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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】エアロゾル発生デバイス
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/465 20200101AFI20240123BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20240123BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544716
(86)(22)【出願日】2022-01-26
(85)【翻訳文提出日】2023-07-25
(86)【国際出願番号】 EP2022051758
(87)【国際公開番号】W WO2022167286
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】21154826.8
(32)【優先日】2021-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100210398
【弁理士】
【氏名又は名称】横尾 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ハイマ,ヘルマン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB22
4B162AC12
4B162AC22
4B162AC41
(57)【要約】
エアロゾル発生デバイス用の加熱装置は、エアロゾル発生基材(100)を受け入れるための加熱チャンバ(218)と、第1のリング(244)及び第2のリング(246)並びに第1のリングと第2のリングとの間に保持される複数のサセプタ(248)を含むサセプタアセンブリと、を含む。各サセプタは、第1のリングから第2のリングまで延びる。サセプタアセンブリは、エアロゾル発生基材が第1のリングを通過することを可能にするように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生基材を受け入れるための加熱チャンバと、
前記加熱チャンバ内に位置するように構成され、第1のリング及び第2のリングを含み、前記第1のリングと前記第2のリングとの間に複数のサセプタが保持され、前記複数のサセプタのうちの各サセプタが前記第1のリングから前記第2のリングまで延び、前記エアロゾル発生基材が前記第1のリングを通過することを可能にするように構成される、サセプタアセンブリと、
を備える、
エアロゾル発生デバイス用の加熱装置。
【請求項2】
前記サセプタアセンブリが、前記加熱チャンバから着脱可能であるように構成される、
請求項1に記載の加熱装置。
【請求項3】
前記第1のリング及び/又は前記第2のリングの外側面が、前記加熱チャンバの内側面に対して作用する摩擦力をもたらすように構成される、
請求項2に記載の加熱装置。
【請求項4】
前記サセプタアセンブリが、受け入れられたエアロゾル発生基材が前記第2のリングを越えて通過することを妨げるように構成される、
請求項1~3のいずれか一項に記載の加熱装置。
【請求項5】
前記エアロゾル発生基材が前記加熱チャンバ内に受け入れられた後で、前記第1のリング及び/又は前記第2のリングが、空気が前記第1のリング及び/又は前記第2のリングを通過するか又は周囲を通過することを可能にするように構成される、
請求項1~4のいずれか1項に記載の加熱装置。
【請求項6】
前記複数のサセプタの各端部が、前記第1のリング及び/又は前記第2のリングのそれぞれに配置される、
請求項1~5のいずれか1項に記載の加熱装置。
【請求項7】
各サセプタの第1の端部が、前記第2のリングに配置され、
前記第2のリングに保持された前記複数のサセプタの少なくとも1つの前記第1の端部の一部が、前記サセプタアセンブリが前記加熱チャンバから除去される方向に略垂直である、
請求項2または3に記載の加熱装置。
【請求項8】
前記加熱チャンバ、前記第1のリング、及び/又は前記第2のリングの少なくとも1つが、実質的に非導電性且つ非磁性の透過性材料を含む、
請求項1~7のいずれか1項に記載の加熱装置。
【請求項9】
少なくとも1つのサセプタが、前記加熱チャンバの断面積の減少をもたらすように、前記加熱チャンバの中心軸に向かって延びる、前記第1のリングと前記第2のリングとの間に位置する、内部拡張部分を含む、
請求項1~8のいずれか1項に記載の加熱装置。
【請求項10】
前記サセプタのそれぞれが、前記第1のリングと前記第2のリングとの間の加熱チャンバ内壁から離隔される、
請求項1~9のいずれか1項に記載の加熱装置。
【請求項11】
前記サセプタのそれぞれが、少なくとも1つの縁に沿って加熱チャンバ内壁に接触する、
請求項1~10のいずれか1項に記載の加熱装置。
【請求項12】
前記サセプタのそれぞれが、少なくとも2つの縁に沿って加熱チャンバ内壁に接触するが、前記2つの縁の間の前記加熱チャンバ壁から離隔されている、
請求項1~11のいずれか1項に記載の加熱装置。
【請求項13】
前記サセプタのそれぞれが、加熱チャンバ内壁との接触を最小化し、且つ構造的剛性を改善するように凸断面形状を有する、
請求項1~12のいずれか1項に記載の加熱装置。
【請求項14】
前記加熱チャンバが、電磁場発生器の誘導加熱コイルを支持するように構成されるチャンバ壁を含む、
請求項1~13のいずれか1項に記載の加熱装置。
【請求項15】
エアロゾル発生基材と、
電磁場発生器と、
請求項1~13のいずれか1項に記載の加熱装置と
を備える、
エアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生デバイスに関する。そのようなデバイスは、エアロゾル発生基材、例えばタバコ又は他の適当な材料を、燃焼させるのではなく、伝導、規定、及び/又は放射によって加熱して、ユーザが吸入するためのエアロゾルを発生させる。本開示は、特に、エアロゾル発生デバイス用の加熱装置に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
近年、(エアロゾル発生デバイス又は蒸気発生デバイスとしても知られる)リスク低減デバイス又はリスク修正デバイスの人気及び使用が、従来のタバコ製品の使用に代わるものとして、急速に成長してきた。エアロゾル発生物質を加熱又は加温してユーザが吸入するためのエアロゾルを発生させる、様々なデバイス及びシステムが入手可能である。
【0003】
一般に入手可能なリスク低減デバイス又はリスク修正デバイスは、基材加熱式エアロゾル発生デバイス又はいわゆる加熱非燃焼式デバイスである。このタイプのデバイスは、エアロゾル発生基材を典型的には150℃~300℃の範囲の温度に加熱することにより、エアロゾル又は蒸気を発生させる。エアロゾル発生基材を燃焼させるか又は燃やすことなく、エアロゾル発生基材をこの範囲内の温度に加熱すると、蒸気が発生し、蒸気は、典型的には冷却及び凝縮されて、デバイスのユーザが吸入するためのエアロゾルが形成される。
【0004】
現在利用可能なエアロゾル発生デバイスは、いくつかの異なる手法のうちの1つを使用して、エアロゾル発生基材に熱を与えることができる。そのような手法の1つは、誘導加熱システムを採用するエアロゾル発生デバイスを提供することである。そのようなデバイスでは、誘導コイルがデバイスに設けられ、誘導加熱可能サセプタが、エアロゾル発生基材を加熱するために設けられる。ユーザがデバイスを作動させると、電気エネルギーが誘導コイルに供給され、続いてこれにより交流電磁場が発生する。サセプタがこの電磁場と結合して熱を発生させ、この熱は、例えば伝導によってエアロゾル発生基材に伝達され、エアロゾル発生基材が加熱されると、エアロゾルが発生する。
【0005】
本発明の目的は、より多用途のエアロゾル発生デバイスを提供することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、エアロゾル発生デバイス用の加熱装置であって、エアロゾル発生基材を受け入れるための加熱チャンバと、加熱チャンバ内に位置するように構成されたサセプタアセンブリであって、サセプタアセンブリが、第1のリング及び第2のリングを含み、複数のサセプタが、第1のリングと第2のリングとの間に保持され、複数のサセプタのうちの各サセプタが、第1のリングから第2のリングまで延び、サセプタアセンブリが、エアロゾル発生基材が第1のリングを通過することを可能にするように構成される、サセプタアセンブリと、を含む、加熱装置が提供される。
【0007】
このようにして、サセプタのそれぞれを一体構造として2つのリング間に個々に確実に保持することができ、それによって、サセプタアセンブリ/加熱コンポーネントの容易な製造及び加熱装置の加熱チャンバ内への導入が可能となる。言い換えると、各サセプタは、第1のリング及び第2のリングから延び、且つその間に延びるサセプタ分枝と考えられ得る。したがって、2つのリングの間に個々のサセプタを保持することによって、個々のサセプタのそれぞれに構造的支持及び完全性がもたらされる。リング間に複数のサセプタを保持することによって、また、各サセプタの全長が加熱チャンバ壁と接触することを最小化し、又は妨げることができ、それによって、サセプタによって発生した熱が加熱チャンバ壁及び/又は基部にあまり容易に伝達されない。これによって、受け入れられたエアロゾル発生基材により多くの発生した熱を送達することによりデバイスの加熱効率が改善される。サセプタを加熱チャンバ壁から離れて位置付けることによって、加熱チャンバ内への気流及び発生したエアロゾルのユーザへの送達も改善され得る。
【0008】
複数のサセプタを使用することによって、また、挿入されたエアロゾル発生基材/消耗品への各サセプタからの熱分布が最適化される。例えば、各サセプタは、熱を発生させ、例えば円筒又は固体内部ロッド型サセプタよりも急速に所望の温度に到達し、したがって発生した熱をより効率的な方法で消耗品に伝達する。
【0009】
エアロゾル発生基材は、典型的には、ユーザによって加熱チャンバ内に挿入される消耗品であり、加熱チャンバでは、使用中にデバイスによって消耗品が加熱されて、エアロゾルを発生させる。消耗品が枯渇し、又は使用された後、消耗品は、加熱チャンバから除去され、処分される。本加熱装置及びエアロゾル発生デバイスのための適当なエアロゾル発生基材又は消耗品が、当業者には明らかとなる。
【0010】
好ましくは、サセプタアセンブリは、加熱チャンバから着脱可能であるように構成される。好ましくは、第1のリング及び/又は第2のリングの外側面は、加熱チャンバの内側面に対して作用する摩擦力をもたらすように構成される。このようにして、サセプタアセンブリは、使用するために加熱チャンバ内に有効に維持されてもよく、また、クリーニング/交換のためにサセプタアセンブリの簡単な除去を可能にしてもよい。サセプタアセンブリの除去によって、ユーザが使用後にサセプタアセンブリ及びチャンバを効果的にクリーニングすること、並びに異なるサセプタアセンブリ構成(例えば、異なる数、又は異なる形状のサセプタを有するアセンブリ)を同じエアロゾル発生デバイスと交換することが可能となる。アセンブリの除去がより容易であるように、即ち、第2のリングと加熱チャンバ内壁/面との間にもたらされる摩擦力が小さくなるか又はなくなるように、第2のリングの断面積は、第1のリングの断面積より小さくてもよい。
【0011】
好ましくは、サセプタアセンブリは、受け入れられたエアロゾル発生基材が第2のリングを越えて通過することを妨げるように構成される。このようにして、加熱チャンバの閉端部とエアロゾル発生基材の挿入側端部との間に間隙がもたらされ、それによって、ユーザによる吸入時に、空気がエアロゾル発生基材の外側面に沿ってチャンバ内に流れ、発生した蒸気と共にエアロゾル発生基材内に吸い込まれ且つユーザの口の方へ吸い出されることが可能となる。第2のリングの開口部の断面積は、エアロゾル発生基材の断面積よりも小さくてもよい。代替として、第2のリングは、エアロゾル発生基材が通過することを妨げるように、開口部にまたがる突起又は十字構造を含んでもよい。第2のリングは、外側の円形形状又は多角形形状を含み得る。
【0012】
好ましくは、エアロゾル発生基材が加熱チャンバ内に受け入れられた後で、空気が第1のリング及び/又は第2のリングが、第1のリング及び/又は第2のリングを通過するか又は周囲を通過することを可能にするように構成される。このようにして、加熱チャンバ内の気流が、より良好に制御される。エアロゾル発生基材の加熱チャンバ/サセプタアセンブリ構成内への挿入によって、空気がエアロゾル発生基材の外側面の周囲のチャンバ内に流れることが可能となり、空気を基材の遠位端部/挿入側端部を経て上方へ且つエアロゾル発生基材の中へ向けてもよい。第1のリング及び/又は第2のリングは、空気がリングの本体を通過することを可能にする通気ゲート又は開口部を含み得る。代替として、第1のリング及び/又は第2のリングは、空気がリングの外縁の周囲を通過することを可能にするように、成形され得る。例えば、リングは、加熱チャンバの円形内部周辺部に適合する、6角形の外側周辺部を有してもよい。
【0013】
好ましくは、複数のサセプタの各端部は、第1のリング及び/又は第2のリングのそれぞれに配置される。このようにして、サセプタアセンブリの簡単な構成が提供される。第1のリング及び/又は第2のリングは、複数のサセプタのそれぞれの端部上にオーバモールドされ得る。代替として、リングは、サセプタ端が挿入/適合される、それぞれのスロットを含み得る。
【0014】
好ましくは、各サセプタの第1の端部が、第2のリングに配置され、第2のリングに保持された複数のサセプタの少なくとも1つの第1の端部の一部が、サセプタアセンブリが加熱チャンバから除去される方向に略垂直である。このようにして、一体型サセプタアセンブリの効果的な除去が保証されるように、第2のリングは複数のサセプタにより確実に固定される。サセプタの端部は、第2のリングに取り付けられ、若しくは第2のリングに保持される前に曲げられてもよく、又は代替として、製造中に、第2のリングは、(オーバモールドされ、若しくはスロットに入れる/挿入される方式で)最初はサセプタ端から離れて配置されてもよく、サセプタ端は第2のリングの方へ折り畳まれる。
【0015】
好ましくは、加熱チャンバ、第1のリング、及び/又は第2のリングの少なくとも1つが、実質的に非導電性且つ非磁性の透過性材料を含む。このようにして、複数のサセプタによって発生した熱は、加熱チャンバ内により良好に含まれてもよく、受け入れられたエアロゾル発生基材に送達される。実質的に非導電性且つ非磁性の透過性材料は、ポリマー材料であってもよい。加熱チャンバ、第1のリング及び/又は第2のリングは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの耐熱性プラスチック材料を含み得る。加えて、ポリマー材料を含むリングは、サセプタ上に容易に形成され得る。ポリマー材料リングを含むサセプタアセンブリは、また、加熱チャンバ内に容易に押し込まれて、境界面に対する締り嵌め又は密封を確実にし得る。
【0016】
好ましくは、少なくとも1つのサセプタは、加熱チャンバの断面積の減少をもたらすように、加熱チャンバの中心軸に向かって延びる、第1のリングと第2のリングとの間に位置する、内部拡張部分を含む。このようにして、内部拡張サセプタ部は、加熱チャンバに受け入れられたエアロゾル発生基材を押して摩擦嵌めを形成し、基材のグリップ改善をもたらすことができ、それにより、受け入れられた基材がデバイスから抜け落ちるリスクを低下させる。
【0017】
好ましくは、サセプタのそれぞれが、第1のリングと第2のリングとの間の加熱チャンバ内壁から離隔される。このようにして、サセプタによって発生した熱が、受け入れられたエアロゾル発生基材により良好に送達され、加熱チャンバ内壁に失われる熱がより少なくなるため、より効率的な加熱装置が提供される。
【0018】
好ましくは、サセプタのそれぞれが、少なくとも1つの縁に沿って加熱チャンバ内壁に接触する。このようにして、サセプタは、エアロゾル発生基材へのサセプタの接触領域又は熱伝達領域を増大させるように成形され得る。加熱チャンバ壁と接触する縁は、サセプタへの補強(即ち構造的剛性)をもたらしつつ、伝導による熱損失を最小化する。例えば、サセプタは、隆起の頂部がチャンバ内壁の方を向いている隆起断面を有し得る。
【0019】
好ましくは、サセプタのそれぞれが、少なくとも2つの縁に沿って加熱チャンバ内壁に接触するが、2つの縁の間の加熱チャンバ壁から離隔されている。このようにして、サセプタは、挿入されたエアロゾル発生基材とのサセプタの強化された接触領域又は熱伝達領域をもたらすように成形され得る。例えば、サセプタは、隆起の頂部が(エアロゾル発生基材内へ)加熱チャンバの中心線の方を向き、且つ隆起形状の傾斜によって2つの縁が加熱チャンバ壁に接触する、隆起断面を有し得る。この構成は、サセプタへの補強をもたらすと同時に、伝導による熱損失を最小化する。
【0020】
好ましくは、サセプタのそれぞれが、加熱チャンバ内壁との接触を最小化し、且つ構造的剛性を改善するように凸断面形状を有する。このようにして、サセプタのエアロゾル発生基材への熱伝達領域を増加させるように、又は挿入されたエアロゾル発生基材とのサセプタの熱伝達領域の強化をもたらすように、成形され得る。凸断面形状は、サセプタに構造的剛性を与えつつ、伝導による熱損失も最小化する。
【0021】
好ましくは、加熱チャンバは、電磁場発生器の誘導加熱コイルを支持するように構成されたチャンバ壁を含む。チャンバ壁は、電磁場発生器の誘導加熱コイルを支持するために外側面に、又は外側面上に形成され得る、コイル支持構造を含み得る。コイル支持構造は、誘導加熱コイルの取付を容易にし、誘導加熱コイルがサセプタに対して最適に位置することを可能にする。サセプタは、したがって、効率的に加熱され、それにより加熱装置のエネルギー効率を改善する。コイル支持構造の提供によって、加熱装置の製造及び組立ても容易になる。
【0022】
本発明の別の態様によれば、エアロゾル発生システムであって、エアロゾル発生基材、電磁場発生器、及び第1の態様による加熱装置を含む、エアロゾル発生システムが提供される。
【0023】
本発明の実施形態について図面を参照して例として以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1A】本発明の第1の実施形態によるエアロゾル発生システム、本発明による加熱装置を含むエアロゾル発生システム、及び加熱装置内に挿入するためのエアロゾル発生基材の概略断面図である。
図1B】加熱装置内に位置するエアロゾル発生基材を示す、図1Aのエアロゾル発生システムの概略断面図である。
図2A】本発明の第2の実施形態によるサセプタアセンブリの概略図である。
図2B】誘導コイルによって囲まれた本発明の第2の実施形態の加熱装置の概略図である。
図3A】本発明の第3の実施形態による別のサセプタアセンブリの上面図である。
図3B】本発明の第3の実施形態によるサセプタアセンブリの側面図である。
図3C】本発明の第3の実施形態による加熱装置の側面図である。
図3D】エアロゾル発生基材が中に受け入れられた本発明の第3の実施形態によるサセプタアセンブリの別の側面図である。
図4A】本発明の第4の実施形態による別のサセプタアセンブリの側面図である。
図4B】本発明の第4の実施形態のサセプタアセンブリの端面図である。
図4C】エアロゾル発生基材が中に受け入れられた本発明の第4の実施形態のサセプタアセンブリの別の概略端面図である。
図5A】本発明の第5の実施形態によるサセプタ構成の概略図である。
図5B】端部コネクタリングを含む本発明の第5の実施形態のサセプタ構成の別の概略図である。
図5C】エアロゾル発生基材が中に受け入れられた本発明の第5の実施形態のサセプタ構成の別の概略端面図である。
図6A】本発明の第6の実施形態による別のサセプタアセンブリの概略図である。
図6B】本発明の第6の実施形態のサセプタアセンブリの端部コネクタリングの概略図である。
図6C】本発明の第6の実施形態の端部コネクタリングの別の概略図である。
図6D】本発明の第6の実施形態の端部コネクタリングの別の概略図である。
図6E】本発明の第6の実施形態の端部コネクタリングの別の概略図である。
図7】本発明の第7の実施形態によるサセプタアセンブリの別の端部コネクタリングの概略図である。
図8A】本発明の第8の実施形態によるサセプタアセンブリの概略図である。
図8B】本発明の第8の実施形態による加熱装置の概略断面図である。
図8C】本発明の第8の実施形態のサセプタ構成の上部概略図である。
図8D】本発明の第8の実施形態の加熱装置の中間部概略図である。
図8E】本発明の第8の実施形態の加熱装置の端部概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1A及び図1Bは、エアロゾル発生システム1を示し、エアロゾル発生システム1は、エアロゾル発生デバイス10と、デバイス10で使用するためのエアロゾル発生物品100とを示す。エアロゾル発生デバイス10は、エアロゾル発生デバイス10の様々な構成要素を収容する本体12を含む。本体12は、本明細書に提示される様々な実施形態に記載された構成要素に適合し、且つユーザが助けを借りず片手で快適に保持するようなサイズの、任意の形状を有し得る。
【0026】
図1A及び図1Bの下の方に示されるエアロゾル発生デバイス10の第1の端部14は、便宜上遠位として、エアロゾル発生デバイス10の底部、基部、又は下側端部として記載されている。図1a及び図1bの上の方に示されるエアロゾル発生デバイス10の第2の端部16は、近位として、エアロゾル発生デバイス10の上端部又は上側端部として記載されている。使用中、ユーザは、典型的には、エアロゾル発生デバイス10を、第1の端部14を下向きに及び/又はユーザの口に対して遠位位置に、並びに第2の端部16を上向きに及び/又はユーザの口に対して近接位置に向ける。
【0027】
エアロゾル発生デバイス10は、本体12内に位置する加熱チャンバ18を含む。加熱チャンバ18は、エアロゾル発生物品100を受け入れるための略円筒形断面を有するキャビティ20の形態で内部容積を画定する。加熱チャンバ18は、縦方向を定義する縦方向軸を有し、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの耐熱性プラスチック材料から形成される。エアロゾル発生デバイス10は、例えば充電式であり得る1つ又は複数のバッテリなどの電源22と、コントローラ24と、をさらに含む。
【0028】
加熱チャンバ18は、エアロゾル発生デバイス10の第2の端部16に向けて開放されている。言い換えると、加熱チャンバ18は、エアロゾル発生デバイス10の第2の端部16に向かって開放された第1の端部26を有する。加熱チャンバ18は、典型的には、本体12への熱伝達を最小化するために、本体12の内側面から離隔されて保持される。
【0029】
エアロゾル発生デバイス10は、任意選択で、スライドカバー28が加熱チャンバ18の開放した第1の端部26を覆って加熱チャンバ18へのアクセスを妨げる閉位置(図1Aを参照)と、スライドカバー28が加熱チャンバ18の開放した第1の端部26を露出させて加熱チャンバ18へのアクセスを提供する開位置(図1Bを参照)との間で横方向に移動可能なスライドカバー28を含み得る。
【0030】
加熱チャンバ18、及び具体的にはキャビティ20は、対応する形状の略円筒状又はロッド状のエアロゾル発生物品100を受け入れるように配置される。典型的には、エアロゾル発生物品100は、典型的には予め包装されたエアロゾル発生基材102を含む。エアロゾル発生物品100は、例えば、エアロゾル発生基材102としてタバコを含み得る使い捨て且つ交換可能な物品(「消耗品」とも呼ばれる)である。エアロゾル発生物品100は、近位端部104(又は口側端部)と遠位端部106とを有する。エアロゾル発生物品100は、エアロゾル発生基材102の下流側に位置するマウスピースセグメント108をさらに含む。エアロゾル発生基材102及びマウスピースセグメント108は、包材110(例えば、包装紙)内に同軸上に整列して配置され、構成要素を適所に保持してロッド状のエアロゾル発生物品100を形成する。
【0031】
加熱チャンバ18は、加熱チャンバ18の第2の端部34に位置する基部32と開放した第1の端部26との間に延びる側壁(又はチャンバ壁)30を有する。側壁30及び基部32は、互いに接続され、単一部品として一体に形成され得る。図1A及び図1Bにおいて、側壁30は、管状であり、より具体的には円筒状である。他の例では、側壁30は、楕円形又は多角形断面を有する管などの、他の適当な形状を有し得る。側壁30には、また、テーパが付けられていてもよい。
【0032】
加熱チャンバ18の基部32は、閉じられており、例えば密閉されているか、又は気密である。即ち、加熱チャンバ18は、カップ状である。これにより、開放した第1の端部26から引き込まれた空気が第2の端部34から流出することを基部32により防止し、代わりにエアロゾル発生基材102を通してユーザに向かって逆流して案内されることを確実にし得る。これにより、ユーザがエアロゾル発生物品100を加熱チャンバ18内に意図した距離まで挿入し、それ以上挿入しないようにすることも確実にし得る。
【0033】
加熱チャンバ18の側壁30は、内側面36及び外側面38を有する。エアロゾル発生デバイス10は、電磁場を発生させるための電磁場発生器46を含む。電磁場発生器46は、略螺旋状の誘導コイル48を含む。誘導コイル48は、円形断面を有し、略円筒状の加熱チャンバ18の周囲に螺旋状に延びる。誘導コイル48は、電源22及びコントローラ24により励磁され得る。コントローラ24は、電子部品の中でも特に、電源22からの直流を誘導コイル48用の交流高周波電流に変換するように構成されるインバータを含む。
【0034】
加熱チャンバ18の側壁30は、外側面38に形成されたコイル支持構造50を含む。図示された例では、コイル支持構造50は、外側面38の周囲に螺旋状に延びるコイル支持溝52を含む。誘導コイル48は、コイル支持溝52内に位置し、したがってサセプタアセンブリ42に対して確実に且つ最適に位置付けられる。
【0035】
図2図8は、図1A及び図1Bの加熱チャンバ18内に位置付けられるのに適当な本発明の着脱可能サセプタアセンブリの異なる構成を示す。
【0036】
図2Aは、上部コネクタリング244と、下部コネクタリング246と、上部コネクタリングと下部コネクタリングとの間に保持される4つの誘導加熱可能サセプタロッド248A、248B、248C、248Dと、を含むサセプタアセンブリ242の斜視図を示す。サセプタアセンブリ242は、図1の加熱チャンバ18内に位置し得る。上部コネクタリング244は、下部コネクタリング246よりも大きな直径を有する。上部リング244は、エアロゾル発生物品100が中心孔250を通過することを可能にするように構成される中心孔250を有し、下部リング246は、図2Bに示されるように、挿入されたエアロゾル発生物品100が下部リング246を超えて通過することを妨げる中心孔252を有する。サセプタロッド248は、したがって、サセプタ248が中心軸に向かって上部リング244から下部リング246へ延びるように、サセプタアセンブリ242の中心縦軸に対して角度が付けられている。
【0037】
図2Bは、加熱チャンバ218に設けられたサセプタアセンブリ242の斜視図を示す。上部コネクタリング244は、その開口部において加熱チャンバ壁218に対置するように構成された、リップを含む。誘導コイル254は、加熱チャンバ218の外側の周囲に螺旋状に延びるように配置される。エアロゾル発生物品100は、上部リング244を経て加熱チャンバ218及びサセプタアセンブリ242に挿入されて、サセプタロッド248によって加熱される。サセプタアセンブリ242の下部リング246は、エアロゾル発生物品100の挿入側端部が下部リング246に当接し、且つ下部リング246を超えて通過することを妨げられるように、成形される。サセプタロッド248が、加熱チャンバ218の側壁から離れて延びて、上部リング244から下部リング246へと動くことが、図2Bにおいて分かる。
【0038】
図3A図3Dは、本発明の別の実施形態によるサセプタアセンブリ342の様々な図を示す。図3A及び図3Bはそれぞれ、サセプタアセンブリ342の上面図及び側面図を示し、図3Cは、加熱チャンバ318内に設けられたサセプタアセンブリ342を含む加熱装置の側面図を示し、図3Dは、エアロゾル発生基材がアセンブリ内に受け入れられた、サセプタアセンブリ342の斜視図を示す。
【0039】
サセプタアセンブリ342は、上部コネクタリング344と、下部コネクタリング346と、上部リングと下部リングとの間に保持された4つの誘導加熱可能サセプタ分枝348A、348B、348C、348Dと、を含む。分枝348A、348B、348C、348Dは、2つの分枝348A/348C及び348B/348Dがリングの反対側で互いに対向するように、均等に離隔され、且つリングの周囲に円周方向に離隔される。
【0040】
上部コネクタリング344及び下部コネクタリング346は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの実質的に非導電性且つ非磁性で透過性である高分子材料からできている。サセプタアセンブリ342が加熱チャンバ318内に押し込まれると、上部リング344は、加熱チャンバ318の側壁と上部リング344の外周全体の周囲に摩擦嵌めをもたらす。上部リング244によってエアロゾル発生物品100が上部リング344の中心孔を通過することが可能となるように、上部コネクタリング344は、下部コネクタリング346よりも大きな直径を有し、図3Dに示されるように、下部リング246は、挿入されたエアロゾル発生物品100が下部リング246を超えて通過することを妨げる。
【0041】
サセプタアセンブリ342は、上部リング344を引っ張ることによって加熱チャンバ318から容易に除去され得る。使用中、エアロゾル発生物品100は、外側リング254の中心開口部を通って加熱チャンバ218内に挿入される。上部リング344及び下部リング346は、通気ゲート(図示せず)を含み、それによって、エアロゾル発生物品100がサセプタアセンブリ342内にあってユーザが吸入するとき、空気は、挿入されたエアロゾル発生物品100の外側面に沿って、通気ゲートを通過し、エアロゾル発生物品の挿入側端部を経てエアロゾル発生物品を通って戻る。
【0042】
サセプタ分枝348A、348B、348C、348Dのそれぞれが、上部ブラケット350と、中央幹部352と、羽根部354と、を含む。各分枝の上部ブラケット350は、上部コネクタリング344内に保持される。各上部ブラケット350は、上部ブラケット350と上部リング344との機械的接合を増強する穴356を含み、そこで、形成工程中に上部リング344の材料が穴356を通って流れ、凝固する。
【0043】
各中央幹部352は、上部ブラケット350(及び上部リング344)から延び、下部コネクタリング346に埋め込まれている。幹352の一部は、上部コネクタリング344から離れて延びる方向に沿って、サセプタアセンブリ342の中心縦軸の方へ向かって内側に角度が付けられて、より小さな直径の下部コネクタリング346にサセプタ分枝の幹を繋げる。中央幹352は、上部コネクタリングと下部コネクタリングとの間の、その露出した長さに沿って湾曲した形状を有し、それは、分枝348に構造的剛性をもたらす補強シャフトとして機能する。幹352の溝形状は、サセプタアセンブリ342の中心に向かって内側に向いており、エアロゾル発生物品の側面をより深く押し込むことによって、受け入れられたエアロゾル発生物品へ一片の強化した接触をもたらす。
【0044】
各分枝348の羽根部354は、羽根354が幹352の両方の側面から放射状に延びるように、中央幹352に沿って配置される。羽根354は、中央幹352が羽根354の丸端部を通過する、ピル/カプセル形状、即ち長円形状を有する。各羽根354は、また、カプセルの一部のようなカップ型形状を形成するように湾曲している。羽根354の曲率は、羽根354の内側面が受け入れられたエアロゾル発生物品に接触しカップ状になるように、選択される。
【0045】
図3Cにおいて見られるように、サセプタアセンブリ342は、上部コネクタリング344が加熱チャンバ318の開口端326に配置され、且つ分枝348A、348B、348C、348Dが開口端326から離れて加熱チャンバ318の基部332の方へ延びるように、加熱チャンバ318内に位置する。言い換えると、サセプタ分枝348A、348B、348C、348Dは、加熱チャンバ318の縦方向に細長くなっている。下部コネクタリング346は、加熱チャンバ318の基部332の方に配置されている。加熱チャンバ318の基部332は、基部332の中央に、加熱チャンバ318内へ内側に延びる突起320を含む。突起320は、下部コネクタリング346及び/又はチャンバ318内に受け入れられたエアロゾル発生基材/物品100に対する挿入限界として機能し、物品100の遠位端部106と主要基部壁332との間に間隙322を設けて、加熱チャンバ318内へ引き込まれた空気が、物品100の外側面に沿って基部332の方へ移動して、エアロゾル発生物品100の遠位端部106を経て物品100を通って上に戻ることを可能にする。
【0046】
図4A図4Cは、本発明の別の実施形態によるサセプタアセンブリ442の様々な図を示す。図4Aは、サセプタアセンブリ442の側面図を示し、図4Bは、サセプタアセンブリ442の下端部の斜視図を示し、図4Cは、エアロゾル発生物品がアセンブリ内に位置するサセプタアセンブリ442の下端部の側面図を示す。
【0047】
図4のサセプタアセンブリ442の構造は、図3に関連して説明した実施形態に類似する。サセプタアセンブリ442は、上部コネクタリング444と、下部コネクタリング446と、2つのリング間に保持されるサセプタ分枝448A、448B、448C、448Dと、を含む。各サセプタ分枝448は、幹部452及び羽根部454を含む。
【0048】
図4B及び図4Cにおいてより明確に分かるように、下部コネクタリング446は、4つの突起458A、458B、458C、458D、即ち上部コネクタリング444に対向する下部リング446の主要面上に配置された山を有する、薄いリング形状456を有する。分枝448A、448B、448C、448Dの幹452が、下部リング446の外縁の方に対応する突起458A、458B、458C、458Dに保持され、突起458A、458B、458C、458Dの残りの上面が、(図4Cに示されるように)エアロゾル発生物品100の挿入側端部が当接する挿入限界を形成する。下部コネクタリング446の中心孔460がエアロゾル発生物品100の直径よりも小さい直径を有して、エアロゾル発生物品100が突起458A、458B、458C、458Dに当接し、下部コネクタリング446を超えて通過しないことを保証することを理解されたい。
【0049】
突起458A、458B、458C、458Dは、また、通気ゲート462、即ち空気がエアロゾル発生物品の外側面から放射状に通過してエアロゾル発生物品100の遠位端部106の中心面内に入ることを可能にする間隙を設ける。これは、サセプタアセンブリ442が、平坦な底壁を有する加熱チャンバ内に設けられ、エアロゾル発生物品の挿入側端部へ空気が自由に流れることを可能にし得ることを意味する。
【0050】
図5A図5Cは、本発明の別の実施形態によるサセプタ構成542の様々な図を示す。図5Aは、3つのサセプタ分枝548A、548B、548Cの構成を示し、図5Bは、下部コネクタリング546を有するサセプタ構成542を示し、図5Cは、下部コネクタリング546を有するサセプタ構成542及びサセプタ分枝内に受け入れられたエアロゾル発生物品を示す。
【0051】
サセプタ分枝548A、548B、548Cは、主要な内部拡張部分550、即ち、例えばエアロゾル発生物品/基材を圧縮するように、その側壁から加熱チャンバの中心内へ延びる、羽根部を有する。内部拡張部分550は、エアロゾル発生基材との摩擦嵌めを形成し、加熱チャンバの断面積を減少させ、それにより使用中に加熱チャンバに位置するエアロゾル発生基材を圧縮する。エアロゾル発生基材を圧縮することによって、より効率的にエアロゾル発生基材に熱を伝達させることができ、より急速な加熱を実現することができると同時に、エネルギー効率を最大化する。
【0052】
サセプタ分枝548A、548B、548Cの上端部552A、552B、552C及び下端部554A、554B、554Cは、リングがサセプタ分枝端部上にオーバモールドされる前に、サセプタ分枝548A、548B、548Cがそれぞれのリングの主要面に垂直に配置されるように、折り曲げられ/折り畳まれている。サセプタ分枝の端部も加熱チャンバ内へのサセプタアセンブリ542の挿入/抽出方向に垂直に配置され、それによって、抽出中のコネクタリングからのサセプタ分枝の脱離のリスクが低下することを理解されたい。各サセプタ分枝548A、548B、548Cは、また、分枝の幅にわたる放射状の溝556を含み、それによってさらに安定化し、分枝に構造的剛性がもたらされる。
【0053】
図6A図6Eは、本発明の別の実施形態によるサセプタアセンブリ642の様々な図を示す。図6Aは、上部コネクタリング644、下部コネクタリング646、及び3つのサセプタ分枝648A、648B、648Cを有するサセプタアセンブリ642の斜視図を示す。図6Bは、分離した下部コネクタリング646を示し、図6C図6D、及び図6Eは、サセプタ分枝がどのようにスロットに入り、下部コネクタリング646の周囲に折り畳まれるかを示す。
【0054】
図6のサセプタアセンブリ642の構造は、図5に関連して説明した実施形態に類似し、図6においてサセプタ分枝648A、648B、648Cのそれぞれが、主要な内部拡張部分650、即ち側壁から加熱チャンバ内に延びる羽根部を有する。
【0055】
下部コネクタリング646は、切頂三角形のような多角形状を有する。下部コネクタリング646の直線状側面は、サセプタアセンブリ642の外縁及び下部コネクタリング646の周囲で加熱チャンバの基部へ空気が容易に流れ得ることを意味する。
【0056】
下部コネクタリング646は、図6Cに示されるようにサセプタ分枝648A、648B、648Cの端部が通過するためのスロット650を有する積層構造を有する。スロット650を通過した後、サセプタ分枝の端部は、サセプタ分枝を下部リング646に固定するために、図6Dのように内側に、又は図6Eのように外側に折り畳まれ得る。
【0057】
図7は、別の多角形下部コネクタリング746の斜視図を示す。下部コネクタリング746は、上位層750、中間層752、及び下位層754を含む。中間層752は、サセプタ分枝748が通過するためのスロット756を有する。下部リングの上位層750は、放射状の通気ゲート758を含み、通気ゲート758は、エアロゾル発生物品の挿入側端部と下部リング746との間に気流ギャップを作り出す。下部リング746の下位層754は、また、放射状の通気ゲート760を含み、通気ゲート760は、下部リング746と加熱チャンバの底壁との間に気流ギャップを作り出す。放射状の通気ゲート758、760は、したがって、加熱チャンバ-サセプタアセンブリ構成における気流を最適化し得る。
【0058】
図8A図8Eは、本発明の別の実施形態によるサセプタアセンブリ842の様々な図を示す。図8Aは、サセプタアセンブリ842の斜視図を示し、図8Bは、縦方向に断面にされた加熱チャンバ818内の部分サセプタアセンブリ842を示し、図8C図8D、及び図8Eはそれぞれ、加熱チャンバの長さに沿った加熱チャンバ818内のサセプタアセンブリ842の上部断面図、中間断面図、及び下部断面図を示す。
【0059】
図8のサセプタアセンブリ842の構造は、図5及び図7に関連して説明された実施形態に類似し、図8においてサセプタ分枝848A、848B、848Cのそれぞれが、主要な内部拡張部分850、即ち側壁から加熱チャンバ内に延びる羽根部を有する。下部コネクタリング846は、図7に関連して説明されるように、通気された多角形下部コネクタリングに類似する。
【0060】
各サセプタ分枝848A、848B、848Cは、その全長にわたって折り畳まれ又は曲げられて隆起852を形成し、隆起852において、隆起の頂部が加熱チャンバ818の中心の方へ内側に向き、折り畳まれたサセプタ分枝848の縁854は、加熱チャンバ818の側壁と最小限の接触を有し、挿入されたエアロゾル発生物品によってサセプタ分枝848が加熱チャンバ壁の方へ外側に曲がる。サセプタ分枝の折り畳み形状は、追加の構造的剛性をもたらし、縁854と加熱チャンバとの接触が最小限になり、伝導による熱損失が減少する。図8C~8Eにおいて見られるように、上部コネクタリングと下部コネクタリングとの間にサセプタ分枝848を保持することによって、サセプタ分枝は加熱チャンバ818の壁から離れ、それによって加熱チャンバ内の気流が改善され、加熱効率が改善される。
【0061】
本明細書において別途記載のない限り又は文脈に明らかに矛盾しない限り、全ての可能な変形形態における上述した特徴の任意の組み合わせは、本開示によって包含されることを理解されたい。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
【国際調査報告】