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特表2024-504076照明及び消毒用照明のための照明装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】照明及び消毒用照明のための照明装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/20 20060101AFI20240123BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20240123BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240123BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20240123BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20240123BHJP
【FI】
A61L9/20
F21V33/00 300
F21Y115:10
F21Y115:15
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541580
(86)(22)【出願日】2022-01-10
(85)【翻訳文提出日】2023-07-07
(86)【国際出願番号】 EP2022050311
(87)【国際公開番号】W WO2022152641
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】21151115.9
(32)【優先日】2021-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ボムメル ティース
(72)【発明者】
【氏名】ペット ロベルト ヤコブ
【テーマコード(参考)】
3K014
4C180
【Fターム(参考)】
3K014PD00
4C180AA07
4C180CA01
4C180DD03
4C180EA17X
4C180HH19
4C180LL04
4C180MM10
(57)【要約】
照明装置100は、可視光を発するよう構成される第1固体光源110と、紫色光及び紫外線(UV)光のうちの少なくとも一方の第2光を発するよう構成される少なくとも1つの第2固体光源130と、少なくとも1つの光反射面145を含む反射器140であって、前記反射器が、前記第1固体光源及び前記第2固体光源を少なくとも部分的に囲み、前記反射器の少なくとも一部が、前記可視光と前記第2光とを混ぜ合わせるための混合チャンバ150を画定する反射器140と、光出射窓160であって、前記混合チャンバによって混ぜ合わされた前記可視光及び前記第2光が、前記光出射窓を通って前記照明装置から出射するよう構成される光出射窓160と、UV光を発するよう構成される第3固体光源170であって、前記混合チャンバの外側に配設される第3固体光源170とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置であって、
430nmから800nmまでの波長範囲内の可視光を発するよう構成される少なくとも1つの第1固体光源と、
315nmから420nmまでの波長範囲内の紫色光及びUV光のうちの少なくとも一方の第2光を発するよう構成される少なくとも1つの第2固体光源と、
少なくとも1つの光反射面を含む反射器であって、前記反射器が、前記少なくとも1つの第1固体光源及び前記少なくとも1つの第2固体光源を少なくとも部分的に囲み、前記反射器の少なくとも一部が、前記少なくとも1つの第1固体光源から発せられる前記可視光の少なくとも一部と前記少なくとも1つの第2固体光源から発せられる前記第2光の少なくとも一部とを混ぜ合わせるための混合チャンバを画定する反射器と、
光出射窓であって、前記混合チャンバによって混ぜ合わされた前記可視光及び前記第2光が、前記光出射窓を通って前記照明装置から出射するよう構成される光出射窓と、
190nmから315nmまでの波長範囲内のUV光を発するよう構成される少なくとも1つの第3固体光源であって、前記混合チャンバの外側に配設される少なくとも1つの第3固体光源と、
前記少なくとも1つの第2固体光源及び前記少なくとも1つの第3固体光源を個別に制御するよう構成されるコントローラとを有する照明装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第3固体光源が、前記反射器の一部に配設される請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第3固体光源が、280nmから315nmまでの波長範囲内のUV光を発するよう構成される請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第3固体光源が、190nmから230nmまでの波長範囲内のUV光を発するよう構成される請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項5】
前記光出射窓が、前記可視光に対して30%から80%までの範囲内の反射率を有する拡散器である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記光出射窓が、前記混合チャンバによって混ぜ合わされた前記可視光及び前記第2光を回折、屈折及び/又は拡散させるよう構成される少なくとも1つの光学要素を有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第1固体光源及び前記少なくとも1つの第2固体光源のうちの少なくとも一方が、前記反射器のベース部に配設され、前記ベース部が、前記光出射窓に対向して配設される請求項1乃至6のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第2固体光源の数Nと、前記少なくとも1つの第3固体光源の数Nとが、N>2・Nを満たす請求項1乃至7のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第3固体光源が、複数の光源を有し、各第3固体光源が、前記光出射窓から離れるように光を発するよう構成され、少なくとも第1の第3固体光源が、少なくとも第1方向に光を発するよう構成され、少なくとも第2の第3固体光源が、少なくとも第2方向に光を発するよう構成され、前記少なくとも1つの第1方向が、前記少なくとも1つの第2方向と異なる請求項1乃至8のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項10】
前記光出射窓が、前記少なくとも1つの第3固体光源から発せられる前記UV光に対して非透過性である請求項1乃至9のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項11】
前記コントローラが、前記第2固体光源及び/又は前記第3固体光源から発せられる光の1つ以上の特性を制御するよう構成される請求項1乃至10のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの第3固体光源が、前記光出射窓に配設される請求項1乃至11のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の照明装置と、
前記照明装置を少なくとも部分的に囲むハウジングとを有する照明デバイスであって、
前記少なくとも1つの第3固体光源が、少なくとも部分的に前記ハウジング内に配設される照明デバイス。
【請求項14】
前記照明デバイスが、LEDデバイス及びT-LEDのうちの一方である請求項13に記載の照明デバイス。
【請求項15】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の照明装置、及び請求項13又は請求項14に記載の照明デバイスのうちの少なくとも一方と、
前記少なくとも1つの第1固体光源、前記少なくとも1つの第2固体光源及び前記少なくとも1つの第3固体光源への電力の供給のために前記照明装置に接続される電気接続部とを有する照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くは、照明装置に関する。より具体的には、照明装置は、所望の照明と、消毒(殺菌)照明効果との組み合わせを提供するよう構成される。
【背景技術】
【0002】
殺菌需要が高まるにつれて、消毒用照明は再び注目されるテーマになっている。例えば、生活空間での使用に向けて、200nmと230nmとの間の波長を持つ深UV(紫外線)-C光の使用が現在検討されている。200nmと230nmとの間の波長を持つUV-C光は、ウイルスを不活性化し、細菌を死滅させることによって、殺菌効果を発揮することができる。更に、200nmと230nmとの間の波長を持つUV光は、皮膚及び眼の組織への侵入深さが浅く、従って、光が人に害を及ぼすことを防止する。
【0003】
更に、消毒(殺菌)用照明の有利な特性を、一般的な照明装置の望ましい特性と組み合わせることは興味深い。多くの照明装置にとって重要な特性は、照明装置が一様な照明を供給するよう構成されることであることが理解されるだろう。照明装置の別の重要な側面は、動作中のエネルギ効率を提供する必要性が高まっていることである。照明目的のための発光ダイオード(LED)などの固体光源は、白熱ランプ、蛍光ランプ、ネオン管ランプなどと比較して、より長い動作寿命、電力消費の低減、光エネルギと熱エネルギとの間の比率に関する効率の向上などの多くの利点を提供することによって、注目を集め続けている。しかしながら、LEDは点光源であるので、一様な照明を供給するLEDベースの照明装置の製造という問題がある。
【0004】
EP3336417A1は、光出射窓に面するUV LEDの配列と、反射器構成に面する可視光LEDの配列とを組み合わせる照明システムを開示している。反射は、出射窓においてビーム成形構成要素を必要とされないように、所望のビーム成形又は拡散を提供するために使用されることができる。
【0005】
US10413626Bは、微生物を不活性化する複数発光体デバイスを開示している。デバイスは、青色発光体及び紫色発光体を含む。光変換材料が、発光体からの光の少なくとも一部を変換するよう構成される。発光体から発せられる任意の変換されていない光と、少なくとも1つの光変換材料から発せられる変換された光とが、複合光を形成するよう混ざり合い、複合光は白色である。
【0006】
従って、照明及び/又はエネルギ効率の要望又は要求に関して所望の照明を供給し得る照明装置であって、更に、動作中に消毒又は殺菌の照明効果を発揮し得る照明装置を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、照明及び/又はエネルギ効率の要望又は要求に関して所望の照明を供給し得る照明装置であって、更に、動作中に消毒又は殺菌の照明効果を発揮し得る照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この及び他の目的は、独立請求項の特徴を有する照明装置を提供することによって、達成される。好ましい実施形態は、従属請求項において規定されている。
【0009】
従って、本発明によれば、430nmから800nmまでの波長範囲内の可視光を発するよう構成される少なくとも1つの第1固体光源と、315nmから420nmまでの波長範囲内の紫色光及び紫外線(UV)光のうちの少なくとも一方の第2光を発するよう構成される少なくとも1つの第2固体光源とを有する照明装置が提供される。前記照明装置は、少なくとも1つの光反射面を含む反射器であって、前記少なくとも1つの第1固体光源及び前記少なくとも1つの第2固体光源を少なくとも部分的に囲む反射器を更に有する。前記反射器の少なくとも一部は、前記少なくとも1つの第1固体光源から発せられる前記可視光の少なくとも一部と前記少なくとも1つの第2固体光源から発せられる前記第2光の少なくとも一部とを混ぜ合わせるための混合チャンバを画定する。前記照明装置は、光出射窓であって、前記混合チャンバによって混ぜ合わされた前記可視光及び前記第2光が、前記光出射窓を通って前記照明装置から出射するよう構成される光出射窓を更に有する。前記照明装置は、190nmから315nmまでの波長範囲内のUV光を発するよう構成される少なくとも1つの第3固体光源であって、前記混合チャンバの外側に配設される少なくとも1つの第3固体光源を更に有する。
【0010】
前記少なくとも1つの第3固体光源(のスペクトルパワー分布)は、前記少なくとも1つの第2固体光源(のスペクトルパワー分布)と異なる。
【0011】
従って、本発明は、照明目的のための可視光と、消毒目的のための紫色光及び/又はUV光とを発するよう構成される照明装置によって、照明と消毒用照明とを組み合わせたものを提供するというアイデアに基づいている。可視光と紫色光及び/又はUV光とを、その後の前記光出射窓を通る透過のために前記混合チャンバ内で混ぜ合わせると共に、前記混合チャンバの外側の1つ以上の位置からUV光を発することによって、前記照明装置は、これにより、照明の要求及び/又は要望を満たし得る一方で、それと同時に、消毒又は殺菌効果を備える照明を供給し得る。
【0012】
本発明は、前記照明装置は、高い効率及び/又は低いコスト及び/又は長い寿命で空間照明及び消毒を提供するという点で、有利である。前記第2固体光源から発せられる前記紫色光及び/又はUV光は、最適に分散され、且つ/又は相対的に大きな前記光出射窓から供給される。更に、前記反射器の少なくとも一部によって画定される前記混合チャンバは、一般的に、より低いUV波長の影響を(より)受けやすく、即ち、前記第2固体光源から発せられる前記紫色光及び/又はUV光の波長よりも低いUV波長の影響をより受けやすく、このことは、前記混合チャンバにおいて使用される材料の劣化につながり得る。
【0013】
本発明は、前記照明装置は、前記反射器の少なくとも一部によって画定されるその混合チャンバを介して、光の非常に高度な混合を、前記光出射窓を通って出射する前に達成することができるという点で、有利である。より具体的には、前記反射器の前記光反射面は、前記光反射面の方へ発せられる光のほぼ全てが、反射され、最終的に、前記光出射窓からカップルアウトされることを確実にする。
【0014】
本発明は、前記消毒用照明の望ましい効果を満たす一方で、それと同時にコスト効率の良い照明装置を提供するために、前記第3固体光源に対して異なる特性の前記第2固体光源を設ける可能性によって、更に有利である。例えば、前記第2固体光源は、相対的に安価である可能性があり、相対的に高い効率を有する可能性がある一方で、前記第3固体光源は、相対的に高価である可能性があり、相対的に低い効率を有する可能性がある。
【0015】
本発明は、前記照明装置は、所要の及び/又は所望の発光に従って前記紫色光及び/又はUV光を供給し得るという点で、更に有利である。例えば、前記照明装置は、例えば部屋の中の、消毒効果がとりわけ望ましい又は必要とされる特定の領域に、前記紫色光及び/又はUV光を向けるよう構成され得る。
【0016】
本発明は、前記混合チャンバから可視光と紫色光及び/又はUV光との混合光を供給し、前記混合チャンバの外側の位置からUV光を供給する前記照明装置の能力は、動作時に審美的に魅力的な照明装置を実現するという点で、更に有利である。更に、前記照明装置を見る観察者は、前記混合チャンバの外側の位置からの前記UV光を知覚し得る。
【0017】
本発明は、本発明の照明装置は相対的に少ない構成要素を有するという点で、更に有利である。少ない構成要素は、前記照明装置は、製造するのが相対的に安価であるという点で、有利である。更に、前記照明装置の構成要素が少ないことは、特に、簡単な分解及び/又はリサイクル作業の妨げとなる相対的に多くの構成要素を含むデバイス又は装置と比較して、より簡単なリサイクルを意味する。
【0018】
前記照明装置は、少なくとも1つの第1固体光源を有する。「固体光源」(SSL光源)という用語は、ここでは、1つ以上の半導体ダイオードを使用する光源を意味する。例えば、固体光源は、照明源としての、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマ発光ダイオード(PLED)、レーザダイオード、スーパールミネッセントダイオードなどを含み得る。前記第1固体光源は、可視光を発するよう構成される。「可視光」という用語は、ここでは、人間の目によって知覚されることができる430乃至800nmの波長範囲内の光を意味する。前記照明装置は、315nmから420nmまでの波長範囲内の紫色光及び紫外線(UV)光のうちの少なくとも一方の第2光を発するよう構成される少なくとも1つの第2固体光源を更に有する。「紫色光」という用語は、ここでは、可視スペクトルの高い方の端にある、380乃至450nmの波長範囲内の光を意味し、「紫外線光」という用語は、ここでは、100乃至400nmの波長範囲内の光を意味する。従って、本発明によれば、前記少なくとも1つの第2固体光源は、315nmから420nmまでの波長範囲内の紫色光及び/又はUV光の第2光を発するよう構成される。
【0019】
前記照明装置は、少なくとも1つの光反射面を含む反射器を更に有する。「反射器」という用語は、ここでは、入射光を反射するよう構成される、実質的に任意の要素、構造、デバイスなどを意味する。前記反射器は、前記少なくとも1つの第1固体光源及び前記少なくとも1つの第2固体光源を少なくとも部分的に囲む。換言すれば、前記第1及び第2固体光源は、前記反射器が動作中に前記第1及び第2固体光源からの入射光を反射するよう構成されるように、前記反射器によって少なくとも部分的に囲まれる。前記反射器は、前記少なくとも1つの第1固体光源から発せられる前記可視光の少なくとも一部を混ぜ合わせるための混合チャンバを画定する。換言すれば、前記反射器は、前記第1固体光源から発せられる光を、前記反射器の前記光反射面を介して、前記混合チャンバ内で混ぜ合わせることができる。
【0020】
前記照明装置は、光出射窓を更に有する。「光出射窓」という用語は、ここでは、材料(例えば、ガラス)であって、光が前記材料を通って出射し得る材料を意味する。前記混合チャンバによって混ぜ合わされた前記可視光並びに前記紫色光及び/又はUV光は、前記光出射窓を通って前記照明装置から出射するよう構成される。換言すれば、前記光出射窓は、混合光をカップルアウトする(couple out)よう構成される。
【0021】
前記照明装置は、190nmから315nmまでの波長範囲内のUV光を発するよう構成される少なくとも1つの第3固体光源であって、前記混合チャンバの外側に配設される少なくとも1つの第3固体光源を更に有する。換言すれば、前記第3固体光源は、前記照明装置の上又は中に設けられるが、前記反射器の少なくとも一部によって画定されるような前記混合チャンバ内には配設されない。
【0022】
本発明の実施形態によれば、前記少なくとも1つの第3固体光源は、前記反射器の一部に配設されてもよい。従って、前記第3固体光源は、前記混合チャンバの外側に配設されるので、前記第3固体光源は、前記混合チャンバを画定しない前記反射器の一部又は部分に配設される。
【0023】
本発明の実施形態によれば、前記少なくとも1つの第3固体光源は、280nmから315nmまでの波長範囲内のUV光を発するよう構成されてもよい。従って、前記第3固体光源は、紫外線B(UV-B)光を発するよう構成されてもよい。
【0024】
本発明の実施形態によれば、前記少なくとも1つの第3固体光源は、190nmから230nmまでの波長範囲内のUV光を発するよう構成されてもよい。紫外線C(UV-C)光は、100乃至280nmの波長範囲内の光として定義され得るので、前記第3固体光源は、これより、UV-C光の波長サブレンジ内の光を発するよう構成され得る。他の例においては、前記少なくとも1つの第3固体光源は、230乃至280nmの波長範囲内の光を発するよう構成されてもよく、前記光は、「近UV-C光」と分類され得る、又はみなされ得る。
【0025】
本発明の実施形態によれば、前記少なくとも1つの第3固体光源は、190nmから230nmまでの波長範囲内の紫色光を発するよう構成されてもよい。紫色光は、100乃至280nmの波長範囲内の光として定義され得るので、前記第3固体光源は、これより、UV-C光の波長サブレンジ内の光を発するよう構成され得る。
【0026】
本発明の実施形態によれば、前記光出射窓は、前記可視光に対して30%から80%までの範囲内の反射率を有する拡散器であってもよい。「拡散器」という用語は、ここでは、それに入射する光を拡散させるよう構成される、実質的に任意の要素、材料などを意味する。拡散器の形態の前記光出射窓は、前記可視光に対して30%から80%までの範囲内の反射率を有するので、前記光出射窓は、部分的に反射性、即ち、半反射性である。従って、前記実施形態による光出射窓は、前記光出射窓に入射する光の一部が反射されて前記混合チャンバ内に戻り、前記可視光が前記照明装置から出射する前の前記混合チャンバ内での更により改善された光混合をもたらすという点で、有利である。
【0027】
本発明の実施形態によれば、前記光出射窓は、前記混合チャンバによって混ぜ合わされた前記可視光及び前記第2光を回折、屈折及び/又は拡散させるよう構成される少なくとも1つの光学要素を有してもよい。「光学的構成要素」という用語は、ここでは、回折、屈折及び/又は拡散を介して、光に影響を与える、光を案内する、且つ/又は光に作用するよう構成又は配設される、実質的に任意の構成要素、要素などを意味する。本実施形態は、前記光学的構成要素が、前記照明装置の照明及び/又は殺菌用照明の要求及び/又は要望を満たすために、前記出射窓からカップルアウトされる光に影響を与えることができるという点で、有利である。
【0028】
本発明の実施形態によれば、前記少なくとも1つの第1固体光源及び前記少なくとも1つの第2固体光源は、前記反射器のベース部(base portion)に配設されてもよく、前記ベース部は、前記光出射窓に対向して配設される。本実施形態は、前記第1及び第2固体光源のこの位置は、光が前記光出射窓を通って出射する前の前記混合チャンバ内での光の更により高度な混合をもたらし得るという点で、有利である。
【0029】
本発明の実施形態によれば、前記少なくとも1つの第2固体光源の数Nと、前記少なくとも1つの第3固体光源の数Nとが、N>2・Nを満たしてもよい。従って、前記混合チャンバ内に配設される前記第2固体光源の数は、前記混合チャンバの外側に配設される前記第3固体光源の数よりも著しく多くてもよい。
【0030】
本発明の実施形態によれば、前記少なくとも1つの第3固体光源は、複数の光源を有してもよく、各第3固体光源は、前記光出射窓から離れるように光を発するよう構成されてもよく、少なくとも第1の第3固体光源は、少なくとも第1方向に光を発するよう構成されてもよく、少なくとも第2の第3固体光源は、少なくとも第2方向に光を発するよう構成されてもよく、前記少なくとも1つの第1方向は、前記少なくとも1つの第2方向と異なる。従って、複数の前記第3固体光源の各第3固体光源は、前記光出射窓から離れるそれぞれの方向に、即ち、光が前記光出射窓にぶつからないような方向に、光を発するよう構成されてもよい。更に、前記複数の第3固体光源の各第3固体光源は、2つの異なる光ビーム又は光の方向が交わらない又は交差しないような、固有の、それぞれの方向に、光を発するよう構成されてもよい。
【0031】
本発明の実施形態によれば、前記光出射窓は、前記少なくとも1つの第3固体光源から発せられる前記UV光に対して非透過性であってもよい。従って、前記光出射窓は、前記第3固体光源から発せられる前記UV光を遮断するよう構成されてもよい。
【0032】
前記照明装置は、前記少なくとも1つの第2固体光源及び前記少なくとも1つの第3固体光源を個別に制御するよう構成されるコントローラを更に有する。従って、前記コントローラは、前記第2固体光源及び/又は前記第3固体光源の各々の動作を制御するよう構成されてもよい。例えば、前記コントローラは、前記第2固体光源及び/又は前記第3固体光源から発せられる光の、強度又はスペクトルパワー分布などの、1つ以上の特性を制御するよう構成されてもよい。その結果、例えば、不活性化される対象とされる病原体のタイプに応じて、前記照明装置の消毒特性を変更する又は更に最適化するために、前記第2固体光源及び前記第3固体光源からの光の相対量が変えられ得る。
【0033】
本発明の実施形態によれば、前記少なくとも1つの第3固体光源は、前記光出射窓に配設されてもよい。
【0034】
本発明の実施形態によれば、前述の実施形態のうちのいずれか1つによる照明装置を有する照明デバイスが提供される。前記照明デバイスは、前記照明装置を少なくとも部分的に囲むハウジングを更に有し、前記少なくとも1つの第3固体光源は、少なくとも部分的に前記ハウジング内に配設される。
【0035】
本発明の実施形態によれば、前記照明デバイスは、発光ダイオード(LED)デバイス及びLED管(T-LED)のうちの一方である。
【0036】
本発明の実施形態によれば、前述の実施形態のうちのいずれか1つによる照明装置又は照明デバイスを有する照明器具が提供される。前記照明器具は、前記照明装置の、前記少なくとも1つの第1固体光源、前記少なくとも1つの第2固体光源及び前記少なくとも1つの第3固体光源への電力の供給のために前記照明装置に接続される電気接続部を更に有する。
【0037】
本発明の他の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な開示、図面及び添付の請求項の研究時に、明らかになるだろう。本発明の異なる特徴は、以下に記載されている実施形態以外の実施形態を作成するよう組み合され得ることは、当業者には分かるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
ここで、本発明の実施形態を示す添付の図面を参照して、本発明のこの及び他の態様についてより詳細に記載する。
図1】本発明の例示実施形態による照明装置を概略的に示す。
図2】本発明の例示実施形態による照明装置の断面を概略的に示す。
図3】本発明の例示実施形態による照明装置の断面を概略的に示す。
図4a】本発明の例示実施形態による照明装置を有する照明デバイスを概略的に示す。
図4b】本発明の例示実施形態による照明装置を有する照明デバイスを概略的に示す。
図5】本発明の例示実施形態による照明装置を有する照明器具を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、本発明の例示実施形態による照明装置100を概略的に示している。照明装置100は、複数の第1固体光源110を有し、前記複数の第1固体光源110は、例えば、1つ以上の発光ダイオード(LED)を有してもよい。第1固体光源110は、430nmから800nmまでの波長範囲内の可視光を発するよう構成される。可視光は、白色光であり得る。白色光は、2000Kから6000Kまでの範囲内の色温度(CT)を有し得る。白色光は、少なくとも80の演色評価数(CRI)を有し得る。白色光のCRI R9は、>0であり得る。白色光は、黒体軌跡(BBL)から、特に10SDCM内のような、7SDCM内のような、15SDCM内のカラーポイントを有し得る。第1固体光源110は、1つ以上の白色LEDなどの、1つ以上の白色固体光源であってもよい。
【0040】
この例においては、複数の第1固体光源110が示されているが、照明装置100は単一の第1固体光源110を有してもよいことに留意されたい。更に、照明装置100における第1固体光源110の位置決めは、示されているものと異なっていてもよい。
【0041】
照明装置100は、315nmから420nmまでの波長範囲内の紫色光及び/又はUV光を発するよう構成される第2固体光源130を更に有する。前述の、315nmから420nmまでの波長範囲は、315乃至380nmの第1波長サブレンジ(UV-A光)、及び380乃至420nmの第2波長サブレンジ(紫色光)を含み得ることに留意されたい。この例においては、照明装置100は、単一の第2固体光源130しか含まないが、照明装置100は任意の数の第2固体光源130を有してもよいことに留意されたい。第2固体光源130は、例えば、LED、レーザダイオード又はスーパールミネッセントダイオードであってよい。
【0042】
照明装置100は、第1固体光源110及び第2固体光源130を少なくとも部分的に囲む反射器140を更に有する。第1固体光源110及び第2固体光源130は、反射器140のベース部210に配設される。反射器140は、1つ以上の光反射面145を更に有する。ここでは、光反射面145は、周側壁(circumferential side wall)として規定され、これは、この例によれば、ベース部120と平行な平面においてとられる円形の断面を有する。従って、照明装置100のこの例示実施形態においては、反射器140のベース部210及び反射面125は、反射器140の円筒形状を画定する。
【0043】
照明装置100は、反射器140のベース部210に対向して配設される光出射窓160を更に有する。図1においては、光出射窓160は、照明装置100の(他の)パーツ及び構成要素の視認性の理由で、単に、その外側輪郭における破線表示によって示されていることに留意されたい。光出射窓160は、例えば、プレート又はディスクであってもよい。第1固体光源110から発せられる可視光、並びに第2固体光源130から発せられる紫色光及び/又はUV光は、反射器140の少なくとも一部によって画定される混合チャンバ150において混ぜ合わされるよう構成され、光出射窓160を通って照明装置100から出射するよう構成される。
【0044】
以下においては、照明装置100の反射器140の少なくとも一部によって画定される混合チャンバ150の実施形態及び例が提供されるのに対して、図2乃至4においては、照明装置100の更なる実施形態及び例が提供される。
【0045】
図1において例示されているような照明装置100の反射器140の少なくとも一部によって画定されるような混合チャンバ150は、幅(W)及び高さ(H)を有する。混合チャンバ150の高さ(H)は、周側壁の形態の光反射面145の高さとして規定される。図1において示されている実施形態のための混合チャンバ150のこの高さ(H)は、ベース部210と光出射窓160との間の距離とも解釈され得る。混合チャンバ150の幅(W)は、ベース部210の表面の周縁にある2つの反対側の点の間の最小距離であるベース面延在部を有すると規定される。図1において示されている実施形態においては、混合チャンバ150の幅(W)は、ベース部120の直径である。1乃至8の範囲内の混合チャンバ150の幅(W)及び高さ(H)のアスペクト比は、照明装置100の効率が許容可能である範囲を超えて下がらない一方で、反射器140の光混合を向上させ得る。アスペクト比に応じて、照明装置100からカップルアウトされる光の効率及び一様性を評価するテストが実施された。これらのテストは、150mmの幅(W)(即ち、直径)を持つ混合チャンバ150で実施され、光出射窓160の反射率は50%に保たれ、混合チャンバ150の高さ(H)が10mmと50mmとの間で変えられた。第1固体光源100は、ベース部120に隣接して配置された。テストによって、照明装置100から発せられる光の最高強度と最低強度との比率であるコントラストが、高さ(H)が10mmから20mmまで増加される(即ち、アスペクト比が15から7.5まで減少される)場合、18から2まで急速に低下していることが分かる。高さ(H)が20から45まで増加される場合、コントラストは2.0から1.7まで低下される。更に、テストにより、高さ(H)が15mmから50mmまで増加される場合、効率は96.0%から94.5%までほぼ線形に低下することが分かる。
【0046】
図1における照明装置100の例によれば、ベース部120は、第1固体光源110によって発せられる可視光に対して、高い反射率、即ち、90%乃至100%の範囲内の反射率の内面を有する。更に、ベース部120の吸光度は、第1固体光源110から発せられる光に対してゼロに近い。ゼロに近い吸光度は、照明装置100の高い効率をもたらすことは理解されるだろう。ベース部120は、金属又はガラス製であり得る。ベース部120は、例えば、反射材料のシートによって覆われてもよく、又はコーティングリフレクタ(coating reflector)で塗装されてもよい。反射材料のシートは、MCPET箔であってもよい。コーティングリフレクタは、例えば、透明なシリコーンと混ぜ合わされたTiO粉末粒子であってもよい。TiO粉末の代わりに、Al粉末及び/又はBaSO粉末が、使用され、透明なシリコーンと混ぜ合わされてもよい。
【0047】
光反射面145は、第1固体光源によって発せられる可視光に対して、高い反射率、即ち、90%乃至100%の範囲内の反射率の内面を有する。更に、光反射面145の吸光度は、第1固体光源110から発せられる光に対してゼロに近い。ゼロに近い吸光度は、照明装置100の高い効率をもたらすことは理解されるだろう。
【0048】
光反射面145は、ベース部120の内面と同様に、反射材料のシートによって覆われてもよく、又はコーティングリフレクタで塗装されてもよい。ベース部120及び光反射面145は、可能な限り白色になるように製造されてもよく、このことは、混合チャンバ150における光の吸収を最小限に抑え得る。
【0049】
照明装置100の光出射窓160は、半反射性である。より具体的には、光出射窓160の反射率は、第1固体光源110から発せられる光に対して30%乃至80%の範囲内である。光出射窓160の吸光度は、好ましくは、第1固体光源110から発せられる光に対して2%未満である。光出射窓160においてこのような低い吸光度を有することは、照明装置100の高い効率をもたらす。非限定的な例として、光出射窓160は、Makrofol(登録商標)で作成されてもよい。しかしながら、Lexan(登録商標)、MB-grades、Lexalite Lumieo(登録商標)及びFlexi-Lume(登録商標)などの他の材料も使用され得る。シリコーンゴムなどのポリマ中のTiO又はAlOなどの散乱粒子の層を使用し、粒子の濃度及び/又は層の厚さによって反射率を調節することも可能である。
【0050】
光出射窓160は、混合チャンバによって混ぜ合わされた、第1固体光源110によって発せられた可視光、及び第2固体光源130によって発せられた第2光を、回折、屈折及び/又は拡散させるよう構成される少なくとも1つの光学要素(図示せず)を有してもよい。
【0051】
光出射窓160は、ルミネッセンス材料を更に有してもよい。ルミネッセンス材料は、光出射窓160のルミネッセンス材料にぶつかる第1の色の光の少なくとも一部を、第2の色の光に変換し得る。
【0052】
照明装置の第1固体光源110は、430nmから800nmまでの波長範囲内の可視光を発するよう構成される。例えば、1つ以上の第1固体光源110が、白色光を発するよう構成されてもよい。
【0053】
別の例によれば、1つ以上の第1固体光源110が、特定の色の光を発するよう構成されてもよい。例えば、第1固体光源110のうちの少なくとも1つは、赤色光を発するよう構成されてもよく、第1固体光源110のうちの少なくとも1つは、緑色光を発するよう構成されてもよく、第1固体光源110のうちの少なくとも1つは、青色光を発するよう構成されてもよい。別の例によれば、1つ以上の第1固体光源110が、青色光を発するよう構成されてもよい。このような場合には、光出射窓160は、好ましくは、ルミネッセンス材料にぶつかる青色光の一部を別の色の光に変換するルミネッセンス材料を有する。
【0054】
図2は、本発明の例示実施形態による照明装置100の断面を概略的に示している。図2において例示されている照明装置100は、図1において例示されている照明装置100を構成し得ること、並びに図2における照明装置100の特徴及び/又は構成要素の理解を深めるために、図1及び関連する文章が参照されることに留意されたい。照明装置100は、430nmから800nmまでの波長範囲内の可視光を発するよう構成される少なくとも1つの第1固体光源110を有する。照明装置100は、315nmから420nmまでの波長範囲内の紫色光及び/又はUV光を発するよう構成される少なくとも1つの第2固体光源130を更に有する。第1固体光源110及び第2固体光源130は、それぞれ、単一の光源として示されているが、第1固体光源110及び第2固体光源130の数は、任意の数であってもよいことは理解されるだろう。
【0055】
図2における照明装置100は、図1に関連して先に説明したように、少なくとも1つの光反射面145を含む反射器140を更に有する。反射器140は、第1固体光源110及び第2固体光源130を少なくとも部分的に囲む。反射器140は、少なくとも1つの第1固体光源110から発せられる可視光の少なくとも一部と少なくとも1つの第2固体光源130から発せられる第2光(即ち、紫色光及び/又はUV光)の少なくとも一部とを混ぜ合わせるための混合チャンバ150を画定する。
【0056】
図2における照明装置100は、光出射窓160を更に有する。混合チャンバ150によって混ぜ合わされた光は、光出射窓160を通って照明装置100から出射するよう構成される。
【0057】
図2における照明装置100は、190nmから315nmまでの波長範囲内のUV光を発するよう構成される少なくとも1つの第3固体光源170を更に有する。従って、第3固体光源は、190乃至315nmの波長範囲内のUV-B及び/又はUV-C光を発するよう構成される。この例においては、照明装置100は、単一の第3固体光源170しか含まないが、照明装置100は任意の数の第3固体光源170を有してもよいことに留意されたい。例えば、第2固体光源130の数Nと、第3固体光源170の数Nとが、N>3・N又はN>5・Nなどの、N>2・Nを満たしてもよい。
【0058】
第3固体光源170は、照明装置100の反射器140の少なくとも一部によって画定されるような混合チャンバ150の外側に配設される。この例においては、第3固体光源170は、混合チャンバ150を画定しない反射器140の一部又は部分190に設けられる。従って、第3固体光源170は、混合チャンバ150の外側の、反射器140の一部又は部分190に配設される。従って、第3固体光源170から発せられる光は、光出射窓160によってカップルアウトされない。更に、第3固体光源170から発せられる光は、光出射窓160にぶつからないよう構成される。また、光出射窓160は、第3固体光源170から発せられるUV光に対して非透過性であってもよい。
【0059】
図3は、本発明の例示実施形態による照明装置100の断面を概略的に示している。図3において例示されている照明装置100は、図1又は図2において例示されている照明装置100を構成し得ること、並びに図3における照明装置100の特徴及び/又は構成要素の理解を深めるために、図1及び/又は図2並びに関連する文章が参照されることに留意されたい。図3においては、照明装置は、各々が、混合チャンバ150の外側の、反射器140の一部又は部分190に配設される、第1の第3固体光源170a及び第2の第3固体光源170bを有する。しかしながら、照明装置100は、任意の数の第3固体光源を有してもよいことに留意されたい。この例によれば、各第3固体光源170a、170bは、それぞれの第1及び第2の第3固体光源170a、170bから発せられる光の概略的に示されている第1及び第2(ビーム)方向(D、D)によって示されているように、光出射窓160から離れるように光を発するよう構成されてもよい。更に、第1の第3固体光源170aは、第1方向(D)に光を発するよう構成されてもよく、第2の第3固体光源170bは、第2方向(D)に光を発するよう構成されてもよく、第1方向(D)は、第2方向(D)と異なる。従って、第1及び第2の第3固体光源170a、170bは、光出射窓160から離れるそれぞれの方向(D、D)に、即ち、第1及び第2の第3固体光源170a、170bの各々からの光が光出射窓160にぶつからないような方向に、光を発するよう構成されてもよい。更に、第1及び第2の第3固体光源170a、170bは、例えば、概略的に示されている第1及び第2(ビーム)方向(D、D)によって示されているように、2つの異なる光ビーム又は光の方向が交わらない又は交差しないような、固有の、それぞれの方向に、光を発するよう構成されてもよい。
【0060】
図4a及び4bは、本発明の例による照明デバイス300を概略的に示している。照明デバイス300は、各々、前述の実施形態のうちのいずれか1つによる照明装置100を有し、ハウジング310を更に有する。ハウジング310は、照明装置300の種類に応じて異なる構造又は形状を取り得ることは理解されるだろう。ハウジング310は、照明装置100を少なくとも部分的に囲み、少なくとも1つの第3固体光源170は、少なくとも部分的にハウジング310内に配設される。図4aにおける照明デバイス300の例によれば、照明デバイス300は、LEDランプなどのLEDデバイスを構成する。図4bにおける照明デバイス300の例によれば、照明デバイス300は、LED管(T-LED)を構成する。
【0061】
図5は、本発明の例示実施形態による照明装置100を1つ以上有する照明器具500を概略的に示している。照明器具500は、例えば、廊下、部屋などの天井に配設され得る。照明器具500は、図5において示されているものとは異なる形状及び/又は構造を取ってもよく、照明器具500は、例を示していることは理解されるだろう。照明器具500は、照明装置100の少なくとも1つの第1及び第2固体光源(図示せず)並びに第3固体光源170への電力の供給のために照明装置100に接続される電気接続部を有する。例示されているような照明装置100は、190nmから315nmまでの波長範囲内のUV光を発するよう構成される3つの第3固体光源170を有する。第3固体光源170のうちの1つ以上は、光出射窓160に配設されてもよいことに留意されたい(図示せず)。430nmから800nmまでの波長範囲内の可視光を発するよう構成される第1固体光源、並びに315nmから420nmまでの波長範囲内の紫色光及び紫外線(UV)光のうちの少なくとも一方の第2光を発するよう構成される第2固体光源は、光出射窓160の後ろに設けられ、それ故、図5においては示されていない。
【0062】
UV光の波長範囲は、100nmから380nmまでの範囲において定義されることができ、異なるタイプのUV光/UV波長範囲に分けられることができることは理解されるだろう(表1)。異なるUV波長の放射線は、異なる特性を有することがあり、従って、人間の存在との適合性が異なることがあり、消毒のために使用される場合の効果が異なることがある(表1)。
【表1】
【0063】
各UVタイプ/波長範囲は、異なる利点及び/又は不利な点を有し得ることに留意されたい。関連する側面は、(相対的)殺菌有効性、(放射線に関する)安全性、及び(その放射の結果としての)オゾン発生であり得る。用途に応じて、特定のタイプのUV光、又はUV光のタイプの特定の組み合わせが、選択されることができ、他のタイプのUV光より優れた性能を発揮する。UV-Aは、(相対的に)安全である可能性があり、細菌を死滅させる可能性があるが、ウイルスを死滅させることにおいて効果が低い可能性がある。UV-Bは、低線量(即ち、低露光時間及び/又は低強度)が使用される場合に(相対的に)安全である可能性があり、細菌を死滅させる可能性があり、ウイルスを死滅させることにおいて効果が中程度である可能性がある。UV-Bは、人又は動物の皮膚におけるビタミンDの産生において効果的に使用されることができるという更なる利点も有し得る。近UV-Cは、相対的に危険である可能性があるが、細菌及びウイルスを効果的に死滅させる可能性がある。遠UVも細菌及びウイルスを死滅させるのに効果的である可能性があるが、(他のUV-C波長範囲に対して相対的に)(むしろ)安全である可能性がある。遠UV光は、人間及び動物にとって有害である可能性があるオゾンを幾らか発生させる可能性がある。極UV-Cも細菌及びウイルスを死滅させるのに効果的である可能性があるが、相対的に危険である可能性がある。極UV-Cは、人間又は動物にさらされると望ましくない可能性があるオゾンを発生させる可能性がある。幾つかの用途においては、オゾンは、望ましい可能性があり、消毒に寄与する可能性があるが、その場合、人間及び動物からのその遮蔽が望まれる可能性がある。従って、表におけるオゾン発生の「+」は、特に、消毒用途には有用である可能性があるが、人間/動物がそれにさらされると人間/動物にとって有害である可能性があるオゾンが発生することを意味する。従って、この「+」は、多くの用途においては、実際には望ましくないかもしれないが、他の用途においては、望ましいかもしれない。
【0064】
当業者には、本発明が、決して、上記の好ましい実施形態に限定されないことは分かる。逆に、添付の特許請求の範囲の範囲内で多くの修正及び変更が可能である。例えば、第1固体光源110、第2固体光源130及び/又は第3固体光源170、反射器140などのうちの1つ以上が、図示/記載されているものとは異なる形状、寸法及び/又はサイズを有し得る。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
【国際調査報告】