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特表2024-504187周期的堆積のための前駆体送達システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】周期的堆積のための前駆体送達システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/455 20060101AFI20240123BHJP
   C23C 16/34 20060101ALI20240123BHJP
   H01L 21/283 20060101ALI20240123BHJP
   H01L 21/285 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
C23C16/455
C23C16/34
H01L21/283
H01L21/285 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545326
(86)(22)【出願日】2022-01-25
(85)【翻訳文提出日】2023-09-21
(86)【国際出願番号】 US2022070347
(87)【国際公開番号】W WO2022165484
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】63/142,238
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518196871
【氏名又は名称】ユージェヌス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サリナス、マーティン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】サルダナ、ミゲル
(72)【発明者】
【氏名】カルデロン、ビクター
【テーマコード(参考)】
4K030
4M104
【Fターム(参考)】
4K030AA03
4K030AA13
4K030BA18
4K030BA29
4K030BA38
4K030EA03
4K030EA06
4K030FA10
4K030HA01
4K030JA03
4K030JA10
4K030JA11
4K030LA15
4M104BB04
4M104BB29
4M104BB30
4M104DD43
4M104DD44
4M104DD45
4M104FF18
4M104FF22
4M104HH15
(57)【要約】
開示される技術は、概して半導体製造に関し、より詳細には、周期的堆積における前駆体送達に関する。一態様において、薄膜を堆積させる方法は、薄膜堆積チャンバ内の基板を複数の前駆体に交互に曝露するステップを含む。基板を曝露することは、前駆体のうちの1つを供給するようにそれぞれ構成された2つ以上の原子層堆積(ALD)バルブを介して薄膜堆積チャンバに前駆体のうちの1つを導入することを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜を堆積させる方法であって、
薄膜堆積チャンバ内の基板を複数のサイクルで複数の前駆体に交互に曝露するステップを含み、
前記基板を交互に曝露する前記ステップは、前記前駆体のうちの第1の前駆体を前記薄膜堆積チャンバに供給するための共通のガス分配プレートに並列に接続される2つ以上の第1の原子層堆積(ALD)バルブを独立して作動させることによって前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を前記薄膜堆積チャンバ内に導入するステップを含み、
前記2つ以上の第1のALDバルブを独立して作動させる前記ステップは、前記サイクルのうちの1つの同じサイクル中に前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を前記薄膜堆積チャンバに導入する間の少なくとも一部の時間にわたって前記2つ以上の第1のALDバルブを同時に開放するステップを含む、方法。
【請求項2】
前記2つ以上の第1のALDバルブは、前記前駆体のうちの前記第1の前駆体が前記薄膜堆積チャンバ内に導入される前の最終バルブである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記2つ以上の第1のALDバルブは、前記基板の中央領域上にわたって垂直に配置される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記2つ以上のALDバルブの出口と前記基板の主面との間の距離が10インチ未満である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記2つ以上の第1のALDバルブのそれぞれはマルチバルブブロックに接続され、該マルチバルブブロックは、前記薄膜堆積チャンバの外側に配置されるとともに、前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を受けて前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を内部に画定される内部導管を介して前記薄膜堆積チャンバに導くハブとして機能するように構成される、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記内部導管が中央導管を備え、該中央導管は、前記基板の主面を横切る垂直方向に延在するとともに、前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を前記薄膜堆積チャンバに供給するために前記薄膜堆積チャンバに接続される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記中央導管は、前記前駆体のうちの前記第1の前駆体が前記薄膜堆積チャンバに導入される前に通過する前記最終導管である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
薄膜を堆積させることが、プラズマを用いずに熱ALDによって堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記基板を交互に曝露させる前記ステップは、金属前駆体及び酸化前駆体のうちの一方を含む前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を導入した後に、前記金属前駆体及び前記酸化前駆体のうちの他方を含む前記前駆体のうちの第2の前駆体を導入するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記2つ以上の第1のALDバルブを作動させる前記ステップは、前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を前記薄膜堆積チャンバに導入する間に、前記2つ以上の第1のALDバルブを実質的に同時に開放するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を前記薄膜堆積チャンバに導入する前記ステップは、前記第1のALDバルブのうちの1つのみを使用して前記基板の表面で飽和レベルに達するための曝露時間が前記基板の前記表面で前記飽和レベルに達するための基準曝露時間に対して20%以上短縮されるように、複合流量で前記2つ以上の第1のALDバルブを介して導入するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を前記薄膜堆積チャンバ内に導入する前記ステップは、前記前駆体のうちの前記第1の前駆体に対する前記基板の前記表面の曝露時間が1.0秒未満であるように、複合流量で前記2つ以上のALDバルブを介して導入するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記基板を交互に曝露する前記ステップは、前記前駆体のうちの前記第2の前駆体を前記薄膜堆積チャンバ内に供給するための前記共通のガス分配プレートに並列に接続される2つ以上の第2のALDバルブを独立して作動させることによって前記前駆体のうちの前記第2の前駆体を前記薄膜堆積チャンバ内に導入するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記2つ以上の第1のALDバルブのそれぞれは、コマンド信号の終了とそのダイアフラムの開閉の完了との間の応答時間が30ms未満である、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記2つ以上の第1のALDバルブのそれぞれは、0.25を超えるバルブ流量係数(C)を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記2つ以上の第1のALDバルブの作動前及び作動中に、前記2つ以上の第1のALDバルブを80℃を超えるバルブ温度に加熱するステップを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を前記薄膜堆積チャンバに導入する前記ステップは、前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を前記薄膜堆積チャンバに導入しながら前記2つ以上の第1のALDバルブのそれぞれを介して不活性ガスを前記薄膜堆積チャンバに連続的に流すステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項18】
前記前駆体のそれぞれを導入した後に前記共通のガス分配プレートに並列に接続される2つ以上のパージALDバルブを作動させることによってパージガスを前記薄膜堆積チャンバに導入するステップを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項19】
前記薄膜がTiN薄膜又はTiSiN薄膜を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の前駆体は、Ti前駆体、Si前駆体及びN前駆体のうちの1つ以上を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項21】
前記薄膜堆積チャンバは、それぞれが前記薄膜を堆積させるように構成される複数のプロセスステーションを備える、請求項9に記載の方法。
【請求項22】
薄膜を堆積させる方法であって、
薄膜堆積チャンバ内の基板を複数のサイクルで複数の前駆体に交互に曝露するステップを含み、
前記基板を交互に曝露する前記ステップは、前記前駆体のうちの第1の前駆体を前記薄膜堆積チャンバに供給するための共通のガス分配プレートに並列に接続される2つ以上の第1の原子層堆積(ALD)バルブを独立して作動させることによって前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を前記薄膜堆積チャンバに導入するステップを含み、
前記2つ以上の第1のALDバルブを独立して作動させる前記ステップは、前記サイクルのうちの第1のサイクル中に前記2つ以上の第1のALDバルブのうちのひとつめのALDバルブを作動させるステップと、前記サイクルのうちの第2のサイクル中に前記2つ以上の第1のALDバルブのうちのふたつめのALDバルブを作動させるステップとを含む、方法。
【請求項23】
前記2つ以上の第1のALDバルブは、前記前駆体のうちの前記第1の前駆体が前記薄膜堆積チャンバ内に導入される前の最終バルブである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記2つ以上の第1のALDバルブは、前記基板の中央領域上にわたって垂直に配置される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記2つ以上のALDバルブの出口と前記基板の主面との間の距離が10インチ未満である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記2つ以上の第1のALDバルブのそれぞれはマルチバルブブロックに接続され、該マルチバルブブロックは、前記薄膜堆積チャンバの外側に配置されるとともに、前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を受けて前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を内部に画定される内部導管を介して前記薄膜堆積チャンバに導くハブとして機能するように構成される、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記内部導管が中央導管を備え、該中央導管は、前記基板の主面を横切る垂直方向に延在するとともに、前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を前記薄膜堆積チャンバに供給するために前記薄膜堆積チャンバに接続される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記中央導管は、前記前駆体のうちの前記第1の前駆体が前記薄膜堆積チャンバに導入される前に通過する前記最終導管である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
薄膜を堆積させることが、プラズマを用いずに熱ALDによって堆積させることを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項30】
前記基板を交互に曝露させる前記ステップは、金属前駆体及び酸化前駆体のうちの一方を含む前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を導入した後に、前記金属前駆体及び前記酸化前駆体のうちの他方を含む前記前駆体のうちの第2の前駆体を導入するステップを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記2つ以上の第1のALDバルブを作動させる前記ステップは、前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を前記薄膜堆積チャンバに導入する間に、前記2つ以上の第1のALDバルブを実質的に同時に開放するステップを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記基板を交互に曝露する前記ステップは、前記前駆体のうちの前記第2の前駆体を前記薄膜堆積チャンバ内に供給するための前記共通のガス分配プレートに並列に接続される2つ以上の第2のALDバルブを独立して作動させることによって前記前駆体のうちの前記第2の前駆体を前記薄膜堆積チャンバ内に導入するステップを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記2つ以上の第1のALDバルブのそれぞれは、コマンド信号の終了とそのダイアフラムの開閉の完了との間の応答時間が30ms未満である、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記2つ以上の第1のALDバルブのそれぞれは、0.25を超えるバルブ流量係数(C)を有する、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記2つ以上の第1のALDバルブの作動前及び作動中に、前記2つ以上の第1のALDバルブを80℃を超えるバルブ温度に加熱するステップを更に含む、請求項30に記載の方法。
【請求項36】
前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を前記薄膜堆積チャンバに導入する前記ステップは、前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を前記薄膜堆積チャンバに導入しながら前記2つ以上の第1のALDバルブのそれぞれを介して不活性ガスを前記薄膜堆積チャンバに連続的に流すステップを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項37】
前記前駆体のそれぞれを導入した後に前記共通のガス分配プレートに並列に接続される2つ以上のパージALDバルブを作動させることによってパージガスを前記薄膜堆積チャンバに導入するステップを更に含む、請求項30に記載の方法。
【請求項38】
前記薄膜がTiN薄膜又はTiSiN薄膜を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項39】
前記複数の前駆体は、Ti前駆体、Si前駆体及びN前駆体のうちの1つ以上を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項40】
前記薄膜堆積チャンバは、それぞれが前記薄膜を堆積させるように構成される複数のプロセスステーションを備える、請求項30に記載の方法。
【請求項41】
薄膜を堆積させる方法であって、
薄膜堆積チャンバ内の基板を複数のサイクルで複数の前駆体に交互に曝露するステップを含み、
前記基板を交互に曝露する前記ステップは、前記前駆体のうちの第1の前駆体を前記薄膜堆積チャンバに供給するための共通のガス分配プレートに並列に接続される2つ以上の第1の原子層堆積(ALD)バルブを独立して作動させることによって前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を前記薄膜堆積チャンバに導入するステップを含み、
前記2つ以上の第1のALDバルブを独立して作動させる前記ステップは、前記サイクルの1つの同じサイクル中に前記2つ以上の第1のALDバルブのうちの異なるバルブを交互に開放することによって前記基板を複数のパルスで曝露するステップを含む、方法。
【請求項42】
前記2つ以上の第1のALDバルブは、前記前駆体のうちの前記第1の前駆体が前記薄膜堆積チャンバ内に導入される前の最終バルブである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記2つ以上の第1のALDバルブは、前記基板の中央領域上にわたって垂直に配置される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記2つ以上のALDバルブの出口と前記基板の主面との間の距離が10インチ未満である、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記2つ以上の第1のALDバルブのそれぞれはマルチバルブブロックに接続され、該マルチバルブブロックは、前記薄膜堆積チャンバの外側に配置されるとともに、前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を受けて前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を内部に画定される内部導管を介して前記薄膜堆積チャンバに導くハブとして機能するように構成される、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
前記内部導管が中央導管を備え、該中央導管は、前記基板の主面を横切る垂直方向に延在するとともに、前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を前記薄膜堆積チャンバに供給するために前記薄膜堆積チャンバに接続される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記中央導管は、前記前駆体のうちの前記第1の前駆体が前記薄膜堆積チャンバに導入される前に通過する前記最終導管である、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記2つ以上の第1のALDバルブのうちの異なるバルブを交互に開放する前記ステップは、前記前駆体のうちの第2の前駆体の導入を介在させることなく、前記2つ以上の第1のALDバルブのうちの前記異なるバルブを順次に開放するステップを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項49】
前記薄膜堆積チャンバは、プラズマを用いずに熱ALDを行なうように構成される、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記基板を交互に曝露させる前記ステップは、金属前駆体及び酸化前駆体のうちの一方を含む前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を導入した後に、前記金属前駆体及び前記酸化前駆体のうちの他方を含む前記前駆体のうちの第2の前駆体を導入するステップを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記2つ以上の第1のALDバルブを作動させる前記ステップは、前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を前記薄膜堆積チャンバに導入する間に、前記2つ以上の第1のALDバルブを実質的に同時に開放するステップを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記基板を交互に曝露する前記ステップは、前記前駆体のうちの前記第2の前駆体を前記薄膜堆積チャンバ内に供給するための前記共通のガス分配プレートに並列に接続される2つ以上の第2のALDバルブを独立して作動させることによって前記前駆体のうちの前記第2の前駆体を前記薄膜堆積チャンバ内に導入するステップを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記2つ以上の第1のALDバルブのそれぞれは、コマンド信号の終了とそのダイアフラムの開閉の完了との間の応答時間が30ms未満である、請求項50に記載の方法。
【請求項54】
前記2つ以上の第1のALDバルブのそれぞれは、0.25を超えるバルブ流量係数(C)を有する、請求項50に記載の方法。
【請求項55】
前記2つ以上の第1のALDバルブの作動前及び作動中に、前記2つ以上の第1のALDバルブを80℃を超えるバルブ温度に加熱するステップを更に含む、請求項50に記載の方法。
【請求項56】
前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を前記薄膜堆積チャンバに導入する前記ステップは、前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を前記薄膜堆積チャンバに導入しながら前記2つ以上の第1のALDバルブのそれぞれを介して不活性ガスを前記薄膜堆積チャンバに連続的に流すステップを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項57】
前記前駆体のそれぞれを導入した後に前記共通のガス分配プレートに並列に接続される2つ以上のパージALDバルブを作動させることによってパージガスを前記薄膜堆積チャンバに導入するステップを更に含む、請求項50に記載の方法。
【請求項58】
前記薄膜がTiN薄膜又はTiSiN薄膜を含む、請求項50に記載の方法。
【請求項59】
前記複数の前駆体は、Ti前駆体、Si前駆体及びN前駆体のうちの1つ以上を含む、請求項50に記載の方法。
【請求項60】
前記薄膜堆積チャンバは、それぞれが前記薄膜を堆積させるように構成される複数のプロセスステーションを備える、請求項50に記載の方法。
【請求項61】
薄膜堆積システムであって、
基板を複数の前駆体に交互に曝露することによって薄膜を堆積させるように構成される薄膜堆積チャンバを備え、
前記薄膜堆積システムは、前記前駆体のうちの第1の前駆体を前記薄膜堆積チャンバ内に供給するための共通のガス分配プレートに並列に接続される2つ以上の第1の原子層堆積(ALD)バルブを独立して作動させることによって前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を前記薄膜堆積チャンバ内に導入するように構成される、薄膜堆積システム。
【請求項62】
前記2つ以上の第1のALDバルブは、前記前駆体のうちの前記第1の前駆体が前記薄膜堆積チャンバ内に導入される前の最終バルブである、請求項61に記載の薄膜堆積システム。
【請求項63】
前記2つ以上の第1のALDバルブは、前記基板の中央領域上にわたって垂直に配置される、請求項62に記載の薄膜堆積システム。
【請求項64】
前記2つ以上のALDバルブの出口と前記基板の主面との間の距離が10インチ未満である、請求項63に記載の薄膜堆積システム。
【請求項65】
前記2つ以上の第1のALDバルブのそれぞれはマルチバルブブロックに接続され、該マルチバルブブロックは、前記薄膜堆積チャンバの外側に配置されるとともに、前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を受けて前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を内部に画定される内部導管を介して前記薄膜堆積チャンバに導くハブとして機能するように構成される、請求項62に記載の薄膜堆積システム。
【請求項66】
前記内部導管が中央導管を備え、該中央導管は、前記基板の主面を横切る垂直方向に延在するとともに、前記前駆体のうちの前記第1の前駆体を前記薄膜堆積チャンバに供給するために前記薄膜堆積チャンバに接続される、請求項65に記載の薄膜堆積システム。
【請求項67】
前記中央導管は、前記前駆体のうちの前記第1の前駆体が前記薄膜堆積チャンバに導入される前に通過する前記最終導管である、請求項66に記載の薄膜堆積システム。
【請求項68】
前記薄膜堆積チャンバは、プラズマを用いずに熱ALDを行なうように構成される、請求項61に記載の薄膜堆積システム。
【請求項69】
前記2つ以上のALDバルブのそれぞれは、ソレノイドパイロットバルブを備えるとともに、10ms未満の作動時間を有する、請求項61に記載の薄膜堆積システム。
【請求項70】
前記薄膜堆積チャンバは、2つ以上のバルブを同時に使用して前記前駆体のうちの1つを前記薄膜堆積チャンバ内に送達するように構成される、請求項61に記載の薄膜堆積システム。
【請求項71】
前記薄膜堆積チャンバは、2つ以上のバルブを連続的に使用して前記前駆体のうちの1つを前記薄膜堆積チャンバに送達するように構成される、請求項61に記載の薄膜堆積システム。
【請求項72】
前記薄膜堆積システムは、前記基板の表面が1.0秒未満で実質的に飽和されるように、前記前駆体のうちの1つを複合流量で前記2つ以上のALDバルブを介して前記薄膜堆積チャンバに導入するように構成される、請求項61に記載の薄膜堆積システム。
【請求項73】
前記2つ以上のバルブのそれぞれは、0.25を超えるバルブ流量係数(C)を有する、請求項61に記載の薄膜堆積システム。
【請求項74】
前記2つ以上のバルブのそれぞれは、80℃を超えるバルブ温度で動作するように構成される、請求項61に記載の薄膜堆積システム。
【請求項75】
前記2つ以上のバルブのそれぞれは、不活性ガスを連続的に流しながら前記前駆体のうちの1つを前記薄膜堆積チャンバに導入するように構成される3ポートバルブである、請求項61に記載の薄膜堆積システム。
【請求項76】
前記前駆体のうちの1つを前記2つ以上のALDバルブを介して前記薄膜堆積チャンバに導入した後に不活性ガスで前記薄膜堆積チャンバをパージするように構成されるALDバルブを更に備える、請求項61に記載の薄膜堆積システム。
【請求項77】
前記2つ以上のALDバルブのそれぞれが30ms未満の応答時間を有する、請求項61に記載の薄膜堆積システム。
【請求項78】
前記薄膜がTiN薄膜又はTiSiN薄膜を含む、請求項61に記載の薄膜堆積システム。
【請求項79】
前記複数の前駆体は、Ti前駆体、Si前駆体及びN前駆体のうちの1つ以上を含む、請求項61に記載の薄膜堆積システム。
【請求項80】
前記薄膜堆積チャンバは、それぞれが前記薄膜を堆積させるように構成される複数のプロセスステーションを備える、請求項61に記載の薄膜堆積システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権出願の参照による組み入れ
本出願と共に提出された出願データシートにおいて外国又は国内の優先権主張が特定される任意の全ての出願は、37CFR1.57の下で参照により本願に組み入れられる。
【0002】
この出願は、2021年1月27日に出願された「PRECURSOR DELIVERY SYSTEM AND METHOD FOR CYCLIC DEPOSITION」と題する米国仮特許出願第63/142,238号に対する35U.S.C.§119(e)の下での優先権の利益を主張し、この仮特許出願の内容は参照によりその全体が本願に明示的に組み入れられる。
【0003】
開示される技術は、概して半導体製造に関し、より詳細には、周期的堆積における前駆体送達に関する。
【背景技術】
【0004】
半導体デバイスが横方向寸法でスケーリングし続けると、電極及び誘電体などの機能性薄膜の厚さスケーリングを含む、半導体デバイスの垂直方向寸法の対応するスケーリングが存在する。半導体製造は、プロセスフロー全体にわたって堆積されてパターニングされる様々な薄膜を伴う。半導体製造に使用される薄膜は、湿式及び乾式堆積法を含む様々な技術を使用して形成され得る。湿式堆積法は、例えば、エアロゾル/スプレー堆積、ゾル-ゲル法及びスピンコーティングを含む。乾式堆積法は、物理気相に基づく技術、例えば物理気相体積(PVD)及び蒸発を含む。乾式堆積法は、前駆体及び/又は化学反応に基づく技術、例えば化学気相堆積(CVD)及び原子層堆積(ALD)などの周期的堆積を更に含む。
【発明の概要】
【0005】
一態様において、薄膜堆積システムは、基板を複数の前駆体に交互に曝露することによって薄膜を堆積させるように構成される薄膜堆積チャンバを備える。薄膜堆積システムは、前駆体のうちの第1の前駆体を薄膜堆積チャンバに供給するための共通のガス分配プレートに並列に接続される2つ以上の第1の原子層堆積(ALD)バルブを独立して作動させることによって第1の前駆体のうちの第1の前駆体を薄膜堆積チャンバに導入するように構成される。
【0006】
他の態様において、薄膜を堆積させる方法は、薄膜堆積チャンバ内の基板を複数の前駆体に交互に曝露するステップを含む。交互に基板を曝露するステップは、それぞれが前駆体のうちの1つを供給するようにそれぞれ構成される2つ以上の原子層堆積(ALD)バルブを介して前駆体のうちの1つを薄膜堆積チャンバに導入するステップを含み、2つ以上の第1の原子層堆積(ALD)バルブは、前駆体のうちの1つを薄膜堆積チャンバに供給するための共通のガス分配プレートに並列に接続される。
【0007】
他の態様において、薄膜を堆積させる方法は、薄膜堆積チャンバ内の基板を複数の前駆体に複数のサイクルで交互に曝露するステップを含む。基板を交互に曝露するステップは、前駆体のうちの第1の前駆体を薄膜堆積チャンバ内に供給するための共通のガス分配プレートに並列に接続される2つ以上の第1の原子層堆積(ALD)バルブを独立して作動させることによって前駆体のうちの第1の前駆体を薄膜堆積チャンバ内に導入するステップを含む。2つ以上の第1のALDバルブを独立して作動させるステップは、サイクルの1つの同じサイクル中に前駆体のうちの第1の前駆体を薄膜堆積チャンバに導入する間の少なくとも一部の時間にわたって2つ以上の第1のALDバルブを同時に開放するステップを含む。
【0008】
他の態様において、薄膜を堆積させる方法は、薄膜堆積チャンバ内の基板を複数の前駆体に複数のサイクルで交互に曝露するステップを含む。基板を交互に曝露するステップは、前駆体のうちの第1の前駆体を薄膜堆積チャンバ内に供給するための共通のガス分配プレートに並列に接続される2つ以上の第1の原子層堆積(ALD)バルブを独立して作動させることによって前駆体のうちの第1の前駆体を薄膜堆積チャンバ内に導入するステップを含む。2つ以上の第1のALDバルブを独立して作動させるステップは、サイクルの第1のサイクル中に2つ以上の第1のALDバルブのうちのひとつめのALDバルブを作動させるステップと、サイクルの第2のサイクル中に2つ以上の第1のALDバルブのうちのふたつめのALDバルブを作動させるステップとを含む。
【0009】
他の態様において、薄膜を堆積させる方法は、薄膜堆積チャンバ内の基板を複数の前駆体に複数のサイクルで交互に曝露するステップを含む。基板を交互に曝露するステップは、前駆体のうちの第1の前駆体を薄膜堆積チャンバ内に供給するための共通のガス分配プレートに並列に接続される2つ以上の第1の原子層堆積(ALD)バルブを独立して作動させることによって前駆体のうちの第1の前駆体を薄膜堆積チャンバ内に導入するステップを含む。2つ以上の第1のALDバルブを独立して作動させるステップは、サイクルの1つの同じサイクル中に2つ以上の第1のALDバルブの異なるバルブを交互に開放することによって複数のパルスで基板を曝露するステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】薄膜堆積チャンバと、共通のガス分配プレートに並列に接続される2つ以上の原子層堆積(ALD)バルブを使用して前駆体を送達するように構成される前駆体送達システムとを含む実施形態に係る薄膜堆積システムを概略的に示す。
【0011】
図2】共通のガス分配プレートに並列に接続される2つ以上の原子層堆積(ALD)バルブを使用して前駆体を送達するように構成される実施形態に係る前駆体送達システムの概略図である。
【0012】
図3A】共通のガス分配プレートに並列に接続される2つ以上のALDバルブを使用して前駆体を送達するように構成される実施形態に係る前駆体送達システムのためのマルチバルブブロックアセンブリの斜視図を示す。
【0013】
図3B】共通のガス分配プレートに並列に接続される複数のALDバルブを結合するように構成される実施形態に係る図3Aに示されるマルチバルブブロックの1つの斜視図を示す。
【0014】
図3C】実施形態に係る図3Bに示されるマルチバルブブロックに結合するように構成されるALDバルブのうちの1つの斜視図を示す。
【0015】
図3D】実施形態に係る図3Cに示されるようなALDバルブの作動に関連する様々な信号を示す実験チャートの一例である。
【0016】
図4】共通のガス分配プレートに並列に接続される2つ以上のALDバルブを使用して前駆体を送達するようにそれぞれが構成される実施形態に係る複数の処理ステーションを含む堆積チャンバの上端外部の斜視図を示す。
【0017】
図5A】幾つかの実施形態に係る、1サイクルにおける、共通のガス分配プレートに並列に接続される2つ以上のALDバルブを使用する前駆体の曝露シーケンスを含む、薄膜を堆積させるための前駆体送達シーケンスの一例を示す。
【0018】
図5B図5Aに関して示された送達シーケンスに従った、TiCl及びNHを使用するTiNの周期的堆積又はALDの1つの具体例における前駆体送達条件を示す。
【0019】
図6】幾つかの実施形態に係る、2つの以上のサイクルにわたる、共通のガス分配プレートに並列に接続される2つ以上のALDバルブを使用する前駆体における曝露シーケンスを含む、薄膜を堆積させるための前駆体送達シーケンスの一例を示す。
【0020】
図7】幾つかの実施形態に係る、1サイクルで前駆体の複数のパルスを送達するべく共通のガス分配プレートに並列に接続される2つ以上のALDバルブを使用する前駆体における曝露シーケンスを含む、薄膜を堆積させるための前駆体送達シーケンスの一例を示す。
【0021】
図8】実施形態に従って堆積された薄膜層で裏打ちされたビアの断面図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
原子層堆積(ALD)プロセスなどの周期的な堆積プロセスは、高い均一性及び厚さ精度を有する比較的高いアスペクト比(例えば、2:1)の構造上に比較的コンフォーマルな薄膜を提供することができる。ALDと比較して一般にコンフォーマル性が低く均一であるが、化学気相堆積(CVD)などの連続堆積プロセスを使用して堆積された薄膜は、より高い生産性及びより低いコストを提供することができる。数例を挙げると、ALD及びCVDを使用して、元素金属、金属化合物(例えば、TiN、TaNなど)、半導体(例えば、Si、III-Vなど)、誘電体(例えば、SiO、AlN、HfO、ZrOなど)、希土類酸化物、導電性酸化物(例えば、IrOなど)、強誘電体(例えば、PbTiO、LaNiOなど)、超伝導体(例えば、YbaCu7-x)、及びカルコゲナイド(例えば、GeSbTe)を含む様々な異なる膜を堆積することができる。
【0023】
原子層堆積(ALD)などの幾つかの周期的堆積プロセスは、薄膜を形成するために基板を複数の前駆体に交互に曝露することを含む。異なる前駆体は、交互に少なくとも部分的に基板の表面を飽和させ、互いに反応し、それによって層ごとに薄膜を形成することができる。層ごとの成長能力に起因して、ALDは、厚さ及び組成の正確な制御を可能にすることができ、それにより、導電率、適合性、均一性、バリア特性及び機械的強度などの様々な特性の正確な制御を可能にすることができる。ALDにおける堆積プロセスの性質に起因して、ALD堆積システムの前駆体送達システムは、例えばCVD堆積システムの前駆体送達システムと比較して固有の課題に直面する。例えば、複数の前駆体への基板の交互の曝露は、比較的高速及び/又は比較的高頻度で繰り返し実行されるため、前駆体送達システム又は前駆体送達バルブなどのその構成要素は、ALD堆積プロセスの精度、スループット、信頼性及び動作コストを含む様々な態様に直接的又は間接的に制限を課す可能性がある。
【0024】
本明細書に記載されるように、原子層堆積(ALD)バルブは、高い流量係数(例えば、Cvが0.20を超える)を有しながら、高精度及び高速(例えば、30ms未満の応答時間)のパルスで前駆体をALD堆積チャンバに導入するように構成された前駆体送達バルブを指す。ALDによる薄膜の堆積は、異なる前駆体への交互の曝露の数サイクルから数千サイクルを伴い得るため、ALDバルブの流量、速度及び/又は周波数などのバルブパラメータは、堆積スループット並びに前駆体の使用効率に直接影響を及ぼし得る。更に、ALDバルブの摩耗は、予防保守サービス間の幾つかのALDシステムの耐用年数を制限する可能性がある。高温で送達される幾つかの前駆体は、幾つかのALDシステムのスループット及び耐用年数を更に制限する可能性がある。
【0025】
したがって、スループット及び速度の向上、故障までの時間の延長、温度適合性の向上、及びメンテナンスの低減のための前駆体送達システムが必要とされている。これらの機能は、ALDシステムの全体的な製造コスト及び所有コストを劇的に削減することができる。
<同じ前駆体を送達するための2つ以上のALDバルブを有する前駆体送達システム>
【0026】
とりわけ前述の必要性に対処するために、実施形態に係る薄膜堆積システムは、基板を複数の前駆体に交互に曝露することによって薄膜を堆積させるように構成された薄膜堆積チャンバを備え、薄膜堆積チャンバは、前駆体のうちの1つの同じ前駆体に関して2つ以上の原子層堆積(ALD)バルブを使用して前駆体のうちの1つ以上を薄膜堆積チャンバに導入するように構成される。この構成は、例えば、ALDサイクルの持続時間を大幅に短縮することができるように、従来の薄膜堆積システムよりもはるかに高い2つ以上のALDバルブを通る1つ以上の前駆体の複合流量を可能にする。例えば、前駆体への曝露の持続時間は、同じ前駆体を導入するために使用されるALDバルブの数に比例して短縮することができる。例えば、所与の前駆体を導入するためにn個のALDバルブを使用することにより、1つのALDバルブのみを使用して達成される同様のレベルの表面飽和を達成しながら、曝露時間をほぼ同じn倍だけ短縮することができる。
【0027】
以下において、実施形態は、例として特定の膜のための特定の前駆体を使用して説明され得る。例えば、TiN及び/又はTiSiNを堆積させるためのTiCl、NH及びSiClを含む特定の例示的な前駆体を使用して、薄膜堆積システム及び様々な実施形態に係る薄膜を堆積させる方法を説明することができる。しかしながら、実施形態はそのように限定されず、本発明の態様は、ALDなどの周期的堆積プロセスを使用して形成することができる任意の適切な薄膜を堆積するための前駆体の任意の適切な組み合わせに適用することができることが理解され得る。
【0028】
図1は、共通のガス分配プレートに並列に接続された2つ以上の原子層堆積(ALD)バルブを使用してガスを送達するように構成された実施形態に係る薄膜堆積システムを概略的に示す。薄膜堆積システム100は、薄膜堆積チャンバ102と、複数の前駆体を堆積チャンバ102内に送達するように構成された前駆体送達システム106とを含む。図示の堆積チャンバ102は、プロセス条件下で、支持体116、例えばサセプタ上の基板120を処理するように構成される。堆積チャンバ102は、シャワーヘッドとも呼ばれるガス分配プレート112を介して堆積チャンバ102内に複数の前駆体を中央で排出するように構成されたノズル108を更に含む。ノズル108は、ガス、例えば前駆体及びパージガスを、ガス分配プレート112によって堆積チャンバ102内に拡散される前に混合することができる。ガス分配プレート112は、均一な堆積が生じるようにサセプタ116上の基板120上にわたって前駆体を均一に拡散させるように構成される。堆積チャンバは、圧力監視センサ(P)及び/又は温度監視センサ(T)を備えてもよい。
【0029】
前駆体送達システム106は、前駆体供給源(120、124)からの複数の前駆体と、パージガス供給源(128)からの1つ以上のパージガス、例えば不活性ガスとをプロセスチャンバ内に送達するように構成される。前駆体及びパージガスのそれぞれは、それぞれのガス送達ラインによって堆積チャンバ102に接続される。ガス送達ラインは、それらの経路に、マスフローコントローラ(MFC)132と、それぞれの前駆体を薄膜堆積チャンバに導入するためのそれぞれの前駆体バルブとを更に含む。バルブの少なくとも幾つかは、原子層堆積(ALD)バルブとすることができる。ガス送達ラインは、ガス分配プレート112を介して堆積チャンバ102に接続される。
【0030】
好適には、様々な実施形態によれば、薄膜堆積システム100は、前駆体のうちの少なくとも1つを薄膜堆積チャンバ102内に供給するためのガス分配プレート112に並列に接続された2つ以上の第1の原子層堆積(ALD)バルブを独立して作動させることによって前駆体のうちの少なくとも1つを堆積チャンバ102内に導入することができるように構成される。
【0031】
例示のみを目的として、図1の図示の構成では、複数の前駆体は、第1の前駆体及び第2の前駆体を含む。第1の前駆体は、少なくとも2つの第1の前駆体供給源120-1、120-2に貯蔵され、第2の前駆体は、少なくとも2つの第2の前駆体供給源124-1、124-2に貯蔵される。パージガスは、少なくとも2つのパージガス供給源128-1、128-2に貯蔵することができる。第1の前駆体は、共通のガス分配プレート112に並列に接続される2つのそれぞれの第1の前駆体原子層堆積(ALD)バルブ140-1、140-2を独立して作動させることによって、第1の前駆体供給源120-1、120-2から送達されるように構成される。更に、第2の前駆体は、共通のガス分配プレート112に並列に接続される2つのそれぞれの第2の前駆体原子層堆積(ALD)バルブ144-1、144-2を独立して作動させることによって、第2の前駆体供給源124-1、124-2から送達されるように構成される。更に、パージガスは、共通ガス分配プレート112に並列に接続される2つのそれぞれのパージガス原子層堆積(ALD)バルブ148-1、148-2を独立して作動させることによって、パージガス供給源128-1、128-2から供給されるように構成される。ALDバルブ140-1、140-2、144-1、144-2、148-1及び148-2、並びにガス分配プレート112に接続されたそれぞれの送達ラインは、堆積チャンバ102の蓋に取り付けられ得るマルチバルブブロックアセンブリ150(図3A)を介してノズル108にそれぞれのガスを供給するように構成することができる。図示の構成では、ALDバルブ140-1、140-2、144-1、144-2、148-1及び148-2は、それぞれのガスが堆積チャンバ102に導入される前の最終バルブである。
【0032】
構成されているように、薄膜堆積システム100は、独立して制御されるそれぞれのALDバルブを使用して、2つ以上の別個のガスラインを通して前駆体及び/又はパージガスを送達するように構成される。同じ前駆体及び/又はパージガスの送達パルスは、実施形態に応じて、時間的に重複してもしなくてもよい。
【0033】
単なる例として、第1及び第2の前駆体は、TiCl及びNHをそれぞれ含むことができ、これらは、それぞれのTiCl源及びNH源からそれぞれの前駆体送達ラインを介して堆積チャンバ102内に送達されて、例えばTiNを形成する。前駆体送達システムは、更に、パージガスとしてのArを、パージガス送達ラインを介してAr源から処理チャンバ内に送達するように構成することができる。パージガスは、前駆体ALDバルブを介して送達され得る連続パージ(CP)ガスとして、及び/又は図1に示すように専用のパージガスALDバルブを介して送達され得る急速パージ(RP)ガスとして送達され得る。図示の前駆体送達システム100は、それぞれのパージガス送達ライン及びパージガスALDバルブ148-1、148-2を介してパージガス供給源128-1、128-2から処理チャンバ102内にRPガスとしてArを送達するように構成することができる。
【0034】
様々な実施形態によれば、薄膜堆積システム100は、プラズマの助けを借りずに熱ALD用に構成される。プラズマ増強原子層堆積(PE-ALD)などのプラズマ増強プロセスは、比較的低いアスペクト比を有する表面上にコンフォーマル膜を形成するのに有効であり得るが、そのようなプロセスは、比較的高いアスペクト比を有するビア及びキャビティ内に膜を堆積するのに有効ではない場合がある。理論によって限定されるものではないが、これに対する1つの可能な理由は、状況によってはプラズマが高アスペクト比ビアのより深い部分に到達しない可能性があることである。これらの状況では、ビアの異なる部分が異なる量のプラズマに曝露される可能性があり、より深い部分(カスピング又はキーホール形成と呼ばれることもある)と比較してより厚い膜がビアの開口部付近に堆積されるなど、不均一な堆積から生じる望ましくない構造効果をもたらす。これらの理由から、熱ALDなどの熱サイクル堆積は、そのような熱プロセスが堆積される表面の部分に到達するプラズマの能力に依存しないため、より有利であり得る。
【0035】
例示された前駆体送達システム100は、好適には、とりわけ、従来の薄膜堆積システムよりもはるかに高い所与の前駆体の、2つ以上のALDバルブの作動を重複させることによって、2つ以上のALDバルブを使用して複合流量をもたらす能力を与える。そうすることにより、ALDサイクルの持続時間を大幅に短縮することができ、ALDサイクル中のガスの流量を大幅に増大させることができ、或いはその両方が可能になる。例えば、前駆体への曝露の持続時間は、同じ前駆体を導入するために使用されるALDバルブの数に比例して短縮することができる。更に、2つ以上のALDバルブの作動を重複させることにより、曝露中の堆積チャンバ102内の圧力を、単一のALDバルブでは達成できないレベル、例えば>1Torrに有利に増大させることができる。
【0036】
これに加えて又は代えて、図示の前駆体送達システム100は、好適には、パルス間のデッドタイムを少なくして、同じサブサイクル内の所与の前駆体の反復パルス化を使用して所与の前駆体を送達するための能力を、2つ以上のALDバルブの急速交互作動によって与える。
【0037】
これに加えて又は代えて、図示の前駆体送達システム100は、好適には、2つ以上のALDバルブを交互に作動させることによって、ALDバルブの摩耗を比例的に低減することができ、それによってALDバルブの交換又は修理に必要とされ得る予防保守の頻度を低減する能力を与える。
【0038】
図2は、共通のガス分配プレートに並列に接続された2つ以上の原子層堆積(ALD)バルブを使用して前駆体を送達するように構成された実施形態に係る前駆体送達システムの概略図である。前駆体送達システム206は、実施形態によれば、図1に示す前駆体送達システム106と同様の態様で堆積チャンバ102に接続される。堆積チャンバ102は、8つの前駆体ALDバルブ140-1、140-2、144-1、144-2、220-1、220-2、220-3、220-4を介してて3つの前駆体を送達するとともに2つのパージガスALDバルブ144-1、144-2を介してパージガス、例えば不活性ガスを送達するように構成され、3つの前駆体及びパージガスのそれぞれは、2つ以上の前駆体及びパージガスALDバルブのそれぞれを介して送達される。特に、単なる例として、図示の前駆体システム206は、2つの前駆体ALDバルブを介してTiClを、2つの前駆体ALDバルブを介してSiClを、4つの前駆体ALDバルブを介してNHを送達するように構成することができる。また、前駆体システム206は、2つ以上のパージALDバルブを介して不活性ガス、例えばArを送達するように構成することもできる。特に、単なる例として、図示の前駆体送達システム206は、Ti、Si及びNのいずれか、例えばTiN、TiSi又はTiSiNを含む薄膜を形成するように構成される。例えば、システム206は、2つの第1の前駆体ALDバルブ140-1、140-2を介して第1の前駆体(前駆体1)、例えばTiClを、2つの第2の前駆体ALDバルブ144-1、144-2を介して第2の前駆体(前駆体2)、例えばSiClを、4つの第3の前駆体ALDバルブ220-1、220-2、220-3、220-4を介して第3の前駆体(前駆体3)、例えばNHを送達するように構成される。前駆体送達システム206は、2つのパージALDバルブ144-1、144-2を介して、パージガス、例えばN又はArを送達するように更に構成される。ALDバルブ及びそれに接続されたそれぞれの送達ラインは、堆積チャンバ102の蓋に取り付けられ得るマルチバルブブロックアセンブリ250を介して堆積チャンバ102にそれぞれの前駆体及びパージガスを供給するように構成することができる。
【0039】
図示された前駆体ALDバルブ140-1、140-2、144-1、144-2、220-1、220-2、220-3、220-4のそれぞれは、連続パージ(CP)ガス及び前駆体ガスをそれぞれの入口ポートに同時に受けてCPガス及び前駆体ガスを出口ポートから堆積チャンバ102内へ出力するように構成された3ポートバルブとして構成されることが分かる。例えば、CPパージガス、例えばAr又はNは、1つの入口(第1の)ポートを通って入り、出口(第2の)ポートを通って出る。前駆体ガスは、別の入口(第3の)ポートを通って入り、出口(第2の)ポートを通って出る。入口ポートは、比較的小さな化学的体積を送達する小さな正確なオリフィスである。この3ポート構成は、前駆体ガスをパルス化しながら、CPガスの安定した流れをプロセスステーションに送達することができる。CPガスは、それぞれの送達ラインを連続的にパージし、前駆体の堆積チャンバ内への移動を容易にし、堆積中の全体的なプロセス圧力を制御するのに役立つ。一方、図示のパージガスALDバルブ148-1、148-2のそれぞれは、入口ポート内に急速パージ(RP)ガスを受けてRPガスを堆積チャンバ102内に出力するように構成された2ポートバルブとして構成される。構成されているように、パージガスは、図示の前駆体ALDバルブ140-1、140-2、144-1、144-2、220-1、220-2、220-3、220-4のそれぞれを介して、連続パージ(CP)ガスとして、及び/又は図示のパージガスALDバルブ148-1、148-2のそれぞれを介して、急速パージ(RP)ガスとして送達することができる。本発明者らは、前駆体ALDバルブを通ってCPを流す能力が、とりわけ、送達ラインをパージするのに必要なより短いRPパルス持続時間を可能にし、それによって全体的な速度及びスループットを改善することができることを見出した。
【0040】
図3Aは、共通のガス分配プレートに並列に接続された2つ以上の原子層堆積(ALD)バルブを使用して前駆体を送達するように構成された実施形態に係る前駆体送達システムのためのマルチバルブブロックアセンブリの斜視図を示す。図2に概略的に示すマルチバルブブロックアセンブリ250に対応するマルチバルブブロックアセンブリ250は、図1に概略的に示すマルチバルブブロックアセンブリ150に同様に対応する。マルチバルブブロックアセンブリ250は、それぞれが第1のマルチバルブブロック304-1及び第2のマルチバルブブロック304-2の一方を備える2つの半体に分割される。第1及び第2のマルチバルブブロック304-1、304-2のそれぞれには、複数のALDバルブが接続される。図示の実施形態において、第1のマルチバルブブロック304-1は、それに接続された2つの第1の前駆体ALDバルブ140-1、140-2を介して第1の前駆体(前駆体1)、例えばTiClを送達し、それに接続された2つの第2の前駆体ALDバルブ144-1、144-2を介して第2の前駆体(前駆体2)、例えばSiClを送達するように構成される。第1のマルチバルブブロック304-1は、それに接続された第1のパージガスALDバルブ148-1を介して、パージガス、例えばN又はArを送達するように更に構成される。第2のマルチバルブブロック304-2は、それに接続された4つの前駆体ALDバルブ220-1、220-2、220-3、220-4を介して、第3の前駆体(駆動対3)、例えばNHを送達するように構成される。第2のマルチバルブブロック304-2は、それに接続された第2のパージガスALDバルブ148-2を介して、パージガス、例えばN又はArを送達するように更に構成される。このように構成されたマルチバルブブロックアセンブリ250は、実施形態によれば、3つの前駆体に関して同じ前駆体及びパージガスを送達するように構成された2つ以上の原子層堆積(ALD)バルブを備える。図示のマルチブロックアセンブリ250は、10個のALDバルブに結合されている。しかしながら、実施形態はそのように限定されず、ALDバルブの数は10より多くても少なくてもよい。
【0041】
更に図3Aを参照すると、マルチバルブブロックアセンブリ250は、堆積チャンバ102の蓋の上面の中央領域に底部で接続される(図1)。蓋の上面は、物理的に堆積チャンバ102の外側にある。構成されるように、マルチバルブブロックアセンブリ250は、堆積チャンバ102内の基板の中央領域の真上にALDバルブを配置するように構成される。前駆体及びパージガスALDバルブは、薄膜堆積チャンバ102の外側に配置されたマルチバルブブロックアセンブリ250に接続され、マルチブロックアセンブリ250は、前駆体及びパージガスを受けてそれぞれのALDバルブを介して薄膜堆積チャンバ100(図2)に導入するためのハブとして機能するように構成される。処理チャンバ内では、蓋にノズル108(図1)が取り付けられており、ノズルは、シャワーヘッドとも呼ばれるガス分配プレート112(図1)に接続され、前駆体をサセプタ116(図1)上の基板120(図1)上にわたって拡散させるように構成される。
【0042】
図3Bは、共通のガス分配プレートに並列に接続された複数のALDバルブを結合するように構成された、実施形態に係る図3Aに示されるマルチバルブブロックの1つの斜視図を示す。内部に導管又はチャネルが形成された中実ブロックであり得るマルチバルブブロックは、薄膜堆積チャンバ102(図1図2)の外側に配置され、前駆体のうちの第1の前駆体を受けて内部に画定された内部導管又はチャネルを通して前駆体及びパージガスを導くためのハブとして機能する。特に、図3Bは、図3Aに示される第1のマルチバルブブロック304-1の斜視図を示す。明確にするために、第1のマルチバルブブロック304-1は、ALDバルブが取り付けられていない状態で示される。代わりに、取り付け位置は、第1の前駆体(前駆体1)、例えばTiClを送達するように構成された2つの第1の前駆体ALDバルブ140-1、140-2、第2の前駆体(前駆体2)、例えばSiClを送達するように構成された2つの第2の前駆体ALDバルブ144-1、144-2、及び不活性ガスを送達するように構成された第1のパージガスALDバルブ148-1に関して点線の円で示される。2つの第1の前駆体ALDバルブ140-1、140-2及び2つの第2の前駆体ALDバルブ144-1、144-2の取り付け位置のそれぞれは、入口(IN)、出口(OUT)及び不活性ガス入口(INERT)を含む。前述のように3ポートALDバルブである前駆体ALDバルブとは異なり、前述のように2ポートALDバルブである第1のパージガスALDバルブ148-1における取り付け位置は、不活性ガス入口が省かれる状態で、入口(IN)及び出口(OUT)を含む。
【0043】
第1のマルチバルブブロック304-1は、前駆体及びパージガスを受けるための複数のガス入力ポート308,312,316,320を含む。図示の構成では、入力ポート308及び312は、図2及び図3Aに示す構成と同様に、第1の前駆体(前駆体1)、例えばTiCl、及び第2の前駆体(前駆体2)、例えばSiClを供給するように構成される。更に、入力ポート316,320は、例えばN又はArなどのパージガスを急速パージ(RP)ガス及び連続パージ(CP)ガスとしてそれぞれ送達するために供給するように構成される。図示されていないが、第2のマルチバルブブロック304-2は、第3の前駆体(前駆体3)が2つの前駆体入力ポート308及び312に供給されることを除いて、同様に構成されてもよい。当然ながら、入力ポートは図示の構成に限定されず、所望のガスごとのガスの数及び送達ライン/ALDバルブの数に応じて、追加の又はより少ない入力ポートがあってもよい。
【0044】
更に図3Bを参照すると、それぞれの前駆体ガス及びパージガスは、入力ポート308,312,316,320を通って入ると、それぞれのALDバルブに導入される前に、それぞれの導管を通って経路付けられる。前駆体のそれぞれは、それぞれの入口を通ってALDバルブ140-1、140-2、144-1、144-2のそれぞれに入る。CPガスは、パージガス入口(INERT)のそれぞれを通って前駆体ALDバルブ140-1、140-2、144-1、144-2のそれぞれに入る。前駆体及びCPガスのそれぞれは、それぞれの出口(OUT)を通って出て、出口導管328のうちのそれぞれの1つを通って移動した後、垂直方向に延びる中央導管324に導入され、その後、中央出口332を通って第1のマルチバルブブロック304-1を出て、例えばノズル108(図1)及びガス分配プレート112(図1)を通って堆積チャンバ102(図1及び図2)に入る。
【0045】
基板120の中央領域(図1)にわたって配置され得る中央導管324は、ガス分配プレート112(図1)によって分配される前に、例えばノズル108(図1)を介して堆積チャンバに導入される前に、前駆体及び複数のALDバルブからのパージガスを合流させるように構成される。したがって、図示の構成では、中央導管324は、前駆体及びパージガスが堆積チャンバ102に導入される前の最終導管である。本発明者らは、導管の中央に配置された位置及び配置を含むマルチバルブブロックアセンブリ250(図3A)の構成が、迅速な前駆体送達時間を含む様々な利点を実現するために重要であり得ることを見出した。例えば、本発明者らは、基板120の表面の垂直上方(図1)に配置されたALDバルブの垂直位置が、各前駆体で基板表面を実質的に飽和させるための1秒未満の曝露時間を達成する上で重要であり得ることを見出した。ここで、実質的な飽和とは、曝露時間を長くしても成長速度が実質的に増大しない状態を指す。例えば、様々な材料に関して、曝露時間を20%、50%、100%、又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲の値だけ増大させても、成長速度は1%、2%、5%、10%、又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲の値を超えて増大しない。
【0046】
特に、図3Bを更に参照すると、様々な設計パラメータの中で、本発明者らは、ALDバルブから中央出口332までの距離を規定する前駆体及びパージガスALDバルブの出口(OUT)の垂直位置、及びその組み合わせが中央導管324のコンダクタンスを規定する中央導管324の直径が、ALDバルブから基板までの前駆体の滞留時間を短縮するために重要であり得ることを見出した。前駆体の滞留時間を短縮するために、様々な実施形態によれば、中央導管324の下端部を規定する中央出口332に対する前駆体及びパージガスALDバルブの出口(OUT)の垂直位置は、その最大値が中央導管324の長さによって規定され、5インチ、4インチ、3インチ、2インチ、1インチ未満であるか、又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲内の値を有する。更に、中央導管324は、0.2インチ、0.30インチ、0.40インチ、0.50インチ、0.60インチより大きい直径、又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲内の値を有する。図示の例では、中央導管324の長さは約3.7インチであり、前駆体ALDバルブ140-1、140-2、144-1及び144-2のそれぞれの出口は、中央出口332の約2.0インチ以内に配置される。急速パージ(RP)を導入するための第1のパージALDバルブ148-1のOUTは、前駆体ALDバルブ140-1、140-2、144-1及び144-2の上方に配置されるため、第1のパージALDバルブ148-1のOUTは、中央出口332の約4インチ以内でより遠くに配置される。更に、中央導管324は、0.375インチの直径を有する。
【0047】
本発明者らは、ALDバルブの出口(OUT)から中央導管324までのコンダクタンスを規定する出口導管328の長さ、及び出口導管328の直径は、その組み合わせが出口導管328のコンダクタンスを規定し、ALDバルブから基板基板までの前駆体の滞留時間を短縮するために重要であり得ることを更に見出した。前駆体の滞留時間を短縮するために、様々な実施形態によれば、出口導管328は、2インチ、1.5インチ、1インチ、0.5インチ未満の長さ、又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲の値を有するように設計することができる。更に、出口導管328は、0.10インチ、0.20インチ、0.30インチ、0.40インチより大きい直径、又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲内の値を有する。図示の例では、出口導管328の長さ及び直径は、それぞれ0.86インチ及び0.216インチである。
【0048】
更に図3Bを参照すると、本発明者らは、入力ポート308、312、316、320と中央出口332との間の導管の全長における屈曲の数を低く保ち、導管を通るコンダクタンスを改善し、それによってコンダクタンス及び基板へのガス送達時間を改善することができることを更に見出した。様々な実施形態によれば、屈曲部の数は、3つ、2つ、又は1つを超えない。図示の例では、入力ポート308、312、316、320と中央出口332との間の導管の全長のそれぞれにおける屈曲部の数は、入力ポート308,312、316、320とALDバルブ140-1、140-2、144-1、144-2、148-1のそれぞれのINとの間の4つ、2つ又は3つの屈曲部、及びALDバルブのそれぞれのOUTと中央出口332との間の1つの屈曲部を超えない。
【0049】
更に、本発明者らは、基板へのガス滞留時間及び/又はガス送達時間を最小限に抑えるために、マルチバルブブロック250、中央導管324及び/又は中央出口332(図3B)の中心垂直軸を堆積チャンバの蓋及び/又は基板の中心位置にしっかりと位置合わせすることが有利であることを更に見出した。様々な実施形態によれば、マルチバルブブロック250の、中央導管324及び/又は中央出口332(図3B)の中央垂直軸と、堆積チャンバの蓋及び/又は基板の中央位置との間の横方向のオフセットは、2インチ、1インチ、0.5インチ、0.25インチを超えないか、又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲内の値を有する。
【0050】
このように構成された図3Bを更に参照すると、同じガス(前駆体ガス又はパージガス)を送達するように構成された複数のALDバルブを、入力ポート308、312、316、320の共通のものに上流側で共通に接続することができる。個々の入口導管に分割し、それぞれのALDバルブに供給した後、各ガスは、共通の中央導管324を通って堆積チャンバ102(図1図2)に送達される。このように構成され、第1のマルチバルブブロック304-1に接続された2つ以上の原子層堆積(ALD)バルブは、好適には、同じガスを堆積チャンバ内に同時に又は順次に供給するように構成される。
【0051】
図3Cは、実施形態に係る図3Bに示されるマルチバルブブロックに結合するように構成されたALDバルブのうちの1つの斜視図を示す。図示のALDバルブ350は、実施形態に係る図3A及び図3Bに関して前述した第1の前駆体ALDバルブ140-1、140-2、第2の前駆体ALDバルブ144-1、144-2、及びパージガスALDバルブ148-1のうちの1つに相当し得る。図示のALDバルブ350は、図3Bに示すようなマルチバルブブロックに結合された上部354と下部358とに分割される。上部354と下部358とは、上部354と下部358とを空気圧で結合する結合部362によって接続される。図示のALDバルブ350は、温度検知及び/又は制御のための熱電対ユニット366を更に含む。上部354は、他の様々な構成要素の中でも、ソレノイドパイロットバルブを含む空気圧アクチュエータアセンブリを含む。下部358は、他の様々な構成要素の中でも、バルブ本体、バルブダイアフラム、及びバルブ座を含むバルブ本体部分を含む。バルブダイアフラムの位置は、位置センサによって監視することができる。構成されているように、ALDバルブ350は、パイロット操作ダイアフラムソレノイドバルブとして構成することができる。本明細書に記載されるように、パイロット作動電磁バルブは、バルブポートにわたる媒体の差圧を使用してバルブを開閉する電磁バルブを指す。パイロット作動ダイアフラムソレノイドバルブは、バルブの作動を支援するためにダイアフラムの真上の小さなチャンバの使用を利用する。プロセス流体は、入口ポート内の小さなオリフィスを通ってチャンバに入ることができ、通常は閉じたバルブでは、ダイアフラムに対して圧縮され、閉鎖シールを維持するために力がシートに対して作用する。電流がパイロットソレノイドに印加されると、ダイアフラムはばね圧力に抗して上方に引っ張られ、チャンバ内のパイロット流体は入口ポート内のオリフィスを通って押し戻され、そこでバルブ本体を通る主流に再合流する。パイロット操作のダイアフラムソレノイドバルブは、高速(応答時間が30ミリ秒未満)で動作することができる。更に、パイロット作動型ダイアフラムソレノイドバルブは、比較的高い流量を供給することができ、直接作動型ソレノイドバルブと比較して、より低い消費電力で、より高い圧力及び温度範囲で動作することができる。
【0052】
図3Dは、実施形態に係る図3Cに示されるようなALDバルブの作動に関連する様々な信号を示す実験チャートの一例である。実験チャートは、例として、バルブコントローラからALDバルブに電子的に送信されるコマンド信号に対応する曲線370-1、ソレノイドパイロットバルブの電気プロファイルに対応する曲線370-2、ダイアフラム位置に対応する曲線370-3、及び電子位置センサ信号に対応する曲線370-4を示す。動作中、曲線370-1に示すようにコマンド信号がバルブコントローラによって与えられると、曲線370-2に示すようにパイロットバルブが作動される。ソレノイドパイロットバルブが完全に開放した後、曲線370-3に示すように、ダイアフラムはその位置を変更し、バルブは開く。図3Dに示すように、センサによって検証されるバルブの開放とパイロットバルブの開放との間の持続時間は、作動速度を規定する。バルブが完全に開放した後、位置センサはダイアフラムの位置を感知し、バルブがその開放を完了したと決定する。本明細書で規定されるように、ALDバルブの応答時間は、図3Dに示すように、コマンド信号がバルブコントローラからALDバルブに電子的に送信されてから、ダイアフラム位置センサによって検知されるように、ALDバルブが全開又は全閉になるまでにかかる時間に対応する。図示のALDバルブの場合、作動速度は5ms未満であり、応答時間は15ms未満である。
【0053】
前述したように、本明細書に開示される前駆体送達システムは、ALDサイクル時間を大幅に短縮することができるように、従来の薄膜堆積システムよりもはるかに高い2つ以上のALDバルブを通る前駆体の複合流量を可能にする。更に、本発明者らは、本明細書に開示される様々な他の改善によってALDサイクルの持続時間を短縮できることを見出した。
【0054】
本発明者らは、ALDバルブの出口(OUT)と基板との間の距離(バルブ-基板間距離)を縮小することにより、十分な実質的な表面飽和及び/又はALDサイクル時間に必要な時間を有利に且つ大いに更に短縮できることを見出した。したがって、実施形態によれば、実施形態に係るALDバルブは、各処理ステーションの蓋部分の真上に配置され、各処理ステーションは対応するサセプタ上にわたって配置される。ALDバルブは、例えば、基板の主面(図1)に対して、30インチ、25インチ、20インチ、15インチ、10インチ、5インチ、3インチ、又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲内の距離、又は50cm、40cm、30cm、20cm、10cm、5cm、又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲内の距離内に配置される。バルブ-基板間距離は、図3Bに関して前述したように、中央導管324の下端部(図3B)を画定する中央出口332(図3B)に対する前駆体ALDバルブの出口(OUT)の垂直距離と、中央出口332から基板表面までの垂直距離との合計とすることができる。
【0055】
本発明者らは、ALDバルブのアクチュエータとパイロットバルブのソレノイドとの間のチューブの配置が、ALDバルブ応答時間に更に影響を及ぼし得ることを見出した。特に、本発明者らは、チューブの長さを短くすると、バルブ応答時間が有利に短縮されることを見出した。本発明者らは、上部354(図3C)のALDバルブのアクチュエータアセンブリと下部358(図3C)のバルブ本体部分との間の直径が1/8インチ又は1/4インチとなり得るチューブの長さ、より詳細には、例えば、アクチュエータアセンブリのソレノイドと本体のダイアフラムとの間の距離の間の距離を減少させることによって、応答時間を更に短縮できることを見出した。実施形態によれば、この距離は、5インチ、4インチ、3インチ、2インチ、1インチ、0.5インチ未満であるか、これらの値のいずれかによって規定される範囲の値、又は10cm、8cm、6cm、4cm、2cm、1cm、又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲の値を有する。例えば、長さを36インチから3インチに短縮することにより、応答時間を10msも短縮できることが分かった。
【0056】
このように構成された実施形態に係るALDバルブは、ALDシステムの従来のバルブと比較して大幅に改善された作動速度及び応答時間で動作するように構成される。様々な実施形態によれば、ALDバルブの作動速度は、10ms、5ms、4ms、3ms、2ms、又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲内の値に低減することができ、応答時間は、30ms、25ms、20ms、15ms、10ms、5ms、又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲内の値に低減することができる。これらの値は、例えば50~90psigの作動圧力で達成することができる。
【0057】
また、本発明者らは、応答時間を向上させるために所与の圧力降下の流量を増大させるためにバルブ係数を最適化すべきであることを見出した。様々な実施形態によれば、ALDバルブは、0.20、0.30、0.40、0.50、0.60、0.70を超えるバルブ流量係数(Cv)、又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲内の値を有する。
【0058】
幾つかの状況下では、実施形態に係るALDバルブは、好適には、高温で動作するように構成される。例えば、前駆体、例えば気化した液体前駆体を高温で堆積チャンバに導入することが望ましい場合、対応するALDバルブ及び/又はマルチバルブブロックを、室温よりも高い温度に加熱すること、例えば、マルチバルブブロックへの導入点での前駆体温度に一致させることが有利であり得る。様々な実施形態によれば、ALDバルブは、80℃、100℃、150℃、200℃、250℃を超えるバルブ温度、又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲の温度で動作するように構成される。特に、図3Cに戻って参照すると、下部358は、バルブ本体部分を加熱するためのヒータを含むことができる。これらの実施形態では、結合部362は、加熱がアクチュエータアセンブリの動作に有害な影響、例えば作動速度の再現性の低下をもたらす可能性があるため、上部354への加熱効果を低減するための断熱ハウジング部分を含むことができる。
【0059】
様々な実施形態によれば、ALDバルブのそれぞれは、交換又は修理の前に、200万、500万、1000万、2000万、5000万、1億、又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲の値を超える開閉サイクルのために構成される。所与の前駆体に単一のALDバルブが使用される場合、そのようなサイクル数の後に予防的メンテナンスを実行することができる。好適には、所与の前駆体を導入するために2つ以上のバルブが交互に使用される場合、ウェハ処理ごとのALDバルブの寿命を比例的に増大させることができる。予防保守又はチャンバ開口部間の時間を長くすることにより、生産性を大幅に向上させ、生産コストを削減できることが理解され得る。
【0060】
図4は、様々な実施形態を実施することができる堆積チャンバの一例を示す。図4は、共通のガス分配プレートに並列に接続される2つ以上のALDバルブを使用して前駆体を送達するようにそれぞれが構成される実施形態に係る複数の処理ステーションを含む堆積チャンバの上端外部の斜視図を示す。各処理ステーションは、例えば、図1に関して前述したのと同様の態様で構成され、それぞれの蓋部分を備える。図1に戻って参照すると、MFCのうちのそれぞれのMFCの後、ガス送達ラインのそれぞれは、それぞれのマニホールド136において複数のラインに分岐する。分岐したラインのそれぞれは、処理ステーションのうちの1つにそれぞれのガスを供給することができる。図示のプロセスチャンバは、図1に関して前述したのと同様の態様で、それぞれがプロセス条件下で支持体、例えばサセプタ上の基板を処理するように構成された1つ以上の処理ステーションを備える。各処理ステーションは、処理温度及び処理圧力を含む固有の処理条件下で基板を処理するように構成される。図示の実施形態では、対応する蓋部分112-1、112-2、112-3、112-4を有する4つの処理ステーションが存在する。蓋部分112-1、112-2、112-3、112-4には、その中央位置に、マルチバルブブロック250-1、250-2、250-3、250-4のそれぞれが取り付けられている。マルチバルブブロック250-1、250-2、250-3、250-4のそれぞれは、図3A図3Dに関して前述したのと同様の態様で構成することができ、その詳細は簡潔にするためにここでは繰り返さない。更に、同じガスをマルチバルブブロック250-1、250-2、250-3、250-4に送達するためのガスラインは、図1に関して前述したマニホールド136と同様に、図示のように共通のマニホールド136から分岐する。したがって、図示の堆積チャンバは、実施形態によれば、それぞれの処理ステーションごとに、それぞれが前駆体及び/又はパージガスを供給するように構成された2つ以上の原子層堆積(ALD)バルブを使用して1つ以上の前駆体を導入するように構成される。図示されたプロセスチャンバはマルチステーションプロセスチャンバであるが、本明細書に開示された実施形態は、それに限定されず、任意の適切なシングルウェハプロセスチャンバ又はマルチウェハプロセスチャンバに実装することができることが理解され得る。
<同じ前駆体に関して2つ以上のバルブを使用する薄膜堆積方法>
【0061】
前述の薄膜堆積システムを使用して、薄膜を堆積させる様々な有利な方法を実施することができる。様々な実施形態によれば、薄膜を堆積する方法は、薄膜堆積チャンバ内の基板を複数の前駆体に交互に曝露することを含む。基板を曝露することは、前駆体のうちの1つを供給するようにそれぞれ構成された2つ以上の原子層堆積(ALD)バルブを介して薄膜堆積チャンバに前駆体のうちの1つを導入することを含む。
【0062】
図5Aは、幾つかの実施形態に係る、1サイクルにおける、2つ以上のALDバルブを使用する前駆体における曝露シーケンスを含む、薄膜を堆積させるためのALDサイクルの前駆体送達シーケンスの一例を示す。薄膜を堆積させる図示の方法は、薄膜堆積チャンバ内の基板を複数の前駆体(前駆体1、前駆体2)に交互に曝露することを含む。基板を交互に曝露することは、前駆体のうちの第1の前駆体を薄膜堆積チャンバ内に供給するための共通のガス分配プレートに並列に接続された2つ以上の第1の原子層堆積(ALD)バルブを独立して作動させることによって前駆体のうちの第1の前駆体(前駆体1)を薄膜堆積チャンバ内に導入することを含む。2つ以上の第1のALDバルブを独立して作動させることは、前駆体のうちの第1の前駆体を薄膜堆積チャンバに導入する間の少なくとも一部の時間にわたって2つ以上の第1のALDバルブを同時に開放することを含む。
【0063】
図示のALDサイクルは、前駆体のうちの第1の前駆体(前駆体1)に基板を曝露するための曝露サイクル500A及び500Cを含む第1のサブサイクルと、前駆体のうちの第2の前駆体(前駆体2)に基板を曝露するための曝露サイクル500C及び500Dを含む第2のサブサイクルとを含む。図示の例は、第1のサブサイクル中に、2つの第1の前駆体ALDバルブ140-1、140-2(図1)を使用して2つの第1の前駆体供給源120-1、120-2(図1)から前駆体1を導入することを示す。前駆体1用の2つ以上の前駆体ALDバルブを作動させるステップは、第1の前駆体ALDバルブ140-1及び140-2をそれぞれ通るガス流に相当する曝露サイクル500A及び500Bによって表わされる。曝露サイクル500A及び500Bは、2つの第1の前駆体ALDバルブ140-1及び140-2をそれぞれ使用して前駆体1を堆積チャンバに導入することによって基板を第1の前駆体(前駆体1)パルス504-1及び504-2にそれぞれ曝露することを含む。前駆体1パルス504-1及び504-2の後に、第1のパージガスALDバルブ148-1を使用して堆積チャンバ内にRPガスを導入することによって、基板を第1の急速パージ(RP)パルス508-1及び508-2に曝露する。図示のように、2つの第1の前駆体ALDバルブ140-1、140-2を作動させることは、前駆体1を薄膜堆積チャンバ内に導入する間の少なくとも一部の時間にわたって2つの第1の前駆体ALDバルブ140-1、140-2を少なくとも一時的に同時に開放することを含む。したがって、第1の前駆体パルス504-1及び504-2は、図示のように、時間の少なくとも一部と重複する又は実質的にもしくは完全に重複する。図示の例では、第1のRPパルス508-1及び508-2は、それらが同じ第1のパージガスALDバルブ148-1を使用して供給されるため、完全に重なり合う。しかしながら、異なるALDパージバルブが使用される場合、パージパルス508-1及び508-2は、図示のように、時間の一部と重複してもよく、又は実質的にもしくは完全に重複してもよい。
【0064】
これに加えて又は代えて、図示の例が示すように、第2のサブサイクル中に、前述したのと同様の態様で構成され得る2つの第2の前駆体ALDバルブ140-1、140-2を使用して前駆体2を2つの第2の前駆体供給源124-1、124-2(図1)から導入する。2つ以上のALDバルブを作動させることは、第2の前駆体ALDバルブ144-1及び144-2をそれぞれ通るガス流に相当する曝露サイクル500C及び500Dによって表わされる。曝露サイクル500C及び500Dは、第2の前駆体ALDバルブ144-1及び144-2をそれぞれ使用して前駆体2を堆積チャンバに導入することによって基板を第2の前駆体(前駆体2)パルス516-1及び516-2にそれぞれ曝露することを含む。前駆体2パルス516-1及び516-2の後に、第2のパージガスALDバルブ148-2を使用して堆積チャンバ内にRPガスを導入することによって基板を第2の急速パージ(RP)パルス520-1及び520-2に曝露する。図示のように、2つの第2の前駆体ALDバルブ144-1、144-2を作動させることは、前駆体2を薄膜堆積チャンバ内に導入する間の少なくとも一部の時間にわたって2つの第2の前駆体ALDバルブ144-1、144-2を少なくとも一時的に同時に開放することを含む。したがって、第2の前駆体パルス516-1及び516-2は、図示のように、時間の少なくとも一部と重複する又は実質的にもしくは完全に重複する。図示の例において、第2のRPパルス520-1及び520-2は、それらが同じ第2のパージガスALDバルブ148-2を使用して供給されるため、完全に重なり合う。しかしながら、異なるALDパージバルブが使用される場合、パージパルス520-1及び520-2は、図示のように、時間の一部と重複してもよく、又は実質的にもしくは完全に重複してもよい。
【0065】
前述のように、前駆体ALDバルブのそれぞれは3ポートバルブであり、幾つかの実施形態では、基板が第1の前駆体及び/又は第2の前駆体に曝露される間に、例えば不活性ガスなどの連続パージ(CP)ガスをALDバルブに流通させることができる。本発明者らは、ALDサイクル中にCPガスを流すことにより、RPパルスの曝露時間を有利に短縮することができ、それによってサイクル時間を更に改善することができることを見出した。図示の実施形態では、曝露サイクル500A~500Dは、第1及び第2の前駆体の一方又は両方への曝露中及び曝露後に不活性ガスを使用して基板をCP512-1、512-2、524-1、524-2のそれぞれに連続的に曝露することを更に含む。急速パージは、CPよりも大きい。
【0066】
好適には、前述のように、第1の前駆体(前駆体1)及び第2の前駆体(前駆体2)の一方又は両方は、2つ以上の前駆体ALDバルブ140-1、140-2、144-1、144-2のそれぞれを介して薄膜堆積チャンバに導入されてもよい。したがって、第1及び第2の前駆体の一方又は両方は、2つ以上の前駆体ALDバルブの複合流量で薄膜堆積チャンバに導入されてもよい。したがって、飽和レベルに達するための曝露時間は、第1及び第2の前駆体の一方又は両方について実質的に短縮され得る。例えば、幾つかの実施形態によれば、所与の前駆体に関して、1つの前駆体ALDバルブのみを使用して飽和レベルに達するまでの曝露時間に対して、曝露時間を、20%、40%、60%、80%、又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲の値を超えて短縮することができる。表面飽和レベルは、例えば、前述のように堆積速度に基づいて推測することができる。すなわち、所与の前駆体に対して1つのALDバルブのみを使用するALDプロセスと比較して、前駆体の曝露時間を20%、40%、60%、80%、又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲の値よりも短縮しながら、実質的に同じ厚さを達成することができる。
【0067】
様々な実施形態によれば、2つ以上の前駆体ALDバルブを使用することにより、第1の前駆体(前駆体1)及び第2の前駆体(前駆体2)の一方又は両方の曝露時間は、1.0秒、0.8秒、0.6秒、0.4秒、0.2秒、0.1秒、又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲の値未満に保つことができる。薄膜堆積システムは、比較的短い曝露時間にもかかわらず、基板の表面が飽和レベル、例えば40%、60%、80%を超える飽和レベル、又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲の値に実質的に達するように、2つ以上の前駆体ALDバルブを使用して複合流量で第1及び第2の前駆体の一方又は両方を導入するように構成される。急速パージが前駆体への曝露に続く実施形態では、第1の及び第2のサブサイクルの一方又は両方の持続時間は1.0秒、0.8秒。、0.6秒、0.4秒、0.2秒、0.1秒未満、又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲内の値であり得る。第1及び第2の前駆体の一方又は両方の曝露時間を短縮することにより、対応する第1及び第2のサブサイクルの一方又は両方の持続時間を短縮することができ、それによってALDサイクル時間全体を短縮することができる。実施形態によれば、ALDサイクル全体の持続時間は、2.0秒、1.5秒、1.0秒、0.5秒、又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲内の値未満である。
【0068】
図5Bは、単なる例として、図5Aに関して前述した方法に従った、TiCl及びNHを使用してTiNの周期的堆積又はALDを行なうための、前駆体を送達するための1つの特定の例示的な前駆体送達シーケンスを示す。図示の上側の曝露サイクルは、図5Aに関して前述した曝露サイクル500A及び500Bに対応することができ、第1の前駆体ALDバルブ140-1、140-2を通るTiCl曝露サイクルに相当し得る。同様に、図示の下側の曝露サイクルは、図5Aに関して前述した曝露サイクル500C及び500Dに対応することができ、第2の前駆体ALDバルブ144-1、144-2を通るNH曝露サイクルに相当し得る。図1又は図4に関して前述したものと同様のプロセスステーションを使用することができる。例えば、プロセスステーションは、2つの第1の前駆体ALDバルブ140-1、140-2(図2)を介してTiClを、4つの第2の前駆体ALDバルブ220-1、220-2、220-3、220-4(図2)を介してNHを送達するように構成されてもよい。また、前駆体ALDバルブ140-1、140-2、220-1、220-2、220-3、220-4(図2)のそれぞれは、連続パージ(CP)ガス、例えば不活性ガスを連続的に流すように構成される。また、プロセスステーションは、2つのパージガスALDバルブ148-1、148-2を介して、急速パージ(RP)ガス、例えば不活性ガスを送達するように構成されてもよい。例えば、プロセスステーションは、例えば第1の前駆体パルス504-1、504-2のうちの1つの後に(図5A)、パージガスALDバルブ148-1のうちの1つを介して第1のRPパルス508-1、508-2を送達し、例えば第2の前駆体パルス516-1、516-2のうちの1つの後に(図5A)、パージガスALDバルブ148-2のうちの別の1つを介して第2のRPパルス520-1、520-2を送達するように構成されてもよい。図示の表は、所与の処理ステーションの典型的なパラメータ及び異なるALDバルブの流れ条件を示す。この例では、それぞれのサブサイクル中に、2つの前駆体ALDバルブ140-1、140-2(図2)を通してTiClを同時に送達し、4つの前駆体ALDバルブ220-1、220-2、220-3、220-4(図2)を通してNHを同時に送達し、2つのパージガスALDバルブ148-1、148-2のうちの1つを通してNを送達することにより、TiCl及びNHに関して複合流量220sccm及び8000sccmをそれぞれ達成することができる。それぞれのパージガスALDバルブ148-1、148-2ごとの5000sccmの流量と組み合わせて、1.05秒の総ALDサイクル時間にわたって、0.5秒のTiCl曝露サブサイクル時間及び0.35秒のNH曝露サブサイクル時間を達成できる。
【0069】
好適には、2つ以上の前駆体ALDバルブを通して比較的大量の前駆体及びCPガスを流すことによって、堆積チャンバのポンピングパワーを低下させることなく比較的高いチャンバ圧力を達成することができる。本発明者らは、基板が比較的高い表面積を有する場合、例えば、高アスペクト比構造物の比較的高い面積密度から生じる場合、平坦なもしくはパターニングされていない基板、又は高アスペクト比構造物の比較的低い表面積もしくは低い面積密度を有する基板上に形成された薄膜の特性評価に基づいて開発されたALDプロセスレシピを使用して曝露面を薄膜でコーティングすると、曝露面の異なる部分で異なる特性を有する薄膜が得られ得ることを見出した。例えば、上記のような適合性又は段差被覆性は、その比較的高い面積密度を有する基板内の高アスペクト比構造において著しく悪くなり得る。曝露表面の異なる部分でも異なり得る他の特性としては、数例を挙げると、膜化学量論、表面粗さ、電気抵抗率及び膜密度が挙げられる。いかなる理論にも束縛されるものではないが、特性の均一性が低い1つの理由は、平面基板と比較して基板の曝露表面積が著しく増大することであり得る。曝露表面積の増大のために、曝露表面の異なる部分は、異なる量の前駆体が曝露表面の異なる部分に吸着され得るように、異なる大きさの前駆体のフラックスを受けることができる。単なる単純化された例として、300mmの半導体基板の上に数百のダイが形成され、各ダイが1×1010個以上程度のトランジスタを有し、各トランジスタが10~100nmの直径及び1から100のアスペクト比を有する1つ以上のビアを有する場合、薄膜の堆積中に前駆体に曝露される表面積は、対応するパターニングされていない基板の表面積を10、100、1000以上超えることができる。また、曝露面の異なる部分における局所的な成膜条件が異なっていてもよい。例えば、ディープトレンチ又はビアの内側の局所圧力は、ディープトレンチ又はビアの外側の領域と比較して異なる、例えばより低くてもよい。更に、真空条件下では、ガス分子がトレンチ又はビアの側壁とより多くの衝突を受けるため、ディープトレンチ又はビアの上部は、より高いフラックスに晒されることからより多くの量の前駆体分子を吸着する可能性がある。
【0070】
本明細書に記載の様々な実施形態によれば、とりわけ、より高い堆積圧力を利用することによって、本発明者らは、本明細書に記載の堆積方法が、幾つか例を挙げると、共形性、ステップカバレッジ、膜化学量論、表面粗さ、電気抵抗率及び膜密度を含む様々な物理的特性に関してより高い均一性で、曝露表面の異なる部分にTiSiN及び/又はTiAlNを含む薄膜を形成するのに特に有利であることを見出した。したがって、本明細書に開示される堆積方法に従って形成されたTiSiN及び/又はTiAlNを含む薄膜は、これらの物理的特性の1つ以上に関して局所的(例えば、トレンチ又はビア内)及び全体的(例えば、ウェハ内)レベルの両方でより高い均一性を有する。したがって、実施形態に係る堆積方法は、対応するパターニングされていない半導体基板の表面積に対する1つ以上の蒸着サイクルに曝された半導体基板の表面積の比が2、5、10、20、50、100、200、500、1000を超えるか、又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲内の比又はそれ以上を有するような表面トポグラフィを含む基板上にTiSiN及び/又はTiAlNを含む薄膜を形成するのに特に有利である。
【0071】
これに代えて又は加えて、実施形態に係る堆積方法は、1ミクロン、500nm、200nm、100nm、50nm、20nm未満の開口幅、又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲の値、5、10、20、50、100、200を超えるアスペクト比、又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲の値、及び表面積が上記の平面基板の表面積よりも大きくなるような面積密度を有する高アスペクト比構造を含む基板上に薄膜を形成するのに更に特に有利である。そのようなトポグラフィを有する基板は、50%、60%、70%、80%、90%、95%を超える、又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲以上の値を有する上記に規定された段差被覆率を有する実施形態に係るTiSiN及び/又はTiAlNを含む薄膜でコンフォーマルにコーティングされてもよい。前述のように、本発明者らは、高アスペクト比構造物の比較的高い面積密度を有する基板をコンフォーマルにコーティングするためのプロセス条件が、これらの結果を達成するために実施形態に従って最適化され得ることを見出した。本発明者らは、とりわけ、数例を挙げると、基板の曝露中の反応チャンバ圧力又は前駆体の分圧、堆積速度、反応チャンバに導入される前駆体の温度又は圧力、前駆体の流量及び曝露時間を制御することによってこれらの結果が達成され得ることを見出した。
【0072】
本発明者らは、実施形態によれば、2つ以上の前駆体ALDバルブの同時活性化を使用して達成される比較的高い全圧又は分圧が、高アスペクト比構造物の比較的高い面積密度を有する基板をコーティングするときに、適合性及び段差被覆性の改善をもたらし得ることを見出した。いかなる理論にも束縛されるものではないが、そのような改善は、とりわけ、高アスペクト比のビア又はトレンチ内の前駆体の局所的に低下した分圧の影響を低減することに関連し得る。実施形態によれば、所与のサブサイクル中に基板を曝露する間の個々の前駆体のいずれか(例えば、Ti前駆体、N前駆体及び/又はSi及び/又はAl)の全圧又は分圧は、1.0~3.0torr、3.0~5.0torr、5.0~7.0torr、7.0~9.0torr、9.0~11.0torr、11.0~13.0torr、13.0~15.0torr、又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲内の圧力であり得る。Ti前駆体、N前駆体及び/又はSi及び/又はAl前駆体への曝露のそれぞれにおいて、それぞれの前駆体は、反応チャンバ内のガス分子の総量の1~2%、2~5%、5~10%、10~20%、20~50%、50~100%、又はこれらの値のいずれかによって定義される範囲内のパーセンテージを占めることができる。本発明者らは、幾つかの状況下で、全圧又は分圧がこれらの値から外れている場合、とりわけ、ステップカバレッジが劣化し始める可能性があることを見出した。
【0073】
本発明者らは、部分的には、比較的高い全圧又は分圧で堆積のために比較的大量の前駆体を反応チャンバに送達しながら比較的高いスループットを可能にするために、反応チャンバへの前駆体の流量が、平面基板及び/又は低(例えば、<1)アスペクト比構造を有する基板上に薄膜を形成するためのプロセス条件で使用されるものよりも著しく高くなければならないことを見出した。次いで、反応チャンバに導入する前に前駆体の温度又は圧力の一方又は両方を増大させることによって、高流量を達成することができる。例えば、製造条件下で液体形態の前駆体の場合、前駆体ボトルは、蒸気発生速度を増大させるために、室温より高い温度、例えば30~60℃、60~80℃、80~100℃、100~120℃、120~150℃、又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲の温度に加熱されてもよい。これらの範囲の下側ボトル温度及び上側ボトル温度は、前駆体の蒸気圧及び前駆体の分解温度のそれぞれに部分的に基づいて決定されてもよい。例として、TiClは、約60~80℃に加熱されてもよい。一方、製造条件下でガス形態の前駆体の場合、ガスライン圧力を増大させて、比較的低い表面積又は平面基板及び/又は低(例えば、<1)アスペクト比構造を有する基板上に薄膜を形成する際に使用されるガスライン圧力に対してはるかに高い値まで送達圧力を増大させることによって、高流量を達成することができる。本明細書に記載の様々な利点を達成するための比較的高い流量は、とりわけ、反応器のポンピング速度、曝露時間、及び容積に依存し得ることが理解され得る。高表面積及び/又は高アスペクト比構造を有する基板上に薄膜を堆積させるのに適した流量を達成するために、前駆体の温度及び/又は圧力は、他のパラメータの中でも、Ti、N、Si及びAl前駆体のそれぞれの流量が、例えば、毎分100~1000標準立方センチメートル(sccm)、1000~2000sccm、2000~5000sccm、5000~10,000sccm、10,000~15,000sccm、15,000~20,000sccm、又はこれらの値のいずれか以上によって規定される範囲内の値であり得るように調整することができる。適切な流量は、とりわけ、反応器の容積に依存する可能性があり、これらの流量の幾つかは、約1~2リットルの容積を有する枚葉反応器に適し得ることが理解され得る。
【0074】
図5Aの図示されたALDサイクルでは、所与の前駆体又はパージガスを送達するために使用される2つ以上のALDバルブのそれぞれは、サブサイクルのそれぞれの同じサブサイクル中に作動される。このように、図示の曝露サイクル500A~500Dのそれぞれは、複数のサイクルを通してそれぞれのALDバルブの同じものを使用して各サイクルでそれぞれ繰り返される。したがって、図5Aに示す曝露サイクル500A~500Dの合計は、1つの完全なALDサイクルを表わし、同じサイクルを任意の回数繰り返すことができる。前述のように、そのような実施形態は、増大した流量、増大した圧力及び速いサイクル時間の利点を与える。しかしながら、実施形態はそのように限定されない。他の実施形態では、所与の前駆体曝露のための異なるサブサイクルは、例えば異なるサイクルで、2つ以上のALDバルブのうちの異なるバルブを使用して所与の前駆体を薄膜堆積チャンバに導入することによって実行されてもよい。例えば、2つ以上の前駆体ALDバルブのうちのひとつめの前駆体ALDバルブを使用して、第1のサイクルで前駆体のうちの1つを導入することができ、一方、2つ以上の前駆体ALDバルブのうちのふたつめの前駆体ALDバルブを使用して、第2のサイクルで前駆体の同じものを導入することができる。したがって、一例として、4つの前駆体ALDバルブがNHを送達するように構成されている図2に示す前駆体送達システムでは、NHを送達するために第1及び第2のALDバルブを使用して第1のサイクルを実行することができ、NHを送達するために第3及び第4のALDバルブを使用して第2のサイクルを実行することができる。好適には、前駆体を送達するためにALDバルブのうちの異なるALDバルブを交互に使用することによって、ALDバルブの摩耗率を低減することができ、それによってバルブ交換又は保守点検の間の時間を増大させ、ひいては堆積システムの停止時間を短縮する。そのような例示的な一実施形態が図6に示されている。
【0075】
図6は、幾つかの実施形態に係る、2つの以上のサイクルにわたる、共通のガス分配プレートに並列に接続される2つ以上のALDバルブを使用する前駆体における曝露シーケンスを含む、薄膜を堆積させるための前駆体送達シーケンスの一例を示す。薄膜を堆積させる図示の方法は、薄膜堆積チャンバ内の基板を複数の前駆体に交互に曝露することを含む。基板を交互に曝露することは、前駆体のうちの第1の前駆体を薄膜堆積チャンバ内に供給するための共通のガス分配プレートに並列に接続された2つ以上の第1の原子層堆積(ALD)バルブを独立して作動させることによって前駆体のうちの第1の前駆体(前駆体1)を薄膜堆積チャンバ内に導入することを含む。2つ以上の第1のALDバルブを独立して作動させることは、第1のサイクル中に2つ以上の第1のALDバルブのうちのひとつめのALDバルブを作動させることと、第1のサイクルに続く第2のサイクル中に2つ以上の第1のALDバルブのうちのふたつめのALDバルブを作動させることとを含む。以下では、図5Aに示された送達シーケンスの特徴と同様の図6に示された送達シーケンスの特徴は、簡潔にするために省略される。
【0076】
図示のALDサイクルは、曝露サイクル600A、600Cを含む第1のサイクルと、曝露サイクル600B、600Dを含む第2のサイクルとを含む。第1及び第2のサイクルのそれぞれは、前駆体のうちの第1の前駆体(前駆体1)に基板を曝露するための第1のサブサイクルと、前駆体のうちの第2の前駆体(前駆体2)に基板を曝露するための第2のサブサイクルとを含む。図示の例は、第1のサイクルの第1のサブサイクル中に、2つの第1の前駆体ALDバルブ140-1、140-2のうちの一方を使用して2つの第1の前駆体供給源120-1、120-2(図1)のうちの一方から前駆体1を導入すること、及び第2のサイクルの第1のサブサイクル中に、2つの第1の前駆体ALDバルブ140-1、140-2のうちの他方を使用して2つの第1の前駆体供給源120-1、120-2(図1)のうちの他方から前駆体1を導入することを示す。前駆体1用の2つ以上の前駆体ALDバルブを作動させることは、2つの別々のサイクルで、第1の前駆体ALDバルブ140-1及び140-2をそれぞれ通るガス流に相当する曝露サイクル600A及び600Cによって表わされる。曝露サイクル600A及び600Cは、2つの第1の前駆体ALDバルブ140-1及び140-2をそれぞれ使用して前駆体1を堆積チャンバ内に導入することによって、第1の前駆体(前駆体1)パルス604-1及び604-2に基板を曝露することを含む。前駆体1パルス604-1及び604-2の後に、第1のパージガスALDバルブ148-1を使用して堆積チャンバ内にRPガスを導入するために、基板を第1の急速パージ(RP)パルス608-1及び608-2に曝露する。図5Aに関して前述したシーケンスとは異なり、2つの第1の前駆体ALDバルブ140-1、140-2を作動させることは、2つの第1のALDバルブ140-1、140-2を同時に又は重複して開放することを含まない。代わりに、2つの第1のALDバルブ140-1、140-2の作動は、2つの別々のALDサイクルで行われる。同様に、第1のRPパルス608-1及び608-2は、2つの別々のALDサイクルで実行されるため、重複しない。
【0077】
これに加えて又は代えて、図示の例は、第1のサイクルの第2のサブサイクル中に、2つの第2の前駆体ALDバルブ144-1、143-2のうちの一方を使用して2つの第2の前駆体供給源124-1、124-2(図1)のうちの一方から前駆体2を導入することと、及び第2のサイクルの第2のサブサイクル中に、2つの第2の前駆体ALDバルブ144-1、144-2のうちの他方を使用して2つの第2の前駆体供給源124-1、124-2(図1)のうちの他方から前駆体2を導入することを示す。前駆体2用の2つ以上のALDバルブを作動させることは、2つの別々のサイクルで、第2の前駆体ALDバルブ144-1及び144-2をそれぞれ通るガス流に相当する曝露サイクル600B及び600Dによって表わされる。曝露サイクル600B及び600Dは、2つの第2の前駆体ALDバルブ144-1及び144-2をそれぞれ使用して前駆体2を堆積チャンバに導入することによって、基板を第1の前駆体(前駆体1)パルス604-1及び604-2にそれぞれ曝露することを含む。前駆体2パルス616-1及び616-2の後に、第2のALDパージバルブ148-2を使用して堆積チャンバ内にRPガスを導入することによって、基板をRPガスの第2の急速パージ(RP)パルス620-1及び620-2に曝露する。図5Aに関して前述したシーケンスとは異なり、2つの第2の前駆体ALDバルブ144-1、144-2を作動させることは、2つの第2のALDバルブ144-1、144-2を同時に又は重複して開放することを含まない。代わりに、2つの第2のALDバルブ144-1、144-2の作動は、2つの別々のALDサイクルで行なわれる。同様に、第2のRPパルス620-1及び620-2は、2つの別々のALDサイクルで実行されるため、重複しない。
【0078】
半導体製造環境では、スケジュールされた及びスケジュールされていないダウンタイム、並びに部品の保守又は交換による生産の中断は、コストがかかる可能性があることが理解され得る。単一の膜を堆積させるためのALDバルブは、数百回又は数千回の作動を超える可能性があるため、それらの摩耗及び故障に起因するスケジュールされた及びスケジュールされていないダウンタイムは、コストがかかる可能性がある。本発明者らは、異なるサイクルでの所与の前駆体(例えば、前駆体1、前駆体2)への曝露が上記のように2つ以上のALDバルブ140-1、140-2、144-1、144-2、148-1、148-2のうちの異なるものを使用して行なわれる図6に示されるようなシーケンスが、ALDバルブのメンテナンス又は交換のための時間間隔を有利に増大させることができることを見出した。そのような方法を使用することにより、堆積システムの修理又は予防保守の頻度を実質的に低減することができる。
【0079】
図5A及び図6に示すALDサイクルでは、2つ以上のALDバルブを使用して、ALDサイクルの所与のサブサイクルの連続パルスで所与の前駆体又はパージガスを送達する。しかしながら、実施形態はそのように限定されない。他の実施形態では、2つ以上のALDバルブを使用して、所与のサブサイクルの複数のパルスで所与の前駆体を送達することができる。これらの実施形態では、曝露シーケンスは、所与の前駆体への基板の曝露が、連続パージの存在下で実行され得る複数のバックツーバックパルス(異なる前駆体への介在曝露なし)で実行され得ることを除いて、図5Aに関して説明したものと同様であり得る。例えば、4つのALDバルブがNHを送達するように構成される図2に示すものと同様の前駆体送達システムを使用して、NHの第1のパルスを第1及び第2のALDバルブを使用して送達することができ、NHの第2のパルスを第3及び第4のALDバルブを使用して送達することができる。第1及び第2のパルスは、同じサブサイクル中に少なくとも1回交互にされてもよい。そのような例示的な一実施形態が図7に示されている。
【0080】
図7は、幾つかの実施形態に係る、1サイクルで前駆体の複数のパルスを送達するべく共通のガス分配プレートに並列に接続される2つ以上のALDバルブを使用する前駆体における曝露シーケンスを含む、薄膜を堆積させるためのALDサイクルの前駆体送達シーケンスの一例を示す。薄膜を堆積させる図示の方法は、薄膜堆積チャンバ内の基板を複数の前駆体に交互に曝露することを含む。基板を交互に曝露することは、前駆体のうちの第1の前駆体を薄膜堆積チャンバ内に供給するための共通のガス分配プレートに並列に接続された2つ以上の第1の原子層堆積(ALD)バルブを独立して作動させることによって前駆体のうちの第1の前駆体(前駆体1)を薄膜堆積チャンバ内に導入することを含む。2つ以上の第1のALDバルブを独立して作動させるステップは、サイクルの1つの同じサイクル中に2つ以上の第1のALDバルブの異なるバルブを交互に開放することによって複数のパルスで基板を曝露するステップを含む。以下では、図5Aに示された送達シーケンスの特徴と同様の図7に示された送達シーケンスの特徴は、簡潔にするために省略される。
【0081】
図示のALDサイクルは、図5Aに関して前述したのと同様の態様で、前駆体のうちの第1の前駆体(前駆体1)に基板を曝露するための曝露サイクル700A及び700Cを含む第1のサブサイクルと、前駆体のうちの第2の前駆体(前駆体2)に基板を曝露するための曝露サイクル700B及び700Dを含む第2のサブサイクルとを含む。しかしながら、図5Aに関して記載されたシーケンスとは異なり、図示された例は、第1のサブサイクル中に、複数のパルス704-1、704-2で、2つの第1の前駆体ALDバルブ140-1、140-2(図1)を使用して2つの第1の前駆体供給源120-1、120-2(図1)から前駆体1を導入することを示す。前駆体1用の2つ以上のALDバルブを作動させることは、第1の前駆体ALDバルブ140-1及び140-2をそれぞれ通るガス流に相当する曝露サイクル700A及び700Bによって表わされる。曝露サイクル700A及び700Bは、2つの第1の前駆体ALDバルブ140-1及び140-2をそれぞれ使用して堆積チャンバに前駆体1を導入することによって、複数の前駆体1パルス704-1及び複数の前駆体1パルス704-2のそれぞれで第1の前駆体(前駆体1)に基板を曝露することを含む。パルス704-1及びパルス704-2は、図示のように交互になってもよい。複数の前駆体1パルス704-1及び前駆体1パルス704-2の後に、図5Aに関して前述したシーケンスと同様の態様で、基板を第1の急速パージ(RP)パルス708-1及び708-2に曝露する。図示のように、2つの第1の前駆体ALDバルブ140-1、140-2を作動させることは、2つの第1の前駆体ALDバルブ140-1、140-2を交互に開放して、パルス704-1及び704-2を交互に送達することを含む。したがって、図示のように、前駆体1パルス704-1及び前駆体2パルス704-2は重ならない。
【0082】
これに加えて又は代えて、図示の例が示すように、第2のサブサイクルは、前述と同様の態様で構成され得る、2つの第2の前駆体ALDバルブ144-1、144-2を使用して2つの第2の前駆体供給源124-1、124-2(図1)から前駆体2を導入するための曝露サイクル700C及び700Dを含む。前駆体2用の2つ以上の前駆体ALDバルブを作動させることは、第2のALDバルブ144-1及び144-2をそれぞれ通るガス流に相当する曝露サイクル700C及び700Dによって表わされる。曝露サイクル700C及び700Dは、2つの第2の前駆体ALDバルブ144-1及び144-2をそれぞれ使用して堆積チャンバに前駆体2を導入することによって、複数の前駆体2パルス716-1及び複数の前駆体2パルス716-2のそれぞれで第2の前駆体(前駆体2)に基板を曝露することを含む。パルス716-1及びパルス716-2は交互になってもよい。前駆体2パルス716-1及び前駆体パルス716-2に続いて、図5Aに関して前述したシーケンスと同様の態様で、基板をRPガスの第2の急速パージ(RP)パルス720-1及び720-2に曝露する。図示のように、2つの第2の前駆体ALDバルブ144-1、144-2を作動させることは、2つの第1の前駆体ALDバルブ144-1、144-2を交互に開放して、パルス716-1及び716-2を交互に送達することを含む。したがって、図示のように、前駆体2パルス716-1及び前駆体2パルス716-2は重ならない。
【0083】
好適には、前駆体の異なるパルスを送達するためにALDバルブの異なるものを交互にすることによって、オーバーヘッド時間の量を低減することができ、例えば、あるバルブのコマンド信号を送信することによって、別のバルブでセンサ信号を受信する前に送信することができる。図示の実施形態では、前駆体1パルス704-1及び704-2は、互いに重なり合うことなく交互になり、また、前駆体2パルス716-1及び716-2は、互いに重なり合うことなく交互になる。しかしながら、幾つかの実施形態では、図3Dに関して前述したように、コマンド信号とALDバルブの実際の開閉との間の遅延を認識する際に、前駆体ALDバルブの1つを開くためのコマンド信号は、前駆体ALDバルブの前の1つの閉鎖を示す電子位置センサ信号を受信する前に送信されてもよい。
【0084】
実施形態によれば、前駆体1パルス704-1及び704-2は、図5Aに関して前述した前駆体1パルス504-1、504-2の曝露時間の一部である持続時間を有することができる。例えば、パルス持続時間は、図5Aに関して前述した曝露時間に対して、20%、40%、60%、80%、又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲の値とすることができる。同様に、前駆体2パルス716-1及び716-2は、図5Aに関して前述した前駆体1パルス516-1、516-2の曝露時間の一部である持続時間を有することができる。例えば、パルス持続時間は、図5Aに関して前述した曝露時間に対して、20%、40%、60%、80%、又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲の値とすることができる。いかなる理論にも束縛されるものではないが、そのような多重パルス導入は、前駆体分子と副産物分子との間の競合を減少させることによって表面飽和を改善することができる。同等の総曝露時間では、多重パルス曝露は、有効なより高い用量及び/又は改善された共形性をもたらし得る。
<用途>
【0085】
本明細書に開示される様々な実施形態による異なる曝露圧力を使用して形成されたTiN又はTiSiNを含む薄膜は、様々な用途、特に、基板が、本明細書に開示されるTiN又はTiSiN層の様々な有利な特性から利益を得ることができる比較的高いアスペクト比の構造及び/又は非金属表面を含む場合に使用することができる。例示的な用途は、1、2、5、10、20、50、100、200又はこれらの値のいずれかによって規定される範囲の値を超えるアスペクト比、例えば、深さを上部幅で割った比を有するビア、ホール、トレンチ、キャビティ又は同様の構造の堆積を含む。
【0086】
例として、図8は、高濃度にドープされ得る活性半導体基板領域上に形成された、例えばソース又はドレインコンタクトなどのコンタクト構造の拡散バリアとの関連における用途を概略的に示す。基板504を含む半導体デバイス500の一部が示されており、その上に誘電体層508、例えば、酸化物又は窒化物などの誘電体材料を含む層間又は金属間誘電体(ILD)層が形成される。様々なドープ領域、例えばソース領域及びドレイン領域を含む基板504の様々な領域へのコンタクトを形成するために、誘電体層508を貫通してビア又はトレンチが形成されてもよい。ビア又はトレンチは、様々な非金属表面、例えば、基板表面、例えばシリコン基板表面を含む曝露した底面、並びにビアの誘電体側壁を曝露させることができる。ビアの底面及び側面は、TiN又はTiSiN層でコンフォーマルにコーティングすることができる。その後、ラインビアは、コンタクトプラグ516を形成するために、金属、例えば、W、Al又はCuで充填されてもよい。例えば、ビアは、例えばWFを使用するCVDによってタングステンで充填されてもよい。
【0087】
実施形態に従って形成されたバリア層512は、様々な理由で有利であり得る。特に、ALDによって形成されたバリア層512のコンフォーマルな性質のために、後続の金属充填プロセス中のピンチオフの傾向は実質的に低減され得る。更に、前述したように、バリア層512は、それを横切る材料輸送、例えば基板504からのドーパント(B、P)の外方拡散、並びにコンタクトプラグ形成プロセスからの反応物、エッチャント及び金属(例えば、F、Cl、W又はCu)の内方拡散を効果的に妨げることができる。バリア効果は、表面粗さの減少及びステップ被覆率の増大によって高めることができる。更に、実施形態によって得られる層ごとの成長モードは、バリア層512の全体的な接触抵抗を低減することができる。更に、膜粗さが低減されるため、所望のバリア機能を依然として達成しながら、比較的薄いバリア層512を形成することができ、接触抵抗の更なる低減につながる。
【0088】
本明細書に開示される様々な実施形態に従って形成されたTiN又はTiSiN層の他の用途には、幾つか例を挙げると、凹状基板(例えば、埋め込み電極又は配線)に形成された導電性構造、電極(例えば、DRAMキャパシタ電極又はゲート電極)、より高い金属レベルのためのメタライゼーションバリア(例えば、Cuコンタクト/配線のビア/トレンチ内のバリア)、三次元メモリ及びスルーシリコンビア(TSV)のための高アスペクト比垂直ロッド電極又はビアが含まれる。
【0089】
本発明を特定の実施形態に関連して本明細書で説明してきたが、これらの実施形態は、本発明を限定するのに役立つものではなく、例示目的のために記載される。当業者に明らかなように、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく修正及び改良を行なうことができる。
【0090】
本明細書に開示された様々な実施形態のそのような単純な修正及び改良は、開示された技術の範囲内であり、開示された技術の特定の範囲は、添付の特許請求の範囲によって更に規定される。
【0091】
上記において、実施形態のいずれか1つの任意の特徴は、実施形態の他のいずれか1つの任意の他の特徴と組み合わせられ又は置き換えられ得ることが分かる。
【0092】
文脈が別段明確に要求しなければ、明細書本文及び特許請求の範囲の全体にわたって、「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」などの単語は、排他的又は網羅的な意味とは対照的に、包括的な意味で、つまり、「~含むがこれに限定されない」という意味で解釈されるべきである。本明細書中で一般的に使用される「結合(coupled)」という単語は、直接に接続されるか又は1つ以上の中間要素を介して接続されるかのいずれかであってもよい2つ以上の要素を指す。同様に、本明細書中で一般的に使用される「接続される(connected)」という単語は、直接に接続されるか又は1つ以上の中間要素を介して接続されるかのいずれかであってもよい2つ以上の要素を指す。更に、「本明細書中(herein)」、「上記(above)」、「以下(below)」という単語及び同様の意味の単語は、この出願で使用される場合、この出願の任意の特定の部分ではなくこの出願全体を指すものとする。文脈が許す場合、単数又は複数の数字を使用する上記の詳細な説明における単語は、複数又は単数をそれぞれ含む場合もある。2つ以上の項目のリストを参照する「又は(or)」という単語は、その単語の以下の全ての解釈、すなわち、リスト内の項目のいずれか、リスト内の全ての項目、及び、リスト内の項目の任意の組み合わせを網羅する。
【0093】
更に、とりわけ、「できる(can)」、「できた(could)」、「してもよい(might)」、「し得る(may)」、「例えば(e.g.)」、「例として(for example)」、「など(such as)」のような本明細書中で使用される条件付き用語は、特に別段述べられなければ、或いは、使用される文脈内で別な態様で理解されなければ、一般に、特定の実施形態が特定の特徴、要素又は状態を含むが、他の実施形態がそれらを含まないことを伝えようとするものである。したがって、そのような条件付き言語は、一般に、特徴、要素及び/又は状態が1つ以上の実施形態にとって多少なりとも必要とされること、或いはこれらの特徴、要素及び/又は状態が任意の特定の実施形態に含まれる又は任意の特定の実施形態で実行されるべきかどうかを示唆しようとするものではない。
【0094】
特定の実施形態について説明してきたが、これらの実施形態は、単に例として提示したものにすぎず、本開示の範囲を限定しようとするものではない。実際に、本明細書中に記載される新規の装置、方法及びシステムは、様々な他の形態で具現化されてもよく、更に、本開示の思想から逸脱することなく、本明細書中に記載される方法及びシステムの形態における様々な省略、置換、及び、変更を行うことができる。例えば、特徴は所与の構成で提示されるが、代替的な実施形態は、異なる構成要素及び/又はセンサトポロジで同様の機能を果たすことができ、幾つかの特徴が、削除、移動、追加、細分化、結合、及び/又は修正されてもよい。これらの特徴のそれぞれは、様々な異なる方法で実施されてもよい。前述した様々な実施形態の要素及び動作の任意の適切な組み合わせを結合させて、更なる実施形態を提供することができる。前述した様々な特徴及びプロセスは、互いに独立して実施されてもよく、又は様々な方法で組み合わされてもよい。本開示の特徴の全ての可能な組み合わせ及び部分組み合わせは、本開示の範囲内に入ることが意図されている。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
【国際調査報告】