(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】医療用装置ツールを制御する技術的方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/0538 20210101AFI20240123BHJP
【FI】
A61B5/0538
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545287
(86)(22)【出願日】2022-01-27
(85)【翻訳文提出日】2023-09-21
(86)【国際出願番号】 US2022014159
(87)【国際公開番号】W WO2022165078
(87)【国際公開日】2022-08-04
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519265859
【氏名又は名称】ノヴァスキャン,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NOVASCAN,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100224775
【氏名又は名称】南 毅
(72)【発明者】
【氏名】ボグダノウィッツ,レス
(72)【発明者】
【氏名】グリチュク,アレクサンデル
(72)【発明者】
【氏名】フォイト,ポール リチャード
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA06
4C127BB05
4C127GG15
4C127LL08
(57)【要約】
多様な実施形態において、本願の医療装置は、1組以上の電極対と導管に接続された医療装置ツールとが設けられた機器先頭部、インピーダンス・ブリッジ、および、該インピーダンス・ブリッジと該導管とに接続されたプロセッサを備えている。多様な実施形態において、本願の方法は、1種類以上の周波数で、医療装置の機器先頭部に設けられている1組以上の電極対に関連付けられた1つ以上のインピーダンス測定値を記録する工程、該1つ以上のインピーダンス測定値に基づいて、該1組以上の電極対と接触している組織の一部の組織タイプを判定する工程、および、該組織タイプに基づいて1つ以上の操作を実施することで、該機器先頭部に設けられている医療装置ツールを制御する工程を含んでいる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置であって、
1組以上の電極対と導管に接続された医療装置ツールとを構成要素の一部に含んでいる 機器先頭部、
インピーダンス・ブリッジ、および、
該インピーダンス・ブリッジと該導管とに接続されたプロセッサを備えている、医療装置。
【請求項2】
前記医療装置ツールは治療薬剤送達ツールを含んでおり、前記導管は1つ以上の治療薬剤送達導管を含んでいる、請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記医療装置ツールはエネルギー送達ツールを含んでおり、前記導管は該エネルギー送達ツールをエネルギー源に接続している1本以上のワイヤを備えている、請求項1に記載の医療装置。
【請求項4】
前記医療装置ツールは組織試料抽出ツールを含んでおり、前記導管は該組織試料抽出ツールをアクチュエータに接続している1本以上のワイヤを備えている、請求項1に記載の医療装置。
【請求項5】
前記医療装置ツールは少なくとも1組の電極対の電極間に存在している、請求項1に記載の医療装置。
【請求項6】
所与の電極対の少なくとも一方の電極は、前記医療装置ツールの軸線に対して横方向外側に張り出している、請求項1に記載の医療装置。
【請求項7】
所与の電極対の少なくとも一方の電極は可撓性素材から作製されている、請求項1に記載の医療装置。
【請求項8】
所与の電極対に接続された1つ以上のアクチュエータを更に備えている、請求項1に記載の医療装置。
【請求項9】
前記医療装置ツールに接続されて前記医療装置ツールを後退位置から伸長位置まで張り出させるアクチュエータを更に備えている、請求項1に記載の医療装置。
【請求項10】
医療装置を制御する方法であって、
1種類以上の周波数で、医療装置の機器先頭部に含まれている1組以上の電極対に関連付けられた1つ以上のインピーダンス測定値を記録する工程
該1つ以上のインピーダンス測定値に基づいて、該1組以上の電極対と接触している組織の一部の組織タイプを判定する工程、および、
該組織タイプに基づいて1つ以上の操作を実施することで、該機器先頭部に含まれている医療装置ツールを制御する工程を含んでいる、方法。
【請求項11】
組織タイプを判定する前記工程は、前記1つ以上のインピーダンス測定値を、1種類以上の組織タイプに関連付けられた1つ以上の特性インピーダンス測定値と比較する工程を含んでいる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
組織タイプを判定する前記工程は、
前記1つ以上のインピーダンス測定値に基づいて組織の前記一部のコールの緩和周波数を判定する工程、および、
組織の前記一部のコールの緩和周波数を1種類以上の組織タイプの1種類以上の特有のコールの緩和周波数と比較する工程を含んでいる、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記コールの緩和周波数は、前記1つ以上のインピーダンス測定値に含まれている最大インピーダンス測定値に関連付けられた周波数に対応している、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
組織タイプを判定する前記工程は、
組織の前記一部の、閾値周波数を上回るコールの緩和周波数に基づいて腫瘍組織タイプと判定する工程、または、
組織の前記一部の、閾値周波数を下回るコールの緩和周波数に基づいて非腫瘍組織タイプと判定する工程を含んでいる、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記医療装置ツールは治療薬剤送達ツールを含んでおり、1つ以上の操作を実施することで医療装置ツールを制御する前記工程は、該治療薬剤送達ツールを作動させることで1種類以上の治療薬剤を組織の前記一部に送達する工程を含んでいる、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記医療装置ツールはエネルギー送達ツールを含んでおり、1つ以上の操作を実施することで医療装置ツールを制御する前記工程は、該エネルギー送達ツールを作動させることでエネルギーを組織の前記一部に送達する工程を含んでいる、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記医療装置ツールは組織試料抽出ツールを含んでおり、1つ以上の操作を実施することで医療装置ツールを制御する前記工程は、該組織試料抽出ツールを作動させることで組織試料を組織の前記一部から抽出する工程を含んでいる、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
1つ以上の操作を実施することで医療装置ツールを制御する前記工程は、
前記医療装置ツールを後退位置から伸長位置まで張り出させる工程、および、
少なくとも1組の電極対の各電極を伸張位置から後退位置に後戻りさせる工程のうちの少なくとも一方を含んでいる、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
組織の前記一部の組織タイプの視覚表示や音声表示のうちの少なくとも1つを出力する工程を更に含んでいる、請求項10に記載の方法。
【請求項20】
組織の前記一部の組織タイプが標的部位の組織の組織タイプと一致しているという視覚表示や音声表示のうちの少なくとも1つを出力する工程を更に含んでいる、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願との相互参照】
【0001】
本願は、2021年1月27日出願の米国特許仮出願第63/142,242号、2021年1月27日出願の米国特許仮出願第63/142,247号、2021年1月27日出願の米国特許仮出願第63/142,254号、2021年1月27日出願の米国特許仮出願第63/142,260号、および、2021年8月26日出願の米国特許出願第17/412,973号の利益を主張する。これらの関連出願の主題は、ここに引例に挙げることにより本願の一部を構成しているものとする。
【技術分野】
【0002】
本件開示の各種の実施形態は、広義には、エレクトロニクスおよび医療診断技術に関するものであり、より具体的には、医療装置ツールを制御する各種の技術的方法に関連している。
【背景技術】
【0003】
侵襲を最小限に抑えた医療処置手順において、医療従事者は、典型例として、医療装置を患者の体内に挿入してから、医療装置の機器先頭部を腫瘍部位などのような標的部位に配置する。機器先頭部には、通常、何らかの形態のツールが設けられており、具体例を挙げるがそれには限定されずに、治療薬剤を標的部位に送達する治療薬剤送達ツール、エネルギー(例えば、熱または電気)を標的部位に送達するエネルギー送達ツール、組織試料を標的部位から抽出して将来的な評価に備える目的で使用することのできる組織試料抽出ツール、または、これらの各種組合せなどがある。
【0004】
多くの従来の医療装置に存在する1つの問題は、所望の標的部位とは異なる患者の体内部位で医療装置ツールを操作することで、そうしなければ健康であった患者の組織に損傷を与え、標的部位が適切に治療が施されない結果を生じ、または、その両方を生じる可能性があることである。それゆえに、従来の医療装置に多様な機構を設けることで、患者の体内の関連する医療装置ツールの部位を判定するようにしていることが多い。その具体的機構としては、三角測量に使える信号を送信する送受信機や超音波画像化で視認することができる超音波可視物質が挙げられるが、これらに限定されない。
【0005】
患者の身体に対する医療装置ツールの部位を判定する目的で使用される上記の機構の1つの欠点は、これらの機構は不正確であることが多く、従って、所与のツールが所与の標的部位に正しく配置されていることを確認するには不十分であることである。より具体的には、三角測量や超音波画像化では、通常、医療装置ツールと、例えば医療スキャンなどを利用して生成される患者身体のマッピングの両方に関して、関連する位置決めシステムを較正する必要がある。較正処理過程で導入されてしまった各種の誤差が、医療装置ツールが標的部位に正しく配置されているか否かを判定する際にエラーを生じる可能性がある。また、医療スキャンが実施された時間から医療処置手順が開始された時間までの間の患者体内の各種の生理学的変化、例えば、腫瘍の寸法、形状、部位などのどんな変化であれ、標的部位を変えてしまう可能性がある。こうして、医療スキャンに基づいて医療装置ツールを配置すると、医療装置ツールを標的部位に充てる代わりに、健康な組織に医療装置ツールを充てることになってしまう可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前段までで例証したように、当技術分野で必要とされているのは、医療装置ツールを制御するためのより効果的な技術的方法である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
医療装置の各種実施形態を開示してゆく。多様な実施形態において、医療装置は、1組以上の電極対と、導管に接続された医療装置ツールとを含んでいる機器先頭部、インピーダンス・ブリッジ、インピーダンス・ブリッジと導管とに接続されたプロセッサなどから構成されている。
【0008】
医療装置を制御する各種の実施形態を開示してゆく。多様な実施形態において、本願の方法は、1種類以上の周波数で、医療装置の機器先頭部に設けられている1組以上の電極対に関連付けられた1つ以上のインピーダンス測定値を記録する工程、1つ以上のインピーダンス測定値に基づいて、該1組以上の電極対と接触している組織の一部の組織タイプを判定する工程、1種類以上の操作を実施することで機器先頭部に設けられている医療装置ツールを該組織タイプに基づいて制御する工程などを含んでいる。
【発明の効果】
【0009】
先行技術と比べた場合の本件開示の医療装置の少なくとも1つの技術的利点は、医療装置ツールを作動させる前に医療装置ツールが所与の標的部位に配置されていることを、本件開示の医療装置が確認することである。例えば、医療装置の機器先頭部の各電極に接触している組織の一部の組織タイプが予想される組織タイプと一致していることを、標的部位において医療装置を作動させる前に、本件開示の医療装置は判定することもできる。このようにして、本件開示の医療装置は、種々の医療装置ツールを多様な標的部位の組織に充てるにあたり、従来の医療装置よりも正確に充てることができる。その結果として、本件開示の医療装置は、治療用薬剤やエネルギーを送達したり組織試料を抽出したりといったようなことに限らず、多様な処置手順を、従来の医療装置で達成できるものと比べて、特定の標的部位でより正確かつ確実に実施するのに使用することができる。これらの技術的利点は、先行技術の取組み手法に優る1つ以上の技術的進歩をもたらしている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】多様な実施形態による医療装置を例示した図。
【
図2】多様な実施形態による、
図1の機器先頭部をより詳細に例示した図。
【
図3】多様な実施形態による、
図1の機器先頭部をより詳細に例示したもう1つ別の図。
【
図4A】多様な実施形態による、
図2の電極対を第1の構成で詳細に例示した図。
【
図4B】多様な実施形態による、
図2の電極対を第1の構成で詳細に例示した図。
【
図5A】多様な実施形態による、
図2の電極対を第2の構成で詳細に例示した図。
【
図5B】多様な実施形態による、
図2の電極対を第2の構成で詳細に例示した図。
【
図6】多様な実施形態による、
図1の外部電気コンポーネントをより詳細に例示した図。
【
図7】多様な実施形態による、
図1の医療装置をより詳細に例示した図。
【
図8】多様な実施形態による、
図1の医療装置を制御する方法の各工程のフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
後段以降の説明では、多様な実施形態のより完全な理解を供与する目的で、多数の具体的詳細を明示してゆく。しかしながら、各概念の実施形態の範囲では、実施形態によってはこれらの具体的詳細のうちの1つ以上を省略しているものもある。
【0012】
図1は、多様な実施形態による医療装置100を例示している。図示したように、医療装置100は、機器先頭部108、ワイヤ104、外部電気コンポーネント106などから構成されているが、これらに限定されない。機器先頭部108は、標的部位102(例えば、腫瘍部位)に配置されている。図示していないが、機器先頭部108は、1組以上の電極対、導管、医療装置ツールなどから構成されており、該ツールの具体例として治療薬剤を標的部位102に送達する治療薬剤送達ツール、エネルギーを標的部位102に送達するエネルギー送達ツール、将来的な評価に備えて組織試料を標的部位102から抽出する組織試料抽出ツールなどがあるが、これらに限定されない。外部電気コンポーネント106は多様な周波数の電流を生成する。ワイヤ104は、外部電気コンポーネント106と機器先頭部108との間で電流を導く。外部電気コンポーネント106は、機器先頭部108の電極対(1組または複数組)のインピーダンスと該電極対(1組または複数組)に接触している標的部位102の組織の一部のインピーダンスとを測定するプロセッサを備えている。以下により詳細に説明するように、医療装置100は、インピーダンス測定値に基づいて、電極対(1組または複数組)と接触している組織の当該一部の組織タイプを判定する。具体例にすぎず限定するものではないが、インピーダンス測定値に基づいて、組織の当該一部の組織タイプは腫瘍組織か非腫瘍組織のうちの一方のタイプであると判定することができる。
【0013】
図2は、多様な実施形態による、
図1の機器先頭部108をより詳細に例示した図である。図示のように、機器先頭部108は、電極対202、医療装置ツール204、カテーテル206、ワイヤ104などから構成されているが、これらに限定されない。電極対202は、電極対202に接触している標的部位102の組織の一部の中に多様な周波数で電流を導く。ワイヤ104は、カテーテル206の中を通って、外部電気コンポーネント106と電極対202との間で電流を導く。
図2には示されていないが、医療装置は、以下でより詳細に説明するように、医療装置ツール204に接続されている導管を備えている。多様な実施形態において、医療装置ツール204は、治療薬剤またはエネルギー(例えば、カテーテル206内のカニューレまたはワイヤによって運ばれる)を送達し、将来的な評価に備えて組織試料を標的部位102の組織の一部から抽出し、または、その両方を実施する。機器先頭部108の各構成部材により、医療従事者は、電極対202に接触している組織の当該一部に治療薬剤またはエネルギーを送達し、将来的な評価に備えて組織試料を標的部位102から抽出し、または、その両方を実施することができる。
【0014】
図3は、多様な実施形態による、
図2の機器先頭部108をより詳解に例示した図である。図示したように、機器先頭部108は、第1電極対202-1、第2電極対202-2、医療装置ツール204、導管302などから構成されているが、これらに限定されない。図示したように、機器先頭部108は2組の電極対、202-1および202-2を備えているが、但し、本明細書で使用する場合の「電極対202」という用語は、1組の電極対202や3組以上の電極対202などの他にも無制限に、どのような組数であれ電極対202が設けられている多様な実施形態を含んでいるものと解釈するべきである。多様な実施形態において、医療装置ツール204は治療薬剤を送達する治療薬剤送達ツールであり、導管302は1本以上の治療薬剤送達導管から構成されており、該1本以上の導管がそれぞれに1種類以上の治療薬剤を治療薬剤送達ツールに送達する。多様な実施形態において、医療装置ツール204は、焼灼器などがあるがこれに限定されないエネルギー送達ツールであり、また、導管302は、エネルギー送達ツールをエネルギー源に接続している1本以上のワイヤを備えている。多様な実施形態において、医療装置ツール204は組織試料抽出ツールであり、導管302は、組織試料抽出ツールをアクチュエータに接続している1本以上のワイヤを備えている。多様な実施形態において、機器先頭部108は、同一種類または異なる種類の2つ以上の医療装置ツール204などのような、またこれに限定されない任意の数の医療装置ツール204を備えている。更に、多様な実施形態において、機器先頭部108は、2本以上の導管などのような、またこれに限定されず、任意の本数の導管302を備えている。多様な実施形態において、導管302は各々が1つ以上の医療装置ツール204に接続されており、医療装置ツール204は各々が1つ以上の導管302に接続されており、或いは、その両方を満たしていてもよい。
【0015】
図4Aおよび
図4Bは、多様な実施形態による、
図2の電極対202を第1の構成で詳細に例示した図である。図示したように、機器先頭部108は、第1電極対202-1、第2電極対202-2、医療装置ツール204などから構成されているが、これらに限定されない。図示したように、電極対202-1および電極対202-2は、医療装置ツールの軸線にほぼ平行である方向に伸びている。また図示したように、医療装置ツール204は、医療装置ツール204の軸線の方向に見たときに、電極対202-1と電極対202-2の各電極間に在る。
【0016】
図4Aに示すように、医療装置ツール204は後退位置にあり、その位置では、電極対202-1および電極対202-2の各電極の先端は、医療装置ツール204の先端よりも軸線方向遠位に張り出している。具体例を挙げるがこれに限定されずに、医療装置ツール204は、配備持続中にプロセッサが電極対202-1および電極対202-2と接触している組織の当該一部の組織タイプを判定するまでは、この後退位置にあってもよい。
【0017】
図4Bに示すように、医療装置ツール204は、後退位置から伸長位置まで伸びており、その位置では、医療装置ツール204の先端は、軸線方向に少なくとも電極対202-1および電極対202-2の各電極の先端と同程度に遠位まで張り出している。具体例を挙げるがこれに限定されずに、電極対202-1および電極対202-2と接触している組織の当該一部の組織タイプの判定に基づいて、(例えば、医療装置ツール204に接続されているうえに、医療装置ツール204を後退位置から伸長位置まで張り出させるアクチュエータを作動させることにより)プロセッサは医療装置ツール204を後退位置から伸長位置まで張り出させることができる。
【0018】
図5Aおよび
図5Bは、多様な実施形態による、
図2の電極対202を第2の構成で詳細に例示した図である。図示したように、機器先頭部108は、第1電極対202-1、第2電極対202-2、医療装置ツール204などから構成されているが、これらに限定されない。また、図示のように、医療装置ツール204は、医療装置ツール204の軸線の方向に見たときには、第1電極対202-1および第2電極対202-2の各電極間に在る。
【0019】
図5Aに示すように、医療装置ツール204は後退位置にあり、その位置では、電極対202-1および電極対202-2の各電極の先端は、医療装置ツール204の先端よりも軸線方向遠位に張り出している。具体例を挙げるがこれに限定されずに、医療装置ツール204は、配備持続中にプロセッサが電極対202-1および電極対202-2と接触している組織の当該一部の組織タイプを判定するまで、後退位置にあってもよい。
【0020】
図5Bに示すように、医療装置ツール204は、後退位置から伸長位置まで伸びており、その位置では、医療装置ツール204の先端は、軸線方向に少なくとも電極対202-1および電極対202-2の各電極の先端と同程度に遠位まで張り出している。具体例を挙げるがこれに限定されずに、電極対202-1および電極対202-2と接触している組織の当該一部の組織タイプの判定に基づいて、(例えば、医療装置ツール204に接続されているアクチュエータを作動させることにより)プロセッサは医療装置ツール204を後退位置から伸長位置まで張り出させることができる。
【0021】
図示されてはいないが、多様な実施形態において、各電極対202は、
図4Aおよび
図4Bに例示した第1の構成または
図5Aおよび
図5Bに例示した第2の構成における医療装置ツール204として対応する方法で出したり戻したりすることができる。多様な実施形態において、1組以上の電極対202は伸長位置にあるようにすることができ、その位置では、各組の電極対202の各電極の先端が医療装置ツール204の軸線方向に医療装置ツール204の先端よりも遠位に張り出すようにするとよい。多様な実施形態において、該電極対202は、配備持続中にプロセッサが該電極対202と接触している組織の当該一部の組織タイプを判定するまでは、この伸長位置にある。多様な実施形態において、判定結果の組織タイプに基づいて、電極対202は伸長位置から後退位置まで後戻りするが、その位置では、医療装置ツール204の先端は、軸線方向に少なくとも電極対202の先端と同程度に遠位に張り出している。具体例を挙げるがこれに限定されずに、電極対202と接触している組織の当該一部の組織タイプの反対に基づいて、(例えば、1組以上の電極対202に接続されているアクチュエータを作動させることにより)プロセッサは1組以上の電極対を伸長位置から後退位置まで後戻りさせることができる。図示のように、電極対202-1および電極対202-2それぞれの各電極は、医療装置ツール204の軸線に対して左右横方向外側に張り出すように湾曲状態にある。多様な実施形態において、1組以上の電極対202-1の各電極および電極対202-2の各電極のうちの少なくとも一方の電極は可撓性素材で作製されている。多様な実施形態において、プロセッサは、医療装置ツール204を後退位置から伸長位置に張り出させることができるとともに、電極対202を伸長位置から後退位置に後戻りさせることもできる。具体例を挙げるがこれに限定されずに、組織の当該一部の組織タイプの判定に基づいて、プロセッサはアクチュエータを作動させることで医療装置ツール204を張り出させることができるとともに、アクチュエータを作動させることで電極対202を後退させることもできる。
【0022】
これらの多様な実施形態の技術的利点として、多様な実施形態において、また、以下の事項に限定されないが、医療装置100が標的部位102に配置されていることを確認するまでは医療装置ツール204が後退位置にあるようにし、その後で張り出させることにより、医療装置ツール204が患者の他の組織に接触するのを防止することができる。同様に、医療装置100が標的部位102に配置されていることを確認するまでは電極対202が伸長位置にあるようにし、その後で後退させることにより、医療装置ツール204が患者の他の組織に接触するのを防止することができる。これに代えて、または、これに加えて、多様な実施形態において、また、以下の事項に限定されないが、電極対202を後退させ、医療装置ツール204を張り出させ、または、その両方を実施することで、電極対202が原因で医療装置ツール204が標的部位の組織の当該一部のインピーダンス測定値を違えてしまうことを防止することができる。これに代えて、または、これに加えて、多様な実施形態において、また、以下の事項に限定されないが、電極対202を後退させ、医療装置ツール204を張り出させ、または、その両方を実施することで、各種操作の持続中に(例えば、医療装置ツール204が治療薬剤を送達中、エネルギーを送達中、組織試料を抽出中、または、それ以外の操作中に)医療装置ツール204が電極対202に接触するのを防止することができる。更に、医療装置ツール204の軸線に対して左右横方向外側に各電極が張り出している多様な実施形態では、電極対202を張り出させることで、各電極が組織に接触する部分をより大きくすることができる(例えば、大きな腫瘍のインピーダンス測定ができる)一方で、電極対202を後退させることで、各電極が組織に接触する部分をより小さくすることができる(例えば、小さな腫瘍のインピーダンス測定ができる)。
【0023】
図6は、多様な実施形態による、
図1の外部電気コンポーネントをより詳細に例示した図である。図示のように、外部電気コンポーネント106は、ワイヤ104、増幅器602、インピーダンス・ブリッジ604、プロセッサ606などから構成されている。ワイヤ104は、電極対202と外部電気コンポーネント106との間で多様な周波数で電流を導く。多様な実施形態において、増幅器602は供給電圧、復帰電圧、または、その両方を増幅するアナログ式界面増幅器であるが、ワイヤ104はインピーダンス・ブリッジ604と電極対202との間に多様な周波数で電流を導く。多様な実施形態において、インピーダンス・ブリッジ604は、インピーダンス・ブリッジ604はインピーダンス負荷であり、これをプロセッサ606が測定するすることで、インピーダンス・ブリッジ604、増幅器602、電極対202などから構成されている回路のインピーダンスを判定する。プロセッサ606は、ワイヤ104がインピーダンス・ブリッジ604と電極との間で導く電流の周波数を生成する。
【0024】
ワイヤ104が多様な周波数で電流を導いている間、プロセッサ606は、電極対202を含んでいる回路の1つ以上のインピーダンス測定値608を記録する。プロセッサ606はこのインピーダンス測定値608に基づいて、電極対202に接触してる組織の一部の組織タイプ610を判定する。多様な実施形態において、プロセッサ606はこれらインピーダンス測定値608を1種類以上の組織タイプに関係付けられた1つ以上の特性インピーダンス測定値と比較することにより、組織タイプ610を判定する。具体例を挙げるがこれに限定されずに、この比較に基づいて、プロセッサ606は、電極対202に接触している組織の当該一部のインピーダンス測定値に最も近い特性インピーダンス測定値にどの組織タイプが関連付けられているかを判定することができる。多様な実施形態において、プロセッサ606はインピーダンス測定値608に基づいて組織の当該一部のコールの緩和周波数を判定することができ、また、これらコールの緩和周波数を1種類以上の組織タイプと比較することができる。コールの緩和周波数は、1つ以上のインピーダンス測定値608に含まれている最大のインピーダンス測定値608に関連付けられた周波数に対応している。多様な実施形態において、コールの緩和周波数は、電極対202と接触している組織の当該一部の正規化されたインピーダンス測定値のうち最大のものの周波数である。具体例を挙げるがこれに限定されずに、閾値周波数(例えば、105Hz(10の五乗ヘルツ))を下回るコールの緩和周波数に基づいて、プロセッサ606は、電極対202に接触している組織の当該一部が非腫瘍組織タイプであると判定するとよい。同様に、具体例を挙げるがこれに限定されずに、閾値周波数を上回るコールの緩和周波数に基づいて、プロセッサ606は、電極対202に接触している組織の当該一部が腫瘍組織タイプであると判定するとよい。
【0025】
多様な実施形態において、プロセッサ606は判定結果の組織タイプ610に基づいて1種類以上の操作612を実施することで、医療装置ツール204を制御する。具体例を挙げるがこれに限定されずに、医療装置ツール204が治療薬剤送達ツールである多様な実施形態においては、プロセッサ606は、治療薬剤送達ツールを作動させることで1種類以上の治療薬剤を組織の当該一部に送達することなどを含む操作612を実施することができる。具体例を挙げるがこれに限定されずに、医療装置ツール204がエネルギー送達ツールである多様な実施形態では、プロセッサ606は、エネルギー送達ツールを作動させることで組織の当該一部にエネルギーを送達することなどを含む操作612を実施することができる。具体例を挙げるがこれに限定されずに、医療装置ツール204が組織試料抽出ツールである多様な実施形態では、プロセッサ606は、組織試料抽出ツールを作動させることで組織の当該一部から組織試料を抽出することなどを含む各種操作612を実施することができる。具体例を挙げるがこれに限定されずに、医療装置ツール204を張り出させることのできる多様な実施形態において、プロセッサ606は、(例えば、医療装置ツール204に接続されたアクチュエータを作動させることにより)医療装置ツール204を後退位置から伸長位置へ張り出させることなどを含む各種操作612を実施することができる。具体例を挙げるがこれに限定されずに、電極対202を後退させることのできる多様な実施形態では、プロセッサ606は、(例えば、電極対202に接続されているアクチュエータを作動させることにより)電極対202を伸長位置から後退位置に後戻りさせることなどを含む操作612を実施することができる。
【0026】
多様な実施形態において、組織タイプ610の判定に基づいて、プロセッサ606は、電極対202と接触している組織の当該一部の組織タイプ610の表示を提示する。具体例を挙げるがこれに限定されずに、プロセッサ606は組織タイプ610を表示するにあたり、視覚出力(例えば、発光ダイオード、液晶表示装置など)、音声出力(例えば、スピーカ、ブザーなど)、または、その両方を利用するとよい。多様な実施形態において、組織タイプ610の判定に基づいて、プロセッサ606は、判定結果の組織タイプ610が標的部位102の組織の組織タイプと一致しているという表示を提示することができる。具体例を挙げるがこれに限定されずに、標的部位102が腫瘍である場合は、プロセッサ606は、腫瘍と判定された組織タイプが標的部位102の組織の組織タイプと一致していることを表示するとよい。この表示を提示することで、医療装置100の使用者に、機器先頭部が標的部位102にあることを報知することができる。更に、多様な実施形態において、プロセッサ606は1つ以上の操作612を実施することで医療装置ツール204を制御するにあたり、判定結果の組織タイプ610が標的部位102の組織の組織タイプと一致しているという表示を提示すること、および、医療装置ツール204を始動させるための信号を受信することに基づいて実施する。
【0027】
図7は、多様な実施形態による、
図1の医療装置100をより詳細に例示した図である。図示したように、医療装置100は、機器先頭部108、外部電気コンポーネント106などから構成されている。図示のように、機器先頭部108は、ワイヤ104により外部電気コンポーネント106に接続されている電極対202を備えている。多様な実施形態において、機器先頭部108は、限定するものではないが、2組以上の電極対202を備えており、これら電極対は、1本のワイヤ104により、または、複数のワイヤ104それぞれのワイヤにより外部電気コンポーネント106に接続されているとよい。図示したように、機器先頭部108は医療装置ツール204も備えており、その具体例を挙げるがこれに限定されずに、治療薬剤送達ツール、エネルギー送達ツール、組織試料抽出ツールなどである。多様な実施形態において、機器先頭部10は、限定するものではないが、2つ以上の医療装置ツール204を備えており、これらは同一種類のものでもよいし、異なる種類のものでもよい。
【0028】
図示したように、外部電気コンポーネント106は、増幅器602、インピーダンス・ブリッジ604、プロセッサ606などから構成されている。増幅器602は供給電圧、帰還電圧、または、その両方を増幅する一方、ワイヤ104は多様な周波数でインピーダンス・ブリッジ604と電極対202の間で電流を導く。インピーダンス・ブリッジ604はインピーダンス負荷であり、これをプロセッサ606が測定することでインピーダンス・ブリッジ604、増幅器602、ワイヤ104、電極対202などを含んでいる回路のインピーダンスを判定する。プロセッサ606は、多様な周波数で、1つ以上のインピーダンス測定値608を記録する。プロセッサ606は、インピーダンス測定値608に基づいて、電極対202に接触している組織の一部の組織タイプ610を判定する。多様な実施形態において、プロセッサ606は、電極対202と接触している組織の一部のコールの緩和周波数に基づいて組織タイプを判定するが、これに限定されない。多様な実施形態において、プロセッサ606は、組織の当該一部の組織タイプ610を腫瘍組織タイプや非腫瘍組織タイプなどのうちの1つとして判定するが、これに限定されない。多様な実施形態において、プロセッサ606は、組織タイプ610が標的部位102の組織の組織タイプと一致していると判定し、それが、機器先頭部108が標的部位102に配置されていることを示すまたは裏付けとなるが、これに限定されない。具体例を挙げるがそれに限定されずに、標的部位102が腫瘍である場合、プロセッサ606は、組織タイプ610が腫瘍組織タイプであると判定することにより、機器先頭部108が標的部位102に配置されているか否かを判定することができる。
【0029】
図示したように、プロセッサ606は、医療装置ツール204の導管302に接続されている。判定結果の組織タイプ610に基づいて、プロセッサ606は1つ以上の操作612を実施することで医療装置ツール204を制御する。多様な実施形態において、医療装置ツール204は治療薬剤送達ツールであり、プロセッサ606は医療装置ツール204に1種類以上の治療薬剤を標的部位102の組織に送達させるという操作612を実施するが、これに限定されない。具体例を挙げるがこれに限定されずに、プロセッサ606は、1本以上の薬剤送達導管を通して1種類以上の治療薬剤を治療薬剤送達ツールに届けてその中に通すことができる。多様な実施形態において、医療装置ツール204はエネルギー送達ツールであり、プロセッサ606は導管302および医療装置ツール204にエネルギーを標的部位102の組織に送達させるという操作612を実施するが、これに限定されない。具体例を挙げるがこれに限定されずに、プロセッサ606は、電流を導管302内の各ワイヤを介してエネルギー送達ツールに届けてそこを流れるように導くことができる。多様な実施形態において、医療装置ツール204は組織試料抽出ツールであり、プロセッサ606は組織試料抽出ツールに組織試料を標的部位102の組織から抽出させるという操作612を実施するが、これに限定されない。具体例を挙げるがそれに限定されずに、外部電気コンポーネント106は、導管302内のワイヤにより組織試料抽出ツールに接続されたアクチュエータを備えていてもよいが、プロセッサ606が該アクチュエータを作動させることで、組織試料抽出ツールに組織試料を抽出させるとよい。
【0030】
多様な実施形態において、医療装置100は、判定結果の組織タイプ610を医療装置100の使用者に報知する。具体例を挙げるがそれに限定されずに、医療装置100は、判定結果の組織タイプ610の指標を表示するにあたり、視覚出力(例えば、光、記号、文章、画像などのような組織タイプ610の視覚表示を提示するための液晶表示装置(LCD)、発光ダイオード(LED)表示装置など)を利用してもよいし、判定結果の組織タイプ610の音声表示を供与するにあたり、音声出力(例えば、言葉による説明、音響効果などのような組織タイプ610の音声合図を提示するためのスピーカ、ブザーなど)を利用してもよいし、或いは、その両方を利用してもよい。多様な実施形態において、プロセッサ606は、判定結果の組織タイプ610が標的部位102の組織の組織タイプと一致しているという表示を(例えば、視覚出力、音声出力などを利用して)提示することができるが、これに限定されない。
【0031】
図8は、多様な実施形態による、
図1の医療装置100を制御する方法の各工程のフロー図である。本願方法の各工程を
図1ないし
図7の各システムと関連付けて説明してゆくが、本願方法の各工程を任意の順序で実行するよう構成されているならばどのようなシステムでも本発明の範囲内に入ることを当業者なら理解するであろう。
【0032】
図示のように、本願の方法800は工程802で始まり、該工程では、プロセッサ606は、1種類以上の周波数で、医療装置100の機器先頭部108に設けられている1組以上の電極対202に関連付けられた1つ以上のインピーダンス測定値608を記録する。多様な実施形態において、プロセッサ606は、機器先頭部108の1組以上の電極対202に接触している組織の一部のコールの緩和周波数を、例えば、電極対202に接触している組織の当該一部の正規化されたインピーダンス測定値のうち最大のものの周波数と判定するが、これに限定されない。
【0033】
工程804で、プロセッサ606は、1つ以上のインピーダンス測定値608に基づいて、1組以上の電極対202に接触している組織の一部の組織タイプ610を判定する。多様な実施形態において、プロセッサ606は、組織タイプを腫瘍組織タイプや非腫瘍組織タイプなどのうちのいずれか1つであると判定するが、これに限定されない。多様な実施形態において、プロセッサ606は、組織の当該一部の組織タイプが標的部位102の組織の組織タイプと一致しているか否かを判定するが、これに限定されない。多様な実施形態において、プロセッサ606は組織タイプ610を判定するにあたり、インピーダンス測定値608を1種類以上の組織タイプと関連付けられた1つ以上の特性インピーダンス測定値と比較することにより判定する。多様な実施形態において、プロセッサ606は、判定結果の組織タイプ610が標的部位102の組織の組織タイプと一致しているか否かを判定するが(例えば、機器先頭部108が標的部位102に配置されているか否かを判定する目的で)、これに限定されない。
【0034】
工程806で、プロセッサ606は組織タイプ610に基づいて1つ以上の操作612を実施することで、機器先頭部108に設けられている医療装置ツール204を制御する。具体例を挙げるがそれに限定されずに、判定結果の組織タイプ610に基づいて、プロセッサ606は、医療装置ツールに治療薬剤を標的部位102の組織に送達させるという操作612を実施してもよいし、エネルギー装置ツールにエネルギーを標的部位102の組織に送達させるという操作612を実施してもよいし、組織試料抽出ツールに組織試料を標的部位102の組織から抽出させるという操作612を実施してもよいし、または、これらの各種組合せの操作612を実施することもできる。多様な実施形態において、プロセッサ606は、視覚出力や音声出力などのうちの1つ以上を利用して、組織の当該一部の判定結果の組織タイプ610の表示を提示してもよいし、判定結果の組織タイプ610が標的部位102の組織の組織タイプと一致しているという表示を提示してもよいし、或いは、その両方を提示することもできる。
【0035】
要約すると、本件開示の医療装置は、機器先頭部に設けられており標的部位に置かれてる各電極と接触している組織の一部のインピーダンスを測定する。医療装置は更に、測定されたインピーダンスに基づいて組織の当該一部の組織タイプを判定する。この組織タイプに基づいて、医療装置は機器先頭部の医療装置ツールを制御し、医療装置ツールが標的部位の組織の当該一部に適切に充てられていることを確保する。本件開示の取組み手法はは、上記以外の部位に在る各部の組織を避けながら、医療装置が標的部位の組織に医療装置ツールを適用することになるという点で有利である。
【0036】
先行技術と比較した場合の本件開示の医療装置の少なくとも1つの技術的利点は、本件開示の医療装置が、医療装置ツールを作動させる前に医療装置ツールが所与の標的標位置に配置されていることを確認することである。例えば、本件開示の医療装置は、医療装置を作動させる前に、医療装置の機器先頭部の各電極に接触している組織の一部の組織タイプが標的部位の予想される組織タイプと一致しているか否かを判定することもできる。このようにして、本件開示の医療装置は、多様な標的部位の組織に種々の医療装置ツールを従来の各医療装置よりも正確に充てることができる。その結果として、本件開示の医療装置を使用することで多様な処置手順を、従来の各医療装置で達成することができるものと比較してより正確かつ確実に実施することができるが、その具体例として、特定の標的部位へ治療薬剤またはエネルギーの送達することや特定標的部位で組織試料を抽出することなどのような処置手順があるが、これらに限定されない。これらの技術的利点は、先行技術の取組み手法に優る1つ以上の技術的進歩をもたらしている。
【0037】
1. 幾つかの実施形態において、医療装置は、1組以上の電極対と導管に接続された医療装置ツールとが設けられた機器先頭部、インピーダンス・ブリッジ、該インピーダンス・ブリッジと該導管とに接続されたプロセッサなどを備えている。
【0038】
2. 前項1の医療装置において、上記医療装置ツールは治療薬剤送達ツールを含んでおり、上記導管は1つ以上の治療薬剤送達導管を含んでいる。
【0039】
3. 前項1または前項2の医療装置において、上記医療装置ツールはエネルギー送達ツールを含んでおり、上記導管は該エネルギー送達ツールをエネルギー源に接続している1本以上のワイヤを備えている。
【0040】
4. 前項1から前項3のいずれかの医療装置において、上記医療装置ツールは組織試料抽出ツールを含んでおり、上記導管は該組織試料抽出ツールをアクチュエータに接続している1本以上のワイヤを備えている。
【0041】
5. 前項1から前項4のいずれかの医療装置において、上記医療装置ツールは少なくとも1組の電極対の電極間に存在している。
【0042】
6. 前項1から前項5のいずれかの医療装置において、所与の電極対の少なくとも一方の電極は、上記医療装置ツールの軸線に対して横方向外側に張り出している。
【0043】
7. 前項1から前項6のいずれかの医療装置において、所与の電極対の少なくとも一方の電極は可撓性素材から作製されている。
【0044】
8. 前項1から前項7のいずれかの医療装置は、所与の電極対に接続された1つ以上のアクチュエータを更に備えている。
【0045】
9. 前項1から前項8のいずれかの医療装置は、上記医療装置ツールに接続されて上記医療装置ツールを後退位置から伸長位置まで張り出させるアクチュエータを更に備えている。
【0046】
10. 幾つかの実施形態において、医療装置を制御する方法は、1種類以上の周波数で、医療装置の機器先頭部に設けられている1組以上の電極対に関連付けられた1つ以上のインピーダンス測定値を記録する工程、該1つ以上のインピーダンス測定値に基づいて、該1組以上の電極対と接触している組織の一部の組織タイプを判定する工程、該組織タイプに基づいて1つ以上の操作を実施することで、該機器先頭部に設けられている医療装置ツールを制御する工程などを含んでいる。
【0047】
11. 前項10の方法において、組織タイプを判定する上記工程は、上記1つ以上のインピーダンス測定値を、1種類以上の組織タイプに関連付けられた1つ以上の特性インピーダンス測定値と比較する工程を含んでいる。
【0048】
12. 前項10または前項11の方法において、組織タイプを判定する前記工程は、上記1つ以上のインピーダンス測定値に基づいて組織の上記一部のコールの緩和周波数を判定する工程、組織の上記一部のコールの緩和周波数を1種類以上の組織タイプの1種類以上の特有のコールの緩和周波数と比較する工程などを含んでいる。
【0049】
13. 前項10から前項12のいずれかの方法において、上記コールの緩和周波数は、上記1つ以上のインピーダンス測定値に含まれている最大インピーダンス測定値に関連付けられた周波数に対応している。
【0050】
14. 前項10から前項13のいずれかの方法において、組織タイプを判定する上記工程は、組織の上記一部の、閾値周波数を上回るコールの緩和周波数に基づいて腫瘍組織タイプと判定する工程、組織の上記一部の、閾値周波数を下回るコールの緩和周波数に基づいて非腫瘍組織タイプと判定する工程などを含んでいる。
【0051】
15. 前項10から前項14のいずれかの方法において、上記医療装置ツールは治療薬剤送達ツールを含んでおり、1つ以上の操作を実施することで医療装置ツールを制御する上記工程は、該治療薬剤送達ツールを作動させることで1種類以上の治療薬剤を組織の上記一部に送達する工程を含んでいる。
【0052】
16. 前項10から前項15のいずれかの方法において、上記医療装置ツールはエネルギー送達ツールを含んでおり、1つ以上の操作を実施することで医療装置ツールを制御する上記工程は、該エネルギー送達ツールを作動させることでエネルギーを組織の上記一部に送達する工程を含んでいる。
【0053】
17. 前項10から前項16のいずれかの方法において、上記医療装置ツールは組織試料抽出ツールを含んでおり、1つ以上の操作を実施することで医療装置ツールを制御する上記工程は、該組織試料抽出ツールを作動させることで組織試料を組織の上記一部から抽出する工程を含んでいる。
【0054】
18. 前項10から前項17のいずれかの方法において、1つ以上の操作を実施することで医療装置ツールを制御する上記工程は、上記医療装置ツールを後退位置から伸長位置まで張り出させる工程、少なくとも1組の電極対の各電極を伸張位置から後退位置に後戻りさせる工程などのうちの少なくとも1つを含んでいる。
【0055】
19. 前項10から前項18のいずれかの方法は、組織の上記一部の組織タイプの視覚表示や音声表示などのうちの少なくとも1つを出力する工程を更に含んでいる。
【0056】
20. 前項10から前項19のいずれかの方法は、組織の上記一部の組織タイプが標的部位の組織の組織タイプと一致しているという視覚表示や音声表示などのうちの少なくとも1つを出力する工程を更に含んでいる。
【0057】
特許請求の範囲の各請求項のいずれかに記載された特許を請求している各構成要素のいずれか、本願に記載のいずれかの構成要素、または、その両方のありとあらゆる組合せは、どのような形態であれ、本願の発明と保護の意図した範囲に入る。
【0058】
多様な実施形態の説明を例示の目的で提示してきたが、全てを網羅していること、すなわち、本件開示の実施形態に限定することを意図したものではない。本件記載の各実施形態の範囲および真髄から逸脱することなく、多くの修正および変形が当業者には明らかであろう。
【0059】
本願の各実施形態の各種の態様は、システム、方法、または、コンピュータ・プログラム製品として具現化することができる。従って、本件開示の各種の態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、もしくは、いずれも本明細書で「モジュール」、「システム」、または、「コンピュータ」と広義に呼称されている各種のソフトウェア態様とハードウェア態様を組み合わせた実施形態の形態をとることができる。加えて、本件開示で説明してきたどのハードウェア技術、ハードウェア・プロセス、ハードウェア機能、ハードウェア・コンポーネント、ハードウェア・エンジン、ハードウェア・モジュール、または、ハードウェア・システムも、これらのどのソフトウェア同等物も、もしくは、これらのどのハードとソフトの両方の同等物も、1つの回路または一組の回路群として実装され得る。更に、本件開示の各種の態様は、コンピュータが読取れる1つ以上の媒体に組み込まれてコンピュータが読取れるプログラムコードを具現化するさせるようにしたコンピュータ・プログラム製品の形式をとっていてもよい。
【0060】
コンピュータが読取れる1つ以上の媒体はどのような組合わせでも利用することができる。このコンピュータが読取れる媒体は、コンピュータが読取れる信号媒体であってもよいし、コンピュータが読取れる記憶媒体であってもよい。コンピュータが読取れる記憶媒体とは、例えば、電子式、磁気式、光学式、電磁式、赤外線式、または、半導体のシステム、機器、または、装置、もしくは、上記の何であれ好適な組合せであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータが読取れる記憶媒体のより具体的な例 (全てを網羅したリストではない) を挙げるとすれば以下のものがあり、すなわち、1本以上のワイヤが設けられた電気接続部、携帯型フロッピーディスク、ハードディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリ・メモリ(ROM)、消去できるプログラム可能リード・オンリ・メモリ(EPROM、フラッシュメモリなど)、光ファイバ、携帯型コンパクト・ディスク型リード・オンリ・メモリ(CD-ROM)、光記憶装置、磁気記憶装置、または、上記の何であれ好適な組合わせが挙げられる。本明細書の観点から、コンピュータが読取れる記憶媒体は、命令実行システム、命令実行機器、または、命令実行装置により使用される、または、その各々に連携して使用されるプログラムを内容として含むすなわち保存することができる何らかの有形媒体であるとよい。
【0061】
本件開示の各種の態様を、本件開示の各実施形態による方法、機器(システム)、および、コンピュータ・プログラム製品のフローチャート図説、ブロック図、または、その両方を参照しながら前段までに説明してきた。各フローチャート図説、各ブロック図、または、その両方における各ブロックと、これらブロックの各種組合せは、各種のコンピュータ・プログラム命令によって実現できることが分かるであろう。これらのコンピュータ・プログラム命令を、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または、それ以外のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供することで、或る種のマシーンを創作することができる。これらの命令は、コンピュータのプロセッサまたはそれ以外のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサにより実行されると、フローチャート、ブロック図、または、その両方の1つ以上のブロックで指定された諸機能や各種の動作を実現することができるようにする。そのようなプロセッサは、各種の汎用プロセッサ、専用プロセッサ、特定用途向けプロセッサ、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイなどであるとよいが、これらに限定されない。
【0062】
図面のフローチャートおよびブロック図は、本件開示の多様な実施形態による各種のシステム、方法、および、コンピュータ・プログラム製品の考えられ得る実装例の構成、機能性、および、動作を例示している。この点に関して、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、特定の論理機能(1つ以上)を実現するための1つ以上の実行可能な命令を含んでいるモジュール、セグメント、または、コードの一部を表している場合もある。また、代替の実装例によっては、当該ブロック内に示されている諸機能が、図面に示されている順序と異なる順序で起こる場合もある点にも留意するべきである。例えば、連続して図示されている2つのブロックが、実際には、時にはほぼ同時に実行されてもよいし、関係する機能性次第では、各ブロックが逆の順序で実行されてもよい。ブロック図、フローチャート図説、または、その両方の各ブロック、および、これらブロックの各種組合せは、特定の諸機能または各種動作を実施する専用のハードウェアベースのシステムにより実現されてもよいし、専用ハードウェアとコンピュータ命令との各種組合せにより実現されてもよい点にも留意すべきである。
【0063】
前段までは本件開示の各実施形態を対象としており、それらの基本的範囲から逸脱することなしに、本件開示の上記以外の更なる実施形態を案出することができるだろうが、それらの範囲は添付の特許請求の範囲によって決まる。
【符号の説明】
【0064】
100 医療装置
104 ワイヤ
106 外部電気コンポーネント
108 機器先頭部
202 電極対
204 医療装置ツール
302 導管
602 増幅器
604 インピーダンス・ブリッジ
606 プロセッサ
608 インピーダンス測定値
610 組織タイプ
612 各種操作
【手続補正書】
【提出日】2023-10-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0063】
前段までは本件開示の各実施形態を対象としており、それらの基本的範囲から逸脱することなしに、本件開示の上記以外の更なる実施形態を案出することができるだろうが、それらの範囲は添付の特許請求の範囲によって決まる。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
医療装置であって、
1組以上の電極対と導管に接続された医療装置ツールとを構成要素の一部に含んでいる 機器先頭部、
インピーダンス・ブリッジ、および、
該インピーダンス・ブリッジと該導管とに接続されたプロセッサを備えている、医療装置。
実施形態2
前記医療装置ツールは治療薬剤送達ツールを含んでおり、前記導管は1つ以上の治療薬剤送達導管を含んでいる、実施形態1に記載の医療装置。
実施形態3
前記医療装置ツールはエネルギー送達ツールを含んでおり、前記導管は該エネルギー送達ツールをエネルギー源に接続している1本以上のワイヤを備えている、実施形態1に記載の医療装置。
実施形態4
前記医療装置ツールは組織試料抽出ツールを含んでおり、前記導管は該組織試料抽出ツールをアクチュエータに接続している1本以上のワイヤを備えている、実施形態1に記載の医療装置。
実施形態5
前記医療装置ツールは少なくとも1組の電極対の電極間に存在している、実施形態1に記載の医療装置。
実施形態6
所与の電極対の少なくとも一方の電極は、前記医療装置ツールの軸線に対して横方向外側に張り出している、実施形態1に記載の医療装置。
実施形態7
所与の電極対の少なくとも一方の電極は可撓性素材から作製されている、実施形態1に記載の医療装置。
実施形態8
所与の電極対に接続された1つ以上のアクチュエータを更に備えている、実施形態1に記載の医療装置。
実施形態9
前記医療装置ツールに接続されて前記医療装置ツールを後退位置から伸長位置まで張り出させるアクチュエータを更に備えている、実施形態1に記載の医療装置。
実施形態10
医療装置を制御する方法であって、
1種類以上の周波数で、医療装置の機器先頭部に含まれている1組以上の電極対に関連付けられた1つ以上のインピーダンス測定値を記録する工程
該1つ以上のインピーダンス測定値に基づいて、該1組以上の電極対と接触している組織の一部の組織タイプを判定する工程、および、
該組織タイプに基づいて1つ以上の操作を実施することで、該機器先頭部に含まれている医療装置ツールを制御する工程を含んでいる、方法。
実施形態11
組織タイプを判定する前記工程は、前記1つ以上のインピーダンス測定値を、1種類以上の組織タイプに関連付けられた1つ以上の特性インピーダンス測定値と比較する工程を含んでいる、実施形態10に記載の方法。
実施形態12
組織タイプを判定する前記工程は、
前記1つ以上のインピーダンス測定値に基づいて組織の前記一部のコールの緩和周波数を判定する工程、および、
組織の前記一部のコールの緩和周波数を1種類以上の組織タイプの1種類以上の特有のコールの緩和周波数と比較する工程を含んでいる、実施形態10に記載の方法。
実施形態13
前記コールの緩和周波数は、前記1つ以上のインピーダンス測定値に含まれている最大インピーダンス測定値に関連付けられた周波数に対応している、実施形態12に記載の方法。
実施形態14
組織タイプを判定する前記工程は、
組織の前記一部の、閾値周波数を上回るコールの緩和周波数に基づいて腫瘍組織タイプと判定する工程、または、
組織の前記一部の、閾値周波数を下回るコールの緩和周波数に基づいて非腫瘍組織タイプと判定する工程を含んでいる、実施形態12に記載の方法。
実施形態15
前記医療装置ツールは治療薬剤送達ツールを含んでおり、1つ以上の操作を実施することで医療装置ツールを制御する前記工程は、該治療薬剤送達ツールを作動させることで1種類以上の治療薬剤を組織の前記一部に送達する工程を含んでいる、実施形態10に記載の方法。
実施形態16
前記医療装置ツールはエネルギー送達ツールを含んでおり、1つ以上の操作を実施することで医療装置ツールを制御する前記工程は、該エネルギー送達ツールを作動させることでエネルギーを組織の前記一部に送達する工程を含んでいる、実施形態10に記載の方法。
実施形態17
前記医療装置ツールは組織試料抽出ツールを含んでおり、1つ以上の操作を実施することで医療装置ツールを制御する前記工程は、該組織試料抽出ツールを作動させることで組織試料を組織の前記一部から抽出する工程を含んでいる、実施形態10に記載の方法。
実施形態18
1つ以上の操作を実施することで医療装置ツールを制御する前記工程は、
前記医療装置ツールを後退位置から伸長位置まで張り出させる工程、および、
少なくとも1組の電極対の各電極を伸張位置から後退位置に後戻りさせる工程のうちの少なくとも一方を含んでいる、実施形態10に記載の方法。
実施形態19
組織の前記一部の組織タイプの視覚表示や音声表示のうちの少なくとも1つを出力する工程を更に含んでいる、実施形態10に記載の方法。
実施形態20
組織の前記一部の組織タイプが標的部位の組織の組織タイプと一致しているという視覚表示や音声表示のうちの少なくとも1つを出力する工程を更に含んでいる、実施形態10に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置を制御する方法であって、
1種類以上の周波数で、医療装置の機器先頭部に含まれている1組以上の電極対に関連付けられた1つ以上のインピーダンス測定値を記録する工程
該1つ以上のインピーダンス測定値に基づいて、該1組以上の電極対と接触している組織の一部の組織タイプを判定する工程、および、
該組織タイプに基づいて1つ以上の操作を実施することで、該機器先頭部に含まれている医療装置ツールを制御する工程を含んでいる、方法。
【請求項2】
組織タイプを判定する前記工程は、前記1つ以上のインピーダンス測定値を、1種類以上の組織タイプに関連付けられた1つ以上の特性インピーダンス測定値と比較する工程を含んでいる、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
組織タイプを判定する前記工程は、
前記1つ以上のインピーダンス測定値に基づいて組織の前記一部のコールの緩和周波数を判定する工程、および、
組織の前記一部のコールの緩和周波数を1種類以上の組織タイプの1種類以上の特有のコールの緩和周波数と比較する工程を含んでいる、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記コールの緩和周波数は、前記1つ以上のインピーダンス測定値に含まれている最大インピーダンス測定値に関連付けられた周波数に対応している、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
組織タイプを判定する前記工程は、
組織の前記一部の、閾値周波数を上回るコールの緩和周波数に基づいて腫瘍組織タイプと判定する工程、または、
組織の前記一部の、閾値周波数を下回るコールの緩和周波数に基づいて非腫瘍組織タイプと判定する工程を含んでいる、
請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記医療装置ツールは治療薬剤送達ツールを含んでおり、1つ以上の操作を実施することで医療装置ツールを制御する前記工程は、該治療薬剤送達ツールを作動させることで1種類以上の治療薬剤を組織の前記一部に送達する工程を含んでいる、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記医療装置ツールはエネルギー送達ツールを含んでおり、1つ以上の操作を実施することで医療装置ツールを制御する前記工程は、該エネルギー送達ツールを作動させることでエネルギーを組織の前記一部に送達する工程を含んでいる、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記医療装置ツールは組織試料抽出ツールを含んでおり、1つ以上の操作を実施することで医療装置ツールを制御する前記工程は、該組織試料抽出ツールを作動させることで組織試料を組織の前記一部から抽出する工程を含んでいる、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
1つ以上の操作を実施することで医療装置ツールを制御する前記工程は、
前記医療装置ツールを後退位置から伸長位置まで張り出させる工程、および、
少なくとも1組の電極対の各電極を伸張位置から後退位置に後戻りさせる工程のうちの少なくとも一方を含んでいる、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
組織の前記一部の組織タイプの視覚表示や音声表示のうちの少なくとも1つを出力する工程を更に含んでいる、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
組織の前記一部の組織タイプが標的部位の組織の組織タイプと一致しているという視覚表示や音声表示のうちの少なくとも1つを出力する工程を更に含んでいる、
請求項1に記載の方法。
【国際調査報告】