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特表2024-504088車両ステアリングホイール照明デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】車両ステアリングホイール照明デバイス
(51)【国際特許分類】
   B60Q 3/283 20170101AFI20240123BHJP
   B60Q 3/64 20170101ALI20240123BHJP
   B60Q 3/78 20170101ALI20240123BHJP
【FI】
B60Q3/283
B60Q3/64
B60Q3/78
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541694
(86)(22)【出願日】2022-01-18
(85)【翻訳文提出日】2023-07-29
(86)【国際出願番号】 EP2022050943
(87)【国際公開番号】W WO2022157128
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】2100535
(32)【優先日】2021-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503358097
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100124110
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 大介
(74)【代理人】
【識別番号】100120400
【弁理士】
【氏名又は名称】飛田 高介
(72)【発明者】
【氏名】ベルトランド,オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥルーソウ,ユーグ
(72)【発明者】
【氏名】サグナ,ブバカール
(72)【発明者】
【氏名】ハゥーゴー,パスカル
【テーマコード(参考)】
3K040
【Fターム(参考)】
3K040AA02
3K040CA05
3K040GA04
3K040GB07
3K040GC11
(57)【要約】
【解決手段】 車両ステアリングホイールリム(10)のための照明デバイス(40)であって、
-リム(10)の外部ディスプレイ壁に向かって光を放射するように配置された複数の光源(42)と、
-外部ディスプレイ壁に向かって放射される光が通過することを可能にする所定の通路幅を有する細長い開口部(411)を有する内壁(412)を備える保持体(41)と、を備え、
照明デバイス(40)は、所定の通路幅の増加を制限するために、保持体(41)に係合され、内壁(412)の、外部ディスプレイ壁とは反対の側に少なくとも部分的に配置された少なくとも1つのブリッジ要素(48)を備えることを特徴とする、照明デバイス。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ステアリングホイールリム(10)のための照明デバイス(40)であって、
-前記リム(10)の外部ディスプレイ壁に向かって光を放射するように配置された複数の光源(42)と、
-前記外部ディスプレイ壁に向かって放射される前記光が通過することを可能にする所定の通路幅を有する細長い開口部(411)を有する内壁(412)を備える保持体(41)と、を備え、
前記照明デバイス(40)は、前記所定の通路幅の増加を制限するために、前記保持体(41)に係合され、前記内壁(412)の、前記外部ディスプレイ壁とは反対の側に少なくとも部分的に配置された少なくとも1つのブリッジ要素(48)を備えることを特徴とする、照明デバイス(40)。
【請求項2】
前記ブリッジ要素(48)は、前記細長い開口部(411)の反対側に接続部分を有することができ、少なくとも1つの光源(42)が、前記ブリッジ要素(48)と前記細長い開口部(411)との間に配置されている、請求項1に記載の照明デバイス(40)。
【請求項3】
前記ブリッジ要素(48)は、前記細長い開口部(411)に対向する接続部分を有し、前記接続部分は、少なくとも1つの光源(42)に対向して配置されており、
-前記接続部分は、前記光源(42)と前記外部ディスプレイ壁との間に配置されており、前記接続部分は透明であるか、
又は
前記光源(42)は、前記外部ディスプレイ壁と前記接続部分との間に配置されており、前記接続部分は、好ましくは不透明である、請求項1に記載の照明デバイス(40)。
【請求項4】
前記複数の光源(42)を支持するプリント回路(45)を備え、前記ブリッジ要素(48)は、前記プリント回路(45)によって形成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の照明デバイス(40)。
【請求項5】
前記外部ディスプレイ壁を形成する光スクリーン又は拡散器(44)を備え、前記ブリッジ要素(48)は、前記光スクリーン又は拡散器(44)によって形成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の照明デバイス(40)。
【請求項6】
前記リム(10)は外側シース(11)を含み、前記ブリッジ要素(48)は、シースのないゾーン(11)において前記保持体(41)に係合されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の照明デバイス(40)。
【請求項7】
前記細長い開口部(411)は通路長を有し、前記保持体(41)は前記通路長の方向に補強リブを有さない、請求項1~6のいずれか一項に記載の照明デバイス(40)。
【請求項8】
前記細長い開口部(411)は連続的であり、並びに/又は前記保持体(41)は、前記細長い開口部(411)に対して横方向に及び/若しくは前記細長い開口部(411)の反対側にリブ又はバーを有さない、請求項1~7のいずれか一項に記載の照明デバイス(40)。
【請求項9】
前記保持体(41)又は前記ブリッジ要素(48)のうちの少なくとも一方は、前記保持体(41)又は前記ブリッジ要素(48)のうちの他方の壁を通過する突出部(481、484、485)を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の照明デバイス(40)。
【請求項10】
前記保持体(41)又は前記ブリッジ要素(48)のうちの少なくとも一方は、前記保持体(41)又は前記ブリッジ要素(48)の他方に溶接された部分を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の照明デバイス(40)。
【請求項11】
前記保持体(41)又は前記ブリッジ要素(48)のうちの少なくとも一方は、前記保持体(41)又は前記ブリッジ要素(48)のうちの他方に埋め込まれた部分(481、484)を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の照明デバイス(40)。
【請求項12】
前記保持体(41)又は前記ブリッジ要素(48)のうちの少なくとも一方は、塑性的に変形され、及び/又は塑性的に折り曲げられ、及び/又は前記保持体(41)又は前記ブリッジ要素(48)のうちの他方に向かう部分を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の照明デバイス(40)。
【請求項13】
前記保持体(41)又は前記ブリッジ要素(48)のうちの少なくとも一方は、前記保持体(41)又は前記ブリッジ要素(48)のうちの他方の上にオーバーモールドされた部分(487)を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の照明デバイス(40)。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の照明デバイス(40)を備える、車両ステアリングホイール。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載の照明デバイス(40)を備える、自動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、自動車両のステアリングホイールリムに装着された照明デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ステアリングホイールリムに設置された照明デバイスは、従来技術において知られている。文献:国際公開第2019048538(A1)号には、ステアリングホイールのリムに設置された照明デバイスが開示されている。一方、このシステムは、凹んだプラスチック部品を有し、この文献は、これらの部品が変形するのを防止する解決策を提案していない。変形は、そのような審美的構成要素について回避されるべきである視覚的欠陥(隙間、開口部、不均一性など)又は触覚的欠陥(隆起、奇形部品など)を引き起こすため、変形を制限することは重要である。
【0003】
文献:米国特許出願公開第2016/0025281(A1)号には、アーマチュア上に弾性的に嵌合又はクリップ留めされたキャリア部を備えた照明デバイスを有するステアリングホイールリムが開示されている。文献:特許出願公開第2010/241275(A)号には、保持体に係合されたU字形の外部光拡散器を備えた照明デバイスを有するステアリングホイールリムが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の1つの目的は、上述した従来技術の欠点に対処することであり、特に、第1に、ステアリングホイールに外観欠陥を引き起こすリスクを制限又は排除するステアリングホイールリム用の照明デバイスを提案することである。
【0005】
それゆえ、したがって、本発明の第1の態様は、車両ステアリングホイールリムのための照明デバイスであって、
-リムの外部ディスプレイ壁に向かって光を放射するように配置された複数の光源と、
-外部ディスプレイ壁に向かって放射された光が通過することを可能にする所定の通路幅を有する細長い開口部を有する内壁を備える保持体と、を備え、
この照明デバイスは、所定の通路幅の増加を制限するために、保持体に係合され、内壁の、外部ディスプレイ壁とは反対の側に少なくとも部分的に配置された少なくとも1つのブリッジ要素を備えることを特徴とする、照明デバイスに関する。
【0006】
上記実装態様によれば、保持体に設けられた開口部は、光源からの光を車両ユーザに向けて通過させる。加えて、ブリッジ要素は、通路開口部の2つの側部を接続して、通路開口部が、特にステアリングホイールを製造する後続の動作中に、又は運転者によるステアリングホイールの使用中に開く又は広がるのを防止する補強を提供する。従って、細長い開口部の存在は、保持体の構造の弱化を引き起こさず、これは、ステアリングホイールのリムにおける保持体の幾何学的形状のバラツキを排除する。
【0007】
換言すれば、本発明は、車両ステアリングホイールリムのための照明デバイスであって、
-保持体と、
-保持体に取り付けられた少なくとも1つの、好ましくは複数の光源と、を備え、
この保持体は、所定の通路幅を有し、光源によって放射された光がリムの外部ディスプレイ壁に向かって通過することを可能にするように配置された少なくとも1つの細長い開口部を備え、
この照明デバイスは、リム上で実行される後続の組立動作中に所定の通路幅の増加を制限するために、保持体に係合された少なくとも1つのブリッジ要素を備えることを特徴とする、照明デバイスに関し得る。
【0008】
換言すれば、本発明は、車両ステアリングホイールリムのための照明デバイスであって、
-保持体と、
-保持体に取り付けられた複数の光源と、を備え、
この保持体は、所定の通路幅を有し、光源によって放射された光がリムの外部ディスプレイ壁に向かって保持体の内壁を通過することを可能にするように配置された少なくとも1つの細長い開口部を備え、
この照明デバイスは、所定の通路幅の増加を制限するために、外部ディスプレイ壁とは反対の側の内壁の側から保持体に係合された少なくとも1つのブリッジ要素を備えることを特徴とする、照明装置に関し得る。
【0009】
一実施形態によれば、ブリッジ要素は、保持体と相互接続されてもよく、又は保持体に埋め込まれてもよい。従って、ブリッジ要素と保持体との間に互いに埋め込まれた部品が存在するので、アセンブリは堅牢である。換言すれば、ブリッジ要素又は保持体のうちの一方の少なくとも1つの壁及び/又は1つの突出要素は、ブリッジ要素又は保持体のうちの他方の受け入れキャビティ又は壁に少なくとも部分的に貫入する。
【0010】
一実施形態によれば、保持体は、単一部品から形成されてもよい。これは、変形のリスクを制限し、公差を減少させることができる。
【0011】
一実施形態によれば、ブリッジ要素は、光ガイドであってもよい。ブリッジ要素は、光源の光が横切る少なくとも1つの部分を有してもよい。
【0012】
一実施形態によれば、照明デバイスは、複数のブリッジ要素を備えてもよい。例えば、第1のブリッジ要素は、プリント回路基板の形態で提供され得、第2のブリッジ要素は、光ガイドの形態で提供され得る。
【0013】
一実施形態によれば、ブリッジ要素は、内壁に直接配置することができる。ブリッジ要素は、内壁と直接接触していてもよく、又は内壁に直接接続されていてもよい。ブリッジを確実にする構成要素は1つだけであってもよい。
【0014】
一実施形態によれば、光源は各々、同じ発光面に配置された発光面を有してもよく、ブリッジ要素は、細長い開口部に対向し、発光面に、及び/又は外部ディスプレイ壁に対向する発光面の片側に配置された接続部分を有してもよい。この実施形態によれば、細長い開口部の反対側に横方向に延在する接続部分は、光源と同じ高さにあるか、又は外壁の反対側にあり、これは、接続部分が光の経路上になく、光の経路を妨害しないことを意味する。
【0015】
一実施形態によれば、ブリッジ要素は、細長い開口部の反対側に接続部分を有してもよく、少なくとも1つの光源は、ブリッジ要素と細長い開口部との間に配置される。
【0016】
一実施形態によれば、ブリッジ要素は、細長い開口部の反対側に接続部分を有してもよく、接続部分は、少なくとも1つの光源の反対側に配置することができ、
かつ、
-接続部分は、光源と外部ディスプレイ壁との間に配置することができ、接続部分は、透明であることができるか、
又は
-光源は、外部ディスプレイ壁と接続部分との間に配置されてもよく、接続部分は、好ましくは不透明である。
【0017】
上記の実装態様によれば、細長い開口部に対向して横方向に配置された接続部分は、ユーザへの光路内に入る可能性がある場合には透明であり、又はユーザへの光路に位置するリスクがない場合には不透明であり得る。典型的には、接続部分は、ユーザに向かう光路上に位置する場合には光ガイドの一部であってもよく、又はユーザへの光路に入るリスクを冒さない場合にはプリント回路などの光源の支持体であってもよい。
【0018】
一実施形態によれば、細長い開口部は、細長い開口部の幅の10倍、好ましくは30倍、より優先的には40倍、非常に優先的には50倍を超える長さを有してもよい。
【0019】
一実施形態によれば、ブリッジ要素は、細長い開口部の2つの長手方向端部の間に、好ましくは細長い開口部の中央の部分に、及び/又は好ましくは各長手方向端部から細長い開口部の長さの少なくとも4分の1の距離に配置される。
【0020】
一実施形態によれば、照明デバイスは、複数の光源を支持するプリント回路を備えてもよく、ブリッジ要素は、プリント回路によって形成され得る。上記の実装態様によれば、プリント回路、典型的には剛性構成要素は、光源を支持する機能を組み合わせ、その固有の剛性により、細長い開口部のブリッジを効果的に提供する。
【0021】
一実施形態によれば、照明デバイスは、外部ディスプレイ壁を形成する光拡散器又はスクリーンを備えてもよく、ブリッジ要素は、光拡散器又はスクリーンによって形成され得る。上記の実装態様によれば、光拡散器又はスクリーンは、かなりの剛性のおかげで、細長い開口部の上方にブリッジを効果的に提供する。
【0022】
一実施形態によれば、リムは、外側シースを備えてもよく、ブリッジ要素は、シースのないゾーンにおいて保持体に係合することができる。
【0023】
一実施形態によれば、保持体は、シースを保持するための支持体又は部分として働くことができる。典型的には、保持体は、シースのフラップを受け入れて保持することができる。
【0024】
一実施形態によれば、細長い開口部は、通路長さを有してもよく、保持体は、通路長さ方向に補強リブがなくてもよい。ブリッジ要素は単独で、細長い開口部における補強機能を確実にする。換言すれば、保持体は、細長い開口部が設けられた滑らかな壁を含む。これにより、連続光を拡散させることができる細くて長い照明デバイスを提案することができる。実際、光の経路上の横断リブは、必然的に、マスクされる必要がある複雑な影領域をもたらす。
【0025】
一実施形態によれば、細長い開口部は、連続的であってもよく、及び/又は保持体は、細長い開口部に対して横方向に及び/又は細長い開口部の反対側にリブ又はバーがなくてもよい。ブリッジ要素は単独で、細長い開口部における補強機能を確実にする。換言すれば、保持体は、細長い開口部が設けられた滑らかな壁を含む。特に、開口部及び/又は内壁は、開口縁部において隆起縁部を欠いている。内壁は、細長い開口部において平坦であり、このレベルにおいて1つの壁厚さのみを有する。特に、内壁が光の経路に対して実質的に垂直であるようにすることができる。
【0026】
一実施形態によれば、保持体又はブリッジ要素のうちの少なくとも一方は、保持体又はブリッジ要素のうちの他方の壁を貫通する突出部を備えてもよい。突出部は、スタッド、タブ、好ましくは円筒形又は抜き勾配角度を有するタブ、柱などであってもよい。突出部は、保持体又はブリッジ要素と単一部品で又は一体的に形成されてもよいが、追加された又は組み立てられた部品であってもよい。
【0027】
一実施形態によれば、保持体又はブリッジ要素のうちの少なくとも一方は、保持体又はブリッジ要素のうちの他方を通過する溶接部分を備えてもよい。熱溶接、レーザ溶接又は超音波溶接が考えられ得る。結合も考慮され得る。
【0028】
一実施形態によれば、保持体又はブリッジ要素のうちの少なくとも一方は、保持体又はブリッジ要素のうちの他方に埋め込まれた部分を備えてもよい。逆型、T溝、又はアリ溝などを有する埋め込みを提供することが可能である。
【0029】
一実施形態によれば、保持体又はブリッジ要素のうちの少なくとも一方は、保持体又はブリッジ要素のうちの他方を通過する、塑性変形された、及び/又は塑性的に折り畳まれた、及び/又は頭部分を備えてもよい。このような変形は、アセンブリをシールするためのリベット締め又は熱変形によって得ることができる。
【0030】
一実施形態によれば、保持体又はブリッジ要素のうちの少なくとも一方は、保持体又はブリッジ要素のうちの他方の上にオーバーモールドされた部分を備えてもよい。
【0031】
本発明の第2の態様は、第1の態様による照明デバイスを備える車両ステアリングホイールに関する。
【0032】
本発明の第3の態様は、第1の態様による照明デバイスを備える、自動車両に関する。
【0033】
別の態様は、製造方法に関し、ブリッジ要素を取り付ける又は組み立てるステップは、照明デバイス上で、及び/又は照明デバイス単独で、及び/又はステアリングホイール上への照明デバイスの取り付け前に、及び/又はステアリングホイールへの保持体の締結前に、及び/又はステアリングホイールを被覆するステップの前に実行することができる。好ましくは、ブリッジ要素は、ステアリングホイール上の製造又は組立力が保持体に加えられる前に、保持体に固定され、取り付けられ、係合され得る。この態様によれば、ブリッジ要素は、製造ステップにおいて可能な限り早く、いかなる場合でも、細長い開口部を変形させる可能性がある大きな力を保持体に加える前に、保持体又は内壁に取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本開示の他の特徴及び利点は、非限定的な例として提供され、添付図面によって示されている、本開示の実施形態の以下の詳細な説明を読むことで、より明らかとなるであろう。
図1図1は、リブ内に照明デバイスを備えるステアリングホイールの正面図を示す。
図2図2は、照明デバイスの細長い開口部を通して車両の乗員に向けて光を拡散するように配置された光源を備える照明デバイスにおけるリムの断面を示す。
図3図3は、細長い開口部の2つの縁部の間に配置されたブリッジ要素の実装態様における、図2の断面を示す。
図4図4は、図2のブリッジ要素の特定の実装態様を示す。
図5図5は、図2のブリッジ要素の別の特定の実装態様を示す。
図6図6は、図2のブリッジ要素の別の特定の実装態様を示す。
図7図7は、図6のブリッジ要素の実装態様を伴う、図3の断面を示す。
図8図8は、図2のデバイスにおけるブリッジ要素の別の特定の実装態様を示す。
図9図9は、図2のデバイスにおけるブリッジ要素の別の特定の実装態様を示す。
図10図10は、図2のデバイスにおけるブリッジ要素の別の特定の実装態様を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、典型的には、複数のブランチ30によってハブ20に接続されたリム10を備える、車両ステアリングホイールを示す。リム10は、「12時」位置と呼ばれる上方位置に照明デバイス40を備える。この照明デバイス40は、約30°~40°の角度セクタにわたってリムに沿って延在する外部ディスプレイ壁を有するが、より大きい又はより小さい角度範囲、例えば180°まで又はそれ以上の角度範囲を設けることができる。
【0036】
図2は、図1のリム10の断面を示しており、リムは、典型的には以下のものを含む。
-例えばマグネシウムで作られたアーマチュア13(又はフレームワーク)、
-フレームワーク13上にオーバーモールドされた発泡体又は梱包材料14、例えばポリウレタン、
-電気又は電子装置12、例えば、接触検出センサ、又は加熱シース(このような電気装置はアクセサリであり、省略することができることが理解される)、
-例えば革で作られた、リムの外皮を形成するシース11。
【0037】
照明デバイス自体は、以下を備える。
-プリント回路45、
-プリント回路45上に装着された光源42(例えば発光ダイオード)、
-プリント回路が取り付けられ、電気又は電子装置12用の及びシース11用の、特にシース11のフラップ11Aにおいて、支持体としても機能する保持体41、
-光ガイド43、
-拡散スクリーン44。
【0038】
以下を提供することが可能である。
-透明ポリマー、例えばポリカーボネート又はポリメチルメタクリレート(polymethyl methacrylate、PMMA)で作られた光ガイド43及び拡散スクリーン44。
-好ましくは、例えばガラス繊維が充填されたポリアミドなどの硬質ポリマーで作られ、射出によって容易に成形可能な保持体41、
-例えばガラス繊維を含むエポキシ樹脂などの、繊維を含む樹脂で作られたプリント回路。
【0039】
従って、保持体41は、電気又は電子装置12及びシース11を受け入れるために発泡材料14と表面連続性を形成し、電気又は電子装置12及びシース11は、典型的には、照明デバイスが組み立てられてステアリングホイール上に装着されると、装着される。保持体の上部は、シース11のフラップ11A、次いで拡散スクリーン44を受け入れる溝を形成する。この溝の底部において、細長い開口部411が内壁412に形成されている。
【0040】
光源42は全て、プリント回路45によって画定される同じ平面内に、内壁412に設けられた細長い開口部411に係合された光ガイド43に対向して位置し、光源42からの光を拡散スクリーン44に向けて案内する。
【0041】
上述したように、また図2に見ることができるように、保持体41は、シース11のための支持体として機能し、シース11は、車両の運転者によって直接見ることができ、保持される。従って、幾何学的形状は、視覚的又は触覚的欠陥を回避するために正確であることが重要である。加えて、拡散スクリーン44とフラップ11Aとの間に開口部又はポートを有しないことも明らかに重要である。
【0042】
このためには、保持体が変形しないことを保証する必要がある。しかしながら、上でも見られるように、細長い開口部411は、滑らかな内壁412に形成され、照明デバイスによって覆われるリムの角度セクタ全体にわたって延在することができる。光度の変化を生じさせないために、横断リブのない細長い連続開口部411を提供することが重要である。運転者に見えるリムの開口部を最小限に抑えるために、拡散器スクリーン44の側の細長い開口部411の縁部上の長手方向リブも望ましくない。
【0043】
このような細長い開口部411は、保持体を弱める可能性があり、照明デバイスが組み立てられてリム10に装着されると、特にピンと張られなければならないシース11の配置中に、特に例えばフラップ11Aが分離力を及ぼす可能性があるため、細長い開口部の分離又は開放をもたらす可能性がある。
【0044】
細長い開口部411の縁部を分離するこの可能性に対抗するために、正確にブリッジ要素48におけるリム10の断面である図3に示されるように、細長い開口部411にブリッジ要素48を設けることが提案される。
【0045】
実際、光ガイド43は、この実施形態では、光ガイド43の本体の残りの部分にアームによって接続された2つのスタッド481を備え、2つのスタッド481は各々、保持体の内壁412に係合される。その結果、ブリッジ要素は、引張力、牽引力が(典型的には被覆中に)加えられても、後続の製造動作中にもはや開くことができない細長い開口部411の2つの縁部の間に剛性リンクを提供する。従って、その幅が保証され、リム10のサイズ及び拡散スクリーン44とフラップ11Aとの間に開口部がないことが、デバイスの上部にスペースを取ることなく保証される。
【0046】
上記の実施形態では、ブリッジ要素48は、スタッド481と、スタッド481が固定される光ガイド43の本体の一部とによって形成され、外面と光源42との間にある。ブリッジ要素48、及び少なくとも細長い開口部411に対向するか又は重なる接続部分は、運転者に向かう光の拡散を妨げないように透明である。
【0047】
上記の実施形態では、ブリッジ要素48はスタッド481によって形成され、スタッド481が内壁412から突出するようにスタッド481に長さを提供し、次いでそれらを(熱間で、又はリベット締め若しくはヘッディングによって)変形させ、恒久的な接続を得ることが可能である。
【0048】
代わりに、可撓性タブにスタッド481の端部にフックを設けて弾性インターロックを提供してもよい。
【0049】
図4は、内壁412を貫通するスタッド481の代わりに、内壁412への光ガイド43の超音波溶接を可能にするように意図された溶接ピン482を用いる、接続要素48の代替例を示す。ここで再び、ブリッジ要素48は、透明な光ガイド上に形成され、細長い開口部411の2つの縁部を接続する。
【0050】
図5は、ブリッジ要素48の別の代替例を示し、ここでは、内壁412の下面に突出するピン又はスタッドを受け入れることができる2つの穴483を有する。この実施形態では、穴483を越えて延びるように突出するピン又はスタッドのための長さを提供し、次いでそれらを(熱間で、又はリベット締め若しくはヘッディングによって)変形させ、恒久的な接続を得ることが可能である。
【0051】
図6及び図7は、ブリッジ要素48の別の代替例を示しており、ここでは、光ガイド43上に形成された雄部品484によって提供される接続があり、保持体41の対向形態に係合されている。この例では、雄部品484はT字形であり、保持体の対向形状はT字形溝である。しかしながら、例えばダブテールなどの他の形状を提供することもできる。
【0052】
図8は、ブリッジ要素48が、ピン485が設けられたプリント回路45(プリント回路が下から見られるので、光源42は見えない)上に及びそれによって形成される代替例を示す。ピン485は、プリント回路45及び内壁412(プリント回路45によって隠されている)に係合するように計算された長さを有する。ピン485は、変形され、はんだ付けされ、又は任意の方法でプリント回路45に取り付けられることができ、それらを内壁412上に同じ方法で設けること、又はそれらを同じ材料で一体に設けることが可能である(次に、保持体41は、ピン485と直接成形することによって形成される)。図8において、ハッチングされた領域は、ブリッジ要素48、特に、細長い開口部411に対向するその接続部分を表す。従って、光源42は、接続部分と細長い開口部との間に配置され、従って、接続部分は、光源42に対してユーザの反対側にあるので、不透明であり得る。有利には、ピン485は、細長い開口部411の近傍で保持体41に形成される。
【0053】
図9は、ブリッジ要素48が拡散器44の一部によって形成される代替例を示す。実際、拡散器44は、保持体41とシース11のフラップとによって形成された溝に逆さまに挿入されたU字形状であり、内壁412上に例えば超音波溶接を可能にする突起486を備える。例えば、内壁412におけるクリッピングを想定することも可能である。従って、拡散器44は、突出部486において、細長い開口部の両側に完全に固定され、その結果、保持体41は、ブリッジ要素48によって補強される。
【0054】
図10は、光ガイド43の中央部分によって形成されるブリッジ要素48の最後の代替例を示し、後者は、保持体41上に直接オーバーモールドされ、細長い開口部411の縁部上に各々オーバーモールドされた2つのオーバーモールド部分487によって接続される。代替例は、光ガイド43上に保持体41をオーバーモールドすることからなることができる。
【0055】
全ての実施形態において、ブリッジ要素48は、細長い開口部411の2つの縁部間の接続を提供して、その幅を確保し、それが開くか又は分離するのを防止する。そのようなブリッジ要素48は、細長い開口部411に沿って規則的な間隔で、例えば、図1のような正面図においてステアリングホイールの回転軸を中心とする角度セクタの20mmごと、又は5°若しくは10°ごとに設けることができる。
【0056】
いずれにしても、ブリッジ要素は、光度又はディスプレイ外観の変化を引き起こす可能性がある溝上の横断溝を提供することを回避する。
【0057】
本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書で説明されている本発明の種々の実施形態に対して、当業者に明白な様々な修正及び/又は改善を加えることができる点が理解されるであろう。特に、ブリッジ要素及び/又は照明デバイスは、ステアリングホイールのリムへの一体化の前に完全に組み立てることができることに留意されたい。また、ブリッジ要素は、リムの内側から、すなわち、図3図7図10において下から組み立てられてもよく、又は組み立てられなければならないことに留意されたい。これは、上部を通したアクセスを残す。また、ブリッジモードを組み合わせることができ、単一のブリッジ要素が、一方では、溶接又はヘッド付けされるブリッジを有し得、他方では、それを逆の形態でのみ係合させるブリッジを有し得ることに留意されたい。保持体(41)を補強することを可能にする、保持体上又はそれらの間にそれぞれ存在するいくつかのブリッジ要素を有することも可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】