(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】オキシントモジュリン結合分子、及びそれらの使用
(51)【国際特許分類】
C12N 15/62 20060101AFI20240123BHJP
G01N 33/53 20060101ALI20240123BHJP
C12N 15/13 20060101ALI20240123BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20240123BHJP
C12N 15/85 20060101ALI20240123BHJP
C07K 16/46 20060101ALI20240123BHJP
C07K 16/26 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
C12N15/62 Z
G01N33/53 D ZNA
G01N33/53 N
C12N15/13
C12N5/10
C12N15/85 Z
C07K16/46
C07K16/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543300
(86)(22)【出願日】2022-01-19
(85)【翻訳文提出日】2023-07-31
(86)【国際出願番号】 US2022012898
(87)【国際公開番号】W WO2022159437
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100103182
【氏名又は名称】日野 真美
(72)【発明者】
【氏名】コンラッド,ロバート ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ミン,ウェンユ
(72)【発明者】
【氏名】シーゲル,セカンド,ロバート ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ウンバーガー,タラ スザンヌ
【テーマコード(参考)】
4B065
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065AB01
4B065BA02
4B065CA44
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本明細書では、新規N末端及びC末端オキシントモジュリンポリペプチド結合分子、並びにオキシントモジュリンを定量化する方法を含む、それらの使用が提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトオキシントモジュリン(配列番号25)及びヒトグルカゴン(配列番号30)の各々のN末端領域に結合するポリペプチド分子であって、配列番号1~6に示される相補性決定領域(CDR)を含む、ポリペプチド分子。
【請求項2】
前記ポリペプチド分子が、抗体である、請求項1に記載のポリペプチド分子。
【請求項3】
前記ポリペプチド分子が、scFv又はFabである、請求項1に記載のポリペプチド分子。
【請求項4】
前記ポリペプチド分子が、配列番号7を含む重鎖可変領域(VH)と、配列番号8を含む軽鎖可変領域(VL)と、を含む、抗体である、請求項1又は2に記載のポリペプチド分子。
【請求項5】
前記ポリペプチド分子が、配列番号9を含む重鎖と、配列番号10を含む軽鎖と、を含む、抗体である、請求項1、2、又は4のいずれか一項に記載のポリペプチド分子。
【請求項6】
前記ポリペプチド分子が、配列番号9からなる重鎖と、配列番号10からなる軽鎖と、を含む、抗体である、請求項1、2、4、又は5のいずれか一項に記載のポリペプチド分子。
【請求項7】
配列番号9をコードする第1の核酸配列及び配列番号10をコードする第2の核酸配列の一方又は両方を含む、核酸分子。
【請求項8】
前記第1の核酸配列が、配列番号11を含み、前記第2の核酸配列が、配列番号12を含む、請求項7に記載の核酸分子。
【請求項9】
配列番号9をコードする第1の核酸配列及び配列番号10をコードする第2の核酸配列の一方又は両方を含む、ベクター。
【請求項10】
請求項9に記載のベクターを含む、組成物。
【請求項11】
請求項9に記載のベクターを含む、細胞。
【請求項12】
前記細胞が、哺乳動物細胞である、請求項11に記載の細胞。
【請求項13】
ポリペプチド分子を産生するプロセスであって、配列番号9をコードする第1の核酸配列及び配列番号10をコードする第2の核酸配列の一方又は両方を含む細胞を、前記ポリペプチド分子が発現されるような条件下で培養することと、前記発現されたポリペプチド分子を培養培地から回収することと、を含む、プロセス。
【請求項14】
請求項13に記載のプロセスによって産生された、ポリペプチド分子。
【請求項15】
請求項1~6及び14のいずれか一項に記載のポリペプチド分子を含む、組成物。
【請求項16】
ヒトオキシントモジュリン(配列番号25)及びヒトグリセンチン(配列番号28)の各々におけるC末端領域に結合するポリペプチド分子であって、配列番号13~18に示される相補性決定領域(CDR)を含む、ポリペプチド分子。
【請求項17】
前記ポリペプチド分子が、抗体である、請求項16に記載のポリペプチド分子。
【請求項18】
前記ポリペプチド分子が、scFv又はFabである、請求項16に記載のポリペプチド分子。
【請求項19】
前記ポリペプチド分子が、配列番号19を含むVHと、配列番号20を含むVLと、を含む、抗体である、請求項16又は17に記載のポリペプチド分子。
【請求項20】
前記ポリペプチド分子が、配列番号21を含む重鎖と、配列番号22を含む軽鎖と、を含む、抗体である、請求項16、17、又は19のいずれか一項に記載のポリペプチド分子。
【請求項21】
前記ポリペプチド分子が、配列番号21からなる重鎖と、配列番号22からなる軽鎖と、を含む、抗体である、請求項16、17、19、又は20のいずれか一項に記載のポリペプチド分子。
【請求項22】
配列番号21をコードする第1の核酸配列及び配列番号22をコードする第2の核酸配列の一方又は両方を含む、核酸分子。
【請求項23】
前記第1の核酸配列が、配列番号23を含み、前記第2の核酸配列が、配列番号24を含む、請求項22に記載の核酸分子。
【請求項24】
配列番号23をコードする第1の核酸配列及び配列番号24をコードする第2の核酸配列の一方又は両方を含む、ベクター。
【請求項25】
請求項24に記載のベクターを含む、組成物。
【請求項26】
請求項24に記載のベクターを含む、細胞。
【請求項27】
前記細胞が、哺乳動物細胞である、請求項26に記載の細胞。
【請求項28】
ポリペプチド分子を産生するプロセスであって、配列番号21をコードする第1の核酸配列及び配列番号22をコードする第2の核酸配列の一方又は両方を含む細胞を、前記ポリペプチド分子が発現されるような条件下で培養することと、前記発現されたポリペプチド分子を培養培地から回収することと、を含む、プロセス。
【請求項29】
請求項28に記載のプロセスによって産生された、ポリペプチド分子。
【請求項30】
請求項16~21又は29のいずれか一項に記載のポリペプチド分子を含む、組成物。
【請求項31】
(a)ヒトオキシントモジュリン(配列番号25)及びヒトグルカゴン(配列番号30)の各々におけるN末端領域に結合する第1のポリペプチド分子であって、配列番号1~6に示されるCDRを含む、前記第1のポリペプチド分子と、(b)ヒトオキシントモジュリン(配列番号25)及びヒトグリセンチン(配列番号28)の各々におけるC末端領域に結合する第2のポリペプチド分子であって、配列番号13~18に示されるCDRを含む、前記第2のポリペプチド分子と、を含む、組成物。
【請求項32】
液体試料中のヒトオキシントモジュリン(配列番号25)の濃度を決定する方法であって、
(a)ヒトオキシントモジュリンを含む液体試料を、ヒトオキシントモジュリン(配列番号25)及びヒトグリセンチン(配列番号28)の各々におけるC末端領域に結合する第1のポリペプチド分子と接触させることであって、前記第1のポリペプチド分子が、配列番号13~18のCDRを含み、それによって第1のポリペプチド分子-ヒトオキシントモジュリン複合体を形成する、接触させることと、
(b)前記第1のポリペプチド分子-ヒトオキシントモジュリン複合体を、ヒトオキシントモジュリン(配列番号25)及びヒトグルカゴン(配列番号30)の各々のN末端領域に結合する第2のポリペプチド分子と接触させることであって、前記第2のポリペプチド分子が、配列番号1~6のCDRを含み、それによって第1のポリペプチド分子-ヒトオキシントモジュリン-第2のポリペプチド分子複合体を形成する、接触させることと、
(c)既知量のヒトオキシントモジュリン(配列番号25)の標準曲線に対する比較によって、前記第1のポリペプチド分子-ヒトオキシントモジュリン-第2のポリペプチド分子複合体中のオキシントモジュリンの量を定量化することと、を含む、方法。
【請求項33】
前記液体試料が、血清又は血漿である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記第1のポリペプチド分子が、抗体であり、前記第2のポリペプチド分子が、抗体である、請求項31~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記第1のポリペプチド分子が、配列番号19を含むVHと、配列番号20を含むVLと、を含む、抗体であり、前記第2のポリペプチド分子が、配列番号7を含むVHと、配列番号8を含むVLと、を含む、抗体である、請求項31~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記第1のポリペプチド分子が、配列番号21を含む重鎖を含み、配列番号22を含む軽鎖を含む、抗体であり、前記第2のポリペプチド分子が、配列番号9を含む重鎖と、配列番号10を含む軽鎖と、を含む、抗体である、請求項31~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記第1のポリペプチド分子が、配列番号21からなる重鎖を含み、配列番号22からなる軽鎖を含む、抗体であり、前記第2のポリペプチド分子が、配列番号9からなる重鎖と、配列番号10からなる軽鎖と、を含む、抗体である、請求項30~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
液体試料中のオキシントモジュリンの量を決定することにおける、ヒトオキシントモジュリン及びヒトグリセンチンの各々におけるC末端領域に結合する第1のポリペプチド分子、並びに
ヒトオキシントモジュリン及びヒトグルカゴンの各々のN末端領域に結合する第2のポリペプチド分子の、使用。
【請求項39】
対象が2型糖尿病を発症するリスクがあるかを予測する方法であって、以下によって対象からの血清試料又は血漿試料中のオキシントモジュリンの量を決定することを含む、方法:
(a)ヒトオキシントモジュリンを含む血清試料又は血漿試料を、ヒトオキシントモジュリン(配列番号25)及びヒトグリセンチン(配列番号28)の各々のC末端領域に結合する第1のポリペプチド分子と接触させることであって、前記第1のポリペプチド分子が、配列番号13~18を含み、それによって第1のポリペプチド分子-ヒトオキシントモジュリン複合体を形成する、接触させること、
(b)前記第1のポリペプチド分子-ヒトオキシントモジュリン複合体を、ヒトオキシントモジュリン(配列番号25)及びヒトグルカゴン(配列番号30)の各々の第2のポリペプチド分子N末端領域と接触させることであって、前記第2のポリペプチド分子が、配列番号1~6を含み、それによって第1のポリペプチド分子-ヒトオキシントモジュリン-第2のポリペプチド分子複合体を形成する、接触させること、並びに
(c)既知量のヒトオキシントモジュリン(配列番号25)の標準曲線に対する比較によって、前記第1のポリペプチド分子-ヒトオキシントモジュリン-第2のポリペプチド分子複合体中のオキシントモジュリンの量を定量化すること。
【請求項40】
前記対象が、急性膵炎と診断されている、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記第1のポリペプチド分子が、抗体であり、前記第2のポリペプチド分子が、抗体である、請求項39又は40に記載の方法。
【請求項42】
前記第1のポリペプチド分子が、配列番号19を含む可変重領域と、配列番号20を含む可変軽領域と、を含む、抗体であり、前記第2のポリペプチド分子が、配列番号7を含む可変重領域と、配列番号8を含む可変軽領域と、を含む、抗体である、請求項39~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記第1のポリペプチド分子が、配列番号21を含む重鎖を含み、配列番号22を含む軽鎖を含む、抗体であり、前記第2のポリペプチド分子が、配列番号9を含む重鎖と、配列番号10を含む軽鎖と、を含む、抗体である、請求項39~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記第1のポリペプチド分子が、配列番号21からなる重鎖を含み、配列番号22からなる軽鎖を含む、抗体であり、前記第2のポリペプチド分子が、配列番号9からなる重鎖と、配列番号10からなる軽鎖と、を含む、抗体である、請求項39~43のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
オキシントモジュリンは、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)及びグルカゴン受容体の両方のプログルカゴン由来ペプチドアゴニストであり、胃酸分泌及びエネルギー消費の重要な調節因子である。オキシントモジュリンは、治療介入の潜在的な標的であり(Pocai A,Mol.Metab.2014;3:241-51)、対象が急性膵炎後に2型糖尿病を発症するリスクがあるかを予測するための潜在的なバイオマーカーとして提案されている(Bharmal,SH,et al.,Clin.Transl.Gastroenterology 2020;11:page e00132,doi:10.14309/ctg.00000000 00000132)。
【0002】
ヒトプログルカゴンは、組織特異的な方法で多数の異なるペプチドに切断され(Holst JJ,et al.,Peptides 2018;100:48-53)、プログルカゴン切断ペプチド間の配列類似性は、オキシントモジュリンの内因性レベルの定量化を難しくしている。従来から、グルカゴンの特定の領域(33~61)又はC末端オクタペプチド(62~69)に対するポリクローナル抗体は、様々な組織及び血漿中のオキシントモジュリン様免疫反応性(OLI)成分を定量化するために使用されてきた。初期には、2段階サブトラクティブラジオイムノアッセイを使用して、膵臓グルカゴンレベルの特異的サブトラクション後のOLIを推定した(Kervran A,et al.,Endocrinology 1987;121:704-1)。その後のアッセイは、C末端オクタペプチドに対するポリクローナル抗体を使用して、OLI成分を直接測定し(Blache P,et al.,Anal Biochem 1988;173:151-9、Collie NL,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A 1994;91:9362-6、Le Quellec A,et al.,J.Clin.Endocrinol.Metab 1992;74:1405)、そのアプローチに基づくアッセイは、現在市販されている。
【0003】
それにもかかわらず、ヒト血漿中の内因性OLIの推定値は、絶食状態で60~5000ng/Lで幅広く変動する(Laferrere B,et al.,J.Clin.Endocrinol.Metab.2010;95:4072-6;Le Quellec A,et al.,J.Clin.Endocrinol.Metab 1992;74:1405-9)。更に、グリセンチンによって表されるOLIの割合は、正確なオキシントモジュリン定量化を混乱させ、オキシントモジュリンの生理学的役割を曖昧にする(Bak MJ,et al.,Eur.J.Endocrinol.2014;170:529-3)。オキシントモジュリンは、HPLC又はLC-MSを使用してグリセンチンと区別することができるが、それらのアプローチは、血漿中のオキシントモジュリンの内因性レベルを定量化するのに十分な分析感度を欠く(Lee AY,et al.,Clin.Chem.2015;62:227-235)。サンドイッチアッセイは、報告されているが(Albrechtsen,NJ,et al.,EBioMedicine 2016;7:112-120)、グリセンチンとの10%交差反応性を特徴とするため、特異性を欠く(Holst JJ,et al.,Peptides 2018;100:48-53)。
【0004】
よって、オキシントモジュリンの発見から数十年後、研究コミュニティは、ヒト血漿試料中のオキシントモジュリンの内因性レベルを選択的かつ確実に測定することができず、選択的かつ高感度であるだけでなく、高スループット用途に修正可能でもあるアッセイの必要性が残る。
【0005】
サンドイッチイムノアッセイは、目的の抗原上の異なる部位に結合する2つの抗体を利用するアッセイである。しかしながら、オキシントモジュリンサンドイッチイムノアッセイを実施するには、(a)それぞれのプログルカゴンフラグメントの異なるエピトープに結合し、(b)アッセイにおいて一緒に使用されるときのみオキシントモジュリンを検出する抗体が必要とされる。本発明は、オキシントモジュリンを定量化するためのサンドイッチアッセイ方法及び対象が糖尿病を発症するリスクがあるかを決定するための予測方法を容易にする抗体及び方法を提供する。
【0006】
本発明は、ヒトオキシントモジュリン(配列番号25)及びヒトグルカゴン(配列番号30)の各々のN末端領域に結合するポリペプチド分子であって、配列番号1~6に示される相補性決定領域(CDR)を含む、ポリペプチド分子を提供する。一実施形態では、ポリペプチド分子は、抗体である。別の実施形態では、ポリペプチド分子は、抗体フラグメントであり、抗体フラグメントは、ヒトオキシントモジュリン(配列番号25)及びヒトグルカゴン(配列番号30)の各々のN末端領域に結合し、配列番号1~6を含む。別の実施形態では、抗体フラグメントは、scFvである。別の実施形態では、抗体フラグメントは、Fabである。
【0007】
別の実施形態では、ポリペプチド分子は、配列番号7を含む重鎖可変領域(HCVR又はVH)と、配列番号8を含む軽鎖可変領域(LCVR又はVL)と、を含む、抗体である。別の実施形態では、ポリペプチド分子は、配列番号9を含む重鎖と、配列番号10を含む軽鎖と、を含む、抗体である。別の実施形態では、ポリペプチド分子は、配列番号9からなる重鎖と、配列番号10からなる軽鎖と、を含む、抗体である。本発明はまた、ポリペプチド分子を含む組成物を提供する。
【0008】
本発明はまた、配列番号9をコードする第1の核酸配列及び配列番号10をコードする第2の核酸配列の一方又は両方を含む、核酸分子を提供する。別の実施形態では、配列番号9をコードする第1の核酸配列は、配列番号11の核酸を含み、配列番号10をコードする第2の核酸配列は、配列番号12の核酸を含む。本発明はまた、配列番号9をコードする第1の核酸配列及び配列番号10をコードする第2の核酸配列の一方又は両方を含む、ベクターを提供する。本発明はまた、ベクターを含む、組成物を提供する。本発明はまた、ベクターを含む、細胞を提供する。一実施形態では、細胞は、哺乳動物細胞である。本発明はまた、ポリペプチド分子が発現されるような条件下で細胞を培養することと、発現されたポリペプチド分子を培養培地から回収することと、を含む、ポリペプチド分子を産生するプロセスを提供する。本発明はまた、プロセスによって産生されたポリペプチド分子を提供する。
【0009】
本発明はまた、ヒトオキシントモジュリン(配列番号25)及びヒトグリセンチン(配列番号28)の各々のC末端領域に結合するポリペプチド分子であって、配列番号13~18に示される相補性決定領域を含む、ポリペプチド分子を提供する。一実施形態では、ポリペプチド分子は、抗体である。別の実施形態では、ポリペプチド分子は、抗体のフラグメントであり、フラグメントは、ヒトオキシントモジュリン(配列番号25)及びヒトグリセンチン(配列番号28)の各々のC末端領域に結合する。別の実施形態では、ポリペプチド分子のフラグメントは、scFvである。別の実施形態では、ポリペプチド分子のフラグメントは、Fabである。
【0010】
別の実施形態では、ポリペプチド分子は、配列番号19を含むVHと、配列番号20を含むVLと、を含む、抗体である。別の実施形態では、ポリペプチド分子は、配列番号21を含む重鎖と、配列番号22を含む軽鎖と、を含む、抗体である。別の実施形態では、ポリペプチド分子は、配列番号21からなる重鎖と、配列番号22からなる軽鎖と、を含む、抗体である。本発明はまた、ポリペプチド分子を含む組成物を提供する。
【0011】
本発明はまた、配列番号21をコードする第1の核酸配列及び配列番号22をコードする第2の核酸配列の一方又は両方を含む、核酸分子を提供する。一実施形態では、配列番号21をコードする第1の核酸配列は、配列番号23の核酸を含み、配列番号22をコードする第2の核酸配列は、配列番号24の核酸を含む。本発明はまた、配列番号23をコードする第1の核酸配列及び配列番号24をコードする第2の核酸配列の一方又は両方を含む、ベクターを提供する。本発明はまた、ベクターを含む、組成物を提供する。本発明はまた、ベクターを含む、細胞を提供する。一実施形態では、細胞は、哺乳動物細胞である。本発明はまた、ポリペプチド分子が発現されるような条件下で細胞を培養することと、発現されたポリペプチド分子を培養培地から回収することと、を含む、ポリペプチド分子を産生するプロセスを提供する。本発明はまた、プロセスによって産生されたポリペプチド分子を提供する。
【0012】
本発明はまた、(a)ヒトオキシントモジュリン(配列番号25)及びヒトグルカゴン(配列番号30)の各々のN末端領域に結合する第1のポリペプチド分子であって、配列番号1~6を含む、第1のポリペプチド分子と、(b)ヒトオキシントモジュリン(配列番号25)及びヒトグリセンチン(配列番号28)の各々のC末端領域に結合する第2のポリペプチド分子であって、配列番号13~18を含む、第2のポリペプチド分子と、を含む、組成物を提供する。
【0013】
本発明はまた、液体試料中のヒトオキシントモジュリン(配列番号25)の量を決定するためのサンドイッチアッセイ方法であって、(a)ヒトオキシントモジュリンを含む液体試料を、ヒトオキシントモジュリン(配列番号25)及びヒトグリセンチン(配列番号28)の各々のC末端領域に結合する第1のポリペプチド分子と接触させることであって、第1のポリペプチド分子が、配列番号13~18を含み、それによって第1のポリペプチド分子-ヒトオキシントモジュリン複合体を形成する、接触させることと、(b)ヒトオキシントモジュリン(配列番号25)及びヒトグルカゴン(配列番号30)の各々のN末端領域に結合する第2のポリペプチド分子を接触させることであって、第2のポリペプチド分子が、配列番号1~6を含み、それによって第1のポリペプチド分子-ヒトオキシントモジュリン-第2のポリペプチド分子複合体を形成する、接触させることと、(c)既知量のヒトオキシントモジュリン(配列番号25)の標準曲線に対する比較によって第1のポリペプチド分子-ヒトオキシントモジュリン-第2のポリペプチド分子複合体中のオキシントモジュリンの量を定量化することと、を含む、方法を提供する。
【0014】
本発明の方法の別の実施形態では、第1のポリペプチド分子は、抗体であり、第2のポリペプチド分子は、抗体である。別の実施形態では、第1のポリペプチド分子は、配列番号19を含むVHと、配列番号20を含むVLと、を含む、抗体であり、第2のポリペプチド分子は、配列番号7を含むVHと、配列番号8を含むVLと、を含む、抗体である。別の実施形態では、第1のポリペプチド分子は、配列番号21を含む重鎖を含み、配列番号22を含む軽鎖を含む、抗体であり、第2のポリペプチド分子は、配列番号9を含む重鎖と、配列番号10を含む軽鎖と、を含む、抗体である。別の実施形態では、第1のポリペプチド分子は、配列番号21からなる重鎖を含み、配列番号22からなる軽鎖を含む、抗体であり、第2のポリペプチド分子は、配列番号9からなる重鎖と、配列番号10からなる軽鎖と、を含む、抗体である。
【0015】
本発明はまた、対象からの血清試料又は血漿試料におけるオキシントモジュリンの濃度を決定することを含む、対象が2型糖尿病を発症するリスクがあるかを予測する方法であって、(a)ヒトオキシントモジュリンを含む血清試料又は血漿試料を、ヒトオキシントモジュリン(配列番号25)及びヒトグリセンチン(配列番号28)の各々のC末端領域に結合する第1のポリペプチド分子と接触させることであって、第1のポリペプチド分子が、配列番号13~18を含み、それによって第1のポリペプチド分子-ヒトオキシントモジュリン複合体を形成する、接触させることと、(b)ヒトオキシントモジュリン(配列番号25)及びヒトグルカゴン(配列番号30)の各々のN末端領域に結合する第2のポリペプチド分子を接触させることであって、第2のポリペプチド分子が、配列番号1~6を含み、それによって第1のポリペプチド分子-ヒトオキシントモジュリン-第2のポリペプチド分子複合体を形成する、接触させることと、(c)既知量のヒトオキシントモジュリン(配列番号25)の標準曲線に対する比較によって第1のポリペプチド分子-ヒトオキシントモジュリン-第2のポリペプチド分子複合体中のオキシントモジュリンの量を定量化することと、を含む、方法を提供する。方法の一実施形態では、対象は、急性膵炎と診断されている。
【0016】
本発明はまた、液体試料中のオキシントモジュリンの濃度を測定することにおける、ヒトオキシントモジュリン(配列番号25)及びヒトグリセンチン(配列番号28)の各々に存在するC末端オクタペプチドに結合する第1のポリペプチド分子、並びにヒトオキシントモジュリン(配列番号25)及びヒトグルカゴン(配列番号30)の各々のN末端領域に結合する第2のポリペプチド分子の使用を提供する。
【0017】
本発明の方法の一実施形態では、液体試料は、血清である。別の実施形態では、液体試料は、血漿である。
【0018】
本発明の方法では、第1のポリペプチド分子は、固体支持体に結合することができる。一実施形態では、固体表面は、プレートである。別の実施形態では、固体表面は、複数のビーズである。そのような固体支持体には、例えば、限定なしに、ガラス、セルロース、プラスチック、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、又はポリプロピレンが含まれる。
【0019】
本発明の方法の別の実施形態では、第1のポリペプチド分子は、固体表面に直接結合している。別の実施形態では、第1のポリペプチド分子は、結合剤で固体表面に間接的に結合している。一実施形態では、結合剤は、固体表面上にコーティングされたストレプトアビジン、ニュートラビジン、又はアビジンであり、ポリペプチド分子は、ビオチン化される。
【0020】
本発明の方法の別の実施形態では、液体試料を第1のポリペプチド分子と接触させる前に、固体表面は、ブロッキング溶液と接触させる。別の実施形態では、液体試料を第1のポリペプチド分子と接触させた後、第1のポリペプチド分子-ヒトオキシントモジュリン複合体は、洗浄溶液と接触させ、それによって非複合体化ヒトオキシントモジュリンを除去する。
【0021】
本発明の方法の別の実施形態では、第1のポリペプチド分子-ヒトオキシントモジュリン-第2のポリペプチド分子複合体は、洗浄溶液と接触させ、それによって非複合体化第2のポリペプチド分子を除去する。
【0022】
液体試料、例えば、血漿中のヒトオキシントモジュリン(配列番号25)の量を決定する方法の別の実施形態では、方法は、
(a)配列番号21を含む重鎖と、配列番号22を含む軽鎖と、を含む、抗体が結合している固体表面を、ブロッキング溶液と接触させることと、
(b)ヒトオキシントモジュリンを含む液体試料を、固体表面に結合した、配列番号21を含む重鎖と、配列番号22を含む軽鎖と、を含む、第1の抗体と接触させ、それによって第1の抗体-ヒトオキシントモジュリン複合体を形成することと、
(c)固体表面を洗浄溶液と接触させ、それによって非複合体化ヒトオキシントモジュリンを除去することと、
(d)固体表面を、配列番号9を含む重鎖と、配列番号10を含む軽鎖と、を含む、第2の抗体と接触させ、それによって第1の抗体-ヒトオキシントモジュリン-第2の抗体複合体を形成することと、
(e)固体表面を洗浄溶液と接触させ、それによって非複合体化第2の抗体を除去することと、
(f)既知量のヒトオキシントモジュリン(配列番号25)の標準曲線に対する比較によって、第1の抗体-ヒトオキシントモジュリン-第2の抗体複合体中のオキシントモジュリンの量を定量化することと、を含む。
【0023】
本発明の予測方法の別の実施形態では、方法は、
(a)配列番号21を含む重鎖と、配列番号22を含む軽鎖と、を含む、抗体が結合している固体表面を、ブロッキング溶液と接触させることと、
(b)ヒトオキシントモジュリンを含む液体試料を、固体表面に結合した、配列番号21を含む重鎖と、配列番号22を含む軽鎖と、を含む、第1の抗体と接触させ、それによって第1の抗体-ヒトオキシントモジュリン複合体を形成することと、
(c)固体表面を洗浄溶液と接触させ、それによって非複合体化ヒトオキシントモジュリンを除去することと、
(d)固体表面を、配列番号9を含む重鎖と、配列番号10を含む軽鎖と、を含む、第2の抗体と接触させ、それによって第1の抗体-ヒトオキシントモジュリン-第2の抗体複合体を形成することと、
(e)固体表面を洗浄溶液と接触させ、それによって非複合体化第2の抗体を除去することと、
(f)既知量のヒトオキシントモジュリン(配列番号25)の標準曲線に対する比較によって、第1の抗体-ヒトオキシントモジュリン-第2の抗体複合体中のオキシントモジュリンの量を定量化することと、を含む。
【0024】
本発明の方法の別の実施形態では、第2のポリペプチド分子が標識される。別の実施形態では、第2のポリペプチドの量の定量化は、標識を定量化することによって行われる。別の実施形態では、標識は、放射性標識である。別の実施形態では、放射性標識は、ルテニウムである。
【0025】
本発明のポリペプチド分子、方法、及び使用は、選択的かつ高感度なオキシントモジュリンを定量化することを促進する。一実施形態では、方法は、0.4ng/Lのオキシントモジュリン定量下限(LLOQ)、グルカゴンの検出なし、及び/又は0.5%未満のグリセンチンとの交差反応性のうちの1つ以上をもたらす。本発明の方法の追加の利点は、オキシントモジュリンの食前及び食後レベルの定量化を容易にすることであり、従来の直交IA-LC-MSアッセイを使用して得られる結果と高度に相関する結果を伴う。
【0026】
ヒトプログルカゴン(配列番号36)は、180アミノ酸残基を含有し、GCG遺伝子によってコードされる(GCG-プログルカゴン前駆体-Homo sapiens(ヒト)-GCG遺伝子及びタンパク質、unprot.org/uniprot/P01275#sequences(2007))。このポリペプチド前駆体は、組織特異的な方法で多数の異なるペプチドに差別的に切断され、異なる生物学的活性を有するペプチド:シグナルペプチド(アミノ酸残基1~20)、ヒトグリセンチン(アミノ酸残基21~89)、ヒトグリセンチン関連膵臓ポリペプチド(アミノ酸残基21~50)、ヒトオキシントモジュリン(アミノ酸残基53~89)、ヒトグルカゴン(アミノ酸残基53~81)、ヒトグルカゴン様ペプチド1(GLP-1)(アミノ酸残基92~128)、ヒトGLP-1(7~37)(アミノ酸残基98~128)、ヒトGLP-1(7~36)(アミノ酸残基98~127)、及びヒトグルカゴン様ペプチド2(GLP-2)(アミノ酸残基146~178)のパネルを生成する。共通のポリペプチド前駆体(配列番号36)からの組織特異的切断パターンの1つの結果は、いくつかの配列重複を有する生物学的に活性なペプチドの生成である。例えば、ヒトオキシントモジュリン(アミノ酸残基53~89)は、アミノ酸残基81を越えて延在する8アミノ酸に加えて、ヒトグルカゴン(アミノ酸残基53~81)に含まれる全ての配列を含有する。別の例として、ヒトオキシントモジュリン(アミノ酸残基53~89)及びヒトグルカゴン(アミノ酸残基53~81)に存在する配列は、ヒトグリセンチン(アミノ酸残基21~89)にも含まれるが、ヒトグリセンチン(アミノ酸残基21~89)は、ヒトオキシントモジュリン(アミノ酸残基53~89)及びヒトグルカゴン(アミノ酸残基53~81)の両方において残基53より前にある追加の32アミノ酸を含有する。
【0027】
本明細書で言及される配列が表1に示される。表1における特定の配列名中の括弧内ナンバリングは、シグナルペプチド配列(残基1~20)を含むヒトプログルカゴンにおけるそれぞれのアミノ酸残基を指す。例えば、「ヒトオキシントモジュリン(53~89)」という用語において、「(53~89)」という用語は、ヒトプログルカゴンにおけるアミノ酸残基53~89を指す。表1におけるヒト配列の欠失バージョンは、「ヒト」という用語なしで提供される。例えば、「オキシントモジュリン(55~89)」という用語は、ヒトプログルカゴンのアミノ酸残基55~59に対応し、ヒトオキシントモジュリンに見られる最初の2つのN末端アミノ酸残基を含有しない配列を有するヒトオキシントモジュリンフラグメントを指す。
【表1】
【0028】
本明細書で使用される「ヒトグルカゴン及びヒトオキシントモジュリンの各々のN末端領域」という用語は、N末端ヒスチジンが存在する、それらのペプチドの各々における最初の3つのアミノ酸残基を指す。
【0029】
本明細書で使用される「ヒトグルカゴン及びヒトオキシントモジュリンの各々のN末端領域に結合する」という用語は、(a)これらの各々がN末端ヒスチジン残基を有する、ヒトオキシントモジュリン(53~59)(配列番号25)及びヒトグルカゴン(配列番号30)の各々に結合することを指し、(b)オキシントモジュリン(55~89)及びオキシントモジュリン(56~89)がヒトオキシントモジュリン(53~59)及びヒトグルカゴン(配列番号30)に見られるN末端ヒスチジン残基を含有しないので、オキシントモジュリン(55~89)又はオキシントモジュリン(56~89)に結合せず、(c)グリセンチンスパン(29~69)がヒスチジンを含有するが、遊離アミン末端では存在しないので、グリセンチンスパン(49~89)に結合しない。
【0030】
本明細書で使用される「ヒトオキシントモジュリン(配列番号25)及びヒトグリセンチン(配列番号28)の各々のC末端領域」という用語は、ヒトオキシントモジュリンにおけるアミノ酸残基30~37及びヒトグリセンチン(配列番号28)におけるアミノ酸残基61~69を指す。
【0031】
本明細書で使用される「ヒトオキシントモジュリン(配列番号25)及びヒトグリセンチン(配列番号28)の各々のC末端領域に結合する」という用語は、ヒトオキシントモジュリンにおけるアミノ酸残基30~37のうちの1つ以上及びヒトグリセンチン(配列番号28)におけるアミノ酸残基61~69のうちの1つ以上に結合することを指す。
【0032】
本明細書で使用される「N末端抗体」という用語は、配列番号9の重鎖アミノ酸配列及び配列番号10の軽鎖アミノ酸配列を有する抗体を指す。
【0033】
本明細書で使用される「C末端抗体」という用語は、配列番号21の重鎖アミノ酸配列及び配列番号22の軽鎖アミノ酸配列を有する抗体を指す。
【0034】
本明細書で使用される「ポリペプチド分子」という用語は、アミノ酸残基のポリマーを含む分子を指す。一実施形態では、ポリペプチド分子は、アミノ酸残基のポリマーからなる。
【0035】
本明細書で使用される「接触すること」という用語は、ある物質を別の物質に曝露することを指す。例えば、試料は、ポリペプチド分子が試料中に存在するヒトオキシントモジュリンに結合することを可能にする時間及び条件下で、本発明のポリペプチド分子に曝露することができる。そのような時間及び条件は、当業者に知られており、かつ/又は本明細書に引用される参考文献に従って当該技術分野で知られている方法によって日常的に決定することができる。
【0036】
本明細書で使用される「複合体」という用語は、例えば、ポリペプチド分子とヒトオキシントモジュリン(配列番号25)との間の、タンパク質間相互作用を指す。本明細書で使用される「第1のポリペプチド分子-ヒトオキシントモジュリン複合体」は、本発明のポリペプチド分子とヒトオキシントモジュリンの分子(配列番号25)との間の、タンパク質間相互作用を指す。本明細書で使用される「第1のポリペプチド分子-ヒトオキシントモジュリン-第2のポリペプチド分子複合体」は、(a)本発明の第1のポリペプチド分子の分子とヒトオキシントモジュリンの分子(配列番号25)と、(b)本発明の第2のポリペプチド分子の分子とヒトオキシントモジュリンの分子(配列番号25)と、の間の、同時タンパク質間相互作用を指す。
【0037】
本明細書で使用される「オキシントモジュリンの量を定量化すること」という用語は、試料、例えば、液体試料中のオキシントモジュリンの量を測定することを指す。ELISAなどの、好適なアッセイは、当業者に知られている。
【0038】
本発明のポリペプチド分子は、酵素に結合し、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)において使用することができる。そのようなアッセイは、詳細には、例えば、Butler(1994)“ELISA”(Chapter 29),In:van Oss,C.J.et al.,eds.,Immunochemistry,Marcel Dekker,Inc.,New York,pp.759-803に記載される。本ポリペプチド分子はまた、オキシントモジュリン発現のラジオイムノアッセイ及び蛍光活性化細胞選別(FACS)分析において使用することができる。
【0039】
ヒトオキシントモジュリンなどの特定のタンパク質は、例えば、限定なしに、ウェスタンブロット、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫沈降アッセイ、沈降素反応、ゲル拡散沈降素反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体固定アッセイ、イムノラジオメトリックアッセイ、蛍光イムノアッセイ、及びプロテインAイムノアッセイなどの、技法を用いた、例えば、限定なしに、競合及び非競合アッセイシステムを含む、様々なイムノアッセイ方法によって測定することができる。一般的な免疫学的及びイムノアッセイ手順の概説については、例えば、Stites and Terr(eds.),Basic and Clinical Immunology(7th ed.)(1991)を参照されたい。また、イムノアッセイは、当該技術分野で知られているように、多くの構成で行うことができる(例えば、Maggio(ed.),Enzyme Immunoassay CRC Press,Boca Raton,Florida(1980)、Gosling JP,Immunoassays:A Practical Approach(Practical Approach Series),Oxford Univ Press(2000)、Diamandis & Christopoulus,Immunoassay,Academic Press(San Diego,CA)(1996)を参照されたい)。
【0040】
本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、抗原に結合する免疫グロブリン分子を指す。抗体の実施形態には、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、二重特異性若しくは多重特異性抗体、又は結合抗体が含まれる。抗体は、任意のクラス(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA)、及び任意のサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)であってもよい。
【0041】
本開示の例示的な抗体は、4つのポリペプチド鎖:鎖間ジスルフィド結合を介して架橋される2つの重鎖(HC)及び2つの軽鎖(LC)から構成された、免疫グロブリンG(IgG)型抗体である。4つのポリペプチド鎖の各々のアミノ末端部分は、抗原認識に主に関与する約100~125個以上のアミノ酸の可変領域を含む。4つのポリペプチド鎖の各々のカルボキシ末端部分は、エフェクター機能に主に関与する定常領域を含有する。各重鎖は、重鎖可変領域(VH)及び重鎖定常領域から構成される。各軽鎖は、軽鎖可変領域(VL)及び軽鎖定常領域から構成される。IgGアイソタイプは、サブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4)に更に分割され得る。
【0042】
VH及びVL領域は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる、より保存されている領域が散在する、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる、超可変領域に更に細分され得る。CDRはタンパク質の表面上に露出しており、抗原結合特異性のための抗体の重要な領域である。各VH及びVLは、3つのCDR及び4つのFRから構成されており、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4の順序でアミノ末端からカルボキシ末端へと配置される。本明細書では、重鎖の3つのCDRを「HCDR1、HCDR2、及びHCDR3」と称し、軽鎖の3つのCDRを「LCDR1、LCDR2、及びLCDR3」と称する。CDRは、抗原との特異的相互作用を形成する残基の大部分を含有する。アミノ酸残基のCDRへの割り当ては、Kabat(Kabat et al.,“Sequences of Proteins of Immunological Interest”,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991))、Chothia(Chothia et al.,“Canonical structures for the hypervariable regions of immunoglobulins”,Journal of Molecular Biology,196,901-917(1987)、Al-Lazikani et al.,“Standard conformations for the canonical structures of immunoglobulins”,Journal of Molecular Biology,273,927-948(1997))、North(North et al.,“A New Clustering of Antibody CDR Loop Conformations”,Journal of Molecular Biology,406,228-256(2011))、又はIMGT(www.imgt.orgで利用可能な国際的なImMunoGeneTicsデータベース;Lefranc et al.,Nucleic Acids Res.1999;27:209-212を参照のこと)に記載されているものを含む、周知のスキームに従って行われ得る。
【0043】
本明細書で使用される、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fvフラグメント、scFv抗体フラグメント、scFab、ジスルフィド結合Fv(sdFv)、Fdフラグメントなどの、「抗体フラグメント」又は「抗原結合フラグメント」は、抗原又は抗原のエピトープと特異的に相互作用する能力を保持する抗体の少なくとも一部分を含む。
【0044】
本明細書で使用される「結合する(bind及びbinds)」という用語は、特に示されない限り、化学結合又は別のタンパク質若しくは分子との引力相互作用を形成するタンパク質又は分子の能力を意味することが意図され、これは当該技術分野において既知の一般的な方法、例えば、2つの分子、例えば、本発明のポリペプチド分子及び、例えば、ヒトオキシントモジュリン(配列番号25)の間の分子相互作用によって決定されるように、2つのタンパク質又は分子の近接をもたらす。一実施形態では、本発明のポリペプチド分子は、ヒトオキシントモジュリンに特異的に結合する。別の実施形態では、「特異的に結合する」は、本発明のポリペプチド分子が、より頻繁に、より迅速に、より長い持続時間で、より大きな親和性で、又は上記のヒトオキシントモジュリンとの何らかの組み合わせと相互作用することを意味する。別の好ましい実施形態では、「特異的に結合する」は、本発明のポリペプチド分子が、約0.1mM以下のKDでヒトオキシントモジュリンに結合することを意味する。別の好ましい実施形態では、「特異的に結合する」は、本発明のポリペプチド分子が、約0.01mM以下のKDでヒトオキシントモジュリンに結合することを意味する。別の好ましい実施形態では、「特異的に結合する」は、本発明のポリペプチド分子が、約0.001mM以下のKDでヒトオキシントモジュリンに結合することを意味する。別の好ましい実施形態では、「特異的に結合する」は、本発明のポリペプチド分子が、約0.0001mM以下のKDでヒトオキシントモジュリンに結合することを意味する。
【0045】
HCVR領域をコードする単離ポリヌクレオチドは、HCVRをコードするポリヌクレオチドを、重鎖定常領域をコードする別のポリヌクレオチド分子に作動可能に連結することによって、完全長重鎖遺伝子に変換され得る。ヒト及び他の哺乳動物の重鎖定常領域遺伝子の配列は、当該技術分野において既知である。これらの領域を包含するポリヌクレオチドフラグメントは、例えば、標準的なPCR増幅によって得られ得る。
【0046】
LCVR領域をコードする単離ポリヌクレオチド分子は、LCVRをコードするポリヌクレオチドを、軽鎖定常領域をコードする別のポリヌクレオチド分子に作動可能に連結することによって、完全長軽鎖遺伝子に変換され得る。ヒト及び他の哺乳動物の軽鎖定常領域遺伝子の配列は、当該技術分野において既知である。これらの領域を包含するポリヌクレオチドフラグメントは、標準的なPCR増幅によって取得され得る。
【0047】
本明細書で使用される「感度」という用語は、許容される正確度及び精度で測定することができる分析物(この場合、ヒトオキシントモジュリン)の最も低いレベルを指す。感度は、例えば、本発明によれば、オキシントモジュリンの試料を採取し、それをCV(変動係数)%が20%を超えるまで段階的に希釈することによって決定される、定量下限(LLOQ)によって反映される。
【0048】
「検出可能に標識された」という用語は、本発明のポリペプチド分子、又はオキシントモジュリン及びポリペプチド分子の複合体が、共有結合又は非共有結合のいずれかで、有用な検出可能な標識に結合していることを意味する。直接結合標識方法では、例えば、補欠分子族複合体、発色団、色素原(発色基質)、色素、蛍光化合物、蛍光発生化合物、放射性同位体、常磁性同位体、並びに陽電子放出断層撮影(PET)及び磁気共鳴撮像(MRI)によって画像化することができる化合物を含む、多くの異なる有用な標識を用いることができる。
【0049】
本発明の核酸分子は、配列が発現制御配列に作動可能に結合した後に宿主細胞において発現され得る。発現ベクターは、典型的には、エピソーム、又は宿主染色体DNAの一体化した部分のいずれかとして、宿主生物中で複製可能である。一般的に、発現ベクターは、所望のポリヌクレオチド配列で形質転換されたそれらの細胞の検出を可能にするために、選択マーカー、例えば、テトラサイクリン、ネオマイシン、及びジヒドロ葉酸レダクターゼを含有する。
【0050】
目的の核酸配列(例えば、本発明のポリペプチド分子のうちの1つ以上をコードする核酸配列及び発現制御配列)を含有する発現ベクターは、宿主細胞のタイプに応じて変動する、既知の方法によって宿主細胞に導入することができる。
【0051】
本発明のポリペプチド分子は、哺乳動物宿主細胞において産生され得、この非限定的な例には、CHO、NS0、HEK293、又はCOS細胞が挙げられる。宿主細胞は、当該技術分野において既知の技術を使用して培養され得る。本発明のポリペプチド分子は、本質的に以下のように発現され、精製され得る。HEK293又はCHOなどの、適切な宿主細胞は、最適な所定の重鎖:軽鎖ベクター比又は重鎖及び軽鎖の両方をコードする単一ベクター系を使用して、ポリペプチド、例えば、抗体を分泌するための発現系で一過的又は安定的のいずれかでトランスフェクトされ得る。本発明のポリペプチド分子をコードする核酸は、例えば、抗体重鎖及び軽鎖をコードする1つ以上のDNA分子を使用して、ポリペプチドを分泌するための発現系で一過的又は安定的のいずれかでトランスフェクトされ得る。
【0052】
タンパク質精製の様々な方法は、本発明のポリペプチド分子を精製するために用いられ得、そのような方法は、当該技術分野において既知であり、例えば、Deutscher,Methods in Enzymology 182:83-89(1990)及びScopes,Protein Purification:Principles and Practice,3rd Edition,Springer,NY(1994)に記載される。
【0053】
例えば、培地は、リン酸緩衝生理食塩水(pH7.4)のような適合性バッファーで平衡化された、MabSelectカラム(GE Healthcare Life Sciences)、又はKappaSelectカラム(GE Healthcare Life Sciences)に簡便に適用され得る。カラムは、非特異的結合成分を除去するために洗浄され得る。結合したポリペプチド分子は、例えば、pH勾配(20mMのTrisバッファーpH7.0~10mMのクエン酸ナトリウムバッファーpH3.0、又はリン酸緩衝生理食塩水pH7.4~100mMのグリシンバッファーpH3.0など)によって溶出され得る。抗体画分は、紫外線吸光度又はSDS-PAGEなどによって検出され得、次いで、プールされてもよい。意図する使用に応じて、更なる精製は任意選択的である。精製ポリペプチド分子は、一般的な技法を使用して濃縮及び/又は滅菌濾過され得る。可溶性凝集体及び多量体は、サイズ排除、疎水性相互作用、イオン交換、マルチモーダル、又はヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを含む一般的な技術によって効果的に除去され得る。精製ポリペプチドは、-70℃で直ちに凍結され得るか、又は凍結乾燥され得る。
【0054】
本明細書に開示されるポリペプチド分子は、血清又は血漿に存在するオキシントモジュリンのレベルを検出することによって、診断、予後、及び/又は患者モニタリング手順に有用である。
【0055】
ガンマカウンター、シンチレーションカウンター、又はオートラジオグラフィーによって単に検出される、有用な放射性標識には、3H、124I、125I、131I、35S、及び14Cが含まれる。放射性核種は、DTPA及びEDTAなどの、キレート剤を使用して、直接的又は間接的のいずれかで、本明細書に記載されるポリペプチド分子に結合することができる。このような放射性核種の例には、99Tc、123I、125I、131I、111In、97Ru、67Cu、67Ga、68Ga、72As、89Zr、90Y、及び201Tlが含まれる。
【0056】
他の適切な標識は当該分野で公知であるか、又は日常的な実験によって決定することができる。例えば、抗体、例えば、T末端抗体は、例えば、酵素と結合することができる。それ自体が第1の一次抗体、例えば、C末端抗体にも結合している、ヒトオキシントモジュリンへの別の抗体の結合は次いで、検出可能なシグナルを生成する適切な条件下で酵素の発色性基質との反応によって検出することができる。
【0057】
高吸光係数を有する発色団を有するか、又は結果として生じる発色性化合物を用いることにより、容易に検出可能な比色検出を使用することができる。適当な反応条件下でその基質に後に曝露されると、酵素は基質と反応して、例えば分光光度法、蛍光光度法、又は視覚的手段によって検出することができる化学標識を生成する。
【0058】
この目的に一般的に使用される酵素には、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ブドウ球菌ヌクレアーゼ、デルタ-V-ステロイドイソメラーゼ、酵母アルコールデヒドロゲナーゼ、アルファ-グリセロホスフェートデヒドロゲナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、アスパラギナーゼ、グルコースオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グルコアミラーゼ、及びアセチルコリンエステラーゼが含まれる。
【0059】
好適な補欠分子族複合体の非限定的な例としては、例えば、ストレプトアビジン/ビオチン、アビジン/ビオチン、及びニュートラビジン/ビオチンが挙げられる。色素源の使用は、それらを使用するアッセイが臨床診断検査室で容易に実施され、これらの検査室で一般的に利用可能な装置を用いて病理学者によって再検討されるので好ましい。一般的に使用される色素原には、ジアミノベンジジン(DAB)、増強されたDAB、3-アミノ-9-エチルカルバゾール(AEC)、4-クロロ-1-ナフトール(4-CN)、Hanker-Yates試薬、アルファ-ナフトールピロニン、3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン(TMB)、Fast Blue BB、Fast Red TR、ニューフクシン、BCIP-NBT、テトラゾリウム、テトラニトブルーテトラゾリウム(TNBT)、及び銀増強されたイムノゴールドが含まれる。
【0060】
有用な蛍光標識には、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ローダミン、ダンシル基、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o-フタルデヒド(phthaldehyde)、フルオレスカミン、及びCy5が含まれる(Haugland((1996)Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals,Sixth Ed.,Molecular Probes,Eugene,OR)。
【0061】
ポリペプチド分子、又はポリペプチド分子-オキシントモジュリン複合体はまた、152Eu+、又はランタニド系列の他のメンバーなどの、蛍光発光金属を使用して、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)又はエチレンジアミン四酢酸(EDTA)のような金属キレート基を用いて、それらを結合させることによって、検出可能に標識することができる。
【0062】
ポリペプチド分子はまた、化学反応の経過中に生じるリン光又は発光によって次いで検出することができる、リン光性又は化学発光性化合物に、それらをカップリングすることによって検出可能に標識することができる。有用な化学発光化合物の例としては、ルミノール、イソルミノール、テロマティック(theromatic)アクリジニウムエステル、イミダゾール、アクリジニウム塩、及びシュウ酸エステルが含まれる。同様に、ルシフェリン、ルシフェラーゼ、又はエクオリンなどの生物発光化合物を使用して、抗体ペプチドを標識することができる。生物発光タンパク質の存在は、発光の存在を検出することによって決定される。
【0063】
本発明はまた、ヒトオキシントモジュリンを定量化するために有用な組成物を含有する製造物品及びキットを提供する。製造物品は、ラベルが書かれた容器を含み得る。容器は、検出可能に標識されているか、又は標識されていないかのいずれかである、本発明のポリペプチド分子を含む組成物を保持し得る。
【0064】
本発明のキットは、本発明の第1及び第2のポリペプチド分子を含む容器を含むこともできる。第2のポリペプチド分子は、酵素又は他の標識と結合することができる。酵素の発色性基質はまた、キットに含めることができる。キットは、バッファー、希釈剤、フィルター、針、シリンジ、及びインビボ、インビトロ、又は両方での使用のための説明を含む添付文書を含む、商業的及びユーザー観点から望ましい他の材料を更に含み得る。
【0065】
以下の例は、例示の目的のみのために提供され、本発明の範囲を限定することを意図しない。
【0066】
実施例1
抗体結合研究
N末端抗体及びC末端抗体の動態分析及び結合特異性は、Biacore T100(GE Healthcare Life Sciences)を使用した表面プラズモン共鳴によって決定される。ヤギ抗マウスIgG抗体(Southern Biotech)は、Series S CM5センサチップ上に固定化され、約1500応答単位の抗オキシントモジュリンIgGを捕捉するために使用される。ランニングバッファー(3mmol/LのEDTA及び0.05%Tweenを含有するHEPES緩衝生理食塩水)及び22.5nmol/Lのヒトグリセンチンスパン(49~89)(配列番号29)又はヒトグルカゴン(53~81)(配列番号30)ペプチドのいずれかに希釈された様々な濃度のヒトオキシントモジュリン(配列番号25)(1.1~90nmol/L)の2通りの注射への結合は、30μL/分の流量で測定される。動力学定数は、T100 Evaluationソフトウェアで1:1結合モデルを使用して決定される。
【0067】
N末端抗体のBiacore分析を使用して、平衡解離定数は、1.5×10
-10mol/Lである(表2)。N末端抗体は、グリセンチンスパン(48~89)ペプチド(配列番号29)への最小限の結合を示す。
【表2】
【0068】
C末端抗体のBiacore分析を使用して、C末端抗体解離定数は、8.3×10-11mol/Lである(表2)。C末端抗体は、ヒトグルカゴン(53~81)(配列番号30)への最小限の結合を示す。
【0069】
実施例2
標準曲線
アッセイに最適な抗体ペアリングは、C末端抗体を捕捉抗体として、N末端抗体を検出抗体として利用する。標準曲線は、50,000ng/Lの出発濃度からアッセイバッファーに段階希釈された合成ヒトオキシントモジュリン(配列番号25)で調製される。LLOQは、ゼロキャリブレーターからの3-SD評価に基づいて0.4ng/Lであると決定される。アッセイは、2500ng/Lの定量上限(ULOQ)を有する優れたダイナミックレンジを示す(表3)。オキシントモジュリンは、DDP-4の基質であり、この切断は、報告試薬抗体によって認識されるN末端ネオエピトープを除去するため、P800又はK2 EDTA収集チューブのいずれかに収集された6セットの適合ヒト血漿は、試料収集後のエクスビボタンパク質分解からの効果を評価するために比較される。P800チューブと比較されたK2 EDTAに収集された血液で測定されたオキシントモジュリンの量における約35~40%低減が観察される。
【0070】
イムノアッセイの追加の重要な属性は、表3に概説される。
【表3】
【0071】
バッチ内及びバッチ間ばらつきは、高(2500ng/L)、中(500ng/L)、又は低(100ng/L)オキシントモジュリン濃度を使用すると10%以下である。アッセイは、アッセイバッファー及び2500ng/Lのオキシントモジュリン標準でスパイクされたヒト血漿プールの両方の16倍希釈後、<15%CVで優れた希釈直線性を示す。アッセイパラレリズムは、2つの異なるヒト血漿試料の希釈で観察され、分析物の計算値における20%未満のCVをもたらす。2500、500、100、又は0ng/LのオキシントモジュリンでスパイクされたプールされたP800ヒト血漿を使用したイムノアッセイの堅牢性は、多くのパラメータについて実証される。回収は、全てのランについて90~113%の範囲であり、6回の凍結解凍サイクル後に計算オキシントモジュリン値の11%以下のばらつきが観察される。最後に、P800収集血漿中の分析物の安定性は、表3に概説された3つの異なる温度条件下で<25%CVで実証される。
【0072】
イムノアッセイのオキシントモジュリン選択性は、プログルカゴン又は他の生物学的に関連するインクレチンペプチドのパネルへの結合を試験することによって実証される。2500~100ng/Lの範囲の3つの超生理学的濃度のヒトグリセンチンスパン(49~89)(配列番号29)、ヒトグルカゴン(53~81)(配列番号30)、グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)(配列番号33)、GLP-1(98~128)(配列番号34)、GLP-1(100~128)(配列番号35)、オキシントモジュリン(55~89)(配列番号26)、オキシントモジュリン(56~89)(配列番号27)が測定される。グリセンチンスパン(49~89)(配列番号29)及びGIP(配列番号33)ペプチドのみが、最も高い濃度でバックグラウンドレベルを超えて測定される分析物である。500ng/L濃度のグリセンチンスパン(49~89)(配列番号29)はまた、バッファーブランク対照について見られるものをわずかに上回るシグナルを提供する。比較として、グリセンチンスパン結果とは全く対照的に、それぞれ、2500、500、及び100ng/Lのヒトオキシントモジュリン(53~89)(配列番号25)では、170,000超、30,000超、8,000超のECL単位が観察される。
【0073】
オキシントモジュリンイムノアッセイの交差反応性は、最小限であり、グリセンチンスパン(49~89)ペプチド(配列番号29)(グリセンチン交差反応性の代用物である)については0.5%未満、GIPペプチド(配列番号33)については0.12%である。それぞれ、2又は3残基のヒトオキシントモジュリンのN末端切断である、オキシントモジュリン(55~89)ペプチド(配列番号26)又はオキシントモジュリン(56~89)ペプチド(配列番号27)では、シグナルは観察されない。アイソタイプが一致した無関係な抗体が捕捉試薬又は検出試薬のいずれかに代用されるヒト血漿をサンプリングするとき、シグナルは観察されない。
【0074】
実施例3
サンドイッチアッセイ
Meso Scale Discovery(MSD)Streptavidin Gold Multi-array96ウェルプレート(Meso Scale Diagnostics)は、10mmol/LのTris pH7.4、150mmol/LのNaCl、1mL/LのTween 20を含有する1倍Tris緩衝生理食塩水(TBS)で3回洗浄され、1%(w/v)BSA(Sigma)を含有する200μLのTBSでブロックされる。1時間後、1mg/Lの濃度の50μLのビオチン標識C末端抗体は、室温(RT)で追加の1時間プレートに結合させる。50mmol/LのHEPES、pH7.4、150mmol/LのNaCl、10mL/LのTriton X-100、各5mmol/LのEDTA及びEGTA、1%(w/v)BSA、プロテアーゼ(Roche)及びジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)(Millipore)阻害剤の両方、並びに100mg/LのHeterophilic Blocking Reagent 1(Scantibodies)からなるアッセイバッファーで希釈されるオキシントモジュリン ペプチド標準は、ウェルに添加されて、標準較正曲線を生成する。同じアッセイバッファーでは、血漿試料は、1:2に希釈され、試料及び標準の両方は、4℃で一晩インキュベートされる。プレートは洗浄され、50μLの1ng/mLのルテニウム標識N末端抗体はウェルに添加され、室温で1時間インキュベートさせる。最終洗浄ステップに続いて、150μLの2倍MSDリードバッファーが添加され、MSD SECTOR Imager 600(Meso Scale Diagnostics)リーダーが使用されて、ルテニウム電気化学発光単位(ECL)を測定する。
【0075】
ヒト血漿試料。18~65歳の健康な男性及び女性からの血液試料は、インフォームドコンセントとともにP800 EDTA BD(商標)Vacutainer(BD Biosciences)収集チューブに収集される。試料は、氷上で保存され、収集後1時間以内に20分間2000gでベンチトップ遠心分離機を使用して4℃でスピンダウンさせる。得られた血漿試料は、オキシントモジュリンレベルの分析まで-70℃で保存される。K2及びP800 EDTA血漿はまた、10時間絶食、食後5~10、及び90~120分の条件下で追加の19人の健康なボランティアから得られる。食後収集は、約262脂肪カロリー、274炭水化物カロリー、及び100タンパク質カロリーからなる混合食チャレンジに続く。
【0076】
正常なヒト血漿中のオキシントモジュリンレベル。サンドイッチイムノアッセイは、健康な個体におけるオキシントモジュリン血漿レベルに対する栄養チャレンジの効果を決定するために使用される。血液は、一晩絶食後の19人のボランティアからP800及びK2 EDTAチューブの両方に収集される。試料はまた、標準化された混合食の摂取後数分以内及び2時間以内の両方で収集される。K2 EDTAチューブで収集された試料からのオキシントモジュリン値は、分析された全ての3つの時点について、P800収集チューブで収集された試料と比較してより低い。オキシントモジュリンのレベルは、摂食直後に増加する。P800試料についてのベースライン、初期、及び後期時点の平均は、それぞれ、11±9ng/L、21±9ng/L、及び33±14ng/Lである。K2 EDTA試料についてのベースライン、初期、及び後期時点の平均は、それぞれ、8±7ng/L、14±6ng/L、及び23±11ng/Lである。
【0077】
全てのデータは、平均±SEMとして表される。MSD Workbenchソフトウェアは、4つのPLフィット較正曲線の各々及び未知の値の補間に使用される。データは、SigmaPlotバージョン11.0でプロットされ、データ分析にはMicrosoft Office Excel 2010又はGraphPad Prism 6が使用される。各例では、0.05以下のp値は、統計的有意性を示すとみなされる。交差反応性パーセントは、試験された各濃度についてのバッファーブランクECLカウントを差し引いた後の、目的のペプチドによるECLカウント対参照ヒトオキシントモジュリン(53~89)(配列番号25)ペプチドによるECLカウントの比として決定される。
【0078】
オキシントモジュリン抗体親和性は、6~200倍超増加する。アッセイ内及びアッセイ間CVは、それぞれ、7~10%及び3~10%である。スパイク回収は、90~113%の範囲であり、直線性は、16倍希釈まで明らかであり、グリセンチン交差反応性は、0.5%である。オキシントモジュリンレベルは、P800血漿に対してK2 EDTAにおいてより低い。オキシントモジュリンの食後増加は、数分以内に起こり、レベルは、IA-LC-MSを使用して得られたものと顕著に相関した。
【0079】
オキシントモジュリンサンドイッチイムノアッセイは、適切に感度、選択性があり、ヒト試料からの無傷のオキシントモジュリンの内因性レベルの信頼性のある決定のための高スループット用途にも修正可能である。
【0080】
それぞれのプログルカゴンフラグメント上にのみ存在する特定のヒトオキシントモジュリンN末端及びC末端エピトープに結合する抗体のペアの組み合わせは、ヒトオキシントモジュリンの内因性レベルを決定するのに十分な選択性及び感度を有するイムノアッセイの作製を容易にする。
【0081】
イムノアッセイの選択性はまず、目的の他のプログルカゴン由来及びインクレチンペプチドで評価される。オキシントモジュリンサンドイッチイムノアッセイにおけるグリセンチンスパン(49~89)ペプチド(配列番号29)の最も高いスパイクでは、小さなシグナルが観察されるが、このシグナルは、同じ濃度のヒトオキシントモジュリン(配列番号25)で得られるものよりも2桁低い。内因性グリセンチンは、食後に増加し、130pmol/Lでピークに達すると報告されており(Naito H,et al.,Regul.Pept.1999;79:55-61)、そのレベルは、依然として本明細書における研究で使用される高スパイク濃度(2500ng/L[560pmol/L])よりも低く、内因性グリセンチンレベルが本明細書におけるヒトオキシントモジュリンサンドイッチイムノアッセイに影響を与えないことを示す。
【0082】
ヒトオキシントモジュリンは、循環における短い半減期(分)を有し(Schjoldager BT,et al.,Eur.J.Clin.Invest.1988;18:499-5)、DPP-4によるタンパク質分解の基質であることが示され(Yi J,et al.,PLoS One 2015;10:e0134427、Zhu L,et al.,J.Biol.Chem.2003;278:22418-23)、これは最初の2つのアミノ末端残基を除去する。本明細書に開示される新規N末端ネオエピトープ抗体(配列番号9及び10)の選択性は、最初の2又は3残基を欠損する合成オキシントモジュリンペプチド(それぞれ、配列番号26及び27)に対する反応性の完全な欠如によって確認される。本明細書におけるサンドイッチイムノアッセイを使用して測定されたヒトオキシントモジュリン(配列番号25)の量における小さいが再現性のある低減は、P800チューブに対して、K2 EDTAで収集された血清において観察され、これは内因性ヒトオキシントモジュリンがDDP-4又はN末端アミノ酸を除去する何らかの他の関連プロテアーゼによってプロセシングされ、本明細書に開示されるサンドイッチイムノアッセイが無傷のヒトオキシントモジュリン(配列番号25)成分のみを選択的に測定することを確認する。
【0083】
ヒトK2 EDTA及びP800血漿(500μL)は、ヒトオキシントモジュリン(53~89)配列番号25、オキシントモジュリン(55~89)配列番号26、及びオキシントモジュリン(56~89)配列番号27安定同位体標識内部標準ペプチド(CPC Scientific)でスパイクされ、Iバッファー(25mmol/LのTris-HCl、25mmol/LのHEPES、300mmol/LのNaCl、0.1%(v/v)のオクチルβ-D-グルコピラノシド、pH7.5)で希釈される。免疫親和性濃縮は、2μgのビオチン化抗グルカゴン抗体の添加後、4℃で一晩進行させる(Sloan JH,et al.,Clin.Biochem.2012;45:1640-4)。インキュベーション後、50μLのDynabeads(商標)MyOne(商標)ストレプトアビジンT1磁気ビーズ(ThermoFisher Scientific)は、混合物に添加され、続いて室温で30分間インキュベートされる。次いで、ビーズは、1mLの以下の3つのバッファー:放射免疫沈降アッセイバッファー(ThermoFisher Scientific)、25mmol/LのTris-HCl、25mmol/LのHEPES、500mmol/LのNaCl、0.1%(v/v)オクチルβ-D-グルコピラノシドpH7.5からなるバッファー、及び脱イオン水で1回連続的に洗浄される。結合した分析物は、50μLの0.2%(v/v)ギ酸/1倍Invitrosol(商標)(ThermoFisher Scientific)/10%(v/v)アセトニトリルで溶出される。タンパク質定量化は、Thermo Scientific Q Exactive質量分析計を使用して高分解能精密質量LC-MSを介して達成される。
【0084】
健康なヒトボランティアにおける空腹時オキシントモジュリンレベルは、用いられる収集方法に応じて、7~11ng/Lの範囲であることが見出され、摂食の10分以内に上昇し、収集された最新時点で23~33ng/Lの範囲のレベルに達する。これらの結果は、後述するIA-LC-MSアッセイを使用して、及びLee et al.(Lee AY,et al.,Clin.Chem.2015;62:227-235)のLC-MSアッセイによって得られたものと一致する。
【0085】
実施例4
サンドイッチアッセイ結果のイムノアッセイ-LC-MSアッセイ結果との相関
イムノアッセイの正確度を測定するためのオキシントモジュリン分析参照標準は、現在利用可能ではない。しかしながら、イムノアッセイ-LC-MSは、所定の試料中に存在する目的の分析物の分子形態を特定するという明確な利点を有する(Bouillon R,et al.,Clin.Chem.2016;62:6-8)。
【0086】
サンドイッチイムノアッセイで得られたオキシントモジュリンレベルの相関は、上記のサンドイッチアッセイにおいて用いられた血漿試料の同じセットに対してCox et al.(Cox JM,et al.,Bioanalysis 2016;8:1579-95)のイムノアッセイ-LC-MS方法を使用して得られたもので調査される。サンドイッチアッセイとイムノアッセイ-LC-MS方法との間の相関は、高く(Spearman係数0.9236、P<0.0001)、本発明のサンドイッチイムノアッセイの選択性を確認する。
【0087】
更に、本発明のサンドイッチイムノアッセイは、スケーラビリティ及びハイスループット用途、試料体積及びアッセイ時間の低減を可能にし、イムノアッセイ-LC-MSアッセイの使用に対する、設備及び専門知識への広範囲の投資の必要性を回避する。ヒト試料中のヒトオキシントモジュリンを測定するための本明細書に開示される高感度かつ選択的サンドイッチイムノアッセイの使用は、オキシントモジュリン生物学の改善された理解を促進することもできる。
配列
配列番号1
GYTFTDYAFS
配列番号2
WITTNTGEATYADDFKG
配列番号3
ETEYGDSSWFGH
配列番号4
RASESVDGWGNSFMH
配列番号5
LATYRVA
配列番号6
MQSSEDPYT
配列番号7
QIQLVQSGPELKKPGETVKISCKASGYTFTDYAFSWVKQAPGKGLKWMGWITTNTGEATYADDFKGRFAFSLETSASTAYLQISNLKNEDTATYFCARETEYGDSSWFGHWGQGTLVTVSA
配列番号8
DIVLTQSPASLAVSLGQRATISCRASESVDGWGNSFMHWYQQKPGQPPKLLIYLATYRVAGIPARFSGSGSRTDFTLTINPVEADDVATYYCMQSSEDPYTFGGGTKLEIK
配列番号9
QIQLVQSGPELKKPGETVKISCKASGYTFTDYAFSWVKQAPGKGLKWMGWITTNTGEATYADDFKGRFAFSLETSASTAYLQISNLKNEDTATYFCARETEYGDSSWFGHWGQGTLVTVSAAKTTAPSVYPLAPVCGDTTGSSVTLGCLVKGYFPEPVTLTWNSGSLSSGVHTFPAVLQSDLYTLSSSVTVTSSTWPSQSITCNVAHPASSTKVDKKIEPRGPTIKPCPPCKCPAPNLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPIVTCVVVDVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYNSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPAPIERTISKPKGSVRAPQVYVLPPPEEEMTKKQVTLTCMVTDFMPEDIYVEWTNNGKTELNYKNTEPVLDSDGSYFMYSKLRVEKKNWVERNSYSCSVVHEGLHNHHTTKSFSRTPGK
配列番号10
DIVLTQSPASLAVSLGQRATISCRASESVDGWGNSFMHWYQQKPGQPPKLLIYLATYRVAGIPARFSGSGSRTDFTLTINPVEADDVATYYCMQSSEDPYTFGGGTKLEIKRADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPKDINVKWKIDGSERQNGVLNSWTDQDSKDSTYSMSSTLTLTKDEYERHNSYTCEATHKTSTSPIVKSFNRNEC
配列番号11
cagatccagttggtacagtctggacctgagctgaagaagcctggagagacagtcaagatctcctgcaaggcttctgggtataccttcacagactatgcatttagctgggtgaaacaggctccaggaaagggtttaaagtggatgggctggataaccactaacactggagaagccacatatgctgatgacttcaagggacggtttgccttctctttggaaacctctgccagcactgcctatttgcagatcagcaacctcaaaaatgaggacacggctacatatttctgtgcaagagagacggaatacggtgatagctcctggtttgggcactggggccaagggactctggtcactgtctctgcagctaaaacaacagccccatcggtctatccgctagcccctgtgtgtggagatacaactggctcctcggtgactctaggatgcctggtcaagggttatttccctgagccagtgaccttgacctggaactctggcagcctgtccagtggtgtgcacaccttcccagctgtcctgcagtctgacctctacaccctcagcagctcagtgactgtaacgtcgagcacctggcccagccagtccatcacctgcaatgtggcccacccggcaagcagcaccaaggtggacaagaaaattgagcccagagggcccacaatcaagccctgtcctccatgcaaatgcccagcacctaacctcttgggtggaccatccgtcttcatcttccctccaaagatcaaggatgtactcatgatctccctgagccccatagtcacatgtgtggtggtggatgtgagcgaggatgacccagatgtccagatcagctggtttgtgaacaacgtggaagtacacacagctcagacacaaacccatagagaggattacaacagtactctccgggtggtcagtgccctccccatccagcaccaggactggatgagtggcaaggagttcaaatgcaaggtcaacaacaaagacctcccagcgcccatcgagagaaccatctcaaaacccaaagggtcagtaagagctccacaggtatatgtcttgcctccaccagaagaagagatgactaagaaacaggtcactctgacctgcatggtcacagacttcatgcctgaagacatttacgtggagtggaccaacaacgggaaaacagagctaaactacaagaacactgaaccagtcctggactctgatggttcttacttcatgtacagcaagctgagagtggaaaagaagaactgggtggaaagaaatagctactcctgttcagtggtccacgagggtctgcacaatcaccacacgactaagagcttctcccggactccgggtaaa
配列番号12
gacattgtgctgacccaatctccagcttctttggccgtgtctctagggcagagggccaccatatcctgcagagccagtgaaagtgttgatggatggggcaatagtttcatgcactggtaccagcagaaaccaggacagccacccaaactcctcatctatctcgctacctatcgcgtagctgggatccctgccaggttcagtggcagtgggtctaggacagacttcaccctcaccattaatcctgtggaggctgatgatgttgcaacctattattgtatgcagagtagtgaagatccgtacacgttcggaggggggaccaagctggaaataaaacgggctgatgcggcgcccactgtatccatcttcccaccatccagtgagcagttaacatctggaggtgctagcgtcgtgtgcttcttgaacaacttctaccccaaagacatcaatgtcaagtggaagattgatggcagtgaacgacaaaatggcgtcctgaacagttggactgatcaggacagcaaagacagcacctacagcatgagcagcaccctcacgttgaccaaggacgagtatgaacgacataacagctatacctgtgaggccactcacaagacatcaacttcacccattgtcaagagcttcaacaggaatgagtgt
配列番号13
GYNFTNYWLH
配列番号14
ELDPEYGFANYNQKFKG
配列番号15
GFMDY
配列番号16
RSSRSLLDPDGKTYLN
配列番号17
LVSKLDS
配列番号18
WQGTHLPVT
配列番号19
QVQVQQSGAELVMPGTSVKLSCKASGYNFTNYWLHWVKQRPGQGLEWIGELDPEYGFANYNQKFKGKATLTVDKSSSTAYMQLSSLTSEDSAVYYCSAGFMDYWGQGTSVTVSS
配列番号20
DVVMTQTPLTLSVNIGQPASISCRSSRSLLDPDGKTYLNWLLQRPGQSPKRLIYLVSKLDSRVPDRFTGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYYCWQGTHLPVTFGGGTKLEIK
配列番号21
QVQVQQSGAELVMPGTSVKLSCKASGYNFTNYWLHWVKQRPGQGLEWIGELDPEYGFANYNQKFKGKATLTVDKSSSTAYMQLSSLTSEDSAVYYCSAGFMDYWGQGTSVTVSSAKTTAPSVYPLAPVCGDTTGSSVTLGCLVKGYFPEPVTLTWNSGSLSSGVHTFPAVLQSDLYTLSSSVTVTSSTWPSQSITCNVAHPASSTKVDKKIEPRGPTIKPCPPCKCPAPNLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPIVTCVVVDVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYNSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPAPIERTISKPKGSVRAPQVYVLPPPEEEMTKKQVTLTCMVTDFMPEDIYVEWTNNGKTELNYKNTEPVLDSDGSYFMYSKLRVEKKNWVERNSYSCSVVHEGLHNHHTTKSFSRTPGK
配列番号22
DVVMTQTPLTLSVNIGQPASISCRSSRSLLDPDGKTYLNWLLQRPGQSPKRLIYLVSKLDSRVPDRFTGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYYCWQGTHLPVTFGGGTKLEIKRADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPKDINVKWKIDGSERQNGVLNSWTDQDSKDSTYSMSSTLTLTKDEYERHNSYTCEATHKTSTSPIVKSFNRNEC
配列番号23
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配列番号24
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配列番号25
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配列番号26
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配列番号27
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配列番号28
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配列番号29
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配列番号30
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配列番号31
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配列番号32
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配列番号33
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配列番号34
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配列番号35
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配列番号36
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【配列表】
【国際調査報告】