(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】転送ターゲットセッションの再使用を用いる最適化されたセッションボーダーコントローラ(SBC)間アテンド通話転送のための方法、システム、およびコンピュータ読取可能媒体
(51)【国際特許分類】
H04M 3/58 20060101AFI20240123BHJP
H04L 65/1045 20220101ALI20240123BHJP
H04L 65/1104 20220101ALI20240123BHJP
【FI】
H04M3/58
H04L65/1045
H04L65/1104
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543166
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(85)【翻訳文提出日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 US2021064109
(87)【国際公開番号】W WO2022159218
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502303739
【氏名又は名称】オラクル・インターナショナル・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グローバー,ラリット
(72)【発明者】
【氏名】テワリ,ビマル・チャンドラ
(72)【発明者】
【氏名】シュリマリ,ジャイェシュ
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201BB05
5K201BC17
5K201BC27
5K201CA02
5K201CD09
(57)【要約】
第1のSBCが、転送側と被転送側との間に第1のメディアセッションを確立する。第2のSBCが、転送側と転送ターゲットとの間に第2のメディアセッションを確立する。第1のSBCは、転送側によって開始されたREFERメッセージを受信し、REFERメッセージにおけるダイアログIDが第1のSBCによって現在取り扱われているメディアセッションに対応していないと判定する。第1のSBCは、第1のSBCとの負荷分担グループにおける第2のSBCを含む複数のSBCにSIP INVITEメッセージを送信する。SIP INVITEメッセージは、第2のメディアセッションに関連付けられたダイアログIDを含み、それは、被転送側と転送ターゲットとの間にメディアセッションを確立するために第2のメディアセッションを再使用するように第2のSBCをトリガする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
転送ターゲットセッション再使用を用いる最適化されたセッションボーダーコントローラ(SBC)間アテンド通話転送のための方法であって、前記方法は、
第1のSBCで、転送側と被転送側との間に第1のメディアセッションを確立するステップと、
第2のSBCで、前記転送側によって開始され、セッションルータによって前記第2のSBCへルーティングされたセッション開始プロトコル(SIP)INVITEメッセージに応答して、前記転送側と転送ターゲットとの間に第2のメディアセッションを確立するステップと、
前記第1のSBCで、前記転送側によって開始され、前記第2のメディアセッションに関連付けられたダイアログIDを含むSIP REFERメッセージを受信し、それに応答して、前記ダイアログIDが前記第1のSBCによって現在取り扱われているメディアセッションに対応していないと判定し、前記第1のSBCとの負荷分担グループにおける前記第2のSBCを含む複数のSBCにSIP INVITEメッセージを送信するステップとを含み、前記SIP INVITEメッセージは、前記第2のメディアセッションに関連付けられた前記ダイアログIDを含み、前記方法はさらに、
前記第2のSBCで、前記第1のSBCによって送信された前記SIP INVITEメッセージを受信し、前記第1のSBCによって送信された前記SIP INVITEメッセージを、前記転送ターゲットへのアテンド通話転送を要求しているとして認識し、それに応答して、前記被転送側と前記転送ターゲットとの間にメディアセッションを確立するために前記第2のメディアセッションを再使用するために前記転送ターゲットおよび前記第1のSBCとシグナリングするステップを含む、方法。
【請求項2】
前記第1のメディアセッションを確立するステップは、前記被転送側によって生じ、前記セッションルータによって前記第1のSBCへ転送されたSIP INVITEメッセージに応答して、前記第1のメディアセッションを確立するステップを含み、前記セッションルータは、通話分配ロジックを使用して、前記第1のメディアセッションを取り扱うために前記第1のSBCを選択した、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記転送側によって開始された前記SIP INVITEメッセージは、前記セッションルータの通話分配ロジックに基づいて前記第2のSBCに送信される、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記SIP REFERメッセージを受信するステップは、前記第2のメディアセッションに関連付けられた前記ダイアログIDを含むReplacesヘッダを有する前記SIP REFERメッセージを受信するステップを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のメディアセッションに関連付けられた前記ダイアログIDを含む前記SIP INVITEメッセージを送信するステップは、前記SIP INVITEメッセージが第2のメディアセッションを再使用するアテンド通話転送を開始するためのものであることを示すカスタムヘッダを前記SIP INVITEメッセージに追加するステップを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記被転送側と前記転送ターゲットとの間にメディアセッションを確立するために前記第2のメディアセッションを再使用するために前記第1のSBCおよび前記転送ターゲットとシグナリングするステップは、
SIP Re-INVITEメッセージを前記転送ターゲットに送信するステップと、
前記転送ターゲットから成功応答を受信するステップと、
前記転送ターゲットからの前記成功応答の受信に応答して、成功応答を前記第1のSBCに送信するステップとを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のSBCと前記第2のSBCとの間にメディアセッションを確立するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のSBCで、前記第1のメディアセッションのアウトダイアログを、前記第1のSBCと前記第2のSBCとの間の前記メディアセッションのアウトダイアログと置換するステップと、
前記第2のSBCで、前記第2のメディアセッションのインダイアログを、前記第1のSBCと前記第2のSBCとの間の前記メディアセッションのインダイアログと置換するステップとを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のSBCで、BYEメッセージを前記転送側に送信し、前記第1のメディアセッションの前記アウトダイアログに関連付けられたリソースを解除するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のSBCで、BYEメッセージを前記転送側に送信し、前記第2のメディアセッションの前記インダイアログに関連付けられたリソースを解除するステップを含む、請求項8または請求項9に記載の方法。
【請求項11】
転送ターゲットセッション再使用を用いる最適化されたセッションボーダーコントローラ(SBC)間アテンド通話転送のためのシステムであって、前記システムは、
転送側と被転送側との間に第1のメディアセッションを確立するための第1のSBCと、
第2のSBCとを含み、前記第2のSBCは、前記転送側によって開始され、セッションルータによって前記第2のSBCへルーティングされたセッション開始プロトコル(SIP)INVITEメッセージに応答して、前記転送側と転送ターゲットとの間に第2のメディアセッションを確立するためのものであり、
前記第1のSBCは、前記転送側から、前記第2のメディアセッションに関連付けられたダイアログIDを含むSIP REFERメッセージを受信し、それに応答して、前記ダイアログIDが前記第1のSBCによって現在取り扱われているメディアセッションに対応していないと判定し、前記第1のSBCとの負荷分担グループにおける前記第2のSBCを含む複数のSBCにSIP INVITEメッセージを送信するように構成され、前記SIP INVITEメッセージは、前記第2のメディアセッションに関連付けられた前記ダイアログIDを含み、
前記第2のSBCは、前記第1のSBCによって送信された前記SIP INVITEメッセージを受信し、前記第1のSBCによって送信された前記SIP INVITEメッセージを、前記転送ターゲットへのアテンド通話転送を要求しているとして認識し、それに応答して、前記被転送側と前記転送ターゲットとの間にメディアセッションを確立するために前記第2のメディアセッションを再使用するために前記転送ターゲットおよび前記第1のSBCとシグナリングするように構成される、システム。
【請求項12】
前記第1のSBCは、前記被転送側によって生じ、前記セッションルータによって前記第1のSBCへ転送されたSIP INVITEメッセージに応答して、前記第1のメディアセッションを確立するように構成され、前記セッションルータは、通話分配ロジックを使用して、前記第1のメディアセッションを取り扱うために前記第1のSBCを選択した、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記転送側によって開始された前記SIP INVITEメッセージは、前記セッションルータの通話分配ロジックに基づいて前記第2のSBCに送信される、請求項11または請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記SIP REFERメッセージは、前記第2のメディアセッションに関連付けられた前記ダイアログIDを含むReplacesヘッダを含む、請求項11~13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1のSBCは、前記SIP INVITEメッセージのカスタムヘッダにおいて前記第2のメディアセッションに関連付けられた前記ダイアログIDを含むように構成され、前記カスタムヘッダは、前記SIP INVITEメッセージが第2のメディアセッションを再使用するアテンド通話転送を開始するためのものであることを示す、請求項11~14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記被転送側と前記転送ターゲットとの間にメディアセッションを確立するために前記第2のメディアセッションを再使用するために前記第1のSBCおよび前記転送ターゲットとシグナリングする際、前記第2のSBCは、
SIP Re-INVITEメッセージを前記転送ターゲットに送信し、
前記転送ターゲットから成功応答を受信し、
前記転送ターゲットからの前記成功応答の受信に応答して、成功応答を前記第1のSBCに送信するように構成される、請求項11~15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1のSBCおよび前記第2のSBCは、前記第1のSBCと前記第2のSBCとの間にメディアセッションを確立するように構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1のSBCは、前記第1のメディアセッションのアウトダイアログを、前記第1のSBCと前記第2のSBCとの間の前記メディアセッションのアウトダイアログと置換するように構成され、
前記第2のSBCは、前記第2のメディアセッションのインダイアログを、前記第1のSBCと前記第2のSBCとの間の前記メディアセッションのインダイアログと置換するように構成される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1のSBCは、SIP BYEメッセージを前記被転送側に送信し、前記第1のメディアセッションの前記アウトダイアログに関連付けられたリソースを解除するように構成され、前記第2のSBCは、SIP BYEメッセージを前記転送側に送信し、前記第2のメディアセッションの前記インダイアログに関連付けられたリソースを解除するように構成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
コンピュータのプロセッサによって実行されると複数のステップを行なうように前記コンピュータを制御する実行可能命令が格納された、非一時的コンピュータ読取可能媒体であって、前記複数のステップは、
第1のセッションボーダーコントローラ(SBC)で、転送側と被転送側との間に第1のメディアセッションを確立するステップと、
第2のSBCで、前記転送側によって開始され、セッションルータによって前記第2のSBCへルーティングされたSIP INVITEメッセージに応答して、前記転送側と転送ターゲットとの間に第2のメディアセッションを確立するステップと、
前記第1のSBCで、前記転送側によって開始され、前記第2のメディアセッションに関連付けられたダイアログIDを含むSIP REFERメッセージを受信し、それに応答して、前記ダイアログIDが前記第1のSBCによって現在取り扱われているメディアセッションに対応していないと判定し、前記第1のSBCとの負荷分担グループにおける前記第2のSBCを含む複数のSBCにSIP INVITEメッセージを送信するステップとを含み、前記第1のSBCによって送信された前記SIP INVITEメッセージは、前記第2のメディアセッションに関連付けられた前記ダイアログIDを含み、前記複数のステップはさらに、
前記第2のSBCで、前記第1のSBCによって送信された前記SIP INVITEメッセージを受信し、前記第1のSBCによって送信された前記SIP INVITEメッセージを、前記転送ターゲットへのアテンド通話転送を要求しているとして認識し、それに応答して、前記被転送側と前記転送ターゲットとの間にメディアセッションを確立するために前記第2のメディアセッションを再使用するために前記転送ターゲットおよび前記第1のSBCとシグナリングするステップを含む、非一時的コンピュータ読取可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本願は、2021年1月19日に出願された米国特許出願連続番号第17/152,731号の優先権利益を主張する。当該特許出願の開示はその全体がここに引用により援用される。
【0002】
技術分野
本明細書に記載されている主題は、通話転送に関する。より特定的には、本明細書に記載されている主題は、転送ターゲットセッションの再使用を用いる最適化されたセッションボーダーコントローラ(session border controller:SBC)間アテンド(attended)通話転送のための方法、システム、およびコンピュータ読取可能媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
通話転送(call transferまたはcall forwarding)は、電話通話をある電話から別の電話に再割り当てするためのメカニズムである。あらゆる転送事象は3人の当事者を伴い、彼らは、ボイスオーバーインターネットプロトコル(voice over Internet protocol:VoIP)ネットワークではユーザエージェントと呼ばれる。これら3人の当事者は、
転送側(transferor):通話転送を開始する当事者;
被転送側(transferee):その通話またはセッションが転送ターゲットに接続または転送されている当事者;および、
転送ターゲット:被転送側との通話に取り入れられている新たな当事者、である。
【0004】
ボイスオーバーIP通話の場合、通話転送は、セッション開始プロトコル(session initiation protocol:SIP)REFER(参照)メソッドを使用して達成され得る。SIP REFERメソッドは、インターネットエンジニアリングタスクフォース(Internet Engineering Task Force:IETF)リクエストフォーコメンツ(Request for Comments:RFC)3515において規定されている。SIP REFERメソッドの用途のうちの1つは、通話転送である。たとえば、IETF RFC 3515は、以下のように述べている:
[SIP REFERメソッドは]通話転送を含む多くの用途を可能にするために使用され得る。たとえば、アリス(Alice)がボブ(Bob)との通話中、ボブはキャロル(Carol)に話す必要があると決めた場合、アリスは自分のSIPユーザエージェント(user agent:UA)に、キャロルのSIP連絡先情報を提供するSIP REFER要求をボブのUAに送信するよう命令することができる。ボブがそれに許可を与えたと仮定すると、ボブのUAは、その連絡先を使用してキャロルに電話することを試みるであろう。ボブのUAは次に、それがアリスのUAと連絡を取ることに成功したかどうかを報告するであろう。
上述の引用文で、IETF RFC 3515は、SIP REFERメソッドが通話転送を実施するために使用され得るということを示している。
【0005】
そもそも、SIP REFERメソッドを通して通話を転送するには、
ブラインドまたは非アテンド(unattended)通話転送と、
アテンド通話転送、という2つのやり方がある。
【0006】
ブラインドまたは非アテンド通話転送では、転送側は、被転送側が転送ターゲットとの通話を直接開始するために、転送ターゲットの連絡先情報を提供する。アテンド通話転送では、転送側は被転送側を保留にし、差し迫った転送について転送ターゲットに知らせるために転送ターゲットとの通話を確立し、ターゲットを保留にし、次に、Refer-To(参照)ヘッダにおけるReplaces(置換)ヘッダフィールドを用いてSIP REFERメッセージを被転送側に送信することによって転送を進める。次に、Replacesヘッダフィールドの情報が、新たな通話のためのINVITE(招待)要求の一環として、被転送側によって転送ターゲットに運ばれる。転送ターゲットはこの情報を使用して、転送側とのそのセッションを識別し、セッションを新たな通話と相関させる。
【0007】
SBCは、アテンド通話転送を行なうために使用されるシグナリングを含む、ユーザエージェント間のメディアセッションを確立し切断するために使用されるシグナリングを行なう。あるタイプのアテンド通話転送では、SBCは、被転送側に転送ターゲットとの新たなメディアセッションを確立するよう要求するのではなく、転送側と転送ターゲットとの間のメディアセッションを再使用するためにSIP Re-INVITE(再招待)手順を利用することができる。しかしながら、Re-INVITEアプローチは、通話転送を行なうためにRe-INVITE手順を使用するSBCが転送側と転送ターゲットとの間のメディアセッションについて知っている場合にのみ機能する。ネットワークがセッション負荷分散を実現する場合、被転送側と転送側との間の元の通話のためのSBCは、転送側と転送ターゲットとの間の通話のためのSBCとは異なるかもしれない。そのような場合、被転送側と転送側との間の元の通話を確立したSBCは、転送側と転送ターゲットとの間の通話について知らず、このため、転送側と転送ターゲットとの間の通話を再使用するためにRe-INVITE手順を使用することができず、それは、通話転送の試みの失敗をもたらし得る。
【0008】
これらの難題に照らして、SBC間のセッション負荷分散が実現されるネットワークにおけるアテンド通話転送のための改良された方法、システム、およびコンピュータ読取可能媒体が必要である。
【発明の概要】
【0009】
概要
転送ターゲットセッション再使用を用いる最適化されたセッションボーダーコントローラ(SBC)間アテンド通話転送のための方法が提供される。方法は、第1のSBCで、転送側と被転送側との間に第1のメディアセッションを確立するステップを含む。方法はさらに、第2のSBCで、転送側によって開始され、セッションルータによって第2のSBCへルーティングされたセッション開始プロトコル(SIP)INVITEメッセージに応答して、転送側と転送ターゲットとの間に第2のメディアセッションを確立するステップを含む。方法はさらに、第1のSBCで、転送側によって開始され、第2のメディアセッションに関連付けられたダイアログIDを含むSIP REFERメッセージを受信し、それに応答して、ダイアログIDが第1のSBCによって現在取り扱われているメディアセッションに対応していないと判定し、第1のSBCとの負荷分担グループにおける第2のSBCを含む複数のSBCにSIP INVITEメッセージを送信するステップを含み、SIP INVITEメッセージは、第2のメディアセッションに関連付けられたダイアログIDを含む。方法はさらに、第2のSBCで、SIP INVITEメッセージを受信し、SIP INVITEメッセージを、転送ターゲットへのアテンド通話転送を要求しているとして認識し、それに応答して、被転送側と転送ターゲットとの間にメディアセッションを確立するために第2のメディアセッションを再使用するために転送ターゲットおよび第1のSBCとシグナリングするステップを含む。
【0010】
本明細書に記載されている主題の別の局面によれば、第1のメディアセッションを確立するステップは、被転送側によって生じ、セッションルータによって第1のSBCへ転送されたSIP INVITEメッセージに応答して、第1のメディアセッションを確立するステップを含み、セッションルータは、通話分配ロジックを使用して、第1のメディアセッションを取り扱うために第1のSBCを選択した。
【0011】
本明細書に記載されている主題の別の局面によれば、転送側によって開始されたSIP INVITEメッセージは、セッションルータの通話分配ロジックに基づいて第2のSBCに送信される。
【0012】
本明細書に記載されている主題の別の局面によれば、SIP REFERメッセージを受信するステップは、第2のメディアセッションに関連付けられたダイアログIDを含むReplacesヘッダを有するSIP REFERメッセージを受信するステップを含む。
【0013】
本明細書に記載されている主題の別の局面によれば、第2のメディアセッションに関連付けられたダイアログIDを含むSIP INVITEメッセージを送信するステップは、SIP INVITEメッセージが第2のメディアセッションを再使用するアテンド通話転送を開始するためのものであることを示すカスタムヘッダをSIP INVITEメッセージに追加するステップを含む。
【0014】
本明細書に記載されている主題の別の局面によれば、被転送側と転送ターゲットとの間にメディアセッションを確立するために第2のメディアセッションを再使用するため第1のSBCおよび転送ターゲットとシグナリングするステップは、SIP Re-INVITEメッセージを転送ターゲットに送信するステップと、転送ターゲットから成功応答を受信するステップと、転送ターゲットからの成功応答の受信に応答して、成功応答を第1のSBCに送信するステップとを含む。
【0015】
本明細書に記載されている主題の別の局面によれば、最適化されたSBC間アテンド通話転送のための方法は、第1のSBCと第2のSBCとの間にメディアセッションを確立するステップを含む。なお、第1のSBCと第2のSBCとの間にメディアセッションを確立するためにシグナリングが行なわれても、SBC間メディアセッション上でメディアパケットが交換されないかもしれない。別の言い方をすれば、本明細書に記載されているような「メディアセッションを確立する」ことは、メディアセッションをセットアップするためにシグナリングを行なうことを含むものの、必ずしも、メディアセッションを通してメディアパケットを交換することを含まない。
【0016】
本明細書に記載されている主題の別の局面によれば、ターゲットセッション再使用を用いる最適化されたSBC間アテンド通話転送のための方法は、第1のSBCで、第1のメディアセッションのアウトダイアログを、第1のSBCと第2のSBCとの間のメディアセッションのアウトダイアログと置換するステップと、第2のSBCで、第2のメディアセッションのインダイアログを、第1のSBCと第2のSBCとの間のメディアセッションのインダイアログと置換するステップとを含む。
【0017】
本明細書に記載されている主題の別の局面によれば、ターゲットセッション再使用を用いる最適化されたSBC間アテンド通話転送のための方法は、第1のSBCで、BYEメッセージを転送側に送信し、第1のメディアセッションのアウトダイアログに関連付けられたリソースを解除するステップを含む。
【0018】
本明細書に記載されている主題の別の局面によれば、ターゲットセッション再使用を用いる最適化されたSBC間アテンド通話転送のための方法は、第2のSBCで、BYEメッセージを転送側に送信し、第2のメディアセッションのインダイアログに関連付けられたリソースを解除するステップを含む。
【0019】
本明細書に記載されている主題の別の局面によれば、転送ターゲットセッション再使用を用いる最適化されたセッションボーダーコントローラ(SBC)間アテンド通話転送のためのシステムが提供される。システムは、転送側と被転送側との間に第1のメディアセッションを確立するための第1のSBCを含む。システムはさらに第2のSBCを含み、第2のSBCは、転送側によって開始され、セッションルータによって第2のSBCへルーティングされたセッション開始プロトコル(SIP)INVITEメッセージに応答して、転送側と転送ターゲットとの間に第2のメディアセッションを確立するためのものである。第1のSBCは、転送側から、第2のメディアセッションに関連付けられたダイアログIDを含むSIP REFERメッセージを受信し、それに応答して、ダイアログIDが第1のSBCによって現在取り扱われているメディアセッションに対応していないと判定し、第1のSBCとの負荷分担グループにおける第2のSBCを含む複数のSBCにSIP INVITEメッセージを送信するように構成され、SIP INVITEメッセージは、第2のメディアセッションに関連付けられたダイアログIDを含む。第2のSBCは、SIP INVITEメッセージを受信し、SIP INVITEメッセージを、転送ターゲットへのアテンド通話転送を要求しているとして認識し、それに応答して、被転送側と転送ターゲットとの間にメディアセッションを確立するために第2のメディアセッションを再使用するために転送ターゲットおよび第1のSBCとシグナリングするように構成される。
【0020】
本明細書に記載されている主題の別の局面によれば、第1のSBCは、被転送側によって生じ、セッションルータによって第1のSBCへ転送されたSIP INVITEメッセージに応答して、第1のメディアセッションを確立するように構成され、セッションルータは、通話分配ロジックを使用して、第1のメディアセッションを取り扱うために第1のSBCを選択した。
【0021】
本明細書に記載されている主題の別の局面によれば、第2のSBCは、転送側によって生じ、セッションルータへ転送されたSIP INVITEメッセージに応答して、第2のメディアセッションを確立するように構成され、セッションルータは、通話分配ロジックを使用して、第2のメディアセッションを取り扱うために第2のSBCを選択した。
【0022】
本明細書に記載されている主題の別の局面によれば、SIP REFERメッセージは、第2のメディアセッションに関連付けられたダイアログIDを含むReplacesヘッダを含む。
【0023】
本明細書に記載されている主題の別の局面によれば、第1のSBCは、SIP INVITEメッセージのカスタムヘッダにおいて第2のメディアセッションに関連付けられたダイアログIDを含むように構成され、カスタムヘッダは、SIP INVITEメッセージが第2のメディアセッションを再使用するアテンド通話転送を開始するためのものであることを示す。
【0024】
本明細書に記載されている主題の別の局面によれば、被転送側と転送ターゲットとの間にメディアセッションを確立するために第2のメディアセッションを再使用するために第1のSBCおよび転送ターゲットとシグナリングする際、第2のSBCは、SIP Re-INVITEメッセージを転送ターゲットに送信し、転送ターゲットから成功応答を受信し、転送ターゲットからの成功応答の受信に応答して、成功応答を第1のSBCに送信するように構成される。
【0025】
本明細書に記載されている主題の別の局面によれば、第1のSBCおよび第2のSBCは、第1のSBCと第2のSBCとの間にメディアセッションを確立するように構成される。
【0026】
本明細書に記載されている主題の別の局面によれば、第1のSBCは、第1のメディアセッションのアウトダイアログを、第1のSBCと第2のSBCとの間のメディアセッションのアウトダイアログと置換するように構成され、第2のSBCは、第2のメディアセッションのインダイアログを、第1のSBCと第2のSBCとの間のメディアセッションのインダイアログと置換するように構成される。
【0027】
本明細書に記載されている主題の別の局面によれば、第1のSBCは、SIP BYEメッセージを転送側に送信し、第1のメディアセッションのアウトダイアログに関連付けられたリソースを解除するように構成され、第2のSBCは、SIP BYEメッセージを転送側に送信し、第2のメディアセッションのインダイアログに関連付けられたリソースを解除するように構成される。
【0028】
本明細書に記載されている主題の別の局面によれば、コンピュータのプロセッサによって実行されると複数のステップを行なうようにコンピュータを制御する実行可能命令が格納された、非一時的コンピュータ読取可能媒体が提供される。複数のステップは、第1のセッションボーダーコントローラ(SBC)で、転送側と被転送側との間に第1のメディアセッションを確立するステップを含む。複数のステップはさらに、第2のSBCで、転送側によって開始され、セッションルータによって第2のSBCへルーティングされたセッション開始プロトコル(SIP)INVITEメッセージに応答して、転送側と転送ターゲットとの間に第2のメディアセッションを確立するステップを含む。複数のステップはさらに、第1のSBCで、転送側によって開始され、第2のメディアセッションに関連付けられたダイアログIDを含むSIP REFERメッセージを受信し、それに応答して、ダイアログIDが第1のSBCによって現在取り扱われているメディアセッションに対応していないと判定し、第1のSBCとの負荷分担グループにおける第2のSBCを含む複数のSBCにSIP INVITEメッセージを送信するステップを含み、SIP INVITEメッセージは、第2のメディアセッションに関連付けられたダイアログIDを含む。複数のステップはさらに、第2のSBCで、SIP INVITEメッセージを受信し、SIP INVITEメッセージを、転送ターゲットへのアテンド通話転送を要求しているとして認識し、それに応答して、被転送側と転送ターゲットとの間にメディアセッションを確立するために第2のメディアセッションを再使用するために転送ターゲットおよび第1のSBCとシグナリングするステップを含む。本明細書に記載されている主題は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実現されてもよい。そのため、本明細書で使用されるような「機能」、「ノード」、または「モジュール」という用語は、記載されている特徴を実現するための、ソフトウェアコンポーネントおよび/またはファームウェアコンポーネントも含み得るハードウェアを指す。例示的な一実現化例では、本明細書に記載されている主題は、コンピュータのプロセッサによって実行されると複数のステップを行なうようにコンピュータを制御するコンピュータ実行可能命令が格納されたコンピュータ読取可能媒体を使用して実現されてもよい。本明細書に記載されている主題を実現するために好適である例示的なコンピュータ読取可能媒体は、ディスクメモリデバイス、チップメモリデバイス、プログラマブルロジックデバイス、および特定用途向け集積回路といった、非一時的コンピュータ読取可能媒体を含む。加えて、本明細書に記載されている主題を実現するコンピュータ読取可能媒体は、単一のデバイスまたはコンピューティングプラットフォーム上に位置していてもよく、もしくは、複数のデバイスまたはコンピューティングプラットフォーム間で分散されていてもよい。
【0029】
図面の簡単な説明
ここで、添付図面を参照して、本明細書に記載されている主題を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】単一のSBCが被転送側に転送ターゲットを参照させるためにREFERメッセージを転送側から被転送側へ中継する場合の、単一のSBCを使用するアテンド通話転送のために交換される例示的なメッセージを示すメッセージフロー図である。
【
図2】単一のSBCがREFERメッセージを被転送側へ中継する代わりに転送ターゲットとのセッションを開始する場合の、単一のSBCを使用するアテンド通話転送のために交換される例示的なメッセージを示すメッセージフロー図である。
【
図3】単一のSBCが転送側と転送ターゲットとの間の以前に確立されたセッションを再使用するためにRe-INVITE手順を使用する場合の、単一のSBCを使用するアテンド通話転送のために交換される例示的なメッセージを示すメッセージフロー図である。
【
図4】最初のセッションと転送ターゲットとのセッションとが異なるSBC上に存在する場合の、失敗したアテンド通話転送のために交換される例示的なメッセージを示すメッセージフロー図である。
【
図5】SBCと、アテンド通話転送を行なうためにSBCによって維持されるダイアログとを示すブロック図である。
【
図6】元のセッションと転送ターゲットとのセッションとが異なるSBC上に存在する場合の、ターゲットセッション再使用を用いるアテンド通話転送のために交換される例示的なメッセージを示すメッセージフロー図である。
【
図7】アテンド通話転送に関連付けられたメディアセッションが異なるSBC上に存在する場合の、アテンド通話転送に関連付けられた2つのSBCおよびダイアログを示すブロック図である。
【
図8】REFERメッセージの受信からRe-INVITEメッセージの送信までの、2つのSBCによるターゲットセッション再使用を用いるアテンド通話転送のための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図9】INVITEメッセージへの応答の受信から通話が転送されるまでの、2つのSBCによるターゲットセッション再使用を用いたアテンド通話転送のための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
詳細な説明
本明細書に記載されている主題は、複数のSBCが関与し、転送ターゲットとのセッションが再使用されている場合の、アテンド通話転送のための方法、システム、およびコンピュータ読取可能媒体に関する。本明細書に記載されている主題を説明するために、元の通話は「A」によって「B」に向かって開始され、「B」は次に通話を「C」に転送する。この場合、「A」は被転送側、「B」は転送側、「C」は転送ターゲットである。なお、「B」の代わりに「A」が転送を開始しても、提案される解決策は同様に機能するであろう。その場合、「A」および「B」の役割は取り替えられるであろう。また、「通話」および「セッション」という用語は交換可能に使用される。加えて、「転送側」、「被転送側」、および「転送ターゲット」という用語は、メディアセッションを確立してアテンド通話転送を実施するためにエンドユーザによって使用される固定または携帯通信機器を指すよう意図される。本明細書に記載されている例では、アテンド通話転送は、ユーザ機器(user equipment:UE)間で行なわれる。UEという用語は典型的にはモバイルデバイスを指すために使用されているが、本明細書に記載されているターゲットセッション再使用を用いるSBC間アテンド通話転送のための方法およびシステムは、転送側、被転送側、および転送ターゲットのうちのいずれか1つが固定VoIP電話である場合に適用可能である。
【0032】
SBCは、インターネット電話通話におけるシグナリングおよびメディアストリームを監視して制御するためにVoIPネットワークにデプロイされたネットワーク要素である。シグナリングはすべてSBCを通過するため、それは本質的に、ユーザエージェントへの/からの通話関連シグナリングを透過的にルーティングすることによってSIP通話転送手順をサポートする。以下に詳細に説明されるように、既存のSIP IP通話転送手順は、単一のSBCを伴う。しかしながら、SBC間でセッションを負荷分散するためにセッションルータが使用される場合、新たなセッションは異なるSBC上に載る場合があり、既存のSIP通話転送手順は、本明細書に記載されている修正なしでは、ターゲットセッション再使用を用いるアテンド通話転送をサポートしない。
【0033】
図1は、単一のSBCを伴うアテンド通話転送のために交換される例示的なSIPメッセージを示すシグナリングメッセージフロー図である。
図1を参照して、UE A100はSBC104を介してUE B102との通話を開始する。通話セットアッププロセスはライン1で始まり、そこでは、UE A100はSIP INVITEメッセージをSBC104に送信する。SBC104はUE B102を被呼側として認識し、ライン2でSIP INVITEメッセージをUE B102に送信する。ライン3で、UE B102はSBC104を介してSIP 200 OKメッセージをUE A100に送信し、UE A100はACK(受信確認)メッセージで応答する。SIP 200 OKメッセージおよびACKメッセージの交換後、ライン4から明らかなように、メディアセッションまたは通話がSBC104を介してUE A100とUE B102との間でセットアップされる。
【0034】
ライン5で、UE B102は、SIP INVITEメッセージをSBC104に送信することによって、転送ターゲットとの通話の確立を開始する。SBC104はUE C106を被呼側として認識し、ライン6でSIP INVITEメッセージをUE C106に送信する。ライン7で、UE C106はSBC104を介してSIP 200 OKメッセージをUE B102に送信する。ライン7の後で、ライン8から明らかなように、第2のセッションまたは通話がSBC104を介してUE B102とUE C106との間に確立される。
【0035】
メッセージフロー図のライン9で、UE B102は、SBC104を介してSIP REFERメッセージをUE A100に送信することによって、UE A100からUE C106への通話の参照を開始する。ライン10で、SBC104はSIP REFERメッセージをUE A100に送信する。ライン11で、UE A100はSBC104を介してSIP 202メッセージをUE B102に送信する。ライン12で、SBC104はSIP 202メッセージをUE B102に送信する。
【0036】
メッセージフロー図のライン13で、UE A100は、SBC104を介してSIP INVITEメッセージをUE C106に送信することによって、UE C106とのメディアセッションを確立するプロセスを開始する。ライン14で、SBC104はSIP INVITEメッセージをUE C106に送信する。SIP INVITEメッセージは、UE B102とUE C106との間のメディアセッションがUE A100とUE C106との間の新たに確立されるメディアセッションと置換されるべきであるということを示すReplacesヘッダを含む。
【0037】
ライン15で、SIP 200 OKメッセージおよびACKメッセージは交換され、ライン15の後で、ライン16から明らかなように、メディアセッションがSBC104を介してUE A 100とUE C106との間に確立される。
【0038】
ライン17および18で、UE A100は転送についてUE B102に通知し(NOTIFY)、UE AとUE Bとの間のメディアセッションに関連付けられたリソースが解除される。ライン19で、SBC104およびUE C106は、UE B102とUE C106との間のメディアセッションに関連付けられたリソースを解除するためにシグナリングする。
【0039】
このため、
図1では、アテンド通話転送が、単一のSBCとSIP REFERメソッドとを使用して行なわれる。
図1では、ライン10でSIP REFERメッセージを受信した後で、UE A100は、転送ターゲットとのメディアセッションを接続するプロセスを開始するために、INVITEメッセージを送信する。いくつかの場合、SBCは、通話転送における1つ以上の当事者の代わりに作用することによってプロセスを最適化するように通話転送に参加するのに十分にインテリジェントである。
【0040】
たとえば、SBCがA-B間セッション上でBからREFERを受信する場合、SBCはオプションで、Aの代わりに「C」に向かってINVITEを生成することができる。これは、REFERをAにプロキシバックする必要なく通話が転送されることを可能にする。CとのSIPダイアログの確立に成功すると、SBCは、既存のA-B間セッションにおいてBをCと内部置換し、このため、通話転送についてAに明示的に通知することなく、CをAに接続する。転送成功後、SBCはまたオプションで、A-B間セッション上でBに向かってダイアログを解除する。これはブラインド通話転送およびアテンド通話転送の双方に当てはまり、アテンド通話転送の場合のための関連付けられたシグナリングが
図2に示される。
【0041】
図2を参照して、ライン1~3で、UE A100とUE B102とは、SBC104を通してUE A100とUE B102との間にメディアセッションを確立するために、SBC104を介してシグナリングメッセージを交換する。たとえば、ライン1で、UE A100はSIP INVITEメッセージをSBC104に送信する。SBC104はUE B102を被呼側として認識し、ライン2でSIP INVITEメッセージをUE B102に送信する。ライン3で、UE B102はSBC104を介してSIP 200 OKメッセージをUE A100に送信し、UE A100はACKメッセージで応答する。SIP 200 OKメッセージおよびACKメッセージの交換後、ライン4から明らかなように、メディアセッションまたは通話がSBC104を介してUE A100とUE B102との間でセットアップされる。
【0042】
ライン5~7で、UE B102は、アテンド通話転送のためにSBC104を介してUE B102とUE C106との間にメディアセッションを確立するために、SBC104とシグナリングする。ライン5で、UE B102はSIP INVITEメッセージをSBC104に送信する。SBC104はUE C106を被呼側として認識し、ライン6でSIP INVITEメッセージをUE C106に送信する。ライン7で、UE C106はSBC104を介してSIP 200 OKメッセージをUE B102に送信する。ライン7の後で、ライン8から明らかなように、第2のセッションまたは通話がSBC104を介してUE B102とUE C106との間に確立される。
【0043】
メッセージフロー図のライン9で、UE B102はSIP REFERメッセージをSBC104に送信し、ライン10で、SBC104はSIP 202受付(accepted)メッセージをUE B102に送信する。これは、REFERメッセージがUE A100に転送される
図1での通話フローとは異なっている。ライン11で、SBC104は、UE A100とUE C106との間にメディアセッションを確立するために、UE A100の代わりにUE C106にINVITEメッセージを送信する。ライン12で、UE C106は、SIP 200 OKメッセージをSBC104に送信することによってINVITEメッセージの受信を確認し、SBC104はACKメッセージで応答する。ライン12での200 OKメッセージおよびACKメッセージの交換後、ライン13から明らかなように、メディアセッションがSBC104を介してUE A100とUE C106との間に確立される。
【0044】
ライン14で、SBC104は、転送についてUE B102に通知するために、UE B102とシグナリングする。ライン15および16で、UE B102はUE A100との通話を終了し、関連付けられたメディアリソースが解除される。ライン17~19で、UE C106は、UE B102とUE C106との間のメディアセッションに関連付けられたリソースを解除するために、SBC104とシグナリングする。このため、
図2は、アテンド通話転送が単一のSBCを使用して行なわれ、単一のSBCが被転送側の代わりにINVITEメッセージを送信する場合を示す。
【0045】
アテンド通話転送の別の例では、転送に関与する2つの通話(すなわち、A-B間通話およびB-C間通話)が、同じSBCに確立される。SBCはオプションで、その後新たなセッションを作成するであろう新規INVITEを送信する代わりに、既存のセッションを再使用するために、すでに確立されたB-C間セッション上でCに向かってRe-INVITEを送信することができる。これは、INVITEメッセージにおけるReplacesヘッダをサポートしないいくつかのユーザエージェントに応じるために行なわれる。通話転送後、SBCはまたオプションで、B-C間セッションと同様にA-B間セッション上でBに向かって通話レッグを解除することができる。この方法は
図3に図示され、Re-INVITEアプローチと呼ばれる。
【0046】
図3を参照して、SBC104を介してUE A100とUE B102との間に通話を確立するために、ライン1~4におけるシグナリングは、
図1および
図2と同じである。同様に、ライン5~8におけるシグナリングおよびメディアは、SBC104を介してUE B102とUE C106との間に通話を確立する。
【0047】
図2と同様に、ライン9~10で、UE B102は、UE A100にUE C106を参照させるために、REFERメッセージをSBC104に送信する。ライン11で、
図3におけるシグナリングは、
図2におけるシグナリングとは異なっている。
図2のライン11では、SBC104は、UE A100とUE C106との間で新たなメディアセッションを開始するために、UE A100の代わりにUE C106に新規INVITEを送信する。
図3のライン11では、SBC104は、UE B102とUE C106との間の既存のメディアセッションに関連付けられたSBC104のリソースを再使用するために、Re-INVITEをUE C106に送信する。
【0048】
図3のライン12で、UE C106は、SIP 200 OKメッセージをSBC104に送信することによってRe-INVITEを受付け、SBC104はACKメッセージで応答する。ライン12の後で、メディアセッションがSBC104を介してUE A100とUE C106との間でセットアップされる。UE A100とUE C106との間のメディアセッションは、UE B102とUE C106との間のメディアセッションのために以前に使用されたSBC104のリソースを再使用する。
【0049】
ライン14~16は、UE A100とUE B102との間のメディアセッションに関連付けられたリソースを解除するためにUE B102およびSBC104がシグナリングする場合の、
図2での対応するシグナリングと同じである。ライン17および18で、SBC104は、UE B102とUE C106との間のメディアセッションに関連付けられたリソースを解除するために、UE B102とシグナリングする。このため、
図3は、単一のSBCがRe-INVITEメソッドを使用する場合の、単一のSBCを使用するアテンド通話転送の場合を示す。
【0050】
図3に示されたRe-INVITEアプローチは、2つの通話が通話転送に関連付けられるかまたは同じSBCを通して確立される限り、うまく機能する。しかしながら、いくつかの場合、新たな着信通話をSBC間で分配するために使用されるセッション負荷分散器/ルータまたはセッションルータ(session router:SR)の背後に、1組のSBCがデプロイされる。これは、A-B間通話およびB-C間通話が異なるSBCを通して確立される上述のシナリオにとって問題を引き起こす。この場合、あるSBCがCに転送するためにA-B間セッション上でBからREFERを受信し、かつ、当該SBCがB-C間セッションをホストしない場合、当該SBCはRe-INVITEアプローチを進めることができない。これは
図4に示される。これが生じる場合、SBCは典型的には、エラー応答を送信するか、REFERをその意図された受信側であるAへ透過的に中継するか、または、新規inviteをCに送信するという標準挙動まで後退するであろう。これらの場合のいずれでも、BとCとの間のメディアセッションを再使用することはできない。なぜなら、REFERメッセージを受信するSBCが、参照されているメディアセッションの知識を有していないためである。
【0051】
図4を参照して、ライン1で、UE A100は、INVITEメッセージをセッションルータ(SR)400に送信することによって、UE B102との通話を開始する。セッションルータ400はその負荷分散アルゴリズムを行ない、通話がSBC104に送信されるべきであると判定する。したがって、ライン2で、SR400はINVITEメッセージをSR104に送信する。
【0052】
ライン3で、SBC104は、被呼側であるUE B102にINVITEメッセージを送信する。ライン4で、UE B102はSBC104を介して200 OKメッセージをUE A100に送信し、UE A100はACKメッセージで応答する。ライン4の後で、ライン5から明らかなように、通話またはセッションがUE A100とUE B102との間に確立される。
【0053】
ライン6で、UE B102は、通話転送のために転送ターゲットであるUE C106との通話を開始する。プロセスは、INVITEメッセージをSR400に送信することによって開始される。SR400は、B-C間通話がSBC402上に載るべきであると判定し、したがってライン7で、SR400はINVITEメッセージをSBC402に送信し、ライン8でINVITEメッセージをUE C106に転送する。ライン9で、UE C106はSBC402を介して200 OKメッセージをUE B102に送信し、UE B102はACKメッセージで応答する。ライン9の後で、ライン10から明らかなように、メディアセッションがSBC402を介してUE B102とUE C106との間でセットアップされる。しかしながら、SBC104はこのメディアセッションの知識を有していないことに留意すべきである。
【0054】
ライン11で、UE B102は、被転送側に転送ターゲットを(UE A100にUE C106を)参照させるために、REFERメッセージをSBC104に送信する。REFERメッセージは、AにCを参照させるためのReplacesヘッダを含む。SBC104はB-C間通話について知らないため、ライン12で、SBC104は、通話転送を終了させるエラーメッセージで応答する。
【0055】
ネットワークオペレータおよび企業などのSBCのユーザは、Re-INVITEアプローチが負荷分散の場合でも機能することを期待する。なぜなら、特に機器のすべてが同じ供給業者によって提供される場合、SBCおよびSRは単一のユニットとして見られるためである。本明細書に記載されている主題は、転送に関与する2つの通話が、SBC間でセッションを負荷分散するセッションルータの背後に位置する異なるSBCを通して確立される場合に、アテンド通話転送のためのRe-INVITEアプローチを容易にするための最適化された解決策を提供する。
【0056】
本明細書に記載されている主題は、通話転送に関与する2つの通話を固定する2つのSBC間に新たな通話を確立し、Re-INVITEアプローチを使用してアテンド通話転送を可能にするためにSBC間でカスタム情報を交換するための方法を含む。Re-INVITEアプローチを使用してSBC間でアテンド通話転送を行なうために、SBCは、通話に関与するUEまたはユーザエージェント間のセッションを管理するための背中合わせの(back to back)ユーザエージェントとして作用する。SBCは、各通話またはセッションについて、発呼側とのダイアログ(インダイアログ)と、被呼側とのダイアログ(アウトダイアログ)という、2つのダイアログを維持する。これは
図5に示される。
図5を参照して、SBC104は、UE A100とUE B102との間のセッション1 500と、UE B102とUE C106との間のセッション2 502という、2つのセッションを維持する。セッション1 500では、SBC104は、UE A100とのインダイアログ504と、UE B102とのアウトダイアログ506とを維持する。同様に、セッション2 502については、SBC104は、UE B102とのインダイアログ508と、 UE C106とのアウトダイアログ510とを維持する。
【0057】
図6は、複数のSBCとRe-INVITEメソッドとを使用するアテンド通話転送を示すメッセージフロー図である。
図6を参照して、ライン1~4で、UE A100は、SBC104を介してUE A100とUE B102との間に通話を確立するために、UE B102とシグナリングする。ライン1の後で、SR400は第1の通話のためにSBC104を選択する。対応する通話またはメディアセッションは、ライン5によって示される。
【0058】
ライン6~9で、UE B102は、UE B102とUE C106との間にメディアセッションまたは通話を確立するために、UE C106とシグナリングする。この例では、
図4と同様に、SR400は第2の通話をSBC402へルーティングする。第2の通話またはメディアセッションは、ライン10によって示される。
【0059】
メッセージフロー図のライン11で、UE B102はREFERメッセージをSBC104に送信する。REFERメッセージは、AにCを参照させるためのReplacesヘッダを含む。SBC104がCへのアテンド通話転送のためにA-B間セッション上でUE B102からREFERメッセージを受信すると、SBC104はまず、REFERメッセージにおけるReplacesヘッダからのダイアログ識別子を使用して、B-C間セッションに対応する整合するインダイアログを見つけようとする。SBC104が整合するダイアログまたはセッションを見つけられなかった場合、SBC104は、SBC104と同じ負荷分散または負荷分担グループにおけるすべてのSBCに新規INVITEメッセージを送信するであろう。INVITEメッセージは、これがB-C間セッションに向かってアテンド電話転送をトリガするための特別の通話であることを示すカスタムヘッダを運ぶであろう。INVITEのセッション記述プロトコル(session description protocol:SDP)部分は、A-B間セッションのためにSBC104によって受信されたINVITEメッセージのSDP部分に由来し、IPアドレスおよびポートなどのSBC104メディア情報を含み得る。
【0060】
カスタムヘッダの存在は、INVITEメッセージを特別のINVITEとして扱い、通話をそれ以上ルーティングしないことを示す、受信側SBCへの指示として機能するであろう。特別のINVITEメッセージを受信するSBCが、ReplacesヘッダにおけるダイアログIDと整合する通話をホストしない場合、SBCはエラー応答メッセージを送信し得る。
【0061】
受信側SBCがReplacesヘッダにおけるダイアログ識別子と整合するインダイアログを有する場合、SBCは、AにCを参照させるRe-INVITEプロセスを開始するであろう。Re-INVITEは、SBC104から受信された同じSDP情報を運ぶであろう。
【0062】
図6のメッセージフローに戻って、ライン13で、SBC104は、それがREFERメッセージにおいて識別されたダイアログと整合するインダイアログをしていないと判定し、負荷分担グループにおけるすべてのSBCにINVITEメッセージを送信する。SBC402は、INVITEメッセージのReplacesヘッダにおけるダイアログと整合するインダイアログを含む唯一のSBCである。したがって、ライン14で、SBC402は、ライン10のメディアセッションかまたはメディアセッションのためのアウトダイアログを、ライン5におけるUE Aとのメディアセッションのインダイアログに接続するプロセスを開始するために、Re-INVITEメッセージをUE C106に送信する。ライン15で、UE C106は200 OK(成功)応答メッセージで応答する。
【0063】
メッセージフロー図のライン15でUE C106から成功応答を受信すると、SBC402は、B-C間セッションのインダイアログを、以下にS1-S2間セッションと呼ばれる、SBC402とSBC104との間で作成されている新たなセッションのインダイアログと置換し、ライン16で、S1-S2間セッションの確立を完了するための成功応答を、ライン15でUE C106から受信された200 OKのSDP部分において運ばれたセッション記述とともに、SBC104に送信する。SBC104とUE C106との間で200 OKメッセージのSDP部分におけるセッション記述を透過的に交換することは、SBC104とUE C106との間に直接メディア経路を確立し、このため、メディアルートを最適化する。ライン17によって示されるように、S1-S2間セッションの確立は、SBC104とSBC402との間での、または、SBC104およびSBC402を介した、UE A100とUE C106との間のメディアセッションを完成させる。
【0064】
図7は、通話転送中および通話転送後のダイアログの状態を示す。前の段落で述べられたように、
図6のメッセージフロー図のライン15でUE C106から成功応答を受信すると、SBC402は、B-C間セッションのインダイアログを、S1-S2間セッションのインダイアログと置換する。同様に、メッセージフロー図のライン16でSBC402から成功応答を受信すると、SBC104は、A-B間通話におけるアウトダイアログを、S1-S2間通話からのアウトダイアログと置換する。SBC104は次に、A-B間通話上でのUE B102とのシグナリング交換(すなわち、NOTIFYおよびBYE)を、双方の通話がSBC104上でホストされた場合に有するのと同じ態様で続けるであろう。UE A100とUE C106との間にメディア経路700を作成した後で、SBC104は、A-B間セッションのためのアウトダイアログに関連付けられたリソースを削除または解放するために、UE B102とシグナリングする。同様に、B-C間セッション上でのインダイアログがいったん、S1-S2間セッションからのインダイアログと置換されると、SBC402は、B-C間セッションのためのインダイアログに関連付けられたリソースを解放し得る。
【0065】
図8および
図9は、元の通話と転送ターゲットに関連付けられた通話とが別個のSBC上で確立される場合にアテンド通話転送を行なう際に、SBC104および402によって行なわれる例示的なプロセスを示すフローチャートである。
図8を参照して、プロセスは、SBC104がUE BからREFERメッセージを受信すると始まる。
図6のライン11に関して上述されたように、REFERメッセージはReplacesヘッダを含み得る。SBC104はReplacesヘッダからダイアログIDを抽出する。ステップ802で、SBC104は、Replacesヘッダから抽出されたダイアログIDが、SBC104によって取り扱われる既存のダイアログのリストにあるかどうかを判定する。ダイアログが見つかった場合、これは、発呼者が参照されている通話がSBC104によって取り扱われていることを意味し、制御はステップ804に進み、そこでは、SBC間通話を伴わないREFER処理が行なわれる。
【0066】
ステップ802で、Replacesヘッダからのダイアログが、SBC104によって取り扱われる既存のダイアログのリストにおいて見つからなかった場合、制御はステップ806に進み、そこでは、SBC104は、INVITEメッセージをSBC間アテンド通話転送のための要求として識別するカスタムヘッダ情報を用いて、新たなINVITEメッセージを作成する。
【0067】
ステップ808で、SBC104は、SBC104または当事者A(これらの例での被転送側)のIPアドレスおよびポートを含むSDP部分をINVITEメッセージに追加する。ステップ810で、SBC104は、REFERメッセージから抽出されたダイアログIDを有するカスタムヘッダをINVITEメッセージに追加する。ステップ812で、SBC104は、SBC104と同じ負荷分担グループにおけるすべてのSBCにINVITEメッセージを送信する。特別のINVITEメッセージを受信するSBCは、それらがINVITEメッセージのReplacesヘッダに存在するダイアログを取り扱っているかどうかを判定するために、ダイアログのそれらのそれぞれのリストにおいてルックアップを行なうであろう。SBCによって取り扱われているダイアログIDのリストにダイアログIDが存在しない場合、SBCは4XX応答で応答するであろう。特別のINVITEメッセージのReplacesヘッダからのダイアログIDが、SBCによって取り扱われているダイアログのリストにおいて見つかった場合、受信側SBCは、通話転送を完了するために、送信側SBCとシグナリングする。
【0068】
SBC402はINVITEメッセージを受信し、ステップ814で、カスタムヘッダが存在するかどうかを判定する。カスタムヘッダが存在しない場合、制御はステップ815に進み、そこでは、INVITEメッセージによって示されたセッションを確立するために、通常の通話処理がSBC上で行なわれる。ステップ814でカスタムヘッダが存在すると判定された場合、制御はステップ816に進み、そこでは、SBC402はカスタムヘッダからダイアログIDを抽出する。
【0069】
ステップ818で、SBC402は、Replacesヘッダから抽出されたダイアログIDが、SDPによって取り扱われているダイアログのリストに存在するかどうかを判定する。ダイアログが見つからなかった場合、制御はステップ820に進み、そこでは、SBC402は4XXエラー応答を送信する。ダイアログが見つかった場合、制御はステップ822に進み、そこでは、SBC402は、SBC104から受信されたSDP情報を運ぶRe-INVITEメッセージを転送ターゲットに送信する。
【0070】
図9を参照して、プロセスは、SBC402がUE C106から応答を受信すると始まる。ステップ824で、SBC402は、応答がRe-INVITEメッセージに応答して成功を示すかどうかを判定する。応答が成功を示さない場合、制御はステップ826に進み、そこでは、SBC402は4XXエラー応答をSBC104に送信する。ステップ828で、SBC402は、リソースを解除することによって、S1とS2との間の通話を除去する。
【0071】
ステップ824で、成功応答が転送ターゲットから受信されたとSBC402が判定した場合、制御はステップ832に進み、そこでは、SBC402は、B-C間通話のアウトダイアログをS1-S2間通話のインダイアログとリンクさせる。ステップ824で、SBC402はオプションで、リソースを解除するために、B-C間通話のインダイアログ上でUE B102にBYEメッセージを送信する。ステップ834で、SBC402は、UE C106から受信されたSDP情報を運ぶ成功応答をSBC104に送信する。
【0072】
特別のINVITEメッセージへの応答を受信すると、SBC104は、ステップ836で、応答が成功を示すかどうかを判定する。応答が成功を示さない場合、制御はステップ838に進み、そこでは、SBC104は、負荷分担グループにおけるすべてのSBCから応答が受信されたかどうかを判定する。
【0073】
すべてのSBCから応答が受信されなかった場合、制御はステップ840に進み、そこでは、SBC104は、負荷分担グループにおける他のSBCからのINVITE応答を待つ。ステップ838で、すべてのSBCから応答が受信され、どの応答も成功を示さない場合、制御はステップ842に進み、そこでは、SBC104は、通話転送が成功しなかったとことを示す4XXエラーコードを有するNOTIFYメッセージをUE B102に送信する。
【0074】
ステップ836で、特別のINVITEメッセージへの応答が成功である場合、制御はステップ844に進み、そこでは、SBC104は、S1-S2間通話のアウトダイアログをA-B間通話のインダイアログとリンクさせる。制御は次にステップ846に進み、そこでは、SBC104は、転送が成功したことを示すNOTIFYメッセージをUE B102に送信する。ステップ848で、SBC104はオプションで、A-B間通話のアウトダイアログ上でUE B102にBYEメッセージを送信し、そのダイアログに関連付けられたリソースを解除する。
【0075】
ここに開示された主題の様々な詳細は、ここに開示された主題の範囲から逸脱することなく変更され得るということが理解されるであろう。さらに、前述の説明は、限定のためではなく、例示のみのためのものである。
【国際調査報告】