(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】タッチパネルスイッチシステム及びステアリングホイール
(51)【国際特許分類】
H03K 17/965 20060101AFI20240123BHJP
B62D 1/04 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
H03K17/965 B
B62D1/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541671
(86)(22)【出願日】2022-01-11
(85)【翻訳文提出日】2023-07-10
(86)【国際出願番号】 CN2022071332
(87)【国際公開番号】W WO2022161158
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】202120232145.X
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503358097
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100124110
【氏名又は名称】鈴木 大介
(74)【代理人】
【識別番号】100120400
【氏名又は名称】飛田 高介
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,チヨン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ウェンジェン
(72)【発明者】
【氏名】シュウ,リンリン
【テーマコード(参考)】
3D030
5J050
【Fターム(参考)】
3D030DB13
5J050AA00
5J050AA47
5J050AA49
5J050BB23
5J050CC09
5J050FF35
(57)【要約】
【解決手段】 開示されるタッチパネルスイッチシステムは、上部アセンブリと、下部アセンブリと、サスペンションアセンブリとを含む。上部アセンブリは、上部カバーと内側支持体とを含む。上部カバーと内側支持体とは互いに固定して接続される。下部アセンブリは、ハウジングと底部カバーとを含む。上部カバーとハウジングとは、互いに移動可能に接続される。ハウジングは、底部カバーに固定して接続される。サスペンションアセンブリは、上部アセンブリと下部アセンブリとの間に接続される。サスペンションアセンブリは、Z方向にトリガストロークをもたらす。トリガストロークはミクロンスケールである。ステアリングホイールも開示される。本発明では、トリガストロークがミクロンスケールであるので、タッチパネルスイッチシステムはタッチ弾性及び剛性の両方を達成する。したがって、タッチパネルスイッチシステムがトリガされると、特定のトリガフィードバックが提供される。しかしながら、対応する機能のトリガは、非常に小さいトリガストロークによって達成することができる。更に、本発明のタッチパネルスイッチシステムは、占有空間が小さく、集積度が高い。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルスイッチシステムであって、上部アセンブリ(1)と、下部アセンブリ(2)と、サスペンションアセンブリ(3)とを備えることを特徴とし、
前記上部アセンブリ(1)が、上部カバー(11)と、内側支持体(12)とを備え、前記上部カバー(11)と前記内側支持体(12)とが互いに固定して接続され、
前記下部アセンブリ(2)が、ハウジング(21)と、底部カバー(22)とを備え、前記上部カバー(11)と前記ハウジング(21)とは、互いに移動可能に接続され、前記ハウジング(21)が、前記底部カバー(22)に固定して接続され、
前記サスペンションアセンブリ(3)が、前記上部アセンブリ(1)と前記下部アセンブリ(2)との間に接続され、前記サスペンションアセンブリ(3)が、Z方向にトリガストロークをもたらし、前記トリガストロークがミクロンスケールである、タッチパネルスイッチシステム。
【請求項2】
前記下部アセンブリ(2)が、前記内側支持体(12)と前記底部カバー(22)との間に設けられたプリント回路基板(23)と、
前記プリント回路基板(23)に実装されたミクロンスケール圧力センサ(122)と、
前記内側支持体(12)から下方に延在し、前記ミクロンスケール圧力センサ(122)を押圧するために使用される取付柱(121)と、を更に備える、請求項1に記載のタッチパネルスイッチシステム。
【請求項3】
前記取付柱(121)に実装され、前記ミクロンスケール圧力センサ(122)と接触するプリテンショナ(123)を更に備え、前記プリテンショナ(123)が、前記ミクロンスケール圧力センサ(122)に初期値を提供し、トリガ閾値が前記ミクロンスケール圧力センサ(122)に設定され、
前記タッチパネルスイッチシステムの機能構成要素が、前記ミクロンスケール圧力センサ(122)が前記初期値未満の力を受けるときにトリガされず、
前記機能構成要素が、前記ミクロンスケール圧力センサ(122)が前記トリガ閾値を超える力を受けたときにトリガされる、請求項2に記載のタッチパネルスイッチシステム。
【請求項4】
前記サスペンションアセンブリ(3)が、前記内側支持体(12)と前記ハウジング(21)との間に実装されている、請求項1に記載のタッチパネルスイッチシステム。
【請求項5】
前記サスペンションアセンブリ(3)が、弾性部材(31)と、弾性爪(34)とを備え、前記弾性爪(34)が、前記内側支持体(12)の下面から下方に延在し、前記弾性部材(31)が、前記弾性爪(34)と前記ハウジング(21)との間に接続される、請求項4に記載のタッチパネルスイッチシステム。
【請求項6】
前記弾性爪(34)が、互いに離間した複数のバーブ(341)を備える、請求項5に記載のタッチパネルスイッチシステム。
【請求項7】
前記弾性爪(34)が、逆マッシュルームヘッド構造(342)を備え、前記弾性部材(31)の形状が、前記マッシュルームヘッド構造(342)の形状に適合する、請求項5に記載のタッチパネルスイッチシステム。
【請求項8】
前記サスペンションアセンブリ(3)が、第1の弾性保持部材(35)と、第2の弾性保持部材(36)と、弾性部材(31)とを備え、前記第1の弾性保持部材(35)が、前記内側支持体(12)に接続され、前記第2の弾性保持部材(36)が、前記ハウジング(21)に接続され、前記弾性部材(31)が、前記第1の弾性保持部材(35)と前記第2の弾性保持部材(36)との間に接続される、請求項4に記載のタッチパネルスイッチシステム。
【請求項9】
前記弾性部材(31)が、中実ゴム又は中空ゴムで作られる、請求項8に記載のタッチパネルスイッチシステム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のタッチパネルスイッチシステム(100)を備えることを特徴とする、ステアリングホイール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のステアリングホイールの技術分野に関し、特に、タッチパネルスイッチシステム及びステアリングホイールに関する。
【背景技術】
【0002】
既存のパネルスイッチは、典型的には3つのタイプに分類される。パネルスイッチの1つのタイプは、パッシブフィードバックを提供し、特定の押圧ストロークを有するタッチスイッチである。このタイプのパネルスイッチは、過度に柔らかい触感を有し、大きなトリガストロークを必要とし、厚さが厚く、占有空間が大きいマイクロスイッチを使用する。更に、大型パネルのストロークに影響を与えるために、平衡レバーの構造が更に必要とする。
【0003】
別のタイプのパネルスイッチは、ソレノイド弁のアクティブ触覚フィードバックを使用する。このタイプのパネルスイッチは、触感が調整できないという欠点を有する。
【0004】
更に別のタイプのパネルスイッチは、ストロークのないパネルスイッチである。このタイプのパネルスイッチは、過度に硬い触感を有し、ユーザ体験を低下させるトリガフィードバックを提供しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、タッチ弾性及び剛性の両方を達成し、小さなトリガストロークを必要とし、小さな空間を占有し、調整可能な触感を提供するタッチパネルスイッチシステム及びステアリングホイールを設計する必要がある。
【0006】
本発明の目的は、従来技術における欠点を克服し、タッチ弾性及び剛性の両方を達成し、必要なトリガストロークが小さく、占有空間が小さく、調整可能な触感を提供するタッチパネルスイッチシステム及びステアリングホイールを提供することである。
【0007】
本発明の技術的解決策では、タッチパネルスイッチシステムが提供され、タッチパネルスイッチシステムは、上部アセンブリと、下部アセンブリと、サスペンションアセンブリとを備える。
【0008】
上部アセンブリは、上部カバーと内側支持体とを備え、上部カバーと内側支持体とは互いに固定して接続される。
【0009】
下部アセンブリは、ハウジングと底部カバーとを備え、上部カバーとハウジングとは、互いに移動可能に接続され、ハウジングは、底部カバーに固定して接続される。
【0010】
サスペンションアセンブリは、上部アセンブリと下部アセンブリとの間に接続され、サスペンションアセンブリは、Z方向にトリガストロークをもたらし、トリガストロークはミクロンスケールである。
【0011】
更に、下部アセンブリは、内側支持体と底部カバーとの間に設けられたプリント回路基板を更に備える。
【0012】
ミクロンスケール圧力センサがプリント回路基板に実装されている。
【0013】
取付柱は、内側支持体から下方に延在し、ミクロンスケール圧力センサを押圧するために使用される。
【0014】
更に、タッチパネルスイッチシステムは、取付柱に実装され、ミクロンスケール圧力センサと接触するプリテンショナを更に備える。プリテンショナは、ミクロンスケール圧力センサに初期値を提供し、トリガ閾値がミクロンスケール圧力センサに設定される。
【0015】
タッチパネルスイッチシステムの機能構成要素は、ミクロンスケール圧力センサが初期値未満の力を受けたときにトリガされない。
【0016】
機能構成要素は、ミクロンスケール圧力センサがトリガ閾値を超える力を受けたときにトリガされる。
【0017】
更に、サスペンションアセンブリは、内側支持体とハウジングとの間に実装されている。
【0018】
更に、サスペンションアセンブリは、弾性部材と弾性爪とを備える。弾性爪は、内側支持体の下面から下方に延在し、弾性部材は、弾性爪とハウジング又はプリント回路基板との間に接続される。
【0019】
更に、弾性爪は、互いに離間した複数のバーブを備える。
【0020】
更に、弾性爪は、逆マッシュルームヘッド構造を備え、弾性部材の形状は、マッシュルームヘッド構造の形状に適合する。
【0021】
更に、サスペンションアセンブリは、第1の弾性保持部材と、第2の弾性保持部材と、弾性部材とを備える。第1の弾性保持部材は内側支持体に接続され、第2の弾性保持部材はハウジング又はプリント回路基板に接続され、弾性部材は第1の弾性保持部材と第2の弾性保持部材との間に接続される。
【0022】
更に、弾性部材は、中実ゴム又は中空ゴムで作られる。
【0023】
また、本発明は、上記タッチパネルスイッチシステムを備えたステアリングホイールを提供する。
【0024】
上記の技術的解決策は、以下の有益な効果を達成することができる。
【0025】
本発明では、サスペンションアセンブリが提供され、サスペンションアセンブリは、上部アセンブリと下部アセンブリとの間でZ方向のミクロンスケールのトリガストロークがもたらされることを可能にする。ストロークを力値の入力に変換して、システムによって設定された閾値に達したか否かを判定することができる。本発明では、タッチパネルスイッチシステムは、タッチ弾性及び剛性の両方を達成し、その結果、タッチパネルスイッチシステムがトリガされると、特定のトリガフィードバックが提供される。このようにして、対応する機能のトリガは、非常に小さいトリガストロークによって達成されることができ、それによってユーザ体験を改善する。更に、本発明のタッチパネルスイッチシステムは、占有空間が小さく、集積度が高い。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の開示は、添付の図面を参照してより良好に理解される。これらの図面は、例示のためのみであり、本発明の保護の範囲を限定することは意図されていないことを理解されたい。図面は次のとおりである。
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るステアリングホイールに実装されたタッチパネルスイッチシステムの概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係るタッチパネルスイッチシステムの上面図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係るタッチパネルスイッチシステムの正面図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態1に係るタッチパネルスイッチシステムの部分断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態1に係るタッチパネルスイッチシステムの内側支持体の概略図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態2に係るタッチパネルスイッチシステムの縦断面図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態2に係るタッチパネルスイッチシステムの内側支持体の概略図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態3に係るタッチパネルスイッチシステムの縦断面図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態3に係るタッチパネルスイッチシステムの内側支持体の概略図である。
【0027】
参照番号は次のとおりである。
タッチパネルスイッチシステム100
上部アセンブリ1:上部カバー11、内側支持体12、タッチ導電膜13、導光板14、モータ15、取付柱121、ミクロンスケール圧力センサ122、及びプリテンショナ123。
下部アセンブリ2:ハウジング21、底部カバー22、プリント回路基板23、及びフック221。
サスペンションアセンブリ3:弾性部材31、弾性爪34、第1の弾性保持部材35、第2の弾性保持部材36、バーブ341、及びマッシュルームヘッド構造342。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の具体的な実施形態について、添付の図面を参照して以下に更に説明する。
【0029】
当業者は、本発明の本質的な精神を変更することなく、本発明の技術的解決策による複数の互換性の構造モード及び実装方法を提案し得ることが容易に理解され得る。したがって、以下の特定の実施形態及び添付の図面は、単に本発明の技術的解決策の例示的な説明であり、本発明の全体として解釈されるべきでない、又は本発明の技術的解決策への限定として解釈されるべきでない。
【0030】
本明細書で言及される又は言及され得る、上、下、左、右、前に、後ろに、前部、後部、頂部、底部などの位置用語は、図面に示す構成に対して定義され、これらの位置用語は、相対的な概念であり、したがって、これらの位置用語は、構成の異なる位置及び異なる使用状態に従って相応して変化し得る。したがって、これらの位置用語又は他の位置用語は、限定的な用語として解釈されるべきではない。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態では、
図3及び
図4に示すように、タッチパネルスイッチシステム100は、上部アセンブリ1と、下部アセンブリ2と、サスペンションアセンブリ3とを含む。
【0032】
上部アセンブリ1は、上部カバー11と内側支持体12とを含み、上部カバー11と内側支持体12とは互いに固定して接続される。
【0033】
下部アセンブリ2は、ハウジング21と底部カバー22とを含む。上部カバー11とハウジング21とは、互いに移動可能に接続される。ハウジング21は、底部カバー22に固定して接続される。
【0034】
サスペンションアセンブリ3は、上部アセンブリ1と下部アセンブリ2との間に接続される。サスペンションアセンブリ3は、Z方向にトリガストロークをもたらす。トリガストロークはミクロンスケールである。
【0035】
具体的には、
図1に示すように、タッチパネルスイッチシステム100は、ユーザが容易に操作できるように、車両のステアリングホイールの左側に実装されている。
【0036】
図2に示すように、タッチパネルスイッチシステム100には、複数の機能構成要素が一体化されている。異なるキーに触れることにより、異なる機能構成要素をトリガすることができる。例えば、自動運転に関する巡航速度、車間距離、制限速度の調整、マルチメディアシステムの制御などである。
【0037】
図3に示すように、タッチパネルスイッチシステム100は、上部アセンブリ1と下部アセンブリ2とを含む。タッチパネルスイッチシステム100の機能構成要素は、上部アセンブリ1と下部アセンブリ2との間の空洞内に実装されている。下部アセンブリ2は、ステアリングホイールの本体に接続される。
【0038】
図4に示すように、上部アセンブリ1は、上部カバー11と内側支持体12とを含み、上部カバー11と内側支持体12とは互いに固定して接続される。上部カバー11は、タッチパネルスイッチシステム100の最上部のカバーであり、上部カバー11の上面には複数の機能キーが設けられている。上部カバー11と内側支持体12との間には、タッチ導電膜13及び導光板14が実装されている。タッチ導電膜13は、上部カバー11に(光学透明接着剤を使用する接着を介して、又は高温接着を介して)実装されている。内側支持体12は、導光板14を支持して実装するために使用される。ユーザが上部カバー11上の機能キーに触れると、タッチ導電膜13は、対応する機能構成要素をトリガするための押圧信号を受信する。
【0039】
下部アセンブリ2は、ハウジング21と底部カバー22とを含む。上部カバー11及びハウジング21は、互いにZ方向に移動可能に接続される。ハウジング21は、底部カバー22に固定して接続される。フック221は、底部カバー22から下方に延在し、ステアリングホイールの本体に接続されるために使用される。
【0040】
本発明における「Z」方向とは、ステアリングホイールの上下方向、すなわち
図4における上下方向である。
【0041】
サスペンションアセンブリ3は、上部アセンブリ1と下部アセンブリ2との間に接続されているので、サスペンションアセンブリ3は、Z方向のトリガストロークをもたらす。ユーザが上部カバー11上の機能キーを押すと、上部アセンブリ1は下部アセンブリ2に対してZ方向にトリガストロークを生成する。ユーザは、ミクロンスケールのトリガストロークを感知することができない。モータ15(
図6参照)の振動が上部カバー11を駆動して振動感を生じさせ、ユーザはトリガフィードバックを感知する。本発明では、トリガストロークがミクロンスケールであるので、タッチパネルスイッチシステムは、タッチ弾性及び剛性の両方を達成する。したがって、タッチパネルスイッチシステムがトリガされると、ストロークを力値の入力に変換して、システムによって設定された閾値に達したか否かを判定することができる。設定された閾値を超えると、(例えば、モータ15が振動を生成する)フィードバック要素は、ユーザが感知することができる特定のトリガフィードバックを上部カバー11に印加する。このようにして、対応する機能のトリガは、非常に小さいトリガストロークによって達成されることができ、それによってユーザ体験を改善する。更に、本発明のタッチパネルスイッチシステムは、占有空間が小さく、集積度が高い。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態では、
図4及び
図5に示すように、下部アセンブリ2は、内側支持体12と底部カバー22との間に設けられたプリント回路基板23を更に含む。
【0043】
ミクロンスケール圧力センサ122が、プリント回路基板23に実装されている。
【0044】
取付柱121は、内側支持体12から下方に延在し、ミクロンスケール圧力センサ122を押圧するために使用される。
【0045】
具体的には、ミクロンスケール圧力センサ122は、プリント回路基板23に表面実装され、はんだ付けされる。
【0046】
ユーザが上部カバー11上の機能キーを押すと、タッチ導電膜13は押圧信号を受信する。上部アセンブリ1は、Z方向にトリガストロークを生成する。取付柱121は、ミクロンスケール圧力センサ122を下方に駆動する。ミクロンスケール圧力センサ122とプリント回路基板23との間に押圧力を生成する。ミクロンスケール圧力センサ122は、押圧力の力値を検出する。押圧力の力値が設定された力値より大きいときに、ミクロンスケール圧力センサ122はプリント回路基板23に信号を送信する。プリント回路基板23は、対応する機能構成要素を制御して起動する。
【0047】
サスペンションアセンブリ3は、プリント回路基板23に対して懸架されるので、上部カバー11が押圧されたときに、サスペンションアセンブリ3がプリント回路基板23に接触又は干渉することはない。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態では、
図4に示すように、プリテンショナ123が更に含まれる。ミクロンスケール圧力センサ122は、プリテンショナ123によって取付柱121に接続される。プリテンショナ123は、ミクロンスケール圧力センサ122に初期値を提供する。トリガ閾値は、ミクロンスケール圧力センサ122に設定される。
【0049】
タッチパネルスイッチシステムの機能構成要素は、ミクロンスケール圧力センサ122が初期値未満の力を受けたときにはトリガされない。
【0050】
機能構成要素は、ミクロンスケール圧力センサ122がトリガ閾値を超える力を受けたときにトリガされる。
【0051】
プリテンショナ123は、ゴムで作られるエラストマーであってもよい。プリテンショナ123はボウル状であり、取付柱121の下端にスリーブを有する。プリテンショナ123の下端には、ミクロンスケール圧力センサ122が実装されている。プリテンショナ123が圧縮され、ミクロンスケール圧力センサ122に印加することにより、初期力をミクロンスケール圧力センサ122は初期値を有する。
【0052】
ミクロンスケール圧力センサ122は、非常に高い精度のセンサであり、従来の機械スイッチのパッシブフィードバックを置き換えるために、ミクロンスケールストロークを力値の感知に変換することができる。ミクロンスケール圧力センサ122のサイズは非常に小さく(厚さ0.6mm)、マイクロスイッチと比較してスイッチの厚さを薄くすることができる。更に、マイクロスイッチをトリガするための平衡感知レバー構造が置き換えられる。固定された押圧力のマイクロスイッチと比較して、ミクロンスケール圧力センサ12のトリガ閾値は、ソフトウェアによってカスタマイズすることができる。すなわち、構造又はハードウェアを変更することなく、トリガ閾値を再調整することができる。また、トリガ閾値を設定することで、誤操作を防止することができる。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態では、
図4に示すように、サスペンションアセンブリ3は、内側支持体12とハウジング21との間に実装されている。
【0054】
上部アセンブリ1が押圧されると、内側支持体12は、サスペンションアセンブリ3によってハウジング21に対してZ方向にトリガストロークを生成する。
【0055】
実施形態1:
図4及び
図5に示すように、サスペンションアセンブリ3は、弾性部材31と、弾性爪34とを含む。弾性爪34は、内側支持体12の下面から下方に延在する。弾性部材31は、弾性爪34とハウジング21との間に接続される。
【0056】
更に、弾性爪34は、互いに離間した複数のバーブ341を含む。
【0057】
具体的には、
図5に示すように、3つのバーブ341が内側支持体12から下方に延在する。バーブ341は、内側支持体12と一体に形成されてもよく、硬質プラスチックで作られる。バーブ341は、ある程度弾性変形可能である。
【0058】
弾性部材31は、ゴムで作られる円形リングである。弾性部材31の内側リングは、3つのバーブ341の外側にスリーブを有する。バーブ341の下端は弾性部材31を拘束する。弾性部材31の外側リングは、依然としてハウジング21上の取付穴と嵌合している。
【0059】
上部アセンブリ1と下部アセンブリ2との間の懸架接続は、弾性部材31及びバーブ341によって達成される。すなわち、Z方向に特定のトリガストロークがもたらされる。
【0060】
実施形態1では、弾性バーブ341は弾性部材31のZ方向の変形の一部を吸収する。しかしながら、バーブ341は弾性を有するので、サスペンションアセンブリ3は弾性及び剛性の両方を達成する。
【0061】
サスペンションアセンブリ3の剛性は、ゴムの剛性を調整することによって達成することができる。すなわち、ゴムの剛性を増減させて剛性を調整する。
【0062】
また、バーブ341のオーバーラップ量を調整することで剛性を調整してもよく、又は、バーブ341の弾性や剛性を調整することでサスペンションアセンブリ3全体の剛性を調整してもよい。
【0063】
この実施形態では、3つのサスペンションアセンブリ3が設けられている。任意選択的に、異なる数のサスペンションアセンブリ3が設けられてもよい。
【0064】
実施形態2:
図6及び
図7に示すように、弾性爪34は、逆マッシュルームヘッド構造342を含み、弾性部材31の形状は、マッシュルームヘッド構造342の形状に適合する。
【0065】
具体的には、マッシュルームヘッド構造342も、内側支持体12から下方に延在する。実施形態2と異なる点は、1つのサスペンションアセンブリ3が1つのマッシュルームヘッド構造342のみを含むことである。弾性部材31の形状は、マッシュルームヘッド構造342の形状に適合する。弾性部材31はゴムスリーブであり、その中間部分は中空である。マッシュルームヘッド構造342の底部は、弾性部材31の中心に完全に囲まれている。弾性部材31の外側もマッシュルームヘッドの形状であり、その外壁は依然としてハウジング21に嵌合する。
【0066】
弾性部材31は、内側支持体12とハウジング21との間の弾性接続を達成し、サスペンションアセンブリ3の剛性は、ゴムの剛性を調整することによって調整することができる。
【0067】
また、弾性部材31の中実部分の厚さを厚くすることによっても弾性を増加することができる。或いは、弾性部材31の中空部分の形状、すなわち、中空の深さや幅を変えることにより、触感を調整する。
【0068】
実施形態3:
図8及び
図9に示すように、サスペンションアセンブリ3は、第1の弾性保持部材35と、第2の弾性保持部材36と、弾性部材31とを含む。第1の弾性保持部材35は、内側支持体12に固定して接続される。第2の弾性保持部材36は、ハウジング21に接続される。弾性部材31は、第1の弾性保持部材35と第2の弾性保持部材36との間に接続される。
【0069】
具体的には、内側支持体12及びハウジング21は硬質プラスチックで作られる。第1の弾性保持部材35は、内側支持体12と一体に形成されている。第2の弾性保持部材36は、ハウジング21と一体に形成されている。第1の弾性保持部材35及び第2の弾性保持部材36は、ある程度の弾性を有している。
【0070】
図9に示すように、第1の弾性保持部材35は、中空リング構造である。第2の弾性保持部材36も同様の中空リング構造である。
【0071】
図8に示すように、弾性部材31はゴムで作られる。弾性部材31の外壁には、第1の弾性保持部材35及び第2の弾性保持部材36とそれぞれ係合する2つの円形凹部が設けられている。
【0072】
前述の2つの実施形態と比較して、実施形態3におけるサスペンションアセンブリ3は、より高い弾性、より大きいトリガストローク、及びより柔らかい触感を有する。
【0073】
更に、弾性部材31は、中空ゴムで作られる。弾性部材31の空洞に硬質材料を添加することで剛性を調整することができる。
【0074】
或いは、弾性部材31は中実ゴムで作られてもよい。
【0075】
また、弾性部材31の形状やサイズを調整することにより、サスペンションアセンブリ3の剛性や弾性を調整してもよい。
【0076】
実施形態4:
図1に示すように、ステアリングホイールは、上記のいずれかのタッチパネルスイッチシステム100を含む。ステアリングホイールの右側及び左側には各々、1つのタッチパネルスイッチシステム100が設けられている。タッチパネルスイッチシステム100の上部カバー11は、一体型の大型タッチパネルである。非常に小さなトリガストロークは、ミクロンスケールのトリガストロークによって達成される。すなわち、対応する機能の起動をトリガすることができ、一方で特定のトリガフィードバックが維持され、それによって、ユーザにより良い体験を提供する。更に、マイクロスイッチ又は導電性ゴムがスイッチとして提供される従来のシステムと比較して、本発明は、より小さい空間を占有し、より高い精度を有し、トリガストローク及びそのフィードバック力値を調整又はカスタマイズすることができる。
【0077】
上記の説明は、単に、本発明の原理及び好ましい例の例示である。他の変形形態は当業者によって本発明の原理に基づいてなされてもよく、このような変形形態は、本発明の保護の範囲内にあるとして解釈されるべきであることに留意されたい。
【国際調査報告】