(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】筆跡消去方法、装置、インタラクティブタブレット、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04845 20220101AFI20240123BHJP
G06F 3/04883 20220101ALI20240123BHJP
G06T 11/80 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
G06F3/04845
G06F3/04883
G06T11/80 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545828
(86)(22)【出願日】2021-10-09
(85)【翻訳文提出日】2023-07-27
(86)【国際出願番号】 CN2021122843
(87)【国際公開番号】W WO2022242013
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】202110554083.9
(32)【優先日】2021-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515034703
【氏名又は名称】広州視源電子科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGZHOU SHIYUAN ELECTRONICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.6,4th Yunpu Road,Huangpu District,Guangzhou,Guangdong P.R.CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】518298061
【氏名又は名称】▲広▼州▲視▼▲叡▼▲電▼子科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGZHOU SHIRUI ELECTRONICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.192,Kezhu Road,Science Park Guangzhou,Guang Dong,China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】林 ▲徳▼熙
【テーマコード(参考)】
5B050
5E555
【Fターム(参考)】
5B050AA10
5B050BA06
5B050BA18
5B050CA07
5B050EA05
5B050EA09
5B050EA12
5B050EA13
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5B050FA09
5B050FA13
5E555AA04
5E555BA05
5E555BB05
5E555BC18
5E555CA13
5E555CB10
5E555CB11
5E555CB12
5E555CB45
5E555CC17
5E555DB53
5E555DB56
5E555DC11
5E555FA00
(57)【要約】
本願は、筆跡消去方法、装置、インタラクティブタブレット、及び記憶媒体を開示する。インタラクティブタブレットにおけるタッチフレームのタッチ応答精度が所定の精度範囲内に収まる。前記方法は、消去対象筆跡を含む表示インターフェースをディスプレイに表示するステップと、ユーザによるトリガーによって生成される筆跡消去命令を受信して、筆跡消去モードに入るステップと、ユーザによって操作制御されるタッチオブジェクトがディスプレイの表面に触れて移動する場合、タッチフレームによってフィードバックされたタッチポイント情報を取得するステップと、取得したタッチポイント情報及び消去対象筆跡を分析して、タッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態でインターフェース中の消去対象筆跡を消去するステップと、を含む。該方法によれば、インターフェース中の消去対象筆跡に対する消去応答がユーザにより使用されるタッチオブジェクトに対する消去用幾何学的形態により合わせることを確保し、消去過程における消去領域の柔軟な調整を可能とし、インタラクティブタブレットからの消去効率を向上させることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インタラクティブタブレットに適用され、前記インタラクティブタブレットにおけるタッチフレームのタッチ応答精度が所定の精度範囲内に収まる筆跡消去方法であって、
消去対象筆跡を含む表示インターフェースを、ディスプレイに表示するステップと、
ユーザによるトリガーによって生成される筆跡消去命令を受信して、筆跡消去モードに入るステップと、
ユーザによって操作制御されるタッチオブジェクトが前記ディスプレイの表面に触れて移動する場合、前記タッチフレームによってフィードバックされたタッチポイント情報を取得するステップと、
取得したタッチポイント情報及び前記消去対象筆跡を分析して、前記タッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態で前記インターフェース中の消去対象筆跡を消去するステップと、を含み、
前記タッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態は、前記タッチオブジェクトがディスプレイ上に作用するタッチ面積で表現され、
前記消去用幾何学的形態は、角丸長方形、円形及び任意の不規則な形状を含む、筆跡消去方法。
【請求項2】
前記タッチフレームによってフィードバックされたタッチポイント情報を取得するステップは、
前記タッチフレームのハードウェア回路によって、前記タッチオブジェクトが前記ディスプレイ上を移動して生成される各タッチ信号を識別するステップと、
前記タッチフレームがヒューマンコンピュータインタラクションのHID標準プロトコルに従って前記タッチ信号ごとにフィードバックしたタッチポイント情報を取得するステップと、を含み、
1つのタッチポイント情報は1つのタッチポイントに対応しており、前記タッチポイント情報は、タッチポイント座標、タッチポイントの高さと幅、及びタッチ回転角度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記タッチフレームによってフィードバックされたタッチポイント情報を取得した後に、
各前記タッチポイント情報が統一した単位フォーマット及びデータ構造を有するように各前記タッチポイント情報を処理するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
各前記タッチポイント情報を処理するステップは、
取得したタッチフレームのサイズ情報及び画面解像度情報に基づいて、前記タッチポイント情報中の各データ情報の単位を統一した所定の単位フォーマットに変換するステップと、
前記所定の単位フォーマットに対応するデータ構造で、前記タッチポイント情報を記録するステップと、を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
取得したタッチポイント情報及び前記消去対象筆跡を分析して、前記タッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態で前記インターフェース中の消去対象筆跡を消去するステップは、
取得したタッチポイント情報に基づいて、移動中のタッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態を決定し、前記消去用幾何学的形態で移動中の隣接タッチポイントペアにより形成される移動輪郭幾何学的図形を決定ステップと、
前記消去対象筆跡に含まれる各筆跡点を分析して、各前記筆跡点と前記移動輪郭幾何学的図形とについてヒットテストを行い、前記移動輪郭幾何学的図形内に入る目標消去対象筆跡を決定するステップと、
前記表示インターフェースにおいて前記目標消去対象筆跡を消去するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記取得したタッチポイント情報に基づいて、移動中のタッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態を決定し、前記消去用幾何学的形態で移動中の隣接タッチポイントペアにより形成される移動輪郭幾何学的図形を決定するステップは、
前記タッチオブジェクトが移動中に最初に前記ディスプレイに接触するときに生成されるタッチポイントのタッチポイント情報である重要タッチポイント情報を抽出し、前記重要タッチポイント情報中の重要タッチ面積を取得するステップと、
前記重要タッチ面積が属する面積閾値範囲及び面積形態を決定して、属する面積閾値範囲に対応する各幾何学的形態の中から前記面積形態にマッチングする目標形態を検索し、前記目標形態を前記タッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態として決定するステップと、
移動中の前記タッチオブジェクトの隣接タッチポイントペアごとに、前記隣接タッチポイントペアに関するタッチポイント情報を分析して、前記消去用幾何学的形態に対する隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントの重要幾何学的情報を決定するステップと、
各前記重要幾何学的情報に基づいて、前記消去用幾何学的形態に対して前記隣接タッチポイントペアにより構成される移動輪郭幾何学的図形を決定するステップと、を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記消去用幾何学的形態が角丸長方形である場合、前記角丸長方形は、1つの長方形と、長方形の各頂点を円心とした面取りと、を含み、
前記隣接タッチポイントペアに関するタッチポイント情報を分析して、前記消去用幾何学的形態に対する隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントの重要幾何学的情報を決定するステップは、
前記角丸長方形を前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントによる第1構築対象幾何学的図形とするステップと、
前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントについて、関するタッチポイント情報中のタッチポイント座標、タッチ幅、タッチ高さ及びタッチ回転角度を所定の面取り半径と組み合わせて、前記第1構築対象幾何学的図形における長方形の中心点座標、各面取りの円心座標と各重要接点の座標、及び2つの図形の接続点の座標を決定するステップと、
前記長方形の中心点座標、各面取りの円心座標と各重要接点座標、及び2つの図形の接続点の座標を、前記第1構築対象幾何学的図形に対する前記タッチポイントの重要幾何学的情報とするステップと、を含み、
前記第1構築対象幾何学的図形の各面取りは2つの重要接点を含み、各重要接点は、前記面取りとこれに隣接する面取りとが接線で接続されるときに対応する接点である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
各前記重要幾何学的情報に基づいて、前記消去用幾何学的形態で前記隣接タッチポイントペアにより形成される移動輪郭幾何学的図形を決定するステップは、
前記隣接タッチポイントペアの重要幾何学的情報に基づいて、対応する角丸長方形の面取り円心座標を抽出し、外接輪郭を構築するのに必要な重要円心点を選択するステップと、
各前記重要円心点に基づいてそれぞれ決定された重要円形領域を取得するステップと、
前記隣接タッチポイントペアの重要幾何学的情報に基づいて、対応する角丸長方形の長方形頂点座標及び中心点座標を抽出し、外接輪郭を構築するのに必要な重要接続点ペアを選択するステップと、
各前記重要接続点ペアに基づいてそれぞれ決定された外接長方形領域、及び各前記長方形頂点座標に基づいて決定された頂点接続閉領域を取得するステップと、
各前記重要円形領域、各前記外接長方形領域及び前記頂点接続閉領域を組み合わせて、前記角丸長方形に対して前記隣接タッチポイントペアにより構成された第1移動輪郭図形を形成するステップと、を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記消去対象筆跡に含まれる各筆跡点を分析して、各前記筆跡点と前記移動輪郭幾何学的図形とについてヒットテストを行い、前記移動輪郭幾何学的図形内に入る目標消去対象筆跡を決定するステップは、
前記第1移動輪郭図形を分解して、前記頂点接続閉領域、及び対応する数の外接長方形領域と重要円形領域を取得するステップと、
前記消去対象筆跡に含まれる筆跡点ごとに、前記筆跡点と前記頂点接続閉領域及び各前記外接長方形領域とについて第1ヒットテストを行うステップと、
第1ヒットテストに成功すれば、前記筆跡点を第1目標点集合に追加し、成功しなければ、前記筆跡点と各前記重要円形領域とについて第2ヒットテストを行うステップと、
第2ヒットテストに成功すれば、前記筆跡点を前記第1目標点集合に追加するステップと、
前記第1目標点集合における各筆跡点で形成された筆跡を前記移動輪郭幾何学的図形内に入る目標消去対象筆跡として決定するステップと、を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記筆跡点と各前記外接長方形領域とについて第1ヒットテストを行うステップは、
前記頂点接続閉領域と各前記外接長方形領域とを組み合わせて、対応する凸多角形領域を取得し、前記凸多角形領域を構成する各領域頂点を取得するステップと、
前記筆跡点を各前記領域頂点にそれぞれ接続して、前記領域頂点と同一の数の三角形を取得するステップと、
各前記三角形において前記筆跡点で構成される頂角の角度値を決定するステップと、
各前記角度値の和が360度であれば、前記筆跡点の第1ヒットテストに成功したと判定するステップと、を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記筆跡点と各前記重要円形領域とについて第2ヒットテストを行うステップは、
各前記重要円形領域の領域円心及び領域半径を取得して、前記筆跡点と各前記領域円心との接続線の長さを決定するステップと、
該領域半径未満の長さの接続線が存在すれば、前記筆跡点の第2ヒットテストに成功したと判定するステップと、を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記取得したタッチポイント情報に基づいて、移動中のタッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態を決定した後に、
前記消去用幾何学的形態が角丸長方形であると決定し、前記タッチオブジェクトが設定された時間内で移動しないと監視した場合、前記タッチオブジェクトが前記設定された時間内で前記ディスプレイに接触したときに対応する静的タッチポイントを決定するステップと、
前記静的タッチポイントのタッチポイント情報に基づいて、前記静的タッチポイントに対する静的角丸長方形を決定するステップと、
前記消去対象筆跡に含まれる各筆跡点と前記静的角丸長方形とについてヒットテストを行い、前記インターフェースにおいて前記静的角丸長方形内に入る消去対象筆跡を消去するステップと、をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項13】
前記静的角丸長方形は、2つの静的長方形領域と、4つの静的円形領域と、を含み、
この場合、前記消去対象筆跡に含まれる各筆跡点と前記静的角丸長方形とについてヒットテストを行い、前記インターフェースにおいて前記静的角丸長方形内に入る消去対象筆跡を消去するステップは、
前記消去対象筆跡における筆跡点ごとに、前記筆跡点と2つの静的長方形領域及び4つの円形領域のそれぞれとについてヒットテストを行うステップと、
前記筆跡点がヒットテストに成功する条件を満たしていれば、前記筆跡点を静的点集合に追加するステップと、
前記静的点集合における各筆跡点に基づいて形成された筆跡を消去するステップと、を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記消去用幾何学的形態が円形である場合、前記隣接タッチポイントペアに関するタッチポイント情報を分析して、前記消去用幾何学的形態に対する隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントの重要幾何学的情報を決定するステップは、
前記円形を前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントによる第2構築対象幾何学的図形とするステップと、
前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントに関するタッチポイント情報中のタッチポイント座標、タッチ幅、タッチ高さに基づいて、対応する第2構築対象幾何学的図形の円形円心座標及び各重要交差点座標を決定するステップと、
各タッチポイントに対応する円形円心座標及び各重要交差点座標を前記第2構築対象幾何学的図形に対応する重要幾何学的情報とするステップと、を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項15】
前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントに関するタッチポイント情報中のタッチポイント座標、タッチ幅、タッチ高さに基づいて、対応する第2構築対象幾何学的図形の円形円心座標及び各重要交差点座標を決定するステップは、
前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントに関するタッチポイント情報中のタッチポイント座標、タッチ幅及びタッチ高さに基づいて、対応する第2構築対象円形の円形円心座標を決定するステップと、
対応する2つの円形の円心座標を接続して、円心の接続線を取得するステップと、
各前記円形の円心座標に基づいて前記円心接続線に垂直な直線をそれぞれ引き、各直線と対応する第2構築対象円形とが交差して決定した重要交差点座標を取得する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
各前記重要幾何学的情報に基づいて、前記消去用幾何学的形態で前記隣接タッチポイントペアにより形成される移動輪郭幾何学的図形を決定するステップは、
前記隣接するタッチポイントの重要幾何学的情報から、円形円心座標を抽出するステップと、
各前記円形円心座標に基づいて決定された第2構築対象幾何学的図形領域を取得するステップと、
前記隣接するタッチポイントの重要幾何学的情報から、各重要交差点座標を抽出するステップと、
各前記重要交差点座標に基づいて決定された重要交差点接続領域を取得するステップと、
各前記第2構築対象幾何学的図形と前記重要交差点接続領域とを組み合わせて、前記円形に対して前記隣接タッチポイントペアにより構成される第2移動輪郭図形を形成するステップと、を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記消去対象筆跡に含まれる各筆跡点を分析して、各前記筆跡点と前記移動輪郭幾何学的図形とについてヒットテストを行い、前記移動輪郭幾何学的図形内に入る目標消去対象筆跡を決定するステップは、
前記第2移動輪郭図形を分解して、1つの重要交差点接続領域及び2つの第2構築対象幾何学的図形を取得するステップと、
前記消去対象筆跡に含まれる筆跡点ごとに、前記筆跡点と前記重要交差点接続領域とについて第3ヒットテストを行うステップと、
第3ヒットテストに成功すれば、前記筆跡点を第2目標点集合に追加し、成功しなければ、前記筆跡点と各前記第2構築対象幾何学的図形とについて、点と円形領域との第4ヒットテストを行うステップと、
第4ヒットテストに成功すれば、前記筆跡点を前記第2目標点集合に追加するステップと、
前記第2目標点集合における各筆跡点に基づいて形成された筆跡を前記移動輪郭幾何学的図形内に入る目標消去対象筆跡として決定するステップと、を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記筆跡点と前記重要交差点接続領域とについて第3ヒットテストを行うステップは、
前記重要交差点接続領域が長方形領域であると判定した場合、前記長方形領域から1つの頂点を選択して2つの長方形辺ベクトルを形成し、前記筆跡点と各前記長方形辺ベクトルとを比較することにより、前記筆跡点と前記長方形領域とのヒットテストを行うステップと、
方形領域ではない場合、前記重要交差点接続領域の各頂点に基づいて、前記頂点と同数の比較対象ベクトルを決定するステップと、
前記筆跡点と各前記比較対象ベクトルとを比較することにより、前記筆跡点と前記長方形領域とのヒットテストを行うステップと、を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記消去用幾何学的形態が任意の不規則な形状である場合、前記隣接タッチポイントペアに関するタッチポイント情報を分析して、前記消去用幾何学的形態に対する隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントの重要幾何学的情報を決定するステップは、
前記任意の不規則な形状を前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントによる第3構築対象幾何学的図形とし、前記第3構築対象幾何学的図形に含まれる組み合わせ図形情報を決定するステップと、
前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントについて、関するタッチポイント情報を前記組み合わせ図形情報と組み合わせて、前記第3構築対象幾何学的図形のうち前記タッチポイントに対して存在する重要軌跡点及び前記第3構築対象幾何学的図形の図形表示情報を決定するステップと、
各前記組み合わせ図形の図形表示情報及び各前記重要軌跡点を前記第3構築対象幾何学的図形に対する前記タッチポイントの重要幾何学的情報とするステップと、を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項20】
前記関するタッチポイント情報を前記組み合わせ図形情報と組み合わせて、前記第3構築対象幾何学的図形のうち前記タッチポイントに対して存在する重要軌跡点及び前記第3構築対象幾何学的図形の図形表示情報を決定するステップは、
前記組み合わせ図形情報を分析するステップと、
前記第3構築対象幾何学的図形に折れ線・多角形のみが含まれていると判定した場合、関するタッチポイント情報に基づいて前記折れ線・多角形のうち前記タッチポイントに対して存在する重要軌跡点を決定し、前記折れ線・多角形を表す第1図形表示情報を取得するステップと、
前記第3構築対象幾何学的図形に折れ線・多角形及び目標円形が含まれていると判定した場合、関するタッチポイント情報に基づいて前記折れ線・多角形及び重要円形において重要軌跡点を決定し、前記折れ線・多角形及び重要円形を表す第2図形表示情報を取得するステップと、を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記関するタッチポイント情報に基づいて前記折れ線・多角形のうち前記タッチポイントに対して存在する重要軌跡点を決定し、前記折れ線・多角形を表す第1図形表示情報を取得するステップは、
関するタッチポイント情報中のタッチポイント座標、タッチ高さ及びタッチ幅に基づいて、第1図形表示情報である折れ線・多角形の折れ線中心点座標及び各折れ線の頂点座標を決定するステップと、
前記折れ線中心点座標及び関するタッチポイント情報に基づいて、各前記折れ線頂点座標の中から軌跡点の選別条件を満たす重要軌跡点を選択するステップと、を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記関するタッチポイント情報に基づいて前記折れ線・多角形及び重要円形において重要軌跡点を決定し、前記折れ線・多角形及び重要円形を表す第2図形表示情報を取得するステップは、
関するタッチポイント情報中のタッチポイント座標、タッチ高さ及びタッチ幅に基づいて、前記折れ線・多角形の折れ線中心点座標と各折れ線頂点座標、及び重要円形の円心点座標と円形半径を決定し、これらを第2図形表示情報とするステップと、
折れ線中心点座標、円心点座標、円形半径及び関するタッチポイント情報に基づいて、前記重要円形の円周上及び各前記折れ線頂点座標の中から軌跡点選別条件を満たす重要軌跡点を選択するステップと、を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
各前記重要幾何学的情報に基づいて、前記消去用幾何学的形態に対して前記隣接タッチポイントペアにより構成される移動輪郭幾何学的図形を決定するステップは、
前記隣接タッチポイントペアの重要幾何学的情報の中から第1図形表示情報又は第2図形表示情報をそれぞれ抽出するステップと、
対応する第1図形表示情報又は第2図形表示情報に基づいてそれぞれ決定された組み合わせ幾何学的図形を取得するステップと、
前記隣接タッチポイントペアの重要幾何学的情報の中から重要軌跡点をそれぞれ抽出するステップと、
各前記重要軌跡点を接続して形成した重要軌跡領域を取得するステップと、
各前記組み合わせ幾何学的図形と前記重要軌跡領域とを組み合わせて、前記任意の不規則な形状に対して前記隣接タッチポイントペアにより形成された第3移動輪郭図形を形成する、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記消去対象筆跡に含まれる各筆跡点を分析して、各前記筆跡点と前記移動輪郭幾何学的図形とについてヒットテストを行い、前記移動輪郭幾何学的図形内に入る目標消去対象筆跡を決定するステップは、
前記第3移動輪郭図形を分解して、前記重要軌跡領域及び各前記組み合わせ幾何学的図形を取得するステップと、
前記消去対象筆跡に含まれる筆跡点ごとに、組み合わせ幾何学的図形が折れ線・多角形だけである場合、前記筆跡点と各前記折れ線・多角形とについて回転角法による回転角ヒットテストを行うか、又は、組み合わせ幾何学的図形に折れ線・多角形と重要円形が含まれていれば、筆跡点と各前記折れ線・多角形及び重要円形のそれぞれとについて距離法による距離ヒットテストを行うステップと、
回転角ヒットテスト又は距離ヒットテストに成功した場合、前記筆跡点を第3目標点集合に追加し、成功していない場合、前記筆跡点と前記重要軌跡領域とについてベクトルヒットテストを行い、ベクトルヒットテストに成功した場合、前記筆跡点を第3目標点集合に追加するステップと、
記第3目標点集合における各筆跡点に基づいて形成された筆跡を前記移動輪郭幾何学的図形内に入る目標消去対象筆跡として決定するステップと、を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
インタラクティブタブレットに配置され、前記インタラクティブタブレットにおけるタッチフレームのタッチ応答精度が所定の精度範囲内に収まる筆跡消去装置であって、
消去対象筆跡を含む表示インターフェースをディスプレイに表示する表示モジュールと、
ユーザによるトリガーによって生成される筆跡消去命令を受信して、筆跡消去モードに入るトリガーモジュールと、
ユーザによって操作制御されるタッチオブジェクトが前記ディスプレイの表面に触れて移動する場合、前記タッチフレームによってフィードバックされたタッチポイント情報を取得する取得モジュールと、
取得したタッチポイント情報及び前記消去対象筆跡を分析して、前記タッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態で前記インターフェース中の消去対象筆跡を消去する消去モジュールと、を備える筆跡消去装置。
【請求項26】
インタラクティブタブレットであって、
タッチ応答精度が所定の精度範囲内に収まり、ハードウェア回路によってタッチオブジェクトによるタッチ操作に応答するタッチフレームと、
前記タッチフレームに被覆されてタッチスクリーンを構成し、インタラクション内容を表示するディスプレイと、
1つ又は複数のプロセッサと、
1つ又は複数のプログラムを記憶する記憶装置と、を含み、
前記1つ又は複数のプログラムは前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサに請求項1~24のいずれか1項に記載の方法を実現させる、インタラクティブタブレット。
【請求項27】
コンピュータ実行可能命令を含む記憶媒体であって、
前記コンピュータ実行可能命令はコンピュータプロセッサによって実行されると、請求項1~24のいずれか1項に記載の方法を実行する、記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2021年5月20日に中国特許庁に提出された、出願番号が202110554083.9の中国特許出願の優先権を主張しており、当該出願のすべての内容は引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本願は電子機器のタッチ筆記の技術分野に関し、特に、筆跡消去方法、装置、インタラクティブタブレット、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
タッチフレームはインタラクティブタブレットの重要なハードウェア構成要素であり、主としてユーザによるインタラクティブタブレットでのタッチ操作に応答することに用いられる。市販されているインタラクティブタブレットに使用されるタッチフレームのほとんどは非高精度タッチフレームであり、このような非高精度タッチフレームには主に以下のような欠陥が存在する。筆記ペンのタイプの判断が困難である。同一の筆記ペンによる筆記で生成されるタッチ面積が同じものに確保されにくい。タッチ媒体が筆記ペン、指又は消しゴムであるかが判定されにくい。また、タッチ回転角度の判定も難しい。
【0004】
本願を達成させる過程において、本発明者らは現在では以下のような欠陥が存在することを見出した。インタラクティブタブレットは、ソフトウェアレベルでは、タッチフレームによってフィードバックされるタッチポイント情報を十分に利用できず、その結果として、インタラクティブタブレットにおいてタッチに関連する性能や効果(例えば、形成された書き跡を消去する場合の消去効果)に明らかな向上がない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例は、インタラクティブタブレットにおける筆跡消去効果を向上させた筆跡消去方法、装置、インタラクティブタブレット、及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様では、本願の実施例は、インタラクティブタブレットに適用され、前記インタラクティブタブレットにおけるタッチフレームのタッチ応答精度が所定の精度範囲内に収まる筆跡消去方法であって、
消去対象筆跡を含む表示インターフェースをディスプレイに表示するステップと、
ユーザによるトリガーによって生成される筆跡消去命令を受信して、筆跡消去モードに入るステップと、
ユーザによって操作制御されるタッチオブジェクトが前記ディスプレイの表面に触れて移動する場合、前記タッチフレームによってフィードバックされたタッチポイント情報を取得するステップと、
取得したタッチポイント情報及び前記消去対象筆跡を分析して、前記タッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態で前記インターフェース中の消去対象筆跡を消去するステップと、を含み、
前記タッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態は、前記タッチオブジェクトがディスプレイ上に作用するタッチ面積で表現され、
前記消去用幾何学的形態は、角丸長方形、円形及び任意の不規則な形状を含む、筆跡消去方法を提供する。
【0007】
さらに、前記タッチフレームによってフィードバックされたタッチポイント情報を取得する上記のステップは、
前記タッチフレームのハードウェア回路によって、前記タッチオブジェクトが前記ディスプレイ上を移動して生成される各タッチ信号を識別するステップと、
前記タッチフレームがヒューマンコンピュータインタラクションのHID標準プロトコルに従って前記タッチ信号ごとにフィードバックしたタッチポイント情報を取得するステップと、を含み、
1つのタッチポイント情報は1つのタッチポイントに対応しており、前記タッチポイント情報は、タッチポイント座標、タッチポイントの高さと幅、及びタッチ回転角度を含む。
【0008】
さらに、前記タッチフレームによってフィードバックされたタッチポイント情報を取得した後に、
各前記タッチポイント情報が統一した単位フォーマット及びデータ構造を有するように、各前記タッチポイント情報を処理するステップをさらに含む。
【0009】
さらに、各前記タッチポイント情報を処理する上記のステップは、
取得したタッチフレームのサイズ情報及び画面解像度情報に基づいて、前記タッチポイント情報中の各データ情報の単位を統一した所定の単位フォーマットに変換するステップと、
前記所定の単位フォーマットに対応するデータ構造で、前記タッチポイント情報を記録するステップと、を含む。
【0010】
さらに、取得したタッチポイント情報及び前記消去対象筆跡を分析して、前記タッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態で前記インターフェース中の消去対象筆跡を消去するステップは、
取得したタッチポイント情報に基づいて、移動中のタッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態を決定し、前記消去用幾何学的形態で移動中の隣接タッチポイントペアにより形成される移動輪郭幾何学的図形を決定するステップと、
前記消去対象筆跡に含まれる各筆跡点を分析して、各前記筆跡点と前記移動輪郭幾何学的図形とについてヒットテストを行い、前記移動輪郭幾何学的図形内に入る目標消去対象筆跡を決定するステップと、
前記表示インターフェースにおいて前記目標消去対象筆跡を消去するステップと、を含む。
【0011】
さらに、取得したタッチポイント情報に基づいて、移動中のタッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態を決定し、前記消去用幾何学的形態で移動中の隣接タッチポイントペアにより形成される移動輪郭幾何学的図形を決定する上記のステップは、
前記タッチオブジェクトが移動中に最初に前記ディスプレイに接触するときに生成されるタッチポイントのタッチポイント情報である重要タッチポイント情報を抽出し、前記重要タッチポイント情報中の重要タッチ面積を取得するステップと、
前記重要タッチ面積が属する面積閾値範囲及び面積形態を決定して、属する面積閾値範囲に対応する各幾何学的形態の中から前記面積形態にマッチングする目標形態を検索し、前記目標形態を前記タッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態として決定するステップと、
移動中の前記タッチオブジェクトの隣接タッチポイントペアごとに、前記隣接タッチポイントペアに関するタッチポイント情報を分析して、前記消去用幾何学的形態に対する隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントの重要幾何学的情報を決定するステップと、
各前記重要幾何学的情報に基づいて、前記消去用幾何学的形態に対して前記隣接タッチポイントペアにより構成される移動輪郭幾何学的図形を決定するステップと、を含む。
【0012】
さらに、前記消去用幾何学的形態が角丸長方形である場合、前記角丸長方形は、1つの長方形と、長方形の各頂点を円心とした面取りと、を含み、
前記隣接タッチポイントペアに関するタッチポイント情報を分析して、前記消去用幾何学的形態に対する隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントの重要幾何学的情報を決定する上記のステップは、
前記角丸長方形を前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントによる第1構築対象幾何学的図形とするステップと、
前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントについて、関するタッチポイント情報中のタッチポイント座標、タッチ幅、タッチ高さ及びタッチ回転角度を所定の面取り半径と組み合わせて、前記第1構築対象幾何学的図形における長方形の中心点座標、各面取りの円心座標と各重要接点の座標、及び2つの図形の接続点の座標を決定するステップと、
前記長方形の中心点座標、各面取りの円心座標と各重要接点座標、及び2つの図形の接続点の座標を、前記第1構築対象幾何学的図形に対する前記タッチポイントの重要幾何学的情報とするステップと、を含み、
前記第1構築対象幾何学的図形の各面取りは2つの重要接点を含み、各重要接点は、前記面取りとこれに隣接する面取りとが接線で接続されるときに対応する接点である。
【0013】
さらに、各前記重要幾何学的情報に基づいて、前記消去用幾何学的形態で前記隣接タッチポイントペアにより形成される移動輪郭幾何学的図形を決定する上記のステップは、
前記隣接タッチポイントペアの重要幾何学的情報に基づいて、対応する角丸長方形の面取り円心座標を抽出し、外接輪郭を構築するのに必要な重要円心点を選択するステップと、
各前記重要円心点に基づいてそれぞれ決定された重要円形領域を取得するステップと、
前記隣接タッチポイントペアの重要幾何学的情報に基づいて、対応する角丸長方形の長方形頂点座標及び中心点座標を抽出し、外接輪郭を構築するのに必要な重要接続点ペアを選択するステップと、
各前記重要接続点ペアに基づいてそれぞれ決定された外接長方形領域、及び各前記長方形頂点座標に基づいて決定された頂点接続閉領域を取得するステップと、
各前記重要円形領域、各前記外接長方形領域及び前記頂点接続閉領域を組み合わせて、前記角丸長方形に対して前記隣接タッチポイントペアにより構成される第1移動輪郭図形を形成するステップと、を含む。
【0014】
さらに、消去対象筆跡に含まれる各筆跡点を分析して、各前記筆跡点と前記移動輪郭幾何学的図形とについてヒットテストを行い、前記移動輪郭幾何学的図形内に入る目標消去対象筆跡を決定する上記のステップは、
前記第1移動輪郭図形を分解して、前記頂点接続閉領域、及び対応する数の外接長方形領域と重要円形領域を取得するステップと、
前記消去対象筆跡に含まれる筆跡点ごとに、前記筆跡点と前記頂点接続閉領域及び各前記外接長方形領域とについて第1ヒットテストを行うステップと、
第1ヒットテストに成功すれば、前記筆跡点を第1目標点集合に追加し、成功しなければ、前記筆跡点と各前記重要円形領域とについて第2ヒットテストを行うステップと、
第2ヒットテストに成功すれば、前記筆跡点を前記第1目標点集合に追加するステップと、
前記第1目標点集合における各筆跡点で形成された筆跡を前記移動輪郭幾何学的図形内に入る目標消去対象筆跡として決定するステップと、を含む。
【0015】
さらに、前記筆跡点と各前記外接長方形領域とについて第1ヒットテストを行う上記のステップは、
前記頂点接続閉領域と各前記外接長方形領域とを組み合わせて、対応する凸多角形領域を取得し、前記凸多角形領域を構成する各領域頂点を取得するステップと、
前記筆跡点を各前記領域頂点にそれぞれ接続して、前記領域頂点と同一の数の三角形を取得するステップと、
各前記三角形において前記筆跡点で構成される頂角の角度値を決定するステップと、
各前記角度値の和が360度であれば、前記筆跡点の第1ヒットテストに成功したと判定するステップと、を含む。
【0016】
さらに、前記筆跡点と各前記重要円形領域とについて第2ヒットテストを行う上記のステップは、
各前記重要円形領域の領域円心及び領域半径を取得して、前記筆跡点と各前記領域円心との接続線の長さを決定するステップと、
該領域半径未満の長さの接続線が存在すれば、前記筆跡点の第2ヒットテストに成功したと判定するステップと、を含む。
【0017】
さらに、前記取得したタッチポイント情報に基づいて、移動中のタッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態を決定した後に、
前記消去用幾何学的形態が角丸長方形であると決定し、前記タッチオブジェクトが設定された時間内で移動しないと監視した場合、前記タッチオブジェクトが前記設定された時間内で前記ディスプレイに接触したときに対応する静的タッチポイントを決定するステップと、
前記静的タッチポイントのタッチポイント情報に基づいて、前記静的タッチポイントに対する静的角丸長方形を決定するステップと、
前記消去対象筆跡に含まれる各筆跡点と前記静的角丸長方形とについてヒットテストを行い、前記インターフェースにおいて前記静的角丸長方形内に入る消去対象筆跡を消去するステップと、をさらに含む。
【0018】
さらに、前記静的角丸長方形は、2つの静的長方形領域と、4つの静的円形領域と、を含み、
この場合、前記消去対象筆跡に含まれる各筆跡点と前記静的角丸長方形とについてヒットテストを行い、前記インターフェースにおいて前記静的角丸長方形内に入る消去対象筆跡を消去する上記のステップは、
前記消去対象筆跡における筆跡点ごとに、前記筆跡点と2つの静的長方形領域及び4つの円形領域のそれぞれとについてヒットテストを行うステップと、
前記筆跡点がヒットテストに成功する条件を満たしていれば、前記筆跡点を静的点集合に追加するステップと、
前記静的点集合における各筆跡点に基づいて形成された筆跡を消去するステップと、を含む。
【0019】
さらに、消去用幾何学的形態が円形である場合、前記隣接タッチポイントペアに関するタッチポイント情報を分析して、前記消去用幾何学的形態に対する隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントの重要幾何学的情報を決定する上記のステップは、
前記円形を前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントによる第2構築対象幾何学的図形とするステップと、
前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントに関するタッチポイント情報中のタッチポイント座標、タッチ幅、タッチ高さに基づいて、対応する第2構築対象幾何学的図形の円形円心座標及び各重要交差点座標を決定するステップと、
各タッチポイントに対応する円形円心座標及び各重要交差点座標を前記第2構築対象幾何学的図形に対応する重要幾何学的情報とするステップと、を含む。
【0020】
さらに、前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントに関するタッチポイント情報中のタッチポイント座標、タッチ幅、タッチ高さに基づいて、対応する第2構築対象幾何学的図形の円形円心座標及び各重要交差点座標を決定する上記のステップは、
前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントに関するタッチポイント情報中のタッチポイント座標、タッチ幅及びタッチ高さに基づいて、対応する第2構築対象円形の円形円心座標を決定するステップと、
対応する2つの円形の円心座標を接続して、円心の接続線を取得するステップと、
各前記円形の円心座標に基づいて前記円心接続線に垂直な直線をそれぞれ引き、各直線と対応する第2構築対象円形とが交差して決定した重要交差点座標を取得するステップと、を含む。
【0021】
さらに、各前記重要幾何学的情報に基づいて、前記消去用幾何学的形態で前記隣接タッチポイントペアにより形成される移動輪郭幾何学的図形を決定する上記のステップは、
前記隣接するタッチポイントの重要幾何学的情報から、円形円心座標を抽出するステップと、
各前記円形円心座標に基づいて決定された第2構築対象幾何学的図形領域を取得するステップと、
前記隣接するタッチポイントの重要幾何学的情報から、各重要交差点座標を抽出するステップと、
各前記重要交差点座標に基づいて決定された重要交差点接続領域を取得するステップと、
各前記第2構築対象幾何学的図形と前記重要交差点接続領域とを組み合わせて、前記円形に対して前記隣接タッチポイントペアにより構成される第2移動輪郭図形を形成するステップと、を含む。
【0022】
さらに、去対象筆跡に含まれる各筆跡点を分析して、各前記筆跡点と前記移動輪郭幾何学的図形とについてヒットテストを行い、前記移動輪郭幾何学的図形内に入る目標消去対象筆跡を決定する上記のステップは、
前記第2移動輪郭図形を分解して、1つの重要交差点接続領域及び2つの第2構築対象幾何学的図形を取得するステップと、
前記消去対象筆跡に含まれる筆跡点ごとに、前記筆跡点と前記重要交差点接続領域とについて第3ヒットテストを行うステップと、
第3ヒットテストに成功すれば、前記筆跡点を第2目標点集合に追加し、成功しなければ、前記筆跡点と各前記第2構築対象幾何学的図形とについて、点と円形領域との第4ヒットテストを行うステップと、
第4ヒットテストに成功すれば、前記筆跡点を前記第2目標点集合に追加するステップと、
前記第2目標点集合における各筆跡点に基づいて形成された筆跡を前記移動輪郭幾何学的図形内に入る目標消去対象筆跡として決定するステップと、を含む。
【0023】
さらに、前記筆跡点と前記重要交差点接続領域とについて第3ヒットテストを行う上記のステップは、
前記重要交差点接続領域が長方形領域であると判定した場合、前記長方形領域から1つの頂点を選択して2つの長方形辺ベクトルを形成し、前記筆跡点と各前記長方形辺ベクトルとを比較することにより、前記筆跡点と前記長方形領域とのヒットテストを行うステップと、
長方形領域ではない場合、前記重要交差点接続領域の各頂点に基づいて、前記頂点と同数の比較対象ベクトルを決定するステップと、
前記筆跡点と各前記比較対象ベクトルとを比較することにより、前記筆跡点と前記長方形領域とのヒットテストを行うステップと、を含む。
【0024】
さらに、前記消去用幾何学的形態が任意の不規則な形状である場合、前記隣接タッチポイントペアに関するタッチポイント情報を分析して、前記消去用幾何学的形態に対する隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントの重要幾何学的情報を決定する上記のステップは、
前記任意の不規則な形状を前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントによる第3構築対象幾何学的図形として、前記第3構築対象幾何学的図形に含まれる組み合わせ図形情報を決定するステップと、
前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントについて、関するタッチポイント情報を前記組み合わせ図形情報と組み合わせて、前記第3構築対象幾何学的図形のうち前記タッチポイントに対して存在する重要軌跡点及び前記第3構築対象幾何学的図形の図形表示情報を決定するステップと、
各前記組み合わせ図形の図形表示情報及び各前記重要軌跡点を前記第3構築対象幾何学的図形に対する前記タッチポイントの重要幾何学的情報とするステップと、を含む。
【0025】
さらに、関するタッチポイント情報を前記組み合わせ図形情報と組み合わせて、前記第3構築対象幾何学的図形のうち前記タッチポイントに対して存在する重要軌跡点及び前記第3構築対象幾何学的図形の図形表示情報を決定する上記のステップは、
前記組み合わせ図形情報を分析するステップと、
前記第3構築対象幾何学的図形に折れ線・多角形のみが含まれていると判定した場合、関するタッチポイント情報に基づいて前記折れ線・多角形のうち前記タッチポイントに対して存在する重要軌跡点を決定し、前記折れ線・多角形を表す第1図形表示情報を取得するステップと、
前記第3構築対象幾何学的図形に折れ線・多角形及び目標円形が含まれていると判定した場合、関するタッチポイント情報に基づいて前記折れ線・多角形及び重要円形において重要軌跡点を決定し、前記折れ線・多角形及び重要円形を表す第2図形表示情報を取得するステップと、を含む。
【0026】
さらに、関するタッチポイント情報に基づいて前記折れ線・多角形のうち前記タッチポイントに対して存在する重要軌跡点を決定し、前記折れ線・多角形を表す第1図形表示情報を取得する上記のステップは、
関するタッチポイント情報中のタッチポイント座標、タッチ高さ及びタッチ幅に基づいて、第1図形表示情報である折れ線・多角形の折れ線中心点座標及び各折れ線の頂点座標を決定するステップと、
前記折れ線中心点座標及び関するタッチポイント情報に基づいて、各前記折れ線頂点座標の中から軌跡点の選別条件を満たす重要軌跡点を選択するステップと、を含む。
【0027】
さらに、関するタッチポイント情報に基づいて前記折れ線・多角形及び重要円形において重要軌跡点を決定し、前記折れ線・多角形及び重要円形を表す第2図形表示情報を取得する上記のステップは、
関するタッチポイント情報中のタッチポイント座標、タッチ高さ及びタッチ幅に基づいて、前記折れ線・多角形の折れ線中心点座標と各折れ線頂点座標、及び重要円形の円心点座標と円形半径を決定し、これらを第2図形表示情報とするステップと、
折れ線中心点座標、円心点座標、円形半径及び関するタッチポイント情報に基づいて、前記重要円形の円周上及び各前記折れ線頂点座標の中から軌跡点選別条件を満たす重要軌跡点を選択するステップと、を含む。
【0028】
さらに、各前記重要幾何学的情報に基づいて、前記消去用幾何学的形態に対して前記隣接タッチポイントペアにより構成される移動輪郭幾何学的図形を決定する上記のステップは、
前記隣接タッチポイントペアの重要幾何学的情報の中から第1図形表示情報又は第2図形表示情報をそれぞれ抽出するステップと、
対応する第1図形表示情報又は第2図形表示情報に基づいてそれぞれ決定された組み合わせ幾何学的図形を取得するステップと、
前記隣接タッチポイントペアの重要幾何学的情報の中から重要軌跡点をそれぞれ抽出するステップと、
各前記重要軌跡点を接続して形成した重要軌跡領域を取得するステップと、
各前記組み合わせ幾何学的図形と前記重要軌跡領域とを組み合わせて、前記任意の不規則な形状に対して前記隣接タッチポイントペアにより形成された第3移動輪郭図形を形成するステップと、を含む。
【0029】
さらに、前記消去対象筆跡に含まれる各筆跡点を分析して、各前記筆跡点と前記移動輪郭幾何学的図形とについてヒットテストを行い、前記移動輪郭幾何学的図形内に入る目標消去対象筆跡を決定する上記のステップは、
前記第3移動輪郭図形を分解して、前記重要軌跡領域及び各前記組み合わせ幾何学的図形を取得するステップと、
前記消去対象筆跡に含まれる筆跡点ごとに、組み合わせ幾何学的図形が折れ線・多角形だけである場合、前記筆跡点と各前記折れ線・多角形とについて回転角法による回転角ヒットテストを行うか、又は、
組み合わせ幾何学的図形に折れ線・多角形と重要円形が含まれていれば、筆跡点と各前記折れ線・多角形及び重要円形のそれぞれとについて距離法による距離ヒットテストを行うステップと、
回転角ヒットテスト又は距離ヒットテストに成功した場合、前記筆跡点を第3目標点集合に追加し、成功していない場合、前記筆跡点と前記重要軌跡領域とについてベクトルヒットテストを行い、ベクトルヒットテストに成功した場合、前記筆跡点を第3目標点集合に追加するステップと、
記第3目標点集合における各筆跡点に基づいて形成された筆跡を前記移動輪郭幾何学的図形内に入る目標消去対象筆跡として決定するステップと、を含む。
【0030】
第2態様では、本願の実施例は、インタラクティブタブレットに配置され、前記インタラクティブタブレットにおけるタッチフレームのタッチ応答精度が所定の精度範囲内に収まる筆跡消去装置であって、
消去対象筆跡を含む表示インターフェースをディスプレイに表示する表示モジュールと、
ユーザによるトリガーによって生成される筆跡消去命令を受信して、筆跡消去モードに入るトリガーモジュールと、
ユーザによって操作制御されるタッチオブジェクトが前記ディスプレイの表面に触れて移動する場合、前記タッチフレームによってフィードバックされたタッチポイント情報を取得する取得モジュールと、
取得したタッチポイント情報及び前記消去対象筆跡を分析して、前記タッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態で前記インターフェース中の消去対象筆跡を消去する消去モジュールと、を備える、筆跡消去装置を提供する。
【0031】
第3態様では、本願の実施例はさらに、
タッチ応答精度が所定の精度範囲に収まり、ハードウェア回路によってタッチオブジェクトによるタッチ操作に応答するタッチフレームと、
前記タッチフレームに被覆されてタッチスクリーンを構成し、インタラクション内容を表示するディスプレイと、
1つ又は複数のプロセッサと、
1つ又は複数のプログラムを記憶する記憶装置と、を含み、
前記1つ又は複数のプログラムは前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサに本願の第1態様による方法を実現させる、インタラクティブタブレットを提供する。
【0032】
第4態様では、本願の実施例はさらに、コンピュータ実行可能命令を含む記憶媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令はコンピュータプロセッサによって実行されると、第1態様に記載の方法を実行する、記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0033】
上記した筆跡消去方法、装置、インタラクティブタブレット、及び記憶媒体では、係る方法は、インタラクティブタブレットによって実行されてもよく、該インタラクティブタブレットにおけるタッチフレームのタッチ応答精度が所定の精度範囲内に収まる。該方法は、まず、消去対象筆跡を含む表示インターフェースをディスプレイに表示し、次に、筆跡消去命令を受信して、筆跡消去モードに入り、その後、タッチオブジェクトが前記ディスプレイの表面に触れて移動する場合、前記タッチフレームによってフィードバックされたタッチポイント情報を取得し、最後に、取得したタッチポイント情報及び前記消去対象筆跡を分析して、前記タッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態で前記インターフェース中の消去対象筆跡を消去することができる。本実施例の上記技術では、ハードウェア構造として高精度タッチフレームが配置されたインタラクティブタブレットの場合、配置された高精度タッチフレームについて本実施例による方法によってソフトウェアアプリケーションレベルで機能を最適化させることができ、ソフトウェアレベルでの最適化がなさっていない従来技術のインタラクティブタブレットと比較して、本実施例による方法は、インターフェース中の消去対象筆跡に対する消去応答がユーザにより使用されるタッチオブジェクトに対する消去用幾何学的形態により合わせることを確保し、消去過程における消去領域の柔軟な調整を可能とし、インタラクティブタブレットからの消去効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本願の実施例1による筆跡消去方法の流れ概略図を示している。
【
図1a】本願の実施例1による筆跡消去方法におけるタッチフレームによるタッチオブジェクトへの応答効果の表示図である。
【
図1b】本願の実施例1による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態を表現する効果図を示している。
【
図1c】本願の実施例1による筆跡消去方法における消去領域としての移動輪郭幾何学的図形の効果表示図を示している。
【
図2】本願の実施例2による筆跡消去方法の流れ概略図を示している。
【
図2a】本願の実施例2による筆跡消去方法の効果表示図である。
【
図2b】本願の実施例2による筆跡消去方法における消去形態及び輪郭図形の決定の実装の一例の流れ図を示している。
【
図2c】
図2c~
図2hは本願の実施例2による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態が角丸長方形である場合の重要幾何学的情報の決定に関する概略説明図を示している。
【
図2d】
図2c~
図2hは本願の実施例2による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態が角丸長方形である場合の重要幾何学的情報の決定に関する概略説明図を示している。
【
図2e】
図2c~
図2hは本願の実施例2による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態が角丸長方形である場合の重要幾何学的情報の決定に関する概略説明図を示している。
【
図2f】
図2c~
図2hは本願の実施例2による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態が角丸長方形である場合の重要幾何学的情報の決定に関する概略説明図を示している。
【
図2g】
図2c~
図2hは本願の実施例2による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態が角丸長方形である場合の重要幾何学的情報の決定に関する概略説明図を示している。
【
図2h】
図2c~
図2hは本願の実施例2による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態が角丸長方形である場合の重要幾何学的情報の決定に関する概略説明図を示している。
【
図2i】
図2i~
図2mは本願の実施例2による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態が円形である場合の重要幾何学的情報の決定に関する概略説明図を示している。
【
図2j】
図2i~
図2mは本願の実施例2による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態が円形である場合の重要幾何学的情報の決定に関する概略説明図を示している。
【
図2k】
図2i~
図2mは本願の実施例2による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態が円形である場合の重要幾何学的情報の決定に関する概略説明図を示している。
【
図2l】
図2i~
図2mは本願の実施例2による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態が円形である場合の重要幾何学的情報の決定に関する概略説明図を示している。
【
図2m】
図2i~
図2mは本願の実施例2による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態が円形である場合の重要幾何学的情報の決定に関する概略説明図を示している。
【
図2n】本願の実施例2による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態が任意の不規則な形状である場合の効果表示図を示している。
【
図2o】
図2o~
図2qは本願の実施例2による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態が任意の不規則な形状で、かつ、折れ線幾何学的図形のみを含む場合の重要幾何学的情報の決定に関する概略説明図を示している。
【
図2p】
図2o~
図2qは本願の実施例2による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態が任意の不規則な形状で、かつ、折れ線幾何学的図形のみを含む場合の重要幾何学的情報の決定に関する概略説明図を示している。
【
図2q】
図2o~
図2qは本願の実施例2による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態が任意の不規則な形状で、かつ、折れ線幾何学的図形のみを含む場合の重要幾何学的情報の決定に関する概略説明図を示している。
【
図2r】本願の実施例2による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態が任意の不規則な形状である場合の重要幾何学的情報の決定に関する概略説明図を示している。
【
図2s】本願の実施例2による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態が任意の不規則な形状である場合の重要幾何学的情報の決定に関する概略説明図を示している。
【
図2t】本願の実施例2による筆跡消去方法における目標消去対象筆跡の決定の一例の実装の流れ図を示している。
【
図3】本願の実施例2による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態が角丸長方形である場合に使用されるヒットテストの実装の概略説明図を示している。
【
図4】本願の実施例2による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態が角丸長方形である場合に使用されるヒットテストの実装の概略説明図を示している。
【
図5】本願の実施例2による筆跡消去方法における目標消去対象筆跡の決定の別の実装の流れ図を示している。
【
図6】本願の実施例2による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態が円形である場合に使用されるヒットテストの一例の実装の概略説明図を示している。
【
図7】本願の実施例2による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態が円形である場合に使用されるヒットテストの一例の実装の概略説明図を示している。
【
図8】本願の実施例2による筆跡消去方法における目標消去対象筆跡の決定のさらに別の実装の流れ図を示している。
【
図9】本願の実施例2による筆跡消去方法における静的角丸長方形の効果表示図を示している。
【
図10】本願の実施例3による筆跡消去装置の構造ブロック図である。
【
図11】本願の実施例4によるインタラクティブタブレットの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照して、本願の実施例の形態について詳細に説明する。
【0036】
以下の説明では、図面が言及される場合、別段の記載がない限り、異なる図面における同じ数字は、同一又は類似の要素を表す。以下の例示的な実施例で説明される実施形態は、本願と一致するすべての実施形態を表すわけではない。むしろ、これらは、特許請求の範囲に詳述される、本願のいくつかの態様と一致する装置及び方法の一例にすぎない。
【0037】
なお、本願の説明において、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、類似の対象を区別するためにのみ使用され、特定の順序又は優先順位を説明するために使用されるものではなく、相対的重要性を指示又は暗示するものとして理解すべきではない。当業者であれば、本願における上記用語の具体的な意味は、状況に応じて理解することができる。さらに、本願の説明において、別段の記載がない限り、「複数」とは、2つ以上を意味する。「及び/又は」は、関連付けられたオブジェクトの関連関係を記述し、3つの関係が存在することを示す。例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在すること、AとBが同時に存在すること、Bが単独で存在することを表す。符号「/」は、一般に前後の関連オブジェクトが「又は」の関係であることを示す。
【0038】
実際の適用では、インタラクティブタブレットのハードウェア部分はディスプレイ、インテリジェント処理システムなどの部分から構成され、全体的な構造部材によって結合され、また、専用のソフトウェアシステムによって支持されている。
【0039】
このうち、ディスプレイは、具体的には、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)ディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED:Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)などを含んでもよい。ディスプレイの表面の両側に光学タッチセンサが設けられることにより、タッチフレームを構成してタッチディスプレイを形成することができる。タッチフレームを構成する光学タッチセンサは、ディスプレイの表面上で、光信号を用いて、ユーザの指やタッチペンなどのタッチオブジェクトを走査することができる。ディスプレイをタッチによる傷から保護するために、ディスプレイの表面にカバーガラスが設けられていることが理解される。したがって、本明細書の実施例では、ディスプレイの表面とは、ディスプレイのカバーガラスの表面を指す。
【0040】
タッチオブジェクトがディスプレイにタッチし、ディスプレイ上のあるインターフェースをトリガーすると、位置特定などの操作が行われ、タッチフレームは上記のタッチ操作に応答し、対応するタッチ操作情報をアプリケーションレベルのインテリジェント処理システムに伝達し、それによって、インテリジェント処理システムを通じて各種のインタラクティブなアプリケーションを実現することができる。
【0041】
タッチフレームを構成する光学タッチセンサの1つを例として、技術原理の角度からタッチフレームについて説明する。
【0042】
具体的には、光学タッチセンサは、赤外線信号を送信する赤外線送信器と、赤外線信号を受信する赤外線受信器とを含み、さまざまな方向に密に配置された赤外線信号を利用して光ビームグリッドを形成してタッチポイントの位置を特定することができる。ディスプレイには、ディスプレイの周囲に赤外線送信器と赤外線受信器を配置し、縦横に交差するビームグリッドタッチフレームを形成する役割を果たす回路基板付きベゼルが取り付けられている。
【0043】
ディスプレイに上記のタッチフレームを備えている場合、タッチオブジェクトが赤外線信号を遮断すると、対応する赤外線受信器で測光値が弱まることになるので、タッチポイントのスクリーンでの位置を判定することができる。
【0044】
具体的には、赤外線送信器がディスプレイのベゼルの第1側に取り付けられ、赤外線受信器がディスプレイのベゼルの第2側に取り付けられ、第1側と第2側の位置が対向し、すなわち、赤外線受信器が赤外線送信器の走査範囲内にあるので、赤外線送信器が送信した赤外線信号が赤外線受信器によって受信される。
【0045】
ディスプレイの形状は、さまざまな業務のニーズに応じて異なり、例えば、矩形、六角形、円形などであり、ベゼルの形状もディスプレイの形状によって異なり、例えば、矩形、六角形、円形などであり、ベゼルの形状が異なると、各赤外線モジュールにおける赤外線送信器、赤外線受信器の配置も異なる。
【0046】
一般的には、インタラクティブタブレットに配置された従来のタッチフレームは、タッチオブジェクトによるタッチ信号に応答する際に、タッチ応答精度が一般的な範囲内であることが多い。一方、タッチ応答精度の精度が一般的な範囲内である非高精度タッチフレームについては、タッチオブジェクトのディスプレイでのタッチ面積の大きさを認識することが困難である可能性があり、これにより、タッチ筆記モードにおいて、ユーザがどのようなタイプのタッチオブジェクトを用いて筆記したか、又は、ユーザがどのようなタッチ媒体(指、筆記ペン)を用いてタッチしたかを判断することが困難であり、また、タッチ消去モードでは、ユーザがどのようなタイプのタッチオブジェクトを用いて消去したかを良好に判断することが困難であり、従来の消去形態のみに基づいて消去が行われるしかない。また、非高精度タッチフレームでは、同じタイプのタッチオブジェクトがタッチ中に同じタッチ面積を表現することを確保することも難しい。
【0047】
本実施例におけるインタラクティブタブレットは、ハードウェア構成上、一般的なタッチ応答精度の範囲内にあるタッチフレームと比較して、タッチ応答精度が高い高精度タッチフレームを採用しており、いわゆる高タッチ応答精度とは、タッチ応答精度が一般的な精度範囲よりも高い精度に限定された所定の精度範囲内に収まったことを意味すると考えられる。本実施例で採用したこのようなタッチフレームによれば、タッチオブジェクトのタッチ面積、より正確なタッチポイント座標、タッチ中のタッチオブジェクトの回転角度など、より詳細なタッチ情報を上位アプリケーションレベルに提供することができる。
【0048】
また、インタラクティブホワイトボードにおけるインテリジェント処理システムは、ホストプロセッサを含むことができ、ホストプロセッサはインタラクティブタブレットのプロセッサであり、ホストプロセッサに内蔵されたソフトウェアは、さまざまな機能的なアプリケーションを実現し、ディスプレイによって画面を表示し、生き生きとしたAV効果を作り出すことができる。
【0049】
ここで、ホストプロセッサは性能の高い演算モジュールである。
【0050】
例えば、このホストプロセッサは、Androidシステムをインストールし、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)、グラフィック処理ユニット(GPU:Graphics Processing Unit)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM:random access memory)、読み取り専用メモリ(ROM:Read-Only Memory)などのコンポーネントを配置することができるAndroid(アンドロイド(登録商標))モジュールであり、例えば、Android7.0バージョンでは、CPUはデュアルコアA72とクアッドコアA53、GPUはMali T860、RAMは4GB、ROMは32GBなどである。
【0051】
また、例えば、このホストプロセッサは、CPU、GPU、メモリ、ハードディスクなどのコンポーネントを配置することができるパーソナルコンピュータ(PC:personal computer)モジュールであってもよく、例えば、プラグイン式Intel Coreシリーズのモジュラー型コンピュータの場合、CPUはIntel Core i5/i7、GPUはコアディスプレイIntel HD Graphics、メモリはDDR4 8G/16G、ハードディスクは128G/256Gである。
【0052】
実施例1
図1は、本願の実施例1による筆跡消去方法の流れ概略図である。本実施例は、消去モードでインターフェースに存在する筆跡を消去する場合に適用できる。該方法は筆跡消去装置によって実行されてもよく、該筆跡消去装置は、ソフトウェア及び/又はハードウェアによって実装されてもよく、インタラクティブタブレット、特にインタラクティブタブレットのプロセッサに配置されてもよく、該プロセッサは、インテリジェント処理システムのホストプロセッサであってもよい。また、インタラクティブタブレットにおけるタッチフレームは、タッチ応答精度が所定の精度範囲内に収まり、さらに、タッチフレームもディスプレイに電気的に接続される。
【0053】
図1に示すように、本願の実施例1による筆跡消去方法は、具体的には、ステップS101~S104を含む。
【0054】
S101:消去対象筆跡を含む表示インターフェースをディスプレイに表示する。
【0055】
理解できるものとして、本実施例による方法の実行主体であるインタラクティブタブレットには、ビデオ処理機能を付与し得るグラフィックプロセッサ(GPU:Graphics Processing Unit)がさらに設けられており、具体的には、GPUは、ホストプロセッサからの情報を受信し、フレームメモリに格納し、パーティション駆動方式に従ってビデオ信号についてディスプレイに必要なシリアル表示データと走査制御タイミングを生成することができる。上記の操作に基づいて、インタラクティブタブレットに設けられたディスプレイは、シリアル表示データと走査制御タイミングに従ってフレームデータ情報を再生し、各種の画面をディスプレイに表示することができる。
【0056】
本実施例では、前記表示インターフェースは、ユーザが筆記又は編集モードで筆記又は編集した後にディスプレイ上に表示されるインターフェースであると考えられる。具体的には、該表示インターフェースに表現される要素情報には、少なくともユーザの操作により形成される消去対象筆跡が含まれている。理解できるものとして、該消去対象筆跡は、ユーザが筆記モードで筆記操作を行うことで表現される筆跡であってもよく、ここで、該筆跡の色や太さなどはすべてユーザが選択してもよく、表現される筆跡スタイルはユーザの筆記スタイルを表すこともできる。
【0057】
一般的には、該表示インターフェースは、独立したインターフェースであってもよく、一例として、インタラクティブタブレットは電子ホワイトボードを提供し、ユーザは、インタラクティブタブレットにおいて該電子ホワイトボードを表示する制御操作をトリガーし、インタラクティブタブレットは、該制御操作を受信して、電子ホワイトボードを、要素表現用の表示インターフェースとして表示する。
【0058】
これに加えて、該表示インターフェースは、背景を有するインターフェースであってもよく、一例として、インタラクティブタブレットは、ローカルコースウェア、画面共有機器(USB Dongle、USBドングル)によって伝送された、ソース機器(例えば、ラップトップなど)の画面イメージなどのデータを表示し、ユーザは、インタラクティブタブレットにおいてアノテーション操作をトリガーし、インタラクティブタブレットは、該アノテーション操作を受信して、コースウェアや画面イメージなどのデータをフリーズして、これらを背景にし、すなわち、コースウェア、画面イメージなどのデータの現在のフレーム画面の表示を維持し、コースウェアや画面イメージなどのデータの上にマスク層を生成したものを、現在表現されている表示インターフェースとする。
【0059】
ここで、いわゆるコースウェアは、教学の要求に応じて、教学目標の決定、教学内容とタスクの分析、教学活動の構造とインターフェースの設計などの段階を経て作成されたカリキュラム文書を指すことができ、例えば、Word文書、パワーポイント(PPT:PowerPoint)などの共通フォーマットのファイルであってもよいし、文字、表、図などの要素を組み合わせて作成されたカスタムページであってもよいが、本実施例ではこれに制限はない。
【0060】
S102:ユーザによるトリガーによって生成される筆跡消去命令を受信して、筆跡消去モードに入る。
【0061】
本実施例では、ユーザから見れば、ユーザは、ディスプレイ上、すなわち表現されている表示インターフェース上でタッチトリガー操作を行うことができ、該タッチ操作は、タップ、長押しタッチ及び移動タッチであってもよい。これらのうち、タップとは、多くの場合、表示インターフェース内の任意のボタンやアイコンに対するトリガーに用いられ、長押しタッチは、多くの場合、要素のドラッグ制御に用いられ、移動タッチは、筆跡の筆記や消去に用いられ、その中でも、移動タッチは軌跡の形式で表示される場合が多い。
【0062】
一般的には、インタラクティブタブレットの表示インターフェース上の制御操作は、タッチ操作、重要ボード操作、マウス操作、物理重要ボード操作を含むが、これらに限定されず、本実施例では、筆跡消去命令を生成する操作も、タッチ操作、マウス操作及び重要ボード操作などとしてもよい。
【0063】
一例として、本ステップを実行する先行操作は以下のように説明され得る。表示インターフェースには、消去ボタンなど消去モードに入る機能ボタンが含まれており、ユーザが当該消去ボタンをタップすると、インタラクティブタブレットのタッチフレームはタップ操作のタッチ信号に応答して、タッチ信号に関連するタッチ情報をインタラクティブタブレットの上位層(例えば、インテリジェント処理システムのメインプロセッサ)にフィードバックする。よって、本ステップでは、上位層で生成された筆跡消去命令を受信し、該筆跡消去命令に応答して筆跡消去モードに入ることができる。
【0064】
本実施例では、前記筆跡消去モードは、該モードがオンになると表示インターフェースに表示された要素を消去する権限をインタラクティブホワイトボードに付与するものとして理解され得る。すなわち、該消去モードに入ると、表示インターフェースは、筆記モードで表現された筆跡を消去対象として取り扱うことができ、消去筆跡を消去する権限を持つようになる。
【0065】
S103:ユーザによって操作制御されるタッチオブジェクトが前記ディスプレイの表面に触れて移動する場合、前記タッチフレームによってフィードバックされたタッチポイント情報を取得する。
【0066】
本実施例では、前記タッチオブジェクトは、具体的には、ユーザの指、アクティブスタイラス又はパッシブスタイラスなどであってもよく、ユーザは、タッチオブジェクトを操作制御してインタラクティブタブレットのディスプレイの表面上を移動させることができ、ここで、タッチオブジェクトが移動して表現する移動状態は消去モードでは書き跡の消去に用いられ得る。一例として、消去用のタッチオブジェクトは、インタラクティブタブレットにマッチングする専用の物理消しゴム(例えば、タッチ黒板消し)であっても、手などのユーザの身体の部位であってもよい。
【0067】
タッチオブジェクトによるディスプレイのタッチ及び情報フィードバックに関しては、本願の実施例における上記の説明より明らかに、インタラクティブタブレットには、ディスプレイと組み合わせられるタッチフレームも配置されており、タッチフレームは、具体的には、光学タッチセンサからなってディスプレイの縁部に嵌設される額縁であり得る。本ステップでは、タッチフレームは、その光学タッチセンサに基づいて、タッチオブジェクトがディスプレイ上を移動するときにタッチ信号を生成し、タッチ信号に応答して、関するタッチポイント情報を識別することができる。
【0068】
具体的には、
図1aは、本願の実施例1による筆跡消去方法におけるタッチフレームによるタッチオブジェクトへの応答効果の表示図である。
図1aに示すように、インタラクティブタブレットのディスプレイ110の縁部両側に1つ又は複数の光学タッチセンサ120が取り付けられ、タッチフレームが構成される。ユーザが操作制御するタッチオブジェクト(例えば、ユーザの指を消去に用いるタッチオブジェクトとする)のディスプレイ110上の移動状態は、指状態131~135で表現され得る。
【0069】
上記の説明に続き、インタラクティブタブレットが起動されて作動している間、プロセッサは光学タッチセンサ120を起動させ、光学タッチセンサ120はインタラクティブタブレットのディスプレイの表面で光信号を走査し、光信号の伝送に応じて、ディスプレイの表面にタッチオブジェクトが現れたか否かを検出し、タッチオブジェクトを検出した場合、該タッチオブジェクトの移動過程において対応するタッチ信号をリアルタイムで生成する。また、タッチフレームは、生成されたタッチ信号に応答して、インタラクティブタブレットの上位層(例えば、インテリジェント処理システムのメインプロセッサ)に、応答後に識別されたタッチポイントデータをフィードバックすることができ、本実施例では、タッチポイントデータはタッチポイント情報とされる。
【0070】
本実施例では、インタラクティブタブレットに配置されたタッチフレームのタッチオブジェクトに対するタッチ応答精度が所定の精度範囲内に収まることを考慮して、本実施例で使用されるタッチフレームが高精度タッチフレームであると考えられる。上記のステップでは、該タッチフレームによってフィードバックされたタッチポイント情報は、精度及び情報の詳細さのいずれも従来のタッチフレームによってフィードバックされたタッチポイント情報よりも優れている。一例として、タッチフレームがインタラクティブタブレットの上位層にフィードバックするタッチポイント情報には、少なくともタッチポイントのタッチポイント座標、タッチオブジェクトによって生成されたタッチ信号のタッチポイントの高さと幅及びタッチ面積など、タッチオブジェクトが回転するときに対応する的タッチ回転情報などが含まれている。
【0071】
S104:取得したタッチポイント情報及び前記消去対象筆跡を分析して、前記タッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態で前記インターフェース中の消去対象筆跡を消去する。
【0072】
本実施例では、ユーザから見れば、ユーザがタッチして消去モードに入ることから、ユーザには表示インターフェースにおける要素を消去する意思があることが分かり、消去条件を満たす要素が任意にユーザによって予め筆記して生成された筆跡であってもよく、本実施例では、表示インターフェースに表示された筆跡は消去対象筆跡と呼ばれる。
【0073】
なお、関連技術における消去の実装では、タッチにより消去モードに入ると、消去操作用の消しゴムの幾何学的形態がユーザによって予め設定されたものである場合が多く、例えば円形又は長方形であってもよく、消しゴムによる消去寸法も消しゴムの大きさと同じであるしなかい。関連技術による消去の場合は、消しゴムの幾何学的形態、特に消しゴムの回転後の形態及び消去寸法は、タッチオブジェクトの形態又は寸法の変化に応じて変化することができず、通常、手動で設定する必要があり、よって、関連技術における消去方法で消去を行う場合は、消しゴムの寸法が小さすぎることにより消去に時間がかかるという問題が存在する。
【0074】
本実施例では、インタラクティブタブレットにおいてユーザが筆跡消去を個人化したり、筆跡消去効率を高めることを期待したりする場合、ユーザに使用されるタッチオブジェクトの形態を表し得るデータ情報を取得する必要があり、そうすると、データ情報を処理して、筆跡消去をする時にタッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態を決定し、最終的に、決定した消去用幾何学的形態で消しゴムの形態及び寸法を表現し、表現した消しゴムで消去対象筆跡を消去することができ、これによって、筆跡消去操作における消しゴムとして表現される幾何学的形態が多様化しうつ、筆跡消去操作の消去効率が高まる。
【0075】
なお、タッチオブジェクトに対応する消去用幾何学的形態の決定は、主にタッチポイント情報中のタッチ面積に依存し、一般には、タッチ面積が異なると、対応する消去用幾何学的形態が異なり、すなわち、前記タッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態は、前記タッチオブジェクトがディスプレイ上に作用するタッチ面積で表現される。本実施例では、タッチポイント情報におけるタッチ面積を分析して、タッチ面積にマッチングする幾何学的図形を決定し、該幾何学的図形をタッチオブジェクトに対応する消去用幾何学的形態としてもよい。ここで、本ステップで決定される消去用幾何学的形態は、少なくとも、円形、角丸長方形及び任意の不規則な形状という3種の形態を含み得る。
【0076】
一例として、タッチ面積と消去用幾何学的形態との対応関係は、主にタッチ面積の形態及び大きさによって決定される。例えば、タッチオブジェクトが指であり、タッチポイント情報中のタッチ面積が、実質的に指がタッチしてカバーする領域を表すことができ、タッチ面積の形態が略円形である場合、該タッチオブジェクトを用いた消去は小さな領域範囲の消去であると考えられ、このため、タッチ面積と面積が同じ円形はタッチオブジェクトの消去用幾何学的形態とし、消去モードで該消去用幾何学的形態(円形)を有する消しゴムが表現されて、筆跡消去が実行されてもよい。
【0077】
また、例えば、タッチオブジェクトが手の甲であり、タッチポイント情報中のタッチ面積が、実質的に手の甲がタッチしてカバーする領域を表すことができ、タッチ面積の形態が略面取り付き四角形である場合、該タッチオブジェクトを用いた消去は大きな領域範囲の消去であると考えられ、このため、手の甲がカバーする領域の面積に一致する角丸長方形はタッチオブジェクトの消去用幾何学的形態として形成されてもよい。
【0078】
さらに、例えば、タッチオブジェクトが握り拳の下側(すなわち、小指側の位置)である場合、タッチポイント情報中のタッチ面積が、実質的に握り拳の下側がタッチしてカバーする領域を表すことができ、このような場合、タッチ面積の形態は、2種の幾何学的図形、例えば多角形と円形を組み合わせたものであり、このため、多角形と円形を組み合わせた形態は、タッチオブジェクトの消去用幾何学的形態としてもよく、このような組み合わせ形態は、任意の不規則な形状と考えられる。
【0079】
本実施例では、タッチフレームは、一般には、収集周期ごとにタッチポイント情報をフィードバックし、フィードバックされたタッチポイント情報には、一般には、当該収集周期内で受信される各タッチ信号に対応するタッチポイントのデータ情報が含まれている。消去モードでは、タッチオブジェクトがディスプレイ上を移動することで筆跡消去を行う過程にわたって、タッチオブジェクトはディスプレイに接触した状態であり、すなわち、タッチオブジェクトはディスプレイから離れておらず、この過程において、インタラクティブタブレットはタッチオブジェクトの移動によって筆跡を連続して消去することができる。よって、在上記の前提の下で、タッチオブジェクトの消去用幾何学的形態を決定するには、すべてのタッチポイント情報中のタッチ面積ではなく、タッチオブジェクトが最初にディスプレイに接触するときに生成されたタッチポイントのタッチポイント情報だけで十分であり、すなわち、タッチオブジェクトがディスプレイから離れていない間に、タッチオブジェクトについて消去用幾何学的形態の決定が1回しか要さない。
【0080】
本ステップでは、決定した消去用幾何学的形態で消去対象筆跡を消去する具体的な実装について以下のように分析する。まず、タッチオブジェクトが特定の時刻にタッチフレームで生成するタッチポイントについて、消去用幾何学的形態に合わせる消しゴムパターンが形成され、次に、タッチオブジェクトがディスプレイ上をタッチしながら移動することを考慮して、上記で形成された消しゴムパターンも離散的で持続して表現され、よって、表現された各消しゴムパターンを接続すると、連続した幾何学的閉図形、つまりタッチオブジェクトが移動して形成される移動輪郭幾何学的図形が形成される。さらに、形成された移動輪郭幾何学的図形は表示インターフェースにおける消去対象領域となり、最後に、該消去対象領域内の各消去対象筆跡が決定され、これらの消去対象筆跡が消去される。
【0081】
消去用幾何学的形態として表現される消しゴムパターンについては、
図1bには、本願の実施例1による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態を表現する効果図が示されており、
図1bに示すように、
図1bには、角丸長方形として表現された第1消しゴムパターン140、及び円形として表現された第2消しゴムパターン150が含まれている。
【0082】
タッチオブジェクトの移動中に形成される連続した幾何学的閉図形に基づいて、
図1cには、本願の実施例1による筆跡消去方法における消去領域としての移動輪郭幾何学的図形の効果表示図が示されており、
図1cに示すように、
図1cには、角丸長方形を消去用幾何学的形態とした場合に形成された移動輪郭幾何学的図形160が含まれている。
【0083】
本ステップの具体的な実装では、タッチオブジェクトの移動中に移動輪郭幾何学的図形を構築する必要があり、分析した結果、連続した移動輪郭幾何学的図形は、実質的に各タッチポイントを消去用幾何学的形態で表現してなる領域に相当し、よって、移動輪郭幾何学的図形の決定において、実際には、隣接する2つのタッチポイントが表現する消去用幾何学的形態を接続した図形を決定すればよい。しかし、消去用幾何学的形態が異なるため、隣接する消去用幾何学的形態の図形に基づいて移動輪郭幾何学的図形を形成する方式も異なり、消去操作が正常に行われ得るために、本ステップでは、消去用幾何学的形態ごとに対応する移動輪郭幾何学的図形を構築する必要がある。
【0084】
一例として、消去用幾何学的形態が角丸長方形である場合、角丸長方形に対応する輪郭構築方式が必要とされ、具体的には、2つの角丸長方形の図形表示を決定した後、2つの角丸長方形においていくつかのポイントをそれぞれ選択して、領域の拡張及び接続を行うことによって、この2つの角丸長方形に基づいて形成される閉領域を、角丸長方形に対応する移動輪郭幾何学的図形として形成することができる。
【0085】
また、例えば、消去用幾何学的形態が円形である場合、円形に対応する輪郭構築方式が必要とされ、具体的には、2つの円形の図形表示を決定した後、2つの円形において2つの接続点をそれぞれ選択して接続することによって、この2つの円形に基づいて形成される閉領域を、円形に対応する移動輪郭幾何学的図形として形成することができる。
【0086】
本願の実施例1による筆跡消去方法は、インタラクティブタブレットによって実行されてもよく、該インタラクティブタブレットにおけるタッチフレームのタッチ応答精度が所定の精度範囲内に収まる。該方法では、まず、消去対象筆跡を含む表示インターフェースをディスプレイに表示し、次に、筆跡消去命令を受信して、筆跡消去モードに入り、その後、タッチオブジェクトが前記ディスプレイの表面に触れて移動する場合、前記タッチフレームによってフィードバックされたタッチポイント情報を取得し、最後に、取得したタッチポイント情報及び前記消去対象筆跡を分析して、前記タッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態で前記インターフェース中の消去対象筆跡を消去するようにしてもよい。該方法の実行主体であるインタラクティブタブレットは、ハードウェア構造上、高精度タッチフレームが配置されており、配置された高精度タッチフレームは、本実施例による方法によって、ソフトウェアアプリケーションレベルで機能が最適化され、ソフトウェアレベルで最適化がなさっていない関連技術のインタラクティブタブレットと比べて、本実施例による方法は、インターフェース中の消去対象筆跡に対する消去応答がユーザにより使用されるタッチオブジェクトに対する消去用幾何学的形態により合わせることを確保し、消去過程における消去領域の柔軟な調整を可能とし、インタラクティブタブレットからの消去効率を向上させることができる。
【0087】
本願の実施例1の1つの好適な実施例として、本好適な実施例では、前記タッチフレームによってフィードバックされたタッチポイント情報を取得した後に、各前記タッチポイント情報が統一した単位フォーマット及びデータ構造を有するように、各前記タッチポイント情報を処理するステップをさらに含んでもよい。
【0088】
なお、本実施例では、書き跡の表現操作は、主にインタラクティブタブレットの上位層であるインテリジェント処理システム、具体的には、ホストプロセッサによって実行されてもよく、書き跡の表現に必要なタッチポイント情報は、主としてインタラクティブタブレットのハードウェアレベルでのタッチフレームによってフィードバックされ、本実施例では、タッチフレームによってフィードバックされたタッチポイント情報は上位層に必要な入力情報と取り扱われてもよい。
【0089】
インタラクティブタブレットに配置されたタッチフレームのメーカが異なると、タッチフレームの実行パラメータにも違いが存在するので、タッチフレームによってフィードバックされたタッチ情報の表示形式に違いが存在して、筆跡消去方法の正常な実行に悪影響を与える恐れがある。書き跡により表現される実行流れにおいてデータ情報が統一していることを確保するために、上記の実施例1に基づいて、この好適な実施例に記載の情報処理操作が追加される。
【0090】
一例として、本好適な実施例では、タッチフレームの生産情報及びロット情報を分析して、タッチフレームによってフィードバックされたタッチポイント情報が有する元の情報フォーマットを決定し、次に、タッチポイント情報の単位フォーマット及びデータ構造を処理することで、インタラクティブタブレットの上位層に入力されるデータが統一した情報フォーマットを有することが確保され得る。処理後のタッチポイント情報では、タッチフレームのメーカやロットに関する単位フォーマット以外、例えば、元の情報フォーマットのタッチポイント情報中の、フィードバックされたタッチ面積単位としては、ほぼタッチフレームの遮蔽された光学トリガーセンサの数がタッチ幅単位及びタッチ高さ単位とされるが、本好適な実施例では、これらは、統一したソフトウェアの抽象単位例えば画素単位に変換することができる。
【0091】
上記の最適化を基にして、本実施例では、各前記タッチポイント情報の処理は、以下のように具現化されてもよい。
【0092】
取得したタッチフレームのサイズ情報及び画面解像度情報に基づいて、前記タッチポイント情報中の各データ情報の単位を統一した所定の単位フォーマットに変換し、前記所定の単位フォーマットに対応するデータ構造で、前記タッチポイント情報を記録する。
【0093】
本好適な実施例の具体的な実装では、タッチフレームの内部から比較的正確なデータ情報を取得するために、インタラクティブタブレットが現在備えるタッチフレームのサイズ及びディスプレイの画面解像度情報などが必要であり、これらの情報は、それぞれ、タッチフレームハードウェアとの通信又はインテリジェント処理システムからの読み取りによって取得され得る。
【0094】
タッチポイント情報の具体的な処理項目については、本好適な実施例では、タッチフレームが元の情報フォーマットで標識するタッチポイント座標、タッチポイントの高さと幅、又はタッチするときに形成された幾何学的図形的頂点などのデータ情報を、ソフトウェアレベルで比較的抽象的な単位値、例えば画素で表される座標点、幅又は高さの値などに統一して変換してもよい。
【0095】
同様に、高精度タッチフレームの別の利点としては、タッチオブジェクトのタッチ中の回転操作をキャプチャして、タッチ回転の回転角度を決定することもでき、このような場合、本好適な実施例の処理方式によれば、最初に取得された回転角度は統一したラジアン単位で処理されてもよい。
【0096】
本願の実施例1の上記の好適な実施例では、具体的には、タッチフレームによってフィードバックされたタッチポイント情報に対する処理操作が追加され、該処理操作により、タッチポイント情報を統一して入力することが可能とされ、タッチフレーム自体に備える属性パラメータ情報の違いによりタッチポイント情報が後の実行過程で交換できないことが回避され、筆跡消去の実行効率が効果的に向上する。
【0097】
実施例2
図2は、本願の実施例2による筆跡消去方法の流れ概略図を示しており、本実施例は、上記の実施例を基にしてさらに細分化する。本実施例では、前記タッチフレームによってフィードバックされたタッチポイント情報を取得するステップは、具体的には、以下のように細分化される。前記タッチフレームのハードウェア回路によって、前記タッチオブジェクトが前記ディスプレイ上を移動して生成される各タッチ信号を識別し、前記タッチフレームがヒューマンコンピュータインタラクションの(HID:Human Interface Device)標準プロトコルに従って前記タッチ信号ごとにフィードバックされたタッチポイント情報を取得し、1つのタッチポイント情報は1つのタッチポイントに対応しており、前記タッチポイント情報は、タッチポイント座標、タッチポイントの高さと幅、及びタッチ回転角度を含む。
【0098】
また、本実施例では、取得したタッチポイント情報及び前記消去対象筆跡を分析して、前記タッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態で前記インターフェース中の消去対象筆跡を消去するステップは、具体的には、以下のように細分化されてもよい。取得したタッチポイント情報に基づいて、移動中のタッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態を決定し、前記消去用幾何学的形態で移動中の隣接タッチポイントペアにより形成される移動輪郭幾何学的図形を決定し、前記消去対象筆跡に含まれる各筆跡点を分析して、各前記筆跡点と前記移動輪郭幾何学的図形とについてヒットテストを行い、前記移動輪郭幾何学的図形内に入る目標消去対象筆跡を決定し、前記表示インターフェースにおいて前記目標消去対象筆跡を消去する。
【0099】
図2に示すように、本願の実施例2による筆跡消去方法は、具体的には、下記の操作を含む。
【0100】
S201:消去対象筆跡を含む表示インターフェースをディスプレイに表示する。
【0101】
一例として、書き跡などの要素情報を有する表示インターフェースに入ることがユーザによってトリガーされてもよいし、消去対象筆跡などの要素情報を有する表示インターフェースが関連シーン(例えば、コースウェア表示シーン)によってトリガーされてもよい。
【0102】
S202:ユーザによるトリガーによって生成される筆跡消去命令を受信して、筆跡消去モードに入る。
【0103】
一例として、ユーザが表示インターフェース中の消去ボタンをトリガーすることで筆跡消去命令を受信することにより、筆跡消去モードに入って、表示インターフェース中の筆跡を消去する権限をオンにしてもよい。
【0104】
S203:タッチオブジェクトが前記ディスプレイの表面に触れて移動する場合、前記タッチフレームのハードウェア回路によって、前記タッチオブジェクトが前記ディスプレイ上を移動して生成される各タッチ信号を識別する。
【0105】
本実施例では、タッチフレームの角度から、タッチオブジェクトがディスプレイに触れる操作やタッチオブジェクトがディスプレイ上を移動する操作を分析する。具体的には、光学タッチセンサはタッチフレームを構成するコアコンポーネントと見なされ得る。インタラクティブタブレットが起動されて作動し、光学タッチセンサを制御して電源を入れた後、ディスプレイの縁部に設けられた光学タッチセンサ(例えば、一方側に設けられた赤外線送信器、及び他方側に設けられた赤外線受信器)は、各方向に密に分布している赤外線信号で形成されるビームグリッドが遮蔽されたか否かによって、ディスプレイの表面にタッチオブジェクトが存在するか否かを検出することができる。
【0106】
タッチオブジェクトが存在すれば、タッチオブジェクトが正常に放射された赤外線信号を遮断した場合、対応する位置に対応するタッチ信号が生成され、次に、タッチフレームに設けられたハードウェア回路は、タッチ信号を識別し、例えばタッチ信号に備える高低レベルを識別することによって、ハードウェアレベルのデータで表される該タッチ信号がある位置の座標情報、タッチオブジェクトがビームグリッドを遮蔽したときに対応する幅情報、高さ情報や、タッチオブジェクトのタッチ面積情報及び回転情報などを決定することができる。
【0107】
タッチオブジェクトがディスプレイで移動するに伴い、1組のタッチ信号が生成され、タッチフレームのハードウェア回路はこの組における各タッチ信号に関連するタッチ情報を効果的に識別することができ、また、タッチオブジェクトがタッチフレームハードウェア回路に作用する圧力によって、タッチオブジェクトの各タッチポイントでの圧力感度情報を決定できることが想定されている。
【0108】
S204:前記タッチフレームがヒューマンコンピュータインタラクションのHID標準プロトコルに従って前記タッチ信号ごとにフィードバックしたタッチポイント情報を取得する。
【0109】
上記の説明に続き、理解できるものとして、タッチフレームがインタラクティブタブレットのハードウェア構造であることを考慮して、タッチフレームのハードウェア回路によって各タッチポイントに対して識別されたタッチポイント情報が上位層のソフトウェア処理モジュールに直接入力されにくいので、本ステップで使用される専用のヒューマンコンピュータインタラクションのHID標準プロトコルによれば、ハードウェアレベルで識別されたタッチポイント情報が変換されたソフトウェアレベルで読み取り可能なタッチポイント情報を取得することができる。
【0110】
本実施例に基づいて実現される筆跡消去操作では、タッチフレームによってフィードバックされた各タッチポイント情報は、具体的には、タッチオブジェクトによってトリガーされた1つのタッチポイントを表し、所望のタッチポイント情報には、少なくともタッチポイント座標、タッチポイントの高さと幅、及びタッチ回転角度が含まれている。
【0111】
具体的には、タッチポイント座標はタッチの基礎情報であり、タッチポイントの高さと幅は、ユーザがタッチオブジェクトを操作制御して移動するときにタッチフレームの光学センサが遮蔽された大きさを表し、タッチ面積は、ユーザがタッチオブジェクトを操作制御して移動するときにタッチフレームについて生成されたタッチ信号のカバー面積を表し、タッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態は上記の情報により決定され得る。同様に、タッチ回転角度は、タッチオブジェクトが移動中に回転する場合の回転情報を表し、該回転情報は、消去用幾何学的形態に対応する移動輪郭幾何学的図形を決定するのに必要な基礎情報としてもよい。
【0112】
本実施例の上記のステップによれば、タッチオブジェクトの移動中にタッチフレームによってフィードバックされたタッチポイント情報をリアルタイムで取得することができ、よって、本実施例では、下記S205~S207によって表示インターフェースでの消去対象筆跡の消去を行うことができる。
【0113】
S205:取得したタッチポイント情報から、移動中のタッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態を決定し、前記消去用幾何学的形態で移動中の隣接タッチポイントペアにより形成される移動輪郭幾何学的図形を決定する。
【0114】
本実施例では、本ステップは、具体的には、消去操作に必要な2つの重要情報を決定し、一方はタッチオブジェクトマッチングの消去用幾何学的形態、他方は隣接する2つのタッチポイントが、決定された消去用幾何学的形態で形成し得る移動輪郭幾何学的図形である。
【0115】
上記の実施例における説明から明らかに、消去用幾何学的形態を決定する際に、タッチオブジェクトが今回の移動において最初にディスプレイに接触するときに生成されるタッチポイントのタッチポイント情報だけが十分であり、該タッチポイント情報中のタッチ面積により、該タッチ面積にマッチングする幾何学的形態を決定することができ、これにより、このマッチングする幾何学的形態は今回の消去が表現し得る消去用幾何学的形態としてもよい。
【0116】
同様に、上記の実施例の説明から明らかに、消去用幾何学的形態は、少なくとも、角丸長方形、円形及び任意の不規則な形状を含み、フィードバックされた各タッチポイントのタッチポイント情報に基づいて、タッチポイントごとに消去用幾何学的形態に合致する消しゴムパターンが表現されてもよく、2つの隣接するタッチポイントの消しゴムパターンは、何らかの方式で接続されてもよく、接続された閉領域は、この2つの隣接するタッチポイントに対応する移動輪郭幾何学的図形としてもよい。
【0117】
一例として、2つの隣接するタッチポイントの消しゴムパターンが角丸長方形である場合、各角丸長方形は、1つの長方形の複数の頂角を面取りに変更したものに相当し、すなわち、1つの角丸長方形は、少なくとも、長方形の辺長及び円形の円弧の一部を含むと見なされてもよい。
【0118】
上記の形で表される2つの角丸長方形に対しては、まず、各角丸長方形を構成する重要点を取得し、その後、2つの角丸長方形の重要点の中からいくつかの接続点をそれぞれ選別して接続し、2つの角丸長方形自体の領域、及び接続された閉領域を取得し、自体の領域と閉領域とを組み合わせて、消去用幾何学的形態が角丸長方形である場合の2つの隣接するタッチポイントに対応する移動輪郭幾何学的図形を形成する。
【0119】
これに加えて、消去用幾何学的形態が円形又は任意の不規則な形状である場合にも、対応する移動輪郭幾何学的図形を決定する方法がある。要するに、消去用幾何学的形態がどのような図形であっても、まず、消去用幾何学的形態に対応する図形自体の図形表示情報を決定し、その後、取得した図形表示情報に基づいて接続するのに必要な接続点を選別し、接続点と消去用幾何学的形態に対応する図形自体とに基づいて組み合わせ閉領域を形成して、これを対応する移動輪郭幾何学的図形とする。
【0120】
なお、本実施例では、角丸長方形及び円形が任意の不規則な形状の中の2種の特例として考えられ、この2種の特例の図形について移動輪郭幾何学的図形決定を行う際には、任意の不規則な形状に対応する決定方法ではなく、他の可能な決定方法であってもよく、よって、本実施例では、角丸長方形及び円形は、任意の幾何学的な組み合わせ画像以外の2つの独立した形態の図形と取り扱われてもよく、移動輪郭幾何学的図形を決定するためにこれらにそれぞれ対応する決定方法が提供されている。
【0121】
S206:前記消去対象筆跡に含まれる各筆跡点を分析して、各前記筆跡点と前記移動輪郭幾何学的図形とについてヒットテストを行い、前記移動輪郭幾何学的図形内に入る目標消去対象筆跡を決定する。
【0122】
上記のS205は、消去操作中にタッチオブジェクトが移動して形成する、消去権限を有する消去対象領域(移動輪郭幾何学的図形)を決定することに相当し、本ステップは、主に如何にして表示インターフェース中のどの筆跡が該移動輪郭幾何学的図形内に入るかを決定し、該移動輪郭幾何学的図形内に入る筆跡が存在すれば、これらの筆跡が現在消去可能な筆跡であると考えられ、本実施例では、これらは目標消去対象筆跡とマークされる。
【0123】
本実施例では、表示インターフェース中の消去対象筆跡は、筆記又は編集モードでユーザが何らかの方式で該インターフェースに筆記する内容として理解できる。これらの消去対象筆跡は対応する筆跡情報で表されてもよく、筆跡情報中の重要情報はこれらの消去対象筆跡を構成する筆跡点の筆跡点座標であり、本ステップでは、前記消去対象筆跡の各筆跡点を表す筆跡点座標を直接取得することが可能である。
【0124】
本ステップでは、どの消去対象筆跡が該移動輪郭幾何学的図形内に入るかを判定する操作を、消去対象筆跡を表す各筆跡点が移動輪郭幾何学的図形内に入るかを判定する操作に変更してもよい。筆跡点が移動輪郭幾何学的図形内に入るかの判定は、筆跡点と移動輪郭幾何学的図形とについてヒットテストを行うことにより行われ得る。
【0125】
筆跡点と移動輪郭幾何学的図形とのヒットテストは、筆跡点が該移動輪郭幾何学的図形の閉領域内にあるか否かの決定に相当する。筆跡点が移動輪郭幾何学的図形により表現された閉領域内にあるか否かの決定は、該閉領域を表すデータ情報を決定することに相当する。理解できるものとして、移動輪郭幾何学的図形は、不規則的な幾何学的形態を有する場合があるので、データ情報で直接表すのが難しく、よって、本実施例では、移動輪郭幾何学的図形を分解し、例えば移動輪郭几何図像を円形や多角形など、表すのが容易な幾何学的図形の組み合わせに分解し、その後、それぞれヒットテスト方法により筆跡点が分解により得られた后各幾何学的図形に対応する閉領域内になるかを判定することが考えられる。
【0126】
幾何学的図形の形態が異なると、筆跡点のヒットテスト方法も異なる可能性があり、例えば、円形領域の場合、ヒットテストは、筆跡点と円形の円心との距離が半径よりも小さいか否かを判定することにより実現されてもよく、また、例えば、凸多角形領域の場合、ヒットテストは、当該領域内に入る筆跡点が凸多角形の各頂点と三角形を構成した場合、筆跡点の対応する頂角に対する角度の和が360度であることにより実現されてもよく、さらに、例えば、長方形領域の場合は、ベクトル法によるヒットテストなどが使用されてもよい。
【0127】
本実施例では、移動輪郭幾何学的図形を分解して、筆跡点と各サブ図形領域とのヒットテストを行うことができ、また、筆跡点がある領域内に存在すると判定した場合、該筆跡点で表される筆跡を目標消去対象筆跡として決定することもできる。
【0128】
S207:前記表示インターフェースにおいて前記目標消去対象筆跡を消去する。
【0129】
本実施例では、上記のステップによって目標消去対象筆跡を決定した後、本ステップによって目標消去対象筆跡を消去することができる。
【0130】
表示インターフェースにおいてタッチオブジェクトが消去用幾何学的形態で表現する消しゴムの表示インターフェースでの移動を可視化して表現し、消しゴムが通過した位置ではユーザがインターフェースで編集又は筆記した筆跡を非表示にする。
【0131】
図2aは、本願の実施例2による筆跡消去方法の効果表示図を示しており、
図2aに示すように、表示インターフェース21には、これに筆記されている消去対象筆跡22が表現されており、ユーザが制御するタッチオブジェクトは表示インターフェース21上で円形23の消去用幾何学的形態として表現され、この円形が移動した領域において、以前に表示された筆跡が非表示になり、空白領域として表現される。
【0132】
本願の実施例2による筆跡消去方法では、タッチポイント情報のフィードバック形式が具現化され、また、筆跡消去の消去方式も具現化されている。該方法の実行は、インタラクティブタブレットにおけるタッチ応答精度が所定の精度範囲内のタッチフレームを前提としている。従来のタッチフレームを配置したインタラクティブタブレットと比較して、本実施例では、インタラクティブタブレットには、ハードウェアレベルで高精度タッチフレームが配置されており、高精度タッチフレームは、有効情報をより多く含むより正確なタッチポイント情報をアプリケーション層へフィードバックすることができる。これにより、本実施例による方法と組み合わせると、インターフェース中の消去対象筆跡に対する消去応答がユーザにより使用されるタッチオブジェクトに対する消去用幾何学的形態により合わせることを確保し、消去過程における消去領域の柔軟な調整を可能とし、インタラクティブタブレットからの消去効率を向上させることができる。
【0133】
消去用幾何学的形態及び移動輪郭幾何学的図形の具体的な決定については、本実施例2の第1好適な実施例として、
図2bは、本願の実施例2による筆跡消去方法における消去形態及び輪郭図形の決定の実装の流れ図を示している。
図2bに示すように、本第1好適な実施例では、取得したタッチポイント情報に基づいて、移動中のタッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態を決定し、前記消去用幾何学的形態で移動中の隣接タッチポイントペアにより形成される移動輪郭幾何学的図形を決定する上記のステップS205は、さらに、以下の下記ステップに細分化される。
【0134】
S2051:前記タッチオブジェクトが移動中に最初に前記ディスプレイに接触するときに生成されるタッチポイントのタッチポイント情報である重要タッチポイント情報を抽出し、前記重要タッチポイント情報中の重要タッチ面積を取得する。
【0135】
一例として、前記重要タッチポイント情報は、具体的には、タッチフレームによってフィードバックされたタッチポイント情報中の、消去用幾何学的形態を決定するための重要タッチポイントの情報として理解することができ、該重要タッチポイント情報には、タッチオブジェクトがディスプレイに接触するときに生成されたタッチ面積も重要タッチ面積として含まれている。
【0136】
本実施例では、ユーザがタッチオブジェクトを制御して、ディスプレイに接触してディスプレイ上を移動する過程に亘って、タッチオブジェクトがディスプレイから離れることはなく、よって、該過程にわたってユーザが使用するタッチオブジェクトの形態が変化せず、すなわち、該タッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態は、移動過程に亘って変化することはない。
【0137】
消去用幾何学的形態を決定する操作を簡素化させるために、本実施例では、各タッチポイントに関するタッチポイント情報ごとに、タッチオブジェクトの消去用幾何学的形態を決定する必要がなく、この1つのタッチポイント情報を選別するだけで、タッチオブジェクトの消去用幾何学的形態を決定することができる。本実施例では、タッチオブジェクトが最初にディスプレイに接触するときに生成されたタッチポイントのタッチポイント情報を用いて決定操作を行い、該タッチポイント情報を重要タッチポイント情報とすることが考えられる。
【0138】
理解できるものとして、本実施例では、重要タッチポイント情報として最初に接触するときに関するタッチポイント情報を採用することができるが、これに限定されるものではない。
【0139】
S2052:前記重要タッチ面積が属する面積閾値範囲及び面積形態を決定して、属する面積閾値範囲に対応する各幾何学的形態の中から前記面積形態にマッチングする目標形態を検索し、前記目標形態を前記タッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態として決定する。
【0140】
本実施例では、重要タッチ面積の面積値は、予め設定されたある面積閾値範囲内であってもよく、本実施例では、面積閾値範囲ごとに、当該範囲にマッチングする複数の幾何学的形態も予め設定されており、例えば、1つの面積閾値範囲は複数の幾何学的形態に合致してもよく、例えば合致する図形には、円形、円形と四角形との組み合わせ、円形と楕円形との組み合わせなどが含まれる。
【0141】
面積形態が既知になると、面積閾値範囲に対応する各幾何学的図形から、面積形態にマッチングする目標形態を決定し、例えば、面積形態がラジアンを持つ長方形である場合、該重要タッチ面積は角丸長方形にマッチングするとし、最後に、該角丸長方形はタッチオブジェクトの消去用幾何学的形態としてもよい。
【0142】
S2053:移動中の前記タッチオブジェクトの隣接タッチポイントペアごとに、前記隣接タッチポイントペアに関するタッチポイント情報を分析して、前記消去用幾何学的形態に対する隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントの重要幾何学的情報を決定する。
【0143】
本実施例では、タッチフレームは、タッチオブジェクトの移動中に、タッチポイント情報をリアルタイムで離散的にフィードバックし、各タッチポイント情報は1つのタッチポイントに対応しており、2つの隣接するタッチポイントは1つのタッチポイントペアとされてもよい。本実施例ではタッチオブジェクトが筆跡消去の役割を果たすことを考慮して、タッチオブジェクトの移動中に生成される各タッチポイントは、上記で決定された消去用幾何学的形態で可能な消去領域を表現し、消去用幾何学的形態に対する各タッチポイントの重要幾何学的情報は、具体的には、タッチポイントが表現する消去領域を表す数学的表現情報、及び2つの隣接するタッチポイントが表現する消去領域を接続した関連閉領域の数学的表現情報として理解することができる。ここで、決定された重要幾何学的情報には、少なくとも、消去用幾何学的形態で表現される消去領域の頂点情報又は円心情報及び半径情報などが含まれてもよい。
【0144】
本実施例では、消去用幾何学的形態に対する各タッチポイントの重要幾何学的情報は、関するタッチポイント情報を上記で決定された消去用幾何学的形態と組み合わせることにより取得され得る。一般的には、タッチポイントのタッチポイント座標、タッチポイントの高さと幅及びタッチ回転角度などの情報が既知になると、数学的演算の実施により各種図形表示に必要なデータ情報を決定することができる。
【0145】
まず、消去用幾何学的形態が角丸長方形である場合、前記角丸長方形は、1つの長方形と、長方形の各頂点を円心とした面取りと、を含み、上記のステップS2053の第1好適な実施項の実行を実現することについては、具体的には、以下のように説明する。
【0146】
a1:前記角丸長方形を前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントによる第1構築対象幾何学的図形とする。
【0147】
本実施例では、好適には、筆跡を消去する各タッチポイントがディスプレイ上で表現する消去領域は、タッチポイントに対応する構築対象幾何学的図形とされ、本実施例では、消去用幾何学的形態が角丸長方形である場合に対応する構築対象幾何学的図形は、第1構築対象幾何学的図形とされる。
【0148】
b1:前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントについて、関するタッチポイント情報中のタッチポイント座標、タッチ幅、タッチ高さ及びタッチ回転角度を所定の面取り半径と組み合わせて、前記第1構築対象幾何学的図形における長方形の中心点座標、各面取りの円心座標と各重要接点の座標、及び2つの図形の接続点の座標を決定する。
【0149】
一例として、本実施例では、数学的計算の角度から、消去用幾何学的形態が角丸長方形である場合のタッチポイントに対応する重要幾何学的情報の決定について、具体的に説明し、ここで、
図2c~
図2hは、本願の実施例2による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態が角丸長方形である場合の重要幾何学的情報の決定に関する概略説明図を示している。
【0150】
本実施例によるインタラクティブタブレットには、タッチオブジェクトの移動中に行われる回転操作への応答も備えられることを考慮して、本実施例では、角丸長方形は、1つの回転長方形と4つの面取りとして表示され、ここで、回転長方形は、表示インターフェースの横方向と縦方向に対して角度がずれた長方形として考えられる。また、計算しやすくするために、本実施例では、好適には、表示インターフェースの左上隅が零零点座標であり、左から右へ横座標が大きくなり、上から下へ縦座標が大きくなるようにし、具体的には、
図2cに示す。
【0151】
図2cには、1つのタッチポイントに対応する第1構築対象図形、すなわち、角丸長方形の効果表示が含まれており、ここで、点A、B、C及びDは、角丸長方形の回転長方形を構成し、点A、B、C及びDは、それぞれ、角丸長方形に含まれる4つの面取りの円心となり、2つの隣接する面取りを接点で接続した組み合わせ図形は、該構築対象の角丸長方形と見なされ、
図2cには、面取りの半径は設定可能なパラメータになり、パラメータの値は予め決定されていてもよく、これに加えて、辺長ACの長さに上記の取りの直径を加算したものは角丸長方形の高さに相当し、辺長CDの長さに上記の取りの直径を換算したものは角丸長方形の幅に相当する。
【0152】
理解できるものとして、隣接タッチポイントペアにおけるタッチポイントごとに、対応する構築対象の角丸長方形が存在し、各タッチポイントに対応する角丸長方形の幾何学的形態が同じであることを考慮して、各角丸長方形の対応する幾何学的情報を決定する実現方式は同じであると理解できる。一方、角丸長方形に必要な幾何学的情報を表すことは、上記の
図2cにおける各頂点座標及び各接点座標を決定することに相当する。
【0153】
具体的には、角丸長方形に関連する幾何学的情報を計算する問題を、下記の数学の問題に変換することができる。
【0154】
まず、タッチポイント座標に従ってO1点の座標を决定し、タッチポイントの高さと幅により角丸長方形の高さと幅を决定し、タッチ回転角度及び面取り半径 Radiusを取得することができ、ここで、タッチ回転角度は、上記の所定の座標系の横軸と縦軸に対して回転する角度であると考えられる。すなわち、データの課題が変換されると、O1と回転角度θ及び面取り半径 Radius、及び角丸長方形の幅と高さが既知になると、如何にして角丸長方形における回転長方形の頂点座標を求めるかに相当する。
【0155】
角丸長方形が上記の座標系に対して回転角度を持つことを考慮して、説明しやすくするために、まず、回転角度が0であると仮設する場合の角丸長方形の頂点座標を決定してもよい。
【0156】
具体的には、
図2dに示す角丸長方形で行われてもよく、O1が既知でA点のO1に対する座標を以下の式で計算する。
【0157】
O1.X = foo + Width / 2
A.X = foo + Radius
A.X-O1.X = A点のO1に対するX座標
= foo + Radius - (foo + Width / 2)
= Radius - Width / 2
一方、上記のように点Aの座標をそれぞれ決定した後、上記の計算結果に基づいて、
図2eに示す角丸長方形の場合の計算を行う。
【0158】
具体的には、
図2dにおける角丸長方形は、θ回転後、
図2eに示す図形として表現され、このとき、点Aの座標、及び回転角度θが既知で、O1に対してθ回転後の点A、B、C及びDの座標を求めることに相当する。
【0159】
ある点が特定点で回転して得た新しい点の式(主に
図2eに示される)により、O1に対して回転したA点の座標を算出することができ、A点を零点に対するものにするために、A点はO1に対する座標から零点に対する座標に変換され、すなわち、具体的な実装では、O1の座標を換算することであり、最後に、回転後のA点の座標が取得される。
【0160】
同様に、構築対象の角丸長方形におけるB、C及びD点も、上記と同様に計算されてもよい。角丸長方形における回転長方形の各頂点の座標、すなわち各面取りの円心の座標は上記の説明のように取得される。
【0161】
角丸長方形の幾何学的情報に対して、2つの隣接する面取りを接続するときに使用される接点の座標を取得する必要もあり、これらの接点は、
図2cに示されるA1、A2、B1及びB2などである。
【0162】
具体的には、A1点は、回転前のA点の縦座標から面取りの半径を減算したものに相当し、A2点は、回転前のA点の横座標から面取りの半径を減算したものに相当する。よって、A1とA2の2点の座標は、ある点が特定点で回転して得た新しい点の式により計算されてもよく、B1とB2などの座標も同様に計算されてもよい。
【0163】
上記の方式によれば、隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントが構築対象の角丸長方形を表すのに必要な各点の座標を計算することができる。次に、2つの角丸長方形を接続した各接続領域の幾何学的情報を如何にして計算するかについて説明する。
【0164】
図2fに示すように、長方形が面取りを持たないと仮設して、2つの長方形の作動軌跡を接続し、ここで、2つの長方形の接続には、下記方式が使用されてもよい。
【0165】
2つの長方形の各頂点を接続線で組み合わせ、長方形自体と交差しない2本の線分、及び2つの長方形の中心点を接続した線分を取得する。2つの長方形の中心点を接続した線分は、求められた長方形自体と交差しない2本の線分が適切か否かを検証するものであり、2本の線分が適切であれば、いずれも2つの長方形の中心点を接続した線分に平行である。
【0166】
上記の方式で接続すると、
図2gに示す接続状態図が得られる。
【0167】
上記の面取りを持たない2つの長方形の接続線の計算が完了した後、面取りを追加した2つの角丸長方形を接続するときに関連する各重要点の座標の計算について説明する。
【0168】
まず、面取りを追加した2つの角丸長方形の接続効果図を
図2hに示す。
【0169】
図2hに示すように、線分BCに対応するB1C2線分は、実質的にBC線分を所定距離だけ水平に移動させたものに相当し、移動距離は面取りの半径であり、移動方向は外方向である。
【0170】
BとC点の座標が既知であれば、関連技術における数学方法を使用してBC線分を求めることができ、また、線分をある方向に既知の距離だけ水平に移動させた場合も、関連技術における数学的計算方法を使用して計算することもできる。
図2hに示される各頂点の座標も同様に計算されてもよい。算出した
図2hにおける各頂点の座標は、隣接タッチポイントペアに関する角丸長方形を接続した2つの図形の接続点座標に相当し、また、
図2hには、2つの角丸長方形を接続して構成される移動輪郭幾何学的図形の効果が示されている。
【0171】
c1:前記長方形の中心点座標、各面取りの円心座標と各重要接点座標、及び2つの図形の接続点の座標を、前記第1構築対象幾何学的図形に対する前記タッチポイントの重要幾何学的情報とする。
【0172】
ここで、前記第1構築対象幾何学的図形の各面取りは2つの重要接点を含み、各重要接点は、前記面取りとこれに隣接する面取りとが接線で接続されるときに対応する接点である。
【0173】
上記では、主にS2053ステップにおいて、消去用幾何学的形態が角丸長方形である場合に、重要幾何学的情報の決定の具体的な実装が記載されている。
【0174】
次に、前記消去用幾何学的形態が円形である場合、上記のステップS2053の第2好適な実施項の実行の実装について、以下のように具体的に説明する。
【0175】
a2:前記円形を前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントによる第2構築対象幾何学的図形とする。
【0176】
区別しやくするために、本好適な実施項では、構築対象の消去用幾何学的形態が円形である消去領域を第2構築対象幾何学的図形とする。
【0177】
b2:前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントに関するタッチポイント情報中のタッチポイント座標、タッチ幅、タッチ高さに基づいて、対応する第2構築対象幾何学的図形の円形円心座標及び各重要交差点座標を決定する。
【0178】
本ステップでは、構築対象の円形に関する幾何学的情報を決定する際にも、隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントのタッチポイント情報が必要とされる。ここで、本ステップでは、重要幾何学的情報を決定する際には、まず、接続後の2つの円形のモデルを構築し、次に、円形自体のいくつかの幾何学的特性に基づいて、必要な各重要幾何学的情報を算出する。
【0179】
好適には、本実施例では、前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントに関するタッチポイント情報中のタッチポイント座標、タッチ幅、タッチ高さに基づいて、対応する第2構築対象幾何学的図形の円形円心座標及び各重要交差点座標を決定する上記のステップb1は、具体的には、以下の通りであってもよい。
【0180】
前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントに関するタッチポイント情報中のタッチポイント座標、タッチ幅及びタッチ高さに基づいて、対応する第2構築対象円形の円形円心座標を決定し、対応する2つの円形の円心座標を接続して、円心の接続線を取得し、各前記円形の円心座標に基づいて前記円心接続線に垂直な直線をそれぞれ引き、各直線と対応する第2構築対象円形とが交差して決定した重要交差点座標を取得する。
【0181】
一例として、本実施例も、上記の円形に関する重要幾何学的情報の決定を、数学の問題に変換して説明し、ここで、
図2i~
図2mは、本願の実施例2による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態が円形である場合の重要幾何学的情報の決定に関する概略説明図を示している。
【0182】
まず、
図2iに示すように、2つの円形の接続が含まれている。よって、2つの円形の重要幾何学的情報を求めることを、2つの円形をタッチ移動方向に応じて接続するときに、タッチ移動方向に平行で且つ円形と交差する線分の各頂点を求めることに変換してもよい。
【0183】
上記の説明では、抽象化された数学の問題は以下の通りであってもよい。2つの円形の円心がそれぞれP1とP2の2つの点であり、半径がそれぞれ長さr1とr2であり、AB線分がP1P2線分に垂直で、また、CD線分がP1P2線分に垂直であり、AB線分の円との交差点がそれぞれAとBの2つの点であり、CD線分の円との交差点がそれぞれCとDの2つの点であることが既知であり、A、B、C及びDの4つの点の座標を求める。
【0184】
なお、隣接タッチポイントペアのタッチポイント情報が既知になると、上記の円心 P1とP2の座標、及び半径r1とr2のいずれも通常の方式により算出されてもよく、タッチ移動方向も、2つのタッチポイント座標に基づいてリアルタイムで決定されてもよい。上記の4つの点の座標計算については、具体的には、以下のように説明する。
【0185】
2つの円自体が独立したものとみなせるので、まず、一方の円形について計算を行い、
図2jに示すように、横座標に垂直な補助線を作成すると、円心を通る円の運動軌跡の方向における直線P1P2と補助線とがθ角度をなすことが分かる。三角形計算式より明らかに、線分ABがP1P2直線に垂直であるため、角P2P1Bは直角になり、このため、角Bの角度もθ角度である。
【0186】
上記の問題は、如何にしてθ角度を求めることに相当し、
図2jに示すように、
図2jに示す計算を採用して、P1とP2の2つの点が既知になると、この2つの点から角度θを求めることができる。θ角度を算出すると、B点の座標を算出することができ、具体的には、
図2kのように計算する。同様に、
図2lに示す計算方式を採用して、A点の座標も算出できる。2つの円の計算方式が異なるので、
図2mの方式で、点CとDの座標を算出することもできる。
【0187】
本ステップでは、計算方式を数学の問題に変換すると、各タッチポイントに対応する円形の円心座標を決定し、本実施例では、これを円形円心座標とし、また、2つの円形を接続して形成する各重要交差点の座標を算出することもできる。
【0188】
c2:各タッチポイントに対応する円形円心座標及び各重要交差点座標を前記第2構築対象幾何学的図形に対応する重要幾何学的情報とする。
【0189】
上記で決定された各座標点情報は、消去用幾何学的形態が円形である場合に関する重要幾何学的情報としてもよいことが想定されている。
【0190】
以上では、ステップS2053において、消去用幾何学的形態が角丸長方形である場合の重要幾何学的情報の決定の具体的な実装が記載されている
さらに、消去用幾何学的形態が任意の不規則な形状である場合、上記のステップS2053の第3好適な実施項の実行の実装について、具体的には、以下のように説明する。
【0191】
a3:前記任意の不規則な形状を前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントによる第3構築対象幾何学的図形とし、前記第3構築対象幾何学的図形に含まれる組み合わせ図形情報を決定する。
【0192】
本実施例では、任意の不規則な形状とは、折れ線及び/又は弧線からなる組み合わせ集合図形として理解することができ、本実施例では、好適には、該任意の不規則な形状は、隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントに関連する消去領域の図形表現であり、本実施例では、第3構築対象幾何学的図形とする。
【0193】
不規則な形状の表現形式により、該不規則な形状には、具体的にはどの図形情報が含まれるかを決定することができ、例えば、折れ線図形も、円弧図形等も含まれていてもよく、決定されたこれらの情報は、すべて組み合わせ図形情報としてもよい。
【0194】
一例として、
図2nは、本願の実施例2による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態が任意の不規則な形状である場合の効果表示図を示しており、
図2nに示すように、該任意の不規則な形状24は、多角形と円形との組み合わせであってもよい。
【0195】
b3:前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントについて、関するタッチポイント情報を前記組み合わせ図形情報と組み合わせて、前記第3構築対象幾何学的図形のうち前記タッチポイントに対して存在する重要軌跡点及び前記第3構築対象幾何学的図形の図形表示情報を決定する。
【0196】
本実施例では、具体的には、下記のように不規則な形状に対応する重要幾何学的情報を決定してもよく、好適には、本実施例では、前記関するタッチポイント情報を前記組み合わせ図形情報と組み合わせて、前記第3構築対象幾何学的図形のうち前記タッチポイントに対して存在する重要軌跡点及び前記第3構築対象幾何学的図形の図形表示情報を決定するステップは、具体的には、以下の通りであってもよい。
【0197】
b31:前記組み合わせ図形情報を分析する。
【0198】
本実施例では、組み合わせ図形情報を分析することにより、該任意の不規則な形状には、具体的には、どのような形状が含まれているかがわかり、例えば、折れ線・多角形、円弧形又は円形、又は折れ線・多角形と円形との両方などを含んでもよい。
【0199】
b32:前記第3構築対象幾何学的図形に折れ線・多角形のみが含まれていると判定した場合、関するタッチポイント情報に基づいて前記折れ線・多角形のうち前記タッチポイントに対して存在する重要軌跡点を決定し、前記折れ線・多角形を表す第1図形表示情報を取得する。
【0200】
本ステップb32では、折れ線・多角形のみが含まれている場合、該折れ線・多角形に関連する図形表示情報(第1図形表示情報)及び2つのタッチポイントに対応する各折れ線・多角形を接続したときに存在する重要軌跡点の決定の実装など、いくつかのケースが記載される。
【0201】
上記の最適化に基づいて、関するタッチポイント情報に基づいて前記折れ線・多角形のうち前記タッチポイントに対して存在する重要軌跡点を決定し、前記折れ線・多角形を表す第1図形表示情報を取得する上記のステップは、関するタッチポイント情報中のタッチポイント座標、タッチ高さ及びタッチ幅に基づいて、第1図形表示情報である折れ線・多角形の折れ線中心点座標及び各折れ線の頂点座標を決定するステップと、前記折れ線中心点座標及び関するタッチポイント情報に基づいて、各前記折れ線頂点座標の中から軌跡点の選別条件を満たす重要軌跡点を選択するステップと、を含む。
【0202】
具体的には、本実施例でも、上記の問題を数学の問題に変換して計算してもよい。ここで、不規則な形状が折れ線・多角形のみである場合、まず、2つのタッチポイントのタッチポイント座標により決定され得るタッチ移動方向における中心軸直線を求め、次に、折れ線・多角形のすべての頂点の、中心軸といての直線からの距離を求め、その後、中心軸直線からそれぞれ最も離れた頂点を、該折れ線・多角形について計算が必要な重要軌跡点とすることが考えられる。
【0203】
一例として、
図2o~
図2qは、本願の実施例2による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態が任意の不規則な形状で、かつ、折れ線幾何学的図形のみを含む場合の重要幾何学的情報の決定に関する概略説明図を示している。
【0204】
図2oに示すように、上記の計算過程は、以下の数学の問題として抽象化されてもよい。折れ線・多角形AとB及びタッチ移動方向ABが既知であり、折れ線・多角形Aが運動方向に沿って折れ線・多角形Bに変わる場合、折れ線・多角形Aから折れ線・多角形Bへの運動軌跡を求める。ここで、上記の計算の本質的な問題は、AB方向の2つの折れ線・多角形のうちのそれぞれの折れ線・多角形の2つの頂点を求め、対応する頂点を接続することである。接続用の各頂点は重要軌跡点に相当する。
【0205】
それぞれの幾何学的図形が独立したものであるため、計算を別々行うことができる。これに加えて、タッチ移動方向がベクトルであるため、ベクトルには座標がない。任意の折れ線・多角形について、任意のタッチ移動方向で利用可能な頂点を求める。当該頂点の特性を把握する必要があり、ベクトルには座標がないことから、計算の実装において、タッチ移動方向のベクトルを任意に水平に移動させてもよい。また、最も好ましくは、ベクトルを折れ線・多角形の中心点に水平に移動させる。
【0206】
この場合、上記の問題は、また、折れ線・多角形のうちベクトルに対応する直線から最も離れた2つの頂点を求める問題に変換されてもよく、この2つの頂点はそれぞれ直線の両側に位置する。
図2pに示す折れ線・多角形の場合は、点bと点dの線分ABからの距離は、それぞれ、線分の両側にある最も遠い点であることが明らかになる。よって、点bと点dは、
図2pに示す折れ線・多角形における2つの重要軌跡点であると考えられる。
【0207】
理解できるものとして、以上と同様な方法で隣接タッチポイントペアにおける多方のタッチポイントに対応する折れ線・多角形が対応する重要軌跡点を求め、対応する各頂点を接続すると、2つの折れ線・多角形からなる閉領域を取得し、形成された閉領域概略図は
図2qに示され、すなわち、
図2qにも、2つの折れ線・多角形を接続してなる移動輪郭幾何学的図形の効果表示が含まれている。
【0208】
b33:前記第3構築対象幾何学的図形に折れ線・多角形及び目標円形が含まれていると判定した場合、関するタッチポイント情報に基づいて前記折れ線・多角形及び重要円形において重要軌跡点を決定し、前記折れ線・多角形及び重要円形を表す第2図形表示情報を取得する。
【0209】
本ステップb33では、主として、折れ線・多角形に加えて、円形(本実施例では、目標円形とする)が含まれている場合、この不規則な形状(折れ線・多角形と円形との組み合わせ)に関連する図形表示情報(第2図形表示情報)及び2つのタッチポイントに対応する各不規則な形状を接続するときに存在する重要軌跡点の決定の実装である別のケースが記載されている。
【0210】
上記の実施例に基づいて、関するタッチポイント情報に基づいて前記折れ線・多角形及び重要円形において重要軌跡点を決定し、前記折れ線・多角形及び重要円形を表す第2図形表示情報を取得する上記のステップは、具体的には、関するタッチポイント情報中のタッチポイント座標、タッチ高さ及びタッチ幅に基づいて、前記折れ線・多角形の折れ線中心点座標と各折れ線頂点座標、及び重要円形の円心点座標と円形半径を決定し、これらを第2図形表示情報とし、折れ線中心点座標、円心点座標、円形半径及び関するタッチポイント情報に基づいて、前記重要円形の円周上及び各前記折れ線頂点座標の中から軌跡点選別条件を満たす重要軌跡点を選択する。
【0211】
一例として、本実施例では、同様に、上記の円形に関する重要幾何学的情報の決定を数学の問題に変換して説明し、ここで、
図2rと
図2sは、本願の実施例2による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態が任意の不規則な形状である場合の重要幾何学的情報の決定に関する概略説明図を示している。
【0212】
まず、該不規則な形状の効果表示は、
図2rに示すように、円形と折れ線・多角形を含んでもよい。また、本部分の具体的な実装は、数学の問題として抽象化されてもよく、すなわち、計算方法は、円のある接線が重要軌跡点とするに合致するか否かを判断する。その判断方法は、
図2rにおいて、まず、円心と線分ABとの距離を判断し、その後、距離に円の半径を加算したものを、円の線分からの最も遠い距離とすることである。この距離が最大距離を満たしていれば、円上の当該接点は重要軌跡点と満たされてもよい。
【0213】
上記で説明した重要軌跡点の決定について、以下のように説明する。具体的には、
図2sに示すように、現在の円に重要軌跡点が存在すれば、円の該重要軌跡点を求めるには、まず、円心を通ってAB直線に垂直な補助線CDと円との交差点を求めてもよく、ABから遠いb点はこの重要軌跡点である。
【0214】
c3:各前記組み合わせ図形の図形表示情報及び各前記重要軌跡点を前記第3構築対象幾何学的図形に対する前記タッチポイントの重要幾何学的情報とする。
【0215】
組み合わせ図形情報に基づいて、重要軌跡点を決定するには、上記のb3に含まれる3つのサブステップが使用されてもよく、また、決定された重要軌跡点及び各組み合わせ図形の図形表示情報が、第3構築対象幾何学的図形の重要幾何学的情報とされてもよいことが想定されている。
【0216】
なお、本実施例では、上記の組み合わせ図形の図形表示情報は、一般には、与えられたタッチポイント情報をいくつかのパラメータ情報と組み合わせて決定してもよく、その図形表示情報には、該組み合わせ図形の中心点及び頂点座標、又は円心座標及び円半径情報などが主に含まれている。
【0217】
S2054:各前記重要幾何学的情報に基づいて、前記消去用幾何学的形態に対して前記隣接タッチポイントペアにより構成される移動輪郭幾何学的図形を決定する。
【0218】
本実施例では、上記で決定された重要幾何学的情報は、実質的に隣接タッチポイントペアにおける2つのタッチポイントのそれぞれに対応する構築対象幾何学的図形の図形表示情報、及び対応する2つの図形表示情報を接続して形成した閉領域に関する幾何学的情報を含むことに相当する。このため、上記の重要幾何学的情報によれば、所望の移動輪郭幾何学的図形が構築され得る。
【0219】
移動輪郭幾何学的図形は消去用幾何学的形態にも関連するので、本実施例では、異なる消去用幾何学的形態にそれぞれ対応する移動輪郭幾何学的図形の決定の実装も説明されている。
【0220】
まず、理解できるものとして、消去用幾何学的形態が角丸長方形で、かつ、上記のS2053において第1好適な実施項の実行ステップにより重要幾何学的情報が決定されることに基づいて、S2054における移動輪郭幾何学的図形の決定は、具体的には、下記で記載される第1好適な実施項によって実行されてもよい。
【0221】
a4:前記隣接タッチポイントペアの重要幾何学的情報に基づいて、対応する角丸長方形の面取り円心座標を抽出し、外接輪郭を構築するのに必要な重要円心点を選択する。
【0222】
b4:各前記重要円心点に基づいてそれぞれ決定された重要円形領域を取得する。
【0223】
c4:前記隣接タッチポイントペアの重要幾何学的情報に基づいて、対応する角丸長方形の長方形頂点座標及び中心点座標を抽出し、外接輪郭を構築するのに必要な重要接続点ペアを選択する。
【0224】
d4:各前記重要接続点ペアに基づいてそれぞれ決定された外接長方形領域、及び各前記長方形頂点座標に基づいて決定された頂点接続閉領域を取得する。
【0225】
e4:各前記重要円形領域、各前記外接長方形領域及び前記頂点接続閉領域を組み合わせて、前記角丸長方形に対して前記隣接タッチポイントペアにより構成される第1移動輪郭図形を形成する。
【0226】
上記の消去用幾何学的形態が角丸長方形である場合の重要幾何学的情報の決定に関する例示的な説明より明らかに、与えられた
図2hには、角丸長方形に対応する移動輪郭幾何学的図形である第1移動輪郭図形が含まれている。
図2hにおいて、該第1移動輪郭図形に、8つの円形領域(具体的には、上記のa4とb4の2つのステップで決定される重要円形領域に対応)が含まれており、また、填充表示を行う各填充長方形領域(具体的には、上記のc4とd4の2つのステップで決定された外接長方形領域に対応)、例えば長方形ABA1B2、長方形AFA2F1なども含まれており、上記のc4とd4の2つのステップで決定するときに選別された重要接続点ペアは、A1B2、AB、AF、A2F1、F2E1、EF、BC及びB2C2などを含んでもよい。
【0227】
これに加えて、上記のc4とd4の2つのステップによれば、頂点接続閉領域、例えば
図2hにおいて点ABCDEFに基づいて構成された多角形領域も決定されてもよく、この多角形領域も、第1移動輪郭図形の一部として
図2hに含まれている。
【0228】
同様に、消去用幾何学的形態が円形で、かつ、上記のS2053において第2好適な実施項の実行ステップによって重要幾何学的情報を決定することに基づいて、S2054における移動輪郭幾何学的図形の決定は、具体的には、下記で記載される第2好適な実施項によって実行されてもよい。
【0229】
a5:前記隣接するタッチポイントの重要幾何学的情報から、円形円心座標を抽出する。
【0230】
b5:各前記円形円心座標に基づいて決定された第2構築対象幾何学的図形領域を取得する。
【0231】
c5:前記隣接するタッチポイントの重要幾何学的情報から、各重要交差点座標を抽出する。
【0232】
d5:各前記重要交差点座標に基づいて決定された重要交差点接続領域を取得する。
【0233】
e5:各前記第2構築対象幾何学的図形と前記重要交差点接続領域とを組み合わせて、前記円形に対して前記隣接タッチポイントペアにより構成される第2移動輪郭図形を形成する。
【0234】
上記の消去用幾何学的形態が円形である場合の重要幾何学的情報の決定に関する例示的な説明より明らかに、与えられた
図2iには、円形に対応する移動輪郭幾何学的図形である第2移動輪郭図形が含まれている。
図2iにおいては、該第2移動輪郭図形には、2つの円形領域(具体的には、上記のa5とb5の2つのステップで決定された第2構築対象幾何学的図形領域に対応)が含まれ、また、頂点ABCDを接続して形成した四角形領域(具体的には、上記のc5とd5の2つのステップでされた重要交差点接続領域に対応)も含まれている。
図2iにおいては、円形領域と重要交差点接続領域との組み合わせは第2移動輪郭図形となる。
【0235】
これに加えて、消去用幾何学的形態が任意の不規則な形状で、かつ、上記のS2053において第3好適な実施項の実行ステップにより重要集合情報を決定することに基づいて、S2054における移動輪郭集合図形の決定は、具体的には、下記で記載される第3好適な実施項によって実行されてもよい。
【0236】
a6:前記隣接タッチポイントペアの重要幾何学的情報の中から第1図形表示情報又は第2図形表示情報をそれぞれ抽出する。
【0237】
ここで、第1図形表示情報は、好適には、折れ線・多角形の図形表示情報であり、第2図形表示情報は、好適には、折れ線・多角形と円形相組み合わせとの図形表示情報である。
【0238】
b6:対応する第1図形表示情報又は第2図形表示情報に基づいてそれぞれ決定された組み合わせ幾何学的図形を取得する。
【0239】
ここで、決定された組み合わせ幾何学的図形は、折れ線・多角形、又は、折れ線・多角形と円形との組み合わせである。
【0240】
c6:前記隣接タッチポイントペアの重要幾何学的情報の中から重要軌跡点をそれぞれ抽出する。
【0241】
d6:各前記重要軌跡点を接続して形成した重要軌跡領域を取得する。
【0242】
e6:各前記組み合わせ幾何学的図形と前記重要軌跡領域とを組み合わせて、前記任意の不規則な形状に対して前記隣接タッチポイントペアにより形成された第3移動輪郭図形を形成する。
【0243】
上記の消去用幾何学的形態が任意の不規則な形状である場合の重要幾何学的情報の決定に関する例示的な説明に続き、
図2qを例にして、不規則な形状に折れ線・多角形のみが含まれている場合に対応する移動輪郭幾何学的図形としてもよい。
図2qにおいて、第1図形表示情報により2つの折れ線・多角形領域を取得し、重要軌跡点により、2つの折れ線・多角形を接続した閉領域を取得してもよく、該閉領域は重要軌跡領域に相当する。
【0244】
なお、目標消去対象筆跡の具体的な決定については、本実施例2の第2好適な実施例として、上記の第1好適な実施例に基づいてさらに細分化してもよい。具体的には、上記のS205で消去用幾何学的形態が角丸長方形であると決定し、かつS2053に対応する第1好適な実施項によって重要幾何学的情報を決定し、また、S2054に対応する第1好適な実施項によって移動輪郭幾何学的図形を決定することに基づいて、本第2好適な実施例では、
図2bに示す流れに従って、目標消去対象筆跡を決定する。
【0245】
ここで、
図2tは、本願の実施例2による筆跡消去方法における目標消去対象筆跡の決定の一例の実装の流れ図を示している。
図2tに示すように、本第2好適な実施例では、消去対象筆跡に含まれる各筆跡点を分析して、各前記筆跡点と前記移動輪郭幾何学的図形とについてヒットテストを行い、前記移動輪郭幾何学的図形内に入る目標消去対象筆跡を決定する上記のステップS206は、具体的には、下記ステップにさらに分けられる。
【0246】
S2061:前記第1移動輪郭図形を分解して、前記頂点接続閉領域、及び対応する数の外接長方形領域と重要円形領域を取得する。
【0247】
上記の消去用幾何学的形態が角丸長方形である場合の重要幾何学的情報の決定に関する例示的な説明より明らかに、与えられた
図2hには、角丸長方形に対応する移動輪郭幾何学的図形が含まれており、該
図2hに含まれる図形が分解されると、頂点接続閉領域、各重要接続点ペアに基づいて形成される複数の外接長方形領域、及び8つの重要円形領域が含まれる。
【0248】
S2062:前記消去対象筆跡に含まれる筆跡点ごとに、前記筆跡点と前記頂点接続閉領域及び各前記外接長方形領域とについて第1ヒットテストを行う。
【0249】
本実施例では、前記筆跡点と各前記外接長方形領域とについて第1ヒットテストを行う前記の具体的な実装は、好適には、前記頂点接続閉領域と各前記外接長方形領域とを組み合わせて、対応する凸多角形領域を取得し、前記凸多角形領域を構成する各領域頂点を取得することと、前記筆跡点を各前記領域頂点にそれぞれ接続して、前記領域頂点と同一の数の三角形を取得することと、各前記三角形において前記筆跡点で構成される頂角の角度値を決定することと、各前記角度値の和が360度であれば、前記筆跡点の第1ヒットテストに成功したと判定することと、を含んでもよい。
【0250】
一例として、
図3及び
図4は、本願の実施例2による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態が角丸長方形である場合に使用されるヒットテストの実装の概略説明図を示している。
図3に示すように、第1点25がヒットテスト対象の筆跡点であり、第1多角形26が抽象化された第1移動輪郭図形に対応する輪郭であると仮設すれば、第1点25と第1多角形26の各頂点とを接続し、
図4に示す第1接続
図27を構成し、次に、
図4に示す各三角形における第1点25の角度値を決定し、最後に、角度値の和が360度であるか否かを計算し、360度であれば、第1ヒットテストに成功したと判定するようにしてもよい。
【0251】
S2063:第1ヒットテストに成功すれば、前記筆跡点を第1目標点集合に追加し、成功しなければ、前記筆跡点と各前記重要円形領域とについて第2ヒットテストを行う。
【0252】
本実施例では、前記筆跡点と各前記重要円形領域とについて第2ヒットテストを行う前記具体的な実装は、好適には、各前記重要円形領域の領域円心及び領域半径を取得して、前記筆跡点と各前記領域円心との接続線の長さを決定すること、該領域半径未満の長さの接続線が存在すれば、前記筆跡点の第2ヒットテストに成功したと判定することと、を含む。
【0253】
S2064:第2ヒットテストに成功すれば、前記筆跡点を前記第1目標点集合に追加する。
【0254】
S2065:前記第1目標点集合における各筆跡点で形成された筆跡を前記移動輪郭幾何学的図形内に入る目標消去対象筆跡として決定する。
【0255】
理解できるものとして、第1目標点集合には、第1移動輪郭図形とのヒットテストに成功したすべての筆跡点が集約されており、これらの筆跡点に基づいて、表示インターフェースにおいてどの消去対象筆跡が該第1移動輪郭図形内に入るかを復元し、これらの消去対象筆跡を目標消去対象筆跡とすることができる。
【0256】
同様に、目標消去対象筆跡の具体的な決定については、本実施例2の第3好適な実施例として、上記の第1好適な実施例に基づいて細分化してもよい。具体的には、上記のS205により消去用幾何学的形態が円形であると決定し、かつ、S2053に対応する第2好適な実施項により重要幾何学的情報を決定し、また、S2054に対応する第2好適な実施項により移動輪郭幾何学的図形を決定することに基づいて、本第3好適な実施例では、
図5に示す流れに従って、目標消去対象筆跡を決定する。
【0257】
図5は、本願の実施例2による筆跡消去方法における目標消去対象筆跡の決定の別の実装の流れ図を示している。
図5に示すように、本第3好適な実施例では、前記消去対象筆跡に含まれる各筆跡点を分析して、各前記筆跡点と前記移動輪郭幾何学的図形とについてヒットテストを行い、前記移動輪郭幾何学的図形内に入る目標消去対象筆跡を決定する上記のステップS206は、具体的には、下記ステップにさらに分けられる。
【0258】
S2601:前記第2移動輪郭図形を分解して、1つの重要交差点接続領域及び2つの第2構築対象幾何学的図形を取得する。
【0259】
上記の消去用幾何学的形態が角丸長方形である場合の重要幾何学的情報の決定に関する例示的な説明より明らかに、与えられた
図2iには、角丸長方形に対応する移動輪郭幾何学的図形が含まれている。
図2iに含まれる第2移動輪郭図形が分解されると、2つの円形領域及び重要交差点接続領域がある。
【0260】
S2602:前記消去対象筆跡に含まれる筆跡点ごとに、前記筆跡点と前記重要交差点接続領域とについて第3ヒットテストを行う。
【0261】
ここで、本実施例では、前記筆跡点と前記重要交差点接続領域とについて第3ヒットテストを行うステップは、具体的には、前記重要交差点接続領域が長方形領域であると判定した場合、前記長方形領域から1つの頂点を選択して2つの長方形辺ベクトルを形成し、前記筆跡点と各前記長方形辺ベクトルとを比較することにより、前記筆跡点と前記長方形領域とのヒットテストを行うステップと、方形領域ではない場合、前記重要交差点接続領域の各頂点に基づいて、前記頂点と同数の比較対象ベクトルを決定するステップと、前記筆跡点と各前記比較対象ベクトルとを比較することにより、前記筆跡点と前記長方形領域とのヒットテストを行うステップと、を含む。
【0262】
本実施例では、重要交差点接続領域は、好適には、長方形領域(例えば、2つの円形の半径が同じ)であるが、長方形領域ではない場合もある(例えば、2つの円形の半径が異なる)。本実施例では、これら2つの場合のヒットテストの実装が記載される。一例として、
図6及び
図7は、本願の実施例2による筆跡消去方法における消去用幾何学的形態が円形である場合にこれらのヒットテストの一方を用いた実装の概略説明図を示している。
【0263】
重要交差点接続領域が長方形領域である場合、ヒットテストの問題を、長方形内にあるか否かを求めることに変換してもよく、
図6に示すように、長方形の頂点ABC及びDが既知であり、筆跡点のM点が長方形内にあるか否かを求める。次に、
図7に示すように、ベクトルAB、AC及びAMの3つのベクトルを作成する。最後に、以下の式(0<AM・AB<AB・AB)∧(0<AM・AC<AC・AC)により、筆跡点が長方形内にあるか否かを判定する。長方形内にある場合、筆跡点が第3ヒットテストを満たすとする。
【0264】
また、重要交差点接続領域が不規則的な多角形である場合、数学の問題に変換すると、まず、多角形の各頂点を、隣接する順序に従って、接続してベクトルとしてもよく、点のベクトルにおけるある方向を如何にして判断するかは、実質的に2つのベクトルがなす角を判断するとともに、幾何学的に隣接する点及び判断が必要な点のそれぞれについて2つのベクトルを作成することであり、これにより、2つのベクトルがなす角を求めることができる。
【0265】
ベクトルの1つの特性、すなわちベクトルのクロス積により判断を行い、具体的には、幾何学的辺上の点を選択し、時計回り方向又は反時計回り方向を任意に選択して、該点を隣接する次の点と接続してベクトルを構成し、次に、該点を判断が必要な点と組み合わせてベクトルを構成し、この2つのベクトルのクロス積の値を求める。
【0266】
すべてのベクトルのクロス積が同じ方向にある場合、点がすべての幾何学的に隣接する辺からなる線分集の同一側にあり、つまり、筆跡点が不規則的な多角形の内部にある。一方、ベクトルのクロス積がすべて同じ方向にあることの判断は、クロス積の数値が零よりも大きいか否かにより行われてもよく、すべてのクロス積の数値が零よりも大きく又は零よりも小さい場合、筆跡点が不規則的な多角形の内部にある。数値が零のクロス積が存在する場合、筆跡点が不規則的な多角形のある辺上にあることを示す。
【0267】
S2063:第3ヒットテストに成功すれば、前記筆跡点を第2目標点集合に追加し、成功しなければ、前記筆跡点と各前記第2構築対象幾何学的図形とについて、点と円形領域との第4ヒットテストを行う。
【0268】
理解できるものとして、第4ヒットテストは、同様に、筆跡点が円形領域内にあるか否かのテストである。
【0269】
S2064:第4ヒットテストに成功すれば、前記筆跡点を前記第2目標点集合に追加する。
【0270】
S2065:前記第2目標点集合における各筆跡点に基づいて形成された筆跡を前記移動輪郭幾何学的図形内に入る目標消去対象筆跡として決定する。
【0271】
同様に、第2目標点集合には、第2移動輪郭図形とのヒットテストに成功したすべての筆跡点が要約されており、これらの筆跡点に基づいて表示インターフェースにおいてどの消去対象筆跡が該第2移動輪郭図形内に入ることを復元し、これらの消去対象筆跡を目標消去対象筆跡とすることができる。
【0272】
これに加えて、目標消去対象筆跡の具体的な決定については、本実施例2の第4好適な実施例として、上記の第1好適な実施例に基づいて細分化してもよい。具体的には、上記のS205により消去用幾何学的形態が任意の不規則な形状であると決定し、かつ、S2053に対応する第3好適な実施項により重要幾何学的情報を決定し、また、S2054に対応する第3好適な実施項により移動輪郭幾何学的図形を決定することに基づいて、本第4好適な実施例では、
図8に示す流れに従って目標消去対象筆跡を決定する。
【0273】
図8は、本願の実施例2による筆跡消去方法における目標消去対象筆跡の決定のさらに別の実装の流れ図を示している。
図8に示すように、本第3好適な実施例では、前記消去対象筆跡に含まれる各筆跡点を分析して、各前記筆跡点と前記移動輪郭幾何学的図形とについてヒットテストを行い、前記移動輪郭幾何学的図形内に入る目標消去対象筆跡を決定する上記のステップS206は、具体的には、下記ステップにさらに分けられる。
【0274】
S261:前記第3移動輪郭図形を分解して、前記重要軌跡領域及び各前記組み合わせ幾何学的図形を取得する。
【0275】
上記の消去用幾何学的形態が任意の不規則な形状である場合の重要幾何学的情報の決定に関する例示的な説明に続き、上記の
図2qを例にして、不規則な形状に折れ線・多角形のみが含まれている場合に対応する移動輪郭幾何学的図形としてもよい。
図2qにおいては、該第3移動輪郭図形が分解されると、2つの折れ線・多角形領域及び重要軌跡点で形成される重要軌跡領域が得られる。
【0276】
S262:前記消去対象筆跡に含まれる筆跡点ごとに、組み合わせ幾何学的図形が折れ線・多角形だけである場合、前記筆跡点と各前記折れ線・多角形とについて回転角法による回転角ヒットテストを行うか、又は、組み合わせ幾何学的図形に折れ線・多角形と重要円形が含まれていれば、筆跡点と各前記折れ線・多角形及び重要円形のそれぞれとについて距離法による距離ヒットテストを行う。
【0277】
理解できるものとして、前記回転角ヒットテストは、本実施例の上記の
図3及び
図4に基づいて説明されるヒットテストの実装方式として理解され得る。前記距離ヒットテストは、本実施例の上記の筆跡点と円形領域とのヒットテストに関する実装方式として理解され得る。
【0278】
S263:回転角ヒットテスト又は距離ヒットテストに成功した場合、前記筆跡点を第3目標点集合に追加し、成功していない場合、前記筆跡点と前記重要軌跡領域とについてベクトルヒットテストを行い、ベクトルヒットテストに成功した場合、前記筆跡点を第3目標点集合に追加する。
【0279】
同様に、理解できるものとして、前記ベクトルヒットテストは、本実施例の上記の第3ヒットテストについて述べるときに、点と不規則的な多角形のベクトルの判断に基づいて行われるヒットテストの実装として理解され得る。
【0280】
S264:前記第3目標点集合における各筆跡点に基づいて形成された筆跡を前記移動輪郭幾何学的図形内に入る目標消去対象筆跡として決定する。
【0281】
同様に、該第3目標点集合には、第3移動輪郭図形とのヒットテストに成功したすべての筆跡点が要約されており、これらの筆跡点に基づいて表示インターフェースにおいてどの消去対象筆跡が該第3移動輪郭図形内に入るかを復元し、これらの消去対象筆跡を目標消去対象筆跡とすることができる。
【0282】
本実施例2では、本実施例2の第5好適な実施例として、提供される筆跡消去方法の特殊なケースの実装が記載される。本第5好適な実施例では、上記の第1好適な実施例に基づいて細分化してもよく、具体的には、本第5好適な実施例では、上記のS205により、取得したタッチポイント情報に基づいて、移動中のタッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態を決定する操作を実行した後に、下記操作をさらに追加してもよい。
【0283】
なお、この特殊なケースは、消去用幾何学的形態が角丸長方形である場合、タッチオブジェクトがディスプレイ上を移動しておらず、静止状態でディスプレイに接触するものとして理解され得る。この場合、タッチフレームによってフィードバックされたタッチポイント情報は、タッチオブジェクトがディスプレイに接触するときに生成されるタッチポイント的情報であり、該タッチポイントに基づいて、消去用幾何学的形態が角丸長方形である構築対象消去領域が形成され、この構築対象消去領域は静的角丸長方形に相当する。よって、このような場合、本第5好適な実施例の具体的な実装は、以下のとおりである。
【0284】
a:前記消去用幾何学的形態が角丸長方形であると決定し、前記タッチオブジェクトが設定された時間内で移動しないと監視した場合、前記タッチオブジェクトが前記設定された時間内で前記ディスプレイに接触したときに対応する静的タッチポイントを決定する。
【0285】
ここで、前記静的タッチポイントは、タッチオブジェクトが最初にディスプレイに接触するときに生成されるタッチ信号に対応するタッチポイントとして理解され得る。本ステップでは、該静的タッチポイントのタッチポイント情報を取得することができる。
【0286】
b:前記静的タッチポイントのタッチポイント情報に基づいて、前記静的タッチポイントに対する静的角丸長方形を決定する。
【0287】
上記の実施例において角丸長方形に関する説明より明らかに、静的タッチポイントのタッチポイント情報が既知になると、該静的角丸長方形を表す関連幾何学的情報を決定することができる。
図9は、本願の実施例2による筆跡消去方法における静的角丸長方形の効果表示図を示す。
図9に示すように、該静的角丸長方形に2つの長方形(2つの填充長方形領域)と4つの円形が含まれると考えられる。すなわち、本実施例では、好適には、前記静的角丸長方形は、2つの静的長方形領域と、4つの静的円形領域と、を含む。
【0288】
よって、該静的角丸長方形の決定は、上記の2つの長方形及び上記の4つの円形に関する幾何学的情報の決定に相当する。一方、本実施例における上記の対角丸長方形に関連する各頂点座標の決定操作によって、上記の2つの長方形の頂点座標、及び4つの円形の円心座標と半径情報を決定することもでき、これにより、該静的角丸長方形に関する表示が得られることに相当する。
【0289】
c:前記消去対象筆跡に含まれる各筆跡点と前記静的角丸長方形とについてヒットテストを行い、前記インターフェースにおいて前記静的角丸長方形内に入る消去対象筆跡を消去する。
【0290】
上記の最適化に基づいて、前記消去対象筆跡に含まれる各筆跡点と前記静的角丸長方形とについてヒットテストを行い、前記インターフェースにおいて前記静的角丸長方形内に入る消去対象筆跡を消去する上記のステップは、前記消去対象筆跡における筆跡点ごとに、前記筆跡点と2つの静的長方形領域及び4つの円形領域のそれぞれとについてヒットテストを行う前記筆跡点がヒットテストに成功する条件を満たしていれば、前記筆跡点を静的点集合に追加するステップと、前記静的点集合における各筆跡点に基づいて形成された筆跡を消去するステップと、を含む。
【0291】
筆跡点と静的角丸長方形とのテストには、具体的には、筆跡点と長方形領域とのヒットテスト及び筆跡点と円形領域とのヒットテストが含まれていることが想定されている。長方形領域のテストに関しては、上記の長方形のヒットテスト(ベクトル法ヒットテスト)に関する説明のように実施されてもよく、円形領域のテストも、上記の円形ヒットテスト(距離法ヒットテスト)に関する説明のように実施されてもよい。
【0292】
実施例3
図10は、本願の実施例3による筆跡消去装置の構造ブロック図であり、筆跡消去装置はインタラクティブタブレットに集積されてもよく、インタラクティブタブレットにおけるタッチフレームのタッチ応答精度が所定の精度範囲内に収まる。前記装置は、具体的には、表示モジュール31と、トリガーモジュール32と、消去モジュール34と、を含んでもよい。
【0293】
表示モジュール31は、消去対象筆跡を含む表示インターフェースをディスプレイに表示する。
【0294】
トリガーモジュール32は、ユーザによるトリガーによって生成される筆跡消去命令を受信して、筆跡消去モードに入る。
【0295】
取得モジュール33は、ユーザによって操作制御されるタッチオブジェクトが前記ディスプレイの表面に触れて移動する場合、前記タッチフレームによってフィードバックされたタッチポイント情報を取得する。
【0296】
消去モジュール34は、取得したタッチポイント情報及び前記消去対象筆跡を分析して、前記タッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態で前記インターフェース中の消去対象筆跡を消去する。
【0297】
本願の実施例3は筆跡消去装置を提供しており、該装置の実行主体であるインタラクティブタブレットは、ハードウェア構造上、高精度タッチフレームが配置されており、配置された高精度タッチフレームは、本実施例による所方法により、ソフトウェアアプリケーションレベルで機能が最適化されており、ソフトウェアレベルで最適化がなさっていない関連技術のインタラクティブタブレットと比べて、本実施例3では、インタラクティブタブレットに筆跡消去装置が集積されており、該装置は、インターフェース中の消去対象筆跡に対する消去応答がユーザにより使用されるタッチオブジェクトに対する消去用幾何学的形態により合わせることを確保し、消去過程における消去領域の柔軟な調整を可能とし、インタラクティブタブレットからの消去効率を向上させることができる。
【0298】
さらに、前記タッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態は、前記タッチオブジェクトがディスプレイ上に作用するタッチ面積で表現され、前記消去用幾何学的形態は、角丸長方形、円形及び任意の不規則な形状を含む。
【0299】
さらに、取得モジュール33は、具体的には、タッチオブジェクトが前記ディスプレイの表面に触れて移動する場合、前記タッチフレームのハードウェア回路によって、前記タッチオブジェクトが前記ディスプレイ上を移動して生成される各タッチ信号を識別し、前記タッチフレームがヒューマンコンピュータインタラクションのHID標準プロトコルに従って前記タッチ信号ごとにフィードバックしたタッチポイント情報を取得し、1つのタッチポイント情報は1つのタッチポイントに対応しており、前記タッチポイント情報は、タッチポイント座標、タッチポイントの高さと幅、及びタッチ回転角度を含むようにしてもよい。
【0300】
さらに、該装置は、さらに入力処理モジュールを含み、前記入力処理モジュールは、前記タッチフレームによってフィードバックされたタッチポイント情報を取得した後に、各前記タッチポイント情報が統一した単位フォーマット及びデータ構造を有するように、各前記タッチポイント情報を処理してもよい。
【0301】
上記の最適化に基づいて、前記入力処理モジュールが各前記タッチポイント情報を処理する具体的な実装は、取得したタッチフレームのサイズ情報及び画面解像度情報に基づいて、前記タッチポイント情報中の各データ情報の単位を統一した所定の単位フォーマットに変換するステップと、前記所定の単位フォーマットに対応するデータ構造で、前記タッチポイント情報を記録するステップと、を含んでもよい。
【0302】
さらに、消去モジュール34は、具体的には、取得したタッチポイント情報に基づいて、移動中のタッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態を決定し、前記消去用幾何学的形態で移動中の隣接タッチポイントペアにより形成する移動輪郭幾何学的図形を決定する形態輪郭決定ユニットと、前記消去対象筆跡に含まれる各筆跡点を分析して、各前記筆跡点と前記移動輪郭幾何学的図形とについてヒットテストを行い、前記移動輪郭幾何学的図形内に入る目標消去対象筆跡を決定する目標筆跡決定ユニットと、前記表示インターフェースにおいて前記目標消去対象筆跡を消去する消去実行ユニットと、を含んでもよい。
【0303】
上記の最適化に基づいて、形態輪郭決定ユニットは、具体的には、前記タッチオブジェクトが移動中に最初に前記ディスプレイに接触するときに生成されるタッチポイントのタッチポイント情報である重要タッチポイント情報を抽出し、前記重要タッチポイント情報中の重要タッチ面積を取得する情報取得サブユニットと、前記重要タッチ面積が属する面積閾値範囲及び面積形態を決定して、属する面積閾値範囲に対応する各幾何学的形態の中から前記面積形態にマッチングする目標形態を検索し、前記目標形態を前記タッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態として決定する形態決定サブユニットと、移動中の前記タッチオブジェクトの隣接タッチポイントペアごとに、前記隣接タッチポイントペアに関するタッチポイント情報を分析して、前記消去用幾何学的形態に対する隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントの重要幾何学的情報を決定する幾何学的情報決定サブユニットと、各前記重要幾何学的情報に基づいて、前記消去用幾何学的形態に対して前記隣接タッチポイントペアにより構成される移動輪郭幾何学的図形を決定する輪郭決定サブユニットと、を含んでもよい。
【0304】
上記の最適化に基づいて、前記消去用幾何学的形態が角丸長方形である場合、前記角丸長方形は、1つの長方形と、長方形の各頂点を円心とした面取りと、を含み、前記幾何学的情報決定サブユニットは、具体的には、前記角丸長方形を前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントによる第1構築対象幾何学的図形とし、前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントについて、関するタッチポイント情報中のタッチポイント座標、タッチ幅、タッチ高さ及びタッチ回転角度を所定の面取り半径と組み合わせて、前記第1構築対象幾何学的図形における長方形の中心点座標、各面取りの円心座標と各重要接点の座標、及び2つの図形の接続点の座標を決定し、前記長方形の中心点座標、各面取りの円心座標と各重要接点座標、及び2つの図形の接続点の座標を、前記第1構築対象幾何学的図形に対する前記タッチポイントの重要幾何学的情報とみなし、前記第1構築対象幾何学的図形の各面取りは2つの重要接点を含み、各重要接点は、前記面取りとこれに隣接する面取りとが接線で接続されるときに対応する接点である。
【0305】
さらに、輪郭決定サブユニットは、具体的には、前記隣接タッチポイントペアの重要幾何学的情報に基づいて、対応する角丸長方形の面取り円心座標を抽出し、外接輪郭を構築するのに必要な重要円心点を選択し、各前記重要円心点に基づいてそれぞれ決定された重要円形領域を取得し、前記隣接タッチポイントペアの重要幾何学的情報に基づいて、対応する角丸長方形の長方形頂点座標及び中心点座標を抽出し、外接輪郭を構築するのに必要な重要接続点ペアを選択し、各前記重要接続点ペアに基づいてそれぞれ決定された外接長方形領域、及び各前記長方形頂点座標に基づいて決定された頂点接続閉領域を取得し、各前記重要円形領域、各前記外接長方形領域及び前記頂点接続閉領域を組み合わせて、前記角丸長方形に対して前記隣接タッチポイントペアにより構成される第1移動輪郭図形を形成するようにしてもよい。
【0306】
上記の実施例に基づいて、前記目標筆跡決定ユニットは、具体的には、前記第1移動輪郭図形を分解して、前記頂点接続閉領域、及び対応する数の外接長方形領域と重要円形領域を取得し、前記消去対象筆跡に含まれる筆跡点ごとに、前記筆跡点と前記頂点接続閉領域及び各前記外接長方形領域とについて第1ヒットテストを行い、第1ヒットテストに成功すれば、前記筆跡点を第1目標点集合に追加し、成功しなければ、前記筆跡点と各前記重要円形領域とについて第2ヒットテストを行い、第2ヒットテストに成功すれば、前記筆跡点を前記第1目標点集合に追加し、前記第1目標点集合における各筆跡点で形成された筆跡を前記移動輪郭幾何学的図形内に入る目標消去対象筆跡として決定するようにしてもよい。
【0307】
さらに、前記筆跡点と前記頂点接続閉領域及び各前記外接長方形領域とについて第1ヒットテストを行う具体的な実行ステップは、前記頂点接続閉領域と各前記外接長方形領域とを組み合わせて、対応する凸多角形領域を取得し、前記凸多角形領域を構成する各領域頂点を取得するステップと、前記筆跡点を各前記領域頂点にそれぞれ接続して、前記領域頂点と同一の数の三角形を取得するステップと、各前記三角形において前記筆跡点で構成される頂角の角度値を決定するステップと、各前記角度値の和が360度であれば、前記筆跡点の第1ヒットテストに成功したと判定するステップと、を含む。
【0308】
さらに、前記筆跡点と各前記重要円形領域とについて第2ヒットテストを行う具体的な実行ステップは、各前記重要円形領域の領域円心及び領域半径を取得して、前記筆跡点と各前記領域円心との接続線の長さを決定するステップと、該領域半径未満の長さの接続線が存在すれば、前記筆跡点の第2ヒットテストに成功したと判定するステップと、を含む。
【0309】
上記の実施例に基づいて、消去モジュール34は、静的消去実装ユニットをさらに含み、前記静的消去実装ユニットは、具体的には、前記取得したタッチポイント情報に基づいて、移動中のタッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態を決定した後に、前記消去用幾何学的形態が角丸長方形であると決定し、前記タッチオブジェクトが設定された時間内で移動しないと監視した場合、前記タッチオブジェクトが前記設定された時間内で前記ディスプレイに接触したときに対応する静的タッチポイントを決定する静的点決定サブユニットと、前記静的タッチポイントのタッチポイント情報に基づいて、前記静的タッチポイントに対する静的角丸長方形を決定する静的長方形決定サブユニットと、前記消去対象筆跡に含まれる各筆跡点と前記静的角丸長方形とについてヒットテストを行い、前記インターフェースにおいて前記静的角丸長方形内に入る消去対象筆跡を消去する静的ヒットテストサブユニットと、を含んでもよい。
【0310】
さらに、前記静的角丸長方形は、2つの静的長方形領域と、4つの静的円形領域と、を含み、この場合、静的ヒットテストサブユニットは、具体的には、前記消去対象筆跡における筆跡点ごとに、前記筆跡点と2つの静的長方形領域及び4つの円形領域のそれぞれとについてヒットテストを行い、前記筆跡点がヒットテストに成功する条件を満たしていれば、前記筆跡点を静的点集合に追加し、前記静的点集合における各筆跡点に基づいて形成された筆跡を消去するようにしてもよい。
【0311】
さらに、幾何学的情報決定サブユニットは、具体的には、前記消去用幾何学的形態が円形である場合前記円形を前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントによる第2構築対象幾何学的図形とし、前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントに関するタッチポイント情報中のタッチポイント座標、タッチ幅、タッチ高さに基づいて、対応する第2構築対象幾何学的図形の円形円心座標及び各重要交差点座標を決定し、各タッチポイントに対応する円形円心座標及び各重要交差点座標を前記第2構築対象幾何学的図形に対応する重要幾何学的情報とするようにしてもよい。
【0312】
上記の最適化に基づいて、前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントに関するタッチポイント情報中のタッチポイント座標、タッチ幅、タッチ高さに基づいて、対応する第2構築対象幾何学的図形の円形円心座標及び各重要交差点座標を決定する具体的な実行ステップは、前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントに関するタッチポイント情報中のタッチポイント座標、タッチ幅及びタッチ高さに基づいて、対応する第2構築対象円形の円形円心座標を決定するステップと、対応する2つの円形の円心座標を接続して、円心の接続線を取得するステップと、各前記円形の円心座標に基づいて前記円心接続線に垂直な直線をそれぞれ引き、各直線と対応する第2構築対象円形とが交差して決定した重要交差点座標を取得するステップと、を含んでもよい。
【0313】
さらに、輪郭決定サブユニットは、具体的には、前記隣接するタッチポイントの重要幾何学的情報に基づいて、この情報に含まれる円形円心座標を抽出し、各前記円形円心座標に基づいて決定された第2構築対象幾何学的図形領域を取得し、前記隣接するタッチポイントの重要幾何学的情報に基づいて、この情報に含まれる各重要交差点座標を抽出し、各前記重要交差点座標に基づいて決定された重要交差点接続領域を取得し、各前記第2構築対象幾何学的図形と前記重要交差点接続領域とを組み合わせて、前記円形に対して前記隣接タッチポイントペアにより構成される第2移動輪郭図形を形成するようにしてもよい。
【0314】
上記の最適化に基づいて、目標筆跡決定ユニットは、具体的には、前記第2移動輪郭図形を分解して、1つの重要交差点接続領域及び2つの第2構築対象幾何学的図形を取得し、前記消去対象筆跡に含まれる筆跡点ごとに、前記筆跡点と前記重要交差点接続領域とについて第3ヒットテストを行い、第3ヒットテストに成功すれば、前記筆跡点を第2目標点集合に追加し、成功しなければ、前記筆跡点と各前記第2構築対象幾何学的図形とについて、点と円形領域との第4ヒットテストを行い、第4ヒットテストに成功すれば、前記筆跡点を前記第2目標点集合に追加し、前記第2目標点集合における各筆跡点に基づいて形成された筆跡を前記移動輪郭幾何学的図形内に入る目標消去対象筆跡として決定するようにしてもよい。
【0315】
さらに、前記筆跡点と前記重要交差点接続領域とについて第3ヒットテストを行う具体的な実行ステップは、前記重要交差点接続領域が長方形領域であると判定した場合、前記長方形領域から1つの頂点を選択して2つの長方形辺ベクトルを形成し、前記筆跡点と各前記長方形辺ベクトルとを比較することにより、前記筆跡点と前記長方形領域とのヒットテストを行うステップと、長方形領域ではない場合、前記重要交差点接続領域の各頂点に基づいて、前記頂点と同数の比較対象ベクトルを決定するステップと、前記筆跡点と各前記比較対象ベクトルとを比較することにより、前記筆跡点と前記長方形領域とのヒットテストを行うステップと、を含む。
【0316】
さらに、幾何学的情報決定サブユニットは、具体的には、さらに、消去用幾何学的形態が任意の不規則な形状である場合、前記任意の不規則な形状を前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントによる第3構築対象幾何学的図形とし、前記第3構築対象幾何学的図形に含まれる組み合わせ図形情報を決定し、前記隣接タッチポイントペアにおける各タッチポイントについて、関するタッチポイント情報を前記組み合わせ図形情報と組み合わせて、前記第3構築対象幾何学的図形のうち前記タッチポイントに対して存在する重要軌跡点及び前記第3構築対象幾何学的図形の図形表示情報を決定し、各前記組み合わせ図形の図形表示情報及び各前記重要軌跡点を前記第3構築対象幾何学的図形に対する前記タッチポイントの重要幾何学的情報とするようにしてもよい。
【0317】
さらに、関するタッチポイント情報を前記組み合わせ図形情報と組み合わせて、前記第3構築対象幾何学的図形のうち前記タッチポイントに対して存在する重要軌跡点及び前記第3構築対象幾何学的図形の図形表示情報を決定する具体的な実行ステップは、前記組み合わせ図形情報を分析するステップと、前記第3構築対象幾何学的図形に折れ線・多角形のみが含まれていると判定した場合、関するタッチポイント情報に基づいて前記折れ線・多角形のうち前記タッチポイントに対して存在する重要軌跡点を決定し、前記折れ線・多角形を表す第1図形表示情報を取得するステップと、前記第3構築対象幾何学的図形に折れ線・多角形及び目標円形が含まれていると判定した場合、関するタッチポイント情報に基づいて前記折れ線・多角形及び重要円形において重要軌跡点を決定し、前記折れ線・多角形及び重要円形を表す第2図形表示情報を取得するステップと、を含んでもよい。
【0318】
さらに、関するタッチポイント情報に基づいて前記折れ線・多角形のうち前記タッチポイントに対して存在する重要軌跡点を決定し、前記折れ線・多角形を表す第1図形表示情報を取得する具体的な実行ステップは、関するタッチポイント情報中のタッチポイント座標、タッチ高さ及びタッチ幅に基づいて、第1図形表示情報である折れ線・多角形の折れ線中心点座標及び各折れ線の頂点座標を決定するステップと、前記折れ線中心点座標及び関するタッチポイント情報に基づいて、各前記折れ線頂点座標の中から軌跡点の選別条件を満たす重要軌跡点を選択するステップと、を含んでもよい。
【0319】
さらに、関するタッチポイント情報に基づいて前記折れ線・多角形及び重要円形において重要軌跡点を決定し、前記折れ線・多角形及び重要円形を表す第2図形表示情報を取得する具体的な実行ステップは、関するタッチポイント情報中のタッチポイント座標、タッチ高さ及びタッチ幅に基づいて、前記折れ線・多角形の折れ線中心点座標と各折れ線頂点座標、及び重要円形の円心点座標と円形半径を決定し、これらを第2図形表示情報とするステップと、折れ線中心点座標、円心点座標、円形半径及び関するタッチポイント情報に基づいて、前記重要円形の円周上及び各前記折れ線頂点座標の中から軌跡点選別条件を満たす重要軌跡点を選択するステップと、を含んでもよい。
【0320】
上記の最適化に基づいて、輪郭決定サブユニットは、具体的には、前記隣接タッチポイントペアの重要幾何学的情報の中から第1図形表示情報又は第2図形表示情報をそれぞれ抽出し、対応する第1図形表示情報又は第2図形表示情報に基づいてそれぞれ決定された組み合わせ幾何学的図形を取得し、前記隣接タッチポイントペアの重要幾何学的情報の中から重要軌跡点をそれぞれ抽出し、各前記重要軌跡点を接続して形成した重要軌跡領域を取得し、各前記組み合わせ幾何学的図形と前記重要軌跡領域とを組み合わせて、前記任意の不規則な形状に対して前記隣接タッチポイントペアにより形成された第3移動輪郭図形を形成するようにしてもよい。
【0321】
上記の実施例に基づいて、目標筆跡決定ユニットは、具体的には、前記第3移動輪郭図形を分解して、前記重要軌跡領域及び各前記組み合わせ幾何学的図形を取得し、前記消去対象筆跡に含まれる筆跡点ごとに、組み合わせ幾何学的図形が折れ線・多角形だけである場合、前記筆跡点と各前記折れ線・多角形とについて回転角法による回転角ヒットテストを行うか、又は、組み合わせ幾何学的図形に折れ線・多角形と重要円形が含まれていれば、筆跡点と各前記折れ線・多角形及び重要円形のそれぞれとについて距離法による距離ヒットテストを行い、回転角ヒットテスト又は距離ヒットテストに成功した場合、前記筆跡点を第3目標点集合に追加し、成功していない場合、前記筆跡点と前記重要軌跡領域とについてベクトルヒットテストを行い、ベクトルヒットテストに成功した場合、前記筆跡点を第3目標点集合に追加し、前記第3目標点集合における各筆跡点に基づいて形成された筆跡を前記移動輪郭幾何学的図形内に入る目標消去対象筆跡として決定するようにしてもよい。
【0322】
実施例4
図11は、本願の実施例4によるインタラクティブタブレットの構造概略図である。該インタラクティブタブレットは、プロセッサ40、メモリ41、ディスプレイ42、入力装置43、出力装置44、及びタッチフレーム45を含む。該インタラクティブタブレットのプロセッサ40の数は1つ又は複数であってもよく、
図11には、1つのプロセッサ40が例示されている。該インタラクティブタブレットのメモリ41の数は1つ又は複数であってもよく、
図11には、1つのメモリ41が例示されている。該インタラクティブタブレットのプロセッサ40、メモリ41、ディスプレイ42、入力装置43、出力装置44及びタッチフレーム45は、バス又は他の方式で接続されてもよく、
図11には、バスによる接続が例示されている。
【0323】
メモリ41は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体として、ソフトウェアプログラム、コンピュータ実行可能プログラム及びモジュール、例えば本願の任意の実施例に記載のインタラクティブタブレットに対応するプログラム命令/モジュール(例えば、筆跡消去装置の表示モジュール31、トリガーモジュール32、取得モジュール33及び消去モジュール34)を記憶することができる。メモリ41は、主としてプログラム記憶領域とデータ記憶領域を含んでもよく、プログラム記憶領域は、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムを記憶してもよく、データ記憶領域は、機器の使用に応じて作成されるデータなどを記憶してもよい。これに加えて、メモリ41は、高速ランダム・アクセス・メモリ、不揮発性メモリ例えば少なくとも1つの磁気ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性ソリッドステート記憶デバイスを含んでもよい。いくつかの例では、メモリ41は、プロセッサ40に対してリモートに配置されたメモリをさらに含むことができ、これらのリモートメモリは、ネットワークを介してデバイスに接続されることができる。上述のネットワークの例には、インターネット、企業イントラネット、ローカル面積ネットワーク、移動通信ネットワーク、及びこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0324】
ディスプレイ42はタッチフレーム45に被覆され(
図11には、このような被覆関係が示されていない)、タッチスクリーンの上に構成されて、インタラクション内容を表示してもよく、一般には、ディスプレイ42は、プロセッサ40の指示に応じてデータを表示したり、ディスプレイ42に作用するタッチ操作を受け付けて、対応する信号をプロセッサ40や他の装置に送信したりする。
【0325】
入力装置43は、入力された数字又は文字情報を受信し、ディスプレイ機器のユーザ設定及び機能制御に関連する重要信号入力を生成するために使用されてもよく、グラフィックを取得するためのカメラ及びオーディオデータを取得するためのピックアップ機器であってもよい。出力装置44は、スピーカなどのオーディオ機器を含むことができる。なお、入力装置43及び出力装置44の具体的な構成は、実情に応じて設定可能である。
【0326】
タッチフレーム45に備えるタッチ応答精度が所定の精度範囲内に収まり、ハードウェア回路によってタッチオブジェクトによるタッチ操作に応答する。
【0327】
プロセッサ40は、メモリ41に記憶されたソフトウェアプログラム、命令及びモジュールを運行することで、機器の各種の機能アプリケーション及びデータ処理を実行することによって、上記の筆跡消去方法を実現する。
【0328】
上記で提供されるインタラクティブタブレットは、上記の任意の実施例による筆跡消去方法を実行するために使用されてもよく、対応する機能を備える。
【0329】
実施例5
本願の実施例5は、さらに、コンピュータ実行可能命令を含む記憶媒体を提供し、前記コンピュータ実行可能命令は、コンピュータプロセッサによって実行されると、消去対象筆跡を含む表示インターフェースをディスプレイに表示するステップと、ユーザによるトリガーによって生成される筆跡消去命令を受信して、筆跡消去モードに入るステップと、ユーザによって操作制御されるタッチオブジェクトが前記ディスプレイの表面に触れて移動する場合、前記タッチフレームによってフィードバックされたタッチポイント情報を取得するステップと、取得したタッチポイント情報及び前記消去対象筆跡を分析して、前記タッチオブジェクトにマッチングする消去用幾何学的形態で前記インターフェース中の消去対象筆跡を消去するステップと、を含む筆跡消去方法を実行する。
【0330】
もちろん、本願の実施例によるコンピュータ実行可能命令を含む記憶媒体では、そのコンピュータ実行可能命令は、前記の筆跡消去方法操作に限定されるものではなく、本願の任意の実施例による筆跡消去方法における関連操作を実行してもよく、対応する機能を備える。
【0331】
以上の実施例の説明から、当業者は、本願がソフトウェア及び必要な汎用ハードウェアによって実現されてもよく、もちろん、ハードウェアによって実現されてもよいが、多くの場合、前者の方がより好ましい実施形態であることを明確に理解することができる。このような理解に基づいて、本願の技術案の本質的又は関連技術に貢献する部分は、コンピュータのフロッピー(登録商標)ディスク、読み取り専用メモリ(ROM:Read-Only Memory)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM:Random Access Memory)、フラッシュメモリ(FLASH)、ハードディスク、又は光ディスクなどのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶され得るソフトウェア製品の形で具現化することができ、このコンピュータソフトウェア製品は、1つのインタラクティブタブレット(ロボット、パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク機器などであってもよい)が本願の任意の実施例に記載された筆跡消去方法を実行するためのいくつかの命令を含む。
【0332】
なお、上記筆跡消去装置に含まれる各ユニットやモジュールは、機能論理によって分割されているだけであって、上記の分割に限定されるものではなく、対応する機能が実現できればよい。また、各機能ユニットの具体的名称も、相互に区別しやすくするためのものであって、本願の特許範囲を制限するためのものではない。
【0333】
なお、本願の様々な部分は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせで実装されてもよい。上記の実施形態では、複数のステップ又は方法は、メモリに記憶され、適切な命令実行システムによって実行されるソフトウェア又はファームウェアによって実装されてもよい。例えば、ハードウェアで実装される場合、他の実施形態と同様に、データ信号の論理機能を実現するための論理ゲート回路を有する離散論理回路、適切な組み合わせの論理ゲート回路を有する特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ(PGA:Programmable Gate Array)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)など、当業者に知られている技術のいずれか、又はそれらの組み合わせで実装されてもよい。
【国際調査報告】