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▶ アイヴィーナ デリバリー システムズ,インコーポレーテッドの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】乱視の治療
(51)【国際特許分類】
   A61K 33/34 20060101AFI20240123BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20240123BHJP
   A61P 27/10 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
A61K33/34
A61P27/02
A61P27/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546003
(86)(22)【出願日】2022-01-28
(85)【翻訳文提出日】2023-09-20
(86)【国際出願番号】 US2022014198
(87)【国際公開番号】W WO2022165098
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】63/144,237
(32)【優先日】2021-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523285476
【氏名又は名称】アイヴィーナ デリバリー システムズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンバティ,バラムラリ
(72)【発明者】
【氏名】モロキア,サラ,エー.
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086HA01
4C086HA15
4C086HA16
4C086HA17
4C086HA20
4C086HA24
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA17
4C086MA28
4C086MA58
4C086NA14
(57)【要約】
本発明は、銅含有剤を含む組成物を、角膜乱視の治療を必要とする対象の眼に投与するステップを含む、角膜乱視を治療する方法を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅含有剤を含む組成物を、角膜乱視の治療を必要とする対象の眼に投与するステップを含む、角膜乱視を治療する方法。
【請求項2】
銅含有剤が、硫酸銅、炭酸銅、酢酸銅、塩化銅、グルコン酸銅、臭化銅、フッ化銅、硝酸銅、ヨウ化銅、過塩素酸銅、過ヨウ素酸銅、過臭素酸銅、過マンガン酸銅、ヘモシアニン、モリブデン酸銅、チオシアン酸銅、酒石酸銅、テトラフルオロホウ酸銅、セレン化銅、ピロリン酸銅、GHK-銅、硫酸テトラアミン銅、銅-ヒスチジン、及びグリシン酸銅から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
銅含有剤が、硫酸銅、酢酸銅、塩化銅、グルコン酸銅、臭化銅、フッ化銅、硝酸銅、過塩素酸銅、及び酒石酸銅から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
銅含有剤が、硫酸銅である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
組成物が、約0.001wt%~約0.1wt%の銅含有剤を含む、前記請求項に記載の方法。
【請求項6】
組成物が、約0.005wt%~約0.05wt%の銅含有剤を含む、前記請求項に記載の方法。
【請求項7】
組成物が、約0.01mg/mL~約1.0mg/mLの銅含有剤を含む、前記請求項に記載の方法。
【請求項8】
組成物が、約0.05mg/mL~約0.5mg/mLの銅含有剤を含む、前記請求項に記載の方法。
【請求項9】
組成物が、約0.1mg/mL~約0.2mg/mLの銅含有剤を含む、前記請求項に記載の方法。
【請求項10】
組成物が、等張化剤、可溶化剤、増粘剤、ポリマー、緩衝剤、pH調整剤、保存剤、及び水から選択される賦形剤をさらに含む、前記請求項に記載の方法。
【請求項11】
組成物が、追加の活性成分を含まない、前記請求項に記載の方法。
【請求項12】
組成物が、約270mOsm/kg~約600mOsm/kgの浸透圧を有する、前記請求項に記載の方法。
【請求項13】
組成物が、約5.0~約7.8のpHを有する、前記請求項に記載の方法。
【請求項14】
組成物が、局所的に投与される、前記請求項に記載の方法。
【請求項15】
組成物が、眼科用組成物である、前記請求項に記載の方法。
【請求項16】
組成物が、軟膏、ゲル、薄膜又は点眼剤組成物である、前記請求項に記載の方法。
【請求項17】
組成物が、空気銃送達又は弾道空気送達によって送達される、前記請求項に記載の方法。
【請求項18】
組成物が、それを必要とする眼当たり1週間当たり少なくとも1回投与される、前記請求項に記載の方法。
【請求項19】
組成物が、それを必要とする眼当たり1日当たり少なくとも1回投与される、前記請求項に記載の方法。
【請求項20】
組成物が、それを必要とする眼当たり1日当たり1~4回投与される、前記請求項に記載の方法。
【請求項21】
組成物が、それを必要とする眼当たり1日当たり2回投与される、前記請求項に記載の方法。
【請求項22】
約5μl~約100μlの組成物が、各時点で投与される、請求項18~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
組成物が、少なくとも約1週間の治療期間の間投与される、前記請求項に記載の方法。
【請求項24】
組成物が、約1週間~約1年の治療期間の間投与される、前記請求項に記載の方法。
【請求項25】
組成物が、約1週間~約9ヶ月の治療期間の間投与される、前記請求項に記載の方法。
【請求項26】
組成物が、約1週間~約26週間の治療期間の間投与される、前記請求項に記載の方法。
【請求項27】
組成物が、約16週間の治療期間の間投与される、前記請求項に記載の方法。
【請求項28】
乱視が、円錐角膜によって引き起こされないか又は円錐角膜に関連しない、前記請求項に記載の方法。
【請求項29】
乱視が、不正乱視である、前記請求項に記載の方法。
【請求項30】
乱視が、限局性乱視(例えば、円形乱視、楕円形乱視)である、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
乱視が、対称性乱視である、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
乱視が、非対称性乱視である、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
乱視が、蝶ネクタイ乱視である、請求項1~28、31、又は32のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年2月1日に出願された米国仮出願第63/144,237号の利益を主張し、その内容は参照により完全に本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
乱視は、眼が網膜上に均一に光を集めない屈折異常を特徴とする眼の障害である。乱視の根底にある欠陥は、角膜の不規則な湾曲又は眼の水晶体における異常である。乱視は非常によく見られ、米国及び欧州では成人の推定30~60%が乱視を有すると推定される。症状は軽いこともあるが、より重度の場合、乱視は、歪んだ又はかすんだ視覚、眼精疲労、頭痛、夜間視力不良、疲労、及び斜視を引き起こし得る。乱視は、矯正レンズで治療されることが多く、又は場合によっては屈折矯正手術で治療される。乱視を治療するさらなる非侵襲的方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、銅含有剤を含む組成物を、角膜乱視の治療を必要とする対象の眼に投与するステップを含む、角膜乱視を治療する方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本発明の方法
乱視は、眼が網膜上に均一に光を集めない屈折異常を特徴とする、よく見られる眼の障害である。一部の乱視は軽度であるが、重度の場合、乱視は、歪んだ又はかすんだ視覚、眼精疲労、頭痛、夜間視力不良、疲労、及び斜視を引き起こし得る。本明細書に記載されるように、銅化合物の眼への局所適用は、乱視を治療するのに有効である。角膜乱視を低減する薬理学的作用物質は知られていないため、この発見は特に予想外であった。
【0005】
したがって、本発明は、銅含有剤を含む組成物を、角膜乱視の治療を必要とする対象の眼に投与するステップを含む、角膜乱視を治療する方法を対象とする。
【0006】
特定の実施形態では、銅含有剤を含む眼科用組成物又は剤形は、本発明の方法において使用される。眼科用組成物又は剤形は、乱視を治療するのに有効な量の銅含有剤を含み得る。組成物又は剤形は、薬学的に許容される担体をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、剤形は、局所点眼剤として製剤化された眼科用組成物であり得る。このような組成物は、例えば、約5μl~約100μlの液滴体積で、滴下様式で組成物を分配する(dispense)ように適合された容器中に収容されてもよい。いくつかの実施形態では、眼科用組成物は、長期間にわたって銅含有剤を放出するように製剤化された持続放出組成物であり得る。本発明の方法は、治療期間中に、本明細書に記載されるように、治療有効量の組成物又は剤形を投与するステップを含み得る。
【0007】
特定の実施形態では、銅含有剤は、銅塩である。特定の実施形態では、銅含有剤は、硫酸銅、炭酸銅、酢酸銅、塩化銅、グルコン酸銅、臭化銅、フッ化銅、硝酸銅、ヨウ化銅、過塩素酸銅、過ヨウ素酸銅、過臭素酸銅、過マンガン酸銅、ヘモシアニン、モリブデン酸銅、チオシアン酸銅、酒石酸銅、テトラフルオロホウ酸銅、セレン化銅、ピロリン酸銅、GHK-銅、硫酸テトラアミン銅、銅-ヒスチジン、及びグリシン酸銅から選択される。さらなる実施形態では、銅含有剤は、硫酸銅、酢酸銅、塩化銅、グルコン酸銅、臭化銅、フッ化銅、硝酸銅、過塩素酸銅、及び酒石酸銅、それらの水和物、又はそれらの組み合わせから選択される。特定の好ましい実施形態では、銅含有剤は、硫酸銅である。本明細書に記載される眼科用組成物の製造において、製造に使用される硫酸銅は、無水物であっても又は水和物(例えば、硫酸銅(II)五水和物)であってもよい。
【0008】
銅含有剤の眼科用組成物は、組成物中の銅の量に基づいて特徴付けることができ、これは、濃度の任意の適切な尺度、例えば、重量モル濃度(molality)、体積モル濃度(molarity)によって、又は組成物中の銅含有剤のwt%として表されてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される重量パーセンテージは、例えば、任意の関連する対イオン、錯体、又は配位子の重量とは無関係に銅含有量を正規化する方法として、眼科用組成物中の無水硫酸銅(II)の重量パーセントに基づいて計算される。したがって、代替の銅含有剤が用いられる場合、重量パーセンテージは、銅剤の分子量に基づいて適宜変換することができる。
【0010】
例えば、銅含有剤は、約0.00001wt%又は約0.0001wt%~約5wt%、10wt%、又は15wt%の量で存在し得る。いくつかの実施形態では、約0.0001wt%~約5wt%、約0.0001wt%~約4wt%、約0.0001wt%~約3wt%、約0.0001wt%~約2wt%、約0.0001wt%~約1wt%、0.0001wt%~約0.75wt%、約0.0001wt%~約0.5wt%、約0.0001wt%~約0.25wt%、約0.0001wt%~約0.1wt%、約0.0001wt%~約0.075wt%、約0.0001wt%~約0.05wt%、約0.0001wt%~約0.025wt%、又は約0.0001wt%~約0.02wt%の銅含有剤が存在し得る。
【0011】
あるいは、いくつかの実施形態では、約0.0005wt%~約5wt%、約0.0005wt%~約4wt%、約0.0005wt%~約3wt%、約0.0005wt%~約2wt%、約0.0005wt%~約1wt%、0.0005wt%~約0.75wt%、約0.0005wt%~約0.5wt%、約0.0005wt%~約0.25wt%、約0.0005wt%~約0.1wt%、約0.0005wt%~約0.075wt%、約0.0005wt%~約0.05wt%、約0.0005wt%~約0.025wt%、又は約0.0005wt%~約0.02wt%の銅含有剤が存在し得る。
【0012】
あるいは、いくつかの実施形態では、約0.001wt%~約5wt%、約0.001wt%~約4wt%、約0.001wt%~約3wt%、約0.001wt%~約2wt%、約0.001wt%~約1wt%、0.001wt%~約0.75wt%、約0.001wt%~約0.5wt%、約0.001wt%~約0.25wt%、約0.001wt%~約0.1wt%、約0.001wt%~約0.075wt%、約0.001wt%~約0.05wt%、約0.001wt%~約0.025wt%、又は約0.001wt%~約0.02wt%の銅含有剤が存在し得る。
【0013】
あるいは、いくつかの実施形態では、約0.003wt%~約5wt%、約0.003wt%~約4wt%、約0.003wt%~約3wt%、約0.003wt%~約2wt%、約0.003wt%~約1wt%、0.003wt%~約0.75wt%、約0.003wt%~約0.5wt%、約0.003wt%~約0.25wt%、約0.003wt%~約0.1wt%、約0.003wt%~約0.075wt%、約0.003wt%~約0.05wt%、約0.003wt%~約0.025wt%、又は約0.003wt%~約0.02wt%の銅含有剤が存在し得る。
【0014】
あるいは、いくつかの実施形態では、約0.005wt%~約5wt%、約0.005wt%~約4wt%、約0.005wt%~約3wt%、約0.005wt%~約2wt%、約0.005wt%~約1wt%、0.005wt%~約0.75wt%、約0.005wt%~約0.5wt%、約0.005wt%~約0.25wt%、約0.005wt%~約0.1wt%、約0.005wt%~約0.075wt%、約0.005wt%~約0.05wt%、約0.005wt%~約0.025wt%、又は約0.005wt%~約0.02wt%の銅含有剤が存在し得る。
【0015】
さらなる実施形態では、約0.05wt%~約15wt%、約0.01wt%~約10wt%、又は約0.005wt%~約5wt%の銅含有剤が存在し得る。他の実施形態では、銅含有剤は、約0.00001wt%~約0.0001wt%、約0.0001wt%~約0.0005wt%、約0.0001wt%~約0.0002wt%、約0.0002wt%~約0.0003wt%、又は約0.0003wt%~約0.0004wt%の量で存在し得る。さらに他の実施形態では、銅含有剤は、約0.001wt%~約0.01wt%又は約0.003wt%~約0.008wt%の量で存在し得る。さらに他の実施形態では、銅含有剤は、約0.01wt%~約0.1wt%、又は約0.03wt%~約0.08wt%の量で存在し得る。
【0016】
あるいは、組成物中の銅の量は、体積当たりの重量(例えば、mg/mL)として表すことができる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される体積当たりの重量の測定値は、眼科用組成物中の体積単位当たりの総銅の重量に基づいて計算される。例えば、0.0025mg/mlの量の硫酸銅(II)五水和物は、約0.000636mg/mlの銅の銅含有量を有する組成物を提供する。これは、硫酸銅(II)五水和物の原子量が約249.677g/molであるが、約63.5g/mol、すなわち薬剤の約25%のみが銅自体であるためである。代替の例として、0.0018mg/mlの量の無水酢酸銅(II)は、約0.00063mg/mlの銅含有量を有する組成物を提供する。したがって、いくつかの実施形態では、銅含有剤の濃度は、銅含有剤自体の量ではなく、銅含有剤によって提供される総銅含有量に基づいて決定することができる。
【0017】
したがって、いくつかの実施形態では、組成物は、約0.0001mg/mL又は約0.0005mg/mL~約5mg/mL又は約50mg/mLの量で銅含有剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約0.001mg/mL~約50mg/mL、約0.001mg/mL~約40mg/mL、約0.001mg/mL~約30mg/mL、約0.001mg/mL~約20mg/mL、約0.001mg/mL~約10mg/mL、0.001mg/mL~約7.5mg/mL、約0.001mg/mL~約5mg/mL、約0.001mg/mL~約2.5mg/mL、約0.001mg/mL~約1mg/mL、約0.001mg/mL~約0.75mg/mL、約0.001mg/mL~約0.5mg/mL、約0.001mg/mL~約0.25mg/mL、又は約0.001mg/mL~約0.2mg/mLの量で銅含有剤を含む。
【0018】
あるいは、いくつかの実施形態では、約0.005mg/mL~約50mg/mL、約0.005mg/mL~約40mg/mL、約0.005mg/mL~約30mg/mL、約0.005mg/mL~約20mg/mL、約0.005mg/mL~約10mg/mL、0.005mg/mL~約7.5mg/mL、約0.005mg/mL~約5mg/mL、約0.005mg/mL~約2.5mg/mL、約0.005mg/mL~約1mg/mL、約0.005mg/mL~約0.75mg/mL、約0.005mg/mL~約0.5mg/mL、約0.005mg/mL~約0.25mg/mL、又は約0.005mg/mL~約0.2mg/mLの銅含有剤が存在し得る。
【0019】
あるいは、いくつかの実施形態では、約0.01mg/mL~約50mg/mL、約0.01mg/mL~約40mg/mL、約0.01mg/mL~約30mg/mL、約0.01mg/mL~約20mg/mL、約0.01mg/mL~約10mg/mL、0.01mg/mL~約7.5mg/mL、約0.01mg/mL~約5mg/mL、約0.01mg/mL~約2.5mg/mL、約0.01mg/mL~約1mg/mL、約0.01mg/mL~約0.75mg/mL、約0.01mg/mL~約0.5mg/mL、約0.01mg/mL~約0.25mg/mL、又は約0.01mg/mL~約0.2mg/mLの銅含有剤が存在し得る。
【0020】
あるいは、いくつかの実施形態では、約0.03mg/mL~約50mg/mL、約0.03mg/mL~約40mg/mL、約0.03mg/mL~約30mg/mL、約0.03mg/mL~約20mg/mL、約0.03mg/mL~約10mg/mL、0.03mg/mL~約7.5mg/mL、約0.03mg/mL~約5mg/mL、約0.03mg/mL~約2.5mg/mL、約0.03mg/mL~約1mg/mL、約0.03mg/mL~約0.75mg/mL、約0.03mg/mL~約0.5mg/mL、約0.03mg/mL~約0.25mg/mL、又は約0.03mg/mL~約0.2mg/mLの銅含有剤が存在し得る。
【0021】
あるいは、いくつかの実施形態では、約0.05mg/mL~約50mg/mL、約0.05mg/mL~約40mg/mL、約0.05mg/mL~約30mg/mL、約0.05mg/mL~約20mg/mL、約0.05mg/mL~約10mg/mL、0.05mg/mL~約7.5mg/mL、約0.05mg/mL~約5mg/mL、約0.05mg/mL~約2.5mg/mL、約0.05mg/mL~約1mg/mL、約0.05mg/mL~約0.75mg/mL、約0.05mg/mL~約0.5mg/mL、約0.05mg/mL~約0.4mg/mL、約0.05mg/mL~約0.3mg/mL、約0.05mg/mL~約0.25mg/mL、約0.05mg/mL~約0.2mg/mL、又は約0.05mg/mL~約0.2mg/mLの銅含有剤が存在し得る。
【0022】
あるいは、いくつかの実施形態では、約0.075mg/mL~約50mg/mL、約0.075mg/mL~約40mg/mL、約0.075mg/mL~約30mg/mL、約0.075mg/mL~約20mg/mL、約0.075mg/mL~約10mg/mL、0.075mg/mL~約7.5mg/mL、約0.075mg/mL~約5mg/mL、約0.075mg/mL~約2.5mg/mL、約0.075mg/mL~約1mg/mL、約0.075mg/mL~約0.75mg/mL、約0.075mg/mL~約0.5mg/mL、約0.075mg/mL~約0.4mg/mL、約0.075mg/mL~約0.3mg/mL、約0.075mg/mL~約0.25mg/mL、約0.075mg/mL~約0.2mg/mL、又は約0.075mg/mL~約0.2mg/mLの銅含有剤が存在し得る。
【0023】
さらにあるいは、いくつかの実施形態では、約0.1mg/mL~約50mg/mL、約0.1mg/mL~約40mg/mL、約0.1mg/mL~約30mg/mL、約0.1mg/mL~約20mg/mL、約0.1mg/mL~約10mg/mL、0.1mg/mL~約7.5mg/mL、約0.1mg/mL~約5mg/mL、約0.1mg/mL~約2.5mg/mL、約0.1mg/mL~約1mg/mL、約0.1mg/mL~約0.75mg/mL、約0.1mg/mL~約0.5mg/mL、約0.1mg/mL~約0.4mg/mL、約0.1mg/mL~約0.3mg/mL、約0.1mg/mL~約0.25mg/mL、又は約0.1mg/mL~約0.2mg/mLの銅含有剤が存在し得る。
【0024】
しかし、組成物中の特定の量の銅含有剤は、銅含有量のすべてが投与時に生体利用可能であること、又は同じ速度で生体利用可能になることを必ずしも意味するわけではない。銅の生体利用能は、銅含有成分ごとにある程度変わり得る。さらに、銅の生体利用能は、pH、粘度、溶解度、及び他の組成要因によって影響を受け得る。所与の患者について、銅含有剤の適切な用量は、送達ビヒクルの種類、銅含有剤の種類、所望の送達期間などに基づいて決定することができる。したがって、銅含有剤の適切な用量はまた、特定の銅担体、pH、製剤などに関する銅の生体利用能に基づいて調整することができる。さらに、特定の剤形からの銅含有量の放出速度は、剤形に用いられる特定の銅含有剤に基づいて調整することができる。例えば、場合によっては、溶解度のより低い銅含有剤(例えば、フッ化銅、水酸化銅、炭酸銅)は、組成物からの銅含有剤の放出を延長するために使用することができる。いくつかのさらなる実施形態では、放出速度は、追加的に又は代替的に、特定の医薬担体又は製剤の種類によって制御することができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、銅含有剤は、第2の活性剤又は治療剤、例えば追加の架橋剤とともに投与することができる。第2の活性剤は、銅含有剤及び/又は別の架橋剤によって誘発される架橋と共同して作用する代替作用機序を通じて作動することができる。例えば、第2の活性剤は、眼軸伸長を低減すること、調節(すなわち、距離が変わる際に画像上で明確な焦点を維持するために眼が屈折力を変化させるプロセス)を低減することなど、又はそれらの組み合わせが可能である。このような追加の薬剤は、リボフラビン、ローズベンガル、ヒドロキシリジン、カルシウム含有剤、マグネシウム含有剤、銀含有剤、アルミニウム含有剤、亜鉛含有剤、鉄含有剤、アサイー抽出物、デコリン、ビグリカン、ケラトカン、ルミカン、ミミカン、フィブロモジュリン、VI型コラーゲン、X型コラーゲン、XII型コラーゲン、XIV型コラーゲン、アトロピン、ホマトロピン、シクロペントラート、ピレンゼピン、7-メチルキサンタニンなど、又はそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、追加の又は第2の活性剤は、アトロピン、ホマトロピン、シクロペントラート、ピレンゼピン、7-メチルキサンタニンなど、又はそれらの組み合わせを含み得る。特定の実施形態では、第2の活性剤は、アトロピンを含み得る。いくつかの追加の実施形態では、第2の活性剤は、ホマトロピンを含み得る。さらに追加の実施形態では、第2の活性剤は、シクロペントラートを含み得る。さらなる実施形態では、第2の活性剤は、ピレンゼピンを含み得る。なおさらなる実施形態では、第2の活性剤は、7-メチルキサンタニンを含み得る。第2の活性剤は、一般に、約0.001wt%~約0.1wt%の量で存在し得る。他の実施形態では、第2の活性剤は、約0.005wt%~約0.05wt%、又は約0.007wt%~約0.02wt%の量で存在し得る。
【0026】
他の実施形態では、組成物は、追加の活性成分を含まず、すなわち、銅含有剤は、組成物の唯一の活性成分である。いくつかの実施形態では、組成物は、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、血管収縮剤、抗生物質、鎮痛剤、又はステロイドを含まない。
【0027】
特定の実施形態では、組成物は、アミンを含まない。いくつかの実施形態では、組成物は、アミン-銅錯体、例えば、銅カチオンが1つ以上のアミン配位子と錯体を形成している配位錯体を含まない。
【0028】
銅含有剤は、薬学的に許容される担体中で提供することができる。薬学的に許容される担体は、銅含有剤を送達するために様々な方法で製剤化することができる。非限定的な例としては、溶液、懸濁液、エマルション、ゲル、ヒドロゲル、熱応答性ゲル、結膜下注射用製剤、テノン嚢下注射用製剤、デポー、フィルム、持続送達マトリックス、コンタクトレンズ、綿撒糸、涙点プラグ、ゲル化懸濁液など、又はそれらの組み合わせを挙げることができる。組成物は、眼への受動的送達のために製剤化することができる。あるいは、組成物は、イオントフォレーシス、エレクトロポレーション、ソノポレーションなどの眼への能動的送達のために製剤化することができる。特定の実施形態では、製剤は、眼科用点眼薬であり得る。いくつかの実施形態では、組成物は、ソフトレンズ、トーリックレンズ、ハードレンズ、強膜レンズなど、又はそれらの組み合わせなどの銅溶出コンタクトレンズとして製剤化することができる。コンタクトレンズは、1日使い捨てレンズ又は長期使用レンズ(例えば、2日間使用から2週間使用又はそれを超えるレンズ)であり得る。いくつかの実施形態では、組成物は、嚢、結膜、テノン嚢又はテノン嚢下腔などにおいて、眼表面に接触して配置するための持続送達マトリックスとして製剤化することができる。いくつかの実施形態では、組成物は、レンズ、フィルム、カプセル、涙点プラグなど、又はそれらの組み合わせなどの生分解性デバイスとして製剤化することができる。生分解性デバイスは、約1週間~約6ヶ月、又は約2週間~約4ヶ月、又は約1ヶ月~約2ヶ月の速度で生分解するように構成することができる。
【0029】
銅含有剤を含む組成物は、等張化剤、可溶化剤、増粘剤、ポリマー、緩衝剤、pH調整剤、保存剤、及び水から選択される賦形剤をさらに含み得る。特定のそのような実施形態では、組成物は、前記賦形剤のうちの2つ以上を含む。
【0030】
可溶化剤の非限定的な例としては、リン酸塩緩衝食塩水(PBS)、ダルベッコPBS、アルセバー溶液、トリス緩衝食塩水(TBS)、水、平衡塩溶液(BSS)、例えば、ハンクスBSS(Hank’s BSS)、アールBSS(Earle’s BSS)、グレイBSS(Grey’s BSS)、パックBSS(Puck’s BSS)、シムBSS(Simm’s BSS)、タイロードBSS(Tyrode’s BSS)、BSSプラス、乳酸リンゲル液、生理食塩水(すなわち、0.9%食塩水)、1/2生理食塩水など、又はそれらの組み合わせを挙げることができる。可溶化剤は、特定の製剤、治療方法などに応じて、様々な量で薬学的に許容される担体中に存在することができる。
【0031】
等張化剤の非限定的な例としては、前に列挙した可溶化剤だけでなく、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、マンニトール、ソルビトール、デキストロース、グリセリン、プロピレングリコール、エタノール、トレハロースなど、又はそれらの組み合わせも挙げることができる。等張化剤は、製剤の適切な浸透圧(tonicity)を提供するために使用することができる。特定の実施形態では、製剤の浸透圧は、約200~約800ミリオスモル/リットル(mOsm/L)である。他の実施形態では、製剤の浸透圧は、約200mOsm/L~約700mOsm/Lであり得る。他の実施形態では、製剤の浸透圧は、約200mOsm/L~約650mOsm/Lであり得る。さらに他の実施形態では、製剤の浸透圧は、約200mOsm/L~約600mOsm/Lであり得る。他の実施形態では、製剤の浸透圧は、約250mOsm/L~約700mOsm/Lであり得る。さらに他の実施形態では、製剤の浸透圧は、約250mOsm/L~約650mOsm/L、約250mOsm/L~約600mOsm/L、約270mOsm/L~約700mOsm/L、約270mOsm/L~約650mOsm/L、又は約270mOsm/L~約600mOsm/Lであり得る。等張化剤は、特定の製剤、治療方法などに応じて、様々な量で薬学的に許容される担体中に存在することができる。
【0032】
pH調整剤の非限定的な例としては、塩酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのいくつかの酸、塩基、及びそれらの組み合わせを挙げることができる。pH調整剤は、製剤に適切なpHを提供するために使用することができる。特定の実施形態では、組成物のpHは、約5.0~約8.5であり得る。特定の実施形態では、pHは、約5.0~約8.0であり得る。あるいは、pHは、約5.2~約8.0、約5.3~約8.0、約5.4~約7.9、又は約5.5~約7.8であり得る。pH調整剤は、特定の製剤、治療方法などに応じて、様々な量で薬学的に許容される担体中に存在することができる。
【0033】
増粘剤の非限定的な例としては、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど)、エチルビニルアルコール、ヒアルロン酸など、又はそれらの組み合わせを挙げることができる。増粘剤は、特定の製剤、治療方法などに応じて、様々な量で薬学的に許容される担体中に存在することができる。
【0034】
フィルム、コンタクトレンズなどのためのポリマーマトリックスを調製するために使用することができるポリマーの非限定的な例としては、生分解性又は非生分解性ポリマーを挙げることができる。ポリマー又はポリマーの組み合わせの非限定的な例としては、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリオルトエステル、ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリシロキサン、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(乳酸のグリコリド含有量に対する様々な比、並びに酸若しくはエステル末端などの末端基)、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル、ポリエチレングリコール、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロース、ポリカプロラクトン、ヒアルロン酸、アルブミン、それらの塩化ナトリウムブロックコポリマー、それらの塩など、又はそれらの組み合わせを挙げることができる。ポリ乳酸-ポリグリコール酸ブロックコポリマー(PLGA)、ポリグリコール酸-ポリビニルアルコールブロックコポリマー(PGA/PVA)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリカプロラクトン-ポリエチレングリコールブロックコポリマー、クロスカルメロースなどの特定のコポリマーは、所望の場合、生分解性マトリックスについて特に有効であり得る。
【0035】
特定の実施形態では、組成物は、熱応答性ポリマーを含み得る。熱応答性ポリマーの非限定的な例としては、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリ[2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート]、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ(ビニルカプロラクタム)、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ABCBA型ペンタブロックポリマー、キトサンなど、又はそれらの組み合わせを挙げることができる。このような熱応答性ポリマーは、温度のある範囲内で特定の銅含有剤と結合するか又は結合するように官能化され、組成物を眼に接触して配置すること、組成物の投与後に眼に熱源を適用することなど、周囲環境の温度を変化させると銅含有剤を放出することができる。
【0036】
保存剤の非限定的な例としては、塩化ベンザルコニウム(BAK)、セトリモニウム、過ホウ酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びその様々な塩形態、クロロブタノールなどを挙げることができる。保存剤は、特定の製剤、治療方法などに応じて、様々な量で薬学的に許容される担体中に存在することができる。
【0037】
特定の好ましい実施形態では、組成物は、局所的に投与される。眼への局所投与用の組成物は、眼科用組成物を含む。局所投与用の組成物は、軟膏、ゲル、薄膜又は点眼剤組成物として製剤化されてもよい。
【0038】
特に好ましい実施形態では、組成物は、点眼剤として製剤化することができ、例えば、薬学的に許容される担体は、PBS、BSS、又は他の適切な溶解剤若しくは等張化剤を含み得る。例えば、組成物は、眼科用点眼薬として製剤化することができ、薬学的に許容される担体は、人工涙液(例えば、Refresh Tears(登録商標)、Genteal(登録商標)、Oasis Tears(登録商標)など)を含み得る。あるいは、組成物は、薄膜、軟膏、ゲル化懸濁液、涙点プラグ、又はコンタクトレンズとして製剤化することができる。
【0039】
眼科用組成物は、治療有効用量の銅含有剤を投与するための眼科用剤形として使用することができる。いくつかの実施形態では、投与事象(administration event)当たり約1μl~約500μlの量の組成物が投与される。さらに他の実施形態では、投与事象当たり約1μl~約250μl、約1μl~約200μl、約1μl~約100μl、約2μl~約250μl、約2μl~約200μl、約2μl~約100μl、約3μl~約250μl、約3μl~約200μl、約3μl~約100μl、約4μl~約250μl、約4μl~約200μl、約4μl~約100μl、又は約5μl~約250μl、約5μl~約200μl、又は約5μl~約100μlの量が投与される。点眼剤の場合、この体積は、好ましくは、例えば1~3滴の眼科用組成物で投与される。
【0040】
いくつかの実施形態では、眼科用組成物は、生分解するように、又は他の方法で所定の期間にわたって銅含有剤の制御放出又は持続放出を提供するように製剤化することができる。さらに他の実施形態では、眼科用剤形は、制御された様式又は持続的な様式で非生分解性マトリックスから銅含有剤を放出するように製剤化することができる。特定のそのような実施形態では、剤形は、所望に応じて、数時間、数日間、又は数週間の期間にわたって銅含有剤を放出するように製剤化することができる。いくつかの具体的な実施形態では、組成物は、1週間当たり約0.005mcgの銅~約250mcgの銅を送達するように製剤化することができる。さらに他の実施形態では、剤形は、1週間当たり約0.008mcg~約200mcg、1週間当たり約0.01mcg~約150mcg、又は1週間当たり約0.1mcg~約100mcgを送達するように製剤化することができる。特定の実施形態では、眼科用組成物は、ゼロ次薬物放出動態を有するように製剤化することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、剤形は、さらに希釈又は調製することなくすぐに投与できるプレミックス組成物として容器中に保持又は保管することができる。いくつかの実施形態では、単一の容器は、単一用量には十分であるが、複数用量に十分な量を下回る組成物の体積又は量を保持することができる。さらに他の実施形態では、単一の容器は、複数用量に十分な体積又は量の組成物を保持することができる。
【0042】
いくつかの適切な容器を使用することができる。容器は、例えば、琥珀色の容器であり得る。いくつかの実施形態では、容器は、ガラス、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルなど、又はそれらの組み合わせで出来ていてもよい。いくつかの実施形態では、容器は、約0.5ml~約50mlの容積を有し得る。他の実施形態では、容器は、約1ml~約30ml、約5ml~約20ml、又は約3ml~約15mlの容積を有し得る。他の実施形態では、容器は、単一用量の剤形を保持することができる。あるいは、容器は、複数用量の剤形を保持することができる。容器は、例えば、バイアル、瓶、ブリスターパック、小袋などであり得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、約0.005mg~約10mgの銅含有剤が、容器中に含まれ得る。さらに他の実施形態では、約0.01mg~約5mgの銅含有剤が、容器中に含まれ得る。いくつかの実施形態では、約0.001mg~約5mgの銅が、容器中に含まれ得る。いくつかの実施形態では、約0.005mg~約2mgの銅が、容器中に含まれ得る。
【0044】
特定の実施形態では、剤形は、点眼剤として製剤化され、且つ約5μl~約100μlの液滴体積にて滴下様式で組成物を分配するように適合された容器中に収容された、局所眼科用剤形であり得る。あるいは、容器は、約1μl~約250μl、約1μl~約200μl、約1μl~約100μl、約2μl~約250μl、約2μl~約200μl、約2μl~約100μl、約3μl~約250μl、約3μl~約200μl、約3μl~約100μl、約4μl~約250μl、約4μl~約200μl、約4μl~約100μl、又は約5μl~約250μl、約5μl~約200μl、又は約5μl~約100μlの液滴体積で眼科用組成物を分配するように適合され得る。
【0045】
組成物が点眼剤として製剤化される場合、容器は、組成物を分配することができる取り付けられたノズル又はチップを含み得る。したがって、容器は、典型的には、組成物を分配するために、少なくとも部分的に可撓性(flexible)又は圧潰性(collapsible)であり得る。しかし、一部のそのような場合には、組成物が分配された後、空気が容器内に吸い戻され、これは組成物を汚染し得る。したがって、ノズル又はチップは、容器内への細菌及び他の汚染物質の導入を防止するか又は最小限に抑えるために、弁機構、フィルターなど、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0046】
特定の実施形態では、容器又は剤形は、注射器(syringe)、点眼器(dropper)、又は他の機構などの投与機構を含むか又は伴い得る。いくつかの実施形態では、パッケージは、例えば単一の統合されたシステムにおいて、組成物、容器、及びそれらの使用説明書、及び任意選択で、、投与機構を提供するように構成することができる。
【0047】
本明細書に記載される組成物を投与する多数の任意選択の方式が存在する。例えば、組成物は、空気銃送達(air-gun delivery)又は弾道空気送達(ballistic air delivery)によって送達されてもよい。
【0048】
特定の実施形態では、組成物又は剤形は、治療を必要とする眼当たり1週間当たり少なくとも1回、治療を必要とする眼当たり1日当たり少なくとも1回、治療を必要とする眼当たり1日当たり1~4回の時点、又は治療を必要とする眼当たり1日当たり2回投与することができる。いくつかの実施形態では、各時点で、組成物は、約1μl~約250μl、約1μl~約200μl、約1μl~約100μl、約2μl~約250μl、約2μl~約200μl、約2μl~約100μl、約3μl~約250μl、約3μl~約200μl、約3μl~約100μl、約4μl~約250μl、約4μl~約200μl、約4μl~約100μl、又は約5μl~約250μl、約5μl~約200μl、又は約5μl~約100μlの量で投与される。
【0049】
治療期間は、状態の重症度、診断時の対象の年齢など、いくつかの要因によって決まり得る。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも約1週間の治療期間の間投与される。さらなる実施形態では、組成物は、約1週間~約1年の治療期間の間投与される。なおさらなる実施形態では、組成物は、約1週間~約9ヶ月、又は約1週間又は約26週間の治療期間の間投与される。なおさらなる実施形態では、組成物は、約16週間の治療期間の間投与される。
【0050】
いくつかの実施形態では、眼科用組成物は、眼科用点眼薬として投与することができる。あるいは、眼科用組成物は、結膜下注射として投与することができる。代替の実施形態では、眼科用組成物は、テノン嚢下注射として投与することができる。さらなる代替の実施形態では、眼科用組成物は、局所フィルム、局所ゲル、コンタクトレンズ、涙点プラグなどの形態で投与することができる。いくつかの実施形態では、局所フィルム、局所ゲル、コンタクトレンズ、涙点プラグなどは、時間とともに生分解して、銅含有剤の制御された持続放出を提供するように構成することができる。
【0051】
円錐角膜は、進行性の菲薄化及び拡張によって現れ、これは治療されなければ不正乱視を誘発し、視力障害及び角膜失明をもたらし得る。特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物及び方法は、円錐角膜によって引き起こされないか又は円錐角膜に関連しない乱視を治療する。
【0052】
特定の実施形態では、乱視は、不正乱視である。
【0053】
さらなる実施形態では、乱視は、限局性乱視(例えば、円形乱視、楕円形乱視)である。
【0054】
乱視は、対称性乱視であっても、又は非対称性乱視であってもよい。乱視はまた、蝶ネクタイ乱視であってもよい。本発明の方法は、例えば、限局性若しくは蝶ネクタイ乱視、又は対称性若しくは非対称性乱視を治療するための銅含有組成物の送達を目標にして、患者の視覚的ニーズに合わせるようにカスタマイズされてもよい。
【0055】
本明細書に開示される方法は、乱視及びそれに関連する症状を治療するのに有用である。したがって、本発明の方法は、患者の歪んだ又はかすんだ視覚を安定化し、改善し又は矯正し、眼精疲労を緩和し、患者の斜視を減らし、疲労を減らし、且つ/又は夜間視力を改善することができる。重度の乱視の場合、本発明の方法は、視力喪失を遅らせ得る。本発明の方法は、乱視に関連する頭痛又は偏頭痛を低減又は予防し得る。
【0056】
医薬組成物
特定の実施形態では、本発明の方法で使用される銅含有剤は、医薬組成物において製剤化される。例えば、医薬組成物は、1つ以上の銅含有剤及び薬学的に許容される担体を含んでもよい。
【0057】
本発明の組成物及び方法は、治療を必要とする個体を治療するために利用されてもよい。特定の実施形態では、個体は、哺乳動物、例えばヒト、又は非ヒト哺乳動物である。ヒトなどの動物に投与される場合、組成物又は化合物は、好ましくは、例えば、本発明の化合物及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物として投与される。薬学的に許容される担体は、当技術分野で周知であり、例えば、水溶液、例えば水若しくは生理緩衝食塩水、又は他の溶媒若しくはビヒクル、例えばグリコール、グリセロール、油、例えばオリーブ油、又は有機エステルを含む。
【0058】
薬学的に許容される担体は、例えば、本発明の化合物などの化合物を安定化するか、その溶解度を増加させるか、又はその吸収を増加させるように作用する生理学的に許容される薬剤を含有することができる。このような生理学的に許容される薬剤は、例えば、炭水化物、例えばグルコース、スクロース又はデキストラン、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸又はグルタチオン、キレート剤、低分子量タンパク質又は他の安定剤若しくは賦形剤を含む。
【0059】
薬学的に許容される抗酸化剤のさらなる例としては、以下が挙げられる:(1)水溶性抗酸化剤、例えばアスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなど、(2)油溶性抗酸化剤、例えばパルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ-トコフェロールなど、及び(3)金属キレート剤、例えばクエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸など。
【0060】
語句「薬学的に許容される」は、本明細書では、合理的なベネフィット/リスク比で釣り合った、過剰な毒性、刺激、アレルギー応答、又は他の問題若しくは合併症なく、妥当な医学的判断の範囲内で、ヒト及び動物の組織と接触して使用するのに適している化合物、材料、組成物、及び/又は剤形を指すために用いられる。
【0061】
語句「薬学的に許容される担体」は、本明細書で使用される場合、薬学的に許容される材料、組成物又はビヒクル、例えば液体又は固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒又はカプセル化材料を意味する。各担体は、製剤の他の成分と相溶性であり、患者に有害ではないという意味で「許容され」なければならない。薬学的に許容される担体として役立ち得る材料のいくつかの例としては、以下が挙げられる:(1)糖、例えばラクトース、グルコース、及びスクロース、(2)デンプン、例えばトウモロコシデンプン及びバレイショデンプン、(3)セルロース、及びその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、及び酢酸セルロース、(4)粉末トラガカント、(5)麦芽、(6)ゼラチン、(7)タルク、(8)賦形剤、例えばカカオバター及び坐剤ワックス、(9)油、例えばピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油及びダイズ油、(10)グリコール、例えばプロピレングリコール、(11)ポリオール、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコール、(12)エステル、例えばオレイン酸エチル及びラウリン酸エチル、(13)寒天、(14)緩衝剤、例えば水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム、(15)アルギン酸、(16)パイロジェンフリー水、(17)等張性食塩水、(18)リンゲル液、(19)エチルアルコール、(20)リン酸塩緩衝液、及び(21)医薬製剤に用いられる他の非毒性の相溶性物質。
【0062】
これらの製剤又は組成物を調製する方法は、本発明の化合物などの活性化合物を、担体及び任意選択で1つ以上の副成分と混合するステップを含む。一般に、製剤は、活性物質を1つ以上の液体担体と均一且つ密接に混合することによって調製される。
【0063】
懸濁液は、活性化合物(複数可)に加えて、懸濁剤、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天及びトラガカント、並びにそれらの混合物を含有してもよい。
【0064】
これらの組成物はまた、補助剤、例えば保存剤、湿潤剤、乳化剤及び分散剤を含有してもよい。微生物の作用の防止は、様々な抗細菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などを含めることによって確実になり得る。等張剤、例えば糖、塩化ナトリウムなどを組成物に含めることも望ましいことがある。
【0065】
医薬組成物中の活性成分の実際の投与量レベルは、患者に毒性を示すことなく、特定の患者、組成物、及び投与様式について所望の治療応答を達成するのに有効な活性成分の量を得るように変更されてもよい。
【0066】
選択される投与量レベルは、用いられる特定の化合物又は化合物の組み合わせの活性、投与経路、投与時間、用いられている特定の化合物(複数可)のクリアランス又は排出の速度、治療期間、用いられる特定の化合物(複数可)と組み合わせて使用される他の薬物、化合物及び/又は材料、治療されている患者の年齢、性別、体重、状態、全体的健康及び以前の病歴、並びに医療分野で周知の同様の要因を含む様々な要因によって決まる。
【0067】
当技術分野の通常の技能を有する医師又は獣医師は、必要な医薬組成物の治療有効量を容易に決定し、処方することができる。例えば、医師又は獣医師は、所望の治療効果を達成するために必要なレベルよりも低いレベルで医薬組成物又は化合物の用量を開始し、所望の効果が達成されるまで徐々に投与量を増加させることができる。「治療有効量」とは、所望の治療効果を引き出すのに十分な化合物の濃度を意味する。化合物の有効量は、対象の体重、性別、年齢、及び病歴に従って変わることが一般に理解されている。有効量に影響を与える他の要因としては、以下に限定されないが、患者の状態の重症度、治療されている障害、化合物の安定性、及び所望の場合、本発明の化合物とともに投与されている別の種類の治療剤が挙げられる。薬剤の複数回投与により、より多くの総用量を送達することができる。有効性及び投与量を決定する方法は、当業者に公知である(参照により本明細書に組み込まれる、Isselbacher et al. (1996) Harrison’s Principles of Internal Medicine 13 ed., 1814-1882)。
【0068】
一般に、本発明の組成物及び方法で使用される活性化合物の適切な1日用量は、治療効果を生じるのに有効な最低用量である化合物の量である。このような有効用量は、一般に、上記の要因によって決まる。
【0069】
所望の場合、活性化合物の有効な1日用量は、任意選択で単位剤形において、1日を通して適切な間隔で別々に投与される1、2、3、4、5、6個又はそれを超えるサブ用量(sub-dose)として投与されてもよい。本発明の特定の実施形態では、活性化合物は、1日2回又は3回投与されてもよい。特定の実施形態では、活性化合物は、1日1回投与される。
【0070】
この治療を受ける患者は、必要とする任意の動物、例えば、霊長類、特にヒト、及び他の哺乳動物、例えばウマ、ウシ、ブタ及びヒツジ、並びに家禽及びペット全般である。
【0071】
特定の実施形態では、本発明の化合物は、単独で使用されてもよく、又は別の種類の治療剤と併用して投与されてもよい。本明細書で使用される場合、語句「併用投与」は、以前に投与された治療化合物がまだ体内で有効である間に第2の化合物が投与される(例えば、2つの化合物が患者において同時に有効であり、これは2つの化合物の相乗効果を含み得る)ような、2つ以上の異なる治療化合物の投与の任意の形態を指す。例えば、異なる治療化合物は、同じ製剤中又は別個の製剤中のいずれかで、同時又は連続的のいずれかで投与することができる。特定の実施形態では、異なる治療化合物は、互いに1時間、12時間、24時間、36時間、48時間、72時間、又は1週間以内に投与することができる。したがって、そのような治療を受ける個体は、異なる治療化合物の組み合わせた効果から利益を得ることができる。
【0072】
特定の実施形態では、本発明の化合物の、1つ以上の追加の治療剤(例えば、1つ以上の追加の化学療法剤)との併用投与は、本発明の化合物又は1つ以上の追加の治療剤のそれぞれの個別投与に対して改善された有効性を提供する。特定のそのような実施形態では、併用投与は、相加効果を提供し、相加効果は、本発明の化合物及び1つ以上の追加の治療剤の個別投与の効果のそれぞれの合計を指す。
【0073】
用語「治療すること」は、予防的及び/又は治療的処置を含む。用語「予防的又は治療的」処置は、当技術分野で認識されており、主題の組成物の1つ以上の、宿主への投与を含む。望ましくない状態(例えば、宿主動物の疾患又は他の望ましくない様態)の臨床的発現前に投与される場合、処置は、予防的であり(すなわち、処置は、望ましくない状態の発症に対して宿主を保護する)、一方、望ましくない状態の発現後に投与される場合、処置は、治療的である(すなわち、処置は、既存の望ましくない状態又はその副作用を減らし、改善し、又は安定化することを意図している)。治療することは、望ましくない状態又は副作用を取り除くことも包含し得る。本明細書で使用される場合、疾患、障害、又は状態を治療することは、例えば、疾患、障害、又は状態の合併症(複数可)に特異的な根底にある病態生理学を治療することによって、疾患、障害、又は状態の合併症(複数可)を治療することを含む。治療剤が投与される対象は、無症候性であっても又は症候性であってもよい。
【実施例
【0074】
実施例1 - 銅含有活性剤は、角膜乱視を低減することができる
これは、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、単一拠点の臨床試験であり、適格な患者を、3つの処置群のうちの1つに無作為に割り当てた:
・群1(IVMED-6Wk)は、局所的硫酸銅点眼剤(0.15mg/mLの硫酸銅五水和物)BIDを6週間受け、その後、処置なしの追加の20週間が続いた(合計26週間)。
・群2(IVMED-16Wk)は、局所的硫酸銅点眼剤BID(0.15mg/mLの硫酸銅五水和物)を16週間受け、その後、処置なしの追加の10週間が続いた(合計26週間)。
・群3(プラセボ)は、ビヒクル点眼剤BIDを16週間受け、その後、処置なしの追加の10週間が続いた(合計26週間)。
【0075】
以下のデータによって示されるように、角膜乱視は、プラセボと比較してIVMED-16Wk群において低減した。プラセボ群では、16週目及び26週目でベースラインに対して乱視の増加が見られた。具体的な所見は以下を含む:
・IVMED-16Wk群及びプラセボ群を比較して、ベースラインから16週目までの平均角膜乱視の変化において統計的に有意な差があった(-0.56D対0.60D;p=0.0149)。
・IVMED-16Wk群及びプラセボ群を比較して、ベースラインから26週目までの平均角膜乱視の変化において統計的に有意な差があった(-0.37D対0.70D;p=0.01681)。
・角膜乱視において処置群内又は処置群間に有意差はなかった。
【0076】
各来院時にOculus Pentacamを使用して、角膜乱視を等価球面度数(SE)で測定した。ベースラインにおける、平均角膜乱視(±SD):群1、2、及び3についてそれぞれ5.65(2.51)、5.60(2.70)、5.63(2.96)。各処置群についてのベースライン及び各フォローアップ来院時の記述統計の概要を表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
ベースラインから6、16、及び26週目までの角膜乱視の変化を、各処置群について表2に示す。
・16週目でIVMED-16Wkをプラセボと(補完なしでp=0.0149)
・26週目でIVMED-16Wk対プラセボを(補完なしでp=0.01681)
比較して、ベースラインに対する角膜乱視への変化において統計的に有意な差があった。
【0079】
IVMED-16Wk及びプラセボを比較して、26週目で統計的に有意な傾向があった(補完なしでp=0.05488)。
【0080】
【表2】
【0081】
参照による組み込み
本明細書で言及されるすべての刊行物及び特許は、あたかも個々の刊行物又は特許が参照により組み込まれることが具体的且つ個別に示されているかのように、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。矛盾がある場合には、本明細書の任意の定義を含む本出願が統制する。
【0082】
均等物
主題の発明の具体的な実施形態について論じてきたが、上記の明細書は例示的なものであり、限定的なものではない。本発明の多くの変形は、本明細書及び以下の特許請求の範囲を再検討すれば当業者には明らかとなる。本発明の全範囲は、特許請求の範囲を均等物のそれらの全範囲とともに、また、本明細書を該変形とともに参照することによって決定されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅含有剤を含む、角膜乱視の治療用の組成物
【請求項2】
銅含有剤が、硫酸銅、炭酸銅、酢酸銅、塩化銅、グルコン酸銅、臭化銅、フッ化銅、硝酸銅、ヨウ化銅、過塩素酸銅、過ヨウ素酸銅、過臭素酸銅、過マンガン酸銅、ヘモシアニン、モリブデン酸銅、チオシアン酸銅、酒石酸銅、テトラフルオロホウ酸銅、セレン化銅、ピロリン酸銅、GHK-銅、硫酸テトラアミン銅、銅-ヒスチジン、及びグリシン酸銅から選択される、請求項1に記載の組成物
【請求項3】
銅含有剤が、硫酸銅、酢酸銅、塩化銅、グルコン酸銅、臭化銅、フッ化銅、硝酸銅、過塩素酸銅、及び酒石酸銅から選択される、請求項2に記載の組成物
【請求項4】
銅含有剤が、硫酸銅である、請求項3に記載の組成物
【請求項5】
組成物が、約0.001wt%~約0.1wt%の銅含有剤を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物
【請求項6】
組成物が、約0.005wt%~約0.05wt%の銅含有剤を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物
【請求項7】
組成物が、約0.01mg/mL~約1.0mg/mLの銅含有剤を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物
【請求項8】
組成物が、約0.05mg/mL~約0.5mg/mLの銅含有剤を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物
【請求項9】
組成物が、約0.1mg/mL~約0.2mg/mLの銅含有剤を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物
【請求項10】
組成物が、等張化剤、可溶化剤、増粘剤、ポリマー、緩衝剤、pH調整剤、保存剤、及び水から選択される賦形剤をさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物
【請求項11】
組成物が、追加の活性成分を含まない、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物
【請求項12】
組成物が、約270mOsm/kg~約600mOsm/kgの浸透圧を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物
【請求項13】
組成物が、約5.0~約7.8のpHを有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物
【請求項14】
組成物が、局所的に投与される、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物
【請求項15】
組成物が、眼科用組成物である、請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物
【請求項16】
組成物が、軟膏、ゲル、薄膜又は点眼剤組成物である、請求項1~15のいずれか一項に記載の組成物
【請求項17】
組成物が、空気銃送達又は弾道空気送達によって送達される、請求項1~16のいずれか一項に記載の組成物
【請求項18】
組成物が、それを必要とする眼当たり1週間当たり少なくとも1回投与される、請求項1~17のいずれか一項に記載の組成物
【請求項19】
組成物が、それを必要とする眼当たり1日当たり少なくとも1回投与される、請求項1~18のいずれか一項に記載の組成物
【請求項20】
組成物が、それを必要とする眼当たり1日当たり1~4回投与される、請求項1~19のいずれか一項に記載の組成物
【請求項21】
組成物が、それを必要とする眼当たり1日当たり2回投与される、請求項1~20のいずれか一項に記載の組成物
【請求項22】
約5μl~約100μlの組成物が、各時点で投与される、請求項18~20のいずれか一項に記載の組成物
【請求項23】
組成物が、少なくとも約1週間の治療期間の間投与される、請求項1~22のいずれか一項に記載の組成物
【請求項24】
組成物が、約1週間~約1年の治療期間の間投与される、請求項1~23のいずれか一項に記載の組成物
【請求項25】
組成物が、約1週間~約9ヶ月の治療期間の間投与される、請求項1~24のいずれか一項に記載の組成物
【請求項26】
組成物が、約1週間~約26週間の治療期間の間投与される、請求項1~25のいずれか一項に記載の組成物
【請求項27】
組成物が、約16週間の治療期間の間投与される、請求項1~26のいずれか一項に記載の組成物
【請求項28】
乱視が、円錐角膜によって引き起こされないか又は円錐角膜に関連しない、請求項1~27のいずれか一項に記載の組成物
【請求項29】
乱視が、不正乱視である、請求項1~28のいずれか一項に記載の組成物
【請求項30】
乱視が、限局性乱視(例えば、円形乱視、楕円形乱視)である、請求項1~28のいずれか一項に記載の組成物
【請求項31】
乱視が、対称性乱視である、請求項1~28のいずれか一項に記載の組成物
【請求項32】
乱視が、非対称性乱視である、請求項1~28のいずれか一項に記載の組成物
【請求項33】
乱視が、蝶ネクタイ乱視である、請求項1~28、31、又は32のいずれか一項に記載の組成物
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0082】
均等物
主題の発明の具体的な実施形態について論じてきたが、上記の明細書は例示的なものであり、限定的なものではない。本発明の多くの変形は、本明細書及び以下の特許請求の範囲を再検討すれば当業者には明らかとなる。本発明の全範囲は、特許請求の範囲を均等物のそれらの全範囲とともに、また、本明細書を該変形とともに参照することによって決定されるべきである。

本発明は例えば以下の態様を含む。
[項1]
銅含有剤を含む組成物を、角膜乱視の治療を必要とする対象の眼に投与するステップを含む、角膜乱視を治療する方法。
[項2]
銅含有剤が、硫酸銅、炭酸銅、酢酸銅、塩化銅、グルコン酸銅、臭化銅、フッ化銅、硝酸銅、ヨウ化銅、過塩素酸銅、過ヨウ素酸銅、過臭素酸銅、過マンガン酸銅、ヘモシアニン、モリブデン酸銅、チオシアン酸銅、酒石酸銅、テトラフルオロホウ酸銅、セレン化銅、ピロリン酸銅、GHK-銅、硫酸テトラアミン銅、銅-ヒスチジン、及びグリシン酸銅から選択される、項1に記載の方法。
[項3]
銅含有剤が、硫酸銅、酢酸銅、塩化銅、グルコン酸銅、臭化銅、フッ化銅、硝酸銅、過塩素酸銅、及び酒石酸銅から選択される、項2に記載の方法。
[項4]
銅含有剤が、硫酸銅である、項3に記載の方法。
[項5]
組成物が、約0.001wt%~約0.1wt%の銅含有剤を含む、前記項に記載の方法。
[項6]
組成物が、約0.005wt%~約0.05wt%の銅含有剤を含む、前記項に記載の方法。
[項7]
組成物が、約0.01mg/mL~約1.0mg/mLの銅含有剤を含む、前記項に記載の方法。
[項8]
組成物が、約0.05mg/mL~約0.5mg/mLの銅含有剤を含む、前記項に記載の方法。
[項9]
組成物が、約0.1mg/mL~約0.2mg/mLの銅含有剤を含む、前記項に記載の方法。
[項10]
組成物が、等張化剤、可溶化剤、増粘剤、ポリマー、緩衝剤、pH調整剤、保存剤、及び水から選択される賦形剤をさらに含む、前記項に記載の方法。
[項11]
組成物が、追加の活性成分を含まない、前記項に記載の方法。
[項12]
組成物が、約270mOsm/kg~約600mOsm/kgの浸透圧を有する、前記項に記載の方法。
[項13]
組成物が、約5.0~約7.8のpHを有する、前記項に記載の方法。
[項14]
組成物が、局所的に投与される、前記項に記載の方法。
[項15]
組成物が、眼科用組成物である、前記項に記載の方法。
[項16]
組成物が、軟膏、ゲル、薄膜又は点眼剤組成物である、前記項に記載の方法。
[項17]
組成物が、空気銃送達又は弾道空気送達によって送達される、前記項に記載の方法。
[項18]
組成物が、それを必要とする眼当たり1週間当たり少なくとも1回投与される、前記項に記載の方法。
[項19]
組成物が、それを必要とする眼当たり1日当たり少なくとも1回投与される、前記項に記載の方法。
[項20]
組成物が、それを必要とする眼当たり1日当たり1~4回投与される、前記項に記載の方法。
[項21]
組成物が、それを必要とする眼当たり1日当たり2回投与される、前記項に記載の方法。
[項22]
約5μl~約100μlの組成物が、各時点で投与される、項18~20のいずれか一項に記載の方法。
[項23]
組成物が、少なくとも約1週間の治療期間の間投与される、前記項に記載の方法。
[項24]
組成物が、約1週間~約1年の治療期間の間投与される、前記項に記載の方法。
[項25]
組成物が、約1週間~約9ヶ月の治療期間の間投与される、前記項に記載の方法。
[項26]
組成物が、約1週間~約26週間の治療期間の間投与される、前記項に記載の方法。
[項27]
組成物が、約16週間の治療期間の間投与される、前記項に記載の方法。
[項28]
乱視が、円錐角膜によって引き起こされないか又は円錐角膜に関連しない、前記項に記載の方法。
[項29]
乱視が、不正乱視である、前記項に記載の方法。
[項30]
乱視が、限局性乱視(例えば、円形乱視、楕円形乱視)である、項1~28のいずれか一項に記載の方法。
[項31]
乱視が、対称性乱視である、項1~28のいずれか一項に記載の方法。
[項32]
乱視が、非対称性乱視である、項1~28のいずれか一項に記載の方法。
[項33]
乱視が、蝶ネクタイ乱視である、項1~28、31、又は32のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】