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特表2024-504072第1および第2の通信デバイスならびに通信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】第1および第2の通信デバイスならびに通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04J 13/12 20110101AFI20240123BHJP
   H04B 7/06 20060101ALI20240123BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20240123BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20240123BHJP
【FI】
H04J13/12
H04B7/06 984
H04L27/26 114
H04W16/28 130
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541573
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(85)【翻訳文提出日】2023-08-30
(86)【国際出願番号】 EP2021086467
(87)【国際公開番号】W WO2022152501
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】21151629.9
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベレンスエラ ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ハンデ トーマス
(72)【発明者】
【氏名】チオキナ-カー ダナ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA03
5K067AA23
5K067CC02
5K067CC04
5K067DD03
5K067KK03
(57)【要約】
【課題】受信機における検出、チャネル推定、および干渉の抑制を改善し、対応する通信デバイスおよび通信方法を提供することを目的とする。また、上記通信方法を実施するための、対応するコンピュータプログラムおよび非一時的コンピュータ可読記録媒体を提供する。
【解決手段】
第2の通信デバイスにデータを送信するように構成された第1の通信デバイスは、第2の数の相互直交シーケンスを生成し、各々がペイロードデータを伝送する1つ以上の第3の数の空間ストリームを生成し、各々が上記相互直交シーケンスのうちの特定の直交シーケンスに加えて、1つ以上のゼロおよび/または上記特定の直交シーケンスのサブセットを含む第4の数の送信トレーニングシーケンスを生成し、各々が複数のトーンにまたがる第1の数のトレーニングシンボルに上記送信トレーニングシーケンスをマッピングすることによって、トレーニングフィールドを生成し、上記トレーニングフィールドを上記空間ストリームのペイロードの前および/または上記ペイロード間に配置して、上記第2の通信デバイスによるチャネル推定を可能にするように構成された回路を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2の通信デバイスにデータを送信するように構成された第1の通信デバイスであって、
第2の数の相互直交シーケンスを生成し、
各々がペイロードデータを伝送する1つ以上の第3の数の空間ストリームを生成し、
各々が前記相互直交シーケンスのうちの特定の直交シーケンスに加えて、1つ以上のゼロおよび/または前記特定の直交シーケンスのサブセットを含む第4の数の送信トレーニングシーケンスを生成し、
各々が複数のトーンにまたがる第1の数のトレーニングシンボルに前記送信トレーニングシーケンスをマッピングすることによって、トレーニングフィールドを生成し、
前記トレーニングフィールドを前記空間ストリームのペイロードの前および/または前記ペイロード間に配置して、前記第2の通信デバイスによるチャネル推定を可能する
ように構成された回路を具備し、
前記トレーニングシンボルの第1の数は、前記送信トレーニングシーケンスの長さに等しく、
前記トレーニングシンボルの第1の数は、前記空間ストリームの第3の数よりも大きくなるように設定され、かつ/あるいは、前記直交シーケンスの第2の数は、前記空間ストリームの第3の数よりも大きくなるように設定され、
前記送信トレーニングシーケンスの第4の数は、前記空間ストリームの第3の数以上に設定される
第1の通信デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の第1の通信デバイスであって、
前記回路は、前記第1の数のトレーニングシンボル、前記第2の数の直交シーケンス、前記第3の数の空間ストリーム、前記第4の数の送信トレーニングシーケンス、ゼロの存在、数、および/または位置、および/または前記送信トレーニングシーケンスにおける前記特定の直交シーケンスの前記サブセットで表される複製された要素のうちの1つ以上を示す第1のシグナリング情報を送信するように構成される
第1の通信デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載の第1の通信デバイスであって、
前記回路は、前記第2の通信デバイスから第2のシグナリング情報を取得するように構成され、前記第2のシグナリング情報は、前記第1の数のトレーニングシンボルおよび/または前記第2の数の直交シーケンスを増加させるべきか減少すべきかを示す
第1の通信デバイス。
【請求項4】
請求項3に記載の第1の通信デバイスであって、
前記回路は、前記第2のシグナリング情報として、トレーニングシンボルの最大数、干渉インジケータ、干渉マージン、ならびに追加または削除するトレーニングシンボルおよび/または直交シーケンスの数のうちの1つ以上を取得する
第1の通信デバイス。
【請求項5】
請求項1に記載の第1の通信デバイスであって、
前記回路は、前記送信トレーニングシーケンスにおける特定の直交シーケンスの最初、最後、および/または非ゼロ要素の間に1つ以上のゼロを追加するように構成される
第1の通信デバイス。
【請求項6】
請求項5に記載の第1の通信デバイスであって、
前記回路は、前記送信トレーニングシーケンスにおいて連続的に配置されたゼロの数を、前記連続的に配置されたゼロの時間長がフレーム間スペースよりも短くなるように制限するように構成される
第1の通信デバイス。
【請求項7】
請求項1に記載の第1の通信デバイスであって、
前記回路は、前記送信トレーニングシーケンスに1つ以上の複製された要素を追加するように構成され、前記複製された要素にマッピングされた前記トレーニングシンボルの前記トーンは、元の直交シーケンスの対応する要素のトーンと比較して周波数がシフトされる
第1の通信デバイス。
【請求項8】
請求項7に記載の第1の通信デバイスであって、
前記回路は、予約トーン領域および/または元のトレーニングシンボルの周期性を変更しないようにトーンシフトを実行するように構成される
第1の通信デバイス。
【請求項9】
請求項7に記載の第1の通信デバイスであって、
前記回路は、前記送信トレーニングシーケンスの複製された要素にトーンシフトが適用されるかどうか、およびどのトーンシフトが適用されるかを示す第1のシグナリング情報を送信するように構成される
第1の通信デバイス。
【請求項10】
請求項7に記載の第1の通信デバイスであって、
前記回路は、前記第2の通信デバイスから第2のシグナリング情報を取得するように構成され、前記第2のシグナリング情報は、トーンシフトを変更することを示す
第1の通信デバイス。
【請求項11】
請求項1に記載の第1の通信デバイスであって、
前記回路は、要素ごとおよび/またはトーンごとに、前記送信トレーニングシーケンスに前記トレーニングシンボルを乗算することによって、前記トレーニングフィールドを生成するように構成される
第1の通信デバイス。
【請求項12】
請求項1に記載の第1の通信デバイスであって、
前記回路は、特定の直交シーケンスによって空間ストリームを識別し、前記トレーニングフィールドは、特定の直交シーケンスでマッピングされたトレーニングシンボルの第3の数の特定のセットを含み、トレーニングシンボルおよび各空間ストリームのペイロードデータの対応するセットを多入力多出力(MIMO)技術を使用して直接または間接的に送信アンテナにマッピングするように構成される
第1の通信デバイス。
【請求項13】
第1の通信デバイスからデータを受信するように構成された第2の通信デバイスであって、
各々が複数のトーンにまたがる第1の数のトレーニングシンボルを含み、前記第1の通信デバイスから受信した、各々がペイロードデータを伝送する1つ以上の第3の数の空間ストリームのペイロードの前および/または前記ペイロード間に配置されたトレーニングフィールドの少なくとも一部に基づいて、前記第1の通信デバイスおよび前記第2の通信デバイス間の1つ以上のチャネルの1つ以上の所期のチャネル観測値を取得し、前記トレーニングフィールドの前記トレーニングシンボルにマッピングされた第4の数の送信トレーニングシーケンスに第2の数の相互直交シーケンスが含まれ、
前記トレーニングフィールドの他の部分に基づいて、1つ以上の潜在干渉チャネルの干渉チャネル推定を行い、
前記干渉チャネル推定から得られる干渉チャネル推定情報に基づいて、干渉抑制を行う
ように構成された回路を具備し、
前記トレーニングシンボルの第1の数は、前記送信トレーニングシーケンスの長さに等しく、
前記トレーニングシンボルの第1の数は、前記空間ストリームの第3の数より大きく、かつ/あるいは、前記直交シーケンスの第2の数は、前記空間ストリームの第3の数より大きく、
前記送信トレーニングシーケンスの第4の数は、前記空間ストリームの第3の数以上に設定される
第2の通信デバイス。
【請求項14】
請求項13に記載の第2の通信デバイスであって、
前記回路は、前記トレーニングシンボルにマッピングされた前記直交シーケンスから前記所期のチャネル観測値を抽出することによって、前記トレーニングフィールドの一部から前記所期のチャネル観測値を取得し、前記取得した所期のチャネル観測値に基づいて前記1つ以上のチャネルの所期のチャネル推定を実行して前記干渉チャネル推定を改良するように構成され、かつ/あるいは、前記トレーニングフィールドの他の部分に基づいて干渉チャネル観測値を取得し、前記取得した干渉チャネル観測値に基づいて前記1つ以上の潜在干渉チャネルの干渉チャネル推定を実行するように構成される
第2の通信デバイス。
【請求項15】
請求項13に記載の第2の通信デバイスであって、
前記回路は、1つ以上のゼロおよび/または特定の直交シーケンスに加えて、前記送信トレーニングシーケンスに含まれる前記特定の直交シーケンスのサブセットから前記干渉チャネル観測値を抽出することによって、前記トレーニングフィールドの他の部分から前記干渉チャネル観測値を取得するように構成される
第2の通信デバイス。
【請求項16】
請求項13に記載の第2の通信デバイスであって、
前記回路は、前記第1の通信デバイスから第1のシグナリング情報を受信するように構成され、前記第1のシグナリング情報は、前記第1の数のトレーニングシンボル、前記第2の数の直交シーケンス、ゼロの存在、数、および/または位置、および/または前記送信トレーニングシーケンスにおける特定の直交シーケンスのサブセットで表される複製された要素、ならびに前記送信トレーニングシーケンスの複製された要素にトーンシフトが適用されるかどうか、およびどのトーンシフトが適用されるかのうちの1つ以上を示し、かつ/あるいは、第2のシグナリング情報を送信するように構成され、前記第2のシグナリング情報は、前記第1の数のトレーニングシンボルおよび/または前記第2の数の直交シーケンスを増加させるべきか減少すべきかを示す
第2の通信デバイス。
【請求項17】
請求項13に記載の第2の通信デバイスであって、
前記回路は、サイレント期間の場合、ペイロードデータを破棄せずに受信処理を継続するように構成され、かつ/あるいは、受信した空間ストリームからデータを復号するように構成される
第2の通信デバイス。
【請求項18】
第2の通信デバイスにデータを送信するように構成された第1の通信方法であって、
第2の数の相互直交シーケンスを生成し、
各々がペイロードデータを伝送する1つ以上の第3の数の空間ストリームを生成し、
各々が前記相互直交シーケンスのうちの特定の直交シーケンスに加えて、1つ以上のゼロおよび/または前記特定の直交シーケンスのサブセットを含む第4の数の送信トレーニングシーケンスを生成し、
各々が複数のトーンにまたがる第1の数のトレーニングシンボルに前記送信トレーニングシーケンスをマッピングすることによって、トレーニングフィールドを生成し、
前記トレーニングフィールドを前記空間ストリームのペイロードの前および/または前記ペイロード間に配置して、前記第2の通信デバイスによるチャネル推定を可能にし、
前記トレーニングシンボルの第1の数は、前記送信トレーニングシーケンスの長さに等しく、
前記トレーニングシンボルの第1の数は、前記空間ストリームの第3の数よりも大きくなるように設定され、かつ/あるいは、前記直交シーケンスの第2の数は、前記空間ストリームの第3の数よりも大きくなるように設定され、
前記送信トレーニングシーケンスの第4の数は、前記空間ストリームの第3の数以上に設定される
第1の通信方法。
【請求項19】
第1の通信デバイスからデータを受信するように構成された第2の通信方法であって、
各々が複数のトーンにまたがる第1の数のトレーニングシンボルを含み、前記第1の通信デバイスから受信した、各々がペイロードデータを伝送する1つ以上の第3の数の空間ストリームのペイロードの前および/または前記ペイロード間に配置されたトレーニングフィールドの少なくとも一部に基づいて、前記第1の通信デバイスおよび前記第2の通信デバイス間の1つ以上のチャネルの1つ以上の所期のチャネル観測値を取得し、前記トレーニングフィールドの前記トレーニングシンボルにマッピングされた第4の数の送信トレーニングシーケンスに第2の数の相互直交シーケンスが含まれ、
前記トレーニングフィールドの他の部分に基づいて、1つ以上の潜在干渉チャネルの干渉チャネル推定を行い、
前記干渉チャネル推定から得られる干渉チャネル推定情報に基づいて、干渉抑制を行い、
前記トレーニングシンボルの第1の数は、前記送信トレーニングシーケンスの長さに等しく、
前記トレーニングシンボルの第1の数は、前記空間ストリームの第3の数より大きく、かつ/あるいは、前記直交シーケンスの第2の数は、前記空間ストリームの第3の数より大きく、
前記送信トレーニングシーケンスの第4の数は、前記空間ストリームの第3の数以上に設定される
第2の通信方法。
【請求項20】
プロセッサによって実行されるときに、請求項18または19に記載の第2の通信方法を実行させるコンピュータプログラム製品を記憶する非一時的コンピュータ可読記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、相互に通信するように構成された第1および第2の通信デバイス並びに通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の送信機が同時に同じ周波数でチャネルにアクセスすると、無線通信は干渉を受ける。WLANなどの分散アクセス技術では、送信機がチャネルをめぐって競合し、衝突が起こる可能性がある。さらに、高密度のステーション(STA)およびアクセスポイント(AP)が存在するシナリオでは、基本サービスセット(BSS)が重複し、不要な干渉が起こる可能性がある。また、WLANは無認可スペクトルで動作し、これは他の技術の他の送信機が同じ無線チャネルを使用できることを意味する。これらの理由により、STAとAPとの間、またはAPとSTAとの間の通信中に干渉が起こり、通信の中断につながる可能性がある。すなわち、受信機は情報をデコードできず、送信機はメッセージを再送信する必要があるため、信頼性が低下するだけでなく、スループットが低下し、レイテンシが増加する。
【0003】
本明細書で提供する「背景」の説明は、本開示の文脈を概略的に提示することを目的とする。本発明者らの研究は、この背景の欄に記載されている限りにおいて、出願時に先行技術として認められない説明の態様と同様に、本開示に対する先行技術として明示的にも暗示的にも認められない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
受信機における検出、チャネル推定、および干渉の抑制を改善し、対応する通信デバイスおよび通信方法を提供することを目的とする。また、上記通信方法を実施するための、対応するコンピュータプログラムおよび非一時的コンピュータ可読記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様によれば、第2の通信デバイスにデータを送信するように構成された第1の通信デバイスであって、第2の数の相互直交シーケンスを生成し、各々がペイロードデータを伝送する1つ以上の第3の数の空間ストリームを生成し、各々が上記相互直交シーケンスのうちの特定の直交シーケンスに加えて、1つ以上のゼロおよび/または上記特定の直交シーケンスのサブセットを含む第4の数の送信トレーニングシーケンスを生成し、各々が複数のトーンにまたがる第1の数のトレーニングシンボルに上記送信トレーニングシーケンスをマッピングすることによって、トレーニングフィールドを生成し、上記トレーニングフィールドを上記空間ストリームのペイロードの前および/または上記ペイロード間に配置して、上記第2の通信デバイスによるチャネル推定を可能にするように構成された回路を備え、上記トレーニングシンボルの第1の数は、上記送信トレーニングシーケンスの長さに等しく、上記トレーニングシンボルの第1の数は、上記空間ストリームの第3の数よりも大きくなるように設定され、かつ/あるいは、上記直交シーケンスの第2の数は、上記空間ストリームの第3の数よりも大きくなるように設定され、上記送信トレーニングシーケンスの第4の数は、上記空間ストリームの第3の数以上に設定される第1の通信デバイスが提供される。
【0006】
別の態様によれば、第1の通信デバイスからデータを受信するように構成された第2の通信デバイスであって、各々が複数のトーンにまたがる第1の数のトレーニングシンボルを含み、上記第1の通信デバイスから受信した、各々がペイロードデータを伝送する1つ以上の第3の数の空間ストリームのペイロードの前および/または上記ペイロード間に配置されたトレーニングフィールドの少なくとも一部に基づいて、上記第1の通信デバイスおよび上記第2の通信デバイス間の1つ以上のチャネルの1つ以上の所期のチャネル観測値を取得し、上記トレーニングフィールドの上記トレーニングシンボルにマッピングされた第4の数の送信トレーニングシーケンスに第2の数の相互直交シーケンスが含まれ、上記トレーニングフィールドの他の部分に基づいて、1つ以上の潜在干渉チャネルの干渉チャネル推定を行い、上記干渉チャネル推定から得られる干渉チャネル推定情報に基づいて、干渉抑制を行うように構成された回路を備え、上記トレーニングシンボルの第1の数は、上記送信トレーニングシーケンスの長さに等しく、上記トレーニングシンボルの第1の数は、上記空間ストリームの第3の数より大きく、かつ/あるいは、上記直交シーケンスの第2の数は、上記空間ストリームの第3の数より大きく、上記送信トレーニングシーケンスの第4の数は、上記空間ストリームの第3の数以上に設定される第2の通信デバイスが提供される。
【0007】
さらに別の態様によれば、コンピュータ上で実行されるときに、本明細書に開示する方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム手段を含むコンピュータプログラム、およびプロセッサによって実行されるときに、本明細書に開示する方法を実行させるコンピュータプログラム製品を記憶する非一時的コンピュータ可読記録媒体が提供される。
【0008】
諸実施形態は、従属請求項で定義される。開示される通信方法、開示されるコンピュータプログラム、および開示されるコンピュータ可読記録媒体は、特許請求の範囲に記載された通信デバイスならびに従属請求項において定義され、かつ/あるいは、本明細書に開示されたものと同様および/または同一のさらなる実施形態を有することが理解されよう。
【0009】
本開示の態様の1つは、受信機(すなわち、第2の通信デバイス)が干渉チャネルの観測値を取得できるようにすることである。その結果、本開示により、所期の送信機の低いシグナリングオーバーヘッドおよび高いチャネル推定品質が維持される。
【0010】
この文脈において、「所期の送信機」および「所期のSTA」という用語は、受信機(例えば、他のステーションまたはAP;本開示において「第2の通信デバイス」と呼ばれる)がデコードしたい信号を送信するデバイス(本開示において「第1の通信デバイス」とも呼ばれる)を指す。これは、データユニット、例えば、所期の送信機から送信されたPHYプロトコルデータユニット(PPDU;本開示において、一般に、「データユニット」とも呼ばれる)について、受信機が同期を達成し、トレーニングフィールドに先行する可能性のあるシグナリングフィールドをデコードできることを意味する。「干渉送信機」または「干渉機」(本開示において、「第3の通信デバイス」とも呼ばれる)は、所期の送信機と受信機との間の通信を妨害する信号を送信している他のデバイス(例えば、STAまたはAP)を指す。
【0011】
本開示により、現在の標準実装と比較して受信機におけるチャネル観測値の数を増加させるサウンディング法を設計することで、受信機における干渉検出、干渉チャネル推定、および干渉抑制が可能となる。(例えば、送信トレーニングシンボルにゼロを追加することで、または、送信トレーニングシーケンスに1つ以上のゼロを追加することで)サイレントシンボルを追加すること、および(例えば、送信トレーニングシンボルに複製された要素を追加することで、または、送信トレーニングシーケンスのサブセットを追加することで)より多くのトレーニングシンボルを追加することを含む、チャネル観測値の数を増加させるための異なる実施形態を開示する。これらの変形例により、受信機は、干渉存在下におけるデコーディング性能を高めることが可能となり、信頼性を高め、データ再送信の数を減らすことができる。データ再送信の数が減ると、レイテンシが短縮され、スループットが向上する。
【0012】
上述の段落は、概略紹介として提供されたものであり、特許請求の範囲を限定することを意図したものではない。記載された諸実施形態は、さらなる利点とともに、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参酌することにより、最もよく理解されるであろう。
【0013】
本開示のより完全な理解とそれに付随する利点の多くは、添付の図面と併せて考慮すると、以下の詳細な説明を参酌することによってよりよく理解されるので、容易に得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、WLAN 802.11 ax修正で定義される異なる3つのHE-LTFタイプを示す図である。
図2図2は、4つの空間ストリームによる直交シーケンスマッピングの例を示す図である。
図3図3は、WLAN 802.11 axに記載されているサウンディングフィールドを生成するための生成器の概略図である。
図4図4は、通信デバイス間におけるデータ交換ごとにトレーニングシンボルの数を動的に調整する方法のフローチャートである。
図5図5は、本開示に係る第1の通信デバイスと第2の通信デバイスとを含む通信システムを示す図である。
図6図6は、本開示の一実施形態に係る第1の通信デバイスの第1の通信方法のフローチャートである。
図7図7は、本開示の一実施形態に係る第2の通信デバイスの第2の通信方法のフローチャートである。
図8A図8Aは、サウンディングフィールドに追加される複数のサイレント期間を使用する実施形態を示す図である。
図8B図8Bは、サウンディングフィールドに追加される複数のサイレント期間を使用する実施形態を示す図である。
図8C図8Cは、サウンディングフィールドに追加される複数のサイレント期間を使用する実施形態を示す図である。
図8D図8Dは、サウンディングフィールドに追加される複数のサイレント期間を使用する実施形態を示す図である。
図8E図8Eは、サウンディングフィールドに追加される複数のサイレント期間を使用する実施形態を示す図である。
図9図9は、サウンディングフィールドに追加される複製シンボルを使用する実施形態を示す図である。
図10図10は、複製された列を含む行列である。
図11図11は、図9に示すサウンディングフィールドを生成するための生成器の概略図である。
図12図12は、WLAN 802.11 ax規格で定義される直交シーケンスマッピング行列である。
図13図13は、本開示の他の実施形態に係る第1の通信デバイスの第1の通信方法のフローチャートである。
図14図14は、本開示の他の実施形態に係る第2の通信デバイスの第2の通信方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
WLAN 802.11規格によれば、送信機は、送信された情報の冗長性のレベルを制御するために、変調符号化方式(MOS)をチャネル状態に適応させることができる。これにより、スループットの低下およびレイテンシの増加と引き換えに、干渉に対する堅牢性を確保することができる。
【0016】
MIMO技術は、数十年前からWLANに組み込まれており、大きなオーバーヘッドを追加することなく信号処理を通じて干渉に対処する可能性をもたらす。受信機が複数のアンテナを備えている場合、送信機から送信されたサウンディング信号を使用してチャネルを推定し、1つまたは複数の他の(すなわち、サードパーティの)送信機から送信された異なる空間ストリーム間の干渉を抑制することができる。
【0017】
WLANにおける主な制限は、所期の送信機のみがサウンディング信号を送信することである。衝突や外部ソースにより意図しない送信機から干渉が発生した場合、進行中の送信における干渉の存在を検出したり、干渉チャネルを推定したりするためのサウンディング信号や手順は確立されていない。
【0018】
最新のWLAN 802.11 ax修正におけるサウンディング信号は、高効率ロングトレーニングフィールド(HE-LTF)と呼ばれる。これらの信号は、PHYプロトコルデータユニット(PPDU)のプリアンブル内に追加されるか、あるいは、高速チャネル変動に対処するために所与の周期で挿入されるミッドアンブルとしてPPDU間に追加される。
【0019】
ここで図面を参照すると、いくつかの図を通して同様の参照番号は同一または対応する部分を指し、図1は、WLAN 802.11ax修正で定義される3つの異なるHE-LTFタイプ1、2、および3を示す図である。各HE-LTFは、使用するチャネルの帯域幅にわたる多くのトーンから構成される1つのOFDMシンボル(本明細書において、「トレーニングシンボル」または「HE-LTFシンボル」とも呼ばれる)に対応する。HE-LTFシンボルには、持続時間および満たされたトーンの数が異なる3つのタイプ1、2、および3、すなわち、各トレーニングシンボルの3.2μsの持続時間を有する第1のタイプ1(図1Aに示す1xHE-LTFと呼ばれる)、各トレーニングシンボルの6.4μsの持続時間を有する第2のタイプ2(図1Bに示す2xHE-LTFと呼ばれる)、および各トレーニングシンボルの12.8μsの持続時間を有する第3のタイプ3(図1Cに示す3xHE-LTFと呼ばれる)がある。より多くのトーンが満たされるほど、各HE-LTFシンボルは長くなる。HE-LTFシンボルの数はNHE-LTFで示され、以下の式1を満たすようにNstsで示される空間ストリームの総数に基づいて選択される。
【0020】
【数1】
【0021】
図1にも示すように、トレーニングシンボル1、2、および3のそれぞれは、「0」に設定された予約トーン、「0」に設定された空のLTFトーン、および「+1」または「-1」に設定された空でないLTFトーンを多数有する。
【0022】
HE-LTF信号のこれらの設計に基づいて、受信機は、空でない各トーンで、当該受信機と送信機間のMIMOチャネルを推定することができる。空のトーンに対応するチャネル推定値は、本開示の範囲外で実装依存であるが、当業者には一般的に知られている補間技術を通じて計算される。空でないデータトーンごとに、NHE-LTF個のシンボルの間に送信機によって送信された長さNHE-LTFの直交シーケンスに基づいて、受信機でMIMOチャネル推定値が計算される。これらの直交シーケンスは、PHE-LTF(本明細書において、直交シーケンスマッピング行列またはHE-LTFマッピング行列とも呼ばれる)で示される正方行列(すなわち、行と列の数が等しい行列)に格納され、各空間ストリームには、NHE-LTF=4の場合について図2および図3に示すように、送信対象のこの行列の行が割り当てられる。
【0023】
図2は、4つの空間ストリーム(SS)による直交シーケンスマッピングの例を示す図である。この文脈において、「直交」という用語は、PHE-LTFの異なる行の行列乗算がゼロであることを意味する。したがって、受信機は、空間ストリーム間の干渉を生じることなく、当該受信機と送信機によって送信された各空間ストリームとの間のチャネルの観測値を取得することができる。
【0024】
【数2】
【0025】
より詳細には、この場合、トレーニングシンボルはHE-LTFと呼ばれる。最初に、以下のパラメータ、すなわち、HE-LTFトーンシーケンス(HELTF)、HE-LTFシンボルの数(NHE-LTF)、および空間ストリームの数(Nsts)が選択される。直交シーケンスは、相互に直交する行から構成される正方PHE-LTF行列(すなわち、行と列の数が等しい行列)の行として取得される。各直交シーケンスにおける要素の数は、NHE-LTFに等しい。各空間ストリームには、直交シーケンスが割り当てられる。各トーン(kでインデックスされ、すべてのトーンについて同じ手順である)について、各直交シーケンスは、乗算モジュール41において対応するHE-LTFトーンシーケンスと乗算される。これにより、空間ストリームごとにNHE-LTF個のHE-LTFシンボルが生成される。例えば、Nsts=2、NHE-LTF=2の場合、以下の式3が成り立つ。
【0026】
【数3】
【0027】
複数の空間ストリームを送信するときの意図しないビームフォーミング効果を回避するために各空間ストリームの信号に巡回時間シフトを導入する巡回シフトダイバーシティ(CSD)モジュール42における巡回シフトの後、すべての空間ストリームからのシンボルは、結合モジュール43において行列乗算によってQ行列と結合され、各送信アンテナによって送信されるシンボルを生成する。Q行列は、送信アンテナ(NTX)45の数と同じ数の行と、空間ストリーム(Nsts)と同じ数の列とを有する。トーンのサブセットごとに異なるQ行列を選択できるが、マッピング手順は変わらないことに留意されたい。トーンごとに、空間ストリーム(Nsts)と同じ数の行とHE-LTFシンボルの数(NHE-LTF)と同じ数の列とを有する行列Aでトレーニングシンボルを表すことができることが分かる。
【0028】
各逆離散フーリエ変換(IDFT)モジュール44および各送信アンテナ45の送信シンボルは、行列乗算QAの結果の行から読みだされる。上述の例に従い、NTX=2であり、各空間ストリームが1つのアンテナに割り当てられる直接空間マッピング、すなわち、Qが単位行列であると仮定すると、以下の式4が成り立つ。
【0029】
【数4】
【0030】
アンテナごとのトレーニングシンボルの送信は、以下のとおりである。
【0031】
【数5】
【0032】
【数6】
【0033】
受信機で推定できるチャネルの最大数は、PHE-LTFの行数、すなわち、WLAN 802.11 ax修正におけるHE-LTFシンボルの数NHE-LTFによって制限される。これは、干渉チャネルなど、空間ストリームの数Nstsよりも多くのチャネルを検出および推定するには、PHE-LTFのサイズを大きくする必要があることを意味する。
【0034】
MIMO処理で干渉信号を抑制するには、受信機が干渉チャネルの推定値を取得する必要がある。これは、所期のSTAが存在しない状態で干渉を観測することを意味する。しかしながら、これはWLAN 802.11 axの現在の実装では不可能である。HE-LTFシンボルの数が、ほとんどの場合、空間ストリームの数と一致するように設計されているからである。さらに、干渉チャネルの良好な推定値を取得するには、いくつかの観測値が必要であり、未使用のHE-LTFシンボルの最大数は1である。
【0035】
本開示は、現在の標準実装と比較してチャネル観測値の数を増加させる新しいサウンディング法を設計することによって、受信機における干渉検出、干渉チャネル推定、および干渉抑制を可能にすることを目的とする。したがって、この目的のために、修正されたHE-LTF信号に基づいて構築される拡張ロングトレーニングフィールド(E-LTF)が想定される。このような修正のためのいくつかの実施形態を以下に説明する。
【0036】
【数7】
【0037】
E-LTF信号を生成するために、いくつのE-LTFシンボルを送信するかが定義されている。WLAN 802.11ax修正では、HE-LTFシンボルの数は、空間ストリームの数にのみ基づいて選択される。一方、本開示によれば、E-LTFシンボルの数は、時間オーバーヘッドとMIMO干渉抑制のパフォーマンスとのバランスを取るために選択される。したがって、提案されたサウンディング法の異なる実施形態に加えて、E-LTFシンボルの数を選択する方法を以下に説明するように開示する。
【0038】
まず、最小数のE-LTFシンボルから始めて、送信できるE-LTFシンボルの境界を評価する。上述のように、Nstsで示される空間ストリームの数と少なくとも同じ数の直交シーケンス(すなわち、図2に示すPHE-LTFに置き換わるPE-LTF行列の行)を使用する。したがって、E-LTFシンボルの最小数は、Nsts×Nstsの最小数のPE-LTF行列の使用をサポートする。また、干渉の推定値を取得するには、空間ストリームの数Nstsよりも少なくとも1つ多いチャネル観測値を受信機で利用可能である必要がある。これらの条件に基づいて、NminE-LTFで示されるE-LTFシンボルの最小数を設定することができる。
【0039】
E-LTFシンボルの最大数について、以下の検討事項が当てはまる。E-LTFシンボルはチャネル推定に使用されるため、コヒーレンス時間と呼ばれる、PPDUの継続時間中、または、ミッドアンブルが送信されるまで、チャネルがほぼ静的である必要がある。これは、信号の統計的測定に基づいて、任意のデバイスで推定できる(例えば、デバイスのBSSへの関連付けプロセスの間に)。したがって、E-LTFシンボルの数は、E-LTFの継続時間がコヒーレンス時間よりも少なくとも1つのOFDMシンボルだけ短くなるような数である。
【0040】
しかしながら、実際には、時間オーバーヘッドを短くし、高スループットおよび/または低レイテンシを達成するために、データシンボルと比較して少数のトレーニングシンボルを有することが望ましい。したがって、NmaxE-LTFで示されるE-LTFの最大数は、時間オーバーヘッドを制限し、スループットおよびレイテンシの所望のパフォーマンスを達成するために、特定の受信機の実装およびチャネル条件に依存する。
【0041】
受信機におけるMIMO抑制技術のパフォーマンスは、特定の実装およびチャネル条件に依存する。したがって、それぞれの特定の状況に応じて、E-LTFシンボルの数を適応させることが望ましい。図4は、通信デバイス間におけるデータ交換ごとにE-LTFシンボルの数を動的に調整する方法100のフローチャートである。ここで、Nmarginは、各データ交換において加算または減算されるE-LTFシンボルの数であり、Δmarginは、干渉指標マージンである。
【0042】
第1のステップ101において、最初のPPDU交換の前に、送信機は、E-LTFシンボルの数を最小値NminE-LTFに設定する。そして、E-LTFシンボルの数は、過去のPPDUにおけるMIMO干渉抑制のパフォーマンスを評価した後、受信機によってなされる通知に基づいて増減することができる。受信機がE-LTFシンボルの数を増やすか減らすかを送信機に提示して、ステップ102において送信機が確認および決定できるように、応答メッセージ(例えば、AckまたはMCSフィードバック)のシグナリングフィールドにおけるインジケータを想定することができる。
【0043】
通知がない場合、時間の経過とともに平均化された干渉インジケータが、設定された最小値にマージンΔmarginを加えた値を上回っていれば(これは、ステップ103で確認される)、ステップ105において、送信機は、E-LTFの数を増やすことができる。このインジケータは、信号対干渉雑音比(SINR)、受信電力レベル、アクティブなBSSの数、および過去の衝突数等のうちの1つ以上に基づいて生成することができる。時間の経過とともに平均化された干渉インジケータが上述の値を超える場合、潜在的な干渉デバイスが多数存在することを意味し、受信機は、干渉抑制のためのE-LTFシンボルをより多く有することで利益を得るであろう。反対に、時間の経過とともに平均化された干渉インジケータが、設定された最小値からマージンΔmarginを引いた値を下回っていれば(これは、ステップ104で確認される)、潜在的な干渉の数が少ないことを意味し、したがって、E-LTFシンボルの数は、時間オーバーヘッドを減らすために、ステップ106において減らされる。
【0044】
上記の条件のいずれも満たされない場合、E-LTFシンボルの数は次の送信まで変更されないままとなる。ステップ102において確認されるように、通知がある場合、E-LTFシンボルの数は、当該通知に従って、ステップ105で増やされるか、ステップ106で減らされる。図4に示す方法をサポートするために、送信機は、例えば、PHYプリアンブルのシグナリングフィールドにインジケータを追加して、PPUDで送信されるE-LTFシンボルの数を受信機に示すことができる。NmaxE-LTF、Δmargin、およびNmarginの値および最小干渉インジケータは、受信機の実装、チャネル条件、目標とするスループット、および/またはレイテンシ制約に依存する。
【0045】
maxE-LTFについて、通常、チャネル推定を含むMIMO通信の経験則では、コヒーレンス時間の50%をトレーニングシンボルに使用する必要があると示唆されていることに留意されたい。したがって、NmaxE-LTFは、コヒーレンス時間の70%を超えてはならず、NmaxE-LTFをコヒーレンス時間の50%に設定すると、良好な結果を得られる。
【0046】
Δmarginについて、このパラメータは、通知がない場合にE-LTFの数が変更される頻度を制御することに留意されたい。ショッピングモールや空港などの非常に動的な環境では、E-LTFの数がより速いペースで適応されるように、この値を小さくすることが望ましい場合がある。反対に、民間のアパートなどのより静的な環境では、E-LTFへの不必要な変更を避けるために、Δmarginを大きな値に設定することが望ましい場合がある。正確な値に関しては、干渉インジケータがSINRまたは電力レベルに基づいている場合、Δmarginの小さな値は約3dB(係数×2を意味する)である一方、大きな値は、10から20dB(すなわち、係数×10から×100)となる。1dB未満の値は(変化を頻繁に起こしすぎるため)実現不可能であり、30dBを越えるとE-LTFはほとんど変化しないと言える。しかしながら、インジケータがBSSの数または過去の再送信の数に基づいて生成されている場合、マージンは異なる値となる。例えば、高い信頼性が望ましい場合、1回の再送信後、または近くにBSSがもう1つあるときは、E-LTFの数を変更する必要がある。一般的な範囲は、干渉インジケータを基準にして与えられる。例えば、マージンの値の範囲は、平均干渉インジケータ値の0.5倍から100倍となる。
【0047】
Δmarginについて、この数は、正の整数である必要があることに留意されたい。整数個のシンボルのみ追加できるからである。値の範囲は、1からNmaxE-LTF-1とすることができ、E-LTFの数を一度に1つ変更することも大きく変更することもできる。予備的な結果から、E-LTFの数を2倍にすると、かなりのゲインが得られることが分かった。したがって、典型的な動作は、Nmarginを以前のE-LTFの数の係数(例えば、0.5倍から2倍)に等しく設定することである。あるいは、IEEE 802.11 axで許容される空間ストリームの最大数は8であるので、典型的な動作を1から16に設定することができる。
【0048】
図5は、第2の通信デバイス20(本明細書において受信機とも呼ばれ、例えば、アクセスポイントAPを表す)と通信するための、本開示の一形態に係る第1の通信デバイス10(本明細書において所期の送信機とも呼ばれ、例えば、ステーションSTAを表す)を示す図である。第1の通信デバイス10は、第2の通信デバイス20とデータを交換(受信および/または送信)することができ、第2の通信デバイス20は、任意選択で、別の通信デバイス(例えば、図5に示されていない別のステーション)とデータを交換してもよい。この通信、特に、この通信に使用される1つ以上のチャネルは、干渉、例えば、第3の通信デバイス30(本明細書において意図しない送信機または干渉送信機とも呼ばれ、例えば、他のステーションを表す)による干渉によって妨害される可能性がある。
【0049】
通信デバイス10、20、および30は、それぞれ、特定の動作を実行するように構成された回路11、21、および31を含む。これら回路は、それぞれのプロセッサもしくはコンピュータによって、すなわち、ハードウェアおよび/またはソフトウェアとして、または、専用のユニットもしくはコンポーネントによって実装されてもよい。例えば、それぞれプログラムされたプロセッサは、それぞれの回路11、21、および31を表してもよい。
【0050】
図6は、本開示の一実施形態に係る第1の通信デバイス10の第1の通信方法200のフローチャートである。第1の通信方法200は、回路11によって実行されてもよい。第1のステップ201において、第2の数の相互直交シーケンスが生成される。第2のステップ202では、各々がペイロードデータを伝送する1つ以上の第3の数の空間ストリームが生成される。第3のステップ203では、各々が上記相互直交シーケンスのうちの特定の直交シーケンスに加えて、1つ以上のゼロおよび/または上記特定の直交シーケンスのサブセットを含む第4の数の送信トレーニングシーケンスが生成される。第4のステップ204では、各々が複数のトーンにまたがる第1の数のトレーニングシンボルに上記送信トレーニングシーケンスをマッピングすることによって、トレーニングフィールドが生成される。第5のステップ205では、上記トレーニングフィールドを上記空間ストリームのペイロードの前および/または上記ペイロード間に配置して、上記第2の通信デバイスによるチャネル推定を可能にする。これにより、上記トレーニングシンボルの第1の数は、上記送信トレーニングシーケンスの長さに等しく、上記トレーニングシンボルの第1の数は、上記空間ストリームの第3の数よりも大きくなるように設定され、かつ/あるいは、上記直交シーケンスの第2の数は、上記空間ストリームの第3の数よりも大きくなるように設定され、上記送信トレーニングシーケンスの第4の数は、上記空間ストリームの第3の数以上に設定される。
【0051】
図7は、本開示の一実施形態に係る第2の通信デバイス20の第2の通信方法300のフローチャートである。第2の通信方法300は、回路21によって実行されてもよい。第1のステップ301において、第2の通信デバイス20は、各々が複数のトーンにまたがる第1の数のトレーニングシンボルを含み、上記第1の通信デバイスから受信した、各々がペイロードデータを伝送する1つ以上の第3の数の空間ストリームのペイロードの前および/または上記ペイロード間に配置されたトレーニングフィールドの少なくとも一部に基づいて、上記第1の通信デバイスおよび上記第2の通信デバイス間の1つ以上のチャネルの1つ以上の所期のチャネル観測値を取得し、上記トレーニングフィールドの上記トレーニングシンボルにマッピングされた第4の数の送信トレーニングシーケンスに第2の数の相互直交シーケンスが含まれる。第2のステップ302において、上記トレーニングフィールドの他の部分に基づいて、1つ以上の潜在干渉チャネルの干渉チャネル推定を行う。第3のステップ303において、上記干渉チャネル推定から得られる干渉チャネル推定情報に基づいて、干渉抑制を行う。これにより、上記トレーニングシンボルの第1の数は、上記送信トレーニングシーケンスの長さに等しく、上記トレーニングシンボルの第1の数は、上記空間ストリームの第3の数より大きく、かつ/あるいは、上記直交シーケンスの第2の数は、上記空間ストリームの第3の数より大きく、上記送信トレーニングシーケンスの第4の数は、上記空間ストリームの第3の数以上に設定される。
【0052】
以下、開示する通信デバイスおよび通信方法の様々な実施形態および潜在的な実装について説明する。
【0053】
【数8】
【0054】
図8は、サウンディングフィールドに複数のサイレント期間を追加する方法を示す。これら期間は、E-LTF-OFDMシンボルの倍数であり、SIFSまたはPIFSより短いことが好ましい。したがって、サイレント期間をTS-LTF、E-LTF-OFDMシンボルの持続時間をTE-LTF-OFDMで示すと、以下の式が成り立つ。
【0055】
【数9】
【0056】
式中、Nstは、サイレント期間TS-LTFに含まれるE-LTF-OFDMシンボルの数である。通常のE-LTFシンボルと比較してサイレント期間を挿入する場所は、図8Cに示すように、Spで表されるバイナリシーケンスによって設定される。Spシーケンスは、NE-LTF要素(本例では8要素)を有し、サイレント期間が存在する場合は「1」、存在しない場合は「0」で示す。サイレント期間が存在しない場合、E-LTFシンボルに対して対応する位置に、通常のE-LTFシンボルが存在する。
【0057】
従来の互換性の理由から、すべてのサイレント期間が非サイレントE-LTF-OFDMシンボルの最後にあると有利である。同時に、従来のPPDUのヘッダは、非サイレントE-LTF-OFDMシンボルの数となるLTFシンボルの数を示す。
【0058】
サイレント期間の総数は、図4に示す方法で選択され得るE-LTFシンボルの数によって決定される。この場合、E-LTFシンボルの最小数は、NminE-LTF=Nsts+1となる。これにより、受信機は、すべての空間ストリームに対するチャネルを推定し、干渉チャネルを推定するための1つのサイレント期間を有することができる。ここで、Spシーケンスは、任意の位置に「1」を1つだけ有する。
【0059】
Spシーケンスは、干渉の初期測定値(例えば、平均受信電力のレベルおよび/またはデバイス付近のアクティブなBSSの数、および/またはSINR)に基づくデフォルト値で初期化することができる。送信機が各PPDUを送信した後、受信機は、干渉抑制方法の有効性(例えば、SINRレベルおよび/またはデコードされたシンボルごとの対数尤度比の値)を評価し、次のPPDUで使用するSpシーケンスの新しい値を提示することができる。受信機が他のSpシーケンスを送信機に提示できるように、応答メッセージ(例えば、AckまたはMCSフィードバック)のシグナリングフィールドにおけるインジケータを想定することができる。
【0060】
したがって、上述のように、第1の実施形態では、サイレント期間の長さ(連続するサイレントLTF)は、フレーム間スペース(IFS)の所定の値(ここでは、E-IFSで示され、例えば、SIFS、PIFS、またはDIFSである)よりも長くしてはならない。サイレント期間の粒度は、LTFシンボル時間で与えられる。従来の理由により、トレーニングフィールドの最後にサイレント期間を有することが好ましい。
【0061】
位相ノイズの影響を軽減するために、一実施形態では、空でないLTFシンボルを一緒に配置するようにしてもよい。LTFは、自動ゲイン制御(AGC)を微調整するためにも使用される。AGCは、各アンテナ(より具体的には、無線周波数チェーン)における信号の平均受信電力を推定するために使用されるメカニズムである。AGCは、アナログ信号をデジタル信号に変換するプロセスで発生する歪みを低減するために使用してもよい。したがって、AGCを良好に調整するには、非サイレントLTFシンボルを一緒に有することが望ましい。
【0062】
PHYヘッダのレガシー部分では、レガシーデバイスから見てサイレントシンボルがPPDUのデータ部分に入るように指示されてもよい。非レガシーデバイスは、PHYヘッダの非レガシー部分で示されてもよいトレーニングフィールドの一部としてサイレントシンボルを認識する。
【0063】
一実施形態では、階層的方法を使用して、どこにサイレントシンボルを追加するかを決定してもよい。サイレントシンボルの総数の持続時間がE-IFS以下の場合(条件i))、これらサイレントシンボルはトレーニングフィールドの最後に追加される。条件i)が成立しない場合、合計持続時間がE-IFS以下である最大数のサイレントLTFがトレーニングフィールドの最後に配置される。そして、残りのサイレントシンボルの数の合計持続時間がE-IFS以下である場合、これらサイレントシンボルは、空でないLTFシンボルの前に配置される(条件ii))。条件ii)が成立しない場合、すなわち、追加するサイレントシンボルがさらにある(すなわち、すべてのサイレントシンボルの合計持続時間が2×E-IFSより大きい)場合、非サイレントLTFが、良好なAGC推定を可能にし、位相ノイズの影響が低く、残りのサイレントLTFシンボルを、その合計持続時間がE-IFS以下となるように連続して挿入できる最小限のグループに分割される。
【0064】
したがって、この第1の実施形態によれば、最初に、以下のパラメータ、すなわち、E-LTFトーンシーケンス(ELTF)、E-LTFシンボルの数(NE-LTF;本明細書において、「第1の数」とも呼ばれる)、および空間ストリームの数(Nsts;本明細書において、「第3の数」とも呼ばれる)が選択される。直交シーケンスは、相互に直交する行から構成される正方PE-LTF行列(すなわち、行と列の数が等しい行列)の行として取得される。各直交シーケンスにおける要素の数は、Ncol-PE-LTF≦NE-LTS-1を満たす。各空間ストリームには、直交シーケンスが割り当てられる。すなわち、Nsts≦Ncol-PE-LTF(Ncol-PE-LTF;本明細書において、「第2の数」とも呼ばれる)である。送信トレーニングシーケンスは、直交シーケンスとゼロ要素(この第1の実施形態において、サイレントシンボルに対応する)とから構成される。したがって、この場合、送信トレーニングシーケンスの数(第4の数とも呼ばれる)は、Nstsである。トーンごとに、各送信トレーニングシーケンスに空間ストリームごとのNE-LTF個のE-LTFシンボルに対応するE-LTFトーンシーケンスが乗算される。
【0065】
一例では、Nsts=2、Ncol-PE-LTF=2、およびNE-LTF=4が成り立つ。サイレントシンボルの数は、NE-LTF-Ncol-PE-LTF=2である。サイレントシンボルの位置は、Sp=[1 0 0 1]として設定される。
【0066】
【数10】
【0067】
本例では、2つの送信トレーニングシーケンスがあり(すなわち、第4の数は2である)、SS1=>[0 1 -1 0];SS2=>[0 1 1 0]である。k番目のトーンについて、送信トレーニングシーケンスとトレーニングシンボルとの積は、上記表の行に示されている。一般に、データ送信に使用される(第3の数の)空間ストリームと、サウンディングにのみ使用される0以上の追加の拡張空間ストリームがある。そのため、送信トレーニングシーケンスの第4の数は、第3の数以上である。
【0068】
図8Dに示す他の例では、4つのサイレントLTF4aから4eおよび6つの非サイレントLTF5が想定され、2つのサイレントLTF4は、E-IFSに等しい持続時間を有する。2つのLTFシンボルがE-IFSに相当するため、連続するサイレントシンボル4は2つを越えることができない。したがって、サイレントシンボル4の位置は、以下のように選択してもよい。
a)総数のサイレントシンボル(5つのサイレントシンボル4aから4e)からE-IFS以下の間隔に収まる最大数のシンボル(これは、2つのサイレントシンボル4dおよび4eを意味する)を取り出し、それらを最後に配置する。
b)残りのサイレントシンボル(3つの残りのサイレントシンボル4aから4c)からE-IFS以下の間隔に収まる最大数のシンボル(これは、2つのサイレントシンボル4aおよび4bを意味する)を取り出し、それらを先頭に配置する。
c)挿入するサイレントシンボルがさらにあり(この場合、残った1つのサイレントシンボル4c)、その合計持続時間がE-IFS以下である場合、非サイレントLTF5を最小数(この場合、2つ)のグループに分け、そのサイレントシンボル(この場合、1つのサイレントシンボル4c)をその間に挿入する。したがって、対応するバイナリシーケンスSpは、図8Eに示すようになる。
【0069】
第2および第3の実施形態によれば、E-LTFシンボルの数は、空間ストリームの数よりも多くなるように増やされる。これにより、受信機での干渉チャネル推定および干渉抑制が可能にあるだけでなく、所期の送信機のチャネル推定も改善することができる。第2の実施形態によれば、1つ以上のE-LTFシンボルが複製され、適切な場合、周波数領域においてトーンシフトが行われる。第3の実施形態によれば、空間ストリームの数よりも多くの直交シーケンスを利用できるように、PE-LTF行列の行数が増やされる。
【0070】
【数11】
【0071】
E-LTFシンボルの複製シンボルにおいて、他のトーンでの干渉チャネル推定を改善するために、周波数トーンシフトを追加してもよい。1xE-LTFの場合、空でないトーンが、(図1Aに示すように)4トーンごとに配置されるため、3つの周波数シフトが考えられる。2xE-LTFの場合、可能な周波数シフトは1つだけである。OFDMシンボルのすべてのトーンをサウンディングシーケンスの送信に使用できるわけではないが、ガードバンドおよびDC周波数用に予約トーンがある。したがって、周波数トーンシフトは、以下の条件を考慮する必要がある。
i)空でないトーン間のトーン距離は、「0」値を追加するだけの予約トーン領域が存在する場合を除き、同じである必要がある。空でないトーンは、所定の間隔(すなわち、1xE-LTFでは4トーンごと、2xE-LTFでは2トーンごと)よりも近づけることはできない。
ii)トーンシフト動作が空でないトーンおよび所定のトーン間隔を維持できない場合、予約領域に該当する空でないトーンは削除される(すなわち、「0」に設定される)。
【0072】
本実施形態によれば、第1の数(図9に示す例では、4つ)のE-LTFシンボルが空間ストリームの数に一致するため、受信機において、各空間ストリームに対するチャネル推定が可能となる。それから、複製されたE-LTFシンボル7は、所期のSTAからの同じ情報が含まれるが、干渉機からの情報は含まれないため、受信機は、元のシンボル6と複製シンボル7との差から干渉チャネルの観測値を作成することができる。任意選択のトーンシフトにより、ダイバーシティのレベルを追加して、干渉チャネルと所期のSTAチャネルとを区別することができる。
【0073】
【数12】
【0074】
トーンシフトは、受信機の実装およびチャネル条件に依存する。したがって、1xE-LTFの場合は追加のE-LTFシンボルごとに2ビットのインジケータ、2xE-LTFの場合はE-LTFシンボルごとに1ビットのインジケータをプリアンブルのPHYシグナリングフィールドで想定して、どのトーンシフトが送信機に使用されるかを設定することができる。送信機によって各PPDUが送信された後、受信機は、干渉抑制方法の有効性(例えば、SINRレベルおよび/または復号化されたシンボルごとの対数尤度比の値)を評価し、次のPPDUで使用される新しいトーンシフトの選択肢を提案することができる。したがって、受信機が複製されたE-LTFシンボルの他のトーンシフトの選択肢を送信機に提案できるように、応答メッセージ(例えば、Ack、MCSフィードバック)のシグナリングフィールドにおけるインジケータを想定することができる。
【0075】
したがって、第2の実施形態によれば、第1の実施形態に関して説明したようなパラメータの選択に加えて、複製シンボルの数は、Nrep=NE-LTF-Ncol-PE-LTFを満たす。各複製シンボルについて、トーンシフトを適用してもよい。各トーンについて、各直交シーケンスに、複製されていないE-LTFシンボルに対応するE-LTFトーンシーケンスが乗算される。これにより、空間ストリームごとにNcol-PE-LTF個の複製されていないE-LTFシンボルが生成される。複製されたE-LTFシンボルは、(存在する場合)追加のトーンシフトを有する空間ストリームごとの複製されていないE-LTFシンボルのコピーである。
【0076】
一例では、Nsts=2、Ncol-PE-LTF=2、NE-LTF=4が成り立つ。複製シンボルの数は、Nrep=2である。トーンシフトは、[1 3]として選択される。すなわち、複製された第1のE-LTFシンボルは1つのトーンシフトを有し、第2の複製シンボルは3つのトーンシフトを有する。
【0077】
【数13】
【0078】
送信トレーニングシーケンスは、以下のとおりである。SS1=>[1 -1 1 -1]、SS2=>[1 1 1 1]である。送信トレーニングシーケンスとトレーニングシンボルとの積は、k番目のトーンについて、上記表の行に示されている。トーンシフトの例は、以下のとおりである。
【0079】
【数14】
【0080】
【数15】
【0081】
第1および第2の実施形態と同様に、第3の実施形態は、WLAN(例えば、802.11ax)における従来のトレーニングフィールドと比較して、送信にさらなる時間オーバーヘッドを追加する。したがって、この手法は、4xE-LTFと比較して持続時間が短い1xE-LTFおよび2xE-LTF信号に適用されることが望ましい(ただし、これに限定されない)。しかしながら、本実施形態は、意図したチャネルを推定するという点で、第2の実施形態より柔軟である。なぜなら、PE-LTF行列をシンボルごとに増加させることができるため、PE-LTF行列のすべての列を複製する必要がないからである。
【0082】
規格で設定されている固定の大きさがあるため、E-LTFシンボルの数の大きさを変更するには、PE-LTF行列を再設計する必要がある。周知のDFTまたはアダマール行列の簡単な操作により、PE-LTF行列を設計することができる。図12は、WLAN 802.11ax規格で定義されているPHE-LTF 行列を示す。以下の2つの例では、規格に存在する同じ構成要素に基づいてPE-LTF行列を取得する方法について説明する。特に、任意の数のE-LTFシンボルを用いてPE-LTF行列を生成する例を説明する。例えば、NE-LTFについて、a=4およびb=2の値により、WLAN 802.11 ax規格で使用される行列P6x6が与えられる。
【0083】
E-LTF行列を設計するために使用できる他の多くの変形例がある。しかしながら、E-LTFシンボルの数が決定されると、それらは静的なままである。P行列のサイズは、第1および第2の実施形態からNcol-PE-LTFで与えられ、E-LTFシンボルの数と同じではない。したがって、Ncol-PE-LTFを明示的に送信することも、E-LTFの数またはゼロ要素もしくは複製された要素の数などの追加情報から推測することもできる。したがって、PE-LTF行列を送信する(ことはできるが)必要はなく、各数のE-LTFシンボルにどの行列を使用するかについて事前に合意し、NE-LTFの値でインデックスする。
【0084】
アダマール行列によりPE-LTFを一般化することは、次のことを意味する。正の整数iについて、NE-LTF=2である場合、i>3についてPE-LTF=P である。
【0085】
【数16】
【0086】
【数17】
【0087】
E-LTFシンボルの総数は、図4に示す方法で選択される。この場合のE-LTFシンボルの最小数は、NminE-LTF=Nsts+1のようになる。これは、PE-LTF行列の少なくとも1行が未使用であることを意味し、受信機での干渉チャネル推定が可能になる。
【0088】
したがって、第2の実施形態によれば、第1の実施形態に関して説明したようなパラメータの選択に加えて、各直交シーケンスにおける要素の数は、Ncol-PE-LTF=NE-LTFに等しい。空間ストリームよりも多くの直交シーケンスがある。すなわち、Nsts+1≦Ncol-PE-LTFである。各トーンについて、各直交シーケンスに、対応するE-LTFトーンシーケンスが乗算される。これにより、空間ストリームごとにNcol-PE-LTF=NE-LTF個のE-LTFシンボルが生成される。
【0089】
一例では、Nsts=2、Ncol-PE-LTF=NE-LTFについて、以下の式18が成り立つ。
【0090】
【数18】
【0091】
図13は、本開示に係る送信機で行われる主な動作をまとめたフローチャート400を示す。第1のステップ401では、いくつかのタイプ、例えば、IEEE 802.11ax規格修正で定義される3つのタイプ(1xHE-LTF、2xHE-LTF、および4xHE-LTF)から、E-LTFシーケンスが定義される。第2のステップ402では、E-LTFシンボルの数(NE-LTF、第1の数を表す)が、空間ストリームの数および干渉条件に基づいて定義される。第3のステップ403では、送信する空間ストリームごとのNE-LTF個のトレーニングシンボル(それぞれ多くのトーンにまたがる)が生成される。第4のステップ404では、各空間ストリームのシンボルが、IEEE 802.11ax規格修正で定義されているQ行列によって定義される空間マッピングを介して送信アンテナにマッピングされる。第5のステップ405において、OFDM変調は、各E-LTFシンボルのすべての周波数トーンを組み合わせる時間領域信号を作成することを含む標準的な手順である。第6のステップ406では、各アンテナに割り当てられたデジタル信号がアナログ信号に変換され、最終的に無線周波数(RF)波を介して送信される波形にマッピングされる。
【0092】
本開示に従って提案されるように、より多くの直交シーケンスを追加することにより、より多くの空間ストリームを送信することも可能となり、例えば、IEEE802.11be用の16個の空間ストリームをサポートすることができる。さらに、オーバーラップBSSs(OBSS)の場合、同時にPPDUを開始するためにBSS間に整合性があると、相互干渉を軽減できるようにBSSが異なるシーケンスを使用するように直交シーケンスを割り当てることができる。
【0093】
以下では、干渉チャネル推定および干渉チャネル抑制に関する受信機の態様について説明する。
【0094】
PPDUのプリアンブルは、最新の規格修正に対応する対応するシグナリングフィールドに加えて、いくつかのレガシートレーニングおよびシグナリングフィールドを含む。これは、E-LTFシンボルを受信する前に、受信機が同期を確立し、E-LTFシンボルを処理するために必要なすべてのパラメータの復号化に成功することを意味する。
【0095】
【数19】
【0096】
【数20】
【0097】
【数21】
【0098】
【数22】
【0099】
【数23】
【0100】
【数24】
【0101】
【数25】
【0102】
【数26】
【0103】
【数27】
【0104】
他の変形例では、所期の送信機のチャネル推定を減算することで、所期のチャネルを削除する。この動作により、以下が得られる。
【0105】
【数28】
【0106】
【数29】
【0107】
他の変形例では、所期の送信機のチャネル推定値を減算することで、所期のチャネルを削除する。この動作により、以下が得られる。
【0108】
【数30】
【0109】
【数31】
【0110】
【数32】
【0111】
【数33】
【0112】
したがって、本開示によれば、送信トレーニングシーケンスは、特定の直交シーケンスを含む。送信トレーニングシーケンスは、トレーニングシンボルにマッピングされ、その結果、トレーニングフィールドが形成される。各空間ストリームは、トレーニングシンボルにマッピングされた特定の直交シーケンスによって識別される。複数の空間ストリームが存在する可能性があるため、トレーニングシンボルで特定の直交シーケンスをマッピングした後、空間ストリームごとに1つずつ、トレーニングシンボルの特定のセットが存在する。既に特定されているトレーニングシンボルのセットは、その後、空間ストリームごとのペイロードデータとともに送信アンテナにマッピングされる。
【0113】
トレーニングシンボルの数(NE-LTF)、直交シーケンスの数(以下、Ncolで示す。P行列の列数)、および空間ストリームの数(Nsts)の関係は、以下のようになる。Nsts個の空間ストリームを推定するために、Ncol≧Nstsである必要がある。Ncol個の直交シーケンスを送信するために、NE-LTF≧Ncolである必要がある。開示された手法では、干渉チャネル推定をサポートするための最小条件は、NE-LTF≧Nsts+1であり、これは、NE-LTF>Ncol=NstsまたはNE-LTF=Ncol>Nstsを意味し得る。
【0114】
サイレントシンボルを使用する手法では、NE-LTF>Ncol>Nstsが成り立つ場合がある。例えば、Nsts=2個の空間ストリームは、Ncol=4個の直交シーケンスにマッピングされ、NE-LTF=6となるように2つのサイレントシンボルを追加する。同様に、トレーニングシンボル複製(トーンシフトを含んでもよい)を追加する手法では、NE-LTF>Ncol>Nstsが成り立つ場合がある。例えば、Nsts=2個の空間ストリームは、Ncol=4個の直交シーケンスにマッピングされ、NE-LTF=6となるように2つのサイレントシンボルを追加する。一方、より大きなP行列をサポートするためにトレーニングシンボルを追加する手法では、常にNE-LTFcol>であり、Ncol>Nstsとなるように区別される。
【0115】
受信機は、トレーニングフィールドから、2種類の情報を抽出することができる。1種類目の情報は、各空間ストリームにマッピングされた直交シーケンスから得られる所期の送信機のチャネル推定を目的とするものであり、2種類目の情報は、未使用の直交シーケンス、ゼロシーケンス、または複製シーケンスを指す。これら2種類の情報が利用可能になると、受信機は、i)MIMO受信結合および干渉抑制を行うことができ、あるいは、ii)所期のチャネル推定値(1種類目の情報)を使用して2種類目の情報からそれを削除し、干渉チャネル推定値を作成し、それから、MIMO受信結合および干渉抑制を行うことができる。
【0116】
本開示は、以下の利点のうち1つ以上を得ることができる。干渉に対するより多くのチャネル観測値を追加すると、受信機は干渉チャネルを推定することができ、MIMO干渉抑制を行うことができる。これにより、通信の堅牢性が向上し、再送信が回避され、レイテンシが短縮される。より多くの直交シーケンスを追加すると、さらに、より多くの空間ストリームのチャネルサウンディングが可能となり、BSS間の直交シーケンス割り当てを調整することにより、OBSS間の干渉を低減することができる。
【0117】
以上のように、上述の説明は、本開示の例示的な実施形態を開示し、かつ、説明するものである。当業者には理解されるように、本開示は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で実施されてもよい。したがって、本開示は、例示を目的とするものであり、本開示の特許請求の範囲およびその他の請求項を限定するものではない。本開示は、本明細書の教示において容易に認識できる変形例を含めて、発明の主題が一般に提供されないように、上述の特許請求の範囲の用語の範囲を部分的に定義する。
【0118】
特許請求の範囲において、「含む(comprising)」という用語は、他の要素またはステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」または「an」は、複数を排除するものではない。単一の要素または他のユニットが、特許請求の範囲に記載されているいくつかの項目の機能を果たしてもよい。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせを有利に使用できないことを示すものではない。
【0119】
本開示の実施形態が、少なくとも部分的にソフトウェア制御のデータ処理装置によって実施されるものとして説明してきた限りにおいて、そのようなソフトウェアを保持する光ディスク、磁気ディスク、半導体メモリ等の非一時的な機械可読媒体も、本開示の実施形態を表すと考えられることが理解されよう。また、そのようなソフトウェアは、インターネットまたは他の有線もしくは無線電気通信システム等を介する等、他の形式で配布されてもよい。
【0120】
開示されたデバイス、装置、およびシステムの要素は、対応するハードウェアおよび/またはソフトウェア要素、例えば、適切な回路によって実装されてもよい。回路は、従来の回路要素、特定用途向け集積回路等の集積回路、標準集積回路、特定用途向け標準製品、フィールドプログラマブルゲートアレイ等の電子部品の構造的な集合体である。また、回路は、ソフトウェアコードに従ってプログラムされた、あるいは、構成された中央処理装置、グラフィックス処理装置、およびマイクロプロセッサを含む。回路は、ソフトウェアを実行する上記のハードウェアを含むが、純粋なソフトウェアを含まない。回路は、単一のデバイスもしくはユニット、複数のデバイスもしくはユニット、(複数の)チップセット、または(複数の)プロセッサによって実装されてもよい。
【0121】
以下に、開示された主題のさらなる実施形態のリストを示す。
1. 第2の通信デバイスにデータを送信するように構成された第1の通信デバイスであって、
第2の数の相互直交シーケンスを生成し、
各々がペイロードデータを伝送する1つ以上の第3の数の空間ストリームを生成し、
各々が上記相互直交シーケンスのうちの特定の直交シーケンスに加えて、1つ以上のゼロおよび/または上記特定の直交シーケンスのサブセットを含む第4の数の送信トレーニングシーケンスを生成し、
各々が複数のトーンにまたがる第1の数のトレーニングシンボルに上記送信トレーニングシーケンスをマッピングすることによって、トレーニングフィールドを生成し、
上記トレーニングフィールドを上記空間ストリームのペイロードの前および/または上記ペイロード間に配置して、上記第2の通信デバイスによるチャネル推定を可能にする
ように構成された回路を具備し、
上記トレーニングシンボルの第1の数は、上記送信トレーニングシーケンスの長さに等しく、
上記トレーニングシンボルの第1の数は、上記空間ストリームの第3の数よりも大きくなるように設定され、かつ/あるいは、上記直交シーケンスの第2の数は、上記空間ストリームの第3の数よりも大きくなるように設定され、
上記送信トレーニングシーケンスの第4の数は、上記空間ストリームの第3の数以上に設定される
第1の通信デバイス。
2. 実施形態1において定義された第1の通信デバイスであって、
上記回路は、上記第1の数のトレーニングシンボル、上記第2の数の直交シーケンス、上記第3の数の空間ストリーム、上記第4の数の送信トレーニングシーケンス、ゼロの存在、数、および/または位置、および/または上記送信トレーニングシーケンスにおける上記特定の直交シーケンスの上記サブセットで表される複製された要素のうちの1つ以上を示す第1のシグナリング情報を送信するように構成される
第1の通信デバイス。
3. 上述のいずれかの実施形態において定義された第1の通信デバイスであって、
上記回路は、上記第2の通信デバイスから第2のシグナリング情報を取得するように構成され、上記第2のシグナリング情報は、上記第1の数のトレーニングシンボルおよび/または上記第2の数の直交シーケンスを増加させるべきか減少すべきかを示す
第1の通信デバイス。
4. 実施形態3において定義された第1の通信デバイスであって、
上記回路は、上記第2のシグナリング情報として、トレーニングシンボルの最大数、干渉インジケータ、干渉マージン、ならびに追加または削除するトレーニングシンボルおよび/または直交シーケンスの数のうちの1つ以上を取得する
第1の通信デバイス。
5. 上述のいずれかの実施形態において定義された第1の通信デバイスであって、
上記回路は、上記送信トレーニングシーケンスにおける特定の直交シーケンスの最初、最後、および/または非ゼロ要素の間に1つ以上のゼロを追加するように構成される
第1の通信デバイス。
6. 実施形態5において定義された第1の通信デバイスであって、
上記回路は、上記送信トレーニングシーケンスにおいて連続的に配置されたゼロの数を、上記連続的に配置されたゼロの時間長がフレーム間スペースよりも短くなるように制限するように構成される
第1の通信デバイス。
7. 上述のいずれかの実施形態において定義された第1の通信デバイスであって、
上記回路は、上記送信トレーニングシーケンスに1つ以上の複製された要素を追加するように構成され、上記複製された要素にマッピングされた上記トレーニングシンボルの上記トーンは、元の直交シーケンスの対応する要素のトーンと比較して周波数がシフトされる
第1の通信デバイス。
8. 実施形態7において定義された第1の通信デバイスであって、
上記回路は、予約トーン領域および/または元のトレーニングシンボルの周期性を変更しないようにトーンシフトを実行するように構成される
第1の通信デバイス。
9. 実施形態7または8において定義された第1の通信デバイスであって、
上記回路は、上記送信トレーニングシーケンスの複製された要素にトーンシフトが適用されるかどうか、およびどのトーンシフトが適用されるかを示す第1のシグナリング情報を送信するように構成される
第1の通信デバイス。
10. 実施形態7から9のいずれか1つにおいて定義された第1の通信デバイスであって、
上記回路は、上記第2の通信デバイスから第2のシグナリング情報を取得するように構成され、上記第2のシグナリング情報は、トーンシフトを変更することを示す
第1の通信デバイス。
11. 上述のいずれかの実施形態において定義された第1の通信デバイスであって、
上記回路は、要素ごとおよび/またはトーンごとに、上記送信トレーニングシーケンスに上記トレーニングシンボルを乗算することによって、上記トレーニングフィールドを生成するように構成される
第1の通信デバイス。
12. 上述のいずれかの実施形態において定義された第1の通信デバイスであって、
上記回路は、特定の直交シーケンスによって空間ストリームを識別し、上記トレーニングフィールドは、特定の直交シーケンスでマッピングされたトレーニングシンボルの第3の数の特定のセットを含み、トレーニングシンボルおよび各空間ストリームのペイロードデータの対応するセットを多入力多出力(MIMO)技術を使用して直接または間接的に送信アンテナにマッピングするように構成される
第1の通信デバイス。
13. 第1の通信デバイスからデータを受信するように構成された第2の通信デバイスであって、
各々が複数のトーンにまたがる第1の数のトレーニングシンボルを含み、上記第1の通信デバイスから受信した、各々がペイロードデータを伝送する1つ以上の第3の数の空間ストリームのペイロードの前および/または上記ペイロード間に配置されたトレーニングフィールドの少なくとも一部に基づいて、上記第1の通信デバイスおよび上記第2の通信デバイス間の1つ以上のチャネルの1つ以上の所期のチャネル観測値を取得し、上記トレーニングフィールドの上記トレーニングシンボルにマッピングされた第4の数の送信トレーニングシーケンスに第2の数の相互直交シーケンスが含まれ、
上記トレーニングフィールドの他の部分に基づいて、1つ以上の潜在干渉チャネルの干渉チャネル推定を行い、
上記干渉チャネル推定から得られる干渉チャネル推定情報に基づいて、干渉抑制を行う
ように構成された回路を具備し、
上記トレーニングシンボルの第1の数は、上記送信トレーニングシーケンスの長さに等しく、
上記トレーニングシンボルの第1の数は、上記空間ストリームの第3の数より大きく、かつ/あるいは、上記直交シーケンスの第2の数は、上記空間ストリームの第3の数より大きく、
上記送信トレーニングシーケンスの第4の数は、上記空間ストリームの第3の数以上に設定される
第2の通信デバイス。
14. 実施形態13において定義された第2の通信デバイスであって、
上記回路は、上記トレーニングシンボルにマッピングされた上記直交シーケンスから上記所期のチャネル観測値を抽出することによって、上記トレーニングフィールドの一部から上記所期のチャネル観測値を取得し、上記取得した所期のチャネル観測値に基づいて上記1つ以上のチャネルの所期のチャネル推定を実行して上記干渉チャネル推定を改良するように構成される
第2の通信デバイス。
15. 実施形態13または14において定義された第2の通信デバイスであって、
上記回路は、上記トレーニングフィールドの他の部分に基づいて干渉チャネル観測値を取得し、上記取得した干渉チャネル観測値に基づいて上記1つ以上の潜在干渉チャネルの干渉チャネル推定を実行するように構成される
第2の通信デバイス。
16. 実施形態13から15のいずれか1つにおいて定義された第2の通信デバイスであって、
上記回路は、1つ以上のゼロおよび/または特定の直交シーケンスに加えて、上記送信トレーニングシーケンスに含まれる上記特定の直交シーケンスのサブセットから上記干渉チャネル観測値を抽出することによって、上記トレーニングフィールドの他の部分から上記干渉チャネル観測値を取得するように構成される
第2の通信デバイス。
17. 実施形態13から16のいずれか1つにおいて定義された第2の通信デバイスであって、
上記回路は、上記第1の通信デバイスから第1のシグナリング情報を受信するように構成され、上記第1のシグナリング情報は、上記第1の数のトレーニングシンボル、上記第2の数の直交シーケンス、ゼロの存在、数、および/または位置、および/または上記送信トレーニングシーケンスにおける特定の直交シーケンスのサブセットで表される複製された要素、ならびに上記送信トレーニングシーケンスの複製された要素にトーンシフトが適用されるかどうか、およびどのトーンシフトが適用されるかのうちの1つ以上を示す
第2の通信デバイス。
18. 実施形態13から17のいずれか1つにおいて定義された第2の通信デバイスであって、
上記回路は、第2のシグナリング情報を送信するように構成され、上記第2のシグナリング情報は、上記第1の数のトレーニングシンボルおよび/または上記第2の数の直交シーケンスを増加させるべきか減少すべきかを示す
第2の通信デバイス。
19. 実施形態13から18のいずれか1つにおいて定義された第2の通信デバイスであって、
上記回路は、サイレント期間の場合、ペイロードデータを破棄せずに受信処理を継続するように構成される
第2の通信デバイス。
20. 実施形態13から19のいずれか1つにおいて定義された第2の通信デバイスであって、
上記回路は、受信した空間ストリームからデータを復号するように構成される
第2の通信デバイス。
21. 第2の通信デバイスにデータを送信するように構成された第1の通信方法であって、
第2の数の相互直交シーケンスを生成し、
各々がペイロードデータを伝送する1つ以上の第3の数の空間ストリームを生成し、
各々が上記相互直交シーケンスのうちの特定の直交シーケンスに加えて、1つ以上のゼロおよび/または上記特定の直交シーケンスのサブセットを含む第4の数の送信トレーニングシーケンスを生成し、
各々が複数のトーンにまたがる第1の数のトレーニングシンボルに上記送信トレーニングシーケンスをマッピングすることによって、トレーニングフィールドを生成し、
上記トレーニングフィールドを上記空間ストリームのペイロードの前および/または上記ペイロード間に配置して、上記第2の通信デバイスによるチャネル推定を可能にし、
上記トレーニングシンボルの第1の数は、上記送信トレーニングシーケンスの長さに等しく、
上記トレーニングシンボルの第1の数は、上記空間ストリームの第3の数よりも大きくなるように設定され、かつ/あるいは、上記直交シーケンスの第2の数は、上記空間ストリームの第3の数よりも大きくなるように設定され、
上記送信トレーニングシーケンスの第4の数は、上記空間ストリームの第3の数以上に設定される
第1の通信方法。
22. 第1の通信デバイスからデータを受信するように構成された第2の通信方法であって、
各々が複数のトーンにまたがる第1の数のトレーニングシンボルを含み、上記第1の通信デバイスから受信した、各々がペイロードデータを伝送する1つ以上の第3の数の空間ストリームのペイロードの前および/または上記ペイロード間に配置されたトレーニングフィールドの少なくとも一部に基づいて、上記第1の通信デバイスおよび上記第2の通信デバイス間の1つ以上のチャネルの1つ以上の所期のチャネル観測値を取得し、上記トレーニングフィールドの上記トレーニングシンボルにマッピングされた第4の数の送信トレーニングシーケンスに第2の数の相互直交シーケンスが含まれ、
上記トレーニングフィールドの他の部分に基づいて、1つ以上の潜在干渉チャネルの干渉チャネル推定を行い、
上記干渉チャネル推定から得られる干渉チャネル推定情報に基づいて、干渉抑制を行い、
上記トレーニングシンボルの第1の数は、上記送信トレーニングシーケンスの長さに等しく、
上記トレーニングシンボルの第1の数は、上記空間ストリームの第3の数より大きく、かつ/あるいは、上記直交シーケンスの第2の数は、上記空間ストリームの第3の数より大きく、
上記送信トレーニングシーケンスの第4の数は、上記空間ストリームの第3の数以上に設定される
第2の通信方法。
23. プロセッサによって実行されるときに、実施形態21または22に記載の第2の通信方法を実行させるコンピュータプログラム製品を記憶する非一時的コンピュータ可読記録媒体。
24. コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに、実施形態21または22に記載の第2の通信方法のステップを上記コンピュータに実行させるためのプログラムコード手段を含むコンピュータプログラム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】