(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】ブラシレスDCモータのためのステータを製造するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H02K 15/095 20060101AFI20240123BHJP
【FI】
H02K15/095
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545361
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(85)【翻訳文提出日】2023-09-25
(86)【国際出願番号】 EP2022050705
(87)【国際公開番号】W WO2022161788
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】102021101911.7
(32)【優先日】2021-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591018763
【氏名又は名称】ベバスト エスエー
【氏名又は名称原語表記】Webasto SE
【住所又は居所原語表記】Kraillinger Strasse 5,82131 Stockdorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【氏名又は名称】松浦 憲三
(72)【発明者】
【氏名】ラジェーシ ジェイラージ
(72)【発明者】
【氏名】レヴェンテ ゲルコ
(72)【発明者】
【氏名】スニルクマール ラーマリンゲシ
【テーマコード(参考)】
5H615
【Fターム(参考)】
5H615AA01
5H615BB01
5H615BB14
5H615PP01
5H615PP12
5H615QQ19
5H615SS11
(57)【要約】
本発明はブラシレスDCモータのためのステータ(1)を製造するための方法を説明し、ステータ(1)が複数のステータ・セグメント(11、12、13)、特には少なくとも三つのステータ・セグメント(11、12、13)を含み、複数のステータ・セグメント(11、12、13)が、各々、少なくとも一つの第1の巻回支援突出部(W1)及び少なくとも一つの追加の巻回支援突出部(W2)を備え、巻回支援突出部が基部フレーム要素(G)を介して接続され、巻回支援突出部(W1、W2)が基部フレーム要素(G)から突き出るように構成され、ポール・シュー(10)が巻回支援突出部(W1、W2)の遠位端(EW1、EW2)に取り付けられ得、この方法が、以下のステップ、a)第1の、特には星形状である構成(A1)でステータ・セグメント(11、12、13)を提供するステップであって、ステータ・セグメント(11、12、13)の巻回支援突出部(W1、W2)が外側に配置構成され、ステータ・セグメント(11、12、13)の基部フレーム要素(G)が第1の構成(A1)に対して内側に配置構成される、提供するステップと、b)巻回デバイスを使用してステータ・セグメント(11、12、13)の第1の巻回支援突出部(W1)に対して巻回を行うステップと、c)ステータ・セグメント(11、12、13)の巻回支援突出部(W1、W2)の境界を中心として巻回デバイスを回転させるステップと、d)巻回デバイスを使用してステータ・セグメント(11、12、13)の別の巻回支援突出部(W2)に対して巻回を行うステップと、e)外側に配置構成された個別の巻回支援突出部(W1、W2)の遠位端(EW1、EW2)にポール・シュー(10)を取り付けるステップと、f)第2の、特には環状構成(A2)でステータ・セグメント(11、12、13)を組み立てるステップであって、ステータ・セグメント(11、12、13)の巻回支援突出部(W1、W2)が内側に配置構成され、ステータ・セグメント(11、12、13)の基部フレーム要素(G)が第2の構成(A2)に対して外側に配置構成される、組み立てるステップと、を含む。更に、本発明は、請求項11によるブラシレスDCモータのためのステータを製造するための装置、更には、請求項12によるステータ、及び、請求項15によるブラシレスDCモータを説明する。本発明は、可能な限り迅速及び安価である、ブラシレスDCモータのためのステータを製造するための方法、更には、対応する装置であって、特にはステータのステータ巻線を製造するためにこの対応する装置を用いて高い電気的な占積率が達成され得る、対応する装置を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラシレス直流モータのためのステータ(1)を製造するための方法であって、前記ステータ(1)が複数のステータ・セグメント(11、12、13)、特には少なくとも三つのステータ・セグメント(11、12、13)を含み、前記複数のステータ・セグメント(11、12、13)が、各々、少なくとも一つの第1の巻回支援突出部(W1)及び少なくとも一つの追加の巻回支援突出部(W2)を備え、前記少なくとも一つの第1の巻回支援突出部(W1)及び前記少なくとも一つの追加の巻回支援突出部(W2)が基部フレーム要素(G)を介して接続され、前記巻回支援突出部(W1、W2)が前記基部フレーム要素(G)から突き出るように構成され、ポール・シュー(10)が前記巻回支援突出部(W1、W2)の遠位端(EW1、EW2)に取り付けられ得、前記方法が、以下のステップ、
a)第1の、特には星形状である構成(A1)で前記ステータ・セグメント(11、12、13)を提供するステップであって、前記ステータ・セグメント(11、12、13)の前記巻回支援突出部(W1、W2)が外側に配置構成され、前記ステータ・セグメント(11、12、13)の前記基部フレーム要素(G)が前記第1の構成(A1)に対して内側に配置構成される、提供するステップと、
b)巻回デバイス(2)を使用して前記ステータ・セグメント(11、12、13)の前記第1の巻回支援突出部(W1)に対して巻回を行うステップと、
c)前記ステータ・セグメント(11、12、13)の前記巻回支援突出部(W1、W2)の境界を中心として前記巻回デバイス(2)を回転させるステップと、
d)前記巻回デバイス(2)を使用して前記ステータ・セグメント(11、12、13)の別の前記巻回支援突出部(W2)に対して巻回を行うステップと、
e)外側に配置構成された個別の前記巻回支援突出部(W1、W2)の前記遠位端(EW1、EW2)に前記ポール・シュー(10)を取り付けるステップと、
f)第2の、特には環状構成(A2)で前記ステータ・セグメント(11、12、13)を組み立てるステップであって、前記ステータ・セグメント(11、12、13)の前記巻回支援突出部(W1、W2)が内側に配置構成され、前記ステータ・セグメント(11、12、13)の前記基部フレーム要素(G)が前記第2の構成(A2)に対して外側に配置構成される、組み立てるステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
ステップb)で、前記ステータ・セグメント(11、12、13)の前記第1の巻回支援突出部(W1)に対して巻回を行うステップが少なくとも実質的に同時に実施され、及び/又は、ステップd)で、前記ステータ・セグメント(11、12、13)の別の前記巻回支援突出部(W2)に対して巻回を行うステップが少なくとも実質的に同時に実施される、ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップe)で、個別の前記巻回支援突出部(W1、W2)の前記遠位端(EW1、EW2)に前記ポール・シュー(10)を取り付けるステップが少なくとも実質的に同時に実施される、ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が、以下のステップ、
ヨーク・リング(J)を予熱して前記ヨーク・リング(J)をステータ・セグメント(11、12、13)の複合の前記第2の構成(A2)の周りに設置するステップと、
ステータ・セグメント(11、12、13)の複合の前記第2の構成(A2)の周りでヨーク・リング(J)を成型するステップと、
のうちのいずれかのステップを更に含む、ことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ステータ(1)が三つのステータ・セグメント(11、12、13)を有し、各ステータ・セグメント(11、12、13)が二つの巻回支援突出部(W1、W2)を有し、ステップf)で、前記巻回支援突出部(W1、W2)が前記第2の構成(A2)で環状表面の外周上に配置構成され、前記巻回支援突出部(W1、W2)が、特には少なくとも実質的に60°の角度で、互いから距離をおいて、前記第2の構成(A2)の中心軸の方向に前記基部フレーム要素(G)から突き出る、ことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ステップa)からe)で、前記第1の構成(A1)の前記ステータ(1)の前記ステータ・セグメント(11、12、13)が星形表面の外周上に配置構成される、ことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の、特には請求項5に記載の、方法。
【請求項7】
ステップc)で、個別の巻回ヘッド(21、22、23)が特には少なくとも実質的に60°の角度で回転させられる、ことを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の、特には請求項5又は6に記載の、方法。
【請求項8】
ステップf)で、前記三つのステータ・セグメント(11、12、13)のうちの少なくとも二つのステータ・セグメントが少なくとも実質的に240°の角度で回転させられる、ことを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の、特には請求項5又は6に記載の、方法。
【請求項9】
フライヤー巻回工程に従って、ステップb)及びd)で、前記巻回支援突出部(W1、W2)に対して巻回が行われる、ことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記方法が、
特には切断用及び/又は挟扼用端子要素として構成された複数の端子要素(T)、好適には少なくとも6つの端子要素(T)を用いて前記ステータ・セグメント(11、12、13)の露出巻線端部を互いに接続するステップ
を更に含む、ことを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ブラシレスDCモータのためのステータ(1)を製造するための装置において、前記ステータ(1)が複数のステータ・セグメント(11、12、13)、特には少なくとも三つのステータ・セグメント(11、12、13)を含み、前記複数のステータ・セグメント(11、12、13)が、各々、少なくとも一つの第1の巻回支援突出部(W1)及び少なくとも一つの追加の巻回支援突出部(W2)を備え、前記少なくとも一つの第1の巻回支援突出部(W1)及び前記少なくとも一つの追加の巻回支援突出部(W2)が基部フレーム要素(G)を介して接続され、前記巻回支援突出部(W1、W2)が前記基部フレーム要素(G)から突き出るように構成され、ポール・シュー(10)が前記巻回支援突出部(W1、W2)の遠位端(EW1、EW2)に取り付けられ得る、装置であって、
前記装置が、複数の巻回ヘッド(21)を有する巻回デバイス(2)を備え、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法を実施するように適合され、
特には、前記巻回デバイス(20)の巻回ヘッド(21)の数がステータ・セグメント(11、12、13)の数に等しい、
ことを特徴とする、装置。
【請求項12】
ブラシレスDCモータのためのステータ(1)であって、
前記ステータ(1)が複数のステータ・セグメント(11、12、13)、特には少なくとも三つのステータ・セグメント(11、12、13)を含み、前記複数のステータ・セグメント(11、12、13)が、各々、少なくとも一つの第1の巻回支援突出部(W1)及び少なくとも一つの追加の巻回支援突出部(W2)を備え、前記巻回支援突出部(W1、W2)が基部フレーム要素(G)を介して接続され、
前記巻回支援突出部(W1、W2)が前記基部フレーム要素(G)から突き出るように形成され、ポール・シュー(10)が前記巻回支援突出部(W1、W2)の遠位端(EW1、EW2)に取り付けられ得る、
ステータ(1)。
【請求項13】
前記ステータ(1)が、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法により、及び/又は、請求項11に記載の装置内で、製造される、ことを特徴とする、請求項12に記載のステータ(1)。
【請求項14】
前記ステータ(1)の前記巻回支援突出部(W1、W2)の占積率が40%超に達し、特には45%超に達し、好適には50%超に達し、及び/又は、前記ステータ(1)の内径が38mm未満に達し、特には36mm未満に達し、好適には少なくとも実質的に34mmに達する、ことを特徴とする、請求項12又は13に記載のステータ(1)。
【請求項15】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法により、及び/又は、請求項11に記載の装置内で、製造された、請求項12乃至14のいずれか一項に記載のステータ(1)を備える、自動車内で使用するための、特には、サンルーフ及び/若しくはウィンドウ・レギュレータ並びに/又はブラインド・モータとして使用するための、ブラシレスDCモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1によるブラシレスDCモータのためのステータを製造するための方法、請求項11によるブラシレスDCモータのためのステータを製造するための装置、並びに、請求項12によるステータ、及び、請求項15によるブラシレスDCモータに関する。
【背景技術】
【0002】
ブラシレスDCモータは自動車分野で使用されることが増えている。例えば、ブラシレスDCモータは、電動サンルーフ、電動ウィンドウ・リフター、及び/又は電動ブラインドのための駆動装置として自動車内で使用される。
【0003】
内部永久磁石、及び、例えば一体型ステータ・ラミネーションから構成される、一体型ステータを備えるブラシレスDCモータでは、ステータの設計は、電気鋼から切断された積層シートで作られたステータの個別のポール(ポールが内部ロータの方向に突き出る)の間のスロット・チャンネル幅と、ステータの内径とによって画定される場合がある。特には、ステータの設計が、達成可能トルクなどのモータ特性に影響する。
【0004】
例えば自動車分野での梱包要件の結果として、モータの外形寸法が小さくなっている傾向があるという事実のために、ステータの内径を自由裁量で増大させることができない。加えて、スロット・チャンネル幅も拡大させることができず、その理由は、このことが、例えば動作中に発生する不快なコギング及び/又は騒音などのモータの好ましくない特性につながるからである。
【0005】
しかし、スロット・チャンネルは、巻回ヘッドを有する巻回デバイスに対してアクセスすることが困難であるため、可能な限り小さい内径及び狭いスロット・チャンネル幅に対する要件は、個別のステータ巻線の巻回又はステータ・ポールの巻回を製造時にそれぞれ著しく困難にする。
【0006】
従来、このことは、巻線パッケージの体積と巻線パッケージを受け入れるのに必要である体積との比の尺度である電気的な占積率(electrical fill factor)が実際には小さくなる傾向があることを意味する。例えば、電気的な占積率が一部の事例では27%程度もの低さになる可能性がある。
【0007】
しかし、低い占積率は、低い占積率にもかかわらずモータの動作中に高い達成可能トルクを更に達成するために、例えば、希土類磁石などの強力な磁界に作用する永久磁石がロータ内で使用される必要があることを意味する。
【0008】
しかし、ロータ内で強力な磁界に作用する永久磁石を使用することは、ブラシレスDCモータの製造コストの増加につながる。加えて、ステータ・スロット・チャンネルのアクセス性の阻害は、製造時間及び/又は製造労力を増加させる。
【0009】
国際特許出願WO2016/101983A1は、ステータ・ラミネーションから構築された複数のステータ・セグメントを備えるセグメント化されたステータを開示しており、各ステータ・セグメントが単一のステータ歯又はステータ・ポールを備える。個別のステータ・セグメントが最初に特には溶接により一体に接合され、次いで、巻線が、ステータ・セグメントから組み立てられたステータのステータ・ポールに加えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、可能な限り迅速及び安価である、ブラシレスDCモータのためのステータを製造するための方法、更には、対応する装置であって、特にはステータのステータ巻線を製造するためにこの対応する装置を用いて高い電気的な占積率が達成され得る、対応する装置を提供するという目的に基づく。更に、本発明の目的は、特には、対応するステータ及び対応するブラシレスDCモータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の根底にある目的は、請求項1によるブラシレスDCモータのためのステータを製造するための方法、請求項11によるブラシレスDCモータのためのステータを製造するための装置、更には、請求項12によるステータ、及び、請求項15によるブラシレスDCモータによって解決される。
【0012】
特には、本発明の目的は、ブラシレスDCモータのためのステータを製造するための方法によって解決され、ステータが複数のステータ・セグメント、特には少なくとも三つのステータ・セグメントを含み、複数のステータ・セグメントが、各々、少なくとも一つの第1の巻回支援突出部(winding support protrusion)及び少なくとも一つの別の巻回支援突出部を備え、少なくとも一つの第1の巻回支援突出部及び少なくとも一つの別の巻回支援突出部が基部フレーム要素を介して接続され、巻回支援突出部が基部フレーム要素から突き出るように構成され、ポール・シューが巻回支援突出部の遠位端に取り付け可能であり、この方法が、以下のステップ、
a)第1の、特には星形状である構成でステータ・セグメントを提供するステップであって、ステータ・セグメントの巻回支援突出部が外側に配置構成され、ステータ・セグメントの基部フレーム要素が第1の構成に対して内側に配置構成される、提供するステップと、
b)巻回ヘッド・デバイスを使用してステータ・セグメントの第1の巻回支援突出部に対して巻回を行うステップと、
c)ステータ・セグメントの巻回支援突出部の境界を中心として巻回ヘッド・デバイスを回転させるステップと、
d)巻回ヘッド・デバイスを使用してステータ・セグメントの別の巻回支援突出部に対して巻回を行うステップと、
e)外側に配置構成された個別の巻回支援突出部の遠位端にポール・シューを取り付けるステップと、
f)第2の、特には環状構成でステータ・セグメントを組み立てるステップであって、ステータ・セグメントの巻回支援突出部が内側に配置構成され、ステータ・セグメントの基部フレーム要素が第2の構成に対して外側に配置構成される、組み立てるステップと、
を含む。
【0013】
本発明の着想は、固体金属シート・カットアウトから形成されたステータ・ラミネーションから構築されたステータが例えば個別のステータ・セグメントに分割され、その結果、巻回支援突出部(ポール)に対して巻回を行うときにステータ・セグメントのアクセス性を改善することが達成され得る、という事実に基づく。特には、各ステータ・セグメントが少なくとも二つの巻回支援突出部(少なくとも二つのポール)を有する。
【0014】
本発明の別の着想は、ステータ・セグメントの第1の巻回支援突出部及びステータ・セグメントの別の巻回支援突出部(第2の巻回支援突出部)が、第2の構成とは異なる第1の構成で巻回を行われ、第2の構成では、特には巻回支援突出部が巻回を行われてポール・シューが取り付けられた後で、最終的にステータ・セグメントがステータを形成するように組み立てられる。
【0015】
第1の構成では、ステータ・セグメントは、個別の巻回支援突出部(及び、巻回支援突出部の間に位置するスロット・チャンネル)を外側に位置させ、したがって巻回デバイスにより外側からアクセス可能にするように、配置及び/又は方向付けされる。
【0016】
第2の構成では、ステータ・セグメントは、個別の巻回支援突出部(及び、巻回支援突出部の間に位置するスロット・チャンネル)を内側に位置させて第2の構成の中心軸の方へと径方向内側に延在させるように、配置及び/又は方向付けされる。
【0017】
第1の構成では、巻回デバイスにより巻回支援突出部のアクセス性を改善することが可能であり、その結果、一方で、達成可能な電気的な占積率が改善され得る。他方で、改善されたアクセス性により、巻回デバイスの複数の巻回ヘッドを用いて巻回支援突出部に対して同時に巻回を行うことが可能となり、その結果、個別の巻回支援突出部を製造するために、特には巻回を行うために、必要となる時間が短縮され得る。
【0018】
(電気的な)占積率は、例えば銅巻線から構成された巻線パッケージの体積と巻線パッケージを受け入れるために必要である体積との間の比の尺度として理解され得る。したがって、電気的な占積率は、非絶縁巻線断面(銅断面)の合計に対しての、ステータ・スロット・チャンネルを含めたステータの非鉄含有量の比率として理解され得る。
【0019】
境界又はポール・パーティションは、本明細書では、二つの隣り合う巻回支援突出部の間の距離として定義され、したがって境界は角度としても記述され得る。具体的には、境界は、巻回支援突出部の中心から隣の巻回支援突出部の中心まで(又は、ポールの中心から次のポールの中心まで)測定され得る。
【0020】
第2の(環状)構成では、基部フレーム要素が特には(環状)基部フレームを形成し、ステータ・セグメントの巻回支援突出部が基部フレームの内周で内側に突き出る。
【0021】
例えば、ステータ・セグメントは、少なくとも部分的に固体シート金属カットアウト、コア・シート金属、又は電気シート金属から形成されたステータ・ラミネーションで作られ得る。第1の構成及び第2の構成は物理的な装置ではなく、むしろ、個別のステータ・セグメントの互いに対しての配置及び/又は向きを意味するとして理解されることを意図される。この文脈での外部に配置構成される及び/又は内部に配置構成されるなどの用語は、対応する要素を構成全体に対して配置及び/又は方向付けする方法を意味する。
【0022】
一実施形態では、ステップb)で、ステータ・セグメントの第1の巻回支援突出部に対して巻回を行うことが少なくとも実質的に同時に実施され、及び/又は、ステップd)で、ステータ・セグメントの別の巻回支援突出部に対して巻回を行うことが少なくとも実質的に同時に実施される。
【0023】
このことによって、第1の巻回支援突出部及び別の巻回支援突出部に対して巻回を行うことが並行して実行されるため、ステータの製造工程のための時間が節約され得る。
【0024】
ステップe)で、個別の巻回支援突出部の遠位端にポール・シューを取り付けることが少なくとも実質的に同時に実施され、したがって、すべてのポール・シューが並行して取り付けられ得るため、ステータの所要の製造時間を更に短縮することが達成され得る、ことが好ましい。
【0025】
特には、本方法は、以下のステップ、
- ヨーク・リングを予熱してヨーク・リングを組み立てられたステータ・セグメントの周りに設置するステップと、
- 組み立てられたステータ・セグメントの周りでヨーク・リングを成型するステップと、
のうちのいずれかを更に含み、
ステータ・セグメントが第2の構成にある。
【0026】
組み立てられた又は成型されたヨーク・リングを、第2の構成で組み立てられたステータ・セグメントの周りに配設することにより、ステータの組み立てが完了され得、組み立てられたステータ・セグメントが第2の構成で堅固に固定され得る。
【0027】
一実施形態では、ステータが三つのステータ・セグメントを有し、各ステータ・セグメントが二つの巻回支援突出部を有し、ステップf)で、巻回支援突出部が第2の構成で環状表面上に配置構成され、巻回支援突出部が、特には少なくとも実質的に60°の角度で、互いから距離をおいて、第2の構成の中心軸の方向に基部フレーム要素から突き出る。結果として、ステータ・セグメントが、ステップf)の後で、個別のステータ・セグメントを組み立ててステータを形成するように、直接、配置及び方向付けされる。
【0028】
ステップa)からe)で、第1の構成のステータのステータ・セグメントが星形表面の外側周縁部の上に配置構成され、それにより巻回デバイスの巻回ヘッドのためのアクセス性が獲得される、ことが好ましい。
【0029】
特には、ステップc)で、個別の巻回ヘッドが特には少なくとも実質的に60°の角度で回転させられ、その結果として、巻回デバイスの巻回ヘッドがステータ・セグメントの別の巻回支援突出部にアクセスすることが可能な限り容易になる。
【0030】
ステップf)で、三つのステータ・セグメントのうちの少なくとも二つのステータ・セグメントが少なくとも実質的に240°の角度で回転させられ、特には、少なくとも二つの回転させられるステータ・セグメントのうちの一つのステータ・セグメントが、少なくとも二つの回転させられるステータ・セグメントのうちの他方のステータ・セグメントの回転に対して反対方向に回転させられる、ことが好ましい。これにより第1の構成から第2の構成への移行を特に迅速に且つ効率的に行うことが可能となる。
【0031】
巻回支援突出部に対して、ステップb)及びd)で、フライヤー巻回工程により巻回が行われ得、したがって、ステータ・セグメントの個別の巻回支援突出部に対して特に迅速に巻回が行われ得る。
【0032】
フライヤー巻回工程は、リールの上でワイヤを送るか又はいわゆるフライヤーである回転ディスク上に位置するノズルを通してワイヤを送ることにより巻線を製造する巻回工程として理解され得る。回転ディスクは、巻回されることになるそれぞれのコイルから一定の距離をおいて回転する。それにより、ワイヤが回転ディスクのシャフトを通して(継続的に)送られる。
【0033】
この方法は、
- 特には切断用及び/又は挟扼用端子要素(cutting and/or clamping terminal element)として構成された複数の端子要素、好適には少なくとも6つの端子要素を用いてステータ・セグメントの露出巻線端部を互いに接続するステップ
を更に含み、
それによりステータ・セグメントの露出巻線端部を特に迅速に接続することが達成されることが好ましい。
【0034】
更に、本目的は、ブラシレスDCモータのためのステータを製造するための装置によって解決され、ステータが複数のステータ・セグメント、特には少なくとも三つのステータ・セグメントを含み、複数のステータ・セグメントが、各々、少なくとも一つの第1の巻回支援突出部及び少なくとも一つの別の巻回支援突出部を備え、ステータ・セグメントの巻回支援突出部が基部フレーム要素を介して接続され、巻回支援突出部が基部フレーム要素から突き出るように形成され、ポール・シューが巻回支援突出部の遠位端に取り付けられ得、この装置が、複数の巻回ヘッドを有する巻回デバイスを有し、上記の方法を実施するように構成され、特には巻回デバイスの巻回ヘッドの数がステータ・セグメントの数に等しい。
【0035】
ブラシレスDCモータのためのステータを製造するための本発明による装置は、ブラシレスDCモータのためのステータを製造するための方法に関連して既に説明した利点を有する。
【0036】
上記の製造工程に関連して説明した特徴及び付随の利点は本発明による装置とも組み合わされ得、特には、装置の対応する構成として実装され得る。
【0037】
更に、本目的は、ブラシレスDCモータのためのステータによって解決され、ステータが複数のステータ・セグメント、特には少なくとも三つのステータ・セグメントを含み、複数のステータ・セグメントが、各々、少なくとも一つの第1の巻回支援突出部及び少なくとも一つの別の巻回支援突出部を備え、ステータ・セグメントの巻回支援突出部が基部フレーム要素を介して接続され、巻回支援突出部が基部フレーム要素から突き出るように形成され、ポール・シューが巻回支援突出部の遠位端に取り付けられ得る。ステータは、上記の種類の方法により、及び/又は、上記の種類の装置内で、製造されることが好ましい。
【0038】
特には、ステータが三つのステータ・セグメントを有することができ、ステータ・セグメントが、各々、二つの巻回支援突出部を備え、これによりステータ・セグメントの配置構成を単純にすることが可能となる。
【0039】
ステータの巻回支援突出部の占積率が40%超であり、特には45%超であり、好適には50%超であり、及び/又は、ステータの内径が38mm未満に達し、特には36mm未満に達し、より好適には少なくとも実質的に34mmに達する、ことが好ましい。
【0040】
更に、本タスクが、上記のステータを有する、自動車内で使用するための、特には、サンルーフ及び/若しくはウィンドウ・リフター並びに/又はシャッター・モータとして使用するための、ブラシレスDCモータによって解決され、ステータが、上記の種類の方法及び/又は上記の種類の装置内で製造される。
【0041】
本発明によるブラシレスDCモータは、ステータに関連して既に説明した利点を有する。
【0042】
上記のステータに関連して説明した特徴及び付随の利点は本発明によるブラシレスDCモータとも組み合わされ得、特には、DCモータの対応する構成として実装され得る。
【0043】
別の実施形態が従属請求項から明らかとなり得る。
【0044】
以下では、添付図面を参照して非限定の実施形態により本発明を更により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】本発明による方法の実施形態による、ステップa)の後の複数のステータ・セグメントを示す上面図である。
【
図2】実施形態による、ステップb)の後の複数のステータ・セグメントを示す上面図である。
【
図3】実施形態による、ステップc)の後の複数のステータ・セグメントを示す上面図である。
【
図4】実施形態による、ステップd)の後の複数のステータ・セグメントを示す上面図である。
【
図5】実施形態による、ステップe)の後の複数のステータ・セグメントを示す上面図である。
【
図6】実施形態による、ステップf)の後の複数のステータ・セグメントを示す上面図である。
【
図7】実施形態による、ステップb)の後の複数のステータ・セグメントを示す上面図である。
【
図8】取り付けられたポール・シューを備える、三つのまだ組み立てられていないステータ・セグメントを示す三次元図である。
【
図9】第1の構成にある三つのステータ・セグメントを示す三次元図である。
【
図10】ステータ・セグメントの第1の巻回支援突出部に対して巻回を行った後の三次元図である。
【
図11】ステータ・セグメントの第2の巻回支援突出部に対して巻回を行った後の三次元図である。
【
図12】ポール・シューを有するステータ・セグメントの第2の巻回支援突出部に対して巻回を行った後の三次元図である。
【
図13】ポール・シューがステータ・セグメントの巻回支援突出部の遠位端に取り付けられた後の三次元図である。
【
図14】第1の構成と第2の構成との間の中間ステップを示す三次元図である。
【
図15】第2の構成でステータを形成するように組み立てられた三つのステータ・セグメントを示す三次元図である。
【
図16a】巻線の接触/接続を示す概略図であり、この巻線を用いて巻回支援突出部に対して巻回が行われる。
【
図16b】巻線の接触/接続を示す概略図であり、この巻線を用いて巻回支援突出部に対して巻回が行われる。
【
図17a】巻回支援突出部の間のステータ・セグメントの基部フレーム部材の底部端部に配設されたワイヤ・ガイド及び端子要素を有するステータ・セグメントの底部端部を示す詳細図である。
【
図17b】ステータ・セグメントのそれぞれの端部(端部部分)にあるステータ・セグメントの基部フレーム部材の頂部端部に配置構成されたワイヤ・ガイド及び二つの端子部材を有するステータ・セグメントの頂部端部を示す詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1は、実施形態の上面図を示しており、製造工程のステップa)でのステータ1の三つのステータ・セグメント11、12、13が示されている。ステータ・セグメント11、12、13は、例えば、少なくとも部分的にステータ・ラミネーション(固体シート金属カットアウト、コア・シート金属、又は電気シート金属)で作られる。
【0047】
この実施形態では、三つのステータ・セグメント11、12、13がステップa)で第1の構成A1で配置構成され、ステータ・セグメント11、12、13が特には星形状に配置構成される。ステータ・セグメント11、12、13の巻回支援突出部W1、W2は第1の構成A1に対して外側に配置構成される。
【0048】
図1では、ステータ・セグメント11、12、13が第1の構成A1の(想像)中心軸Zを中心として回転対称に配置構成され、ステータ・セグメント11、12、13の間の角度が少なくとも実質的に120°である。
【0049】
各ステータ・セグメント11、12、13は、基部フレーム要素V、第1の巻回支援突出部W1、及び追加の巻回支援突出部W2を有し、巻回支援突出部W1、W2が基部フレーム要素Gによって接続される。
【0050】
更に、各ステータ・セグメント11、12、13は、第1の端部部分E1及び第2の端部部分E2に接続要素C1、C2を有し、接続要素C1、C2を用いて、ステータ・セグメント11、12、13は、例えば(相補的な)プラグイン要素及び/又は掛合要素により、互いに接続され得る。
【0051】
更に、端子要素Tは、巻回支援突出部W1、W2の間で端部部分E1、E2に設けられる。端子要素Tは、例えば、切断用及び/又は挟扼用端子要素として構成される。
【0052】
この実施形態では、端子要素Tは、ステータ・セグメント11、12、13の基部フレーム要素Gの上側領域内の端部部分E1、E2に配置構成され、端子要素Tは、ステータ・セグメント11、12、13の基部フレーム要素Gの下側領域で巻回支援突出部W1、W2の間に配置構成される。
【0053】
図1は巻回デバイス2の三つの巻回ヘッド21、22、23を更に示しており、三つの巻回ヘッド21、22、23は、ステータ・セグメント11、12、13の第1の巻回支援突出部Wに対して巻回を行うことを可能にするような位置及び/又は向きにある。
【0054】
図2は
図1の実施形態の上面図を示しており、ステータ・セグメント11、12、13は、継続して第1の構成A1で配置構成されている。
【0055】
図2では、製造方法のステップb)が完了している。この時点では、ステータ・セグメント11、12、13の巻回支援突出部W1に対して、三つの巻回ヘッド21、22、23により、巻線Coが既に巻回されている。
【0056】
更に、
図3は
図1又は2の実施形態の上面図を示しており、ステータ・セグメント11、12、13は第1の構成A1で配置構成されている。
図3は、ここでは、製造方法のステップc)が完了した後の状況にあるステータ・セグメント11、12、13及び巻回ヘッド21、22、23を示す。
【0057】
図1から3による実施形態では、製造方法のステップc)で、巻回ヘッド21、22、23は各々、それぞれの回転軸を中心として時計回りに少なくとも実質的に60°回転させられる。回転軸は(想像)中心軸Zに平行に延在する。
【0058】
図4は
図1から3による実施形態の上面図を示しており、ステータ・セグメント11、12、13は第1の構成A1で配置構成されている。
【0059】
図4は、ステップd)が完了した後の第1の構成A1のステータ・セグメント11、12、13を示している。この時点では、ステータ・セグメント11、12、13の第1の巻回支援突出部W1及び第2の巻回支援突出部W2に対して、三つの巻回ヘッド21、22、23により、巻線Coが巻回されている。
【0060】
図5に示される
図1から4による実施形態の上面図では、ポール・シュー10は、(製造工程のステップe)によって)巻回支援突出部W1、W2の遠位端EW1、EW2に配置構成される。
【0061】
図6は
図1から5による実施形態の上面図を示しており、ここではステータ・セグメント11、12、13は第1の構成A1で方向付けされていない。
【0062】
図6は、ここでは、ステータ・セグメント11が時計回りに少なくとも実質的に240°回転させられている、ステップf)の中間ステップを明らかにしており、回転軸が想像中心軸Zに平行に延在する。ステータ・セグメント11の端部部分E1は、そこに取り付けられた接続要素Cにより、ステータ・セグメント12の端部部分E2に機械的に接続される。
【0063】
ステータ・セグメント11の巻回支援突出部W1の巻線Coの端部は、ステータ・セグメント11の端部部分E1内にある及びステータ・セグメント12の端部部分E2内にあるそれぞれの端子要素T(切断用及び/又は挟扼用端子要素T)(それらは接続要素Cにより機械的に接続される)を介して、ステータ・セグメント12の巻回支援突出部W2の巻線Coの端部に電気的に接続される。
【0064】
図7では、
図1から6による実施形態の上面図が示されており、この時点では、ステータ・セグメント11、12、13は、(想像)中心軸Mを有する第2の構成A2で方向付けされている。
【0065】
図7のステータ・セグメント13が反時計回りに少なくとも実質的に240°回転させられており、回転軸が想像中心軸Zに平行に延在する。ステータ・セグメント13は、そこに取り付けられた接続要素Cにより、それらの端部部分E1、E2の両方においてステータ・セグメント11及び12に機械的に接続される。更に、
図7では、ステータ1に対してその周りにヨーク・リングJが成型される。
【0066】
図8は、三つのステータ・セグメント11、12、13の三次元図を示す。各ステータ・セグメント11、12、13は基部フレーム要素Gを有し、二つの巻回支援突出部W1、W2が各々の事例で基部フレーム要素Gから突き出る。ポール・シュー10が巻回支援突出部W1、W2の遠位端EW1、EW2に取り付けられる。ポール・シュー10は、例えば、ポール・シュー10上で摺動させることにより(下方から又は上方から)、取り付けられ得、したがって、巻回支援突出部W1、W2の遠位端は、ポール・シュー10の構造に対して相補的である構造を有することができる。これは、例えば、さね継ぎの原理に従って実施され得る。
【0067】
各ステータ・セグメント11、12、13は、それぞれステータ・セグメントの端部E1、E2にある基部フレーム要素Gの上側部分に端子要素Tを有する。更に、各ステータ・セグメント11、12、13は、巻回支援突出部W1、W2の間の基部フレーム要素Gの下側部分に端子要素Tを有する。
【0068】
図9は三つのステータ・セグメント11、12、13の三次元図を示しており、ステータ・セグメント11、12、13が第1の(星形状の)構成で配置構成されている。ポール・シュー10は巻回支援突出部W1、W2の遠位端EW1、EW2に取り付けられていない。更に、
図9の巻回支援突出部W1、W2はまだ巻回が行われていない。
【0069】
三つのステータ・セグメント11、12、13の第1の(星形状の)構成A1は、ステータ・セグメント11、12、13の基部フレーム要素Gが互いの方を向くように配置構成されており、巻回支援突出部W1、W2が外側に突き出る、ことを特徴とする。ステータ・セグメント11、12、13の端部部分E1、E2は星形状の角部を形成する。三つのステータ・セグメント11、12、13により第1の構成A1が形成されるとき、星形状が三つの角部を有する。
【0070】
図10は、
図9からの三つのステータ・セグメント11、12、13の三次元図を示しており、第1の巻回支援突出部W1に対して巻回が行われている。この状態では、第2の巻回支援突出部W2に対してまだ巻回が行われていない。
【0071】
図11は、
図9及び10からの三つのステータ・セグメント11、12、13の三次元図を示す。ステータ・セグメント11、12、13が依然として第1の構成A1で配置構成されているが、この時点では、第2の巻回支援突出部W2にも巻回が行われている。
【0072】
更に、巻線ワイヤWоの端部が端子要素Tの中に挿入され、及び/又は端子要素T内で固定され、示されるように端子要素Tは切断用及び/又は挟扼用端子要素である。
【0073】
図12は、ポール・シュー10が巻回支援突出部W1、W2の遠位端EW1、EW2のうちの一方の上に取り付けられる及び/又はその上まで摺動させられる前の、ポール・シュー10と共に第1の構成A1にある
図9から11の三つのステータ・セグメント11、12、13の三次元図を示す。
【0074】
図13では、
図9から12からの三つのステータ・セグメント11、12、13が三次元図で示されており、ステータ・セグメント11、12、13が依然として第1の構成A1で配置されている。更に、ステータ・セグメント11、12、13は、この時点において巻回支援突出部W1、W2の遠位端EW1、EW2に対してすべてのポール・シュー10が取り付けられているような状態にある。
【0075】
図14は
図13のステータ・セグメント11、12、13の三次元図を示しており、ステータ・セグメント11は長手方向軸を中心として時計回りに少なくとも240°回転させられており、長手方向軸又は回転軸は想像中心軸Zに平行に延在する。ステータ・セグメント11の遠位端E1は、そこに取り付けられた接続要素Cにより、ステータ・セグメント12の端部部分E2に機械的に接続される。
【0076】
図15は、第2の構成A2にある、
図13からのステータ・セグメント11、12、13の三次元図を示す。ステータ・セグメント13は長手方向軸を中心として反時計回りに少なくとも実質的に240°回転させられており、長手方向軸又は回転軸が想像中心軸Mに平行に延在する。
【0077】
図16aは、個別の巻線の接触/接続の概略図を示しており、個別の巻線を用いて巻回支援突出部に対して巻回が行われており、個別のステータ・セグメント11、12、13が分離されて示されている(一体に接合されてない)。三つのステータ・セグメント11、12、13は合計6つの端子要素Tを装備し、巻線Coの巻線端部1、2、3、4、5、及び6が、連続して番号を付され、巻回支援突出部の上に設置されている。2、4、及び6を付された巻線端部は、端子要素Tを介して、ステータ・セグメント11、12、13を組み立てることにより、電気的に接続されており、これがこれらの巻線端部が等しい符号を有する理由である。
【0078】
図16bは、ステータ・セグメント11、12、13を有する、
図16aに示されるステータ1の例示的な回路の概略図を示す。
図16bでは、三つのフェーズが示されており、各々のフェーズにおいて、いずれの巻線端部1、2、3、4、5、及び6を入力(In)として接続すべきか及びいずれを出力(Out)として接続すべきかが示される。
図16bでは、三つのフェーズが、三つの端子:ラインA、ラインB、及びラインC、を介して、接続される。端子ラインAは巻線端部1に接続される。端子ラインBは巻線端部3に接続され、端子ラインCは巻線端部5に接続される。
【0079】
図17aは、ステータ・セグメント11の下側部分の詳細図を示す。
図17aでは、端子要素Tは、巻回支援突出部W1、W2の間の基部フレーム要素Gの下側部分に示される。巻線は、基部フレーム要素G上の巻回支援突出部W1、W2から端子要素Tの方に延在し、二つの巻線端部が端子要素T内で挟扼され、電気的に接続される。
【0080】
図17bは、ステータ・セグメント11の上側部分の詳細図を示す。
図17bでは、二つの端子要素Tが、基部フレーム要素Gの下側部分で、それぞれステータ・セグメントの端部部分E1、E2に示される。巻線は、基部フレームG上の巻回支援突出部W1、W2から端子要素Tの方に延在する。それぞれの巻線端部が端子要素T内で挟扼され、挟扼及び/又は切断により他の巻線端部及び/又は外部ケーブル/ラインに接続され得る。
【0081】
ここで、個別に又は任意の組み合わせで上で説明したすべての部品が、本発明にとって、特には図面に示される細部にとって、重要であることに留意されたい。当業者であれば本発明の変更に精通している。
【符号の説明】
【0082】
A1 第1の構成
A2 第2の構成
C 接続要素
Co 巻線
E1 ステータ・セグメントの第1の端部部分
E2 ステータ・セグメントの第2の端部部分
EW1、EW2 巻回支援突出部の遠位端
G ステータ・セグメントの基部フレーム要素
J ヨーク・リング
M 第2の構成の中心軸
V 基部フレーム要素
T 端子要素(切断用及び/又は挟扼用端子要素)
W1 第1の巻回支援突出部
W2 別の巻回支援突出部
Z 中心軸
1 ステータ
10 ポール・シュー
11、12、13 ステータ・セグメント
2 巻回デバイス
21、22、23 巻回ヘッド
【国際調査報告】