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特表2024-504111車両とリモート局との間のデータ交換のための車両通信を自動的に確立する又は自動的に切り替えるための制御方法
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  • 特表-車両とリモート局との間のデータ交換のための車両通信を自動的に確立する又は自動的に切り替えるための制御方法 図1
  • 特表-車両とリモート局との間のデータ交換のための車両通信を自動的に確立する又は自動的に切り替えるための制御方法 図2
  • 特表-車両とリモート局との間のデータ交換のための車両通信を自動的に確立する又は自動的に切り替えるための制御方法 図3
  • 特表-車両とリモート局との間のデータ交換のための車両通信を自動的に確立する又は自動的に切り替えるための制御方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】車両とリモート局との間のデータ交換のための車両通信を自動的に確立する又は自動的に切り替えるための制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20240123BHJP
   H04W 4/40 20180101ALI20240123BHJP
   H04W 84/06 20090101ALI20240123BHJP
   H04W 48/16 20090101ALI20240123BHJP
【FI】
H04W76/10
H04W4/40
H04W84/06
H04W48/16 132
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542639
(86)(22)【出願日】2021-12-08
(85)【翻訳文提出日】2023-09-04
(86)【国際出願番号】 EP2021084692
(87)【国際公開番号】W WO2022156953
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】102021000246.6
(32)【優先日】2021-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】メルセデス・ベンツ グループ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Mercedes-Benz Group AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 120,70372 Stuttgart,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(72)【発明者】
【氏名】アイディン,オスマン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD34
5K067EE02
5K067EE10
5K067HH22
(57)【要約】
【課題】コストのかかる技術集約型ネットワークのコスト及びネットワーク負荷を低減できる、車両とリモート局との間のデータ交換のための車両通信を自動的に確立する、又は自動的に切り替えるための制御方法を提供する。
【解決手段】本発明は、種々の自動運転レベルで走行する車両(1)とリモート局(2)との間のデータ交換のための車両通信を、自動的に確立する又は自動的に切り替えるための制御方法に関する。本発明による制御方法は、データが、地上系ネットワーク(4)におけるネットワークコネクション(3)、非地上系ネットワーク(5)におけるネットワークコネクション(3)、及び地上系ネットワーク(4)と非地上系ネットワーク(5)との並列ネットワークコネクション(3)のうちの少なくとも1つのネットワークコネクションタイプを介して車両(1)とリモート局(2)との間で伝送され、ネットワークコネクションタイプの選択は、現在設定及び/又は要求されている自動運転レベルに基づいて行われる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
種々の自動運転レベルで走行する車両(1)とリモート局(2)との間のデータの交換のための車両通信を、自動的に確立する又は自動的に切り替えるための制御方法であって、
前記データは、地上系ネットワーク(4)におけるネットワークコネクション(3)、非地上系ネットワーク(5)におけるネットワークコネクション(3)、及び地上系ネットワーク(4)と非地上系ネットワーク(5)との並列ネットワークコネクション(3)のうちの少なくとも1つのネットワークコネクションタイプを介して前記車両(1)と前記リモート局(2)との間で伝送され、
前記ネットワークコネクションタイプの選択は、現在設定及び/又は要求されている自動運転レベルに基づいて行われる
ことを特徴とする、制御方法。
【請求項2】
前記ネットワークコネクションタイプの選択は、更に、前記車両(1)においてアクティブ化及び/又は要求されているソフトウェアアプリケーション及び/又はハードウェアアプリケーションに基づいて行われ、
前記ソフトウェアアプリケーション及び/又は前記ハードウェアアプリケーションはそれぞれ、複数のサービス品質要件のうちの1つを有している
ことを特徴とする、請求項1記載の制御方法。
【請求項3】
前記サービス品質要件は、待ち時間、ジッタ、データ誤り率、パケット損失率、及び/又はデータスループットによって区別される
ことを特徴とする、請求項2記載の制御方法。
【請求項4】
前記ネットワークコネクションタイプの選択は、更に、現在達成されている、及び/又は、予め定められている信号伝播時間に基づいて行われる
ことを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれか一項記載の制御方法。
【請求項5】
前記地上系ネットワーク(4)及び/又は前記非地上系ネットワーク(5)において、異なる信号伝播時間及び/又は異なるデータスループット率を有する複数のネットワークコネクション(3)を選択可能であり、前記複数のネットワークコネクション(3)のうちの1つの前記選択は、前記設定及び/又は要求されている自動運転レベルに基づいて、及び/又は、前記車両(1)において前記アクティブ化及び/又は要求されているソフトウェアアプリケーション及び/又はハードウェアアプリケーションに基づいて行われる
ことを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれか一項記載の制御方法。
【請求項6】
前記非地上系ネットワーク(5)における前記データ伝送は、衛星(6)を介して行われる
ことを特徴とする、請求項1~請求項5のいずれか一項記載の制御方法。
【請求項7】
異なる地球周回軌道上の個々の衛星(6)及び/又は衛星グループを前記データ伝送のために選択することができ、前記衛星(6)及び/又は衛星グループの選択は、前記設定及び/又は要求されている自動運転レベルに基づいて、及び/又は、前記車両(1)において前記アクティブ化及び/又は要求されているソフトウェアアプリケーション及び/又はハードウェアアプリケーションに基づいて行われる
ことを特徴とする、請求項5又は請求項6記載の制御方法。
【請求項8】
比較的高い自動運転レベルでは、比較的近地の衛星(6)及び/又は比較的近地の衛星グループが選択される
ことを特徴とする、請求項7記載の制御方法。
【請求項9】
前記地上系ネットワーク(4)における前記データ伝送は、1つ又は複数の移動無線ネットワーク(7)を介して、異なる移動無線規格を用いて行われる
ことを特徴とする、請求項1~請求項8のいずれか一項記載の制御方法。
【請求項10】
比較的高い自動運転レベルでは、比較的速いデータ伝送速度を有する移動無線規格が選択される
ことを特徴とする、請求項5又は請求項9記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段に記載の、車両とリモート局との間のデータ交換のための車両通信を自動的に確立する、又は自動的に切り替えるための制御方法に関する。
【0002】
移動無線ネットワークにおけるデータ伝送の分野では、ユーザの要求に基づいて、データ伝送の品質及び速度を適合させることが公知である。つまり、例えば個々の契約形態による保証のもとで、プロバイダによる特定の伝送品質及び/又は伝送速度をユーザに確約することができ、それらの伝送品質及び/又は伝送速度は、例えば、サービス品質(QoS:Quality of Service)要件を指定することによって定義することができる。その種のサービス品質は、各ユーザの視点からの通信サービスの品質を表しており、またデータ伝送についての種々の品質要件を含んでいる。
【0003】
更に一般的に、サービス品質要件に応じて、適切なネットワークコネクションの選択が行われることが公知である。
【0004】
より広範囲な無線データ伝送のために、今日では、地上系ネットワーク、特に移動無線ネットワーク、及び非地上系ネットワーク、特に衛星通信が利用されている。下記特許文献1には、衛星ネットワークと地上系ネットワークとを自動的に切り替えるモバイル端末装置が開示されている。この切り替えは、ユーザによって選択された、又は自動的に選択されたデータプロトコルに応じて行うことができる。
【0005】
また、移動無線ネットワークにおいて、特定のユーザに対して特に速いデータ伝送速度を保証できるようにするため、いわゆるネットワークスライシングが提案されている(5G Service-Guaranteed Network Slicing White Paper」Version 1.0、2017年2月28日発行[中国移動通信、ファーウェイ、ドイツテレコム、フォルクスワーゲン]参照)。
【0006】
従って、モバイルデータ伝送のためには、確かに、最高のデータ伝送品質及び伝送速度を保証するネットワークコネクションがネットワークにおいて利用可能である。しかしながら、その種のネットワークコネクションの利用及び該当する接続容量の確保は、比較的高いコストを伴う。更には、例えばM2M(Machine-to-Machine)サービス又は自動車の自律走行の発展において、「モノのインターネット(IoT:Internet of Things)」の技術の導入が進むと、その種の高速ネットワークコネクションに輻輳が発生するおそれがある。特に、自律走行又は半自律走行する自動車では、本発明に関するような車両の制御のために、1つ又は複数の別の車両、又は交通インフラストラクチャの一部、又は手動操作可能な端末装置であってもよいリモート局と車両との間で大量のデータが伝送される。それら全てのデータが、利用可能なネットワークを介して、最高のデータ品質及びデータ伝送速度で伝送される場合、このことは、高コスト及び相応にそのネットワークの高負荷に繋がる。
【0007】
下記特許文献2には、自動運転レベル3から5において自律走行する車両の機能を改善するシステムが開示されており、このシステムでは、個々の車両の学習結果を改善するために、極めて学習能力の高いスーパーコンピュータを、車両と通信するプラットフォームにおいて使用するようになっている。データ伝送は、リモート局、即ち、スーパーコンピュータを含むクラウドベースのインフラストラクチャと車両との間で行われる。自動運転レベル3から5の各車両のデータは、移動無線ネットワーク又は他の地上系ネットワーク、例えば、利用可能であればLTE(登録商標)、WCDMA(登録商標)、UMTS、CDMA2000、HSPA+、GSM、又は衛星ネットワークを介して、クラウドベースのインフラストラクチャに伝送される。クラウドベースのインフラストラクチャは、それらのデータを分析し、自動走行車両に最新情報を伝送する。
【0008】
下記特許文献3には、車両がある区間に沿って移動する際の、利用可能な最善のネットワークコネクションの選択が開示されている。ネットワークのカバレッジマップが生成され、これを用いて、車両は、どの場所で、どのネットワークを、どの信号強度で利用可能かを把握することができる。これによって、車両は、通信を最適化するために、経路に沿った種々の領域において、ネットワークコネクションの1つ又は複数のタイプを選び出すことができる。
【0009】
下記特許文献4には、半自律型又は全自律型の車両が開示されており、この車両においては、ナビゲーションシステムが、従来のパラメータの他に、車両がある区間のどの部分で自律走行できるかを考慮する。これによって、車両が広範に自律走行するルートを運転者が優先的に選択することができる。
【0010】
下記特許文献5には、自律型の車両のための方法、装置及びシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第98/10521 A2号
【特許文献2】米国特許出願公開第2019/0258251 A1号明細書
【特許文献3】米国特許第9 565 625 B1号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2017/0219364 A1号明細書
【特許文献5】国際公開第2020/107991 A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、特にコストのかかる技術集約型ネットワークのコスト及びネットワーク負荷を低減できる、車両とリモート局との間のデータ交換のための車両通信を自動的に確立する、又は自動的に切り替えるための制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の課題は、請求項1の特徴を備えた制御方法によって解決される。従属請求項には、本発明の有利な、特に好適な実施形態が記載されている。
【0014】
本発明によれば、全てのデータが、利用可能な最良のネットワークコネクションを用いて伝送されるのではなく、車両の現在の自動運転レベル、又は車両に必要な自動運転レベルに基づいて、利用可能なネットワークコネクションの適切な選択が行われる。これによって、例えば、種々のネットワークにおいて、不必要な並列ネットワークコネクション(Multi-Connectivity-Connections)を回避することができる。これが回避できなければ、そのような並列ネットワークコネクションによって、これらのネットワークの運用コスト及びネットワーク負荷が増大するであろう。従って、ネットワークリソースが従来よりも効率的に利用される。
【0015】
詳細には、車両とリモート局との間のデータ交換のための新たな車両通信を自動的に確立する、又は既存の車両通信を自動的に切り替えるための本発明に係る制御方法によれば、車両は種々の自動運転レベルで走行し、データは、以下のネットワークコネクションタイプ、即ち、地上系ネットワークにおけるネットワークコネクション、非地上系ネットワークにおけるネットワークコネクション、及び地上系ネットワークと非地上系ネットワークの並列ネットワークコネクションのうちの少なくとも1つを介して車両とリモート局との間で伝送され、ネットワークコネクションタイプの選択は、現在設定及び/又は要求されている自動運転レベルに基づいて行われる。
【0016】
このとき、自動運転レベルは、本願の優先日において有効なバージョンにおけるSAE J3016に準拠して定義することができる。特に、5つの自動運転レベルが想定されており、レベル0では、自動化は提供されない。つまり、動的運転タスクの全ての側面は、支援的な警告システム又は介入システムが使用される場合であっても、人間の運転者が一貫して実行する。またレベル5では、完全な自動化が想定されており、人間の運転者によって克服できると思われるあらゆる運転条件及び環境条件下において、動的運転タスクの全ての側面が、自動運転システムによって一貫して実行される。レベル1では、特定の運転状況において、運転環境に関する情報を用いて、加速、又は減速、又は操舵について介入を行う運転者アシスタントシステムが運転者を支援し、人間の運転者は、残りの全ての動的運転タスクを担うことが期待される。レベル2では、特定の運転状況において、運転環境に関する情報を用いて、加速/減速についても、操舵についても介入を行う1つ又は複数の運転者アシスタントシステムが運転者を支援し、人間の運転者は、残りの全ての動的運転タスクを担うことが期待される。レベル3では、動的運転タスクの全ての側面で依存的自動化が行われるが、人間の運転者は、介入の要求があれば車両の制御を担うことを例外とする。レベル4では、人間の運転者が要求に従って介入せずとも、また車両による制御を引き受けなくても、動的運転タスクの全ての側面で高度な自動化された運転が行われる。
【0017】
特に、その都度の最速及び/又は最高品質のネットワークコネクションタイプは、設定及び/又は要求されている自動運転レベルが比較的高い場合、例えば一実施形態によればレベル3,4,又は5、別の実施形態によればレベル4又は5でのみ、あるいは別の実施形態によればレベル5でのみ選択を行うことができる。利用可能であれば、このために特に、前述の並列ネットワークコネクションの確立によって、少なくとも1つの地上系ネットワークと非地上系ネットワークの同時利用が選択される。
【0018】
本発明によれば、地上系ネットワークにおけるネットワークコネクション及び非地上系ネットワークにおけるネットワークコネクションが相互に独立しているので、最良の、且つ最も効率的なネットワークコネクションを選択することができる。これによって、地理的に非常に広い範囲において、十分なネットワークコネクションを提供することができる。
【0019】
地上系ネットワークと非地上系ネットワークの並列ネットワークコネクションが使用される場合には、特に、本願の優先日において有効なバージョンのETSI又は3GPP(登録商標)通信規格に記載されているような、EN-DC(E-UTRA-NRのデュアルコネクティビティ)、又はSUL(Supplement Uplink)、又はSDL(Supplement Downlink)に準拠するコネクション確立、あるいはそれどころかキャリアアグリゲーション(CA)としてのコネクション確立を実現することができる。
【0020】
特に好適には、ネットワークコネクションタイプの選択は、付加的に、車両においてアクティブ化及び/又は要求されているソフトウェアアプリケーション及び/又はハードウェアアプリケーションに基づいて行われ、ソフトウェアアプリケーション及び/又はハードウェアアプリケーションはそれぞれ、複数のサービス品質(QoS)要件のうちの1つを有している。例えば、ネットワークコネクションタイプの選択は、車両ユーザインタフェースでアクティブ化されているアプリケーション及び/又は車両ユーザインタフェースに接続されているスマートフォンでアクティブ化されているアプリケーションに基づいて、又はアプリケーションでの設定に基づいて行うことができる。
【0021】
サービス品質要件は、例えば、待ち時間(遅延)、ジッタ、データ誤り率、パケット損失率、及び/又はデータスループットによって区別されてもよい。特に、サービス品質要件は、種々のRxレベル、Txレベル、及び/又は種々のRxQual値によって区別されてもよい。
【0022】
本発明の特に有利な実施形態によれば、ネットワークコネクションタイプの選択は、現在達成されている、及び/又は、予め定められている信号伝搬時間に基づいて行われる。
【0023】
特に好適には、地上系ネットワーク及び/又は非地上系ネットワークにおいて、異なる信号伝播時間及び/又は異なるデータスループット率を有する複数のネットワークコネクションが選択可能であり、該当するネットワークにおけるそれら複数のネットワークコネクションのうちの1つの選択は、設定及び/又は要求されている自動運転レベルに基づいて、及び/又は、車両においてアクティブ化及び/又は要求されているソフトウェアアプリケーション及び/又はハードウェアアプリケーションに基づいて行われる。従って、ネットワークコネクション選択の最適化を更に改善することができ、また利用可能なネットワークの非常に効率的な利用を達成することができる。
【0024】
非地上系ネットワークにおけるデータ伝送は、特に衛星を介して行われる。
【0025】
地上系ネットワークにおけるデータ伝送は、例えば、1つ又は複数の移動無線ネットワークを介して、特に異なる移動無線規格を用いて行われる。
【0026】
特に好適には、異なる地球周回軌道上の個々の衛星及び/又は衛星グループをデータ伝送のために選択することができ、それらの衛星及び/又は衛星グループの選択は、設定及び/又は要求されている自動運転レベルに基づいて、及び/又は、車両においてアクティブ化及び/又は要求されているソフトウェアアプリケーション及び/又はハードウェアアプリケーションに基づいて行われる。例えば、比較的高い自動運転レベルでは、比較的近地の衛星及び/又は比較的近地の衛星グループを選択することができ、特に、比較的近地の周回軌道上にある衛星又は衛星グループを選択することができる。
【0027】
これに応じて、比較的高い自動運転レベルにおいて、地上系ネットワークにおけるネットワークコネクションでは、さまざまな移動無線規格においてさまざまなデータ伝送速度が選択可能に提供されている場合、比較的速いデータ伝送速度を有する移動無線規格を選択することができる。
【0028】
地上系ネットワークでは、移動無線ネットワークに加えて、又は移動無線ネットワークの代わりに、好適にはWLANベースのネットワークコネクションも選択することができる。ここでもまた、比較的高い自動運転レベルにおいて、より速いデータ伝送速度を有するコネクションについて上述の選択を行うことができる。
【0029】
非地上系ネットワークでは、衛星ネットワークに加えて、又は衛星ネットワークの代わりに、相応のネットワークコネクションを持つドローン支援ネットワークを、相応のネットワークコネクションを選択することで、上述のように使用することができる。
【0030】
本発明の範囲内でネットワークコネクションタイプを選択するために使用することができるサービス品質要件は、例えば、本願の優先日においてそれぞれ有効なバージョンの3GPP TS 22.885及びTS 22.186に開示されている。
【0031】
以下では、実施形態及び図面に基づき本発明を例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】地上系ネットワークから非地上系ネットワークへの車両通信の、本発明による自動確立又は自動切り替えの概略図を示す。
図2】非地上系ネットワークから地上系ネットワークへの、本発明による車両通信の自動確立又は自動切り替えを示す図である。
図3】地上系ネットワークから、地上系ネットワーク及び非地上系ネットワークの並列ネットワークコネクションへの対応する切り替えを示す図である。
図4】非地上系ネットワークから、地上系ネットワーク及び非地上系ネットワークの並列ネットワークコネクションへの対応する切り替えを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1には、ネットワークコネクション3を介してリモート局2に接続されており、且つこのネットワークコネクション3を介してリモート局2とデータを交換する車両1が概略的に示されている。ここで、車両1は、例えば、比較的低い自動運転レベルにおいて自律的に制御され、このためにデータ交換が行われる。ネットワークコネクション3は、地上系ネットワーク4を介して確立される。地上系ネットワーク4は、例えば、対応する電波塔を備える、選択可能な1つまたは複数の移動無線ネットワーク7を含む。
【0034】
自動運転レベルが高められると、より高品質及び/又はより高速である、利用可能なネットワークコネクション3が利用される。図1に示した実施形態では、そのようなより良好なネットワークコネクション3を、非地上系ネットワーク5を介して確立することができ、この非地上系ネットワーク5は、衛星6を介してネットワークコネクション3を確立する。従って、比較的高い自動運転レベルの要求又は設定によって、ネットワークコネクション3の非地上系ネットワーク5への切り替えが行われる。
【0035】
図2に概略的に示されている状況では、例えば、地上系ネットワーク4におけるネットワークコネクション3が、非地上系ネットワーク5において設定されているネットワークコネクション3よりも良好であることが確認され、この際、依然として、比較的高い自動運転レベルが設定されている。従って、ネットワークコネクション3の地上系ネットワーク4への切り替えが行われる。
【0036】
図3には、更に高い自動運転レベルを設定したい状況、又は、地上系ネットワーク4を介する既存のネットワークコネクション3ではデータ交換が完全には達成されず、また非地上系ネットワーク5におけるネットワークコネクション3の単独の利用も不十分であるという状況のいずれかの状況が示される。従って、地上系ネットワーク4と非地上系ネットワーク5との並列ネットワークコネクション3への切り替えが行われる。
【0037】
図4に示される状況は、最初に非地上系ネットワーク5におけるネットワークコネクション3のみが存在している図3の状況に対応する。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】