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特表2024-504064対象物の動きを検出するための検出システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】対象物の動きを検出するための検出システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 13/536 20060101AFI20240123BHJP
   A61B 5/11 20060101ALI20240123BHJP
   G01V 3/12 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
G01S13/536
A61B5/11 200
G01V3/12 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541491
(86)(22)【出願日】2022-01-04
(85)【翻訳文提出日】2023-07-06
(86)【国際出願番号】 EP2022050044
(87)【国際公開番号】W WO2022148733
(87)【国際公開日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】63/134,662
(32)【優先日】2021-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】21157404.1
(32)【優先日】2021-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】パイルマン フェッツェ
(72)【発明者】
【氏名】ダイクスラー ペーター
【テーマコード(参考)】
2G105
4C038
5J070
【Fターム(参考)】
2G105AA01
2G105BB14
2G105BB15
2G105CC01
2G105DD02
2G105EE01
2G105GG01
2G105HH01
2G105KK01
4C038VA04
4C038VB35
4C038VC20
5J070AB15
5J070AB24
5J070AC06
5J070AE09
5J070AE10
5J070AF01
5J070BD02
(57)【要約】
本発明は、無線周波数信号を送信及び受信するように構成される少なくとも2つのデバイスを利用することにより対象物の動きを検出するための検出システムに関する。システム110は、少なくとも2つのデバイスを、少なくとも2つのデバイスのうちの少なくとも1つが、送信信号周波数で無線周波数信号を送信する送信デバイス120であるように、及び、少なくとも2つのデバイスのうちの少なくとも1つが、対象物の送信された無線周波数信号の反射を示す無線周波数信号を受信する受信デバイス130であるように制御するための制御ユニット111と、無線周波数信号が送信された送信信号周波数を提供するための信号周波数提供ユニット112と、受信された無線周波数信号及び提供された送信信号周波数に基づいてパッシブドップラーセンシングを行うことにより対象物の動きを検出するための検出ユニット113とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線周波数信号を送信及び受信するように構成される少なくとも2つのデバイスを利用することにより対象物の動きを検出するための検出システムであって、当該システムは、
前記少なくとも2つのデバイスを、前記少なくとも2つのデバイスのうちの少なくとも1つが、送信信号周波数で無線周波数信号を送信する送信デバイスであるように、及び、前記少なくとも2つのデバイスのうちの少なくとも1つが、対象物の前記送信された無線周波数信号の反射を示す無線周波数信号を受信する受信デバイスであるように制御するための制御ユニットと、
前記無線周波数信号が送信された前記送信信号周波数を提供するための信号周波数提供ユニットと、
前記受信された無線周波数信号及び前記提供された送信信号周波数に基づいてパッシブドップラーセンシングを行うことにより対象物の動きを検出するための検出ユニットと、
を含み、
前記検出ユニットは、前記受信された無線周波数信号のスペクトルにおける周波数範囲の励起を決定し、前記励起は、所定の期間にわたって実質的に一定である、及び、前記受信された無線周波数信号のスペクトルにおける前記周波数範囲をフィルタアウトすることにより前記受信された無線周波数信号に基づいてパッシブドップラーセンシングを行うように構成される、検出システム。
【請求項2】
前記制御ユニットは、前記少なくとも2つのデバイスを、前記少なくとも2つのデバイスの各々が、各々異なる信号周波数で無線周波数信号を送信する送信デバイスとして機能するように制御する、及び、前記少なくとも2つのデバイスを、前記少なくとも2つのデバイスの各々が、それぞれの他のデバイスの送信された無線周波数信号に対応する対象物の前記送信された無線周波数信号の反射を示す無線周波数信号を受信する受信デバイスとして機能するように制御するように構成され、前記検出ユニットは、これらの受信された無線周波数信号に基づいてパッシブドップラーセンシングを行うように構成される、請求項1に記載の検出システム。
【請求項3】
前記制御ユニットは、前記送信デバイスを、該送信デバイスによって送信される前記送信された無線周波数信号の反射から生じる無線周波数信号を検出するように制御するように構成され、前記検出ユニットは、前記検出された無線周波数信号を監視する、及び、前記監視された無線周波数信号にさらに基づいて対象物の動きを検出するように構成される、請求項1又は2に記載の検出システム。
【請求項4】
前記検出ユニットは、前記受信された無線周波数信号に基づいてIチャネル及びQチャネルを決定する、並びに、前記Iチャネル及び前記Qチャネルに基づいてパッシブドップラーセンシングを行うように構成される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の検出システム。
【請求項5】
前記制御ユニットは、前記送信デバイスを、前記送信信号周波数とは異なる信号周波数で追加の無線周波数信号を送信するように制御する、及び、前記受信デバイスを、対象物からの前記追加の無線周波数信号の反射から生じる追加の無線周波数信号を受信するように制御するように構成され、前記検出ユニットは、前記追加の受信された無線周波数信号にさらに基づいてパッシブドップラーセンシングを行うように構成される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の検出システム。
【請求項6】
前記検出ユニットは、前記追加の受信された無線周波数信号と前記受信された無線周波数信号とを比較することにより前記追加の受信された無線周波数信号にさらに基づいてパッシブドップラーセンシングを行うように構成される、請求項5に記載の検出システム。
【請求項7】
前記比較は、周波数領域における前記受信された無線周波数信号からの前記追加の受信された無線周波数信号の減算を指し、前記検出ユニットは、前記減算から生じる信号に基づいて動きを検出するように構成される、請求項6に記載の検出システム。
【請求項8】
前記比較は、互いに独立して両信号に対してドップラー解析を行うこと、及び、前記ドップラー解析の結果を整合性に関して比較することを指す、請求項6に記載の検出システム。
【請求項9】
前記検出ユニットは、受信信号の振幅に基づいて無線周波数センシングを行うように構成され、前記検出ユニットは、前記少なくとも2つのデバイスのうちの少なくとも1つのデバイスに対して決定されるセンシング結果に基づいて及び/又は前記少なくとも2つのデバイスのうちの少なくとも1つのデバイスのデバイス状態に基づいて無線周波数センシングに代替的又は追加的にパッシブドップラーセンシングを行うように構成される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の検出システム。
【請求項10】
2つのデバイスのペアが、動きを検出するために利用され、前記制御ユニットは、各デバイスのペアを、各デバイスのペアが少なくとも送信デバイス及び受信デバイスを含むように制御するように構成され、前記制御ユニットは、前記送信デバイス及び前記受信デバイスを、異なる周波数の無線周波数信号がパッシブドップラーセンシングのために前記2つのデバイスのペアによって使用されるように制御するように構成され、前記検出ユニットは、各デバイスのペアに対して独立してパッシブドップラーセンシングを行い、さらに、結果として生じる検出結果の比較に基づいて動きを検出するように構成される、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の検出システム。
【請求項11】
検出される動きは、対象物の微小運動又は振動を指す、請求項10に記載の検出システム。
【請求項12】
前記動き検出の結果は、前記デバイスの機能を制御するために使用される、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の検出システム。
【請求項13】
無線周波数信号を送信及び受信するように構成される少なくとも2つのデバイスを利用することにより対象物の動きを検出するための検出方法であって、当該方法は、
前記少なくとも2つのデバイスを、前記少なくとも2つのデバイスのうちの少なくとも1つが、送信信号周波数で無線周波数信号を送信する送信デバイスであるように、及び、前記少なくとも2つのデバイスのうちの少なくとも1つが、対象物の前記送信された無線周波数信号の反射を示す無線周波数信号を受信する受信デバイスであるように制御することと、
前記無線周波数信号が送信された前記送信信号周波数を提供することと、
前記受信された無線周波数信号及び前記提供された送信信号周波数に基づいてパッシブドップラーセンシングを行うことにより対象物の動きを検出することと、
を含み、
当該方法はさらに、前記受信された無線周波数信号のスペクトルにおける周波数範囲の励起を決定することであって、前記励起は、所定の期間にわたって実質的に一定である、ことと、前記受信された無線周波数信号のスペクトルにおける前記周波数範囲をフィルタアウトすることにより前記受信された無線周波数信号に基づいてパッシブドップラーセンシングを行うこととを含む、方法。
【請求項14】
動きを検出するためのコンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムは、請求項1に記載の検出システムに、請求項13に記載の検出方法を実行させるプログラムコード手段を含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物(subject)の動き(motion)を検出するための検出システム、方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、家庭及びオフィスアプリケーションにおいて複数のデバイスのネットワークを用いて対象物の動きを検出するために無線周波数センシング(radiofrequency sensing)を使用することに関心が高まっている。無線周波数の基本的な考え方は、例えば、照明器具、スマートスイッチ、スマートアプリケーションデバイス等を含む、ネットワークデバイスが、頻繁にメッセージを交換することによって無線ネットワーク(radio network)を形成し、メッセージの振幅が監視され、例えば、ネットワークデバイスの環境の変化を決定するためにベースライン信号と比較されることである。変化は、例えば、人の移動、人の非アクティビティ、ドアの開閉等の物体の状態の変化等として解釈されることができる。しかしながら、交換されるメッセージの振幅の監視は、複雑でエラーが発生しやすいプロセスであり、例えば、室内の人の誤検出等、フォールスポジティブ又はフォールスネガティブの(false positive or negative)結果につながることがよくある。無線周波数センシングは、ネットワークデバイスの機能、例えば、照明機能を制御するために利用されることが多いため、不正確な無線周波数センシング結果は、ネットワークデバイスのアプリケーション障害につながり、非常に望ましくない。斯くして、より高い精度を可能にするネットワークデバイスのネットワークのための動き検出システムを提供することが有利であろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、検出システムの環境における対象物の動きの検出を向上させることを可能にする検出システム、方法及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様において、無線周波数信号を送信及び受信するように構成される少なくとも2つのデバイスを利用することにより対象物の動きを検出するための検出システムであって、当該システムは、a)少なくとも2つのデバイスを、少なくとも2つのデバイスのうちの少なくとも1つが、送信信号周波数で無線周波数信号を送信する送信デバイスであるように、及び、少なくとも2つのデバイスのうちの少なくとも1つが、対象物の送信された無線周波数信号の反射を示す無線周波数信号を受信する受信デバイスであるように制御するための制御ユニットと、b)無線周波数信号が送信された送信信号周波数を提供するための信号周波数提供ユニット(signal frequency providing unit)と、c)受信された無線周波数信号及び提供された送信信号周波数に基づいてパッシブドップラーセンシング(passive Doppler sensing)を行うことにより対象物の動きを検出するための検出ユニットとを含む、検出システムが提供される。
【0005】
検出ユニットは、少なくとも2つのデバイスのうちの1つのデバイスによって送信され、少なくとも2つのデバイスのうちの別のデバイスによって受信される受信された無線周波数信号と、提供された送信信号周波数とに基づいて、パッシブドップラーセンシングを行うことによって、対象物の動きを検出するように構成されるので、パッシブドップラーセンシングは、送信信号周波数の知識に基づいて、すなわち、受信された無線周波数信号自体から送信信号周波数を決定する必要なく行われることができる。これは、無線周波数信号を用いて高精度に動きを検出することを可能にする。斯くして、検出システムは、動き検出を向上させることを可能にする。
【0006】
対象物の動きを検出するための検出システムは、無線周波数信号を送信及び受信するように構成される少なくとも2つのデバイスを利用する。対象物は、例えば、生物又は物体、とりわけ、移動生物又は物体(moving living being or object)を指す(refer to)ことができる。生物は、人間又は動物を指すことができ、物体は、任意の物体、例えば、ロボット家電又はドアを指すことができる。好ましい実施形態では、検出システムは、少なくとも2つのデバイスの近傍にいる人間の動きを検出するように構成される。一般に、室内のロボット掃除機等の単純な物体は、単純なドップラー信号を提供する、すなわち、物体は、1つの速度しか有さない。より複雑な物体又は生物は、より複雑な物体又は生物の異なる部分が、異なる速度で異なる方向に動くことが多いため、より複雑なドップラー信号を含む。これらのより複雑なドップラー信号は、ドップラーシグネチャ(Doppler signature)とみなされることもでき、異なる対象物及びそれらの挙動を容易に区別することを可能にする。
【0007】
好ましくは、2つのデバイスは、少なくとも2つのネットワークデバイスによって形成されるネットワークの一部であるネットワークデバイスである。しかしながら、ネットワークは、2つのネットワークデバイスよりも多くのネットワークデバイスを含むこともでき、この場合、検出システムは、動き検出を行うために少なくとも2つのネットワークデバイスとしてネットワークデバイスのすべて又は一部のみを利用することができる。ネットワークデバイスのネットワークは、一般に、ネットワークデバイスの互いの通信によって形成され、ネットワークのネットワークデバイスの通信は、例えば、WiFi(登録商標)通信プロトコル、ZigBee(登録商標)通信プロトコル、Bluetooth(登録商標)通信プロトコル等、任意の既知の通信プロトコルに基づくことができる。斯くして、好ましくはネットワークデバイスである2つのデバイスは、ネットワークデバイス通信ユニットを含み、ネットワークデバイス通信ユニットは、ワイヤレス信号、とりわけ、無線周波数信号、及び/又は有線信号を送信及び受信するように構成されることが好ましい。例えば、ネットワークデバイス通信ユニットは、無線周波数信号を受信及び送信するためのネットワークデバイストランシーバ、又は無線周波数信号を送信するためのトランスミッタ及び無線周波数信号を受信するためのレシーバを含むことができる。とりわけ、少なくとも2つのデバイスは、スマートネットワークデバイス、すなわち、ワイヤレス信号、とりわけ、無線周波数信号を送信及び受信するための通信ユニットを含むが、対応する従来のデバイスの機能を果たす任意のデバイスであることができる。例えば、このようなスマートネットワークデバイスは、スマートホームデバイスであってもよく、この場合、対応する従来の機能は、照明デバイス又は家電製品等の従来のホームデバイスの機能であってもよい。好ましい実施形態では、少なくとも2つのデバイスは、スマートライトモジュール、スマートプラグ又はスマートスイッチを指す。
【0008】
検出システムは、例えば、ネットワークデバイスの1つにソフトウェア又はハードウェアとして設けられることによって、又は互いに通信する複数のネットワークデバイスに分散されることによって、少なくとも2つのデバイスを含むネットワークの一部であることができる。しかしながら、検出システムは、ネットワークに属さないが、好ましくはネットワークの一部である少なくとも1つのデバイスと通信することができるスタンドアロンシステム又は(複数の)デバイスの一部であることもできる。例えば、検出システムは、例えば、ゲートウェイを介して、ネットワーク又は好ましくはネットワークの一部である少なくとも1つのデバイスと通信することができる別のネットワークにおいて又はハンドヘルド計算デバイスで動作するソフトウェアとして設けられることができる。少なくとも2つのデバイスがネットワークの一部ではない場合、検出システムは、例えば、少なくとも2つのデバイスのうちの1つに設けられるソフトウェア又はハードウェアとして、2つのデバイスのうちの1つの一部として設けられることができ、有線又はワイヤレス通信プロトコルを介して少なくとも2つのデバイスの両方と通信するように構成されることができる。さらに、この場合においても、検出システムは、少なくとも2つのデバイスの外部に、例えば、ハンドヘルド計算デバイス、ネットワークソリューション、又は少なくとも2つのデバイスと通信するように構成される任意の他の計算デバイスに設けられるスタンドアロンシステムであることができる。
【0009】
制御ユニットは、少なくとも2つのデバイスを制御するように構成される。さらに、3つ以上のデバイスが、例えば、複数のネットワークデバイスのネットワークの一部として、設けられる場合、制御ユニットは、これらのデバイスのすべて又は一部を制御するように構成されることができる。一般に、制御ユニットは、少なくとも2つのデバイスによって実行される場合、制御コマンドによって示される少なくとも2つのデバイスの機能の提供につながる制御コマンドを少なくとも2つのデバイスに送信することによって、少なくとも2つのデバイスを制御するように構成されることができる。
【0010】
制御デバイスは、とりわけ、少なくとも2つのデバイスのうちの少なくとも1つを、送信信号周波数で無線周波数信号を送信するための送信デバイスとして機能するように制御するように構成される。送信信号周波数は、1つの周波数、又は周波数の範囲(range of frequencies)を指すことができる。さらに、制御ユニットは、センシングデバイスを、各々異なるセンシング信号周波数を有する2つ以上の無線周波数信号が送信されるように制御するように構成されることもできる。とりわけ、送信される無線周波数信号は、所定の信号周波数範囲、例えば、2.4GHzに存在するZigBee標準によって定義される信号周波数範囲、又は2.5GHz、50GHz、又は60GHz付近の周波数範囲にあるWiFi標準通信の周波数範囲にある送信信号周波数で送信される。このような事前定義された周波数範囲内で、制御ユニットは、送信デバイスを、利用可能な範囲から選択される特定の送信信号周波数で無線周波数信号を送信するように制御するように構成されることができる。しかしながら、送信デバイスによって送信される送信信号周波数を有する無線周波数信号は、例えば、送信デバイスのハードウェアによって、又は、送信デバイス内に設けられるルールによって予め定められることもでき、この場合、制御ユニットは、送信デバイス自体によって示される送信信号周波数で無線周波数信号を送信デバイスに送信させることによってのみ送信デバイスを制御する。少なくとも2つのデバイスがネットワークデバイスを指す場合、送信ネットワークデバイスは、そのネットワークデバイス通信ユニット、とりわけ、送信信号周波数で無線周波数信号を送信するためのネットワークデバイス通信ユニットのトランスミッタを利用するように構成されることが好ましい。しかしながら、送信ネットワークデバイスが、有線ネットワーク通信に又は無線周波数範囲とは別の範囲におけるネットワーク通信にのみ適合されるネットワークデバイスを含む場合、ネットワークデバイスは、無線周波数信号を送信するための追加のユニットを含むことができる。好ましい実施形態では、送信デバイスによって送信される無線周波数信号は、ネットワーク内の通信信号、すなわち、ネットワークデバイス間の通信に利用される信号を指す。
【0011】
制御ユニットはさらに、対象物の送信された無線周波数信号の反射を示す無線周波数信号を受信する受信デバイスとして機能するために、少なくとも2つのデバイスのうちの少なくとも1つを制御するように構成される。とりわけ、制御ユニットは、受信デバイスを、送信された無線周波数信号の、とりわけ、対象物によって反射された場合の、反射が予期される所定の周波数範囲で受信される信号を監視するように制御するように構成されることができる。好ましくは、受信デバイスがネットワークデバイスを指す場合、受信デバイスは、反射された無線周波数信号を受信するために、ネットワークデバイス通信ユニット、とりわけ、ネットワークデバイス通信ユニットのレシーバを利用する。しかしながら、受信デバイスは、反射された無線周波数信号を受信するために、ネットワークデバイス通信ユニットの一部ではない専用の受信ユニットを含むこともできる。送信デバイス及び受信デバイスは、一般に、少なくとも2つのデバイスのうちの同じものを指さない。斯くして、2つのデバイスのみが利用される場合、2つのデバイスのうちの一方が送信デバイスであり、2つのデバイスのうちの他方が受信デバイスである。とりわけ、少なくとも2つのデバイスは互いに独立しており、同じロケーションに設けられない。好ましくは、送信デバイス及び受信デバイスは、互いにある所定の距離をおいて設けられ、距離は、好ましくは、1m以上、より好ましくは2m以上である。斯くして、好ましい実施形態では、制御ユニットによる少なくとも2つのデバイスの制御は、少なくとも2つのデバイスのうちのどれが送信デバイスとして機能し、少なくとも2つのデバイスのうちのどれが受信デバイスとして機能するかの選択を含む。とりわけ、3つ以上のデバイス、すなわち、複数のデバイスが設けられる場合、選択は、例えば、複数のデバイスのロケーション、複数のデバイスの特性、例えば、デバイスが無線周波数送信及び/又は受信ユニットを含むかどうか、及び/又はデバイスの可用性(availability)等に基づいて、送信デバイスとして機能するために、デバイスのうちの1つ以上を選択することと、受信デバイスとして機能するために、デバイスのうちの1つ以上を選択することとを含むことができる。斯くして、制御ユニットは、一般に、デバイスペアの形成を制御するように構成され、このようなデバイスペアのデバイスの一方は、このデバイスペアに対する送信デバイスとみなされ、他方のデバイスは、このデバイスペアに対する受信デバイスとみなされる。しかしながら、例えば、あるデバイスがあるデバイスペアでは送信デバイスとして機能し、別のデバイスペアでは受信デバイスとして機能するような、又は、送信デバイスが異なるデバイスペアに対して同じであるが、受信デバイスは各ペアに対して異なるような、このようなペアのオーバーラッピング(overlapping)も考えられる。後者の場合、すべて同じ送信デバイスを含むデバイスペアはデバイスグループを形成しているとみなされることができる。デバイスペア又はグループは、各デバイスペア又はグループの送信デバイスによって送信される信号を区別することによって区別されることができる。例えば、制御ユニットは、デバイスペア又はグループの各送信デバイスを、異なる時間に、又は異なる送信信号周波数を利用して無線周波数信号を送信するように制御するように構成されることができる。
【0012】
一般に、制御ユニットは、スキャンモードで送信デバイス及び/又は受信デバイスを制御するように構成されることができ、スキャンモードは、センシングエリアの少なくとも一部の有向スキャニング(directed scanning)を可能にする。好ましくは、スキャンモードにおいて、制御ユニットは、センシングデバイス及び/又は受信デバイスを、有向送信及び/又は受信(directed sending and/or receiving)を行うように制御するように構成される。例えば、センシングデバイスは、動きの存在について部屋をシステマティックに(systematically)スキャンするために、無線周波数信号を、既知の方向付け方法(direction method)を使用して、部屋の異なるエリアに続いて(subsequently)方向付けるように制御されることができる。しかしながら、他の実施形態では、制御ユニットは、送信及び/又は受信デバイスを、無向送信(undirected sending)を行うように、とりわけ、同時に複数の方向に信号を送信する及び/又は複数の方向から信号を受信するように制御するように構成されることができる。
【0013】
さらに、検出システムは、無線周波数信号が送信された送信信号周波数を提供するための信号周波数提供ユニットを含む。信号周波数提供ユニットは、例えば、送信信号周波数、例えば、所定の送信信号周波数を記憶する記憶ユニットであることができる、又は、送信信号周波数を記憶する記憶ユニットに接続されることができる。信号周波数提供ユニットは、例えば、送信デバイスを制御する制御ユニットから又は送信デバイス自体から、送信信号周波数を受信するための受信ユニットとして構成され、受信した送信信号周波数を提供するように構成されることもできる。例えば、送信デバイスは、自身によって送信される無線周波数信号の送信信号周波数を監視及び提供するように、並びに、該送信信号周波数を信号周波数提供ユニットに提供し、信号周波数提供ユニットがこれを提供するように構成されることができる。とりわけ、信号周波数提供ユニットは、送信デバイスの一部であることができ、送信信号周波数を提供するための検出ユニットと通信するように構成されることができる。一般に、すべての実施形態において、2つ以上の送信デバイスが制御ユニットによって制御される場合、信号周波数提供ユニットは、とりわけ、送信デバイスが異なる送信信号周波数を使用する場合、各送信デバイスの送信信号周波数を提供するように構成されることができる。
【0014】
検出ユニットは、受信された無線周波数信号及び提供された送信信号周波数に基づいてパッシブドップラーセンシングを行うことにより対象物の動きを検出するように構成される。一般に、パッシブドップラーセンシングは、受信信号に対してドップラー解析を行うことを含み、信号のレシーバは、トランスミッタと同じではない、すなわち、トランスミッタは、信号のレシーバとは異なるロケーションに設けられる。本発明において、パッシブドップラーセンシングは、受信された無線周波数信号に基づくだけでなく、送信信号周波数に関する知識、すなわち、送信された無線周波数信号に関する知識にも基づく。これは、受信された無線周波数信号から送信信号周波数を抽出するための、受信された無線周波数信号の複雑でエラーが発生しやすい解析が省略されることができるという利点がある。とりわけ、受信された無線周波数信号及び提供された送信信号周波数に基づいて、既知のドップラー解析が行われることができる。ドップラー解析は、動いている対象物から反射される波の周波数が、動いている対象物の速度に依存して変化するという原理に基づく。斯くして、受信された無線周波数信号及び提供された送信信号周波数を検出ユニットに提供することによって、検出ユニットは、受信された無線周波数信号が、対象物の動きが存在することを示す、提供された送信信号周波数に対して周波数がシフトされた信号部分を少なくとも含むかどうかを判断することができる。受信された無線周波数信号及び提供された送信信号周波数に基づいて対象物の動きを検出するために、検出ユニットは、信号周波数解析方法、信号混合方法等、対象物の動きを示す周波数シフトを受信された無線周波数信号から抽出するための、すなわち、ドップラー解析を行うための、任意の既知のソフトウェア又はハードウェアソリューションを利用するように構成されることができる。さらに、検出ユニットは、例えば、ドップラー解析の結果の複雑さに基づいて、生物と単純な物体とを区別するように構成されることが好ましい。例えば、単純な物体の場合、結果は、一般に、1つの速度のみを含むのに対し、生物の場合、結果は、2つ以上の決定された速度、すなわち、速度シグネチャ(velocity signature)につながることが予期される。検出ユニットは、速度シグネチャをさらに分析し、例えば、速度シグネチャに基づいて、生物のアイデンティティ(identity)、平均速度、呼吸運動(breathing motion)、移動方向(movement direction)等を決定するように構成されることができる。例えば、検出ユニットは、受信された信号の周波数スペクトルにおいて、2つ以上のドップラーシフトが見られるかどうかを判断する、及び、これが生物の存在を示すと判断するように構成されることができる。
【0015】
一実施形態において、制御ユニットはさらに、少なくとも2つのデバイスを、少なくとも2つのデバイスの各々が、各々異なる信号周波数で無線周波数信号を送信する送信デバイスとして機能するように制御する、及び、少なくとも2つのデバイスを、少なくとも2つのデバイスの各々が、それぞれの他のデバイスの送信された無線周波数信号に対応する対象物の前記送信された無線周波数信号の反射を受信する受信デバイスとして機能するように制御するように構成され、検出ユニットは、これらの受信された無線周波数信号に基づいてパッシブドップラーセンシングを行うように構成される。斯くして、この実施形態では、制御ユニットは、送信デバイス及び受信デバイスとして利用されることが可能なデバイスを、デバイスペア又はグループが、オーバーラップするデバイスペア又はグループとして形成されるように制御するように構成される。とりわけ、この実施形態では、デバイスグループは、送信デバイスとして機能することが可能な各デバイスに対して定義されることができ、この場合、デバイスグループは、送信デバイスとして機能するデバイスと、受信デバイスとして送信デバイスの反射された無線周波数信号を受信することが可能なすべての他のデバイスとを含む。斯くして、無線周波数信号を受信することも可能な送信デバイスは、自身のグループでは送信デバイスとして機能し、他のグループでは受信デバイスとして機能する。この場合、検出ユニットは、これらの受信された無線周波数信号に基づいてパッシブドップラーセンシング、すなわち、ドップラー解析を行うように構成される。例えば、検出デバイスは、好ましくは、グループのすべてのペアのドップラー解析の結果に基づいて、互いに独立してグループの各々についてパッシブドップラーセンシングを行うように構成されることができる。しかしながら、検出ユニットは、パッシブドップラーセンシングを行うために、異なるグループからの受信された無線周波数信号を利用するように構成されることもできる。例えば、検出ユニットは、グループの異なるペアによって又は異なるグループによって行われるパッシブドップラーセンシングの結果を互いに比較する、及び、比較に論理的ルールを適用して、結果が本当に対象物、とりわけ、人間の動きを示しているのか、他の理由、例えば、ノイズ、デバイス自体の振動等に起因するのかを判断するように構成されることができる。とりわけ、例えば、デバイス内又はデバイスの環境におけるプロセスによって引き起こされる振動が動きの検出に及ぼす影響を低減するために、検出ユニットは、一方のペアの受信デバイスは、他方のペアの送信デバイスであり、逆もまた同様である、すべてのデバイスペアのパッシブドップラーセンシング結果を比較するように構成されることが好ましい。斯くして、好ましくは、異なる送信信号周波数に基づき、実質的に同じ検出エリア、とりわけ、2つのデバイスペアを形成する2つのデバイス間のエリアに対応するパッシブドップラーセンシング結果が比較されることができ、論理的ルールが、検出結果が対象物の動きに起因するかどうかを判断するためにこの比較に適用されることができる。例えば、パッシブドップラーセンシング結果が異なる速度を有する対象物の動きを示す場合、検出結果は、動いている対象物に起因する可能性は非常に低く、例えば、ノイズに起因する可能性が非常に高い。
【0016】
一実施形態において、制御ユニットは、送信デバイスを、該送信デバイスによって送信される送信された無線周波数信号の反射から生じる無線周波数信号を検出するように制御するように構成され、検出ユニットは、検出された無線周波数信号を監視する、及び、監視された無線周波数信号にさらに基づいて対象物の動きを検出するように構成される。とりわけ、送信デバイスは、対象物によって反射されない、該送信デバイスによって送信される送信された無線周波数信号の反射から生じる無線周波数信号を監視するように構成される。この場合、信号周波数提供ユニットは、検出された無線周波数信号を検出ユニットに提供するように構成されることもできる。この場合、検出ユニットは、送信デバイスによって検出される検出された無線周波数信号を監視するように構成される。監視は、例えば、検出された無線周波数信号の時間的変化の決定を含むことができる。とりわけ、突然、すなわち、所定の短い時間範囲内に生じる変化は、対象物の動きを検出する際に考慮されるべき事象を示し得る。好ましくは、検出ユニットは、検出された無線周波数信号に発生する周波数を監視することにより検出された無線周波数信号を監視するように構成される。とりわけ、検出ユニットは、検出された無線周波数信号の周波数スペクトルにおいて、狭い周波数帯域、すなわち、所定の程度、好ましくは、ドップラー関係に従って、20cm/s、より好ましくは10cm/sの速度変化を指す程度よりも小さい周波数範囲の信号を識別することが好ましい。このような狭い周波数は、送信デバイス自体又は送信デバイスの環境の振動の結果であることが多い。斯くして、検出システムのアプリケーションが、対象物、好ましくは、人間の動きを検出することを目的としている場合、検出ユニットは、受信された無線周波数信号における識別された狭い周波数範囲をフィルタアウトするために識別された狭い周波数範囲を使用するように構成されることが好ましい。なぜなら、受信された無線周波数信号は、対象物の動きに起因しない可能性が非常に高い、識別された狭い周波数帯域の周波数を含む、すなわち、周波数スペクトルにおける励起を示すことも予期され得るからである。この場合、検出ユニットは、フィルタリングされた、受信された無線周波数信号に基づいてパッシブドップラーセンシングを行うことにより対象物の動きを決定するように構成される。
【0017】
一実施形態において、検出ユニットは、受信された無線周波数信号のスペクトルにおける周波数範囲の励起(excitation in a frequency range)を決定し、励起は、所定の期間にわたって実質的に一定である、及び、受信された無線周波数信号のスペクトルにおける周波数範囲をフィルタアウトすることにより受信された無線周波数信号に基づいてパッシブドップラーセンシングを行うように構成される。対象物、とりわけ、人間の動きは長期間にわたって一定でないことが予期され得るため、長期間にわたって実質的に一定である周波数範囲の励起は、対象物の運動に起因せず、例えば、環境における振動に又はノイズに起因する可能性が非常に高い。検出システムのアプリケーションに基づいて、所定の期間は、例えば、検出されるべき対象物の動きに対して予期される動きの時間スケールで決定されることが好ましい。例えば、動きが検出されるべき対象物が人間である場合、所定の期間は、例えば、3分又は4分等、数分を指すことができる。なぜなら、例えば、小部屋における、人間の動きがこのような期間中に変化しない可能性は非常に低いからである。斯くして、実質的に一定、すなわち、数分以上の所定範囲内で一定であることが観察され得る受信された無線周波数信号における励起は、対象物の動きに起因しない可能性が非常に高く、フィルタアウトされることができる。この文脈において、実質的に一定という用語は、励起が、所定の期間中、ノイズ閾値を下回らない振幅で、同じ周波数又は周波数範囲に存在することを指す。
【0018】
好ましい実施形態において、検出ユニットは、所定の周波数範囲よりも狭い周波数範囲の励起の発生を決定する、及び、受信された無線周波数信号のスペクトルにおける狭い周波数範囲をフィルタアウトすることにより受信された無線周波数信号に基づいてパッシブドップラーセンシングを行うように構成されることができる。とりわけ、検出されるべき対象物の動きが人間の動きを指す場合、例えば、腕及び脚は、人間の胴体とは異なる速度で動く等、人間の身体の異なる部分が、異なる速度で動かされることに起因して、動いている人間に起因する受信無線周波数信号の周波数範囲の励起は、広い周波数範囲に広がる又はスミアアウトされる(smeared out)ことが予期され得る。斯くして、非常に狭い周波数範囲で発生する受信された無線周波数信号の励起は、人間又は実際にはあらゆる生物の動きに起因せず、送信デバイス又は受信デバイスの環境における機械部品の振動に起因する可能性が非常に高い。好ましくは、所定の周波数範囲は、ドップラー関係に従って、20cm/s、より好ましくは10cm/sの速度変化を指す。斯くして、検出システムのアプリケーションに関して検出されるべきではない動き源に起因する可能性が非常に高い、又は検出システムの環境におけるあらゆる種類のノイズを示す励起をフィルタアウトすることによって、とりわけ、検出システムの特定のアプリケーションに鑑みて、動き検出の精度が向上されることができる。
【0019】
一実施形態において、検出ユニットは、受信された無線周波数信号に基づいてIチャネル及びQチャネルを決定する、並びに、Iチャネル及びQチャネルに基づいてパッシブドップラーセンシングを行うように構成される。
【0020】
とりわけ、Iチャネル及びQチャネルは、Iチャネルを決定するために、受信された無線周波数信号と、提供された送信信号周波数を含む信号とを乗算することにより、及び、Qチャネルを決定するために、再び、受信された無線周波数信号と、提供された送信信号周波数を含む信号とを、これら2つの信号の一方を例えば90°位相シフトさせて、乗算することにより、検出ユニットによって決定されることができる。好ましくは、検出ユニットは、この場合、Qチャネル及びIチャネルから複素信号を構築するように構成され、Iチャネルは、複素信号の虚部を指し、Qチャネルは、複素信号の実部を指す。この場合、複素信号が対象物の動きを検出するために利用されることが好ましい。とりわけ、複素信号の周波数スペクトルが、検出ユニットによって、例えば、複素信号のフーリエ変換を行うことにより決定され、複素信号の周波数スペクトルに基づいて対象物の動きを検出することが好ましい。例えば、このように構築された複素信号は、周波数スペクトルにおいて、正の周波数及び負の周波数を示すことができ、正の周波数における励起は、受信デバイスに向かう動き成分を有する動きを示し、負の周波数は、受信デバイスから離れる動き成分を有する動きを示す。しかしながら、動きと決定された周波数との間の正確な関係は、Qチャネルを構築するために適用される位相シフトに依存する。一般に、使用される正確な位相シフトとは無関係に、複素信号の構築は、対象物の動きの速度だけでなく、少なくとも受信デバイスに対する、対象物の動きの方向の正確な決定も可能にする。さらに、複素信号において、とりわけ、複素信号の周波数スペクトルにおいて、対象物、とりわけ、人間から生じるものではなく、例えば、デバイスの環境における振動から生じる動きが、さらに明確に区別されることができる。とりわけ、環境における振動に起因するノイズは、複素信号の周波数スペクトルにおいて、正の周波数及び負の周波数の両方の励起をもたらす。なぜなら、振動は、両方の動き成分を含むからである。これとは対照的に、人間等の対象物の一般的な運動は、より固定された方向を含み、斯くして、正の周波数又は負の周波数のいずれかのみの励起をもたらす。斯くして、検出ユニットは、例えば、励起が正の周波数及び負の周波数の両方に存在することに起因して、振動から生じる複素信号の周波数スペクトルにおける励起を識別する、この励起が発生する周波数範囲を受信された無線周波数信号からフィルタリングする、及び、フィルタリングされた、受信された無線周波数信号に基づいてドップラー解析を行うように構成されることが好ましい。この文脈において、動いていない人の呼吸運動は振動とみなされることもでき、斯くして、正の周波数及び負の周波数を監視することにより上記のアプローチを利用して検出されることができることに留意されたい。
【0021】
一実施形態において、制御ユニットはさらに、送信デバイスを、送信信号周波数とは異なる信号周波数で追加の無線周波数信号を送信するように制御する、及び、受信デバイスを、対象物からの追加の無線周波数信号の反射から生じる追加の無線周波数信号を受信するように制御するように構成され、検出ユニットは、追加の受信された無線周波数信号にさらに基づいてパッシブドップラーセンシングを行うように構成される。斯くして、この実施形態では、制御ユニットによって制御される各送信デバイスは、制御ユニットによって制御される各受信デバイスが、2つの異なる送信された無線周波数信号に基づく対象物から反射された2つの無線周波数信号を受信することができるように、異なる送信信号周波数で2つの無線周波数信号を送信するように構成される。ドップラー効果、すなわち、反射された無線周波数信号における動きに起因する周波数シフトは、動いている対象物に対して周波数依存的であるため、ドップラー効果の原理に従った異なる周波数シフトが、2つの異なる受信された無線周波数信号において見出されることができる。一般に、送信信号周波数提供ユニットは、このような場合、両方の送信信号周波数を検出ユニットに提供するように構成される。
【0022】
好ましい実施形態では、検出ユニットは、追加の受信された無線周波数信号と受信された無線周波数信号とを比較することにより追加の受信された無線周波数信号にさらに基づいてパッシブドップラーセンシングを行うように構成される。好ましくは、比較は、周波数領域における受信された無線周波数信号からの追加の受信された無線周波数信号の減算を指し、検出ユニットは、減算から生じる信号に基づいて動きを検出するように構成される。一般に、対象物の実際の動きは、ドップラー効果の原理に起因して、2つの異なる受信された無線周波数信号の異なる周波数範囲の励起につながるが、例えば、デバイスの環境における振動に起因するノイズは、送信信号周波数に依存しない周波数範囲の励起につながることが多い。斯くして、2つの受信された無線周波数信号を互いに減算することによって、同じ周波数範囲にある周波数励起が除去されることができ、検出ユニットは、ノイズに起因する周波数範囲の励起を含まない減算の結果から生じる信号に対してドップラー解析を適用することができる。別の好ましい実施形態では、検出ユニットは、提供されたそれぞれの送信信号周波数を各信号に利用して、互いに独立して両方の受信された無線周波数信号に対してドップラー解析を行うことによりパッシブドップラーセンシングを行うように構成されることができる。この場合、検出ユニットは、パッシブドップラーセンシングを行うために2つの独立したドップラー解析の結果を比較するように構成されることができる。例えば、実際に動いている対象物、例えば、人間が存在する場合、2つの独立したドップラー解析の各々は、対象物について実質的に同じ決定された速度をもたらすことになる。しかしながら、ドップラー解析の結果がノイズに起因する場合、当該信号が実際に動いている対象物に起因せず、おそらくはノイズ又は振動に起因することを示す、独立したドップラー解析の各々において異なる速度が決定される可能性が非常に高い。斯くして、検出ユニットは、パッシブドップラーセンシングを行うために2つの独立したドップラー解析からの2つの結果の比較に論理的ルールを適用するように構成されることができる。論理的ルールは、予め定められることができ、又は、例えば、訓練フェーズ中に、検出ユニットによって学習される学習されたルールであることができる。訓練フェーズにおいて、検出ユニットは、異なる環境状況に直面し、パッシブドップラーセンシングの所望の結果も、例えば、ユーザーによって提供される、入力として検出ユニットに提供され、検出ユニットは、既知の機械学習アルゴリズムを使用して、パッシブドップラーセンシングの所望の結果を達成するために適用されることができる論理的ルールを学習するように構成される。斯くして、比較は、互いに独立して両信号に対してドップラー解析を行うこと、及び、ドップラー解析の結果を整合性(consistency)に関して比較することを指すことが好ましい。
【0023】
一実施形態において、ドップラー解析の実行は、周波数領域において受信された無線周波数信号に閾値フィルタを適用することを含む。とりわけ、受信された無線周波数信号は、例えば、高速フーリエ変換(FFT)を適用することによって、周波数領域で提供されることができる。周波数領域において、受信された無線周波数信号は、任意選択的に、例えば、受信された無線周波数信号を二乗することによって、さらに修正されることができる。この場合、閾値は、例えば、キャリブレーション測定又は経験に基づいて予め定められ、閾値フィルタに提供されることができる。この場合、閾値フィルタは、周波数領域における受信された無線周波数信号の、所定の閾値の上にある(lie above)すべての信号部分を増加させ、周波数領域における受信された無線周波数信号の、閾値の向こうにある(lie beyond)すべての信号部分を減少させる。減少及び増加は、それぞれ、加算又は減算される所定の値に基づくことができ、閾値に対する信号部分の差に依存する関数、例えば、比例関数を適用すること等を指すことができる。この場合、運動は、フィルタリングされた、受信された無線周波数信号に基づいて判断されることができる。このフィルタリングは、運動のより正確な判断を可能にする。
【0024】
一実施形態において、制御ユニットは、送信デバイスを、例えば、2.4GHz及び5.8GHzの異なる送信信号周波数を有する2つの無線周波数信号が利用されるように制御するように構成される。この実施形態では、ドップラーセンシングの実行は、動きのビリーフベクトル(belief vector)を決定することを含むことができ、例えば、検出ユニットは、動きのビリーフベクトルを含む専用ロジックを含むことができる。このベクトルの各成分は、受信デバイスに対する速度範囲内の動きの確率を記述する。好ましくは、ビリーフベクトルは、2つの異なる送信信号、ここでは2.4GHz及びと5.8GHzの周波数信号から生じる受信された無線周波数信号を解析することにより100msごとに更新される。両方の送信信号周波数について、検出ユニットは、ドップラー解析の一部として、以下を実行するように構成されることができる。例えば、120Hzの所定のカットオフ周波数を有するローパスフィルタが、受信された無線周波数信号の各々に提供され、その後、信号は、所定のサンプル周波数、例えば、240Hzでサンプリングされる。この場合、検出ユニットは、100msごとに、最後に受信された256個のサンプルを使用して、周波数スペクトルをもたらす短い高速フーリエ変換を計算するように構成される。この場合、周波数スペクトルは、ビンのセットであり、各ビンは、動きの前記ビリーフベクトルにマッピングされ得る相対速度範囲にマッピングされ得る周波数範囲を含む。斯くして、検出ユニットは、周波数スペクトルの振幅を二乗することによりパワースペクトルを構築するために周波数スペクトルを引き続き使用するように構成されることができる。その値が選択された閾値を超えるパワースペクトルにおける各ビンについて、ビリーフベクトルの対応する成分は増加されることができる。その値が選択された閾値を下回るパワースペクトルにおける各ビンについて、ビリーフベクトルの対応する成分は減少されることができる。この場合、検出ユニットは、ビリーフベクトルを更新した後、すべての成分の最大値が0.5を超える場合に動きが検出されると判断するように構成され、そうでない場合、検出ユニットは、動きが存在しないと判断するように構成される。
【0025】
一実施形態において、検出ユニットはさらに、受信信号の振幅に基づいて無線周波数センシングを行うように構成され、検出ユニットは、少なくとも2つのデバイスのうちの少なくとも1つのデバイスに対して決定されるセンシング結果に基づいて及び/又は少なくとも2つのデバイスのうちの少なくとも1つのデバイスのデバイス状態に基づいて無線周波数センシングに代替的又は追加的にパッシブドップラーセンシングを行うように構成される。とりわけ、検出ユニットは、例えば、WO 2020/043606 A1に記載されているような、既知の無線周波数アルゴリズムを使用して無線周波数センシングを行うように構成されることができる。好ましくは、検出ユニットは、無線周波数センシングの結果に基づいて、パッシブドップラーセンシングが、例えば、所定の期間、無線周波数センシングに代替的又は追加的に実行されるべきかどうかを決定するために所定の論理的ルールを適用するように構成される。所定の論理的ルールは、システムのアプリケーションに適応されることができ、状況依存的(situation-dependent)であることができる。例えば、検出ユニットは、一般的に無線周波数センシングを行うように構成されることができ、検出ユニットが、無線周波数センシングの結果が信頼できない可能性がある、すなわち、所定の品質基準に適合しない可能性があると判断する場合、検出ユニットは、無線周波数センシングの結果を検証するために、例えば、上述した実施形態で述べられるような、パッシブドップラーセンシングを追加的に行うように構成されることができる。別の例では、デバイスの少なくとも1つが、例えば、夜間にエリアに人が存在することが予期されない場合に、スリープ状態である場合、検出ユニットは、エリアにおける動きを検出するために無線周波数センシングの代わりにパッシブドップラーセンシングを時折(from time to time)適用するように構成されることができ、パッシブドップラーセンシングによって動きが検出される場合、検出ユニットは、エリアにおける決定された動きに関するより多くの情報を得るために、例えば、デバイスをウェイクアップすることによって、無線周波数センシングの実行を追加的に開始するように構成されることができる。
【0026】
一実施形態において、2つのデバイスのペアが、動きを検出するために利用され、制御ユニットは、各デバイスのペアを、各デバイスのペアが少なくとも送信デバイス及び受信デバイスを含むように制御するように構成され、制御ユニットはさらに、送信デバイス及び受信デバイスを、異なる周波数の無線周波数信号がパッシブドップラーセンシングのために2つのデバイスのペアによって使用されるように制御するように構成され、検出ユニットは、各デバイスのペアに対して独立してパッシブドップラーセンシングを行い、さらに、結果として生じる検出結果の比較に基づいて動きを検出するように構成される。とりわけ、検出される動きは、対象物の微小運動又は振動を指すことが好ましい。この文脈において、微小運動(minute movement)は、サイズ及び/又は時間が小さい運動を指すと定義され、この文脈において、小さいは、サイズが10cm以下であり、時間が1分以下であることを意味する。例えば、微小運動は、呼吸運動又は心拍運動等、人間の身体の周期的運動を指すことができる。斯くして、この実施形態では、システムは、特に、対象物の運動が対象物の振動運動又は微小運動の検出を指すように構成されることが好ましい。上述した実施形態の多くにおいて、これらの振動又は微小運動は、対象物の動き検出からキャンセルされることが好ましい。しかしながら、他のアプリケーションでは、例えば、機械の機能を監視するための機械監視の場合、振動を特に検出することが有利である。機械の振動は、機械内の状態変化を示すことが多い。したがって、振動の除去に関して上述した原理は、対象物の振動又は微小運動を検出するように検出ユニットを構成するためにも適用されることができる。
【0027】
一実施形態において、動き検出の結果は、デバイスの機能を制御するために使用される。例えば、デバイスが照明デバイスを指し、照明機能が動き検出に基づいて制御されることが好ましい。しかしながら、他の機能が、システムによって実行される動き検出の結果によって追加的又は代替的に制御されることもできる。
【0028】
本発明のある態様において、無線周波数信号を送信及び受信するように構成される少なくとも2つのデバイスを利用することにより対象物の動きを検出するための検出方法であって、当該方法は、a)少なくとも2つのデバイスを、少なくとも2つのデバイスのうちの少なくとも1つが、送信信号周波数で無線周波数信号を送信する送信デバイスであるように、及び、少なくとも2つのデバイスのうちの少なくとも1つが、対象物の送信された無線周波数信号の反射を示す無線周波数信号を受信する受信デバイスであるように制御することと、b)無線周波数信号が送信された送信信号周波数を提供することと、c)受信された無線周波数信号及び提供された送信信号周波数に基づいてパッシブドップラーセンシングを行うことにより対象物の動きを検出することとを含む、検出方法が提供される。
【0029】
本発明の別の態様において、動きを検出するためのコンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムは、請求項1に記載の検出システムに、請求項14に記載の検出方法を実行させるプログラムコード手段を含む、コンピュータプログラムが提供される。
【0030】
上述した検出システム、上述した方法、及び上述したコンピュータプログラムは、同様及び/又は同一の好適な実施形態、とりわけ、従属請求項に記載されるような実施形態を有することを理解されたい。
【0031】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項又は上記の実施形態とそれぞれの独立請求項との任意の組み合わせであり得ることも理解されたい。
【0032】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に述べられる実施形態を参照して明らかになり、解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】無線周波数デバイスを制御する検出システムに利用される2つの無線周波数デバイスを概略的且つ例示的に示す。
図2】対象物の動きを検出するための検出方法を概略的且つ例示的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、2つの無線周波数デバイス120、130及び検出システム110を概略的且つ例示的に示している。好ましくは、無線周波数デバイス120、130は、少なくとも2つの無線周波数デバイス120、130によって形成されるネットワークの一部であり、任意選択的に、ネットワークは、検出システム110によって制御されることもできる、図1には示されていない、追加の無線周波数デバイスを含む。しかしながら、以下では、より良く概観するために、本発明の原理は、図1に示される2つの無線周波数デバイス120、130のみに関して述べられるが、これらの説明される原理は、3つ以上の無線周波数デバイス120、130を含むシステムにも適用されることができる。とりわけ、ここでは、2つの無線周波数デバイス120、130はまったく異なるデバイスを指し、同じロケーションに位置せず、好ましくは、1m以上、より好ましくは3m以上である、互いにある距離をおいて設けられることに留意されたい。
【0035】
検出システム110は、少なくとも2つの無線周波数デバイス120、130と通信可能にコンタクトするスタンドアロンシステムであることができ、又は、少なくとも2つの無線周波数デバイス120、130のうちの1つの一部として、例えば、ハウジング内に、若しくは、少なくとも2つのデバイス120、130のうちの1つに設けられるソフトウェア及び/又はハードウェアの一部として設けられることができる。好ましくは、少なくとも2つの無線周波数デバイス120、130がネットワークの一部である場合、検出システムも、例えば、ネットワークのデバイスのうちの1つの一部として、ネットワークの一部であり、又はネットワークの複数のデバイスにわたって分散される。この場合、検出システム110と、少なくとも2つのデバイス120、130及び任意選択的に他のネットワークデバイスとの間の通信は、一般的なネットワーク通信の一部であることができ、すなわち、検出システム110から及び検出システム110へのメッセージは、ネットワークによって使用される通信プロトコルの一部として送信される。
【0036】
検出システム110は、制御ユニット111と、信号周波数提供ユニット112と、検出ユニット113とを含む。制御ユニット111は、無線周波数デバイス120及び無線周波数デバイス130を制御するように構成される。とりわけ、制御ユニット111は、無線周波数デバイス120を、送信信号周波数で無線周波数信号121を送信する送信デバイスとして機能するように制御するように構成される。さらに、制御ユニット111は、無線周波数デバイス130を、対象物、この場合、方向141に動いている人140からの無線周波数信号121の反射の結果である無線周波数信号131を受信する受信デバイスとして機能するように制御するように構成される。ドップラー効果に起因して、無線周波数デバイス130によって受信される反射信号131は、人140の移動141に関する情報を含み、とりわけ、人140から反射される信号131は、送信された無線周波数信号121に対して周波数シフトを経験する。好ましくは、送信された無線周波数信号121も、一般的なネットワーク通信の一部として送信され、すなわち、例えば、別のネットワークデバイスに対するメッセージを含む一般的なネットワーク通信信号を指す。しかしながら、送信された無線周波数信号121は、動き検出のためだけに送信される専用信号であることもできる。
【0037】
信号周波数提供ユニット112は、送信された無線周波数信号121の送信信号周波数を提供するように構成される。とりわけ、検出システム110は、無線周波数デバイス120が送信信号周波数に関する情報を信号周波数提供ユニット112に提供することができるように、送信デバイスとして機能する無線周波数デバイス120と通信する。例えば、信号周波数提供ユニット112は、好ましくは、ネットワーク通信信号を介して、送信信号周波数を含む、無線周波数デバイス120の通信を開始するように構成されることができる。しかしながら、他の実施形態では、送信デバイスとして機能する無線周波数デバイス120は、自ら送信信号周波数を信号周波数提供ユニット112に提供するように構成されることができ、又は、送信信号周波数は予め定められ、信号周波数提供ユニット112が送信信号周波数を読み出すことができるストレージに記憶されることができる。その後、信号周波数提供ユニット112は、送信信号周波数を検出ユニット113に提供するように構成される。
【0038】
検出ユニット113は、受信された無線周波数信号131及び提供された送信信号周波数に基づいてパッシブドップラーセンシングを行うことにより人140の動きを検出するように構成される。パッシブドップラーセンシングは、少なくとも、受信された無線周波数信号131及び提供された送信信号周波数に基づくドップラー解析を含む。例えば、検出ユニット113は、ハードウェア又はソフトウェアを介して、受信された無線周波数信号131の電子表現(electronic representation)と、送信信号周波数を有する周期的信号の電子表現とを乗算するように構成されることができる。任意選択的に、さらに、ローパスフィルタが、フィルタリングされた信号が所定の周波数閾値以下の周波数のみを含むように、結果として生じる乗算された信号に対して提供されることができる。数学的には、信号の乗算及びローパスフィルタリングは、2つの入力信号の差を決定することとみなされることができ、結果として生じる信号における非ゼロ周波数範囲(non-zero frequency range)の励起は、送信された無線周波数信号121に対する動いている人140のドップラー効果に起因する。第一近似では、励起周波数は、動いている人140の相対スピードに正比例しているとみなされることができる。斯くして、励起周波数から、人140の移動141、さらには、速度が決定されることができる。しかしながら、検出ユニット113は、パッシブドップラーセンシングにより高度な解析方法を含めるように構成されることもできる。例えば、検出ユニット131は、人140の移動141によって引き起こされるドップラーシフトを決定するためにIチャネル及びQチャネルを利用することもできる。
【0039】
検出システム110のいくつかのさらなるより詳細な実施形態及びアプリケーションについて以下で述べる。以下の実施形態において、少なくとも2つのデバイスは、制御ユニットによって制御されることができるネットワークデバイスのネットワークの一部である。一般に、ネットワークは、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)等、異なるネットワーク通信プロトコルに基づくことができる。
【0040】
一実施形態において、ネットワークは、例えば、WiFi、例えば、2.4GHzのネットワークを指す。この場合、制御ユニットは、ネットワークデバイスを、超広帯域周波数範囲において、重ならない周波数で無線周波数信号を送信するように制御するように構成されることができる。この非重なり(non-overlap)は、利用可能なチャネルを使用することによって実現されることができるが、WiFi通信プロトコルの2.4GHz及び60GHz等の完全に異なる周波数を使用することによっても実現されることができる。さらに、検出ユニットには、すべてのネットワークデバイスの送信信号周波数、すなわち、使用された周波数チャネルが提供されることができる。しかしながら、検出ユニットがすべてのネットワークデバイスの一部である場合、当該ネットワークデバイスの検出ユニットには、近隣のネットワークデバイスの送信信号周波数のみが提供されることができる。パッシブドップラーセンシングを使用して、検出ユニット、任意選択的に、各ネットワークデバイスの各検出ユニットは独立して、例えば、受信された無線周波数信号と対応する送信信号周波数を有する信号との乗算における非ゼロ周波数成分を探すことによって、動きをセンシングすることを試みることができる。さらに、検出ユニットは、例えば、受信された無線周波数信号における狭周波数範囲励起として現れる可能性があり、機械的振動又は電磁干渉によって引き起こされることが多い、振動等の可能性のあるノイズ源を識別するように構成されることができる。受信された無線周波数信号におけるノイズの識別は、対象物によって反射されていない送信された無線周波数信号の低周波数スペクトルの監視に基づくことができる。とりわけ、各ネットワークデバイスは、対象物によって反射されていない自身の送信信号から生じる無線周波数信号を受信することもできる。こうして、監視された信号に突然発生することが多い狭い周波数範囲を有するこれらの監視された信号における励起された周波数が識別されることができる。結果として、このような周波数は、パッシブドップラーセンシングにおいて検出ユニットによって無視されることができる。追加的に又は代替的に、振動の監視は、受信された無線周波数信号のドップラー周波数スペクトルを解析することにより検出ユニットによって実現されることができる。例えば500ms以上の時間にわたって一定である、すなわち、周波数スペクトルにおいて動いていない狭い周波数励起は、振動として識別され、ドップラーセンシングのためにフィルタアウトされることができる。さらに、検出ユニットは、Iチャネル及びQチャネルを指す、例えば90°、位相シフトされる2つのチャネル、すなわち、チャネルc1(t)及びc2(t)を用いるように構成されることができる。これらのチャネルから、検出ユニットは、新しい信号s(t)=c1(t)+i c2(t)(iは虚数)を構築するように構成されることができる。この新しい信号の複素フーリエ変換に基づいて、ドップラーセンシングが、例えば、複素フーリエ変換の負の周波数スペクトルから正の周波数スペクトルを減算する、及び、その結果に対してドップラー解析を行うことによって行われることができる。
【0041】
一実施形態において、ネットワークはさらに、例えば、短いネットワークメッセージを交換することにより、及び、環境の時間変化を示すこれらのメッセージの振幅の変化を監視することにより、無線周波数センシングを行うように構成されることができる。このような場合、検出は、パッシブドップラーセンシングの一時的な切り替えにより、無線周波数センシングの結果を二重に確認するように構成されることができる。これは、ネットワークデバイスのデフォルトの動作モードが待機電力フレンドリーであるという利点がある。
【0042】
一実施形態において、ネットワークは、5.8GHzマルチチャネルを利用するように構成されることもできる。例えば、制御ユニットは、トリガ信号を提供する、又はネットワークデバイスの1つにトリガ信号を提供させるように構成されることができ、トリガ信号に基づいて、ネットワークデバイスは、5.8GHz範囲及び24GHz範囲の2つの無線周波数信号を送信するように構成されることができる。この場合、検出ユニットは、受信された信号の両方のスペクトルを解析する、及び、重なる部分を減算するように構成されることができる。この実施形態における洞察は、動き信号は一般にスペクトルの異なる部分に現れ、斯くして、結果として生じるスペクトルに依然として存在することになるということである。これとは対照的に、振動は両方のスペクトルにおいて同様の周波数で発生し、斯くして、結果として生じるスペクトルにおいて減算によって相殺されることになる。一般に、検出デバイスは、例えば、振動源の近くに位置することに起因して、振動の影響をより多く受けることが予期される送信デバイスに低い送信信号周波数、例えば、2.4GHzを割り当てる、及び、振動の影響をより少なく受けることが予期される送信デバイスに高い送信信号周波数、例えば、60GHzを割り当てるように構成されることができる。
【0043】
場合によっては、受信された信号における振動又は特異なスパイクの存在は、温度が変化する周期と相関し、ネットワークデバイスの機械的要素が膨張及び/又は収縮する結果である。ネットワークデバイスが照明機能を含む場合、これは、とりわけ、ライトがオン又はオフされる場合に発生する。一般に、振動に起因する動き又は存在のフォールスポジティブ検出は、ライトがオンされたばかりの場合、いずれにせよ誰かが存在するはずなので、あまり問題にはならない。しかしながら、ライトがオフされたばかりの場合、このように検出されるフォールスポジティブは望ましくない。斯くして、パッシブドップラーセンシング結果又は無線周波数センシング結果のいずれにおいてもフォールスポジティブ検出を避けるために、検出ユニットは、2つのセンシングアプローチのいずれかで開始し、その後、追加的に、振動に対する検出のロバスト性を最大化し、かなりの待機電力システムを実現するために、ライトがオフされてから0~30分後等の難しいオフ期間にのみ他方のセンシングアプローチを行うように構成されることができる。
【0044】
一実施形態において、振動の影響を避けることを試みる代わりに、特に対象物の振動を検出することが望まれる可能性がある。この場合、検出ユニットは、送信デバイスを、送信デバイス自体及び/又はその視野内の対象物の機械的振動にセンシティブな送信信号周波数で無線周波数信号を送信するように制御するように構成されることができる。例えば、照明デバイスが、オフィスの天井近くにある暖房換気空調(HVAC)ギアの振動を監視するために使用されることができる。この例では、HVAC機器の振動の突然の増加は、近傍の照明デバイスの振動につながり得、差し迫ったHVAC機器の故障を示す。上述したシステムは、このような振動イベントを監視するために採用されることができる。別の例示的なアプリケーションでは、検出デバイスは、コンベヤベルト等、機械の稼働時間を監視するために、また、例えば、機械の部品の差し迫った損傷を示す機械の振動パターンの変化を監視するために、任意選択的に追加の無線周波数センシングと共に、パッシブドップラーセンシングを採用するように構成されることができる。このような監視に基づき、保守が、機械のより深刻な損傷及び予定外のダウンタイムを避けるために事前対応的にスケジュールされることができる。
【0045】
一実施形態において、制御ユニットは、2つの異なるデバイスのペアが動きについて環境を監視するように割り当てられるように、送信デバイス及び受信デバイスを選択するように構成されることができ、両方のデバイスペアは、オーバーラップするセンシング視野を有する。制御ユニットは、例えば、5GHz WiFi範囲の送信信号周波数を使用するように第1のペアを制御し、60GHz WiFi範囲の送信信号周波数を使用するように第2のペアを制御することができる。この場合、検出ユニットは、例えば、倉庫等で人又は荷物の転倒検出を行うために、2つのペアの受信された信号に基づいてパッシブドップラーセンシングを行うように構成されることができる。転倒は一般的に1gの加速と、それに続く約-5gの減速によって特徴づけられる。2つの異なる周波数で同時にターゲットエリアを監視することにより、転倒検出を監視する及び人の存在を監視することが可能である。例えば、物体の転倒は、5.8GHzデバイスペアの受信信号のスペクトルにおいて可視である大きな周波数差をもたらすことが多いため、検出ユニットは、転倒検出のために5.8GHz信号を利用するように構成されることができる。例えば、呼吸をセンシングすることにより、人間の存在を監視するために、検出ユニットは、より高分解能の周波数スペクトルを提供する傾向があるより高い周波数を利用するように構成されることができる。さらに、硬い物体が床に落ちる場合、当該物体は、床に強くぶつかった後に短時間振動する。斯くして、検出ユニットは、例えば、倉庫の棚/フォークリフトから落下したばかりの物体の振動を監視して、物体が床にどの程度の強さでぶつかったかを評価するように構成されることもできる。
【0046】
図2は、対象物の運動を検出するための方法を概略的且つ例示的に示している。方法200は、少なくとも2つの無線周波数デバイス、例えば、図1に示される無線周波数デバイス120、130を、少なくとも2つのデバイスのうちの少なくとも1つが、送信信号周波数で無線周波数信号、例えば、無線周波数信号121を送信する送信デバイスであるように、及び、少なくとも2つの無線周波数デバイス120、130のうちの少なくとも1つが、対象物の送信された無線周波数信号の反射から生じる無線周波数信号、例えば、無線周波数信号131を受信する受信デバイスであるように制御する第1のステップ210を含む。さらなるステップ220において、方法は、例えば、次のステップ230で使用されるために、無線周波数信号が送信された送信信号周波数を提供することを含む。ステップ230において、対象物の動きが、例えば、上記で説明した原理に従って、受信された無線周波数信号及び提供された送信信号周波数に基づいてパッシブドップラーセンシングを行うことによって検出される。
【0047】
以下、ある一般的な原理について説明する。無線周波数センシングは、関心が高まっている技術である。基本的な考え方は、ワイヤレス無線周波数デバイスのシステムがメッセージを交換し、その振幅が監視されるというものである。振幅の変化は、トランスミッタ及びレシーバ無線周波数デバイスに近い環境の変化を示す。無線周波数センシングは、標準ワイヤレス無線周波数デバイスを利用することができる。例えば、ZigBeeデバイスは主に2.4GHz信号を使用するが、ZigBee標準は868MHzで実装されることもできる。現代のWiFiデバイスの多くは、現在2.4GHz及び5GHzの両方の信号を使用し、数年後には60GHzのWiFi信号も使用するであろう。
【0048】
近年、いわゆるパッシブドップラーセンシングが開発されている。この技術は、信号において、移動物体からの信号及びキャリア周波数の両方を認識する必要があるので困難である。しかしながら、パッシブドップラーセンシングを使用する利点は、標準的な無線周波数センシングと比較して獲得される情報の豊富さである。
【0049】
一般に、周波数が高いほど、すなわち、波長が短いほど、無線周波数信号を使用するセンシングシステムは、送信又は受信デバイスの機械的振動の影響を受けやすくなる。例えば、ネットワークデバイスである照明器具のルーバ等からの機械的振動は、大衆市場向け(mass-market)5.8GHz無線周波数センサ性能に決定的に(critically)影響を与える可能性がある。したがって、無線周波数センシングを利用する際には振動に対するロバスト性を念頭に置いてセンシングアルゴリズムを注意深く設計する必要がある。さらに、従来の予防保守は機械の問題の18%を解決するのに対し、機械の82%は、ランダム又は未知の要因に起因して故障することが知られている。従来技術はまた、82%の未知の要因は、機械の一貫した監視を通じて識別され、予防保守で対処されるのが最善であることも教示している。多くの場合、機械内のモータ自体が、計画外のダウンタイムのリスクがある場合の早期指標となることが知られている。特に、振動センサ及び温度センサは、モータ、例えば、ベルトコンベヤ用のモータの状態を明らかにすることが知られている。モータ動作を24時間追跡するために、上述した本発明に基づいて、例えば、機械の平均総使用時間を決定するために上述したような検出システムを利用した振動センシングを採用することが提案され、これは、予防保守又は定期保守のための閾値が何であるかを理解するのに役立つ。例えば、得られたデータを用いて、2500時間の使用時間という閾値はまだ許容可能であるが、計画外のダウンタイムのリスクを抑えるために、2000時間で予防保守がスケジュールされるべきであることが導出されることができる。とりわけ、上記のような検出システムは、振動センサを機械に直接取り付ける必要なく、機械の振動を監視するために利用されることができる。振動周波数及びパターンを注意深く監視することによって、例えば、モータの状態のベースラインが確立されることができ、最終的にモータの健康状態が推定されることができる。例えば、何ヶ月もの間、モータの振動レベルは、保守が必要ないように所定のベースラインと合致している。しかしながら、やがて、例えば、モータ部品が摩滅して薄くなったため、振動周波数及び/又は振幅が増加し始める。ベースラインとの差に基づいて、当該モータ部品がすぐに交換される必要があると判断されることができる。
【0050】
別のアプリケーションにおいて、検出システムは、自動照明制御に採用されることができる。自動照明制御の要件は非常に厳しいことが多い。人が入る場合にライトをオンすることは迅速であるべきであるが、誰もいない場合にライトをオンすること、すなわち、フォールスポジティブは、非常に望ましくない。あるアプリケーションにおいて、ライトの作動はまた、安全要素を有し、例えば、複数の通路がある倉庫において、2つの通路の間の交差点でライトをオンすることは、フォークリフトが交差点に近づいていることを警告する。さらに、無線周波数センシングがほとんどのアプリケーションで照明制御のために適用される場合、センシング性能はライト状態自体に依存し、例えば、ライトがオフしている場合のフォールスポジティブは、システムの非常に視覚的な誤動作、すなわち、機能不全につながるため、非常に望ましくない。上述した本発明は、照明システムを制御するために、無線周波数センシングに加えて又はその代わりに、パッシブドップラーセンシングを提供することによって、これらの問題を克服することを可能にする。
【0051】
好ましくは、パッシブドップラー送信のために、2つの異なる送信信号周波数、例えば、2.4GHz WiFi及び5GHz WiFiが、上記で詳細に述べられるように、振動に起因する誤トリガを排除するために採用される。とりわけ、オフィストロファ(office troffer)がHVACダクトに近いシステム天井に設置される又は倉庫の吊り下げ照明器具が重機の近くに置かれる等、振動の強い影響が予期されるアプリケーションにおいて、2つの送信信号周波数を使用することは有利であり得る。さらに、送信及び/又は受信デバイス自体の振動の他に、センシングシステムの視野内の物体の振動も誤トリガにつながる可能性がある。これも、上記のように送信信号周波数に2つの異なる周波数を利用することにより対処されることができる。
【0052】
さらに、振動の影響の減少を可能にするために、上述の検出システムは、ネットワークデバイスシステム、例えば、照明システムを制御するように構成されることができ、ネットワークデバイスシステムがオフ状態である場合、狭い周波数励起を無視するパッシブドップラーセンシングを適用するように構成されることができる。この文脈において、検出ユニットは、例えば、Iチャネル及びQチャネルを使用して、受信信号のフィルタリングを適用し、負の周波数から正の周波数を減算するように構成されることができる。好ましくは、照明システムにおいて、パッシブドップラーセンシングは、消灯状態において検出ユニットによって適用され、及び/又は、無線周波数センシングが人の存在等のトリガを観測した後にのみ適用される。一実施形態では、2つの異なる周波数キャリア、すなわち、2つの異なる送信信号周波数がパッシブドップラーセンシングに使用され、2つの信号間の比較が、デバイスに又はセンシングの視野内に存在する振動を識別するために行われる。比較は周波数領域で行われることができ、結果として生じるスペクトルが減算されることができる。振動はキャリア周波数に依存しない周波数で発生するが、ドップラー効果はキャリア周波数に依存する。斯くして、結果として生じるスペクトルを減算することによって、信号から振動が取り除かれることができるが、実際の動きは維持される。追加的又は代替的に、比較は、両チャネルに存在するエネルギを比較することにより時間領域で行われることができる。両チャネルが所定の閾値を十分に超える場合にのみ、さらなる動き解析が行われる。
【0053】
好ましくは、パッシブドップラーセンシングは、デバイスのクールダウンフェーズ中に行われる。デバイスのクールダウンフェーズにおいて、デバイスによって発せられるマイクロ波キャリア周波数は、キャリアシフトに起因して近くの無線周波数センサと干渉する可能性がある。したがって、第1のライトのペアは、無線周波数領域でセンシングを行う近隣の第2のライトのペアとは異なるキャリア周波数、すなわち、送信信号周波数を持つことが意図されている一方、第1のライトのペアの温度変化に起因して、第1のライトのペアのキャリア周波数が変化し、第2のライトのペアのキャリア周波数と同じ周波数になる可能性がある。したがって、第1及び第2のライトのペアのセンシングが互いに干渉する可能性がある。しかしながら、これは、一度に、1つのチャネル、すなわち、送信信号周波数にしか起こらない。斯くして、複数の異なる送信信号周波数に基づいてパッシブドップラーセンシングを行うことは、この問題を識別し、回避するのに役立つことができる。この実施形態は、デバイスのオンフェーズに適用されることもできる。
【0054】
一実施形態では、無線周波数信号の送信は、不要なワイヤレススモッグ(unwanted wireless smog)を減らすと共にエネルギを節約するために、デバイスの機能、例えば、ライトがかなりの時間、例えば、30分以上オフにされた場合にオフされることが好ましい。
【0055】
図面、本開示、及び添付の請求項の検討によって、開示される実施形態に対する他の変形形態が、当業者により理解されることができ、また、特許請求される発明を実施する際に実行されることができる。
【0056】
請求項では、単語「含む」は、他の構成要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数を排除するものではない。
【0057】
単一のユニット又はデバイスが、請求項において列挙される、いくつかの項目の機能を果たしてもよい。特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0058】
1つ又は複数のユニット又はデバイスによって実行される、少なくとも2つのデバイスの制御、送信無線周波数信号の提供、動きの検出等のプロシージャは、任意の他の数のユニット又はデバイスによって実行されることができる。これらのプロシージャは、コンピュータプログラムのプログラムコード手段として、及び/又は専用ハードウェアとして実装されることができる。
【0059】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に、又は他のハードウェアの一部として供給される、光学記憶媒体又は固体媒体等、好適な媒体において記憶/頒布されてもよいが、インターネット又は他の有線若しくは無線電気通信システム等を介して、他の形態で頒布されてもよい。
【0060】
請求項中のいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0061】
本発明は、無線周波数信号を送信及び受信するように構成される少なくとも2つのデバイスを利用することにより対象物の動きを検出するための検出システムに関する。システムは、少なくとも2つのデバイスを、少なくとも2つのデバイスのうちの少なくとも1つが、送信信号周波数で無線周波数信号を送信する送信デバイスであるように、及び、少なくとも2つのデバイスのうちの少なくとも1つが、対象物の送信された無線周波数信号の反射を示す無線周波数信号を受信する受信デバイスであるように制御するための制御ユニットと、無線周波数信号が送信された送信信号周波数を提供するための信号周波数提供ユニットと、受信された無線周波数信号及び提供された送信信号周波数に基づいてパッシブドップラーセンシングを行うことにより対象物の動きを検出するための検出ユニットとを含む。
図1
図2
【国際調査報告】