(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】口腔スキャナ
(51)【国際特許分類】
A61B 1/24 20060101AFI20240123BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
A61B1/24
A61B1/00 522
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545217
(86)(22)【出願日】2021-12-09
(85)【翻訳文提出日】2023-07-25
(86)【国際出願番号】 KR2021018685
(87)【国際公開番号】W WO2022164013
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】10-2021-0014118
(32)【優先日】2021-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523281825
【氏名又は名称】アルクリエル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ソン ヒョン
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA08
4C161BB06
4C161CC06
4C161FF40
4C161JJ06
(57)【要約】
【課題】本開示は口腔スキャナに関する。
【解決手段】本開示の一実施例に係る口腔スキャナは、一端に開口部が形成されたケース、ケースの他端に配置され開口部に向かって光を照射する光源部、開口部に配置され、光源部から照射される光を被写体方向に反射させて被写体から反射する光を光源部方向に反射させる第1光学系、光源部と第1光学系の間に配置され第1光学系から反射した光を反射させる第2光学系、および第2光学系から反射した光を検出するイメージセンサ部を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔スキャナであって、
一端に開口部が形成されたケース;
前記ケースの他端に配置され、前記開口部に向かって光を照射する光源部;
前記開口部に配置され、前記光源部から照射される光を被写体方向に反射させ、前記被写体から反射する光を光源部方向に反射させる第1光学系;
前記光源部と前記第1光学系の間に配置され、前記第1光学系から反射した光を反射させる第2光学系;および
前記第2光学系から反射した光を検出するイメージセンサ部を含む、口腔スキャナ。
【請求項2】
前記第2光学系の中心部には隙間が形成され、前記光源部から照射された光が前記隙間を通過して前記第1光学系に到達するように構成される、請求項1に記載の口腔スキャナ。
【請求項3】
前記第2光学系は、
前記第1光学系から反射した光を反射するように構成される第1反射部;および
前記第1反射部によって反射した光をイメージセンサ部方向に反射するように構成される第2反射部を含む、請求項1に記載の口腔スキャナ。
【請求項4】
前記第1反射部は、それぞれの無限平面間の二面角が劣角をなすように構成される2つの反射面を含み、
前記第2反射部は、それぞれの無限平面間の二面角が優角をなすように構成される2つの反射面を含む、請求項3に記載の口腔スキャナ。
【請求項5】
前記第2反射部の2つの反射面それぞれの位置および方向は、前記第2反射部の2つの反射面によってそれぞれ反射して前記イメージセンサ部により検出される前記被写体の2つの像(image)が重ならないように設定される、請求項4に記載の口腔スキャナ。
【請求項6】
前記第2光学系は第1プリズムおよび第2プリズムを含み、
前記光源部から照射される光は前記第1プリズムと前記第2プリズムの間に形成された隙間を通過して前記第1光学系に到達するように構成され、
前記第1光学系によって反射する光は前記第1プリズムの相互に対向する一対の反射面および前記第2プリズムの相互に対向する一対の反射面によって反射して前記イメージセンサ部に到達するように構成される、請求項1に記載の口腔スキャナ。
【請求項7】
前記第1プリズムの一側反射面の無限平面と前記第2プリズムの一側反射面の無限平面間の二面角は劣角をなし、前記第1プリズムの他側反射面の無限平面と前記第2プリズムの他側反射面の無限平面間の二面角は優角をなすように構成される、請求項6に記載の口腔スキャナ。
【請求項8】
前記第1プリズムの他側反射面と前記第2プリズムの他側反射面それぞれの位置および方向は、前記2つの他側反射面によってそれぞれ反射して前記イメージセンサ部により検出される前記被写体の2つの像が重ならないように設定される、請求項7に記載の口腔スキャナ。
【請求項9】
前記光源部はパターン光または構造光を照射するように構成される、請求項1に記載の口腔スキャナ。
【請求項10】
前記イメージセンサ部は、前記第2光学系から反射した光のイメージから2つのステレオイメージを獲得するように構成される、請求項1に記載の口腔スキャナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は口腔スキャナに関し、より詳細には口腔の3次元イメージを獲得するように構成される口腔スキャナに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル印象(digital impression)は今日デジタル化された歯科治療の重要な開始段階に該当する。歯科治療においてデジタル印象の重要性が増加したことにより口腔スキャナ(intraoral scanner)に対する技術発展が活発になされている。
【0003】
口腔スキャナは、歯科患者の口腔内に挿入されて非接触式で歯の3次元的な構造をスキャニングする装置またはシステムである。最近開発された口腔スキャナは、口内の2次元映像データを撮影し、2次元映像データに基づいて口腔構造の三次元モデルリングが可能である。このような機能を有する口腔スキャナは臨床においても適用範囲が拡大されて、歯の修復のための治療だけでなくインプラント、矯正装置の製作にも利用され得る。
【0004】
一方、成功的な歯科治療のためには印象の正確性が重要である。口腔スキャナを通じてのデジタル印象は印象材の収縮や膨張などによる変形がないため、既存の印象材を利用した伝統的な印象に比べて印象の正確度が高い。しかし、口腔スキャナが精巧な歯科施術の道具として継続的に使われるためにはスキャニングの正確性を向上させる必要がある。また、口腔スキャナは歯科患者の口腔内に非接触式で挿入されて使われるため、口腔スキャナの使用中に患者が心安い気持ちを感じることができるようにする構造を有することが好ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書で開示される実施例は、歯科患者の口腔内に非接触式で挿入されて使われるのに適合な構造を有するように複数の光学系を配置した口腔スキャナを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施例に係る口腔スキャナは、一端に開口部が形成されたケース、ケースの他端に配置され開口部に向かって光を照射する光源部、開口部に配置され、光源部から照射される光を被写体方向に反射させて被写体から反射する光を光源部方向に反射させる第1光学系、光源部と第1光学系の間に配置され第1光学系から反射した光を反射させる第2光学系、および第2光学系から反射した光を検出するイメージセンサ部を含む。
【0007】
一実施例によると、第2光学系の中心部には隙間が形成されて、光源部から照射された光が隙間を通過して第1光学系に到達するように構成される。
【0008】
一実施例によると、第2光学系は第1光学系から反射した光を反射するように構成される第1反射部、および第1反射部によって反射した光をイメージセンサ部方向に反射するように構成される第2反射部を含む。
【0009】
一実施例によると、第1反射部はそれぞれの無限平面間の二面角が劣角をなすように構成される2つの反射面を含み、第2反射部はそれぞれの無限平面間の二面角が優角をなすように構成される2つの反射面を含む。
【0010】
一実施例によると、第2反射部の2つの反射面それぞれの位置および方向は第2反射部の2つの反射面によってそれぞれ反射してイメージセンサ部により検出される被写体の2つの像(image)が重ならないように設定される。
【0011】
一実施例によると、第2光学系は第1プリズムおよび第2プリズムを含み、光源部から照射される光は第1プリズムと第2プリズムの間に形成された隙間を通過して第1光学系に到達するように構成され、第1光学系によって反射する光は第1プリズムの相互に対向する一対の反射面および第2プリズムの相互に対向する一対の反射面によって反射してイメージセンサ部に到達するように構成される。
【0012】
一実施例によると、第1プリズムの一側反射面の無限平面と第2プリズムの一側反射面の無限平面間の二面角は劣角をなし、第1プリズムの他側反射面の無限平面と第2プリズムの他側反射面の無限平面間の二面角は優角をなすように構成される。
【0013】
一実施例によると、第1プリズムの他側反射面と第2プリズムの他側反射面それぞれの位置および方向は、2つの他側反射面によってそれぞれ反射してイメージセンサ部により検出される被写体の2つの像が重ならないように設定される。
【0014】
一実施例によると、光源部はパターン光または構造光を照射するように構成される。
【0015】
一実施例によると、イメージセンサ部は第2光学系から反射した光のイメージから2つのステレオイメージを獲得するように構成される。
【発明の効果】
【0016】
本開示の多様な実施例によると、口腔スキャナのケース内部に配置される複数の光学系それぞれの角度調節のための駆動部が不要であるため、ケース内部で光学系を最適の位置に稠密に配置することができる。
【0017】
また、本開示の多様な実施例によると、ケース内部に複数の光学系を稠密な構造で配置することによって体積の小さい口腔スキャナを具現できるため、口腔スキャナの使用時に歯科患者の口腔内挿入だけでなく口腔内で移動や方向転換が容易であるため歯のスキャニングを精密に遂行できる。
【0018】
また、本開示の多様な実施例によると、1つのイメージセンサ部だけでも複数の光学系から反射した光のイメージから2つのステレオイメージを獲得できるため、口腔スキャナの製作費用が節減され、その内部構成をさらに最適化させることができる。
【0019】
本開示の効果は以上で言及した効果に制限されず、言及されていない他の効果は請求の範囲の記載から当業者に明確に理解され得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本開示の一実施例に係る口腔スキャナが口腔3Dモデリングおよび視角化システムと連結された構成を示す概要図である。
【
図2】本開示の一実施例に係る口腔スキャナの透視斜視図である。
【
図3】本開示の一実施例に係る口腔スキャナの透視側面図である。
【
図4】本開示の他の実施例に係る口腔スキャナの透視斜視図である。
【
図5】本開示の他の実施例に係る口腔スキャナの透視側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本開示の実施のための具体的な内容を添付された図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の説明では本開示の要旨を不要に曖昧にさせ得る恐れがある場合、広く知られている機能や構成に関する具体的な説明は省略することにする。
【0022】
添付された図面で、同一または対応する構成要素には同じ参照符号が付与されている。また、以下の実施例の説明において、同一または対応する構成要素を重複記述することが省略され得る。しかし、構成要素に関する技術が省略されても、そのような構成要素がある実施例に含まれないものと意図されはしない。
【0023】
本開示で使われる用語について簡略に説明し、開示された実施例について具体的に説明することにする。本明細書で使われる用語は本開示での機能を考慮しつつ、できる限り現在広く使われる一般的な用語を選択したが、これは関連分野に従事する技術者の意図または判例、新しい技術の出現などにより変わり得る。また、特定の場合は出願人が任意に選定した用語もあり、この場合、該当する発明の説明部分で詳細にその意味を記載するであろう。したがって、本開示で使われる用語は単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と本開示の全般にわたった内容に基づいて定義されるべきである。
【0024】
本開示で、単数の表現は文脈上明白に単数であると特定しない限り、複数の表現を含む。また、複数の表現は文脈上明白に複数であると特定しない限り、単数の表現を含む。
【0025】
本開示で、或る部分が何らかの構成要素を含むとする時、これは特に反対の記載がない限り他の構成要素を除くものではなく他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0026】
本開示で、図面の上側はその図面に図示された構成の「上部」または「上側」、その下側は「下部」または「下側」と指称し得る。また、図面において図示された構成の上部と下部の間または上部と下部を除いた残りの部分は「側部」または「側面」と指称し得る。このような「上部」、「上側」などのような相対的な用語は、図面に図示された構成間の関係を説明するために使われ得、本開示はそのような用語によって限定されない。
【0027】
本開示で、ある構造物の内部空間へ向かう方向を「内側」、開放された外部空間に突出した方向を「外側」と指称し得る。このような「内側」、「外側」などのような相対的な用語は、図面に図示された構成間の関係を説明するために使われ得、本開示はそのような用語によって限定されない。
【0028】
本開示で「Aおよび/またはB」の記載はA、またはB、またはAおよびBを意味する。
【0029】
本開示で、或る部分が他の部分と連結されているとする時、これは直接的に連結されている場合だけでなく、その中間に他の構成を挟んで連結されている場合も含む。
【0030】
また、本開示で使われる「モジュール」または「部」という用語はソフトウェアまたはハードウェア構成要素を意味し、「モジュール」または「部」は何らかの役割を遂行する。しかし、「モジュール」または「部」はソフトウェアまたはハードウェアに限定される意味ではない。「モジュール」または「部」はアドレッシングできる保存媒体にあるように構成されてもよく、一つまたはそれ以上のプロセッサを再生させるように構成されてもよい。したがって、一例として「モジュール」または「部」はソフトウェア構成要素、客体指向ソフトウェア構成要素、クラス構成要素およびタスク構成要素のような構成要素と、プロセス、関数、属性、プロシーザー、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバ、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイまたは変数のうち少なくとも一つを含むことができる。構成要素と「モジュール」または「部」は中で提供される機能はさらに小さい数の構成要素および「モジュール」または「部」で結合されたり追加的な構成要素と「モジュール」または「部」にさらに分離され得る。
【0031】
開示された実施例の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付される図面と共に後述されている実施例を参照すれば明確になるであろう。しかし、本開示は以下で開示される実施例に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で具現され得、ただし本実施例は本開示を完全なものとし、本開示が通常の技術者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものに過ぎない。
【0032】
図1は、本開示の一実施例に係る口腔スキャナ110が口腔3Dモデリングおよび視角化システム120と連結された構成を示す概要
図100である。
【0033】
口腔スキャナ110は、例えば、歯科医療スタッフによって歯科患者の口腔内に挿入されて非接触式で歯をスキャニングして複数の2次元映像データを撮影することができる。また、口腔スキャナ110は撮影された複数の2次元映像データをシステム120に伝送したり、自主的に2次元映像データに基づいた3次元口腔構造モデリングを実行することができる。
【0034】
口腔スキャナ110は、システム120と有線または無線で通信が可能であるように構成されたネットワークを通じて連結され得る。ここで、ネットワークは設置環境により、例えば、銅線ケーブルのような電気的な連結線、イーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))、有線ホームネットワーク(Power Line Communication)、電話線通信装置およびRS-serial通信などの有線ネットワーク、移動通信網、WLAN(Wireless LAN)、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)およびZigBee(登録商標)などのような無線ネットワークまたはその組み合わせで構成され得る。
【0035】
口腔スキャナ110はシステム120と2次元映像データ、3次元口腔構造モデルデータなどのような情報および/またはデータをやりとりすることができる。口腔スキャナ110とシステム120は図示された通り、物理的に分離されて構成され得るが、これに限定されない。例えば、口腔スキャナ110とシステム120は一つのコンピューティング装置内に一体型で構成され得る。
【0036】
システム120は口腔スキャナ110から獲得された少なくとも2つの2次元映像データまたはステレオイメージを分析して3次元口腔構造モデリングを遂行できる。このような機能の遂行のために、システム120はイメージ処理および三次元モデルリングを遂行できるプロセッサ(例えば、CPU、GPUなど)および2次元映像データまたは3次元口腔構造モデルデータを保存できるメモリを含むコンピューティング装置に該当し得る。一実施例において、システム120は、図示された通り、通信部122、制御部124およびディスプレイ部126を含むことができる。通信部122は口腔スキャナ110と情報および/またはデータを送/受信するように構成され得る。具体的には、通信部122は制御部124の命令信号を口腔スキャナ110に送信することができ、口腔スキャナ110から対象口腔構造のイメージ情報を受信することができる。
【0037】
制御部124は口腔スキャナ110が対象口腔構造のイメージを撮影するように制御することができる。具体的には、制御部124は、口腔スキャナ110内部に設置された光源部(例えば、
図2の220)が光を複数の光学系のうち少なくとも一つに向かって照射するように制御することができる。また、制御部124は、口腔スキャナ110内部に設置されたイメージセンサ部(例えば、
図2の260)が複数の光学系のうち少なくとも一つによって反射する光を検出するように制御することができる。制御部124はイメージセンサ部が検出された光のイメージから2つのステレオイメージを獲得するように制御することができる。制御部124はディスプレイ部126がイメージセンサ部から獲得された2つのステレオイメージなどを表示するように制御することができる。また、制御部124は2つのステレオイメージから算出された3次元口腔構造モデルデータを視角化してディスプレイ部126に表示されるように制御することができる。
【0038】
ディスプレイ部126は、口腔スキャナ110または制御部124から伝達された情報および/またはデータをイメージで表示することができる。この場合、ディスプレイ部126に表示されるイメージは2つのステレオイメージまたは3次元口腔構造モデルのイメージを含むことができる。一実施例において、ディスプレイ部126は、LEDディスプレイ、OLEDディスプレイ、LCDディスプレイ、タッチディスプレイなどのようなディスプレイパネル装置を含むことができる。
【0039】
図2は、本開示の一実施例に係る口腔スキャナ200の透視斜視図である。
図2に図示された通り、口腔スキャナ200はケース210、光源部220、第1光学系240、第2光学系230、250、およびイメージセンサ部260を含むことができる。
【0040】
ケース210は口腔スキャナ200の外部を形成し、その内部に光源部220、第1光学系240、第2光学系230、250、イメージセンサ部260を収容するように構成され得る。
図2に図示された通り、ケース210は略いずれか一つの長さ方向に延びた台形ボックスの形態であり得るが、これに限定されない。例えば、ケース210は、直六面体型、円筒形、流線形または口腔内部に挿入するのに適合な任意の形態で形成され得る。
【0041】
開口部212はケース210の一端に形成され得る。具体的には、開口部212はケース210の一端に形成された開口を含むことができる。この場合、開口部212の開口は、ケース210の内部で生成または反射する光が外部に照射され、外部の光がケース210の内部に導入され得るように構成され得る。一実施例において、口腔スキャナ200が口腔内に挿入時、開口部212は口腔の最も内側に位置するように構成され得る。
【0042】
光源部220は開口部212に向かって光を照射するように構成され得る。この場合、光源部220から照射される光はパターン光または構造光に該当し得る。光のパターンは直線形の模様、点パターンまたは任意の形態のパターンであり得る。パターン光が口腔内の歯のような被写体270に照射されると、被写体270の表面の3次元的な構造により該当パターンの変形が発生し得る。したがって、被写体270の表面に結ばれたパターンの変形または位置情報は被写体270の3次元構造を識別してモデリングするのに使われ得る。
【0043】
光源部220はケース210の他端に配置され得る。具体的には、光源部220は開口部212が形成されたケース210の一端と対向するケース210の内側他端に収容配置され得る。例えば、光源部220はケース210の内側他端の上部に固定配置され得る。
【0044】
一実施例において、光源部220はケース210の一方の端に配置され得るが、これに限定されない。例えば、光源部220はケース210の一端と他端の間の任意の中間地点に配置され得る。すなわち、光源部220は開口部212に向かって光を照射しやすいケース210内の任意の位置に配置され得る。一実施例において、光源部220は容易なスキャニングのために第1反射部230から適切な距離をおいて離隔配置され得る。例えば、光源部220は第1反射部230に最大限近接するように配置され得る。
【0045】
第1光学系240は光源部220から照射される光を被写体270方向に反射させ、被写体270から反射する光を光源部220または第2光学系230、250方向に反射させるように構成され得る。第1光学系240は少なくとも1つの反射部を含むことができる。例えば、第1光学系240は少なくとも1つの鏡であり得る。一実施例において、第1光学系240は開口部212またはその周辺に配置され得る。例えば、第1光学系は開口部212の内側面に固定配置され得る。
【0046】
第2光学系230、250は第1光学系240から反射した光を反射させるように構成され得る。具体的には、第2光学系230、250は第1光学系240から反射した光をイメージセンサ部260方向に反射させることができる。この場合、第2光学系230、250が光を反射させる回数は一回以上であり得る。
【0047】
第2光学系230、250は光源部220と第1光学系240の間に配置され得る。具体的には、ケース210の内部空間のうち両終端にはそれぞれ光源部220と第1光学系240が固定配置され得、その中間の任意の位置に第2光学系230、250が固定配置され得る。
【0048】
一実施例において、第2光学系230、250の中心部には隙間(または光経路)が形成されることによって、光源部220から照射された光が隙間を通過して第1光学系240に到達することができる。他の実施例において、第2光学系230、250の中心部に隙間が形成されていない場合、光源部220から照射された光が第2光学系230、250を外れて第1光学系240に到達することができる。
【0049】
図2に図示された通り、第2光学系230、250は第1反射部230および第2反射部250を含むことができる。第1反射部230は第1光学系240から反射した光を反射するように構成され得る。第1反射部230はケース210の内側上部に固定配置され得る。一実施例において、第1反射部230は2つの反射面232、234を含むことができる。2つの反射面232、234は第1光学系240から反射した光を第2反射部250方向に反射させることができる。また、2つの反射面232、234の間には隙間が形成されることによって、光源部220から照射された光が隙間を通過して第1光学系240に到達することができる。
【0050】
第2反射部250は第1反射部230により反射した光をイメージセンサ部260方向に反射するように構成され得る。第2反射部250はケース210の内側下部に固定配置され得る。一実施例において、第2反射部250は2つの反射面252、254を含むことができる。2つの反射面252、254は第1反射部230から反射した光をイメージセンサ部260方向に反射させることができる。
【0051】
一実施例において、第2反射部250の2つの反射面252、254それぞれの位置および/または方向は、第2反射部250の2つの反射面252、254によりそれぞれ反射してイメージセンサ部260により検出される被写体270の2つの像(image)が重ならないように適切に設定され得る。例えば、第2反射部250の2つの反射面252、254により反射する光からイメージセンサ部260が検出する2つの像には、被写体270の像がそれぞれ一つずつ含まれ得る。この場合、イメージセンサ部260により検出される被写体270の2つの像が重ならないように、2つの反射面252、254の位置および/または方向が設定され得る。
【0052】
一実施例において、ケース210内部には第1光学系240または第2光学系230、250の角度調節のための駆動部を設置しないことができる。この場合、ケース内部で第1光学系240と第2光学系230、250が配置された領域に他の電子的または機械的構成要素を配置する必要がないので、ケース内部の構成要素を稠密に配置することができる。したがって、第1光学系240および第2光学系230、250の稠密な構造からケース210の最適構造を設計できるため、口腔内でスキャニング動作が自由であり、体積の小さい口腔スキャナ200を具現することができる。
【0053】
第1反射部230の反射面232、234それぞれの法線ベクトル方向(orientation)と第2反射部250の反射面232、234それぞれの法線ベクトル方向は、被写体270から反射した光がイメージセンサ部260までガイドできるように適切に調整され得る。一実施例において、第1反射部230の反射面232、234それぞれの無限平面が互いになす二面角は劣角、すなわち180度より小さい角度に該当し、第2反射部250の反射面252、254それぞれの無限平面が互いになす二面角は優角、すなわち180度より大きい角度に該当し得る。他の実施例において、第1反射部230の反射面232、234それぞれの無限平面が互いになす二面角は優角に該当し、第2反射部250の反射面252、254それぞれの無限平面が互いになす二面角は劣角に該当し得る。
【0054】
イメージセンサ部260は第2光学系230、250から反射した光を検出するように構成され得る。一実施例において、イメージセンサ部260は第2光学系230、250から反射した光から2つのステレオイメージを獲得するように構成され得る。具体的には、イメージセンサ部260は第2反射部250の2つの反射面252、254によりそれぞれ反射する2つの光のイメージを共に獲得することができる。このように、口腔スキャナ200は複数の反射面232、234、252、254を有する第2光学系230、250を含むため、1つのイメージセンサ部260だけでも2つのステレオイメージを獲得することができる。イメージセンサ部260から獲得された2つのステレオイメージは、以後プロセッサによって実行される3D口腔構造モデリングに使われ得る。
【0055】
一実施例において、イメージセンサ部260はケース210の他端に配置され得る。具体的には、イメージセンサ部260は開口部212が形成されたケース210の一端と対向するようにケース210の内側他端に収容配置され得る。例えば、イメージセンサ部260は光源部220と隣接したケース210の内側下部に固定配置され得る。
【0056】
前では第1反射部230がケース210の内側上部に固定配置され、第2反射部250がケース210の内側下部に固定配置されるものとして説明されたが、これに限定されない。例えば、第1反射部230はケース210の内側下部に固定配置され、第2反射部250はケース210の内側上部に固定配置され得る。この場合、光源部220はケース210の内側他端の下部に固定配置され、イメージセンサ部260は光源部220と隣接したケース210の内側上部に固定配置され得る。
【0057】
図3は、本開示の一実施例に係る口腔スキャナ200の透視側面図である。
図3に図示された構成のうち、
図2に図示された構成と対応するものについては説明を省略することにする。
【0058】
一実施例において、光は光源部220から照射されて第1反射部230の隙間を通過することができる。第1反射部230の隙間を通過した光は第1光学系240により被写体方向に反射することができる。この場合、光は開口部212一側に形成された開口を通過することができる。被写体から反射した光は第1光学系240により第1反射部230方向に反射することができる。第1反射部230により反射した光は第2反射部250によりイメージセンサ部260方向に反射することができる。
【0059】
追加的に、口腔スキャナ200は光源部220でない追加の光源から照射される光を利用して被写体のイメージを獲得することができる。例えば、口腔スキャナ200に設置される追加の光源または外部の追加の光源から照射される光は、被写体に反射して第1光学系240に到達することができる。第1光学系240から反射した光は第1反射部230および第2反射部250により順次反射してイメージセンサ部260に到達することができる。
【0060】
図4は、本開示の他の実施例に係る口腔スキャナ400の透視斜視図である。
図4に図示された構成のうち、
図2に図示された構成と対応するものについては説明を省略することにする。
図4に図示された通り、口腔スキャナ400はケース410、光源部420、第1光学系460、第2光学系430、およびイメージセンサ部470を含むことができる。
【0061】
第2光学系430は第1光学系460から反射した光をイメージセンサ部470方向に反射させることができる。この場合、第2光学系430が光を反射させる回数は1回以上であり得る。
【0062】
第2光学系430は光源部420と第1光学系460の間に配置され得る。具体的には、ケース410の内部空間のうち両終端にはそれぞれ光源部420と第1光学系460が固定配置され得、その中間の任意の位置に第2光学系430が固定配置され得る。
【0063】
第2光学系430は、
図2の第2光学系230、250とは異なり、一対のプリズムを含むことができる。
図4に図示された通り、第2光学系430は第1プリズム440および第2プリズム450を含むことができる。
【0064】
一実施例において、第1プリズム440と第2プリズム450の間には隙間(または光経路)が形成されることによって、光源部420から照射された光が前述した隙間を通過して第1光学系460に到達することができる。他の実施例において、第1プリズム440と第2プリズム450の間に隙間が形成されない場合、光源部420から照射された光が第2光学系430を外れて第1光学系460に到達することができる。
【0065】
図4に図示された通り、第1プリズム440は相互に対向する一対の反射面442、444を含み、第2プリズム450は相互に対向する一対の反射面452、454を含むことができる。一実施例において、第1プリズム440の上側反射面442および第2プリズム450の上側反射面452はそれぞれ、第1光学系460から反射した光を第1プリズム440の下側反射面444および第2プリズム450の下側反射面454方向に反射させることができる。また、第1プリズム440の下側反射面444および第2プリズム450の下側反射面454はそれぞれ、第1プリズム440の上側反射面442および第2プリズム450の上側反射面452から反射した光をイメージセンサ部470方向に反射させることができる。したがって、第1光学系460により反射する光は第1プリズム440の相互に対向する一対の反射面442、444および第2プリズム450の相互に対向する一対の反射面452、454により反射してイメージセンサ部470に到達することができる。
【0066】
一実施例において、第1プリズム440の下側反射面444および第2プリズム450の下側反射面454それぞれの位置および/または方向は、2つの下側反射面444、454によりそれぞれ反射してイメージセンサ部470により検出される被写体の2つの像が重ならないように適切に設定され得る。例えば、2つの下側反射面444、454により反射する光からイメージセンサ部470が検出する2つの像には、被写体の像がそれぞれ一つずつ含まれ得る。この場合、イメージセンサ部470により検出される被写体の2つの像が重ならないように、2つの下側反射面444、454の位置および/または方向が設定され得る。
【0067】
第1プリズム440の反射面442、444それぞれの法線ベクトル方向(orientation)と第2プリズム450の反射面452、454それぞれの法線ベクトル方向は、被写体から反射した光がイメージセンサ部470までガイドできるように適切に調整され得る。一実施例において、第1プリズム440の一側反射面442の無限平面と第2プリズム450の一側反射面452の無限平面間の二面角は劣角に該当し、第1プリズム440の他側反射面444の無限平面と第2プリズム450の他側反射面454の無限平面間の二面角は優角に該当し得る。他の実施例において、第1プリズム440の一側反射面442の無限平面と第2プリズム450の一側反射面452の無限平面間の二面角は優角に該当し、第1プリズム440の他側反射面444の無限平面と第2プリズム450の他側反射面454の無限平面間の二面角は劣角に該当し得る。
【0068】
以上で説明した通り、第2光学系430を一対のプリズム(440、450)を利用して具現することによって、ケース410内部で第2光学系の配置構造と設計がさらに最適化され得る。すなわち、ケース410内部で第2光学系を複数の反射部または鏡を利用して具現することに比べて、一対のプリズムを利用して具現することによって第2光学系をケース410内部に配置または固定するための構造がさらに容易となり、これに伴い、ケース410の内部構造がさらに稠密になり得る。
【0069】
図5は、本開示の他の実施例に係る口腔スキャナ400の透視側面図である。
図5に図示された構成のうち、
図2および
図4に図示された構成と対応するものについては説明を省略することにする。
【0070】
一実施例において、光は光源部420から照射されて第1プリズム440と第2プリズム450の間の隙間を通過することができる。隙間を通過した光は第1光学系460により被写体方向に反射することができる。この場合、光は開口部412の一側に形成された開口を通過することができる。被写体から反射した光は第1光学系460により第2光学系430方向に反射することができる。第1プリズム440および第2プリズム450の上側反射面によって反射した光は第1プリズム440および第2プリズム450の下側反射面によってイメージセンサ部470方向に反射することができる。
【0071】
追加的に、口腔スキャナ400は光源部420でない追加の光源から照射される光を利用して被写体のイメージを獲得することができる。例えば、口腔スキャナ400に設置された追加の光源または外部の光源から照射される光は被写体に反射して第1光学系460に到達することができる。第1光学系460から反射した光は第2光学系430の上側反射面および下側反射面によって順次反射してイメージセンサ部470に到達することができる。
【0072】
前記した本発明の好ましい実施例は例示の目的で開示されたもので、本発明に対して通常の知識を有する当業者であれば本発明の思想と範囲内で多様な修正、変更および付加が可能であろうし、このような修正、変更および付加は特許請求の範囲に属するものと見なされるべきである。
【0073】
本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、多様な置換、変形および変更が可能であるので、本発明は前述した実施例および添付された図面によって限定されるものではない。
【国際調査報告】