(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】試薬容器及びその操作方法、並びに試薬取り扱いシステム
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20240123BHJP
G01N 35/10 20060101ALI20240123BHJP
G01N 1/00 20060101ALI20240123BHJP
C12M 1/00 20060101ALI20240123BHJP
C12M 1/24 20060101ALI20240123BHJP
C12M 1/34 20060101ALI20240123BHJP
C12Q 1/686 20180101ALI20240123BHJP
B01L 3/00 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
G01N35/02 B
G01N35/10 A
G01N1/00 101K
C12M1/00 A
C12M1/24
C12M1/34 Z
C12Q1/686 Z
B01L3/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023541688
(86)(22)【出願日】2022-01-07
(85)【翻訳文提出日】2023-09-06
(86)【国際出願番号】 CN2022070755
(87)【国際公開番号】W WO2022148438
(87)【国際公開日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】202110023377.9
(32)【優先日】2021-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202120045981.7
(32)【優先日】2021-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523259433
【氏名又は名称】シアメン ツォーサン バイオテック カンパニー,リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100126848
【氏名又は名称】本田 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】チャン ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン イー
(72)【発明者】
【氏名】ウー トーチョン
【テーマコード(参考)】
2G052
2G058
4B029
4B063
4G057
【Fターム(参考)】
2G052AD26
2G052CA04
2G052CA28
2G052DA02
2G052DA12
2G052DA22
2G058CC19
2G058CE02
2G058EA04
2G058EA08
4B029AA08
4B029AA23
4B029BB20
4B029FA12
4B029GA02
4B063QA01
4B063QA13
4B063QQ28
4B063QQ42
4B063QR32
4B063QR56
4B063QR62
4B063QS25
4B063QS34
4B063QS39
4B063QX02
4G057AB08
(57)【要約】
本発明は試薬容器及びその操作方法、並びに試薬取り扱いシステムに関する。試薬容器は管本体と弾性管栓とを含み、管本体が管栓収容区分を含み、管栓収容区分が前記管本体の深さ方向において、第1内径区分と第2内径区分とを含み、第2内径区分の内径が、第1内径区分の内径よりも小さく、弾性管栓が管本体へ延びる方向において、貫通チャネルを備えており、弾性管栓は、第1内径区分と非締まり嵌め状態にすることができるか、又は第1内径区分と第1締まり嵌め規模によって嵌合することができ、そして弾性管栓は、第2内径区分と第2締まり嵌め規模によって嵌合することでき、弾性管栓が第1内径区分と非締まり嵌め状態にすることができるときには、第2締まり嵌め規模はゼロよりも大きく、そして弾性管栓を第1内径区分と第1締まり嵌め規模によって嵌合し得るときには、第2締まり嵌め規模は第1締まり嵌め規模よりも大きく、そして貫通チャネルは、弾性管栓が第2内径区分と第2締まり嵌め規模によって嵌合するときには弾性管栓の半径方向の収縮とともに圧縮されシールされるように形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試薬容器であって、
管栓収容区分(16)を含む管本体(10)であって、前記管栓収容区分(16)が、前記管本体(10)の深さ方向に沿って、第1内径区分(11)と第2内径区分(12)とを含み、前記第2内径区分(12)の内径が、前記第1内径区分(11)の内径よりも小さい、管本体(16)、
弾性管栓(20)であって、前記弾性管栓(20)が前記管本体(10)への進入方向に沿って、貫通チャネル(21)を備えている、弾性管栓(20)
を含み、
前記弾性管栓(20)が、前記第1内径区分(11)との非締まり嵌め状態にすることができるか、又は前記第1内径区分(11)との第1締まり嵌め量を有することができ、そして前記弾性管栓(20)が、前記第2内径区分(12)との第2締まり嵌め量を有することができ、
前記弾性管栓が前記第1内径区分との非締まり嵌め状態にすることができるときには、前記第2締まり嵌め量はゼロよりも大きく、前記弾性管栓が前記第1内径区分との第1締まり嵌め量を有することができるときには、前記第2締まり嵌め量が前記第1締まり嵌め量よりも大きく、
前記貫通チャネル(21)が、前記弾性管栓(20)が前記第2内径区分(12)との第2締まり嵌め量を有するときには前記弾性管栓(20)の半径方向の収縮により圧縮されシールされるように形成されている、
試薬容器。
【請求項2】
前記試薬容器が下記特徴、すなわち、
- 前記第1内径区分(11)の内径が、前記弾性管栓(20)の少なくとも1つの外径よりも大きいか、又は前記外径に等しいこと、
- 前記第2内径区分(12)の内径が、前記弾性管栓(20)の少なくとも1つの外径よりも小さいこと、
- 前記弾性管栓(20)が、前記管本体(10)への第1進入深さでは、前記第1内径区分(11)との非締まり嵌め状態にあるか、又は前記第1内径区分(11)との第1締まり嵌め量を有し、そして前記管本体(10)への第2進入深さでは、前記第2内径区分(12)との前記第2締まり嵌め量を有し、そして前記第2深さが前記第1深さよりも大きいこと、
のうちの1つ又は2つ以上を有する、請求項1に記載の試薬容器。
【請求項3】
前記試薬容器が下記特徴、すなわち、
- 前記第1内径区分(11)と前記第2内径区分(12)とが直接に隣接していること、
- 前記第1内径区分(11)と前記第2内径区分(12)との間に面取り面が設けられていること、
- 前記第1内径区分(11)の内径が、前記第2内径区分(12)に隣接した位置で逓減していること、
- 前記第2内径区分(12)の内径が、前記第1内径区分(11)に隣接した位置で逓増していること、
- 前記第1内径区分(11)と前記第2内径区分(12)との接合部に、滑らかな内径移行部が設けられていること、
- 前記第2内径区分(12)が前記管本体内で、前記第1内径区分(11)よりも深いこと、
のうちの1つ又は2つ以上を有する、請求項1に記載の試薬容器。
【請求項4】
前記管本体(10)及び/又は前記弾性管栓(20)は、位置制限メカニズムを備えており、前記位置制限メカニズムは、前記弾性管栓(20)が前記深さ方向に沿って、前記管本体(10)に対して上昇且つ/又は下降するのを防止し、
好ましくは、前記管本体(10)及び/又は前記弾性管栓(20)が、下記位置制限メカニズム、すなわち、
- 前記弾性管栓(20)が、前記管本体(10)のノズルから出るのを防止する第1位置制限メカニズム(13)、
- 前記弾性管栓(20)が、前記第1内径区分(11)から前記第2内径区分(12)へ進入するのを防止する第2位置制限メカニズム(14)、
- 前記弾性管栓(20)が、前記管栓収容区分(16)を超える深さに達するのを防止する第3位置制限メカニズム(15)、
のうちの1つ又は2つ以上の位置制限メカニズムを備えている、請求項1に記載の試薬容器。
【請求項5】
試薬容器であって、
管栓収容区分(16)を含む管本体(10)、
弾性管栓(20)であって、前記弾性管栓が、前記管栓収容区分(16)へ進入する順序にしたがって第3外径区分(23)と第4外径区分(24)とを含み、前記第4外径区分(24)の外径が前記第3外径区分(23)の外径よりも大きく、そして前記弾性管栓(20)が前記管本体への進入方向に沿って、貫通チャネル(21)を備えている、弾性管栓(20)
を含み、
前記第3外径区分(23)が、前記管栓収容区分(16)との非締まり嵌め状態にすることができるか、又は前記管栓収容区分(16)との第1締まり嵌め量を有することができ、そして前記第4外径区分(24)が、前記管栓収容区分(16)との第2締まり嵌め量を有することができ、
前記第3外径区分が前記管栓収容区分との非締まり嵌め状態にすることができるときには、前記第2締まり嵌め量はゼロよりも大きく、前記第3外径区分が前記管栓収容区分との第1締まり嵌め量を有することができるときには、前記第2締まり嵌め量が前記第1締まり嵌め量よりも大きく、
前記貫通チャネル(21)が、前記第4外径区分(24)が前記管栓収容区分(16)との第2締まり嵌め量を有するときには前記第4外径区分(24)の半径方向の収縮により圧縮されシールされるように形成されている、
試薬容器。
【請求項6】
前記試薬容器が下記特徴、すなわち、
- 前記管栓収容区分(16)の少なくとも1つの内径が、前記第3外径区分(23)の外径よりも大きいか、又は前記外径に等しいこと、
- 前記管栓収容区分(16)の少なくとも1つの内径が、前記第4外径区分(24)の外径よりも小さいこと、
- 前記弾性管栓(20)が前記管本体(10)に進入する第1深さでは、前記第3外径区分(23)が、前記管栓収容区分(16)との非締まり嵌め状態にあるか、又は前記管栓収容区分(16)との前記第1締まり嵌め量を有し、前記弾性管栓(20)が前記管本体(10)に進入する第2深さでは、前記第4外径区分(24)が前記管栓収容区分(16)との第2締まり嵌め量を有し、前記第2深さが前記第1深さよりも大きいこと、
のうちの1つ又は2つ以上を有する、請求項5に記載の試薬容器。
【請求項7】
前記試薬容器が下記特徴、すなわち、
- 前記第3外径区分(23)と前記第4外径区分(24)とが直接に隣接していること、
- 前記第3外径区分(23)と前記第4外径区分(24)との間に面取り面が設けられていること、
- 前記第3外径区分(23)の前記外径が、前記第4外径区分(24)に隣接した位置で逓増していること、
- 前記第4外径区分(24)の前記外径が、前記第3外径区分(23)に隣接した位置で逓減していること、
のうちの1つ又は2つ以上を有する、請求項6に記載の試薬容器。
【請求項8】
前記管本体(10)及び/又は前記弾性管栓(20)が、位置制限メカニズムを備えており、前記位置制限メカニズムが、前記弾性管栓(20)が前記深さ方向に沿って、前記管本体(10)に対して上昇且つ/又は下降するのを防止し、
好ましくは、前記位置制限メカニズムが下記のもの、すなわち
- 前記弾性管栓(20)が、前記管本体(10)のノズルから出るのを防止する第1位置制限メカニズム(13)、
- 前記弾性管栓(20)が、前記管栓収容区分(16)を超える深さに達するのを防止する第3位置制限メカニズム(15)、
- 前記管本体(20)の前記第4外径区分(24)が前記管栓収容区分に進入するのを防止する第4位置制限メカニズム、
のうちの1つ又は2つ以上のものを備えている、請求項5に記載の試薬容器。
【請求項9】
前記弾性管栓(20)が前記管本体(10)へ第1深さまで進入したときに、前記弾性管栓(20)が、前記管栓収容区分(16)との非締まり嵌め状態になるか、又は前記管栓収容区分(16)との第1締まり嵌め量を有し、前記貫通チャネル(21)が、シール状態を形成するように圧縮されず、又は第1シール状態を形成するように圧縮され、前記弾性管栓(20)が前記管本体(10)へ第2深さまで進入したときに、前記弾性管栓(20)が前記管栓収容区分(16)との第2締まり嵌め量を有し、前記貫通チャネル(21)が第2シール状態を有するように圧縮されるべく、前記試薬容器が形成されており、
前記第2深さが前記第1深さよりも大きく、前記貫通チャネル(21)の第2シール状態のシーリング度が、前記第1シール状態のシーリング度よりも大きく、
好ましくは、前記第2シール状態が気密シールである、
請求項1から8のいずれか1項に記載の試薬容器。
【請求項10】
前記弾性管栓(20)が前記管本体(10)へ進入する順序にしたがって、前記貫通チャネル(21)が第2チャネル区分(212)と第1チャネル区分(211)とを含み、前記チャネル区分が下記特徴、
- 前記第1チャネル区分(211)の断面積が前記第2チャネル区分(212)の断面積よりも大きいこと、
- 前記第1チャネル区分(211)のチャネル断面形状が二次元形状であり、前記第2チャネル区分(212)のチャネル断面形状が一次元形状であること、
のうちの1つ又は2つ以上を有する、請求項1から8のいずれか1項に記載の試薬容器。
【請求項11】
前記弾性管栓(20)がシーリングエレメント(25)をさらに含み、前記シーリングエレメント(25)が、前記貫通チャネル(21)をシールするために使用され、
好ましくは、前記シーリングエレメント(25)が取り外し可能であり、
好ましくは、前記シーリングエレメント(25)が穿刺可能である、
請求項1から8のいずれか1項に記載の試薬容器。
【請求項12】
前記試薬容器がPCR管である、請求項1から8のいずれか1項に記載の試薬容器。
【請求項13】
試薬容器を操作する方法であって、下記ステップ、すなわち、
a) 前記試薬容器の前記弾性管栓(20)が前記第1内径区分(11)と嵌合しているものの、前記第2内径区分(12)と未だ締まり嵌め状態にはなっていない、請求項1から12のいずれか1項に記載の試薬容器を用意し、
b) ピペットを使用して前記弾性管栓(20)の前記貫通チャネル(21)を貫通することにより、試薬を前記管本体(10)内へ注入し、且つ/又は前記管本体(10)から試薬をピペッティングし、
c) 前記弾性管栓(20)が前記第2内径区分(12)との締まり嵌め状態になるように、前記管本体(10)の深さ方向に沿って動くように前記弾性管栓(20)を押す
ステップを含み、
好ましくは、
d) 前記容器内の試薬が核酸増幅又は核酸検出に関連する反応のような反応を被るのを可能にするように、予め設定された環境内に前記試薬容器を置く
ことをさらに含み、
好ましくは、前記試薬容器を操作する方法が、核酸増幅法又は核酸検出法である、
試薬容器を操作する方法。
【請求項14】
試薬容器を操作する方法であって、下記ステップ、すなわち、
a) 前記試薬容器の前記弾性管栓(20)の第3外径区分(23)が、前記管栓収容区分(16)と嵌合しているものの、第4外径区分(24)が前記管栓収容区分(16)と未だ締まり嵌め状態にはなっていない、請求項1から12のいずれか1項に記載の試薬容器を用意し、
b) ピペットを使用して前記弾性管栓(20)の前記貫通チャネル(21)を貫通することにより、試薬を前記管本体(10)内へ注入し、且つ/又は前記管本体(10)から試薬をピペッティングし、
c) 前記第4外径区分(24)が前記管栓収容区分(16)との締まり嵌め状態になるように、前記管本体(10)のより深い部分まで前記弾性管栓(20)を押す
ステップを含み、
好ましくは、
d) 前記容器内の試薬が核酸増幅又は核酸検出に関連する反応のような反応を被るのを可能にするように、予め設定された環境内に前記試薬容器を置く
ことをさらに含み、
好ましくは、前記試薬容器を操作する方法が、核酸増幅法又は核酸検出法である、
試薬容器を操作する方法。
【請求項15】
試薬をハンドリングするシステムであって、
- 請求項1から12のいずれか1項に記載の試薬容器と、
- 前記弾性管栓(20)の前記貫通チャネル(21)を貫通することにより、試薬を前記管本体(10)内へ注入し、且つ/又は前記管本体(10)から試薬をピペッティングするように形成されたピペットと、
- 前記管本体(10)の深さ方向に沿って動くように前記弾性管栓(20)を押すように形成されたプッシャーと、
を含み、
好ましくは、前記試薬をハンドリングするシステムが、前記ピペット及び/又は前記プッシャーが取り付けられたマニピュレータをさらに含む、
試薬をハンドリングするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本開示は2021年1月8日付けで出願された出願番号第202110023377.9号及び出願番号第202120045981.7号の中国出願に基づいており、そしてこれらの優先権を主張する。これらの出願の開示内容は、これら全体を参照することにより本開示に援用される。
【0002】
技術分野
本開示は生物学的検出の技術分野に関し、具体的には試薬容器、その操作方法、及び試薬をハンドリングするシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、特異的DNA断片を増幅するために用い得る分子生物学的技術である。方法は選択的な遺伝子断片をin vitroで効率的に増幅し、次いで目標遺伝子の検出を実現することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
核酸増幅の操作中、製剤の一部を添加するか又は容器から取り出す必要があるときがある。このときには、試薬容器の蓋を手で持ち上げ、次いで試薬を添加するか又は取り出した後に蓋を手で閉じる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の内容
本開示は、新規の試薬容器を提供し、そして試薬容器の新規の構造は、試薬容器を自動操作に特に適したものにする。
【0006】
いくつかの態様では、本開示は試薬容器であって、
管栓収容区分を含む管本体であって、前記管栓収容区分が、前記管本体の深さ方向に沿って、第1内径区分と第2内径区分とを含み、前記第2内径区分の内径が、前記第1内径区分の内径よりも小さい、管本体、
弾性管栓であって、前記弾性管栓が前記管本体への進入方向に沿って、貫通チャネルを備えている、弾性管栓
を含み、
前記弾性管栓が、前記第1内径区分との非締まり嵌め状態にすることができるか、又は前記第1内径区分との第1締まり嵌め量を有することができ、そして前記弾性管栓が、前記第2内径区分との第2締まり嵌め量を有することができ、
前記弾性管栓が前記第1内径区分との非締まり嵌め状態にすることができるときには、前記第2締まり嵌め量はゼロよりも大きく、前記弾性管栓が前記第1内径区分との第1締まり嵌め量を有することができるときには、前記第2締まり嵌め量が前記第1締まり嵌め量よりも大きく、
前記貫通チャネルが、前記弾性管栓が前記第2内径区分との第2締まり嵌め量を有するときには前記弾性管栓の半径方向の収縮により圧縮されシールされるように形成されている、
試薬容器を開示する。
【0007】
いくつかの実施態様では、前記第1締まり嵌め量及び前記第2締まり嵌め量の両方がゼロよりも大きい。
【0008】
いくつかの実施態様では、「非締まり嵌め(non-interference fit)」(締まり嵌め量がゼロよりも大きいか、又はゼロに等しい)は、中間嵌め(締まり嵌め量がゼロに等しく/隙間量がゼロに等しい)、又は隙間嵌め(隙間量がゼロよりも大きい)である。
【0009】
いくつかの実施態様では、「貫通チャネルが圧縮されシールされる」とは、貫通チャネルの少なくとも部分又はすべてが圧縮されシールされることを意味する。
【0010】
いくつかの実施態様では、貫通チャネルは、非締まり嵌め状態で開いているか又は自然に閉じている。「自然に閉じている」は、弾性管栓が半径方向圧力を加えられないときに、貫通チャネルが弾性管栓自体の弾性圧力下でのみ閉じた状態にあることを意味する。貫通チャネルが自然に閉じた状態にあるときに、貫通チャネルはピペットによって貫通することができる。
【0011】
いくつかの実施態様では、前記第1内径区分の内径が、前記弾性管栓の少なくとも1つの外径よりも大きいか、又は前記外径に等しい。
【0012】
いくつかの実施態様では、前記第2内径区分の内径が、前記弾性管栓の少なくとも1つの外径よりも小さい。
【0013】
いくつかの実施態様では、前記弾性管栓が、前記管本体への第1進入深さでは、前記第1内径区分との非締まり嵌め状態にあるか、又は前記第1内径区分との第1締まり嵌め量を有し、そして前記管本体への第2進入深さでは、前記第2内径区分との前記第2締まり嵌め量を有し、そして前記第2深さが前記第1深さよりも大きい。
【0014】
いくつかの実施態様では、前記第1内径区分と前記第2内径区分とが直接に隣接している。
【0015】
いくつかの実施態様では、前記第1内径区分と前記第2内径区分との間に面取り面が設けられている。
【0016】
いくつかの実施態様では、前記第1内径区分の内径が、前記第2内径区分に隣接した位置で逓減している。
【0017】
いくつかの実施態様では、前記第2内径区分の内径が、前記第1内径区分に隣接した位置で逓増している。
【0018】
いくつかの実施態様では、前記第1内径区分と前記第2内径区分との接合部に、滑らかな内径移行部が設けられている。
【0019】
いくつかの実施態様では、前記第2内径区分が前記管本体内で、前記第1内径区分よりも深い。
【0020】
いくつかの実施態様では、前記管本体及び/又は前記弾性管栓が、位置制限メカニズムを備えており、前記位置制限メカニズムが、前記弾性管栓が前記深さ方向に沿って、前記管本体に対して上昇且つ/又は下降するのを防止する。
【0021】
いくつかの実施態様では、前記管本体及び/又は前記弾性管栓が、下記位置制限メカニズム、すなわち、
- 前記弾性管栓が、前記管本体のノズルから出るのを防止する第1位置制限メカニズム、
- 前記弾性管栓が、前記第1内径区分から前記第2内径区分へ進入するのを防止する第2位置制限メカニズム、
- 前記弾性管栓が、前記管栓収容区分を超える深さに達するのを防止する第3位置制限メカニズム、
のうちの1つ又は2つ以上の位置制限メカニズムを備えている。
【0022】
いくつかの態様では、本開示は試薬容器であって、
管栓収容区分を含む管本体、
弾性管栓であって、前記弾性管栓が、前記管栓収容区分へ進入する順序にしたがって第3外径区分と第4外径区分とを含み、前記第4外径区分の外径が前記第3外径区分の外径よりも大きく、そして前記弾性管栓が前記管本体への進入方向に沿って、貫通チャネルを備えている、弾性管栓
を含み、
前記第3外径区分が、前記管栓収容区分との非締まり嵌め状態にすることができるか、又は前記管栓収容区分との第1締まり嵌め量を有することができ、そして第4外径区分が、前記管栓収容区分との第2締まり嵌め量を有することができ、
前記第3外径区分が前記管栓収容区分との非締まり嵌め状態にすることができるときには、前記第2締まり嵌め量はゼロよりも大きく、前記第3外径区分が前記管栓収容区分との第1締まり嵌め量を有することができるときには、前記第2締まり嵌め量が前記第1締まり嵌め量よりも大きく、
前記第4外径区分が前記管栓収容区分との第2締まり嵌め量を有するときには、前記貫通チャネルは、前記第4外径区分の半径方向の収縮により圧縮されシールされるように形成されている、
試薬容器を提供する。
【0023】
いくつかの実施態様では、前記管栓収容区分の少なくとも1つの内径が、前記第3外径区分の外径よりも大きいか、又は前記外径に等しい。
【0024】
いくつかの実施態様では、前記管栓収容区分の少なくとも1つの内径が、前記第4外径区分の外径よりも小さい。
【0025】
いくつかの実施態様では、前記弾性管栓が前記管本体に進入する第3深さでは、前記第3外径区分が、前記管栓収容区分との非締まり嵌め状態にあるか、又は前記管栓収容区分との第1締まり嵌め量を有し、前記弾性管栓が前記管本体に進入する第4深さでは、前記第4外径区分が前記管栓収容区分との第2締まり嵌め量を有し、そして前記第4深さが前記第3深さよりも大きい。
【0026】
いくつかの実施態様では、前記弾性管栓が前記管本体に進入する第1深さでは、前記第3外径区分が、前記管栓収容区分との非締まり嵌め状態にあるか、又は前記管栓収容区分との第1締まり嵌め量を有し、前記弾性管栓が前記管本体に進入する第2深さでは、前記第4外径区分が前記管栓収容区分との第2締まり嵌め量を有し、そして前記第2深さが前記第1深さよりも大きい。
【0027】
いくつかの実施態様では、前記第3外径区分の平均外径が、前記第4外径区分の平均外径よりも小さい。
【0028】
いくつかの実施態様では、前記第3外径区分と前記第4外径区分とが直接に隣接している。
【0029】
いくつかの実施態様では、前記第3外径区分と前記第4外径区分との間に面取り面が設けられている。
【0030】
いくつかの実施態様では、前記第3外径区分の外径が、前記第4外径区分に隣接した位置で逓増している。
【0031】
いくつかの実施態様では、前記第4外径区分の外径が、前記第3外径区分に隣接した位置で逓減している。
【0032】
いくつかの実施態様では、前記管本体及び/又は前記弾性管栓が、位置制限メカニズムを備えており、前記位置制限メカニズムが、前記弾性管栓が前記深さ方向に沿って、前記管本体に対して上昇且つ/又は下降するのを防止する。
【0033】
いくつかの実施態様では、前記位置制限メカニズムが下記のもの、すなわち
- 前記弾性管栓が、前記管本体のノズルから出るのを防止する第1位置制限メカニズム、
- 前記弾性管栓が、前記管栓収容区分を超える深さに達するのを防止する第3位置制限メカニズム、
- 前記管本体の前記第4外径区分が前記管栓収容区分に進入するのを防止する第4位置制限メカニズム、
のうちの1つ又は2つ以上のものを含む。
【0034】
前記弾性管栓が前記管本体へ第1深さまで進入したときに、前記弾性管栓が、前記管栓収容区分との非締まり嵌め状態になるか、又は前記管栓収容区分との第1締まり嵌め量を有し、そして前記貫通チャネルが、シール状態を形成するように圧縮されはせず、又は第1シール状態を形成するように圧縮され、そして前記弾性管栓が前記管本体へ第2深さまで進入したときに、前記弾性管栓が前記管栓収容区分との第2締まり嵌め量を有し、そして前記貫通チャネルが第2シール状態を有するように圧縮されるべく、前記試薬容器が形成されており、前記第2深さが前記第1深さよりも大きく、そして前記貫通チャネルの第2シール状態におけるシーリング度が、前記第1シール状態におけるシーリング度よりも大きい。
【0035】
いくつかの実施態様では、前記第2シール状態が気密シールである。
【0036】
いくつかの実施態様では、前記弾性管栓が前記管本体に進入する順序にしたがって、前記貫通チャネルが第2チャネル区分と第1チャネル区分とを含む。
【0037】
いくつかの実施態様では、前記第1チャネル区分の断面積が前記第2チャネル区分の断面積よりも大きい。
【0038】
いくつかの実施態様では、前記第1チャネル区分のチャネル断面形状が二次元形状であり、そして前記第2チャネル区分のチャネル断面形状が一次元形状である。
【0039】
いくつかの実施態様では、前記弾性管栓がシーリングエレメントをさらに含み、そして前記シーリングエレメントが、前記貫通チャネルをシールするために使用される。
【0040】
いくつかの実施態様では、前記シーリングエレメントが取り外し可能である。
【0041】
いくつかの実施態様では、前記シーリングエレメントが穿刺可能である。
【0042】
いくつかの実施態様では、上記項目のいずれか1つに記載の試料容器が、核酸検出反応管である。
【0043】
いくつかの実施態様では、上記項目のいずれか1つに記載の試料容器が、PCR管である。
【0044】
いくつかの態様では、本開示は試薬容器を操作する方法であって、下記ステップ、すなわち、
a) 前記試薬容器の弾性管栓が第1内径区分と嵌合しているものの、前記第2内径区分と未だ締まり嵌め状態にはなっていない、上記項目のいずれか1つに記載の試薬容器を用意し、
b) ピペットを使用して前記弾性管栓の貫通チャネルを貫通することにより、試薬を管本体内へ注入し、且つ/又は前記管本体から試薬をピペッティングし、
c) 前記弾性管栓が前記第2内径区分との締まり嵌め状態になるように、前記管本体の深さ方向に沿って動くように前記弾性管栓を押す
ステップを含み、
好ましくは、
d) 前記容器内の試薬が核酸増幅又は核酸検出に関連する反応のような反応を被るのを可能にするように、予め設定された環境内に前記試薬容器を置く
ことをさらに含み、
好ましくは、前記試薬容器を操作する方法が、核酸増幅法又は核酸検出法である、
試薬容器を操作する方法を提供する。
【0045】
いくつかの態様では、本開示は試薬容器を操作する方法であって、下記ステップ、すなわち、
a) 前記試薬容器の弾性管栓の第3外径区分が、管栓収容区分と嵌合してはいるものの、前記第4外径区分が前記管栓収容区分と未だ締まり嵌め状態にはなっていない、上記項目のいずれか1つに記載の試薬容器を用意し、
b) ピペットを使用して前記弾性管栓の貫通チャネルを貫通することにより、試薬を管本体内へ注入し、且つ/又は前記管本体から試薬をピペッティングし、
c) 前記第4外径区分が前記管栓収容区分との締まり嵌め状態を有するように、前記管本体のより深い部分まで前記弾性管栓を押す
ステップを含み、
好ましくは、
d) 前記容器内の試薬が核酸増幅又は核酸検出に関連する反応のような反応を被るのを可能にするように、予め設定された環境内に前記試薬容器を置く
ことをさらに含み、
好ましくは、前記試薬容器を操作する方法が、核酸増幅法又は核酸検出法である、
試薬容器を操作する方法を提供する。
【0046】
いくつかの実施態様では、前記試薬容器を操作する方法が、核酸検出反応管をシーリングする(例えば複数回シーリングする)方法である。
【0047】
いくつかの態様では、本開示は試薬をハンドリングするシステムであって、
- 上記項目のいずれか1つに記載の試薬容器と、
- 前記弾性管栓の貫通チャネルを貫通することにより、試薬を管本体内へ注入し、且つ/又は前記管本体から試薬をピペッティングするように形成されたピペットと、
- 前記管本体の深さ方向に沿って動くように前記弾性管栓を押すように形成されたプッシャーと、
を含み、
好ましくは、前記試薬をハンドリングするシステムが、ピペット及び/又はプッシャーが取り付けられたマニピュレータをさらに含む、
試薬をハンドリングするシステムを提供する。
【0048】
いくつかの実施態様では、前記第1内径区分又は前記第2内径区分が管本体の区分から成り、そして前記管本体の深さ方向に沿った前記区分の内径変化が、±3%以下、例えば±2%以下、例えば±1%以下である。
【0049】
いくつかの実施態様では、前記第3外径区分又は前記第4外径区分が前記弾性管栓の区分から成り、そして前記管本体へ進入する方向に沿った前記区分の外径変化が、±3%以下、例えば±2%以下、例えば±1%以下である。
【0050】
いくつかの実施態様では、前記第1チャネル区分又は前記第2チャネル区分が、弾性管栓の貫通チャネルの区分から成り、そして弾性管栓が管本体へ進入する方向に沿った前記区分の内径変化が、±3%以下、例えば±2%以下、例えば±1%以下である。
【0051】
前記第1内径区分が前記第2内径区分に隣接している。
【0052】
いくつかの実施態様では、前記第3外径区分が前記第4外径区分に隣接している。
【0053】
いくつかの実施態様では、前記第1チャネル区分が前記第2チャネル区分に隣接している。
【0054】
いくつかの実施態様では、前記第1内径区分と前記第2内径区分とがオーバーラップしない。
【0055】
いくつかの実施態様では、前記第3外径区分と前記第4外径区分とがオーバーラップしない。
【0056】
いくつかの実施態様では、前記第1チャネル区分と前記第2チャネル区分とがオーバーラップしない。
【0057】
いくつかの実施態様では、内径は平均内径を意味する。
【0058】
いくつかの実施態様では、外径は平均外径を意味する。
【0059】
用語の説明
下記用語が本発明において使用される場合、これらは以下の意味を有し得る。
【0060】
「前側」、「後側」、「上部」、及び「底部」、「上」、「下」、「上方」、「下方」などのような種々の相対語を、種々の実施例の記述を容易にするために使用することがある。相対語は、構造の慣習的な配向に関して定義されるが、しかし構造の製造時又は使用時の実際の配向を必ずしも示すわけではない。
【0061】
明細書及び添付のクレームに使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確に他のことを指示しない限り、複数形の指示対象を含む。
【0062】
「容器」という用語は、内容物、例えば試料(例えば血液、尿、血清、血漿、又は液化された生検試料など)、試薬(例えば免疫化学的試験、臨床化学試験、凝固試験、血液学的試験、分子生物学的試験などのための試薬)、又はこれらの組み合わせを受容し、貯蔵し、輸送し、且つ/又は放出するのに適した器を意味する。
【0063】
管本体という用語は、円筒形状、円錐形状、又は方形形状を有する器であってよい。管本体は、閉じた底部と開いた上部とを有していてよい。円筒形の器の閉じた底部は丸くてよい。単一の円筒形又は円錐形の分離器の非限定的な例は、当該技術分野において知られた一次又は二次管である。あるいは、2つ又は3つ以上の管本体が多管集成体として配置されてもよい。このような多管集成体の非限定的例は、当該技術分野においてよく知られた多孔板である。
【0064】
「内径」という用語は、円形断面に関しては直径を意味し、又は非円形断面に対しては同じ面積を有する円の直径を意味する。
【0065】
「外径」という用語は、円形断面に関しては直径を意味し、又は非円形断面に対しては同じ面積を有する円の直径を意味する。
【0066】
「貫通チャネル」という用語は、貫通孔又は貫通スリットであってよい。貫通チャネルの断面は二次元形状、例えば円形、多角形、又は一次元形状(例えばスリット)であり得る。一次元形状は「-」形、「+」形、「z」形、「*」形などであり得る。
【0067】
「弾性」という用語は、変形後に元のサイズ及び形状に戻る性質を意味し得る。弾性管栓は、弾性率(ヤング率)104~108Pa、例えば105~107Pa、例えば106~107Paの材料であってよい。弾性管栓の材料は弾性ポリマー、例えばゴム又はシリコーンゴムであってよい。
【0068】
「位置制限メカニズム」は、凸状ブロック、ストッパ、凸状板、凸状リング、弾性管栓と管本体との間の凹凸モザイク構造、及び弾性管栓と管本体との間のクランプ構造であり得る。
【0069】
管本体内の特定の位置における深さは、その位置から管ノズルまでの距離を意味する。例えば、「弾性管栓の深さ」は、弾性管栓の底端部から管ノズルまでの距離を意味する。例えば、「第1内径区分の深さ」は、第1内径区分の下縁部から管ノズルまでの距離を意味する。
【0070】
特に断りのない限り、「深さ方向」という用語は、ノズルから管の底部までの距離を意味する。
【0071】
「締まり嵌め量」という用語は、弾性管栓の半径方向におけるサイズ(D1)を、弾性管栓と締まり嵌め状態にある管本体のサイズ(D2)と比較した場合の、弾性管栓(ΔD)の過剰サイズΔD=D1-D2を意味し、最大ΔDが優先されるものとする。締まり嵌め量の干渉度(すなわちΔD/D2)は、例えば0.01%超、例えば0.1%超、例えば0.5%超、例えば1%超、例えば>3%、例えば5%超、例えば>10%、例えば20%超である。上述のサイズD1は弾性管栓の外径であってよく、そしてサイズD2は管本体の内径であってよい。
【0072】
「締まり嵌め」という用語は、嵌め合い部分又は嵌合部分間に干渉が存在する状況を意味することができる。締まり嵌めは負の許容差を有する。
【0073】
「締まり嵌め」及び「摩擦嵌め」及び「圧入」は、本明細書中では互いに置き換え可能に使用される技術用語であり、摩擦/圧力の意図的な誘発、増大及び/又は利用を意味することができる。締まり嵌めにおいて、弾性管栓の外側は管本体の内側に圧迫されることにより、周方向シールを形成する。
【0074】
「ピペット」という用語は、試薬の注入/抽出のために貫通チャネルを貫通し得る鋭利なデバイスを意味する。
【0075】
「プッシャー」という用語は、弾性管栓へ圧力を加え得るエレメントを意味する。
【0076】
「マニピュレータ」という用語は物体を動かし得るデバイスである。運動は3次元空間のいかなる方向にも、例えば水平方向又は鉛直方向にも可能である。
【0077】
「核酸増幅」という用語は大まかに言えば、試料中の核酸分子のコピー数を増大させるための技術を意味する。核酸増幅のために用いられる技術は、当該技術分野においてよく知られている。核酸増幅の一例がポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である。ポリメラーゼ連鎖反応では、被検体から収集された核酸試料をプライマーと接触させる(核酸試料は一本鎖又は二本鎖であってよく、核酸が二本鎖である場合には、二本鎖を先ず解離し、次いでアニーリングし、そしてプライマーと接触させる)ことにより、プライマーを適宜の条件下で伸長させ、そして次いで解離(変性)、アニーリング及び伸長のステップを繰り返し、これにより核酸のコピー数を増幅する。in vitro増幅技術の他の例は、鎖置換増幅(strand displacement amplification)、無転写等温増幅(transcription-free isothermal amplification)、修復連鎖反応増幅(repair chain reaction amplification)、リガーゼ連鎖反応(ligase chain reaction)、ギャップ充填リガーゼ連鎖反応増幅(gap-filling ligase chain reaction amplification)、結合リガーゼ検出・PCR、並びにRNA非転写増幅(RNA non-transcription amplification)などを含む。
【0078】
「核酸」という用語は大まかに言えば、ヌクレオチド(デオキシリボヌクレオチド(dNTPs)又はリボヌクレオチド(rNTPs)、又はその類似物の、任意の長さの高分子形態を意味する。核酸は任意の三次元構造を有することができ、また任意の既知又は未知の機能を発揮することができる。本出願が関連する発明に関して、核酸の非限定的な例は、DNA、RNA、遺伝子又は遺伝子断片のコーディング又は非コーディング領域、リンケージ分析によって決定される1つ又は2つ以上の遺伝子座、エクソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、リボソームRNA(rRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、短ヘアピンRNA(shRNA)、ミクロRNA(miRNA)、リボザイム、cDNA、組み換え核酸、分岐核酸(branched nucleic acid)、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離DNA、任意の配列の単離RNA、核酸プローブ及びプライマーを含む。核酸は1つ又は2つ以上の修飾ヌクレオチド、例えばメチル化ヌクレオチド及びヌクレオチド類似体を含んでよい。核酸のヌクレオチド配列は非ヌクレオチド成分によって中断することができる。核酸は、(例えばレポーターとの連結又は結合によって)重合後にさらに修飾することができる。
【0079】
「試薬」という用語は任意の気体状、液状、又は固形状の物質を意味する。試薬は液体であり得る。
【発明の効果】
【0080】
有益な効果
本開示の1つ又は2つ以上の技術的解決手段は、下記1つ又は2つ以上の有益な効果を有する。
(1) 弾性管栓の貫通チャネルを貫通するためにピペットを使用することにより、弾性管栓を管本体から取り除くことなしに、試薬の添加及び取り出しを実現し得る。
(2) 弾性管栓を管本体内へ深く押し込むことにより、貫通チャネルの圧縮及びシーリングを実現し得る。
(3) 自動操作が容易になる。
(4) 単純な構造である。
(5) 低コストである。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【
図1】
図1は、1実施例の試薬容器を示す概略図である。
【
図2】
図2は、別の実施例の試薬容器を示す概略図である。
【
図3】
図3は、さらに別の実施例の試薬容器と弾性管栓とを示す概略図である。
【
図4】
図4は、さらに別の実施例の試薬容器を示す概略図である。
【
図5】
図5は、さらに別の実施例の試薬容器を示す概略図である。
【
図6】
図6は、1実施例の、試薬をハンドリングするシステムを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0082】
本発明を実施するための具体的なモデル
本発明の実施態様を実施例と併せて以下に詳述するが、当業者には明らかなように、下記例は、本発明を例示するために使用するにすぎず、本発明の範囲を限定するものと考えるべきではない。実施例において具体的な条件を指示しないものは、コンベンショナルな条件又は製造業者によって推奨される条件にしたがって実施した。製造業者が示されない試薬又は機器を使用する場合には、これらはすべて商業的に入手可能なコンベンショナルな製品であった。
【0083】
図1は、試薬容器の概略図を示しており、(a)及び(b)はそれぞれ管本体の異なる深さにある管本体の概略図を示している。
図1の(a)及び(b)に示されているように、試薬容器は管本体10と弾性管栓20とを含み、管本体10は管栓収容区分16を含み、管栓収容区分16は管本体10の深さ方向に沿って、第1内径区分11と第2内径区分12とを含み、第2内径区分12の内径は、第1内径区分11の内径よりも小さく、弾性管栓20が管本体10への進入方向に沿って、貫通チャネル21を備えており、弾性管栓20は、第1内径区分11との非締まり嵌め状態にすることができ、弾性管栓20は、第2内径区分12との第2締まり嵌め量を有することができ、第2締まり嵌め量がゼロよりも大きく、弾性管栓20が第2内径区分12との第2締まり嵌め量を有するときには、弾性管栓20は半径方向に圧縮され、そして貫通チャネル21は圧縮されシールされる。
【0084】
図1の(a)に示されているように、弾性管栓20は管本体10へ第1の深さで進入している。弾性管栓20は、第1内径区分11内に配置されており、そして第2内径区分12へは未だ進入してはいない。弾性管栓20の外径は第1内径区分11の内径よりも小さく、そして弾性管栓20と第1内径区分11との関係は非締まり嵌め(隙間嵌め)である。弾性管栓20は半径方向に圧縮されてはおらず、また貫通チャネル21は圧縮又はシールされてはいない。貫通チャネル21は開いており(いくつかの実施例では、貫通チャネル21は自然に閉じている)。試薬容器がこの状態にあるときには、弾性管栓20の貫通チャネル21はピペットで貫通することができ、そして管本体10内へ試薬を注入し、且つ/又は管本体10から試薬をピペッティングすることができる。
【0085】
図1の(b)に示されているように、管本体10へ進入する弾性管栓20の深さは、第2深さであり、第2深さは第1深さよりも大きい。弾性管栓の一部は第2内径区分12内へ延びている。弾性管栓20の外径は第2内径区分12の内径よりも大きく、弾性管栓20と第2内径区分12との関係は締まり嵌めである。試薬容器がこの状態にあるときには、弾性管栓20は半径方向に圧縮されており、貫通チャネル21は圧縮されシールされている。試薬容器は良好にシールされている。
【0086】
いくつかの実施例では、上記試薬容器を操作する方法であって、この方法が下記ステップ、すなわち、
a) 上述の試薬容器を用意し、試薬容器の弾性管栓20が第1内径区分11と嵌合してはいるものの、第2内径区分12と未だ締まり嵌め状態にはなっておらず、
b) ピペットを使用して弾性管栓20の貫通チャネル21を貫通することにより、試薬を管本体10内へ注入し、且つ/又は管本体10から試薬をピペッティングし、
c) 弾性管栓20と第2内径区分12とが締まり嵌め状態を有するように、(管本体のより深い部分まで)管本体10の深さ方向に沿って動くように弾性管栓20を押す
ステップを含み、
好ましくは、この方法が、
d) 前記容器内の試薬が核酸増幅又は核酸検出に関連する反応のような反応を被るように、予め設定された環境内に試薬容器を置く
ことをさらに含む、試薬容器を操作する方法が提供される。
【0087】
いくつかの実施例では、試薬容器を操作する方法が、核酸増幅法又は核酸検出法である。
【0088】
いくつかの実施例では、
図1に示されているように、弾性管栓20は、管本体への進入方向に沿って一定の外径を備えた円筒形栓本体を含む。
【0089】
いくつかの実施例では、第1内径区分11と第2内径区分12とが直接に隣接している。いくつかの実施例では、第1内径区分11と前記第2内径区分12との間に面取り面が設けられている。いくつかの実施例では、第1内径区分11の内径が、第2内径区分12に隣接した位置で逓減している。いくつかの実施例では、第2内径区分12の内径が、第1内径区分11に隣接した位置で逓増している。いくつかの実施態様では、第1内径区分11と第2内径区分12との接合部の内径が、滑らかな移行部を有している。弾性管栓20は、第1内径区分11と第2内径区分12との間でより滑らかに切り換えることができる。
【0090】
1実施例では、第2内径区分12は、第1内径区分11よりも深く管本体10内に位置している。第2内径区分12は第1内径区分11に隣接していてよいが、しかしオーバーラップしない。
【0091】
図2は、位置制限メカニズムを備えた試薬容器を示している。
図2に示されているように、試薬容器は位置制限メカニズム(13,14,15)を備えている。位置制限メカニズムは、弾性管栓20が深さ方向に沿って、管本体10に対して上昇且つ/又は下降するのを防止する。
【0092】
1実施例では、
図2に示されているように、管本体10は第1位置制限メカニズム13(例えば制限ブロック又は制限リング)を備えており、第1位置制限メカニズムは、弾性管栓20がノズルから出るのを防止する。試薬容器の使用中、ピペットを使用して弾性管栓20の貫通チャネル21を貫通することにより、試薬を管本体10内へ注入し、且つ/又は管本体から試薬をピペッティングすることが必要な場合がある。ピペットが貫通チャネル21から引き出されるときに、弾性管栓20が管本体10から外れる可能性があるので、第1位置制限メカニズム13は、弾性管栓20が管本体10から外れるのを効果的に防止することができる。
【0093】
1実施例では、
図2に示されているように、管本体10は第2位置制限メカニズム14(例えば制限ブロック又は制限リング)を備えており、第2位置制限メカニズムは、弾性管栓20が、第1内径区分11から第2内径区分12へ進入するのを防止する。試薬容器の使用中、ピペットを使用して弾性管栓20の貫通チャネル21を貫通することにより、試薬を管本体10内へ注入し、且つ/又は管本体から試薬をピペッティングすることが必要な場合がある。ピペットを挿入するときに、弾性管栓20を管本体10のより深い部分まで、例えば第2内径区分12まで押す可能性がある。第2位置制限メカニズム14は、弾性管栓20が第2内径区分12まで押されるのを効果的に防止することができる。
【0094】
1実施例では、
図2に示されているように、管本体10は第3位置制限メカニズム15(例えば制限ブロック又は制限リング)を備えている。第3位置制限メカニズムは、弾性管栓20が管栓収容区分16を超える深さに達するのを防止する。試薬容器の使用中、弾性管栓20と第2内径区分12とが締まり嵌め状態を有するように、弾性管栓20を管本体10のより深い部分まで押すことが必要な場合がある。弾性管栓20を押す経過中に、管栓収容区分16のより深い位置まで弾性管栓20を押す可能性があり得る。第3位置制限メカニズム15は、弾性管栓20が管栓収容区分16よりも深い位置まで押されるのを効果的に防止することができる。
【0095】
言うまでもなく、上述の位置制限メカニズム(例えば第1位置制限メカニズム、第2位置制限メカニズム、及び第3位置制限メカニズム)はすべて弾性位置制限メカニズムであり得る。すなわち、加えられた応力が位置制限メカニズムの荷重を超えると、弾性管栓は位置制限メカニズムを突破することができる。
【0096】
図3は、さらに別の試薬容器の概略図を示している。(a)及び(c)はそれぞれ、試薬容器の縦断面図と弾性管栓の横断面図とを、弾性管栓が第1内径区分内に配置されたときの状態で示しており、これに対して、(b)及び(d)はそれぞれ、試薬容器の縦断面図と弾性管栓の横断面図とを、弾性管栓が第2内径区分内に配置されたときの状態で示している。
図3に示されているように、弾性管栓20が管本体10内へ挿入される順序にしたがって、貫通チャネル21は第2チャネル区分212と第1チャネル区分211とを含み、そして第1チャネル区分211の断面積は第2チャネル区分212の断面積よりも大きい。試薬容器の使用経過中、ピペットを使用して弾性管栓20の貫通チャネル21を貫通することにより、試薬を管本体10内へ注入し、且つ/又は管本体から試薬をピペッティングすることが必要な場合がある。貫通チャネルがより大きい内径を有する場合には、ピペットは容易に通過することができる。これとともに、試薬容器の使用経過中、所要の試薬の注入及びピペッティング後、弾性管栓20が半径方向に圧縮され、且つ貫通チャネル21が圧縮されシールされるように、弾性管栓20と第2内径区分12とが締まり嵌め状態を有するようにすることが必要な場合がある。貫通チャネルが小さな内径を有する場合には、貫通チャネルは容易に圧縮されシールすることができる。上記解決手段によれば、貫通チャネル21の第1チャネル区分211の断面積はより大きく、ピペットが通過するのを容易にし、そして第2チャネル区分212の断面積はより小さく、圧縮されシールされるのを容易にする。この解決手段は試薬容器の有用性及びシーリングを改善する。
【0097】
図3の(a)に示されているように、管本体10へ進入する弾性管栓20の深さは第1深さである。弾性管栓20は、第1内径区分11内に配置されており、第2内径区分12へは未だ進入していない。弾性管栓20の外径は、第1内径区分11の内径よりも小さく、弾性管栓20と第1内径区分11との関係は非締まり嵌め(隙間嵌め)である。第1チャネル区分211及び第2チャネル区分212は、未だ圧縮・シールされていない。
【0098】
図3の(b)に示されているように、管本体10へ進入する弾性管栓20の深さは第2深さであり、そして第2深さは第1深さよりも大きい。弾性管栓の一部が第2内径区分12へ進入している。弾性管栓20の外径は、第2内径区分12の内径よりも大きく、そして弾性管栓20と第2内径区分12との関係は締まり嵌めである。試薬容器がこの状態にあるときには、弾性管栓20は半径方向に圧縮されており、そして貫通チャネル21の第2チャネル区分212は圧縮されシールされている。試薬容器は良好にシールされている。
【0099】
図3の(c)及び(d)に示されているように、第1内径区分211の断面形状は二次元形状、例えば円形であり、そして第2チャネル区分212の断面形状は一次元形状、例えば「-」形状である。弾性管栓の弾性に基づき、たとえ第2チャネル区分212の断面形状が一次元形状であっても、ピペットはチャネルを貫通することができる。この解決手段では、第1チャネル区分211の形状は、ピペットの通過のために好都合であり、また第2チャネル区分212の形状は、圧縮されシールされるのに好都合である。この解決手段は試薬容器の有用性及びシーリング性能を改善する。
【0100】
図4は、さらに別の試薬容器の概略図を示している。この図に示されているように、試薬容器の弾性管栓20には、シーリングエレメント25が設けられており、そしてシーリングエレメント25は貫通チャネル21をシールしている。シーリングエレメント25は穿刺可能なシーリングエレメントである。使用されていない試薬容器のために、弾性管栓20は予め第1内径区分11と嵌合させることができ、そしてシーリングエレメント25はこのときに貫通チャネル21をシールすることができ、これにより不純物が容器へ入るのを防止する。試薬を管本体10内へ注入し、且つ/又は管本体から試薬をピペッティングすることが必要なときには、ピペットを使用してシーリングエレメント25を穿刺することができる。
【0101】
図5は、さらに別の試薬容器の概略図を示している。この図に示されているように、試薬容器は管本体10と弾性管栓20とを含む。管本体10は管栓収容区分16を含む。弾性管栓20は、管栓収容区分16へ進入する順序にしたがって第3外径区分23と第4外径区分24とを含んでおり、第4外径区分24の外径は、第3外径区分23の外径よりも大きい。弾性管栓20は管本体への進入方向に、貫通チャネル21を備えている。第3外径区分23は、管栓収容区分16との非締まり嵌め状態にあり、そして第4外径区分24は、管栓収容区分16との第2締まり嵌め量を有しており、そして第2締まり嵌め量はゼロよりも大きい。弾性管栓20は、前記第4外径区分24が前記管栓収容区分16との第2締まり嵌め量を有するときには、第4外径区分24が半径方向に圧縮され、そして貫通チャネル21が圧縮されシールされるように形成されている。
【0102】
図5の(a)に示されているように、管本体10へ進入する弾性管栓20の深さは第1深さである。弾性管栓20の第3外径区分23は管栓収容区分16へ進入しており、そして第4外径区分24は管栓収容区分16へは未だ進入していない。第3外径区分23の外径は管栓収容区分16の内径よりも小さく、そして管栓収容区分16と第3外径区分23との関係は非締まり嵌め(隙間嵌め)である。第3外径区分23は半径方向には圧縮されておらず、そして貫通チャネル21は圧縮又はシールされていない。貫通チャネル21は開いており、ピペットによって貫通することができる。この状態で、ピペットを使用して弾性管栓20の貫通チャネル21を貫通することにより、試薬を管本体10内へ注入し、且つ/又は管本体10から試薬をピペッティングすることができる。
【0103】
図5の(b)に示されているように、管本体10へ進入する弾性管栓20の深さは第2深さであり、そして第2深さは第1深さよりも大きい。弾性管栓の第4外径区分24の少なくとも部分が、管栓収容区分16へ進入している。第4外径区分24の外径は、管栓収容区分16の内径よりも大きく、そして第4外径区分24と管栓収容区分16との関係は締まり嵌めである。第4外径区分24は半径方向に圧縮されており、そして貫通チャネル21は圧縮されシールされている。この状態では、試薬容器は良好にシールされている。
【0104】
いくつかの実施例では、上記試薬容器を操作する方法であって、下記ステップ、すなわち、
a) 前記試薬容器の弾性管栓20の第3外径区分23が、管栓収容区分16と嵌合してはいるものの、第4外径区分24が管栓収容区分16と未だ締まり嵌め状態にはなっていない、上記試薬容器を用意し、
b) ピペットを使用して前記弾性管栓20の貫通チャネル21を貫通することにより、試薬を管本体10内へ注入し、且つ/又は前記管本体10から試薬をピペッティングし、
c) 第4外径区分24が管栓収容区分16との締まり嵌め状態を有するように、管本体10のより深い部分まで弾性管栓20を押す
ステップを含み、
好ましくは、前記試薬容器を操作する方法が、
d) 前記容器内の試薬が核酸増幅又は核酸検出に関連する反応のような反応を被るように、予め設定された環境内に前記試薬容器を置く
ことをさらに含む、
試薬容器を操作する方法が提供される。
【0105】
いくつかの実施例では、試薬容器を操作する方法が、核酸増幅法又は核酸検出法である。
【0106】
いくつかの実施例では、
図5に示されているように、管栓収容区分16は、管本体の深さ方向に沿って一定の内径を備えた円筒形管腔を含む。
【0107】
いくつかの実施例では、
図5の(a)に示されているように、試薬容器は位置制限メカニズム17を備えており、位置制限メカニズム17は、弾性管栓20が深さ方向において、管本体10に対して上昇且つ/又は下降するのを防止する。位置制限メカニズム17は、第3外径区分23に設けられた溝と、管栓収容区分16に設けられた凸状ブロックとを含み、溝と凸状ブロックとを嵌合させ係合させることができる。位置制限メカニズム17は、弾性管栓20がノズルから出るのを防止することができる。
【0108】
いくつかの実施例では、第3外径区分23と第4外径区分24とが直接に隣接している。いくつかの実施例では、第3外径区分23と第4外径区分24との間に面取り面が設けられている。いくつかの実施例では、第3外径区分23の外径は、第4外径区分24に隣接した位置で逓増している。いくつかの実施例では、第4外径区分24の外径が、第3外径区分23に隣接した位置で逓減している。上記解決手段において、弾性管栓20と管栓収容区分16との嵌合状態をより滑らかに切り換えることができる。上記実施例では、弾性管栓と管栓収容区分との嵌合関係を容易に切り換えることができる。
【0109】
図6は試薬をハンドリングするシステムの概略図を示している。いくつかの実施例では、試薬をハンドリングするシステムであって、システムが、
- 管本体10と弾性管栓20とを含む試薬容器であって、前記管本体10が管栓収容区分16を含み、管栓収容区分16が、管本体10の深さ方向に沿って第1内径区分11と第2内径区分12とを含み、第2内径区分12の内径が第1内径区分11の内径よりも小さく、弾性管栓20が管本体10への進入方向に沿って貫通チャネル21を備えており、弾性管栓20が第1内径区分11との第1締まり嵌め量を有することができ、弾性管栓20が第2内径区分12との第2締まり嵌め量を有することができ、そして第2締まり嵌め量が第1締まり嵌め量よりも大きく、弾性管栓20が第2内径区分12との第2締まり嵌め量を有するときには、弾性管栓20が半径方向に圧縮され、貫通チャネル21が圧縮されシールされる、試薬容器と、
- 弾性管栓20の貫通チャネル21を貫通することにより、試薬を管本体10内へ注入し、且つ/又は管本体10から試薬をピペッティングするように形成されたピペット30と、
- 管本体10の深さ方向に沿って動くように弾性管栓20を押すように形成されたプッシャー40と、
を含む、試薬をハンドリングするシステムが提供される。
【0110】
上記試薬をハンドリングするシステムを操作する方法は下記ステップ、すなわち、
a) 前記試薬容器の弾性管栓20が第1内径区分11と嵌合しているものの、第2内径区分12と未だ締まり嵌め状態にはなっていない、上記試薬容器を用意し、
b) ピペットを使用して前記弾性管栓20の貫通チャネル21を貫通することにより、試薬を管本体10内へ注入し、且つ/又は前記管本体10から試薬をピペッティングし、
c) 前記弾性管栓20と前記第2内径区分12とが締まり嵌め状態を有するように、前記管本体10の深さ方向に沿って(管本体のより深い部分まで)動くように前記弾性管栓20を押す
ステップを含み、
好ましくは、上記試薬をハンドリングするシステムを操作する方法が、
d) 前記容器内の試薬が核酸増幅又は核酸検出に関連する反応のような反応を被るのを可能にするように、予め設定された環境内に前記試薬容器を置く
ことをさらに含む。
【0111】
いくつかの実施例では、
図6の(a)に示されているように、管本体10は第2位置制限メカニズム14を備えている。第2位置制限メカニズムは、弾性管栓20が、第1内径区分11から第2内径区分12へ進入するのを防止する。第2位置制限メカニズム14は、ピペットが貫通チャネル21を通過するときに、弾性管栓20がより深い位置へ運ばれるのを防止する。
図6の(b)に示されているように、プッシャー40によって加えられた応力は、第2位置制限メカニズム14の荷重を超え、そして弾性管栓20は、プッシャー40の加圧下で第2位置制限メカニズム14を突破し、そして第2内径区分12に達する。
【0112】
いくつかの実施例では、試薬をハンドリングするシステムは、ピペット30及び/又はプッシャー40が取り付けられたマニピュレータ50をさらに含む。
【0113】
本発明の具体的な実施態様を詳細に説明してきたが、当業者には明らかなように、開示された教示内容すべてに基づいて、種々の改変及び変更を細目に加えることができ、そしてこれらの変更は本発明の保護範囲にすべて含まれる。本発明の範囲全体は添付の請求項及びこれらの同等のものによって与えられる。
【国際調査報告】