霧するように配向されている、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記フィルタを通るガスの一次流れを生成するために前記フィルタの出口面と連通する真空発生器を更に備え、前記粉末噴霧ノズルは、前記フィルタの前記入口面の上流に配置され、前記フィルタの前記入口面の上流の前記ガスの一次流れの中に前記乾燥粉末を噴霧するように配向されている、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記装置は、前記ガスの一次流れを前記フィルタの前記入口面に向けてチャネリングするための前記入口面の上流の流導管と、前記流導管と前記フィルタとの間に配置されたアダプタと、を更に備え、前記アダプタは、前記流導管の形状及び/又はサイズを前記フィルタの前記入口面の形状及び/又はサイズに適合させるように構成されている、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記アダプタは、その上端に上方シールと、その下端に下方シールと、が提供された管状本体を含み、前記アダプタの前記上端は、前記流導管の前記下端の内径に適合された第1の内径を有し、前記アダプタの前記下端は、前記フィルタの前記入口面の直径に適合された第2の内径を有し、任意選択的に、前記アダプタの前記第1の内径は、前記第2の内径より大きくても小さくてもよい、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
排気ガスから微粒子状物質を濾過するためのフィルタを処理する方法であって、
a)リザーバに乾燥粉末を収容するステップと、
b)フィルタホルダ内にフィルタを配置するステップであって、前記フィルタは、入口面及び出口面を有する多孔質基材を備え、前記入口面と前記出口面とは、多孔質構造によって隔てられている、配置するステップと、
c)前記フィルタの前記出口面に圧力低下を適用することにより、前記フィルタの前記多孔質構造を通る一次ガス流を確立するステップと、
d)前記乾燥粉末を前記リザーバから供給導管を通して、前記フィルタの前記入口面の上流に配置された噴霧デバイスに移送するステップと、
e)前記乾燥粉末が前記一次ガス流に同伴され、前記フィルタの前記入口面を通過して前記多孔質構造に接触するように、前記噴霧デバイスを使用して、前記フィルタの前記入口面に向けて前記乾燥粉末を噴霧するステップと、を含み、
前記乾燥粉末は、重力によって及び/又は前記噴霧デバイス内で生成される吸引力によって、前記供給導管を通して前記噴霧デバイスに移送される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、粉末噴霧システム及び粉末噴霧ノズルに関する。特に、本開示は、入口表面及び出口表面を有する多孔質基材を含むフィルタをコーティングするための装置の一部として、及びそのコーティング方法において使用され得る粉末噴霧システム及び粉末噴霧ノズルに関し、入口表面は、多孔質構造によって出口表面から隔てられている。フィルタは、例えば内燃機関の排出制御デバイスのためのウォールフローフィルタであってもよい。
【背景技術】
【0002】
内燃機関からの、特に自動車用途のディーゼル及びガソリンエンジンからの、一般に煤と呼ばれる微粒子状物質(PM)の排出に関する懸念事項が存在している。主な懸念事項は、潜在的な健康影響に関連し、具体的にはナノメートル範囲のサイズを有する非常に小さな粒子に関連するものである。
【0003】
ディーゼル排気微粒子フィルタ(DPF)及びガソリン排気微粒子フィルタ(GPF)は、焼結金属、セラミック、又は金属繊維などを含む様々な材料を使用して製造されてきたが、実際の大量生産における最も一般的な種類は、本体の長さに沿って延びる多くの小さなチャネルのモノリシックアレイの形態で製作された多孔質セラミック材料から作製されるウォールフローの類である。交代チャネルは一方の端部で塞がれているため、排気ガスは多孔質セラミックチャネル壁を通るように押しやられ、多孔質セラミックチャネル壁は微粒子の大部分が通過することを阻止するため、濾過されたガスのみが環境に進入する。商業生産におけるセラミックウォールフローフィルタには、コーディエライトから作製されたもの、様々な形態の炭化ケイ素及びチタン酸アルミニウムが含まれる。車両上の実用的なフィルタの実際の形状及び寸法、並びにチャネル壁の厚さ及びその多孔度などの特性は、関係する用途に依存する。ガスが通過するセラミックウォールフローフィルタのフィルタチャネル壁内の細孔の平均寸法は、典型的には、5~50μm、通常は約20μmの範囲にある。著しく対照的なことに、最新の乗用車の高速ディーゼルエンジンからのほとんどのディーゼル排気微粒子状物質のサイズは非常に小さく、例えば10~200nmである。
【0004】
いくつかのPMは、フィルタ壁内の細孔構造内に保持され得るが、これは、いくつかの用途において、細孔がPMのネットワークによって架橋されるまで徐々に構築され得、このPMネットワークは次いで、フィルタチャネルの内壁上に微粒子のケーキを容易に形成させることになる。微粒子ケーキは、優れたフィルタ媒体であり、その存在により、非常に高い濾過効率が得られる。いくつかの用途では、煤は、堆積されるときにフィルタ上で連続的に燃焼され、これにより、微粒子ケーキがフィルタ上に蓄積されることが防止される。
【0005】
いくつかのフィルタ、例えば軽量ディーゼル排気微粒子フィルタでは、エンジン性能に有害であり、また燃費効率を低下させ得る過剰な背圧の増大を防止するために、トラップされたPMをフィルタから除去することが定期的に必要となる。ディーゼル用途では、保持されたPMは、プロセス中に空気中で燃焼させることによってフィルタから除去され、このプロセスの間、利用可能な空気の量、及び保持されたPMに点火するために必要な高温を達成するために使用される過剰燃料の量は、非常に注意深く制御される。通常は再生と呼ばれるこのプロセスの終わりに向けて、フィルタ内の最後に残留する粒子の除去は、濾過効率を顕著に低下させ、多くの小さな粒子を環境へとバースト放出することにつながり得る。したがって、フィルタは、それらが最初に使用されるときに、それに続く各再生イベントの後に、また各再生プロセスの後半の部分の間に、低い濾過効率を有し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、例えば、最初に使用されるときのフィルタの初期寿命の間、並びに/又は再生の間及びその直後、並びに/又はフィルタに煤が堆積したときにも、濾過効率を常に改善及び/又は維持することが望ましい。
【0007】
Liu,X.,Szente,J.,Pakko,J.,Lambert,C.etal.,「Using Artificial Ash to Improve GPF Performance at Zero Mileage」、SAE Technical Paper 2019-01-0974、2019、doi:10.4271/2019-01-0974には、コールドスタート条件下における煤排出を低減するための「人工灰」コーティングを製作するために、アトマイザによって生成されたサブマイクロメートルアルミナ粒子をベアフィルタ基材に充填するプロセスが記載されている。プロセスは、圧縮空気で液体懸濁液を噴霧することによりエアロゾル粒子を生成することと、結果として得られる、灰を含有する液滴を、それらをオーブンに通して流すことによって乾燥させることと、乾燥した灰粒子を濾過によるそれらの捕捉を介してフィルタに充填することと、からなる。プロセスは、高能力のアトマイザ(モデルPLG-2100(PALAS,Germany))を利用して、フルサイズのレンガに対して100リットル/分の流量を提供する。フィルタの充填は、DustTrakエアロゾルモニター(TSIInc,Minnesota,USA)によって記録されたフィルタ全体の圧力降下及びフィルタの前後のPM濃度によって監視される。当該プロセス中、コールドスタート条件下における煤排出の低減を示しているが、噴霧乾燥され得る物質に限定され、アトマイザ、乾燥オーブン及びエアロゾルモニターが必要であり、人工灰充填条件は、フィルタ基材に到達する前の液体エアロゾルの完全な乾燥を達成するために必要な条件によって制約され得る。
【0008】
国際公開第2011/151711号には、リーン燃焼内燃機関から放出された排気ガスから微粒子状物質を濾過するためのフィルタを作製する方法が記載されている。フィルタは、入口表面及び出口表面を有する多孔質基材を含み、入口表面は、第1の平均孔径の細孔を含む多孔質構造によって出口表面から隔てられている。入口表面は、多孔質構造の細孔の全体にわたって耐火性材料の相互接続粒子を含む架橋ネットワークを含む。この方法は、フィルタ基材の入口表面を、乾燥粉末形態をなす耐火材料を含むエアロゾルと接触させるステップを含む。当該プロセスは、最初に使用されたとき、及びその後の各再生イベント後のフィルタのPM排出量の低減を示しているが、生産されるフィルタのパラメータの制御性に関して、特に改善されたプロセスを提供することが望ましいであろう。
【0009】
米国特許出願公開第2019/0048771号には、基板のフィルタ容積に対して0.01g/L~60g/Lの範囲の濃度でその上に不活性ナノ粒子を有する多孔質基材を含むエンジン排気微粒子フィルタが記載されており、ナノ粒子の一部は、排気ガス流から微粒子を捕捉するように構成された再生耐性多孔質構造を形成するように構成配置されている。当該フィルタは、微粒子フィルタのゼロ運動効率の改善を提供することを意図したものであるが、特にプロセスの制御性及び柔軟性を改善するために、改善されたプロセスを提供することが望ましいであろう。
【0010】
本出願人は、(その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2019年8月15日に出願された英国特許第1911704号に完全に記載されているように)最初に使用されるときのフィルタの初期寿命の間、及び/又は再生中及びその直後、及び/又はフィルタに煤が堆積しているときに、改善された濾過効率を有するフィルタが、以下のステップを含む処理方法によって得られ得ることを発見した。
a)リザーバに乾燥粉末を収容するステップ、
b)フィルタホルダ内にフィルタを配置するステップであって、フィルタは、入口面及び出口面を有する多孔質基材を備え、入口面と出口面とは、多孔質構造によって隔てられている、配置するステップ、
c)フィルタの出口面に圧力低下を適用することにより、フィルタの多孔質構造を通る一次ガス流を確立するステップ、
d)乾燥粉末をリザーバからフィルタの入口面の上流に配置された噴霧デバイスに移送するステップ、及び
e)乾燥粉末が一次ガス流に同伴され、フィルタの入口面を通過して多孔質構造に接触するように、噴霧デバイスを使用して、フィルタの入口面に向けて乾燥粉末を噴霧するステップ。
【0011】
英国特許第1911704号において、本出願人は、乾燥粉末が、ヒュームドアルミナ、ヒュームドシリカ、ヒュームドチタニア、シリカエアロゲル、アルミナエアロゲル、カーボンエアロゲル、チタニアエアロゲル、ジルコニアエアロゲル又はセリアエアロゲルのうちの1つ以上を任意選択的にどのように含み得るかを記載している。特に、0.05g/Lのタップ密度及び5.97マイクロメートルのd50を有するヒュームド酸化アルミニウムでコーティングされたフィルタの例が記載されている。
【0012】
この処理方法は、改善された濾過効率特性を有するフィルタを製造することが見出されているが、このようなフィルタの処理を更に改善すること、特に、処理されたフィルタの耐久性を改善することが依然として望まれている。
【0013】
その結果、本出願人は、(その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2020年2月21日に出願された英国特許第2002483号に完全に記載されているように)処理されたフィルタの耐久性が、熱分解によって金属酸化物を形成するための金属化合物を含むか又はそれからなる噴霧プロセスにおいて乾燥粉末を使用することによって改善され得ることを発見した。
【0014】
英国特許第2002483号において、本出願人は、乾燥粉末として熱分解して金属酸化物になる金属化合物の使用が、例えば、ヒュームド酸化アルミニウムを含む金属酸化物による処理と比較して、処理されたフィルタの耐久性において、特に、乾燥粉末が多孔質構造に付着したままであり、フィルタのその後の動作中に多孔質構造から剥がれないようにする能力において、実質的な改善をもたらし得ることを説明している。
【0015】
驚くべきことに、本出願人は、これらの乾燥粉末の改善された接着性が、任意の追加の結合剤若しくは接着促進剤の存在なしに、又はフィルタの任意の高温焼結の必要性なしに達成され得ることを発見した。特に、驚くべきことに、そのような乾燥粉末の使用は、高い濾過効率を維持し、許容可能なコールドフロー背圧を伴って、良好な接着をもたらし得ることが見出された。
【0016】
英国特許第1911704号及び同第2002483号の処理方法は、改良されたフィルタを製造するのに有効であることが見出されているが、特に乾燥粉末の取り扱い及び噴霧において、方法を改善することが依然として望まれている。
【0017】
第1の態様では、本開示は、粉末噴霧システムであって、
a)乾燥粉末の供給源と、
b)噴霧ノズルと、
c)乾燥粉末の供給源を噴霧ノズルに接続する供給導管と、を備え、
噴射ノズルは、
i)ノズル出口を有するノズル本体と、
ii)乾燥粉末のための第1の導管と、
iii)ガスのための第2の導管と、を備え、
第1の導管は、供給導管と連通する粉末入口と粉末出口との間に延びており、
第2の導管は、ガス入口とガス出口との間に延びており、ガス出口は、第2の導管を通ってガス出口から流出するガスが、粉末出口において吸引力を生成して、第1の導管を通って粉末出口及びノズル出口から出る乾燥粉末の流れを促進するように、粉末出口に近接して配置され、
粉末出口及びガス出口は、ガスと乾燥粉末との混合を促進するように配向されている、粉末噴霧システムを提供する。
【0018】
有益にも、粉末噴霧システムは、乾燥粉末の改善された取り扱い及び噴霧を提供し得る。例えば、記載された噴霧ノズルの使用は、乾燥粉末の噴霧角度のより信頼性のある正確な制御を可能にし得る。加えて、粉末出口における吸引力の提供は、乾燥粉末が噴霧されるキャリアガス内の乾燥粉末の粒子の分散及び混合を向上させ得る。例えば、噴霧ノズルは、乾燥粉末が噴霧ノズルを通過する際に、乾燥粉末に対して増大したせん断力及び/又は増大した圧力低下を付与し得る。これは、例えば、乾燥粉末の粒子が凝集塊を形成する傾向を有する場合、乾燥粉末を脱凝集させるように有益に作用し得る。
【0019】
加えて、第1の導管を通って粉末出口及びノズル出口から出る乾燥粉末の流れを促進するために粉末出口に吸引力を提供することは、重力によって乾燥粉末を噴霧ノズル内に供給することを可能にするのに有益に役立ち得る。英国特許第1911704号のシステムでは、例えば上流ホッパーから噴霧ノズルへの乾燥粉末の供給は、乾燥粉末をガス流(例えば圧縮空気)中で流動化して同伴させ、ガスと乾燥粉末との混合物を1つ以上の導管に沿って噴霧ノズルに運ぶことによって行われていた。しかしながら、これは、いくつかの状況においていくつかの潜在的な欠点を有することが分かっている。例えば、乾燥粉末を噴霧ノズルに運ぶガス流のエネルギーは高い傾向があり、乾燥粉末が比較的高いエネルギーで噴霧ノズルから放出されることにつながる。噴霧ノズルを出る乾燥粉末はまた、ガス流とあまり均質に混合されない可能性があり、この問題は、混合物のガス対乾燥粉末比が高い場合に特に一般的であり得る。加えて、空気と乾燥粉末との混合物がフィルタに到達するときの比較的高い速度によって、乾燥粉末がフィルタのチャネルの底部に優先的に移動することになり、チャネルの壁に沿った乾燥粉末の不均等な分布をもたらし得る。
【0020】
本開示の粉末噴霧システムは、粉末出口における吸引力を使用して、第1の導管を通り粉末出口及びノズル出口から出る乾燥粉末の流れを促進することによって、この問題を軽減又は克服することができる。これは、乾燥粉末を噴霧ノズルに運び、噴霧ノズルを通過させるために、噴霧ノズルにガス(例えば圧縮空気)と乾燥粉末との混合物を供給する必要がないことを意味する。むしろ、噴霧ノズルは、ガス流を使用することなく供給導管を通して乾燥粉末の供給源(又は供給導管と連通する乾燥粉末の供給源の少なくとも一部)から乾燥粉末を供給されてもよく、例えば、乾燥粉末は、供給導管に沿って通過する際にガス流に同伴される必要はなく、むしろ噴霧ノズル内で生成される吸引力によって支援される重力の作用下で供給導管に沿って移動する。これにより、乾燥粉末の流れをより正確に制御し、キャリアガスへの乾燥粉末の分散をより均一にすることが可能になり得る。加えて、乾燥粉末は、フィルタの入口面に向けてより少ないエネルギーで噴霧され得る。
【0021】
乾燥粉末の供給源が複数の部分、例えば相互接続導管を有する複数のホッパー又は貯蔵場所を含む場合、乾燥粉末が乾燥粉末の供給源の1つの部分から乾燥粉末の供給源の別の部分に移動されるときに乾燥粉末を同伴させ、移動させるためにガスの流れが使用され得ることに留意されたい。しかしながら、本開示によれば、乾燥粉末の供給源の末端部分、例えば供給導管のすぐ上流のホッパー又は貯蔵場所からの供給導管への供給は、噴霧ノズル内で生成される吸引力によって支援される重力によって、乾燥粉末を同伴させるために供給導管内のガス流を使用することなく実行される。
【0022】
第2の態様では、本開示は、粉末噴霧ノズルであって、
i)ノズル出口を有するノズル本体と、
ii)乾燥粉末のための第1の導管と、
iii)ガスのための第2の導管と、を備え、
第1の導管は、供給導管と連通する粉末入口と粉末出口との間に延びており、
第2の導管は、ガス入口とガス出口との間に延びており、ガス出口は、第2の導管を通ってガス出口から流出するガスが、粉末出口において吸引力を生成して、第1の導管を通って粉末出口及びノズル出口から出る乾燥粉末の流れを促進するように、粉末出口に近接して配置され、
第1の導管は、粉末入口と粉末出口との間の直線導管である、粉末噴霧ノズルを提供する。
【0023】
有益にも、粉末入口と粉末出口との間の直線導管の使用は、粉末流を改善し、閉塞の可能性を大幅に低減するのに役立ち得る。例えば、この構成は、乾燥粉末が堆積し得る停滞領域の発生を低減又は好ましくは排除し得る。これは、噴霧ノズルが上記の第1の態様で説明したようなシステムで使用するためのものであり、乾燥粉末が、ガス流を使用せずに、例えば噴霧ノズル内で生成された吸引力によって支援された重力によって、第1の導管の粉末入口に供給される場合に特に有益であり得る。このようなシステムでは、粉末堆積のための蓄積場所として作用し得る任意の表面を低減又は除去することが特に重要であり得る。
【0024】
加えて、直線である第1の導管は、第1の導管を通過する乾燥粉末の速度を有益に高めることができ、乾燥粉末が噴霧ノズルの内面上に沈降して堆積する傾向を低減し得る。更に、粉末出口で吸引力を生成する粉末噴霧ノズルの一部として直線の第1の導管を使用することは、この場合、ノズル内の吸引及び流動化の使用が乾燥粉末の流れを支援するので、導管を通って容易に流れない乾燥粉末に特に有益であり得る。
【0025】
粉末噴霧システム及び粉末噴霧ノズルは、フィルタの処理方法において使用されるときに特定の用途を見出すことができる。例えば、フィルタは、例えば内燃機関の排出制御装置のためのウォールフローフィルタであってもよい。このようなフィルタの例としては、ディーゼル微粒子フィルタ(diesel particulate filter、DPF)及びガソリン微粒子フィルタ(gasoline particulate filter、GPF)が挙げられるが、これらに限定されない。処理方法は、
a)乾燥粉末の供給源に、例えばリザーバに乾燥粉末を収容するステップと、
b)フィルタホルダ内にフィルタを配置するステップであって、フィルタは、入口面及び出口面を有する多孔質基材を備え、入口面と出口面とは、多孔質構造によって隔てられている、配置するステップと、
c)フィルタの前記出口面に圧力低下を適用することにより、フィルタの前記多孔質構造を通る一次ガス流を確立するステップと、
d)乾燥粉末を、乾燥粉末の供給源から供給導管を通して、フィルタの入口面の上流に配置された噴霧ノズルに移送するステップと、
e)乾燥粉末が一次ガス流に同伴され、フィルタの入口面を通過して多孔質構造に接触するように、噴霧ノズルを使用して、フィルタの入口面に向けて乾燥粉末を噴霧するステップと、を含み得る。
【0026】
第3の態様において、本開示は、排気ガスから微粒子状物質を濾過するためのフィルタを処理する方法であって、方法は、
a)リザーバに乾燥粉末を収容するステップと、
b)フィルタホルダ内にフィルタを配置するステップであって、フィルタは、入口面及び出口面を有する多孔質基材を備え、入口面と出口面とは、多孔質構造によって隔てられている、配置するステップと、
c)フィルタの出口面に圧力低下を適用することにより、フィルタの多孔質構造を通る一次ガス流を確立するステップと、
d)乾燥粉末をリザーバから供給導管を通して、フィルタの入口面の上流に配置された噴霧デバイスに移送するステップと、
e)乾燥粉末が一次ガス流に同伴され、フィルタの入口面を通過して多孔質構造に接触するように、噴霧デバイスを使用して、フィルタの入口面に向けて乾燥粉末を噴霧するステップと、を含み、
乾燥粉末は、重力によって及び/又は噴霧デバイス内で生成される吸引力によって、供給導管を通して噴霧デバイスに移送される、方法を提供する。
【0027】
有益にも、乾燥粉末は、重力によって及び/又は噴霧デバイス内で生成される吸引力によってのみ、供給導管を通して噴霧デバイスに移送されてもよい。任意選択的に、リザーバは、供給導管に直接供給するホッパーを含んでもよく、乾燥粉末は当該ホッパーに注入されてもよい。注入は、乾燥粉末の重量測定注入であってもよい。
【0028】
噴霧デバイスは、供給導管とは別個の導管に沿って加圧ガスの流れが供給され得る噴霧ノズル(例えば、第2の態様の粉末噴霧ノズル)を備えてもよく、加圧ガスの流れは、吸引力を生成するために噴霧ノズル内で使用される。
【0029】
第1の態様の粉末噴霧システムは、以下の特徴のうちの1つ以上を更に備えてもよい。
【0030】
乾燥粉末の供給源は、ノズル本体の第1の導管と位置合わせされてもよく、任意選択的に、乾燥粉末の供給源は、第1の導管の長手方向軸線と一致してもよい。乾燥粉末の供給源は、1つ以上のホッパーを含んでもよい。
【0031】
乾燥粉末の供給源と噴霧ノズルとの間の供給導管は直線状であってもよい。
【0032】
乾燥粉末の供給源と噴霧ノズルとの間の供給導管は、1~20mm、任意選択的に5~10mmの内径を有し得る。
【0033】
噴霧ノズルは、ノズル出口が下方を向き、乾燥粉末の供給源が噴霧ノズルの真上に配置されるように配向され得る。
【0034】
粉末噴霧システムがフィルタの処理方法に使用される場合、フィルタは、フィルタの入口面を最上にして垂直配向でホルダ内に配置され得る。噴霧ノズルは、入口面の垂直方向上方に配置されてもよく、任意選択的に、噴霧デバイスの噴霧方向は、フィルタの長手方向軸線と同軸をなしてもよく、任意選択的に、噴霧方向と長手方向軸線とは一致する。有益にも、この構成は、より簡略化されたプロセス及び乾燥粉末のより良好な分散を提供することができ、有益にも、粉末噴霧ノズルに供給する導管内に残留乾燥粉末を残さないことができる。
【0035】
粉末噴霧システムは、乾燥粉末の供給源から乾燥粉末を注入するための注入デバイスを更に備えてもよい。注入デバイスは、乾燥粉末を供給導管内に直接注入してもよく、又は供給導管に直接供給するホッパー内に注入してもよい。注入デバイスは、重量、体積、粒子数、時間のうちの1つ以上によって注入し得る。注入デバイスは、ロスインウェイトフィーダーであり得る。有益にも、注入デバイス、任意選択的に重力測定供給式の注入デバイスの使用は、乾燥粉末の注入をより制御可能かつ正確にし得る。
【0036】
上記態様のうちのいずれかはまた、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。
【0037】
粉末出口は、ガスと乾燥粉末との初期混合がノズル出口の上流のノズル本体の内部で生じるように、ノズル出口の上流のノズル本体内に配置されてもよい。ガス出口は、ノズル出口の上流のノズル本体内に配置されてもよい。
【0038】
あるいは、粉末出口は、ガスと乾燥粉末との初期混合がノズル本体の外側で生じるように、ノズル本体のノズル出口に又はその近くに配置されてもよい。この場合、ガス出口は、ノズル本体のノズル出口に又はその近くに配置されてもよい。
【0039】
ガス出口は、粉末出口を取り囲む環状出口を含んでもよい。
【0040】
粉末出口は、ノズル本体の長手方向軸線上の中心に配置されてもよい。
【0041】
いくつかの例では、粉末出口は単一の粉末開口を含んでもよい。他の例では、粉末出口は複数の粉末開口を含んでもよく、それぞれの粉末開口は、第2の導管のガス出口と関連付けられる。複数の粉末開口のうちの少なくとも1つは、ノズル本体の長手方向軸線に沿って配向されてもよい。複数の粉末開口のうちの少なくとも1つは、ノズル本体の長手方向軸線に対して発散角度で配向されてもよい。当該粉末開口又はそれぞれの粉末開口は、0.5~5.0mm、任意選択的に1.0~2.5mm、任意選択的に1.0~2.0mmのオリフィス直径を有し得る。これらのオリフィスサイズは、乾燥粉末の良好な分散をもたらし得る。
【0042】
ガス出口は、当該粉末開口又はそれぞれの粉末開口を取り囲む環状開口を含み得る。環状開口は、0.2~2.0mm、任意選択的に0.2~1.0mm、任意選択的に0.25~0.9mm、任意選択的に0.6mmの幅を有し得る。
【0043】
ノズル出口は、ノズル本体の第1の端面に配置され得、粉末入口は、ノズル本体の反対側の第2の端面に配置され得る。
【0044】
第1の導管は、粉末入口と粉末出口との間の直線導管であってもよい。
【0045】
第1の導管は、ノズル本体の長手方向軸線と平行であってもよく、任意選択的に長手方向軸線と一致してもよい。
【0046】
第1の導管は、内径が粉末入口における第1の直径から粉末出口における又は粉末出口に隣接する第2の直径まで減少するボアを含んでもよい。
【0047】
第1の導管は、内径が粉末入口における第1の直径から粉末出口における又は粉末出口に隣接する第2の直径まで滑らかに減少するボアを含んでもよい。
【0048】
第1の導管は、内径が、粉末入口における第1の直径から粉末出口における又は粉末出口に隣接する第2の直径まで、専ら1つ以上のテーパ部分を介して減少するボアを含んでもよい。
【0049】
ノズル本体は、ノズル出口から離間配置され、1つ以上のガスの二次流れを、ノズル出口から出るガス及び乾燥粉末の流れに衝突するように方向付けるように配向された1つ以上の二次ガス出口を含んでもよく、衝突は、ノズル本体の外部で、ノズル出口から離れている。
【0050】
1つ以上の二次ガス出口は、ノズル出口から出るガス及び乾燥粉末の流れに対する入射角が30~90°、任意選択的に45~75°、任意選択的に60°であるように、1つ以上のガスの二次流れを方向付けるように配向されてもよい。
【0051】
1つ以上の二次ガス出口は、2つ、4つ、6つ、8つ、又はそれ以上の二次ガス出口を含んでもよく、任意選択的に、1つ以上の二次ガス出口は、1対、2対、3対、4対、又はそれ以上の対の二次ガス出口を形成してもよく、二次ガス出口のそれぞれの対は、ノズル出口の互いに反対側に位置する2つの二次ガス出口を含んでもよい。
【0052】
二次ガス出口のそれぞれは、0.5~2.5mm、任意選択的に1.0~2.5mmのオリフィス直径を有し得る。
【0053】
1つ以上の二次ガス出口は、1つ以上の二次ガス出口がノズル出口の軸方向下流に配置されるように、ノズル出口を含むノズル本体の面から突出する1つ以上の脚部に提供されてもよく、任意選択的に、1つ以上の二次ガス出口は、ノズル出口の軸方向下流の2~20mm、任意選択的に8~15mmに配置されてもよい。
【0054】
ノズル本体は、二次ガス出口にガスを供給するための、第2の導管とは別個の第3の導管を含んでもよい。
【0055】
ノズル本体は、少なくとも第1の導管の粉末出口を画定する管状要素と、キャップ要素とを含んでもよく、管状要素とキャップ要素との間の隙間は、ガス出口を画定する。
【0056】
管状要素とキャップ要素との間の隙間は、0.2~2.0mm、任意選択的に0.2~1.0mm、任意選択的に0.25~0.9mm、任意選択的に0.6mmであってもよい。
【0057】
噴霧ノズルは、第1の導管内に配置された洗浄ノズルを更に備えてもよく、洗浄ノズルは、ガスの供給源に接続され、粉末出口に向けて配向された出口を有する。洗浄ノズルの出口は、粉末出口から2~50mm、任意選択的に4~25mmに配置されてもよい。出口は、単一のオリフィス又は複数のオリフィスを含んでもよい。出口は、1~10個、任意選択的に1~3個のオリフィスを含んでもよい。当該オリフィス又はそれぞれのオリフィスは、0.5~1.5mm、任意選択的に0.5mmのオリフィス直径を有し得る。
【0058】
有益にも、洗浄ノズルは、粉末出口の閉塞の可能性を低減するために使用され得る。例えば、圧縮ガス流を粉末出口の内面で出口から噴出させて、粉末出口の領域に堆積した乾燥粉末を分解して除去することができる。
【0059】
洗浄ノズルは、第1の導管内に吸引力を生成して、第1の導管を通る乾燥粉末の流れを促進するように構成されてもよい。洗浄ノズルは、第1の導管内の乾燥粉末を流動化するように構成されてもよい。
【0060】
洗浄ノズルは、洗浄ノズルの外壁と第1の導管の内壁との間に乾燥粉末のための環状流空間を画定するように第1の導管内に配置された細長い管状要素を含んでもよい。
【0061】
乾燥粉末の供給源は、第1の乾燥粉末の供給源及び第2の乾燥粉末の供給源を含んでもよく、第1の導管は、第1の乾燥粉末の供給源と連通する第1の粉末入口及び第2の乾燥粉末の供給源と連通する第2の粉末入口を含んでもよく、第2の導管を通ってガス出口から流出するガスは、粉末出口において吸引力を生成し、第1の導管を通って粉末出口及びノズル出口から流出する第1の乾燥粉末及び第2の乾燥粉末の流れを促進する。
【0062】
第1の導管は、その長さの少なくとも一部分に沿った第1の乾燥粉末のための第1の流路と、その長さの少なくとも一部分に沿った第2の乾燥粉末のための第2の流路と、を含んでもよく、第1の流路及び第2の流路は互いに分離しており、任意選択的に、第1の流路及び第2の流路は、同心円状に配置された流路を含んでもよい。
【0063】
上述した粉末噴霧システム又は粉末噴霧ノズルは、排気ガスから粒子状物質を濾過するためのフィルタを処理するための装置の一部として組み込まれてもよい。装置は、フィルタを保持するためのフィルタホルダを更に備えてもよく、粉末噴霧ノズルのノズル出口は、乾燥粉末をフィルタの入口面に向けて噴霧するように配向される。装置は、フィルタを通るガスの一次流れを生成するためにフィルタの出口面と連通する真空発生器を更に備えてもよく、粉末噴霧ノズルは、フィルタの入口面の上流に配置され、フィルタの入口面の上流のガスの一次流れの中に乾燥粉末を噴霧するように配向される。装置は、ガスの一次流れをフィルタの入口面に向けてチャネリングするための入口面の上流の流導管と、流導管とフィルタとの間に配置されたアダプタと、を更に備えてもよく、アダプタは、流導管の形状及び/又はサイズをフィルタの入口面の形状及び/又はサイズに適合させるように構成される。
【0064】
アダプタは、その上端に上方シールと、その下端に下方シールと、が提供された管状本体を含んでもよく、アダプタの上端は、流導管の下端の内径に適合された第1の内径を有してもよく、アダプタの下端は、フィルタの入口面の直径に適合された第2の内径を有してもよく、任意選択的に、アダプタの第1の内径は、第2の内径より大きくても小さくてもよい。
【0065】
粉末噴霧ノズルによって噴霧される、上述の粉末噴霧システム内の乾燥粉末は、任意選択的に1つ以上のヒュームド耐火性粉末を含む1つ以上の耐火性粉末、及び/又は1つ以上のエアロゲルを含むか又はそれらからなり得る。1つ以上のヒュームド耐火性粉末は、発熱性のプロセス、例えば火炎熱分解によって生成され得る。1つ以上のヒュームド耐火性粉末は、ヒュームドアルミナ、ヒュームドシリカ、ヒュームドチタニア、他のヒュームド金属酸化物及びヒュームド混合酸化物のうちの1つ以上を含み得る。1つ以上のエアロゲルは、シリカエアロゲル、アルミナエアロゲル、カーボンエアロゲル、チタニアエアロゲル、ジルコニアエアロゲル、セリアエアロゲル、金属酸化物エアロゲル及び混合酸化物エアロゲルのうちの1つ以上を含み得る。
【0066】
これらの例では、乾燥粉末は、0.10g/cm未満、任意選択的に0.08g/cm未満、任意選択的に0.07g/cm未満、任意選択的に0.06g/cm未満、任意選択的に0.05g/cm未満のタップ密度を有し得る。乾燥粉末は、25マイクロメートル未満、任意選択的に20マイクロメートル未満、任意選択的に10マイクロメートル未満のd50(体積による)を有し得る。
【0067】
粉末噴霧ノズルによって噴霧される、粉末噴霧システム内の乾燥粉末は、代替的に、熱分解によって金属酸化物を形成するための金属化合物を含むか又はそれからなり得る。乾燥粉末は、単一の金属化合物からなってもよく、2種以上の金属化合物の混合物又はブレンド又は連続投与からなってもよい。当該金属化合物又はそれぞれの金属化合物は、1種以上の金属カチオンを含有してもよい。複数の金属カチオンが存在する場合、これらは同じ金属であっても異なる金属であってもよい。金属化合物は、金属水酸化物、金属リン酸塩、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属過塩素酸塩、金属ヨウ化物、金属シュウ酸塩、金属酢酸塩、金属塩素酸塩、若しくはそれらの混合物を含むか又はそれらからなり得る。金属化合物の金属は、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、ジルコニウム、マンガン、リチウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、若しくはガリウムのうちの1つ以上を含むか又はそれらからなり得る。乾燥粉末は、金属酸化物又は混合金属酸化物を更に含んでもよい。任意選択的に、乾燥粉末は、熱分解によって金属酸化物を形成するための90重量%以上の金属化合物と、10重量%以下の金属酸化物又は混合金属酸化物と、を含む。任意選択的に、乾燥粉末は、熱分解によって金属酸化物を形成するための95重量%以上の金属化合物と、5重量%以下の金属酸化物又は混合金属酸化物と、を含む。任意選択的に、乾燥粉末は、熱分解によって金属酸化物を形成するための99重量%以上の金属化合物と、1重量%以下の金属酸化物又は混合金属酸化物と、を含む。金属酸化物又は混合金属酸化物の金属は、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、ジルコニウム、マンガン、リチウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、若しくはガリウムのうちの1つ以上を含むか又はそれらからなり得る。任意選択的に、乾燥粉末は、金属水酸化物、金属リン酸塩、金属炭酸塩、又はそれらの混合物を含むか又はそれらからなる。金属水酸化物は、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、及び水酸化バリウムからなる群から選択され得る。金属リン酸塩は、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸ストロンチウム、及びリン酸バリウムからなる群から選択され得る。金属炭酸塩は、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、及び炭酸バリウムからなる群から選択され得る。
【0068】
これらの例において、乾燥粉末は、1~3g/cm、任意選択的に1.5~2.5g/cm、任意選択的に約2g/cmのタップ密度を有し得る。乾燥粉末は、10マイクロメートル未満、任意選択的に5マイクロメートル未満、任意選択的に約2マイクロメートルのd50(体積による)を有し得る。
【0069】
乾燥粉末は、単一の粉末タイプ又は粉末タイプの混合物からなり得る。
【0070】
粉末噴霧システムがフィルタの処理方法で使用される場合、乾燥粉末の供給源から噴霧ノズルへの乾燥粉末の移送は、一次ガス流を確立及び制御することとは独立して制御可能であり、任意選択的に、フィルタの入口面に向けた乾燥粉末の噴霧は、一次ガス流を確立及び制御することとは独立して制御可能である。有益にも、一次ガス流の確立及び制御を制御することとは独立して、乾燥粉末の供給源から噴霧ノズルへの乾燥粉末の移送及び/又は噴霧を制御することによって、より制御可能なプロセスが達成され得る。例えば、噴霧ノズルからの乾燥粉末の移送流量及び/又は速度及び/又は噴霧速度を変更することなく、一次ガス流のガス流速及び/又は体積流量が変更され得る。これは、乾燥粉末を流動化するためにフィルタを通る一次ガス流もまた使用される方法とは対照的である。
【0071】
任意選択的に、一次ガス流は、乾燥粉末が噴霧ノズルに移送され、入口面に向けて噴霧される前に確立される。有益にも、これによって、乾燥粉末の噴霧の開始前に、多孔質構造の全体を通じてより均一なガス流を確立することが可能となり得る。次に、これによって、多孔質構造の中への、またそれを通じた乾燥粉末のより良好な分散が達成され得る。
【0072】
任意選択的に、噴霧ノズルの第2の導管を通るガス流は、一次ガス流とは別個であり、一次ガス流とは独立して制御され得る。有益にも、噴霧ノズルを通るガス流を制御することとは独立して一次ガス流を制御することによって、より制御可能なプロセスが達成され得る。例えば、噴霧ノズルを通るガス流の体積流量は、噴霧ノズルの1つ以上の出口における乾燥粉末の噴霧特性を最適化するように選択されてもよく、またそれとは別に、一次ガス流の体積流量は、フィルタの多孔質構造における乾燥粉末の堆積を最適化するように選択され得る。
【0073】
噴霧ノズルの第2の導管を通るガス流は、圧縮ガス、任意選択的に空気の流れを含んでもよい。
【0074】
粉末噴霧システムがフィルタの処理方法において使用される場合、粉末噴霧システムは、噴霧ノズルのノズル出口を出る乾燥粉末をフィルタの入口面に向けてチャネリングするための流導管を更に備えてもよい。
【0075】
流導管は、噴霧のノズルとフィルタの入口面との間に無妨害の流路を提供してもよい。
【0076】
代替的に、流導管は、噴霧ノズルとフィルタの入口面との間に挿入された流量調整器を含んでもよく、流量調整器は、ガス流内における乾燥粉末の分散を促進するように作用する。流量調整器は、静的ミキサー、メッシュ、ふるい、バッフル、及びオリフィスプレートのうちの1つ以上を含み得る。
【0077】
フィルタの入口面は、噴霧ノズルのノズル出口から10cmを超えて、任意選択的に20cmを超えて配置され得る。フィルタの入口面が噴霧ノズルのノズル出口から75cmを超えて、任意選択的に100cmを超えて配置される場合、特定の利益が見出され得る。有益にも、そのような間隔は、乾燥粉末を受け取るフィルタの入口面の面積百分率を増加させ、フィルタへの乾燥粉末塗布の均一性を改善することにつながる。追加的に又は代替的に、噴霧ノズルの出口ノズルは、フィルタの入口面から、フィルタの入口面の直径の最大4倍の距離をおいて配置され得る。
【0078】
本明細書において、「フィルタ」という用語は、排気ガスから微粒子状物質を濾過するのに好適な多孔質構造を有する多孔質基材を指す。多孔質基材は、例えば、焼結金属、セラミック、又は金属繊維などから形成され得る。フィルタは、多孔質材料、例えば、本体の長さに沿って延びる多数の小さなチャネルのモノリシックアレイの形態で製作されたセラミックから作製されたウォールフローの類であってもよい。例えば、フィルタは、コーディエライト、様々な形態の炭化ケイ素又はチタン酸アルミニウムから形成され得る。
【0079】
フィルタは、「ベア」フィルタであってもよく、又は代替的に、酸化、NOxトラップ、又は選択的触媒還元活性などの組み込まれた触媒機能性を有するものであってもよい。多孔質基材は、フィルタの多孔質構造をコーティングする組成物(ウォッシュコートとして知られる)を含み得る。ウォッシュコートは、触媒ウォッシュコートであり得る。触媒ウォッシュコートは、炭化水素トラップ、三元触媒(TWC)、NOx吸収剤、酸化触媒、選択的触媒還元(SCR)触媒、リーンNOx触媒、及びそれらの任意の2つ以上の組み合わせからなる群から選択された触媒を含み得る。触媒、例えば、TWC、NOx吸収剤、酸化触媒、炭化水素トラップ、及びリーンNOx触媒は、1つ以上の白金族金属、特に白金、パラジウム、及びロジウムからなる群から選択されたものを含有し得る。
【0080】
結果として、コーティングされたフィルタは、例えば、触媒化された煤フィルタ(CSF)、選択的触媒還元フィルタ(SCRF)、リーンNOxトラップフィルタ(LNTF)、ガソリン排気微粒子フィルタ(GPF)、アンモニアスリップ触媒フィルタ(ASCF)、又はそれらの2つ以上の組み合わせ(例えば、選択的触媒還元(SCR)触媒とアンモニアスリップ触媒(ASC)とを含むフィルタ)であり得る。
【0081】
フィルタの形状及び寸法、例えば、チャネル壁厚及びその多孔性などの特性は、フィルタの意図される用途に応じて異なり得る。フィルタは、内燃機関によって放出された排気ガスを濾過するために内燃機関と共に使用するように構成され得る。内燃機関は、ガソリン火花点火エンジンであり得る。しかしながら、フィルタは、ディーゼル又はガソリンエンジンの形態の内燃機関と共に使用するように構成された場合、特定の用途を見出す。
【0082】
本明細書において、「乾燥粉末」という用語は、液体中に懸濁又は溶解されない微粒子組成物を指す。このことは、全ての水分子が完全に存在しないことを必ずしも意味するものではない。乾燥粉末は、任意選択的に易流動性である。
【0083】
本明細書では、「タップ密度」という用語は、欧州薬局方7.0のセクション2.9.35の方法1に従って、1250回のタップで測定された粉末のタップ密度を指す。
【0084】
本明細書では、「g/L」という用語(グラム/リットル)は、乾燥粉末の質量をフィルタの体積で割ったものを指す。
【0085】
本明細書では、乾燥粉末の量を指す場合の「充填量」及び「質量充填量」という用語は、フィルタに添加された粉末の質量を指すものであり、フィルタへの粉末の添加前及び添加後にフィルタを秤量することによって測定され得るものである。
【0086】
本明細書では、「d50(体積による)」という用語は、Malvern PanalyticsLtd,(Malvern,UK)から入手可能なAero s分散ユニット付きのMalvern Mastersizer(登録商標)3000によって測定されたd50(体積による)測定値を指す。分散条件:空気圧=2barg、供給速度=65%、ホッパーギャップ=1.2mm。屈折率及び吸収率のパラメータは、Malvern Mastersizer(登録商標)3000ユーザマニュアルにて提供される指示に従って設定する。
【0087】
本明細書では、「真空発生器」という用語は、圧力低下を生成するように機能する装置又は装置の組み合わせを指す。好適な装置の非限定的な例としては、ベンチュリ原理に基づいて動作する真空発生器、真空ポンプ、例えば、回転翼及び液封真空ポンプ、並びに渦流ブロワが挙げられる。
【0088】
本明細書では、「圧力センサ」という用語は、絶対圧力及び/又は相対圧力を測定するように機能する装置又は装置の組み合わせを指す。好適な装置の非限定的な例としては、ダイヤフラム式圧力変換器であり得る圧力変換器が挙げられる。例えば、WIKA Alexander Wiegand SE&Co.KG(Klingenberg,Germany)から入手可能なWika(登録商標)P30圧力発信器が使用されてもよい。
【0089】
本明細書では、「コントローラ」という用語は、ハードウェア及び/又はソフトウェアを含み得る機能を指す。コントローラは、制御ユニットを備えてもよく、又は専用若しくは共有のコンピューティングリソース上で稼働するコンピュータプログラムであってもよい。コントローラは、単一のユニットを備えてもよく、又は動作可能に接続された複数のサブユニットから構成されてもよい。コントローラは、1つの処理リソース上に配置されてもよく、又は空間的に分離された処理リソースにわたって分散されてもよい。コントローラは、マイクロコントローラ、1つ以上のプロセッサ(1つ以上のマイクロプロセッサなど)、メモリ、構成可能なロジック、ファームウェアなどを含み得る。
【0090】
本明細書において、範囲及び量は、「約」特定の値又は範囲として表現され得る。約はまた、正確な量を含む。例えば、「約2マイクロメートル」は、「約2マイクロメートル」並びに「2マイクロメートル」を意味する。一般に、「約」という用語は、実験誤差内であると予想される量を含む。「約」という用語は、提供される値の5%未満~5%超以内である値を含み得る。例えば、「約2マイクロメートル」は、「1.9マイクロメートル~2.1マイクロメートル」を意味する。
【0091】
本明細書において、乾燥粉末が「からなる」という表現は、当業者によって認識されるように通常遭遇するような不可避の不純物を除いて、特定の成分のみから本質的になる乾燥粉末を意味する。
【図面の簡単な説明】
【0092】
これから、本開示の態様及び実施形態について、添付の図面を参照して単に例として説明することにする。
図1図1は、排気ガスから微粒子状物質を濾過するためのフィルタを処理する装置の概略図である。
図2図2は、図1の装置を使用してフィルタを処理する方法を組み込んだ、フィルタを製造する方法を示すフロー図である。
図3図3は、図1の装置を使用して、排気ガスから微粒子状物質を濾過するためのフィルタを処理する方法を示すフロー図である。
図4図4は、本開示による、粉末噴霧システムを組み込んだ、排気ガスから微粒子状物質を濾過するためのフィルタを処理する装置の別の概略図を示す。
図5図5は、図1及び図4の装置のための粉末輸送装置の概略図である。
図6図6は、本開示による2つのタイプの粉末噴霧ノズルを概略的に示す。
図7図7は、本開示による2つのタイプの粉末噴霧ノズルを概略的に示す。
図8図8は、本開示による粉末噴霧ノズルの第1の実施形態の断面図を示す。
図9図9は、本開示による粉末噴霧ノズルの第1の実施形態の断面図を示す。
図10図10は、図7及び図8の粉末噴霧ノズルの一部分の拡大図を示す。
図11図11は、本開示による粉末噴霧ノズルの第2の実施形態の断面図を示す。
図12図12は、本開示による粉末噴霧ノズルの第2の実施形態の断面図を示す。
図13図13は、本開示による粉末噴霧ノズルの第3の実施形態の断面図を示す。
図14図14は、本開示による粉末噴霧ノズルの第3の実施形態の断面図を示す。
図15図15は、図13及び図14の粉末噴霧ノズルの一部分の拡大図を示す。
図16図16は、本開示による粉末噴霧ノズルの第4の実施形態の断面図を示す。
図17図17は、図1及び図4の装置のためのアダプタ部分の断面図である。
図18図18は、流量調整器を示す。
図19図19は、流量調整器を示す。
図20図20は、図1及び図4の装置の流導管に組み込まれた流量調整器を示す。
図21図21は、本開示による装置の別の構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0093】
本開示の一態様又は実施形態の1つ以上の特徴は、直近の文脈がそうでいないことを教示しない限り、本開示の任意の他の態様又は実施形態の1つ以上の特徴と組み合わされ得ることを当業者は認識するであろう。
【0094】
ここで、本開示による粉末噴霧システム及び粉末噴霧ノズルの例が、最初に図1を参照して説明されるが、図1は、排気ガスから微粒子状物質を濾過するためのフィルタ2を処理する装置1の概略図を示す。フィルタ2は、入口面及び出口面を有する多孔質基材を含むタイプであり、入口面と出口面とは、多孔質構造によって隔てられている。
【0095】
装置1は、乾燥粉末4を収容するためのリザーバ3を備える。フィルタ2を保持するためのフィルタホルダ5が設けられている。フィルタ2の出口面に圧力低下を適用することにより、使用中にフィルタ2の多孔質構造を通る一次ガス流を確立するための真空発生器6が設けられている。乾燥粉末4をリザーバ3から噴霧デバイス7に輸送するための輸送デバイス8が設けられている。噴霧デバイス7は、輸送デバイス8から乾燥粉末4を受け取り、乾燥粉末4をフィルタ2の入口面に向けて噴霧するために設けられている。装置1の動作を制御するように構成されたコントローラ9が設けられている。
【0096】
リザーバ3は、乾燥粉末入口11から乾燥粉末4を受け取ることができる。リザーバ3は、乾燥粉末の供給源として機能する。乾燥粉末入口11は、乾燥粉末の上流バルク供給の出力であり得る。例えば、乾燥粉末入口11は、乾燥粉末4の更なるリザーバの上流に接続された導管であり得る。乾燥粉末入口11は、リザーバ3の蓋又は開口部を通じた、リザーバ3の手動、半自動又は自動再充填を表し得る。
【0097】
リザーバ3は、1つ以上のホッパーを備え得る。リザーバ3は、1つのホッパーを備え得る。図1の図示された例では、リザーバ3は、第1のホッパー12と第2のホッパー13とを備える。第2のホッパー13は、第1のホッパー12から出力された乾燥粉末4を受け取るように、第1のホッパー12の下流にあってもよい。1つ以上のホッパーが、別個のハウジング内に設けられてもよい。代替的に、1つ以上のホッパーが、単一のハウジング内に設けられてもよい。1つ以上のホッパーは、単一の容器の1つ以上のチャンバを備え得る。
【0098】
リザーバ3は、注入デバイス15を備え得る。注入デバイス15は、乾燥粉末4を、重量、体積、粒子数、時間のうちの1つ以上によって注入し得る。注入デバイス15は、リザーバ3の出口に、又はその近くに配置され得る。投与デバイス15は、リザーバ3の1つ以上のホッパーの出口に、又はその近くに配置され得る。注入デバイスは、第1のホッパー12の出口若しくはその付近に配置されてもよく、又は、3つ以上のホッパーが提供される場合、第2のホッパー13若しくは末端ホッパーの出口若しくはその付近に配置されてもよい。
【0099】
注入デバイス15は、リザーバ3から乾燥粉末4を重量測定的に供給され得る。
【0100】
注入デバイス15は、ロスインウェイトフィーダーであり得る。注入デバイス15は、オーガ又はねじ山構成を含む体積測定式フィーダーであり得る。好適な注入デバイスの非限定的な例としては、Coperion GmbH(Stuttgart,Germany)から入手可能なCoperion(登録商標)K-Tron Type K2-ML-T35 Gravimetric二軸スクリューフィーダー、及びAll-Fill International Ltd,(Sandy,UK)から入手可能なAll-Fill(登録商標)Series S1 Micro-Fill及びAll-Fill(登録商標)Series 10の重量測定式又は体積測定式オーガフィラーが挙げられる。
【0101】
輸送デバイス8は、乾燥粉末4をリザーバ3から噴霧デバイス7に輸送する。輸送デバイス8は、少なくとも途中まで噴霧デバイス7に向けて乾燥粉末4を重量測定的に、又は体積測定的に供給し得る。
【0102】
輸送デバイス8は、1つ以上の構成要素を備え得る。輸送デバイス8は、1つ以上の導管、例えば、通路、パイプ、ホースなどを備え得る。
【0103】
リザーバ3が2つ以上のホッパーを備える場合、輸送デバイス8は、ホッパー間で乾燥粉末4を輸送し得る。輸送デバイス8は、ホッパー間で乾燥粉末4を重量測定的に、又は体積測定的に供給し得る。輸送デバイス8は、第1のホッパー12と第2のホッパー13との間に延びる第1の導管14を備え得る。第1の導管14は、第1のハウジングから第2のハウジングに延び得る。代替的に、第1の導管14は、単一の容器の第1のチャンバから第2のチャンバに延び得る。乾燥粉末4は、第1の導管14に沿って重量測定的に供給され得る。
【0104】
輸送デバイス8は、第2のホッパー13から噴霧デバイス7に延びる供給導管16を備え得る。供給導管16は、乾燥粉末を噴霧デバイス7に供給するために機能し得る。乾燥粉末4を供給導管16の上流端に供給するために、本明細書に明示的に記載されたもの以外の他の適切な手段を使用してもよいことが理解されよう。
【0105】
注入デバイス15は、乾燥粉末4を第2のホッパー13から供給導管16に直接注入し得る。代替例では、注入デバイス15は、乾燥粉末4を第1のホッパー12から第2のホッパー13に注入してもよく、第2のホッパー13は、重力によって供給導管16に直接供給してもよい。
【0106】
噴霧デバイス7は、輸送デバイス8から乾燥粉末4を受け取り、乾燥粉末4をフィルタ2の入口面に向けて噴霧するために設けられている。噴霧デバイス7は、噴霧ノズル25と、フィルタ2の入口面に向けて乾燥粉末4を噴霧するために噴霧ノズル25と組み合わせて使用され得る二次ガス流を発生させるための二次ガス流発生器と、を備え得る。
【0107】
二次ガス流発生器は、圧縮ガス発生器を備え得る。図1の図示された例では、二次ガス流発生器は、圧縮器22を備え得る圧縮空気発生器を備える。圧縮器22は、空気入口21から空気を受け取り、供給ライン23を介して噴霧ノズル25に圧縮空気を供給し得る。戻りライン24が設けられてもよい。動作に必要な弁及び制御は、当業者に知られているように提供され得る。
【0108】
輸送デバイス8、例えば供給導管16と、噴霧デバイス7との間に相互接続が提供されてもよく、相互接続において乾燥粉末4が輸送デバイス8から噴霧デバイス7へと輸送される。相互接続は、噴霧ノズル25に又はその中に提供され得る。噴霧ノズル25の設計及び機能については、以下で更に説明する。
【0109】
フィルタホルダ5は、処理中にフィルタ2を静止位置に維持するように機能し得る。フィルタホルダ5は、フィルタ2の上方端部及び/又は下方端部を把持し得る。フィルタホルダ5は、フィルタ2の上方端部及び下方端部をそれぞれ支持する膨張式上方シールブラダ31(上方膨張式カラーとも呼ばれる)及び/又は膨張式下方シールブラダ30(下方膨張式カラーとも呼ばれる)を備え得る。膨張式上方シールブラダ31及び膨張式下方シールブラダ30は、フィルタ2の外部表面と接触及び/又は係合し得る。それぞれが、フィルタ2の周囲に液密シール又は気密シールを形成し得る。膨張式上方シールブラダ31及び膨張式下方シールブラダ30は、1つ以上のハウジングによって支持され得る(例えば、1つ以上のハウジングの内壁によって支持され得る)。
【0110】
装置1は、フィルタ2がフィルタの入口面を最上方にする垂直配向にてフィルタホルダ5内に配置されるように構成され得る。噴霧ノズル25は、入口面の上方に垂直に配置され得る。噴霧ノズル25の噴霧方向は、フィルタ2の長手方向軸線と同軸をなし得る。フィルタ2の噴霧方向と長手方向軸線とは一致してもよい。
【0111】
装置1は、噴霧デバイス7とフィルタ2の入口面との間に配置された流導管10を更に備え得る。流導管10は、フィルタ2の入口面に向けて一次ガス流を制約及びチャネリングするように機能し得る。流導管10は、一次ガス流を整列させるように機能し得、それにより、一次ガス流がフィルタ2の入口面に接触するときの一次ガス流の流動方向は、入口面に対して垂直になる。
【0112】
流導管10は、チューブを含み得る。流導管10は、フィルタ2の入口面の断面形状と一致する断面形状を備え得る。流導管10は、フィルタ2の入口面のサイズと一致するサイズを備え得る。
【0113】
噴霧デバイス7は、流導管10の中へと延び得る。例えば、噴霧ノズル25は、流導管10の上部領域内に配置され得る。噴霧ノズル25は、フィルタ2の長手方向軸線と一致させて配置され得る。
【0114】
フィルタ2の入口面は、噴霧デバイス7から10cmを超えて、任意選択的に20cmを超えて配置され得る。フィルタ2の入口面が、噴霧ノズル25のノズル出口から75cmを超えて、任意選択的に100cmを超えて配置されるとき、特定の利益が見出され得る。追加的に又は代替的に、噴霧デバイス、例えば噴霧ノズル25は、フィルタ2の入口面から、フィルタ2の入口面の直径の最大4倍の距離をおいて配置され得る。
【0115】
フィルタ2の出口面に圧力低下を適用することにより、使用中にフィルタ2の多孔質構造を通る一次ガス流を確立するための真空発生器6が設けられている。真空発生器6は、フィルタ2の出口面と係合する漏斗を画定し得る真空コーン40を備え得る。膨張式下方シールブラダ30は、フィルタ2の出口面と真空コーン40との間にシールを形成し得る。真空発生器6は、導管43によってフローコーンに接続された真空ポンプ42を備え得る。真空ポンプ42は、一次ガス流の体積流量を制御するように制御され得る。
【0116】
真空発生器6は、体積流量センサを備えてもよい。体積流量センサは、導管43に沿って配置された圧力センサ45と組み合わせたオリフィスプレート44であり得る。真空発生器6は、取り入れ口47まで延びるバイパス導管46を備え得る。
【0117】
装置1は、フィルタ2の背圧を監視するための圧力センサ41を更に備え得る。単一の圧力センサ41が使用されてもよい。単一の圧力センサ41は、真空発生器6内に、任意選択的に真空発生器のフィルタホルダ又は他のハウジング、例えば真空コーン40内に配置され得る。
【0118】
コントローラ9は、少なくとも真空発生器6及び噴霧デバイス7の動作を制御する。図1では、コントローラ9と装置1の残部との間の動作接続は、明確にするために省略されている。しかしながら、当業者には、任意の好適な手段の必要な接続が提供され得ることが認識されよう。そのような接続は、有線であっても無線であってもよい。
【0119】
コントローラ9は、真空発生器6によって生成された一次ガス流を制御することとは独立して、輸送デバイス8によって、リザーバ3から噴霧デバイス7への乾燥粉末4の移送を制御するように構成され得る。例えば、コントローラ9は、注入デバイス15の動作を制御し得る。
【0120】
コントローラ9は、一次ガス流を制御することとは独立して、フィルタ2の入口面に向けた乾燥粉末4の噴霧を制御するように構成され得る。本明細書における「独立して」という用語の使用は、コントローラ9が、乾燥粉末4の噴霧及び一次ガス流の変数の各々を、個別にかつ他の変数のステータスに関係なく制御する能力を指す。例えば、コントローラ9は、乾燥粉末4を同時に噴霧することなく、一次ガス流を確立し得る。例えば、コントローラ9は、一次ガス流の体積流量を変更することなく、乾燥粉末4の噴霧速度を増加又は減少させ得る。例えば、コントローラ9は、乾燥粉末4の噴霧速度を変更することなく、一次ガス流の体積流量を増加又は減少させ得る。例えば、コントローラ9は、真空ポンプ42の動作を制御することとは独立して、噴霧デバイス7の動作を制御し得る。
【0121】
コントローラ9は、乾燥粉末4が噴霧デバイス7に移送され、フィルタ2の入口面に向けて噴霧される前に、真空発生器6を動作させて一次ガス流を確立するように構成され得る。
【0122】
コントローラ9は、二次ガス流発生器、例えば圧縮機22を、真空発生器6とは独立して制御するように構成され得る。コントローラ9は、真空発生器6を操作して一次ガス流を多孔質構造を通る連続的なガス流として維持するように、また、一次ガス流の期間のうちの一部に対してのみ、二次ガス流発生器、例えば圧縮機22を操作するように構成され得る。
【0123】
コントローラ9は、フィルタ2の入口面に向けて噴霧される乾燥粉末4の速度又は質量流量を制御するために、輸送デバイス8及び/又は噴霧デバイス7を制御することとは独立して、真空発生器6を制御して、フィルタ2の出口面に適用される圧力低下のレベルを制御するように構成され得る。
【0124】
コントローラ9は、例えば、圧力センサ41によって検出されるように、フィルタ2の所定の背圧が達せられたときに、フィルタ2の入口面に向けた乾燥粉末4の噴霧を停止するように構成され得る。所定の背圧は、絶対背圧であってもよく、又は相対背圧であってもよい。コントローラ9は、所定の総噴霧時間が達せられたときに、フィルタ2の入口面に向けた乾燥粉末4の噴霧を停止するように構成され得る。
【0125】
装置1は、任意選択的に1つ以上のヒュームド耐火性粉末を含む1つ以上の耐火性粉末、及び/又は1つ以上のエアロゲルを含むか又はそれらからなる、乾燥粉末4を用いてフィルタを処理するために使用されてもよい。追加的に又は代替的に、装置1は、熱分解によって金属酸化物を形成するための金属化合物を含むか又はそれからなる乾燥粉末4を用いてフィルタを処理するために使用されてもよい。例では、金属化合物は、金属水酸化物、金属リン酸塩、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属過塩素酸塩、金属ヨウ化物、金属シュウ酸塩、金属酢酸塩、金属塩素酸塩、又はそれらの混合物を含むか又はそれらからなり得る。
【0126】
ここで、本開示によるフィルタを処理する方法の例が、図2を参照して説明されるが、図2は、装置1の使用を取り入れたフィルタ2を製造する方法を説明するフロー図を示す。単に例として、本方法は、触媒コーティングを備えられたフィルタ2を参照して説明される。
【0127】
ステップS21において、触媒スラリーが、当該技術分野で既知の方法によって調製される。
【0128】
ステップS22において、ウォッシュコートが、当該技術分野で既知の方法によって触媒スラリーから調製される。ウォッシュコートは、例えば、炭化水素トラップ、三元触媒(TWC)、NOx吸収剤、酸化触媒、選択的触媒還元(SCR)触媒、リーンNOx触媒、及びそれらの任意の2つ以上の組み合わせであり得る。
【0129】
ステップS23において、ウォッシュコートは、当該技術分野で既知の方法によって、ベアフィルタ2に注入及び適用される。例えば、ウォッシュコートは、フィルタ2の第1の面(例えば、上面)に適用されてもよく、フィルタ2の反対側の第2の面(例えば、下面)は、フィルタ2の多孔質構造を通るウォッシュコートの移動を達成するために少なくとも部分的な真空に供され得る。フィルタ2は、1回の注入でコーティングすることができ、ここでは、ウォッシュコートが、フィルタ2を単一の向きのままにして、単一のステップでフィルタ2に適用され得る。代替的に、フィルタ2は2回の注入でコーティングされてもよい。例えば、1回目の注入では、フィルタ2は、第1の面を最上方にし、第2の面を最下方にした第1の向きをなし得る。コーティングは第1の面に適用されてもよく、フィルタ2の長さの一部分をコーティングする。その後、フィルタ2は、第2の面が最上方になるように反転され得る。次に、フィルタ2のうちの1回目の注入でコーティングされなかった部分をコーティングするために、コーティングが第2の面に適用され得る。有利にも、2回注入プロセスは、フィルタ2の各端部に異なるコーティングを適用することを可能する。
【0130】
ステップS24において、フィルタ2は乾燥され得る。
【0131】
ステップS25において、フィルタ2は、当該技術分野で既知の方法によって焼成され得る。
【0132】
任意選択のステップS26において、処理前のフィルタ2の背圧が測定され得る。
【0133】
任意選択のステップS27において、フィルタ2は処理を待機するためにストックに置かれ得る。その後、ステップS28において、フィルタ2はストックから取り出され、処理のために送られ得る。代替的に、フィルタ2は、すぐに処理されてもよく、すなわち、ステップS29に直接進むことによって処理されてもよい。
【0134】
ステップS29において、フィルタ2は、図3を参照して以下で更に詳細に説明されるように処理されてもよい。
【0135】
ステップS30において、処理後、フィルタ2は焼成され得る。
【0136】
フィルタの焼成は、適切であれば、乾燥粉末4の熱分解を生じさせるように選択された温度で行われ得る。
【0137】
焼成温度は、少なくとも150℃、任意選択的に少なくとも250℃、任意選択的に少なくとも500℃であるように選択され得る。いくつかの実施形態では、焼成温度は550℃以下であることが好ましい。しかしながら、他の実施形態では、焼成温度は、550℃を超えるように選択されてもよい。焼成温度は、最大900℃、任意選択的に最大1150℃であるように選択され得る。一例では、焼成温度は、300℃~500℃であるように選択され得る。別の例では、焼成温度は、約520℃であるように選択され得る。別の例では、焼成温度は、約580℃であるように選択され得る。別の例では、焼成温度は、約900℃であるように選択され得る。
【0138】
焼成は、30~90分間、任意選択的に30~60分間実施され得る。一例では、期間は約35分である。別の例では、期間は約60分である。焼成内で、滞留時間は1~15分、任意選択的に5~10分である。
【0139】
任意選択のステップS31において、処理後のフィルタ2の背圧が測定され得る。
【0140】
ステップS32において、完成したフィルタ2が、顧客への発送のために用意されてもよい。
【0141】
図3は、図2のステップS29の処理を示すフロー図を示す。
【0142】
ステップS29-1において、フィルタはフィルタホルダ5に装填され得る。フィルタ2は、処理の間、静止位置に保持され得る。フィルタ2は、フィルタホルダ5によりフィルタ2の上端部及び/又は下端部を把持され得る。膨張式上方シールブラダ31及び膨張式下方シールブラダ30は、フィルタ2の外部表面と接触及び/又は係合するように膨張され得る。フィルタ2は、フィルタの入口面を最上方にして垂直配向に保持され得る。フィルタホルダ5の操作、例えば、膨張式上方シールブラダ31及び膨張式下方シールブラダ30の膨張は、コントローラ9によって制御され得る。
【0143】
ステップS29-2において、真空発生器6がコントローラ9によって作動されて、フィルタ2を通る一次ガス流が確立され得る。任意選択的に、一次ガス流は、乾燥粉末4が噴霧デバイス7の噴霧ノズル25に移送され、フィルタ2の入口面に向けて噴霧される前に確立される。真空発生器6によって発生された圧力低下のレベルは、リザーバ3から噴霧デバイス7への乾燥粉末4の移送の速度又は質量流量とは独立して、コントローラ9によって制御され得る。一次ガス流は、10m/時間~5,000m/時間、任意選択的に400m/時間~2,000m/時間、任意選択的に600m/時間~1000m/時間の体積流量を有し得る。
【0144】
ステップS29-3において、フィルタ2の背圧は、一次ガス流は確立されているが、二次ガス流は確立される前である間に測定され得る。背圧は、圧力センサ41の使用によって測定され得る。ステップS29-3における背圧測定は、ステップS26の背圧測定に加えたものであっても、又はそれに代わるものであってもよい。代替的に、ステップS26の背圧測定は、ステップS29-3の背圧測定に代わって用いられてもよい。ステップS26の背圧測定及び/又はステップS29-3の背圧測定は、処理前のフィルタ2の第1の背圧の尺度としてコントローラ9によって使用され得る。
【0145】
ステップS29-4において、乾燥粉末4は、噴霧デバイス7によってフィルタ2の入口面に噴霧される。乾燥粉末4の噴霧中、乾燥粉末4は輸送デバイス8によって噴霧デバイス7に供給され得る。
【0146】
フィルタ2の入口面に向けた乾燥粉末4の噴霧は、任意選択的に一次ガス流を確立及び制御することとは独立して、コントローラ9によって制御可能である。
【0147】
ステップS29-4の間、例えば、一次ガス流とは別の、圧縮機22によって供給される二次ガス流が、乾燥粉末4をリザーバ3から噴霧デバイス7に移送するために使用され得る。任意選択的に、二次ガス流は、一次ガス流とは独立してコントローラ9によって制御可能である。例えば、コントローラ9は、真空ポンプ42の動作を制御することとは独立して、噴霧デバイス7の圧縮器22及び/又は弁及び/又は噴霧ノズル25の動作を制御し得る。乾燥粉末4は、二次ガス流を使用することによって、フィルタ2の入口面に向けて噴霧され得る。二次ガス流は、圧縮ガス、任意選択的に空気の流れを含み得る。
【0148】
ステップS29-4の間、一次ガス流は、任意選択的に連続流として維持される。ステップS29-4の間、二次ガス流は、単一のバースト又は複数の断続的バーストとして適用され得る。
【0149】
ステップS29-5において、フィルタ2の背圧が監視され得る。背圧は、圧力センサ41の使用によって監視され得る。コントローラ9は、所定の背圧が達せられたときに、フィルタ2の入口面に向けた乾燥粉末4の噴霧を停止するように構成され得る。所定の背圧がまだ達せられていない場合、コントローラ9は、ステップS29-4に戻り、乾燥粉末4の噴霧を継続するように構成される。このフィードバックは、連続的であってよく、乾燥粉末4の噴霧におけるいかなる一時停止も伴う必要はなく、すなわち、コントローラ9は、乾燥粉末4の噴霧が進行中であるときにフィルタ2の背圧を連続的に監視し得る。
【0150】
所定の背圧は、絶対背圧であり得る。絶対背圧は、600m/時間の流量で20~180mbarであり得る。
【0151】
代替的に、所定の背圧は、相対背圧であり得る。例えば、ステップS26及び/又はステップS29-3で測定された処理前のフィルタ2の第1の背圧に対する背圧が使用され得る。背圧は、第1の背圧のパーセンテージとして測定され得る。乾燥粉末4の噴霧が停止されるときの所定の背圧は、第1の背圧の105%~200%、任意選択的に125%~150%であり得る。
【0152】
追加的に又は代替的に、フィルタ2の入口面に向けた乾燥粉末4の噴霧は、所定の総噴霧時間が達せられたときに停止され得る。所定の総噴霧時間は、1~60秒、任意選択的に1~20秒、任意選択的に約10秒であり得る。
【0153】
コントローラ9は、所定の総噴霧時間又はフィルタの所定の背圧が最初に達せられるか、又は目標質量の乾燥粉末がフィルタの入口面に向けて噴霧されたかのいずれかのときに、フィルタ2の入口面に向けた乾燥粉末4の噴霧を停止するように構成され得る。
【0154】
ステップS29-6において、乾燥粉末4の噴霧が停止される。例えば、これは、コントローラ9が輸送デバイス8による乾燥粉末の移送を停止することによって、かつ/又は、噴霧デバイス7の二次ガス流を停止することによって達成され得る。任意選択的に、ステップS29-6において、フィルタ2の多孔質構造を通る一次ガス流は、乾燥粉末4の噴霧の停止後のある時間期間にわたって維持される。コントローラ9は、乾燥粉末4の噴霧の停止後のある時間期間にわたって真空発生器6を動作させるように構成され得る。
【0155】
任意選択的に、ステップS29-6において、フィルタ2の入口面に向けて送達される乾燥粉末4の量が測定されてもよい。コントローラ9は、例えば、注入デバイス15からの信号出力から、例えば、ロスインウェイトフィーダーからの出力から、送達された乾燥粉末4の量を決定するように構成される。
【0156】
本方法は、乾燥粉末4の10~40g/L、任意選択的に15~30g/L、任意選択的に約20g/Lのフィルタの最大充填量を送達するように、又は、乾燥粉末4の<10g/L、任意選択的に<5g/L、任意選択的に<2g/Lのフィルタの最大負荷を送達するように構成され得る。
【0157】
ステップS29-7において、フィルタ2を通る一次ガス流が停止される。これは、コントローラ9が真空発生器6を停止すること、すなわち真空ポンプ42を停止することによって達成され得る。代替的に、これは、コントローラが真空発生器6の弁を操作して、取り入れ口47を通じて空気を引き込むようにバイパス導管46を通じた吸引を方向転換させることによって達成され得る。これは、連続するフィルタ2の処理間で真空ポンプ42を停止する必要性を回避し得ることになり、このことがより速いサイクル時間をもたらし得る。
【0158】
ステップS29-8において、フィルタ2は、例えば、膨張式上方シールブラダ31及び膨張式下方シールブラダ30を収縮させることによって、フィルタホルダ5から取り外される。フィルタ2は次いで除去され、上記のようにステップS30に進んでもよい。
【0159】
図4は、装置1の別の実施形態の概略図を示す。2つの装置の同じ部分には同じ参照番号が使用されている。以下の説明では、2つの装置間の相違点のみ、特にホッパー12、13及び噴霧ノズル25の空間的構成に関する相違点のみを説明する。他の全ての詳細については、読者は、図1を参照して上述した装置及び方法の説明に誘導され、これは、本実施形態に等しく適用される。
【0160】
図4の装置1は、フィルタホルダに取り付けられたフィルタ2に向けて配向された噴霧ノズル25を備える噴霧デバイス7を備える。真空発生器6は、装置1を通る一次ガス流を確立する。
【0161】
第1のホッパー12は、乾燥粉末入口11から乾燥粉末4を受け取ることができる。第1のホッパー12は、乾燥粉末4の供給源(又は供給源の一部)として機能する。乾燥粉末入口11は、乾燥粉末の上流バルク供給の出力であり得る。例えば、乾燥粉末入口11は、乾燥粉末4の更なるホッパー又はリザーバの上流に接続された導管であり得る。乾燥粉末入口11は、第1のホッパー12の手動、半自動又は自動再充填を表し得る。
【0162】
乾燥粉末4の供給源は、1つ以上のホッパーを含んでもよい。乾燥粉末4の供給源は、1つのホッパーを含んでもよい。図4に示す例では、乾燥粉末の供給源は、バルクホッパーとして機能し得る第1のホッパー12と、供給ホッパーとして機能し得る第2のホッパー13と、を含む。第2のホッパー13は、第1のホッパー12の下流にあり、第1のホッパー12から出力された乾燥粉末4を受け取る。ホッパーは、別個のハウジング内に提供されてもよい。代替的に、ホッパーは、単一のハウジング内に提供されてもよい。ホッパーは、単一の容器の1つ以上のチャンバを含んでもよい。ホッパー12、13の一方又は両方に、大気圧との圧力平衡のための1つ以上の通気孔17が提供されてもよい。ホッパー12、13の一方又は両方に、ホッパーの自動又は半自動再充填のための制御システムの一部として使用され得るレベルセンサが提供されてもよい。ホッパー12、13の一方又は両方に、ホッパーの出口に向かうホッパー内の乾燥粉末4の流れを促進するためのバイブレータが提供されてもよい。
【0163】
乾燥粉末の供給源が複数の部分、例えば複数のホッパー12、13又は貯蔵場所を含む場合、これらは導管によって相互接続されてもよい。部品間で乾燥粉末4を運ぶための手段、例えば、乾燥粉末を第1の場所から第2の場所へ、例えば貯蔵場所から乾燥粉末入口11を介して第1のホッパー12へ移動させるための手段が提供されてもよい。
【0164】
図5に概略的に示されるように、乾燥粉末入口11は、上流粉末送達システムによって供給されてもよい。この例では、上流の粉末送達システムの一部として、乾燥粉末4のための貯蔵ユニット130と、乾燥粉末4を第1のホッパー12、例えばバルクホッパーに供給する粉末送達ユニット132と、が提供されている。
【0165】
貯蔵ユニット130及び粉末送達ユニット132は、移送導管131によって相互接続されてもよい。移送導管131は、乾燥粉末4を例えば機械的に又は空気圧で(正又は負の圧力差によって)輸送するためのパイプ又はコンベヤベルトなどであってもよい。
【0166】
貯蔵ユニット130は、例えば、粉末送達システムの外側への乾燥粉末4の分散を軽減するための密閉チャンバであってもよい。例えば、貯蔵ユニット130は、乾燥粉末4の1つ以上の容器を含むグローブボックスであってもよい。
【0167】
図5の移送導管131に沿って乾燥粉末4を搬送するための手段は、例えば、Piab USA,Inc.(Pittsburgh,USA)から入手可能なものなどの真空コンベヤ、Axflow(Slough,United Kingdom)から入手可能なものなどのダイヤフラムポンプ、又はGema Switzerland GmbH(St.Gallen,Switzerland)から入手可能なものなどの粉末供給システムであってもよい。
【0168】
リザーバ3は、注入デバイス15を備え得る。注入デバイス15は、乾燥粉末4を、重量、体積、粒子数、時間のうちの1つ以上によって注入し得る。注入デバイス15は、リザーバ3の出口に、又はその近くに配置され得る。投与デバイス15は、リザーバ3の1つ以上のホッパーの出口に、又はその近くに配置され得る。注入デバイスは、第1のホッパー12の出口若しくはその付近に配置されてもよく、又は、3つ以上のホッパーが提供される場合、第2のホッパー13若しくは末端ホッパーの出口若しくはその付近に配置されてもよい。図4に示す例では、注入デバイスは、第1のホッパー12と第2のホッパー13との間に配置されている。注入デバイス15は、第1のホッパー12から乾燥粉末4を重量測定的に供給され得る。供給導管16は、第2のホッパー13から噴霧デバイス7に延びる。供給導管16は、乾燥粉末を噴霧デバイス7に供給するために機能する。乾燥粉末4は、注入デバイス15を使用して第1のホッパー12から第2のホッパー13に注入されてもよい。第2のホッパー13は、重力によって供給導管16に直接供給してもよい。
【0169】
乾燥粉末4が貯蔵ユニット130から第1のホッパー12に移動されるときに乾燥粉末4を同伴して移動させるためにガスの流れが使用され得るが、乾燥粉末の供給源の末端部分、例えば第2のホッパー13からの供給導管16への供給は、乾燥粉末4を同伴するために供給導管16内のガス流を使用することなく、噴霧ノズル25内で生成される吸引力によって補助される重力によって(以下で説明するように)行われる。
【0170】
上記のように、注入デバイス15は、オーガ又はねじ山構成を含む重量測定式及び/又は体積測定式フィーダーであり得る。好適な注入デバイスの非限定的な例としては、Coperion GmbH(Stuttgart,Germany)から入手可能なCoperion(登録商標)K-Tron Type K2-ML-T35 Gravimetric二軸スクリューフィーダー、及びAll-Fill International Ltd,(Sandy,UK)から入手可能なAll-Fill(登録商標)Series S1 Micro-Fill及びAll-Fill(登録商標)Series 10の重量測定式又は体積測定式オーガフィラーが挙げられる。
【0171】
噴霧デバイス7は、供給導管16から乾燥粉末4を受け取り、乾燥粉末4をフィルタ2の入口面に向けて噴霧するために提供される。装置1の動作を制御するように構成されたコントローラが提供される。噴霧デバイス7は、噴霧ノズル25と、フィルタ2の入口面に向けて乾燥粉末4を噴霧するために噴霧ノズル25と組み合わせて使用され得る二次ガス流を発生させるための二次ガス流発生器と、を備える。図4は、噴霧ノズル25にガスの二次流れを供給するための供給ライン23を概略的に示す。噴霧ノズル25の設計及び機能については、以下で更に説明する。
【0172】
二次ガス流発生器は、圧縮ガス発生器を備え得る。二次ガス流発生器は、圧縮器を含み得る圧縮空気発生器を備え得る。圧縮器は、空気入口から空気を受け取り、供給ライン23を介して噴霧ノズル25に圧縮空気を供給し得る。戻りラインが提供されてもよい。動作に必要な弁及び制御は、当業者に知られているように提供され得る。
【0173】
乾燥粉末4の供給源は、噴霧ノズル25及び供給導管16と共に、粉末噴霧システムの部分を含み得る。
【0174】
乾燥粉末4の供給源は、噴霧ノズル25と(特に、以下で説明するように、噴霧ノズル25のノズル本体の第1の導管と)位置合わせされ得る。乾燥粉末4の供給源は、第1の導管の長手方向軸線と一致し得る。例えば、リザーバ3の少なくとも第2のホッパー13は、噴霧ノズル25と位置合わせされ得る。第1のホッパー12はまた、噴霧ノズル25と位置合わせされてもよいが、これは任意である。
【0175】
好ましくは、噴霧ノズル25は、噴霧ノズル25のノズル出口が下向き、例えば垂直下向きになるように配向され、少なくとも第2のホッパー13は噴霧ノズル25の真上に配置される。
【0176】
第2のホッパー13と噴霧ノズル25との間の供給導管16は、直線であってもよい。供給導管16は、1~20mm、任意選択的に5~10mmの内径を有し得る。
【0177】
有益にも、第2のホッパー13と噴霧ノズル25との間の直線供給導管16の使用は、粉末流を改善し、供給導管内の閉塞の可能性を大幅に低減するのに役立ち得る。加えて、直線供給導管16は、乾燥粉末4が、ガス流を使用せずに、例えば、噴霧ノズル25内で生成される吸引力によって支援される重力によって噴霧ノズル25に供給されるシステムを有効にするのに役立ち得る。このようなシステムでは、粉末堆積のための蓄積場所として作用し得る任意の表面を低減又は除去することが特に重要であり得る。
【0178】
フィルタホルダ5は、処理中にフィルタ2を静止位置に維持するために上述のように設計され、機能し得る。
【0179】
流導管10は、フィルタ2の入口面に向けて一次ガス流を制約及びチャネリングするために上述のように設計され、機能し得る。
【0180】
上述のように、噴霧ノズル25は、フィルタ2の入口面の垂直方向上方に配置され得る。噴霧ノズル25の噴霧方向は、フィルタ2の長手方向軸線と同軸をなし得る。フィルタ2の噴霧方向と長手方向軸線とは一致してもよい。噴霧ノズル25は、流導管10の中へと延び得る。例えば、噴霧ノズル25は、流導管10の上部領域内に配置され得る。噴霧ノズル25は、フィルタ2の長手方向軸線と一致させて配置され得る。フィルタ2の入口面は、噴霧ノズル25のノズル出口から10cmを超えて、任意選択的に20cmを超えて配置され得る。フィルタ2の入口面が噴霧ノズル25のノズル出口から75cmを超えて、任意選択的に100cmを超えて配置される場合、特定の利益が見出され得る。例えば、そのような距離は、流導管10に沿って通過するガスの流れにおける乾燥粉末4の良好な混合をより良好に可能にするために、流導管10内の乾燥粉末4のための十分な滞留時間を可能にし得る。追加的に又は代替的に、噴霧ノズル25は、フィルタ2の入口面から、フィルタの入口面2の直径の最大4倍の距離をおいて配置され得る。
【0181】
真空発生器6は、フィルタ2の出口面に圧力低下を適用することにより、使用中にフィルタ2の多孔質構造を通る一次ガス流を確立するために上述のように設計され、機能し得る。
【0182】
コントローラは、装置1の動作を制御するために上述のように設計され、機能し得る。
【0183】
図4の装置1は、例えば、図2及び図3並びにその関連説明を参照して上述したように、乾燥粉末4でフィルタを処理するために使用されてもよい。特に、乾燥粉末4は、上述したタイプのいずれかであってもよい。
【0184】
例として、図1及び/又は図4の装置1の一部として使用され得る噴霧ノズル25が、ここでより詳細に説明される。
【0185】
図6及び図7は、2つのタイプの噴霧ノズル25を概略的に示す。両方の場合において、噴霧ノズル25は、ノズル出口51を有するノズル本体50と、乾燥粉末4のための第1の導管52と、ガスのための第2の導管53と、を含む。第1の導管52は、供給導管16と連通するように接続され得る粉末入口54と粉末出口55との間に延びている。第2の導管53は、ガス入口56とガス出口57との間に延びている。ガス出口57は、第2の導管53を通ってガス出口57から流出するガスが、第1の導管52を通って粉末出口55及びノズル出口51から出る乾燥粉末4の流れを促進するため、圧力の低下を引き起こして粉末出口55において吸引力を生成するように、粉末出口55に近接して配置される。粉末出口55及びガス出口57は、ガスと乾燥粉末4との混合を促進するように配向される。
【0186】
図6の噴霧ノズル25では、粉末出口55は、ガスと乾燥粉末4との初期混合がノズル本体50の外側で生じるように、ノズル本体50のノズル出口51に又はその近くに配置される。ガス出口57は、ノズル本体50のノズル出口51に又はその近くに、例えばノズル出口51に隣接して配置される。
【0187】
図7の噴霧ノズル25において、粉末出口55は、ガスと乾燥粉末4との初期混合がノズル出口51の上流のノズル本体50の内部で生じるように、ノズル出口51の上流のノズル本体50内に配置される。ガス出口57は、ノズル出口51の上流のノズル本体50内に配置される。
【0188】
ガス出口57は、粉末出口55を取り囲む環状出口を含んでもよい。粉末出口55は、ノズル本体50の長手方向軸線X-X上の中心に配置されてもよい。
【0189】
図8図10は、本開示による粉末噴霧ノズル25の第1の実施形態を示す。この実施形態は、図6に概略的に示されるタイプのものであり、すなわち、ガスと乾燥粉末4との初期混合はノズル本体50の外側で生じる。
【0190】
ノズル本体50は、互いに組み立てられる複数の部品を含んでもよい。例えば、ノズル本体50は、第1の本体要素62と、第2の本体要素63と、キャップ要素65と、を含んでもよい。
【0191】
第2の本体要素63は、第1の本体要素62に接続されてもよく、これらの要素は、Oリングシール64によって一緒に封止されてもよい。代替的に、第1の本体要素62及び第2の本体要素63は、単一部品として形成されてもよい。キャップ要素65は、第2の本体要素63に接続されてもよく、これらの要素は、ガスケットシール66によって一緒に封止されてもよい。
【0192】
第1の導管52及び粉末出口55の少なくとも一部分を画定する第1の管状要素60が提供されてもよい。第1の管状要素60は、ノズル本体50の第2の本体要素63に接続されてもよく、又は第2の本体要素63の一体部分を含んでもよい。
【0193】
第1の管状要素60は、円筒形であり、内径が一定である近位部分70を有し得る。第1の管状要素60は、粉末出口55の方向に内径が減少するテーパ状の遠位部分71を更に有し得る。第1の管状要素60は、それ自体が円筒形であり、内径が一定である、粉末出口55の開口を画定する末端部分72を更に有し得る。
【0194】
第1の導管52及び粉末入口54の別の部分を画定する第2の管状要素61が提供されてもよい。第2の管状要素61は、ノズル本体50の第1の本体要素62に接続されてもよく、又は第1の本体要素62の一体部分を含んでもよい。
【0195】
第2の管状要素61は、それ自体が粉末入口54を画定し、円筒形であり、内径が一定である、近位部分73を有し得る。第2の管状要素61は、第1の管状要素60の方向に内径が減少するテーパ状の遠位部分74を更に有し得る。第2の管状要素61は任意選択的に、円筒形であり、内径が一定である、第1の管状要素60の近位部分70に接続された末端部分75を更に有し得る。
【0196】
第1の導管52は、粉末入口54と粉末出口55との間の直線導管であることが好ましく、例えば、第2の管状要素61の部分73~75及び第1の管状要素60の部分70~72は、ノズル本体50の長手方向軸線X-Xと位置合わせされることが好ましく、それぞれがノズル本体50の長手方向軸線X-Xと一致することがより好ましい。
【0197】
ノズル出口51は、ノズル本体50の第1の端面80に配置されてもよく、粉末入口54は、ノズル本体50の反対側の第2の端面81に配置されてもよい。
【0198】
第1の導管52は、好ましくは、内径が粉末入口54における第1の直径から粉末出口55における又は粉末出口55に隣接する第2の直径まで、例えば1つ以上のテーパ部分、すなわち遠位部分71及び遠位部分74のみを介して減少するボアを含む。
【0199】
第1の導管52のボアは、好ましくは滑らかであり、使用時に乾燥粉末4の障害物又は集積点をもたらす可能性がある急な内向きの肩部又は割れ目がない。
【0200】
キャップ要素65は、第1の管状要素60の遠位端を覆って連結されてもよい。キャップ要素65は、ノズル出口51を構成する開口を含んでもよい。互いに連結されると、第1の管状要素60の遠位端は、図10に最も明確に示されるように、第1の管状要素60とキャップ要素65との間の環状隙間がガス出口57を画定するように、キャップ要素65内の開口内に又は開口に隣接して配置され得る。第1の管状要素60とキャップ要素65との間の管状隙間は、0.2~2.0mm、任意選択的に0.2~1.0mm、任意選択的に0.25~0.9mm、任意選択的に0.6mmであり得る。
【0201】
第2の本体要素63は、第2の導管53を部分的に画定し得る。ガス入口56は、横方向に配向されてもよく、例えばノズル本体50の側面に配置されてもよい。第2の導管53は、ガス入口56から横方向に延びる第1の部分58と、第1の部分58からガス出口57まで長手方向に延びる第2の部分59と、を含み得る。
【0202】
第1の管状要素60は、第2の導管53の第2の部分59内に受容されてもよく、第2の導管53はその領域内に、第2の本体要素63の内面と第1の本体要素62の外面との間に延びる環状導管を含むことになる。
【0203】
この実施形態における粉末出口55は、単一の粉末開口である。単一の粉末開口は、第1の管状要素60の遠位端に提供されてもよく、ノズル本体50の長手方向軸線X-Xに沿って配向される。粉末開口は、0.5~5.0mm、任意選択的に1.0~2.5mm、任意選択的に1.0~2.0mmのオリフィス直径を有し得る。
【0204】
使用時、粉末入口54は、装置1の供給導管16に接続され得る。ガス入口56は、供給ライン23に接続され得る。供給ライン23からのガスの流れは、ガス入口56を通って噴霧ノズル25に入り、第1の部分58及び第2の部分59に沿って通過した後、ガス出口57及びノズル出口51を通って出る。粉末出口55に近接して通過するガスの流れは、圧力の低下を引き起こし、粉末出口55において吸引力を生成する。この吸引力は、第1の導管52を通る下方への乾燥粉末4の流れを支援する。供給導管16からの乾燥粉末4は、重力によって粉末入口54に供給され、重力の作用が乾燥粉末を第1の導管52の下方に駆動する。粉末出口55における吸引力は、例えば、粉末出口55に向かって乾燥粉末4を引き込むのを助けることによって、及び/又は粉末出口55の閉塞を防止するために粉末出口55の近傍で第1の導管52内の乾燥粉末4を流動化することによって、乾燥粉末4の移動を助ける。
【0205】
供給ライン23には、60リットル/分(lpm)超、任意選択的に100lpm超、任意選択的に150lpm超、任意選択的に200lpm超の流量でガスが供給され得る。いくつかの例では、供給ラインは、1bargの圧力において60lpm超、いくつかの例では、2bargの圧力において100lpm超、いくつかの例では、3bargの圧力において140lpm超、いくつかの例では、4bargの圧力において175lpm超、いくつかの例では、5bargの圧力において215lpm超、及びいくつかの例では、6bargの圧力において250lpm超でガスを供給する。
【0206】
第1の導管52の直径が粉末出口55の方向に減少することは、乾燥粉末4の粒子に剪断力を付与する効果を有し得、これは、粒子の少なくとも一部の粒径の減少をもたらし得る。例えば、乾燥粉末4のd50(体積による)は、第1の導管52を通る輸送中に低減され得る。
【0207】
粉末出口55及びガス出口57は、例えばノズル本体50の外部の領域及びノズル出口51の下流において、ガスと乾燥粉末4との混合を促進するように配向される。ガスと乾燥粉末4との混合は、乾燥粉末4の分散及び/又は脱凝集を支援し得る。
【0208】
粉末出口55及びガス出口57の数、サイズ、形状、及び相対的な位置決めは、噴霧ノズル25から出る乾燥粉末プルームの形状及びサイズを制御するために使用され得る。例えば、図7図9の噴霧ノズル25の実施形態は、横断面に円形を有する乾燥粉末の円錐状プルームを生成するのに特に好適であり得る。乾燥粉末のプルームは、フィルタ2の長手方向軸線と一致し得るノズル本体50の長手方向軸線X-Xの中心にあってもよい。
【0209】
ガス出口57を出るガスの流速はまた、噴霧ノズル25から出る乾燥粉末プルームの形状及びサイズを制御するために変化されることができる。
【0210】
図11図12は、本開示による粉末噴霧ノズル25の第2の実施形態を示す。図8図10の第1の実施形態に示されたものと同じ噴霧ノズル25の部品には、同じ参照番号が使用されている。以下の説明では、2つの装置間の相違点のみを説明する。他の全ての詳細については、読者は、図8図10を参照して上述した噴霧ノズルの説明に誘導され、これは、本実施形態に等しく適用される。
【0211】
この実施形態では、粉末出口55は、第1の管状要素60の遠位端に複数の粉末開口を含む。それぞれの粉末開口は、0.5~5.0mm、任意選択的に1.0~2.5mm、任意選択的に1.0~2.0mmのオリフィス直径を有し得る。粉末開口のうちの少なくとも1つは、ノズル本体50の長手方向軸線X-Xに沿って配向され得る。残りの粉末開口は、長手方向軸線X-Xに対して発散角度で配向され得る。
【0212】
第1の管状要素60とキャップ要素65との間の間隙は、前述のようにガス出口57を画定する。それぞれの粉末開口は、第2の導管53のガス出口57と関連付けられる。特に、それぞれの粉末開口は、キャップ要素65からの環状隙間によって囲まれてもよい。それぞれの粉末開口の周りの第1の管状要素60とキャップ要素65との間の環状隙間は、0.2~2.0mm、任意選択的に0.2~1.0mm、任意選択的に0.25~0.9mm、任意選択的に0.6mmであり得る。
【0213】
図11図12の噴霧ノズル25の実施形態は、横断面において重なり合う円からなる形状を有する乾燥粉末のマルチコーン形状プルームを生成するのに特に好適であり得る。乾燥粉末のプルームは、フィルタ2の長手方向軸線と一致し得るノズル本体50の長手方向軸線X-Xの中心にあってもよい。粉末出口55の粉末開口に近接して通過するガスの流れの作用は、圧力の低下を引き起こして、上述のように粉末出口55において吸引力を生成する。この吸引力は、第1の導管52を通る下方への乾燥粉末4の流れを支援する。
【0214】
図13図15は、本開示による粉末噴霧ノズル25の第3の実施形態を示す。第1の実施形態及び第2の実施形態に示されたものと同じ噴霧ノズル25の部品には、同じ参照番号が使用されている。以下の説明では、装置間の相違点のみを説明する。他の全ての詳細については、読者は、図8図12を参照して上述した噴霧ノズルの説明に誘導され、これは、本実施形態に等しく適用される。
【0215】
この実施形態では、粉末出口55は、図8図10の第1の実施形態と同様に単一の粉末開口である。単一の粉末開口は、第1の管状要素60の遠位端に提供されてもよく、ノズル本体50の長手方向軸線X-Xに沿って配向される。粉末開口は、0.5~5.0mm、任意選択的に1.0~2.5mm、任意選択的に1.0~2.0mmのオリフィス直径を有し得る。
【0216】
ガス出口57は、図13に示すように、複数の任意選択の追加のガス通気孔90が提供されていることを除いて、第1の実施形態と同じである。
【0217】
この実施形態は、第1に、第1の導管52が、内径が粉末入口54における第1の直径から粉末出口55における又は粉末出口55に隣接する第2の直径まで滑らかに減少するボアを含む点で異なる。例えば、ボアは、滑らかなテーパ部分85と円筒形部分86とを含み得る。第1の導管52のボアは、好ましくは滑らかであり、使用時に乾燥粉末4の障害物又は集積点をもたらす可能性がある急な内向きの肩部又は割れ目がない。
【0218】
この実施形態はまた、ノズル出口51から離間配置され、ノズル出口51から出るガス及び乾燥粉末の流れに衝突するように1つ以上のガスの二次流れ105を方向付けるように配向された1つ以上の二次ガス出口100が提供されることで相違する。衝突は、ノズル本体50の外部で、ノズル出口51から離れた位置になる。
【0219】
図15に示されるように、1つ以上の二次ガス出口100は、ノズル出口51から出るガス及び乾燥粉末の流れ103に対する入射角αが30~90°、任意選択的に45~75°、任意選択的に60°であるように、1つ以上のガスの二次流れ105を方向付けるように配向される。
【0220】
2つ、4つ、6つ、8つ又はそれ以上の二次ガス出口100が提供されてもよい。それらは、1対、2対、3対、4対又はそれ以上の対の二次ガス出口100として提供されてもよい。二次ガス出口100のそれぞれの対は、ノズル出口51の互いに反対側に位置する2つの二次ガス出口を含み得る。
【0221】
二次ガス出口100のそれぞれは、0.5~2.5mm、任意選択的に1.0~2.5mmのオリフィス直径を有し得る。
【0222】
二次ガス出口100は、1つ以上の二次ガス出口100がノズル出口51の軸方向下流に配置されるように、ノズル出口51を含むノズル本体50の面から突出する1つ以上の脚部101に提供されてもよい。例えば、二次ガス出口100は、ノズル出口の軸方向下流の2~20mm、任意選択的に8~15mmに配置され得る。
【0223】
それぞれの脚部101は、1つ、2つ、又はそれ以上の二次ガス出口100を含み得る。
【0224】
ノズル本体50には、2つの脚部101が提供されてもよい。2つの脚部101は、図13図15に示されるように、ノズル出口51を挟んで互いに対向していてもよい。この構成は、長円形、楕円形、又は扇形の乾燥粉末プルームを生成するのに特に好適であり得る。
【0225】
あるいは、ノズル本体50には、4つの脚部101が提供されてもよい。4つの脚部は、ノズル出口51の周りに90°の間隔で等間隔に配置され得る。
【0226】
ノズル本体50は、二次ガス出口100にガスを供給するための、第2の導管53とは別個の第3の導管102を含んでもよい。第3の導管102は、キャップ要素65に提供され得る入口104を有してもよい。
【0227】
使用中、先の実施形態と同様に、粉末出口55に近接して通過するガスの流れの作用は、圧力の低下を引き起こし、上述のように粉末出口55において吸引力を生成する。この吸引力は、第1の導管52を通る下方への乾燥粉末4の流れを支援する。加えて、先の実施形態と同様に、粉末出口55及びガス出口57は、例えばノズル本体50の外部の領域及びノズル出口51の下流において、ガスと乾燥粉末4との混合を促進するように配向される。ガスと乾燥粉末4との混合は、乾燥粉末4の分散及び/又は脱凝集を支援し得る。加えて、乾燥粉末4へのガスの二次流れ105の衝突は、プルームの追加の成形、並びに/又は乾燥粉末4の追加の分散及び/若しくは脱凝集をもたらし得る。
【0228】
図16は、本開示による粉末噴霧ノズル25の第4の実施形態を示す。上記の実施形態に示されたものと同じ噴霧ノズル25の部品には、同じ参照番号が使用されている。以下の説明では、装置間の相違点のみを説明する。他の全ての詳細については、読者は、図8図12を参照して上述した噴霧ノズルの説明に誘導され、これは、本実施形態に等しく適用される。
【0229】
この実施形態では、噴霧ノズル25は、第1の導管52内に配置された洗浄ノズル110を更に含み、洗浄ノズル110は、ガス供給源に接続可能な入口111と、粉末出口55に向けて配向された出口112と、を含む。
【0230】
洗浄ノズルの出口112は、粉末出口55から4~25mmに配置され得る。洗浄ノズルの出口112は、0.5~1.5mm、任意選択的に0.5mmのオリフィス直径を有し得る。
【0231】
使用時に、圧縮ガス流を粉末出口55の内面で出口112から噴出させて、粉末出口55の領域に堆積した乾燥粉末4を分解して除去することができる。洗浄ノズル110の洗浄機能は、それぞれのフィルタ2の処理の合間に作動されてもよく、フィルタ2の処理中に、すなわち乾燥粉末4の流れが第1の導管52を通って流れている間に作動されてもよい。洗浄ノズル110からのガスの流れは、単一のバーストであってもよく又は複数のバーストであってもよい。
【0232】
洗浄ノズル110は、第1の導管52内に吸引力を生成して、第1の導管52を通る乾燥粉末4の流れを支援するように構成されてもよい。洗浄ノズル110はまた、第1の導管52内、特に粉末出口55の近傍で乾燥粉末4を流動化するように構成されてもよい。
【0233】
洗浄ノズル110は、洗浄ノズル110の外壁と第1の導管52の内壁との間に乾燥粉末4のための環状流空間114を画定するように第1の導管52内に配置された細長い管状要素113を含んでもよい。
【0234】
洗浄ノズル110は、上述した噴霧ノズル25の実施形態のいずれかに組み込まれ得る。
【0235】
上述の実施形態のいずれにおいても、乾燥粉末4の供給源は、第1の乾燥粉末の供給源及び第2の乾燥粉末の供給源を含み得る。第1の導管52は、第1の乾燥粉末の供給源と連通する第1の粉末入口と、第2の乾燥粉末の供給源と連通する第2の粉末入口と、を含み得る。第2の導管53を通ってガス出口57から流出するガスは、粉末出口55において吸引力を生成して、第1の導管52を通って粉末出口55及びノズル出口51から流出する第1の乾燥粉末及び第2の乾燥粉末の流れを促進し得る。第1の導管52は、その長さの少なくとも一部分に沿った第1の乾燥粉末のための第1の流路と、その長さの少なくとも一部分に沿った第2の乾燥粉末のための第2の流路と、を含み得、第1の流路及び第2の流路は互いに分離している。第1の流路及び第2の流路は、同心円状に配置された流路を含み得る。
【0236】
上述の実施形態のいずれにおいても、装置1は、図17に例として示されるように、流導管10とフィルタ2との間にアダプタ120を更に備え得る。アダプタ120は、一次ガス流の形状及び/又はサイズをフィルタ2の入口面の形状及びサイズに適合させるように機能し得る。例えば、流導管10の直径は、入口面の直径と異なっていてもよい。流導管10の直径は、入口面の直径より大きくても小さくてもよい。形状は異なっていてもよく、例えば、流導管10は円形の断面形状を有してもよく、フィルタ2の入口面は楕円形を有してもよい。
【0237】
アダプタ120は、流導管10との流体密接続を提供するためにその上端に上方シール121が提供され、フィルタ2の入口面の周りに流体密シールを提供するためにその下端に下方シール122が提供された管状本体を含み得る。下方シール122は、上述した上方シールブラダ31に加えてもよく、又はその代わりであってもよい。第3のシール123は、フィルタ2の出口面の周りの流体密シールのために提供されてもよい。第3のシール123は、上述した下方シールブラダ30に加えてもよく、又はその代わりであってもよい。
【0238】
上方シール121、下方シール122、及び第3のシール123は、膨張式ブラダシールであってもよく、又は弾力的で可撓性のある非膨張式シールであってもよい。
【0239】
アダプタ120の上端は、流導管10の下端の内径に適合された第1の内径を有し得る。好ましくは、内径は互いに実質的に等しい。好ましくは、部品間の境界面における断面形状も一致する。アダプタ120の下端は、フィルタ2の入口面の直径に適合された第2の内径を有し得る。好ましくは、直径は互いに実質的に等しい。好ましくは、部品間の境界面における断面形状も一致する。
【0240】
アダプタ120の第1の内径は、第2の内径より大きくてもよい。あるいは、アダプタ120の第1の内径は、第2の内径より小さくてもよい。
【0241】
アダプタ120の内面は、好ましくは滑らかであり、乾燥粉末4のための集積点を形成する可能性がある割れ目又は急な肩部がない。例えば、内面は、第1の内径から第2の内径へ、例えば、図17に示されるような1つ以上のテーパ部分を介して、滑らかに遷移し得る。
上述の実施形態のいずれかでは、流導管10は、噴霧デバイス7とフィルタ2の入口面との間に無妨害の流路を提供するために、空であってもよい。代替的に、流導管10は、噴霧デバイス7とフィルタ2の入口面との間に挿入された流量調整器を備えてもよく、流量調整器は、乾燥粉末4の分散を促進するように作用する。例えば、流量調整器は、静的ミキサー、メッシュ、ふるい、バッフル、及びオリフィスプレートのうちの1つ以上を含み得る。
【0242】
図18及び図19は、流導管10内のガス流及び/又はガス速度の均一性を改善するために、図20に示すように、流導管10又はアダプタ120の途中に位置付けられ得る、開口ディスクの形態の流量調整器140の一例を示す。開口付きディスクは、複数の開口142を有する本体141を含む。開口142は、環状又は部分環状又は他の形態であってもよい。図19に示されるように、開口142は、ガス及び乾燥粉末4の流れを長手方向から逸らすために、流量調整器10の長手方向軸線に対して角度を付けられてもよい。開口142は、下向きの流れを流量調整器10の周囲に向けるように、外向きに発散していてもよい。
【0243】
流量調整器140は、様々なサイズであってもよく、流導管10の断面の一部又は全部を占めてもよい。流量調整器10は、流量調整器140を介して全ての流れを強制することができ、又は流れの一部分が流量調整器140を迂回することを可能にすることができる。
【0244】
流量調整器140は、流導管10又はアダプタ120と一体化されてもよい。あるいは、流量調整器140は、噴霧ノズル25と一体化されてもよい。例えば、流量調整器140は、噴霧ノズル25に取り付けられ、ノズル出口51の下流に位置付けられたディフューザを形成し得る。
【0245】
代替的な構成では、図21に概略的に示されるように、流量調整器140は、ガスと乾燥粉末4との混合物を乾燥粉末4の供給源から流導管10内に直接、すなわち介在する噴霧ノズルなしで放出するために使用され得る。例えば、乾燥粉末は、貯蔵ユニット130から移送導管131(上述のような)を介して流量調整器140を組み込んだ出口に直接運ばれてもよい。そのような例では、乾燥粉末4は、Gema Switzerland GmbH(St.Gallen,Switzerland)から入手可能なものなどの粉末供給システムによって流量調整器140を組み込んだ出口に運ばれ得る。
【0246】
上述の実施形態のいずれにおいても、流導管10は、噴霧ノズル25の場所を通過するガスの一次流れの均一な、好ましくは一軸の流れを促進するようなサイズ及び形状にすることができる。例えば、流導管10への入口の場所は、ガスの一次流れが噴霧ノズル25に到達する前に安定することを可能にするように、噴霧ノズル25の上流に距離をおいて配置されてもよい。例えば、流導管10への入口は、噴霧ノズル25の場所の手前50cm超、任意選択的に100cm超、任意選択的に140cm超であってもよい。追加的に又は代替的に、流導管10への入口は、流導管10の長手方向軸線に平行であるように、又は流導管10の長手方向軸線からの発散が最小限のみになるように配向されてもよい。例えば、流導管への入口は、噴霧ノズル25の場所から100cm、任意選択的に140cmの距離内で流導管10の長手方向軸線から20°以下、任意選択的に15°以下、任意選択的に10°以下の発散に角度付けられた(例えば、大気に開放された)流入空気のための入口パイプであってもよい。
【0247】
本開示によれば、粉末噴霧システム及び/又は粉末噴霧ノズルは、従来技術のフィルタと比較して1つ以上の利点を有する処理済みフィルタを製造するために使用され得る。
【0248】
本開示の更なる態様及び実施形態を以下の項に記載する。
【0249】
項A1.粉末噴霧システムであって、
a)乾燥粉末の供給源と、
b)噴霧ノズルと、
c)乾燥粉末の供給源を噴霧ノズルに接続する供給導管と、を備え、
噴射ノズルは、
i)ノズル出口を有するノズル本体と、
ii)乾燥粉末のための第1の導管と、
iii)ガスのための第2の導管と、を備え、
第1の導管は、供給導管と連通する粉末入口と粉末出口との間に延びており、
第2の導管は、ガス入口とガス出口との間に延びており、ガス出口は、第2の導管を通ってガス出口から流出するガスが、粉末出口において吸引力を生成して、第1の導管を通って粉末出口及びノズル出口から出る乾燥粉末の流れを促進するように、粉末出口に近接して配置されており、
粉末出口及びガス出口は、ガスと乾燥粉末との混合を促進するように配向されている、粉末噴霧システム。
【0250】
項A2.粉末出口は、ガスと乾燥粉末との初期混合がノズル出口の上流のノズル本体の内部で生じるように、ノズル出口の上流のノズル本体内に配置されている、項A1に記載の粉末噴霧システム。
【0251】
項A3.ガス出口は、ノズル出口の上流のノズル本体内に位置する、項A1又は項A2に記載の粉末噴霧システム。
【0252】
項A4.粉末出口は、ガスと乾燥粉末との初期混合がノズル本体の外側で生じるように、ノズル本体のノズル出口に又はその近くに配置されている、項A1に記載の粉末噴霧システム。
【0253】
項A5.ガス出口は、ノズル本体のノズル出口に又はその近くに配置されている、項A4に記載の粉末噴霧システム。
【0254】
項A6.ガス出口は、粉末出口を取り囲む環状出口を含む、項A1~A5のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0255】
項A7.粉末出口は、ノズル本体の長手方向軸線上の中心に配置されている、項A1~A6のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0256】
項A8.粉末出口は、単一の粉末開口を含む、項A1~A7のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0257】
項A9.粉末出口は複数の粉末開口を含み、それぞれの粉末開口は、第2の導管のガス出口に関連付けられている、項A1~A7のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0258】
項A10.複数の粉末開口のうちの少なくとも1つは、ノズル本体の長手方向軸線に沿って配向されている、項A9に記載の粉末噴霧システム。
【0259】
項A11.複数の粉末開口のうちの少なくとも1つは、ノズル本体の長手方向軸線に対して発散角度で配向されている、項A9又は項A10に記載の粉末噴霧システム。
【0260】
項A12.当該粉末開口又はそれぞれの粉末開口は、0.5~5.0mm、任意選択的に1.0~2.5mm、任意選択的に1.0~2.0mmのオリフィス直径を有する、項A8~A11のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0261】
項A13.ガス出口は、当該の関連する粉末開口又はそれぞれの関連する粉末開口を取り囲む環状開口を含む、項A8~A12のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0262】
項A14.環状開口は、0.2~2.0mm、任意選択的に0.2~1.0mm、任意選択的に0.25~0.9mm、任意選択的に0.6mmの幅を有する、項A6又は項A13に記載の粉末噴霧システム。
【0263】
項A15.ノズル出口は、ノズル本体の第1の端面に配置され、粉末入口は、ノズル本体の反対側の第2の端面に配置されている、項A1~A14のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0264】
項A16.第1の導管は、粉末入口と粉末出口との間の直線導管である、項A1~A15のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0265】
項A17.第1の導管は、ノズル本体の長手方向軸線に平行であり、任意選択的に該長手方向軸線と一致する、項A1~A16のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0266】
項A18.第1の導管は、内径が粉末入口における第1の直径から粉末出口における又は粉末出口に隣接する第2の直径まで減少するボアを含む、項A1~A17のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0267】
項A19.第1の導管は、内径が粉末入口における第1の直径から粉末出口における又は粉末出口に隣接する第2の直径まで滑らかに減少するボアを含む、項A1~A18のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0268】
項A20.第1の導管は、内径が粉末入口における第1の直径から粉末出口における又は粉末出口に隣接する第2の直径まで、専ら1つ以上のテーパ部分を介して減少するボアを含む、項A1~A19のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0269】
項A21.ノズル本体は、ノズル出口から離間配置され、1つ以上のガスの二次流れを、ノズル出口から出るガス及び乾燥粉末の流れに衝突するように方向付けるように配向された1つ以上の二次ガス出口を含み、衝突は、ノズル本体の外部で、ノズル出口から離れている、項A1~A20のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0270】
項A22.1つ以上の二次ガス出口は、ノズル出口から出るガス及び乾燥粉末の流れに対する入射角が30~90°、任意選択的に45~75°、任意選択的に60°であるように、1つ以上のガスの二次流れを方向付けるように配向されている、項A21に記載の粉末噴霧システム。
【0271】
項A23.1つ以上の二次ガス出口は、2つ、4つ、6つ、8つ、又はそれ以上の二次ガス出口を含み、任意選択的に、1つ以上の二次ガス出口は、1対、2対、3対、4対、又はそれ以上の対の二次ガス出口を形成し、二次ガス出口のそれぞれの対は、ノズル出口の互いに反対側に位置する2つの二次ガス出口を含む、項A21又は項A22に記載の粉末噴霧システム。
【0272】
項A24.二次ガス出口のそれぞれは、0.5~2.5mm、任意選択的に1.0~2.5mmのオリフィス直径を有する、項A21~A23のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0273】
項A25.1つ以上の二次ガス出口は、1つ以上の二次ガス出口がノズル出口の軸方向下流に配置されるように、ノズル出口を含むノズル本体の面から突出する1つ以上の脚部に提供され、任意選択的に、1つ以上の二次ガス出口は、ノズル出口の軸方向下流の2~20mm、任意選択的に8~15mmに配置されている、項A21~A24のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0274】
項A26.ノズル本体は、二次ガス出口にガスを供給するための、第2の導管とは別個の第3の導管を含む、項A21~A25のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0275】
項A27.ノズル本体は、少なくとも第1の導管の粉末出口を画定する管状要素と、キャップ要素と、を含み、管状要素とキャップ要素との間の隙間は、ガス出口を画定する、項A1~A26のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0276】
項A28.管状要素とキャップ要素との間の隙間は、0.2~2.0mm、任意選択的に0.2~1.0mm、任意選択的に0.25~0.9mm、任意選択的に0.6mmである、項A27に記載の粉末噴霧システム。
【0277】
項A29.乾燥粉末の供給源は、ノズル本体の第1の導管と位置合わせされ、任意選択的に、乾燥粉末の供給源は、第1の導管の長手方向軸線と一致する、項A1~A28のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0278】
項A30.乾燥粉末の供給源と噴霧ノズルとの間の供給導管は直線状である、項A1~A29のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0279】
項A31.乾燥粉末の供給源と噴霧ノズルとの間の供給導管は、1~20mm、任意選択的に5~10mmの内径を有する、項A1~A30のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0280】
項A32.噴霧ノズルは、ノズル出口が下方を向き、乾燥粉末の供給源が噴霧ノズルの真上に配置されるように配向されている、項A1~A31のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0281】
項A33.第1の導管内に配置された洗浄ノズルを更に備え、洗浄ノズルは、ガスの供給源に接続され、粉末出口に向けて配向された出口を有する、項A1~A32のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0282】
項A34.洗浄ノズルの出口は、粉末出口から2~50mm、任意選択的に4~25mmに配置されている、項A33に記載の粉末噴霧システム。
【0283】
項A35.洗浄ノズルの出口は、1~10個、任意選択的に1~3個のオリフィスを含み、任意選択的に、当該オリフィス又はそれぞれのオリフィスは、0.5~1.5mm、任意選択的に0.5mmのオリフィス直径を有する、項A33又は項A34に記載の粉末噴霧システム。
【0284】
項A36.洗浄ノズルは、第1の導管内に吸引力を生成して、第1の導管を通る乾燥粉末の流れを促進するように構成されている、項A33~A35のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0285】
項A37.洗浄ノズルは、第1の導管内の乾燥粉末を流動化するように構成されている、項A33~A36のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0286】
項A38.洗浄ノズルは、洗浄ノズルの外壁と第1の導管の内壁との間に乾燥粉末のための環状流空間を画定するように第1の導管内に配置された細長い管状要素を含む、項A33~A37のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0287】
項A39.乾燥粉末の供給源は、第1の乾燥粉末の供給源及び第2の乾燥粉末の供給源を含み、第1の導管は、第1の乾燥粉末の供給源と連通する第1の粉末入口及び第2の乾燥粉末の供給源と連通する第2の粉末入口を含み、第2の導管を通ってガス出口から流出するガスは、粉末出口において吸引力を生成し、第1の導管を通って粉末出口及びノズル出口から出る第1の乾燥粉末及び第2の乾燥粉末の流れを促進する、項A1~A38のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0288】
項A40.第1の導管は、その長さの少なくとも一部分に沿った第1の乾燥粉末のための第1の流路と、その長さの少なくとも一部分に沿った第2の乾燥粉末のための第2の流路と、を含み、第1の流路及び第2の流路は互いに分離しており、任意選択的に、第1の流路及び第2の流路は、同心円状に配置された流路を含む、項A39に記載の粉末噴霧システム。
【0289】
項B1.粉末噴霧ノズルであって、
i)ノズル出口を有するノズル本体と、
ii)乾燥粉末のための第1の導管と、
iii)ガスのための第2の導管と、を備え、
第1の導管は、供給導管と連通する粉末入口と粉末出口との間に延びており、
第2の導管は、ガス入口とガス出口との間に延びており、ガス出口は、第2の導管を通ってガス出口から流出するガスが、粉末出口において吸引力を生成して、第1の導管を通って粉末出口及びノズル出口から出る乾燥粉末の流れを促進するように、粉末出口に近接して配置されており、
第1の導管は、粉末入口と粉末出口との間の直線導管である、粉末噴霧ノズル。
【0290】
項B2.粉末出口及びガス出口は、ガスと乾燥粉末との混合を促進するように配向されている、項B1に記載の粉末噴霧ノズル。
【0291】
項B3.粉末出口は、ガスと乾燥粉末との初期混合がノズル出口の上流のノズル本体の内部で生じるように、ノズル出口の上流のノズル本体内に配置されている、項B1又は項B2に記載の粉末噴霧ノズル。
【0292】
項B4.ガス出口は、ノズル出口の上流のノズル本体内に配置されている、項B1~B3のいずれか一項に記載の粉末噴霧ノズル。
【0293】
項B5.粉末出口は、ガスと乾燥粉末との初期混合がノズル本体の外側で生じるように、ノズル本体のノズル出口に又はその近くに配置されている、項B1又は項B2に記載の粉末噴霧ノズル。
【0294】
項B6.ガス出口は、ノズル本体のノズル出口に又はその近くに配置されている、項B5に記載の粉末噴霧ノズル。
【0295】
項B7.ガス出口は、粉末出口を取り囲む環状出口を含む、項B1~37のいずれか一項に記載の粉末噴霧ノズル。
【0296】
項B8.粉末出口は、ノズル本体の長手方向軸線上の中心に配置されている、項B1~B7のいずれか一項に記載の粉末噴霧ノズル。
【0297】
項B9.粉末出口は、単一の粉末開口を含む、項B1~39のいずれか一項に記載の粉末噴霧ノズル。
【0298】
項B10.粉末出口は複数の粉末開口を含み、それぞれの粉末開口は、第2の導管のガス出口に関連付けられている、項B1~39のいずれか一項に記載の粉末噴霧ノズル。
【0299】
項B11.複数の粉末開口のうちの少なくとも1つは、ノズル本体の長手方向軸線に沿って配向されている、項41に記載の粉末噴霧ノズル。
【0300】
項B12.複数の粉末開口のうちの少なくとも1つは、ノズル本体の長手方向軸線に対して発散角度で配向されている、項41又は項42に記載の粉末噴霧ノズル。
【0301】
項B13.当該粉末開口又はそれぞれの粉末開口は、0.5~5.0mm、任意選択的に1.0~2.5mm、任意選択的に1.0~2.0mmのオリフィス直径を有する、項41~43のいずれか一項に記載の粉末噴霧ノズル。
【0302】
項B14.ガス出口は、当該の関連する粉末開口又はそれぞれの関連する粉末開口を取り囲む環状開口を含む、項41~44のいずれか一項に記載の粉末噴霧ノズル。
【0303】
項B15.環状開口は、0.2~2.0mm、任意選択的に0.2~1.0mm、任意選択的に0.25~0.9mm、任意選択的に0.6mmの幅を有する、項38又は項45に記載の粉末噴霧ノズル。
【0304】
項B16.ノズル出口は、ノズル本体の第1の端面に配置され、粉末入口は、ノズル本体の反対側の第2の端面に配置されている、項B1~46のいずれか一項に記載の粉末噴霧ノズル。
【0305】
項B17.第1の導管は、粉末入口と粉末出口との間の直線導管である、項B1~47のいずれか一項に記載の粉末噴霧ノズル。
【0306】
項B18.第1の導管が、ノズル本体の長手方向軸線に平行であり、任意選択的に該長手方向軸線と一致する、項B1~48のいずれか一項に記載の粉末噴霧ノズル。
【0307】
項B19.第1の導管は、内径が粉末入口における第1の直径から粉末出口における又は粉末出口に隣接する第2の直径まで減少するボアを含む、項B1~49のいずれか一項に記載の粉末噴霧ノズル。
【0308】
項B20.第1の導管は、内径が粉末入口における第1の直径から粉末出口における又は粉末出口に隣接する第2の直径まで滑らかに減少するボアを含む、項B1~50のいずれか一項に記載の粉末噴霧ノズル。
【0309】
項B21.第1の導管は、内径が粉末入口における第1の直径から粉末出口における又は粉末出口に隣接する第2の直径まで、専ら1つ以上のテーパ部分を介して減少するボアを含む、項B1~51のいずれか一項に記載の粉末噴霧ノズル。
【0310】
項B22.ノズル本体は、ノズル出口から離間配置され、1つ以上のガスの二次流れを、ノズル出口から出るガス及び乾燥粉末の流れに衝突するように方向付けるように配向された1つ以上の二次ガス出口を含み、衝突は、ノズル本体の外部で、ノズル出口から離れている、項B1~52のいずれか一項に記載の粉末噴霧ノズル。
【0311】
項B23.1つ以上の二次ガス出口は、ノズル出口から出るガス及び乾燥粉末の流れに対する入射角が30~90°、任意選択的に45~75°、任意選択的に60°であるように、1つ以上のガスの二次流れを方向付けるように配向されている、項B22に記載の粉末噴霧ノズル。
【0312】
項B24.1つ以上の二次ガス出口は、2つ、4つ、6つ、8つ、又はそれ以上の二次ガス出口を含み、任意選択的に、1つ以上の二次ガス出口は、1対、2対、3対、4対、又はそれ以上の対の二次ガス出口を形成し、二次ガス出口のそれぞれの対は、ノズル出口の互いに反対側に位置する2つの二次ガス出口を含む、項B22又は項B23に記載の粉末噴霧ノズル。
【0313】
項B25.二次ガス出口のそれぞれは、0.5~2.5mm、任意選択的に1.0~2.5mmのオリフィス直径を有する、項B22~B24のいずれか一項に記載の粉末噴霧ノズル。
【0314】
項B26.1つ以上の二次ガス出口は、1つ以上の二次ガス出口がノズル出口の軸方向下流に配置されるように、ノズル出口を含むノズル本体の面から突出する1つ以上の脚部に提供され、任意選択的に、1つ以上の二次ガス出口は、ノズル出口の軸方向下流の2~20mm、任意選択的に8~15mmに配置されている、項B22~B25のいずれか一項に記載の粉末噴霧ノズル。
【0315】
項B27.ノズル本体は、二次ガス出口にガスを供給するための、第2の導管とは別個の第3の導管を含む、項B22~B26のいずれか一項に記載の粉末噴霧ノズル。
【0316】
項B28.ノズル本体は、少なくとも第1の導管の粉末出口を画定する管状要素と、キャップ要素と、を含み、管状要素とキャップ要素との間の隙間は、ガス出口を画定する、項B1~B27のいずれか一項に記載の粉末噴霧ノズル。
【0317】
項B29.管状要素とキャップ要素との間の隙間は、0.2~2.0mm、任意選択的に0.2~1.0mm、任意選択的に0.25~0.9mm、任意選択的に0.6mmである、項B28に記載の粉末噴霧ノズル。
【0318】
項B30.第1の導管内に配置された洗浄ノズルを更に備え、洗浄ノズルは、ガスの供給源に接続され、粉末出口に向けて配向された出口を有する、項B1~B29のいずれか一項に記載の粉末噴霧ノズル。
【0319】
項B31.洗浄ノズルの出口は、粉末出口から2~50mm、任意選択的に4~25mmに配置されている、項B30に記載の粉末噴霧ノズル。
【0320】
項B32.洗浄ノズルの出口は、1~10個、任意選択的に1~3個のオリフィスを含み、任意選択的に、当該オリフィス又はそれぞれのオリフィスは、0.5~1.5mm、任意選択的に0.5mmのオリフィス直径を有する、項B30又は項B31に記載の粉末噴霧ノズル。
【0321】
項B33.洗浄ノズルは、第1の導管内に吸引力を生成して、第1の導管を通る乾燥粉末の流れを促進するように構成されている、項B30~B32のいずれか一項に記載の粉末噴霧ノズル。
【0322】
項B34.洗浄ノズルは、第1の導管内の乾燥粉末を流動化するように構成されている、項B30~B33のいずれか一項に記載の粉末噴霧ノズル。
【0323】
項B35.洗浄ノズルは、洗浄ノズルの外壁と第1の導管の内壁との間に乾燥粉末のための環状流空間を画定するように第1の導管内に配置された細長い管状要素を含む、項B30~B34のいずれか一項に記載の粉末噴霧ノズル。
【0324】
項B36.第1の導管は、第1の粉末入口及び第2の粉末入口を含む、項B1~B35のいずれか一項に記載の粉末噴霧ノズル。
【0325】
項B37.第1の導管は、その長さの少なくとも一部分に沿った第1の乾燥粉末のための第1の流路と、その長さの少なくとも一部分に沿った第2の乾燥粉末のための第2の流路と、を含み、第1の流路及び第2の流路は互いに分離しており、任意選択的に第1の流路及び第2の流路は、同心円状に配置された流路を含む、項B36に記載の粉末噴霧ノズル。
【0326】
項C1.乾燥粉末は、
a)熱分解によって金属酸化物を形成するための金属化合物、
b)金属酸化物、若しくは
c)エアロゲルを含むか又はそれらからなる、項A1~A40のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0327】
項C2.金属化合物は、金属水酸化物、金属リン酸塩、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属過塩素酸塩、金属ヨウ化物、金属シュウ酸塩、金属酢酸塩、金属塩素酸塩、若しくはそれらの混合物を含むか又はそれらからなる、項C1に記載の粉末噴霧システム。
【0328】
項C3.金属化合物の金属は、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、ジルコニウム、マンガン、リチウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、若しくはガリウムのうちの1つ以上を含むか又はそれらからなる、項C1又は項C2に記載の粉末噴霧システム。
【0329】
項C4.金属酸化物の選択肢c)は、1つ以上のヒュームド金属酸化物又はヒュームド混合酸化物、例えば、ヒュームドアルミナ、ヒュームドシリカ、又はヒュームドチタニアを含む、項C1~C3のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0330】
項C5.エアロゲルは、シリカエアロゲル、アルミナエアロゲル、カーボンエアロゲル、チタニアエアロゲル、ジルコニアエアロゲル、セリアエアロゲル、金属酸化物エアロゲル及び混合酸化物エアロゲルのうちの1つ以上を含む、項C1~C4のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0331】
項C6.乾燥粉末は、1~3g/cm、任意選択的に1.5~2.5g/cm、任意選択的に約2g/cmのタップ密度を有する、項C1~C5のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0332】
項C7.乾燥粉末は、10マイクロメートル未満、任意選択的に5マイクロメートル未満、任意選択的に約2マイクロメートルのd50(体積による)を有する、項C1~C6のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム。
【0333】
項D1.排気ガスから粒子状物質を濾過するためのフィルタを処理する装置であって、装置は、項A1~A40若しくはC1~C7のいずれか一項に記載の粉末噴霧システム、又は項B1~B37のいずれか一項に記載の粉末噴霧ノズルを備える、装置。
【0334】
項D2.フィルタを保持するためのフィルタホルダを更に備え、粉末噴霧ノズルのノズル出口は、乾燥粉末をフィルタの入口面に向けて噴霧するように配向される、項D1に記載の装置。
【0335】
項D3.フィルタを通るガスの一次流れを生成するためにフィルタの出口面と連通する真空発生器を更に備え、粉末噴霧ノズルは、フィルタの入口面の上流に配置され、フィルタの入口面の上流のガスの一次流れの中に乾燥粉末を噴霧するように配向されている、項D2に記載の装置。
【0336】
項D4.装置は、ガスの一次流れをフィルタの入口面に向けてチャネリングするための入口面の上流の流導管と、流導管とフィルタとの間に配置されたアダプタと、を更に備え、アダプタは、流導管の形状及び/又はサイズをフィルタの入口面の形状及び/又はサイズに適合させるように構成されている、項D3に記載の装置。
【0337】
項D5.アダプタは、その上端に上方シールと、その下端に下方シールと、が提供された管状本体を含み、アダプタの上端は、流導管の下端の内径に適合された第1の内径を有し、アダプタの下端は、フィルタの入口面の直径に適合された第2の内径を有し、任意選択的に、アダプタの第1の内径は、第2の内径より大きくても小さくてもよい、項D4に記載の装置。
【0338】
項E1.排気ガスから微粒子状物質を濾過するためのフィルタを処理する方法であって、
a)リザーバに乾燥粉末を収容するステップと、
b)フィルタホルダ内にフィルタを配置するステップであって、前記フィルタは、入口面及び出口面を有する多孔質基材を備え、前記入口面と前記出口面とは、多孔質構造によって隔てられている、配置するステップと、
c)前記フィルタの前記出口面に圧力低下を適用することにより、前記フィルタの前記多孔質構造を通る一次ガス流を確立するステップと、
d)乾燥粉末をリザーバから供給導管を通して、フィルタの入口面の上流に配置された噴霧デバイスに移送するステップと、
e)乾燥粉末が一次ガス流に同伴され、フィルタの入口面を通過して多孔質構造に接触するように、噴霧デバイスを使用して、フィルタの入口面に向けて乾燥粉末を噴霧するステップと、を含み、
乾燥粉末は、重力によって及び/又は噴霧デバイス内で生成される吸引力によって、供給導管を通して噴霧デバイスに移送される、方法。
【0339】
項E2.乾燥粉末は、重力によって及び/又は噴霧デバイス内で生成される吸引力によってのみ、供給導管を通して噴霧デバイスに移送される、項E1に記載の方法。
【0340】
項E3.リザーバは、供給導管に直接供給するホッパーを含み、乾燥粉末は当該ホッパーに注入されてもよく、任意選択的に、注入は乾燥粉末の重量測定注入である、項E1又は項E2に記載の方法。
【0341】
項E4.噴霧デバイスは、供給導管とは別個の導管に沿って加圧ガスの流れが供給される噴霧ノズルを含み、加圧ガスの流れは、吸引力を生成するために噴霧ノズル内で使用される、項E1~E3のいずれか一項に記載の方法。
【0342】
項E5.噴霧デバイスは、項B1~B37のいずれか一項に記載の粉末噴霧ノズルを含む、項E1~E4のいずれか一項に記載の方法。

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【国際調査報告】