(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】媒体中の蛍光体粒子によって囲まれるセラミック蛍光体タイルを有するピクセル化レーザ蛍光体
(51)【国際特許分類】
F21V 9/38 20180101AFI20240123BHJP
F21V 29/502 20150101ALI20240123BHJP
F21V 29/70 20150101ALI20240123BHJP
F21V 7/26 20180101ALI20240123BHJP
F21V 7/28 20180101ALI20240123BHJP
F21V 13/02 20060101ALI20240123BHJP
C09K 11/08 20060101ALI20240123BHJP
C09K 11/80 20060101ALI20240123BHJP
C09K 11/77 20060101ALI20240123BHJP
C09K 11/02 20060101ALI20240123BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240123BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20240123BHJP
【FI】
F21V9/38
F21V29/502 100
F21V29/70
F21V7/26
F21V7/28 250
F21V13/02 400
C09K11/08 J
C09K11/80
C09K11/77
C09K11/02 Z
F21Y115:10
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545288
(86)(22)【出願日】2022-01-19
(85)【翻訳文提出日】2023-09-21
(86)【国際出願番号】 EP2022051146
(87)【国際公開番号】W WO2022161831
(87)【国際公開日】2022-08-04
(32)【優先日】2021-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ボムメル ティース
(72)【発明者】
【氏名】ヒクメット リファット アタ ムスターファ
(72)【発明者】
【氏名】コルネリッセン ヒューゴ ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】ヴドヴィン オレクサンドル ヴァレンティノヴィッチ
【テーマコード(参考)】
4H001
【Fターム(参考)】
4H001CA07
4H001XA08
4H001XA13
4H001XA21
4H001XA31
4H001XA39
4H001XA57
4H001XA64
4H001XA65
4H001XA71
4H001YA58
(57)【要約】
本発明は、ルミネッセンス本体2100のアレイ2005と、前記ルミネッセンス本体2100の間に少なくとも部分的に構成されるマトリックス2210とを有するルミネッセンス構成2000であって、前記ルミネッセンス本体2100が、第1ルミネッセンス材料2110を有し、前記マトリックス2210が、光透過性材料2215を有し、前記光透過性材料2215が、第2ルミネッセンス材料2220を有し、前記第1ルミネッセンス材料2110と前記光透過性材料2215とが、異なる材料であり、前記ルミネッセンス本体2100が、セラミック体であるルミネッセンス構成2000を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の光源と、ルミネッセンス構成と、支持体とを有する光生成システムであって、
前記ルミネッセンス構成が、ルミネッセンス本体のアレイと、前記ルミネッセンス本体の間に少なくとも部分的に構成されるマトリックスとを有し、前記ルミネッセンス本体が、第1ルミネッセンス材料を有し、前記マトリックスが、光透過性材料を有し、前記光透過性材料が、第2ルミネッセンス材料を有し、前記第1ルミネッセンス材料と前記光透過性材料とが、異なる材料であり、前記ルミネッセンス本体が、セラミック体であり、
前記1つ以上の光源が、光源光の1つ以上のビームを生成するよう構成され、前記ルミネッセンス構成が、前記1つ以上の光源と受光関係にあるよう構成され、前記第1ルミネッセンス材料及び前記第2ルミネッセンス材料が、それぞれ、前記第1ルミネッセンス材料及び前記第2ルミネッセンス材料によって受け取られる前記光源光の少なくとも一部を、第1ルミネッセンス材料光及び第2ルミネッセンス材料光に変換するよう構成され、
前記第1ルミネッセンス材料が、A
3B
5O
12:Ceタイプのルミネッセンス材料を含み、Aが、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上を含み、Bが、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含み、
前記1つ以上の光源が、レーザダイオード又はスーパールミネッセントダイオードを有し、
前記支持体が、熱伝導性材料を有し、前記ルミネッセンス本体及び前記マトリックスを支持するよう構成されている光生成システム。
【請求項2】
前記マトリックスが、連続相であって、前記連続相に埋め込まれるルミネッセンス粒子を備える連続相によって規定され、前記ルミネッセンス粒子が、前記第2ルミネッセンス材料を有し、前記ルミネッセンス本体が、少なくとも部分的に前記連続相に埋め込まれる請求項1に記載の光生成システム。
【請求項3】
前記連続相が、有機ポリマ材料を有する請求項2に記載の光生成システム。
【請求項4】
前記連続相が、無機材料を有する請求項2乃至3のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項5】
前記第1ルミネッセンス材料と前記第2ルミネッセンス材料とが、異なるルミネッセンス材料である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項6】
前記第1ルミネッセンス材料と前記第2ルミネッセンス材料とが、同じルミネッセンス材料である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項7】
前記第2ルミネッセンス材料が、A
3B
5O
12:Ceタイプのルミネッセンス材料から選択され、Aが、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上を含み、Bが、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含む請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項8】
前記ルミネッセンス本体が、第1総断面積A1を有し、前記マトリックスが、第2総断面積A2を有し、0.1≦A1/A2≦4である請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項9】
前記ルミネッセンス本体の断面積が、円相当径Dを規定し、隣接するルミネッセンス本体間の最短距離d1が、0.1*D≦d1≦4*Dの範囲から選択される請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項10】
前記支持体が、光に対して反射性又は透過性である請求項1乃至9のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項11】
前記円相当径Dが、D≧2*Hの範囲内にあり、Hが、前記ルミネッセンス本体の高さである請求項9又は10に記載の光生成システム。
【請求項12】
前記1つ以上のビームが、前記ルミネッセンス構成に対して空間的なパワー分布を有し、前記空間的なパワー分布が、制御可能であり、前記光生成システムが、(i)前記1つ以上の光源、及び(ii)前記ルミネッセンス構成に対する前記1つ以上の光源の前記1つ以上のビームの前記空間的なパワー分布のうちの1つ以上を制御するよう構成される制御システムを更に有する請求項11に記載の光生成システム。
【請求項13】
前記1つ以上の光源が、レーザダイオード及びスーパールミネッセントダイオードから成るグループから選択される請求項1乃至12のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項14】
前記光源光の1つ以上のビームのビーム形状が、制御可能であり、動作モードの間、前記光生成システムが、前記光源光の少なくとも80%を前記ルミネッセンス本体に照射し、前記光源光の最大20%を前記マトリックスに照射するよう構成される請求項11乃至13のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項15】
ランプ、照明器具、プロジェクタデバイス、消毒デバイス、及び光無線通信デバイスのグループから選択される光生成デバイスであって、請求項12乃至14のいずれか一項に記載の光生成システムを有する光生成デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルミネッセンス構成(luminescent arrangement)、及びこのようなルミネッセンス構成を有する光生成システムに関する。更に、本発明は、このような光生成システムを有する、光生成デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
当技術分野においては、レーザ光源などの光源が知られている。例えば、US20180316160は、ガリウム及び窒素を含有する材料を含み、励起源として構成されるレーザダイオードデバイスと、波長変換器及び放射体として構成され、前記レーザダイオードデバイスに結合される蛍光体部材と、前記レーザダイオードデバイス及び前記蛍光体部材を支持するよう構成される共通支持部材、並びに前記共通支持部材に熱的に結合されるヒートシンクであって、前記共通支持部材が、前記レーザダイオードデバイス及び前記蛍光体部材から前記ヒートシンクへ熱エネルギを運ぶよう構成される共通支持部材及びヒートシンクと、400nmから485nmまでの第1波長を持つ紫色及び/又は青色発光から選択される電磁放射線で構成されるレーザビームを出力するよう、前記レーザダイオードデバイスに構成される出力ファセットと、前記レーザダイオードデバイスから前記蛍光体部材の励起面に前記レーザビームを伝達することが可能な非案内特性(non-guided characteristic)を持つ、前記出力ファセットと前記蛍光体部材との間の自由空間と、前記レーザビームと前記蛍光体部材の前記励起面との間の入射角の範囲であって、平均すると、前記レーザビームが、前記励起面に対する非法線入射を有し、ビームスポットが、或る特定の幾何学的サイズ及び形状のために構成されるような入射角の範囲とを有する一体型白色光源であって、前記蛍光体部材が、前記第1波長を持つ前記レーザビームからの前記電磁放射線の一部を、前記第1波長より長い第2波長を持つ放射電磁放射線に変換し、前記一体型白色光源が、前記蛍光体部材に関連する複数の散乱中心であって、前記蛍光体部材に入射する前記レーザビームから前記第1波長を持つ電磁放射線を散乱させる複数の散乱中心と、前記レーザビームが前記蛍光体部材の前記励起面上のビームスポット領域に入射し、実質的に同じビームスポット領域から白色光放射が出力されるように前記蛍光体部材を特徴付ける反射モードであって、前記白色光放射が、前記蛍光体部材からの少なくとも前記第2波長の放射電磁放射線によって特徴付けられる波長の混合物で構成される反射モードと、前記一体型白色光源のパッケージを特徴付けるフォームファクタ(form factor)であって、長さ、幅及び高さの寸法を有するフォームファクタとを有する一体型白色光源について記載している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
白色LED光源は、例えば約300lm/mm2までの強度を与えることができるが、静的蛍光体変換レーザ白色光源は、約20.000lm/mm2までの強度さえ与えることができる。Ceドープガーネット(例えば、YAG、LuAG)は、ガーネット母材が非常に高い化学的安定性を有するので、青色レーザ光でポンピングする(pump)ために使用されることができる最も適切なルミネッセンス変換器であり得る。更に、(例えば、0.5%未満の)低いCe濃度では、温度消光は、約200℃超でしか生じない可能性がある。更に、Ceからの発光は、非常に速い減衰時間を持ち、故に、光飽和の発生が本質的に防止されることができる。例えば反射モード動作と仮定すると、青色レーザ光が、蛍光体に入射する可能性がある。これは、実施形態においては、変換光の発光をもたらす、青色光のほぼ完全な変換を実現する可能性がある。相対的に高い安定性及び熱伝導率を備えるガーネット蛍光体の使用が提案されるのは、この理由のためである。しかしながら、他の蛍光体も適用され得る。極めて高い出力密度が使用される場合、熱管理は依然として課題であり得る。
【0004】
高輝度光源は、投影、ステージ照明、スポット照明、自動車用照明などの用途において使用されることができる。この目的のために、レーザがレーザ光を供給し、例えば(遠隔)蛍光体がレーザ光を変換光に変換するレーザ・蛍光体技術が使用され得る。前記蛍光体は、実施形態においては、熱管理の改善のために、従って、より高い輝度のために、ヒートシンク上に配設されてもよく、又はヒートシンクに挿入されてもよい。
【0005】
このような(レーザ)光源に関連し得る問題のうちの1つは、(セラミック)蛍光体の熱管理である。このようなレーザ光源に関連する他の問題は、コンパクトな高出力デバイスを作成したいという要望であり得る。これは、必ずしも相対的に容易ではないことがある。更に他の問題は、前記蛍光体から脱出するビームのビーム形状及び/又は空間的なパワー分布を制御したいという要望であり得る。
【0006】
従って、代替のルミネッセンス構成及び/又は光生成システムを提供することが、本発明の或る態様であり、前記代替のルミネッセンス構成及び/又は光生成システムは、好ましくは、更に、上記の不利な点のうちの1つ以上を少なくとも部分的に取り除く。本発明は、従来技術の不利な点のうちの少なくとも1つを解消若しくは改善すること、又は有用な代替手段を提供することを目的とし得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1態様においては、ルミネッセンス本体(luminescent body)のアレイと、前記ルミネッセンス本体の間に少なくとも部分的に構成されるマトリックス(matrix)とを有するルミネッセンス構成を提供する。実施形態においては、前記ルミネッセンス本体は、第1ルミネッセンス材料を有する。更に、特定の実施形態においては、前記マトリックスは、光透過性材料を有してもよい。特に、前記光透過性材料は、(実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料と同じであってもよく、実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料と異なってもよい)第2ルミネッセンス材料を有してもよい。特に、前記第1ルミネッセンス材料及び前記光透過性材料は、異なる材料である。更に、特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス本体は、セラミック体を有する。それ故、特に、本発明は、実施形態においては、ルミネッセンス本体のアレイと、前記ルミネッセンス本体の間に少なくとも部分的に構成されるマトリックスとを有するルミネッセンス構成であって、前記ルミネッセンス本体が、第1ルミネッセンス材料を有し、前記マトリックスが、光透過性材料を有し、前記光透過性材料が、第2ルミネッセンス材料を有し、前記第1ルミネッセンス材料と前記光透過性材料とが、異なる材料であり、特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス本体が、セラミック体を有するルミネッセンス構成を提供する。
【0008】
このようなルミネッセンス構成は、励起光のビームの集束に依存して、前記ルミネッセンス材料の様々なビーム形状を作成することを可能にする。随意に、このようなルミネッセンス構成は、励起光のビームの集束に依存して、様々なスペクトルパワー分布を提供することを可能にする。特に、異なるルミネッセンス材料がある場合に、そうであり得る。更に、このようなルミネッセンス構成は、前記ルミネッセンス構成に照射するために使用される光源に依存して、前記構成から脱出する(ルミネッセンス材料)光のビーム形状及びスペクトルパワー分布を制御することを可能にし得る。更に、このような構成は、前記ルミネッセンス本体が、単一の大きな本体を形成せず、複数の(より小さな)本体として設けられるので、例えば加熱による、応力を低減し得る。従って、熱管理が最適化され得る。更に、より小さなルミネッセンス本体を設けることは、(単一の)大きなルミネッセンス本体を設けることよりも容易であり得る。従って、製造がより容易である可能性があり、寿命がより長い可能性がある。
【0009】
上記のように、本発明は、ルミネッセンス構成を提供する。前記ルミネッセンス構成は、ルミネッセンス本体のアレイと、前記ルミネッセンス本体の間に少なくとも部分的に構成されるマトリックスとを有する。
【0010】
実施形態においては、前記ルミネッセンス本体及び前記マトリックスは、ルミネッセンス材料を有してもよい。以下では、ルミネッセンス材料の幾つかの態様について説明する。これらの態様は、前記第1ルミネッセンス材料及び前記第2ルミネッセンス材料の両方に適用され得る。
【0011】
「ルミネッセンス材料」という用語は、特に、第1放射線、特にUV放射線及び青色放射線のうちの1つ以上を、第2放射線に変換することができる材料を指す。一般に、前記第1放射線と前記第2放射線とは、異なるスペクトルパワー分布を有する。従って、「ルミネッセンス材料」という用語の代わりに、「ルミネッセンス変換器」又は「変換器」という用語が適用されることもある。一般に、前記第2放射線は、前記第1放射線よりも大きい波長の所にスペクトルパワー分布を有し、これは、所謂ダウンコンバージョンの場合である。しかしながら、特定の実施形態においては、前記第2放射線は、前記第1放射線よりも小さい波長の所に強度を持つスペクトルパワー分布を有し、これは、所謂アップコンバージョンの場合である。
【0012】
実施形態においては、前記「ルミネッセンス材料」は、特に、放射線を、例えば可視光及び/又は赤外光に変換することができる材料を指す場合がある。例えば、実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、UV放射線及び青色放射線のうちの1つ以上を、可視光に変換することができる場合がある。前記ルミネッセンス材料は、特定の実施形態においては、放射線を赤外放射線(IR)に変換する場合もある。従って、前記ルミネッセンス材料は、放射線で励起されると、放射線を放出する。一般に、前記ルミネッセンス材料は、ダウンコンバータであり、即ち、より小さい波長の放射線が、より大きい波長(λex<λem)を持つ放射線に変換されるが、特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、アップコンバータ・ルミネッセンス材料を有する場合があり、即ち、より大きい波長の放射線が、より小さい波長(λex>λem)を持つ放射線に変換される。
【0013】
実施形態においては、「ルミネッセンス」という用語は、リン光を指すことがある。実施形態においては、「ルミネッセンス」という用語は、蛍光を指すこともある。「ルミネッセンス」という用語の代わりに、「発光」という用語が適用されることもある。従って、「第1放射線」及び「第2放射線」という用語は、それぞれ、励起放射線及び発光(放射線)を指すことがある。同様に、「ルミネッセンス材料」という用語は、実施形態においては、リン光及び/又は蛍光を指すことがある。「ルミネッセンス材料」という用語は、複数の異なるルミネッセンス材料を指すこともある。可能なルミネッセンス材料の例を以下に示す。
【0014】
実施形態においては、ルミネッセンス材料は、それぞれ、特に三価セリウム又は二価ユーロピウムをドープした、ガーネット及び窒化物から選択される。「窒化物」という用語は、酸窒化物又はニトリドシリケートなどを指すこともある。
【0015】
特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、A3B5O12:Ceタイプのルミネッセンス材料を含み、Aは、実施形態においては、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上、特に、Y、Gd、Tb及びLuのうちの(少なくとも)1つ以上を含み、Bは、実施形態においては、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含む。特に、Aは、特にY及びLuのうちの1つ以上のような、Y、Gd及びLuのうちの1つ以上を含み得る。特に、Bは、Al及びGaのうちの1つ以上、より特に、本質的にAlだけのような、少なくともAlを含み得る。それゆえ、特に適切なルミネッセンス材料は、セリウムを含むガーネット材料である。ガーネットの実施形態は、特に、A3B5O12ガーネットを含み、Aは、少なくともイットリウム又はルテチウムを含み、Bは、少なくともアルミニウムを含む。このようなガーネットは、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、又はセリウムとプラセオジムとの組み合わせをドープしている可能性があるが、特にCeをドープしている可能性がある。特に、Bは、アルミニウム(Al)を含むが、Bは、ガリウム(Ga)及び/又はスカンジウム(Sc)及び/又はインジウム(In)も、部分的に、特に最大でAlの約20%、より特に最大でAlの約10%含んでもよい(即ち、Bイオンは、本質的に、90モル%以上のAlと、10モル%以下のGa、Sc及びInのうちの1つ以上とから成る)。Bは、特に、最大で約10%のガリウムを含んでもよい。別の変形例においては、B及びOは、少なくとも部分的にSi及びNに置き換えられてもよい。元素Aは、特に、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、及びルテチウム(Lu)から成るグループから選択され得る。更に、Gd及び/又はTbは、特に、Aの約20%の量までしか存在しない。特定の実施形態においては、ガーネットルミネッセンス材料は、(Y1-xLux)3B5O12:Ceを含み、xは、0以上且つ1以下である。「:Ce」という用語は、前記ルミネッセンス材料中の金属イオンの一部(即ち、ガーネットにおいては、「A」イオンの一部)が、Ceに置き換えられることを示している。例えば、(Y1-xLux)3Al5O12:Ceの場合には、Y及び/又はLuの一部が、Ceに置き換えられる。このことは、当業者には知られている。Ceは、Aを、一般に10%以下置き換え、一般に、Ce濃度は、(Aに対して)0.1乃至4%、特に0.1乃至2%の範囲内である。1%のCe及び10%のYと仮定すると、完全に正しい式は、(Y0.1Lu0.89Ce0.01)3Al5O12となり得る。ガーネットにおけるCeは、当業者には知られているように、実質的に三価状態にある、又は三価状態にしかない。
【0016】
実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、(従って)A3B5O12を含み、特定の実施形態においては、B-Oの最大10%が、Si-Nによって置き換えられ得る。
【0017】
特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、(Yx1-x2-x3A'x2Cex3)3(Aly1-y2B'y2)5O12を含み、x1+x2+x3=1であり、x3>0であり、0<x2+x3≦0.2であり、y1+y2=1であり、0≦y2≦0.2であり、A'は、ランタニドから成るグループから選択される1つ以上の元素を含み、B'は、Ga、In及びScから成るグループから選択される1つ以上の元素を含む。実施形態においては、x3は、0.001乃至0.1の範囲から選択される。本発明においては、特に、x1>0.2などの、少なくとも0.8のような、x1>0である。Yを備えるガーネットは、適切なスペクトルパワー分布を提供し得る。
【0018】
特定の実施形態においては、B-Oの最大10%が、Si-Nに置き換えられ得る。ここでは、B-OにおけるBは、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を指し(且つOは、酸素を指し)、特定の実施形態においては、B-Oは、Al-Oを指す場合がある。上記のように、特定の実施形態においては、x3は、0.001乃至0.04の範囲から選択され得る。特に、このようなルミネッセンス材料は、適切なスペクトル分布を有し(但し、下記参照)、相対的に高い効率を有し、相対的に高い熱安定性を有し、(第1光源光及び第2光源光(並びに光学フィルタ)と組み合わせて)高いCRIを可能にし得る。従って、特定の実施形態においては、Aは、Lu及びGdから成るグループから選択され得る。その代わりに、又は加えて、Bは、Gaを含み得る。従って、実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、(Yx1-x2-x3(Lu,Gd)x2Cex3)3(Aly1-y2Gay2)5O12を含み、Lu及び/又はGdが利用可能であってもよい。更により特に、x3は、0.001乃至0.1の範囲から選択され、0<x2+x3≦0.1であり、0≦y2≦0.1である。更に、特定の実施形態においては、B-Oの最大1%が、Si-Nに置き換えられ得る。ここで、百分率は、(当技術分野において知られているように)モルを指し、例えば、EP3149108も参照されたい。更に他の特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、(Yx1-x3Cex3)3Al5O12を含み、x1+x3=1であり、0<x3≦0.2であり、0.001乃至0.1などである。
【0019】
特定の実施形態においては、前記光生成デバイスは、セリウムを含むガーネットのタイプから選択されるルミネッセンス材料しか含まないことがある。もっと他の特定の実施形態においては、前記光生成デバイスは、(Yx1-x2-x3A'x2Cex3)3(Aly1-y2B'y2)5O12などの、単一のタイプのルミネッセンス材料を含む。従って、特定の実施形態においては、前記光生成デバイスは、ルミネッセンス材料を有し、前記ルミネッセンス材料の少なくとも85重量%、更により特に少なくとも約90重量%、例えば更にもっとより特に少なくとも約95重量%が、(Yx1-x2-x3A'x2Cex3)3(Aly1-y2B'y2)5O12を含む。ここで、A'は、ランタニドから成るグループから選択される1つ以上の元素を含み、B'は、Ga In及びScから成るグループから選択される1つ以上の元素を含み、x1+x2+x3=1であり、x3>0であり、0<x2+x3≦0.2であり、y1+y2=1であり、0≦y2≦0.2である。特に、x3は、0.001乃至0.1の範囲から選択される。実施形態においては、x2=0であることに留意されたい。その代わりに、又は加えて、実施形態においては、y2=0である。
【0020】
特定の実施形態においては、Aは、特に、少なくともYを含んでもよく、Bは、特に、少なくともAlを含んでもよい。
【0021】
実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、その代わりに、又は加えて、M2Si5N8:Eu2+及び/又はMAlSiN3:Eu2+及び/又はCa2AlSi3O2N5:Eu2+などのうちの1つ以上を含んでもよく、Mは、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上、特に実施形態においては、少なくともSrを含む。従って、実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、(Ba,Sr,Ca)S:Eu、(Ba,Sr,Ca)AlSiN3:Eu及び(Ba,Sr,Ca)2Si5N8:Euから成るグループから選択される1つ以上の材料を含んでもよい。これらの化合物において、ユーロピウム(Eu)は、実質的に二価のものである、又は二価のものしかなく、示されている二価カチオンのうちの1つ以上を置き換える。一般に、Euは、カチオンの10%よりも多い量では存在せず、Euの存在は、特に、Euが置き換えるカチオンに対して、約0.5乃至10%の範囲内、より特に約0.5乃至5%の範囲内である。「:Eu」という用語は、金属イオンの一部が、Eu(これらの例においてはEu2+)に置き換えられることを示している。例えば、CaAlSiN3:Euにおいて2%のEuと仮定すると、正しい式は、(Ca0.98Eu0.02)AlSiN3となり得る。二価ユーロピウムは、一般に、上記の二価アルカリ土類カチオンなどの、二価カチオン、特にCa、Sr又はBaを置き換える。材料(Ba,Sr,Ca)S:Euは、MS:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、カルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、より特にカルシウムを含む。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。更に、材料(Ba,Sr,Ca)2Si5N8:Euは、M2Si5N8:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、Sr及び/又はBaを含む。更なる特定の実施形態においては、Mは、Sr及び/又はBa(Euの存在は考慮に入れていない)から成り、Ba1.5Sr0.5Si5N8:Eu(即ち、75%のBa;25%のSr)のような、特に50乃至100%、より特に50乃至90%のBa、及び50乃至0%、特に50乃至10%のSrから成る。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。同様に、材料(Ba,Sr,Ca)AlSiN3:Euは、MAlSiN3:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、カルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、より特にカルシウムを含む。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。上記のルミネッセンス材料におけるEuは、当業者には知られているように、実質的に二価状態にある、又は二価状態にしかない。
【0022】
実施形態においては、赤色ルミネッセンス材料は、(Ba,Sr,Ca)S:Eu、(Ba,Sr,Ca)AlSiN3:Eu及び(Ba,Sr,Ca)2Si5N8:Euから成るグループから選択される1つ以上の材料を含んでもよい。これらの化合物において、ユーロピウム(Eu)は、実質的に二価のものである、又は二価のものしかなく、示されている二価カチオンのうちの1つ以上を置き換える。一般に、Euは、カチオンの10%よりも多い量では存在せず、Euの存在は、特に、Euが置き換えるカチオンに対して、約0.5乃至10%の範囲内、より特に約0.5乃至5%の範囲内である。「:Eu」という用語は、金属イオンの一部が、Eu(これらの例においてはEu2+)に置き換えられることを示している。例えば、CaAlSiN3:Euにおいて2%のEuと仮定すると、正しい式は、(Ca0.98Eu0.02)AlSiN3となり得る。二価ユーロピウムは、一般に、上記の二価アルカリ土類カチオンなどの、二価カチオン、特にCa、Sr又はBaを置き換える。
【0023】
材料(Ba,Sr,Ca)S:Euは、MS:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、カルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、より特にカルシウムを含む。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。
【0024】
更に、材料(Ba,Sr,Ca)2Si5N8:Euは、M2Si5N8:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、Sr及び/又はBaを含む。更なる特定の実施形態においては、Mは、Sr及び/又はBa(Euの存在は考慮に入れていない)から成り、Ba1.5Sr0.5Si5N8:Eu(即ち、75%のBa;25%のSr)のような、特に50乃至100%、より特に50乃至90%のBa、及び50乃至0%、特に50乃至10%のSrから成る。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。
【0025】
同様に、材料(Ba,Sr,Ca)AlSiN3:Euは、MAlSiN3:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、カルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、より特にカルシウムを含む。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。
【0026】
上記のルミネッセンス材料におけるEuは、当業者には知られているように、実質的に二価状態にある、又は二価状態にしかない。
【0027】
青色ルミネッセンス材料は、YSO(Y2SiO5:Ce3+)、若しくは同様の化合物、又はBAM(BaMgAl10O17:Eu2+)、若しくは同様の化合物を含んでもよい。
【0028】
「ルミネッセンス材料」という用語は、本明細書においては、特に、無機ルミネッセンス材料に関する。
【0029】
「ルミネッセンス材料」という用語の代わりに、「蛍光体」という用語が適用されることもある。これらの用語は、当業者には知られている。
【0030】
その代わりに、又は加えて、他のルミネッセンス材料が適用されることもある。例えば、量子ドット及び/又は有機色素が、適用されてもよく、随意に、例えばPMMA又はポリシロキサンなどのようなポリマのような、透過性マトリックスに埋め込まれてもよい。
【0031】
量子ドットは、一般にわずか数ナノメートルの幅又は直径を有する半導体材料の小さい結晶である。量子ドットは、入射光によって励起されるときに、前記結晶のサイズ及び材料によって決定されている色の光を発する。従って、ドットのサイズを適合させることによって、特定の色の光が生成されることができる。可視域で発光する、最も知られている量子ドットは、硫化カドミウム(CdS)及び硫化亜鉛(ZnS)などのシェルを備えるセレン化カドミウム(CdSe)をベースにしている。リン化インジウム(InP)、並びに硫化銅インジウム(CuInS2)及び/又は硫化銀インジウム(AgInS2)などの、カドミウムを含まない量子ドットも、使用されることができる。量子ドットは非常に狭い発光帯域を示し、従って、量子ドットは飽和色を示す。更には、発光色は、量子ドットのサイズを適合させることによって、容易に調整されることができる。本発明においては、当技術分野において知られている任意のタイプの量子ドットが使用され得る。しかしながら、環境に関する安全性及び懸念の理由で、カドミウムを含まない量子ドット、又は少なくともカドミウム含有量が非常に少ない量子ドットを使用することが好ましい場合がある。
【0032】
量子ドットの代わりに、又は量子ドットに加えて、他の量子閉じ込め構造が使用されることもある。「量子閉じ込め構造」は、本願との関連においては、例えば、量子井戸、量子ドット、量子ロッド、トライポッド、テトラポッド、又はナノワイヤなどとして理解されたい。
【0033】
有機蛍光体も使用されることができる。適切な有機蛍光体材料の例は、ペリレン誘導体をベースとした有機ルミネッセンス材料、例えば、BASFによってLumogen(登録商標)という名称で販売されている化合物である。適切な化合物の例は、Lumogen(登録商標)Red F305、Lumogen(登録商標)Orange F240、Lumogen(登録商標)Yellow F083、及びLumogen(登録商標)F170を含むが、これらに限定されない。
【0034】
異なるルミネッセンス材料は、異なるスペクトルパワー分布のそれぞれのルミネッセンス材料光を有し得る。その代わりに、又は加えて、このような異なるルミネッセンス材料は、特に、異なるカラーポイント(又は主波長)を有し得る。
【0035】
上記のように、他のルミネッセンス材料も可能であり得る。従って、特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、二価ユーロピウム含有窒化物、二価ユーロピウム含有酸窒化物、二価ユーロピウム含有ケイ酸塩、セリウムを含むガーネット、及び量子構造のグループから選択される。量子構造は、例えば、量子ドット又は量子ロッド(又は他の量子型粒子)(上記参照)を含み得る。量子構造は、量子井戸も含み得る。量子構造は、フォトニック結晶も含み得る。
【0036】
上記のように、前記ルミネッセンス本体は、第1ルミネッセンス材料を有する。
【0037】
実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料は、上記のルミネッセンス材料(及び/又は別のルミネッセンス材料)のいずれかを有してもよい。しかしながら、特に、実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料は、多結晶材料などの無機結晶材料を有してもよい(更に下記も参照)。
【0038】
上記のように、「ルミネッセンス材料」という用語は、複数の異なるルミネッセンス材料を指すこともある。従って、「ルミネッセンス材料」という用語は、特定の実施形態においては、ルミネッセンス材料組成物を指すこともある。
【0039】
前記ルミネッセンス本体のうちの2つ以上が、同じ(第1)ルミネッセンス材料を有することがある。しかしながら、前記ルミネッセンス本体のうちの2つ以上が、異なるルミネッセンス材料を有することもある。しかしながら、特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス本体は、少なくともルミネッセンス材料に関しては、本質的に同じであってもよい。従って、実施形態においては、本質的に同じ照射の下では、本質的に同じルミネッセンスが生成され得る。従って、特定の実施形態においては、各ルミネッセンス本体は、同じ第1ルミネッセンス材料を有する。
【0040】
前記ルミネッセンス本体は、矩形の形状若しくは円形の形状、又は六角形の形状、又は八角形の形状を有してもよい。特に、前記ルミネッセンス本体は、前記正方形の形状のような、矩形の形状を有してもよい。しかしながら、丸みを帯びた隅を備える矩形、長円形などのような、他の形状も可能であり得る。特定の実施形態においては、矩形は正方形であってもよく、他の実施形態においては、矩形は非正方形であってもよい。実施形態においては、全てのルミネッセンス本体が同じ形状を有してもよい。他の実施形態においては、前記ルミネッセンス本体は、2つの異なる形状のような、2乃至4タイプの異なる形状を有してもよい。特に、前記形状は、前記ルミネッセンス本体の高さに垂直な、断面形状を指す。
【0041】
前記ルミネッセンス本体は、高さ(H)及び円相当径(D')を有し得る。(不規則な形状の)2次元形状の円相当径(又はECD)は、相当面積の円の直径である。例えば、辺aを備える正方形の円相当径は、2*a*SQRT(1/π)である。円の場合、直径は円相当径と同じである。xy平面内の、直径Dを備える円が、領域のサイズを変えずに、(前記xy平面内で)任意の他の形状に歪まされる場合には、その形状の円相当径はDとなる。
【0042】
前記高さは、実施形態においては、少なくとも0.025mm(25μm)などの、少なくとも0.03mmのような、実施形態においては0.03乃至20mmの範囲から選択されるような、少なくとも0.02mmの範囲から選択されてもよい。特に、実施形態においては、前記ルミネッセンス本体の高さは、0.05乃至10mmなどの、0.05乃至5mmのような、0.05乃至20mmの範囲から選択されてもよい。特に、前記高さは、実施形態においては、0.1乃至0.5mmのような、0.05乃至1mmの範囲から選択されてもよい。特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス本体は、異なる2乃至4タイプの断面形状を有し得るにもかかわらず、全てのルミネッセンス本体が同じ高さを有してもよい。それでも、他の実施形態においては、前記ルミネッセンス本体は、2乃至4個の異なる高さのような、異なる高さを有してもよい。
【0043】
前記ルミネッセンス本体は、エッジ(edge)を有してもよい。円形断面の場合には、前記エッジは、単一のエッジ(又は単一のエッジ要素)を有し、三角形断面の場合には、前記エッジは、3つのエッジ(又は3つのエッジ要素)を有し、矩形断面の場合には、前記エッジは、4つのエッジ(又は3つのエッジ要素)を有するなどである。前記エッジは、特に、前記高さによって規定され得る。
【0044】
前記円相当径は、0.2乃至80mmなどの、0.2乃至80mmの範囲から選択されるような、例えば0.5乃至50mmのような、特に1乃至50mmなどの、特定の実施形態においては1乃至40mmなどの、0.2乃至100mmの範囲から選択されてもよい。特定の実施形態(上記も参照)においては、前記ルミネッセンス本体は、幅及び長さを有してもよい。実施形態においては、前記幅及び前記長さは、0.2乃至80mmなどの、0.2乃至80mmの範囲から選択されるような、例えば0.5乃至50mmのような、特に1乃至50mmなどの、特定の実施形態においては1乃至40mmなどの、0.2乃至100mmの範囲から個別に選択されてもよい。特に、実施形態においては、前記円相当径は、特に0.5乃至25mmなどの、実施形態においては1乃至20mmのような、0.2乃至50mmの範囲から選択されてもよい。上記から導き出され得るように、前記ルミネッセンス本体が、幅及び長さを有する場合でも、前記ルミネッセンス本体は、円相当径を有することができ、それによって特徴付けられ得る。
【0045】
特定の実施形態においては、D'で示され得る前記円相当径は、前記高さよりも大きくてもよい。特に、特定の実施形態においては2*H≦D'≦5000*Hなどの、D'≧2*Hである。特に、実施形態においては2*H≦D'≦1000*Hである。更に他の特定の実施形態においては、実施形態においては5*H≦D'≦200*Hのような、2*H≦D'≦500*Hである。
【0046】
前記ルミネッセンス本体に関する更なる特定の実施形態については、前記マトリックスに関する幾つかの実施形態の後で、以下で説明する。
【0047】
前記構成は、前記ルミネッセンス本体に加えて、マトリックスを有する。特に、前記ルミネッセンス本体及び前記マトリックスは、前記ルミネッセンス本体の前記エッジが前記マトリックス(又はマトリックス材料)に接触し得る構成を形成し得る。従って、前記マトリックスは、前記ルミネッセンス本体の前記エッジの少なくとも一部を囲んでもよく、特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス本体の前記エッジを本質的に完全に囲んでもよい。それ故、実施形態においては、前記マトリックス(材料)は、前記ルミネッセンス本体(の前記エッジ)と物理的に接触していてもよい。従って、実施形態においては、前記ルミネッセンス本体は、前記マトリックス(材料)に埋め込まれて構成されてもよい。このような実施形態においては、前記構成が、本質的に構成本体(arrangement body)であってもよい。しかしながら、他の実施形態も可能であり得る。
【0048】
前記マトリックスは、マトリックス高さH1を有し得る。実施形態においては、前記マトリックス高さは、前記ルミネッセンス本体と同じ高さである。しかしながら、他の実施形態においては、前記マトリックス高さは、前記ルミネッセンス本体より小さくてもよい。従って、前記ルミネッセンス本体は、前記マトリックスから突出することがある。更に他の実施形態においては、前記ルミネッセンス本体は、前記マトリックスよりも小さな高さを有してもよい。このような実施形態においては、前記ルミネッセンス本体が、(浅い)窪みを形成し得るが、他の実施形態においては、前記マトリックス(材料)が、前記ルミネッセンス本体を覆ってもよい。このような実施形態の組み合わせも可能であり得る。
【0049】
従って、特定の実施形態においては、前記マトリックス高さ(H1)は、前記ルミネッセンス本体高さ(H)と本質的に同じ、即ち、(H1=Hなどの)H1≒Hである。このような実施形態においては、同じ高さの領域の光が発せられ得る。更に他の実施形態においては、0.5*H1≦H≦0.95*H1である。前記マトリックスが、より高い高さを有する場合、このことは、例えば、マトリックス(材料)で前記ルミネッセンス本体を覆うことを可能にし得る。前記マトリックスは、前記ルミネッセンス本体を保護し得る。更に、前記ルミネッセンス本体の光は、前記マトリックスにわたって部分的に不鮮明(smear)にされ得る。更に他の実施形態においては、1.05*H1≦H≦2*H1である。前記マトリックスが、より低い高さを有する場合、このことは、前記構成のより容易な製造を可能にし得る。更に、前記ルミネッセンス本体の高さが、前記マトリックスよりも高い場合、実施形態においては、光が、前記ルミネッセンス本体からより良く脱出する可能性もある。しかしながら、更に他の実施形態においては、0.95*H1≦H≦1.05*H1である。本質的に同じ高さを有する場合、このことは、前記構成の取り扱いを容易にし得る。特に、前記マトリックスは、本質的に、前記マトリックスの全体にわたって同じ高さを有してもよい。
【0050】
前記マトリックスは、マトリックス材料を有する。従って、前記「マトリックス」は、(実施形態においては)「マトリックス材料」と示されることもある。前記マトリックス材料は、光透過性材料を有し、前記光透過性材料は、第2ルミネッセンス材料を有する。従って、前記マトリックスは、光透過性材料を有し、前記光透過性材料は、第2ルミネッセンス材料を有する。
【0051】
前記光透過性材料は、前記光透過性材料の大部分への励起光の伝達を可能にすることができ、ルミネッセンス要素の励起を可能にする。更に、前記光透過性材料は、(前記第2ルミネッセンス材料の)前記第2ルミネッセンス材料光の透過を可能にし得る。前記マトリックス内へ結合され得る第1ルミネッセンス材料光もまた、前記光透過性材料によって透過され得る。
【0052】
実施形態においては、前記光透過性材料は、ルミネッセンスイオンを備えるガラスを有してもよい。実施形態においては、前記光透過性材料は、ガラスであって、前記ガラスに埋め込まれるルミネッセンス粒子を備えるガラスを有してもよい。前記ルミネッセンス粒子は、上記のようなルミネッセンス材料を有してもよい。
【0053】
ガラスの例は、ホウケイ酸ガラス又はリン酸ガラスであり得る。ソーダ石灰ガラス、ゲルマン酸塩ガラス(germanate glass)、フッ化物ガラス、カルコゲナイドガラスなどのような、他のガラスも可能であり得る。実施形態においては、シリカガラス又は溶融シリカ、溶融石英が適用されてもよい。
【0054】
実施形態においては、前記光透過性材料は、ルミネッセンスイオンを備える無機ポリマ材料を有してもよい。実施形態においては、前記光透過性材料は、無機ポリマ材料であって、前記無機ポリマ材料に埋め込まれるルミネッセンス粒子を備える無機ポリマ材料を有してもよい。例えば、前記ポリマ材料は、水ガラスなどの、ケイ酸塩を有してもよい。前記ルミネッセンス粒子は、上記のようなルミネッセンス材料を有してもよい。
【0055】
実施形態においては、前記光透過性材料は、ルミネッセンス分子を備える有機ポリマ材料を有してもよい。実施形態においては、前記光透過性材料は、有機ポリマ材料であって、前記有機ポリマ材料に埋め込まれるルミネッセンス粒子を備える有機ポリマ材料を有してもよい。前記ルミネッセンス粒子は、上記のようなルミネッセンス材料を有してもよい。実施形態においては、前記光透過性材料は、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)、ポリウレタン(PU)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)(プレキシガラス又はパースペックス)、ポリメタクリルイミド(PMI)、ポリメチルメタクリルイミド(PMMI)、スチレンアクリロニトリル樹脂(SAN)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、シリコーン、ポリ塩化ビニル(PVC)、実施形態において(PETG)(グリコール変性ポリエチレンテレフタレート)を含むポリエチレンテレフタレート(PET)、PDMS(ポリジメチルシロキサン)、及びCOC(シクロオレフィンコポリマ)から成るグループから選択されるような、透過性有機材料から成るグループから選択される1つ以上の材料を有してもよい。特に、前記光透過性材料は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリ(メチル)メタクリレート(P(M)MA)、ポリグリコリド又はポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、 ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシ吉草酸塩)(poly(3-hydroxybutyrate-co-3-hydroxyvalerate) )(PHBV)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)のうちの1つ以上のような、芳香族ポリエステル、又はその共重合体を有してもよい。特に、前記光透過性材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を有してもよい。従って、前記光透過性材料は、特に、ポリマ光透過性材料である。
【0056】
特定の実施形態においては、石英又はシリカのような、他のマトリックス材料が適用されることもある。特に、前記マトリックスは、モノリシックボディ(monolithic body)を有し、前記ルミネッセンス本体が少なくとも部分的に埋め込まれる。例えば、互いの非ゼロ距離の所に構成されるルミネッセンス本体のアレイ間の隙間(opening)に、ポリマ材料又はガラスが設けられてもよい。このことは、共通のマトリックス(材料)に組み込まれるルミネッセンス本体のタイル(状)構成を提供し得る。
【0057】
上記から導き出され得るように、特定の実施形態においては、前記マトリックスは、少なくとも部分的に連続相(continuous phase)によって規定され、前記ルミネッセンス本体は、少なくとも部分的に前記連続相に埋め込まれる。それ故、特定の実施形態においては、前記連続相は、有機ポリマ材料を有してもよく、且つ/又は実施形態においては、前記連続相は、無機材料を有する。
【0058】
(従って、)特定の実施形態においては、前記マトリックスは、少なくとも部分的に、連続相であって、前記連続相に埋め込まれるルミネッセンス粒子を備える連続相によって規定されてもよく、前記ルミネッセンス粒子は、前記第2ルミネッセンス材料を有し、前記ルミネッセンス本体は、少なくとも部分的に前記連続相に埋め込まれる。
【0059】
実施形態においては、前記第2ルミネッセンス材料は、上記のルミネッセンス材料(及び/又は他のルミネッセンス材料)のいずれかを有してもよい。実施形態においては、前記第2ルミネッセンス材料は、単一のタイプのルミネッセンス材料を有してもよい。他の実施形態においては、前記第2ルミネッセンス材料は、2つ以上の異なるルミネッセンス材料を有する。特に、実施形態においては、前記第2ルミネッセンス材料は、前記マトリックスにわたって均一に分布していてもよい。例えば、前記ルミネッセンス粒子は、前記光透過性(マトリックス)材料中に均一に分布していてもよい。
【0060】
実施形態においては、前記マトリックス中の前記第2ルミネッセンス材料を有する前記ルミネッセンス粒子は、量子ドットであってもよい。他の実施形態においては、前記第2ルミネッセンス材料を有する前記ルミネッセンス粒子は、多結晶蛍光体粒子を有してもよい。更に他の実施形態においては、前記第2ルミネッセンス材料を有する前記ルミネッセンス粒子は、微結晶などの、単結晶蛍光体の小さなかけらを有してもよい。特に、実施形態においては、前記第2ルミネッセンス材料を有する前記ルミネッセンス粒子は、多結晶材料などの、無機結晶材料を有してもよい。このような実施形態の2つ以上が組み合わされることもある。
【0061】
前記マトリックス材料が、前記第2ルミネッセンス材料を有するルミネッセンス粒子を有する場合には、前記粒子は、実施形態においては、前記ルミネッセンス本体よりも小さい寸法、特にかなり小さい寸法を有する。長さ、幅、高さ、直径のような、前記粒子の寸法は、約100μmまでの範囲、更により特には、50μm以下のような、約80μmまでの範囲から選択されてもよい。実施形態においては、前記ルミネッセンス粒子の少なくとも75重量%は、約80μmまでの範囲から選択され得る、長さ、幅、高さ、直径のような、前記粒子の寸法を有する。実施形態においては、個数平均粒径(the number averaged particle size)は、25μm以下であってもよい。量子ドットの場合には、他の材料に埋め込まれた量子ドットが(粒子として)適用されない限り、サイズははるかに小さくなり得る。従って、前記(量子ドット)粒子は、少なくとも約2nmのサイズを有し得る。特に、実施形態においては、前記粒子は、少なくとも4nmなどの、少なくとも2nmの個数平均粒径を有し得る。
【0062】
粒径は、光学顕微鏡法、SEM(走査型電子顕微鏡)及びTEM(透過型電子顕微鏡法)のうちの1つ以上のような、当技術分野において知られている方法で決定され得る。当技術分野において知られているように、寸法は、個数平均したものであってもよい。従って、前記粒子は、実質的に同じであり得るが、前記粒子は、サブセット内では前記粒子が実質的に同じである、粒子の2つ以上のサブセットのように、相互に異なることもある。前記粒子は、単峰型(unimodal)粒径分布又は多峰型(polymodal)粒径分布を有してもよい。
【0063】
上記のように、前記マトリックスは、光透過性材料を有する。前記光透過性材料は、ルミネッセンス材料を有してもよい。例えば、ルミネッセンスイオンを備えるガラスの場合には、前記ガラスは、光透過性材料及びルミネッセンス材料とみなされ得る。上記のように、本明細書においては、前記第1ルミネッセンス材料 及び前記光透過性材料は、異なる材料である。従って、前記ルミネッセンス本体が、ガラスタイプのものである場合、前記ルミネッセンス本体は、(前記マトリックスの前記光透過性材料とは)別のガラス及び/又は別のルミネッセンス材料を有する。従って、特に、少なくとも、前記第1ルミネッセンス材料及び前記光透過性材料は、異なる材料である。
【0064】
特に、前記ルミネッセンス本体は、セラミック体を有する。更に、特に、前記マトリックスは、セラミック体ではない。ガラスはセラミック体とはみなされないことに留意されたい。上記のように、前記マトリックスは、実施形態においては、ガラス材料若しくはポリマ材料(又はそれらの組み合わせ)を有してもよい。更に、上記のように、前記ルミネッセンス本体は、セラミック体を有してもよく、前記マトリックスは、光透過性材料であって、前記光透過性材料に埋め込まれる、2nm乃至100μmの範囲内のサイズを有する粒子(上記参照)などの、粒子を備える光透過性材料を有してもよい。
【0065】
セラミック体は、当技術分野においては知られている。特に、前記セラミック材料は、随意に、後に(わずかに)酸化性の雰囲気中でのアニーリングが続く、焼結処理及び/又はホットプレス処理によって得られ得る。「セラミック」という用語は、特に、無機材料であって、とりわけ、10-8乃至500MPaの範囲内などの、特に少なくとも0.5MPaなどの、特に少なくとも1MPaのような、1乃至約500MPaのような、少なくとも5MPa、又は少なくとも10MPaなどの、減圧、大気圧又は高圧の下で、特に一軸圧力又は等方圧(isostatic pressure)の下で、特に等方圧の下で、少なくとも500℃、特に、少なくとも1000℃などの、少なくとも1400℃のような、少なくとも800℃の温度で(多結晶)粉末を加熱することによって得られる無機材料に関する。セラミックを得るための特定の方法は、熱間等方圧加圧法(hot isostatic pressing)(HIP)であり、HIP処理は、上記のような温度及び圧力条件下のような、焼結後HIP、カプセルHIP又は複合焼結HIP処理であってもよい。このような方法によって得られる前記セラミックは、そのまま使用されてもよく、又は更に(研磨のような)処理をされてもよい。セラミックは、特に、理論密度(即ち、単結晶の密度)の、少なくとも95%などの、97乃至100%の範囲内のような、少なくとも90%(以上、下記参照)である密度を有する。セラミックは、依然として、多結晶である可能性があるが、粒(圧縮粒子又は圧縮凝集粒子)間の体積は減らされている、又は大幅に減らされている。HIPのような高圧下での加熱は、例えば、N2及びアルゴン(Ar)のうちの1つ以上を含むような不活性ガス中で実施され得る。特に、高圧下での加熱の前に、1500乃至1800℃などの、1400乃至1900℃の範囲から選択される温度における焼結処理がある。このような焼結は、10-2Pa以下の圧力などの、減圧下で実施されてもよい。このような焼結は、既に、理論密度の少なくとも95%、更により特には少なくとも99%のオーダーの密度をもたらす可能性がある。予備焼結と、HIPのような、特に高圧下での、加熱との両方の後には、光透過体の密度は、単結晶の密度に近くなり得る。しかしながら、違いは、前記光透過体は多結晶であるので、前記光透過体においては粒界が利用可能であることである。このような粒界は、例えば、光学顕微鏡法又はSEMによって検出されることができる。従って、本明細書においては、前記光透過体は、特に、(同じ材料の)単結晶と実質的に同一の密度を有する焼結多結晶を指す。従って、このような光透過体は、(特にCe3+などの光吸収種による吸収を除いて)可視光に対する透明性が高い可能性がある。
【0066】
他の実施形態においては、前記ルミネッセンス本体は、単結晶体を有してもよい。
【0067】
以下では、幾つかの更なる実施形態ついて説明する。
【0068】
特定の実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料及び前記第2ルミネッセンス材料は、異なるルミネッセンス材料である。従って、実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料及び前記第2ルミネッセンス材料は、ルミネッセンス材料光に変換され得る光(即ち、「励起光」)を照射すると、異なるスペクトルパワー分布を有するルミネッセンス材料光を供給する。特に、実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料及び前記第2ルミネッセンス材料は、実施形態においてはUV及び/又は青色放射線のような、両方のルミネッセンス材料によってルミネッセンス材料光に変換され得る同じ光を照射すると、異なるスペクトルパワー分布を有するルミネッセンス材料光を供給する。しかしながら、更に他の実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料と前記第2ルミネッセンス材料とが同じルミネッセンス材料であってもよい。
【0069】
前記ルミネッセンス材料が、同じ材料である場合、ルミネッセンス本体の異なるルミネッセンス材料光の1つ以上の寄与であって、本質的に全て、同じスペクトルパワー分布を有し得る1つ以上の寄与から成り得る発光ビームを供給することが可能であり得る。このやり方においては、前記空間的なパワー分布が、特定の実施形態においては、制御可能であり得る。前記第1ルミネッセンス材料及び前記第2ルミネッセンス材料が、異なるルミネッセンス材料である場合、白色光又は着色光であって、特定の実施形態においては、前記白色光又は前記着色光の前記空間的なパワー分布及び前記スペクトルパワー分布が制御可能であり得る白色光又は着色光を供給することが可能であり得る。更に他の特定の実施形態においては、光の相関色温度が制御可能であり得る。ここでの「光」という用語は、実施形態においては、ルミネッセンス材料光及び随意的な光源の光を指すことがあることに留意されたい(前記光生成システムについて考察する場合、更に下記参照)。
【0070】
実施形態においては、両方のルミネッセンス材料が、可視範囲内のカラーポイントを有するルミネッセンス材料光を供給するよう構成されてもよい。このような実施形態においては、前記スペクトルパワー分布は、同じであってもよく、又は異なっていてもよい。または、前記カラーポイントは、同じであってもよく、又は異なっていてもよい(上記も参照)。
【0071】
特定の実施形態においては、第1タイプの光及び第2タイプの光の色又はカラーポイントは、前記第1タイプの光及び前記第2タイプの光のそれぞれのカラーポイントが、u'に関して少なくとも0.01及び/又はv'に関して少なくとも0.01、更により特にu'に関して少なくとも0.02及び/又はv'に関して少なくとも0.02異なる場合に、異なり得る。更により特定の実施形態においては、前記第1タイプの光及び前記第2タイプの光のそれぞれのカラーポイントは、u'に関して少なくとも0.03及び/又はv'に関して少なくとも0.03異なり得る。ここで、u'及びv'は、CIE 1976 UCS(均等色度)図における光の色座標である。
【0072】
他の特定の実施形態においては、第1タイプの光及び第2タイプの光の色又はカラーポイントは、前記第1タイプの光及び前記第2タイプの光のそれぞれのカラーポイントが、u'に関して最大で0.03及び/又はv'に関して最大で0.03、更により特にu'に関して最大で0.02及び/又はv'に関して最大で0.02異なる場合に、本質的に同じであり得る。更により特定の実施形態においては、前記第1タイプの光及び前記第2タイプの光のそれぞれのカラーポイントは、u'に関して最大で0.01及び/又はv'に関して最大で0.01異なり得る。ここで、u'及びv'は、CIE 1976 UCS(均等色度)図における光の色座標である。
【0073】
特定の実施形態においては、(少なくとも2つのそれぞれの動作モードにおける)デバイス光の少なくとも2つのスペクトルパワー分布が、少なくとも20nm、又は少なくとも30nmなどの、30乃至200nmの範囲から選択される差などの、少なくとも10nm異なる重心波長を有し得る。
【0074】
特定の実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料及び前記第2ルミネッセンス材料のうちの一方は、A3B5O12:Ceタイプのルミネッセンス材料から選択され、Aは、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上を含み、Bは、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含む。他方のルミネッセンス材料は、上記のものなどの、別のルミネッセンス材料であり得る。ガーネットタイプのルミネッセンス材料は、熱的に非常に安定している可能性がある。特に、実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料は、A3B5O12:Ceタイプのものであり、Aは、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上を含み、Bは、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含む。しかしながら、他の実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料及び前記第2ルミネッセンス材料は、A3B5O12:Ceタイプのルミネッセンス材料から選択され、Aは、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上を含み、Bは、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含む。
【0075】
本明細書においては、2タイプ以上のルミネッセンス本体であって、それぞれ、2タイプ以上のルミネッセンス材料を有してもよい2タイプ以上のルミネッセンス本体が存在することは除外されないことに留意されたい。その代わりに、又は加えて、前記第2ルミネッセンス材料は、異なる第2ルミネッセンス材料を有してもよく、前記異なる第2ルミネッセンス材料は、随意に、(マトリックスにわたって)空間的に分離されてもよい。このことは、(更に、)光のスペクトルパワー分布を制御することを可能にし得る。上記のように、ここでの「光」という用語は、実施形態においては、ルミネッセンス材料光及び随意的な光源の光を指すことがあることに留意されたい(前記光生成システムについて考察する場合、更に下記参照)。しかしながら、特に、前記第2ルミネッセンス材料は、前記マトリックス(材料)にわたって均一に分布していてもよい。
【0076】
実施形態においては、前記アレイは、複数のルミネッセンス本体を有する。少なくとも、前記アレイは、少なくとも4つのルミネッセンス本体などの、2つのルミネッセンス本体を有する。特定の実施形態においては、前記アレイは、約1600個までのルミネッセンス本体を含み得るが、より多くのルミネッセンス本体も可能である。特に、前記ルミネッセンス本体は、特に1乃至50mmなどの、特定の実施形態においては1乃至40mmなどの、0.5乃至50mmの範囲内の円相当径を有し得る(上記も参照)が、0.2乃至50mmの範囲から選択されるような、特に0.5乃至25mmなどの、実施形態においては1乃至20mmのような、より小さい又はより大きいサイズも可能である。特に、前記アレイは、約100個までのルミネッセンス本体を有してもよい。実施形態においては、前記アレイは、n*mのアレイであり、n及びmは、各々、少なくとも3の範囲から個別に選択される。特定の実施形態においては、n及びmは、各々、約40までの範囲から個別に選択される。前記アレイは、規則的なものであってもよく、ランダムなものであってもよく、又は準ランダムなものであってもよい。特に、実施形態においては、前記ルミネッセンス本体のアレイは、規則的な2Dアレイである。従って、実施形態においては、1つ又は2つの一定のピッチがあり得る。しかしながら、葉序テッセレーション(phyllotaxis tessellation)又はヒマワリテッセレーション(sunflower tessellation)のような、他のアレイも可能であり得る。
【0077】
実施形態においては、前記構成の断面積の、特に少なくとも約10%などの、少なくとも約5%は、前記ルミネッセンス本体(の断面積)によって規定されてもよい。更に、実施形態においては、前記構成の断面積の、約80%までなどの、約90%までが、前記ルミネッセンス本体(の断面積)によって規定されてもよい。従って、特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス本体は、第1総断面積A1を有し、前記マトリックスは、第2総断面積A2を有し、0.1≦A1/A2≦4である。特に、実施形態においては、0.5≦A1/A2≦4などの、実施形態においては1≦A1/A2≦4のような、0.2≦A1/A2≦4である。更に、特に実施形態においては、0.5≦A1/A2≦2などの、特に1≦A1/A2≦2のような、0.1≦A1/A2≦2である。
【0078】
更に、特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス本体の断面積は、円相当径Dを規定し、隣接するルミネッセンス本体間の最短距離(d1)は、0.1*D≦d1≦4*Dの範囲から選択される。より特に、隣接するルミネッセンス本体間の前記最短距離(d1)は、0.5*D≦d1≦1*Dなどの、0.2*D≦d1≦2*Dの範囲から選択されてもよい。
【0079】
上記のように、前記構成は、実施形態においては、本体であってもよい。このような本体は、自己支持型のもの(self-supporting)であってもよい。しかしながら、必ずしもそうとは限らない。更に、前記構成は、必ずしも本体ではない。
【0080】
従って、実施形態においては、前記構成を支持するために支持体が使用されてもよい。前記支持体は、反射性及び透過性及び熱伝導性から選択される幾つかの特性を有してもよい。前者の2つは、反射型構成又は透過型構成(下記参照)の観点から関連する可能性があり、後者は、熱管理の観点から関連する可能性がある。従って、実施形態においては、前記ルミネッセンス構成は、前記ルミネッセンス本体及び前記マトリックスを支持するよう構成される支持体を更に有してもよく、特定の実施形態においては、前記支持体は、光に対して反射性又は透過性であってもよい。ここでの「光」という用語は、実施形態においては、光源の光及び/又はルミネッセンス材料光を指すことがあることに留意されたい(前記光生成システムについて考察する場合、更に下記参照)。
【0081】
更に、前記支持体は、熱伝導性であってもよい。従って、前記支持体は、熱伝導性材料を有してもよい。更に、実施形態においては、前記支持体は、ヒートシンク若しくはヒートスプレッダ、又は実施形態においては反射型ヒートシンク若しくは反射型ヒートスプレッダのような、他の熱伝導性要素であってもよい。他の実施形態においては、前記支持体は、ヒートシンク又はヒートスプレッダに熱的に結合されてもよい。
【0082】
熱伝導性要素は、特に、熱伝導性材料を有する。熱伝導性材料は、特に、少なくとも約30W/(m*K)のような、少なくとも約100W/(m*K)などの、特に少なくとも約200W/(m*K)のような、少なくとも約20W/(m*K)の熱伝導率を有し得る。更に他の特定の実施形態においては、熱伝導性材料は、特に、少なくとも約10W/(m/k)の熱伝導率を有し得る。
【0083】
実施形態においては、前記熱伝導性材料は、銅、アルミニウム、銀、金、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、アルミニウムケイ素炭化物、酸化ベリリウム、炭化ケイ素複合体、アルミニウムケイ素炭化物、銅タングステン合金、銅モリブデン炭化物、炭素、ダイヤモンド、及び黒鉛のうちの1つ以上を有してもよい。その代わりに、又は加えて、前記熱伝導性材料は、酸化アルミニウムを有してもよく、又は酸化アルミニウムから成ってもよい。
【0084】
前記熱伝導性要素は、ヒートシンクを有してもよい。
【0085】
ヒートシンクは、当技術分野においては知られている。「ヒートシンク」という用語(又はヒート・シンク)は、特に、電子デバイス又は機械デバイスなどのデバイスによって生成される熱を、流体(冷却)媒体、多くの場合、空気又は冷却液に伝達する受動熱交換器であってもよい。それによって、前記熱は、(少なくとも部分的に)前記デバイスから遠くに放散される。ヒート・シンクは、特に、前記ヒート・シンクを取り囲む前記流体冷却媒体と接触する前記ヒート・シンクの表面積を最大にするよう設計される。従って、特に、ヒートシンクは、複数のフィンを有してもよい。例えば、前記ヒートシンクは、複数のフィンが延在する本体であってもよい。
【0086】
ヒートシンクは、特に、熱伝導性材料を有する(より特には、熱伝導性材料から成る)。
【0087】
「ヒートシンク」という用語は、複数の(異なる)ヒートシンクを指すこともある。
【0088】
ヒートスプレッダは、エネルギを熱として第1要素から第2要素に伝達するよう構成され得る。前記第2要素は、特に、ヒートシンク又は熱交換器であってもよい。ヒートスプレッダは、受動的なものであってもよく、又は能動的なものであってもよい。受動的ヒートスプレッダの実施形態は、銅、アルミニウム又はダイヤモンドなどの、高い熱伝導率を有する材料のプレート又はブロックを有してもよい。能動的ヒートスプレッダは、 外部供給源によって供給される仕事としてエネルギを消費することで熱伝達を速めるよう構成されてもよい。本明細書においては、前記ヒートスプレッダは、特に、受動的ヒートスプレッダであってもよい。その代わりに、又は加えて、前記ヒートスプレッダは、ヒートパイプ及びベーパーチャンバのグループから選択されるような、能動的ヒートスプレッダであってもよい。
【0089】
前記ルミネッセンス構成は、特に、1つ以上の光源と組み合わせて使用され得る。従って、本発明は、更に他の態様においては、1つ以上の光源と、本明細書において規定されているようなルミネッセンス構成とを有する光生成システムであって、前記1つ以上の光源が、光源光の1つ以上のビームを生成するよう構成され、前記ルミネッセンス構成が、前記1つ以上の光源と受光関係にあるよう構成される光生成システムを提供する。
【0090】
光源という用語は、原則として、当技術分野において知られている任意の光源に関し得る。それは、従来の(タングステン)電球、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、蛍光灯、LED(発光ダイオード)であってもよい。特定の実施形態においては、前記光源は、(LED又はレーザダイオード(若しくは「ダイオードレーザ」)などの)固体LED光源を有する。「光源」という用語は、2乃至200個の(固体)LED光源などの複数の光源に関することもある。従って、LEDという用語は、複数のLEDを指すこともある。更に、「光源」という用語は、実施形態においては、所謂チップオンボード(COB)光源を指すこともある。「COB」という用語は、特に、包まれてもおらず、接続されてもおらず、PCBのような基板上に直接取り付けられている半導体チップの形態のLEDチップを指す。従って、複数の光半導体光源が同じ基板上に構成されてもよい。実施形態においては、COBは、単一の照明モジュールとして一緒に構成されるマルチLEDチップである。
【0091】
前記光源は、光脱出面(light escape surface)を有する。電球又は蛍光灯のような従来の光源に関しては、前記光脱出面は、ガラス又は石英のエンベロープの外面であり得る。LEDの場合は、前記光脱出面は、例えば前記LEDダイであり得る、又は前記LEDダイに樹脂が塗布される場合、前記樹脂の外面であり得る。原理上、前記光脱出面は、ファイバの終端である可能性もある。脱出面という用語は、特に、前記光源の、光が実際に前記光源から出る又は脱出する部分に関する。前記光源は、光ビームを供給するよう構成される。(従って)前記光源の光出射面からこの光ビームが脱出する。
【0092】
「光源」という用語は、発光ダイオード(LED)、共振空洞発光ダイオード(RCLED)、垂直キャビティレーザダイオード(VCSEL)、端面発光レーザなどのような半導体発光デバイスを指し得る。「光源」という用語は、パッシブマトリクス(PMOLED)又はアクティブマトリクス(AMOLED)などの有機発光ダイオードを指すこともある。特定の実施形態においては、前記光源は、(LED又はレーザダイオードなどの)固体光源を有する。実施形態においては、前記光源は、LED(発光ダイオード)を有する。「光源」又は「固体光源」という用語は、スーパールミネッセントダイオード(superluminescent diode)(SLED)を指すこともある。
【0093】
「LED」という用語は、複数のLEDを指すこともある。更に、「光源」という用語は、実施形態においては、所謂チップオンボード(COB)光源を指すこともある。「COB」という用語は、特に、包まれてもおらず、接続されてもおらず、PCBのような基板上に直接取り付けられている半導体チップの形態のLEDチップを指す。従って、複数の半導体光源が同じ基板上に構成されてもよい。実施形態においては、COBは、単一の照明モジュールとして一緒に構成されるマルチLEDチップである。
【0094】
「光源」という用語は、2乃至2000個の固体光源などの複数の(本質的に同一の(又は異なる))光源に関することもある。実施形態においては、前記光源は、LEDなどの単一の固体光源の下流に、又は複数の固体光源の下流に(即ち、例えば複数のLEDによって共有される)、1つ以上のマイクロ光学要素(マイクロレンズのアレイ)を有してもよい。実施形態においては、前記光源は、オンチップ光学系を備えるLEDを有してもよい。実施形態においては、前記光源は、(実施形態においては、オンチップビームステアリングを提供する)(光学系を備える又は備えない)ピクセル化された単一のLEDを有する。
【0095】
実施形態においては、例えば、青色LEDのような青色光源、又は緑色LEDのような緑色光源、及び赤色LEDのような赤色光源などの、前記光源は、その自体として使用される一次放射線を供給するよう構成されてもよい。ルミネッセンス材料(「蛍光体」)を含まないことがある、このようなLEDは、ダイレクトカラーLED(direct color LED)と示されることがある。
【0096】
しかしながら、他の実施形態においては、前記光源は、一次放射線を供給するよう構成されてもよく、前記一次放射線の一部は、二次放射線に変換される。二次放射線は、ルミネッセンス材料による変換に基づき得る。それ故、前記二次放射線は、ルミネッセンス材料放射線と示されることもある。前記ルミネッセンス材料は、実施形態においては、ルミネッセンス材料を含むルミネッセンス材料層又はドームを備えるLEDなどの、前記光源によって含まれてもよい。このようなLEDは、蛍光体変換LED又はPC LEDと示されることがある。他の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、前記LEDのダイと物理的に接触していないルミネッセンス材料層を備えるLEDのように、前記光源から幾らかの距離を置いて(「遠隔」に)構成されてもよい。従って、特定の実施形態においては、前記光源は、動作中、少なくとも、380乃至470nmの範囲から選択される波長において光を発する光源であり得る。しかしながら、他の波長も可能であり得る。この光は、部分的に、前記ルミネッセンス材料によって使用され得る。
【0097】
実施形態においては、前記光生成デバイスは、ルミネッセンス材料を有してもよい。実施形態においては、前記光生成デバイスは、PC LEDを有してもよい。他の実施形態においては、前記光生成デバイスは、直射LED(direct LED)(即ち、蛍光体なし)を有してもよい。実施形態においては、前記光生成デバイスは、レーザダイオードのような、レーザデバイスを有してもよい。実施形態においては、前記光生成デバイスは、スーパールミネッセントダイオードを有してもよい。従って、特定の実施形態においては、前記光源は、レーザダイオード及びスーパールミネッセントダイオードのグループから選択されてもよい。他の実施形態においては、前記光源は、LEDを有してもよい。
【0098】
「レーザ光源」という用語は、特にレーザを指す。このようなレーザは、特に、UV、可視、又は赤外において1つ以上の波長を有する、特に、300乃至1500nmなどの、200乃至2000nmのスペクトル波長範囲から選択される波長を有するレーザ光源光を生成するよう構成されて得る。「レーザ」という用語は、特に、電磁放射線の誘導放出に基づく光増幅のプロセスを通して光を発するデバイスを指す。
【0099】
特に、実施形態においては、「レーザ」という用語は、固体レーザを指し得る。特定の実施形態においては、「レーザ」若しくは「レーザ光源」という用語、又は同様の用語は、レーザダイオード(又はダイオードレーザ)を指す。
【0100】
従って、実施形態においては、前記光源は、レーザ光源を有する。実施形態においては、「レーザ」又は「固体レーザ」という用語は、セリウムドープリチウムストロンチウム(又はカルシウム)フッ化アルミニウム(Ce:LiSAF、Ce:LiCAF)、クロムドープクリソベリル(アレキサンドライト)レーザ、クロムZnSe(Cr:ZnSe)レーザ、二価サマリウムドープフッ化カルシウム(Sm:CaF2)レーザ、Er:YAGレーザ、エルビウムドープ及びエルビウムイッテルビウムコドープガラスレーザ、F-センターレーザ、ホルミウム(Ho:YAG)レーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、ネオジウムドープイットリウムカルシウムオキソボレートNd:YCa4O(BO3)3又はNd:YCOB、ネオジウムドープオルトバナジウム酸イットリウム(Nd:YVO4)レーザ、ネオジウムガラス(Nd:ガラス)レーザ、ネオジウムYLF(Nd:YLF)固体レーザ、プロメチウム147ドープリン酸ガラス(147Pm3+:ガラス)固体レーザ、ルビーレーザ(Al2O3:Cr3+)、ツリウムYAG(Tm:YAG)レーザ、チタンサファイア(Ti:サファイア;Al2O3:Ti3+)レーザ、三価ウランドープフッ化カルシウム(U:CaF2)固体レーザ、イッテルビウムドープガラスレーザ(ロッド、プレート/チップ及びファイバ)、イッテルビウムYAG(Yb:YAG)レーザ、Yb2O3(ガラス又はセラミックス)レーザなどのうちの1つ以上を指し得る。
【0101】
実施形態においては、「レーザ」又は「固体レーザ」という用語は、GaN、InGaN、AlGaInP、AlGaAs、InGaAsP、鉛塩、垂直共振器面発光レーザ(vertical cavity surface emitting laser)(VCSEL)、量子カスケードレーザ、ハイブリッドシリコンレーザなどの半導体レーザダイオードのうちの1つ以上を指し得る。
【0102】
レーザは、より短い(レーザ)波長に達するために、アップコンバータ(upconverter)と組み合わされてもよい。例えば、何らかの(三価)希土類イオンで、アップコンバージョン(upconversion)が達成され得る、又は非線形結晶で、アップコンバージョンが達成され得る。他の例においては、色素レーザなどのレーザは、より長い(レーザ)波長に達するために、ダウンコンバータ(downconverter)と組み合わされ得る。
【0103】
以下から導き出され得るように、「レーザ光源」という用語は、複数の(異なる又は同一の)レーザ光源を指すこともある。特定の実施形態においては、「レーザ光源」という用語は、複数のN個の(同一の)レーザ光源を指し得る。実施形態においては、N=2以上である。特定の実施形態においては、Nは、特に少なくとも8などの、少なくとも5であり得る。このやり方においては、より高い輝度が得られ得る。実施形態においては、レーザ光源は、レーザバンク(laser bank)内に配設されてもよい(上記も参照)。前記レーザバンクは、実施形態においては、ヒートシンク、及び/又は光学系、例えば、レーザ光をコリメートするためのレンズを含んでもよい。
【0104】
前記レーザ光源は、レーザ光源光(又は「レーザ光」)を生成するよう構成される。前記光源光は、本質的に、前記レーザ光源光から成っていてもよい。前記光源光は、2つ以上の(異なる又は同一の)レーザ光源のレーザ光源光を有することもある。例えば、2つ以上の(異なる又は同一の)レーザ光源の前記レーザ光源光を有する単一の光ビームを供給するために、前記2つ以上の(異なる又は同一の)レーザ光源の前記レーザ光源光が、光ガイドに結合されてもよい。従って、特定の実施形態においては、前記光源光は、特に、コリメート光源光である。更に他の実施形態においては、前記光源光は、特に、(コリメート)レーザ光源光である。
【0105】
「異なる光源」又は「複数の異なる光源」という語句、及び同様の語句は、実施形態においては、少なくとも2つの異なるビン(bin)から選択される複数の固体光源を指し得る。同様に、「同一の光源」又は「複数の同じ光源」という語句、及び同様の語句は、実施形態においては、同じビンから選択される複数の固体光源を指し得る。
【0106】
前記光源は、特に、光軸(O)、(ビーム形状、)及びスペクトルパワー分布を有する光源光を生成するよう構成される。前記光源光は、実施形態においては、レーザについて知られているような帯域幅を有する、1つ以上の帯域を有し得る。特定の実施形態においては、前記帯域は、10nm以下などの、室温(RT)において20nm未満の範囲内の半値全幅(full width half maximum)(FWHM)を有するものなどの、相対的にシャープな(sharp)線であってもよい。従って、前記光源光は、1つ以上の(狭)帯域を含み得るスペクトルパワー分布(波長の関数としての、エネルギ尺度における強度)を有する。
【0107】
(光源光の)ビームは、(レーザ)光源光の、集束又はコリメートビームであってもよい。「集束」という用語は、特に、小さいスポットに収束していることを指し得る。この小さいスポットは、個別の変換器領域(discrete converter region)にあってもよく、又は前記個別の変換器領域の(わずかに)上流若しくは前記個別の変換器領域の(わずかに)下流にあってもよい。特に、集束及び/又はコリメーションは、(側面における)前記個別の変換器領域における前記ビームの(前記光軸に対して垂直な)断面形状が、(前記光源光が前記個別の変換器領域を照射する場所での)前記個別の変換器領域の(前記光軸に対して垂直な)断面形状よりも、本質的に大きくはないようなものであり得る。集束は、(集束)レンズのような1つ以上の光学系で実行され得る。特に、前記レーザ光源光を集束させるために、2つのレンズが適用されてもよい。コリメーションは、レンズ及び/又は放物面鏡などの、コリメーション要素のような1つ以上の(他の)光学系で実行され得る。実施形態においては、(レーザ)光源光のビームは、実施形態において、≦2°(FWHM)、より特に≦1°(FWHM)、最も特に≦0.5°(FWHM)のような、相対的に高度なコリメートをされてもよい。従って、≦2°(FWHM)は、(高度に)コリメートされた光源光とみなされ得る。(高度な)コリメーションを提供するために、光学系が使用されてもよい(上記も参照)。
【0108】
特定の実施形態においては、前記光生成システムは、各サブセットは、本質的に同じスペクトルパワー分布を有する光源光を生成するよう構成される1つ以上の光源を含むが、異なるサブセットの光源は、異なるスペクトル分布を有する光源光を生成するよう構成される、光源の2つ以上のサブセットなどの、複数の異なる光源を有してもよい。このような実施形態においては、前記制御システムは、前記複数の光源を制御するよう構成され得る。特定の実施形態においては、前記制御システムは、光源のサブセットを個別に制御し得る。
【0109】
「上流」及び「下流」という用語は、光生成手段(ここでは、特に、前記第1光源)からの光の伝搬に対するアイテム又は特徴の配置に関し、前記光生成手段からの光ビーム内の第1位置に対して、前記光生成手段により近い前記光ビーム内の第2位置は「上流」であり、前記光生成手段からより遠く離れた前記光ビーム内の第3位置は「下流」である。
【0110】
「放射結合される」又は「光学的に結合される」という用語は、特に、(i)光源などの光生成要素と、(ii)別のアイテム又は材料とが、前記光生成要素によって発せられる放射線の少なくとも一部が前記アイテム又は材料によって受け取られるように、互いに関連付けられることを意味し得る。換言すれば、前記アイテム又は材料は、前記光生成要素と受光関係にあるよう構成される。前記光生成要素の前記放射線の少なくとも一部は、前記アイテム又は材料によって受け取られる。これは、実施形態においては、前記光生成要素(の発光面)と物理的に接触している前記アイテム又は材料のような、直接的なものであってもよい。これは、実施形態においては、空気、気体、又は液体若しくは固体導光材料のような媒体を介するものであってもよい。実施形態においては、レンズ、反射器、光学フィルタのような1つ以上の光学系も、光生成要素とアイテム又は材料との間の光路内に構成されてもよい。「受光関係にある」という用語は、上記のように、レンズ、コリメータ、反射器、ダイクロイックミラーなどのような中間光学要素の存在を除外するものではない。実施形態においては、「受光関係」という用語及び「下流」という用語は、本質的に同義語であり得る。
【0111】
特に、実施形態においては、前記光源は、レーザ光源を有する。更に、特定の実施形態においては、前記システムは、アレイ状に構成される、複数の光源を有する。
【0112】
前記ルミネッセンス材料は、前記光源光の少なくとも一部をルミネッセンス材料光に変換するよう構成される。実施形態においては、前記光生成システムは、複数の光源を有し、1つ以上の光源の第1サブセットは、第1光源光を生成するよう構成され、1つ以上の光源の第2サブセットは、第2光源光を生成するよう構成され、前記第1光源光及び前記第2光源光のスペクトルパワー分布は異なり、前記第1ルミネッセンス材料は、前記第1光源光の少なくとも一部を第1ルミネッセンス材料光に変換してもよく、随意に、前記第2光源光の幾らかを第1ルミネッセンス材料光に変換してもよく、前記第2ルミネッセンス材料は、前記第2光源光の少なくとも一部を第1ルミネッセンス材料光に変換し、随意に、前記第1光源光の一部を第2ルミネッセンス材料光に変換するよう構成される。従って、特定の実施形態においては、前記光源光のスペクトルパワー分布は、制御可能であり得る。
【0113】
しかしながら、他の実施形態においては、前記1つ以上光源の本質的に全ての光源が、同じビンのLED又はダイオードのように、本質的に同じスペクトルパワー分布を有する光源光を生成するよう構成される。
【0114】
以下では、前記光源光のスペクトルパワー分布が制御可能であり得るか否かに関係なく、広く、前記光生成システムについて、光源光に関連して説明する。
【0115】
従って、上記のように、本発明は、1つ以上の光源と、本明細書において規定されているようなルミネッセンス構成とを有する光生成システムであって、前記1つ以上の光源が、光源光の1つ以上のビームを生成するよう構成され、前記ルミネッセンス構成が、前記1つ以上の光源と受光関係にあるよう構成され、前記第1ルミネッセンス材料及び前記第2ルミネッセンス材料が、それぞれ、前記第1ルミネッセンス材料及び前記第2ルミネッセンス材料によって受け取られる前記光源光の少なくとも一部を、第1ルミネッセンス材料光及び第2ルミネッセンス材料光に変換するよう構成される光生成システムも提供する。
【0116】
「前記第1ルミネッセンス材料及び前記第2ルミネッセンス材料が、それぞれ、前記第1ルミネッセンス材料及び前記第2ルミネッセンス材料によって受け取られる前記光源光の少なくとも一部を、第1ルミネッセンス材料光及び第2ルミネッセンス材料光に変換するよう構成される」という語句は、特に、(a)前記第1ルミネッセンス材料が、前記光源光を受け取る場合は、前記第1ルミネッセンス材料が、特に、前記光源光の少なくとも一部を第1ルミネッセンス材料光に変換し得ること、及び(b)前記第2ルミネッセンス材料が、前記光源光を受け取る場合は、前記第2ルミネッセンス材料が、特に、前記光源光の少なくとも一部を第2ルミネッセンス材料光に変換し得ることを示し得る。しかしながら、実施形態においては、動作モードにおいて、前記第1ルミネッセンス材料のみが、光源光を受け取ってもよく、又は前記第2ルミネッセンス材料のみが、光源光を受け取ってもよい。
【0117】
一般に、前記光源光の空間的なパワー分布は、制御可能であり得る。このことは、実施形態においては、(i)前記光生成システムが、光源のアレイのような、複数の光源を有し、前記光源が、個々に制御可能であるというオプション、及び(ii)前記光生成システムが、制御可能である光学系を有するというオプションのうちの1つ以上に基づいて、可能であり得る。
【0118】
前記複数の光源の前記光源光の前記空間的なパワー分布は、制御可能な光源で制御されてもよい。従って、実施形態においては、制御システムが、前記複数の光源を制御するよう構成されてもよい。例えば、焦点が制御され得る場合、又は集束の程度が制御され得る場合、前記複数の光源の前記光源光の前記空間的なパワー分布は、光学系で制御されてもよい。このような光学系の例は、可動光学系又は液晶ベースのレンズ又はエレクトロウェッティングベースのレンズである。実施形態においては、移動ミラー又は走査ミラーが、制御可能な光学系として適用されてもよい。更に他の実施形態においては、前記制御可能な光学系は、液晶ベースの拡散器を有してもよい。実施形態においては、前記光学系は、制御可能な焦点距離を有してもよい。更に他の実施形態においては、前記光学系は、マイクロミラーデバイスを有してもよい。マイクロミラーデバイスは、特に、極めて微小なミラーをベースとしたものであり得る。前記マイクロミラーデバイスは、特に、微小電気機械システム(MEMS)であってもよい。「光学系」という用語は、1つ以上のレンズ及び/又は1つ以上のミラーなどのような、1つ以上の光学要素を指すことがある。
【0119】
特定の実施形態においては、前記システムは、複数の光源を有し、前記複数の光源のうちの2つ以上は、随意に光学系と組み合わせて、単一の(それぞれの)ルミネッセンス本体にだけ光源光を供給するよう構成されてもよい。従って、ルミネッセンス本体及び光源のセットが存在してもよく、それぞれの光源は、本質的に、それぞれのルミネッセンス本体にだけ放射結合される。このやり方においては、例えば、特定のルミネッセンス本体の発光をオン又はオフに切り替えることが可能であり得る。特に、実施形態においては、前記システムは、各ルミネッセンス本体及び光源(及び随意に光学系)のk1個のセットを有してもよく、前記光源は、動作モードにおいて、特定のルミネッセンス本体を照らすよう構成される。特に、実施形態においては、k1≧4などの、k1≧2である。従って、特定の実施形態においては、前記システムは、アレイ状に構成される、複数の光源を有する。特定の実施形態においては、ルミネッセンス本体のアレイと光源のアレイとが、本質的に同じ対称性を有する。
【0120】
前記光学系で、及び/又は前記複数の光源で、1つ以上のビームが生成されてもよい。前記複数のビームを制御する場合、前記空間的なパワー分布は制御されることができ、且つ/又は光学系を制御する場合(も)、前記1つ以上のビームの前記空間的なパワー分布は制御されることができる。従って、実施形態においては、前記制御システムは、前記光学系を制御するよう構成されてもよい。それ故、特定の実施形態においては、前記1つ以上のビームは、前記ルミネッセンス構成に対して空間的なパワー分布を有してもよく、前記空間的なパワー分布は、制御可能であり、前記光生成システムは、(i)前記1つ以上の光源、及び(ii)前記ルミネッセンス構成に対する前記1つ以上の光源の前記1つ以上のビームの前記空間的なパワー分布のうちの1つ以上を制御するよう構成される制御システムを更に有する。
【0121】
特に、実施形態においては、前記1つ以上の光源は、LED、レーザダイオード及びスーパールミネッセントダイオードから成るグループから選択される。実施形態においては、前記1つ以上の光源は、LEDから成るグループから選択される。他の実施形態においては、前記1つ以上の光源は、レーザダイオードから成るグループから選択される。更に他の実施形態においては、前記1つ以上の光源は、スーパールミネッセントダイオードから成るグループから選択される。特定の実施形態においては、複数の光源が存在する場合、前記光源は同じビンから選択される。
【0122】
上記のように、実施形態においては、前記ビームの空間分布が制御されてもよい。このやり方においては、例えば、1つ以上のルミネッセンス本体のみ、又はルミネッセンス本体及び前記マトリックス、又は実質的に前記マトリックスのみに対処することなどが、可能であり得る。このやり方においては、ルミネッセンス光のビームの空間分布を制御すること、及び/又はルミネッセンス光のスペクトルパワー分布を制御することが可能であり得る。更に、前記構成から脱出する光は、1つ以上のルミネッセンス材料のルミネッセンス光と光源光との組み合わせであってもよいので、実施形態においては、システム光のスペクトルパワー分布を制御することも可能であり得る。前記システム光は、前記システムの動作中に前記光生成システムから脱出する光である。動作モードにおいて、前記システム光は、前記第1ルミネッセンス材料及び前記第2ルミネッセンス材料のうちの1つ以上のルミネッセンス材料光を有してもよく、随意に、前記1つ以上の光源の光源光を有してもよい。特定の実施形態においては、前記制御システムは、前記システム光の前記スペクトルパワー分布を制御するよう構成されてもよい。
【0123】
特定の実施形態においては、前記システム光は、可視光であってもよい。更に、実施形態においては、1つ以上の動作モードにおいて、前記システム光は、白色光であってもよい。特定の実施形態においては、前記制御システムは、前記システム光のカラーポイント及び色温度のうちの1つ以上を制御するよう構成されてもよい。
【0124】
実施形態においては、前記光生成システムは、動作モードの間、前記光源光の少なくとも80%を前記ルミネッセンス本体に照射し、前記光源光の最大20%を前記マトリックスに照射するよう構成されてもよい。特定の実施形態においては、前記光生成システムは、動作モードの間、前記光源光の少なくとも90%を前記ルミネッセンス本体に照射し、前記光源光の最大10%を前記マトリックスに照射するよう構成されてもよい。このような実施形態においては、本質的に、第1ルミネッセンス材料光のみが生成され得る。
【0125】
他の実施形態においては、前記光生成システムは、動作モードの間、前記光源光の最大20%を前記ルミネッセンス本体に照射し、前記光源光の少なくとも80%を前記マトリックスに照射するよう構成されてもよい。特定の他の実施形態においては、前記光生成システムは、動作モードの間、前記光源光の最大10%を前記ルミネッセンス本体に照射し、前記光源光の少なくとも90%を前記マトリックスに照射するよう構成されてもよい。このような実施形態においては、本質的に、第2ルミネッセンス材料光のみが生成され得る。
【0126】
従って、更に他の実施形態においては、前記光生成システムは、動作モードの間、前記光源光のx%を前記ルミネッセンス本体に照射し、前記光源光の100-x%を前記マトリックスに照射するよう構成されてもよい。本明細書においては、xは、30乃至70の範囲内、又は20乃至80の範囲内、又は0乃至10の範囲内、又は90乃至100の範囲内などの、0乃至100の間で変化し得る。しかしながら、他の範囲も可能であり得る。
【0127】
前記構成は、前記光源に対して、前記構成が反射モードで構成されるように、構成されてもよい。しかしながら、他の実施形態においては、前記構成は、前記光源に対して、前記構成が透過モードで構成されるように、構成されてもよい。
【0128】
前記反射モードにおいては、随意に、1つ以上のダイクロイックビームスプリッタが適用されてもよい。このような光学系は、実施形態においては、ルミネッセンス材料光を反射し、光源光を透過するために、又は光源光を反射し、ルミネッセンス材料光を透過するために使用され得る。
【0129】
前記透過モードにおいては、前記光源光を前記ルミネッセンス材料光に混ぜることが相対的に容易であり得る。このことは、望ましいスペクトルパワー分布を生成するのに有用であり得る。前記反射モードにおいては、前記ルミネッセンス材料のかなりの部分が、ヒートシンク又はヒートスプレッダのような熱伝導性要素と熱的に接触し得るので、熱管理が、より容易であり得る。前記反射モードにおいては、前記光源光の一部が、実施形態においては、前記ルミネッセンス材料及び/又は反射器によって反射され、前記ルミネッセンス材料光に混ざり得る。(前記反射モードにおいては、)前記ルミネッセンス材料の下流に前記反射器が構成されてもよい。
【0130】
本明細書における「白色光」という用語は、当業者には知られている。前記白色光は、特に、約2000Kと20000Kとの間、特に2700K乃至20000K、全般照明の場合は特に約2700K乃至6500Kの範囲内のような、約1800Kと20000Kとの間の相関色温度(CCT)を有する光に関する。実施形態においては、バックライト用途の場合は、前記相関色温度(CCT)は、特に、約7000乃至20000Kの範囲内であり得る。更に他に、実施形態においては、前記相関色温度(CCT)は、特にBBL(黒体軌跡)から約15SDCM(カラーマッチングの標準偏差)内、特にBBLから約10SDCM内、更により特にBBLから約5SDCM内である。
【0131】
「可視」、「可視光」又は「可視発光」という用語、及び同様の用語は、約380乃至780nmの範囲内に1つ以上の波長を有する光を指す。本明細書においては、UVは、特に、200乃至380nmの範囲から選択される波長を指すことがある。
【0132】
本明細書においては、「光」という用語が可視光のみを指すことが文脈から明らかな場合を除き、「光」及び「放射線」という用語は交換可能に使用される。従って、「光」及び「放射線」という用語は、UV放射線、可視光、及びIR放射線を指すことがある。特に照明アプリケーションのための、特定の実施形態においては、「光」及び「放射線」という用語は、(少なくとも)可視光を指す。
【0133】
「紫色光」又は「紫色発光」という用語は、特に、約380乃至440nmの範囲内に波長を有する光に関する。「青色光」又は「青色発光」という用語は、特に、(幾らか紫色及びシアンの色相を含む)約440乃至495nmの範囲内に波長を有する光に関する。「緑色光」又は「緑色発光」という用語は、特に、約495乃至570nmの範囲内に波長を有する光に関する。「黄色光」又は「黄色発光」という用語は、特に、約570乃至590nmの範囲内に波長を有する光に関する。「オレンジ色光」又は「オレンジ色発光」という用語は、特に、約590乃至620nmの範囲内に波長を有する光に関する。「赤色光」又は「赤色発光」という用語は、特に、約620乃至780nmの範囲内に波長を有する光に関する。「ピンク色光」又は「ピンク色発光」という用語は、青色成分と赤色成分とを有する光を指す。「シアン」という用語は、約490乃至520nmの範囲から選択される1つ以上の波長を指すことがある。「琥珀色」という用語は、約590乃至600nmなどの、約585乃至605nmの範囲から選択される1つ以上の波長を指すことがある。
【0134】
「制御する」という用語及び同様の用語は、特に、少なくとも、要素の挙動を決定すること、又は要素の動作を管理する(supervise)ことを指す。従って、本明細書においては、「制御する」という用語及び同様の用語は、例えば、測定する、表示する、作動する、開く、シフトする、温度を変更するなどのような、挙動を前記要素に課すこと(要素の挙動を決定すること又は要素の動作を管理すること)などを指すことがある。「制御する」という用語及び同様の用語は、その上、モニタすることを更に含むことがある。従って、「制御する」という用語及び同様の用語は、要素に挙動を課すことを含むことがあり、要素に挙動を課し、前記要素をモニタすることを含むこともある。前記要素の制御は、「コントローラ」と示されることもある制御システムで行われ得る。従って、前記制御システム及び前記要素は、少なくとも一時的に、又は恒久的に、機能的に結合されてもよい。前記要素が、前記制御システムを有してもよい。実施形態においては、前記制御システム及び前記要素は、物理的に結合されていなくてもよい。制御は、有線及び/又は無線制御を介して行われることができる。「制御システム」という用語は、特に機能的に結合されている、複数の異なる制御システムを指すこともあり、例えば、前記複数の異なる制御システムのうちの1つの制御システムは、マスタ制御システムであってもよく、1つ以上の他の制御システムは、スレーブ制御システムであってもよい。制御システムは、ユーザインターフェースを有してもよく、又はユーザインターフェースに機能的に結合されてもよい。
【0135】
前記制御システムはまた、遠隔制御装置からの命令を受信し、実行するよう構成されてもよい。実施形態においては、前記制御システムは、iPhone又は別のタイプのスマートフォン、タブレットなどのようなポータブルデバイスなどのデバイスにおけるアプリを介して制御されてもよい。従って、前記デバイスは、必ずしも前記照明システムに結合されないが、前記照明システムに(一時的に)機能的に結合されてもよい。
【0136】
従って、実施形態においては、前記制御システムは(また)、遠隔デバイスにおけるアプリによって制御されるよう構成されてもよい。このような実施形態においては、前記照明システムの前記制御システムは、スレーブ制御システムであってもよく、又はスレーブモードで制御してもよい。例えば、前記照明システムは、コード、特にそれぞれの照明システムのための固有のコードで識別可能であってもよい。前記照明システムの前記制御システムは、(固有の)コードの光学センサ(例えばQRコードリーダ)を備えるユーザインターフェースによって入力される知識に基づいて前記照明システムにアクセスする外部の制御システムによって制御されるよう構成されてもよい。前記照明システムはまた、Bluetooth、WIFI、LiFi、ZigBee、BLE若しくはWiMAX、又は別の無線技術などに基づいて、他のシステム又はデバイスと通信するための手段を有してもよい。
【0137】
前記システム、又は装置、又はデバイスは、或る「モード」又は「動作モード」又は「動作のモード」又は「動作可能モード」で動作を実行し得る。同様に、方法においては、動作、又は段階、又はステップが、或る「モード」又は「動作モード」又は「動作のモード」又は「動作可能モード」で実行され得る。これは、前記システム、又は装置、又はデバイスが、別の制御モード、又は複数の他の制御モードを提供するよう適合されることもあることを除外しない。同様に、これは、前記モードを実行する前に及び/又は前記モードを実行した後に、1つ以上の他のモードが実行され得ることを除外しない場合がある。
【0138】
しかしながら、実施形態においては、少なくとも前記制御モードを提供するよう適合される制御システムが利用可能である場合がある。他のモードが利用可能である場合には、このようなモードの選択は、特には、ユーザインターフェースを介して実行されてもよいが、センサ信号又は(時間)スキームに依存してモードを実行するような他の選択肢も可能であってもよい。前記動作モードは、実施形態においては、単一の動作モード(即ち、更なる調整可能性のない、「オン」)でしか動作することができないシステム、又は装置、又はデバイスを指すこともある。
【0139】
従って、実施形態においては、前記制御システムは、ユーザインターフェースの入力信号、(センサの)センサ信号、及びタイマのうちの1つ以上に依存して制御してもよい。「タイマ」という用語は、クロック及び/又は所定の時間スキームを指すことがある。
【0140】
特に、前記制御システムは、(前記システムによって含まれる)複数の光源を制御するよう構成されてもよい。実施形態においては、前記光源は、本質的に同じスペクトルパワー分布を持つ光源光を生成するよう構成されてもよい。更に、実施形態においては、前記制御システムは、光源光のビームを成形するために使用され得る光学系を制御するよう構成されてもよい。
【0141】
(異なる光源からの)光源光の複数のビームが、光源光の単一のビームを形成し得る。
【0142】
実施形態においては、前記制御システムは、前記システム光の前記スペクトルパワー分布を制御するよう構成されてもよい。特に、前記システム光は、(1つ以上の動作モードにおいて、)前記第1ルミネッセンス材料光及び前記第2ルミネッセンス材料光のうちの1つ以上を有してもよい。
【0143】
前記光生成システムは、例えば、オフィス照明システム、家庭用アプリケーションシステム、店舗照明システム、家庭用照明システム、アクセント照明システム、スポット照明システム、劇場照明システム、光ファイバアプリケーションシステム、投影システム、自己照明ディスプレイシステム(self-lit display system)、画素化ディスプレイシステム、セグメント化ディスプレイシステム、警告標識システム、医療用照明アプリケーションシステム、インジケータサインシステム、装飾照明システム、携帯用システム、自動車アプリケーション、(屋外)道路照明システム、都市照明システム、温室照明システム、園芸照明、デジタル投影、又はLCDバックライトの一部であってもよく、又はそれらにおいて利用されてもよい。前記光生成システム(又は前記照明器具)は、例えば光通信システム又は消毒システムの一部であってもよく、又はそれらにおいて利用されてもよい。
【0144】
更に他の態様においては、本発明は、本明細書において規定されているような光生成システムを有するランプ又は照明器具も提供する。前記照明器具は、ハウジング、光学要素、ルーバーなどなどを更に含み得る。前記ランプ又は前記照明器具は、前記光生成システムを囲むハウジングを更に含み得る。前記ランプ又は前記照明器具は、前記ハウジングにおける光窓(light window)、又はハウジング開口部を有してもよく、前記システム光は、前記光窓又は前記ハウジング開口部を通して、前記ハウジングから脱出し得る。更に他の態様においては、本発明は、本明細書において規定されているような光生成システムを有する投影デバイスも提供する。特に、投影デバイス又は「プロジェクタ」又は「画像プロジェクタ」は、例えば投影スクリーンなどの表面に画像(又は動画)を投影する光学デバイスであり得る。前記投影デバイスは、本明細書において記載されているような光生成システムを1つ以上含み得る。従って、本発明は、或る態様においては、ランプ、照明器具、プロジェクタデバイス、消毒デバイス、及び光無線通信デバイスのグループから選択される光生成デバイスであって、本明細書において規定されているような光生成システムを有する光生成デバイスも提供する。実施形態においては、前記光生成システム又は前記ランプは、(動的な)スポットライトを有してもよい。
【0145】
前記光生成デバイスは、前記光生成システムの1つ以上の要素を、収容するよう構成されるハウジング、又は支持するよう構成される担体を有してもよい。例えば、実施形態においては、前記光生成デバイスは、前記構成及び前記1つ以上の光源、随意に1つ以上の光学系などのうちの1つ以上を、収容するよう構成されるハウジング、又は支持するよう構成される担体を有してもよい。
【0146】
UV放射線という用語は、特定の実施形態においては、近UV放射線(NUV)を指すことがある。それ故、本明細書においては、一般にUVを指し、特定の実施形態においてはNUVを指すために、「(N)UV」という用語も利用される。IR放射線という用語は、特定の実施形態においては、近IR放射線(NIR)を指すことがある。それ故、本明細書においては、一般にIRを指し、特定の実施形態においてはNIRを指すために、「(N)IR」という用語も利用される。
【0147】
本明細書においては、UV(紫外線)は、特に、190乃至380nmの範囲から選択される波長を指すことがあるが、特定の実施形態においては、他の波長もあり得ることがある。
【0148】
本明細書においては、IR(赤外線)は、特に、780乃至2000nmなどの、780乃至3000nmの範囲から選択される波長、例えば、少なくとも900nmの波長のような、約1500nmまでの波長を有する放射線を指すことがあるが、特定の実施形態においては、他の波長もあり得ることがある。従って、IRという用語は、本明細書においては、近赤外線(NIR(又はIR-A))及び短波長赤外線(SWIR(又はIR-B))のうちの1つ以上、特に、NIRを指すことがある。
【図面の簡単な説明】
【0149】
ここで、ほんの一例として、対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略的な図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【
図1a】幾つかの態様及び実施形態を概略的に図示する。
【
図1b】幾つかの態様及び実施形態を概略的に図示する。
【
図1c】幾つかの態様及び実施形態を概略的に図示する。
【
図1d】幾つかの態様及び実施形態を概略的に図示する。
【
図1e】幾つかの態様及び実施形態を概略的に図示する。
【0150】
概略的な図面は、必ずしも縮尺通りではない。
【発明を実施するための形態】
【0151】
図1aは、ルミネッセンス本体2100のアレイ2005と、ルミネッセンス本体2100の間に少なくとも部分的に構成されるマトリックス2210とを有するルミネッセンス構成2000を概略的に図示している。
【0152】
ルミネッセンス本体2100は、第1ルミネッセンス材料2110を有する。マトリックス2210は、光透過性材料2215を有する。光透過性材料2215は、第2ルミネッセンス材料2220を有する。
【0153】
特に、第1ルミネッセンス材料2110及び光透過性材料2215は、異なる材料である。
【0154】
更に、実施形態においては、ルミネッセンス本体2100は、セラミック体を有する。
【0155】
実施形態においては、マトリックス2210は、連続相2230であって、前記連続相2230に埋め込まれるルミネッセンス粒子2240を備える連続相2230によって規定される。実施形態においては、ルミネッセンス粒子2240は、第2ルミネッセンス材料2220を含み得る。
【0156】
特に、実施形態においては、ルミネッセンス本体2100は、少なくとも部分的に連続相2230に埋め込まれてもよい。実施形態においては、連続相2230は、有機ポリマ材料を有する。その代わりに、又は加えて、実施形態においては、連続相2230は、無機材料を有する。しかしながら、他の実施形態も可能であり得る。
【0157】
特定の実施形態においては、第1ルミネッセンス材料2110及び第2ルミネッセンス材料2220は、異なるルミネッセンス材料である。他の特定の実施形態においては、第1ルミネッセンス材料2110及び第2ルミネッセンス材料2220は、同じルミネッセンス材料である。
【0158】
特に、実施形態においては、第1ルミネッセンス材料2110及び/又は第2ルミネッセンス材料2220は、特に、少なくとも第1ルミネッセンス材料2110は、A3B5O12:Ceタイプのルミネッセンス材料から選択され、Aは、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上を含み、Bは、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含む。
【0159】
実施形態においては、ルミネッセンス本体2100のアレイ2105は、規則的な2Dアレイである。従って、概略的に図示されているように、アレイ2105は、それぞれ、一方向に等しいピッチを有する、又は二方向に等しいピッチを有する。
【0160】
特定の実施形態においては、ルミネッセンス本体2100は、第1総断面積A1を有してもよく、マトリックス2210は、第2総断面積A2を有してもよく、0.1≦A1/A2≦4である。
【0161】
特に、実施形態においては、ルミネッセンス本体2100の断面積は、円相当径Dを規定し、隣接するルミネッセンス本体2100間の最短距離d1は、0.1*D≦d1≦4*Dの範囲から選択される。
【0162】
図1aにおけるルミネッセンス本体は、断面積A1を規定する、長さL1及び幅W1を有する。最短距離d1は、L2及びW2でも示され、L2及びW2は、それぞれ、長さ方向及び幅方向における最短距離である。
【0163】
図1bは、多くの実施形態を概略的に図示している。実施形態I及びVにおいては、ルミネッセンス本体2100及びマトリックス2210の高さが、本質的に同じである。実施形態II及びIVにおいては、ルミネッセンス本体2100の高さが、マトリックス2210の高さより低い。実施形態IVにおいては、マトリックス2210が、ルミネッセンス本体2100を囲むことさえある。実施形態IIIにおいては、ルミネッセンス本体2100の高さが、マトリックス2210の高さより高い。ルミネッセンス本体2100の高さは、Hで示されており、マトリックス2210の高さは、H1で示されている。
【0164】
図1bは、ルミネッセンス本体2100及びマトリックス2210を支持するよう構成される支持体400を更に有するルミネッセンス構成2000の実施形態も概略的に図示している。実施形態においては、支持体400は、光に対して反射性又は透過性であってもよい。
【0165】
図1bの実施形態においては、支持体400は、特に、反射性であってもよい。
図1bの実施形態Iにおいては、反射モードが図示されている。
【0166】
参照符号300は、制御システムを概略的に図示しており、制御システムは、1つ以上の光源10及び/又は光学系450を制御するよう構成されてもよい(下記も参照)。
【0167】
従って、
図1bは、1つ以上の光源10と、本明細書において記載されているようなルミネッセンス構成2000とを有する光生成システム1000の実施形態も概略的に図示している。
【0168】
1つ以上の光源10は、特に、光源光11の1つ以上のビーム12を生成するよう構成される。
【0169】
実施形態においては、1つ以上の光源10は、LED、レーザダイオード及びスーパールミネッセントダイオードから成るグループから選択されてもよい。特に、実施形態においては、1つ以上の光源10は、レーザダイオードを有してもよい。
【0170】
概略的に図示されているように、ルミネッセンス構成2000は、1つ以上の光源10と受光関係にあるよう構成される。
【0171】
特に、第1ルミネッセンス材料2110及び第2ルミネッセンス材料2220は、それぞれ、第1ルミネッセンス材料2110及び第2ルミネッセンス材料2220によって受け取られる光源光11の少なくとも一部を、第1ルミネッセンス材料光2111及び第2ルミネッセンス材料光2221に変換するよう構成される。
【0172】
参照符号450は、光学系を指しており、光学系は、特に、制御可能であってもよい。上記のように、実施形態においては、移動ミラー又は走査ミラーが、制御可能な光学系として適用されてもよい。更に他の実施形態においては、制御可能な光学系は、液晶ベースの拡散器を有してもよい。実施形態においては、光学系は、制御可能な焦点距離を有してもよい。更に他の実施形態においては、光学系は、マイクロミラーデバイスを有してもよい。マイクロミラーデバイスは、特に、極めて微小なミラーをベースとしたものであり得る。マイクロミラーデバイスは、特に、微小電気機械システム(MEMS)であってもよい。「光学系」という用語は、1つ以上のレンズ及び/又は1つ以上のミラーなどのような、1つ以上の光学要素を指すことがある。従って、光学系は、制御システム300などによって、制御可能であってもよい。
【0173】
例えば(偏光)ビームスプリッタ、ダイクロイックビームスプリッタ、ハーフミラー、ミラーなどなどのような、図示されている光学系以外の光学系が利用可能である可能性がある。
【0174】
ここでは、光学系450は、非常に概略的に図示されている。更に、システムは、反射モードで概略的に図示されている。しかしながら、透過モードも可能であり得る。
【0175】
反射モードにおいては、随意に、1つ以上のダイクロイックビームスプリッタが適用されてもよい(図示せず)。このような光学系は、実施形態においては、ルミネッセンス材料光を反射し、光源光を透過するために、又は光源光を反射し、ルミネッセンス材料光を透過するために使用され得る。
【0176】
参照符号1001は、システムから脱出し得るシステム光を指している。動作モードにおいて、システム光1001は、(a1)第1ルミネッセンス材料光2111及び(a2)第2ルミネッセンス材料光2221のうちの1つ以上を有してもよく、随意に、光源光11も有してもよい。例えば、光学系、及び/又はどの光源10が光を供給するかの選択(又はそれぞれの光源10の光11の強度)で、システム光1001のスペクトルパワー分布は制御可能であり得る。
【0177】
実施形態VI乃至IX(及び実施形態I)は、構成の異なる部分が光源光11で照明され得るやり方の多くの非限定的な実施形態を概略的に図示している。
【0178】
実施形態VIは、光源であって、制御可能であり得る光学系450で前記光源の光源光のビーム12が制御可能である光源を示している。これらの光学系は、例えば、(深さ方向に)制御可能な焦点を有してもよく、且つ/又は横方向に移動可能であってもよい。
【0179】
実施形態VIIは、随意に光学系450を備える、光源10のアレイを示している。これらの光学系は、必ずしも制御可能でなくてもよい。しかし、光源10は制御され得るので、光源光11のビーム12も制御され得る。
【0180】
例えば実施形態VI及びVIIを参照すると、光源10は、レーザ光源であってもよい。
【0181】
実施形態VIII及びIXは、透過モードを概略的に図示している。実施形態VIIIは、光透過性支持体400を示している。実施形態IXは、自己支持型構成2000を示している。実施形態VIIIにおいては、例として、制御可能なレンズが制御可能な光学系450として図示されている。実施形態IXにおいては、制御可能な光学系450の例としてマイクロミラーが図示されている。
【0182】
図1cは、ルミネッセンス本体2100の別のアレイを概略的に図示している。しかしながら、更に他の構成が可能であることがある。
【0183】
図1d及び1eを参照すると、1つ以上のビームのビーム形状が制御可能であり得る、幾つかの実施形態及び変形例が、概略的に図示されている。これは、選択的励起をもたらし得る。これは、構成から脱出するルミネッセンス材料光の異なるビーム形状及び/又は構成から脱出するルミネッセンス材料光の異なるスペクトルパワー分布をもたらし得る。ここでは、光源11のビーム12が、概略的に図示されている。理解され得るように、光源光の異なるビーム及び/又は異なる位置における光源光は、特に第1ルミネッセンス材料と第2ルミネッセンス材料とが異なる場合に、異なるスペクトルパワー分布を有する、構成2000から脱出する光を供給し得る。
【0184】
図1fは、実施形態Iにおいて、(図示されていないが、光源光のビームは、システム光1001の概略的に図示されている中空円形ビームと同様の形状を有してもよい)光源光が、本質的に第2ルミネッセンス材料2220のみを照らし、本質的に第1ルミネッセンス材料2110を照らさない場合があることを概略的に図示している。これは、本質的に第2ルミネッセンス材料光2221のみをもたらす可能性があり、前記第2ルミネッセンス材料光2221は、例えばリング形状を有する可能性がある。従って、このような動作モードにおけるシステム光1001は、本質的に第2ルミネッセンス材料光2221しか含まない。右側には、実施形態IIにおいて、(図示されていないが、光源光のビームは、システム光1001の概略的に図示されている円形ビームと同様の形状を有してもよい)光源光が、本質的に第1ルミネッセンス材料2110のみを照らし、本質的に第2ルミネッセンス材料2220を照らさない場合がある実施形態が概略的に図示されている。これは、本質的に第1ルミネッセンス材料光2111のみをもたらす可能性があり、前記第1ルミネッセンス材料光2111は、例えば円形状を有する可能性がある。当然、光源光のビームのビーム形状を(制御システム(図示せず)で)制御する場合、実施形態においては、システム光1001のスペクトルパワー分布が制御され得る。
【0185】
従って、実施形態においては、1つ以上のビーム12は、ルミネッセンス構成2000に対して空間的なパワー分布を有し、空間的なパワー分布は、制御可能であり、光生成システム1000は、(i)1つ以上の光源10、及び(ii)ルミネッセンス構成2000に対する1つ以上の光源10の1つ以上のビーム12の空間的なパワー分布のうちの1つ以上を制御するよう構成される制御システム300を更に有する。
【0186】
例えば、実施形態においては、光生成システム1000は、(光生成システム1000の)動作モードの間、光源光11の少なくとも90%をルミネッセンス本体2100に照射し、光源光11の最大10%をマトリックス2210に照射するよう構成される。
【0187】
図2は、上記のような光生成システム1000を含む照明器具2の実施形態を概略的に図示している。参照符号301は、光生成システム1000によって含まれる又は光生成システム1000に機能的に結合される制御システム300と機能的に結合され得るユーザインターフェースを示している。
図2は、光生成システム1000を有するランプ1の実施形態も概略的に図示している。参照符号3は、壁などに、画像を投影するために使用され得る、プロジェクタデバイス又はプロジェクタシステムを示しており、前記プロジェクタデバイス又はプロジェクタシステムも、システム1000を含み得る。参照符号1200は、例えば、ランプ1、照明器具2、プロジェクタデバイス3のグループから選択され得る、照明デバイスを指している。照明デバイス1200は、光生成デバイス1000を有する。しかしながら、実施形態においては、照明デバイス1200は、(光生成デバイス1000を有する)光無線通信デバイス又は消毒デバイスを含むこともある。
図2は、(特にウォールウォッシャなどの)壁面照明デバイスを含む照明デバイス1200の実施形態も概略的に図示している。照明デバイス1200は、(コーブ(cove)を照明するための)コーブ照明デバイスを含むこともある。
【0188】
「複数」という用語は、2つ以上を指す。
【0189】
本明細書における「実質的に」又は「本質的に」という用語、及び同様の用語は、当業者には理解されるだろう。「実質的に」又は「本質的に」という用語は、「全体的に」、「完全に」、「全て」などを備える実施形態も含み得る。従って、実施形態においては、「実質的に」又は「本質的に」という形容詞が取り除かれることもある。適用可能な場合には、「実質的に」という用語又は「本質的に」という用語は、100%を含む、95%以上、特に99%以上、更により特に99.5%以上などの、90%以上に関することもある。
【0190】
「有する」という用語は、「有する」という用語が「から成る」を意味する実施形態も含む。
【0191】
「及び/又は」という用語は、特に、「及び/又は」の前及び後で言及されている項目のうちの1つ以上に関する。例えば、「項目1及び/又は項目2」という語句、及び同様の語句は、項目1及び項目2のうちの1つ以上に関し得る。「有する」という用語は、或る実施形態においては、「から成る」を指す場合があるが、別の実施形態においては、「少なくとも規定されている種を含み、随意に、1つ以上の他の種を含む」を指す場合もある。
【0192】
更に、明細書及び特許請求の範囲における、第1、第2、第3などの用語は、同様の要素を区別するために使用されるものであり、必ずしも、逐次的又は時間的な順序を説明するために使用されるものではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書において記載されている本発明の実施形態は、本明細書において記載又は図示されている順序以外の順序で動作が可能であることは理解されるべきである。
【0193】
本明細書においては、とりわけ、動作中の、デバイス、装置、又はシステムが記載されているかもしれない。当業者には明らかであるだろうように、本発明は、動作の方法、又は動作中の、デバイス、装置、若しくはシステムに限定されるものではない。
【0194】
上述の実施形態は、本発明を限定するものではなく、本発明を説明するものであり、当業者は、添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、多くの他の実施形態を設計することができるだろうことに留意されたい。
【0195】
特許請求の範囲において、括弧内に配置される如何なる参照符号も、請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0196】
「有する」という動詞及びその語形変化の使用は、請求項において示されている要素又はステップ以外の要素又はステップの存在を除外するものではない。文脈から明らかに別の意味が必要とされない限り、明細書及び特許請求の範囲全体を通して、「有する」などの単語は、排他的又は網羅的な意味とは対照的な、包括的な意味で、即ち、「含むが、これに限定されない」という意味で解釈されるべきである。
【0197】
要素の単数形表記は、このような要素の複数の存在を除外するものではない。
【0198】
本発明は、幾つかの別個の要素を有するハードウェアによって実施されてもよく、又は適切にプログラムされたコンピュータによって実施されてもよい。幾つかの手段を列挙している、デバイスの請求項、又は装置の請求項、又はシステムの請求項においては、これらの手段のうちの幾つかは、ハードウェアの全く同一のアイテムによって実施されてもよい。単に、或る特定の手段が、相互に異なる従属請求項において挙げられているという事実は、これらの手段の組み合わせは有利になるようには使用されることができないことを示すものではない。
【0199】
本発明は、デバイス、装置、若しくはシステムを制御し得る、又は本明細書において記載されている方法若しくはプロセスを実行し得る制御システムも提供する。更に他に、本発明は、デバイス、装置、又はシステムに機能的に結合される又は含まれるコンピュータにおいて実行するときに、このようなデバイス、装置、又はシステムの1つ以上の制御可能な要素を制御するコンピュータプログラム製品も提供する。
【0200】
本発明は、更に、明細書において記載されている、及び/又は添付の図面において示されている、特徴付けている特徴のうちの1つ以上を有するデバイス、装置、又はシステムに当てはまる。本発明は、更に、明細書において記載されている、及び/又は添付の図面において示されている、特徴付けている特徴のうちの1つ以上を有する方法又はプロセスに関する。
【0201】
この特許において説明されている様々な態様は、更なる利点を提供するために組み合わされることができる。更に、当業者は、実施形態は組み合わされることができること、及び3つ以上の実施形態も組み合わされることができることを理解するだろう。更に、特徴のうちの幾つかは、1つ以上の分割出願のための基礎を形成することができる。
【国際調査報告】